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1997-12-11 第141回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十二月十一日(木曜日)     午前九時開議 出席委員   委員長 大畠 章宏君    理事 金子原二郎君 理事 金田 英行君    理事 佐藤 静雄君 理事 茂木 敏充君    理事 高木 義明君 理事 永井 英慈君    理事 中沢 健次君 理事 児玉 健次君       麻生 太郎君    石崎  岳君       木村 隆秀君    熊谷 市雄君       菅  義偉君    戸井田 徹君       吉川 貴盛君    渡辺 具能君       渡辺 博道君    古賀 一成君       島津 尚純君    岩田 順介君       中西 績介君  出席国務大臣         通商産業大臣  堀内 光雄君         労 働 大 臣 伊吹 文明君  出席政府委員         資源エネルギー         庁石油部長   林  良造君         資源エネルギー         庁石炭・新エネ         ルギー部長   篠原  徹君         資源エネルギー         庁公益事業部長 奥村 裕一君         労働省職業安定         局高齢障害者         対策部長    中野 秀世君         労働省職業能力         開発局長    山中 秀樹君  委員外出席者         文化庁文化財保         護部記念物課長 合田 隆史君         運輸省港湾局計         画課長     川島  毅君         建設省道路局国         道課長     城処 求行君         建設省道路局地         方道課長    村岡 憲司君         建設省住宅局住         宅整備課住環境         整備室長    池田富士郎君         自治省財政局交         付税課長    荒木 慶司君         商工委員会調査         室長      野田浩一郎君     ――――――――――――― 十一月二十六日  池島炭鉱維持存続に関する陳情書  (第一八八  号) 十二月八日  池島炭鉱維持存続に関する陳情書  (第四二〇号)  池島炭鉱維持存続産炭地域指定解除に伴う  激変緩和措置に関する陳情書外一件  (第四二一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  石炭対策に関する件  石炭政策確立に関する件      ――――◇―――――
  2. 大畠章宏

    大畠委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石崎岳君。
  3. 石崎岳

    石崎委員 おはようございます。自由民主党の石崎岳であります。  石炭関係について御質問をする前に、今、京都でCOP3が大詰めであります。現在の時点で閉幕をしたかどうか確認をしておりませんけれども先進国数値目標ということが打ち出されまして、当初の日本の提案よりもかなり進んだ案が先進国間では合意された模様であります。三種類から六種類ということで枠を広げて、日本は六%ということであります。当初よりはかなり高いハードルになったということでありますけれども、このCOP3の合意最終合意にはまだ至っていないようでありますが、それについて大臣の御所見をまず伺います。
  4. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  御存じのように、十二月一日からずっとロングランの交渉が続いておりまして、最終日を過ぎてなおかつきょうまで閣僚会議などが進んでいるわけであります。その間、十二月の十日の深夜から議定書採択のための全体委員会が開催されて、条文ごと審議が行われておりますが、全体委員会採択後、COP3総会で議定書採択される予定になっております。  現在のところ、いろいろと新聞には報道されておりますが、確定的なものになっておりませんので、その都度、内容が変わったり、変化をしたりいたしております。例えば、途上国の自主的な約束の第十条というようなものは、最初、十条は入るような予定になっておりましたけれども、これは途中で飛んでしまいまして、なくなってしまったとか、あるいは排出権の取引の問題につきましても、最初、非常に強固なものでありましたのが、途上国の反対で、今、どのような状態になるかということがまた決まっておらないというような状態でございまして、現状においては全く。それと、全部。パッケージになりまして最後結論が出るものですかり、今お話のございましたようなパーセントにつきましても、最後パッケージの中で結論が出るわけでありますから、今の状態では、どういうところに落ちつくかというコメントは差し控えさせていただきたいというのが現状でございます。
  5. 石崎岳

    石崎委員 間もなく最終的なものが決まるというふうに思いますけれども、また次の機会に御質問させていただきます。  変わって、国内石炭状況について御質問をさせていただきます。  私も北海道でありますが、現在、北海道と長崎だけ、二鉱が国内で残った炭鉱ということであります。御承知のとおり、平成四年度からの新しい石炭政策、九次とは言っていないようでありますけれども、新しい石炭政策が進行中でありまして、この石炭政策においては、九〇年代を国内石炭産業構造調整最終段階であるというふうに位置づけて、国民経済的役割負担均衡点まで国内炭段階的縮小を図るということがうたわれております。ところが、この新石炭政策がスタートした前半で、かなりの炭鉱がどんどん閉山をしていった。段階的縮小というよりは、かなり速いペースで進んでいったという印象があります。  そこで、九〇年代も残すところあと二年ということでありますから、この九〇年代での最終構造調整というものも最終コーナーに入ったかなという印象であります。現存の二炭鉱をどうするかということが大きな問題として残っております。日本から炭鉱というものがすべてなくなっていいのだろうか、なくなったらどういう影響があるのだろうかということを考えなければならないというふうに思います。これはもう日本だけのことではなくて、世界的な炭鉱開発を抱えている国に対してどういう影響があるか、海外炭輸入ということにどういう影響があるかということまで考えていかなければならない問題だろうというふうに思っております。  そういう中で、大臣、単刀直入にお聞きしますと、太平洋池島でありますが、いろいろな要素があります。電力業界からは安い海外炭にしたいという要望もあるでしょうし、石炭勘定といったような予算上のものに対して石油業界からの不満もあるということであります。そして、大前提としては、三倍という内外価格差があるという現状の中で、太平洋池島をどうするのか。石鉱審議論されているということはわかっておりますけれども大臣として、政治家として、どういうお考えを持っていらっしゃるかということをお聞きしたいと思います。
  6. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えをいたします。  先生のお話のとおり、我が国は年一億三千万トンの石炭輸入をいたしておりまして、世界第一の石炭輸入国でございます。したがいまして、今後とも石炭安定供給を確保いたしてまいりますには、我が国みずから海外炭鉱開発を行うことや、あるいは産炭国に対する技術協力を進めるというような問題、石炭供給国との良好な関係を構築していく必要があるわけでございます。  そういう観点から考えますと、豪州あるいは中国、インドネシア等産炭国からの要請を踏まえまして、我が国の有する世界有数生産技術あるいは保安の技術、こういうものを活用して、共同研究技術協力を現在も実施をいたしているところでございます。  こういうような状況の中で、我が国炭鉱技術石炭安定供給に果たす役割というものは大変重要なものでありまして、我が国炭鉱技術維持発展を図る上でも、太平洋池島、二炭鉱役割というものは非常に重要だということを考えております。石炭鉱業審議会企画小委員会の場において、こういうことを含めて御議論をいただいているところでございまして、その中での議論の深められることを期待しておりますが、私自身、技術面からの保存という意味からも、非常に重要な存在だというふうに認識をいたしております。
  7. 石崎岳

    石崎委員 通産大臣としては、現存炭鉱をぜひ残したいというふうに受け取りました。  そして、仮にその二鉱を残すとして、平成十四年度からのあり方ですね。そういう中で、現在はいろいろな面で価格差というものが守られている状態でありますけれども平成十四年度には、完全に経済原理にゆだねて、自由競争といいますか、海外炭国内炭が完全に全く自由な競争のもとにさらされてしまうのか、あるいは現状のような石炭政策という枠の中で買い取り義務といったものを課してある程度守っていくのか、どういう状態大臣としては考えていらっしゃいますか。
  8. 堀内光雄

    堀内国務大臣 そういう点に関しまして、今、先ほども申し上げましたように石炭鉱業審議会企画小委員会の場で御審議をいただいているわけでございまして、その委員会での審議の煮詰まりを見ながら対応してまいりたいと思っております。
  9. 石崎岳

    石崎委員 石鉱審議論議論としても、大臣政治あるいは行政といったものがどう考えるかという視点も大事だろうというふうに思います。政治のリーダーシップ、すべて審議会結論にゆだねるということではなくて、ある程度、ある意味では政治が引っ張っていく、判断をしていくという面があると思いますので、その辺よろしくお願いいたします。  その中で、佐藤通産大臣がことし電力業界に対して、電力コストの二割カット、二割ダウンをせよというような発言をなさいました。電力料金を下げるということは、国内経済にとっても非常に重要なことでありますし、経済的な影響も非常に大きい、プラスになる部分もありますが、一方で、電力石炭を納めている国内炭業界にとっては、電力の方のコストダウンということは、つまり、国内炭は高いということでもう引き取らないという方針というふうに、もうイコールに映りかねないということであります。  ですから、電力の方のコストダウンということと、国内炭存続させるということは、ある意味では二律背反、整合性がとれない問題でありますけれども、例えば、国内炭を残していくんだという方針の中では、電力コストダウンということと国内炭存続させるということの整合性政治的、行政的にどうとっていくのかというお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  10. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先に私から。さらに数字的な問題については事務方から御説明を申し上げることにいたします。  電気事業構造改革というものは、経済構造改革において非常に重要な分野の一つだというふうに私も考えておりまして、思い切って取り組んでいかなければならない問題だというふうには基本的に考えております。  そういう観点から、佐藤通産大臣による電気事業審議会への諮問、「平成十三年までに国際的に遜色のないコスト水準を目指し、我が国電力コストを中長期的に低減する基盤の確立を図るため、今後の電気事業は如何にあるべきか。」というものにこたえるために、現在、電気事業審議会においてあらゆる可能性を、加えて選択肢についての検討をしてもらっているところでございますが、私の引き継いでいる中においては、電力コスト二割削減という、二割という数字は聞いておりません。  先ほど申し上げた諮問内容については引き継いでおるということでございまして、先ほどから申し上げておりますような、石炭電力に占める重要性というものはこのコストの引き下げにもつながっておりまして、国内炭国外炭との関係をどういうふうにするかというのは、さらに数字的な問題になってくるだろうというふうに思っております。
  11. 篠原徹

    篠原政府委員 御質問をいただきました、電力コストダウン国内炭鉱存続整合性という点でございます。  御高承のとおり、現行ポスト八次石炭政策におきましては、毎年度、石炭鉱業審議会の場を通じまして、構造調整の遂行上必要な生産計画とこれに対応いたします需要見通しを策定いたしまして、これに基づきまして電力業界にお引き取りを御協力いただいているというのが実情でございます。  今後の問題でございますけれども電力業界によります国内炭引き取り協力の問題につきましても、今回、石炭鉱業審議会企画小委員会の場で現在御審議をいただいているところでございますけれども、この中で、石炭各社コスト削減に大幅に努力をしていくという方向性が表明されております。一方で、ユーザー側でございます電力業界からは、二〇〇一年までに国際的に遜色のないコスト水準とするということを目指しまして経営効率化が求められているという点で、非常に厳しい意見も出ておるところでございます。.現在、この小委員会では双方の意見が表明された段階でございまして、今後どういうふうにこの整合性を保ちながら新しい石炭政策を遂行していくかという点につきまして、この企画小委員会の場で今後議論を深めていただくというのが今後の日程でございます。私どもも、論点を整理いたしまして、議論委員会の場で深まるように努力してまいりたいというように思っております。
  12. 石崎岳

    石崎委員 大変難しい問題だと思いますけれども国内炭鉱を二つ残すという前提に立てば、電力に対して高いものを買わせるということの影響度がどの程度あるのかということを冷静に判断しなければならない。そのコストに対して国内炭引き取り影響度というのがどの程度あるのかということを十分考えて、そういう中で、炭鉱を残すという前提に立てば、経済原理に完全に任せるのじゃなくて、ある程度何らかの制度、仕組みを残すということがなければ、二炭鉱はなかなか経営的に難しいだろうというふうに私は思います。  そういう中で、もう一つ石特会石炭勘定というものもありますが、これに対しても石油業界等々から、もういいんじゃないか、制度的にどうだという、いろいろ不満、批判というものも出ております。石油のもうけを石炭産業存続に振り向けるというお金の使い方でありますけれども、この石炭勘定の将来像といったものをどうとらえておりますか。
  13. 篠原徹

    篠原政府委員 現行石炭勘定は、九〇年代を構造調整最終段階位置づけております現行石炭政策を円滑に遂行するということで、十三年度末までの期限をもって設定されているところでございます。現在、私ども、この石炭勘定に基づきまして、石炭鉱業構造調整対策産炭地域振興対策鉱害対策労働対策等のそれぞれの施策を着実に十三年度末に向けて実施に努めているところでございます。  御質問がございました十四年度以降どうするかという点につきましては、私ども現行ポスト八次策を着実にかつ最大限努力していくというのが現下の責務でございまして、十四年度以降の問題につきましては、現時点では白紙でございます。
  14. 石崎岳

    石崎委員 現時点白紙ということでありますが、平成十四年から全くそれがなくなってしまうと、地域振興等々いろいろなことに予算が使われている中で、平成十四年から全くそれがなくなってしまうということの影響というのははかり知れないわけでありますから、何らかの方策を考えていただきたいというふうに思います。  そういう中で、石炭勘定地域振興にも非常に貢献をしている制度でありますけれども北海道地元のことばかり言って恐縮でありますけれども、我が北海道の場合は、空知地方というのは全国有数産炭地でありまして、ここが、八次策そして現在の新政策下において続々と炭鉱閉山をしていった、八次策以降七つの山が閉山をしたという状態であります。離職者は六千人余りということであります。大変な構造変革、その地域にとっては非常に大きな影響が出ております。ほとんどのところが炭鉱町、炭鉱城下町でありますから、炭鉱にかわる大きな産業がほとんどない。  そういう中で、それぞれが、今、地域活性化の中で苦労をされているということであります。炭鉱だからではありませんけれども、塗炭の苦しみにあえいでいるということだろうと思います。例えば、二年前に閉山をしました空知炭鉱があります歌志内市は、人口がわずか六千五百人ということであります。歌志内市、市でありますけれども人口が六千五百人。財政力指数は〇・一二ということであります。ほとんど財政力がないといいますか、非常に財政力に乏しい町であります。そういう中で、それぞれが、地域崩壊の瀬戸際で、知恵を出し合いながら、隣接する市町村が助け合いながら、今、展望を切り開こうとしているさなかであります。  この地域振興について、空知では空知地域振興基本構想というものがございます。現在三十の事業が進められているということでありますけれども、この空知地域振興基本構想に対する支援策といいますか、どういうバックアップをされているのか。産炭地域振興臨時交付金という制度もいろいろございますけれども、そういう中でどういうバックアップをされているのか、どういう対応をされているのかということをお聞きします。
  15. 篠原徹

    篠原政府委員 御質問いただきました空知地域振興基本構想でございますけれども、これは、産炭地域振興実施計画の枠組みの中で、当該実施計画の円滑な推進実効性をより高めるものということで承知いたしております。このため、当省といたしましても、空知地域の総合的な振興ビジョンでございます空知地域振興基本構想の策定に対しまして、これまでも産炭地域振興臨時交付金等によりまして支援をしてまいりました。また、同構想推進協議会によりまして、本構想を踏まえた広域的連携で進める優先的事業といたしまして、ただいま御質問いただきました合計三十プロジェクト整備されているところでございます。  去る十月二十三、二十四日にかけまして、産炭地域振興関係省庁等連絡会におきましても現地視察を開催いたしまして、主なプロジェクト現地視察を行ったところでございます。  今後とも、個々プロジェクトにつきまして、その事業内容及びアクションプログラム等を精査いたしまして、関係省庁等及び北海道庁とも協力をしながら、地元におきます事業具体化を待ちまして、必要な支援あり方について検討してまいりたいというふうに思っております。
  16. 石崎岳

