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1997-05-13 第140回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年五月十三日(火曜日)    午前十時開会・     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         渕上 貞雄君     理 事                 加藤 紀文君                 陣内 孝雄君                 足立 良平君                 三重野栄子君     委 員                 景山俊太郎君                 北岡 秀二君                 鈴木 栄治君                 畑   恵君                 保坂 三蔵君                 守住 有信君                 魚住裕一郎君                 鶴岡  洋君                 西川 玲子君                 林  寛子君                 松前 達郎君                 上田耕一郎君                 山田 俊昭君                 水野 誠一君    国務大臣        郵 政 大 臣  堀之内久男君    政府委員        郵政大臣官房長  天野 定功君        郵政省放送行政        局長       楠田 修司君    事務局側        常任委員会専門        員        舘野 忠男君    説明員        内閣総理大臣官        房男女共同参画  名取はにわ君        室長        文部省生涯学習        局生涯学習振興  北村 幸久君        課長    参考人        日本放送協会専        務理事      河野 尚行君        社団法人日本民        間放送連盟専務  酒井  昭君        理事     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会日本放送協会専務理事河野尚行君及び社団法人日本民間放送連盟専務理事酒井昭君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 畑恵

    畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。  きょうは、放送法の一部改正、そしてこれに際しまして今度設置が決定いたしました苦情対応機関について、そして郵政省が今取り組んでおられます放送デジタル化の問題について幾つか伺ってまいりたいと思います。  まずは、放送法の一部改正につきまして順次伺ってまいります。よろしくお願い申し上げます。  まず、今回の一番最初の字幕番組解説番組に関する放送制度の改善についてでございますけれども、改正内容多重放送免許なしでこうした字幕番組ですとか解説番組放送ができるようにするということで、大変結構な内容だと考えます。  そして、字幕解説促進努力義務を付すということで、ぜひそういう方向に世の中が進んでいただきたいとは思うんですけれども、現在の状況をちょっと各国で比較いたしますと、まずアメリカが三大ネットワークで全体の約七割が、これはFCCの調査であります、そしてイギリスでは全体の約三分の一が字幕放送になっているということでございます。一方、我が国日本でございますけれども、字幕放送を今必要とする人がおよそ六百万人いるという調査が出ています。NHKで全体の一五・八%、民放ではわずかに一・一%にとどまっているということでございます。  かなり大きな格差が生まれているわけですけれども、実際、各国制度がどのように違うか法律を調べましたところ、米国そして英国、それぞれ一定の時間以上の、もちろん条件つきではございますけれども、字幕の付与というのが義務づけられております。こういうことに関しまして、公共福祉にのっとったことということに関しましてはこうした義務づけをしても私は余り問題はないのではないかと思うんですけれども、今回せっかく、努力義務ということで努力がついてしまうこの背景につきまして、ちょっと御説明をいただけますでしょうか。
  6. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘のように、我が国字幕放送あるいは解説放送につきましては、米国英国等に比べまして非常にその普及率が低いということであります。今回、法律改正をお願いいたしまして、字幕番組等につきましては免許なし、免許をそのまま自動的に取れる形にするということ、それから努力義務を課すということをお願い申し上げておるわけですが、米国あるいは英国等におきましては、一定法律上の義務づけが行われていることはよく承知しているわけでございます。今回の字幕放送解説放送等普及ということにつきまして義務づけをすべきではないかという意見調査会懇談会等では一つ考え方としてはございました。  しかし、現在、日本状況を見てみますと、字幕につきましては、先ほど御指摘のように、民放におきましては百二十六社中十四社しかやっていない、非常に普及率も低い、またその時間も非常に少ないということであります。それから技術的にも、日本の場合は漢字仮名まじり文でありますからコスト的にも非常にかかるというふうなことがございます。  そうしますと、とりあえずは全放送事業者においてできる限り早く字幕放送等を進めるということが第一義的な問題だろうというふうに考えました。そういう中で、いきなり義務づけというんではなくて、非常に率も低い、コストもかかるということで努力義務にしたということが実情でございました。  しかしながら、努力義務ではありましても、この努力義務があるということを背景にできる限り一定目標というようなものを定めまして、すべての放送事業者にできるだけ早く字幕放送をふやすように我々としてはお願いしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  7. 畑恵

    畑恵君 ぜひとも進む方向で御指導いただきたいと思うんですけれども、例えばコストがかかるという問題が確かにございます。その点につきましては、郵政省の方から補助をするなり、そして先ほど局長の方からも何かしら数値目標をという話がありました。やはり日本のさまざまな法律が出ましても、環境問題ですとか公共福祉に利するものというのは全くの義務づけというものはできない、なかなか数値も盛り込めないということで、実効性のところにかなり問題があるのではというような指摘がさまざまされますので、本当は数値を盛り込むぐらいの勇気を持ってぜひ御指導をいただきたいと思っております。  では続きまして、今度は放送番組審議会機関に関します制度の整備、こちらに移りたいと思うんですが、番組審議会の運営につきましてはこれまでもいろいろな指摘がありまして、それを受けての今回の改正だと理解しております。具体的に、例えば放送番組審議機関答申意見を尊重して放送事業者が講じた措置内容ですとか訂正放送制度実施状況ですとか放送番組に関して申し出のあった苦情その他の意見概要、こうしたものを放送番組審議機関報告しなければいけない、これも努力義務でございますけれども、これは方向としては大変結構なことだと思っております。  ただ、現在の番審状況、私が申すまでもなく昭和三十四年に制度ができたのですけれども、現在まで大体四十年経ましてかなり不活性な状態となっているのが現実だと思います。私自身放送の現場で仕事をいたしておりましたので、そのころの自責の念を持って言うとすれば、やはりそこできちんとしたチェックであるとか、また番組向上の実を著しく上げられるかどうかというのはかなり極めて疑問だったなというのが正直なところでございます。  私が仄聞したところによりますと、例えば、番審というのは地方の放送局も含めてすべての放送局にそれぞれ付されますね。そうしますと、東京のキー局などはある程度活性化しているかもしれませんけれども、それ以外のところでは答申意見が実際はほとんど出なかったり、その放送局優良番組の御披露会に終わってしまったりということがあるということを聞いております。そうしますと、今回のような条文が入りましても、答申ですとか意見そのものが出ないのではフィードバックのしょうがない、報告のしょうがないんではないか。ないものをフィードバックして活性化しようとしても、それで何か実効性が本当に上がるのかどうかというのはいささか疑わしいのではないかと思えてしまうのですけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
  8. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 御指摘のとおり、番組審議会審議会としての意見を出すとかあるいは諮問も非常に少ないものですから諮問に対する答申をするというのはほとんどなかったというのが実情でありまして、実際は、いろんな番組を前もって見ておりましてそれについて意見を交換するということがこれまでの番組審議会実情であったというふうに我々承知しております。それが決して悪いわけではないんですけれども、番組審議会というのは、自分たち審議会として何らかの意見を出すという中でやっぱり番組の適正を図っていただくのが本来の姿であろうと思います。  そうはいいましてもなかなか意見が出ないわけでありますので、どうしたら意見が出るだろうかというときに、やはりこの議論題材というものを何か考えるべきではないかという議論がございまして、今回は法律で、例えば苦情処理といいますか苦情のあったような問題、苦情を全体としてまとめて報告する中で、やはり苦情の多かったような番組というのは題材になって、やはり問題のある番組ではないかということでひとつ考える。あるいは、訂正放送をされたような番組というのはやはりそこに何か問題があったのではないか、こういうふうな題材を出しまして、そういう中で議論をしていただくということで、番組審議会を少しでも活性化したいというのが今回の法律改正をお願いしている趣旨一つでございます。
  9. 畑恵

    畑恵君 御趣旨は大変よく理解しておるつもりなんです。  そしてまた、これ以上の何か義務づけといいましょうか措置郵政省の方がするとなると、恐らく公権力の介入というようなことで、放送の自由、表現の自由ということに抵触しかねないということも踏まえて、こうした内側から自浄作用を求めるという、それを促す形でとどめられているというのは理解できるんですけれども、あくまでも放送法というものをこれだけ厳然としてつくられているわけですから、その法律放送向上に対して実効性のあるものでないと、大変恐縮な言葉ですけれども、ざる法と言われてしまいかねないわけで、私はそれを危惧しております。  それをどういうふうに是正していくかという中で、これはマスコミからも求められていると思うんですけれども、やはり放送番組審議会内容をきちんと公開してほしいという情報公開の問題でございます。  確かに、今新聞ですとかテレビ等々で、中には会報でですか、情報公開がなされているというのは存じ上げているんですけれども、どれもやはり非常に受動的といいましょうか、視聴者ですとか情報を知りたい者にとって。反対に、情報を知りたいという者が能動的に自分からそれぞれの番審内容を調べていくと非常に情報というのが手に入りにくいというのが実情だと思いますので、やはり情報公開方法、そして視聴者によるチェック機能というのが健全に働くような措置がとられるべきだと思うんですが、何かそういう措置は今回進めていらっしゃいますでしょうか。
  10. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) これまでの法律であった場合は、諮問があったとか意見があった場合はこれを報告なり公表することとなっておったわけですが、今回は、先ほど申し上げましたような、そういう番組審議会議論をされた内容につきましても公表するということを法律で決めておるわけであります。  ただ、その公表の仕方につきましては省令に落としておりまして、考えられるのは、例えば日刊紙等報告する。あるいは最も大事なのは、自分たち放送しているわけですから、番組審議会議論されたことを放送の中で公表する、これが一番大事だと思います。それから、その局へ行くと何らかそういうような内容のものが備えつけてあっていつでも閲覧できるというふうなことが一つ考えられます。それから、やはり番組審議会をやったときは必ずそのたびごと公表するというようなこともある程度決めておく必要があるんではないかというようなことも今考えておるところでありまして、そういう意味で、公表の仕方ということにつきましてもできるだけきめ細かくやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  11. 畑恵

    畑恵君 ありがとうございます。  これもまた、実は私からの提案でございますけれども、放送デジタル化各国に先んじて進めようという郵政省でございますから、ぜひ私は、高度情報化の中でのさまざまな技術というのをこういう中で取り入れていただきたい。現実的にはインターネットというのはかなり多くのところに普及しております。今回、やはり情報公開の中で何が一番必要かというのは、いつでもどこからでもだれでもが簡単で、しかも安価にその情報を手に入れられることというのが情報公開基本だと思いますので、私はぜひ、インターネットを使ってコンピューターネットワーク上での情報開示というのを、これは義務づけるぐらいの方向で臨まれてはいかがかと思っております。  ただ単に、しかも番審がそれぞれに個々フォーマットでばらばらにインターネットに出すのではなく、例えば放送番組向上協議会のような放送局の集まりました機関の、そこでのホームページというものを設置していただいて、そして各番審が同じフォーマット内容を記載して公開していくという形にしますと、横並びで、どの番審がどういうことをやっている、はっきり言えば、どの番審は不活性であってサボっているというのが一目瞭然でございます。そういうホームページが用意されますと、わざわざコストをかけて、自分たちの費用で新聞、雑誌あるいは放送番組等に出さなくても、恐らく各紙がそういうホームページというのは報道すると思うんです。  私は、やはり各番審横並びの同じフォーマットで出すということがある意味で全体の注意を喚起するということになるのではないかと思いますので、そういう提案をさせていただきたいんですけれども、この点につきまして、もし大臣、何か御見解ございましたらぜひ伺いたいと思うんです。
  12. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) ただいま先生指摘のように、インターネットを利用してはどうか、こういうことでありますが、最近、インターネット日本で非常に急速な普及をいたしておりますので、ただいま御指摘になりました件は大変いいアイデアだ、こう思っておるわけでございます。  しかし、まだ一方、インターネットが国民全部に普及しているというわけではございませんので、公表の追加の一つとして今後十分検討させていただきたいと思います。  その他については、先ほど局長が答弁申し上げましたので、これを追加的な方法としてこれから省内で検討したいと思っております。
  13. 畑恵

    畑恵君 大臣、ありがとうございました。ぜひ御検討いただきまして、恐らく検討している間に、ほとんど一人に一台のパソコン時代が目の前にやってきておりますので、今から検討し始めてちょうどいいぐらいではないかと私自身は思っておりますので、ぜひとも具体的な検討に取りかかっていただければ幸いでございます。  では、ちょっと放送法改正を少し離れまして、同じ放送の問題でございますが、最近非常に各紙をにぎわせまして、そして今度、六月十一日に機関機能開始ということでございますけれども、第三者による苦情対応機関、こちらについて伺いたいと思います。  私自身もこのことにつきましては、余り郵政省の方がはっきりした、こうしろああしろというコメントはできないことはよくわかっているつもりでございますので、お答えになれる範囲でコメントをいただければと存じます。  今回の苦情対応機関、私自身は、三月十三日付で日本放送協会並びに日本民間放送連盟から「「苦情対応機関」の設置について」というペーパーが配られましたので、こちらに基づいてお話を伺ってまいりたいんですが、この一番に、「基本的考え方」という中の(2)でございますが、「視聴者からの苦情は、第一義的には当該放送事業者が真摯に受け止めて自主的に解決すべき」という文がございます。続いて、「したがって、「苦情対応機関」では、苦情申立人放送事業者との話し合いが相容れない状況に至っている問題」を取り扱うということでございます。  これは、自民党の会議のときにも局長にいらしていただいて、放送局苦情申立人が第一審のようなもので、そして苦情対応機関の方に第二審のような形で、要するに一審で決着がつかなかった問題をさらに高度化して持っていくんだというお話を伺いましたので間違いはないことだと思うんです。  そうしますと、例えばある放送番組によって自分人権を侵害されて不利益をこうむったと感じた方、こういう方は、放送局苦情処理機関、どちらにまず連絡を具体的にすべきでしょうか。
  14. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 自分放送局放送によって権利侵害人権侵害を受けたということであれば、まずその放送会社の方へ異議を申し立てる、文句を言う、こういうことであろうかと思います。
  15. 畑恵

    畑恵君 まず放送局でございますね。放送局苦情申立人話し合いまして、放送局の方は、この問題は自分たちでとどめる、とどめておこうという言い方は失礼かもしれないですけれども、とにかく私たちのところでこれは話し合いましょうと。ところが、苦情申立人は、いつまでたってもらちが明かないので次の苦情処理機関に持っていきたいと。こういう場合には苦情処理機関の方に苦情申立人がそういう経緯を言えば、処理機関としては受け入れてくれるような機関と考えてよろしいのでしょうか。
  16. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 具体的に細かくどうなるかは手続的な問題が出てくると思いますが、放送会社に行って自分はこういうことで権利侵害を受けたと、放送会社といろいろの問題について話し合う。そういう中で解決がされない、どうしても放送会社の方がそのことについて受け入れないということになりますと、それはお互いに話し合いができなかった、まとまらなかったということでありますから、この苦情処理機関の本来の趣旨からいいますと、それをこの第三者機関に持っていくということになろうかと思います。
  17. 畑恵

    畑恵君 なぜこういうことを伺うかと申しますと、実はこの苦情対応機関についての御説明がありましたときに私自身もその会議に出ておりまして、同僚議員からも出た意見でございましたが、やはり苦情対応機関放送局の間で結局たらい回しにされて、いつの間にか苦情申立人の申し立てというのがうやむやになってしまったり、結局持っていきようがないまま泣き寝入りと、そういう危惧があるのではないかという意見が何人かから出まして、私自身もそういうことがあるのではないのかという思いがありましたので、ちょっと今確認させていただきました。  ということで、放送局苦情申立人が話し合って、放送局の方でまあまあというようなことがありましても、とにかく申立人の方が、この問題はもう放送局には任せておけぬ、何とかしてくれというときには、苦情対応機関に持っていけばそちらで誠意を持って対応していただけると考えてよろしゅうございましょうか。
  18. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この苦情処理機関というのは、そういう趣旨ででき上がっているものと承知しております。
  19. 畑恵

    畑恵君 ありがとうございます。  そしてもう一点ですけれども、今度はこの苦情処理機関番審関係でございます。言葉のとおり、苦情対応機関苦情を処理する、苦情に対応する機関で、番組審議会というのは番組放送内容向上させると、そこはわかるんですけれども、苦情が来るということは、これは放送番組内容について苦情が来るわけでございますから、当然放送内容について問題が生じているわけでございます。ということは、何かしら苦情対応機関の方に申し出があったこと、ここで何か処理されるべきことについては番審の方にもフィードバックというんでしょうか、そちらの方にも報告がなされて、そして検討意見が交わされるというような仕組みになっておるんでしょうか。
  20. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 放送番組審議機関というのは、放送番組の適正、向上を図るということで、一般的に番組の基準であるとかあるいは番組のあり方を議論して意見を出すというところでありまして、個々苦情、私はこういうことでこの番組にこういう権利侵害を受けたというふうな個々のものを扱うところではございません。そういう問題は、先ほど申し上げましたように、まず放送会社に行きますと視聴者センターとかいろいろありまして、そういうところで対応していただく。そして、まとまらないときは第三者的なこの苦情処理機関に行くというシステムをつくったわけであります。  そうしますと、こういう苦情等は全然番審では扱われないのかということでありますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、苦情を直接やるわけじゃないんですけれども、苦情が出るような番組というのはやはり幾つかの問題がある、その番組についていろいろ議論するのがいいんではないかという趣旨で、苦情等概要番審報告するということを今回の法律で提出させていただいておるわけであります。そういう中で番組適正化に使うことはできますけれども、苦情そのもの解決というものはこの番組審議会ではやらない、こういうことでございます。
  21. 畑恵

    畑恵君 個々内容についてということはもちろん私自身も考えておりませんけれども、そうしますと、番審と各放送局苦情センターのようなところと苦情対応機関というのは非常に密接な関係を持って相互に情報交換をし合っているというふうに考えてよろしゅうございますか。
  22. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 例えば、苦情が行きましたらそれが直ちに番審の方へ行くというシステムにはならないのではないかと思います。毎月幾つかの苦情がある、そういうものを集計した形で毎月なり二月に一回この番審報告するという形で提出されますので、タイムラグもありますし、かつ目的が違いますので、若干その辺のところは、ある程度の連関というのはありますけれども、ダイレクトに直接来たらすぐ行く、こういう形のものではないというふうに承知しております。
  23. 畑恵

    畑恵君 ダイレクトということは私自身も望んでおるものではございませんけれども、一番期待すべきことというのは、速さの問題ということよりも、やはり放送というのは苦情が出るにしても内容検討するにしても根底は一つだと、局長もそうおっしゃっているんだと思いますので、何か一つ問題が起きて、そして苦情対応機関まで上がる問題というのはそれだけ重要といいましょうか、深刻なわけでございます。ですから、苦情対応機関に上がったぐらいのそれだけの重要性を持った問題というのはぜひ番審の方でも、時間を置いて結構でございますので、きちんと話して、どういう視点でそういう問題が起きているのかということについて検討していただくという方向でぜひ進んでいただきたいと思っております。  続きまして、先ほどのこれは番審でお願いしたことと重なる問題なんですけれども、今回苦情対応機関ができるに際しまして、各新聞、雑誌などを読みますと、果たしてどれだけ実効性があるのかというような内容の中に、やはり一番の問題というのはこれも情報公開視聴者にどれだけ苦情対応機関の活動内容、もちろんプライバシーの保護という問題がありますので、これについては個々すべてを公開するということではございませんけれども、少なくとも何かしらのチェック機関というのがございませんと、この苦情対応機関そのものが何かペナルティーを科せるというものではございません、性質上。せいぜい勧告、見解をまとめて、放送事業者苦情申立人にそれを提示して、機関委員会名で公表しますということが三月十三日付で出ましたペーパーに書かれているんですけれども、やはり公表というのがどういう公表になるのか。こればかりは本当にプライバシーの問題ありますから出せばいいという問題ではないので、出し方の問題、出すメディアの問題、あわせて具体的に伺いたいんですけれども。
  24. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) これは苦情対応機関が、これから委員が選定されまして、その中でいろいろ具体的な手続等決められていくと思いますが、基本的な考えとしまして、やはりこういう苦情対応機関が大きな働きをするためには、例えばこういう見解を出した、報告を出したということを広く周知することによって効果がある。これは裁定力とか罰則とかそういうものはないわけでありますから、あとは情報公開によってなるほどと世の中が思って初めて放送会社あるいは苦情処理機関に対する影響力があるというふうに考えますので、先生指摘のように、いかなる形で広く公表するかというのは非常に重要だという基本線はあろうかと思います。
  25. 畑恵

