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1997-12-03 第141回国会 衆議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年十二月三日(水曜日)     午後二時十三分開議 出席委員   委員長 斉藤斗志二君    理事 石原 伸晃君 理事 小此木八郎君    理事 岸田 文雄君 理事 茂木 敏充君    理事 遠藤 乙彦君 理事 西川太一郎君    理事 松本  龍君 理事 大森  猛君       甘利  明君    岩永 峯一君       遠藤 武彦君    小川  元君       大村 秀章君    栗本慎一郎君       河本 三郎君    新藤 義孝君       竹本 直一君    武部  勤君       中島洋次郎君    中山 太郎君       野田  実君    林  義郎君       村田敬次郎君    望月 義夫君       山口 泰明君    青山  丘君       石井 啓一君    神田  厚君       草川 昭三君    古賀 正浩君       島   聡君    島津 尚純君       達増 拓也君    中田  宏君       中野  清君    吉田  治君       大畠 章宏君    小林  守君       渡辺  周君    瀬古由起子君       横光 克彦君    粟屋 敏信君       伊藤 達也君  出席国務大臣         通商産業大臣  堀内 光雄君  出席政府委員         経済企画政務次         官       栗本慎一郎君         通商産業政務次         官       遠藤 武彦君         通商産業大臣官         房商務流通審議         官       岩田 満泰君         通商産業大臣官         房審議官    古田  肇君  委員外出席者         環境庁企画調整         局環境影響評価 寺田 達志君         環境庁自然保護         計画課長    鹿野 久男君         文化庁文化財保         護部伝統文化課         長       長谷川裕恭君         運輸省鉄道局都         市鉄道課長   竹村 昌幸君         運輸省鉄道局技         術企画課長   藤森 泰明君         運輸省自動車交         通局企画課長  岩崎 貞二君         運輸省航空局飛         行場部計画課大         都市圏空港計画         室長      茨木 康男君         建設省建設経済         局宅地課長   増田 優一君         建設省都市局都         市計画課長   中島 正弘君         建設省都市局都         市計画課都市交         通調査室長   高  泰久君         建設省道路局企         画課道路経済調         査室長     藤本 貴也君         建設省道路局地         方道課長    村岡 憲司君         商工委員会調査         室長      野田浩一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月三日  辞任         補欠選任   奥田 幹生君     岩永 峯一君   栗本慎一郎君     望月 義夫君   白川 勝彦君     竹本 直一君   林  義郎君     大村 秀章君   神田  厚君     草川 昭三君   島   聡君     中田  宏君   生方 幸夫君     小林  守君   吉井 英勝君     瀬古由起子君   前田 武志君     粟屋 敏信君 同日  辞任         補欠選任   岩永 峯一君     奥田 幹生君   大村 秀章君     林  義郎君   竹本 直一君     白川 勝彦君   望月 義夫君     栗本慎一郎君   草川 昭三君     神田  厚君   中田  宏君     島   聡君   小林  守君     生方 幸夫君   瀬古由起子君     吉井 英勝君   粟屋 敏信君     前田 武志君     ――――――――――――― 十二月一日  住宅用太陽光発電普及推進に関する請願(小  坂憲次紹介)(第八七五号)  同(堀込征雄紹介)(第八七六号)  大規模小売店舗法制度見直し等に関する請願  (小坂憲次紹介)(第八七七号)  同(堀込征雄紹介)(第八七八号)  著作物販売価格維持制度に関する請願小坂  憲次紹介)(第八七九号)  同(堀込征雄紹介)(第八八〇号) 同月三日  住宅用太陽光発電普及推進に関する請願(小  川元君紹介)(第一〇五五号)  同(宮下創平紹介)(第一〇五六号)  同(北沢清功紹介)(第一一九二号)  出版物再販制廃止反対に関する請願奥田幹  生君紹介)(第一一一一号)  同(宮路和明紹介)(第一一一二号)  同(今村雅弘紹介)(第一一九六号)  同(河本三郎紹介)(第一一九七号)  大規模小売店舗法制度見直し等に関する請願  (小川元紹介)(第一一一三号)  同(北沢清功紹介)(第一一九三号)  同(宮下創平紹介)(第一一九四号)  大型店出店規制に関する請願大森猛紹介)  (第一一九〇号)  同(吉井英勝紹介)(第一一九一号)  著作物販売価格維持制度に関する請願北沢  清功紹介)(第一一九五号)     ――――――――――――― は本委員会に付託された。 十二月二日  再生紙利用古紙リサイクルの促進に関する  陳情書  (第二一三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成十七年に開催される国際博覧会準備及び  運営のために必要な特別措置に関する法律案  (内閣提出第一二号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付平成十七年に開催される国際博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横光克彦君。
  3. 横光克彦

    横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問順位を繰り上げていただきました。最初質問させていただきます。各党の御配慮にまずお礼を申し上げます。  二〇〇五年に愛知県におきまして国際博覧会開催されることになりました。今回の博覧会テーマ、「新しい地球創造 自然の叡知」というこのテーマから、従来の開発型の万博ではなくて新たなモデルをつくっていただきたい、私はそんな気持ちでいっぱいでございます。と申しますのも、万博史上初めて、人類が直面いたしております環境問題を中心テーマにしている、いわゆる環境博だと思うからでございます。この博覧会が、我々が未来に向けて、とりわけ二十一世紀において解決しなくてはならない多くの課題環境資源エネルギーやあるいは食糧、こういった問題について世界じゅうの人々から英知を集める、そういった場所を提供する、そういった形になるのが最も重要ではなかろうか、そんな気がしているわけでございます。  これからいよいよその開催に向けて具体的な作業が始まるわけでございますが、まだまだクリアしなければならないたくさんの問題がございます。会場建設費あるいはその運営費、また環境への配慮、さらにその跡地利用ですね、こういった諸課題をクリアしなければならないわけでございますが、それらの点について質問をさせていただきたいと思います。  まず、環境でございますが、九九年に施行予定環境影響評価法を新たに前倒ししてアセスをやるということでございますが、今度どのように環境影響評価を行うのか、まずそこのところをお聞かせいただきたいと思います。
  4. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  本博覧会開催に当たりましては、ただいま先生の御指摘のように、環境影響評価方法については、平成七年十二月の閣議了解を踏まえまして、環境影響評価法施行前ではありますが、同法の趣旨を先取りいたしまして、生物多様性、人と自然の触れ合い等観点も加えまして環境影響評価を実施することにいたしております。具体的な内容につきましては、事務局の方から御説明を申し上げます。
  5. 岩田満泰

    岩田政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、環境影響評価法におきましては、大気、水、土壌などの良好な状態、生物多様性、人と自然の触れ合い、そういったものの確保を旨として調査、予測及び評価手法を選定すべきとされておるわけでございます。  これを踏まえまして、通産省といたしましては、本年の十月に環境庁等関係機関と連携しつつ、二〇〇五年の国際博覧会に係ります環境影響評価手法検討委員会を設置いたしまして、検討を開始しております。来年三月までに結論を得た上で、当省として評価項目手法決定することといたしております。この決定に基づいて、博覧会実施主体でございます博覧会協会が速やかに環境影響評価所要手続を開始することとなる、このようなことでございます。
  6. 横光克彦

    横光委員 今、通産省に設置されております検討委員会で三月までに手法等決定するというお話でございますが、これまで検討委員会ではどのような論議がされてきたのですか。
  7. 岩田満泰

    岩田政府委員 通産省が本年十月に設置いたしましたこの検討委員会におきましては、本博覧会に関します具体的な環境影響評価手続技術的事項などについて検討を行っているところでございます。  これまで同委員会検討過程では、住民意見聴取方法を初めとする環境影響評価手続の進め方、大気、水、生態系、人と自然との触れ合いなどの調査項目ごとの具体的な調査手法について検討がなされているところでございます。
  8. 横光克彦

    横光委員 今度の環境影響評価法評価をそのまま前倒ししてやるということになりますと、新たに調査項目生態系が加わるわけですね。  今回、会場候補地となっておりますこの海上の森、ここにはシデコブシやサギソウあるいはギフチョウなどの非常に多くの貴重種の生育が確認されております。こういった地域でありながら現在の候補地に選ばれた、これはどういう経緯があったのか、そしてまた、政府としてはその地域環境を守るためにどのような配慮を行ったのか、そこのところをちょっと説明してください。
  9. 岩田満泰

    岩田政府委員 会場候補地の選定に当たりましては、地元愛知県において次の四つの条件を満たす場所が望ましいとして検討が進められたと聞いております。  第一は、大都市機能が活用できる地域であること。日本万博の千里丘陵が大阪都心から十五キロメートルであることを勘案いたしますと、名古屋都心からおおむね二十キロメートル圏内を対象とすること。第二は、将来の地域づくりについて戦略的なビジョンがあり、その具体化に向けた取り組みが進められていること。第三は、既に交通基盤整備計画があること。第四は、まとまった用地が比較的確保しやすいこと。  地元愛知県では、愛知瀬戸南東部がこれらの条件をすべて満たす場所であるとして、会場候補地決定したと承知をいたしております。  政府といたしましては、平成六年に提出されました地元構想をもとに、政府部内及び愛知県の間において調整を行いました。この調整の結果、愛知県から会場構想変更提案されました。この変更を前提に平成七年の閣議了解を行ったものでございます。  具体的には、貴重種がまとまって生息、生育する環境保全を図り、屋戸川、寺山川などの水系の保全を図るとの基本的な考え方のもとに、主要施設を整備する区域の大幅縮小会場候補地区縮小愛知県の計画道路位置の大幅なルート変更橋梁化内容とする変更を行ったものでございます。
  10. 横光克彦

    横光委員 今、政府の方から、そういった修正を行ったということですが、道路位置の大幅のルート変更、これは名古屋瀬戸道路のことだと思いますが、実はこの会場候補地Bゾーンというところがございます。恐らくここに最初そのルートが通る予定変更したということだと思いますが、このBゾーンに先ほどから言われております貴重種が一番多数生育しているということで、そういった配慮をされたのだと思います。それ以外に、このBゾーンにこれから会場施設等は、そういった環境配慮から設置するということはありませんね。
  11. 岩田満泰

    岩田政府委員 いわゆるBゾーンにつきましては、平成七年十二月の閣議了解の際に、貴重種などの生息環境保全しつつ、人と自然との豊かな触れ合いを実現する場として位置づけられるということになっておりまして、Bゾーンにおいて展示施設を配置することは考えておらないわけでございます。
  12. 横光克彦

    横光委員 そういった非常に貴重なところ、貴重種がおるところは、もう政府の方も配慮しているわけですから、これからこのBゾーンは恐らく一切施設配置等は行わない、大切に保護していく、そういったことと承っております。  このような環境影響評価をこれから実施されるわけですが、その結果、さまざまな問題が出てくる可能性もあるわけですね。そのような場合にはどのように取り組んでいくおつもりなのか、お聞かせください。
  13. 岩田満泰

    岩田政府委員 政府といたしましては、現在の会場候補地につきまして、環境に十分配慮するなどの観点に立ちまして、地元提案に対して、会場候補地区の一部を削除するなど所要修正を加えた上で、この地を主たる会場候補地として平成七年十二月に閣議了解を行ったところでございます。これを踏まえまして、平成八年四月にBIEへの開催申請を行い、本年六月の投票において支持を得たものでございます。このような経緯にかんがみまして、今後この場所基本といたしまして準備を進めていきたいと考えておるわけでございます。  その際、会場計画につきましては、環境影響評価と並行して策定作業が実施され、環境影響評価作業経過及び結果が十分に会場計画策定作業に反映されることが重要であると考えておりまして、通産省として、この旨、博覧会協会に対して指導をしていく方針でございます。
  14. 横光克彦

    横光委員 今、環境影響評価策定作業を並行して実施するというお話でございました。しかし、この環境影響評価をやった場合、これは仮にの話でございますが、もし現在の会場候補地博覧会開催するに当たっては不適格である、そのようなことになった場合、そのときにはどうされるのか。そのまま開催準備を進めるおつもりなのか、あるいはまた代替地検討しているのか、そこのところをお聞かせください。これは大臣にひとつ。
  15. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  ただいままで先生政府委員との間の質疑においてもおわかりのとおり、この場所決定につきましては、閣議了解に至る経緯BIE総会における国際的な支持にかんがみまして、政府としては、この場所基本として準備を進めていきたいと考えております。  その際、環境影響評価については環境影響評価法趣旨に沿って厳正に行うこととしておりまして、その結果を決してないがしろにするようなことはなく、十分に尊重した上で博覧会会場計画を確定してまいる方針でございます。したがいまして、環境影響評価上の問題を残したままで会場計画を確定することはあり得ないと認識いたしておりますので、この場所において実行をさせていただきます。
  16. 横光克彦

    横光委員 いわゆる問題を残したまま、あるいは放置したまま会場計画を進める、確定するということは決してない、このように受けとめております。  次に、本博覧会は、みんなで考え、つくり、そして参加する、あるいは地球と人との共生の道というのが基本理念になっておるわけですね。しかし、環境破壊を心配している市民団体も多くいるわけでございます。そういった人たちと対立したまま開催に向かっていくと決していい結果につながらない、そんな気がしてなりません。博覧会協会中心として、地域住民参加させ、地域住民の声を聞く、そういった協会地域住民の接点といいますか、窓口のようなものをつくって、そして対話の道を広げていくような努力をしていただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
  17. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  地域住民を初めといたしまして関係者の十分な理解を得るように努めることは、御指摘のように、本博覧会成功に向けて非常に重要であると認識をいたしております。今後、博覧会協会中心にいたしまして、環境問題については、環境影響評価手続の中で、早期の段階から住民皆様方から広く意見を聞いたり説明会開催するなどいたしまして、対応を検討いたしてまいることにいたしております。  また、博覧会テーマサブテーマなどの具体的な展開につきましても、シンポジウムや説明会開催、インターネットによる提案募集等によりまして、地元市民団体を初めとする広範な方々の具体的な提案博覧会協会作業に反映させていくことによりまして、みんなでつくる博覧会として実現をさせてまいる覚悟でございます。
  18. 横光克彦