    石崎委員 ちょっと細かい話になりますけれども産炭地域振興臨時交付金というものがあって、地元からは、その調整額調整引き上げ率交付率引き上げ、あるいは、それを市町村単独事業にも適用してほしいといったような要望が出されております。それから、閉山処理多額起債地元自治体は行っているわけでありますが、その起債償還についてもこの交付金から財政支援ができないかという要望が出ておりますけれども、いかがでしょうか。
  17. 篠原徹

    篠原政府委員 今御指摘いただきましたとおり、私ども地元関係自治体等から、地元自治体多額起債を行っておる、しかしながら、起債償還について何らかの財政支援ができないだろうか、あるいは、償還額の一部につきまして新債を許可できないだろうかという陳情を受けていることは事実でございます。地方財政法上の難しい問題、あるいは最近の財政構造改革という制約等々、いろいろ難しい問題を抱えているところでございます。  いずれにいたしましても、今後、個々プロジェクト具体化段階におきまして、地元ともよく意見をすり合わせまして、必要な支援策あり方について検討してまいりたいというふうに思っております。
  18. 石崎岳

    石崎委員 それぞれの自治体が、今大変な苦しみの中で、どうするかということを知恵を出し、もがき苦しんでいるといった実態であります。そういう中で、とにかく産業をどうするか。働き口がなければ人がどんどん流出をしてしまうわけでありますから、働く場、働き口をどう確保するか、産業をどう興すかということが、それぞれの地域産炭地、旧産炭地の大きな課題になっております。  そういう中で、今それぞれが観光といったものに非常に力を入れております。「炭鉱から観光へ」というキャッチフレーズがありますけれども観光に力を入れている。その中で、やはり交通のインフラといったものがどうしてもかぎになってくる。交通網が発達しなければ、その地域だけ観光だといったって、お客さんが来ないということになります。  この空知の五市一町が、長年にわたって国道四百五十二号線の整備促進要望を行っております。しかし、非常に難しい場所だということを私もお聞きしておりますけれども、なかなか見通しがついていない、時間がかかっているということだそうであります。これらの地域にとっては、道路ができるということが、単に少し便利になるというだけではなくて、地域にとって死活問題である、生きるか死ぬか、残るかどうかといった、地域にとって非常に大事な問題である。その道路が開通するかどうかということが非常に重要な問題になっているという地域であります。  いわば生命線ということの国道位置づけということでありますけれども、この四百五十二号線の整備展望について、どうなっているのか、お聞きします。
  19. 城処求行

    城処説明員 一般国道の四百五十二号でございますが、これは夕張市から旭川に至る路線でございまして、御指摘をいただきましたとおり、空知のこの地域を縦貫する大変重要な幹線道路であるわけであります。そういうことで、平成五年度にこの路線国道に昇格をいたしまして、その整備を進めているということであります。  ただ、これも御指摘いただいたとおりでありますが、現状ではまだ、交通不能区間でありますとか、冬になりますと通ることができない区間、あるいは未改良の区間が残っているわけでありまして、その整備を急ぐ必要があるというふうに考えております。  そこで、不通区間につきましては、芦別市側につきましては盤の沢道路、あるいは旭川市側におきましては五稜道路ということで事業採択いたしまして、現在、用地買収をし、一部ではありますが工事に着手していこうということであります。  また、冬期の交通ができない区間につきましても、三笠市内におきまして、幾春別道路ということで、これも事業に着手をいたしまして、用地買収をし、工事にかかっているということであります。  また、その他の区間につきましても事業を進めておりますが、奥芦別道路につきましては、今年度事業を進めまして、十一月、先月でございますが、一応完成をすることができたということであります。  今後とも必要な区間から順次着実に整備を進めていく必要があると思いますし、建設省としても最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。
  20. 石崎岳

    石崎委員 芦別から旭川に抜ける道路、これは難所だそうでありますけれども、一日も早い開通をお願いします。  冒頭にも申し上げましたけれども、現在の石炭政策においては、九〇年代は国内石炭産業構造調整最終段階であるという位置づけであります。そして国民経済的な役割負担均衡点まで縮小していくということでありますから、国民経済的な役割といったものが何なのか、国内炭に対してどういう役割が今後求められているのかということを十分判断をして、その上で、構造調整最終段階を終えた後、二鉱を残して、国際的にも非常に重要な役割を付加していくということが、政策最終判断としては非常に重要なのではないかと私は思っております。  そういった意味で、石構審企画小委員会での論議を見据えながら、ぜひ政治的、大所高所の判断をしていただきたいなという思いであります。  質問を終わります。
  21. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、高木義明君。
  22. 高木義明

    高木委員 新進党の高木でございます。  限られた時間ではございますが、私は、石炭政策、とりわけ国内炭鉱並びに国内炭役割必要性について、この際政府考え方をお伺いをしておきたいと思っております。  御承知のとおり、本年三月、国内最大の炭鉱でありました三池炭鉱閉山をいたしました。平成八年実績では二百十九万トンの生産規模を誇っておりましたが、あと、我が国には、長崎県の松島炭鉱、年間生産量百二十万トン、そして北海道太平洋炭鉱、年間生産量二百十三万トン、この二つの炭鉱が残るだけとなりました。  この炭鉱の今後のこと、あるいは国内炭そのものの意義について、今石構審で慎重な議論がなされていることを承知をいたしておりまして、この議論の経過を踏まえて、まず初めに、海外からの技術協力の要請について、この際お尋ねをしてみたいと思っております。  我が国炭鉱は、世界でも数少ない海底炭鉱開発技術、そして炭鉱そのものがどんどん深くなっている、いわゆる深部化による保安、生産技術のすばらしいノウハウを保有しておることは言うまでもありません。例えば、私も先月、長崎県の池島鉱に入坑する機会がございました。地下六百五十メートル、そして坑口から海底に八千メーター、八キロという長い坑道になっておるわけであります。そういう中でも、安全が優先という立場から、集中管理システムなど長年にわたって蓄積された高度な技術を持っておる、このように私は確信をしておるわけです。  一方、海外からは、将来に向けて露天掘りから坑内掘りに変わる比率がだんだん高まっていくであろう、そういう意味で、我が国の採掘技術石炭技術協力の要請が今高まっておると私は承知をしておりますが、その実情について、まずお伺いをしておきたいと思っております。
  23. 篠原徹

    篠原政府委員 現在、我が国への最大の石炭供給国でございます豪州や、世界最大の石炭生産、消費国でございます中国、また急激に石炭消費が拡大いたしておりますインドネシア等のアジア・太平洋産炭国から、我が国石炭生産、保安技術についての協力要請が数多く寄せられているところでございます。  非常にたくさんございますが、二、三例を挙げさせていただきたいと思います。例えば豪州からの要望でございますけれども、採掘深度の増加に伴いまして必要となります高効率な生産技術の要請、特に掘進技術についての共同研究を行いたいというような要請がございます。また、保安分野におきましても、日本の高度な集中監視あるいは機器の自動制御技術に関する協力をお願いしたい、あるいは炭鉱のガス抜き技術についての共同研究を行いたい等々、最大の生産国でございます豪州からも以上のような要請が参っておるところでございます。  このような技術協力要請に対しまして、我が国といたしましては、石炭安定供給の確保及び世界最大の石炭輸入国としての責務の観点から、我が国国内炭鉱で培われてまいりました世界有数生産、保安等の技術を活用いたしました共同研究あるいは技術移転、技術者交流等の国際協力事業を近年大幅に拡大し、充実させているところでございます。
  24. 高木義明

    高木委員 石炭安定供給ということと我が国炭鉱技術の関連性についてお尋ねします。  今お答えがありましたように、我が国炭鉱技術というのは極めて高度なものであって、国際的な技術貢献を果たしておる、そして今後の石炭供給の安定のためにもこれは重要な要素である。去る十一月二十八日に開かれました石鉱審企画小委員会の中では、国内炭鉱技術の国際的活用はコマーシャルベースで行われるはずであって、先ほど申しました国内炭鉱技術の維持が必ずしもエネルギーセキュリティー上必要不可欠と言うことはできない、こういう意見も述べられております。  そこで、私はまず第一に、我が国のこのような高度な技術、まさに貴重な日本の財産であるわけであります。それは、あらゆる坑内の炭層、また独特の地質条件にも対応できるものでありまして、まさに国内にそのような生産拠点があってこそ初めて技能者の養成ができるものだ、このように考えております。  第二に、そのような炭鉱技術の活用によって、海外炭鉱に持つ我が国の企業の権益は、今、約一億三千万トンの全輸入量のうちの四〇%相当を占めておると言われております。そして、そのことによって国内への安定供給に貢献をしておる。さらに、海外への技術協力は、市場のコマーシャルベースだけではなく、エネルギー事情の変化、これは国際情勢が絡むわけでありますが、そういうことに対しても、きちっと信頼関係を醸成しつつ、必ずやそれが我が国に役立ってくる、こういう考え方に立っておるわけであります。  今私が二点の指摘をしたことについて、これはまさに石炭安定供給を図る見地から、大臣の御所見をお伺いをしておきたいと思っております。
  25. 堀内光雄

    堀内国務大臣 今後のエネルギーの事情の変化の中におきましても、石炭石油代替エネルギーとして、一次エネルギーの供給の一六・五%、約一七%を占める根幹的なエネルギーとして我々は認識をいたしているわけであります。  海外からの輸入石炭需要のほぼ全量を依存している我が国としては、海外からの石炭安定供給を確保するためには、先ほどから先生の御指摘もございましたような、海外における探査活動への協力だとか石炭資源の開発輸入の円滑化に向けての努力を図るとか、あるいは炭鉱技術を活用した産炭国との共同研究技術者の交流等の技術協力などを実施して成果を上げているわけでありまして、これはやはり国内における炭鉱技術炭鉱存続というものが大きな意義を持って初めて成果を上げているものだというふうに思っております。今後とも、こういう施策を推進しながら、石炭の一層の安定供給を確保できるように努めてまいりたいと思っているわけでございます。
  26. 高木義明

    高木委員 また、ベストミックスという観点がございます。電源のベストミックスにつきまして、今言われておる内容について、また当局としての考え方について、この際、改めてお伺いをしておきたいと思います。
  27. 奥村裕一

    ○奥村政府委員 お答え申し上げます。  電力の供給に当たりましては、先生御指摘のエネルギーセキュリティーの観点及び経済性を踏まえつつ、さらには地球環境問題などにも配慮した上で、最適な電源構成、これをいわゆるベストミックスと申し上げておりますけれども、この構築を図るということが必要であるというふうに認識をしてございます。  この観点から、例えば原子力につきましては、二酸化炭素、CO2など環境負荷が少ないという環境特性、あるいはすぐれた燃料供給及び価格の安定性、そういう特性を踏まえて、昼夜を通じまして供給するベースの供給力として位置づけてございます。また、石炭火力につきましては、燃料供給の安定性あるいは経済性などを有しておりますので、そういう観点から、ベースの電源あるいはミドルの供給力ということで考えてございます。また、LNGにつきましては、すぐれた環境特性、あるいは出力の調整が非常に楽である、こういう機能を持っておりますので、ミドルの供給力あるいはピークの電源として位置づけてございます。  今後とも、こうした諸要素につきまして総合的にバランスをとりながら、電力の効率性が要請される中で、ベストミックスを考えてまいりたいというふうに考えております。
  28. 高木義明

    高木委員 エネルギーセキュリティーということについて触れたいと思います。  国内炭は、これまでも出ておりましたが、もはやエネルギーセキュリティーに寄与しているとは言いがたいという論議がございます。しかし、今私たちが使う電力、そしてその電力の源となる一般炭、これは年間約四千三百万トンでございます。そのうち約半分の二千万トンがオーストラリアから輸入されておる石炭でありまして、次に国内炭が約四百万トンで一割を占めており、量的には二番目ということになってくるわけです。原料炭を含む石炭全体の需要から見れば一二%であっても、電力供給におけるベストミックスの観点からいえば、国内炭もエネルギーセキュリティーの一翼を担っておる、私はこう考えておるのですが、その点についての御所見をお伺いしておきたい。
  29. 篠原徹

    篠原政府委員 国内炭生産量の我が国石炭需要に占める割合でございますけれども、先生御指摘ございましたとおり、今年度には約三%程度となる見込みでございます。そういう意味では、国内炭の量的な役割は縮小してきているというのは事実であろうかと思います。  電力業界につきましては、電力用一般炭のうち、豪州炭に次いで、国内一般炭が約一割ということで二番目の大口供給であるという点でございますけれども、確かに先生御指摘のような議論もあるのも事実でございます。他方、これはポスト八次石炭政策におきまして電力業界国内炭引き取り協力を求めている、その結果として一割程度になっているということであって、このことをもって国内炭の量的な役割議論するのは適当ではないという意見も一方にあることも事実でございます。  いずれにいたしましても、いろいろな意見がある段階でございまして、今後エネルギーセキュリティーも含めましたエネルギー政策観点から、石炭鉱業審議会企画小委員会審議を通じまして、もう少し深い、あるいはいろいろな角度からの議論をお願いしてまいりたいというふうに思っております。
  30. 高木義明

    高木委員 いわゆる内外価格差の問題も重要であります。  そこで、ユーザー、とりわけ電力業界協力についてでありますが、今日まで内外価格差をめぐって我が国炭鉱も相当思い切った構造調整、合理化等コスト削減努力をしてきております。また一方、ユーザーの電力業界にしても、一つの重要な柱として経済構造改革を進める上で、社会的要請として国際的に遜色のないコスト水準を目指して、これまた企業努力が続けられておるわけであります。  こういう中にあって、ベストミックスを考える上において、国内炭価格は海外炭価格だけではなく重油などの他の燃料の価格と比較した上で評価すべきである、このような意見と、あくまで海外炭価格と比較すべきとの意見に分かれるところであります。石炭関係者の間では、国内炭のキログラム当たりの発熱量六千キロカロリーをC重油に置きかえた七年度ベースの価格、トン当たり一万三千八十円、これまで段階的に引き下げる自助努力を行い、そしてユーザー側協力を得たい、こういうことを決意をし、またもくろまれておりますが、この点について御所見をお伺いしておきたいと思います。
  31. 篠原徹

    篠原政府委員 これまで五回開催いたしました石炭鉱業審議会企画小委員会議論の中で、今後国内炭鉱会社が、労使一体となりまして、価格引き下げのため合理化努力を行っていくという表明をいたしているのも事実でございます。一方、ユーザーでございます電力業界は、経済構造改革という中で経営効率化が求められているところでございまして、平成十三年度以降は石炭の自由取引にしてほしいという意見が出ているのも事実でございます。とりあえず五回までの議論では、双方から今申し上げましたような意見の開陳がございました。今後この双方の意見を十分に議論を深めまして、企画小委員会の場でいろいろな角度から審議が深まっていくということを期待いたしております。  私ども事務当局といたしましては、先生御指摘のございましたように、これからのエネルギーのベストミックスあるいは安定供給等いろいろな角度からこの小委員会議論が深まりますように、データあるいは資料の整備あるいは論点の整理等々を尽くしまして、小委員会での議論が深まり、一定の方向性が出るということを期待いたしているところでございます。
  32. 高木義明