    畑恵君 非常に御理解いただいていてありがたいと思うんですけれども、ぜひともこちらの方も私自身インターネットで出していただきたいという要望がございますので、内容につきましてはぜひ実効性がある苦情対応機関となるように公表方法を御指導いただきたいと思います。  私自身、先ほど申し上げましたように放送に携わっていたジャーナリスト出身の議員でございますので、放送の自由というのは極めてこれは重要、尊重すべきというのはだれよりもそういう思いでおる人間でございます、議員でございます。ただ、そこには常に一定のルールが当然必要なわけで、野方図で無制限な自由というのはあり得ない。また、私自身がその仕事に携わっている中で、放送あるいは報道というのは、確かに巨悪を倒すこともできますけれども、一瞬にして名もなき市民の一生を台なしにする、人権を踏み砕くということができますので、その恐ろしさというのは、私自身ニュースキャスターという仕事をしておりますときに本当に日々自分が押しつぶされるくらいに強く感じておりました。  健全な放送、報道のあるべき姿、あくまで自由でありますけれども、もし何かあったら、もしそれが人を傷つけて、もろ刃の剣といいましょうか、傷つけるような形で使われた場合には、やはりそれなりにそれは律せられるべきだと私自身は思っております。  これは私だけの意見ではございませんで、恐らく心ある放送マンですとか志の高い報道人でございましたらば、出口でのきちんとしたチェック、何か自分が間違いを起こしたときにはそれは裁かれる、そのかわり入り口の部分、取材をして、企画をして、そして番組につくっていく過程では完全な自由を保障してほしいと。むしろ入り口の部分での放送の自由というのを確保するため、担保するためには、出口できちんとしたチェックがされるべきだというふうに望んでいるという声をかつての同僚からも私は聞いております。今回のような放送法改正、そして苦情対応機関につきましては、やはりきちんと実効性のある形で機能するように私はぜひ御指導いただきたい、放送の自由を尊重する者としてもう一度強くお願いいたしたいと思います。  時間も迫ってまいりましたけれども、最後に一つだけ、昨今非常に郵政省が力を入れていらっしゃいます放送デジタル化についてでございます。これについて一つだけ伺っておきたいと思います。  特に、地上波テレビのデジタル化ということが、九六年の五月、電気通信審議会答申で構想が明らかにされたわけでございますけれども、たしかその当時は二〇〇〇年から二〇〇五年に実現をして、二〇一〇年から本格放送ということを伺っておりました。  ところが、日進月歩のこうした高度情報化という波におくれないようにということなんだと思うんです。先日出された方針によりますと、二〇〇〇年までにデジタル放送を導入されるということで、こうした取り組みというのは大変評価すべきことだとは思うんですけれども、その一方でやはり非常に費用が、各放送局の負担が大変大きいという話を伺っております。  特に、日本の場合は地形が複雑でございますので、各国に比べて放送所というのがとても多い。大体一万四千から五千ぐらいと伺っておりますけれども、あの広い米国でさえ八千、イギリスですと五千ということでございます。こうした全部の日本放送所をデジタル化にあわせて改変していくとなると、民放一系列当たり一千億あるいは二千億、試算の仕方でもっと多いという金額も新聞などには出ております。実際どれぐらい本当に、中には一兆円というふうに書かれていた新聞がございましたので、余りにも開きがあるのも私はちょっと非常に奇異に映りましたものですから、実際、民放の一系列当たりどれくらいかかるのか。そして、今回この費用に対して郵政省の方からある程度低利の融資制度が付されるということも伺っておりますけれども、本当にそれによって民放デジタル化というのが問題なく、支障なくできるのか、伺いたいと思います。
  26. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) まず、この地上放送デジタル化ですが、先生指摘のように、二〇〇〇年から二〇〇五年までということを昨年五月の電気通信審議会から答申いただいたことは事実でありますが、これは二〇〇〇年から二〇〇五年という幅がありまして、どうするかということは一つの課題であったわけであります。その中で、御承知のようにCS放送デジタル化になった、BSも長い間かかりましたが後発機からデジタル化に移る、サイマル放送としながらデジタル化にソフトランディングしていくという方向も決まったわけであります。  また、このデジタル化ということを考えてみますと、視聴者にとりましても非常に多くのサービスが受けられる。あるいは、事業者にいたしましても今のチャンネルをふやしていろんなサービスができる。それから産業界全体に対して、デジタル化ということは通信とかコンピューターの融合がありますので非常に大きな経済効果がある。いろんなメリットもあるわけです。  その一方で、先生指摘のように、これは非常にお金がかかるじゃないか、こういう問題がございます。この件につきましては、試算等、今のところ実はわからないわけでありまして、系列ごとに一千億ぐらいかかる、系列というのは本当はないんですが、各局にしますと三十億円から五十億円かかるというふうなことをおっしゃる方もあります。これは一気につくった場合にかかるわけでありまして、例えば一つの地域で中継局が何局かありますと、何年計画でやりますとそんなに要らないわけで、少しずつつくっていくということもあるわけですから、いろんな考えがあるわけです。  そういう中で、これをどうするかということは、我々がするのは、二〇〇〇年までに技術基準を決め、チャンネルプランを決めて、民間放送等がデジタル化したいというときに、政府の方で、いやまだ何もできていませんというんではなくて、準備はできましたということをやろうと。そしてその中で、民間放送事業者等がどのようにやっていくかということは、間もなく、今月中にも関係者を入れた検討会を進めて来年秋ごろまでにやりたいというふうに今計画を進めております。  その中で、こういう費用の問題、それに対して政府はどうするかというような問題、あるいはどのような形で始めるのか、あるいは視聴者にどのような保護をするのか、視聴者の損にならないようにどうするかというようなことを幅広く検討していくということでありますので、そんな中でできるだけスムーズに、かつデジタル化方向に向けて議論していきたい、こういうふうに思っているわけであります。
  27. 畑恵

    畑恵君 もう時間も来ておりますけれども、やはり一方で出費がかさみ、なおかつチャンネルがふえる、しかしスポンサーはふえないということになりますと、より激烈な視聴率合戦ということが繰り広げられて、そうした結果として番組の質が落ちるということになると、せっかくのデジタル化がかえって逆方向に向かうことも危惧されますので、ぜひそうではない形になりますように、御検討を深められて御指導いただければと思います。  ありがとうございました。
  28. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 畑恵議員に関連いたしまして何点かお尋ねしたいと思います。  最初に、NHKの奥ヒマラヤ事件、これはやらせと見ておりますけれども、それからテレ朝の椿事件、これは政治的な中立性の侵害、TBSのオウム事件、事件の拡大性に関与したこと、それから河野サリン誤報事件、つくば母子殺人事件、東電OL殺害事件等の三事件、これは人権侵害、それからペルー・テレ朝事件、取材モラルの問題等々、最近の俗に言うメディア不祥事、これの総括を承りたいと思います。また、その際、放送事業者や業界は世論や法律でどう裁かれたのでありましょうか。御見解を承りたい。
  29. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘のNHKの奥ヒマラヤ事件、あるいは椿発言事件、それから松本サリン事件といいましょうか河野サリン事件、それから先年のオウムのTBSの事件、あるいはリマのテレ朝の取材の事件、考えてみますと放送事業者の取材のあり方やそれにかかわる人権問題というものが非常にここのところ多発いたしまして、放送事業者に対する国民の信頼を著しく失墜させたということでございます。一方で、テレビの持つ社会的な影響力の大きさ、それからその公共性というものが改めて議論になった事件でございます。  御指摘のように、奥ヒマラヤ事件はやらせの問題、あるいは椿発言事件は政治的中立の問題、オウム・TBSは社会的使命の問題等々、それぞれ違った種類の問題ではありますが、それぞれの形において皆大きな社会的批判を浴びたというふうに認識しております。  これらの点につきまして政府としてどう総括したかということでありますが、それぞれの事件につきまして、放送法に基づく処分、法律に基づく処分というものは行っておりませんけれども、それぞれにおきまして再発しないような形での行政指導等を行ってきたところでございます。  そういう中で、今後に向けて、正常化に向けて幾つかの放送会社は施策をとっているところもございます。
  30. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 法の処分はなかった、行政処分に近いものだった、あるいはまた再発防止には心を砕いた、こういう御答弁でございましたけれども、しかし現実は、例えば松本の河野さんのサリン殺害嫌疑という全く誤報による人権侵害事件、あるいはまたつくば母子殺害事件で死亡した被害者の例のランジェリーパブだとか、プライバシーを一斉にかつ興味本位で報道して全く被害者の人権をじゅうりんした苦い反省があったわけです。こういうのは本当に生きているんだろうか。  そういう事件があったにもかかわらず、人のうわさは七十五日じゃないけれども、その直後に起きたのが東電OL殺人事件なんです。これなんかはひどいものでございまして、これ以上、イエローペーパーもやらないようなことをテレビの社会までが踏み込んでしまった。例えば、テレビには出なかったですけれども、殺された被害者ですよ、その人が物も言えない立場に置かれながら、ヌード写真まで提供されたり、一方的な報道でイメージをつくられたり、結果において死体を凌辱されたとまで言われているわけです。それで、お母さんが弁護士さんのグループと一緒に報道各社に抗議の文書まで送り届けた、こういうふうに聞いております。本当に業界は反省をしているんだろうかと私は強い疑問を抱く一方に、やはり行政の指導についても、申しわけないけれども疑いを持っている部分もございます。  特に視聴者からの苦情につきまして、業界、各放送事業者の対応は十分であったのか、もう一度局長の評価を承りたいと思います。また、表現の自由とメディアの暴走のはざまの中で被害者は現実どう救済されてきたのか、このあたりも御報告いだだきたいと思います。
  31. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 松本サリン事件につきましては、事件の発生から一年経過した段階で、NHK及び民間キー局は、河野さんが事件の容疑者と受け取られるような報道をしたことについて、河野さんと関係者に御迷惑をおかけしましたという旨の訂正あるいはおわびの報道は行っております。これですべてが解決されたとは思いませんけれども、この件については訂正放送を行っております。  それから、東電OL殺人事件につきましては、弁護士グループからの公開質問状というのがございました。これに対しまして、NHK及び民間キー局が、全部ではございませんが、被害者の人権を考え放送しているというような回答をしておりまして、比較的週刊誌等に比べますと、十分ではありませんけれども、対応はしておるんではないかと思います。  いずれにしましても、報道が行き過ぎるという問題につきまして人権問題が非常に起こるということでありまして、この問題につきましては、我々政府として直接放送法に違反する場合以外はなかなか処理しにくい問題でありますけれども、一般的な形として人権問題について十分配慮した放送をやっていただきたい、特に昨今こういうような問題が多発した経緯がございますので、そういうことでお願いしているわけであります。  そういう中で、わずかでありますが、今回は苦情処理の問題につきましてかなり議論をして、自主的に第三者的な機関をつくるという動きが出てまいった。それから、番組の問題でありますから、番組につきまして少しでも適正化を図っていただくようにということで法律改正をお願いするということでやっているわけでございまして、少しでも改善されるということを期待している次第であります。
  32. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 話を承ってまいりましたが、確かに表現の自由だとか憲法上の問題があります。しかし、であればこそ何もやらないでもいいというわけでは全くない。業界の自浄作用というのを私たちも期待してきたんですけれども、本当にメディア側に自浄作用というのは進んでいるとお思いでしょうか。  ちなみに、テレビ放送が開始されたのは昭和二十八年、このもう数年後には下品、低俗などというテレビに対する批判が出てまいりまして、もうすぐテレビは一億総白痴化の元凶だと言われるようになって、放送法改正をもくろまれた。しかし、現実はこれは成らなかった。しかし、その後、教養番組放送を義務づけられたり、いろいろ努力はしました。しかし、昭和三十八年には臨時放送関係法制調査会設置されまして、低俗番組排除のために広く視聴者の声を聞くべく番組世論調査機関設置答申しているんです、あの時点で。非常に今度の多チャンネル懇と似ているんです。ところが、政府の間接規制などという批判がありまして、結局これは廃案となっているんです。昭和三十八年、既にもう三十四年前にこういう事件が起きているんです。  一体全体、なお一層競争が激しくなったメディア社会の中にあって、自浄作用が本当に進んできているとお思いでしょうか。
  33. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 一連のやらせ事件あるいは椿発言問題、あるいはTBSのオウム問題を受けまして、近年、放送事業者番組向上に向けての報道倫理等に関する社内委員会設置、あるいは取材・報道のあり方を定めたガイドラインの作成、社内研修の強化、自己検証番組放送実施などかなり取り組んでいる面はございます。この間も新聞に載っておりましたが、新入社員に対しまして、ことしはかなりこの放送倫理の問題について研修も行っているという報道もございました。  しかしながら、先生指摘のように、これまで何度もこういうことが問題になりながら常にこういう問題が起こってきていることを見ますと、必ずしもこれで完全だというふうに思うわけではございません。少しでも前向きに教育できるあるいは自己検証のできるようなものをやっていただくということを、我々としては、これは注意深く見守っていって、それの強化を図っていただくということを見るしかないというふうに思います。  もし放送事業者にこういうものが十分働かなければ、それは大きな社会的な非難を受けるわけでありますから、放送事業者として立ち行かなくなるという問題がございます。彼らとしては、この多チャンネルの時代において非常に競争が激しくなる中で、自分たち番組については十分な自浄作用を行えるようにしていただくということがますます必要になってくるというふうに考えております。
  34. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 ちょっと私は、御答弁としては失礼ながら不満ですね。自然淘汰を待つとか見守っていきたい、これは確かに慎重であるべき業界ですからよくわかりますが、さっき申し上げましたけれども、今回放送倫理基本綱領を民放とNHKでおつくりになったように、その前に各放送会社にはこんなに倫理規定があるんですよ、ガイドラインを設けて。私がテレ朝の件なんか調べましたらこれだけのものがあって、これは覚えるのも大変だと思いますけれども、常識的なことしか書いてないですよ。なぜそれが守れないんだろうかと思いますね。  最近の民放連の動きだけ見ましても、例のTBSの事件が終わりました後、昨年の七月三日には取材・放送のあり方に対するシンポジウムを開いたり、NHKと共同で放送倫理基本綱領を制定したり、これなんか人に言わせますと放送業界の憲法だと言われています。すべての各民放、NHKが持っている上に一つの憲法の前文みたいなものをつくった。自戒の綱領とも言われています。これをおつくりになったり、あるいは民放連が視聴者電話応対室を設置したり、報道研修会を全国対象で開いたり、合同責任者会議、これは各社の考査セクションや番審の事務局、視聴者電話室なんかが入ってやったり、NHKも四条委員会をつくるとおっしゃったり、あるいは民放連レベルでも取材と報道に関するガイドライン作成中だとか、これ私、仏つくって魂入れずじゃないか、こんなにあって消化不良になっちゃうんじゃないですか。  私はこういうことを感じながらも、結局、倫理綱領なんかがあり、その上にさっき畑議員が御質問した、法が期待して、法に基づいてできた番審、あるいはまた業界が期待して自主的につくった放送番組向上協議会、こういうものまであったわけですよ。なぜメディアの暴走をとめられなかったんでしょうか。ここのところ疑問に思ってしょうがない。  しかも、最近開始された各社の自己検証番組、せっかく努力してつくった自分番組を自社で批評するんですからつらい放送ですよ。しかし、こんないいものをつくりながら、見てみますと朝五時台だとか六時台、視聴率も○・幾つ、これじゃそっともう見えない程度に公表しようとしか思えませんね。  ですから、これをもう一回確認したいんですけれども、これは業界側に問題があることは私は認めざるを得ないと思うんですけれども、放送行政にも問題があるんじゃないですか。
  35. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) これまで幾つかのこういうふうな事件が起こってきまして、我々としては、我々の所管する放送法に基づいてどういうことができるかということで対処してきたつもりでございます。  そういう中で、どうしても対処できない権利侵害に対するような問題、これをどうするかということが今回大きな議論になったことも事実でありまして、それにつきましては放送事業者第三者的なものをつくるということでありますので、そういう形で第三者的なものをつくれば何らかの機能を発揮するだろうということを我々は期待しておりまして、これの行く末を見守りたいということ。  それから、番組審議機関番組適正化を図ることはちゃんと法律で決めてあるわけですが、これが機能しなかったというのは非常に我々としても責任を感じておるわけでありまして、どうしたら番組審議機関番組向上に本当に役立てるかということをやはり考えていかなきやならないということが一つのツールであろうというふうに思っております。  そのほか、いろんな問題がこれからあろうかと思いますが、彼らがそれなりに自己検証番組とかあるいはマニュアルとかつくっておりまして、いろいろ不満はございますけれども、これらにつきましてもいろんな取り組みをやっているということも見守る必要はこれはあるというふうに思っております。
  36. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 そういう問題を前段に引きずりながら、今度多チャンネル懇が設置されたわけです。私は、最終報告を見るまでもなく中間の取りまとめなどをずっと注意深く拝見してまいりましたけれども、一番奇妙に思いますのは、結局、人権侵害の救済方法はなぜ両論併記になってしまったんでしょうか。私たちはオンブズマン制度まで言ってたんですよ。放送業界のオンブズマン制度というのはちょっとほかと違いまして、完全に中立じゃないんですよ。強大なメディアに対して、こんなに小さな被害者を救うために限りなく被害者の側に立った中立機関なんです。こういうものをオンブズマン制度として設けろと言ったら、これも業界から反発を食った。  ちなみに民放連の新聞などを見てみますと、NHKと民放連で多チャンネル懇の動きに対しまして再三にわたって外部の機関設置には反対しているんです。今回の法改正第三者機関の法的位置づけが結局見送られてしまったのは、これは両論併記かもしれないけれども、あの中には法的な位置づけも書いてあったんでしょう、正式には。にもかかわらず見送られたのは業界の反対で慎重になったんじゃありませんか。  民放連が発表いたしました見解を見てみますと、こう言っているんですよ。多チャンネル懇の「審議の場では、「視聴者番組選択能力の欠如」「多チャンネル化による番組の質的低下の招来」を前提に最悪の事態を想定し、既存の放送に対する規制面からの論議に終始」してしまったことは残念であると。良貨が悪貨を駆逐するということがわからないのかとまで言っているわけです。  私は、これは放送事業者は本当に事件を引き続き起こしているのに反省しているとは思えないんです。メディア側の現場の記者の言動には逸脱した使命感だとかあるいは思い上がり、謙虚さの欠如、これはもう全部、マスコミに対する信頼が失われている現状の要因になっているわけです。  今回、メディア側の過ちから業界への風当たりは本当に強いんですよ、実際問題として。これは政治の世界でもなければあるいは行政でもなくて、世論が風当たりを強くしているということを業界はなぜわかってくれないんだろうか。このあたりの見解はいかがでしょうか。
  37. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘の点は、多チャンネル時代における視聴者放送に関する懇談会の中でこの多チャンネル時代における番組の問題をいろいろ議論したわけであります。青少年の問題とかありましたが、その中でやはり一番焦点になってきたのは、人権侵害に対してどう救済するかというこの第三者機関のところでございました。  これにつきまして、これがある意味では放送の正常化につながるということもありますので、非常に議論が沸騰しまして、その中でやはり公的なものをつくるというアイデアが一つございました。それから、民間の放送事業者が自主的にみずからつくるというアイデアも出ました。その二つに分かれたわけです。  しかし、一方で、一部の委員からこういうものさえ要らない、一切今までどおりでいいという意見もあったのは事実でございまして、この懇談会が一応コンセンサスということで全体のまとめをする段階で両論併記になったということはございます。  しかしながら、その後の経緯でありますが、やはりいろんな社会的な意見もたくさん出ておりますし、また、懇談会の中でも第三者的なものをつくるという必要性の声が非常に多かったわけでありますが、あるいは国会等でもいろいろ御質問いただきました。そういう中で、今回みずからできるだけ第三者的なものをつくるということをNHKと民間放送事業者が打ち出しましたので、それはそれでこれまでの議論の経緯からするとある一定の進歩だろうと、それを見守っていきたい、こういうふうに思っているわけであります。
  38. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 今の多チャンネル懇でもう一つの問題提起がされているわけです。これは青少年への影響について答申がされているわけですが、どういうふうな答申でありましたでしょうか。しかし、現実は、最終報告では事前表示制度やVチップは義務づけは適当ではない、あるいは時期尚早と業界の主張が通っているんです。今日の青少年を取り囲む状況に危惧を感じていないんでしょうか。  私は、ちょっと行政が引いたような気がするんですよ、この問題では。引いたということがそうじゃないとおっしゃるならば、なぜ法による対策を今回見送ったんでしょうか。そもそも政府はテレビと青少年の反社会的事件との因果関係をどういうふうにごらんになっていますでしょうか。
  39. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この懇談会の中では、青少年に対する放送の影響というのは非常に大きいという基本的な論調がございました。その中で、一つ番組の時間帯の問題がございます、時間帯制限の問題。それから、番組が俗悪といいますか暴力的、こういうようなものについてやはり放送事業者で自主的に例えばレーティングするとか、こういうようなことを取り組むべきではないかという意見は出されております。  ただ、その中でVチップの問題、これはアメリカ等で、いろいろ議論がございますが、今法制化ができようとしておりますけれども、Vチップにおいて家庭でこういう番組を遮断する、こういう方式をとるべきではないかという意見もあったことは事実でございます。しかしながら、日本ではまだ番組に対する事前表示といいますかレーティングもできていないわけでありまして、とりあえずはそういうふうなところを民間放送事業者が取り組むことが大切である、こういうふうな意見が出たわけでありまして、行政がそれを云々して引き下がったとか、そういうわけではございません。ただ、そういうやはり日本とアメリカとは違った事情があるという意見が出ましたので、そういう中でVチップはまだ早い、こういうふうに判断しておるわけです。  しかし、一方でCSのデジタル放送、これは一種のVチップでありますが、ペアレンタルロックと言いまして、親のかぎ、放送を遮断するというシステムが取り入れられております。これは専門放送でありますからこの必要性もより強いわけでありまして、そういうものは逐次導入していく、こういうふうに考えております。Vチップ等の問題につきましては一つ検討課題というふうにとらえております。
  40. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 青少年の反社会事件との因果関係、これも御見解を承りたかったんですが、私どもでちょっと調べてみましたところ、アメリカの公衆衛生局長諮問委員会答申というのを拝見することができたんです。  テレビ番組に含まれる暴力的な内容視聴者の一部に影響を与えているのはもう既に疑いのない事実としております、アメリカでは。テレビ番組と一部視聴者が犯す反社会的な行動との間には因果関係があることは明白となった、こう言い切っております。  アメリカでは、ちなみに子供のテレビの視聴時間は週平均二十五時間ぐらいと言われておりまして、一日十一時間の子供さえいると言われております。ちなみに日本は二十五時間よりも少なくて十七時間半となっております。こういう結果から、早い時期から暴力番組を見続けている子供は後年攻撃的な行動を起こしやすい、また、暴力番組を見ている子供は暴力という行為そのものを容認する傾向が強い、こういう学術的な調査結果も出ております。子供たちは小学校を卒業するまでにテレビで殺人シーンを約八千件、暴力シーンを十万件見ることになると言われている。こういうことからいえば、性本能を刺激する番組での影響はなお推して知るべしということなんです。  こういうデータが出て、アメリカが踏み切ろうとしているのに、日本だけは違う、時期尚早、子供に対する影響はない、ここまで言い切れますか。
  41. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) テレビの暴力番組とかセックス番組というふうな問題、こういうものが青少年に影響を与えるということを否定するものではございません。この懇談会の中でもありました。特に青というより少年、まだ判断力のない子供たちに対してこういう番組が出されるということは非常に問題であるというふうな考え方があったことは事実であります。  繰り返すようでありますけれども、果たしてすぐに日本でVチップということに結びつけるかどうかということについては、アメリカと日本の国情の違いでまだ少し早いんではないか、こういうふうになったということでありまして、番組のレーティングの問題とかあるいは時間の問題とかが先の問題ではないか、こういうふうに思っておるわけであります。
  42. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 そうおっしゃいますが、ここにクリントン米大統領の昨年の一般教書演説の一部を、上下院の両院合同会議でやったものを手にしているんですが、ちょっと御参考までに申し上げますが、クリントン大統領はこう言っているんです。   メディアに対し、私は、自分の子供や孫たちが楽しんでほしいと思うような映画、CD、テレビ番組を製作すべきだと言いたい。   私は議会に対し、子供には不適当と親が判断する番組が映らなくする「Vチップ」をテレビ受像機に付けることを義務付ける法案を通すよう呼び掛ける。子供たちが見るものを親がコントロールするのは検閲にならない。これは、親が子供の養育により大きな個人的責任を引き受けることを可能にする。私は親たちに対し、そうするように勧告する。Vチップの義務付けは今議会にかけられている重要な電気通信法案の一部である。これには超党派の支持があり、私あなた方がこれをすぐに可決するよう勧告する。  これはもう一月にやりまして、ちなみに二月一日には可決しまして、二月八日にはクリントンが百四号の法律としてちゃんと署名しているわけです。そして、さらに、   Vチップが機能するようにするために、私は放送産業に対し、映画産業が行ったように、親が子供を保護するのに役立つような方法番組をカテゴリー表示するよう求める。そして私は、エンターテインメント産業に携わる主要メディ企業の指導者たちに対し、子供たちがテレビで見るものを改善する具体的方法についてわれわれと一緒に前向きの協力を行うために、来月ホワイトハウスを訪れるよう招請する。私は協力の用意がある。  このように言っているんです。そして、確かに二月二十九日、一カ月後にはマードックやT・タナーを含めたメディア業界の三十人の代表の方が来ている。それでその後、業界は声明を出しまして、協力しようと。そして一年後にVチップの義務づけ、そしてカテゴリー別のレーティング、これをやるような通信法の改正を現実化した。来年の二月にはVチップつきのテレビが市販される、こういうところまで来ているんです。  アメリカといえば、フリー、フェアあるいはオープン、こういうものを旨にして、特に放送産業がリーディング産業として頑張っている中で、しかも表現の自由を守ろうというああいうお国柄で、なぜ連邦政府があえて検閲というレッテルを張られる危険を冒してまで法律番組の規制を明白にしたんでしょうか。法律番組の規制を明白にしたんです。これほどアメリカ社会はうんでいるとか、テレビと暴力という問題に悩んでいる、こう言い切りますが、日本だけは違うと本当に言い切れるんでしょうか。もう一度、念のためお尋ねしたいと思います。
  43. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) テレビというものは、これはグローバルな影響はございますので、アメリカと日本は全く違うということは言えないと思います。アメリカの映画も日本に既に入ってきている、アメリカの番組も入ってくる。日本番組もアジアに行ったり、向こうに行ったりするということで、これは非常に共通の問題がございます。  これはアジア等におきましても、今こういう放送番組の問題につきましては、各規制官庁も非常に関心が強いわけでありまして、そういう間での議論も今なされている状況にございます。  そういう中で、アメリカが一番いろんな、多民族国家でありますし、比較的放送の影響も大きいということで、かなりこういう時代に大統領の指導力でもってこういうふうに動いたという事情がございまして、これは世界に今大きな影響を与えておりまして、各国でこのことを議論しておるわけであります。私はそういうことを申し上げておるわけでありまして、アメリカと違うというわけではありませんが、アメリカのこういう状況も見ながら、日本ではこのVチップの問題は将来検討していくということがいいんではないかというふうに考えておるわけであります。
  44. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 時間がなくなってきたのでそろそろまとめますが、先ほど出ました、例えば人権侵害の今度の救済機関ですね。これなんかにつきましてもお話がありましたとおり、裁定力の担保というのはないわけです。現実には申し立てした人も、それから侵した放送事業者も拘束力がないんです。要するに、何とかやってほしいという要望だけで改善勧告、こんな程度なんです。私はこれだけで済むとはどうしても思えない。  このことについてもいろいろありますけれども、実は、今申し上げたレーティングの問題ですけれども、アメリカの場合は御案内のとおり、全米映画協会、日本で言えば映倫みたいなものが年間千二百時間の映画を全部事前に検閲して、自主的にカテゴリーを分けて提供している、こうやっていますけれども、これが生きたんですね、アメリカの場合。  だけれども局長、アメリカのテレビは、今度のはCSからCATVまで全メディアが入るんですよ、放送メディアが。それをやろうというんです。放送時間、何と六十万時間ですよ、アメリカは。これに踏み切ったんです。これは大きな教訓だし、これをやることは、私はもう本当に今日本なら完全にできると思っているんです。  ちなみに申し上げますけれども、さっきのレーティングというのは、子供の見る番組を二種類、親の見る番組を四種類のカテゴリーに分けるわけです。こういうふうにアイコンが出てくるわけです、テレビに。(資料を示す)三十分番組で最初の十五秒間、六十分番組の場合、三十分たつとまたこれが出てきて消えるんですが、TVY、TVY7、G、PG、14、Mと、こうなっているんです。六種類あるんですが、これが番組の中で出てくるんです、番組の左の方に。  TVY7、これは七歳以上の子供に適切な番組である、こういうことなんです。一番下のTVMというのはもう親だけでなくちゃ、いわゆるこれはセックスはんらんの番組、暴力はんらんの番組。こういうふうに分けまして、これを最初からバーコードの、ここにあるのはきのうのロサンゼルス・タイムズなんですが、バーコードの後ろにちゃんとこれが全部ついている。親は画面を見ながらもわかるし、あらかじめわかる。  それで、Vチップがバイオレンスで、これはアメリカとEUが使っています。日本の場合はペアレンタルロックと言っていますけれども、現実には同じですね。それをあらかじめインプットしておいて、リモコンで操作すればもう子供が見ようと思っても見れなくなる。  これは業界にとりましては、子供の番組には大人の広告を出せませんし、大人の番組には子供の広告も出せないということで、確かに仕事はやりにくくなるとかいろんな苦情もありました。だけれども、踏み切ったという事実は、アメリカは私はすごいな、偉いなと思うんですよ。  そこで、あえてお尋ねいたしますけれども、今回の三十数年ぶりの法改正、アメリカの六十一年ぶりの電気通信法の改正、特にアメリカの電気通信法の大改正は、今までの放送業界で起きた、メディア業界に起きたものを追認的に法律化した、改正したんではなくて、先導的なものをどんどんと入れたというのが今度の大評価なんです。それでFCCというような独立機関もつくりました。こういうふうにアメリカの今度の大改正、これだけ見習えというわけではありませんけれども、日本の場合も、大改正とおっしゃるならば、そういう先導的な部分が加わっているとお思いでしょうか。あるいはそういう意思はありましたか。
  45. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回の放送法改正に比べまして、アメリカの改正は電気通信法の改正でありまして、この中には放送と電気通信をあわせたいろんな改正がありまして、これは将来の通信と放送の融合といいますか、こういう時代に向けました国際的な大競争時代、メガコンペティション時代のストラテジー、戦略として産業の競争力強化を図るという一方で規制緩和する、それから視聴者保護を図る、この両面から大きな法律改正をしました。  ちょっと長くなりますが、例えば、次世代デジタルテレビの導入の問題、それから放送局の複数所有規制の緩和の問題、それから先ほど先生指摘のVチップの導入の問題、それからケーブルテレビと電話の相互参入問題、それから字幕の義務づけ、こういうふうなことでありまして、何年ぶりというかなり大きな法律改正をやったというふうに承知しております。  今回の放送法改正は、そんなことにはとてもこたえられないようなわずかな改正でありますので、アメリカのような大きな改正となりますと、これは通信と放送の融合全体を見詰めたまた別の視点からの改正ということになろうかと思います。今回の我々の改正は、字幕関係が余りにもおくれているからこれを改正するというのと、番組関係で少しでも番組適正化を図ろうということで、今現在ある番組審議会の強化を図ったことと若干の規制緩和、こういうことであります。アメリカのような改正ということは、アメリカに起こったことは将来日本で起こる可能性は非常に大きいわけでありますので、現在、通信と放送の融合ということを含めて研究を進めているところであります。そういう中で、アメリカの法律改正ということは一つの参考になろうかというふうに思うわけであります。
  46. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 私は、三十七年ぶりの大改正など期待したんです。アメリカの六十一年ぶりの大改正は、これは確かにアメリカの場合、電気事業と通信事業を一緒にした統一法としては世界にまれな法律ですから、これを直すと物すごい項目があるんです。だけれども、クリントン大統領がおっしゃっているように、柱は二つしかない。FCCの誕生と、それからさっき申し上げた例のVチップの問題とレーティング。こういうなかなかやるには難しいという問題を大統領が業界の方々まで呼んで、この三十人の業界代表者というのは世界のメディアの代表者ですよ。マードックさんも入ってますね、テッド・ターナーも入っている。  こういうことを考えますと、ちょっといじったという感じがするんですよ。ならば、次にいじる項目はもう検討始めましたか。多チャンネル懇は解散しませんか。このあたりをちょっとお願いします。  もう時間がないので、あわせて最後に、私は非常に怖いと思っていることを一つだけ申し上げます。  それは、メディアデマの件なんです。この言葉は恐らくこれからも広がってくると思うんですが、メディアが一つのデマゴギーを振りまいて、一方にわあっと行くと真実になり、一方にわあっと行くとこれが真実。例の松本サリン事件もそうでしたし、これは誤報というけれども、なぜメディアが調べてからやらなかったんですか。長野県警のお抱えじゃありませんでしょうに。  そういうことがありましたし、今度の青木大使の事件がそうですね。情報が不足しているときは青木大使を侍だ日本の鏡だと言っていて、一部の捕縛された方々が解放されてしゃべった言葉で、今度は青木さんは地獄の底の報道ですよ、わあっと。今度きょうの報道は、フジモリ大統領が青木さんは立派だと、留任をと、これもちゃんと報道しているんです。マスコミによる真実の報道というのはどこにあるんですか。ここを放送行政の立場から私に教えていただきたい。  多チャンネル放送時代、メディアは自然淘汰されて大コンペティション時代でいいものしか残らないというけれども、これは甘いんじゃないでしょうか。悪貨が良貨を駆逐することはありますよ、視聴率第一主義にしましても何でも。そのあたりをお尋ねいたしまして、私の質問を結びたいと思います。
  47. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 多チャンネル時代における視聴者放送に関する懇談会というのは、先年の十二月の報告書を出した段階でもちろん解散をしております。その結果につきましては、それを見ながら我々行政の一つの指針にしてやっていきたい、こういうふうに思っているわけであります。  それから、メディアデマといいますか、この関係でありますが、私どもは、放送でありますから放送法について申し上げるしかないわけでありますが、放送法では、御承知のように、第三条の二の第一項第三号で、「報道は事実をまげないですること。」とされておりまして、現行法でもデマの放送が行われてはならないことは当然でございまして、放送事業者におきましてはこの趣旨に沿って、ましてデマの放送を行うということはあってはならないことだというふうに思っております。
  48. 保坂三蔵

