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1997-03-17 第140回国会 参議院 商工委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年三月十七日(月曜日)    午前十時開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         木宮 和彦君     理 事                 沓掛 哲男君                 吉村剛太郎君                 片上 公人君                 前川 忠夫君     委 員                 大木  浩君                 倉田 寛之君                 斎藤 文夫君                 中曽根弘文君                 林  芳正君                 平田 耕一君                 加藤 修一君                 平田 健二君                 梶原 敬義君                 竹村 泰子君                 藁科 滿治君                 山下 芳生君    国務大臣        通商産業大臣   佐藤 信二君    政府委員        通商産業大臣官        房商務流通審議        官        今野 秀洋君        通商産業大臣官        房審議官     安達 俊雄君        通商産業省貿易        局長       伊佐山建志君        通商産業省産業        政策局長     渡辺  修君        通商産業省機械        情報産業局長   中川 勝弘君        通商産業省生活        産業局長     村田 成二君        工業技術院長   佐藤 壮郎君        資源エネルギー        庁長官      江崎  格君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        谷口 富裕君        資源エネルギー        庁公益事業部長  岡本  巖君    事務局側        常任委員会専門        員        里田 武臣君    説明員        海上保安庁警備        救難部海上防災        課長       坂場 正保君        消防庁危険物規        制課長      小林 恭一君     —————————————   本日の会議に付した案件民間活動に係る規制改善及び行政事務合理  化のための通商産業省関係法律の一部を改正す  る等の法律案内閣提出) ○工業標準化法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 平田耕一

    平田耕一君 提出されました法案の多少疑問に思う点を率直にお尋ねしてまいりたいというふうに思います。会議録第四  この法律案関係資料の要綱の第二、特定工場における公害防止組織整備に関する法律の一部改正ということで、ほかの同じような内容のものにつきましては相続または合併事業承継に加えて事業の全部譲渡というのが入っておるんですが、この特定工場については事業の全部譲渡が含まれていない案になっておりますので、それはどういう理由なのか、お教えをいただきたいというふうに思います。
  4. 安達俊雄

    政府委員安達俊雄君) 二点お話し申し上げたいと思います。  一点目は、相続合併という場合に比べまして全部譲渡ということになりますと、旧経営者のその後の影響力というのは全くなくなります。そういった面で、相続合併に比べまして承継性が弱いという全体的状況がございます。そういった中で、特に公共の安全に許可基準が置かれているような第三者との関係と安全の関係で、特に影響度を慎重に考える必要があるというものにつきましては、今回の規制緩和の個別の案件の検討に当たりました。そういったものにつきましては慎重な取り扱いを行うということにさせていただいたものでございます。  先生指摘公害防止組織整備に関する法律でございますけれども、これにつきましても、施設等の物理的な要素が移転する、これは自動的に移転するであろうということでありますが、管理体制等についてはもう一度チェックする必要があろうということで対象外とさせていただいたものでございます。
  5. 平田耕一

    平田耕一君 ありがとうございます。  続きまして、第三の高圧ガス保安法の一部改正は、同じような内容かもわかりませんが、念のためにお尋ねをいたします。  これは、第二種製造者事業承継の案文でございますけれども、それの中には事業承継が入っておる。第一種製造者承継には事業全部譲渡が含まれていない条文になって、その訂正が出ておりませんが、これについてもお答えをいただきたいというふうに思います。
  6. 安達俊雄

    政府委員安達俊雄君) 第一種と第二種の違いでございますけれども、第一種はより大規模製造者ということでございます。高圧ガス製造者というのは、充てんを行うということも製造に入るわけでございますが、この第一種というのはより大きな製造者、例えばイメージとして見ていただければいいと思いますのは、コンビナートのオフガスでLPガスをつくる、こういったものがイメージとしてございます。  こういった第一種につきましては、特に安全面で、場合によって、事故によって大きな影響が出るということもございますので、第二種の届け出と違いまして第一種製造者許可につきましては、これについても慎重を期して、当然に承継するということにはしないことにしたものでございます。
  7. 平田耕一

    平田耕一君 ありがとうございます。  そういう理由で第四、液化石油ガス保安確保及び取引の適正化に関する法律の一部改正も、そのようなことで全部譲渡を入れるんだろうというふうに思っています。  続きまして第五、航空機製造事業法の一部改正についても同じことをお尋ねいたしますけれども、これは許可事業者届け出事業者とも事業の全部譲渡を含むということになっております。  そういう観点でいきますと、航空機製造事業法の中の第二章の第二条の五に、通商産業大臣は、申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならないのその二項に、「通商産業大臣は、武器を装備し、又はとう載する構造を有する航空機製造又は修理事業について第二条の二の許可をするときは、あらかじめ、防衛庁長官意見をきかなければならない。」ということについて、より慎重さを、あるいはまた防衛庁からの意見も聴取する必要があるということをうたっておるわけであります。  それにつきまして、私はこの部分を勘案して、事業の全部譲渡を含めるというのはかなり難しいことじゃないかなと思って非常に不安に思いますので、これはなぜ事業譲渡が含まれてもいいものなのかどうか、御見解お尋ねしたいというふうに思います。
  8. 中川勝弘

    政府委員中川勝弘君) 航空機製造事業法でございますが、この目的は、民間航空機それから防衛用航空機を含めまして航空機事業事業調整を行うということが主目的になっておりまして、あわせまして製造あるいは修理についての技術の向上を図るということを目的にいたしております。  御指摘事業の全部譲渡につきまして、今回、相続とそれから合併の場合と同様に事業の自動的な承継を認めるということにしたわけでございますが、この自動的な承継の際には、当然のことでございますけれども事業承継についての届け出を出すことが必要になっておりまして、その届け出を私ども受けました上で、許可基準に適合しているかしていないかということを再び審査いたしまして、問題がある場合には許可取り消しが可能という法制になっておるところでございます。  したがいまして、今回、手続簡素化ということで、承継手続を少し全部譲渡の場合にもふやしますけれども法律運用は慎重に行ってまいりたいと思います。
  9. 平田耕一

    平田耕一君 その二点、一点は、まず最初に、先ほど特定工場における公害防止組織整備に関する法律高圧ガス保安法の一部改正等で御説明いただきましたように、その事業譲渡承継につきましては、旧経営者意向が、影響がなくなるということで、より慎重に取り扱うという姿勢を明確にこの提案の中でしておられるわけであります。  それについて、私は武器を搭載する航空機製造についてはもっともっと慎重でもいいんじゃないかなという気がいたしておりますので、それに対するその大規模あるいは大きなコンビナート工場を認めるよりももっと簡易なことなんだということがあればもう一度お答えをいただきたいのと、それから、届け出でもって後で許可取り消しできるということについては、先ほど申し上げました二条の五の「あらかじめ、防衛庁長官意見をきかなければならない。」という法律がこれ厳としてあるわけでありますけれども、これと、運用面で後で厳として、厳に運用していきますということと全然比重が違いますので、これは法律的に矛盾がないのかどうか、ひとつもう一度お答えをいただきたいというふうに思います。
  10. 中川勝弘

    政府委員中川勝弘君) まず実態から申し上げますと、航空機製造事業法製造事業許可を現在受けておりますのは四十一社ございます。これは製造だけではございませんで、修理をやっている業者も入りますので四十一社ということでございますが、総じて大企業あるいはその子会社ということになっておりまして、事業経営基盤はかなりしっかりしたものが実態として要るわけでございます。  それで、先ほどお尋ね防衛庁長官意見をあらかじめ聞かなきゃならないということでございますが、これは、旧経営者事業許可いたしますときに、防衛庁長官意見を聞いた上で許可をいたしておるわけでございますが、その許可をしたもの全体が全部譲渡ということで引き継がれるわけでございますから、一応防衛庁長官の御意見は伺った上で承継をされるということでございます。したがいまして、その承継をされた新事業者が、許可条件どおりあるいは防衛庁長官意見を聞いた判断として違うことをやっておる場合には、これは許可取り消しをしなきゃならぬということになろうかと思います。
  11. 平田耕一

    平田耕一君 そこで、ちょっと事前にお話をお聞きいたしました事業の全部譲渡ということの定義はお送りいただいておりますけれども事業の全部譲渡は、やっぱり旧経営影響がなくなるということを明確に今ほかの部局でおっしゃっているわけでございますので、改めての申請というのは、絶対にこの部分は必要だと思うし、それから、今御答弁なさったことはかなり法律的には無理があるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
  12. 中川勝弘

    政府委員中川勝弘君) これは製造事業許可をいたします場合の許可基準でございますけれども、この事業の用に供します特定の設備が生産技術上の基準に合っているかどうか、あるいは許可することによって航空機製造能力が著しく過大にならないかどうか、また事業遂行のための経営的基礎があるかないかというようなことを実は判断いたす次第でございます。したがいまして、その判断が一度なされました事業につきまして事業の全部譲渡ということが行われます場合には、その許可を受けた実態が全体として承継をされるということが前提になっております。  万一、新しい事業者によりましてそういう許可基準を満たさないようなことが現に生じます場合には届け出を受けまして、私どもはその許可基準に照らしまして再度判断をいたしまして取り消しをするということにしたわけでございます。
  13. 平田耕一

    平田耕一君 これは武器ですから、取り扱いを慎重にするべきだというふうに思っています。  それで、私、一貫してこれをきょうお尋ねをしたいその考え方は、規制緩和とか行政事務合理化、行革というのは、私は現実経済構造を大きく変えていくようなインパクトのあるものにできるだけしてもらいたい、実効として経済効果が上がるものにしてもらいたいということであります。  確かに、こういう事務改善も大事でありますけれども、特に航空機武器を搭載する部分につきましては、需要というのはほとんど一〇〇%国内においてはもう防衛庁に限られるわけであります。その部分について、おっしゃられた四十一社というのは大変クローズ業界になっているわけでありますので、これは私はクローズにしておく必要があるだろうというふうにも思いますけれども、よりその部分については事務はむしろ毅然として、規制を緩和するよりももっと規制をして、事務手続が煩雑になろうがそれは構わない、より安全を期する、むしろ高圧ガス保安法特定工場事業場のことを配慮なさるよりもはるかに懸念を持って配慮が要る部分ではないかなというふうに思っておりますが、今の質疑を概略お聞きいただいて、大臣所見をお伺いいたしたいというふうに思います。
  14. 中川勝弘

    政府委員中川勝弘君) 先生のおっしゃるように、この法律目的公共の安全を確保しなきゃならないようなケースにつきましては、事務手続簡素化を注意深く行わなきゃならないというのはおっしゃるとおりだと思います。ただ、一方で事業者に対しまして不必要な手続簡素化をいたしますという規制緩和の基本的な考え方は、これを満たしていかなきゃならないという要請もございます。  この航空機製造事業法の本来の目的は、公共の安全を確保するということよりは、先ほど申し上げましたように、航空機製造修理等につきましての事業活動調整といういわば経済的な規制中心とした法律になっております。防衛庁意見を聞かなければならないケースにつきましては、特に技術上の基準武器を装備しあるいは搭載する構造等について特に専門家としての意見を聞かなきゃならないということになっております。  そういう意味では、公共安全確保ということが前面に出た規制というよりは、むしろプラスアルファでこういったことについての規制が行われているということでございますので、私どもとしては規制緩和手続簡素化いたしまして、全部承継の場合も後で届け出がございますので、その届け出を見た上で問題があります場合にはこの許可取り消し、あるいはそのほか立入検査あるいは報告徴収という規定も入っておりますので、これらの規定を活用して万全を期したいと思います。
  15. 平田耕一

    平田耕一君 くどいようですけれども、じゃ振り返りまして、先ほど第二、第三の項につきまして御質問申し上げました。そこで事業全部譲渡が入っていない理由を述べていただきましたが、再度御返答をいただきたいというふうに思いますけれども、なぜ事業譲渡が入っていないのか。
  16. 安達俊雄

    政府委員安達俊雄君) 今回の規制緩和の中で、通産省として公共の安全というような観点許可基準に入っているかどうか、公共の安全の維持というような切り口があるかどうかということで、特に高圧ガス保安法あるいは公害防止組織法につきましては、そういった視点から慎重を期する必要があるというふうに判断したものでございます。
  17. 平田耕一