    高木委員 そこで、国の石炭政策というのが重要になってくるわけでございます。  国内炭に対する負担という観点から見ますと、例えば石油の場合、年間五千三百億あるいは五千五百億と言われる国の予算が使われております。国内炭内外価格差といわゆる生産支援に対しては約四百億円でございます。一次エネルギーに占める割合を見てみますと、石油が五五・八%、石炭が一六・五%、こういうことになっております。これから考えても、私は石炭に対する支援石油より少ない、こういうことが言えると思うのであります。  私の調査による試算におきましては、電力料金から見ますと、これは平成八年度実績でありますが、電力九社の支国会計は十四兆九千億円に対して、国内炭引き取り額は五百九十八億円で、〇・四%の割合でございます。また、電灯電力総合単価はキロワット・アワー当たり十八円七十九銭、その中で負担額は、これは小数点で今のお金の単位からするとぐあいが悪いですが、キロワット・アワー当たり七・七八銭。これは標準家庭四人世帯の電力消費量の年間三千三百六十キロワット・アワーで換算しますと、負担額は年間二百六十一円であります。  私は、これは現在において、国民経済的な均衡点という言い方がありますが、これに近い状況ではないのか。この程度であれば、国民は大切な我が国資源エネルギー石炭位置づけに対して容認できる範囲ではなかろうか、私はこのように思料しておるところであります。  二〇〇一年以降、国の支援あるいはユーザーの協力がなくなれば、国内炭鉱コスト低減対策を進めても極めて厳しい経営状況になる、これは必至であると私は思うわけであります。今後のエネルギー需要を予測をしていきますと、国内炭鉱は、海外炭安定確保のために、技術的な拠点にも当然役割を果たしておりますし、したがって、国内炭鉱存続についてはぜひそのような政策的な決定が必要であろうと私は考えるわけです。  また、国のエネルギー政策としての位置づけの中で、これはエネルギー政策というよりもむしろ社会政策の視点から論議すべきだ、こういう意見も出ております。その点ひとつ、私が今申し上げました国内炭存続という見地から、通産省としての基本的な考え方をお示しいただきたい。
  33. 篠原徹

    篠原政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり、私ども現在この石炭鉱業審議会企画小委員会で御議論いただいておりますのは、国内炭の将来をエネルギー政策観点から検討を進めるという点でございます。  エネルギー政策観点から国内炭国民経済的役割を評価するに当たりましては、まず第一に、エネルギーセキュリティーの観点に立った石炭位置づけが必要かと思います。第二に、石炭安定供給を図る上で、炭鉱技術維持発展させ、産炭国技術協力に活用することの意義について、その意義づけが必要になるかと思います。第三に、石炭安定供給を確保する上での日本国内炭鉱の意義を意義づける必要があろうかと思います。そういった三つの観点につきまして検討を進めていく必要があろうというふうに考えております。  一方、エネルギー政策観点から申し上げますと、国内炭の国民経済的な負担について検討することも必要でございまして、その際には、内外炭価格差などの国内炭の経済性に関する検討が必要でございます。  以上のように、エネルギー政策としての位置づけにつきましては、国民経済的な役割負担との両面から、また、今後の我が国の経済情勢等も考慮しながら検討を進めていくことが必要であろうということで、現在、鋭意、企画小委員会あるいは石鉱審という場で御議論を深めていただいているところでございます。
  34. 高木義明

    高木委員 私は国内炭について、エネルギー政策としての位置づけあるいはまた社会政策としての位置づけ、いずれにしましても、我が国の貴重な人的財産でもあり、そしてエネルギー資源でもある、その活用は今後とも必要であろう、そういう意味で、国を挙げて、新たな財源対策を含めてぜひ積極的な検討をお願いをしたい、このように思っております。  石鉱審議論も展開中でございますから、今すぐここで大臣にどうかとお尋ねしたいのですが、いろいろ含みもあるかもわかりませんが、もし差し支えなければ、御所見もいただきたいと思っております。いいでしょうか。
  35. 堀内光雄

    堀内国務大臣 審議会の答申というものをそのまま受け取ってというものではもちろんないと思います。その際における政治的な判断国内の事情その他を含めて、それを受けとめながらしっかりとした対応をしてまいりたいと思っております。
  36. 高木義明

    高木委員 時間も迫ってまいりました。大臣におかれましては、地球温暖化防止京都会議COP3、大変御苦労さまでございました。私どもが今取り組んでおる石炭産業そのものが、まさに環境問題と密接なかかわり合いがあります。したがいまして、いわゆる石炭の有益性とCO2削減の要請への対応について、この際ひとつ当局側の考え方を聞いておきたいと思います。
  37. 堀内光雄

    堀内国務大臣 石炭は、他の化石エネルギーに比べまして埋蔵量が非常に大きくて、しかも世界に広く分布されているわけでございまして、供給安定性には最高にすぐれているというふうに思っております。したがいまして、我が国としましては、石油の代替エネルギーの柱としてその導入を今までも進めてきておりますし、今後もエネルギー供給上、石炭に一定の役割を期待をせざるを得ないものと判断をいたしております。  一方におきましては、石炭においては、燃焼時に非常に多くの硫黄酸化物、窒素酸化物を排出するとともに、ほかのエネルギーに比べまして二酸化炭素の発生量が非常に大きいというようなことから、酸性雨あるいは地球温暖化等の地球環境への影響についても非常に大きな影響を及ぼすということが言われておりますが、その点についても配慮をする必要があるというふうに思っております。  そのために、エネルギー需給の安定性あるいは地球環境問題の観点から、発電効率の向上のための石炭ガス化複合発電あるいは脱硫、脱硝技術等のクリーンコールテクノロジーの研究というものが非常に重要だというふうに考えて、その研究の普及と対策に取り組んでまいっておるところでございまして、通産省としては、今後とも、現在実施しておりますクリーンコールテクノロジーの研究開発及びアジア諸国に対する技術協力推進してまいりまして、石炭のエネルギーにおける存在を、環境とも両立できるような方向で持ってまいりたいと思っております。
  38. 高木義明

    高木委員 時間も来ましたので、最後に一点だけ。  国内炭存続とあわせて、産炭地振興策というのも大切であります。やむなく閉山を余儀なくされた地域への振興策、これは先ほどからも質問が出ておりますように、北海道や福岡県、熊本県を初め、例えば私の地元の長崎県もその一つであります。それぞれの地域では、地域の疲弊を防止するためにそれぞれの工夫がされております。  既に産炭地域振興実施計画、それぞれの地元から掲げられておりますこの事業に沿って、特に、例えば交通アクセスである道路整備というのも大きな課題であります。そのためには、何といいましても石特会計の石炭勘定の確保が必要になってくるわけでございますが、我々はぜひこの確保を強く求めたい。最後に、これに対する御所見を伺いまして、私の質問を終わります。
  39. 堀内光雄

    堀内国務大臣 あとは事務方から説明を申し上げますけれども、今後の決意のような意味を私の方から申し上げるべきだと思います。  産炭地域振興実施計画実効性を確保するために、各種の施策の着実な実施にしっかりと取り組んでまいる覚悟でございます。
  40. 篠原徹

    篠原政府委員 産炭地域振興対策の主要財源でございます石炭勘定の中の原油等の関税でございますけれども、本年度より原油等の関税率の一部引き下げ等がございまして極めて厳しい財政状況ではございますけれども、そうした中でも、今後とも、産炭地域振興実施計画に沿った各種の施策が着実に実施ができるように、その予算面につきまして最大限の努力をいたしてまいる所存でございます。
  41. 高木義明

    高木委員 どうもありがとうございました。終わります。
  42. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、島津尚純君。
  43. 島津尚純

    ○島津委員 新進党の島津尚純でございます。  私は、閉山から九カ月が過ぎようとしております三池炭鉱閉山対策につきまして質問をさせていただきたいと思います。  前回、六月十二日の当委員会におきまして、私は三池問題につきまして種々お伺いをいたしたわけでありますが、その後半年以上の時間が経過をしておるわけであります。関係省庁の御尽力によりまして大変うまくいっておる問題もありますし、なかなか難しいというところでうまく進んでいないというような問題もあるわけであります。  そこで、約半年経過しておるわけでありますので、この間の政府の取り組みの概要につきまして、十四省庁の取りまとめ役であります通産大臣にまずお伺いをさせていただきたいと思います。
  44. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生の御指摘のとおり、本年四月二十三日に産炭地域振興関係省庁等連絡会を開催し、十五省庁の取りまとめを行ってまいっているわけでありますが、地元自治体の御要望等を踏まえまして、炭鉱離職者の再雇用の問題、あるいは地元の商工業の方々の経営安定等にかかわる緊急対策、それから新産業の創造、物流機能等の整備、都市機能の整備促進などにかかわる重点地域の振興対策を柱とする閉山対策を政府で取りまとめたところでございます。  その後、十月六日には産炭地域振興関係省庁等連絡会を開催をいたしております。同対策の進捗状況につきましてフォローアップを行ったところでございまして、同対策が着実に進捗しつつあることが確認をされております。  さらに、十月の七日から八日にかけまして各省庁等連絡会による現地視察を行うとともに、地元地方自治体関係者との意見交換も行いました。  通産省といたしましては、今後とも、各省庁などとの緊密な連絡をとりながら、関係各省庁間の連絡会を必要に応じて開催をいたしまして、対策の進捗状況を把握したり、閉山対策に遺漏のないように万全を期して取り組んでまいる覚悟でございます。
  45. 島津尚純

    ○島津委員 今申されたような御尽力に対しまして感謝を申し上げる次第であります。  地元の大牟田あるいは荒尾両市では、閉山影響がこの数カ月、日を追って各方面に出てきておるという状況であります。  七月に退職金が支払われました後は、一時、言葉には語弊がありますけれども閉山景気みたいな雰囲気があったわけであります。ある方は家を建てられる、ある方は車を買われる、あるいは、奥さんに本当に長い間苦労させたなということで何か贈り物をされるというようなことで、一時期このような雰囲気が生まれたものであります。しかし、夏が過ぎて、秋になった。このような雰囲気は影を潜めてしまい、デパートやタクシーやあるいは飲食店の売り上げは大きく落ち込み始めておるのであります。  現在世の中はボーナスのシーズンでありますが、離職者の皆さん方にはもうボーナスはないわけであります。地元のこの年末は実に寒々しいものになるだろう、このように言われておるわけであります。つかの間のにぎわいが去って、今地元には厳しい現実が忍び寄ってきているのであります。  また、中央ではいわゆる大型倒産が続いておるわけでありまして、関係者の皆さん方は、そのような問題で三池の問題はもう忘れ去られてしまうのではないか、このような心配をされておることも事実であります。  そこで、大臣先ほど決意の一端を述べていただいたわけでありますが、大臣の積極的な指導力というものを私たちは期待をさせていただくわけでありますので、恐縮ですが、いま一度大臣の力強い取り組みに対する決意というものをお聞かせいただきたいと存じます。
  46. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先生の御指摘のとおり、非常に今日本じゅうがどうも厳しい状態の中で、離職をなされた方々のお立場というものは本当に察するに余りあるものがございます。  当省といたしましても、三池港の活性化を図る観点から、同地域への企業誘致を非常に重要視して考えておりまして、今後とも、地域振興整備公団等による企業誘致活動の推進などを行って地域の活性化を図っていく、あるいはその他の対策に真剣に取り組んでまいりたいと思っておりますが、具体策につきまして、担当の事務方の方から御説明を申し上げます。
  47. 篠原徹

    篠原政府委員 ただいま大臣からお答えいたしましたとおりでございますけれども、本年四月二十二日、また十月十六日、東京で開催されました企業立地セミナー等の場におきまして、当省からも、三井港後背地の臨海部等の炭鉱跡地への企業立地を強力に呼びかけたところでございます。こうした成果も一部出ておりまして、本年七月一日には、大牟田市と株式会社テノックス九州との間で企業立地協定書の調印式も実施されたところでございます。  今後とも、大臣の御指示にございましたとおり、企業誘致活動、これは地域振興整備公団のみならず、地元自治体とも相協力いたしまして、その相乗効果を図りながら進めてまいりたいというように思っております。
  48. 島津尚純

    ○島津委員 次に、雇用の問題に移らせていただきたいと思います。  閉山対策の中で最も難しい、しかも重要な問題は、雇用対策であるというふうに思われます。  六月に私が質問をいたしましたときに、再就職が決まっておられる方が百三十九名、約一割であるというふうにお答えをいただいたわけでありまして、立ち上がりとしてはこれは大変少ない数字だなという印象を持ったわけでありますが、その後、この再就職の状況というものがどのくらいになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  49. 中野秀世

    ○中野政府委員 三井三池炭鉱離職者の雇用状況につきましては、十二月一日現在、直轄、下請、関連等を含めまして千四百四十九名の方々が公共職業安定所に求職申し込みをされておりまして、そのうち四百八名の方々が現在までに就職されたところでございます。
  50. 島津尚純

    ○島津委員 この数字は恐らく三割ぐらいの数字じゃないかというふうに思うわけであります。  私は、同じく六月の質問におきまして、四千人以上の求人がありながら決まった方がわずか百三十九人、大変少ないというようなことを申し上げたわけです。求人は大変多いのだけれども成果が上がらない、その原因は何だろうかということを申し上げたわけですが、そのときに、地元の求人が少ない、皆さん方は九割以上が地元で再就職をしたいと言っておられますが、少ない。その上に、離職者の平均年齢は四十八歳であったわけでありますが、四十五歳以上の求人が大変少ない。地元が少ない、四十五歳以上の求人が少ない、だから実効性が上がらないんだというふうに申し上げてきたわけであります。  ですから、本当にやる気ならば、成果を上げるためには、この四十五歳以上の就職対策に焦点を当ててやるべきではないでしょうかという提案を申し上げました。それに対して労働省の方では、ぜひそのようなことで取り組ませてもらいますというようなお答えもいただいておるわけであります。  それで、八月、九月、そういうところで二回、三回といわゆる合同会社面談会というのが開かれておるわけであります。これは大変ありがたいことであります。しかしながら、これは全員の皆さん方対象の会であって、私が申し上げた、四十五歳以上の方に焦点を当てた対策というものではないわけであります。  つぶさにいろいろ見ておりますと、半年たったこの間、その対策をやりますと言われたのだけれども、どうもおやりになっていらっしゃらないのではないかという気がしてなりません。この点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  51. 中野秀世

    ○中野政府委員 今ほど御指摘のとおり、離職者の方々の実態を見ますと、年齢が高いということから、若年者の方々に比べまして地元志向が強い。このために、地元での雇用機会の確保につきまして、私どもといたしましても最大限の努力を払ってきたところでございます。  特に、公共職業安定所を中心にいたしまして、年齢別の求職者情報を作成しまして、これを活用しつつ、特別求人開拓を実施してまいりました。また、さらには、求人条件の緩和等を求人を出しております企業側に対して要請することによりまして、少しでも中高年齢者の方々の再就職に結びつくように強くお願いしてきたというところが、私どものこれまでやってきました努力でございます。
  52. 島津尚純