    横光委員 今大臣のお言葉にありました、みんなでつくる博覧会、どうか、非常に大事なことだと思いますので、御努力をお願いいたしたいと思います。  次に、これまでの博覧会は、ともすれば大国中心あるいは大企業参加中心であったと思うわけですが、私たちの国には、博覧会の今回のテーマに沿うような、環境創造型の独自のすばらしいアイデアなり技術を持つ優秀な中小ベンチャー企業もあるわけでございます。例えば空気や水の清浄、あるいは風力発電等々、たくさんございます。どうか、今回そういった環境テーマでございますので、会場計画策定に当たりましては、ぜひともこういった中小ベンチャー企業技術力を結集し、積極的に参加、活用できるような場所についても御配慮をお願いいたしたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  19. 岩田満泰

    岩田政府委員 御指摘のとおり、博覧会構想具体化に当たりましては、幅広く多くの方々アイデアに耳を傾け、あるいは集めることが重要であると考えておりまして、活力のある中小企業あるいはベンチャー企業の知識や技術を必要とする分野も非常に多いと考えております。例えば循環型の社会の構築を図っていく上での環境技術でございますとか、時代の最先端を行く情報技術などについて、これら企業からの意見を大いに取り入れていくべきと考えておるところでございます。今後、博覧会協会におきまして構想具体化が行われるわけでありますが、この点も踏まえて作業が進められることを期待したいと思います。
  20. 横光克彦

    横光委員 どうぞよろしくお願いいたします。  そして、アジアを中心とした発展途上国参加しやすいようないろいろな支援手段を講じていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
  21. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、青山丘君。
  22. 青山丘

    青山(丘)委員 ようやくこの博覧会が、二〇〇五年、愛知県で開催されることが決定をいたしました。若干地元の声が正しく伝わっておらないような気がいたしますので、まず私は、一つは、この法案審議で、資金調達人材確保を進めていく、この意義を率直に認めて、しかも、地元熱意というものをまず第一に大臣を初め通産省皆様方理解をしていただきたい。そして、これを何としても成功させていただかなければならない。こういうことを少し御理解を求めて、質問をさせていただきます。  まず第一に、誘致活動地元皆さん方は極めて誠意を持って積極的に取り組んできました。そして、実は私は、六月十二日、あのモナコのBIE総会で進められていく選挙の模様を目の前で見まして、世界の皆さん方日本での開催を強く期待しておられるということをひしひしと感じました。  あのときの過半数がちょうど四十一票でございまして、四十一票になったときにジャパンとフィリプソン大使日本の名前を言い、投票者の票で四十票になったときに、会場から思わず拍手が出ました。後から聞きましたら地元でも大変な拍手喝采で、この万博開催に強い期待を寄せておられる、大変な熱意を持っておられるということをひとつぜひ御理解いただきたいと思います。  たまたまちょっと心細いなと思いましたのは、万博開催が決まったら、総理大臣の発言は、金はないけれども気持ちの上で大いに応援していきたいと。少し心細いと率直に思いました。一九七〇年、大阪開催されてから四回、既に日本は経験しております。そして、今回は堀内通産大臣博覧会担当大臣ということで総理から御指名を受けられて、関係閣僚会議中心となられ、責任を持ってこの世紀の大事業を進めていただくことになりました。  私は、何としても成功させていただかなければならないし、ぜひ成功させていただきたい、このことをまず担当大臣に御理解をいただいておいて、その上で、これから万博成功に向けて、政府としての方針成功をさせるため政府としてはこういう方針で取り組んでいきたいというところをひとつぜひ明らかにしていただきたいと思います。
  23. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生初め地元の諸先生方の大変な御熱意に心から敬意を表すると同時に、私どもも、御期待にこたえるべくしっかりやってまいらなければと決意を新たにいたしている次第でございます。  本年六月の開催決定後、政府といたしましては、八月二十六日に博覧会担当大臣を指定をいたしました。九月三十日に第一回関係閣僚会議開催いたしました。十月二十三日には本博覧会開催主体となる財団法人二〇〇五年日本国際博覧会協会設立許可を行ってきました。  また、来年度予算に博覧会準備経費として約三億三千万を要求するなど、博覧会推進体制強化充実を着実に現在進めているところでございます。  また、この一環として、資金調達人材確保等の面で博覧会協会に協力を行うことができるように、本日御審議をいただいている法案提出をさせていただいたところでございます。  本博覧会を国際的な期待を裏切らない内容にするためにも、関係閣僚会議場所等を通じまして、政府一丸となった推進体制を構築するとともに、本法律を基礎といたしまして、博覧会協会を支援し、円滑な準備を図ってまいりたいと思っております。
  24. 青山丘

    青山(丘)委員 ぜひひとつ、担当大臣として、堀内通産大臣努力と真摯な取り組みに大きく期待をしております。御理解をいただきたいと思います。  そこで、審議官の方にお尋ねしたいのですが、今お話がありましたが、全体としてこれまでの取り組みについて、それから、今後準備に入りますが、この準備にこういう姿勢で取り組んでいきたいということについて、ぜひ前向きに聞かせていただきたいと思います。
  25. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答えをいたします。  本博覧会開催に当たりましては、当初愛知県を中心提案されました構想を踏まえまして、通産省においてさらに検討を加え、平成七年十二月に開催申請閣議了解を行いまして、翌年、八年四月にBIEに対して開催申請書提出したわけでございます。  その後カナダ・カルガリー市が立候補したことから、我が国の博覧会構想への理解を得るよう、今先生の御指摘もございましたように、まさに官民挙げての幅広い誘致活動が行われた結果、本年六月に日本での開催決定した、このような経緯があるわけでございます。  今後につきましては、博覧会協会におきまして、国際的に高い評価を得た博覧会理念テーマなどを具体化する一方で、先駆的な環境影響評価を実施いたしまして、その結果などを踏まえながら、会場計画策定していくということが大きな仕事になるわけでございます。  いずれにいたしましても、この博覧会は国民的な大事業でございます。官民一体となりまして推進をいたしまして、内外から高く評価される博覧会にいたしたい、このように考えておるわけでございます。
  26. 青山丘

    青山(丘)委員 地元の熱い期待が今込められているということがまず第一。それから、博覧会総会では、あのときはたしか八十二カ国が参加しておったと思いますが、五十二カ国の多くの国の人たち日本博覧会開催期待を寄せて一票を入れてくださった、そういう気持ちにぜひこたえるために、何としても成功させていきたい。これは私どもも地元人たちといつも接触しておりますから、この熱意というものをひしひしと感じているだけに、ひとつぜひ率直にまず受けとめておいていただきたいと思います。  それから、今テーマとか理念の話が出ましたが、きょうは時間がありませんから、これはまた改めてきちっと、この博覧会成功に向けてどういう理念でどういうテーマでということについて、既に相当議論されてきております問題ですけれども、またこの場で改めて触れさせていただきたいと思います。特段考え方があったらまた大臣から聞かせていただいてもよろしいかと思いますが、ちょっと時間がないので、これは改めてにさせていただきたいと思います。  そこで私は、先ほどもたしか横光委員質問にもありましたが、みんなでつくる博覧会、これが今回の博覧会成功の一つの大きなテーマになってくると思います。それだけに、優秀な人材を登用していっていただきたいし、幅広い市民、特に地元の市民の声が入れられるようなシステム、あるいは学生の人々あるいは特に女性の声も入れられるような、そういう開かれたシステムというものをぜひ考えていただくことが、成功への道筋に直結するのではないかと思います。  したがって、地元の市民の声、学生の声、先ほどはすぐれたベンチャー企業の声もというところでありましたが、特に、家庭の主婦や女性の声をどういう形で受け入れていこう、あるいはそういうシステムを考えていこうということについて、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
  27. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答えいたします。  先ほど大臣から、みんなでつくる博覧会というような御説明を申し上げたわけでございますが、まさに本博覧会構想具体化につきましては、企画の段階から幅広く意見アイデアを集めて、それが博覧会協会作業に反映されていくということが極めて重要であると認識をいたしておるわけでございます。  本博覧会では、環境問題への対応といたしまして、循環型の社会の構築というようなことも試みるということを掲げておりますし、また一方、「暮らしのわざ」というものをサブテーマにしているというようなこともございます。この具体化につきましては、こうした問題を初めとして女性の視点というものも非常に重要なことになろうと思っておりまして、最大限そういったものを取り入れていくということが重要であると考えております。  今後、博覧会協会におきまして理念等々の具体化を図るわけでございますが、御指摘の点を踏まえながら適切な対応がなされますように措置したい、このように考えております。
  28. 青山丘

    青山(丘)委員 これから準備運営の立場で極めて重要な問題として、世界の人々があの会場に来ていただくことになります。交通の不便をかけたりするようなことでは、万博会場がいかに立派ですぐれた会場であってもその効果は半減してしまう。きょうは運輸省にも建設省にも来ていただいておりますので、そのあたりのことを、ぜひこの考え方を聞かせていただきたいと思いますが、率直に言うと、私から陳情を申し上げる、質問の時間に陳情しておってはいけませんけれども、きょうはそういう気持ちです。  さて、通産省としては交通アクセスの問題を、整備をきちっと進めていくという立場でどのような考え方を持っておられるのか、まず通産省にお聞きしてから、具体的に運輸省と建設省にもお尋ねしていきたいと思います。いかがでしょう。
  29. 岩田満泰

    岩田政府委員 今後、本博覧会につきましては、「自然の叡知」をテーマとする魅力のある内容とすることとあわせまして、御指摘のように、全体として本プロジェクトを円滑に実施するために、交通網の整備などの関連公共事業の着実な推進ということも極めて重要な課題であると考えておるわけでございます。  これらについて、通産省といたしましても、博覧会成功させるという観点から、関係閣僚会議の場などを利用することを含めまして、各事業を所管されます省庁とさまざまな形で連携を図り、また御協力をお願いし、その実現に向けて努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
  30. 青山丘

    青山(丘)委員 ありがとうございます。  建設省、私は、具体的には、会場に隣接するところに今愛知環状鉄道というのが一本ありまして、ここに新駅を設置すれば一つの流れは確保できると思います。少し大回りになりますが、考えとしては一つあります。  問題は、一つは、道路網の整備がこれからわずか七年間の準備期間に、この交通アクセスの重要な課題として、名古屋瀬戸道路というのがどういう形で整備できるのか。わかりやすく言えば、万博開催されるときに名古屋瀬戸道路は間に合うのかどうかということが一般市民の人たちでは非常に関心の高いところでして、そのあたりはいかがでしょうか。
  31. 村岡憲司

    ○村岡説明員 御質問名古屋瀬戸道路につきましては、名古屋市と瀬戸市等の周辺市町を結びますとともに、東海環状自動車道と接続することによりまして名古屋圏の自動車専用道路網を形成する大変重要な路線でございまして、建設省としましても、去る七年八月には全線十九キロにつきまして地域高規格道路の調査をする区間に指定したところでございます。  このうち西側の、東名へのアクセスとなります日進ICから長久手ICの四キロにつきまして、建設省におきまして、ことしでございますが、平成九年九月に整備区間に指定をさせていただきまして、都市計画決定手続、今県で進めておりますが、これが終了次第、愛知県におきまして事業に着手するというふうに聞いてございます。  一方、東側の長久手町と瀬戸市の境界から東海環状自動車道路の瀬戸東ジャンクションまでの六キロにつきましては、これも現在都市計画決定に向けまして地元説明に入っているところではございまして、本区間の事業のスケジュールにつきましては、今後万博の輸送計画なども加味しながら検討していくものというふうに愛知県から聞いておりますので、今後、県の要望も十分踏まえまして、補助事業の支援等につきまして検討してまいることにしております。  以上でございます。
  32. 青山丘

    青山(丘)委員 率直に申し上げますと、名古屋から万博会場に入り、かつ東海環状自動車道のインターまできちっと整備をされた段階ではその道路としての機能、役割というのが大きく発揮できることだと思いますが、現実的にはなかなか困難だという雰囲気が実はありまして、これは何としても進めていっていただきたいという、地元にそういう強い希望があるということをまず一つは受けとめていただきたいと思います。  それから、運輸省にお尋ねしたいのですが、中部新国際空港、先般の緊急経済対策にも、万博開催に間に合うようにというようなことを位置づけられているというふうに理解しておりますが、これから中部新国際空港はどのようなスケジュールで進められるのか、万博開催に間に合っていくのかどうか、お尋ねしたいと思います。
  33. 茨木康男

    ○茨木説明員 中部新空港につきましては、第七次の空港整備五カ年計画におきまして、国際、国内の航空ネットワーク形成の拠点という位置づけのもとに事業推進を図るというふうなことになっております。  これを踏まえまして、運輸省といたしましては、現在、平成十年度の概算要求におきまして新規事業着手のための予算を要求させていただいておるところでございます。この概算要求に当たりまして開港目標は二十一世紀初頭というふうにいたしておりますが、地元からこの二〇〇五年の万博前の開港に強い御要望を承っておるところでございます。  ただ、そのスケジュールは厳しゅうございまして、この平成十年度予算で事業化が認められた場合でも、環境アセスメントや漁業補償を迅速に進めるなど、努力努力を重ねまして標準的な期間を短縮してまいる必要がございます。  したがいまして、運輸省としては、まず、当面十年度の事業化が最も重要でございますので、これに最大限努力させていただくとともに、地元の関係の皆さんにも一層の御努力をいただきつつ、先ほど申しましたような意味での積み重ね、事業推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  34. 青山丘