    平田耕一君 そのようにお伺いして、次に行きたいと思います。  第六でございます。武器等製造法の一部改正でございます。  これも、事業の全部譲渡の場合もその地位を承継するということをあえてここで規制緩和行政改革の一環として手続申請を提案なさっておられるわけでありますけれども、これは本当に、ついでにやっておくというのはそんなようなことなのかなというふうに思いますけれども武器だからもっと慎重でもいいんじゃないかなというような気がしますが、これについても御所見をお伺いしたいと思います。
  18. 中川勝弘

    政府委員中川勝弘君) 武器等製造法という法律がございます。この主たる目的は、武器製造事業調整といういわば経済的な目的でございまして、このために、法律体系事業許可制中心とした武器製造メーカーに対する規制となっているところでございます。そうした体系の中で、あわせて武器製造事業者における武器の厳正な保管等確保することを目的としております。  まず、本法に基づく許可を受けた製造メーカー実態でございますが、現在のところ、許可事業者は三十四社でございまして、その多くはいわば大手企業でございます。また、製造されました製品需要者も、当然のことでございますが防衛庁あるいは警察庁等の官公庁のみということになっておりまして、製品はすべてメーカーからこうした需要先に直接納入されているところでございます。したがいまして、その意味では製造メーカー実態を詳細に把握することは、ほかの事業に比べまして比較的容易な状況となっているところでございます。  今回の改正案におきまして、許可事業者事業の全部を譲渡いたしました場合に、相続合併があった場合と実質的には同じと考えられますことから、手続簡素化ということで自動的な事業承継を認めたところでございます。  ただ、武器でございますから御懸念の点もあろうかと思いますので、相続合併の場合と同様、全部譲渡があった場合に遅滞なく届け出をさせることになっておりまして、その届け出を受けまして、私ども許可基準に照らして万一問題がある場合には許可取り消しが可能となっておりますので、そういう運用をしたいと思っておりますし、また業界実態を申し上げましたように、限られた数の、しかも大手企業がベースになっておりますので、御懸念のような事態は現実には生ずることの可能性は少ないと思われますけれども報告徴収規定あるいは立入検査等権限規定を活用いたしまして、許可をしました製造事業者実態を把握するとともに、万一の場合に許可取り消しということも含めて法律の厳正な運用に万全を期してまいりたいと思います。
  19. 平田耕一

    平田耕一君 この問題はここでおきますが、先ほどお尋ねをいたしました特定工場公害防止高圧ガス保安法等はその部局で、私は大手で大規模工場ほどその安全に意を払って事業承継を含めないという形の意向をはっきりお伺いをして、なおかつ武器搭載航空機も含めた航空機製造武器製造大変市場も限られておるにもかかわらず、これは事業承継、明確にそれは違うわけであります。旧経営者影響がなくなるということで、明確に相続合併とは違うわけですけれども、そのことについてはこれを含めるという御見解が、私は、これはこれで当局が御主張なさるならそれも正しいんだろうというふうに思います。後の運用を期待いたしますけれども、立法としては非常に妙なバランスで立案をされておるということをあえて、参議院先議でございますので、ここで指摘をさせていただいておきたいというふうに思います。  それから第八でございますけれどもエネルギー使用合理化に関する法律の一部改正でございますけれども、これは非常に軽微な法律改正でありまして、実際には余り実態は変わらないんじゃないかな、何のための改正なのかなというふうな気もいたしますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  20. 江崎格

    政府委員江崎格君) 現在の省エネ法によりますと、エネルギー管理者を選任した場合あるいは解任した場合に、その都度三十日以内に届け出るということになっているわけでございますけれども、今回の改正はこれを年に一回まとめて、その年度を越えた次の年の五月に一回まとめてこれを報告するということにしたわけでございます。実はこの選任、解任の届け出というのは現在年間千件を上回っている、割に回数があるものですから、年間に何回かあったものをまとめて次の年の五月に報告すればいいということで、事業者負担軽減になるというふうに私どもは思っております。
  21. 平田耕一

    平田耕一君 この法律は、エネルギー合理化したい、消費量を減らしたいということでつくっておられて、特に大規模消費をする工場指定工場にして管理監督をしていくという目的であろうというふうに思いますけれども、その指定工場での使用燃料削減度合いといいますか、どんな大きな流れでこのようになってきておるということがあれば、大きな数字だけでも結構でございますので、お教えいただきたいというふうに思います。
  22. 江崎格

    政府委員江崎格君) このエネルギー管理指定工場というのは現在大体三千五百ぐらい指定されておりまして、工場使用されますエネルギーの大体七割ぐらいを占めておるわけでございますけれども、こうした産業界エネルギー消費というのは、委員承知のように、二度のオイルショックの後非常に各企業が努力をされまして、オイルショック直後に比べまして八〇年代の前半ぐらいの大体三割から三割五分ぐらい改善をしたわけでございますが、ところが、その後はエネルギー価格の低位安定というようなこともございまして、それから緩やかな景気回復とかいろんなことがございまして、その改善度合いはとまっているといいますか、むしろこの一、二年を見ますと少し悪化傾向である、こういう状況でございます。
  23. 平田耕一

    平田耕一君 申し上げたいことは、指定する三千五百の工場というのはほとんど自主的にエネルギーをどんどん合理化していける能力のある、あるいは人材のそろっておる工場であろうというふうに思っています。  これも大事なことでありますけれども、大変この熱管理士の免許を受ける人材というのはかなり優秀な人間でありますし、そういう人材をそろえていかなきゃならない、試験も受けなきゃならない、登録しなきゃならないというのは、大変作業が難しい部分で、負担にもなる部分でございます。しかし、本当に燃料合理化していくというのは、むしろそういう技術者よりも経営感覚でもって燃料を削減していくというのはやらなきゃならぬ、競争上やらなきゃならぬことでございますので、私はある程度ほっといても燃料使用量というのは減っていくだろうと。  それで、今おっしゃった燃料消費の推移というのはほとんど燃料価格にリンクしているんじゃないかなというふうに思うので、本当の行政改革というか規制緩和というのは、こういうものを抜本的になくしちゃう、そして、もっと大枠で企業負担にならないようなエネルギー使用合理化に関して有効な法律をつくっていくという方がいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、お含みおきいただきたいというふうに思います。  第九、採石法の一部改正でございますけれども、ちょっと私も不勉強でありますけれども、これも事業の全部譲渡を含めて承継させようということでありまして、一つの事務軽減になると思いますけれども採石権採石事業の認可というのがあるわけであります。  採石権規定している中に、採石法の十六条の四項に「通商産業局長は、左に掲げる場合でなければ、採石権を譲り渡すべき旨を定める決定をしてはならない。」という条項があるわけであります。そして、事業譲渡は、先ほどから議論をさせていただいておりますように、全くその事業譲湾を受ける側じゃなくて、する側の意思でもって経営主体が変わり得るということでもって、これも同じように法律的にこれで大丈夫なのかどうか、念を押してお聞きをしたいと思います。
  24. 江崎格

    政府委員江崎格君) 委員承知のように、採石業を営もうとする場合に、必ずしも採石権というものを持っていなくても、例えば土地所有権を持っていてもできますし、それから土地所有者との契約によっても採石業をする根拠はできるわけです。もちろん採石権を設定する場合もできるわけで、その三つのどれかの根拠がある場合に、採石業を営もうとする場合に知事に採石業を営みたいということを登録するわけでございます。  そういう形になっているわけでございますけれども、今回のこの規制緩和との関係で申し上げますと、採石権というのは今申し上げましたように土地所有者などの承諾がなしに譲渡されることにはならないわけですけれども採石権に基づかないで事業を営んでいる採石業者にとりましては、今回の承継規定によりまして負担軽減になるというふうに思っております。  それから蛇足かもしれませんが、この十六条の四項の採石権の譲り渡しの規定でございますが、これは採石権を持っていながらそれを活用しないで眠っているという場合に、国民経済的な観点から、有効活用してもらおうということでこういう規定が設けられているというふうに理解をしております。
  25. 平田耕一

    平田耕一君 そうしますと、今回の採石法改正は、この採石権を持っている場合にはその移動はできない、適用しないという解釈でよろしゅうございますか。
  26. 江崎格

    政府委員江崎格君) 採石権をその土地の所有者が承諾しないとそれを譲り渡しができないという点では従来と変わりございません。
  27. 平田耕一

    平田耕一君 わかりました。次に行かせていただきます。  第十一、電気事業法の一部改正ですが、事業開始が許可を受けた日から八年を十年にという提案でございますが、簡単に理由をお教えいただきたいというふうに思います。
  28. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 電気事業法の第七条一項で、電気事業は公益事業でございますので、事業許可を受けた場合には速やかに事業を開始するということが期待されていまして、そのことが理由なく延びた場合には電気の使用者が不利益をこうむるという面もございますので、それから公益特権の上に眠るのは適当でないという観点から、この期間を設定しているわけでございます。  今回の改正は、近年の発電所の立地環境の変化ということを勘案してのものでございますが、特に港湾計画に基づく港湾のしゅんせつ、整備、そういうものが行われるようなケースにおいて、事業許可から事業開始までの間に十年ぐらいかかるというものが現に出てまいっている、そういう状況を勘案して、八年を十年に延長するものでございます。
  29. 平田耕一

    平田耕一君 ありがとうございます。  その同じく四でございますが、事業用電気工作物を設置する者についての承継がやっぱり事業の全部譲渡は含まれないわけなんですけれども、それはなぜなのか教えていただきたいというふうに思います。
  30. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 電気工作物の設置をした者についての事業の全部譲渡の場合の考え方でございますが、施設そのものは譲渡されるわけでございますが、私ども、電気工作物の保安観点からは、保安規定でありますとか主任技術者でありますとか、そういったソフトの面も当然に事業の全部譲渡に伴って移転されるものでは必ずしもないという観点から、電気工作物設置者に関しては、事業の全部譲渡があった場合においてもそういった保安面からのソフトのチェックは別途する必要があるという観点から、今回外したところでございます。
  31. 平田耕一

    平田耕一君 わかりました。次に行きます。  第十二でございますが、熱供給事業法で、導管の使用前検査を省こうということでありますけれども、これはちょっとさっき考えておったんですけれども、導管の使用前検査を工程ごとにやらずして、でき上がってからどうやって工程検査をするのかなというふうに大変疑問に思うんですが、ちょっと簡単に工程ごとの検査を廃止した場合の検査について御説明いただければありがたいと思います。
  32. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 今、熱供給事業につきまして、工程段階途中での検査もやっているわけでございますが、最近、大変溶接の技術が向上してまいりまして、工程中検査において不合格となるケースというのが著しく低減してまいっておるという事情、それから二つ目に、最終の検査、いわゆる使用前検査の段階で現在工程中検査でやっております項目も、エックス線フィルムでありますとかミルシートの確認でありますとか現場写真の確認とか、そういったことによって現在工程中検査でチェックしている項目も確認することができるようになってきているという事情が二つ目でございます。  それから三つ目に、これまでの保安の実績を見ましても、大変熱供給の導管回りの保安の実績というのは良好なものとなっておりますので、以上申しましたような事情を勘案して、今回工程中検査は省略をして、使用前の検査のときに全部一括して確認をするということにいたした次第でございます。
  33. 平田耕一

    平田耕一君 そうお伺いをいたしておきます。  十三でございます。これも先ほどの議論に戻りますけれども、電気用品取締法の一部改正で、甲種には既に事業承継で全部譲渡の場合も入った法律になっておるわけです。それから、乙種について今まで承継が入ってなかったわけです。その辺の流れの解説を簡単にお願い申し上げたいと思います。
  34. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 乙種の電気用品の製造事業者と申しますのは、例えばテレビでありますとかビデオでありますとか、そういった家電製品製造事業を行う者でございますが、電取法上、届け出をするということになっておりますが、確認行為でございますので、私どもほかの法令との横並びも勘案しながら事業の全部譲渡の場合に改めて届け出をしていただくという必要はなくて、承継があったという扱いにして差し支えないというふうに判断をしたものでございます。
  35. 平田耕一