    ○島津委員 ぜひそのような対策を、前回の六月もそのようなことを御答弁なさったのですね。それでも実効性は上がっておりませんので、さらに輪をかけてよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  次に、職業訓練の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  この問題につきましては、労働省の皆さん方に感謝を申し上げたいというふうに思うわけであります。大変誠意ある完璧な取り組みをいただいておりまして、注文ばかりつけるのではなくて、やっていただいたときは感謝を申し上げるということで、本当にありがたく存じて諮るわけであります。  六月の時点で質問を申し上げたときに、訓練の希望が建設機械に集中しておりまして、そして雇用保険が切れます来年の三月末までに希望者が多くて入校できないというようなことが心配されたものですから、何とかその辺を、枠を拡大するとか増員するとか、そういう対策を打っていただけませんかというふうに私はお願いをしたわけであります。  そのとき、きょうもいらしていただいています山中政府委員に、「必ずやります。」という本当に力強い、異例とも思えるような御答弁をいただいて、本当にそうであればいいなというふうに思っておったのですが、現地の皆様方のお話を聞きますと、実にそのとおりに進んでおるということで、現地の皆さん方は大変感謝をされておりますので、心からお礼を申し上げたいと思うわけであります。  建設機械だけではなくて、現在いろいろな科目のコースで訓練が始まっておるわけでありますが、この間、そのほかどのような訓練体制が行われておって、どのような科目にどのくらいの人たちが今入校されておるのか、そのような状況をお聞かせいただきたい。
  53. 山中秀樹

    ○山中政府委員 お褒めいただきましてありがとうございます。  私ども、訓練のニーズに応じて特別コースなり定員の増等で、できるだけ職業訓練が皆さん方にできるように努力いたしておるところでございますが、今月、十二月当初までで四百人の方々に対して職業訓練を実施しております。  訓練科目別では、特別コースを設定している建設機械については九十七名、それから金属加工科が五十名、ビル管理科が四十六名で特別コースとして実施しておりまして、そのほかに自動車運転科百三十八名、造園科十一名、電気設備科十名などとなっておるところでございます。
  54. 島津尚純

    ○島津委員 六月に入校された建設機械コースの三十名の方が、十二月二日に修了した一期生としてお出になったわけであります。いいな、すばらしいなと思いましたのは、この三十名の中で、既に十九名の方が再就職が決まったということであります。一般の人たちは全体で三割ぐらいなわけですが、三十人の中の十九人ですから約三分の二、非常に高い確率といいますか数字であるわけであります。  では、これはどうしてそうなったのかということですが、これも皆様方の御努力によるものである、そういうふうに私は今思っているわけです。  それはどういうことかと申しますと、この講習を受けていらっしゃる間に、修了者専用の求人情報というのがあるということ。それから、十二月二日に卒業といいましょうか修了されるということで、その二週間ぐらい前に、今度は十一月二十日だったらしいのですが、建設機械の会社の皆さん方と修了予定者の皆さん方とのお見合いですね、合同面談会みたいなものを開催していただいておる。そこでこのような数が決まっていった。このようなことで、大変すばらしい体制をとっていただいておるというふうに感謝を申し上げるわけであります。  今後、二期、三期、これからどんどんこのような修了者の皆さん方が出てこられます。ですから、私は修了者対策というのが大変大事になってくるというふうに考えております。もちろん、建設機械だけではなくて、今おっしゃったような金属加工であるとかあるいはビル管理のコースであるとか、そういうところまで、このような卒業前に皆さん方と合同面談をするような会というものをぜひふやしていっていただきたい。そうすれば高い再就職の確率を得ることができるのではないか、このように思っておりますが、その辺の取り組みについてお伺いをさせていただきます。
  55. 中野秀世

    ○中野政府委員 ただいま御指摘のとおり、職業訓練を受講している方々の就職を促進する上におきましては、訓練修了の直前の時期、少し前の時期に、訓練科目に関連した業種の会社を集めまして合同面談会を開催することが効果的であるというふうに考えております。実際、ただいま御指摘がございましたように、十一月二十日には、十二月中に訓練修了を予定している方々を対象としまして合同就職面談会を開催したところ、多くの方が就職内定を得るに至ったところでございます。  労働省といたしましては、今後とも、こうした合同就職面談会を職業訓練を修了いたします少し前に実施するなど、適切な時期を選択しながら開催することによりまして、職業訓練を受講している方々の再就職の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
  56. 島津尚純

    ○島津委員 その辺はどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、住宅の問題につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。  現在、約七百世帯の皆さん方が社宅に入居されておるわけでありますが、これが労使の閉山のときの協定によりまして一年半後には出なければならないというようなことになっておりまして、この受け皿といいましょうか、住宅対策というものが大事になってくるわけであります。  そのような中で、大牟田市が建設省の御支援をいただきながら百二十八戸の改良住宅を建設するという計画が進んでおるわけでありまして、その概要と、それから完成の時期等々につきまして、お伺いをさせていただきたいと思います。
  57. 池田富士郎

    ○池田説明員 大牟田市の炭鉱住宅地区におきます住環境の整備につきまして、大牟田市からの申請に基づきまして、先月、事業計画の大臣承認を行ったところでございます。百二十八戸の改良住宅の建設とあわせて、炭鉱住宅が建っておりました地区の住環境を良好なものに整備するという事業に着手する運びになったところでございます。建設省といたしましても、一日も早く事業の完成を見ることができますように、その推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。  このように、地元でのさまざまな調査実施とか調整を経まして事業全体の計画が定められまして、今年度から事業実施をすることになったところでございますので、平成十一年の三月には、改良住宅を完成させて御入居いただくことができるということはほぼ間違いないものというふうに考えております。  このような状況を踏まえまして、地元の大牟田市、福岡県の方からは、改良住宅に入居を予定されておる皆様方の炭鉱住宅の使用期限につきましては、約六カ月程度延長する方向で調整を図るということは十分できるのではないかという見通しを伺っているところでございますので、私どもとしては、その当事者間での御調整を見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  58. 島津尚純

    ○島津委員 大変ありがとうございました。大変これも明るいニュースの一つであります。  私が完成時期ということを申し上げましたのは、労使の協定によりますと、来年の九月の末には社宅を皆さん方はお出にならなければならないというようなことでありますので、これに間に合うように何とか完成をしていただければ一番ありがたい。しかし、それがずれ込むようであれば、そのずれ込んだ期間については社宅にいることを延長してもらうというような交渉を、私たちももちろんやりますが、ぜひ当局からお願いしてもらいたい、このようなことであったわけでありますが、今の御答弁によりますと、もう既にそのようなことを進めていただいておるということで、お礼を申し上げたいと思います。  もう一点、住宅問題でありますが、これは労働省の方でございます。  雇用促進住宅、これを大牟田市で百二十戸建設をするということを十月の一日に正式に決定をいただいたわけであります。これも大変ありがたいことであります。  私たちは新進党の閉山対策委員会として、先ほど質問してもらった高木委員と私は、岡野労働大臣に何度も何度も、千二百戸ことし予算がついておるならば、その端数の二百戸ぐらいこの大牟田に建ててほしいというようなお願いをしてきたわけであります。数は満額回答ではなかったのですが、百二十戸建てていただくということで、大牟田では、現地では、本当に政府は真剣に取り組んでいただいているなということで、大変感謝を申し上げておるわけであります。  この問題につきましても、先ほど申し上げた完成の時期、こういうことについてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
  59. 中野秀世

    ○中野政府委員 雇用促進住宅につきましては、今ほど御指摘がございましたように、十月一日に設置決定をしたわけでございまして、完成年度は、まだ現地調査等所要の措置をこれからしなければいけませんが、今のところ十年度末ぐらいに完成するというようなことを考えております。
  60. 島津尚純

    ○島津委員 この雇用促進住宅につきましても、恐らく今のお話では、十年度末ということになりますとやはり半年ぐらいおくれるわけでありますから、これにつきましても、私たちもやりますが、市、会社等に延長のお働きかけをぜひしていただきたい、このように思います。  次に、時間が迫っておりますので、三池港の整備の問題につきましてお伺いをさせていただきます。  三池港の整備につきましては、今後の大牟田、荒尾地区の振興の中核として整備を早急に行うことが重要である、このように思っておるわけでありますが、福岡県と三井鉱山との間で、三池港の整備にかかわる協定が既に五月末に締結をされております。  そこで、今後の福岡県の整備計画の策定がいつごろになるのか。そしてまた、国の現在の第九次の港湾計画に入らなければこれは進まないわけであります。既に九五年から第九次はスタートしておるわけでありまして、途中から割り込むというようなことになって大変難しい問題があるのではないかというふうに思うわけでありますが、この辺についてお伺いをさせていただきたいと思います。
  61. 川島毅

    ○川島説明員 まず第一点目に、三池港の港湾計画についてでございます。  港湾計画の策定につきましては、現在、港湾管理者である福岡県が鋭意努力をしております。運輸省としても、全面的に協力をしております。これにつきましては、平成十年度末を目途として港湾計画の策定ということで協力しておるところでございます。  次に、三池港の整備が五カ年計画期間中途中から組み入れが可能かということでございますが、運輸省としましては、港湾計画が策定された後、三池港の重要性も勘案しまして、できる限りの配慮を行ってまいりたいというふうに考えております。
  62. 島津尚純

    ○島津委員 大変心強い御答弁をいただきまして、ありがたく思っておるわけであります。  立派な港が整備をされましても、それを利用する企業がなければ地域の振興にはつながらないわけであります。この三池港の臨海部には広大な貯炭場があるわけでありますが、閉山に伴いこの一年足らずでここが遊休地になることは当然のことであります。この遊休地を何とか企業誘致に使いたい、特に製造業誘致に充てる、このような対策が重要ではないかと思うわけでありますが、通産省にお伺いをしたいと思います。
  63. 篠原徹

    篠原政府委員 大牟田のテクノパーク等の地域振興整備公団が造成しております団地でございますけれども、本年四月二十三日に取りまとめられました対策におきまして、できるだけ早期に産業基盤を整備して地域振興の円滑化を図るということから、一部分譲開始を半年繰り上げるということで造成工事を急いでおるところでございます。  また、造成工事の前倒しとともに、やはり何といっても企業に立地をしていただかなければならないということで、私どもも鋭意努力をいたしているところでございます。  また、三池港の後背地につきましても、新しい産業、例えば、リサイクルあるいは新エネルギー等々の新しい産業を健老・新開地区に育成するということで、今年度も調査費を県の方に交付をいたしまして、新しいエネルギーといたしましてのRDF発電という事業につきまして県の調査支援しておるところでございます。早急にこういった事業が立ち上がるように、私どもも全面的にバックアップをいたしてまいりますとともに、事業化が、具体化が進みましたら、その時点でまたいかなる助成ができるか等について詰めた議論をしてまいりたいというふうに思っております。
  64. 島津尚純

    ○島津委員 最後に、道路の問題で建設省の方にお答えいただきたいわけでありますが、最近、この三池港の整備についてアンケート調査が行われておるわけであります。それで、六十四社の皆さん方が、整備されたならばぜひ進出を考えたいというような会社がありまして、これも私たち大変うれしく思っておるわけでありますが、その六十四社の回答の中で、利用するときの条件といいましょうか、そういうものがあるわけですが、第一点がやはり料金が安いということ、第二がいわゆるアクセス道路整備をされておかなければこれはしようがない。こういうようなことが、皆さん方の要望の中の第一点、第二点と、大きな問題になっておるわけであります。  それで、三池港整備と関連をいたしまして、以前から地元から強い要望があります沿岸道路、あるいは南関インターなどに通じますアクセス道路整備が必要になってくると思うわけでありますが、今後の計画についてお伺いを申し上げたいと思います。
  65. 村岡憲司

    ○村岡説明員 まず、御質問最初にございました有明海沿岸道路でございますが、福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市に至る約六十キロの路線でございまして、地域高規格道路として整備すべく、平成六年の十二月に計画路線に指定してございます。  このうち、一般国道二百八号の高田町から大和町間の高田大和バイパス、それから大川市内の大川バイパスにつきまして、平成七年四月から地域高規格道路整備区間に指定をいたしまして、鋭意事業の促進を図っているところでございます。  また、残る区間の全体でございます四十四キロにつきまして、その後順次調査区間に指定しまして、現在調査検討を進めているところでございますが、さらに、そのうちこの南側の大牟田市から高田町の間につきまして、本年九月に新たに整備区間に指定を行いまして、平成十年度の新規着工準備箇所としまして概算要求を行っているところでございまして、平成十年度には都市計画決定も行うべく、環境調査等も進めておるところでございます。  次に御質問のありました、大牟田から九州縦貫自動車道の南関インターチェンジへのアクセス道路でございます主要地方道の南関手鎌線についてでございますが、平成七年七月にJR鹿児島線及び一般国道をまたぐ高架橋を含みます二・八キロの区間を供用してございますし、さらに引き続きまして、国の補助事業平成七年度から二期区間としまして二キロ、これを整備推進しているところでございます。  さらに、重要プロジェクトでございます大牟田テクノパーク開発、これに関連しますアクセス道路ともなります南関IC直近の一・一キロにつきまして、交通渋滞解消を図るという観点で、今年の国庫補助事業で新規に事業化をいたしまして、整備を進めているところでございます。  これらの事業全体が、三井三池炭鉱閉山を受けます地域活性化のための重要な役割を担う路線というものでございますので、建設省といたしましても、必要な道路予算の確保を図りつつ、今後とも鋭意事業の促進を支援してまいります。  以上でございます。
  66. 島津尚純

    ○島津委員 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただくわけでありますが、今後の政府の対応をよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
  67. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、中沢健次君。
  68. 中沢健次