    ○保坂三蔵君 これは要望だけれども、このデマというのは単純なデマに受け取らないでくださいね。一点の事実があってもそれは真実じゃないという言葉があります。報道は違うんですよ、その時点ではそれがデマじゃないんです。一方的な報道によって一つの世論形成をしてしまうというようなものを、私はそれを含めてデマと言っているので、単純なデマゴギーじゃありませんから。  ありがとうございました。
  49. 林寛子

    ○林寛子君 まず、きょう参議院では青木大使のお話を伺っている委員会もございますし、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、終わりよければすべてよしという感覚で今回のリマの事件、あるいは百二十七日間に及ぶ中の人の苦しみ、残念ながら犠牲者も出、橋本総理も一時は外務省にあんパンを買ってお運びになっていたということで、あんパン総理という一部の報道もされたようでございますけれども、謝意を表するということで急遽、フジモリ大統領との会見も終わって帰られました。  この間いろんな報道局が、自分たちが大使館内に入るということの重要性の認識、報道関係者として自分が大使館内に入ることによってどれだけの事態が起こるかわからないという中で、日本放送局の若い報道マンが中に入ってしまった。しかも無線機を置いてきた。こういうことに関して、私は、今だから言えることもあるし、反省点もあろうかと思います。  きょうは私、テレビ局をあえて呼んでおりません。それは、各テレビ局はそれなりにコメントも出し、あるいは参考人として招致したこともございますので、私は、放送法というものを管理しております郵政省として、あるいは彼らのとった行動が、今考えてみれば放送メディアの人間として、どういう反省点と今後どういうふうにしていきたいという所感を郵政省としてお持ちなのか、まず大臣の所見を伺いたいと思います。
  50. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) ただいま先生指摘のように、このたびのペルーの人質事件におきましては、我々関係者はもちろんでありますが、世界の皆さんから大変な御心配をいただいたところでございます。したがって、私どもは総理を中心にこの事件の平和的な解決ということで努力をさせていただいておったところでありますが、その中で、テレビ朝日の一記者の方が向こうに無線機を置いて出てきたということで、この点は我々も大変心配をいたし、あるいは不測の事態を起こすんじゃないか、このような心配をいたしたところでありますが、今回は幸いに事件もあのような形で決着を見ることができましたのは、我が国としては円満に解決したと思いますが、一部三名の犠牲者が出ましたことは大変これはもう残念なことでありました。  こういうことを考えますときに、放送事業者に対しましてはその都度注意もしてまいりましたけれども、これからはやはり公共性ということを、また社会的な使命というものを十分認識した上で行動をとっていただくように強く要請をいたしたところでございます。  これからもいろいろ問題が起こってくるとは存じますが、今後とも放送事業者の与える社会的影響、そしてまた放送事業者の倫理というものに大きく期待をしながら指導はしてまいりたい、こういうように考えております。
  51. 林寛子

    ○林寛子君 大変大変だけでは事件の教訓にはならないんで、それで郵政省として今後どうするかということを伺っているんです。  例えば、私ここに郵政省がテレビ朝日から報告を受けた内容というのを、二月に発表されておりますけれども、郵政省としてどういうふうに指導したか、今後どういうふうにするかということは一言も書かれていない。ただ報告を受けましたという報告をだらだらと書いてあるだけであって、郵政省コメントが何もないんです。  ですから、今、事件が終わったからこそその反省に基づいてどうするのかという郵政省の態度表明というものを、今後どのようにこの勉強を生かしていくのかということを私は伺いたいんで、ただ大変だでは、みんな大変だと思っているのは同じなんです。ですから、ぜひその辺のところを、今度のことをいかに教訓として、郵政省としてはどうするかという方針があるのかないのか、教えてください。
  52. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) テレビ朝日の一記者がペルー政府の忠告を無視して向こうの大使館に入って無線機を置いてきたという事実がございました。それがまた、国内で社長にも十分報告されていないで後でわかったということでありまして、そういうことにつきまして我々としましては社長に来ていただきまして、こういうことが二度と起こらないようにということで御注意といいますか御依頼を申し上げたわけであります。  これは、放送法には直接関係ないわけでありますけれども、これは放送の取材の倫理の問題でございます。しかし、取材の倫理と言いながら、放送事業者というのは非常に今社会的使命がありますし、放送は非常に大きな影響があるわけでありますから、そういう意味で、そういう責任を十分わきまえた行動をしていただきたいということをお願いしたということでございます。
  53. 林寛子

    ○林寛子君 放送法に違反をしていないから何ら自分たちには物が言えないというのであれば、それを改正すればいいじゃないですか、例えば。そして、放送法には触れていないけれども、監督官庁としては、今後これを教訓にしてどういう方向に持っていこうかという話し合いというのは、大臣、一度もなさっていないんですか。どこにも反省点はない、正しかったと、今の郵政省放送法違反でない限りは、監督官庁の役目としては何もできないとおっしゃるのでしょうか。
  54. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) 先生も御承知のように、やはり報道の自由、そしてまた取材の自由ということがあるわけでございますので、我々としてこれに大きく干渉するということは到底できないと存じますが、何といっても放送事業者のまず倫理の問題だ、こういうように考えております。あのような大きな事件のときに、やはりどなたが判断してもこれは重大な結果をもたらすということは放送事業者としても十分判断できる、かように考えております。したがって、今回の事件を立派な教訓として、それぞれ放送事業者放送倫理をしっかり守っていただくということが一番大事だ、こういうように思っております。
  55. 林寛子

    ○林寛子君 それでは監督官庁としての役目を果たしていないんです。それぞれの放送局の中での倫理とも今おっしゃいましたけれども、そういうことをおのおのの自主性に任せるんだというのだったら監督官庁の役目を果たしていない。  例えば、今回はテレビ朝日が入ろうとどうしょうとそれは無事に終わったけれども、大変不幸なことですけれども、もしあのときに彼らが入ったことによって何らかの事件、あるいは彼らが入ったことによって犯人に刺激を与えて何らかの事故が起こっていれば、監督官庁としてはそのテレビ局に放送停止のような行動をとれたんでしょうか。
  56. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 郵政省放送行政でありますから法律に沿ってしかお答えできないわけであります。そうしますと、結果として、これは仮定の話ですからなかなか答えにくいわけですが、中へ入ったということはこれは取材の問題であります。放送法では、放送されたことに関しまして公序良俗に反するとかそういういうようなことはありますけれども、取材の段階は自由ということになっておるわけでありますから、これはその段階において何か起こったということでもって、郵政省の方で何らかの措置をとるということはできないということでございます。
  57. 林寛子

    ○林寛子君 それでは一体どこに責任があるのか。内閣なのかあるいは総理大臣なのかと、そこまで行くんですか。監督官庁としての責任は法律以外に一切何もできないということであれば、責任を持てるようにしょうという動きはいまだ反省点の中に入っていないんでしょうか。
  58. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 記者がこういう問題を起こしたということの放送会社としての責任というものはあろうかと思います。ただ、この責任を法律的にどうかということになりますと、現在の放送法の中でこれに対応することはないということを申し上げておるわけであります。したがいまして、こういうことをお答えしていいのかどうかわかりませんけれども、放送会社としてはこういう問題につきまして非常に大きな道義的、社会的責任はある、こういうふうに申し上げたいと思います。
  59. 林寛子

    ○林寛子君 わかりました。それでは、どんなことが起ころうと放送局の責任であって、郵政省は、監督官庁だけれども法律以外のことに関しては責任が持てない、そういうことで理解してよろしいですね。
  60. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 放送を監督する官庁でありますから、放送会社がいろんな問題を起こすことにつきましては我々としても非常に関心がありますし、心を痛めるわけでありますけれども、では、これが直接に郵政省に何らかの責任があるのかということを法律的に詰めますと、それはない。しかしながら、放送会社を監督しておる立場でありますから、政府に道義的という言葉が当たるかどうかわかりませんけれども、そういう意味で、放送事業者がこういう問題を起こしたことに対しましては我々としては非常に心を痛めておる、遺憾に思っているということでございます。
  61. 林寛子

    ○林寛子君 今だから心を痛めているとかそういう言葉を使っていられますけれども、一たん何か起こったときにはそういう言葉では済まないんです。  今まではそれでよかったかもしれない。けれども、今度の事件の教訓をいかに今後に生かすかということが私は郵政省の姿であろうと思うんです。道義的なという言葉を使われましたけれども、単に道義的じゃなくて、監督官庁としてこういうことはこういうふうにしなきゃいけないという、それならマニュアルをつくる、そういう会議があってしかるべきだと思うんです。それが、遺憾に思いますと他人事みたいに言ったのでは、私は監督官庁としての資格はないと思います。みんなそう思っていると思うんです。  ですから、今までは、放送法以外のことでは自分たちには責任がありませんよというような他人事みたいな言い方をしますけれども、これは事が終わったからいいのであって、もし何か起こっていたら監督官庁としてどうするんですかということは、国民の声として、さっきも同僚議員からの河野さんの話も私ちらっと聞きましたけれども、すべてそうなんです。人ごとみたいなことで済まされたのでは、私は監督官庁として、これは本当に失礼ですけれども資格はないと思います。  そういう意味で、例えばアメリカでもってテロ事件に関して、一九七六年アメリカ司法省が発表しているいわゆる騒乱・テロ・タスクフォースの報告のように、事件発生中の人質犯との直接インタビューの制限、二つ目、取材活動に当たっては事件に悪影響が及ばないようにするための留意事項を提案。あるいは、アメリカの報道機関はみずからガイドラインを作成した。例えば、レポーターはテロ事件の参加者となるべきではない、二つ目、報道機関の幹部はテロ報道に対するコントロールを強化する、三つ目、ジャーナリズムの伝統的な価値観、正確な記事、十分な報道、センセーショナリズムの回避、バランス感覚の維持の遵守等が大事であると。こういうものがちゃんとできているんです。  ですから、先ほどから申しますように、今までは放送法の違反以外には手が出せなかった、各放送局の自主的だとおっしゃるけれども、今回のことを教訓にしてこのようなマニュアルをつくって、せめて郵政省の中で、監督官庁としてこういうふうにしなさいよという、それこそ今度の、後で法案に関して言いますけれども、各放送局審議会でもこういうマニュアルをつくる準備をしてくださいという指導もできないんですか、そういう気もないんですか。私はそのことを言っているんです。  今度のことをいかに今後に生かしていくかということがなければ、よそで起こった事件は関係ないみたいな顔しないでくださいよ。それで監督官庁だと私は思えません。いかがですか。
  62. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生先ほど御指摘になりました幾つかの点は、これは放送のみならず新聞も含めたマスコミ全体の指針というふうに考えますと、これはマスコミがどうあるべきかというふうな問題にもつながるわけでございます。我々としては、放送放送法の範囲内で監督しておりますからそれなりの行動はできますけれども、それがマスコミ全体にかかわる問題になりますと、これはやはり法律の枠外になる、こういうことでありまして、何か言いにくくて申しわけないんですけれども、これはそういう法律で我々は行動をとる。では法律改正すればいいではないか、こういう話でありますが、現在の法律というものを我々は守るという立場でありますから法律の中でしか申し上げられない、こういうことであります。
  63. 林寛子

