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1997-06-13 第140回国会 参議院 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年六月十三日(金曜日)    午後一時三十分開会     —————————————    委員の異動  六月十二日     辞任         補欠選任     日下部禧代子君     清水 澄子君      吉岡 吉典君     吉川 春子君  六月十三日     辞任         補欠選任      及川 一夫君    日下部禧代子君     —————————————    出席者は左のとおり。      委員長        遠藤  要君      理 事                 片山虎之助君                 倉田 寛之君                 永田 良雄君                 松谷蒼一郎君                 今泉  昭君                 広中和歌子君                 清水 澄子君                 齋藤  勁君                 吉川 春子君      委 員                 金田 勝年君                 亀谷 博昭君                 久世 公堯君                 沓掛 哲男君                 斎藤 文夫君                 塩崎 恭久君                 長尾 立子君                 林  芳正君                 保坂 三蔵君                 三浦 一水君                 宮澤  弘君                 吉村剛太郎君                 阿曽田 清君                 荒木 清寛君                 石田 美栄君                 泉  信也君                 岩瀬 良三君                 小林  元君                 菅川 健二君                 浜四津敏子君                 益田 洋介君                 赤桐  操君                日下部禧代子君                 久保  亘君                 峰崎 直樹君                 笠井  亮君                 佐藤 道夫君                 田村 公平君                 奥村 展三君                 山口 哲夫君    国務大臣        内閣総理大臣   橋本龍太郎君        国 務 大 臣       (内閣官房長官)  梶山 静六君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  武藤 嘉文君    政府委員        内閣審議官    畠中誠二郎君        内閣審議官    白須 光美君        総務庁行政管理        局長       陶山  晧君        法務大臣官房司        法法制調査部長  山崎  潮君        法務省民事局長  濱崎 恭生君        大蔵大臣官房金        融検査部長    中川 隆進君        大蔵大臣官房総        務審議官     武藤 敏郎君        大蔵省理財局長  伏屋 和彦君        大蔵省証券局長  長野 厖士君        大蔵省銀行局長  山口 公生君        通商産業省産業        政策局長     渡辺  修君        労働省職業安定        局長       征矢 紀臣君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 久雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○金融監督庁設置法案内閣提出衆議院送付) ○金融監督庁設置法施行に伴う関係法律整備  に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○特殊法人財務諸表等の作成及び公開の推進に  関する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 遠藤要

    委員長遠藤要君) ただいまから行財政改革税制等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、理事辞任についてお諮りいたします。  笠井亮君から、文書をもって、都合により理事辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  理事補欠選任についてお諮りいたします。  現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事清水澄子君及び吉川春子君を指名いたします。     —————————————
  5. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 金融監督庁設置法案及び金融監督庁設置法施行に伴う関係法律整備に関する法律案を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 宮澤弘

    宮澤弘君 質疑に入ります前に、一言申します。  二〇〇五年の万博が、人と自然の共生を掲げて愛知県で開催されることに決定されましたことは御同慶の至りでございます。ここに至るまでの、愛知県はもとより総理初め政府及び関係者の方々の御努力に対しまして敬意を表する次第でございます。財政難の時代ではございますが、立派な博覧会が開催されることを期待いたします。  さて、私は、先般来の金融不祥事件をめぐる監督責任、役所の責任について、私見を交えながら総理及び大蔵大臣見解をただしたいと思います。  最近、世間を騒がした事件は、一つ日産生命の問題、そしてさらに日本を代表する企業であります野村証券第一勧業銀行不祥事でございました。  日産生命の問題は、監督官庁による会社経営の悪化の発見がおくれ、また処理もおくれたことが問題とされたのであります。また、野村証券第一勧銀の問題は、会社事態を隠ぺいいたしまして、監督官庁検査によっても経営実態が発見できなかった事件でありました。総会屋と癒着をいたしまして、不正融資が絡んだ総会屋に対する利益供与事件でありまして、組織ぐるみ会社ぐるみの疑いが濃厚と言われているところであります。これらの事件は、国内に大きな衝撃を与えましたし、また海外でも日本金融市場の信用の失墜を招いていることはまことに残念でございます。総理が、警察、検察に対しまして、掘れるだけ掘ってもらわないと市場信頼は戻らない、こういう徹底究明を指示されましたことは、これは当然であろうと思います。  さてそこで、まず大蔵大臣に伺います。この種の不祥事は、野村証券あるいは第一勧業銀行だけにとどまるというふうに思われますか。総会屋につけ込まれるような体質を持った銀行なり証券会社というものはほかにはない、こういうふうに思われますか。まずその点を伺いたいと思います。
  7. 三塚博

    国務大臣三塚博君) ただいまの御指摘、極めて遺憾な事態になりましたことを憂慮いたしております。捜査当局はもちろんでありますが、当局として全力を尽くして事実解明に相努めておるところでございます。  御質問の趣旨でございますが、総会屋との関係、他にあるのではないかということでございますが、今回の事件の全貌が明らかでございません現段階におきましては、他の金融関係機関に同様の問題が絶対ないと断言することも、また、あるかもしれないと申し上げることも、ともに適切ではないのではないかと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。  仮に、法令違反等不適切な行為がありますれば、当然のことでございますが、独立して職権を行使する監視委員会を初め関係当局において厳正、適切に対処するものと考えておるところでございます。
  8. 宮澤弘

    宮澤弘君 この際、私は、金融業界経営の徹底的な総点検というものを各企業に求めることが必要である、こういうふうに思いますが、いかがでございましょうか。
  9. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 既に容疑を受けておる野村、一勧に対しましては、自己努力により内部調査を進め、問題点を明示するように指示をいたしておるところでございます。同時に、銀行協会等々の団体等につきまして大蔵省より、本問題が起きませんように実態取り組みについて指導監督をいたしておるところでございます。
  10. 宮澤弘

    宮澤弘君 どうか徹底的な自己調査ということをお願いいたしたいと思います。  まことに私は残念に思うのでありますけれども、私もこの種の経営体質は果たしてこの二社だけにとどまっているかどうか、少なからざる我が国企業に潜在をしているのではないかと危惧をいたしております。  そこで、総理に伺うのでありますけれども、今回の金融関係二社の不祥事によりまして、これは金融業界のみならず、我が国企業体質が国内的にもまた国際的にもそのような評価を受けるようになってしまったおそれがあるのではないかとさえ心配をいたしているのでありますが、総理に伺いたいのは、我が国企業体質改善について今後どう取り組んでいかれるのか、その御決意のほどを伺いたいと思います。
  11. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ちょうど大蔵大臣在任中、金融証券不祥事、この場合は補てんでありましたが、が起こりましたとき、その直後にロンドン・サミットを控えておりまして、当然のことながらそのサミットにおける大蔵大臣会合においてはこの問題が提起されるであろう、どのように説明し、どのように信頼を回復するか、それがその当時私にとりまして極めて重い荷物となりました。  幸いに、国会におきまして私自身に多少の時間の猶予を与えていただき、原因を解明する努力とともに、それに対する対応として当時の証券局通達行政というものの見直しを行うとともに、その通達相当部分を民間の自主的なルールに移し、必要なものは法律に移す、そして証取法の改正の第一弾まで仕上げる時間を与えていただいたことを今思い返しております。  そして、そうした措置をとることにより、一時期回復をいたしました信頼が大和の事件その他において再び傷つき、今回海外において特に大きな傷を負ったという点については、我々として何とも言い切れぬ思いを心の中に持っております。これは総会屋というものに対しまして、従前から捜査当局取り締まりを徹底してきたところでございますけれども、特に昭和五十六年の商法改正を受けて取り締まりを一層強化し、総会屋に対する利益供与事件というものにつきましても相当数検挙事例を見ることができました。検挙事例があることが望ましいというのではございません、むしろそうした事例がないことがベストでありますけれども、行われたものに対しての検挙事例というのは相当数に上っております。  また、警察から企業に対し、あるいは各種経済団体会合における呼びかけあるいは申し入れなど、あらゆる機会を通じ不断の働きかけを行ってくるなど、企業総会屋関係の遮断に対する努力というものも私はそれなりに行われてきたと考えておりますが、このような状態の中におきましてもなかなかこうした問題が後を絶たないということは、極めて遺憾という言葉で済む状態ではございませんけれども、遺憾なことだと申し上げなければなりません。  こうした事件が発生するその背景には、企業の中におきまして総会屋等への対応に対して厳しさに欠けるものがあったということしか言いようがございませんけれども、今後、企業の自覚を促しながら企業体質を是正、改善させるための方策についても、幅広い角度から取り組んでまいりたいと考えております。  ただ、相願わくは、これを政府規制強化とかそういったことではなく、みずからの個々の企業また業界団体としてそうしたルールをつくられ、みずから守る努力をしていかれることが望ましいことでありますけれども、それができないということでありますなら、規制緩和を進める現代に逆行する動きになるかもしれませんが、そうしたことまで考えなければならないのかとも思う状況でございます。
  12. 宮澤弘