    ○中沢委員 おはようございます。民主党の中沢でございます。  先ほどから同僚議員の質疑応答を注意深く聞いておりました。私の質問もそれぞれ関連がありますが、少しく、私自身は北海道の夕張の出身でございまして、約十一年の間に私の地元空知管内で七つの炭鉱閉山がありまして、政治家としてあるいは国会議員として非常に難しい閉山問題を扱ってきた経験を持っておりますので、そういうことも背景にいたしまして、わずかの時間でありますが、これから幾つかお尋ねを申し上げたいと思います。  まず最初に、通産大臣に基本的なことについてお尋ねを申し上げたいと思います。  言うまでもありません、我が国の場合は石炭資源しかない。極論かもしれません。石油は若干あります。しかし、石炭我が国の唯一の貴重な国内のエネルギー資源である。こういう観点。  それから、ここ数年間は、とりわけアジアの産炭国から日本の非常にすぐれている石炭技術に対して多くの期待が集まっている。つい先日も、私も松島の炭鉱に行ってまいりました。北海道の出身でありますから、太平洋炭鉱にはもう何回も、入坑もしてきた経験があります。太平洋では一年間におよそ延べ七百人、あるいは松島では一年間でおよそ延べ四百人のアジアからの技術研修生というのを受け入れている。これが端的に示しておりますように、我が国石炭技術というのは、世界のトップレベル、とりわけアジアの技術の拠点。言葉をかえて言いますと、非常に石炭技術が国際的な平和的な貢献をしている。こういう観点が率直にあると思うのです。  したがって、唯一の国内資源であるというエネルギーの安全保障の問題あるいは技術観点からいいましても、私は基本的に、今残っております太平洋と松島炭鉱、二つの炭鉱存続ということは少なくとも国家的な立場で政治家としての責任がある。とりわけ、それを所管をして最高の責任者であります通産大臣として、こういった観点についてどういう基本的な見解をお持ちか、改めて聞いておきたいと思います。
  69. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生の御指摘のとおり、非常に日本国内炭の産出というものは重要性を持っているものと認識をいたしております。  我が国は、年一億三千万トンの石炭輸入しておりますし、世界第一の石炭輸入国であります。したがいまして、今後も石炭安定供給という面で、それを確保していくためには、我が国がみずから海外炭開発を行うことや、産炭国に対して技術協力を進めること、あるいは先ほどお話のように現地からの研修生を迎えるようなこと、そういうような良好な関係を構築をしていくことが非常に重要だというふうに思っております。  こういう観点から、豪州、中国、インドネシア等産炭地からの要請を踏まえまして、我が国の有する世界有数生産技術あるいは保安等の技術、こういうものを活用して共同研究技術協力を現在実施をしているところでございまして、先ほどの先生の御指摘の点も、これの一環として行われていることでございます。  こういう状況の中で、我が国炭鉱技術石炭安定供給に果たす役割というものは大変重要な性格を持っておりまして、我が国炭鉱技術維持発展を図る上での国内炭鉱役割というものは、はかり知れないものがあると感じております。  石炭鉱業審議会企画小委員会の場において現在御論議をいただいているところでありますが、この御議論を深めていただき、またその結論をいただいた中で、私ども政治家としての、また通産省としてのしっかりとした対応をしてまいりたいというふうに思っております。
  70. 中沢健次

    ○中沢委員 今のようなお答えを私は素直に受けとめて、いずれにしても、この小委員会というのはいろいろな関係者が集まって相当慎重な上にも十分な議論がされると思いますが、出された結論、恐らく来年の二月、三月だというふうに聞いておりますが、その内容については受けとめながらも、今大臣がおっしゃいましたように、ぜひひとつ国家的な視野で、通産大臣として、政治家としてさまざまな判断をして、間違いのない石炭政策確立をしていただきたい、改めてそのことだけは申し上げておきたいと思います。  さて、関連をいたしまして、まず新政策議論をしたときの私の記憶によりますと、詳しいことは申し上げませんが、当時は今の副議長の渡部さんが通産大臣をされておりました。新政策の中では、国内石炭生産量、均衡点ということが非常に大きな論争になりまして、私を含め多くの皆さんが、余り急激な閉山はやるべきではない、しかし全体的な国民の合意がどうしても必要だ。したがって、さまざまな要素を絡めて生産均衡点ということが随分議論になりまして、そのとき私は、均衡点というのは確かに必要だけれども、できるだけ国内石炭を温存をする、大事にする、そういう観点で、やはりこの議論についてはこれからもさまざまな場でやろうじゃないか、こういうふうにやった記憶があります。  さて、そこで、あれからもう六年にもなります。八次政策あるいは新政策がスタートをして、今日の時点、今言いましたように、残念ながら現有の炭鉱は二つに急速に縮小されております。したがって、私はこの際ですから、両炭鉱を合わせまして約三百二十万トンの貴重な国内石炭生産量、私からいえば、これがもうぎりぎりの均衡点ではないか、これ以上レベルダウンをすることは絶対避けるべきではないか、そういう均衡点観点からいって、とりわけ担当の部長としてどういう具体的な見解をお持ちであるか、まずそのことをお尋ねを申し上げます。
  71. 篠原徹

    篠原政府委員 平成四年度から実施しております新しい石炭政策でございますけれども、九〇年代を構造調整最終段階位置づけておりまして、平成十三年度に向けまして、国民経済的な役割と国民経済的な負担均衡点まで石炭鉱業の構造調整を続けるという政策でございます。  御指摘ございました、国内炭生産量が年間三百三十万トンということで、均衡点に達しているのではないかという御意見でございます。  確かにそういう意見も、現在行われております企画小委員会の中でも御議論がございます。一方で、この均衡点と申しますのは、やはり何といっても、数量だけの話ではなくて、その役割負担、双方をバランスをさせるという概念であるという意見もございます。  いずれにいたしましても、現在、この国民経済的な役割とは何か、またその負担が今後どういうふうに縮まっていくのか、その両方の観点から議論をまさに進めようとしているところでございます。今後、この均衡論につきまして、石炭鉱業審議会議論が深まるということを私どもも期待いたしているところでございます。
  72. 中沢健次

    ○中沢委員 今の部長のお答えを一応前提にして、幾つかまた関連してお尋ね申し上げたいと思います。  言うまでもありませんが、現状では海外からの輸入炭は一億三千万トン、それは原料炭と一般炭に分かれております。しかし、エネルギーの長期需給見通しからいいますと、およそ二〇一〇年あるいはそれ以降、世界的な、あるいはアジアだけに限りましても、大変なエネルギー危機が必ず到来をする、このようにも一方では言われております。  しかも、今海外炭の依存度でいいますとオーストラリア、豪州が中心で、しかし、豪州の石炭事情も、現在は露天掘りと坑内掘りがおよそ半々ぐらいでありますけれども、全体としては坑内掘りにシフトを変えていかざるを得ない。そうすると、坑内掘りになってまいりますと、豪州産の石炭も炭価は必然的にレベルをどんどん上げる、こういう状況になると私は思うのですね。  そうなりますと、エネルギーの長期的な需給見通し、大変なエネルギー危機がやってくるという長期見通し、あわせて、豪州炭が結果的に値上がりをするのではないか。そうすると、今日のようないわゆる内外の石炭価格差というのは、結果的に相当程度圧縮されてくるのではないかというふうに考えるわけでありますが、それについてはいかがでしょうか。
  73. 篠原徹

    篠原政府委員 今後の中長期的な海外炭の価格あるいは需給の見通しいかんということだったと思います。  現在、平成八年度の我が国海外炭依存度は九五%強でございます。平成六年六月に策定されました現行の長期エネルギー需給見通しにおきましては、一九九二年度から二〇一〇年度にかけまして、エネルギー需要は約一・二倍になる見通しでございます。これに対応いたします石炭の供給は約一・二倍、エネルギー全体に占めるシェアは一六%程度とほぼ横ばいで推移する見込みとなっております。  一方、世界のエネルギー需給につきまして、IEAすなわち国際エネルギー機関の見通しによりますと、二〇一〇年のエネルギー需要は一九九三年の約一・五倍に増大する見込みとなっております。この間、石炭等の需要につきましては約一・四倍になる見込みでございますけれども、特に中国を初めといたしますアジア地域におきましては、約一・九倍に増大することが見込まれておりまして、この需要の増大に見合う供給を円滑に確保するというのが今後の課題というふうに私どもも認識いたしております。  価格の動向でございますけれども、価格につきましては、需給両面の検討が必要であろうかと思います。  供給面につきましては、石炭は、アメリカ、オーストラリア等、アジア・太平洋地域に豊富に賦存いたしておりまして、これらの供給国の体制もおおむね安定いたしております。必要なインフラ等の整備が適正に行われるという前提に立てば、需要増に対応した供給が行われるというのが一般的な考え方ではないかと思います。  したがいまして、価格につきましては、暴騰等の可能性は比較的小さいのではないかというふうに思います。  ちなみに、国際エネルギー機関の見通しによりますと、従来同様のエネルギー消費がなされれば二〇一〇年までの石炭価格は緩やかに上昇、また、省エネルギーが最大限推進されるという場合には横ばいになるのではないかというふうな見通しがございます。
  74. 大畠章宏

    大畠委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十時五十分休憩      ――――◇―――――     午後三時三十二分開議
  75. 大畠章宏

    大畠委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中沢健次君。
  76. 中沢健次

    ○中沢委員 異例な形で質問が中断をしてしまいましたが、あと残り時間十五分ぐらいございますので、引き続き質問をさせていただきたいと思います。  さて、先ほどお答えにもまた関連をするのでありますが、いずれにしても、石油の備蓄の関係でいいますと年間で約三千億ぐらいの予算を投入をしている。それから単純に比較をいたしまして、石炭会計は約一千億、いわゆる前向き予算はそのうち四割程度、四百億ぐらい。先ほど議論をいたしました内外の炭価の格差、現在はユーザーの電力業界電力料金にそれをそっくり上乗せをする、単純に計算しても、それを入れましても七百億前後ではないか、そのように考えております。  いずれにしても、先ほど申し上げましたように、やはりここまで来ておりますから、これから先の石鉱審の小委員会、大変な議論があると思いますが、この際そういう客観的な事実も含めて、先ほど大臣から、十分政治家として、通産大臣として対処をしたい、こういう非常に心強い見解もいただきましたけれども、きょうは残念ながらCOP3の関係でエネ庁の長官がお見えでありませんが、とりわけこの小委員会の事務局を担当する石炭・新エネルギー部の事務当局として、ぜひひとつ私の指摘に対する事務当局の見解、これからの取り組み、もっと言いますと全体的な、いい意味で言うと通産省としての政策誘導といいましょうか、省としての指導性を十分に発揮をしていただいて、電力業界あるいは石炭業界、そして政府、もちろん国家的な視点に立って最終的なまとめをしていただく、そういう努力を重ねてお願いをしておきたいと思うのでありますが、それに対する見解を聞いておきたいと思います。
  77. 篠原徹

    篠原政府委員 先生御指摘のとおり、現在、新しい石炭政策におきましては九〇年代を構造調整最終段階位置づけておりまして、平成十三年度末に向けまして国民経済的な役割負担均衡点まで我が国石炭産業構造調整を続けるということで政策をとっているところでございます。  この均衡点につきましては、国民経済的な役割負担との両面から、また今後の我が国の経済情勢等を考慮して検討を進める必要があろうかと思います。現在、石炭鉱業審議会企画小委員会でこういった観点から審議を行っていただいておるところでございます。  私ども事務当局といたしましては、この委員会におきまして、先ほど大臣からも御発言がありました点を踏まえまして十分な議論が展開され、また方向性あるいは結論が導かれますように鋭意努力をしてまいる所存でございます。特に、いろいろな議論がまだ未消化と申しますか、十分議論が尽くされていない点がございます。私ども議論を整理いたしまして、委員会での議論が今後進むように努力してまいりたいというふうに思っております。
  78. 中沢健次

    ○中沢委員 さて、別な問題について二、三お尋ねを申し上げたいと思います。産炭地の振興に関係する問題でございます。  言うまでもありませんが、現在の石炭政策ポスト八次政策あるいは新政策、このように言われておりますが、平成十三年度で終わる。産炭地の臨時措置法についても、そういうタイムリミットをいずれ迎えるわけであります。冒頭私が申し上げましたようなわずか十数年の私の経験からいきましても、石炭産業産業政策としてどう守るか、関連して地域政策として産炭地の振興をどう図るか。  率直に私の印象を今申し上げますと、果たして平成十三年度、法の期限が切れる以前にすべての大きな課題が産炭地振興という観点で本当に到達をするのだろうか。今直ちにそれから先のことは余り明確にはなかなか当局としてはお答えしにくいのでありましょうが、しかしいずれにしても、平成十四年度以降の関係につきましても少し早目に準備をしなければいけないのではないか。ある日突然、平成十四年度以降はこうするなんということにはもちろんならないと思いまして、そういう点で、やや中長期にわたる今後の産炭地振興についての見通しについて少しくお聞かせをいただいておきたいと思います。
  79. 篠原徹

    篠原政府委員 産炭地域の振興問題でございます。  当省におきましては、産炭地域振興実施計画実効性を確保いたしますために、関係省庁あるいは地元自治体等との緊密な連携を図っておるところでございます。こういった連携の中で、地域振興整備公団によります工業団地の造成と企業誘致の推進、あるいは産炭地域振興に資します中核的事業主体の設立及び産炭地域活性化基金の造成、さらには産炭地域振興臨時交付金等によります地方自治体への財政支援等々の支援を行っておりまして、総合的な産炭地域振興対策推進しているところでございます。  今後とも、新しい石炭政策の期限でございます平成十三年度末までの間、現行の産炭地域振興施策の推進に最大限努力してまいる所存でございます。
  80. 中沢健次

    ○中沢委員 そこで、実は私の出身の空知は、八次政策で大打撃を受ける。関係自治体でいいますと五市一町が、その後、産炭地振興策ということで、通産のいろいろな意味での配慮もいただきながら今日まで来ているのでありますが、実は、それ以外に、同じ法の六条指定で、直接八次策の閉山地区ではありませんが、それ以前の閉山地区がかなりあるわけでありまして、関係市町村の数でいいますと二市六町にまたがる。そして、そういう二市六町は、今の平成十三年度までの間にかなりの課題を残しておりますから、五市一町と同じように関係産炭地の協議会を十二月の一日に発足をした、こういう話も聞いております。  そこで、五市一町の関係もそうでありますが、これから改めて緊急の平成十三年度までの対策が必要となりますこの二市六町問題について、通産としては現状をどのように受けとめていて、そして、とりわけ五市一町の三十のプロジェクト、具体的な完成に向かってどういう取り組みをされるか、あわせてお答えをいただいておきたいと思います。
  81. 篠原徹

    篠原政府委員 ただいま御指摘いただきました五市一町でございますけれども空知地域振興基本構想というのを策定していただいております。これは、平成十二年度に産炭地域振興臨時措置法の期限が切れることを踏まえまして、同構想の策定協議会によりまして昨年の三月に策定されたものでございます。これは、産炭地域振興実施計画の枠組みの中で、当該実施計画の円滑な推進とその実効性をより高めるものというふうに私どもも承知いたしております。  このため、通産省といたしましても、空知地域の総合的な振興ビジョンでございます、ただいま申し上げました空知地域振興基本構想の策定に対しまして、臨交金等により支援してまいったところでございます。  また、この構想推進協議会によりまして、本基本構想を踏まえました広域的連携で進めます優先的な事業といたしまして、合計三十のプロジェクト整備されているところでございます。先般、十月二十三日、二十四日にかけましては、産炭地域振興関係省庁等連絡会現地視察会も開催いたしまして、主なプロジェクトの視察を行ったところでございます。  今後、これらの個々プロジェクトにつきまして、事業内容あるいはアクションプログラム等を精査いたしまして、関係省庁等及び北海道庁とも協力しながら、地元におきます事業具体化を待ちながら、必要な支援あり方について検討してまいりたいというふうに考えております。  さらに、御指摘ございました二市六町の問題でございます。  これは、空知地域振興基本構想の策定にかかわっていない、残りの六条地域だと思いますけれども、この二市六町に対しましても、産炭地域振興実施計画の実効を期すために、関係省庁あるいは地元自治体と緊密な連絡をとりながら、工業団地の造成、企業誘致あるいは臨交金等の交付によります財政支援をこれまでも推進してまいったところでございます。今後とも引き続きまして、この地域実施計画に沿いました各種施策の着実な実施に努めてまいる所存でございます。  なお、本年十二月一日に設立されました空知産炭地域振興協議会、二市六町で構成されているというふうに伺っておりますけれども地元自治体広域的連携を促進し、同地域の発展に寄与するものということで、私どももその活動を期待しているところでございます。
  82. 中沢健次