    ○林寛子君 堀之内大臣、郵政大臣の前には国務大臣でいらっしゃるんです。毎週閣議にお出ましになっているんです。郵政省ができなくても、今私が言ったようなことを堀之内大臣国務大臣として、閣議で日本の国としてこういうことを教訓としてやっていこうと旗振りなさったっていいじゃありませんか。しかも、マスコミ全体のことで新聞もありますから私たち関係ありませんみたいな顔しないで、私は、堀之内大臣に期待しているのは、そういうことを、所管はテレビ局、放送局だけだけれども、これはマスコミ全体のことだから、自分国務大臣として、これを教訓として、みんなでこういうことを反省して新しいマニュアルをつくって指導していこうじゃないかということを閣議でおっしゃってはいかがですか。どうですか。
  64. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) ただいま林先生から貴重な御意見、御指導をいただきましたので、私ども十分勉強をいたしまして、また御指導のように、閣議であるいは閣僚懇談会でも申し上げてみたいと考えております。
  65. 林寛子

    ○林寛子君 私は、事件が終わってよかったよかった、総理大臣が謝意を表しに行かれるのも結構。けれども、残っているものは、これがどこで起こるかわからない、あるいは今度は国内であるかもわからない。そういうときのために、先ほどの人権の問題も含めてきちんとしたものを日本としては、これを教訓に生かさないで、無事に済んだからもう忘れていいのよみたいな顔しないでくださいよ。そのために私は、郵政省の職員もみんな優秀な人が集まっていると思います。それであれば旗振りをすればいいじゃないですか。  しかも、私は堀之内大臣に期待するのは、郵政大臣以前の国務大臣として何としてもこういうことを、過去の種々の反省を今回の法改正の前提として、まずこれを、法改正の前に国務大臣として橋本内閣でこういうものをやっていこうと提案されたら、私、それ一つだけでも堀之内大臣が在任中にいいことをなさったという後世に残るものだと思います。  私は、そういうことをぜひ要望しておきたいし、それをしなければ何のための事件解決だったのかわからない、そういうふうに思いますので、猛反省と行動を実際に起こしていただきたいということを切に要望しておきたいと思います。  これだけにかかわってもおれませんので法案の方に行きますけれども、特に堀之内大臣、そういうことをしていただけますかどうかという返答だけはいただきたい。
  66. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、十分私どももそれぞれ関係機関と勉強いたしまして、改めて閣議なりあるいは閣僚懇談会で提案を申し上げてみたい、こう思っております。
  67. 林寛子

    ○林寛子君 ぜひ御期待申し上げておりますので、また何らかの形で結果が出るか出ないか拝見させていただきたいと思います。  さて、今度の法案なんですけれども、同僚議員からいろいろ法案に関しての御質問があったと思います。私も改めて質問をさせていただきたいと思うんです。  字幕に関してもう何年来いろんなふうに言われてまいりましたけれども、まず、字幕をしなきゃいけないし、またするべきだというのは当たり前の話なんで、改めて申し上げることもないんですけれども。  字幕作業というのは大変な作業なんですけれども、字幕作業は、字幕制作共同機構、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターの字幕製作部でやっているわけです。その字幕制作共同機構へ制作委託しているんですけれども、字幕作業者というのはどれくらいあるか御存じですか。
  68. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 現在、字幕放送を行っている事業者はNHK及び民放十四社でございます。このうち三社が字幕の自社制作を行っております。これら三社以外は字幕制作共同機構等外部の機関に委託して制作を行っているわけでありまして、一番大規模なのが先岳御指摘字幕制作共同機構でございます。  では、字幕制作者というものはどれぐらいあるのかということでありますが、我々承知しておりますのは、この字幕制作共同機構で契約社員を含めまして五十四名が従事しているというふうに承知しております。それから、自社で制作する場合は大体各社で五名程度が携わっているというふうに承知しているところでございます。
  69. 林寛子

    ○林寛子君 大変今の番組から考えれば、字幕制作共同機構で五十四名、そして三社が自社でやっていますけれども約五名。  番組にもよりますけれども、平均して三十分番組字幕制作にどれくらいの時間を要するか御存じですか。
  70. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 日本の場合は、漢字仮名まじり文でありますのと日本語の特質もありますので、かなりの時間がかかります。  例えば、字幕制作共同機構が字幕番組を制作する場合でありますが、通常、字幕原稿の作成に二日間、入力に一日、それから試写、修正に一日ということで、最低四日ぐらいかかるというふうに思います。どんなに急いでも最低二日はかかるということであります。それから、ほかのところに委託する場合や自社制作の場合ですと一、二週間以上かかる場合があるということで、かなり手間のかかるものだと承知しております。
  71. 林寛子

    ○林寛子君 少なくとも、これから字幕を多くしていこうということですけれども、これだけの時間がかかってしまうんです。それで字幕をふやそう、ふやそうといっても、需要と供給のバランスが全然できていないわけです。ですから、今おっしゃっただけでもとても字幕をふやそうということへの無理があるんです。今大体一週間という話がありましたけれども、じゃ三十分番組字幕に幾ら費用がかかるとお思いですか。
  72. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 三十分番組で平均どのぐらいかかるかということですが、大体二十万円前後というふうに承知しております。
  73. 林寛子

    ○林寛子君 二十万かかって、しかもNHKはキー局でやってしまいますから、全国のNHKは各地方ローカルにも全部字幕が、親でありますからそのまま流れる。けれども、民放の場合は、今おっしゃったように約一週間かかって金額をかけても、ローカルではこの字幕を消しているという状況です。それはどの程度把握していらっしゃいますか。
  74. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 百二十六社中十四社しか現在は字幕やっておりませんので、ほとんどのローカル局では今字幕放送はされていないという実情でございます。  今回、法律改正をお願いしまして、免許を自動的にとるという形にしますと免許の問題はなくなります。後は、字幕放送のための施設を買っていただきますとすべての放送事業者字幕放送をすることができるということになるわけです。後は費用の問題でありまして、この費用につきましては、九年度におきまして予算要求をいたしまして、約一億三千万円の字幕番組制作のための補助金をいただいております。これによりまして字幕番組をできるだけたくさんつくるという方向を今やろうとしているところでございます。
  75. 林寛子

    ○林寛子君 今NHKのお話をなさいましたけれども、NHKでも字幕番組は一週間の時間割にしまして二十三時間四十七分、解説番組で四時間四十八分、これ三・二%。民放にいきますと、関東地区だけでも字幕番組しておりますのは、一週間の中で八時間五十六分、約一・一%なんです。しかも、解説番組にいきますと、これは民放では一時間五十一分、〇・二%。これでは、今おっしゃった助成状況、これで果たして目的が達せられるのでしょうか、何年かかるんでしょうか。私はほど遠いと思うんです。  先はどちらっと助成の問題をおっしゃいましたけれども、助成金というものも本来通信・放送機構に関する一億三千万円、そして、ずっと私平成五年度から番組の助成状況を見てまいりましたけれども、平成五年度で四番組二十九本、平成六年度で十番組二百二本、平成七年度で十一番組百八十八本、平成八年度で八番組百五十本。助成も全額ではなくて番組制作費の二分の一です。これをふやすか、あるいは今おっしゃったこのパーセントを上げていく目標が達せられて、果たしてどの程度改善されるという見込みをお持ちでしょうか。
  76. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 字幕に対する助成は、平成五年から、通信・放送機構にございます障害者利用円滑化法に基づく基金、三十億円の基金の利子でもってこれまでやってまいりました。非常に利率が今下がっておりまして、年々助成が減ってくるという中で、本年、九年度初めて一億三千万円の予算をとったわけであります。これまでは大体二千万から三千万ぐらいの補助であったのが、それもまだ少し残っておりますから、合わせますと約一億四千六百万円ぐらいの補助になります。  そうしますと、単価が一つ二十二万円としまして、十一万円を助成ということにしますと、一億四千六百二十万円を簡単に十一で割りますと、約千三百三十本分の補助ができるということになります。これはこれまでに比べてかなりの助成になるのではないかというふうに思っております。
  77. 林寛子

    ○林寛子君 アメリカの今の字幕状況というのをちょっと教えてください。
  78. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 米国字幕状況は、米国の四大ネットワークで見てみますと、一九九五年のFCC報告によりますと約七〇%が字幕放送されておる、世界で最も進んでいる国でございます。
  79. 林寛子

    ○林寛子君 今アメリカが全体の七〇%ということですけれども、イギリスでもBBCが百二十二時間ということで全体の三三・八%ですね。それからイギリスの民放も三三・二%、みんな三〇%を超えているわけです。  今、局長がおっしゃるようにしていきますと、いつぐらいまでにどの程度という目標値を持っていらっしゃるのでしょうか。
  80. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) まだその目標値というのは持っておりません。  ただ、今回の放送法改正をお願いいたしまして、その中で民間放送事業者努力をしていただくという規定を設けるわけでありまして、この努力義務に基づきまして、我々としましては、ガイドラインとまでいかないですけれども、ある一定目標というようなものをつくってまいりたい、それに沿いまして進めていくということを考えておるわけであります。  ただ、この目標を何%にするか、どういう放送事業者でどうするかということはまだ決めておりません。
  81. 林寛子

    ○林寛子君 やっぱり目標があって努力して初めて数字が上がっていくんで、まだ目標もありません、しかもどういうふうになるかわかりませんということでは、私は余り意味がないんだろうと思います。  やっぱりある程度の目標を決めて努力することによって初めて実績が上がるんで、この辺のところは字幕番組を推進するという上において、やはり目標を決めてきちんと何年までにはどの程度達成するように、あるいは今の助成金の問題も、これは何らかの形で助成金を、二分の一を七〇%ぐらいにして目標を達成しようというような、少なくとも計画の先行きを示せるような政策を私はとっていただきたいと思いますが、その辺はいかがですか。
  82. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) その問題につきましては、先生指摘のとおりでありまして、やはり何らかの目標のようなものを定めて行政を進めていくということは非常に必要だと思います。これは努力義務でありますけれども、そういう中でやっていきたいと思います。  これは法律を通していただけましたら早速この問題には取り組んでまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  83. 林寛子

    ○林寛子君 法案が通ってから努力目標ということですから、努力していただきたい。また、きちんとした形で見たいということをお願いしておきたいと思います。  今回の法改正番組審議機関報告を義務づけました。義務づける事項を法定したのはどういう理由ですか。
  84. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 放送番組審議機関につきましては、法律上は諮問したことに対して意見を出す、あるいは審議機関として意見を出す、こういうことに基本的にはなっておるわけでありますけれども、実際はそういう諮問というのは非常に少ない、あるいは意見審議会として出すということも少ないという中で、やはりこの番組審議機関活性化するにはどうしたらいいんだろうかということが議論になったわけであります。そういう中で、こういう活性化のための議論題材というものを法律において義務づけて、それで活性化を図っていただくのがいいんではないかという考えに基づきまして、訂正放送制度の問題であるとか、あるいは苦情処理等の概要というふうなものの報告の義務づけをしまして、それを題材にして放送番組適正化について議論していただくという趣旨で義務づけを行った、こういうふうな経緯でございます。
  85. 林寛子

    ○林寛子君 これは報告だけではなくて、議事概要等の公表を義務づけたのはどういう理由からなんですか。    〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕
  86. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 番組審議機関につきましては、その活性化と同時に、かねてから何をやっているかなかなかわからないという声がありまして、そういう中でディスクロージャーといいますか、番組審議機関内容公表ということが、ひいては視聴者等がその内容を知ることによって番組審議機関活性化につながるという考えがあるわけであります。そういう意味で、この番組審議機関の審議の概要というものをできるだけ一般の視聴者にわかるような公表の仕方を考えようという趣旨法律改正をお願いしているわけでございます。
  87. 林寛子

    ○林寛子君 外部の人にわかるというその気持ちはわかるんですけれども、現在の放送事業者がいわゆる審議機関諮問を行った例というのはどの程度あるんですか。件数あるいは具体的な例、そういうものがあったら教えてください。
  88. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 放送法の三条の四の第二項に基づきまして、平成八年度を見てみますと、放送事業者番組審議機関諮問を行いましたのは、NHKで一件、それから民放で八件でございます。  NHKの一件は、放送番組の編集に関する基本計画を諮問しております。NHKは毎年この基本計画を諮問しておるところであります。それから、民放の八件のうち五件は、放送局が新しく開局しまして、開局しますと番組基準あるいは編集に関する基本計画を制定しますので、これを諮問したというわけであります。それから、残る三件というのは番組基準等を変更したということがございまして、この変更に対する諮問があったということであります。
  89. 林寛子

    ○林寛子君 今おっしゃいましたけれども、NHKで一件、全民放で八件しかないんです。もともと各テレビ局が諮問したものが全部合わせても九件しかないんです。それで、今の局長お話では活性化を図るためにとおっしゃるんですけれども、現段階でもNHK、民放合わせて九件しかないのに、活性化を図るといっても基本的に図れるとお思いになりますか。
  90. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 諮問意見がありまして、諮問というのは諮問事項がないと意見が出ないわけです。一方で番組審議会として意見を出すという行為はすることができるわけでありますが、これも残念ながら先生指摘のように非常に少ないということで、これが番組審議会がある意味活性化していない一つの理由ではないかというふうに考えておるわけでございます。  もちろん、番組審議会では毎月一回かなりの学識経験者が集まっていろんな番組について意見交換をしておりますが、それを正式の意見として例えば放送事業者にぶつける、こういうようなことが余りなかったわけでありまして、ではどうすればいいかということであります。  何もこういうふうなことを決めておりませんと、諮問がないからと、意見もない、そして番組だけを審議している、こういうことではだめだろうと。そういう中で、議論題材というものを強制的にといいますか法律で決めて、これは必ずやりなさいと、こういうふうにしようとしたわけでありまして、それが苦情処理等の概要があったもの、それから訂正放送制度があったもの等を含めて出している。これで題材をふやして活発化を図ろうということを考えたわけでございます。これは多チャンネル時代における視聴者放送に関する懇談会の中でも提言されたものでございまして、こういうふうな形で少しでも番組審議会活性化を図りたいというふうに考えておるところであります。
  91. 林寛子

    ○林寛子君 活性化を図りたいという言葉だけはひとり歩きするんですけれども、今おっしゃったようにNHK、民放合わせて九件。その中で答申意見を尊重して措置をしなければならないというふうになっているわけです。審議会諮問したものの答申意見が出てくるわけでしょう。その必要な措置をしなければならないという法律になっているはずですけれども、例えばそのわずかな回数の中で答申意見が出てきて、それをどのように郵政省は改善したり答申にこたえたかということを承知していらっしゃるんでしょうか。承知していらっしゃるんでしたら、その例を教えてください。
  92. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 番組審議機関におきまして諮問したものあるいは意見を出したものにつきましては、放送事業者はこれを措置しなければならないということは法律で定められておるわけであります。したがいまして、この放送番組審議機関諮問したこと、例えば番組基準あるいは放送番組の編集に関する基本計画の制定、変更というものは、これは諮問答申されますと、これがそのまま実効を発するわけでありますから、そういう意味措置されたといいますか効力を発揮したというふうに考えられておるわけであります。  一方、意見があってそれで措置した事項があるかということになりますと、これは残念ながら意見がない、全然審議会としては意見が出ていないという残念な結果に終わっておりまして、そういう意味で、意見がないわけでありますから措置された事項もない、こういうことでございます。
  93. 林寛子

    ○林寛子君 意見が出されたこともないし、意見がないんだからそれをどう改善したとかそんな実績も一つもない。何のためにあるんですか。私は本当に不思議だと思うんですね。  私の手元に番組審議機関の活動状況というのがあるんです。各民放テレビ全部あります。平成七年度、例えば民放五社。日本テレビ、開催回数十回、委員出席率八八・二%、諮問ゼロ件、意見ゼロ件。TBS、開催回数十回、委員出席率七〇・七%、諮問ゼロ、意見ゼロ。フジテレビ、開催十回、委員出席率六五・五%、諮問意見、ゼロ、ゼロ。テレビ朝日、開催は同じく十回、出席委員は六一・三%、諮問意見、ゼロ、ゼロ。テレビ東京、開催九回、委員出席率は七七・八%、諮問意見、ゼロ、ゼロ。平均しますと、民放全部で平均九・八回、委員の出席は七一・八%、諮問意見ゼロ。私、これで活性化するように法改正をしましたという、根本にならないと思うんです。あってなきがごとき。  失礼ですけれども、委員にどれだけ謝礼を払っていらっしゃるか把握していらっしゃいますか。
  94. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 把握しておりません。
  95. 林寛子

    ○林寛子君 これは各局いろいろあるものですから私もあえて公表はしませんけれども、謝礼をもらったりお車代をもらって、来ることは来るんです。諮問されないから意見も言わない。諮問されない限りは審議内容なんてあってなきがごときでしょう。それで、一応月一回と本当は決まっているんですけれども、年度で計算すると平均で九・八回開かれている。これを活性化させるためにという言葉だけはあっても、どういうふうに改正して活性化させるのかという中身がないんです、どこを拝見しても。私は、苦情処理だけのためにするのであれば、今までこれ何だったんだろうと思うんですけれども、その辺はどうお考えですか。あってなきがごときだというのは言い過ぎですか。
  96. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 番組審議機関の審議の状況につきまして、本来法律で求めているような番組審議会としての意見あるいは諮問に対する意見というものは先生指摘のようになかった、あるいは非常に少なかった、こういうことであります。そういう意味では、この番組審議機関活性化していなかった、こういうことは言えようかと思います。  そういう中で、できる限り議論を活発化して意見を出してもらうということになりますと、それにふさわしい題材というものが出されなければならない、こういうふうに思うわけであります。繰り返しになりますけれども、苦情関係概要ということを報告しますと、場合によっては苦情の多かった番組というものを選び出して、それを見てそれについて意見を言うということが出てくるということはあります。  それから、訂正放送された問題、こういうものはやはりある意味では場合によっては視聴者の権利を害した問題でもあります。そういう番組はどんな番組であったのか、こういうことを通じてこの番組審議会での題材にしていただきたい、こういう趣旨で今回法律改正をお願いしておるわけでありまして、これまでと違った題材を出そう、こういう意図でございます。
  97. 林寛子

    ○林寛子君 おっしゃるように、審議機関に対してこうしてほしいという希望というものはわかりました。  では、例えば、それぞれのテレビ局で放送番組に対して申し出のあった苦情とかその他の意見概要が出されます。それは権利の侵害だとかあるいは苦情とか幅広いものがあります。現段階でも件数としては一年間にNHKで五百万件あるんです、五百万件ですよ。民放でも数万件あるんです。そうしたら、郵政省が今おっしゃるように、これらの苦情意見概要が、五百万件なり民放でも数万件あるものをどのように審議機関報告されて処理されようとしているかという指導はなさるんですか、あるいはこれは各局に任せるんですか。いかがですか。
  98. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この数万件あるいは数百万件という苦情といいますか、この中にはお問い合わせとか激励とかいろいろあるわけですが、その中に苦情もある、こういう趣旨だと思います。そして、各放送事業者は、こういう苦情の問題というものを月報等に現在でも取りまとめております。これは月報に取りまとめまして社内に周知されておるという状況でありますので、まずこの月報を活用することが一つ考えられます。しかしながら、この月報だけでありますと、これは非常に抽象的で総括的なものでありますから、場合によってはこの中で苦情の多かった番組というものを抽出して実際にそれを視聴していただく、こういうような方法が考えられるわけでございます。  いずれにしましても、できるだけ審議会活性化する方向で知恵を絞ってやっていただくということを我々としてはお願いしたいというふうに思っているわけであります。
  99. 林寛子

    ○林寛子君 それでは、現段階で今の放送法でも、これまで放送事業者に対して諮問に応じて答申をしたり、あるいは意見を述べた事項に関しては公表を義務づけられているわけです。この公表の例は今までに放送法に関してだけでもどの程度あったんでしょうか。どれくらいの件数があるんですか。
  100. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 平成八年度におきましてその概要公表したのは、先ほど申し上げましたNHK一件、それから民放八件。これは番組基準であるとか放送番組の編集に関する基本計画を改正しておりますので、法律に基づきまして公表をしております。  公表方法につきましては、NHKは総合テレビジョンにおきまして、また民放につきましては八社とも新聞の掲載、それから二社につきましては自社の放送公表しているという形で行っているものでございます。
  101. 林寛子

    ○林寛子君 今おっしゃったように、公表方法については日刊新聞の掲載あるいはその他のできるだけ多くの公衆が知ることができるような方法と言われているんですけれども、日刊新聞以外にどういう方法があるとお考えですか。また、どういう方法がより公衆が知るところとなるとお思いなのですか、事例を教えてください。
  102. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) これは諮問とか意見のあったこれまでのことでありますが、そういうものは公表するということで、省令で日刊新聞であるとか放送でやりなさいという趣旨のことを決めておるわけであります。これからは、こういう諮問事項とか意見事項だけではなくこういう議論概要、こういうものもディスクロージャーして公表していくということでありますから毎回毎回公表事項があるわけであります。そういう意味で、この公表によりまして視聴者番組審議会内容をこれからは毎月知ることができる、こういうことになろうかと思います。  そのやり方ですが、やはり放送会社でありますから自分の会社の放送でやるのが当然であろう、こういうふうに思います。それから日刊新聞がありますし、またその放送会社へ来れば、備えつけの概要を置いておきましてそれを見る、こういうこともあろうかと思います。また、先ほど畑先生の御指摘されたように、追加的な方法としてはインターネット等にホームページを持って放送会社が配信するということも考えられる。  こういうようなことをこれから省令の中でどのようにするかということを検討してまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  103. 林寛子

    ○林寛子君 各民放テレビ局の中にありますいわゆる番審委員長会談が四月八日に開かれました。在京民放五社の番審委員長が一堂に会した会議がありましたけれども、その内容についておっしゃってください。
  104. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) これは四月九日の新聞で知ったわけでありますが、在京五社の番組審議会の会長さん方が集まりまして、今回、法律改正をお願いしております番組審議機関活性化の問題、それから法律とは関係ございませんが、外部にできる第三者的な苦情処理機関の問題につきまして番組審議会の会長さん方からいろんな意見が出された、こういうふうに伺っております。  その中で、一つ番組審議会は非常に我々としてはよくやっている、こういうふうな意見も出されたということでありまして、現在の会長さんでありますからそういう中での意見であろうかと思いますが、そういう状況であったというふうに承知しております。
  105. 林寛子