    宮澤弘君 このような事件が起こりまして、これはもう当該企業責任は極めて重いことは当然でございますけれども、このような不祥事が起こったことについての監督官庁責任は一体どうなっているのでございましょうか。  総理大蔵大臣世間ではどう言っているというふうにお思いですか。私がある新聞で見ました中小業者は、中小業者は小金を借りるんでも、やれ担保を出せとかあるいは担保不足だというようなことをやかましく言われる、それを今度の不祥事では無担保で想像もできないような大きな金が右から左に動いている、一体これはどうなっているのか、監督官庁である大蔵省は何を監督しているのか、これが偽らざる世間の声ではなかろうかと思います。  そこで、今回の二つ不祥事件が起こったことにつきまして、大蔵大臣に伺いたいと思います。  大臣監督官庁責任があると思われますか。  あるいはあると思われれば、どういう点に責任があるというふうに思われますか。
  13. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 極めて国民の声を代表されての御指摘であります。私自身、全くないとは考えません。御批判はそのとおり受けとめて、今後の対応で万全を期していかなければならないことだと思います。それと同時に、証券監視委員会、少ないスタッフの中で全力を投球して、二度と不祥事件が起きないようにということで精勤これ相努めてまいりましたことは御理解をいただかなければならぬところでございます。  しかし、起きたのではないか、こういうことに対しては、それぞれ監視委員会各位、それぞれの思いの中でまたそれぞれの反省の中で、さらに強力な体制はもとよりでありますが、自分たち職責遂行について万全を期していかなければならないということで、新たな決意が示されておることは事実でございます。また、官房金融検査部、これまた数少ないスタッフの中でたくさんの金融機関検査に当たってまいりましたこと、本委員会質疑を通じまして御指摘のたびに担当者より答弁をいたしておるところでございます。  これまた、隠されたとはいえ、なぜそれが摘発できないかと言われますと、それは捜査権がない行政機関検査でありまして、その点はまさに不可抗力のいたすところと認めざるを得ません。前段御批判をまともに受けると申し上げましたのは、その体制強化を怠ったのではないかという意味では、主管大臣であります私自身深く受けとめ、今後体制をどう強化するか、行政改革という極めて厳しい中でありますから、意気盛んにして万全を期してもらうということしかないのかなと思いながら激励を続けておるところであります。  今次の事態をともに深刻に受けとめながら、再び起きませんように根限りの万全の体制をつくり、職務に精励をしてまいりますように激励をし、その意識が強く今日両機関にありますことを申し上げ、格段の御指導と御鞭撻を賜りますよう心を込めてお願いを申し上げさせていただきます。
  14. 宮澤弘

    宮澤弘君 ただいま大蔵大臣は、責任は全くないとは言えない、それから今後の対応で万全を期したいというようなことをおっしゃいました。ちょうど衆議院行政改革に関する特別委員会速記録、同趣旨のことを大臣発言をしておいでになります。  ちょっと読ませていただきますと、「銀行局検査については、精緻な根気強い検査を今日までやってまいりました。その網をくぐったとすれば、表現のしようがございません。」、「表現のしようがございません。」というのは、これはちょっと手がつけられないと、こういう意味でおっしゃったのだろうと思います。「そういう意味で、責任はということを毎回言われておりますが、これは実態を明らかにすること、そして、二度とさようなことが起きないようにしてまいりますこと、このことに尽きるかと思います。」と、ただいまお話がありましたような答弁をしておいでになります。  「このことに尽きる」というふうに言っておられますので、先ほどもおっしゃいましたけれども、責任というのはこの辺までが自分責任だと考えていると、こうおっしゃることだと思いますし、また、監督官庁責任ということについて後で自分の意見を申し上げたいと思いますけれども、また、批判はまともに受けるし、体制整備を怠っていたとすればそれは自分責任だというふうに反省の弁も述べておられます。  そこで、これは総理にも伺おうと思いましたけれども、恐らく主管大蔵大臣が述べられたことに尽きるのではなかろうかと思いますので、私はここではあえて総理には承りません。  そこで、いささか私見を述べさせていただきたいのでありますが、今回の不祥事を通じまして、企業あり方とともに行政あり方も問われていると思います。そう考えなくてはならないと私は考えております。監督官庁の通常言われております護送船団方式行政は長い間信じがたい、私はこの信じがたいという言葉を申し上げましたのは、今度の二つ企業の経緯を見ておりますと、まことに信じがたいと言うほかはないのでありますが、信じがたい放漫の企業経営を生んだと私はそう思います。安易な経営姿勢、それからディスクロージャーの不十分な隠ぺいされた体質、これが総会屋につけ込むすきを与えた経営だったと私は思います。  企業総会屋がつけ入るような古い体質が温存されていることに監督官庁は気がつかなかったのでありましょうか。私はそうではないと思います。特にすぐれた公務員集団であります監督官庁でありますから、そういう体質になっているということを気がつかなかったはずはないと思います。長い間に総会屋のつけ入る病根が根づいているのに、恐らく気はついていたんだろうと思います。気はついておりましたけれども、積極的に業界のそういう体質改善指導をすることを怠ったというか、指導するに至らなかったということではないかと私は思います。  企業行政ともぬるま湯に入ったような護送船団方式に安住していたのではないだろうか、護送船団方式が生んだぬるま湯行政の、甘えの構造の結果起こったのが今回の不祥事ではなかろうかと私は思います。その限りにおいて監督官庁としての責任があるのではなかろうかと、私はこのように考えております。  しかし、その場合の監督官庁責任と申しますのは、何大臣でありますとか、何局長でありますとか、そういう人に具体的な責任があるかどうかといった種類の責任論では私はないと思うのであります。業界の古い体質改善に目をつぶって、長い間旧弊に安住していた監督行政姿勢そのもの責任が問われているのではないか、こういうふうに私は思います。  私はそういう見解を持っておりますが、そこで総理、今私が述べました私の見解についてどういうふうにお考えになりますか。御答弁をいただきたいと思います。
  15. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、必ずしも議員が今述べられました見解とすべてが同一だとは申し上げません。  確かに護送船団方式と言われる行政の続いておりました時期において、特に金融におきましては企画立案業務から検査あるいは監督といった業務までが一つの部局の中に置かれていた。そのために、その中でどれだけきちんとした努力がなされておりましても、それは外に見えていなかった。結果として、何らかの問題が発生いたしましたとき、そのすべてが行政責任に帰せられた、そのようなことが私は過去になかったとは思えないんです。ですから、すべてが私は行政責任をとっていかなければならないと言われますと、多少そこに食い違いを感じます。  殊に、今回の野村及び第一勧銀をめぐる問題というものにつきましては、これは当然ながら犯罪を構成する部分を持つ事件であると報ぜられておりますし、捜査当局厳正捜査を当然行われるでありましょう。そして、今その監督行政手法そのもの事前予防という姿から、この金融システム改革の中におきまして事後チェックヘと大きく姿を変えようといたしております。それは何かといいますなら、無論不正がないにこしたことはありません。しかし不正があれば、これを発見すれば厳正対処していく、これがまず第一に重要な役割ということになります。  そして、今回さまざまな御批判の中におきまして、金融行政というものの中で企画立案の部門と検査監督業務を真っ向から分けるという決断をし、現在そうした観点から法案の御審議をいただいておるさなかでありますけれども、私どもは、やはり事後チェック、これはすなわちいかにして不正があればその不正を発見するかということであろう、そしてそれに厳正対処していくということであろうと。  同時に、より公正な市場を実現するための金融システムというものについて、企画立案当局としては、その市場を実現するための努力の中で責任を果たしていくべきものと。そして、それは当然ながら、よく申し上げてまいりましたフリーであり、フェアであり、グローバルな市場というものの中で、特にフェアというものを一層重視する必要があるだろうと考えております。  同時に、こうした不祥事業界全体としての再発防止が重要であることは間違いありませんし、監督当局責任においてこうしたものに対し万全の取り組みを必要とするものになると考えております。  いずれにいたしましても、事前予防の立場から事後チェックという方向に変わろうといたしております今日、過去の行政あり方の中でこの問題を考えました場合には、企画立案から検査監督、その結果を受けての指導に至るまでのすべてが一つの中に組み込まれておりましたときと、企画立案検査監督を分けていくこれからの時代において、その責任あり方はおのずから異なってくるものと、そのように思います。
  16. 宮澤弘