    青山(丘)委員 建設省に対しても運輸省に対しても、実はこの万博関連で最初にこの問題を一つ取り上げた、取り上げてきておるということをまず御理解いただいておきたい。  それから、もう一点非常に重要なテーマがございまして、これは通産省お答えいただきたいのですが、国際陶芸村をひとつぜひ、あの地域瀬戸物という言葉で――建設省も運輸省もどうぞお帰りになっていただいて結構です。国際陶芸村構想が実は非常に重要なテーマとして今上がってきておりまして、私はこの国際陶芸村を今後あの地域の一つの大きな事業として進めていきたい。陶芸家や陶芸家を志す人が居住をすることができる、あるいは滞在をして地域の陶芸家及び陶芸家を志す人々と交流をしていっていただく、そして新しい文化や芸術を創造していく、そういう場を展開していきたい。  緑深い林の中に点在する工房つき住宅、世界の人々が気軽に日本文化に触れることのできる空間、いおり、茶室あるいは職人や作家のワークショップができる実験工房等を展開していきたい。これは地域にとって、千三百年の歴史を持っておる陶磁器の町としてはまさに歴史的な重要な事業として、私はぜひともこれは万博と関係なくとも進めていきたいと強く思ってきたことでございまして、これの進め方についてこれからひとつぜひいろいろな意味で協力をしていっていただきたい。ともかく、今回は万博開催に向けてこの国際陶芸村構想についてぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  35. 岩田満泰

    岩田政府委員 ただいま御紹介いただきました陶芸村構想でございますが、これから博覧会協会でもろもろの企画の具体化計画具体化を図るわけでございます。ぜひその過程で検討をさせていただきたいと思います。ぜひまた先生にもいろいろとお知恵をおかしいただきまして、具体的な、どのような形で取り上げ得るのかということについて、お知恵をおかりしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
  36. 青山丘

    青山(丘)委員 まだ続きがありますが、改めてもう一回やります。ありがとうございました。
  37. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、草川昭三君。
  38. 草川昭三

    草川委員 草川でございます。  国際博覧会は百五十年近い歴史を有する国際イベントでございますが、これが過日の六月十二日のBIE総会で我々愛知県で開催されることが決定しまして、私自身も細川内閣、羽田内閣のときの推進議員連盟の事務局長をやっておった関係上、心から歓迎をしたいと思うわけであります。  それで、今回の博覧会は従来の博覧会に比べてどこが新しい点と考えているのか。また、「自然の叡智」というテーマ、あるいは「暮らしのわざ」というサブテーマを決めているようでございますが、これを今後どのようにして具体的な形のあるものにされるのか、まず大臣の見解を問いたいと思います。
  39. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  近年、物を見せるだけの博覧会はその意義が薄れてまいりました。我が国といたしましては、環境資源エネルギー、人口、食糧などの人類共通の課題について、世界の一人一人に考える機会を提供する博覧会というような考え方をまず第一に置いてございます。  二番目には、人と自然の新たな関係の追求ということについて世界の英知を集める、そういう考え方のもとに、来るべき時代への実験場としての博覧会開催してまいりたいというような新しい構想を国際的に提示をしてきたところでございます。国際的な競争の中で我が国での開催決定をいたしましたのも、これらの提案が国際的に高く評価をされた結果であったのではないかと思う次第であります。  今後、テーマサブテーマが具体的に形のあるものになるように、博覧会協会中心にいたしまして計画づくりを初めとする取り組みがなされていくわけでありますが、その際には、地元は言うまでもなく、国の内外を問わず、幅広い方々から御意見を承りながらその具体化を図ってまいることが重要だと考えておりまして、先生方の御意見をしっかり受けとめながら取り組んでまいりたいと思っております。
  40. 草川昭三

    草川委員 環境影響の評価はきちっとやらなければいけないと思いますが、平成七年十二月の開催申請にかかわる閣議了解でも、きちっと適切に行うということが確認をされておるわけでございますが、具体的にどのような形で進められていくのか、お伺いしたいと思います。
  41. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答え申し上げます。  閣議了解趣旨を踏まえまして、基本的には環境影響評価法、先般成立いたしました法律に基づきまして、施行前ではございますが、同法の趣旨を先取りして博覧会事業環境影響評価を実施しようと考えております。同法におきましては、大気、水、土壌などの良好な状態、生物多様性、人と自然の触れ合いなどの確保を旨として、調査、予測、評価手法を選定すべきであるとされておるところでございまして、これを踏まえまして、通産省にこの博覧会に係ります環境影響評価手法検討委員会を設置、検討を開始しておるところでございます。来年三月末までに結論を得た上で、当省として評価項目手法決定することといたしております。その上で、博覧会実施主体でございます博覧会協会において速やかに影響評価所要手続に入る、このような段取りを考えておるわけでございます。
  42. 草川昭三

    草川委員 ぜひ適切な評価が行われるよう、お願いをしたいと思います。  さて、今度の博覧会は、昭和四十五年の万博以来の三十五年ぶりの総合的な博覧会になるわけでございまして、相当な入場者というのか参加者がお見えになる、こういうことが予想をされるわけであります。そこで、何人くらいを想定しておみえになるのか、またどのような交通手段で来場をされることを考えておるのか、通産省からお伺いをしたいと思います。
  43. 岩田満泰

    岩田政府委員 過去の博覧会の例を参考にして行いました試算では、約二千五百万人の観客を見込んでおります。この観客の輸送につきましては、鉄道輸送力の増強や道路整備を進めていただくことによりまして対応していくことを想定しているわけでございます。
  44. 草川昭三

    草川委員 運輸省にお伺いをしますが、運輸省として愛知万博の鉄道軌道のアクセスについてどのような考えを持っておみえになるのか、あるいはまた目標はどうか、お伺いしたいと思います。
  45. 竹村昌幸

    ○竹村説明員 お答えさせていただきます。  今通産省の方からお答えになられたように、二千五百万人という数字でございますが、国際博覧会予備調査検討委員会報告書というものでは、そのうちの一千万人を鉄道による輸送観客と見込んでおるところでございます。この一千万人については、同報告書におきましては既存の鉄道の増発や車両増結、最寄りの鉄道駅からのシャトルバスの運行、それから団体バスの運行等を基本とするということとされておるところでございます。  現在、愛知県を中心といたしまして、地元において愛知環状鉄道等の既設路線の設備改良等の整備のあり方につきまして具体的内容検討しておるところでございますけれども、運輸省としましては、愛知環状線等の既設路線の増発や車両増結等を基本としつつ、地元における具体的な整備計画検討を踏まえ、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
  46. 草川昭三

    草川委員 もう一歩踏み込んでお伺いをしますが、今の答弁で約一千万人の軌道を利用する観客を目標とするという、こういうお話でございまして、名古屋駅からはJR中央線があるわけでありまして、高蔵寺駅というところがございます。そこから愛知環状鉄道という第三セクターがあるわけでございますが、これは直通というような整備が検討されているのかどうか。それから、愛知環状鉄道の輸送力強化のためには当然複線化が必要と思われますが、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
  47. 竹村昌幸

    ○竹村説明員 ただいま申し上げましたように、既設路線の設備改良については現在愛知県で検討しておるところでございまして、その検討内容はまだ固まったわけではございませんが、例えば、今先生指摘がございました愛知環状線の一部複線化ですとか直通運転化というようなことも検討の対象になっているというふうに聞いておるところでございます。
  48. 草川昭三

    草川委員 ぜひ運輸省当局としても、JRとの直通化、これはかなり、ジョイントのところはそれなりの設計が要るわけでございますし、それなりの技術も要るわけでございますから、私は、早目早目に地元と相談をされて、今答弁がありました部分複線化あるいはJRとの直通化問題については検討をしていただきたいし、指導していただきたい。これは特に強く要望をしておきたいと思うわけであります。  そこで二番目に、もう一つ、東部丘陵線構想というのがあるわけでありますね。これは名古屋の地下鉄の延伸という形のことでございますが、運輸省としてどうお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
  49. 竹村昌幸

    ○竹村説明員 お答えいたします。  先生今御指摘のいわゆる東部丘陵線と申しますのは、現在、愛知県を中心に、地元において事業化に向け検討がなされているところでございまして、県としては、万博アクセスにも活用したい意向があるというふうに私どもは聞いているところでございます。  現在、地元において検討されている構想と申しますのは、地下鉄藤ケ丘駅を起点といたしまして、愛知環状鉄道の八草駅を経て、博覧会候補地区である新住宅市街地開発事業地区へ至る約十一キロを基本的な計画区間としているところでございます。  事業主体については、インフラ部については道路整備事業、インフラ外部については第三セクター方式を基本検討を進めておると聞いておるところでございます。  またさらに、導入機種については、地元におきましては、いわゆる中量軌道系の交通システムとしての磁気浮上システム、HSST、そういうものが候補に挙がっているというふうには聞いております。  運輸省としましては、愛知県が現在検討をしておるわけでございますが、その事業方式ですとか、それから鉄道についての需要等を踏まえた収支採算というのが重要であるというふうに認識しておりまして、地元検討を踏まえて今後とも適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
  50. 草川昭三

    草川委員 今、収支採算等を考慮していろいろと考えたいというような答弁もあったわけでありますが、いわゆるこの磁気浮上式鉄道というものは、技術面から見てどのような特性があるのか、あるいは技術的に安全性をクリアできるのか、あるいはまた大量輸送に適するのかどうか、お伺いしたいと思います。
  51. 藤森泰明

    ○藤森説明員 HSSTでございますが、これは常電導磁石の吸引力により浮上いたしまして、リニアモーターによって時速百キロ程度の速度で走行する鉄道でございます。これは、騒音が低いとか振動が小さいとか、そういった点で環境に与える影響が小さいという特性もございまして、また、登坂能力や複雑な地形への適応能力といった点でもすぐれた特性を有しているところでございます。  運輸省におきましては、平成元年度から四年度にかけまして、学識経験者から成ります常電導磁気浮上式鉄道に関する技術評価方法調査検討会というものを設置いたしまして、このHSSTの安全性、信頼性等の評価を行いまして、営業最高速度が時速百キロメートル程度のシステムについては実用化について問題はないという結論を得ているところでございます。
  52. 草川昭三

    草川委員 これを受けて建設省にお伺いをしたいわけですが、この博覧会会場までの新交通システムの整備について、約十一キロ、これは橋脚部分は、推定ですが、約五百億と言われているわけであります。こういう新交通システムに対する建設省のメニュー等も含めまして、この取り組みの考え方をお伺いしたいと思います。
  53. 高泰久

    ○高説明員 東部丘陵線に関しましては、平成八年度、九年度のニカ年を調査期間にいたしまして、愛知県が主体となって、建設省の街路交通調査費によります補助調査を実施しております。この中で、現在、中量軌道システムの需要予測でありますとか経営収支、費用便益分析、導入空間、概略設計等、さまざまの検討を進めているところでございます。  新交通システムの整備につきましては、建設省が道路整備事業の一環として、いわゆるインフラ部分の建設についての補助を行う制度を持っております。今後、地元自治体からの要望がありました場合には、導入機種でありますとか事業採算性等、地元における各種の調査の結果を踏まえた上で、所要の支援について検討してまいりたいと考えております。
  54. 草川昭三

    草川委員 今、建設省からのそういう答弁でございますが、夢のある輸送になるわけでありますし、我々も、かつて韓国あるいはスペイン等の会場を見てまいりましたが、想像を絶する大きな駐車場があったということが私のイメージでございまして、とても今度はそういうことができないわけでございますので、ぜひともこの新しい交通システム等の整備について国の支援を、たしかこれは二分の一だと思いますけれども、進めていただきたいと思うわけでございます。  もう時間がございませんので、総事業費等、この会場の建設費はまだ計算ができていないということでございますが、今後どのように会場建設費策定していくのか、お伺いしたいと思います。
  55. 岩田満泰

    岩田政府委員 会場建設費でございますが、博覧会協会が今後、環境影響評価会場計画策定というものを並行して実施をしていくわけでございまして、環境影響評価を踏まえた会場計画策定されます。その段階で、会場建設費につきましてもその所要額が確定をするというものと考えておるわけでございます。
  56. 草川昭三

    草川委員 要するに、地元にとりましては、資金の負担というのは非常に重要な関心でございますので、この会場建設費の見通しを早く固めていただきたいと思うわけであります。  この博覧会は、しかし、今日の景気の問題あるいは諸情勢を考えますと、国費の負担についても非常に難しい点が多いと思うのでありますが、費用の負担割合を一体どのように考えられるのか、あるいは、過去の博覧会では国の支出は特別会計なのかあるいは国の一般会計から出てきたのか、改めてお伺いをしたいと思います。
  57. 岩田満泰

    岩田政府委員 会場建設費についてでございますが、平成七年十二月の閣議了解におきましては、国、地方公共団体、民間がそれぞれ同率で負担をするということが決定されているわけでございます。  なお、過去の博覧会におきましては、会場建設費に対しまして、一般会計から補助金が支出されているという事情でございます。
  58. 草川昭三