    ○林寛子君 この民放五社の番審委員長会議で、今回の法改正は不必要であるという意見が大勢を占めたということは御承知ですか。
  106. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 不必要と言われたかどうかは詳細を承知しておりませんけれども、第三者機関設置は例えば自主的なものが望ましい、こういうようなことを言っておられます。  それから、番組審議会につきましてもそれはいろんな意見がありまして、十分だという意見とそうでないという意見もあろうかと思います。直接にこの番組審議会の方々から私ども意見を聞いておりませんが、新聞情報を聞いた範囲ではそのように承知しておるわけであります。
  107. 林寛子

    ○林寛子君 私、これは大事なことだと思うんです。法改正する場合には、少なくとも、事前にこのような民間の番審委員長さんにも来ていただいて意見を聞いてから法改正するべきではないか。法改正する事前の措置として、監督官庁としてはこういう意見を聞くということも、経過として聞いていらっしゃらなかったのかと、実は私はびっくりしたんです。逆だろうと思うんです。  今新聞によって初めて知りましたと局長おっしゃいましたけれども、法改正する前に、番審の皆さん方の御意見を聞くというような手順を踏んで、それを参考にして法改正に持っていくというのが私は本来のあるべき姿であろう。私は、監督官庁の郵政省の中だけでしたということではないとは思いますけれども、現実的に法改正を出したら、この人たち民放五社の番審委員長ですから、その中で、法改正は必要ない、今までの範囲の中でできるんだというような御意見が出たということに関しては、新聞で知ったということでは私納得できないので、法改正する前になぜそういう手続がとれなかったのか、とる必要はないとお考えだったのかどうか、聞かせてください。
  108. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 私は、民放五社の番組審議会委員長が集まられたことについて知ったのが四月九日でありまして、法律改正の問題あるいは番審の問題というのはそのずっと前から懇談会で議論もしており、話題になっている問題でありまして、それが四月九日に出たわけでありますから知ったのは非常に後だった、こういうことを申し上げております。  ただ、番組審議会の問題につきましては、当然のことながら懇談会の中に番組審議会の委員をやっておられる方が数名おられます。それから、個別に何人かの番組審議会の委員の方にヒアリングも行っております。そういうことをいろいろ聞いた中で、またこの懇談会の中で番組審議会の委員の方の意見も聞き、それから民放連の会長とNHKの会長からの意見も聞いて、そういう中でこのような結果を出した、こういうことであります。  ただ、民放五社の方が集まられたのはもう四月八日でございますから、我々としてはそれで知ったということを申し上げたわけで、そのときには聞かなかった、こういうことでございます。
  109. 林寛子

    ○林寛子君 それはちょっと違うんですね。番組審議会の実態が正確に受けとめられておらず、事前に意見を聞いてくれなかったことは残念という意見も述べられているんです。しかも、今回の法改正に当たり、関係者からの意見聴取は行われたのか、あるいは実際に番組審議会に参加している人の意見は反映されたのか、法案はもうとつくからやっているのにそういうことを四月八日に言われてもみたいな局長の話ですけれども、実際に皆さんは、ふだんから年に数回、十回という話もさっきもありましたけれども、集まってそれぞれの意見を述べられていらっしゃるわけです。ですから、番組審議会の実態が正確に受けとめられていないという不満を持っていらっしゃる。また、審議会自体も形骸化しているという点もあるかもしれませんけれども、少なくとも法改正前にそういう手続をきちんと郵政省の方で、今局長がおっしゃったように、終わってからこういうことを言われても困るんですというような御意見がないように、私はぜひ今後参考に扱っていただきたいと思いますが、いかがですか。
  110. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この五人の方々を含めてもっとたくさんの方の意見を聞けばよかったとは思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、番組審議会の委員につきましては、この懇談会の座長自身審議会委員長でありましたし、よく御存じでございます。それから、ヒアリングを民間キー局番組審議会の委員に何人か行っております。  なお、参考までに、五社の中におられる何人かの委員にヒアリングをお願いしたわけですが、先方の都合により断られたということもございました。今から思いますともっと頼めばよかったわけですが、残念に思いますけれども、そういう経緯もあったということを申し上げたいと思います。
  111. 林寛子

    ○林寛子君 経緯があったから残念とおっしゃいますけれども、少なくともそういう手続をぜひするべきだ、放送であればあるほどするべきだということだけは私は申し上げておきたいと思います。後になってこういう言葉が出て、あの人も委員に入っていた、この人も委員に入っていた、なぜ言わなかったのか、その理由がどこにあるのかと。それは、法案がもう局でできてしまっていて物を言う余地がなかったのかもしれないという反省も私はするべきだと思うんです。  そういう意味では、できてしまった後で文句を言うのはいけないみたいな言い方じゃなくて、少なくとも、一歩多くの大衆の方に足を向けた法改正審議というものを法改正以前に手順としてするべきだということだけは私は忠告しておきたいと思います、今後のこともございますから。  それから、私は、今おっしゃったように、議事内容というものを公表するということに関して郵政省の省令で定めるところで、報告公表内容にかかわる事項については審議機関の自主性にゆだねるべきだ、いわゆる省令で定めるべきではないと考えているんですけれども、今の法案のこの公表というものに関してはどういう手順になりますか。
  112. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回の法案では、報告公表につきましては、放送事業者の自主性にゆだねた場合、各社でばらつきが出るということが予想されますので、省令で一定の事項につきましては定めるということにしております。  報告につきましては、報告の仕方というものがまず第一でありまして、例えば報告は書面でしてください、あるいは苦情等についての報告放送番組審議機関の開催の都度、そのたびに報告してくださいというようなことを、例えばの話でありますが決めるということになろうかと思います。  いずれにしましても、この報告法律改正によりまして、放送番組審議機関の審議に資するような形にしたい、こういうふうに思っておりますので、その範囲で必要な事項を定めていきたい、こういうことでございます。
  113. 林寛子

    ○林寛子君 もともと番組審議会のメンバーというもの、どなたがどうなんて個人的なことは申しませんけれども、余りふだんテレビを見るような方とも思えないような方も私はいらっしゃるのではないかと思うんです。そういうことに関して、人選についてはやっぱりある程度問題があろうと思うんです。  審議会にお出ましになっても、はっきり番組について、しかも子供たちの、さっきも同僚議員からお話がございましたけれども、子供たちにとってこの番組がいいのか悪いのか、そこまでも見るような年代の方も少ない。大体大人の番組を見る年代の方、それ以上の方が多くて、子供に影響を与える、母親の立場に立って見るというような年代のメンバーが少ないということに私は大きな問題もあろうと思うんです。この人選のあり方について、郵政省としてはどのような意見を持っていらっしゃいますか。
  114. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 現在の放送法の規定によりますと、学識経験を有する者のうちから放送事業者が委嘱する、非常に幅広い規定でありまして、事実上は財界の方、学界の方、それから言論人等々、あるいは視聴者代表のような方々が選ばれておるということであります。  ただ、この中で、先生指摘のように、テレビを見ていないんじゃないか、こういう意見は前々からございますので、そういう点につきましては放送事業者の方に、広く各界から募るとともに、できる限り現実に自社番組を視聴可能な人を選んでくださいということはお願いをしております。  今までお願いしたのはこういう関係でございますが、将来の方向としてと申しますか、それだけではなくて、本来やっぱり自主的に放送事業者が選ぶ問題でありますけれども、場合によってはこの人選についてできるだけ幅広くというところを、年齢層も含めてお願いした方がいいんじゃないかというふうには考えております。基本的には放送事業者の選択でありますけれども、我々としては、そういう先生の御意見も踏まえた要請をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  115. 林寛子

    ○林寛子君 ぜひ私は、先ほどからお話しになっていました子供たちへの影響というものがどれだけ大きいかということを審議できるような人。また、私は、全部が悪いというわけじゃなくて、NHKの「こどもニュース」なんというのはとてもいいことだと思うんですけれども、ああいうものは字幕もつけてほしいと思うぐらい子供たちに対していい番組だと思います。  いい悪いという判断以前に、見ていただかなければこれは審議できないものですから、ぜひその人選というものも、やはり学識経験者というだけではなくて、学識経験者ということにとらわれると、ある程度年齢の高い方で子供番組なんか見ていただけないような方が入ってしまうものですから母親の代弁者になり得ないんです。ですから、そういう意味でもぜひこれは指導していただきたいというふうに思います。ぜひそれをお願いしておきたいと思います。  もう時間になりましたから、私はどうしても、今回新設されました放送法の第三条の四の第五項、報告義務というのがございますけれども、私はこれは本当によかったと思っている一人でございます。法律で義務づけられた訂正、取り消し放送実施状況というんですね。実際に権利の侵害や被害者救済の面からも、この措置は私は本当にもっと早くあってしかるべきだった。先ほどから例を挙げられましたけれども、同僚議員の話にもありました、本当に私はこれがなければおかしいと思うんです。言われっ放し、どこにその不満を持っていっていいか。被害者の持っていき場所がないわけです。  そういう意味でも、私は、今回きちんと対応をしていただいて、現実に各放送局に対しても、この言われっ放し、放送されっ放しというような被害をぜひなくしていただきたい。ただ、今までこれらの訂正に関しては本当に数が少なくて、実際はほとんど行われていないと言っても私は過言ではないと思うんです。言われてしまった後で何を言ったって訂正できないんです、みんな見ていますから。  ですから、そういう意味でも番組に携わる人間の責任感というもの、あるいはその人たちの指導というものに対して、少なくともきちんとした責任感、だれがどういう責任を持つかという責任の所在のあり方。先ほど私が冒頭に申しましたように、ペルーの人質事件に関しても、どこに責任があるのか。あるいは郵政省に言ったら、いやそれは各民放でみたいな、全く放送法に違反してなければ何ら問うことはないというような態度で終始することは私はおかしいと思います。  監督官庁としてそれらのことに関して、少なくとも今度の法改正できちんとそれが義務づけられ、責任の所在というものを、きちんとだれが見てもあそこが責任なんだ、だれが指導するんだという基本的なことぐらいは、今回法改正した以上はきちんと筋道を立てて監督官庁としての役割を果たしていただきたい。それでなければ監督官庁としてやめちゃえばいいと思います。私はそれくらい思っています。  そういう意味で、最後に大臣にこういう放送法改正に関して、今までの反省点と今後あるべき姿というものをもう一度伺って、質問を終えたいと思います。
  116. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) きょうは林先生からも冒頭いろいろ貴重な御意見、御指導をいただきました。またその前に保坂先生からも放送法の問題等について大変な御指摘をいただきました。  私は、こうした先生方の御意見を十分参考にしながら、これから監督官庁として放送業者に対する指導あるいはまたこれからいろんな内容についての検討を深めてまいりたい、こういうように考えております。
  117. 林寛子

    ○林寛子君 終わります。
  118. 陣内孝雄

    理事(陣内孝雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十三分休憩      —————・—————    午後一時三十分開会
  119. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  120. 三重野栄子

    三重野栄子君 社会民主党・護憲連合の三重野栄子でございます。  ただいま議題になっております法改正につきまして、質問をさせていただきます。  午前中、三万によりまして大変深められた質問の中で意見等を述べられましたのですが、私もその点については非常に賛意を表するところでございます。したがいまして、あと、今までに議論もあったかもわかりませんけれども、多少違った点でお尋ねをしたいと思います。  その前に、字幕放送が進展をしない原因として私が考えましたのは、設備投資あるいは免許手数料の負担が今まで大きかったというこの経費の面、それから第二点としては、余り視聴率が少なければ民間の場合は特に十分な広告収入が得られないだろうからこれに対しての支援も要るのではないだろうかという問題点、第三点として受信機の不足があるのではなかろうか。今申し上げました第一、第二につきましては既にお話がございましたけれども、この受信機の不足につきましてどのように解決していくのか、この点につきましてもぜひ郵政省の方で何か御提案がありましたならば御努力をお願いしたいというふうに申し上げたいと思います。しかし、これはもう時間がございませんので、御要望ということにとどめさせていただきたいと思います。  次に、この改正によりまして、放送事業者字幕番組解説番組をできる限り多く放送するようにしなければならないという努力義務規定が新たに設けられたわけでございます。今回の法改正によりまして、放送大学学園にも適用されるということだろうかと思いますけれども、その放送におきまして字幕及び音声解説などをできるだけ多く付与していただきたいわけでございます。この点に関しまして文部省からお伺いしたいと思います。
  121. 北村幸久

    説明員(北村幸久君) 現在、放送大学におきましては、放送授業において聴覚障害者に配慮いたしました放送等の特別の措置は行われておりません。  しかし、今お話がございました今国会に提出されております放送法改正案におきましては、すべてのテレビジョン放送事業者に対して字幕放送等をできる限り多く放送するよう努力規定を設けることとしておるところでございます。また、その重要性にかんがみまして、現在放送大学学園においても字幕放送の実施について検討を進めております。放送大学におきましては、大学教育の講義内容字幕によって的確に伝えなければならないといった点、あるいはその実施の方法内容につきまして十分な検討を要するといたしまして現在検討を進めておるところでございます。  私ども文部省といたしましては、放送大学での実施に当たっての検討を踏まえまして、その必要な支援措置を講じてまいりたい、かように考えております。
  122. 三重野栄子

    三重野栄子君 文部省の予算は大変少のうございますけれども、この分の費用はどのようになっておりましょうか。
  123. 北村幸久

    説明員(北村幸久君) 新たに字幕放送を実施する場合につきまして、それに要します設備整備、あるいはその字幕放送番組の制作経費といったことが必要になると考えます。具体的な必要となります経費につきましても、先ほども申し上げましたように現在放送大学学園の方で検討を進めておりまして、どのくらいの費用かということを今の時点で明確に申し上げる数字は持っておりませんけれども、いずれにいたしましても、私ども文部省といたしまして、この放送法改正趣旨を踏まえまして放送大学における字幕放送が実施できますように支援をしてまいりたい、かように考えております。
  124. 三重野栄子

    三重野栄子君 午前中も伺いましたけれども、なかなか具体性というのを出すのが難しいのかもわかりませんが、いつも検討中とか早く始めますというようなことをどこの省もおっしゃいますが、この点につきましてはぜひ積極的に早目に実現できますようにお願い申し上げたいと思います。  文部省へのお尋ねはこれだけでございまして、どうも恐縮です。  それから次に、視聴覚障害者の社会参加及び視聴覚に障害のある児童の学習を促進するためにはやはり教育とか教養番組における字幕放送解説放送の実施が極めて重要でございますので、現在、NHKにつきましては総合テレビジョンの方は字幕がされておりますけれども、教育テレビジョンの方につきましてはどのように実施されようとしているのか。  それから、その点につきまして、昨年、逓信委員会でもテレビの字幕放送の拡充に関する請願ということで要望も出されておりましたし、今後教育・教養番組につきまして字幕や音声解説を付与していくことが期待されておりますけれども、これは郵政省で御存じの点がございましたらお答えいただきたいと思います。
  125. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) NHKではこれまで総合テレビにおきまして字幕放送の拡充を図ってきたところでございます。ちなみに、平成九年度におきまして週二十時間四十四分、これは八年度に対しまして二時間五十一分の増ということで年々放送時間をふやしております。平成十二年度には週三十時間まで拡充するという予定と聞いております。また、現在字幕放送を実施していないチャンネル、衛星の第二チャンネルでは平成九年度後半から始める、それから教育テレビにおきましては十年度中にそれぞれ字幕放送を始めるという予定と聞いております。  郵政省といたしましては、引き続きNHKが字幕放送の拡充に積極的に取り組んでいただくよう期待したいと思っております。
  126. 三重野栄子

    三重野栄子君 それでは続きまして、総理府の方からわざわざおいでくださいまして、二点ほど伺いたいと思います。  男女共同参画プランの問題でございますけれども、放送というものはいい意味でも悪い意味でも私たちの日々の生活に深くかかわっておりまして、大きなウエートを占めております。私は、そのような観点から、女性や子供たちに対する放送番組、もう少し広い意味でメディアの影響及び果たすべき役割についてまずお尋ねしたいわけであります。  政府は平成六年に男女共同参画推進本部を設置いたしまして、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みが進められております。昨年十二月に男女共同参画二〇〇〇年プランが作成されまして、二十一世紀初頭に向けての政策の方向性や二〇〇〇年までに実施すべき施策が示されていると思いますが、この点につきまして概要を御説明いただきますようお願いします。
  127. 名取はにわ

    説明員名取はにわ君) 先生がおっしゃっていただきましたように、男女共同参画二〇〇〇年プランというのが昨年十二月十三日に策定されております。これは内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚をメンバーとする男女共同参画推進本部が設置されて初めて策定された国内行動計画でありまして、男女共同参画社会の実現に向けて政府が取り組むべき施策を総合的、体系的に整備したものです。  このプランの策定に当たりましては、国民各界各層の意見、要望をできる限り取り入れました。また、平成七年の世界女性会議で採択されました行動綱領や平成八年に男女共同参画審議会から答申された男女共同参画ビジョンを踏まえまして、男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、女性に対する暴力の根絶、メディアにおける女性の人権の尊重、生涯を通じた女性の健康支援などの新たな課題が盛り込まれております。  プランの中の具体的施策につきましては、関係省庁の協力のもと平成十二年度末までに実施することとしており、その実施状況につきましてはいわゆる白書というような形で毎年男女共同参画推進本部に報告するなど継続的なフォローアップを行うこととしており、その着実な実現に努める予定でございます。
  128. 三重野栄子

    三重野栄子君 今お話をいただきました中で、「メディアにおける人権尊重、性・暴力表現を望まない者からの隔離等に関する方策の推進」ということを伺いましたのですけれども、この問題につきましては、郵政省の方でしょうか、まずそちらの方で立案ができておりましたらお知らせいただきたいと思います。郵政省と思いますが、いかがでしょうか。同じであればどちらからでも結構です。
  129. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先ほど御紹介ありました男女共同参画二〇〇〇年プランでは、メディアにおける女性の人権の尊重に関する方策として三つ挙げられておろうかと思います。  一つは「メディアにおける女性の人権の尊重のための取組の支援」、それから二つ目が「性・暴力表現を扱ったメディアの、青少年やこれに接することを望まない者からの隔離」、三つ目が「メディアにおける男女共同参画の推進」というようなものが提言されておるわけであります。  先生指摘の点でありますが、メディアの暴力表現とか性の表現からの隔離ということにつきましては、放送事業者がこれらの表現を望まない視聴者等の意見に真摯に耳を傾けるということとともに、放送そのものにももちろん注意しなきやならぬわけですが、特に放送する時間帯への配慮、番組の事前表示等、自主的な取り組みがなされることを期待するというふうに考えておる次第でございます。  それからもう一つは、人権の尊重として、社会的に影響力の大きな放送メディアがこのようなメディアにおける女性の人権の尊重のための取り組みということが一つございます。放送の倫理の向上に向けた取り組み等も通じまして職員や出演者一人一人に放送において人権の尊重が徹底されることが必要であろうというふうに思っておるわけでございます。
  130. 三重野栄子

    三重野栄子君 今項目を伺いましたけれども、時間帯とか事前の表示ということもございますが、先ほど番組審議会のことがいろいろ話が出ましたんですけれども、そこらあたりに積極的に、今の課題につきましてこういうことは排除するというか留意をしてもらいたいというか、そういう点の申し入れというものはないでしょうか。  私、もう大昔の話ですけれども、終戦間もなく人権だとか平等とかという話になりましたときに、漫才などで相手の頭をぽんとたたいてはいけないとか、そんなこともメディアの中で言われたことをかすかに覚えているんですが、もう今はとにかくメディアにおける人権尊重、性・暴力の表現というものは何だか大変エキサイトしつつあるように思いますけれども、その点はどのようにお感じでしょうか。
  131. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先ほど先生指摘のような、表現とかそういう問題について番組審議会で扱ったらどうかという御指摘でございます。  番組審議会放送事業者が自主的にやるものでありますが、そのあり方等についてはいろいろと彼ら自身も考えておると思います。  先生指摘の点も含めまして、番組審議会の審議のあり方を含めて我々としても要請してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
  132. 三重野栄子

    三重野栄子君 そうしますと、男女共同参画の推進という問題もテーマになっているわけでございますけれども、「企画、制作、編集などメディアのあらゆる段階、特に方針決定の場に女性を積極的に登用するよう、メディアの自主的取組を促す。」ということも出ておりますが、総理府の方ではどういう程度までというふうにお思いでしょうか。
  133. 名取はにわ

    説明員名取はにわ君) メディアにおける政策、方針決定過程に女性が少ないということは、確かに国連におきます調査等でも出ておりまして、このプランの中でも大きな項目としまして、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」ということになっております。  ただ、先生御承知のとおり、このプランは政府のプランでございますので、やはり民間にはそれについてはいわば協力要請というような形でございます。
  134. 三重野栄子

    三重野栄子君 なかなかうまくいきませんですね。政府の場合であっても民間の方にも積極的にこういう問題についてはお示しをいただきたいというふうには思うわけでございます。  午前中の問題もございますが、番審の中にさまざまな、今までは学者、経験者といいましょうか、そういう状況でございまして、林先生なども、幅広く、子供を代表するというか、女性を代表するというか、そういう意見が述べられる方々も入れるべきだというような御意見も出されたわけでありますけれども、現在どうでしょうか、番組審議会の委員の中に女性の割合はどれぐらい入っておられるか、もしお調べがされておりましたら伺いたいと思いますが、郵政省いかがでしょうか。
  135. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 現在の番組審議機関の男女構成を申し上げますと、一つの例ですが、NHKの中央放送番組審議会は総数十九名のうち七名が女性でございます。大体二二、三%というのがNHKでございます。それから在京キー局でいきますと、例えば日本テレビは総数十一名のうち四名が女性ということです。在京キー局全部を見ますと、六十二名中十七名が女性でございまして、その率は二七%強というふうな数は承知しておるところであります。
  136. 三重野栄子