    宮澤弘君 ただいま総理から御答弁をいただきました。おっしゃいますように、監督行政あり方というのは大変難しい、一義的にどうあるべきかということではないと思います。  そして、これから監督行政というのは、これまでの事前予防から事後チェック、まさにそういう方向であろうと思いますので、今回の法律に基づく新しいシステムもそうあってほしい。したがって、今までのあったことについては、私はぜひこれを他山の石と考えていただきたい、このように考えております。  大蔵大臣、今、総理からも御答弁がありましたけれども、大蔵大臣から御答弁、簡単にお願いをいたしたいと思います。
  17. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 総理が言われた基本点を踏まえながら申し上げるということになります。  主管大臣として、内閣のまた首班としての橋本首相、今日の事態をより深刻に受けとめながら、金融システム改革というまさに大改革がスタートを切ろうといたしておるさなかに起きた事件だけに、その衝撃については真っ正面から受けとめさせていただいておるところでございます。  今後、勧告があれば厳正対処をしてまいりますし、また次なる処置が加えられる、捜査上の処置でありますが、出た時点においてこれまた厳正対処をしていかなければならないということであります。  宮澤委員の御指摘を踏まえながら、今後の体制にさらなる万全な体制をつくり上げるべく最大の努力をしてまいりたいと存じます。
  18. 宮澤弘

    宮澤弘君 今、大蔵大臣もおっしゃいました。  先ほども御答弁がございましたけれども、とにかく今度の問題は、事態を明らかにして今後こういうことが二度と起こらないようにする、まさにそのことは非常に必要なこと、基本的な問題であろうと思います。同時に、過去のこれ反省なくしてやはり未来の展望はないのでございますから、どうかひとつ過去の経験を十分生かして、これからの金融関係監督行政、十分を期していただきたいと思います。  最後に、多少時間がございますので、実はこの問題は二つとも総会屋にかかわりがございますので、政府委員来ておられると思いますが、政府委員二つの点を伺います。  昨年一年間の総会屋にかかわる検挙の状況ということが一点であります。それからもう一点は、企業総会屋となかなか手を切ることができない、これが残念ながら実態だと思いますが、一体なぜ手を切ることができないのか、どういうことを考えなければいけないのか、それについての御答弁お願いしたいと思います。
  19. 佐藤英彦

    政府委員(佐藤英彦君) 総会屋につきましては、暴力団に準じまして取り締まりの対象といたしまして、違法行為は看過しないということで対処方針としておりますが、昨年の検挙件数は二十二件、三十名でございました。一番多いのは恐喝等でございました。  それから二つ目のお尋ねでございますけれども、企業におきましてはかねてから次のような傾向があったというぐあいに私どもは考えております。それは、株主総会を無難に切り抜けたいという考え方、二つ目が企業イメージが低下することを恐れまして会社に不利益な情報を流布されたくないという考え方、そして三つ目が総会屋一つの情報源と考えますなど一定の利用価値を認めてきたということでございます。  商法改正がございまして、かなりの企業がその機会に総会屋との関係を絶ったというぐあいに見ておりますけれども、残念ながらほとぼりが冷めました折に再び総会屋の要求に屈しましたり、あるいは会社トップの意向をそんたくいたしまして関係を復したという企業も少なくないのであります。  ところが、平成四年ごろでございましたか、総会屋と暴力団の間がボーダーレス化をいたしまして、総会屋と暴力団の区別がつかないという実態になりました折に、こういう総会屋と癒着をしております企業に対する国民の批判が非常に強まりました。そういうときになりまして、商法の利益供与検挙をされました会社に対しましてその企業のトップが社会的責任をとって辞任せざるを得ないという状況になったのでございますけれども、それでもなおかつ現在もその関係を維持しているという、そういう企業における原因といたしましては、やはり企業トップの断固たる姿勢の欠如にあると言うしかないというぐあいに私どもは考えております。  現在、総会屋の多くが暴力団とのかかわりを深く持っている現状にあります。そういう今日におきまして総会屋に金品を供与するということは、暴力団に資金を提供する結果ともなっているということでありますとか、あるいは総会屋に資金を提供いたしますとその総会屋が他の企業に対しまして不法行為を行う場合の活動資金を提供していることにほかならないということなどにかんがみますと、企業トップの毅然たる姿勢が望まれるというぐあいに私どもは考えております。
  20. 宮澤弘

    宮澤弘君 警察お願いしますが、企業をよく指導していただきたいと思います。  終わります。
  21. 菅川健二

    ○菅川健二君 平成会の菅川健二でございます。  どうぞよろしくお願いいたします。  まず、金融監督法案について総理にお伺いいたしたいと思います。  かつて金融監督法案の骨子ができましたときに、二月の末でございますが、日経が「大蔵省天動説をいつまで続けるのか」という社説を掲げたわけでございます。その当時、私も法案を読みまして、全く共鳴を覚えたわけでございます。まさに金融監督庁というのは大蔵省のリモコン、ダッコちゃんみたいなものでございまして、人の体に例えますと頭脳、いわゆる企画立案部門でございますが、頭脳の部分と手足、これは地方の金融機関検査監督でございますが、その部分大蔵省が受け持ちまして、金融監督庁はまさに胴体部門だけ持っておるという組織になって、ひとり立ちができないわけでございます。  こういった不幸な子供を産んでよろしいんだろうかということでございまして、機能不全の行政組織をつくると。これは恐らく今の行政組織にほかに例がないと思うわけでございますが、この点についてどうお考えでございましょうか。
  22. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、この点議員と少々考え方を異にいたしております。  今回御審議をいただいております。その金融行政機構改革、この考え方は、金融行政に対しましてさまざまな角度から、昨年来、国民からもまた国会における御論議からも我々は御示唆をいただきました。そして、民間金融機関などに対する検査監督という執行面の機能と企画立案という政策面の機能をはっきりと二つの省庁に分ける、そして検査監督という業務につきましては金融監督庁が、企画立案という機能を大蔵省が分担する、こうしたことによりまして市場規律を基軸とした透明かつ公正な金融行政の転換を図る、そうしたはっきりとした考え方を持ってつくりましたものであります。  こうした基本的な考え方の中で、民間金融機関などの検査その他の監督権限というものは、検査、店舗設置の認可などのほか、改善命令あるいは業務停止命令、免許取り消し等の破綻処理に関する権限を含めて金融監督庁に移すことにいたしております。私は、これが議員の言われたような御批判を受けるものとは思いません。  また、今一方で行政組織をいかにスリム化するかということを考えて努力をいたしておりますときに、国のいわば出先機関に当たる部分におきまして全く監督権限の違う双方から一つの部局を使うことが望ましくないという趣旨の御指摘と考えますが、例えばよく行政改革で例に引かれますニュージーランド、外務大臣と貿易大臣、二人の閣僚がおられますけれども、事務局は外務貿易省という一つ行政機構であります。同一の形態のまま二つ大臣の指揮監督のもとに機能を果たしております。あるいはイギリスの閣内相の中に大蔵大臣、そして予算を主として主管する大蔵大臣、双方がおられますけれども、この事務局機構も同一の機構であり、それぞれ異なった指揮権のもとにその双方の機能を果たしております。  私は、金融監督庁において、確かに我が国でこうした試みをとることは初めてでありますが、それが欠陥のごとく御指摘を受けることには多少考え方を異にする部分があります、そして彼らはそれだけの能力を持っている行政官たちの集団であると私は信じておりますとお答えを申し上げたいと思います。
  23. 菅川健二