    草川委員 ぜひ一般会計から出していただき、そしてまた、計画がございますように、記念切手の発行だとか、あるいはまたいろいろな他の役所に関係するわけでございますが、記念レースを特別に開催をし、その益金というものを利用するとか、さまざまな知恵を出さないといけないと思うのです。そういうことも含めて、ひとつ会場建設費の新しいあり方をまた考えていただきたいと思うわけであります。  時間が来ましたので、最後に大臣に、こういうような厳しい財政状況ではございますが、本博覧会成功に向けて、地方自治体等々との連携も大変あるわけでございますが、私が先ほど言いましたように、公営競技を積極的に利用するなど、いろいろなこともあると思うのでございますが、博覧会成功のためにいかような決意か、堀内大臣取り組みの考え方をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  59. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先ほどから申し上げておりますように、本博覧会は、人と自然の共生という理念の中で国際的に高く評価をされているものでありまして、その結果実現したものでありますから、国を挙げて推進すべき事業と認識をいたしております。一方で、財政再建の中ではありますが、本博覧会につきましては、その中身をしっかりと充実をさせながら、工夫をして、ただいま先生からお話がございましたような問題、すべて頭に入れまして、最善を尽くして効率的な開催を目指していくことが必要であると考えております。  私といたしましては、本博覧会担当大臣として、内外から心より評価をされる博覧会の実現に向けまして、地元や関係各位の皆様のお知恵をいただきながら、その成功に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
  60. 草川昭三

    草川委員 ありがとうございました。
  61. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、島聡君。
  62. 島聡

    ○島委員 島聡でございます。  二〇〇五年に愛知県で、「新しい地球創造 自然の叡智」、それをテーマにした博覧会が開かれます。世界を見ますと、二〇〇〇年にハノーバー、ドイツがあって、その後ということでございますから、要するに、二十一世紀に初めて開かれる国際博覧会ということになります。  十九世紀にロンドンで万博開催されて、これは一八五一年。十九世紀万博というのは、一八五五年のパリ、七三年のウィーン、七六年のフィラデルフィア、これはまさに当時の時代背景を示しておりまして、帝国のディスプレーとか商品のディスプレーとか、あるいは見せ物を中心とした博覧会であったわけであります。  それで、二十世紀日本で開かれまして、それが六千四百万人を集めた大阪万博。このときのポイントは、今までのただの見せ物や理屈だらけのものではなくて、博覧会を裸の人間が肩を組んで舞い踊る底抜けの祭りにしよう、祭りをコンセプトにして、最後の技術博、そしてまた最初の人間博にしようという、見事なテーマで貫かれた博覧会であったわけであります。  そして、十九世紀、二十世紀と来て、今度二十一世紀最初に行うこの愛知万博が二十一世紀にふさわしいどんな博覧会、二十一世紀にふさわしい博覧会というのはどういうものであるべきかということにつきまして、まず大臣の御所見をお願い申し上げます。
  63. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  先生指摘のとおり、今度の万博は二十一世紀最初万博でございます。それだけに、世界からもどのような成果を上げるかと見守られている重大な万博であると認識をいたしております。  最近では、物を見せるだけの博覧会はもうその意義が薄れつつありまして、先生のおっしゃるとおりでございます。我が国といたしましては、環境資源エネルギー、人口あるいは食糧等の人類共通の課題について、世界の一人一人に考える機会を提供する博覧会ということをまず第一に置いておりまして、二番目に、人と自然の新たな関係の追求ということにおいて、世界の英知を集める、来るべき時代への実験場としての博覧会開催するというような、新たな構想を国際的に提示をしてきたところでございます。  国際的な競争の中で我が国の開催決定をいたしましたのも、こういう提案が国際的に高く評価をされた結果であるというふうに私ども認識をいたしておりまして、今後とも、会場構想だとか展示のあり方、あるいは住民参加のあり方、そういうものを、既成の殻を破って、内外から評価をされる博覧会に仕上げてまいりたい、真剣に取り組んでまいる覚悟でございます。
  64. 島聡

    ○島委員 私は、この「新しい地球創造 自然の叡智」というのはすばらしいテーマだと思います。だから、このテーマに沿って一生懸命議論を深めていただいて、すばらしい博覧会をぜひともつくっていっていただきたいし、私もぜひともそれに積極的に参画していきたいと思っております。  今、その参加ということについてお尋ねをするわけでありますが、大阪万博のときには、それまでともすればある意味で余り交流はなかった経済人と知識人が見事に交流して、新しい、真に大規模な共同作業に取り組んであのような見事な万博をつくったと言われております。みんなでつくる方博という言葉がありましたけれども、これをスローガンだけに終わらせてはいけない。これからどのような形で具体的に本当に参加という方向に持っていくか。  先ほど、インターネットという言葉を大臣、使われました。非常にこれは重要なツールになると私も思います。二十一世紀、これはよくネチズンの時代と言われる。ネチズン、つまりネットワークシチズンの時代だと言われる。これはネットワークを通じて世界からもいろいろな意見を集められる。  このような情報通信ネットワークの時代になってくるときに、先ほど企画の段階からもやると言われましたけれども、より具体的にどのように進めていくか、言うだけでは進まないわけでありますから、そのようなことが実現可能なような形のいわゆる社会的な情報インフラストラクチャーの整備も含めて、どのようにお考えなのか、お考えを伺いたいと思います。
  65. 堀内光雄

    堀内国務大臣 本当に御指摘のとおり、企画の段階から国民の各界各層、さらには国際的にも幅広く意見アイデアを求めていくことが大変重要だろうというふうに考えております。そういう意味で、シンポジウムの開催だとかインターネットの利用を初めとする幅広い提案募集なんかも行って、みんなでつくる博覧会にしてまいりたいと思っております。  博覧会協会作業に、ただいま申し上げましたような幅広い提案内容を反映させていくような受け入れ体制をつくってもらうようにいたしまして、それこそ本当にみんなでつくる博覧会を実現させてまいるように推進してまいりたいと思います。
  66. 島聡

    ○島委員 今大臣、世界からと言われたわけでございます。特に今回のテーマ、「新しい地球創造」というわけでございますから、世界をかなり視野に入れて、愛知開催されますが、それをいかに世界を視野に入れるかということが重要になってくると思います。  具体的な質問に入りますが、先ほど想定入場者数を二千五百万人を目標とすると言われております。これは、先ほど申し上げましたが、いわゆる大阪万博が六千四百万人、国際科学技術博が二千万人、大阪でまた開かれました国際花と緑の博覧会が二千三百万人の方を集めていらっしゃいます。  問題は、多分このころはなかなか海外からの方は来られなかっただろうと思うわけです。今非常に海外との交流も盛んになってきた時代であります。どのように海外から、諸外国から参加をしていただくかということは極めて重要な話になってくると思います。これは、海外から来てもらった人にいかに日本のイメージをつくってもらうか。特に、今自然と共生と言われましたが、なかなか日本はそういうふうに思われていません。  二年前に、一九九五年五月に、イギリス国民が日本をどう見ているか、日本環境保護に配慮している国だと思うかという設問に対しまして――まず、ドイツはどれぐらいの人が環境保護に配慮していると思うかというと、三人に一人、三三%は環境配慮していると思っている。アメリカに対しては三一%の人がまあ環境配慮している国だと思っている。ところが、イギリス人が日本をどう見ているかというと、一二%しか見ていないわけであります。  こういう意味でいきますと、テーマはそのように自然と共生と言っているけれども、実態はそう見られてないわけでありますから、その観点からも、世界からそれを見てもらって、この万博によって本当にそういうふうに日本がなっていくのだということを見せるというのが重要な観点だと思いますが、このような海外からの参加を広く募るためにどのような取り組みをなさっていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
  67. 堀内光雄

    堀内国務大臣 御指摘のとおり、博覧会成功のためには、より多くの国々、外国からの参加というものが重要であるというふうに認識をいたしております。  具体的な国際的な取り組みについては、例えば企画について世界じゅうから幅広い意見を集約するとか、海外からの参加も求めて国際シンポジウムを開催するとか、準備段階から海外からのいろいろの参加を求めてまいろうと思っております。  同時に、私といたしましては、例えば世界の先進的な循環技術を持ち寄って、できる限り廃棄物を出さない、あるいは廃棄物などの資源の再利用を図る循環型の社会を実現する構想推進するとか、これは一つの例でございますが、そういうような世界の英知を集めた博覧会構想が実現されていくことを期待をしているところでございまして、これらを通じて内外から評価される博覧会の実現を期してまいりたいと思っております。
  68. 島聡

    ○島委員 同様に、先ほど横光議員が最後に言われました、途上国の参加についてどう考えるかということをお聞きしたいと思います。特に今回、環境という、自然と共生ということでございますから、今COP3も開かれておりますけれども、いわゆる太平洋島嶼諸国について絞ってお聞きしたいと思います。  地球環境問題に極めて高い意識を持っている太平洋島嶼諸国、御存じのように海抜一メートル前後ですから、その南太平洋の国、島々がたくさんあるわけですから、非常に環境問題、重要な問題になってきます。自然との共生を考えるならば、このような国々が日本での万博にいかに参加してくれるかということは重要な話であると私は思っております。ところが、発展途上国でございますので、万博参加するとしても相当の財政負担がかかります。  例えば、フィジーという南太平洋諸国の中心国がありますが、そのフィジーの人口というのは七十七万人でしかありません。それで、国民総生産が十七・九億ドルで、これは二千三百億円、フィジーの国家予算、推計ですが、七百二十二億円でございます。それから一親日的な国王がいることで有名なトンガ王国の人口は十万人です。それで、国民総生産が一・三億ドルで百七十億円。国家予算は、推計で約九十九億円ぐらいしかありません。  こういうような国々にも御参画いただいて、そして自然と共生する日本万博ということを位置づけるためにはいろいろな意味の施策が必要だと思うのですが、それについて、参加しやすくなるような工夫をどのようにお考えなのか、御所見をお尋ねしたいと思います。
  69. 堀内光雄

    堀内国務大臣 諸外国からできるだけ参加しやすい、さらに、途上国からの参加をさらに多くできるような方法ということを考えてまいりますと、今般の博覧会につきましては、パビリオンの建設費については我が国がすべて負担をすることにいたしているところでございますので、その点は大いに参加しやすいということがございます。  さらに、途上国の参加を容易にする観点からは、日本が過去に開催をいたしました国際博覧会においては、発展途上国などに対しましては、例えば出展スペースのスペース料といいますか、家賃みたいなものですね、スペース料、人件費、光熱費あるいは水道料というようなものに対する援助を、運営にかかるコストを軽減するためにそういうコストの軽減の処置を講じてきておりますので、二〇〇五年の国際博覧会においての取り扱いについても、このような例を参考にしながら今後検討してまいりたいと思っております。
  70. 島聡

    ○島委員 ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。  本日は、先ほど青山丘新進党愛知県連会長、そして草川昭三新進党愛知県連の会長代行、そして私も愛知県の出身でございまして、いかに私どもがこの万博に対して積極的に取り組んでいるかということを証明するような布陣で参ったわけでございますが、そういう意味では、いわゆる愛知県、そしてまたもう少し広域的な展開というのが今後必要になってくると思うわけでございます。この愛知万博自身に幅広く参加を求めていこうとするならば、地域的に見ましても、全体的な、広域的な展開をいかに実現していくか、どういう博覧会にしていくかにつきまして、ぜひともお尋ねをしたいと思います。
  71. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答えいたします。  本博覧会基本構想におきましては、幅広い参加を促すことが重要という観点から、周辺諸施設の有効利用でございますとか情報通信ネットワークの活用などを提案いたしておりまして、今後博覧会協会中心にさまざまな企画を進めるわけでございますが、そうしたものの中でこうしたものの具体化というものを期待をいたしておるところでございます。  また、近隣地区の事業につきましても、自治体や市民グループなどによって自発的に企画立案がなされまして、博覧会協会と連携をとりながら実行に移される、このようなことを図っていきたいと考えておるわけでございます。
  72. 島聡

    ○島委員 いわゆる大阪万博のときには、その万国博覧会に参画してスタッフとしていろいろな方が働かれていく間に、あるいは参画を進めていく間に、極めて多様な人材というのが育成をされてまいりました。実にいろいろな意味で国際博覧会開催する意義はあると思いますけれども、よく御存じのように、百年の計は人を植うるにしくはなしというわけでございます。その意味で、この多様な人材をいかに、博覧会協会も含めてこの万博博覧会に参画させていくか、そしてそれを自然との共生、「新しい地球創造」という大きなプロジェクトの中に参画させていくことによって、人材というのが育っていくと思うわけであります。  人材登用あるいは官民の人材交流の非常に絶好の機会がこの万国博覧会であると私は思っております。この博覧会運営につきまして、多様な人材をどのように確保しているのか、その方針について御説明をお願いしたいと思います。
  73. 岩田満泰

    岩田政府委員 御指摘のとおり、本博覧会は国民的な大事業でございまして、まさに官民一体となった推進体制が不可欠であると考えております。その意味で、博覧会準備運営を円滑にし、あるいは博覧会成功させるという観点からも、博覧会協会には、過去の国際博覧会と同様に、今回も国あるいは地方公共団体、民間、幅広く各方面から人材を集め、あるいは探し出し、そういう方の御協力を得ていくことが極めて重要なことであると考えておるわけでございます。
  74. 島聡

    ○島委員 最初に申し上げましたように、二〇〇五年という二十一世紀初の博覧会が我が郷土愛知県で開かれるということは非常に誇らしいことでございますが、残念ながら、まだ今のところ、今申し上げたように、我が郷土愛知県ということ、まだそこまでしかなってないと思うわけでございます。つまり、まだまだ日本全体の、二十一世紀において初めての日本が世界に発信する最大の博覧会であるという、最初の最もすばらしい情報発信であるということが認知されていないと思っておるわけでございます。  その意味では、ぜひとも最後に大臣から、先ほどもお聞きしましたが、これを国家的事業としてきちんと推進し、かつ世界に日本を位置づける事業としてしていくのだという決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
  75. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先生おっしゃるとおり、今度の博覧会は二十一世紀において最初に行われる博覧会でございます。それだけに、日本から発信する、日本を世界に紹介する、また新しい日本紹介する重要な博覧会だと考えております。  それでありますから、予算の面、いろいろな面で制約はございますが、しっかりと全力を挙げて取り組んで、今の先生の言われる、愛知県対象から全国に向けて、力強い支援をいただけるように我々は努力をいたしてまいりますし、また世界に向かっても発信をさしてまいりたいと考えております。
  76. 島聡