    三重野栄子君 想像していたよりも少し多いようでございますが、しかし、やはり少なくとも三〇%はぜひ女性を加えていただきたい、そういう御提言をいただきたいわけであります。そのほかに、やはり障害を持つ方々とか勤労者の代表だとか、あるいは在日外国人とか、農業、商業、商工業、そういうそれぞれの各層というと語弊がありますけれども、それぞれの分野で御活躍の方々にもこの審議委員に参加されるような、そういう御提言をぜひお願いしたいところでございます。  総理府の方は以上でございます。ありがとうございました。  次に、技術支援につきましてお尋ねしたいと思います。  現在、NHKの技術研究所では視覚障害者や高齢者への優しさをテーマに研究が進められると聞いております。技術革新の成果を放送の質的向上にもっと役立たせることが必要だと思いますが、NHKの技術研究所につきましては五月二十九日に公開されるという御案内をいただいておりますけれども、どのような研究が行われておりますのか、御存じでしたらお伺いいたしますし、また民放の場合はどのようにされているのか。  そしてまた、それはNHKだとかあるいは民放ということだけではなくて、郵政省だけではなくて、厚生省とか通産省とも技術提携をしながらやっていけばどうだろうかと思いますけれども、技術の支援という形でお答えいただきたいと思います。
  137. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘の点は、字幕番組の制作に関する技術の支援というふうにとらえて私お答えさせていただきますが、字幕番組の制作ということになりますと、これは漢字仮名まじりということで相当複雑な特性がございますので、郵政省としましては、この字幕番組を自動的に字幕に適した長さに要約する技術の研究開発、それから字幕原稿を自動的に適切なタイミングをとって一致させるような技術の開発ということで平成八年度から予算をとっております。平成八年度予算で二億円、平成九年度で一億九千二百万円とりまして、なおあと三年間、五カ年計画で、こういう字幕関係でございますけれども、技術開発に努めているところでございます。  他省の関係はちょっと手元に資料がございませんのでお答えできないのは申しわけございませんですけれども、省としてはこういうふうな技術関係の施策をとっておるということでございます。
  138. 三重野栄子

    三重野栄子君 郵政省のお取り組みは伺いましたが、今私が申し上げましたのは、通産省だとかあるいは厚生省だとか、できれば文部省とか、そういうところに必要とする技術というのがやっぱりあるのではないか、あるいは必要とするところで研究が行われているのではないか、そういう意味でそれぞれのところが共同して、独自で研究するのも大事でありますけれども、共同して何かをやっていこうというような試みがされるのかどうかということを伺いましたんです。
  139. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この字幕関係の研究につきましては、各省庁と今共同してやっているという実績はございません。ただ、いろんなこういう調査研究会で字幕関係のことを懇談した中で、例えば文部省の方々が非常に詳しいとか、そういうような方々の知恵をかりるとかということはございました。ただ、技術の関係では、ちょっと特別な例になりますが、筑波大学の先生字幕関係の短縮、コンピューターで短縮するようなことを開発されているとか、そういうような話を聞きまして参考にしたことはございますが、具体的に各省と共同してやったということは今までございません。  今後、先生の御指摘もありますので、ほかの省に伺ってみていいものがあるかどうか検討してみたいと思います。
  140. 三重野栄子

    三重野栄子君 そのようにお願い申し上げます。  次は、メディアの子供に対する影響について大臣にお伺いいたしたいと思います。  本年三月に、日本PTA全国協議会が全国の小中学校六千八百校余りを対象にいたしまして、家庭におけるテレビメディアの実態と保護者の意識について行ったアンケートの結果が発表されました。御存じと思いますが、これによりますと、子供に見せたい番組の上位には、動物、歴史、知識関連の番組が、優しさや思いやりを学べる、家庭のコミュニケーションの手段という順で並んでおりますが、逆に見せたくない番組は、バラエティー・お笑い番組が上位を占め、その理由は、内容のばかばかしさ、言葉の乱暴さに集中しています。  この調査では、テレビというメディアは家庭に深く浸透しておりまして、見せたくない番組やCMがあったとしても、すべてを制限することは困難でありまして、一方、保護者はテレビ番組の質的向上に大きな期待をかけております。番組の質を向上させることが、ひいては放送局、提供企業への評価にもつながるとこれは分析しているわけでございますけれども、このようなアンケートの結果をお聞きになりまして、放送の子供たちに対する影響、また放送が果たし得る役割につきまして、郵政大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  141. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) ただいま先生指摘のとおり、放送の社会的影響力は極めて大きいわけでございます。したがって、十分な判断能力が形成されていない子供に与える影響を懸念する声も十分承知をいたしております。また他方、子供の視聴時間や、あるいはまた発達過程に配慮した良質な子供向けの番組は、子供の感性、判断力、知識の形成等に大いに役立つものと承知をいたしております。  したがって、放送事業者におかれては、テレビメディアが子供たちに与える影響を十分認識していただきまして、次代を担う子供たちの健全な発達に配慮していただきますように配慮をお願いしたいと考えております。
  142. 三重野栄子

    三重野栄子君 最後に、法改正と直接関係がございませんで恐縮ですけれども、一点だけお伺いしたいと思います。映像の海外発信の状況について、現状と今後の見通しを簡単にお伺いしたいのです。  今も、イランの地震等もございまして既に岡山県のAMDAは早速に救援に行っているわけでありますが、阪神大震災のときもそうでしたし、インターネットも活躍しておりますけれども、やはり映像によって知るということも大変重要だと思っております。  ことしの連休に私はカトマンズとバンコクへ行きましたんですが、バンコクではよその国の映像の中にNHKが取り込んでありまして日本放送が聞けたわけでありますが、ネパールの場合、ポカラとは言わずとも、カトマンズの中でも、これは全く聞かれないという状況でございまして、何もそこだけとは思えませんが、特にアジアとの関連、文化等の交流等々も含めまして、そこらあたりの状況を伺いたいと思いますし、今後の見通しをお願いいたします。
  143. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 放送とか情報通信のグローバル化の時代におきまして、我が国が海外からの情報を受信するばかりでなく、我が国のメディアが海外の方へどんどん発信していっていただきたいということを基本的に考えております。  それで、我が国の現在の状況でありますが、まずNHKの方でありますけれども、平成七年の四月より映像国際放送というものが開始されております。現在、北米におきましては、GE2という衛星を使いまして一日平均約五時間三十分放送しています。日本語の放送と英語の放送とがございます。それから、欧州におきましては、アストラ1D衛星というので一日平均約四時間四十分を実施中でございます。  先ほど先生指摘のアジアでございますが、アジアは直接に衛星から放送するというのではなくて、アジア地方におきましては、ケーブルテレビ局等にPANAMSATの2号機、4号機というのを使いまして一日平均十八時間の番組提供ということをやっております。多分バンコクでごらんになりましたのは、バンコクの放送へNHKが配信したものをごらんになったということでありまして、将来はこれも直接放送をするようになろうかと思います。今は配信ということでございます。この衛星では残念ながらネパールの方へは行っておりませんので、将来の課題であろうかと思います。  それから、NHKの関連団体と商社等が中心になりまして現地法人を各国につくりまして、これで日本番組を流しているというのが一つございます。  それから、民間放送事業者の動きとしましては、最近でありますが、ついこの五月の連休明けぐらいにシンガポールで配信されましたが、シンガポールからアップリンクしまして、アジア地域全般に日本民放のテレビ番組、ドラマとかドキュメントが中心でありますが、こういうものを配信する事業を実施しました。ケーブルテレビ等にも配信しますので、新聞等で読んだわけでありますけれども、例えば台湾等では二百万世帯ぐらいのケーブルテレビでこういうような日本番組が見られるんではないか、こういうようなことが伝えられておりまして、将来、日本の民間放送番組というものも出ていく、こういうことになろうかと思います。  しかしながら、いずれにしましても、日本からの放送の発信というのは、まだまだ民間放送、NHKを含めまして、米国、欧州等に比べますとおくれておりまして、できる限り、これはビジネスベースでもありますし、一方で日本情報発信という重要な問題でありますので、どんどん外国の方へ放送を発信していただくように我々としても要請あるいは指導をしていきたい。一方で、また各国からの放送が自由に日本に入れるようにしていくということを考えておるわけでございます。
  144. 三重野栄子

    三重野栄子君 終わります。ありがとうございました。
  145. 松前達郎

    ○松前達郎君 放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案、これに関連して若干の質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど午前中の審議の中でもいろいろ問題が提起をされ、もう少し踏み込んだ放送法改正でなければいけないのではないかと、いろんな問題がそこで提起をされてきたわけであります。  昨年のこの参議院の逓信委員会でちょうどオウムの報道に関連して、これはTBSの問題だったんですが、取り上げられたことがございます。そのとき私からも、報道に関して、結果生じた社会的責任に対して何らかの義務、あるいはそれに対して被害をこうむった人たちが何らかの提訴ができるようなシステムというものをつくり上げていかなければならないのではないかと、こういうことを申し上げたと思いますが、それに対しましてそのとき答弁されたのが楠田さんなんですが、間違った放送によって例えば人権が侵害された場合の処理システムはないというふうにおっしゃったんですね。ないから、じゃこれを一体どういうふうに今後改善していくかという問題もそこで答弁があったわけであります。  とりわけ、これからの時代というのは、インターネットの問題もありましょうし、あるいはチャンネルが非常にふえてくる、多チャンネル化の時代にもなりましょう。放送メディアが急激に拡大していく、そういう時代にこれから入っていくわけですから、放送が社会に与える影響というのは非常に大きくなってくるだろうと思います。また同時に、それに伴う責任というものも重大になってくるのではないか。先ほども出ましたけれども、放送が社会の世論を誘導するとか、人権を侵害するとか、あるいは名誉毀損をする、子供の教育に悪影響を与えるような内容のものを放送する、いろんな問題が出てきたわけでありますが、こういうふうに考えてみますと、やはり緊急の課題として、アメリカの例も出ましたけれども、放送法をもう一歩踏み込んで見てみなきゃいけないのではないか、そういう感じを私は持っているわけであります。  そこで、今回の法改正について、放送倫理の確保という面で質問をさせていただきます。  先ほど放送倫理について、これは精神的な意味も含めていろいろと放送の社会に与える影響を考えながら放送というものをきちっと見ていく必要がある、こういうことになろうと思うんですけれども、結果として生じた社会的責任に対して放送事業者が責任を負う、結果責任を負うべきである、また報道によって被害をこうむった人々に対する救済システム、こういうものも十分今後配慮しなければいけない、こういうことを前提として質問させていただくんです。  今回の法改正では、放送番組審議機関に関する改正が盛り込まれております。放送事業者が報道した結果について負うべき社会的責任を確保するという意味だと思いますけれども、これが一体どの程度効果があるのだろうか。とりわけ審議会というのは、これはもう番組審議会だけではないと思うんですが、大体有名人をずらっと並べて、隠れみの的存在になっているんですね。ですから、実際に審議をやるような内容がそこに提起されるかどうか、これはどうも疑問じゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、審議会等で審議された内容の公開ですとかそういうものが今回含まれているわけでありますが、どの程度一体効果が期待できるのか。  あるいは、審議会の中にもう一つ機関があって、いわゆるモニター的な機関があって、常にそれを監視しているということも必要だろうと思うんですが、これは今回できていませんけれども、こういった問題がこれから課題になると思います。  今回の法改正で一体どの程度の効果が期待できるのであろうか、郵政省の見解を、これは午前中と重なると思いますが、ここで再びお伺いをしておきたいと思います。
  146. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回お願いしております法改正では、放送事業者訂正放送制度実施状況、それから放送番組に関して申し出のありました苦情その他の意見概要というものの報告を義務づけられまして、それに基づきまして番組問題を審議するということになるわけであります。  そうしますと、訂正放送とか苦情等の対象になった番組題材とするということになりますと、これは放送事業者がこれまで自分たちがこういう番組を見てくださいというような形で提供したものと違って、ある意味では客観的な、問題のあるといいますか、そういうものにつきまして御議論をいただくということになりますと、放送事業者放送した結果についてやはりこれまで以上に責務を負うといいますか、責任を感ずるようになるのではないかということを期待しておるわけであります。  どのぐらい効果があるかということをなかなか量的、あるいは結果がまだわかりませんので申し上げられないわけでありますが、そういうふうなものを題材にすることによって、放送事業者が、ちょっと言葉は悪いかもしれません、お手盛りの番組ではなくて、そういうような苦情があった番組というようなものを中心に議題にしていく、せざるを得ないと。その中で番組審議会意見を出すということになることを期待しております。  番組審議会はそれをちゃんとやらないのではないかということに関しましては、公表することによって、これは我々視聴者の役割でもあるわけですが、こういう番組審議機関の動きというものを見る、見られるというシステムを構築して、その中で意見を出していくという形で、矯正といいますか、これをいい方向に持っていくということが期待されるんではないか、こういうことで今回の法改正をお願いしております。
  147. 松前達郎

    ○松前達郎君 その番組審議機関なんですが、実は番組審議機関を置くということについては法律の中でうたわれているんです。ただ、その置き方が、放送事業者のところに置くわけで、どうもそれはよく見てみますと郵政省と余り関係ないですね。関係ないというのは、直接そのパイプがつながっていないわけです。ですから、その辺がやはり問題だろうと思うんです。指導をしょうということがもしかあったとしても、番組審議機関に対しては何も言えない、法律的にはそういうことになるんじゃないか。その辺の問題が残っていると思うんです。  いずれにしても、例えば郵政省苦情が持ち込まれたときは郵政省がまず放送局に、その事業者に対して苦情を申し述べる。その事業者は審議機関におろしていく。審議機関が審議をするだろうと思うんですけれども、その結果をまた事業者の方に報告をする、それを公表するということですね、そういう段取り。郵政省の場合は別として、苦情があった場合はそういう段取りだろうと思うんです。  ですから、どうもまたそこに、特別に公表をする内容をきちっと公表してくれればいいんですけれども、それをしなかった場合はそのままになってしまって、今までと大して変わらないということになりゃせぬか。その場合に、郵政省が何らかの指導ができるのかどうか、この辺をちょっとお伺いしておきます。
  148. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 番組審議会議論内容公表するということは、これは法律に定めまして、省令等で決めるわけでありますから、これは放送事業者はやらなくちゃならぬわけです。かつ、その状況というのは逐次郵政省の方へ報告がございますので、その中でどういうことがされているかということを見ることはできるという状況になっております。ただ、直接に指導するかとかそういう問題は、これはなかなか難しい問題でありますが、どういうふうな状況で動いているか、ちゃんと番組審議会がなされているかどうか、こういうふうなことにつきましては我々としては報告を受けることができる、こうなっております。
  149. 松前達郎

    ○松前達郎君 そこのところがパイプとして非常に弱いんですね。これは法律を変えなければできないんだろうと思いますけれども、この辺が一つ今後課題になってくると思うんです。強力な指導ができるかどうかという面が放送法の中ではなかなかやりにくいということになるんじゃないか。  NHKと民放連は、放送番組に対する苦情処理の対応機関として放送人権等権利に関する委員会、こういう委員会設置をされるということでありまして、放送倫理に関する問題について放送界全体の問題としてとらえよう、真摯に対応していく、こういうふうなことを言われているわけでありますが、これにつきましては郵政大臣放送事業者にこうした動きがあるということ、特に新たに設置される苦情処理機関に対してどういうふうなお考えをお持ちでしょうか、お伺いいたします。
  150. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) 今回、NHKと民放連が自発的に放送人権等権利に関する委員会といういわゆる苦情処理機関設置いただくことに相なったわけでございますが、放送が社会的に大きな影響力を与えることはもう御案内のとおりでありますから、今後、放送によります権利侵害等についての苦情処理の対応についてこの処理機関が十分対応いただくことを期待いたしておるわけでございます。  私としては、この機関視聴者にとって有効に機能することが一番大事であると考えておりますので、この運用をしっかり見守ってまいりたい。この機関設置に至るまでにはいろいろな御意見がございました。一応は法的にやるべきではないかという御意見もあったわけでありますが、先ほど申しましたように、NHK、民放連の方で自発的なこうした処理機関設置いただきましたので、今後、権利侵害等について十分な対応ができるか、運用を見守っていきたい、こう考えております。
  151. 松前達郎

    ○松前達郎君 それでは次に、有線テレビジョン放送法改正の方なんですが、今回の放送法改正に伴いまして有線テレビジョン放送、CATVについても、字幕番組解説番組放送努力義務、あるいは放送番組審議機関への報告義務、議事の公表はこの対象となっているわけであります。今回のCATV法の改正では、このほかにも新たに放送法の規定を準用する改正が行われる、こういうふうに伺っているんですが、その具体的内容について御説明をいただきたい。
  152. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回の法改正によりまして、有線テレビジョン放送法につきましては字幕番組解説番組関係及び放送番組審議機関関係につきまして放送法と同様の改正を行うということでございます。  そのほか、番組審議機関の活用努力義務の規定と放送番組審議機関の部内委員制、これはこれまでの法律でございました。それから、審議委員の住所要件、これはケーブル事業者の業務区域内に住所を有することを要件としておりました。こういうようなものを廃止する規制緩和の面がございます。それから、今度は一方で、放送番組審議機関の共同設置を可能とすると。ケーブルテレビは規模が非常に小さいものでありますから、幾つかのケーブル事業者が集まってするというようなことも含めているわけであります。  こういうようなことは、ケーブル事業者が今後自主放送等をやる上で審議機関というのは必ず必要でありますので、こういう形で実施していくのが適切ではないか、こういうふうなことを考えて幾つかの法改正をお願いしている、こういうことでございます。
  153. 松前達郎

    ○松前達郎君 今、CATV事業者というのは非常に小さいのが多い、そういうふうにおっしゃったわけですが、放送番組審議機関の委員の人選として特例を設けない、CATVにも同じように適用する、こういうことだと思うんです。これまでのCATV関係番組審議機関の委員の人選の状況、特に役員または職員が委員となっている例がどの程度あるのかまずお伺いしたいのと、今度の改正が小規模なCATV事業者にとって非常に負担になるのではないか、こう思いますが、その点あわせてお伺いいたします。
  154. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回の有線テレビジョン放送法によりまして、先生指摘のように、自主放送を行うケーブルテレビは放送番組審議機関設置することが義務づけられておるわけです。  これまでは役員とか職員が審議機関の委員になれる、こういうことがあったわけでありまして、現在で約七二%のケーブルテレビでそういうことがされております。今回の改正におきましては、ケーブルテレビも一般の放送とこれからだんだん変わらなくなってくる、非常に発展してきておりますので、この部内委員制というのはやっぱり廃止した方がいいのではないか、こういうふうに考えております。  そういう意味で、新しい人を探さなくてはならないということで若干の負担増にはなろうかと思います。一方で、住所要件というものを廃止しますので、幅広い範囲から選ぶことができるということがあろうと思います。それから、先ほど申し上げました共同設置がありますので、幾つかのケーブルテレビが共同でやることができることによって負担の軽減ができるということがあります。  そういうことを全体的に勘案いたしますと、今回の法改正が過度な負担になるものではない、こういうふうに考えているところでございます。
  155. 松前達郎

    ○松前達郎君 次に、有料放送の規制緩和問題なんですけれども、今回の法改正では、有料放送の規制緩和として認可制であったCS放送の料金を事前届け出制に改める、こういう内容になっております。  衛星放送にはCSのほかにBSという放送があるわけです。このBSについてはもう既に一千万の視聴者がいるわけでありますが、CSとは競争条件が異なる、そういう理由から規制緩和の対象から外れているんですね。そういうふうに私は伺っております。  そこで、昨年CS放送においてデジタル多チャンネル放送が開始されたのに伴いまして、BSの有料放送でWOWOWというのがありますけれども、新規加入がどうも頭打ちになった、こういうふうなことを聞いております。それだけじゃなくて、逆に解約が急増している、こういうことも伺っているわけですが、こういうことから、CSとBSの競争条件にはほとんど違いはないだろうと思うんですけれども、その点、郵政省の見解をお伺いしたいんです。
  156. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) CS放送の場合は、最近では特にCSデジタル放送でございますので、一つの衛星で数十チャンネルから百チャンネルの放送が既に始まっておりまして、これだけの多チャンネルでありますので、この間ではかなりの競争があるということで今回、料金の認可制を届け出制にしたことは御案内のとおりでございます。  一方、BSを見てみますと、BSのうちの一つがWOWOWでございますが、BSそのものを見ますと、NHKを中心にいたしまして既に一千万世帯以上のBS視聴世帯というのがある。そのうちWOWOWは二百数十万という数でございます。一方CSの方は、デジタルがふえたといいましてもまだ二十数万でございまして、そういう意味で、やはりWOWOWの方に、BSの方に基本的なところでまだ有利といいますか、イコールフッティングではない、こういう面があろうと思います。  それから、このBSの中で有料放送をやっているのはWOWOWだけでありまして、NHKは有料といいましても、こういういわゆる料金徴収の有料制ではございません。競争の対応ではないという意味で、まだWOWOWにつきましてはCSと同じではないのではないかということで、今回認可制をそのまま残したということでございます。  確かに、先生指摘のように、CSデジタルが始まりましてからWOWOWの純増といいますか、伸びというのは一年前に比べまして相当落ちていることは事実でありまして、そういう意味で、BSとCSの衛星放送の間でも競争は出てきていることは見えてきております。これが将来非常に大きな本当の対応的な競争ということになってまいった場合は、BSのこの問題につきましても検討課題になろうか、こういうふうに思っております。
  157. 松前達郎