    ○菅川健二君 今、日本でもほとんど例がないと申されたわけでございます。まことに例がないことについて日本の社会で機能させるというのは私は大変難しいと思うわけでございます。諸外国に例があると申されましたけれども、日本の場合、非常に縦系列が厳しいわけでございまして、大変難しい運営になるんではないかと思っておるわけでございます。  ところで、大蔵省というのが明治二年に設立されまして以来百三十年間、巨大な権限が戦後のGHQによりましても侵されずにずっと続いてきたわけでございます。今回初めてその権限にメスが入れられたわけでございますが、私はメスの入れ場所をお間違えになったんではなかろうかと思っておるわけでございます。  これまで、金融行政というものが財政政策のしもべとして財政政策に翻弄されてきた。これはバブル経済の例もそうでございますが、それから大和銀行、住専問題に対して数々の失敗を繰り返してきた、その反省の上に立ちますと、真っ先に財政と金融との間にメスを入れるべきではなかったかと思うわけでございます。  間近に中央省庁の再編が迫っておるわけでございまして、再び金融行政の位置づけということが問われるわけでございます。既に、新聞等におきましては、何か大蔵と通産がさや当てしておるとか、あるいはつるんでおるとかいろいろ報道がございますけれども、この際、二十一世紀に向かって新しい省庁の再編をするということでございますが、その際、財政と金融を完全に分離するという、そういった切れ味をお見せいただけないでしょうか。総理にお聞きしたいと思います。
  24. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) しばしば本院でもお答えを申し上げてまいりましたけれども、財政と金融あり方、これ自体につきましては、まさに行政改革会議におきまして二十一世紀における国家機能、またそれを踏まえた中央省庁再編のあり方の検討の一環として大所高所から十分議論をすべきテーマと受けとめてまいりましたし、また、現にその議論は進んでおります。ただ同時に、国内だけがこの問題の影響を受ける場ではないということも申し上げておかなければなりません。  財政と金融大蔵省という行政形態の中にとどめました姿で、私どもは現在の、例えば七カ国大蔵大臣・中央銀行総裁会議等に参加をいたします場合にも、また、間もなくデンバーで開かれます先進国首脳会議、この大蔵大臣会合等においても我々は対応をしてまいりました。そして、G7等における国際的な政策協調への対応といった点からもこの問題は考えていかなければならない部分を持っておるということは申し添えたいと存じます。  同時に、グローバル化と高齢化の進展する二十一世紀、限られた資源を効率的に配分する、そうした視点から考えるときどうあるべきか、こうした視点も同様に必要であろうと考え、まさに行政改革会議における大所高所の御議論をいただいているさなかでございます。
  25. 菅川健二

    ○菅川健二君 この点につきましては、よく検討の上、将来に禍根を残さないような省庁再編にしていただきたいと思うわけでございます。  金融監督庁につきましては、当行財政改革特別委員会に付託されておりますように、行政改革との絡みがどうしても問題になろうかと思うわけでございます。  御案内のように、行政改革の最大の課題というのは、政府機構の簡素効率化を図り、結果として小さな政府をつくっていくということだと思うわけでございますが、この金融監督庁の設置というのが、そういった点から考えてどのような意義づけがあるんだろうかと、甚だ疑問に思うわけでございます。また、行政改革というのは、やはり権限と責任というものを明確化していく、単純化していくということも一つの大きな役割ではないかと思うわけでございます。  金融行政というものが、企画立案と、そして検査監督と二元化することによって、これまた責任なり権限が二つに割れるわけでございます。そこで責任体制もあいまいになるんではないかと思うわけでございます。行政改革に対して基本的に逆行するものではないかと思うわけでございますが、総務庁長官、この点につきましてどのようにお考えでございますか。
  26. 武藤嘉文

    国務大臣武藤嘉文君) 先ほど総理からも少し御答弁の中でお触れになっておられたと思うんでございますけれども、確かに、御指摘のとおり、行政改革というのは簡素にしてなるべく効率のよい政府行政機構をつくっていこう、スリムな行政機構、小さい政府をつくっていこう、これが一つの大きな目的でございます。  ただ、今申し上げましたように、効率のよいということになりますと、それじゃ今これで金融監督庁と二つに分かれた場合に、私は必ずしも効率が悪くなるかどうかはわからないのではなかろうかと。たまたま、イギリスで企画調整部門と執行部門と分けましたところで、やはり分けた方が効率がよくなったというところも現実にあると私はこの間聞いてきたわけでございまして、そういう点ではいかがかなと。  それからもう一つは、今、総理からも御答弁がございましたが、行政改革のもう一つの考え方としては、国民の信頼を確保するという点からいって、透明性が確保されていかなきゃいけない、あるいは公正な行政が行われなければならない、こういうことでございますので、そういう面では、住専その他の問題でいろいろ国民の不信を買ったということにおいて、やはりこれを二つに分ける方がいいんではないかという発想から私はこれが出てきたと思うわけでございまして、そういう面では、行政改革一つの考え方に順応しておるのではなかろうかと思っております。  ただ、御指摘のとおり、これによって機構が膨れ上がっちゃう、人がより多く必要になってくるということではいけないんではないか。その辺を私どもは十分注意してやっていっていただかなきゃならない、こう考えておるわけでございます。
  27. 菅川健二

    ○菅川健二君 この点、行政改革の第一弾ということにしては、余りにも沿っていないというふうに思うわけでございますが、いずれにしても、これから行政改革本番を迎えるわけでございまして、その辺を、行政改革の目的、ねらいというものをきちっと十分踏まえた上で省庁再編等に取り組んでいただきたいと思うわけでございます。  次に、随分世間を騒がせております第一勧銀野村証券事件についてでございますが、日本版ビッグバンを控えまして、日本金融界から腐敗を一掃するということは急務ではないかと思うわけでございます。この点につきましては、先ほど総理からも御答弁がございましたけれども、不正があれば厳正対処するということがこれからの金融行政のポイントだと言われたわけでございます。  そこで、現在、不正行為を犯した金融機関に対する罰則規定が欧米諸国に比べて大変軽いわけでございます。きょう、金融制度調査会でも何か検討されるやにもお聞きいたしておるわけでございますが、早急に銀行法とか商法とか証券取引法の罰則規定を強化しまして、腐敗構造の根を絶つべきではないかと思うわけでございます。この点、総理の御見解をお聞きいたしたいと思います。
  28. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 本来、私は、日本の文化というのは恥の文化、恥を知る文化ということが言われてきたと思っております。それだけに、刑事罰を受けるということは社会的にも非常に厳しい指弾を浴びる、そういう重みを持つものでありました。  しかし、今回の事件等を見ておりまして、いつの間にかその恥を知る文化というものがなくなつてしまっている、薄れておるとするならば、当然ながら、違法行為を抑止するという観点だけではなく、検査監督の実効性を担保する観点からも十分であったかどうかという点を含めまして、関係諸法を幅広く検討する必要はある、そのように考えております。
  29. 益田洋介