    ○島委員 この愛知万博がこれから百年間、二十一世紀を通じて世界の範となるようにぜひともつくっていきたいし、私自身も積極的に参画させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  どうもありがとうございました。
  77. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、小林守君。
  78. 小林守

    小林(守)委員 民主党の小林です。  既に触れられておりましたけれども、二〇〇五年に開催されます愛知万博について、二十一世紀日本が世界に発信するコンセプト、極めて重要な万博になるであろう、大きな関心を持って臨んでいきたいと考えているところでございます。  そこで、まず、この愛知万博理念テーマについて、そして基本的な手法について大臣の御見解や論議を深めておきたい、こんなふうに考えるところであります。  七〇年の大阪万博の際には、「人類の進歩と調和」、このようなテーマが、基本理念が掲げられておったわけであります。まさに高度成長期の真っ盛り、人類の科学技術、そして経済の成長、大きな夢と希望が展望できる時代のテーマではなかったか、このように思うわけでありますけれども、二十世紀世紀末の今日、地球環境問題、温暖化の問題を初めとして深刻な問題が現前してきているわけであります。そういう点で、私たちは、人類の英知とか人類の進歩とかいう言葉に、概念に反省をしながら二十一世紀を展望していかなければならない、そういう状況であろうというふうに思っておるところであります。  今度の愛知万博テーマは「新しい地球創造自然の叡智」というふうになっておりまして、私は、大変すばらしい、哲学を持ったテーマではないか、このように思っているわけであります。特に、新しい地球の創造、人間の英知としなかったところに今度のテーマの深さがある、このように考えているところであります。人類、人間も自然の一部だということになるならば、この「自然の叡智」というのは人間の英知と読みかえることもあるいはできるかもしれませんが、私はあえて、これを人間とは読まずに「自然の叡智」というところに重きを置いて受けとめていきたいな、またそうすべきである、このように考えているところであります。  そこで、会場地として予定されている海上の森、私どもも現地調査をさせていただきましたけれども、戦後、拡大造林をされて、杉、ヒノキの山と、それからいわゆる落葉広葉樹が自然に生えた、そういう混合した林相をしている生態系の豊かなところでございます。  私たちが自然の英知といった場合に、森林や里山を見ていく場合に、どういう視点から自然の英知を学び、受けとめるべきなのか、そういう観点が重要だろうというふうに思います。  もちろん、森林については、いわゆる手つかずの、人間が踏み入れたことのない原生林もありますし、それから、百年以上もたったいわゆる自然林、人間の手は入っていますけれども、自然林と言っていい森林もありますし、また、この海上の森のような、五十年ぐらいのサイクルで手が入ってきた、こういう里山のこの自然、第二次林というふうに言っていいと思うのですけれども、これらについての英知を私たちは分けて考えていかなければならないだろう、このように考えているところでございます。  私は、落葉広葉樹林の持っている豊かさと、それから、杉、ヒノキの持っている、用材を人間のために自然の恵みをいただくというような、これは人類のサイドの英知なのかもしれませんけれども、そういう自然の利用のあり方、これも大事な視点だとは思いますが、自然の豊かさという観点から見るならば、落葉広葉樹の持っている、山がいかに水資源の涵養という点で杉、ヒノキの人工林よりも豊かであるか。  さらには、腐葉土をつくるという、土をつくるという、一立方センチメートル当たり十億に及ぶバクテリアを含んだ豊かな腐葉土、こういうものをつくる力、それから、いわゆるエアクリーナーとも言われる落葉樹、葉に汚れた空気を、そして毒素のある空気を吸い取って、そして秋になっては枯れて落ちていく、そのことによって空気をクリーンにする、こういう機能、そして、木の実やさまざまなみつを出すことによって小動物を育てていく、そういう自然の力。  そういう観点で考えるならば、私は、杉、ヒノキと比べるのはレベルの違う話でございますけれども、落葉広葉樹林の方が豊かな、自然のエネルギーを持った自然ではないか、このように考えるところであります。しかし、現地を見た場合に、今度のAゾーンと言われる主会場地は、まさにこの落葉広葉樹林を主に伐採して平地を確保し、そして、杉、ヒノキの人工林を残すというような手法になっているのではないか、こんなことを現地で見てきたわけであります。  そういう点で、私は、自然の英知を学んでいく万博なんだという観点からするならば、コンセプトと実際のあり方が食い違っているのではないか、本当に実質的に新しい地球の創造や自然の英知を学ぶ、謙虚に受けとめていく、そういうものなのかどうか、疑問に思った一人であります。  長くなりましたけれども、この辺についての大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  79. 堀内光雄

    堀内国務大臣 大分幅の広い御質問でございましたので、一つは、今度の新しい、二十一世紀最初に行われる博覧会の意義という問題。これについては、先ほどから申し上げておりますように、世界の一人一人に考える機会を提供する博覧会というようなものにしたい、来るべき時代への実験場としての博覧会という構想を、一つのコンセプトを考えながらつくり上げてまいりまして、先ほどのお話のように、「新しい地球創造 自然の叡智」ということがテーマになっておるわけであります。  これに関連して、今、濶葉林、針葉林のお話がございました。それぞれにそれぞれの趣もありますし、それぞれの立場の方々の考えもおありになると思いますが、一つは、確かに先生のおっしゃるとおり、観光的な面でまいりますと、落葉樹のある趣のある林というものは、大変万博によく似合うものであるという感じもいたします。こういう問題を含めて、協会においてこの問題も取り組んでもらいたいというふうに思っております。  そういう意味で、本来の自然というのは多様で豊かなものであります。これと人間の営みというものが互いに補完し合うことによって、新しい地球文明のあり方をつくり出していくというところに新しい考え方も出てくるのではないかと思いまして、先生方の御意見をひとつ十分に受けとめながら、立派な博覧会場につくってまいりたいと思っている次第でございます。
  80. 小林守

    小林(守)委員 このような自然豊かな、第二次林ではありますけれども、豊かな会場に設定されたというようなことについては、よくわからない経過もあります。なぜ愛知瀬戸市に、この海上の森が主会場に選定されてきたのか、最初に海上の森ありきなのではなかったのかと思えてならない経過もあります。  そこで、愛知県が会場予定地を選定して、閣議の了解を得るために現況調査を行ったわけでありますけれども、この現況調査、そしてなぜこの愛知県の海上の森なのか、私には経過も含めてちょっと理解のできない、まず最初に海上の森ありきだったのではないかと思えてならないわけでありますが、御質問いたします。
  81. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答えいたします。  会場候補地の選定につきましては、愛知県におきまして四つの条件を満たす場所が望ましいとして検討が進められたと聞いておるところでございます。  第一番目は、大都市機能が活用できる地域であること。日本万博会場でございました千里丘陵が大阪都心から十五キロメートルであることを勘案いたしまして、名古屋都心からおおむね二十キロメートル圏内を対象にするということでございます。第二は、将来の地域つくりにつきまして戦略的なビジョンがあって、その具体化に向けた取り組みが進められているという条件。第三は、既に交通基盤整備計画がある。第四は、まとまった用地が比較的確保しやすい。この四つの条件に照らしまして、愛知県としては、愛知瀬戸南東部がこれらの条件をすべて満たす場所であるとして会場候補地決定をされたというふうに承知をしているわけでございます。  政府といたしましては、平成六年に出されましたこの構想をもとに、政府部内及び愛知県との間で調整を行いまして、その結果、愛知県から会場構想変更提案されて、この変更を前提に閣議了解ということになったものでございます。
  82. 小林守

    小林(守)委員 愛知県が行った環境についての現況調査報告書が出されているはずでありますが、閣議アセスの流れの中に沿った現況アセスだと思いますけれども、その内容はどうであったのか、その評価はどうであったのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
  83. 岩田満泰

    岩田政府委員 博覧会会場候補地環境調査は、愛知県が平成二年から平成七年にかけまして、会場候補地を含みます九百ヘクタールについて実施されたものと承知をいたしております。  調査は地形、地質、植物、動物などの項目につきまして実施されておりまして、具体的には、平成三年から四年度にかけて地形、地質、動植物等の環境現況調査平成五年度から六年度にかけまして自然環境への影響や動植物などの保全方針などの検討平成六年度から七年度にかけまして現存植生などの調査会場候補地の植生の回復、再生といったものの検討平成七年度に生物多様性保全観点から、指標となる動物の実態の把握と保全対策などの検討、これらのものが実施されたと聞いておるわけでございます。  評価につきましては、発表された時点では博覧会構想などが未確定でありましたため、会場計画策定に当たっての配慮事項などが記述されるにとどまっておりますが、これらの調査結果につきましては、愛知県によってプレス発表等で公表をされたところでございます。
  84. 小林守

    小林(守)委員 非常に一般的な調査で、その評価については極めて不十分なものだというふうに言わざるを得ないと思うのですけれども、実は、日本の有力な、有数の自然保護団体である財団法人日本自然保護協会、さらには世界自然保護基金日本委員会、これらの自然保護関係団体の方では、みずからこの会場予定地における環境調査を実施されました。  そして、専門家で構成される人たちが一定の結論を出されております。既にその意見書は六月二日に総理大臣や通産大臣環境庁長官、愛知県知事等に提出されているところでありますけれども、その中で、海上の森・万博問題小委員会の結論を要約すれば、海上の森は、伝統的な農村、里山の風景が残る、生物多様性が豊かな土地であり、二〇〇五年の万博会場としてはふさわしくない、万博開催するならば、別の場所開催するべきであるというような内容意見書を出しているところでございます。  これについて、国民そして住民参加、みんなで考え、つくり、参加するという基本的な手法を掲げている博覧会であるならば、このような団体の皆さん方意見に対して、きちっと受けとめているのかどうか、どのように説明をしているのか。この辺を合意形成という視点から、また、環境影響評価の視点としては、人と自然との豊かな触れ合いというようなコンセプトもあるわけでありまして、そういう点から、一部の保護団体が言っているにすぎないということではなくて、国民の声でもあるのだという視点でしっかりとこれは受けとめて、どう説得をしていくのか、合意を形成していくのか、これが問われている万博になるのではないかというふうに私は思えてなりません。  みんなで参加するということになるならば、こういう考え方についても、一部のものだという形での排除の論理は許されないのではないか、きちっと説得するなり、合意を形成するための科学的な知見も含めたものが合意されなければならないのだろうというふうに思うのです。  この意見書に対する通産大臣並びに環境庁関係の、きょうはこちらの委員会ですから環境庁からは職員が来ていると思いますけれども、この受けとめ方について、両方から御意見を承っておきたいと思います。
  85. 堀内光雄

    堀内国務大臣 ただいま先生お話しになられましたような日本の有力な自然保護団体の批判的な御意見、あるいはそのほかにも専門家の立場からいろいろな御意見が出されておりまして、建設的な意見は今後さらに具体化される構想に反映をさせてまいりたいと思いますし、そういういろいろの御意見についても真剣に取り組んでまいりたいと思っておりまして、今までの経過その他については、事務方から御説明を申し上げます。
  86. 岩田満泰

    岩田政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、日本自然保護協会の方からこの現金場候補地開催することに批判的な御意見が寄せられていることは、事実でございます。  今後、協会におきまして具体的な計画立案あるいは環境影響評価を実施する手続の中で、この団体の御意見を含めましてさまざまいただいておる御意見には十分耳を傾けつつ、作業を、準備を進めていきたいと考えております。
  87. 寺田達志

    ○寺田説明員 お答え申し上げます。  先生指摘の、自然保護団体等からこの万博会場の設定につきまして批判的な御意見が寄せられているということは、私どもも承知をしているところでございます。  私どもといたしましては、今後、この万国博覧会につきましては環境影響評価が行われるということになっておりますが、この環境影響評価につきましては、本年六月に公布されました環境影響評価法、この趣旨を踏まえたアセスメントを行うということが関係省庁間で了解されているところでございます。  先生御存じのとおり、環境影響評価法におきましては、早い段階から住民その他の参加を求めて調査、予測、評価手法を確定するいわゆるスコーピング手続、あるいは意見提出者の範囲を限定しないというような意味での参加の拡大というような各般の改善が図られているところでございまして、こうした環境影響評価法趣旨を体した手続内容でアセスメントが行われることが重要と考えております。  また、環境庁といたしましても、そうした環境影響評価が適切に行われました場合には、私ども、厳正な審査をさまざまな御意見も念頭に置きつつ行ってまいりたい、かように考えております。
  88. 小林守