    ○松前達郎君 時間が来ましたから、最後に一つだけ質問させていただきたいんですが、今行われています有料放送、これはスクランブルがかけられているのが多いわけなんですが、自分の意思と判断で見るようになるわけですね。視聴者に対して限定的に放送されていると言ってもいいと思います。  こういう点から見ますと、有料放送については公衆の受信を前提とする現在の放送法による規制を緩和することは可能じゃないか、こう私は考えます。電子新聞やゲーム配信などのデータ放送を見ても、蓄積された情報視聴者がみずからアクセスして情報を得る、そういう方式をとっておりますから、編集番組等について放送制度上従来とは異なる取り扱いを考えていいのではないか。  こういった新しい分野の放送の規制緩和等について、郵政省の見解を最後にお伺いしたいと思います。
  158. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 視聴者ニーズの高度化、多様化あるいは技術革新等を背景にいたしまして、先生指摘のように、従来の放送に比べまして対象がより狭いあるいは限定的だというふうな特性を有するものが出てきております。  こうした新しい放送サービスにつきましては、それぞれのサービスの特性あるいは提供形態に応じましてやはり制度的な改正も必要であろうかと思います。例えば、道路交通情報通信システム、VICSと言っておりますが、自動車の中で道路交通情報を画面でとるわけですが、これを車載型で放送波でもってやっているサービスがございます。そういうようなものに番組基準とかあるいは審議機関というのは要らないわけでありまして、これはつくらない、例えばこういうような問題がございます。  それから、衛星デジタルの多チャンネル放送というのが出てまいりますと、これはかなりの数のチャンネルがあるわけですから、今までのようなマスメディア集中排除原則は必要かどうかということが一つの課題でありまして、現在もう既に十二チャンネルまで持てるというふうに緩和した。こういうようなことが一つの例であります。  将来ますます技術革新によりまして新しい放送サービスが出てくるということになりますと、それに応じて適宜、規制の緩和、制度改正というのを行っていきたい、こういうふうに思っております。
  159. 松前達郎

    ○松前達郎君 終わります。
  160. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 まず、字幕放送の前進について質問したいと思います。  この問題は、私、これまで四回取り上げてきているんですけれども、昨年の五月三十日には本免許だけで字幕放送できるようにと要望しましたけれども、これ去年四十万の全難聴の署名を受けて請願が通りまして、これが早速法改正になったわけで、これは郵政省としてはかなり素早い対応で評価したいと思うんです。  きょうの審議でも、アメリカ、イギリスからかなりおくれているという話が大分出ました。アメリカは既に七〇%というんですね。七〇%というのはおととしの数字ですけれども、去年アメリカでは電気通信法の改正で、この報告書を見ますと、経済的に到底無理だとか、結んでいる契約と矛盾が起きるケースその他、それを除いてすべて字幕の付与、完全なアクセスが確保されなければならないと。だから、七〇%で満足しないで、さらに去年こういう改正をやって、もう特別の場合以外は全部字幕放送をつけるというところまで進んでいるんです。そういう点から考えると、きょうのこの改正は前進なんだけれども、まだテンポが遅いし、それから事態の重大性の認識が僕はまだ浅いんじゃないかと思います。  その一つとして、以前の質問にも取り上げたんですけれども、障害者手帳を持っている難聴の方というのは三十五万八千人でしょう。ところが、去年の参議院を通過した請願でも、字幕放送を必要とする難聴者、聾者は高齢化社会の進展もあり六百万人に達する、そう請願にも書いてあるし、きのうの読売の夕刊も六百万人という数字を挙げているんです。ですから、三十八万人の難聴者に対する字幕放送の対策というのは、六百万人の高齢者を含む耳の聞こえにくい人全部に対する対策だし、ひいては高齢化社会に対する国としての当然の対策だと思うんですね。だからこそ、アメリカではこういうほとんど全面的な法的義務づけをやっているんだと思うんです。そこら辺の認識を局長、当面六百万人対象なんだと、つまり全国民対象なんだというお考えで施策を進めていらっしゃるのか、はっきりお答えいただきたい。
  161. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘のとおり、日本では高齢者を含めまして耳の不自由な方が六百万人いるということでありまして、視聴覚障害者向けの字幕放送という言い方をしておりますが、これは、すべてそういう六百万人の方を含めたという考え方で我々は進めているところでございます。
  162. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 まだまだ課題はたくさんありまして、今度、一億三千万の予算がついて、これも前進なんだけれども、障害者団体からは補助金をもっとふやしてほしい、十億円以上は欲しいという当然の要望なども来ておりまして、これはもっとふやすように努力していただきたいと思うんです。  やっぱり民放の場合、きょうもいろいろ取り上げられましたけれども、早急にやらなきやならぬ点があるんです。免許は今度簡単になったので進むと思いますけれども、いただいた数字では、関東地方八時間五十六分で一・一%、字幕が、解説放送は〇・二%という状況でしょう。今度の改正に対して、民放連としてはこういう状況をどういうテンポでどういう目標で進めようとしていらっしゃるのか、参考人にまずお伺いしたいと思います。
  163. 酒井昭

    参考人酒井昭君) 御質問の件でございますけれども、民放といたしましても、視聴覚障害者に対して放送番組を楽しんでもらうためにできるだけ多く字幕解説番組放送を行いたいというふうには考えておりますけれども、現実に、今おっしゃられたように字幕放送を実施している民放局は全体の一割強でございます。テレビ百二十局中十四局ということでまだまだ普及しているとは言いがたい状況でございますけれども、今回の法改正によりまして、これからできるだけ努力していくということでございます。  基本的には、各社それぞれの考え方いかんによると思いますけれども、我々としては各放送事業者に対して、この放送法改正を契機にできるだけ字幕放送番組を多くしてほしいということを伝えていきたいというふうに思っております。  ただ、現在百二十を超える民放テレビ局の置かれている環境というのは千差万別でございまして、すべての局が対応設備を整えるには時間や経費がかかる、これは上田委員御承知のとおりかと思いますけれども、費用の問題もありますので、その辺を考えながら、できるだけ早い機会にというふうにしか今の段階ではちょっとお答えしにくいかと思います。  以上でございます。
  164. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 NHKは、民放よりははるかに前進していたんですけれども、今度の審議の過程で教育番組も実施するという前向きの姿勢を示されたことは大変うれしく思っています。公共放送なので社会的責務としても本当に先頭を切っていただかなきやならないと思うんですが、二〇〇〇年までにニュース番組も含めてどのぐらいまで努力するかという目標、これをNHKにお聞きしたいと思います。
  165. 河野尚行

    参考人河野尚行君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、昨年度から国会での強い御指摘もございまして年次計画をつくっておりまして、平成十二年、二〇〇〇年度までに総合テレビで字幕放送を週三十時間、全体の割合で言いますと一八・五%に拡充する計画でございます。現在、衛星第二テレビは字幕放送をやっておらないんですが、これも平成九年度後半から字幕放送を開始することにしております。さらに教育テレビも、御指摘のように平成十年度中に字幕放送を開始しまして、二〇〇一年ぐらいまでには週八時間程度に拡充したいというふうに思っております。
  166. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それぞれ前向きの姿勢でこれはいいことだと思うんですけれども、しかし、公共放送のNHKも二〇〇〇年に一八・五%というのでは、これはアメリカと比べるとまだまだ非常におくれているので、テンポをもっともっと上げなきゃならぬと思うんです。その点で私は、請願にも、それからこの「視聴覚障害者向け専門放送システムに関する調査研究会報告書」でも、皆さん法的な義務づけを要求してあったんです。それが、きょうの審議でも何回も問題になりましたように、できるだけという努力義務にとどまったと。これは現状の反映だというお話なんだけれども、ここに一番大きな原因があると思うんです。  局長は、この問題を取り上げた質問に対して、ガイドラインまではいかないけれども、とにかく目標は考えたいというお話をされました。その目標をしっかり立てて実現するためにも、僕は幾つかのことを進める必要があると思うんです。  例えば民放の場合、これは障害者団体が民放及び番組スポンサーに字幕制作費の負担をしてもらうという要望があるんですよ。この報告書を見ますと、今まで十二番組のうち二番組はスポンサーが負担しているというような例があるんです。実際そういう例があるので、民放で進めるためにも、スポンサーにもこういう全社会的課題については協力させるということが一つ大事だと思うんです。  それから、目標設定というのは確かに非常に大事なので、その目標、できればガイドライン、これをきょう局長が表明されたように早くつくっていただきたいんですけれども、その際、全難聴、障害者団体からは、ガイドラインの設定にはぜひ障害者団体を含めてほしい。委員会なり研究会なりつくるとき、それこそ難聴者の団体の専門家が入っていることが非常にいいわけで、この調査研究会にも入っているんです。そういう前向きの態度で、ぜひガイドラインなり目標を障害者団体の代表も含めて、それから業界の代表も含めて前向きに取り組むようにお願いしたいと思うんですが、局長いかがでしょうか。
  167. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 今回の法律改正で民間放送事業者あるいは放送事業者字幕放送なり解説放送に対する努力義務ということを定めていただくわけであります。したがいまして、これは、基本的には各放送事業者努力義務があるということを書いてあるわけでありまして、努力していただくということが本来の姿であります。  ただ、努力するということだけで本当に進むのかどうかという疑問もあります。かといって、ガイドラインを決めるということになりますと、これは義務になってくるわけでありますからそこには限界があると思います。  したがいまして、我々としては、こういう民間放送事業者放送局もいろいろ違いがあるんです、ケーブルテレビもまた違う。そういう中で、どうしたらいいだろうかということをいろいろ御相談申し上げるとか、私は、何かやっぱり目標のようなものとかそのような形のものはないといけないだろうということを申し上げておるわけでありまして、それにつきましては、我々としては行政の責任としてやろうというふうに思っております。
  168. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それから局長民放でローカル局が今まではできなかったのを、今度キー局の方でやれますね。その際、放送するだけの設備のためにも五百万円ぐらいかかるというんです。そうすると、字幕放送をつくるための一億三千万円などの援助と同時に、民放のローカル局がすぐやれるために、その五百万円に対して融資あるいは助成とか、そういうことも少し考えた方が民放で進むんじゃないかと思うんですが、この点の前向きの態度はありませんか。
  169. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) この字幕放送も文字多重放送の設備でありますから、これにつきましては財政投融資の制度としては既にございます。これは、財政投融資制度によりまして、字幕放送なり文字多重放送を行う場合には、その設備の取得に対しまして低利融資がなされるということがありますので、これを御利用していただけるんではないかというふうに思っております。
  170. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それからもう一つ、何度も問題になるのが日本語の難しさですね。障害者団体からも、字幕制作のための技術者の養成、機械化に聴覚障害者自身も携わる必要がある、こう書いてあるんですけれども、私、実はこの間、日本障害者協議会主催でパーソナルコンピューター・ボランティア・カンファレンス97というのに出席したんですよ、私も共産党の国会議員団の障害者対策の責任者を十五年やっているものですから。  それで初めて知ったんだけれども、講演、報告が全部大きな画面にどんどんリアルタイムで出るんです。その資料をもらってきたら、リアルタイム字幕というのがあって、ULACSというんですね。二、三人ワープロをたたいていて、ワープロをたたいていると、こういう大きな字幕がプロジェクターでもうどんどん出るんです。僕らが見ていても多少ワープロミスが時々ありましたけれども、大体使える感じなんです。  だから、そうしてみると、先ほどのお話のように三十分番組をつくるのに四日も五日もかかっているというんだけれども、レシーバーをつけてずっと聞きながらワープロを打って正確にしていけば、こういう機械もあるのでもうちょっと可能なんじゃないか。ニュースは正確じゃなきゃいかぬというんだけれども、同時通訳だって、ニュースだけではないけれども番組の中でいろいろ使っているわけで、多少の誤訳はあるけれども、一応通っているわけだから。  だから、かなり熟練したワープロの技術者ができれば、実際にこういうことをうんとやっているわけなので、もっと日本語の難しさも克服できる状況があるんじゃないかと思いますので、さらに一層研究を期待したいというふうに思います。  次に、もう時間が余りございませんけれども、番組審議会問題に移りたいと思います。  きょうもお話がありましたけれども、多チャンネル懇の両論併記以来、自民党やそれから政府には、特にこの問題について人権問題という点で苦情処理機関第三者機関の設立のあれが一時いろいろあったんですけれども、今度一応それは先送りになったと。私ども、これは報道の自由を厳しく守るという点でいいことだったと思うんです。  それで今度、この番審活性化ということで幾つか盛り込まれて、きょうもいろいろ議論がありました。それで、局長はどうも番審がほとんど機能を果たしていない、諮問もほとんどない、意見もないと。確かにそういうことになってます。  さて、酒井さんの方は、衆議院での参考人に呼ばれたあなたの御意見を見ますと、「活発な議論が展開されております。その機能は、私どもとしては、十分に発揮されている」と、こうおっしゃっているんですね。  さて、日本テレビ番組審議会委員長の清水英夫青山学院大学名誉教授が書かれた論文を見ますと、確かに形骸化は事実らしいですな、委員長自身がそう言っているんだから。ただ、「形骸化とされる最も大きな原因の一つは、これまで放送局側が必要的諮問事項以外、ほとんど積極的に諮問しなかったところにあるだろう」と。だから、もっと放送局側が重要問題について積極的に諮問をやるべきだというのが委員長意見ですよ。  だから、委員長が積極的な諮問がまるでなかったと言って形骸化を認めていて、それであなたの方は、いや積極的にずっとやっていると言うんでは、それは少し実態認識についてみんな一致させる必要があるんだろうと思うんです。それをどういう方向に進めていくかということ、これをひとつ酒井さんにお伺いしたい。  もう一つは、今度の問題で公開が決まったわけです。酒井さんは衆議院の審議では、放送事業者として不安がないというわけじゃない、この公開のやり方については省令で決まるので自主性が最大限尊重されるようにという希望を述べておられる。  だから、番審の審議内容のこれまでの形骸化と言われるものについての率直な御意見をひとつ。それからもう一つは、この公開について省令で決まることについての民放連としての要望、この二点をお伺いしたい。
  171. 酒井昭

    参考人酒井昭君) 上田委員のおっしゃられた引用の点につきましては、私は、現実に広島テレビとか山形放送へ行きまして番審で講演をしたことがございます。その実体験から申し上げまして、ローカル局が形骸化しているということはまずあり得ない。番組についていろんな批判がございまして、それを率直に私らは受けておりますし、キー局番組改編期に当たりましては、そのステーションの編成局長が参りまして、そこで全部説明しております。それに対しまして番組審議会の委員の方々が今回の改正についての眼目はどこにあるのかということでいろいろ質問をしております。  ただ、ローカル局の場合は現実に自社制作番組が一二%から二〇%ぐらいしかございませんので、諮問する方の放送事業者としても、一年間に十一回ないし十二回の番審委員会の中でどれだけ諮問できるかというと、おのずから限定されるものがあると思うんです。  今までの放送法ですと、番組審議会に対して諮問答申があった場合には公表しなきゃいかぬ、あるいは委員の全員の意見の一致があった場合にもこれを公表しなきゃいかぬということでございまして、諮問すべき事項が余りないということは逆に言えばそれだけ放送番組に問題がないということも言い得るんじゃないか。  私はあちこちの番審に顔を出しながら皆さんの意見を聞いておりますが、特にローカル局の有識者という方は非常に番組に対して関心がございます。それで、意見を言っておりますので、私は、形骸化というふうには、実体験から申し上げまして、それはまずあり得ないんじゃないかというふうに思います。  ただ、一般の総合放送局とラジオのFM局では諮問する中身も違います。音楽番組について諮問した場合に、音楽は人の心を豊かにするということでございますから、余り問題はない。ただ、総合テレビの方は、一般番組について暴力とか犯罪についていろいろクレームといいますか注文があるということがありますから、私は必ずしも形骸化しているというふうには思いません。  それから、公表の問題につきましては、今回の放送法改正によりまして義務づけられるというふうになっておりますが、これまでも公表につきましては、例えば読売放送の場合には地元の、大阪の読売新聞の広告欄に枠を持っておりまして、そのたびに番組審議会概要公表しております。それから、山形放送の場合には山形新聞がこれを公表しております。特に山形放送の場合には、番組審議会の中に山形新聞の記者が同席しております。そこで審議の内容を翌日の朝刊に毎回載せております。  こういう例がございますし、それぞれ社報とかあるいはPR雑誌を通じて公表しておりますけれども、それが数からいいまして一万とか二万というのは公表の数にならない、前回の放送法改正のときに郵政当局のそういう指導といいますか考え方が披瀝されまして、それではということで自社の放送番組あるいは新聞ということでございます。最近の傾向を見ますと、この二月以降、キーステーションを中心に、それぞれ番組審議会内容を紹介したり、視聴者からの注文があるという番組について、ただ時間的に早朝ではございますけれども、一応そういう兆しといいますかそれが出てきておりまして、ローカル局でも追随している面がございます。  公表のこれからのあり方について一つの危惧という点は、審議会の中で自由活発な論議がちょっと制約されるんじゃないかという心配がないわけではございませんので、これからの省令のあり方を注目していきたい、かように思っております。
  172. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 時間が参りましたので、一問だけ局長に、今の省令の第一条の三にやり方が決まっているんだけれども、ここをどういう方向でこの公表について直そうと検討されておられるんですか。
  173. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 省令で公表の仕方というものが落とされる、公表すべき事項というのは法律に載っております。どうやって公表するかということでありますから、放送、日刊新聞あるいは局に備えつける、発表の仕方をどうするかというふうなことをこれから詰めていく、あるいはほかにもっといい方法はないかどうか。今まではこれこれという決めがなくてどれかを選びなさいというような面もありました。そうしますと、一つやればいい、こういうことになりますが、その辺のところをどう考えるのか、こういうふうなことも考えていかなければならぬのではないかと思います。
  174. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 終わります。
  175. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 今回の放送法改正の眼目の一つ放送法第三条の四に規定する放送番組審議機関活性化と活動状況の公開であります。しかし、どんな法改正も肝心な番組審議機関が形骸化して本来の機能を発揮しないのでは意味がありません。  言うまでもありませんが、放送番組審議機関は、憲法二十一条が保障する表現の自由と報道の自由を最大限に尊重しようという見地から、公権力が放送事業者番組編成に干渉することを防止し、放送事業者みずからがその自浄努力によって国民の人権を不当に侵害することのないよう、青少年の育成に悪影響を及ぼすようないわゆる俗悪番組を追放する目的で昭和三十四年の放送法改正によって設けられたいわゆる事業者みずからの自主的チェック機関であります。そうした性格がかえって災いしたのか、現実には必ずしも完全に機能していないと私は思います。先ほど民放連専務は形骸化していないという御主張であったんですが、私ども見ていまして形骸化の域を出ていないのではないかと思うわけであります。  そこで、番組審議機関について何点か質問したいと思ったんですが、これまでの先生方の質問で私が用意した質問はほとんど重複する形になりますので、割愛しできるだけ重複を避けた質問をしたいと思いますが、一部重複するところがあったらお許しをいただきたい。  そこで、まず最初に郵政省にお尋ねをするわけでありますが、放送番組審議機関の審議や運営方法が公権力からの独立性が担保されておれば、放送に先立って諮問すべき番組の種類と性質をきめ細かく法定しても構わないと思いますが、いかがでしょうか。例えば、出演者が乱暴な言動を用いる番組、いたずらに視聴者の性欲を刺激する番組、一般人の苦労話をネタにする番組、食べ物を粗末に扱う番組、高額な賞金を提供して国民の労働意欲を喪失させるような視聴者参加番組等々に対して事前に諮問するようにしても構わないと思うんですが、郵政省の御見解をお尋ねいたします。
  176. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) まず、一つは現在の法制はどうなっているのかということと、一つは将来こうしたらいいんではないか、一種の立法論がございます。現在の放送法放送審議機関諮問事項と申しますのは、放送番組の編集の基準、あるいは放送番組の編集に関する基本計画の制定、変更、こういうことを諮問しまして、それが義務づけられておる、それに対して番組審議会意見を出す、こういうことであります。それからもう一つは、番組審議会の方から意見を述べるということがあるわけであります。この二つがあろうかと思います。  先生指摘の、ではこの番組審議機関に前もって問題があるとカテゴリーを決めた番組を見せて、それについてこの番組審議機関番組の、言葉をかえればチェックしてもらったらどうか、こういう趣旨になろうかと思いますが、法律上、それは今ないわけであります。  将来これをどうするかということは一つの御意見かと思いますが、一つの考えられる意見は、これは番組審議機関番組チェックするということになりますと、外部の方が入っていることもございますが、その中でそれをやることが果たして番組のいわゆる検閲に当たるか当たらないかという問題は一応検討しなきやならぬ問題であろうかと思います。  そういう問題もありますので、前もって番組をこの番組審議機関で云々するということは現在の番組審議機関ではなされていないんではないか、そういうふうに思っております。
  177. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 もちろん表現の自由は民主主義の基礎であって、放送第三者チェックすることはいかなる理由があっても許されないことは私も重々知った上での質問なんです。公権力の不当な介入を回避すれば、自主的機関としてみずから自浄するという機関が、放送してしまってからでは遅いから事前に何らかの形で規制する方法郵政省としてはとってもいいんではないかという提案も含めた私の質問であります。  もう一度質問いたしますが、第三者からのチェックとしてのいわゆる事前検閲なんということはいささかもあってはならない、それは私も十分覚悟の上での質問であります。以上含めた上で、再度の御答弁をお願いいたします。
  178. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 番組に対しまして、各放送事業者自分たちの自主的な意思で考査とかあるいはその番組が適当であるかどうかということを見ることは、もちろんこれは全然問題ないわけであります。それは現になされておりますし、どういう放送をするかということは放送事業者番組編集の自由に関する問題であります。その中で、この番組審議機関をそういうものの一部に位置づけるかどうかという御意見であろうかと思います。  検討に値する意見であろうと私は思います。非常に第三者的でありますし、その放送事業者機関でありますからそういう可能性はあると思いますけれども、現段階ではこの番組審議機関というのはそういうものには使われていない、また使っていない、こういうことを申し上げているわけであります。
  179. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 番組審議機関というものの法的性質、もちろんそこから派生するんですけれども、郵政省の行政指導の一環として、そういう立法論として御考慮をいただければということをあえて要望して、次の質問に移りたいと思います。  民放連の酒井さんがせっかくおいでいただいておりますので、幾つか質問をしたいと思うんですが、過去に民放各社が放送番組審議会に諮った番組を拾ってみると、これも午前中聞かれた番組のちょっと重複になるようなあれなんですが、いわゆる番組審議機関が諮った番組をちょっと拾ってみたんです。  日本テレビが医療問題の「OH診」、クイズ「マジカル頭脳パワー」、ドラマ「遠い日の約束」、TBSが「世界ふしぎ発見」と「3年B組金八先生」、フジテレビが「北の国から95秘密」と「古畑任三郎スペシャル」、朝日放送が「たけしの万物創世記」、「大江戸弁護人・走る」、テレビ東京が「ようこそペットの国」、「決戦クイズの帝王」等々、これ比較的健全な番組ばかりを拾い上げているんです。  当然諮問すべき、女性がスタジオで着がえをしたり、食べ物を投げつけたり、他人のプライバシーを殊さら興味本位に扱ったり、本来同情されるべき殺人事件の被害者の裏の顔を暴いたり、単に捜査当局から嫌疑を受けている者をあたかも真犯人のように扱ったりするワイドショーなどのいわゆる俗悪番組が不思議と入っていない。  放送事業者が故意に俗悪番組諮問を回避しているとしか思えないのですが、率直な御意見をお伺いいたします。
  180. 酒井昭