    ○益田洋介君 私は、総理にまず一勧、野村事件と国際信用の問題についてお尋ねをしたいと思います。  去る九日、スイスのバーゼルで国際決済銀行、BISは総会を開き、九六年の年次報告を発表いたしました。これによりますと、国際金融市場の融資などで日本の比重が一段と後退したことが浮き彫りにされております。金融システム不安が金融活動の障害になっていることが明らかになったわけでございます。  信用力低下でジャパン・プレミアムが要求された結果として融資の圧縮を余儀なくされた日本銀行は、九六年の国際シェアは前年比三%低下の二二%まで落ち込みました。バブル期には四〇%近く、ほぼ独占していた邦銀がこのように低下の一途をたどりまして、逆に欧州通貨統合を背景にして増勢の著しいドイツは一五%まで追い上げてきて、日本に肉薄している状態でございます。  一方でまた、円建ての債券は前年比二五%も減ってしまって八百十二億ドル、これに反しましてドル相場の上昇でドル債の人気が高まった米ドル建ての債券は三・五倍にも膨らみまして二千六百二十一億ドル、日本の円建て債の約三倍にまでなっている、そういうふうに差をつけられてアメリカに首位の座を奪われたわけでございます。  一方で、第一勧銀事件におきましては毎日のように次々と新しい事実が明らかになってきておりまして、五日に商法違反容疑で再逮捕された小池隆一容疑者は、野村証券から違法な株取引で利益供与を受けていた平成七年ごろ、第一勧銀野村証券、そして小池容疑者の三者が株取引で生じた小池容疑者の損失の穴埋め対策について協議をしていた、こういうことが八日に判明したわけでございます。  それからさらに、第一勧銀が関連ノンバンク大和信用を通じて小池容疑者に迂回融資をした際、小池容疑者が融資の担保として差し出した株券を、野村証券の総務部担当の幹部が事もあろうに手ずから第一勧銀の本店に持参した、こういうことも判明しました。  ですから、第一勧銀野村証券、小池容疑者の三者が実に緊密な関係を続けながら利益供与について関与してきた、そういう実態が浮き彫りになりまして、談合、三つどもえの実態が明らかになる。こんなことはすぐに海外のマーケットには伝わっていくわけでございまして、私は、一勧、野村事件によって国際市場における我が国銀行金融不信は一層募り、融資債券発行の低下にさらにこれから拍車をかけてくるのではないか、そのような嫌な予感がするわけでございますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  30. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、議員の今述べられたことを全面的に否定するつもりはありません。私自身が、この野村事件第一勧銀事件というものを捜査当局が徹底的に捜査し、これ以上これについて何もないというところまで捜査をし切ったというそういう宣言をするぐらいのところまでいかないと、この事件によって起きたダメージというものを回復するきっかけをつかみ切れないのではないかという不安を持っていることを番記者の諸君にも問われて答えております。  しかし同時に、私はこの不祥事、この一つ証券会社一つ銀行の起こしました事件だけが国際通貨市場における我が国の、あるいは邦銀の地位を決めるものでは必ずしもないと思います。  我々にとって、また我が国にとって大変不幸な事件が現に捜査のさなかにあるわけでありますが、為替市場等を見ておりましても、ドル・円、ドル・マルクあるいは円・マルク、その動きは極めて微妙な日々の動きを示しております。そして、我々はこの為替市場というものがいずれにせよ大きく振れることを好まない、それは我が国経済にプラスになるものではないということを内外に宣言いたしてまいりました。  先般、三塚大蔵大臣が出席をされましたG7においても為替の問題について真剣な議論がなされ、その合意が市場に浸透しておりますだけに、私はこの不幸な事件一つによっての影響だけですべてを律することはできないと思います。その上で、議員が指摘をされましたような問題意識は我々も共有をいたしておる、そしてむしろこの捜査が厳重に行われ、これがすべてというところまで捜査当局がその内容を明らかにされて初めてそこから信頼の回復が生まれてくる、私はそのように考えております。
  31. 益田洋介

    ○益田洋介君 私は、総理がおっしゃるようにすぐにこの問題の解決が国際市場の信用の回復につながるというふうには考えないわけでございます。  もう一つの例を挙げます。今度は、邦銀の検査という問題です。  国際金融筋が去る九日明らかにしたところによりますと、アメリカの連邦準備制度理事会、FRBや連邦預金保険公社、FDIC、それからさらに通貨監督庁、OCCといったアメリカの金融当局は、第一勧業銀行大蔵省検査や日銀考査の際総会屋グループヘの不正融資の隠ぺいを図った問題を非常に重視している、そして邦銀の在米支店に対する検査をさらに強化する方向で検討に入ったということでございます。  今回の第一勧銀による検査、考査隠しはFRBの監督に直接影響はないわけでございますが、やはり米国内では平成七年九月に明らかになった大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件、この件から邦銀を見る姿勢が全く変わってきている、そういうことに今回のこの邦銀検査強化するという検討が始まったわけでございます。このことによってジャパン・プレミアムの再燃というのは間違いなく起こるであろう、私はそういうふうに懸念をしているわけでございます。  この金融筋によりますと、FRBはこの隠ぺい問題について邦銀共通の体質が表面化したものだ、このように断じております。そして、今後の検査対象は対象を抽出することをせずにすべての資産を対象にした検査に踏み切る、こういう方針だと言われております。邦銀の国際的信頼の完璧な失墜をこれはあらわしていることだ、私はそのように考えますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  32. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今、議員から引例をされました大和銀行ニューヨーク、この監督責任というものがどこにあるかお触れになりませんでしたけれども、この問題はアメリカの検査にもまた検査を行いながら発見をし得なかったという問題は存在しなかったのだろうかという疑問を私は一つ提出させていただきたいと思います。  その上で、私は、もしアメリカにあります邦銀に対してすべての検査をすると言われるなら、邦銀の諸君がみずからに不正がないと信ずる限り堂々とこれを受けて立っていただきたいと思います。全部を検査した上で、何ら指摘する事項がなければそれ以上の疑いをかける余地はありません。そこまでアメリカがやりたいと言われ、邦銀の諸君がみずからに恥ずるところなしと信ずるなら、私は、もしそういうことがあるなら堂々と受けることによって信頼を回復する道を選択する方法もまたある、そのように思います。
  33. 益田洋介

    ○益田洋介君 私は、アメリカがこれほど真剣になって検査強化しようという姿勢を見せている中で、我が国金融監督庁の設置に伴い、それぐらいのやはり厳しい姿勢で臨んでもらいたい、そういう意味総理の所見を伺った次第でございます。  これは通告してございませんが、大変興味深い論文の発表を目にいたしましたので、所見をお伺いしたいと思います。  この論文は、日米間の金融問題に詳しいとされるボストン大学のウィリアム・グライムス助教授が発表したものでございます。発表は九日でございました。ちょっと引用させていただきます。  この種の不正な行動に対する、これはアメリカ社会が今回の事件をどう見ているかというふうなテーマでございまして、この種の不正な行動に対する監督当局の関心の欠如が、日本監督当局です、の欠如が問題視される。そしてさらに、日本金融システム改革、訳者はあえてビッグバンという言葉を使っていませんが、総理はこの間そういうふうにおっしゃったかと思いますが。従来の日本の大企業が外国企業を排斥して独占してきた特権を今回の改革によって排除することができるのか疑わしい。日本金融は長い間その排他性と不透明性から不当な利益を得る特定の大企業や官僚たちによって意のままに動かされてきた、こういうふうにアメリカ人は見ているんです。そして、これはシステム自体に日本という社会の、あるいは金融業界、または監督庁のシステム自体に責任体制が驚くほど欠けていることはわかっていると。  さて、今回の事件は日米関係にどんな意味を持つのか。アメリカ側は、マーケットの排他性と意図的操作を防ぐ措置を強く求めるようになるだろう。そして締めくくりとして、短期的には日米交渉は相互の不満にあふれた展開となるであろう、こういうことを言っているんです。いかがですか。
  34. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 浅学非才、その論文の内容を私は熟知いたしておりません。その上で恐縮でありますが、今引用されました部分、果たしてどれだけの論拠を持ち、立論のプロセスにおいてデータを持って書かれたものか私は存じませんけれども、今金融システム改革が動いております方向というものは、既に議員も御承知のとおり、まさに開かれた市場であり、そして公正な透明性を持った国際的に通用する市場に変えていこうという努力をスタートさせたところであります。私は、日本市場はそうした方向に変わらなければなりませんし、また変わると信じております。  しかし、過去におけるさまざまな行政行為の中で、あえて金融という部門に限定してその論文が書かれておるとするならば、日米通貨協議等を体験し、また先般来の保険分野等の論議を振り返りましたとき、その論議のプロセスがすべて公表されました場合に、その方の論文がその通り正しいものであると立証されるかどうかには私は疑念を呈したいと存じます。  少なくとも、我々は今不幸な事件を抱え、国際的な信用をいかにして確保し、取り戻すかということに努力をいたしておりますけれども、必要以上に卑下をいたすつもりはありません。
  35. 益田洋介