    小林(守)委員 答弁の中で、新しい六月に成立をした環境影響評価法に基づいて、基づくというより準じて今度の愛知万博会場の問題等についてはアセスメントを行うのだというような、これは政府の考え方が示されたわけであります。  その点は私も評価をしたいというふうに思いますけれども、通産省の方にその考え方を受けて十月八日に環境影響評価手法検討委員会が設置をされました。委員会委員先生方の面々のお名前なども伺いますると、中央環境審議会で環境アセスメント法の関係で答申をされたその部会長である森嶌昭夫先生が今度の環境影響評価手法検討委員会の座長になられているという点で、そのときの中央環境審議会答申の中でさまざまな課題、いろいろありましたけれども、今後の検討課題として詰めていかなければならないのだというような部分については、この六月の衆議院の環境委員会、もちろん参議院の方でも取り組まれましたけれども、この附帯決議の中で、法律にはどうしても盛り込めなかった部分について附帯決議にきちっと押さえさせていただいた経過がございます。  そこを少し読ませていただきますが、衆議院の方の四月二十五日の附帯決議なんですが、その九番目に「上位計画や政策における環境配慮を徹底するため、戦略的環境影響評価についての調査・研究を推進し、国際的動向や我が国での現状を踏まえて、制度化に向けて早急に具体的な検討を進めること。」こういうふうになっております。  いわゆる計画アセスというような概念でありまして、既にアメリカではこの概念に基づいて環境影響評価をやっているのですけれども、残念ながら日本ではまだそこまでできないというような法律だったのです。しかし、その中環審答申の森嶌先生の取りまとめられた報告では、まさにこれが今後の課題なんだということを申されておったわけでありまして、そういう点で今度の手法検討委員会の中では今後やっていかなきゃならない問題としてはこういうものがある、しかし法律にはそこまでは書けないのだという答申だったのです。  ですから、そういう点で今度のアセスメントで検討委員会が設置されたということは、まさにその一歩を進める取り組みをやるのだというような先駆的な使命を担った委員会になるのではないか、また、それをやることによって万博の意義がさらに高まる、また国民の合意形成ができるというふうに私は受けとめていきたいなと思っているところでございます。  要は、そのような視点からいろいろやっていった場合に、環境影響評価観点からいろいろ計画の見直しという問題が出てくるのではないか。こういう手法よりもこういう手法の方がいいではないかとか、それから調査項目についてはもっとこういうものを入れてはどうかとか、事後調査はどうするのだとか、いろいろ課題が出てくると思いますが、そのような環境影響評価の結果について、計画の見直しはどう進めていくのか。当然これはあり得ることで、なければならないのですけれども、計画の見直しとの関係で環境影響評価の成果というものがどう生かされていくのか、この辺をできれば大臣にお聞きしたいと思います。
  89. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先生のおっしゃるとおり、アセスメントの結果を十分に尊重してまいらなければならないと思っております。会場計画策定作業につきましては、環境影響評価と並行して実施をされ、環境影響評価作業経過及び結果が十分に会場計画に反映されることが必要だというふうに思っております。  このような観点から、通産省といたしましても博覧会協会に対してきちんとした指導をしてまいりたいと思っております。
  90. 小林守

    小林(守)委員 引き続きまして、通産省に設置されました環境影響評価手法検討委員会には、環境庁、建設省、愛知県そして博覧会協会がオブザーバーとして参加をされています。なぜオブザーバー参加なのか。  環境庁や建設省、愛知県が出るというのはよくわかるのですけれども、要は、建設省がこの手法検討委員会に入っているということは、新住宅市街地開発事業、既に万博よりも先に計画されておった事業、先にこの市街地開発事業があったところが海上の森なんですね。そこに万博が乗っかってきたというような経過があるのです。  しかし、この万博を契機に環境影響評価をきちっとやっていこうという形になってきたわけでありますから、そういう観点に立って建設省も私はオブザーバーとして参加しているのだろうというふうに思いますし、また、もちろん環境庁も、新しいアセスメント法の実態をつくっていく大きな事例になるわけでありますから、そういう点で参加をされているのだろう、このように思うわけであります。  新住宅市街地開発事業、これについては、政令の中で百ヘクタール以上については第一種事業としてアセスメントを新しくやらなきゃならないはずなんです。もうそういうことになっていますから、これは新法に基づくアセスメントをやるということになりますが、問題は、その後に考えられている地区内幹線道路それから名古屋瀬戸道路ですね、高速の自動車専用道路、これらについてはいわゆるアセスメント法で言う第一種事業、第二種事業には当てはまらないのではないか。  しかし、これはきちっとやってもらわなかったら何の意味もないことになるわけでありますから、少なくとも地区内幹線道路や名古屋瀬戸道路について、建設省には、この万博のアセスメントとあわせて、時期的にはどうなるかわかりませんが、必ず新法でやるというような確認をぜひできないものかどうか、一体としてやっていくのだということができないものかどうか。  法律的には恐らく新法の適用の外になるのだろうと思うのですが、環境配慮であそこに新しい、二十一世紀の「新しい地球創造 自然の叡智」というテーマを掲げた万博を開いて、そこに新しい循環型の町をつくるのだ、その実験場なんだということでやっていくわけでありますから、万博跡地利用として計画されている市街地開発事業も当然アセスメントのやり方が貫徹されなければ意味がないし、そこを通る道路についてもきちっとこういう形でのアセスメントをやらない限り、私はまさにコンセプト倒れというか、言っていることとやっていることが違ってしまうということになるのではないかと思うわけでありますけれども、この辺について建設省のお考えをお聞きしたいと思います。
  91. 中島正弘

    中島説明員 新住宅市街地開発事業あるいは名古屋瀬戸道路のアセス、環境影響評価でありますが、議員の御指摘ありましたように、現時点では閣議決定された要綱に基づいてアセスするということになるのでありますが、アセスされる主体であります愛知県知事は、この新住事業などの影響評価の実施に当たって、新しい環境影響評価法趣旨を踏まえていろいろ検討されると聞いております。万博事業環境影響評価手法検討委員会検討結果を尊重する、さらには万博事業環境影響評価と連携を図って新住事業などのアセスも実施をする、こういう見解を表明しておられるというふうに承知しております。
  92. 小林守

    小林(守)委員 この事業については愛知県が責任主体になるわけでありまして、そういう点で知事のお考えに沿って建設省も協力をするという形になるのだろうというふうに思うのですが、問題は、愛知県に環境影響評価条例があるのかどうか。  例えば、この法律には適用しないけれども、愛知県の条例では適用しますよという形ができるはずなんですね。私は環境影響の問題は、今度の万博のコンセプトからいって、瀬戸市にはどうかわかりませんが、少なくとも愛知県には環境影響評価条例、環境保全条例、何らかの形のものがなければおかしいのではないか。  それからもう一つは、住民参加ということ、みんなで考えてみんなで創造していくのだということがあるならば、その基本となる、前提となる情報公開条例が整備されてなければならないのではないか、このように思うわけであります。きょう愛知県の方からは来ていただいておりませんけれども、少なくともこういう問題が生じるということなんです。  計画ではこの後に町をつくっていく、道路を引いていく、開いていくということになるならば、国の法律では対象外であっても、県の条例でしっかりと受けとめてやっていくのだという形が本当にとれるのかどうか。この辺が私は、愛知万博の本当に、真実、実質的にこのテーマを生かし切っていく姿なのかどうか、ただ単に地域活性化のための誘致みたいな形であってはならないというふうに思うのですよ。それは二十世紀の発想であり、もう終わった発想ではないかと思えてならないのです。  きょうは愛知県は来ておりませんけれども、少なくとも、これがなかったら万博会場地として恥ずかしいのではないかというぐらいのことは通産省の方からでもやはり言ってもらいたい、このように考えているわけでありますが、通産省の方でどのように把握しているでしょう。
  93. 岩田満泰

    岩田政府委員 ただいま建設省の方からも御答弁がございましたのですが、この博覧会会場候補地に関係する部分につきましては、関連の公共事業あるいは新住事業と申しますか、この種のものにつきましても、今回成立いたしております環境影響評価法趣旨を先取りをして、全体として整合性のあるアセスメントを行うという方針が知事から表明をされておるところでございまして、関係閣僚会議においてもこの方針は確認をされておるところでございます。  そういうことで、関連事業博覧会事業と双方につきまして、その博覧会の行われる地域、重複部分につきましては、一体として、全体として整合性のあるようなアセスメントを実施できるものというふうに考えておるわけでございます。
  94. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 小林君の質疑時間は終了いたしております。
  95. 小林守

    小林(守)委員 それでは最後に、質問ではなくて、人と自然との共生というテーマになっていますから、これは人と自然との折り合いをどうつけていくのかということなんですよ。  今我々が持っている手法は、科学的知見を集積した環境アセスメント法をしっかりとやることしかないのではないか、それから、合意形成というものの最大の手法はやはり情報公開しかない、このように思うわけでありまして、そういう点でも、ぜひ受け元である地元愛知県には、少なくとも環境影響評価条例と情報公開条例は最低このテーマに沿ってつくれ、つくってほしいということを要望して、私の質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。
  96. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、瀬古由起子君。
  97. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  今問題になっております万博会場候補地、海上の森は、私が住んでおります瀬戸市の住宅のベランダからすぐ見えるところにございます。朝夕、そして春夏秋冬と、本当にその自然に、その美しさに私自身が育てられ、励まされてきたところでございます。  そこで、きょうは文化庁に来ていただいているので御質問をいたしますが、この万博候補地内海上の森には、瀬戸市の伝統地場産業であります陶磁器の窯跡など、百五十七カ所もの遺跡が存在します。文化財保存全国協議会がことしの五月十一日に大会を行いまして、このような決議を上げております。愛知県が描く万国博覧会会場としてのこの地域での工事が行われれば、多くの動植物とともに歴史的遺産である埋蔵文化財も破壊されることは明白であり、万国博覧会会場としては適当でないところでありますので、海上の森における計画を中止するよう要望する、このようになっております。  文化庁はそのことを御存じでしょうか。
  98. 長谷川裕恭

    ○長谷川説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生が挙げられました文化財保存全国協議会におきましてお話しのような趣旨の決議が行われたことは、文化庁としても承知をしているところでございます。
  99. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 では環境庁に伺います。  絶滅のおそれのある野生植物をまとめる植物版のレッドデータブックをつくるために、環境庁は日本植物分類学会に調査を依頼しております。この学会が、海上の森の周辺について実は次のような分析をしているわけです。この地域は希少植物の国内有数の自生地だ、これは南西諸島や本州の高山帯に次ぐ大変貴重なものだというように分析をしております。  また、愛知県の環境影響評価調査の報告書でも、この地域が豊かな自然を背景に多様な生態系が維持されている貴重な場所だ、このように述べております。  環境庁は、この海上の森の自然環境、これをどのような認識を持っておられるでしょうか、お答え願います。
  100. 鹿野久男

    ○鹿野説明員 この万博会場候補地とその周辺の地域でございますが、この地域は、シデコブシやサギソウ、またギフチョウといったような多くの種類、地域特有の動植物の生育地である、また都市近郊におきます人と自然との触れ合い場所、そういう場所としても最適である、そのように認識いたしておるところでございます。
  101. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 九四年の愛知県の調査では、千六百十六種もの多様で貴重な動植物が生息していると報告しています。そういう意味では、この海上の森に万博会場を建設する、これはこれらの生育環境を破壊して生態系を台なしにする、この可能性は大なんですね。  そういう地域だからこそ、先ほどお話がありましたように、専門家集団であります日本自然保護協会も、ここが貴重な場所であるとして、海上の森で万博を行うことに反対する意見書を提出しております。要するに、先ほど出ましたように批判的な意見じゃなくて、反対する意見書を提出しているのですね。環境庁は、この日本自然保護協会意見をどう考えていますか。
  102. 寺田達志

    ○寺田説明員 先ほども答弁させていただいたところでございますけれども、私ども、日本自然保護協会意見は十分承知しております。  環境庁といたしましては、こういった意見も念頭に置きつつ、まず環境影響評価手続内容とも適切に行われること、さらにそれが行われた後には環境庁として厳正な審査を行ってまいりたい、かように考えているところでございます。
  103. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 この海上の森で万博を行うことに反対しているというのが意見書なんですね。こういう意見書が出ている、これについてどうかと聞いているのです。
  104. 寺田達志

    ○寺田説明員 環境庁といたしましては、今回の万博というものが人と自然との共生を目指す、こういう理念で行われるものでございますので、こうした意見も踏まえまして、十分万博理念を実現すべく環境保全に万全を期してまいりたい、かように考えているところでございます。
  105. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 この自然保護協会が大変努力されて調査をされているわけですね。そして、あらゆる分野からこの場所はふさわしくないということを言ってみえるわけで、ぜひその点、しっかり環境庁は今後チェックをしていただきたいというように思います。  では次に、通産省に伺います。  愛知県は、この海上の森での開催について、環境問題等いかなる事情があろうとも開催地の変更はあり得ない、このように県議会で答弁をしていますけれども、通産省はそれについてどうお考えでしょうか。
  106. 岩田満泰

    岩田政府委員 現在の主たる会場候補地でございます瀬戸南東部は、長期的な町づくりですとか交通アクセスの観点などを総合的に勘案して、平成二年に愛知県で選定をされた地区でございます。この点に関しましては、愛知県のみならず、近隣の県あるいは県内の八十八市町村等から誘致決議が提出をされている経緯がございます。  政府としては、地元提案に対して、環境に十分配慮するなどの観点に立って、主要施設を整備する区域の大幅な縮小など所要修正を加えて、当該地を主たる会場候補地として閣議了解をしたものでございます。  これを受けましてBIEに対しても申請をし、本年六月のBIE総会支持を受けた、こういうことでございまして、このような経緯にかんがみまして、この場所基本といたしまして準備を進めていきたいと考えておるわけでございます。  その際、会場計画につきましては、環境影響評価と並行して策定作業を進め、環境影響評価作業経過及び結果が十分に会場計画策定作業に反映されることが重要であると考えておりまして、通産省として、そういう方針博覧会協会に対して適切な指導をしていきたいと考えておるわけでございます。
  107. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 要は、愛知県と変わらない、どんなに環境自然保護団体から御意見があろうと、この場所でやるのだという愛知県の姿勢と同じだということだと思うのですね。自然の本当に豊富なこの里山で、また埋蔵文化財もある、ここは大変貴重なところなのだといって指摘もされている、そういうところでもあるにもかかわらず、この海上の森に固執する。これは私は明らかに、環境万博というこのテーマから、この趣旨から反するものだと思うのですね。  先ほどアセスメントの問題も言われましたけれども、文化団体や自然保護団体はここでもうやってくれるなと言っているわけです。ですから、アセスメント以前の問題だと思うのですね。やはり環境ということをテーマに掲げた場合にはそのことを踏まえて考えていかなければならないだろう、このことを指摘したいと思います。  では次に、この万博用地の開発に先立ちまして、新住宅市街地開発事業、また東海環状自動車道、それから名古屋瀬戸道路、こういうものの開発、都市計画手続が着々と進められているわけです。ここでも環境問題など、もうあっちこっちから、住民の皆さんから厳しい批判が上がっております。  建設省に伺いますけれども、新住宅市街地開発事業について、建設省が一番最近で認可した事例はどこでしょうか。
  108. 増田優一