    平田耕一君 ありがとうございます。  この承継部分については、本当にくどいんですけれども、横並びとおっしゃる割にはそれぞれ強弱をつけておられるんですね。そして、一番肝心なところでどうも強になっているような気がしておりまして、何とか強が弱にならぬものかなという希望を持っておりますが、事ここに来ておりますのでこれ以上申し上げませんけれども、ぜひひとつ御勘案をいただきたいなというふうに強く希望を申し上げます。  それから、先ほど規制緩和ということにつきまして一貫した考え方を持っておるというふうに申し上げたんですけれども、昨年、私が議席をいただいて間もなくだったと思いますけれども、三月ぐらいでしたか、造船協定関係の外国船舶の不当廉売についての法律に突然国会で出くわしたわけであります。与党でありますので起立をしましたけれども、運輸かなということでございますが、中には通産大臣の所管事項も入っておるわけでございますので、あれはやっぱり一つの大きな規制になり得る可能性もあるわけでありますので、その辺、新しい法律でございますので、あえて商工委員会の場でその後の経緯等、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
  36. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 委員指摘のように、造船協定の国内実施法でございます外国船舶製造事業者による船舶の不当廉価建造契約の防止に関する法律が昨年の六月国会を通過、公布されたところでございます。  その施行の時期は造船協定の発効と同時、具体的には協定に参加しております五カ国、EU、日本、韓国、ノルウェー及び米国でございますが、この五カ国がすべて協定を批准した後三十日ということになっております。各国の情勢につきましては、米国以外の四カ国につきましてはすべて批准をいたしておりますが、アメリカの方でまだ批准いたしていないということでございますので、せっかくおつくりいただきました国内実施法が施行されてない状況になっております。
  37. 平田耕一

    平田耕一君 ありがとうございます。  細かいことは、大体自分の疑問点はお尋ねをいたしました。  そこで最後に、これは規制緩和推進のための一括した提案であるというふうに標榜してお出しをいただいたわけでありますけれども、これで経済構造改革というものにどれだけ資することができるのかなというと、まだまだ軽微であって、もっと大きな規制緩和、実際に仕事の内容が変わっていくような、あるいは新しい分野にどんどん入っていけるような規制緩和というものがなかなか少ないように思っております。  ぜひその辺をお進めいただきたいわけでございますけれども、そういった規制緩和そして行政改革等に関連いたしまして、最後に大臣の御所見、御見解を賜りたいというふうに思います。
  38. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) 平田委員お答えいたしますが、今御指摘のように、今回の一括法というのは行政改革に資するということとそれから新規産業の創出や高コスト構造の是正という観点からも、今御指摘経済構造改革を進めるという上に大変重要な課題であることは言うまでもございません。  特に、やはりきょうも御議論がございましたように、新規産業の創出、高コスト構造の是正ということで、そしてやはり民間事業者の創意あふるる事業活動の促進によるということ、これに大変力点を置いているわけでございます。こういうことで、当省としてはこの規制緩和に積極的に取り組むことによって、昨年十二月に閣議決定いたしました「経済構造の変革と創造のためのプログラム」というものに資するものだと、こういうように考えております。  しかし、行政の簡素化ということと同時に、やはりそうした力点から考えた場合にもこれからも不断の努力をいたしましてやっていきたいと思いますし、また蛇足ではございますが、きょうの御提案以外にも、今国会においてこれから御審議いただける工業標準化法の一部を改正する法律案、これもやはり規制緩和の措置を講ずるものだと、かように私たちの方は思っております。  そういうことで、今申したように今回の法律案提出だけではなく、所管の規制に関しては見直しを今後とも続けていくということをお約束するわけでございます。
  39. 平田耕一

    平田耕一君 以上で終わります。ありがとうございました。
  40. 平田健二

    平田健二君 平成会の平田健二でございます。  まず、直接法案とは関係ございませんが、動燃の事故問題について触れさせていただきたいと思います。  十一日に発生した動燃の事故ですけれども、この動燃と同じようにアスファルト固化装置における廃棄物処理をしておる日本の国内にあります原子力発電所、どの、幾つの発電所がそういったことを採用しておるのか、企業別、会社別、都道府県別に教えていただきたいと思います。
  41. 江崎格

    政府委員江崎格君) 我が国にございます原子力発電所のうちにアスファルトの固化装置を使用しているものというのは全部で五つの電力会社、八発電所がございます。  順に申し上げますと、北海道電力の泊発電所、それから日本原子力発電株式会社の敦賀発電所、それから関西電力の美浜発電所、高浜発電所、大飯発電所、いずれも福井県でございます。それから四国電力の伊方原子力発電所、それから九州電力が玄海原子力発電所と川内原子力発電所のニカ所でございます。以上でございます。  ただ、今度事故がありました動燃のタイプとは、いずれも同じアスファルト固化装置ではございますけれども、タイプが異なっております。
  42. 平田健二

    平田健二君 通産大臣は、十四日の夕刊にも動燃の対応について批判をされておりますし、また十五日にも、午前中にお忙しい中、現地へ視察されておるようでございますが、今回の動燃の事故についてどのような感想をお持ちなのか。  それから、実際に稼働しておる原子力発電所は通産省の所管でございますので、今回こういったような原発の事故をどうもやはり隠そう隠そうという嫌いがある。ですから、隠せば隠すほどやはり国民は不安になるということでございます。通産省もすぐそれぞれの発電所に、電力会社に十分通報とかそういったものについてはしっかりするようにというような指示をしておるようでございますけれども、こういったことについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
  43. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) 今、平田委員指摘のように、十一日に動燃のアスファルト固化装置、こうした事故の報を聞きまして、直ちに十二日に電力会社十社に対して原子力発電所、これの固体廃棄物処理施設及びこうしたトラブルにおける通報連絡、これを再点検するようにと。私自身、一番関心がありましたのは、動燃と同じような施設を今の電力会社が保有しているかどうか、どういうふうな運営をしているのか、こういうことでございます。  その結果は、一部報道されておりますが、十四日の日にそれの報告が早速ございまして、自分たちの方は固体廃棄物処理施設における火災等の事故防止措置及びトラブル時の通報連絡体制というものには問題がない、かような回答を実は得ました。  御存じのように、確かに今の説明のように十電力会社の方でもそうした施設で処理をしているということでございますが、基本的というか動燃事業団の固化装置というものとは若干違うということ。その一つの例は、処理廃液が異なるということ、また使用しているアスファルトの引火点が高くて燃えにくい、こういうふうな特徴を有している、かように聞いたわけでございます。  しかし、いずれにしても、今回の事故の調査状況、これを実は注視しながら、今後とも原子力発電所の安全確保ということに万全を期してまいりたい、かように考えております。
  44. 平田健二

    平田健二君 今回の事故につきましては、事故そのものはそう大きな事故ではないというふうに報道されておりますが、実際にはそうじゃないんですね。  一番の終末処理、動燃の場合には、聞くところによると下請の方が処理をされている部分だと、アスファルト固化装置を使って廃棄する。原子力発電所全体から見たら一番末端の、本当に行政の中あるいは原子力発電所の中ではほとんど気がつかない部分だというところでこういう事故が起こっておるわけです。炉心の部分で事故が起こればそれは大変なことですけれども、そうじゃなくて、本当にふだんは気がつかないようなところでこういう事故が起こっておる。ということは、やはり安全性に対する疑問というのが国民の中にかなり根強く残ったと思います。ですから、これは動燃ですけれども、これが稼働中の原発で起これば大変なことになりますので、ぜひひとつ通産省の方も電力会社に強力な指導をしていただきたいなと要望しておきたいと思います。  次に、本論に入りまして、規制緩和につきましては平成七年三月の規制緩和推進計画以来、一連の規制緩和の流れの中にあるわけですけれども、そこで具体的にお尋ねいたしますが、通産省関係規制は平成七年三月に幾つあったのか、そして現在まで幾つ減ったのか、お教えいただきたいと思います。
  45. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 私どもの所管しております許認可等、これは総務庁が調査いたしておりますが、それと同じベースで集計いたしましたところ、平成八年三月現在で千七百七十六件ございます。
  46. 平田健二

    平田健二君 平成七年三月から一年間でどのくらい減ったんですか。
  47. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 平成七年三月現在では千七百八十件でございますので、四件減ったということになります。
  48. 平田健二

    平田健二君 通産大臣、今お聞きのとおり一年間で四件ということでございまして、規制緩和全体の進捗状況から見ますと非常に少ない。こういったことを踏まえて、大臣に言いただきたいんですが、どのように評価されていますか、通産省として。
  49. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) 確かに数の上では少ないということがございます。しかし、御存じのように今までの規制を外して届け出、こういうふうに実は切りかえましたところで新たなものも生まれてくる、こういうことでございます。しかし、今の御指摘の点はよくわかりますが、そういうこともございまして今回の法律をお願いしている、かように御理解いただきたいと思うわけでございます。  先ほど申したように、やはり規制緩和というのは繰り返し繰り返しというか、時代の進展に対応して不断の見直しをして、その時代時代に合うように、そしてまた時代によって新しい産業というもの、こういうものが生まれてくるわけですからそれを助けていく、こういうことが必要だろう、かように考えております。
  50. 平田健二

    平田健二君 今回、出されました改正法案は全部で十六ですけれども、今回の内容を私に言わせていただきますと、イメージとしては今さらというようなものばかり出ておるようでして、内容的にも総務庁で取りまとめて指摘されたものばかりだというふうに思います。  昨年三月に決定した規制緩和推進計画で、平成八年度中に通産省の省令の見直しを行うとされたものが八十前後あるようですが、多分きょう現在処理されていないというふうに思います。残りあと二週間程度ですが、どうでしょうか、本気であと二週間でやれますか。お尋ねします。
  51. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 先ほど、私どもの総務庁ベースでの許認可等の件数、千七百余件であるということを申し上げましたが、その内容を見ますと、いわゆる需給調整観点から行われているような参入規制でありますとか、あるいは設備規制、輸入規制、価格規制といったようなものが比較的に少のうございます。  通産省の行政は非常に幅広い分野を対象といたしておりまして、中小企業の助成等といったようなものの中にも実は手続的に一定の要件を付して助成を受けていただくというようなそういうものもございます。あるいは消費者保護の観点から、取引ルールを設定せざるを得ないというようなケースもございます。あるいはまた保安の面、環境保全という観点から、むしろ国民のニーズ、それに合わせた形での規制をしなきゃいけないというようなこともありますので、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、私どもとしては不断に実態を十分に調査しながら、それに合わせた形のものをやっていくということで規制緩和に取り組んでまいっておりまして、今回の今年度末までの規制緩和の問題につきましても同じ姿勢で最善の努力を果たすべくやっているところでございます。
  52. 平田健二

    平田健二君 ちょっと具体的にお尋ねいたしますが、輸出検査法とデザイン法が二つ廃止されることになっておりますけれども関係方面から廃止の要求が今まで強かったんですね。どうしてきょうまでこの法律が廃止されなかったのか、その理由をちょっとお聞かせください。
  53. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 委員、十分御認識のとおりでございますが、やはり時代の背景があって、輸出検査法あるいは輸出品デザイン法ができ上がったわけであります。  かつては、我が国の輸出品の品質が悪い、あるいはデザインを模倣して輸出されている、そういうような好ましくない評価を得たこともいっときございました。そういう状況を十分に踏まえながら、どういう対応をするのが望ましいかということで、こういった法制度を整備して、それぞれ関係各位の御助力を得て品質の向上あるいはデザイン力の開発といったようなことをやってまいったわけでございます。  おかげさまで、御案内のとおり、かつては指定された貨物等の検査の不合格率が非常に高うございました。あるいは人のつくられた商品のデザインをまねして輸出されるというケースが非常に多うございました。それがその後の御努力によりまして、そういう事態が非常な勢いで減ってまいった。そこを十分に踏まえまして、そろそろ国が義務として輸出検査あるいはデザインというものを模倣してはいけないということをやらせるよりも、民間の創意工夫で十分できるのではないかというような状況に至った点は御指摘のとおりでございますが、何分にも、この対象となっております貨物等の製造者といったような方々は、どちらかというと中小企業性の高いものであったということもございまして、例えば輸出検査法の場合ですと、みずからの生産工程の中で検査員を独立に持つというのはなかなかコスト的にも大変だというようなこともございまして、自主的な検査体制が確立される必要があるだろう、その後でこういう国の関与というものを排除するのが望ましいのではないかということから、関係方面の御意見も聴取いたしまして、例えば平成六年には、輸出検査及びデザイン奨励審議会によりまして輸出検査については三年後ぐらいをめどに廃止すべきではないかというような答申もいただいております。  デザイン法におきましても、同じような答申を同じようなタイミングで別の場、輸出入取引審議会でございますが、そういった場で御答申いただきまして、こういったことを踏まえまして、今回、もう大丈夫だ、廃止していいのではないかということで法案の提出に至ったものでございます。
  54. 平田健二