    ○益田洋介君 終わります。ありがとうございました。
  36. 赤桐操

    赤桐操君 まず冒頭に、総理並びに各大臣の、皆様方の連日の御労苦に深く敬意を表するものでございます。御苦労さまでございます。  今日、行財政改革をめぐる日本の情勢は、終戦直後を思い起こさせるものがあると思います。一九四七年から五〇年前後にかけまして、中央には人事院を初めといたしまして八つの行政委員会が設立をされました。それぞれ独立した権限を持って各分野に新風を巻き起こした一つ時代だったと思うのであります。今日の日本がごの終戦直後にも匹敵するような大変革の時を迎えていると思うのでありまして、総理はまた二〇〇〇年までには東京市場をニューヨーク、ロンドン並みの国際的な金融市場にする目標を掲げておられます。金融システム改革を実行すると公約をされているわけでございますが、今国会にはこの金融システム改革につながる法改正として外為法、日銀法等がそれぞれ提出をされ、既に成立を見ております。  続いて、ただいま金融監督庁設置法審議のさなかにあるというわけでございます。今般の金融監督庁につきましては、大蔵省との関係における独立性が大きく論議されておるのでありますが、新しい行政機関を設けるに当たりまして、その行政機関がいかに独立して十分にその機能を果たし得るか、これは議論の焦点になるのは当然であると思います。大蔵省との関係金融監督庁の独立性がどのように担保されていくものであるか、改めてお伺い申し上げたいと思います。
  37. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今回御審議をいただいております金融行政機構改革によりまして、民間金融機関などに対します現行の大蔵省監督権限、これは検査、店舗設置の認可などのほかにも改善命令、業務停止命令、免許取り消しなどの破綻処理に関する権限を含めまして、すべてが金融監督庁に移され、金融監督庁は検査監督の専門的な行政機関として責任を持って機能していくということになります。しかも、これは大蔵省金融関係企画立案に関与する官庁にではなく総理府に外局として設ける、そしてその長官は内閣総理大臣が任命することといたしております。  問題は、ここにどれだけの人材を得ることができるか、そしてその人材によってこの組織に対する信頼性というものも、恐らくまた大きく変化をするでありましょう。  私どもは、目下御審議をいただいております立場として一日も早い法律案の成立を念願いたしておりますが、国会がこの法律案を成立させ、この準備に入ることをお許しいただくことになりました瞬間から、この長官を初めとする幹部職員の人選というものの中で、いかにすれば信頼を得ることができるかを確保していき、見ていただけるようなものをつくれるか、そうした作業に取りかかりたい、そのように考えております。
  38. 赤桐操

    赤桐操君 次に、新たな行政機関を設立する場合に、その独立性につきましては総理府に所属するものということで御答弁をいただいておりますので、明確になってきたと思うのでありますが、同時にまた、その行政機関行政の実を上げて国民の信頼にこたえるためには、関係行政機関との間の適切な連絡、協調というものがなければ、これは私はやはりできないと思うのであります。  戦後の各行政委員会は強い独立性と権限、また関係行政機関との間の協調、こうしたものが確立されたと思います。金融行政については、経済活動が国民生活において極めて重要な地位を占めるものでございまして、透明かつ公正な運営と、同時に国民に不安を与えないのがまず一番大きな問題で、的確な運営が求められると思います。そのためには、金融監督庁と大蔵省との関係についてはきちっとした緊張関係が必要であると言われているとおりでありますが、両者の連携、協調確保のためにどのような一方においては手段が講ぜられていくのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。
  39. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) いかにしてその緊張関係を保つかという点については、既にしばしば御指摘を受けてまいりましたので、むしろ連携という点に絞り込んでお答えを申し上げたいと存じます。  例えば、具体的には金融監督庁長官は、金融制度、証券取引制度の企画立案についての意見を、この検査監督等の結果を反映してのことでありますけれども、大蔵大臣に述べることができるほか、大蔵大臣と相互に緊密な連絡をとる、これは金融監督庁設置法に明記いたしました。  また、業務停止命令などの対象となるような民間金融機関等の破綻処理に際し、現行法令のもとでの既存の方策により対応するのみでは、信用秩序維持等に重大な影響を与えるおそれがあると金融監督庁長官が認めるときは、長官はその判断により、信用秩序維持等を図るため、必要な措置に関し、企画立案の機能を担う大蔵大臣と協議する、改正銀行法の中に定めておりますなど、こうした連携の規定は既に用意をいたしておりまして、緊張関係とともに必要な場合の連携がとれる法的根拠は担保をいたしております。
  40. 赤桐操

    赤桐操君 続いて、民間金融機関等の検査あるいはその他の監督を行う新機関につきまして、いわゆる公正取引委員会型の行政委員会とすべきではないかと、こういう議論があったことを承知いたしております。  人事院の場合などでは、人事院規則の制定等の準立法的な機能、それから職員と国家機関との間の争訟の裁決という準司法的機能、または一般行政とはちょっと異なった、いわゆる給与の勧告という行政権を持っておりますね。合議制となっておるわけでございます。他の行政委員会も八つございますが、これらの中でも、公取等を初めといたしまして、その目的に従って準立法的な機能というものを持たせてあると思います。  こうしたやはり準立法的な機能とか準司法的な機能というものがそれぞれ持たされていないということになりまするというと、これはなかなか大変ではないかなと。一連の金融機関の破綻状況を見まするというと、こうした機能を持たない新機関検査監督の任務を果たしていくという場合にその十分を期することができるであろうかと懸念を持つものでございますが、この点はいかがでございましょうか。
  41. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) こうした制度をつくらなければならないということを考えました時点から、与党三党の中におきまして大蔵省改革プロジェクトチームがスタートをし、その中で一つの考え方として公正取引委員会のような国家行政組織法三条委員会として独立した機構を設置する、二つ目の案として証券取引等監視委員会のような八条委員会を設置する、第三案として検察庁のような特別な機関を設置する、こうした案が幾つか検討の対象になりました。  そして、最終的にまとめられましたものが、当時は金融検査監督庁という呼び方をしておられましたが、民間金融機関等に対する検査及び監督を所掌する国家行政組織法三条に基づく新機関として金融検査監督庁という御意見でございました。  私は、与党内においてこうした御議論が進められる中で、さまざまな角度からの御論議はあったと存じます。また、政府の中におきましてもいろいろな議論を整理してまいりましたが、民間金融機関などに対します検査監督という執行面の機能、これはむしろ合議制の機関ではなく、長官の指揮監督に服する金融監督庁の方が十分に機能を発揮することができる、そのような判断からこうした案をまとめた次第であります。
  42. 赤桐操

    赤桐操君 今回の金融監督庁設立の意義につきましては、既に総理から明らかにされたとおりでございます。端的に申し上げまして、私も、検査監督体制が前当局から独立をして、透明な手続のもとに実施させることについてはまさに画期的なことだと考えるものでございます。  しかしながら、戦後の九つの行政委員会の中で、本来のまま今日に至っているものは公正取引委員会と労働委員会二つだけではないかと言われております。五十年近い歳月を経ておりますから、社会情勢の変化、時代の流れの中でそれぞれそれ自体も変わっていくことは当然だろうと思いますが、この中で本来のままで来ておるのはこの二つだと、こう言われているものであります。  この新しい機関も大きな期待の中で発足をいたすわけでございますが、その運営、例えばただいま申されましたスタッフの問題等を含めた人材の配置とか、あるいはまた予算その他も当然伴うことでありましょうが、そうしたいわゆる運営上の問題であるとか、こうしたものが伴っていかないというと、当初のもくろみどおりにいかなくなってくるであろうと。かつての行政委員会やそれぞれの新しい機関がつくられて、数年たつと大体変わってくるという、いろんな変化を起こしてくるということ、権威を失ってくるということ、そうしたものを考えまするというと、特にこの運営につきましてはいろいろと御検討をいただき、国民の期待に反しないように万全を期せられることを私は望んでおきたいと思うのでございます。  最後に、終戦直後にも匹敵する大きな変革でございますが、総理は六つの改革を打ち出されております。金融システム改革はその柱の一つでございます。今後、金融システム改革をどのように推進され、また金融行政機構改革が金融システム改革との関係においてどのように位置づけられるのか、総理の御見解をお伺い申し上げたいと思います。
  43. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) これは繰り返し申し上げてまいりましたので、改めて申し上げることは避けますけれども、ヨーロッパにおけるユーロの誕生が間近と、こうしたことを一つの引き金として、私は金融システム改革をこの時期にという最終の決断をいたして今日に至りました。幸いにも、今年五月、改革のいわばフロントランナーとして改正外為法が成立をさせていただきまして、明年四月からこれが施行されます。そして、本来なら大蔵大臣からこれは御答弁をいただいた方がいいのでありますが、本日、証券取引審議会、金融制度調査会、保険審議会からそれぞれ答申などが行われまして、改革のプランがそれによってすべて明らかになってまいります。このプランで明らかになりましたものを受けまして、私自身も含めまして、政府としては全力を挙げてこの実現に取り組んでまいりたいと考えております。  また、今回の金融行政機構改革によりまして、デリバティブなど業態間にまたがる金融サービスの出現、これは本当に我々、初め出てきたときその商品を理解するのに大変苦労いたす性格のものでありました。今後も恐らくこうした新たな金融商品というものは開発されていくでありましょう。また、金融市場のグローバル化といった新たな課題に的確に対応しながら、市場規律を基軸とした透明かつ公正な金融行政にこれを変えていかなければなりません。金融システム改革の実施と相まって、経済及び国民生活にとって基盤とも言うべき我が国金融・証券市場の活性化に資するものと信じておりますし、また心からこれを願っております。  こうした改革を通じまして、いずれにせよ国民に信頼される金融行政というものを確立することに全力を挙げてまいりたい、率直に今の思いを申し上げます。
  44. 赤桐操