    ○中沢委員 時間がなくなりましたから、労働大臣にせっかく出席をいただいておりますから、一問お尋ねを申し上げたいと思います。  三井三池が閉山になって、その後の雇用状況については、先ほど質問があって、お答えがございました。現状はそれでよく承知をしております。  問題は、まだまだ大きな課題が横たわっている。特に、私は北海道の出身でございまして、北海道の拓殖銀行、結果的に、労働大臣の大変な御配慮もいただいて労働行政の網をかけていただく、こういうことになったことは心からお礼を申し上げたいと思うのでありますが、それにしても、炭鉱閉山の雇用問題というのは、いろいろな制度がありますけれども、この制度を今直ちに手直しをするということはなかなか大変だとは思います。ただ、地道に、例えば就職の相談、求人の開拓、こういうことは、やはり労働大臣が出先、それぞれの機関を叱咜激励をしていただきまして、ぜひひとつ万全の対策をとっていただきたい、これが労働大臣に対するお尋ねです。  それから、最後に、実は自治省にも参加を求めておりますから、自治省の方には、産炭地財政問題について一つだけ。  例の交付税の産炭地補正、今年度で一応終わりということにはなっておりますが、こういう状況でありますから、ぜひひとつ産炭地補正についても引き続き継続をする、そして、全国的に約二十億の基準財政需要額のカウントがされておりますから、ぜひひとつこれのかさ上げについても前向きに努力をいただきたい。  大変申しわけございませんが、労働大臣と自治省に、その二つ、お答えをいただきたいと思います。
  83. 伊吹文明

    ○伊吹国務大臣 先生御指摘のとおり、石炭産業というのは、戦後の大変な日本への貢献の後のエネルギーの構造改革の中で苦難の道を歩んでおられるわけでございますから、今御指摘のございました三井三池炭鉱が三月三十日に閉山をいたしましたが、これを含めまして、今御理解いただいたように早急にその内容についていろいろ変えるということは難しゅうございますが、与えられた政策のすべてを動員をいたしまして、お役所仕事に陥らないように、迅速に、温かい気持ちで対応するように事務局にきちっと指示をいたしますので、よろしくお願いいたします。
  84. 荒木慶司

    ○荒木説明員 産炭地域の地方団体に対しましては、自治省では、従来から、各種の地方財政上の措置を講じまして、その財政運営に支障が生じないように特別の配慮をしてきたところでございます。  御質問の普通交付税における産炭地補正の取り扱いにつきましては、関係地方団体からも要望を受けているところでありまして、関係地方団体の実態、財政状況などを勘案しながら、円滑な財政運営ができるよう適切に対応してまいりたいと考えております。
  85. 中沢健次

    ○中沢委員 あと一分程度残っておりますから、改めて通産大臣に。  先ほどお答えのように、産業政策としても、あるいは産炭地の振興の関係でいいますと大事な地域政策でありますから、当面、平成十三年度までの具体的な、残された、とりわけ空知を中心にして三十の大変なプロジェクトが残っている。ぜひひとつ十二年度に向けて全力を挙げて頑張っていただきたいと思うのでありますが、決意のほどを最後にお聞かせをいただきたいと思います。
  86. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先ほど事務方の方からも御説明申し上げましたように、北海道並びに県の関係地方団体、関係省庁と緊密な連絡、協調のもとに、より広域的な、地域に稗益するようなプロジェクトの施策に重点化を図りながら、平成十三年度までの産炭地の振興施策の完了に最大限努力をして、御期待にこたえるようにやってまいりたいと思います。
  87. 中沢健次

    ○中沢委員 終わります。ありがとうございました。
  88. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、児玉健次君。
  89. 児玉健次

    ○児玉委員 最初に労働大臣にお伺いしたいのですが、労働省に一つ、午前中も議論のあった三池炭鉱閉山に伴う離職者状況について、数字の確認をしておきたいと思います。  十二月一日現在、ことし三月二十九日の在職者数が二千五百八で三月三十日以降の解雇者数が千五百二十二、そして就職なさった方が黒手帳で三百三十五名、緑手帳で七十三名、これに相違ありませんね。
  90. 中野秀世

    ○中野政府委員 先生の御指摘のとおりでございます。
  91. 児玉健次

    ○児玉委員 労働大臣に、私は二つのことをお伺いしたいというか、御意見を求めたいのですが、今確認した数字、三月三十日以降の解職者の中で、皆さんの大変な御努力のあったことも私は承知しておりますが、現在、職場を得た方が四百八名、やはりまだ少数部分です。それで、もうすぐ年を越す。  この状況は、三井三池だけではありません。私のおります北海道、今も御質問があった空知歌志内空知炭鉱というのがあります。これは、九五年の三月十八日に閉山をして、黒手帳は来年の三月までが期限ということになっています。ことし六月一二十日の段階で、私たちが直接当事者に伺ったところによれば、空知炭鉱閉山によって離職した人の数は六百九十四人、未就職が百九十五名です。  通産省や労働省が御努力をなさって、閉山のとき、できるだけ地元に雇用の受け皿をつくろう、こういう努力をなさっている。今の歌志内について言えば、北炭関連のスーパー、市内三店舗でやっていたわけですが、残念ながら一年で閉店をしてしまう。軍手工場も時を経ずして閉鎖する。こういう状態になっています。  炭鉱で働いていた何人かの方に、私たちは現状について直接御意見を聞きました。  例えばNさんと申しましょう。現在五十歳代で、黒手帳の所有者、坑内員でした。その方は、私たちにこう話っている。地元に仕事がないから、三年間受けている、雇用促進手当ですね。三年間受けている。詳しいことは職安に聞いてくれというふうにおっしゃる。  それから、仮にHさんといいましょう。四十歳代の前半です。機械工であった方です。この方は、閉山三カ月後に就職をなさったのだが、こうおっしゃっている。黒手帳を受けた。子供が高校生だったので、収入が減るが、閉山三カ月後に就職した。百万円から百五十万円の減額となった。ボーナスや手当がなかったのが一番痛い。今、その後、また別の職場、隣の町の零細企業に通っている。町には企業が来ないが、何とか市内に雇用の場をつくってほしいというのが願いだ。率直におっしゃっていますね。  そこで、私は労働大臣に申したいのですけれども、例えば三井でいえば、三井グループが挙げて努力をするということもお約束はあった。現状は非常に困難ですね。閉山直後に、労働省として、直接その場で特別の体制をとって御努力をなさるということを私は評価します。と同時に、黒手帳三年、緑手帳二年、息の長い雇用確保の努力を続けていただくことが現在特別に重要だと思うのですが、その点、大臣、いかがでしょうか。
  92. 伊吹文明

    ○伊吹国務大臣 基本的には先生御指摘のとおりだろうと思います。先ほど御確認いただいた数字でも、約千四百五十人のうち四百八人の御就職で、四百人を御承知のような職業訓練の中で手当てをしておるわけでございますが、労働省としては、三井三池の問題については、もちろん地元の福岡県それから熊本県、こういうところと密接な連携をとりながら、特別求人開拓を実施するとか、あるいはまた合同就職面談会を開くとか、いろいろな対策を講じて再就職の促進に努めているわけであります。  したがって、今後とも、今おっしゃった意味では息の長い対策を講ずるというのは当然のことであって、三井三池の問題はこれで終わったという感じが広がらないように、我々は行政努力をしていきたいと思っております。
  93. 児玉健次

    ○児玉委員 もう一つ、これは労働行政の観点から、あえて申したいのですけれども、さまざまな努力がされます。北海道はかつて百五十五の炭鉱がありました。今それが一つになっています。多くの閉山の歴史を刻んできておるわけだけれども、それぞれの地域には特殊の形成過程がありますし、その地域における炭鉱の重さ、軽さのぐあいというのはさまざまですけれども、しかし共通して言えることは、炭鉱にかわる、現に稼行している炭鉱にかわり得るような雇用の受け皿はない。そこのところが、この間の炭鉱閉山の経過の中からはっきり浮かび出てきている教訓である。  その点で、今日の日本の雇用情勢の深刻化、厳しい状態からしても、現に稼行している二つの炭鉱を国民の力を結集して存続させていく、そのことがそれぞれの地域の労働者、地域経済にとって非常に重要だと思うのですが、この点、大臣、いかがでしょうか。
  94. 伊吹文明

    ○伊吹国務大臣 けさの当委員会におきます御審議をいろいろ伺っておりまして、エネルギーの安全保障の面やあるいは経済発展の観点、いろいろな観点から、通産大臣からも、今御指摘のありました二つの炭鉱、これは太平洋炭鉱と松島池島炭鉱だと思いますが、この存続といいますか、石炭の持つ重要性についてはいろいろ御答弁がありまして、私もそれを伺っておって、雇用の面からは、通産大臣政治家としての御決意の表明があったということは大変結構なことだなと実は思いながら伺っていたわけです。  同時に、けさの御審議の中でも、「炭鉱から観光へ」とか、いろいろな御質問がありました。各地域は各地域で大変な御努力をなさっておるわけで、私たち政府を預かっているという意味は、雇用あるいはエネルギーあるいは対外安全、経済的な安全保障、その国の生活、経済、あらゆる未知数を実は含んだ多元的な連立方程式の解を解かねばならないというのが、政府をお預かりをしている与党の立場だと私は思います。  したがって、雇用という面の解ということであれば、今、児玉委員がおっしゃったことは完全な解になります。しかし、同時にそのことが他の連立方程式の解にならなければ国家というものは動かないわけでございますから、通産大臣がおっしゃったことも結構なことだなと思いながら、私は伺っておりました。  総合的な立場から、先生がおっしゃったことをひとつ考えさせていただきたいと思います。
  95. 児玉健次

    ○児玉委員 なかなか意味深長のお答えで、とりあえず労働省としては、労働省が担当されている方程式の中で全力を尽くしていただきたい。そして、連立の方については、今から通産省にお伺いをしたいと思います。  前回この委員会質問で、私は、きょうの午前中の質問にもありました石油、特に石油備蓄の問題と、そして現に炭を掘っている炭鉱を維持することのエネルギー備蓄の面から見た場合の特殊な重要性、その点について若干のことを申しました。  この点は改めて確認をしておきたいのですが、昭和五十一年の四月に石油備蓄法が実施された。どういう経過でそうなったかというのは、もう私は述べる必要もないだろうと思います。その年から本年まで、本年度予算を含めて四・二兆円が国家から投入されておりますね。そして、その石油備蓄にかかる一年一年のランニングコスト、これも通産省が私たちに数字を示してくださったけれども、一昨年で概括的に言って二千九百億円、昨年が二千九百三十億円、今年度の予算で二千八百六十三億円になっています。一方、石炭勘定の方は、平成七年の段階で千九十七億八千万円。そのとおりですね。
  96. 林良造

    ○林(良)政府委員 仰せのとおりでございます。
  97. 児玉健次

    ○児玉委員 そこで、今の石炭勘定の中で、現に炭を掘っている松島炭鉱太平洋炭鉱に対する補助金は幾らになるでしょうか。それぞれお示しいただきたい。
  98. 篠原徹

    篠原政府委員 平成八年度、昨年度の実績で申し上げたいと思います。池島炭鉱に対します補助金、これは三本ございますけれども、坑内骨格構造整備拡充事業費補助金、石炭鉱業安定補給交付金、それから保安確保事業費補助金、合わせまして十六億三千万円でございます。太平洋炭鉱につきましても、同じく三つの補助金で二十七億五千九百万でございます。
  99. 児玉健次

    ○児玉委員 堀内通産大臣に申したいのですけれども石炭勘定一千億とよく言うわけですね。そして、さっきの石油備蓄、ある専門家が、これは石油と言うと不正確なので、原油です、デッドストックというふうに言われることすらある。その原油の備蓄で我々は年間に約三千億円弱、国民の力で支えてきております。そういう中で石炭はどうかといえば、さっきの石炭勘定約一千億強ですね。  その中で、現に炭を掘っている二つの山に直接出されている補助金は、両方合わせて四十三億八千九百万円でしかないと私はあえて言いたいのです。そして、それが、今の日本における二つの炭鉱を維持させる場合に非常に大きな役割を果たしています。それこそ、これはすべての国民が合意し得る支出だと思うのですね。  それで、そのことを基礎にした上で私は言いたいのですけれども、こういった、現に炭を掘っている二つの山があることと、そしてそれがゼロになってしまうことの違い、これはもう数字の違いではなくて、全く日本をめぐるエネルギー状況全体が大きく変わってくるほどの変化だ、そう私は前から思っておりました。  そのことについて、六月の当委員会の午前中の質疑の後、参考人から意見を私たちは真剣に聞きました。非常に重要な御意見をすべての方が述べてくださった。その一人である、九州大学工学部資源工学科教授内野健一先生、この先生の御意見の中にこういう部分がありました。  「これからの石炭対策は、これまでに考慮されたことのない、いわば資源の有限性が顕在化するという、エネルギー資源の根源的な問題に対する対策でもなければならないというふうに私は考えております。」こうお述べになって、それに続けて、「これほどに他国にエネルギー資源を依存して経済大国となった国は歴史上例を見ないと言われますが、もしそうであるとするならば、なすべき方法は過去の歴史には見出すことはできず、日本のエネルギー資源戦略のあり方は、独自にこれを構築しなければならないことになろうと思います。」こうおっしゃっているんですね。  この御意見について、大臣の御感想をお聞きしたいのです。
  100. 堀内光雄

    堀内国務大臣 おっしゃるとおり、石油の方の備蓄についての費用が非常に大きい。これは日本のエネルギー需給の過半を占めている石油の備蓄でありますから、我が国のエネルギーセキュリティーを確保するためには政策の本当に重要な柱だと思っておりまして、その費用はどうしても確保しなければならないものだというふうに片方では考えます。  一方では、日本国内炭生産は、生産の量自体よりも、やはりこれからのエネルギー政策観点から、豪州あるいは中国などとの技術協力開発、あるいは海外における自主炭鉱の開拓だとか、いろいろな面でのつながり、日本における石炭産業というものの国内炭役割というものが性格的にもう一つある。  その意味における関係を吟味をしながら、石炭鉱業審議会の場で中心に議論を深めていただいているわけでございまして、性格的にはちょっと違ってくる面もあるのではないかというふうに思います。
  101. 児玉健次