    平田健二君 この二つの法案の廃止によって検査機関の人員は減ったんでしょうか、お尋ねします。
  55. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 輸出検査法及び輸出品デザイン法、それぞれ平成六年に関係の審議会の御答申をいただきまして、三年後をめどに廃止するということになったことは今申し上げましたとおりでございますが、輸出検査法に基づきます指定検査機関につきましては、輸出検査業務だけではございませんで、先ほど申しましたように中小企業の方が多いということから、中小企業者から検査委託を受けまして、そういう事業もこういう指定検査機関におきまして検査をいたしております。あるいはデザイン法に基づく認定機関、財団法人生活用品振興センターというものがその認定機関になっておりますが、ここでも法律に基づきます業務以外に中小企業者の方々からの御要望に対応した事業等を行っておりますので、今般の法律廃止によりまして直ちに雇用の問題につながるということはないというふうに考えております。
  56. 平田健二

    平田健二君 確かに、おっしゃられることはよくわかりますが、やっぱり国民感情からしますと、業務が減るわけですから、しかも今回十六の法案を整理するということですから、何が何でも定員が減らなきゃいかぬということじゃありませんが、やはり国民感情も考えてみますと、これだけやってもなかなか定員は減らないんだなということだと思います。ぜひ目に見える努力をしていただきたいものだと要望しておきたいと思います。  それから次に、民間活力の活用ということで、今回でも電気事業法の改正で、いわゆる電気主任技術者の免許証の交付事務を民間に委託をする。また、同時に国会に出されておりますJIS法においても民間委託をするということですが、通産行政の中でまだまだ民間に委託できるものがあるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  57. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 委員指摘のように、私どもといたしましても、国みずからがすべて検査等を行うという体制ではなくして、できるだけそれだけの力を持った民間事業者にゆだねていくという、そういう基本的な方針で進めてきているつもりでございます。  臨調の第五次答申で昭和五十八年の三月に既に一定の方針をいただいておりますが、そういう方針に基づきまして、私どもといたしましても、今委員が御指摘になりましたJIS法の改正等におきましてもそうでございますが、昨年成立いたしました高圧ガス取締法及び液化石油ガス保安確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律におきまして、完成検査、保安検査等について民間事業者による検査制度を創設するというようなことをいたしております。  今後とも、御指摘のような方向で行政を進めてまいりたいと思っております。
  58. 平田健二

    平田健二君 ちょっと細かくなりますけれども、砂利採取法も今回届け出が非常に簡単になるわけですけれども手続簡素化と、それから取り締まりあるいは指導というのはまた別個の問題だというふうに思っております。  例えば、砂利採取をした跡地に廃棄物を埋めて宅地分譲して売っておる、こういう方々も実は散見できるわけでして、ぜひそれらの点について取り締まり、指導はしっかりしていただきたい。これは私の身の回りにそういったことが多いのかどうかわかりませんが、砂利を採取した後に廃棄物を捨ててそれを埋めてしまう、こういう業者の方がおりますので、ぜひ指導、取り締まりをしっかりしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  59. 村田成二

    政府委員(村田成二君) ただいま委員指摘のように、砂利採取業の関係、実際の埋め戻し等々におきまして、いろんなトラブルが発生していることは事実でございます。  ただ、これは都道府県に委任されている事務でございますが、都道府県の担当者の御努力によりまして相当程度いろいろな災害件数あるいは行政命令数というのも減ってきております。ただ、これはそうは申しましても、身の回りにいろいろな問題があることは事実でございます。  今回、御審議いただいておりますような内容手続簡素化するわけでございますが、ただいま御指摘いただきました点につきましては、仮にも手続簡素化の結果、おろそかにならないようきちっと都道府県ともどもどもも対応してまいりたい、かように存じております。
  60. 平田健二

    平田健二君 次に、大店法の規制緩和についてちょっと状況お尋ねいたしたいと思います。  平成二年以来、大店法においては規制緩和が進められておりますけれども、この間の大型店の出店状況についてまずお尋ねしたい。また、この大店法の規制緩和は日米の構造協議が大きな契機となったわけですね。そこで、外国の資本の参入状況、とりわけアメリカの企業の進出状況についてお尋ねをいたします。
  61. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) ただいま先生の御指摘にもございましたように、大店法につきましては平成二年、四年、六年の三回にわたりまして規制緩和が行われてまいりました。その結果、現在は運用が大幅に緩和されておりまして、例えば調整期間、これは昔は非常に長くかかりましたものが現在は最長一年ということになっております。  また、調整対象面積につきましても、法律上は五百平方メートル以上の大型店について調整対象になるわけでございますけれども、千平米未満までは原則調整不要の扱いになっております。  また、閉店時刻につきましても、現在は午後八時までであれば届け出なく開店ができるということになっております。  また休業日数、これは昔は月に四日まで休むということが一つのメルクマールになって、それ以下にするときには届け出が必要ということだったのでございますけれども、この境目が二十四日ということに大きく広げられております。  また、手続でございますけれども、商調協といったものが廃止になりまして、また出店届け出制度といったものももう現在はございません。それで、地方の独自規制につきましても適正化の措置が行われている、こういうことでございます。  その結果、どうなっているかと申しますと、この大型店の出店届け出数でございますけれども、平成五年が千四百六件でございましたのが平成七年度には二千二百六件というふうになっておりまして、八年度につきましてもほぼこのような水準で推移しているようでございます。  最後にお尋ねの外国の出店状況でございます。  これは、外国店ということで統計はございませんけれども、例えば一企業で日本に五十店以上展開している、そういう企業が出てまいりまして、アメリカ、ヨーロッパ等から種々の大型店、専門店が日本に進出してきているという状況でございます。
  62. 平田健二

    平田健二君 この大店法は、規制緩和推進計画では平成九年度に大店法の見直し作業をする、こういうふうになっておりますね。  経済構造プログラムでは今年度じゆうに見直しに向けての準備をするということになっておりますけれども、いよいよ今年度、もう間近になりました。どのような準備作業か、進捗状況お尋ねいたします。
  63. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) この大店法につきましては、規制緩和推進計画におきまして平成九年度に制度見直しを行うということになっております。御指摘のように、昨年十二月に閣議決定されました「経済構造の変革と創造のためのプログラム」、ここにおきまして、その準備に年度内に着手するということが決められたわけでございます。  その後、鋭意事務方におきまして準備作業を行っております。広く日本の各地の商店街を訪れまして非公式に御意見を伺ったり、現状を見せていただきましたり、あるいは大型店側の関係業界団体に御意見を求めましたり、また流通問題について学識経験の深い方次々に来ていただきまして御意見を伺いましたり、また通産局、県等で実際の行政に当たっている担当者からその苦心談といいますか問題点といいますか、そういったことを聴取したり、非常に幅広い準備作業を行っているところでございます。こういった準備作業を踏まえまして、これはいわば材料を集めているということでございます。  こういった材料を踏まえまして、年度明けになりましたらいよいよ本格的な検討に着手するということを考えておるところでございます。
  64. 平田健二

    平田健二君 大店法の規制緩和をすることは私は歓迎をいたしますけれども現実の問題として、実はここに新聞にもありますけれども、全国各地の商店街から地元商店街が破壊するというような悲鳴が上がっておるとか、東京の足立区では近くに大型店舗が七つもできて、競争に負けた地元商店街、百店あったのが今八十店に減った、空き店舗が次々にできるというような見出し、規制緩和は万能かとか載せておるわけですね。  私は、今回の大店法見直し作業の中で、規制緩和の結果として各方面にどのような影響が出ておるのか、やっぱりしっかり調査を分析していただきたいなと。商店街への影響、地域社会への影響、国民生活への影響、物価への影響いろんな項目があるわけですけれども、今通産省ではどのような議論をされておるんでしょうか。わかる範囲で教えてください。
  65. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) 最近の小売業の急激な変化と申しますのは、大店法の規制緩和のみならず、基本的にはモータリゼーションというものが非常に急速に普及いたしまして、消費者の行動範囲が非常に長距離になってきております。また深夜や休日の買い物あるいは単に買い物をするのではなくそこで時間を過ごす、いわば娯楽性を求める、こういった消費者の行動パターンの変化というものも非常に急激なものがございます。  この大店法の規制緩和はこういう大きな変化の中で行われてきたものでございまして、大店法の規制緩和の効果だけを取り出すことは非常に困難ではございますけれども規制緩和の前後でどういうことが変わったかということに着目して主な点だけ申し上げます。  一つは商店の数でございますけれども、零細中小小売店、これは従業員一人ないし四人以下ということでございますけれども、これは確かに減ってきておりまして、平成三年から六年までの三年間で一〇・九%店が減ってきております。百二十七万店から百十四万店という減り方でございます。これに対しまして、従業者五人以上の規模の商店は一〇%の増加をしているわけでございます。  それでは、雇用はどうかということを申しますと、零細小売店の雇用者数、これにつきましては一一・二%減ってきております。ところが、全体として小売業の雇用者ということで見ますと、平成三年から六年までの三年間で七百万人から七百三十八万人ということでふえてきておるわけでございます。  同時に、国際化の進展というのは、先ほど先生の御指摘があったとおりでございます。  こういう大きな社会の背景の変化ということの中で起きているわけでございまして、こういうことを常に分析しながら、この変化が続く中で、今後の店舗行政のあり方というものを検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。
  66. 平田健二

    平田健二君 ちょっと嫌らしいことを聞くんですが、店舗の広さ、床面積の増加を伴わない店舗の中の配置がえをすることだけで届け出が必要ですか。
  67. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) 一つの店の中に多数のテナントといいますか企業が出店している場合なんでございますけれども、これは最初に届け出いたしますときにはこの建物をつくる人が三条届け出というものをいたします。次に、店を開く人たちがそれぞれ五条届け出というものをするのが現在の仕組みになっております。したがいまして、この中に入っているテナントの人たちが入れかわる、あるいはこの人たちの面積が変わるという場合には改めて届け出が必要でございます。
  68. 平田健二

    平田健二君 例えば、これが売り場としますと、ここの中の配置がえをするだけで届け出が必要と。
  69. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) 一つの店、一つの企業が自分の売り場面積を、いわばレイアウトを変えるというだけではもちろん届け出は必要ではございません。ただ、別の店に変える、別の企業が店を構える、あるいは隣の店の面積がふえて自分のところの面積が減る、こういった変化がある場合には届け出が必要という考え方でございます。
  70. 平田健二

    平田健二君 見直しをするわけですから、そういったところもまた細かいところですけれども、ぜひ見直し作業を進めていただきたいと思います。  次に、これまた規制緩和に関連して、武器輸出三原則についてちょっとお尋ねをいたしたいと思います。  これは何も武器を外国に持っていくということじゃなくて、いわゆる地雷ですね、対人地雷の問題が今大きく取り上げられておりますし、この三月七日にも東京で会議が開催をされました。毎月二千人以上が地雷に触れて死傷しておる、こういう報道がされておるわけでございまして、平和国家日本はこういった地雷を取り除く、こういったことに積極的にやはり協力をしていく必要があると思いますね。  その中で、最近ちょっとニュースでも載っておりますが、日本は地雷を探査する技術が世界的にも非常にすぐれておるということで今開発がなされておるようでございますが、その開発をめぐってどうも通産省が武器輸出三原則に抵触するといいますか、引っかかる可能性があるということも考えられるというような発言をされておりますけれども、非常にこれは平和的に使うわけですから、むしろそういったものは武器輸出三原則から外してやはり海外へ持っていけるというような指導を通産省としてもぜひしていただきたいし、むしろ積極的にそういった開発に協力をしていただきたいというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
  71. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 委員指摘のとおり、武器の輸出そのものにつきましては従来から武器輸出三原則等に基づきまして慎重にやってきているところでございます。  ただ、武器とみなされるものでありましても、当該輸出の目的、対応等によっては武器輸出三原則等の趣旨を損なわないということで輸出を許可した事例はございます。例えば湾岸戦争時の防毒マスクがその事例でございまして、報道機関、医療関係者の方が現地に参られましたときに、現地サイドでそれをほかの用途に使われない、使ったものはきちっと持ち帰るということを前提といたしまして防毒マスクの携行を認めたということがございます。  御指摘の件につきましても、まだ私どもこれは開発されつつあるものだ、必ずしも商品化された段階には至っていないというふうにお聞きいたしておりますが、御指摘のような具体的な事例につきましてはその趣旨を十分に踏まえて対応してまいりたいと思っております。
  72. 平田健二