    参考人酒井昭君) これは、各局がそれぞれ番組審議会にどういう諮問をしているか、その中身を先生指摘なんですけれども、今おっしゃられた番組は多分に番組改編期のときにどれだけの視聴率があるのか、どういう形で皆さんに見られているかということを尋ねるために、たまたまそんなに問題にならない番組諮問されたというか、意見を求めたというふうに思われるわけです。  通常、御指摘にございましたように、食べ物を投げつけたり、人権を傷つけるというふうなことにつきましては、これは制作者及び編成が絶えず気をつけておりまして、たまたま番組審議会に諮るときに放送事業者が見ていなかったかどうか、読者あるいは視聴者からのクレームにつきましては各局それぞれ視聴者対応室とかあるいは考査部が承っておりまして、それらを集約しながら報告しておりますから、たまたま今回の先生指摘番組以外のときには、それぞれ諮問ないし意見の交換は行われているというふうに思います。  ただ、申し上げましたように、諮問の回数は非常に少ないということなので、意見の交換に終わっている、それが全員一致にならないから公表ということにならないわけでございまして、各局それぞれいろんな形での視聴者対応というのはございます。  放送というのは、開かれた映像ないし音声でございます。国民に一番密着した媒体でございますから、視聴者があって初めて放送の使命は達成できるわけでございますから、そういう意見はできるだけ放送事業者も拳々服膺しながら、それぞれの番審の方にお話をしていく方向に持っていくべきだろう、私はそういうふうに思います。民放連の中にも放送基準審議会というのがございます。そこで、いろいろ議題として取り上げて、これからも質のいい番組を手がけていきたい、かように思っておりますので、その辺御了解いただきたいと思います。
  181. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 次に、やはり民放連の酒井専務にお尋ねをするんですが、誤った事実の報道や、歴史上の人物を一方的に悪人と決めつけるような番組制作は、視聴者に誤った認識や偏った先入観を植えつけ、大変有害であります。それと同じぐらい有害なのが無知、無教養なニュースキャスターによるあやふやな知識に基づくいいかげんな解説であります。ここのニュースキャスターの定義は私にはちょっとよくわからないんだけれども、司会者も含むかもしれません。  現代社会におけるニュースキャスターの影響力の大きさを考えると、キャスターには社会現象を的確に把握、分析、評価できる高度な教養と識見が必要であり、民放連としてもキャスターの資質を担保するための業界の統一基準と申しますか、例えば、業界団体がキャスターの資質試験を行うとか、何らかの適格試験をするとか、そういうようなことをいろいろ言われておりますが、何か民放連としてはこのキャスターへのいろいろなこういう今申し上げた批判に対してどういう対策なり、将来どういうふうにしょうと考えられているのか、そこら辺のところをお尋ねいたします。
  182. 酒井昭

    参考人酒井昭君) キャスターの起用につきましては、それぞれの局の編成権に属する問題でございますから、我々としてはそれに介入はなかなかできませんが、ただ私どもの中に報道委員会というのがございまして、そこで報道・取材に関するガイドラインというのを目下作成中でございますが、先般も衆議院の逓信委員会で御指摘を受けましたのは、ニュースキャスターの中で自分の感想といいますか所感といいますか、伝聞、推定ということで、「そうだろうな」とか、「そう思われるんじゃないか」というふうな言い方をするキャスターがいないわけではございません。これは、報道担当者として局の意見としてとられかねないので、その辺は事実と意見を混同しないようにという、そういう指示といいますか考え方は目下出てきております。したがいまして、これからもキャスターのあり方については報道委員会検討してまいりたいというふうに思っております。
  183. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 ぜひ何らかの基準なり一般視聴者をして納得せしめるキャスターの起用をお願い申し上げておきます。  次に、スポンサーの介入による番組編成権の侵害と法整備の不備について。  かつて放送事業者の報道の自由や番組編成の自由を侵害するおそれがある最大の脅威は公権力であろうと考えられておりました。放送法も、第三条に、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と規定して、公権力が放送事業者番組編成に不当に干渉することがないような配慮規定を置いております。しかし、今日、もしNHK以外の放送事業者番組編成権を侵害するものがあるとすれば、それは公権力ではなく、番組を提供する広告主であることは論をまたないところでありましょう。  ちなみに、日本放送出版協会から出ている荘宏著の「放送制度論のために」という本には、「番組編集の責任が放送事業者にあることは当然であるが、番組を実際上支配しその生殺与奪の権をにぎる者は広告主である」とあります。(「それはスポンサー」と呼ぶ者あり)そう、広告主、スポンサーなんです。その結果、「番組の低下」、「放送の信頼性の喪失」、「放送の本来目的の無視」、「国民の品性の低下」を招くと書かれております。  また、岩波新書の岡村黎明という人が書いている本に「テレビの明日」というのがあるんですが、そこにも「スポンサーの番組介入」という見出しに続きまして、スポンサーが、  番組を抱えたのだ、と錯覚するところがら、悲劇が始まる。自社の番組、ウチの番組で、ライバルの製品が出てくるのはまずい。家電メーカー提供のドラマでは、冷蔵庫からテレビ、クーラーに至るまで、自社製品で統一されるし、ひどい場合には、家電とは無関係の製品でも、系列企業の製品にとりかえさせられる。自動車メーカー提供のアクション・ドラマでは、車種はもちろん自社ブランド、車の事故などはご法度となる。  そこにスポンサーである会社の社長の趣味や個人的関心が加わると、放送番組の私物化以外の何ものでもない と書かれております。現行放送法には、こうしたスポンサーからの圧力と不当な干渉に対する具体的防御規定が一切ありません。  そこで、郵政省にお尋ねするんですが、郵政省としては、将来、広告主の圧力から放送事業者番組編成権を守るための何らかの法的措置を講ずるべきだと思いますが、いかがでしょうか。御意見をお伺いいたします。
  184. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘されました放送法第三条におきまして、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」と。この「何人」という中には、これは広告主も当然含まれるわけであります。したがいまして、広告主であっても番組編集に干渉することは許されないということは放送法に決まっておるわけでありまして、現在、放送法にこういうことが規定されている以上、具体的な法的措置が必要というふうには考えておりません。
  185. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 いや、干渉しちゃいかぬのだけれども、現実に干渉しているから何とかせいと、こういう意見を申し上げたつもりなんですが。  次に同じような質問を民放連にさせていただきます。  前に紹介しました荘宏という人の「放送制度論のために」という本の中に、「広告主は広告効果の増大を狙うので、できるだけ多くの受信者を獲得しようとし、その結果、番組は質よりも大衆の心理的弱点を衝いた通俗的興味に重点を置くことになり、低俗番組が中心的存在になる」と書かれて、また広告番組は、「受信看たる公衆は広告の部分と非広告の部分との識別に困難を感ずることとなり、放送によって正しい知識と判断の資料を得ようとする公衆に誤解を与える。このことは公共福祉に反し、極言すれば大衆を愚弄することになる」と書かれております。私も全く同感であります。  民放連としては、大衆を愚弄しないためにも、広告主からの圧力、干渉に対して具体的にどのような防御策を講じられているのか、酒井務理事に御意見をお伺いいたします。
  186. 酒井昭

    参考人酒井昭君) お答えします。  荘宏さんの御本はもう古典的な書物です。それから、岡田黎明さんの「テレビの明日」はごく最近出された本でございますが、あの方は朝日放送の編成課長それから国際部長をやられましたけれども、現在立命館大学の教授でございまして、教授歴がもう十年ぐらいになりますか、ということは、十年前の事実をもとにお書きになったんでしょうけれども、現在は一社提供のスポンサー番組というのはほとんどございません。  先生指摘のように、例えばナショナルの「水戸黄門」なんかを見ますと、ナショナル製品が水戸黄門の時代に出てくるわけないんですよ。それと、一社提供ではございませんから、スポンサーの圧力ということはまずない。ただ、いろいろ話をするときに、ぜひうちの製品を何となく使ってほしい。これはある意味での効果性といいますか、それはないとは必ずしも言い切れませんけれども、その程度でございまして、スポンサーの圧力はまずないというふうに申し上げてよいかと思います。  それから、広告主としては、当然のことながら広告番組というふうに見ておりますから、番組自体は広告効果を優先します。しかしながら、放送事業者にとってはこれは報道媒体であり文化媒体でありますから、その広告媒体と三つを含めて三位一体としていわゆる総合媒体というふうに我々としてはうたっておりますから、必ずしも広告主の意向がそんなに強いというふうには思えません。  以上でございます。
  187. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 時間が来てあれなんですが、率直に言って、私もこの質問をするために随分いろんな本を読ませていただいて、今先生指摘のように、十年前に書かれておるんで古典的になって、しかし、これは古くて新しき問題といいますか、やはりいろいろ現代においても、私かつて十年以上前に広告主が番組制作に与える影響という議論が十分なされて一応解決したかのごとく聞いております。  しかし、今、酒井さんがおっしゃったような形で広告主からの圧力がゼロだと断言するところはいささか問題である、十分に反省をしていただく材料はあると思うんです。きょう、私は声を大にして申し上げますので、民放連専務理事として、そういう圧力のかからない制作を、あなたはかからないと言うかもしらぬけれども、私はかかると言ってるんだから、十年前の本もそういう形で言っているし、また新しい人たちもそういうところを問題提起しておりますので、そこを十分考えた形でつくられることを強く希望いたしまして、私は質問を終わります。
  188. 水野誠一

    ○水野誠一君 もう最後の最後になりますと、本当に質問がほとんど残っていないという大変苦しいあれになるんですが、今回の議題でございます字幕番組、これは畑委員、林委員を初め皆さんからもう質問が出尽くしてはいるんでありますが、ひとつ、日本とアメリカとの普及率の違いというのもこれは先ほどから再三御指摘ありました。  この原因として、確かに英語と日本語の違い、つまり、アメリカのニュース専門番組なんかでは発言が完全に同時に文字になって出てくる、まさに速記の技術で文字化できるというようなことがあるわけで、それを見ますと、日本語というのはやっぱりちょっとハンディキャップがあるなということもよくわかるんですが、ともかく、私は、ニュース番組、ニュースの中でこの文字化、字幕化ということがどこまでできるかというのが非常に重要じゃないか。ドラマのようにあらかじめつくっておくもの、これはかなり字幕化ということはできる。しかし、ニュースみたいにリアルタイムのものでどこまでできるかということが一つ問われてくるんではないかと思うんです。  今、NHKの第三で「手話ニュース」というのがあって、これは大変な人気番組だということで、我々が見ていてもその手話の見事さというのを大変楽しませていただくと言ってはいけないんですが、評価をさせていただく番組なんです。ただ、やはりニュースということの本当の、何というか内容の濃さというものあるいは正確さというものを求めるためには、やはり手話では限界がある。どうしても字幕放送ということが求められるという感じがいたします。  そこで、この字幕放送化というものを、先ほども御指摘ありましたけれども、努力規定というのではなくて、やはり早く義務化していただくということが重要なんではないかと思うんです。そのときに、さっきちょっと三重野先生も触れられたんですが、アメリカでは一九九〇年にデコーダー回路法というのができた。つまり、テレビの受信機の中に文字放送を受けられるデコーダーを入れなければいけない、これが義務化されているんです。これによって、つまり字幕放送を受ける受信機のコストが非常に下がってくる。台数がふえますからそれが下がってくるということで、これが普及に拍車をかけたという面もあるんじゃないかと思うんですが、日本でもこういったテレビ受像機メーカーへ働きかけて、デコーダー組み込みの法制化、法制化までできるかどうかはともかく働きかけと、この辺についてはどういうふうにお考えになっていますか。
  189. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 先生指摘のように、例えばリアルでニュース等をやることは本当に理想的でありまして、日本でもこういうことをやりたいというふうに我々も思っております。  ただ、日本語の場合、漢字変換ということがありまして、技術開発を今やっておりますが、なかなかこれはすぐにはできそうにない。ただ、先ほど上田先生も御指摘になりましたように、かなり速く打って字が出てくるというのはできる状況になっておるんですが、やはり正確さという面からいくと弱いということでございます。  アメリカは、そういう意味で、アルファベットという非常に強みを持っておりまして、会議なんかでも全部そのままタイプで入れてしまったものを、それをテレビにかえればそのまま字幕が出てくる、これ非常に有利でございます。  それと同時に、先ほど先生指摘のように、二十六文字でできておりますから、文字変換のデコーダーといいますか、こういうチップも大体千円ぐらい、だからテレビに内蔵するのも大体千円ぐらい、まあ量産効果もあって今は値段が安くなっておるんですが、千円ぐらいだと。ところが、日本語ですと数千字は記憶させなければならない。ということで、現在のところ台数も少ないこともありますが、やっぱり二、三万円はかかる。そうするとアメリカに比べて受像機が一台につき大体二、三万高い。こういうことになりますと、これの義務づけとかということはなかなか難しい問題を抱えております。  すべて日本語というところがら来ている問題でありますので、将来、やはりこれから字幕放送をふやしていって、その中で、二万円するこのチップをできるだけ安価にして、せめて五千円ぐらいにして、受像機のほとんどにつけるということが望ましいというふうに思っております。  そういう意味で、放送事業者とメーカーが一緒になりまして、文字放送に関する普及の協議会というものをつくっておりまして、この協議会を通しまして、メーカーさんにはできるだけ文字変換のチップをつけたものを出してください、こういうことをお願いしております。ただ、番組がないとまたできませんので、今度のこの法律改正を機会に番組をふやしてもらって、そうすると受像機もふえるといういい効果が出て受像機が下がればということを期待しているところでございます。
  190. 水野誠一

    ○水野誠一君 アメリカではデコーダー内蔵型テレビが毎月百五十万台のペースで売られている、国内でもう三千万台が販売されているというような実績もありまして、やはりコストダウンのためには大いにこういった方策も必要ではないかというふうに思います。  放送番組審議機関の問題についても、もう既に皆さんからいろいろ御質問、御指摘があったところであります。  その中で、苦情処理機関番組審議会との関係というのももう既に質問がありました。この関係というのは大体今までの御答弁でわかったわけでありますが、確かにこの問い合わせ件数というのはNHKで五百万件を超えるというお話もございました。大変な数です。そのうちの一割が苦情だとしても五十万件が苦情だということで、これをどういうふうに番組制作に反映していくかということも大変難しい問題ではあると思うんですが、問題は先ほどから皆さんがおっしゃるように、苦情処理じゃなくてそのもとを改めていく、つまり放送の倫理ということ、ここに尽きるというのが恐らくきょうの皆さんの御指摘の中での結論ではないかというふうに思うわけです。  ただ一方では、言論の自由、表現の自由という権利があるわけでありますが、この表現の自由という美名のもとに無責任、無配慮な自由さが闊歩するということになってしまっては大変問題がある。自由な背後には義務があるということを考えなければいけない。そして特に、テレビ放送という大変強大な影響力を持つ、大変大きな権利がある、こういう自覚を持って、国があるいは法律が規制するというのではなく、放送事業者が自主規制をどこまでやっていけるか、ここにやはり問題のポイントがあるのではないかというふうに思うわけです。  これも先ほどから質問が幾つかあるんですが、放送法の中にある諮問という問題があります。つまり、番組審議会活性化を図るというときに、この諮問制度というものを活性化すべきじゃないかという問題があると思います。先ほども御質問ありましたが、平成七年、八年というのを見できますと、余り諮問数というのは多くない。ただ、諮問がなくても審議会ではいろいろな意見が述べられる、あるいはいろいろな審議ができるということではあるというふうにお答えもあったんですが、この諮問制度というものをもっと活用していくということ、これについては郵政省としてはどうお考えになっているか、伺わせていただきたいと思います。
  191. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 諮問事項でございますが、先ほども申し上げましたように、番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画を定めるとき、これを変更しようとするときは諮問しなければならない、これが諮問でありまして、今のところ法律諮問事項というのは限定されております。  ただ、ここのところの放送番組の編集に関する基本計画というものを、社によっては開局したときに決めたきり変えないというふうなことがあるわけです。それは各社の自由ですから、そういうふうにしているわけですが、この辺のところが本当にそれでいいんだろうかという疑問はございます。一方NHKは毎年毎年こういうことを諮問しているわけでありますから、こういうふうなところを放送事業者ができる限り柔軟に出すということが一つ諮問というものを使った活性化につながろうかというふうに思います。ただ、一応こういうふうな形で番組基準とかいうことがきちっと決まっておるものですから、その辺のところは各社の判断でやっておるということがある意味では番組審議機関活性化を阻害している面もあろうかという面はございます。
  192. 水野誠一

    ○水野誠一君 先ほどから放送番組、しかも例えばニュース、ワイドショーというようなものにおいて、本当に事実が真っすぐに事実として伝えられているかどうかという御指摘はいろいろありました。とりわけ今、山田先生からもニュースキャスターの資質というようなお話がありました。  これは本当に私もそれは痛感するんですが、某番組の人気キャスター、名前はあえて申しませんけれども、何か事実らしきことを言った後に首をかしげて、「本当ですかね」と、首をかしげる一言でその事実をすべて茶化してしまう。これはやはり、今政治不信という問題なんかに非常に大きな影響力を持つ。確かに放送の倫理からいけば、いや別に何も言っていません、事実を伝えているだけですということでありますけれども、その首をかしげる行為というものがどれだけ大きな影響力を持っているかということを私たちはやはりこれからも問題としていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思います。  そこで私は、次に視聴質ということについて伺いたいと思うんです。  私は、前にTBS問題が出てきたときに、視聴率競争ではなくして視聴質を競う、つまり質を競う時代に入らないとテレビというのは今の問題から抜け出られないんじゃないかということを言ったわけです。そう言いましたところが、この間の四月十九日の日経新聞に、テレビ東京とテレビ朝日が視聴の質も確かめる視聴質調査を開始したと書かれているので、ああこれはいよいよ始まったかと思って期待したんです。ところが、ちょっとこれは違うんです。  つまり、テレビ朝日ではインターネットを利用して視聴質調査、リサーチQというのを始めたということでありますが、この項目を見ますと、見ようと思って選んだか、番組の評価はどうか、あるいは集中して見たか、次回も見たいかというような質問であります。それから、とてもよかったとか、まあよかったとか、時間のむだだったということで、番組に対しての評価が出るというデータです。  確かに一つこれは前進ではあるんですが、本当に我々が問題としている番組の質というのは、逆に言うと視聴率には出てこない。つまり、番組を見ない、その番組を拒否している人たち、この人たちの無言の嫌悪であり無言の拒否であると。こういうものの質というのを見ていかなければいけないということだと思うんです。言ってみればネガティブリサーチということをやっていかなければいけない。  さほどにやはり今テレビの番組内容ということについて質が問われてきているということは、もうきょうの皆さんの質疑、質問の中でも明らかになってきているというふうに思います。本当に人権、プライバシーの問題、倫理観、こういうものがテレビからどんどん欠落していってしまっているということの中で、こういった質の問題ということについて、郵政省そして郵政大臣、どういうふうにお考えかということをお尋ねしたいと思います。
  193. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) まず、先ほどちょっと答弁で私間違えましたので、改めさせていただきます。  諮問の問題でありますが、法律では先ほど私申し上げましたのは必要的諮問事項でございまして、あと任意に諮問するという法律の条文がございます。任意に放送会社諮問事項をつくって諮問しようと思えばできるわけでありますが、これも事実上ほとんど使っていない、こういうことでありますので、この任意的諮問を使って活性化するという先生の御指摘であれば、それは非常に有意義なことであろうかと思います。  それから、視聴質の問題であります。  我々、視聴率は知っておったわけですが、視聴質というものは初めて伺ったわけでありまして、本来、率だけではなく、こういう質というものに放送事業者が関心を向けてきたということは非常に結構なことではないかと思います。詳しくまだ存じませんので、今後勉強してまいりたいというふうに思っております。
  194. 水野誠一

    ○水野誠一君 予定よりもちょっと早いんですが、私の質問はこれをもって終わらせていただきたいと思いますが、ともかく、今テレビ放送ということに対して非常に多くの問題が指摘されてきているということでありまして、これは行政がそれをどういうふうに指導していくかということも大変難しいことはよくわかっております。しかし、先ほどもクリントン大統領のコメントが保坂委員によって紹介をされましたけれども、今我々は勇気を持ってそういう問題にも取り組んでいかなければいけない。つまり、権利と義務ということを明確にとらえて、それを理解していくということの上でも、やはり今放送行政というものの中でのリーダーシップというものが問われているというふうに思っておりますので、ひとつそういう視点からも、今後もよろしく御指導をいただきたいというふうに思います。  終わります。
  195. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  197. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立君。
  198. 足立良平

    ○足立良平君 私は、ただいま可決されました放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、民主党・新緑風会、日本共産党、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     放送法及び有線テレビジョン放送法の一     部を改正する法律案に対する附帯決議     (案)  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。一、放送事業者番組編集の自由を最大限尊重  しつつ、放送倫理の確立・放送番組の適正向  上を通じて、放送に対する視聴者・国民の信  頼を確保するため、放送番組審議機関の機能  が十分発揮されるよう努めること。一、放送の有する社会的機能の重要性を認識  し、放送における情報格差の是正を図るため、  障害者や高齢者に対する字幕番組解説番組  が大幅かつ計画的に拡充されるよう、これら  番組普及促進のための財政・税制上の支援  の充実等総合的な施策を推進すること。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  199. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  200. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、堀之内郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀之内郵政大臣
  201. 堀之内久男

    国務大臣堀之内久男君) ただいま放送法及び有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。
  202. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 渕上貞雄

    委員長渕上貞雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十三分散会      —————・—————