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篠原政府委員 今後の中長期的な
海外炭の価格あるいは需給の
見通しいかんということだったと思います。
現在、
平成八年度の
我が国の
海外炭依存度は九五%強でございます。
平成六年六月に策定されました
現行の長期エネルギー需給
見通しにおきましては、一九九二年度から二〇一〇年度にかけまして、エネルギー需要は約一・二倍になる
見通しでございます。これに対応いたします
石炭の供給は約一・二倍、エネルギー全体に占めるシェアは一六%程度とほぼ横ばいで推移する見込みとなっております。
一方、
世界のエネルギー需給につきまして、IEAすなわち国際エネルギー機関の
見通しによりますと、二〇一〇年のエネルギー需要は一九九三年の約一・五倍に増大する見込みとなっております。この間、
石炭等の需要につきましては約一・四倍になる見込みでございますけれ
ども、特に中国を初めといたしますアジア
地域におきましては、約一・九倍に増大することが見込まれておりまして、この需要の増大に見合う供給を円滑に確保するというのが今後の課題というふうに私
どもも認識いたしております。
価格の動向でございますけれ
ども、価格につきましては、需給両面の検討が必要であろうかと思います。
供給面につきましては、
石炭は、アメリカ、オーストラリア等、アジア・
太平洋地域に豊富に賦存いたしておりまして、これらの供給国の体制もおおむね安定いたしております。必要なインフラ等の
整備が適正に行われるという
前提に立てば、需要増に対応した供給が行われるというのが一般的な
考え方ではないかと思います。
したがいまして、価格につきましては、暴騰等の
可能性は比較的小さいのではないかというふうに思います。
ちなみに、国際エネルギー機関の
見通しによりますと、従来同様のエネルギー消費がなされれば二〇一〇年までの
石炭価格は緩やかに上昇、また、省エネルギーが最大限
推進されるという場合には横ばいになるのではないかというふうな
見通しがございます。