    平田健二君 ぜひひとつ積極的に御支援をいただきたいと思います。  次に、輸出通関において、インボイスの写しなんですが、輸入ではいわゆるインボイスの写し、ファクスによるものが認められておりますけれども、輸出では認められておりませんね。どうしてでしょうか。
  73. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 現状では委員指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、できましたら本年度中、今月中に通達によりまして、税関におきまして原本と同一性に疑義がないと判断されるような場合にはインボイスの写しをもって輸出申告することができるようにしたいということで、関係方面、特に大蔵省でございますが、大蔵省と今協議を進め、その通達の実施方について手続を検討している最中でございます。今月中に結論を出したいと思っております。
  74. 平田健二

    平田健二君 ぜひひとつよろしくお願いいたします。  次に、流通のダブルスタンダードの件なんですが、国の基準と地方自治体の基準が違っておりまして、閉店時間等地方の行き過ぎた基準があるわけでして、またそれぞれ自治体ごとに、例えば商品の賞味期間だけではなくて加工年月日を記載しなさい、こういった問題も出ておるようでございまして、通産省としてどのようにお考えでしょうか。
  75. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) 流通の際の商品の表示でございますけれども、通産省の関係では計量法がございまして、これにおきまして商品を密封して販売する場合に消費者が内容量を直ちに確認できますよう、製造事業者等に対しまして正味量を正確に計算し表記するということを義務づけておるわけでございます。  また、食品に係る表示につきましては、JAS法あるいは食品衛生法など他の法律におきましても、農林物資の適正な品質表示あるいは食品衛生上の観点といったところから必要な情報の記載が義務づけられておるところでございます。これらによりましていろいろな表示が必要になるわけでございますけれども、現在ではまとめて一枚のラベルに記入すればよいということで、事業者の利便性を配慮しているところでございます。  ただ、事業者がある食品を製造販売する際に、複数の法律などによって規制されているとわかりにくいということにつきましては、それぞれの法目的が異なっておりますのでやむを得ない面もございますけれども、当省といたしましては、今後とも事業者に対しまして関連法律の理解、普及、これに努力してまいりたいと考えておるところでございます。
  76. 平田健二

    平田健二君 例えばある商品の賞味期間、大体表示しますね。その賞味期間だけでいいという市町村もあれば、そうじゃないんだ、加工年月日もやはり必要なんだという市町村もある、こういろことなんですね、同じもので。A市に持っていったら賞味期間だけでいい、B市に持っていったら加工年月日も同じもので入れなさい、こうなっているわけですね。ここらについてどういうふうに指導されていますかということです。
  77. 今野秀洋

    政府委員(今野秀洋君) 食品衛生法あるいはJAS法等の運用になりますと、必ずしも私どもつまびらかにしないところがございます。ですけれども、計量法の関係では、一応、国統一の規制になっているというふうに私どもは理解いたしております。
  78. 平田健二

    平田健二君 終わります。ありがとうございました。
  79. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 輸出検査法並びに輸出品デザイン法の廃止につきましては、通産省の説明を聞く限りにおいてはごもっともということで、なかなか異議を挟む余地はないように思います。  では、そこで疑問を持つのは、なぜ一体こういうことがもっと前にやられておらなかったのか、今まで必要ないものが残っておったのかという疑問が一つ出てきます。それにひとつ答えていただきたい。  それから、いや、問題も残るんだというのなら、どういうような問題が残るのか、その点も明らかにしてもらいたい。  それから、私はやっぱり雇用問題、輸出検査並びに輸出品デザイン法のもとで飯を食っている人たちもいるだろう、通産省の職員も何人か配置をしているんではないかと思うんですが、この点はいかがですか。そして、もし雇用にかかわることがあれば、この点については十分配慮していただきたいと思います。
  80. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) なぜもっと前に輸出検査法なりあるいは輸出品デザイン法を廃止しなかったのかということでございますが、それぞれの法律にはもちろん時代背景がありましてつくっていただいてきているわけでございまして、当初は、残念ながら品質が悪かったり、他人の商品を模倣して輸出するというようなことがかなりの件数で起こっておりました。その後、関係各位の御努力によりまして、そういうケースは大変目に見える形でもって減ってまいったことは事実でございます。そういうものにつきましては、検査法におきましても、あるいはデザイン法におきましても漸次対象から外すというようなことはいたしております。不必要な形での検査でありますとか、デザイン法の義務というものを課すというようなことは極力避けてまいったつもりでございます。  この両法律につきまして、たまたま平成六年に、いずれにつきましてもおおむね三年後をめどに廃止すべきではないかという御答申もいただきましたことを一つのきっかけといたしまして、完全になくすことについての問題性というものが十分に説明できるような状況になっているかどうかということを実態調査いたしたわけでありますが、委員御案内のとおり、残ったものというのはどちらかというと中小企業者が従事する業界のものでございまして、したがいまして、検査の場合には自主的に中小企業者ができればよろしいのでございますが、必ずしもそうでないかもしれない、そのときには十分にそのニーズにこたえられるような体制をつくる必要があるというような観点で議論してまいりました。  あるいは、デザインの模倣の問題につきましても、平成五年に不正競争防止法の改正をしていただきまして、かなりデザインの重要性でありますとかあるいはデザインを模倣することの悪質性という問題について一般的な認識、国民の意識の向上というものが図られたわけでございますが、何分にも法律改正してから直ちにやめてしまうというためにはいささかの不安がある、運用面できちっとその趣旨が定着しているかどうかということについて私どもなりに安心を得たいということで三年ほどの準備期間をいただいたわけでございますが、その結果、今日においては、それぞれ中小企業者の問題も生ずることなく対応できるだろうということで廃止の提案を申し上げたところでございます。  それで、今まで検査でありますとかデザインについての業務をしていただいたところがその結果なくなってしまうのかという御懸念の点でございますが、輸出検査法に基づきます検査事務といいますのは、現在、委員御案内のとおり、十八の品目について検査を実施しているわけでありますが、民間の指定機関と国の機関によってこの業務を遂行しているわけでございます。  具体的には、指定機関といたしまして、雑貨関係で三つ、繊維関係で三つ、農林水産関係で二つの機関がこの指定機関として認定されて事業を行っております。あるいは国の機関といたしましては、製品評価技術センター、それから運輸省関係のものにつきましては地方運輸局、農水省関係のものにつきましては農林水産消費技術センターが実施いたしておりますけれども、特に財団法人の実施しております部分につきましては、この検査事務はそれぞれの財団法人の業務の一部をなしているものでございまして、ニーズがある限りにおいては、先ほど申しましたように、法律をなくしても中小企業者にとりましてはやはり検査を続けてほしいという、そういうニーズが実際にございますので、そういうニーズにこたえるための委託検査といったようなものはそれぞれの指定機関でもできるようにしたいというふうに考えておりますので、雇用面での不安はないよう万全を期してやっていきたいと思っております。
  81. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 通産省の職員です。
  82. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 通産省の本件については、私どもの雑貨、繊維関係の検査に携わっております製品評価技術センター、これは全国に十二カ所の事務所がございますが、職員が他の業務と兼務して実施いたしております。したがいまして、専任の職員はございません。
  83. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 今、口を開くと行政改革規制緩和、これを言わないと何か悪いような風潮があります。    〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 しかし、私は、例えば規制緩和推進計画みたいなものができてやおら動き出すというような形というのは、やっぱり行政のそういう姿勢というのはよくないと思うんです。  大臣先ほど答弁がありましたように、日常繰り返し繰り返し行政やる仕事をしながら不要なものは切っていく、行政改革合理化をやっていく、そして規制緩和する必要があるものはどんどんやっていく。これは、今外から、審議会でぐっと言われるからやるとかそういうものではどうもよくない、そんな体質からやっぱり改めていかなければいけないんじゃないか。  日常の通産省の中におけるそういうむだなこととか、あるいは不必要なこととかいうものをどんどん整理していくという習性は以前からあったのかないのか。最近、規制緩和行政改革と言われ出して何か動き出したような気がしてならぬのだけれども、その点はどうなんでしょうか。
  84. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 通産省の業務は、委員よく御案内のとおり、法律に基づきましてやっている行政と、必ずしも法律によらずに内外の状態を踏まえながら行政ニーズとして取り上げて対応すべき問題、その辺を先取りしながら法律によらずとも対応しているというようなこともございます。    〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕  むしろ、そちらの方のニーズが大変高まっているというのが、多分経済構造改革等におきまして通産省が率先して問題提起してやってきている問題でございまして、むしろそういう行政ニーズというものの見直しの中で、私どもといたしましては速やかに改正できるものについては改正をする、必ずしも第三者に指摘されてそれにこたえるというよりも、問題先取り型で対応してきているつもりでございますので、極力御指摘があるような場合については、年度の途中でも見直すというようなことでやってきたところだと思っております。
  85. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 それはそういうようにしていただきたいんです。ちょっと、さっき伊佐山局長の答弁でひっかかったのは、輸出検査及びデザイン奨励審議会あるいは輸出入取引審議会、こういう審議会の答申を受けて三年後に云々という、審議今もあなた方がリードしてやっているのは間違いないんだけれども、何か審議会から言われてやっているというような答弁をなさるものだから、どうも積極性がないなという感じを受けました。  次に、企業合併企業譲渡について、私は持ち株制度の問題で大分苦労したんです。企業合併とか集中化というのは、経済が二けた台ぐらいにどんどん成長しているときには利益も出ますし、何とかやっていけるんだけれども、経済がこういう停滞期に入ってきますと、カルテルをやると公取がやかましい、そういう状況になってくると、むしろ停滞期に入ったときに合併とか企業譲渡とか企業の集中化というのは進んでいく傾向にあると思うんです、特に大きなところ。  そういう意味で、企業合併等のこのところの推移、もしわかれば教えてください。
  86. 渡辺修