    ○増田説明員 お答え申し上げます。  最近認可いたしました事業は、群馬県施行によります板倉ニュータウン、これは平成六年でございます。
  109. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 私、この板倉ニュータウンの内容も聞いてまいりました。地元では冷え冷えとした状況があるという、こういう内容でございました。  また最近の例で、大阪の阪南スカイタウンというところがあるわけですけれども、私、ここは行ってきたのですけれども、もう惨たんたる状態でしたね。二千五百戸の入居予定、九千人の目標になっています。当初大体一戸当たり一億円ぐらいの住宅なんですよね。ところが、がらがらなんですね。保育園だとか学校なんかはデラックスなのが建っているのですけれども、人が入らずにもうがらがらの状態になっている。そこで開発している、責任を持っている阪南市では、もうその負担に耐えられなくて、公共料金全面値上げですね。それでもう市民の皆さんから大変批判が出ております。こういう二の舞になるのじゃないかと私は大変心配しているわけですね。昔、バブルのときに計画したのが、もうそう簡単に住宅がどんどん売れるという時代じゃないですよ。  きょう、私、週刊ダイヤモンドという本を持ってきたのですが、ここで愛知万博特集をやっております。そこでも今度、この万博予定地の新住の開発計画の問題について書いています。「高道な理念に追いつかない〝旧思考〟の「住宅建設」」、こういうふうに書いています。  シンボルゲート予定地には県の住宅供給公社の所有地が含まれる。先着順受付中の赤い幟が空き地に翻るこの「サンヒル上之山」では、すでに二七〇戸が建設・分譲されたが、建築から五年が過ぎたいまも五〇〇〇万円台の三戸が売れ残っている。そのため、残り半分の造成地は分譲する当てもないまま万博予定地に組み込まれた。こう書いてあるのです。  この万博予定地の住宅も、県が売り出したのだけれども、売れなくて、もうほったらかしの状態になってまだ残っている。そこへまた住宅を大量につくるというわけですから、もうこの結果は推して知るべしという状況になるでしょう。そういうところに自然を壊してまでまたつくっていくというのは、私は大変無謀な計画だというふうに思うのですね。  そこで、今度は財政負担の問題について伺いたいのですけれども、愛知万博開催に当たっては莫大な地元負担が予想されているわけです。愛知県というのは、これは参議院でも問題になりましたけれども、福祉は全国最低クラスです。それでも万博、新空港をつくる、大型プロジェクトをやると打ち上げているわけですけれども、新年度の予算は一律一〇%カット、こういう予算編成を進めて、住民の福祉や暮らしが切り縮められるということで、今大変大きな県民の不安が出てきているわけです。  そういう中で、例えば愛知県民の交通を担っております名鉄があるわけですけれども、この名鉄は万博誘致委員会の会長も務めているわけですけれども、大型プロジェクトをやらなあかんので赤字のバス路線はもう廃止する、こういうことを打ち出して、それでまた県民の怒りを呼んでいるという状況もあります。その上、今、経済界は、初めばんと打ち上げて、これでたくさん経済効果があるぞと言っていたのですが、だんだん冷え込んでいるという状況がございます。  それで最近、朝日新聞が九月に行いました東海三県の主要五十社のアンケートで、民間負担分のうち五割以上を地元が負担することについて賛成したのは半数に満たなかった。多くの地元企業が、中部新空港の事業と合わせて、景気刺激も必要だが、大事業が二つも重なるのはもうきつい、景気浮揚効果はあっても、民間、特に地元の負担が大き過ぎる、こういう不安が経済界からも出されております。  また、国は、先ほどから出ておりますように、閣議決定でこれ以上出さぬというわけでしょう。経済界も出さない、国も出さない。結局これは県民の負担になっていくのじゃないかという大変心配が出ているわけですが、通産大臣、その点いかがでしょうか。
  110. 堀内光雄

    堀内国務大臣 平成七年十二月の閣議了解において「博覧会の規模は極力圧縮したものとすること。」とされておりまして、また、会場建設事業につきましては、「長期的地域整備により行われるべき土地造成、」あるいは「施設整備等は会場建設事業から除外すること」といたしております。その上で、負担割合についても、国、関係地方公共団体、民間等が同率の割合で負担することになっておりますので、その点についての御心配はございません。  また、会場運営費につきましては、過去の博覧会と同様「適正な入場料の設定等により賄う」ことといたしておりまして、通産省といたしましては、これらの方針に基づき、効率的かつ魅力のある博覧会開催を目指してまいりたいと思っております。
  111. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 会場建設だけじゃないのですよ。ともかく地元は、二千五百万人来るというわけでしょう、鉄道も引いてもらいたい、水道だってどうするのだ、ごみどうするのだ、もういっぱい要望があって、地元瀬戸市では、もうこれだけたくさんの事業をやらなければあかん、とても市税では一銭も出せません、全部それはやってもらいたいといって県に要望書が出ていますよね。こういう状態にあります。みんなもう厳しい財政事情ですから、とても出せないという事態があるわけですね。  それで、私びっくりしましたね。通産省から博覧会協会に事務総長でいらっしゃった黒田さん、どんなことを言っているかというと、入場者数を競うつもりはないが、できるだけ多くの人に来てもらいたい、万博自体は質素にする必要はない、大きいことはいいことだというか、じゃんじゃんやりましょうみたいな、地元の冷やっとした、どうなるのだろうという雰囲気とは全然合わないわけですね。こういうように通産省から来て言ってみえるという点では、私はもっと住民負担という問題を考えるべきだというふうに思うのです。  そこで、この万博開催決定がされましたよね。その後も、今言いましたように、環境問題どうか、財政問題どうかということで、もう住民の皆さんから本当に懸念の声が出されているわけです。そういう意味では、いろいろ住民の皆さんの声を聞きながらと言うけれども、実際には住民合意ができているとは到底言えないような実態にあると思うのですね。  現在、地元では、愛知万博のあり方、場所、こういうものについて見直してもらいたいという署名運動も展開されております。また、(発言する者あり)うちだけではありません。いろいろな立場の方が、やはりこれだけ自然保護や住民負担という問題でいえば、いろいろな声が出るのは当然ですよね。そういう署名などもされていますし、また、住民投票条例を求める署名運動なども進められております。.こうした住民の声はしっかり聞く、住民の意思を尊重するということは私は大事だと思うのですけれども、最後に通産大臣、お聞かせいただきたいと思います。
  112. 堀内光雄

    堀内国務大臣 博覧会開催に当たりましては、地域住民を初めとする関係者方々の十分な理解参加を得ることは非常に重要であるというふうに認識をいたしております。  これまでも、本博覧会開催につきましては、愛知県を初めといたしまして地元自治体、地元の議会、経済団体など二百三十七団体の誘致決議が行われておりますとともに、二十余りの市民団体推進活動等も行われていると承知をいたしているところでございます。  同時に、本博覧会開催に批判的な方々とも、平成四年以降、愛知県を中心に、時には通産省も加わってまいりまして、六回の公開討論会を含めて総計四十回余りにわたる話し合いを実施いたしているところでございまして、政府といたしましては、引き続き関係者との対話の継続に努めてまいりますと同時に、御理解をいただいて実行に移してまいりたいと考えているところでございます。
  113. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 住民との話し合いをされるというのは、私もそれは知っております。しかし、きちんと情報も明らかにしないままやるということに、随分住民の皆さんからも批判が出ているわけですね。そういう点でも、粘り強く、本当に真剣に住民の皆さんの声をぜひこれからも聞いていっていただきたいというふうに思いますし、少なくとも環境破壊という点ではかなり厳しい批判があります。住民負担という点でも批判があります。その点での声を本当に真剣にお聞きいただきたいというふうに思うのです。そういうものがないまま強引なやり方で進めるというのは、私は断じて許してはならないと思います。  この法案は、今の住民合意ができていないまま進められるという点では大変残念な、こうした住民合意がないまま愛知万博のやり方を進められるやり方は絶対許すことはできない、そういう立場から撤回を要求して、質問を終わります。  ありがとうございました。
  114. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、大村秀章君。
  115. 大村秀章

    大村委員 自由民主党の大村秀章でございます。  商工委員会におきまして、貴重なお時間をいただきまして、今回御提案をされておられます特別措置法につきまして御質問をさせていただきます。  まず、二〇〇五年の国際博覧会が、私の地元でもあります愛知県におきまして、二十一世紀最初の大規模博覧会ということで開催をされることが決定をいたしました。これを受けまして、今回そのためのいろいろな準備のための法案提案をされておられるわけでございますが、ここに至る経緯を考えますと、改めて政府政府といいますか、もちろん民間関係の方も当然でございますが、関係各位の御尽力に深く深く敬意を表する次第でございます。  私自身もことしの年明けから関係加盟各国へも日本支持のお願いに行ってまいったところでございますし、また、東京におきましても、関係各国の大使館、いろいろな意味でお伺いする機会があるわけでございますが、そうした大使館でも、お伺いをし、何度もお願いに回ってまいりました。  また、六月十二日、モナコでのBIE総会にも、現在外務大臣をされておられます小渕先生政府代表といたしまして、その一行で私も一緒に同行させていただきました。ここにおられます村田敬次郎先生も御一緒でございましたし、青山先生も御一緒だったというふうに思っておりますが、一緒に行ってきたわけでございます。そこで、実際に現地で、前日のレセプションから、票読みを経まして、投票直前まで会場におきまして関係各国の代表に働きかけを行ってまいりました。  そうした誘致活動に実際に携わってまいりましたその一人といたしまして、当日の開催決定、ずっと票を、札をあけてみたときに、最初からずっとリードしたわけでありますけれども、それが過半を超えたときにはこの上ない喜びを感じたわけでございます。ここに至るまでの関係者通産省初め政府関係者、そしてまた愛知県、そして経済界、そして市民団体を初めといたしました多くの御支援をいただきましたグループに対しまして、改めて厚く厚く御礼を申し上げまして、質問に入らせていただきます。  さて、これまで我が国におきましては、一九七〇年日本万博、そしてまた七五年の沖縄海洋博、筑波の科学博、そしてまた九〇年の大阪花博ということで、四つの国際博覧会開催をされてきたわけでございまして、それぞれその時々のテーマに基づきまして成功してきたというふうに思っておりますし、今回の法案質問の中でも諸先生方が言われましたように、今回のテーマは「自然の叡智」、環境との共生、自然と人が共生する新しい地域づくりということでございまして、従来、ややもすると開発に重点が置かれてきた、そうした万博とは少しも色が違ったということになるのではないかと思っておりますし、二十一世紀の人類にとりまして大変重要なテーマだと私も思っております。  折しも、今、地球温暖化防止のための京都会議開催をされておるところであるわけでありますが、二十一世紀人類共通の課題であります地球環境問題につきまして、この万博で、これからこう進むのだ、人類社会はこういうふうに環境と共生していくのだということがきちっと示せれば、これは大成功じゃないかというふうに思うわけでございますし、ぜひそういう方向に持っていかなければならないと思っております。  そこで、まずお伺いをいたしたいのは、今回の万博基本テーマ環境という基本テーマ具体化していくに当たりまして、先ほど来環境アセスメントのお話も出ておったわけではございますが、そうしたことも含めて今後どういうふうに進めていかれるか、そこのスケジュールにつきましてお伺いをしたい。  そして、その際、私自身もその誘致に当たりまして実際にいろいろな方に申し上げたのは、今回の博覧会環境だからもうゼロエミッションなんだよということを訴えてきたわけでございます。そうしたゼロエミッション構想もどういうふうに生かしていくかといったことをあわせまして、大変基本的な部分だと思いますので、そこのところをまずお伺いをしたいと思います。
  116. 岩田満泰

    岩田政府委員 お答え申し上げます。  今後、博覧会協会中心にいたしまして、環境影響評価会場計画策定作業が並行して実施されるわけでございます。その場合に、同協会環境影響評価及び会場計画策定は、あくまでめどでございますが、二〇〇〇年の早々までぐらいの終了をめどにしたいと考えております。これらとあわせまして、その上でBIEへの登録、世界各国に対します参加招請というようなことが行われていく段取りになろうかと理解をいたしております。  なお、今御指摘のございましたゼロエミッションの関係でございますが、御案内のとおり、本博覧会ではエココミュニティーというものをサブテーマに掲げております。その実現に当たりましては、いわゆるゼロエミッションの構想は重要な柱であると認識をいたしておりまして、今後、博覧会協会中心に企画の具体化が図られるわけでございますけれども、本博覧会を通じて、こうしたゼロエミッション構想というようなものが世界の英知の中で具体的に展開をされるということを期待をいたしたい、このように考えているところでございます。
  117. 大村秀章

    大村委員 次に、アクセスの問題についてもお伺いをしたいというふうに思っております。  せっかく、立派なコンセプトに基づきました会場を整備をいたしましてやったとしても、実際に人を運ぶことができなければうまくいかないわけでございます。そもそもこの万博では、半年間の会期中に二千五百万人の入場者を予測をしておられるわけでございまして、うち一千万人が鉄道系、一千五百万人が道路系ということになっておるわけでございます。  そこで、まず輸送網、鉄道系につきましてお伺いをしたいというふうに思っております。どういうふうに整備をされていかれるのか、その基本的な考え方をお伺いしたい。  そしてまた、あわせまして、私の地元では地下鉄の東山線の終着駅の藤ケ丘というところがあるわけでございますが、そこから新交通システムを敷設をして、リニア新線を敷設をして対応したらどうかというような夢のある話も出ておるわけでございます。こうしたことにつきましても、進めていってほしいなと私は思っておるのですが、どういうふうに進めていったらいいかということを、ぜひ、あわせてお伺いできればというふうに思っております。  これは運輸省と建設省ですか、よろしくお願いいたします。
  118. 竹村昌幸