    ○児玉委員 大臣、私は、石油の、いわゆる原油の備蓄についてこれだけの予算が年々投下されている、それが始まるとき我々は大いに議論したことがありますけれども、現にそれが、例えば北海道の苫小牧の東部だとか、そして飛行機で札幌から東京へ来るといつも目の下、東北でも大きな備蓄タンクがあります、そういったものが存在していることについてあれこれ今述べるつもりはないんです。石油全体と石炭では分母の大きさが違いますから、だから私は単純に比較しているわけではない。  ともあれ、その原油の備蓄に年間約三千億のランニングコストを私たちは負担している。現に稼行している山に対する補助金の額というのは、さっき言ったように、けたがもうはるかに違うんですよ。  そういう中で、今大臣がおっしゃった石鉱審議論、私は非常に興味深くそれを伺っておりますけれども、やはり一つの問題は、国内炭コストの問題ですね。この点で、ある道が開けていけば、恐らく国民の、山、石炭重要性に対する合意というのは急速に進む。  そして、大臣はちょうど京都のあの会議においでになって、CO2の抑制、削減をどうするか、このことでも、きょう午前中の答弁で大臣お話になったように、石炭火力における熱効率というのは三〇%台から始まって、そして今や五〇%に肉薄する確実な可能性が生まれていますね。そこまでいけば、もうこれはLNGと何ら遜色がないわけですから。その道を通産省は大いに努力をするときょう御答弁になったので、私は非常に心強く思いました。これもやはり合意を形成していくときの一つのかなめですね。  そういう中で、今のコストの問題なのですが、国内炭電力向けの販売価格、北海道地区、五千キロカロリーの場合、基準炭価は幾らになるのでしょうか。
  102. 篠原徹

    篠原政府委員 基準炭価でございますけれども、これは消費地、種類、形状及び品位を示して定めているところでございますけれども北海道地区の五千キロカロリー・パー・キログラムの平成九年度基準炭価は、消費税抜きでございますけれども、トン当たり一万二千七百十五円でございます。
  103. 児玉健次

    ○児玉委員 こういった議論をするとき、ある数字がひとりで走りまして、猛烈に走って、それがある固定的な観念をつくってしまうことがあるの一ですよ。  今のお答えのように、北海道地区の五千キロカロリーは、基準炭価で一万二千七百十五円なのです。これはもう動かせない事実ですね。そして、実際の販売価格はどうか。当事者間でカロリー補正、運賃補正等を行って定めると私は承知しておりますが、電力向けの販売価格の平成八年度の実績はどのくらいでしょうか。
  104. 篠原徹

    篠原政府委員 平成八年度の実績で申し上げますと、これは平均でございますが、トン当たり一万六千八百二十円でございます。
  105. 児玉健次

    ○児玉委員 まさにこれは平均ですから、もし一時期のように北海道の山が北海道の内陸の火発に石炭を供給するとすれば、先ほどのトン一万二千七百十五円が、大体、実勢取引価格にニアリーイコールになるのですよ。これはその後の運賃などを見ていますからね。  もう一つ伺いたいのですけれども輸入炭の場合、CIF価格に輸入諸掛かりがかかり、輸入炭の大体四分の一はコールセンターを使います、そして国内運賃、それらを加算すればどのくらいになるでしょう。
  106. 篠原徹

    篠原政府委員 輸入炭のすべてがコールセンター経由で納入されているわけではございませんで、大ざっぱに申し上げますと、輸入炭の約四分の一程度がコールセンター経由で最終ユーザーのところに届けられているというふうに考えております。  今年度の上期の六千七百キロカロリーの輸入炭の平均的なCIF価格を申し上げますと、トン当たり約五千三百七十円となっております。これにコールセンター利用料あるいは若干の横持ちの国内運賃等が平均的には約二千円程度ではなかろうかというふうに考えておりまして、したがいまして、コールセンターを経由いたします場合には、ユーザー渡しで七千七百円程度ではなかろうかというふうに推定いたしております。
  107. 児玉健次

    ○児玉委員 今のはドル幾らという換算でですか。一ドル何円というレートでお考えですか。
  108. 篠原徹

    篠原政府委員 一ドル百二十円で試算いたしております。
  109. 児玉健次

    ○児玉委員 大臣、大変立ち入って細かいことで恐縮なのですが、今は大体百二十九円になっていますね。百二十九円だと、簡単な計算ですけれども、今の約七千七百円が八千二百七十六円になりますね。そうなってきますと、輸入炭と国内炭価格差が三倍とか三倍強だという固定観念ができているのですけれども一つ一つさまざまな条件を組み合わせて見ていけば、そうではないのですよ。もちろんレートは変動するものですから、それを私はこだわって言うつもりは全くないのです。  さあ、そうなってくると何が残るかというと、結局、あと二つ山が残っている。この二つがゼロになるか、それとも、ともかく踏みとどまって、そして今後必ず石炭は全世界のエネルギーの王座に返り咲くことがあるわけですから、これもこの前の参考人の、先ほど御紹介した内野先生のお言葉なのです。「すなわち、石炭は再びエネルギーの王座に返り咲くであろうというのであります。」そういう先生の信念を披瀝なさいました。  石油と比較し、そしてウランと比較をし、それぞれを消去法で削っていって、結局残るのは石炭。そうなっていくときに、日本がゼロから出発するのか、それとも、ともあれ九州に一つ北海道一つ、それを維持して、石炭産業の前進に向かっていくのか。大きな違いになると思うのですね。そのとき、政治の力が発揮されなければいけないと思うのです。  その意味で、通産大臣、どうでしょうか。この二つを守っていくというのは、単なるコスト観点のみで論ずるべきでない。しかも、コストの面でいってもそれを誇大に見る固定観念が広がっているわけですから、それを見ていけば、政治政策でカバーできる範囲内ですよ。いかがでしょう、大臣
  110. 堀内光雄

    堀内国務大臣 御趣旨のほどはわかりますが、基本的には、やはり経済問題というのは経済性というものが一番底辺にあるものだと思われまして、その上に立って、今審議会が先生のお話などを含めて研究をし、検討をし、議論をしているものというふうに理解をしております。
  111. 児玉健次

    ○児玉委員 審議会の御議論は真摯に受けとめたいと思うのです。その上で、それを受けて、国民経済に責任を負う立場でどのように石炭政策を発展させていくか。これはすぐれて国会の責任でもあるし、そして政府の責任でもあると思うのです。  審議会の御意見は御意見で、そして何らかのおまとめになるものがあれば、それはそれで私たちはしっかり検討しなければならないけれども、その上でなおかつ政治のイニシアチブというのは発揮されるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  112. 堀内光雄

    堀内国務大臣 ほかの先生でございましたが、先ほども御答弁申し上げましたように、そういう答申をしっかり受けとめた上で、その際に、それをそのままというものではないでしょうということを申し上げました。政治家としての判断、国会としての判断、行政としての判断、そういうものが加わってくることは当然だろうと思います。
  113. 児玉健次

    ○児玉委員 最後に二つばかり要望を申し上げたいのですが、この前の六月のこの委員会の論議は、午後の参考人からの御意見の拝聴も含めて、非常に重要な内容を持っていたと私は思っています。  そして、当時の佐藤通産大臣は、そういう論議の中で、私の質問に対して、「やはり国内炭鉱があるかないかということは、随分価格の設定においても関係が出てくるし、今まで日本が蓄えたというか、採炭の技術というものはやはり国の財産だという考え方もできます」そう言って、ちょっと飛ばしますけれども、「先ほど申したように、やはり国民的な同意というものが一番必要であろう。」  その国民的同意を得るために、通産省として、この石炭エネルギーのあるがままの姿、先ほど石炭火力についての、石炭ガス化複合の技術を進めていけば熱効率が四八%になる、イギリスなどもこの点では国を挙げて努力をしていますが、そういったことについてのPRを進めていく必要があるのじゃないか。そして、国内炭と一般炭の価格差についても、先ほど私はほんの一例を申しただけですけれども、このあたりも実態に即した国民への宣伝をしていただきたい。それが一つ要望なのです。  もう一つは、堀内通産大臣は経済界において大きなお力を発揮されている方だということは承知しておるのですが、やはり百聞は一見にしかずということはありますから、大臣自身に現に稼行中の山のどちらかを見ていただきたい。その二つを御要望したいのですが、いかがでしょう。
  114. 篠原徹

    篠原政府委員 第一の御要望いただきました点にお答えいたしたいと思います。  石炭技術、特にクリーンコールの技術につきましては、私ども関係業界あるいは関係メーカー等も含めまして、九月五日をクリーン・コール・デーということで、全国各地で催し物あるいはシンポジウム、一般の市民の方々にも石炭現状を御理解いただきながら、また、いかに石炭をクリーンに使っていくか、この技術開発が重要であるということで、専門家のセミナー初め一般の大衆の方にもわかりやすいような活動をやらせていただいております。  今後とも、こういう機会を通じまして、国民の皆様方に石炭重要性あるいはクリーンユールテクノロジーの重要性につきまして御理解が進むように努力してまいりたいというふうに思っております。
  115. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先生の御指摘のとおり、百聞は一見にしかずと申しますので、私も、でき得れば時間を見つけて伺いたいと思っております。
  116. 児玉健次

    ○児玉委員 終わります。
  117. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、中西績介君。
  118. 中西績介

    ○中西(績)委員 三十分という極めて限られた時間ですから、具体的な当面の問題についてお聞きをしたいと思います。  三井三池炭鉱が三月三十日に閉山してから九カ月近くになるわけでありますが、この間、佐藤通産大臣あるいは岡野前労働大臣が中心になって産炭地域振興関係各省の取りまとめをしながら、十五省庁をまとめていろいろ対策を練ってきたようでございますけれども、この点に関しては敬意を表したいと思っています。  ただ、問題は、その中におきまして、いろいろ閉山に伴う関係省庁等の対策フォローアップというのが示されておりますけれども、その内容を精査いたしましても、まだまだ多くの問題が残っております。  そこで、私はまず雇用問題から、午前中から何名かの方が指摘されましたけれども、それに加えて論議をしたいと思います。  特に、私が閉山のときに最も心配をしておりましたのはこの雇用対策であり、この面における現状が、指摘どおりにやはり最大の課題となって残っておるということを大変残念に思います。  そこで、次の点について御答弁をいただきたいと思います。  先ほどから論議の中にもございましたように、解雇者数が千五百二十二、求職希望者千四百四十九、そのうち四百八名が現在のところ就職したと言われています。  そこで、これは予告をしておりませんでしたけれども、まず第一にお答えいただきたいと思いますのは、この四百八名中、会社が提示した中から就職した数がおわかりであれば、これをお示しください。
  119. 中野秀世

    ○中野政府委員 会社側が提案いたしております雇用の受け皿による総求人数は三千六百六十三名でございまして、就職者は全体で四百八名、そのうち会社提案の雇用の受け皿によるものは百二十二名ということになってございます。
  120. 中西績介

    ○中西(績)委員 この点はまた後で私は申し上げたいと思いますので、一応、百二十二名という極めて少数であるということをまず申し上げておきたいと思います。  もう一つお聞きしますけれども、四百八名中、熊本、福岡を除く県外三十三名ということになっています。大部分が大牟田を中心として県内となっております。  そこでお聞きしますが、県外で希望しておる人があと何名くらい残っておるかわかりますか。
  121. 中野秀世

    ○中野政府委員 県外就職者の数は、今先生の御指摘がありました三十三名でございますが、それ以外、現在、何名県外を希望しているかにつきましては、大変恐縮ですが、ただいま手元にございません。
  122. 中西績介

    ○中西(績)委員 この点は予告をしておったと思うのですけれども、わからなければ仕方ありません。  そこで、就職者の年齢をずっと調べてみますと、高齢者がやはり残っていますね。特に、この中におきまして、就職状況極めて困難ということになっておりますが、就職された皆さんを年齢別の希望者と対比いたしまして労働省から示されたものを見ますと、五十一歳から六十歳までが一一%しか就職できておりません。他は大体半数から三〇%近くは行っておるのですけれども、ここがやはり集中的に困難になっておる。これらについて何か手だてをやったことはございますか。
  123. 中野秀世

    ○中野政府委員 御指摘のとおり、五十一歳以上の方の就職状況について見ますと、求職者五百六十六人に対しまして、平成九年の十二月一日現在で就職された方は六十六人という状況になっております。  労働省といたしましては、これまでも会社側に対しましては、離職者の年齢が高いことから若年者層に比べ地元志向が強い、このため、地元での雇用機会の確保に最大限の努力を払うよう要請してきたところでございます。と同時に、公共職業安定所を中心にいたしまして、年齢別の求職者情報を作成し、これを活用しながら特別求人開拓を実施するほか、求人条件の緩和等を企業側に要請いたしまして、少しでも高年齢者の方々の再就職に結びつくよう努めてきたところでございます。
  124. 中西績介

    ○中西(績)委員 それであってもなお、他を見ますと、三十五歳以下は五〇、それから三十六から四十が五八、四十一から四十五が四九、そして低いところで四十六から五十が三三ということになっているのですね。ところが、ここだけは一一%台と極めて低いです。ですから、対策はしたけれども、なおこのように残っておるということが言われるわけですね。  以上のようなことを考えてまいりますと、私は、今進めておられる職業訓練受講者の訓練内容というのがどうなのかということをひとつ考えてみる必要があるのではないか。数は少ないけれども、現在までの就職者数との関係から訓練内容等による重点施策が考えられないのか、この点どうでしょう。
  125. 山中秀樹

    ○山中政府委員 職業訓練については、一日も早く再就職をできるようにということで、職業訓練希望者のニーズに応じた形で機動的に職業訓練を実施してまいっておりまして、現在のところ、十二月までで四百人の方々に職業訓練を行っているところでございます。それに対して、私ども、訓練科の定員枠の拡大とか特別のコース、金属加工科とか建設機械科の設置などを行いまして訓練ニーズに対応をいたしているところでございますが、先生御指摘のとおり、これからも、就職できるように、公共職業安定所との連携を十分とらせていただきまして、職業訓練の相談会なりを随時実施して、適切な職業訓練ができるように今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。
  126. 中西績介

    ○中西(績)委員 御本人の御希望あるいは要求を満たしていくということは、これはもう大事なことです、本人が選択するわけでありますから。ただ問題は、それだけに頼っておったのではなかなか困難であるということであれば、やはり幾つかを重ね合わせたような形でやるという方法もあるだろう。だから、私は、十二月一日までに修了者が百七十三人いてそのうち約半数、九十人が就職をしたということになっていますから、そういう傾向だとかいろいろなものをこれから分析していただいて、促進方を検討していただくことをひとつお願いをしておきたいと思います。  そこで、最後になりますけれども先ほどとの関連ですが、三井鉱山なりあるいは石炭なりが三千六百六十三名という大変な数を集めてきたと言うけれども、四百名のうちわずか百二十二名しかないということは、いかにこの中身が、私たちが当初行ったときに指摘をしましたように、数だけ、北海道から持ってきたりなんかして職安か何かのものを引っ張ってきてやるようなことではだめだということを指摘をしてきたのです。それに近い数字がここに出たのではないかということを私は感じるのですね。  ですから、よりよく安定所あたりが広くやったということの、またその効果があったということをこのことは示しておりますけれども、いずれにしても、三井石炭あるいは鉱山並びに関連会社は、今度の閉山に伴ういろいろな責任というのは終わったということでなしに、少なくともこれだけの人が残っているわけですから、これらの多くの人々をどのようにこれから気長に就職させるための努力をしていくのか、こうしたことの決意なりなんなりを示す必要があるのではないか、企業責任として。  この点、大臣にお聞きしますけれども、あるいは決意をお聞きしたいと思いますけれども、再就職に向けて一人でも救済をしていくという、やはりここがなければ私は企業責任を果たしたとは言えぬと思うのですね。この点、ひとつ大臣の御答弁をいただきたいと思います。
  127. 伊吹文明