    政府委員(渡辺修君) お答え申し上げます。  今、先生指摘ございましたように、企業合併譲渡に関する数字の状況でございますが、最近大変ふえてきております。特に、近年におけるリストラを初めといたしまして一連のメガ・コンペティションに対応する各種の企業組織のあり方あるいは企業経営、そういった実態を反映しての数であろうと思われるわけでございます。  合併の数字でございますが、昭和六十一年、六十二年あたりは一千件強という数字でございましたが、その後ずっとふえてまいりまして、平成七年度においては合併が約二千五百件ということになってございます。  それから、営業譲渡でございますが、これも六十一、六十二年というのは一千件ぐらいでございましたが、現在、平成七年度でございますが、一千五百件という過去最高になっておるという数字の状況になってございます。
  87. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 通産省は直接の所管ではないですけれども、やっぱり合併をやりますと、あるいはそういう譲渡とかやりますと、これはその企業の職員の合理化で何年かのうちに人員整理が進んでいく、同時に中小関連の取引業者もやっぱり整理されていきまして、気がついてみますと、本当に泣き寝入りというか、寂しい思いをする、苦労する人がいっぱい出てくるわけですね。  だから、そういう意味で、やむを得ない措置として合併とかなんかもそれはあるんでしょうけれども、そういう中小の苦労している人たち、してきた人たちやあるいは中で働いていた人たちのことについても十分絶えず配慮をしながら、行政指導をやる場合があればぜひやっていただきたい。  ただ、何もかも合併して規模を大きくしてどんどんやっていけばいいというものじゃない。住友銀行が平和相銀を合併して、そしてあのときは店舗をどんどん東京にもふやしていって、規模が大きくなれば勝っていくというような形で進めてきて、それぞれまたほかの銀行もそういう方向でいく、そしてどんどんバブルに火をつけていった。今言っているのはどうかというと、大きいだけじゃなくて中身の質の問題だと、こう言っているんですよね。だから、いいかげんなものだと思います、これは通産省は直接関係ないけれども。  関係する企業の中でもやっぱりそういうことは日常茶飯事に、特に今の経営者というのは雇われ重役が多いですから、とにかくそのときあっち行ったりこっち行ったりふらふらして、政治は三流、企業は一流とかなんとか言いよる人たちがよく無責任なことをやらかすわけですから、十分意識して指導していただきたいと思います。答弁要りません。  それから、合併に伴って十一の法律でもう要らなくなるという中で、航空機製造事業法改正武器等製造法改正で、譲渡があった場合には改めてもう手続は要らないというようなことになってくるんですけれども航空機製造メーカーというのは、もう日本で限られているんですよ。今回言われる規制の緩和になぜこれが入っているのか、どうも疑問でならない。何かそういう動きがあるのかどうなのか、言える範囲で。それから、武器製造業の関係も、これもここで挙げてきておるんですけれども、何か意味があるのですかね。
  88. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 直接担当いたしておりませんけれども委員の御指摘のような何がしかの趣旨があってこれをやっているというよりも、ほかの法令で特に承継規定整備するものが幾つかございますが、そういったものと比較いたしまして、こういったところに規定されている手続も同様に扱ってよろしいだろうということでやられたものと理解いたしております。
  89. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 ちょっとわからないんです。  例えば航空機製造事業法の適用している企業数、通告していなかったから、わからないときはまた後でいいんですが、一体日本で幾らあるんですか。
  90. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 申しわけございません、ちょっと手元に資料ございませんもので、後ほどお届けさせていただきます。
  91. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 航空機製造、恐らく三菱とかあるいは石川島播磨とか、私が知っているところはもうごく限られてきているんですよね。それで、その下請関連業者まで意味しているのかどうなのか。
  92. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 下請であってもあるいは製造の元請でありましても、そういう形態での差はございませんで、一定の要件を持つ事業体でございますとその事業法の対象となるというのが法律の建前になっております。
  93. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 そこは伊佐山さん、担当が違うから、僕たしか通告は大まかにしかしてなかったんですが、どうも航空機製造武器製造メーカーがここでぱっと規制緩和が出てきているというのは、恐らくその業界から随分強い働きかけがあって品目の中にそれが入ってきたんではないかという気がするんですけれども、しかし、今航空機製造メーカー合併をするような状況とか時期でもないのになぜここに入ったのか、大変疑問なんですけれども、もしもあれだったら。
  94. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 後ほど詳細に調べまして御報告させていただきますが、先ほど申しましたように、ほかの法案との比較で事業承継規定部分手続簡素化が可能ではないかということで、その辺は先ほど中川局長からお話がございましたが、慎重に検討を加えた上、ここを対象とすることも問題ないだろうということで入れたものだと理解いたしております。
  95. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 じゃ、後ほど疑問が生ずれば、またこの商工委員会で質問をさせていただきたいと思います。いずれにしても、ちょっとその残ったものについては後日説明をしてください。  それから、電気事業法の関係ですが、「電気事業者事業を開始しなければならない期間を、事業許可を受けた日から十年以内において通商産業大臣が指定する期間とすること。」このように期間延長をした理由、またこの必要性のようなものについてお尋ねします。
  96. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 電気事業法の事業開始期間現行八年といたしておりますが、これは業の許可を受けた以上できるだけ早く業務を開始してもらいたいということと、それから一定の公益事業特権というのが認められているという事情もありますので、合理的に認める範囲内で早くということで八年に設定しているわけでございますが、今般、それを十年に延長いたしますのは、上越共同火力という大型の卸電気事業者ケースで明らかになったわけでございますが、港湾計画を伴うような大型の臨海石炭火力等の場合にどうしても八年では発電所の運転開始に至らないということで、どうその工程を切り詰めても十年はかかるという、私どもそういう事例が実際に出てまいりましたものですから、そういう意味での立地の環境変化ということを踏まえまして、八年から十年への延長を提案いたしているところでございます。
  97. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 もう時間が来ました。
  98. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      —————・—————    午後二時三十分開会
  99. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  100. 藁科滿治

    藁科滿治君 民主・新緑の藁科でございます。  まず最初に、通産大臣お尋ねをいたしますが、今回提出されております法律案は、一連の規制緩和にかかわる問題であり、特に行政手続簡素化という面からは民間からも大変歓迎をされることもございまして、私どもも率直に評価をしていきたい、このように考えております。  しかし、通産省が統括されておりますエネルギー関連を中心とする規制緩和の動向につきましては、順々に実行されているとも言えますけれども、私は率直に申し上げて少しテンポが遅いんではないか、このように理解をしておりますけれども、通産大臣はどのように認識をされておられましょうか、まずお尋ねをしたいと思います。
  101. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) 今、藁科委員指摘のように規制緩和、これは行政の簡素化ということよりは、私の方は今おっしゃるように新規事業の創出や高コスト構造、この是正という観点から、そして、今当省を中心に取り組んでおります経済構造改革を進める上で大変重要な課題だと思っておりますし、そしてエネルギー分野を初めとして他省庁に実は先駆けて積極的に取り組んできたというふうに自負しております。  その結果というか、例えば石油製品の輸入の自由化による石油製品の価格の低下、それからIPP、発電部門への参入の自由化による新規参入拡大、そういうことで電気、ガスの料金の引き下げ等に効果があらわれてきつつある、かように認識しております。  そういうことで、今後とも規制緩和推進計画の着実な実行はもちろんのこと、内外からの意見や要望等、これを踏まえまして、さらなる緩和や撤廃に向けての検討を不断に行い、その実行に向け最大限の努力を払っていきたいと考えております。  今御指摘のように、遅いんではないかと言われるんですが、私たちとしては、これは今申したように精いっぱい今までやってきて、そして今言うように経済構造改革というものが追い風になるだろう、かように思っているわけでございます。
  102. 藁科滿治

    藁科滿治君 この法律に関連して引き続き質問いたしますが、通産省は毎年業界団体あるいは外国の事情も含めて規制緩和をめぐる要望を集約されておりますね。昨年の十二月に、私は当委員会でこの問題をめぐって質問をいたしましたが、実施するもの、それから実施不可能なもの、今後検討するもの、こういう三つの仕分けをされておりますけれども、平成七年、八年、この二年間の経過の実績を少し明らかにしていただきたいと思います。
  103. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 御指摘のように、私どもに各方面から各種の規制緩和要望をいただいておりまして、輸出入に関するものといたしましては、平成七年度に五十件、平成八年度に四十二件いただいております。  平成七年度にいただいた五十件のうち、措置済みまたは措置予定とされたものが十八件、引き続き検討とされたものが四件、措置困難といたしましたのが十九件、その他事実誤認等がありましたのが九件、以上五十件が内容でございます。  平成八年度は四十二件いただきましたが、そのうち二十九件が措置済みないしは措置予定となっておりまして、引き続き検討とされましたものは二件、措置困難とお答えしておりますのが八件、その他事実誤認等が三件ございます。
  104. 藁科滿治

    藁科滿治君 ただいま説明がありましたように、輸出入に関しましては、民間から多くの規制緩和要望策というものが出されてきておりますが、今回の法律改正に関しては、提案のように二つの法の廃止のみに絞られている。私が思うには、どうも二つの法案についても少し遅きに失したのではないか、このように感じているわけでございます。  特に、この二つの法律に関しては、経団連もかねてより即時廃止を要請している、こういうような事情もあるわけでございまして、なぜ実質的に機能していない法律がそのまま放置されて、しかも三年も年月を要するのか。今規制緩和の環境が非常に国民から期待されているわけで、どうもよく理解できないわけでございます。審議会の答申では、デザインの模倣防止対策がゆえというような理由も書かれておりますけれども、私は基本的によく理解できませんので、ひとつ明快な御答弁をいただきたいと思っております。
  105. 伊佐山建志

    政府委員伊佐山建志君) 初めに、委員御質問の第一の点の規制緩和要望の中で、輸出検査法とデザイン法の廃止だけが具体的な措置として用意しているのではないかというふうにお考えの御趣旨の御発言がございましたが、御案内のとおり、今国会に外国為替及び外国貿易管理法の改正につきましても今上程いたしておりますわけでありまして、これから御審議いただきまして、その結果いかんによりますけれども、その中に相当程度内外から要望いただいた規制緩和等が含まれておりますことを付言させていただきます。  それから、輸出検査法及び輸出品デザイン法でございますが、委員御案内のとおり、かつて私どもの日本からの輸出品につきまして、ともすると必ずしも十分な品質が保たれないまま輸出されて問題を惹起したというようなケースがございました。あるいはデザインにつきましても、人のデザインを模倣したものを輸出するというようなことがございましたことから、こういう状況改善することが国の施策として非常に重要だということでこういう法律をつくっていただいたわけでございます。  その後、御指摘のとおり、関係各位の御努力の結果、事態は非常に改善されてきておりまして、例えば輸出検査で申し上げますと、かつて一番ピーク時には五百一品目のものを輸出検査いたしておりましたけれども、現在ではそれが十八品目まで減少いたしております。また、デザインの方につきましても、ピーク時には二十一品目をその対象といたしておりましたけれども、現在は七品目になっておりまして、これは毎年のようにレビューいたしながら、実態が十分に改善されているかどうかということで、改善の著しいものについては対象から外すというようなことを年々行ってきたのが実態でございます。  御指摘のとおり、平成六年度に輸出検査及びデザイン奨励審議会、それから輸出入取引審議会、両審議会から「概ね三年後を目途に廃止すべきである」という御答申をいただきましたし、その前から関係方面から廃止すべきだという御要望があったことは認識いたしておりますけれども、今申しましたように、一つには逐年状況を見ながら実態に即して改善いたしてまいりましたということと、それから直ちに廃止することについてちゅうちょいたしましたのは、いずれの法律の対象になりますものが、どちらかというと中小企業性の高いものを対象にしておったということもございまして、自分で検査をするという体制が必ずしも一〇〇%確保できてない実態がある。中小企業者にそれを全部しょわせるというのはコストを余分にかける形にもなりかねないということを懸念いたしまして、公益法人を活用しながら自主的に検査体制を確立する、あるいはデザインの模倣といったような問題を生ずることのないように日ごろからPRする、こういうものは商標法に違反しますよといったようなことについての指導を行う等の措置を講ずることが必要だと。いわば三年間の準備期間をいただきまして、それで最終的にこの両法制度を撤廃するということが適切ではないかということで、時間をいただいた上で今回上程させていただきまして、撤廃することをお願い申し上げている次第でございます。
  106. 藁科滿治

    藁科滿治君 次に、認定機関の問題について少し質問をさせていただきます。  輸出品デザイン法では、財団法人生活用品振興センターというものが通産大臣の指定を受けた認定機関になっておりますけれども、この財団の設立目的、主要業務、それからちょっと細かい質問で恐縮ですが、理事の数と全体の職員数、こういった内容を伺いたいと思います。また、あわせて輸出品デザイン法に基づく認定作業にかかわっている職員の数も同時に伺いたいと思います。  また、今回の法の改正によって認定業務の終止という事態になってくるわけですが、今後財団法人としては全体の業務をどのように集約されていくのか、その展望についてお尋ねをしたいと思い  ます。
  107. 村田成二