    赤桐操君 終わります。
  45. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。  きょうは短い時間でございますので、総理に直接お伺いしたいと思います。  実は、今ずっとお話を聞いておりまして、また今回の金融監督庁の設置の問題を含め、これまでの日本行政あり方といいますか、護送船団方式とかいろんなことが言われておるわけでありますが、裁量型の行政ということからルール型の行政へ移行される。ある時期、広中和歌子さんが翻訳をされたエズラ・ボーゲルという人が書いた「ジャパン・アズ・ナンバーワン」というのがベストセラーになった。一九八〇年代には日本型の経営システムというのは本当に世界に誇るものである、こう言われておったわけです。ところが、一九八〇年代終わりからバブルがはじけて九〇年代に入ると、アメリカの経済がどんどんよくなる。  そうすると、どうもアメリカの経済のスタンダードというものが望ましいんだというふうに変わりつつあるのかなと。  そうすると、戦後日本のこれまで進めてきた裁量型の行政と言われるものを本当に今変えなければいけないのかどうかということについて十分な論議がされてきたのか、された上での提案だろうと思いますが、その意味で私は、その点を非常に危惧するのは、例えば先ほど益田委員もお話しなさっていましたが、日本のいわゆる資本市場なり日本のマーケットというものを、アメリカが実は例えば戦略的なMアンドA、敵対的な買収というようなこと、これも含めて実はやりたいと思っている。  そういう大きないわゆる資本市場をめぐるある意味では戦略的な流れというものがある中で、日本がそれを、わかりました、じゃ採用しましょうと、こういう判断に立たれているのかどうなのか、このあたり総理、どのようにお考えでございましょうか。
  46. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 逆に、バブルのさなか、私はよくアメリカの経済人たちから、日本企業が我々の資産をどんどん買いつけている、ある場合敵対的買収をも含めて我が国に投資をしている、余りに行き過ぎではないか、そうした意見をしばしば聞かされました。そして、結果として実は必ずしもそれがうまくいったケースばかりではなかったわけです。ニューヨークの有名なビルを買って損をされた企業もあります。また、ハリウッドに進出をし極めて国民的な反発を招いてやけどをされた企業もあります。同時に、進出して非常に現地に根をおろし、見事な業績を上げておられる企業もあります。  私は、アメリカも日本に投資をしたいと考えることが悪いことだと思っておりません。その上で、公正な競争というものは担保されなければならないと思いますし、物によって我々は戦略的にそう簡単に譲れないというものを持っております。そしてまた、そういうものを持っておりました。そして、しばしばアメリカとの間でも厳しい交渉をしてまいりました。  しかし、今国際的にまさに企業の方が国を選ぶ時代に入ってきている。そして、我が国企業も投資先を選んでおります。そういう時期に我々はやはりよそから投資をしてみたいという魅力を持つ国をつくっておく必要はないでしょうか。かつては我々は、まさに追いつき追い越せの時代としては、よそから投資をするほどの魅力は持たなくても、国内における競争の中から外に出ていく力を持つということに全力を傾けてきました。今その考え方は一つのもう限界に達していると皆が思っているんじゃないでしょうか。  そして、私たちは、我々の中から新たな研究開発により新たな産業が生まれ、それが世界をリードしてくれることを心から願いますけれども、いずれにしても熾烈な国際競争を産業間においても行わなければならないことは避けて通れません。  となれば、私は、我が国が投資に値するだけの魅力を持っておくべき、その気持ちは確かにございます。
  47. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私も総理と同じような気持ちですね。  今の比率でどうなっておりましょうか、直接投資は日本から出しているのは十三で、入ってくるのは一だという、たしかこれは何年か前の数字ですから、それは私もそのとおりだと思う。  ただ、日本的な経営と言われているものの中で、例えば長期取引というものがございますね。  すなわち下請、系列、これがいいかどうかは別にして。そうすると、そういう長期的に安定的な関係を持っているがゆえに、さまざまな商品の開発であるとかそういう問題において、諸外国に比べてこれは日本の中ですぐれたシステムじゃないか。  つまり、アメリカの場合あるいは国際的な場合に、今株主を中心とした恐らく株主優位の企業システム、コーポレートガバナンスの問題でいえばそういう問題も当然出てくるわけでありますが、そうすると非常に目先の利益を重視する経営と、それから日本のようにかなり長期的な利益を大切にするというような経営と、果たしてこれは国際的に見て、こういういいものはやはり私たちの日本の中では残していこうじゃないかとか、そういうことの熟慮なりあるいは議論なりというものが十分踏まえられていったのかどうなのかという点が、今度の六大改革もそうです、ビッグバンと言われているものもその点が果たして十分に検討された上で出されてきているのだろうか。  そうしないと、また情勢が変わると、またがってのものへ戻しましょうとか、そういうある意味では日本的なといいますか、日本の風土というものの中にあった一つシステムというものが、やはり私自身は非常にそこの中を十分議論されるべきものではないかなというふうに思って実はしているわけであります。もちろんこれは細かい点がいろいろございますが。  そこで総理、もう一点、実は今金融監督行政やっておるわけです。そうすると、検査監督業務というものがこのような形で透明になって、しかもそれは自己的にきちっとルールに基づいて監査していこう、こういう形へと転回し始めていますね、裁量型から。ちょっとこれ話が飛ぶかもしれませんが、そうするとこれは、単に金融の面だけでなくて今後の日本行政の仕組みの中にできるだけそういうものを展開しようとするときに、私は一つ重要な問題として、これは行政改革というよりも国家の三権分立に関連する問題で、裁判制度というものが果たしてこの国では十分機能しているのかどうなのかな。  つまり、実は私昨日、十年前の国鉄清算事業団、あの方々が今裁判でずっと来て、和解するとかしないとかという今議論に来ているんです。もう十年間たったんです。  あのとき、当時の中曽根総理大臣は、一人たりとも路頭に迷わせないということで、実は行革でああいう形になって今日に来ているわけです、いい悪いは別にして。十年たってもまだ高等裁判所の判決も出ておりません。最高裁まで行ったら何年かかるんだろうか。そうすると、本来裁判でもって片をつけなきゃいけない分野が日本の場合にはどうも和解という形、これは和解という表現がいいのか、それとも言ってみれば話し合いといいますか、そういうルールで決めていくという金融行政監督のお話を今しておりますが、よく考えると日本社会の中にはそういう一つのところだけでこのルール型に持っていくよと言っても、日本社会全体の中に、そういうある意味では日本の国家システムの中にそういうものが組み込まれてしまっているんじゃないかな。  その意味で、私は総理大臣が六大改革とおっしゃっていた中にその三権分立、すなわち司法というものがどうも裁判官の数だとかあるいは検事だとかあるいは弁護士だとか、こういうものが日本の場合にはアメリカと違って逆に少な過ぎて、いや裁量型であるがゆえに少ないのかもしれない、そうすると裁量型であるがゆえにそこにさまざまな問題が入ってくる余地があるのではないか、そういった点の改革ということについて、総理はどのように考えておられるのか、この機会にちょっと金融とは離れてしまいますけれども、お聞かせ願えればと思います。
  48. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ちょっと、議員が例に引かれましたのが旧国鉄改革に関連する問題でありますので、多少……
  49. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 それは別に……
  50. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) いや、これは私反論させていただかないと困るんです。当時の運輸大臣としては、間違いなしにあの方々に何回新しい職場を御紹介し、あっせんをし、再就職をしていただこうとしたかを、関係者の苦労を私はよく存じております。同時に、国鉄改革というものが国会においていろいろな御意見の末に法律として明示をされ、方針が決められたそのプロセスの渦中の人間でもあります。そして、今残念ながら失業率がなかなか改善をしないという状況の中で、清算事業団に残られた方々にどれだけ多くの就職機会が提供されたかを存じておりますだけに、今それがなお御自分たちの御意見に固執をされて混乱が残っているということを私は大変残念に思っております。  その上で、私は日本人というのは確かに訴訟社会にもともと向かない人種だったんじゃないかと思っております。むしろ和解あるいは調停という手法の方がなじむ国民性を持っていたんじゃないでしょうか。それが次第次第に欧米型というとヨーロッパにちょっと悪いのかもしれません、アメリカ型の訴訟社会にだんだん移行しつつあるのかもしれませんが、私は余りその訴訟社会というものは見習いたいとは思いません。  そして、私はきょう初めて、この行政改革を初めとした幾つかの六つの改革のテーマを口に出してから、スピードを上げろ、上げろという御意見は毎回ちょうだいをしましたけれども、冷静にそういうところまで考えてスピード調節の必要性を言っていただいたのはきょうが初めてでありまして、私はそういった意味でこれは心からお礼を申し上げます。  その上で、むしろ私は、確かに日本企業が中長期的な経営方針を持ち、そうした方針で人材の養成もしてきたという過去の手法はいいところを持っていたと思いますし、その根幹はこれからも残ると思います。しかし同時に、若年労働力が次第に逼迫をし、高齢化の進む中において、終身雇用制という今まで持っておりました我が国一つの特性というものも当然ながら変化をしていくでありましょう。バッファーをどこで持つか。これは人材派遣であり職業紹介という部分、ここになってくるだろうと思います。言いかえれば、そうしたバッファーを許すだけの社会を我々は築いていかなければならない、そのようなことではないでしょうか。
  51. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 私は改革に反対ではございませんので、念のために申し上げたいと思います。  と同時に、国鉄清算事業団の働く人たちに対するさまざまな働きかけがあったこともよく存じております。私自身が申し上げたかったものは、そういう三権分立の司法という分野で、訴訟社会がなじむなじまないというのはそれは恐らく一つの見方だろうと思うんですが、そういう権利の道というものが五年も十年も十五年も二十年も、実は裁判の結果が出ないといったところにそのシステムの欠陥があるんではないかということを申し上げているわけでございます。  時間ももうほとんどなくなりました。最後になりますが、そのさまざまな金融検査監督、このありようがどうであったかは別にして、第一勧業銀行野村証券その他で今不祥事が起きているわけでありますが、この企業というものに対するコーポレートガバナンスの問題について、実はドイツでは監査役会というのがございます、それが取締役会です。フランスでは取締役会の、このいずれもドイツもフランスも従業員代表というのが入っているんです。日本の場合は取締役会というのは本来取り締まらなきゃいけない業務部長、例えば人事部長兼取締役、取り締まる人が実は取り締まられているという妙なぐあいになっているわけですね、表現とすれば。  日本企業のコーポレートガバナンスのありようというのは本当におかしいなと思うんですが、今おっしゃられましたように雇用の問題というのはこれからの改革にとって大変大きい問題だと思うんですが、そういった場合に企業内のデモクラシーの問題を考えたときに、今申し上げましたようなドイツであるとかあるいはフランスで行われているような従業員代表というものを監査役の中に加えていくという、そういうことについてのお考えを聞いて質問を終わらせていただきたいと思います。
  52. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) これは、ある意味では民間企業、個々の倫理の問題でもありますから、余り政府が口を出してはいけない分野なのかもしれません。しかし、それは企業がみずからの行動というものをきちんと律していく、それだけの自己責任を持っているということが基本でありまして、政府としてもその意味では企業がそれぞれの社会的責任というものを自覚して行動することを求めなきゃなりません。そして、それができないというのであれば、私は日本に合った仕組みは考えなければならないと思います。  これは今まで何回か取締役制度、監査役制度について変更が加えられてきた経緯を委員よく御承知でお尋ねでありますから、それを繰り返すつもりはありません。ただ、やはり私はその上で、先ほど議員からも述べられましたように、自己責任原則というものを伴った、それに基づいて国際的にも通用するルール日本に合った形でつくる努力というものはこれから真剣に検討されるべきもの、それが社外重役なのか監査体制強化なのか、あるいは社員重役という言い方はおかしいですが、社員監査でしょうか、いろんな仕組みを私は考えられると思うんですが、どれが日本に一番合うのか。  しかし、どんな制度をつくりましても悪用する人間がいたのではどうしようもないわけでありまして、自己責任原則というものに対する責任感というものだけはすべての企業に持ってもらわなければならない倫理性だと思います。
  53. 峰崎直樹