    ○竹村説明員 お答えいたします。  今先生指摘の約一千万人、鉄道系の観客輸送につきましてですが、国際博覧会予備調査検討委員会報告書というものにおきましては、鉄道系の輸送につきまして、既存の鉄道の増発や車両増結、最寄りの鉄道駅等からのシャトルバスの運行、団体バスの運行等を基本とするということにされているところでございます。  現在、愛知県を中心としまして、地元において、愛知環状鉄道等の既設路線の設備改良等の整備のあり方につきまして具体的内容検討しているところでございますけれども、運輸省といたしましては、愛知環状鉄道等の既設路線の増発や車両増結等を基本としつつ、地元における今後の具体的な整備計画検討を踏まえて適切に対応してまいりたい、かように考えております。  それから、先生指摘の東部丘陵線についてでございます。  東部丘陵線につきましては、愛知県を中心として事業化に向けて検討がなされているところでありまして、愛知県としましては、万博アクセスにも活用したい意向があるというふうに私ども伺っておる次第でございます。  現在地元において検討されている構想は、地下鉄藤ケ丘駅を起点として、愛知環状鉄道の八草駅を経て、万博候補地区でございます新住宅市街地開発事業地区に至る約十一キロを基本的な計画区間といたしまして、インフラ部分につきましてはモノレール建設のための道路整備事業、インフラ外部については第二セクターというようなことを基本検討を進めているというふうに聞いておるところでございます。  また、導入機種については、いわゆる磁気浮上システム、HSSTが候補に挙がっているというふうに聞いてございます。  運輸省といたしましては、事業方式、それから需要等を踏まえた収支採算が重要であるというふうに認識しておりまして、今後の地元検討を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
  119. 高泰久

    ○高説明員 東部丘陵線についてお答え申し上げます。  この東部丘陵線でございますが、各種の開発等が計画されております東部丘陵地域に必要な基幹的な交通システムの一つとして計画されたものでございまして、現在、愛知県が主体となって建設省の補助調査を用いて各種の検討を行っております。  この中には、中量軌道システムの需要予測でありますとか経営収支、費用便益分析等、さまざまな検討項目がございますが、こういったものについて今検討を進めているところでございます。  新交通システムの整備につきましては、建設省が道路整備事業の一環としてインフラ部分の建設について補助を行う制度がございます。  今後、地元から要望がございました場合には、導入機種でありますとか事業採算性等、地元におきます各種調査の結果を踏まえた上で、所要の支援について検討してまいりたいというふうに考えております。
  120. 大村秀章

    大村委員 ありがとうございました。鉄道系はそんなことで、ぜひお願いしたいと思うのであります。  次に、道路系についてでありますけれども、これは既にいろいろこの委員会でも御質問等があったわけでありますが、東海環状自動車道という、東といいますか南北といいますか、そういった道路系と、やはり名古屋の方から直通に来る名古屋瀬戸道路というものを、どうしてもこれは、開幕といいますか、開会までにはどうしても間に合わせていただきたいと思うわけでございます。その整備の進捗とあわせて、環境との共生、自然との共生というふうにうたった万博に車が殺到するということではなかなかその趣旨に合わないのじゃないかというふうに思うわけでございまして、ぜひ道路系の輸送についてもパーク・アンド・ライドということを徹底をさせていただければというふうに思うわけでございます。  またさらに、パーク・アンド・ライドであっても、乗りかえに使うシャトルバスは、やはりこの際、環境に優しい低公害車を全面的に使うようにしてもらったらどうかなと思うわけでございます。  この低公害車につきましては、たまたま私、今自民党の税調の中でその税制の特例を担当してやっておるものですから、自分なりに深い思い入れがございまして、そういう意味では、この低公害車をぜひたくさん導入して、これこそ日本万博なんだということを世界に示すようなものにしていただきたいなというふうに思うわけでございます。  以上の点につきまして、お答えをよろしくお願いします。
  121. 藤本貴也

    ○藤本説明員 お答えさせていただきます。  まず、一点目の東海環状自動車道並びに名古屋瀬戸道路でございます。  まず、東海環状自動車道でございますけれども、これは名古屋市を中心に半径三十ないし四十キロに位置します豊田ですとか瀬戸ですとか、そういう諸都市を連絡する延長全体で百六十キロの一般国道の自動車専用道路でございまして、第二東名あるいは名神高速道路、これと一体となりまして名古屋圏の環状道路を形成する極めて重要な路線だ、こういうふうに考えております。  これまで、緊急性の高い区間から順次、環境影響評価ですとか、あるいは都市計画決定等の手続を進めて、手続の完了したところから用地買収を行っておるところでございまして、現在、全体の約九割、百三十六キロで整備を進めているところでございます。  残ります、これは西側は直接関係ございませんけれども、養老-北勢間、これにつきましても、都市計画手続に入るべく、来年度に新規着工準備の要求をしている、こういう状況でございまして、引き続き地元皆様方の御理解と御協力を得ながら事業推進をしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。  それから、名古屋瀬戸道路の方でございますけれども、これにつきましては、名古屋市と瀬戸市等の周辺市町村との相互交通を円滑にするということで、東海環状自動車道との接続もするというふうなことで、名古屋圏の自動車専用道路網を形成する重要な路線でございます。  建設省といたしましても、平成七年八月に、全線十九キロございますけれども、地域高規格道路の調査区間ということで指定をしたところでございます。  その中の西側部約六キロでございますけれども、日進インターから長久手町、瀬戸市の境界の部分でございますけれども、現在都市計画決定手続中ということでございまして、このうち東名へのアクセスになります日進インターから長久手インターの約四キロの区間、これにつきましては、去る九月に地域高規格道路の整備区間に指定したということで、都市計画決定手続が終わり次第、愛知県が事業に着手するというふうに聞いております。  一方、東側でございますけれども、長久手町、瀬戸市の境界から東海環状自動車道路の瀬戸東ジャンクションの間の約六キロの区間でございますけれども、都市計画決定に向けて地元に今説明に入ったところでございまして、本区間の事業のスケジュールにつきましては、今後具体的に検討していくというふうに愛知県の方から聞いておるところでございます。  なお、万博の輸送計画でございますけれども、博覧会協会が今設立されたところでもございまして、今後本協会において具体的な輸送計画内容についての検討がされるというふうに聞いております。  いずれにしましても、東海環状自動車道あるいは名古屋瀬戸道路、これにつきましては、当該地域にとって非常に重要な幹線道路でございますので、博覧会協会検討結果あるいは関係地方公共団体の要望も踏まえながら必要な支援について検討していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。  それから、先生質問のパーク・アンド・ライドの件でございますけれども、パーク・アンド・ライドにつきましては、先ほど言いましたように国際博覧会協会が設立されたところでございます。今後具体的な会場基本計画等の計画協会によって策定されることになると思いますけれども、観客輸送計画につきましても、その中で必要なものが策定されてくるというふうに考えております。  こういう愛知万博のような大規模なプロジェクトにおきましては、アクセス道路の整備と同時に交通需要の調整、抑制策でございます交通需要マネジメント施策というものを組み合わせた総合的な交通施策が非常に重要ではないかというふうに考えておりまして、今後具体的な検討をしていただくことになるのではないか、こういうふうに考えております。  建設省といたしましても、厳しい財政状況のもとではございますけれども、アクセス道路の整備ですとかあるいはパーク・アンド・ライド等の交通需要マネジメント施策等につきましては、博覧会協会策定いたします観客輸送計画具体化を踏まえまして必要な支援を行ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  122. 岩崎貞二

    ○岩崎説明員 お答えいたします。  低公害バスの導入についてでございますけれども、運輸省といたしましても、従来補助制度等を設けまして、地方公共団体と連携を図りながらその普及に努めているところでございます。  万博会場のアクセスを環境に優しいものとしていくということは私どもも重要な問題だと考えておりまして、今後、低公害車、低公害バスの導入につきまして博覧会協会から具体的な相談がありましたら、前向きに対応してまいりたいと考えております。
  123. 大村秀章

    大村委員 さらに交通アクセスの関係でいえば、国際博覧会という以上は、やはり海外からのお客さんを受け入れる海外への窓ということで、当然国際空港が必要なわけでございまして、そのためには、今関係者の御尽力で進めております中部新国際空港をどうしても博覧会の開会までに間に合わせていきたいというふうに思うわけでございます。  この点につきまして、所管は違いますけれども、博覧会担当ということで通産大臣の御所見をお伺いできれば、そしてまた、もう時間がほぼ参っておりますので、あわせまして、今回のこの万博推進に向けまして、担当大臣であります堀内通産大臣の御所見、そしてまた、御所見というよりもむしろ進めていきます上での決意をぜひお伺いをしたいと思っております。
  124. 堀内光雄

    堀内国務大臣 中部新国際空港につきましては、地元皆様方において大変な熱意があると承っております。博覧会開催に間に合うように早急に整備をしてほしいという強い御希望をしっかりと受けとめているつもりであります。  現在、関係省庁等において調整が進められておりまして、運輸省も予算要求をしていただいているわけであります。また、先月の十八日に政府において取りまとめました緊急経済対策においても、国際博覧会開催を踏まえた中部新空港の整備について言及をいたしているところでございます。今後もその動向に強い関心を持ちながら、私なりに最大限の努力を払ってまいります。  また、今度の博覧会についての決意ということでございますが、今度の博覧会は二十一世紀初の万博でございます。それだけに立派に仕上げなければならない、世界が注目をする博覧会であると考えております。世界の一人一人に考える機会を提供する博覧会、人と自然の新たな関係の追求を含めまして、世界の英知を集める来るべき時代への実験場としての博覧会等の新たな構想で国際的にも提示をしてまいったところでありますから、これからもこの博覧会成功に向けて全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。
  125. 大村秀章

    大村委員 ありがとうございました。  いずれにいたしましても、今回の万博基本テーマでもあります「自然の叡知」にかなったものとなりまして、人類史上の記念事業というふうにもなるように、我々はもちろんでありますけれども、関係者を初め日本国民全体の、それこそ英知を結集して最良のプランをつくって実行していけるよう、関係者の引き続きましての御尽力をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  126. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  127. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。瀬古由起子君。
  128. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 私は、日本共産党を代表して、平成十七年に開催される国際博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に対して、反対討論を行います。  これまで愛知県や通産省提案してきた愛知万博構想では、環境テーマとしながら、海上の森という貴重な里山を含む瀬戸南東部が主会場とされ、自然環境破壊として重大問題となっており、自然保護団体や住民団体などによる根強い反対運動が起こっております。  日本共産党は、海上の森を会場から外し環境を守る、自治体に過重な財政負担をさせない、住民合意の形成、こういう立場から、現構想の撤回と抜本的な見直しを求めてまいりました。  ところが、本法案は、中部財界、中央財界、愛知県など、現在の愛知万博構想推進してきた団体などが中心になって設立された博覧会協会に国が財政的援助を行うというものであり、事実上、現構想での愛知万博推進、加速するものであります。これでは、環境破壊も自治体の過重負担も深刻な事態になることは必至です。これが本法案に反対する理由です。  また、愛知県や中部財界は、愛知万博万博会場周辺地域の開発計画への突破口、中部新空港など、いわゆる三大プロジェクト推進の起爆剤と位置づけております。このような状況では、国際博覧会の本来の趣旨が損なわれるということもあわせて指摘し、本法案への反対討論といたします。  ありがとうございました。(拍手
  129. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  130. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これより採決に入ります。  内閣提出参議院送付平成十七年に開催される国際博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  131. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  132. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、岸田文雄君外五名から、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合、太陽党及び無所属クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。松本龍君。
  133. 松本龍

    ○松本(龍)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     平成十七年に開催される国際博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、平成十七年に開催される国際博覧会が、「新しい地球創造・自然の叡智」のテーマのもと、人と自然の共生を目指す新世紀における一つのモデルを創造するための舞台となり得るよう、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 本博覧会は「みんなで考え、創り、参加する」という基本的考え方のもとで、そのテーマ具体化・明確化を図るとともに、国民及び開催住民の多様な参加方法確保することにより、実質的な住民参加の下に計画策定を進めること。  二 計画策定に当たっては、自然と人間との触れ合いを深め、来場者の交流あるいは参画型の体験が十分実感できるようなものとすること。    また、地元の特性を活かし、強いイメージを構築するため、地元の秀でた文化・物づくりの伝統など重要な基軸の一つとすることを検討すること。  三 住民参加の前提となる情報公開には十分努めること。その際、博覧会協会の財務、事業計画の透明化等住民の合意形成に資する情報の公開について特に留意すること。  四 本博覧会は「自然と人との共生」という基本理念のもと、環境を重視することを掲げている。博覧会施設等の建設に当たっては、長期的地域整備との整合性を図りつつ、その理念を十分に生かすこと。    また、平成七年十二月の閣議了解に基づく環境アセスメントを行うに当たっては、平成九年六月に公布された「環境影響評価法」の趣旨を反映させ、他に行われるアセスメントの先駆的事例となるようなものとするとともに、この結果を事業計画に反映させること。  五 本博覧会事業総予算を可及的速やかに策定すること。その際、危機的状況にある国の財政及び開催地元自治体の財政を踏まえ、工夫して効果的、効率的なものとするよう努めること。 以上であります。  附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  134. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  135. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、堀内通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀内通商産業大臣
  136. 堀内光雄

    堀内国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。     ―――――――――――――
  137. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  139. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十三分散会