    政府委員(村田成二君) お答え申し上げます。  まず、この法人の設立目的でございますけれども、御案内のように昭和三十四年に生活用品業界の振興のための諸業務を行うということで、輸出品デザイン法に基づく認定機関に指定されたわけでございます。その後、いろいろ変遷を経まして生活用品振興センターというふうに模様がえしたわけでございますが、そもそもの目的といたしましては、生活用品の生産、流通、消費、それから貿易の振興を図るということを通じまして、生活用品産業全体の健全な発展に寄与する、こういうことを大きな目的といたしているわけでございます。  そういった観点から、主たる業務といたしましては、ただいま御指摘になりました輸出品デザイン法に基づく業務、中小企業が多うございますので、いろいろな近代化事業経営改善事業、そういったものを幅広く手がけているところでございます。  それから、お尋ねの第二点になりますけれども、平成九年三月現在におきますこのセンターの役員数は三名でございます。それ以外の職員が二十七名でございまして、総勢三十名でございます。それからまた、このデザイン法に基づく認定業務に携わっております人員は十六名となっております。この十六名の内訳は、東京の本部に八名、その他支部に八名、こういう内訳になっております。  それから三点目でございますが、御指摘のように、このデザイン法の廃止に伴いますデザイン登録認定業務が終了するわけでございます。実はこれに絡みまして、このセンターの中心的な収入になります助成が行われてまいりました。しかし、この業務の廃止に伴いましてその部分が大きく欠落することになるわけでございます。先ほどの御質問でございましたけれども法律の廃止決定以降三年間の時間をかけましてこの生活用品振興センターの新たなる業務というものをもう一回見直し、かつ構築するということをやってまいった次第でございます。  具体的な対応策といたしましては大きく分けて二点ございますけれども、一つはやはり全体の業務の縮小を免れないということもございますものですから、希望退職者の募集ですとか、あるいは地方事務所、これは六カ所ございましたのを三カ所に減らすとか、あるいは役員報酬のカット、こういった合理化努力を片方で行ってまいりました。  それから二点目に、新しい業務といたしまして平成九年度から生活用品の模倣防止対策の新規事業を行うということで予算案に計上させていただいている次第でございます。やはりデザインの問題とこの模倣の問題というのは人的能力の点でも非常に共通性が高うございますものですから、こういった認定業務、今までのデザイン法に基づく認定業務に携わっていた方々にこういった新しい模倣防止対策について取り組んでいただくということで組織の組み直しを図っている次第でございます。  いずれにしましても、こういった新しい展開を通じまして生活用品業界の新たなニーズに対応できるような組織にしてまいりたい、かように存じている次第でございます。
  108. 藁科滿治

    藁科滿治君 ありがとうございました。  それでは、私は最後にガソリンスタンドのセルフサービスの件について質問をいたします。  この問題も一昨年の四月の当委員会で私は質問いたしました。先進国ではもう一般化しているこの問題がなぜ我が国でできないのか、そしてまた内外の価格差の圧縮の意味でこれは有効な政策手段としてぜひ実施すべきではないかということを求める趣旨の質問をいたしました。  もちろん、最近の動燃の問題等々、安全第一ということは非常に重要でありますけれども、当時、政府はたしかこの問題を規制緩和の目玉にしようというような意欲が見られたように私は記憶をしているんですけれども、その後期間は二年を経過いたしました。一体何が問題でこのような状態になっているのか、何が要因でちゅうちょされているのか。できれば消防庁の関係の方にきょうはぜひそういった事情を解明していただきたい、このように思っております。
  109. 小林恭一

    説明員(小林恭一君) セルフサービス方式の給油取扱所につきましては、平成七年三月三十一日に閣議決定されました「規制緩和推進計画について」におきまして、安全性の問題について平成九年度に結論を得るということとされております。  消防庁では、この閣議決定を踏まえまして、防災に関する学識経験者を含む給油取扱所の安全性等に関する調査検討委員会を設置いたしております。委員会では、セルフサービス方式の給油取扱所の安全性の問題につきまして幅広く意見を聴取、しながら、平成九年度に結論を得るべく検討を行っているところでございます。  平成七年度におきましては、我が国における給油取扱所に係る事故事例の整理でありますとか、欧米諸国における給油取扱所に係る実態調査あるいは事故事例、法令、基準の調査等行っておりまして、セルフサービス方式の給油取扱所に係る危険要因の抽出あるいは分析を行っております。  また、平成八年度、今年度でございますが、抽出分析されました危険要因に対しまして、それぞれハード面あるいはソフト面で安全設備あるいは安全対策を行った場合にあるいはどのようなものが考えられるのか、またそれを行った場合にどうかということで、諸外国の安全対策の具体的な内容を踏まえまして検討を行っております。  なお、平成九年度におきましては、安全設備あるいは対策等につきまして実証確認等を行いまして、総合的評価あるいは検証を行いまして安全性の問題について結論を得るという予定でございます。
  110. 藁科滿治

    藁科滿治君 安全重視の姿勢については反論の余地はございませんが、ぜひ通産当局としましても消防庁とも前向きな連携をとって、少しでもいい方向に、国民の期待にこたえるような方策が一刻も早く実現できるように一層努力していただきますように要望いたしまして、私の質問を、ちょっと時間短縮でございますが、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  111. 山下芳生

    ○山下芳生君 我が党は、規制緩和について一律に反対するものではありません。しかし、今回の法律案は、それぞれ生まれも育ちも違う十六本の法律を一括して改廃するものであります。その中には、国民生活の安全に関する法律の改定も含まれております。これらを単なる手続の改定と同列に扱うやり方は、私は問題があるのではないかと思うわけです。  こういう法案のくくり方自体、扱い方自体に通産省の保安問題に関しての姿勢が、率直に言って保安軽視の姿勢があらわれているんじゃないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
  112. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) これは、今、山下委員の言われる点もございますが、今度の法案提出という問題は、行政改革によるいわゆる事務合理化、こういうことと、もう一つは、やはりこの経済界の変化の中において新規産業の創出や高コスト構造の是正という観点、いわゆる経済構造改革、これを進めるという二つの面から一括したわけで、確かに若干異なるものが全部集合になっているということは感じさせられます。  しかし、あくまでも緩和という問題は一回だけで済むものではございません。今度の場合でも、多くのものは今までの許認可を廃止しても届け出というふうに変わってくるので、数の上ではそういうことで逆にふえた、こんな現象もあることは御存じのとおりでございます。  そういうことからいって、この規制緩和の検討というのはやはり時に応じて不断の、ということは絶え間がない連続だということでございますので、今回の場合も一括して、そしてやはり実施に移った場合でもって不備があれば、また各界から要望があればまたその時点でもって改めていく、こういうふうなことになると思います。
  113. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、規制緩和に一律に絶対反対という立場もこれは正しくないと思いますが、逆に規制緩和万能というのもまた正しくはないんじゃないかと思っております。先ほど平田委員からもありましたように、場合によっては強化しなければならない規制もあるというふうに私も理解をしております。  次に、電気事業法の改正に関連してただしたいと思います。  電気事業事業許可から事業開始までの期間を八年から十年に延長することにしておりますが、その必要性がどこにあるのか、また、この改正点が適用される具体的ケースはあるのか、先ほど若干説明ありましたが、それだけなのか、少し説明願えますか。
  114. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 電気事業について、一般電気事業者のみならず卸電気事業者につきましても、事業許可を得ましてからできるだけ早くサービスを開始すべしという観点と、公益特権の上に長く眠るのは適当でないという観点から、現行八年に期間を設定しているわけでございますが、最近、臨海の大型の石炭火力発電所のような場合に、港湾法に基づく港湾計画の審議、その過程でアセスメントも行われるというようなことで、発電所の用地の造成に先行する手続に大変長期がかかる、そういう事例が出てまいりまして、上越共同火力発電所の場合でいえば、八年ではどんなに頑張っても事業の開始、発電設備の運転開始のめどが立たないということで、今回どうしても十年は必要ということで、主として大型の卸電気事業者の立地についての環境変化ということを勘案して十年に延長すべく御提案申し上げているところでございます。
  115. 山下芳生

    ○山下芳生君 港湾の問題だけではなくて、大型の卸電気事業者についてもこれから対応すべきだということが理由だとお述べになったわけですが、私は、やっぱり延長しなければならない最大の理由の一つが地元住民や関係者との合意に時間がかかっているからだという、これは事前の説明の段階では私そう聞きました。  しかし、八年もかかって住民の合意が得られないというのなら、その解決策としてとるべき道は期間の延長ではなくて、計画そのものに問題があったとして見直すか、あるいはもっときちっとした説明を積極的にやるかであるべきだと思うんですね。実際、この法の施行当初は、この期間というのは最初五年だった。それが八年に延長されて、今度また十年に延長しようとするわけですけれども、そういうやり方ではなくて、もっと計画の期間が切れても合意が得られない場合は計画の再検討をする、あるいは得られるように十分住民に対して積極的に説明する努力をすべきだという方法での解決の仕方は検討されたんでしょうか。
  116. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 今回、私どもが十年への延長を提案するに至りました直接の契機になりましたのが上越共同火力の場合と申し上げましたが、十年という所要期間は、今先生の御質問の中にございました地元の方々へ立地申し入れをして御理解をいただく先行期間というのを実は計算には加えておりませんで、電源開発調整審議会に上程をされて、それと同時に事業許可を得て、それで電気事業者としては準備を始めたわけでございますが、それからその関係のアセスメント、いわゆる港湾法の関係の一連の手続と、それから護岸、埋め立て工事の所要期間というのがございまして、予定しております港湾工事が完成するのに五年数カ月がかかるということで、そこから実際に発電所のプラントその他の建設に着手するということでございますので、合計してどうしても十年必要というそういう事案を勘案いたしまして、私ども、地元の方々の御理解をいただく努力は電気事業者としてまずもってやらなきゃいけない作業だと思っておりますけれども、その後における手続あるいは先行する工事の所要期間というのを勘案して、十年はぜひとも必要というふうに判断して今回の提案を申し上げている次第でございます。
  117. 山下芳生

    ○山下芳生君 まず前提として住民の合意を得る努力をやるべしという点では、私も認識は一致していると思います。  そこで、住民の合意を求めるという問題に関連して、去る二月二十日、本委員会で取り上げました関西電力御坊火力発電所と梅の被害について引き続き御質問をさせていただきます。  前回の質問で、私は第一に、日本一の梅の産地である和歌山県田辺市周辺の梅林で立ち枯れが広がっており、生産者や住民の間では関電御坊火力発電所と関係があるのではと疑念を強めていること。第二に、関電の宣伝パンフに掲載されているデータを見ると、大気観測ポイントが肝心の梅林になく、火力発電所の風上側に集中していること。また、委託した実験結果は低濃度大気汚染について知見の集積が望まれるというものであり、関電が梅に対して影響なしと証明する結果とはなっていないことなどを紹介して、関西電力に対してきちっとした公害対策、除去装置を設置せよ、あるいは安全が確認されるまで第二火力発電所の建設は延期せよ等の指導をすべきだというふうに私は質問しました。  大臣もこれらに対して、指導したい、よく事情を聞いて調査すると答弁されました。どういう調査をし、それをどう評価し、どう指導をされたのでしょうか。
  118. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 今、何点か先生お触れになったわけでございますが、まず現存の御坊第一火力発電所のNOx等の測定点の問題でございますが、必ずしも発電所の北、風上の方だけではございませんで、現状における関西電力が設置しておりますモニタリングスポットというのは田辺市の上芳養、南部川村の市井川等、いわゆる南の梅の主たる産地の地点にも測定局を設置して、運転開始後のNOxでありますとかSOxの着地濃度の測定をやっているところでございます。  それから、前回先生の御質問に対して大臣が、事情を調査してしかるべく指導ということで御答弁申し上げました点に関しましては、大臣の御答弁の趣旨を早速関西電力に伝え、関西電力に対しては、地元の県なり住民の方々と十分に誠意を持って話し合うようにということで、私どもから指導をいたしたところでございます。その結果もございますが、関西電力としては、梅の生育不良の改善のためにいろいろ地元の農協を初め農民の方々に御協力する意向を表明して、地元の方々と話し合いに入っているところというふうに報告を受けているところでございます。
  119. 山下芳生

