○渡辺四郎君 では、少し内容を変えまして、公共
事業費の削減と
地方の単独事業について、あと十分ばかりしか時間がないわけですが。
自治省の
財政課長の内簡も出されて、単独事業をひとつ頑張れよと。確かに単独事業というのは
地方自治体にとっては一番、仕事もしたいし、地域の
住民のニーズにもこたえる仕事でありますから、やりたい。しかし、
財政課長は内簡を出して、頑張るようにというふうに督励をしても、なおかつ昨年と同額で、全体で、先ほど
お話がありましたように、
投資的経費の場合が三十一兆六百九十二億円ですか、前年比で四十億円ふえておりますけれども、これは全部直轄あるいは
補助事業であって単独事業は全くふえていない。だから、それがどういう原因で単独事業がふやせないのか。
それは今、
財政局長とやりとりしたような
財政事情があると思うんですけれども、そういう点をしっかりかみしめて、そして
財政課長の内簡で言うように、単独事業がどんどんやれるような
財政状況をどうつくっていくかということがなければ、なかなか私は難しいんじゃないかという気がするわけです。
そういう中で、これは単独事業との関係ということだけでなくて、
行財政改革の中での問題、全体的な問題としてあるわけですけれども、
地方分権の中で、先ほども言いましたけれども、国と
地方との行
財政の問題といいますか、特に先ほどから
お話がありましたように、税
財源の配分の問題をここらで本格的に
財政当局を含めてやっていかなければ、どんどん単独事業はしぼんでいくんじゃないか。
そういう私自身の心配ですけれども、心配をする点があるわけですから、これはもう言うまでもなく、今まで各
委員からもそれぞれ出されておりますが、そこら辺を、単独事業をどんどんやれるような
地方自治体の
財政状況をどうつくっていくかということを中心にぜひひとつお願いをしてみたいというふうに思うわけです。
そういう中で、先ほど谷川先生から人件費の削減問題等もたくさん出ましたが、きのうの日経新聞に「
地方もゼロ以下」ということで「一般
歳出伸び
地方もゼロ以下
政府・与党九八
年度目標 交付税
改革で誘導」、こういう見出しで、ちょっと読んでみますと「
政府・与党は全国二千三百の
地方自治体の
公債費を除いた政策的
経費(一般
歳出)
総額を九八
年度に、前
年度比で伸びゼロ以下に抑える目標を設ける。」、これはきょう橋本総理が「
地方歳出の
抑制と
地方交付税制度の
改革に取り組む
方針を示す。」というふうに新聞に出ておりました。いろいろ探って聞いてみましたけれども、与党内でもこういう話はまだ出されていないというふうな
お話でありました。こういう中で出てきますのは、
行政改革という中で特に目をつけるのが、何か定数を減らせばすぐにでも金が出てくるんじゃないかと。
ずっと調べてみました。例えば自治省もかなり労働団体との間にやりとりがあったわけですが、人件費関係のラスパイレス指数なんかを見てみますと、四十九年当時が一一〇以上が七百九十三団体あったわけですけれども、これは現在ゼロなんです。一一〇以上のラスを持っておるところはゼロになっておる。逆に、ラスパイレスの一〇〇以下が二千二百六十三団体、全体の六八・五%あるという
地方自治体の実態です。その職員の数だって、昭和五十六年の四月から
平成七年の四月まで見てみますと、特に増員で多かったのが病院関係が五万三千二百八十一人、その次は消防が二万四千八十七、警察が一万一千四百三、その他の安全、下水道関係が一万一千二百七十四名、こういうふうに、特にスクラップ・アンド・ビルドじゃなくて、非常に
住民のニーズが変わりてきておるものですから、そういう部分についてはずっとふやしていっておる。
ところが、一方では、一般事務等を含めて減員関係で特に大きいのが税務、労働、農林水産、一番大きいのが教育関係の一万八千百二十人です。あと、水道とか交通その他が減って五万八千七百四十七人減員になっておるわけです。トータル的に見ますと、
平成七年と六年と比べてみますと、全体で四千百六十名減っておるわけです。
ですから、先ほど言いましたように病院だけでも五万三千二百八十一人増員しなきゃいけないという
状況の中、あるいは警察職員とか消防職員とかいうのは
地方自治体が関係なくこっちの方で決めていくわけでしょう。そういう部分の増員要因があるわけですね。そういう中で、特に一般の行政部門というのは、先ほど言いますように五万八千、教職員も一万八千おりますけれども、それを除いた以外でも四万人を超す減員をしていっておるわけです。こういうリストラを再三自治体もやってきておる。そういう中で、なおかつ今みたいな
地方自治体の
財政状況だと。ここらをやっぱり十分頭に置く必要があるんじゃないか。
それから、いま一つは各省庁が、私もいろいろ各部会ごとにヒアリングをやりますが、例えば農林省なら農林省が十カ年計画、あるいは建設省が
道路を含めて十カ年計画を出すとか、厚生省は厚生省で十カ年計画を出す。少し言い過ぎかもしれませんが、これは
地方自治体が
財政とは関係なく事業量を組んでいくわけです。それに対しては必ず裏負担が要るわけです。そうしますと、そういうふうに縦割り行政の中で、中央省庁が例えば五カ年、十カ年計画を決めて、これは六百二十兆の公共投資とも関連するわけですが、そのうちに自治体関係も入ってはおりますけれども、そういう関係の部分で裏負担をどんどん出していくという
ことになりますと、先ほどから言いましたように、もう自主
財源の全く乏しい中で、
地方の
住民が今非常に求めておる単独事業を中心とした仕事はなかなかできないんじゃないか。
そういう点等を考えた場合に、これから先の
行財政改革問題についても、先ほどから言いますように、最大限自治体は今取り組んできておる、リストラもやってきておる。私らも一緒にやってきましたけれども、スクラップ・アンド・ビルドで、その中でシフトがえをやっていきながらビルドの部分にどう職員を向けていくかというようなことで実は対応してきたわけです。
そういうこと等を含めて、これから後の
行財政改革を進めなきゃならないわけですから、特に各省庁の関係の事業の部分について自治省も十分配慮しながら、場合によっては物を言う。一方的に決めてもらっちゃ困るわけですから、
地方財政との関連を十分検討してもらって事業計画を立ててもらう、あるいは警察にしろ、高等学校の
職員数にしろ、そういう部分だって十分自治省の方と協議をしていただいて、もちろん消防もありますし、
財政問題とあわせてひとつ検討してもらう、こういうことをぜひひとつお願いしておきたいと思うんです。
そういう点で、これは次官から、大臣があれば大臣からお聞きをしたがったわけですけれども、またの機会があると思いますから、あすにでもまた再度大臣の方にもお聞きをしてみたいと思う。次官、何か感触があればひとつお聞きをしたいと思うんです。