○都築譲君
平成会の都築譲です。
きょうは二人の
参考人には御苦労さまでございます。もともと、
平成会としては今回の
事件に関連して証人喚問を
お願いしておりましたけれ
ども、時間的な問題あるいはまたこの
参考人質疑を通じて問題があれば証人喚問に切りかえていただくということで、とりあえず
参考人ということでお出ましをいただいたわけでございます。
今回の
事件、いろんな面で実はよくわからない点がたくさんございます。もともと
野村証券の
総会屋への利益供与の疑惑の観点から今回この
事件が端を発したわけですが、その関連で入った
第一勧業銀行に被疑事実が今あるわけではないと思いますけれ
ども、捜査員が全部で三百人、本店と
関係者の居宅にどっと入って段ボール箱三千箱も資料を押収するというふうなことは、一体何があったんだろうというのが一般の方
たちの疑問ではないかな、こういうふうに思うわけでございます。
また今回、
総会屋と親族
企業へ延べ三百億円の巨額の
融資を行って、焦げつきが七十五億円、そのうちまた七十億円を償却しているというふうなことでございますけれ
ども、背景に一体何があったんだろうかということがよくわからないわけでございます。と申しますのも、
日本の
金融機関、本当にこれから
ビッグバンということで国際的基準に合致をして透明性を高め、あるいは公正にかつ効率的な
金融ビジネスといったものを展開してもらわなければならないこの時期に、本当に大丈夫なんだろうかなというふうに
関係者も一同心配をしているわけだろうと、こういうふうに思います。
また、一般の庶民の観点からいきますと、実は私の地元に渡辺義信
先生という名古屋市議会の議員を四十年やられた
先生がおられて、もう引退をしておられますけれ
ども、中小
企業の支援の方とかあるいは
個人の支援の方からいろいろ今の銀行がバブルがはじけて以降大変厳しい、つらいと、こんな
お話をされまして、今こういった本にするということで原稿を私ちょっといただいてまいりましたけれ
ども、(資料を示す)この中に本当に中小
企業、零細事業主の皆さんや
個人の皆さんのうらみつらみがいっぱいこもっておるわけでございます。
こういう方
たちには本当に厳しくつらく冷酷にあしらっておられるのに対して、こういう問題があるからおどすぞ、こういう形でおどかすぞという、多分そういう話があったんじゃないかと思いますが、そういう
人たちにははいはいといって何十億円というお金を唯々諾々と
融資をする、こんなことがあっていいん、だろうか。
それからまた、銀行の組織からいっても、一般行員の方
たちは本当にまじめにこつこつと一生懸命やっておられるのに、何か上層部から声がかかったら、はいはいという、審査もすっ飛ばして、こんなことをやっていて銀行が組織として成り立っていくのか、こんなことを実は思うわけでございます。
それで、今回明らかになったと申しますか、まだ明らかには、これからいずれなっていくんだと思いますけれ
ども、ただ一つ言えるのは、今
第一勧銀さんも実は大きな分岐点にいるんじゃないか。今回これだけの捜査陣が入って、そして一切合財洗いざらいぶちまけて本当にきれいになって、これからの
金融自由化、体質を強化して二十一世紀に向けて進んでいくことができるのか。あるいは今回の
事件で、いやいや、
お願いしていたんではだめなんだと、おどかせば銀行は金を出してくれると。億でも何十億でも出してくれるということがみんな
国民の皆さんにわかっちゃったんですよ。だから、悪いことを考えるやつはこれからますます支店とかどこかへ行ってトラブルを起こして、それでまた本店の方に食い込んでお金を巻き上げていく、こんな話になるんじゃないか。この
二つの分岐点にあると思う。だから、しっかり心してやってもらわなきゃいかぬ。
こういうことで、実はこの背景のやみ
世界の話、背景に一体何があったんだろうかという議論と業務の適正な観点から、ちょっと事実
関係を幾つかお伺いしたいと思います。
まず初めに、元
出版社社長という方が取りざたをされておられます。もう亡くなられた方ですから
新聞などは名前を伏せて、裏がとれませんでしょうから名前を伏せて書いておるのかなと思いますが、週刊誌の方ではぼんぼん名前が実名で出ております。
この方から
平成二年の九月に、
小池嘉矩さんですね、
小池隆一容疑者の弟さんあてにゴルフ場の
資金三十億円
融資の依頼が
第一勧銀あてにあった、こういうふうな
お話を聞いておりますが、
第一勧銀のだれが受けたのか、これは
近藤頭取、お答えいただけますか。