    ○山下芳生君 関電からそういう報告を聞いたということだったと思うんですが、私は、通産省は関電から聞くだけでいいのかなという気もしているんですね。といいますのは、通産省自身が定めた省議アセスの信頼性が今問われているということでもあるからだと思います。  そこで、私は先月の質問のときから今日までに二つの新たな事態が生じているということを御紹介したいんです。  第一は、二月二十三日付の各マスコミ報道で紹介されておりますけれども、広島大学の中根教授の研究結果であります。報道によりますと、九五年十二月から九六年三月末までの四カ月間、十五カ所の梅畑で降下ばいじんを採取、ばいじんに含まれるカドミウム、銅、ニッケル、亜鉛、バナジウムなど重金属の量を分析した。この結果、梅が枯れている場所で採取した降下ばいじん中の重金属の量は、枯れていない場所に比べていずれも三から三十倍も多かったという報道がされております。これが一つです。生産者の疑念を裏づけるような、まだ確定したわけではありませんけれども、こういう結果が報道されております。  それから第二は、三月十日、西口勇和歌山県知事が御坊第二火力発電所建設問題で、国の電源開発調整審議会、電調審に知事意見を出さないことを表明されました。これも熟慮した結果、今回員送るということだそうですけれども、つまり梅被害の起きている周辺地域だけではなくて、これはもう全県民的な疑念が強まっていることを反映したものだと私は理解しております。  こういう二つの新しい事態を踏まえますと、もはややはり通産省として傍観は許されないのではないかと思うわけです。電気事業者を所管し、省として御坊火力発電所のアセスメントを審査した責任があるわけですので、今関電から話し合いに応じているということは聞いているということでしたけれども、私はもっと明確に指導していただきたい。  具体的には、一つは関電に梅の被害について関電が影響しているかどうか、きちっと責任持って改めて再調査をするというふうに指導すべきではないか、これが一点です。もう一点は、その影響がないということが科学的に確証されるまで、証明されるまでは、パンフレットの配布等影響がないんだということのキャンペーンをやめるように指導すべきではないかと思うんですが、大臣いかがでしょう。
  120. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 御坊第一火力発電所の環境審査に当たりまして、私どもは、現行の排出基準はもちろんでございますが、それをはるかに下回る着地濃度が達成できるように厳正な審査をし、その結果を踏まえて、関西電力、今の御坊第一発電所は〇・一%の低硫黄重原油という大変硫黄分の少ない油をたくというようなことを中心とした一連の対応をとっているところでございます。その際に、梅との関係につきまして電力中央研究所で調査をして、今の着地濃度よりはもう少し高い濃度で暴露試験をやって、その結果、梅の被害との関係で必ずしも因果関係があるということは確認できないという、そういう調査結果をその時点で確認したところでございます。  ただいまの先生の御質問の、ないことの証明をすべしというそのことについてですが、これは大変難しい作業でございまして、実は私どもは別途、関西電力から報告を聞くのみならず、和歌山県との間でも大変緊密な連絡あるいは相談を受けております。県の側におきましても、御坊第一の発電所とそれから梅生育地との梅枯れの関係について、因果関係ありということを証するという材料は現状では十分にはない、しかし逆にないということを積極的に証する材料もないというそういう状況で、県の果樹園芸試験場において今その辺の勉強をしているということでございます。  私どもは、先ほど委員も御指摘になりました和歌山県知事の電調審に向けての三月十日の議会答弁というのは、そういう状況を踏まえながら地元の知事及び知事部局において、田辺市を初めとする農協、農民の方々の御懸念なりそういうものも踏まえながらの地元の県としての御判断を示されたものというふうに承知をしておりますので、この県の御判断は私どもも率直に受けとめて尊重いたしたいと思います。  さらに、そこから先ほど先生のお話にありました関西電力が地元の方々に御坊第二の計画について御理解を深めていただくための活動等も一切やめるべしというところまでの指導をするにつきましては、慎重に考えてまいりたいと思います。
  121. 山下芳生

    ○山下芳生君 大気の問題は今、前回に続いてやったわけですが、もう一つ御坊第二火力発電所については海洋汚染の問題も心配されております。計画されている第二火力発電所の燃料であるオリマルジョンについて聞きます。  オリマルジョンは、オリノコタール七〇%に約三〇%の水と〇・五%の界面活性剤を入れてコロイド状にしたものであります。水とよくまじり合う性質を持っている燃料です。ということは、今回のロシアのタンカーの事故のような事態が起こったり、あるいはオリマルジョンを陸揚げする場合に過って漏えいされた場合などには、非常に影響が重大だということが予想されます。特に、この第二火力発電所が建設される予定となっている海域は伊勢エビやアワビの大変よい漁場だそうであります。オリマルジョン漏えい対策、きちっと万全だというふうにやっているでしょうか。
  122. 岡本巖

    政府委員(岡本巖君) 御坊第二火力発電所はオリマルジョンをたくということで計画をいたしているものでございますが、まずこれの漏えいの場合の回収の可能性等につきましては、ナホトカ号の際にも中心的な役割を果たしております海上災害防止センターにお願いをいたしまして、その回収可能性等について調査をいたしました。その結果、仮に海中に漏えいしたというような場合にも油とほぼ同様の防除、回収が可能であるという見解をいただいております。  まず、それに先立って、オリマルジョンを利用するということで海上輸送に当たりまして、関連法規を遵守するのはもちろんでございますが、タンカーのタンクの板を二重化するとか、航行中の衝突防止のために自動警報装置を採用するとか、それから揚液時、実際にオリマルジョンを陸揚げする場合にタンカーと配管を素早く切り離す装置を設けるとか、荒天時の揚液作業の禁止といったようなマニュアルの準備でございますとか、私どもとしては、オリマルジョンを海外でも実際に発電所でたいている実績はあるわけでございますが、本格的に御坊第二でこういうものを入れるに当たりましては、海上輸送から陸揚げ時を含めまして、先ほど御紹介申し上げましたような諸点を含めて万全を期すように事業者に対して指導いたしているところでございます。
  123. 山下芳生

    ○山下芳生君 きょう運輸省にも来ていただいておりますので、今答弁のあった海上災害防止センターにおける実験の内容を説明いただけますか。
  124. 坂場正保

    説明員(坂場正保君) 今御指摘の海上災害防止センターにおきましては、関西電力等からの委託を受けまして現在調査研究中でございまして、最終的な成案を今まとめている段階でございますが、海上保安庁といたしましても、オリマルジョンの防除対策につきましては、原油等の場合と同様の防除対策が有効であるというふうに考えております。  具体的に少し説明させていただきますと、オイルフェンス等を利用する方法、それから油処理剤等を利用して乳化分散処理をする方法、それから回収船、回収装置等を利用する方法、それから船艇等で航走拡散する方法、いろいろございますが、最も有効な方法を選定いたしまして、または組み合わせて実施するということで油防除を行っているところでございます。
  125. 山下芳生

    ○山下芳生君 大体、言っていることが論理矛盾なんですよ。実験の結果をまだ検討しているところだと、そう言いながら、一方で万全を期していると言うのはいかがなものか。  私は、関電が委託した実験というのはどんなものかという資料をいただきました。三菱重工業、これは長崎で研究しているそうですけれども、そこでやっている実験といいますのは、関電の御坊火力発電所でビデオで紹介しているんですよ。それを見ますと、オリマルジョンの沈下実験というものは、海水を入れたお茶筒のような縦長の透明の水槽に上からオリマルジョンを落下させて沈んでいく状況を観察すると。二十四時間で大体三メートルぐらいの水深まで沈んで、その沈んだ三メートルというのは真っ黒になっておりました。続いて、別途、海水をドーナツ状の水槽で移動させながら拡散実験をするということもされているようで、これは写真だけしか入手できなかったんですが、そういうこともやっている。  それで、結論として、三メーター程度が黒くなるだけだからオイルフェンスを三メーターぐらいやれば防除できるんじゃないかという結論を出そうとしているようですけれども、しかし、これ水槽ですからね。ですから、静かに垂らせば三メーターでとどまるかもしれないが、御坊第二火力発電所の建設予定地は外海の人工島なんですね。波が荒く、海流も複雑ですよ。そういう水槽でやった実験と同じ結果が出るというふうに考える方が私はおかしいんじゃないかというふうに思うわけです。  ですから、そういう意味ではそういう実験の結論を、きちっと現場に対応した実験になっているのかどうかということも、これはやはり海洋汚染防止、もとを発すれば火力発電所から来るものですから、通産省にしても運輸省にしても現場にマッチした実験の結果をきちっと検証していただきたい。  それから、そういう状況になっているにもかかわらず大丈夫だ大丈夫だと言うのは、これもやっぱり関西電力の言い分をそのまま通産省がそういうふうに大丈夫だと言うのはいかがなものかというふうに私は思います。  最後に、大臣にぜひ御意見をまた伺います。  大気汚染の問題もしかり、海洋汚染の問題もしかり、私はやはり安全を優先させて疑念を晴らして、公益企業としての責任が初めて果たされるというふうに思います。今議論をお聞きになっていて、通産大臣としての御所見を伺って、質問を終わります。
  126. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) これは、電力行政ではなく、非常に通産行政の中には今のように環境問題、影響がある省が多うございますから、きょうも実はこの間の動燃の事故にかんがみ、やはり所管の電力にしろガスにしろ石油にしろ、あるいは鉄鋼にしろ、非常に危険物を扱うところに対しては厳重に安全の確認ということをきょう指示したわけでございますが、今委員おっしゃるように、すべて私たちの業務、この安全ということを第一に考えて取り組むということは異論はございませんし、同感でございます。
  127. 山下芳生

    ○山下芳生君 終わります。
  128. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  129. 山下芳生

    ○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論を行います。  本法案は、国民の安全を守る保安規制と単なる事務手続的な規制とを同列に置いて緩和をしようというものであります。  我が党は、規制緩和全般について、一律に反対するものではありません。国民生活の向上と安全を守る立場から、役目の終わったものや障害になっているものは積極的に改廃する必要がありますが、同時に、必要な場合には規制を強化しなければならないものもあると考えます。  その立場から、本法案を検討すると熱供給事業法、省エネ法及び電気事業法にかかわる改正は、以下述べるとおりそれぞれ問題点が含まれているので、賛成できません。  第一に、熱供給事業法の改正ですが、これは大都市圏など人口稠密な地域に敷設される導管の地中埋設時の検査をなくし、使用前検査を一回に減らすものであり、企業の自主保安をチェック・担保する公的検査を弱めることになり、保安の水準を低下させるおそれがあるものであります。  第二に、省エネ法改正ですが、これは、今日、地球的規模の課題として重視されている省エネルギー対策の推進を図るために、現場の第一線に配置すべきエネルギー管理者届け出の期限を緩和するというものであります。  しかし、エネルギー管理工場における現状は、省エネの基本である判断基準を守らない工場が三割にも及び、またエネルギー管理者を選任していない工場があるのが実態であります。こうした現状を踏まえれば、今回の改正は国の監督権限を弱め、省エネに積極的に取り組むべき企業の社会的責任をあいまいにするおそれがあるものであります。  第三に、電気事業法の改正によって、業務開始期限が八年から十年に延長されますが、政府はその根拠について、環境問題に対する国民の関心の高まりなどによる発電施設の建設期間の長期化などの立地環境の変化を挙げています。  しかし、期間が過ぎても住民の合意が得られないということは、計画自体に問題があるか、もしくは誠実な対応が不十分であることを示すものであって、期限を延長すれば解決するものではありません。計画自体の再検討でこそ対応すべきものであります。  以上述べた点について問題があるので、法案に反対するものであります。  以上で反対討論を終わります。
  130. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  131. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  133. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 次に、工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤通商産業大臣
  134. 佐藤信二

    ○国務大臣佐藤信二君) 工業標準化法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年の経済活動の国際化の進展の中で、規格及び認証制度が貿易に対する障害にならないようにすることを目的として、貿易の技術的障害に関する協定が締結されました。本協定は、貿易の一層の円滑化の観点から、国際的な基準を基礎として、各国の規格に関する認証手続整備することを強く求めています。また、我が国の事業環境を国際的にもより一層魅力あるものとし、経済構造改革を推進するためには、内外に透明で競争的な制度環境を整備することが喫緊の課題であります。  このような内外の情勢変化に的確に対応した工業標準化制度を構築するため、本法律案を提出した次第であります。  次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一は、日本工業規格表示、すなわちJISマーク表示を製品に付する製造業者等を民間機関が認定する制度を整備することであります。  JISマーク表示制度につきましては、現行法のもとでは、主務大臣のみがその表示を認めることができるものとなっておりますが、本法律案により、現行の主務大臣による審査に加え、国際的な基準を基礎として主務大臣が指定する内外の民間法人の審査により表示を認める制度を整備いたした次第であります。  第二は、表示制度の対象とならない鉱工業品について、日本工業規格との自己適合証明を円滑に行うことを可能とするための試験事業者制度を整備することであります。  主務大臣が国際的な基準をもとに認定した試験事業者が日本工業規格との適合性を明らかにするために必要な試験を行った場合には、当該試験事業者が標章を付した証明書を交付することができるものとするものであります。製造業者等が日本工業規格との適合性をみずから証明するに際し、本制度が有効に活用されることを期待しているものであります。  第三に、民間団体等の利害関係人が自主的に原案を作成し、主務大臣に規格の制定を申し出た場合の手続簡素化し、民間団体等からの幅広い規格の提案を促進することであります。  以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上でございます。
  135. 木宮和彦

    委員長木宮和彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日行うこととし、これにて散会いたします。    午後三時二十四分散会      —————・—————