    ○伊吹国務大臣 ただいま政府委員からお答えいたしましたような数字でございますが、まさに中西委員がおっしゃいましたように、市場経済の世界では、まず三井石炭に、構造的な問題ではありますが、一義的な責任はやはりあると私は思います。  そういう中で、通産当局にも私はお願いをしておきたいのですが、関連企業は通産省の所管がたくさんあると思いますから、よくお話をしていただいて、一人でも多く三井関連の企業に就職するような努力はしてもらわなければならない。同時に、それだけではやはり構造的な問題に対応できないでしょうから、今政府委員が申しましたような職業訓練でございますとか、あるいは福岡県、熊本県と当省が相談をさせていただいて、職業の紹介、あっせん、できるだけの努力をさせていただきますので、三井石炭や関連会社において閉山はもう終わったなどということを感じておるということは私はないと思いますし、またあってはならないことだと思っております。
  128. 中西績介

    ○中西(績)委員 今後も、その点、会社責任についてもう一度会社側が認識をし直すようにこれから指摘をしていただければと思っています。  次に、建設省関係だとかいろいろなところにおきまして、先ほども出てまいりましたけれども、住宅問題だとかあるいは湾岸道路の問題だとかいろいろな点等について、相当進捗し始めたということは評価できますが、二つだけちょっとお聞きをしたいと思います。  一つは、土地・炭鉱関連施設利用対策フォローアップの中で出ております、近代文化の遺産についてどうするかということが一つあります。この点、文化財的価値を有する万田坑、宮原坑等について調査中と聞いておりますけれども、文化財指定までの措置はどのようになされていくのか、そしてこの指定が可能性があるのかないのか、ここらについてひとつお答えをいただきたい。そして、なお、指定された場合はどのような支援内容があるのか、この点をお示しください。
  129. 合田隆史

    ○合田説明員 近代の文化遺産につきましては、現在全国的な調査検討を行っているところでございます。御指摘の三井三池炭鉱の万田坑跡、宮原坑跡につきましても、現在、文化財としての価値あるいは保存状況等につきまして調査検討を行っているところでございますけれども、私どもといたしましては、これらを近代の重要な文化財の一つと認識しております。  国の文化財として指定をするということになりますれば、これは文化財保護審議会諮問をいたしまして御答申をいただく必要がございます。調査の結果を踏まえまして、文化財保護審議会の御意見も伺いながら、その上で指定をするという段取りになってくるということでございます。そういったようなことでございますので、今後、文化財保護審議会の御意見も伺いながら、適切な保存が図られるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、国の文化財に指定された後の支援措置についてのお尋ねでございますけれども、国の文化財に指定された場合には、指定された土地の購入あるいは関係の物件の修理、修復あるいは整備といったものに対する国庫補助の制度が設けられております。国の文化財に指定された後には、これらの制度を活用しながら、その適切な保護を図っていくことを検討してまいりたいというふうに考えております。
  130. 中西績介

    ○中西(績)委員 日本の石炭鉱山そして経済発展の源泉であったこれらの問題について、ぜひ重要視していただいて、これからさらに調査を進め、支援できる体制をとっていただくことを要望いたしておきます。  それからもう一つは、物流機能及び広域的交通網整備の中で、これは午前中もありましたけれども、三池港の公共埠頭の整備について少しお伺いをしたいと思います。  五月三十一日に県と三井鉱山の間における無償譲渡協定が締結されたようでありますけれども、県が平成九年九月に着手された環境影響評価調査実施について支援されていると聞いておりますけれども、今後、港湾計画策定並びに港湾施設整備について国としてどのように対応していくつもりなのか、この点お答えいただきたいと思います。
  131. 川島毅

    ○川島説明員 三池港の港湾計画でございますが、これはできるだけ早期かつ円滑に策定する必要があるということでございます。  現在、三池港の港湾管理者であります福岡県が、地元関係者等を初めとするさまざまな関係者から成る検討委員会を設置して、そこで港湾計画策定の準備をしていくというふうに伺っております。運輸省といたしましても、この検討委員会に参画するとともに、さまざまな技術的課題等に対しまして適切な指導あるいは助言を行いまして、冒頭申し上げましたとおり、できるだけ早期の計画策定に向けて積極的に支援協力してまいりたいというふうに考えております。  このほか、九年度、十年度の二年間におきまして、国土総合開発事業調整費、これは通産省、建設省、水産庁、ここと共同いたしまして、東部有明地域整備計画を策定することになっております。これにつきまして、地元福岡県、大牟田市を初め関係者の協力を得ながら、関係省庁とともに精力的に調査を進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、整備でございますが、港湾計画策定後の港湾施設の整備につきまして、三池港の重要性を十分勘案いたしまして、できる限りの配慮を行いたいというのが運輸省の姿勢でございます。
  132. 中西績介

    ○中西(績)委員 工場誘致を初めとするこの地域における再生を果たすためのいろいろな措置が必要なのですけれども、何と申しましても、アクセス道路あるいはこうした港湾の、特に問題になります物流機能及び公的な交通網整備というものは極めて重要でありますから、ぜひ、今申されたことを含めて追求をしていただければと思います。  角度を変えまして、鉱害対策問題について、今、福岡にほとんど集中しておるということもございますので、この問題についてお聞きをいたします。  鉱害復旧事業については、平成八年十月に石炭鉱事業団とNEDOを統合いたしまして、平成四年度以降の鉱害復旧促進措置で事業の本格化と集中的対応を図っていることについては認めます。その結果、平成四年、当時残っていた十二県中十県で累積鉱害解消の公示があり、本年九月に佐賀県の終了宣言の公示、残りは福岡県に集中すると言われておりますけれども現状と今後の課題についてお答えいただきたいと思います。  一つは、現在の鉱害認定件数、家屋二千五百件。それから未認定件数、家屋が六千件です。聞くところによると、家屋については、年に認定件数千件ずつしか消化できない。未認定については三千件と言われています。  それから、申し出の残りの農地の場合の未認定がございます。これについては九十七件あるようでありますけれども、これらがいよいよ、平成十三年度までですから、その期限が迫りつつあるわけですね。このめどについてはどのようにお考えですか。
  133. 篠原徹

    篠原政府委員 地下深部の石炭採掘に起因いたします沈下鉱害につきましては、福岡県内の申し出につきましては平成七年三月に締め切ったところでございます。その後、認否の判断を行うなど、申し出処理に努力してきたところでございます。  ただ、先生御指摘のような数字で、まだ申し出未処理案件があるのも事実でございます。私ども、この申し出未処理案件の一層の処理促進を図るために、今般、九州通産局に鉱害処理促進課を設置するなど、体制を強化いたしたところでございます。  また、御指摘ございましたとおり、昨年の十月、NEDOと石炭鉱事業団との統合によりまして処理業務の一元化がなされておりまして、今後、申し出処理体制が強化、推進されるというふうになっておるところでございます。  認定されました案件につきましては、復旧基本計画及び実施計画に掲上いたしまして、復旧工事を着実に遂行していく予定でございます。特に農地につきましては、工事終了後三年間の効用回復期間を考慮する必要がございますので、平成十年度末までの復旧工事の完了を目指すということで、今鋭意頑張っているところでございます。  いずれにいたしましても、申し出案件の認否の処理を促進いたしまして、また、認定案件の復旧工事実施いたしますことによりまして、平成十三年度末の法期限内に鉱害復旧を終了させるということで、私ども関係者一同頑張っておるところでございます。
  134. 中西績介

    ○中西(績)委員 これを進めるに当たって、私は一番危惧いたしますのは、鉱害復旧事業に必要な要員をどのように確保するかということが、現状でも大変厳しい条件の中で関係者は努力をしておるということを十分認識しておりますだけに、おくれておる鉱害申し出処理等について促進をするためには、やはり何としても、要員をどのようにこれから確保していくかということが極めて重要だろうと思っております。  この点について何かお考えはありますか。
  135. 篠原徹

    篠原政府委員 NEDOの鉱害本部の行います鉱害復旧事業は、平成十三年度の法期限に向け、現在仕上げの段階に入りつつございまして、今、事業量がピークを迎えているところでございます。  鉱害本部の人員につきましては、法期限内に鉱害復旧が完了できますように確保いたしたいと思っておりますし、その時々におきます業務の状況に適切に対処してまいる所存でございます。  例えば、外部に委託できるような仕事、例えば設計あるいはコンピューター計算一こういったものはできるだけ外部に、アウトソーシングと申しますか事業委託をいたしておりまして、本部の職員ができるだけ現場に密着した、あるいは事業を促進するために必要な仕事に集中できるようにということで配慮もしているところでございます。
  136. 中西績介

    ○中西(績)委員 特に特殊法人とのかかわりがありますから、この辺につきましては、将来的にまた大変な不安をもたらすようなことになりますと問題ですから、この点に関してはまた後刻論議をしたいと思います。いずれにしても、安心して、本当にそこにこの三年、四年を充実した形で働ける条件をつくっていただければと思っています。  時間がありませんから次に行きますが、かんがい排水施設の維持管理基金引き渡しについてどのようになっておるのか。  と申しますのは、現在まで引き渡しの済んでおる数が五十六。ところが、今後残されている件数が百六十あるわけなんです。ということになると、財政的な面を含んで大変大きな問題として残っておりますけれども、これはすべて終了するめどがあるのかどうか、その点についてお答えください。
  137. 篠原徹

    篠原政府委員 かんがい排水施設の維持管理につきましては、先生御指摘ございましたとおり、基金による維持管理制度確立されているところでございます。  平成四年度から八年度末までに五十六施設につきまして引き渡しが終了いたしております。今年度末までには三施設を引き渡す予定でございます。さらに、明十年度につきましては、現在十一施設分として四十六億円程度を要求しているところでございます。  通産省といたしましては、平成十三年度末の法期限内にかんがい排水施設の維持管理者への引き渡しが完了いたしますように、今後、引き続き最大限の努力をしてまいる所存でございます。
  138. 中西績介

    ○中西(績)委員 財政的な問題も含めて、これから大きな課題になると思いますので、御努力いただきたいと思います。  次に、累積鉱害解消後の体制をどのように維持していくかということがまた大きな課題になります。したがって、事業実施する指定法人の設立はどのようにするつもりなのか、この点についてお答えください。
  139. 篠原徹

    篠原政府委員 累積鉱害の処理が完了した後におきましても、地表から深さ五十メートル以内の採掘跡または坑道跡の崩壊に起因いたしますいわゆる浅所陥没が断続的に発生することが見込まれます。これに対応いたしますために、平成四年の法改正におきまして、特定鉱害復旧事業を行うための指定法人制度という制度を設けたところでございます。  累積鉱害が解消された後におきますこの指定法人の設立につきましては、各地域におきまして浅所陥没等の発生状況が大きく異なっておりますことから、私どもといたしましては、各県と緊密な連携をとり合いながら、具体的内容を固めてまいりたいというふうに考えております。
  140. 中西績介

    ○中西(績)委員 最後になりますが、通産大臣に要請をしたいと思います。  と申しますのは、産炭地問題は、一言で申しますとすべてが地域問題になってまいります。閉山をした北海道の場合には、ほとんどと言っていいほどそこに住んでおった皆さんがいなくなってしまって、残されたその地域全体が大変な状況の中に置かれておるということ。特に内陸部についてはこのことが極めて強いわけですね。外洋に面するようなところではある程度再生を果たしていったところがございます。ですから、私が期待するのは、大牟田は極めて期待のできるところだ、こう考えております。ところが、それに反して、筑豊とか空知だとかいうところは全部内陸部にあるわけでありますから、こうした点が非常に今なお残されておるということであります。  したがって、それぞれ地域活性化推進協議会等をつくりまして、地域発展構想なるものをつくっていますけれども、これらについては、通産省石炭部を中心としてこれからかかわり合って、ぜひいち早い再生を果たす構想を練り上げていただいて、これらについて振興策をぜひ追求をしていただきますことをお願いを申し上げて、終わりたいと思います。  以上です。      ――――◇―――――
  141. 大畠章宏

    大畠委員長 この際、金子原二郎君外六名から、自由民主党、新進党、民主党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び太陽党の共同提案による石炭政策確立に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤静雄君。
  142. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     石炭政策確立に関する件(案)   平成四年度から開始された、新しい石炭政策 の下、我が国炭鉱業においては、内外炭価格 差が一層拡大し、高エネルギー価格構造の是正 の要請が益々高まっている中で、経営の多角化 ・新分野開拓への取り組みを始め、懸命の合理 化努力が進められているところである。   こうしたなかで、石炭鉱業審議会において は、平成十年度以降平成十三年度までの基準炭 価及びそれ以降の石炭鉱業のあり方についての 検討が進められている。   石油代替エネルギー源としての石炭は今後と も一層の利用の増大が見込まれており、国際的 な需給動向を踏まえた長期的観点にたつ安定確 保への取り組みが必要である。このためにも、 国際的にも評価が高い我が国炭鉱業の高度な 生産・保安等の技術力については、バーゲニン グパワーの維持、あるいは輸入大国としての技 術協力必要性観点からも重要であり、今後 の石炭エネルギー供給に資する役割への期待は 極めて大きい。   また、いうまでもなく、地域の基幹産業であ る石炭鉱業の維持・存続は、産炭地域の振興や 雇用の確保の観点からも切望されているところ である。   政府は、こうした点を踏まえ、大所高所の観 点から国内炭鉱業を評価し、適正な位置づけ について十分配慮すべきである。   右決議する。 以上であります。  決議案の内容につきましては、本特別委員会の審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  143. 大畠章宏

    大畠委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  金子原二郎君外六名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  144. 大畠章宏

    大畠委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。  この際、ただいまの決議につきまして、堀内通商産業大臣及び伊吹労働大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。堀内通商産業大臣
  145. 堀内光雄

    堀内国務大臣 ただいま御決議いただきました石炭政策確立に関する件につきましては、石炭鉱業審議会企画小委員会審議も踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
  146. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、伊吹労働大臣
  147. 伊吹文明

    ○伊吹国務大臣 ただいま御決議のございました石炭政策確立に関する件につきましては、関係省庁と連携をとりながら、適切に対処してまいる所存でございます。
  148. 大畠章宏

    大畠委員長 本決議の議長に対する報告及び関係各方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 大畠章宏

    大畠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ――――◇―――――
  150. 大畠章宏

    大畠委員長 この際、御報告いたします。  今会期中、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、石炭鉱業の安定並びに産炭地域の振興に関する陳情書外一五件であります。念のため御報告いたします。      ――――◇―――――
  151. 大畠章宏

    大畠委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  石炭対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 大畠章宏

    大畠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 大畠章宏

    大畠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、閉会中、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 大畠章宏

    大畠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十九分散会