    峰崎直樹君 ありがとうございました。
  54. 笠井亮

    笠井亮君 六月二日の本会議以来、何回かにわたって本法案については質疑をさせていただきました。そして、いろんなことを伺ってきたわけですけれども、それを踏まえて総括的に総理に幾つか質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に伺いたいんですけれども、先ほど来議論になっておりました野村、一勧問題でございますが、これが果たして例外なのかということであります。日本金融証券界を代表する大手の中枢が株主や利用者を裏切って、総会屋に巨額の利益を与えるまでに腐り切っていたということでありまして、一昨日の吉岡議員への答弁の中で、日本には総会屋が約千人あるという警察庁の話もありました。  ある新聞が、「第一勧銀野村事件は、パンドラの箱のようなものではないか。ふたをあければ、いろんなものが出てくる。それを恐れていては、日本の経済社会が闇の勢力の食い物にされ続ける心配は消えない。」という形での警告もしていたというふうに思うんです。総理自身、私が四日に伺ったときに、懲りない面々ということで、当然の怒りといいますか、あらわにされたと思うんです。  先ほど、総点検、徹底調査すべきという質疑大蔵大臣との間でもありましたが、九一年当時に損失補てんした銀行が二十一行ありました。それから、野村を含めて四大証券と言われますが、そういうところを初めとしてそのほかの金融機関にも総会屋への不当な利益供与あるいは癒着がないのかどうか。それから、問題になったようなVIP口座などと言われるようなものがないのかどうか。この際、特別検査を集中的にやる必要があるんじゃないかというふうに思うんです。そしてまた国民もそういうことを求めているんじゃないかと思うんですが、総理の御認識をその点で伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  55. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 冒頭申し上げたいのは、もしこれがパンドラの箱であったとするならば、最後に残るものは希望であります。そして、最後までこの事件を洗い尽くすことによって少なくとも再生への希望は持ちたいと、先ほど来私は答弁でも申し上げてまいりました。  そして、まさにこうした問題がほかにあるのかないのか私はわかりません、それは。しかし、社会的に批判を受けるような取引の有無について銀行みずからが再点検をする、これは大変重要なことでありますし、既に全銀協におきましてもその他の銀行においても、今回の問題を受け、こうした違法な取引の有無やこれを防止するための内部管理体制の再点検を自主的に行っているという報告を大蔵省から受けております。  大蔵省自身も、当然のことながらこうした各行の点検状況について今後の監督検査におきましてチェックしていく、そう私は理解をいたしておりますが、金融検査は犯罪捜査や個別の不正発見を主眼とするものではないことも御理解を願っておかなければならないと思います。
  56. 笠井亮

    笠井亮君 パンドラの箱の結果が希望だと、だから徹底してこの問題を出し尽くすということが大事だというのはそのとおりだと思うんです。そのためにも、今、総理がおっしゃったんですけれども、みずから再点検するということもあるでしょう。  ただ、やはりこの間で明らかになってきているのは、みずから再点検するということで銀行に任せていいのかという問題が一つあると思います。  それだけじゃないとおっしゃったのがありますが、やっぱり隠ぺい工作ということが実際にあったりとかいうことがあるわけですから、ほかにもあったけれどもこれはやばいから何とかしょうということがあってはならないし、そういうことをさせないためにも行政の側での監督検査ということが必要です。  今後の監督検査というふうに言われましたけれども、一般的に今後というだけじゃなく、これだけ問題になっているわけですからやはり徹底して特別の体制もとる、集中的な検査もするということで、政府としても毅然とした姿勢を内外に示すという態度が必要じゃないかということを重ねて申し上げて、その点での総理の御検討をお願いし、そういう方向での実際の行動をとられることを強く希望するものであります。  もう一つ伺っておきたいんですけれども、金融行政をめぐって今いろんな事態が起こっておりますが、国民の大きな関心の一つというのは、やはり金融の消費者保護に今の法案あるいはこの金融監督庁という問題が役に立っていくんだろうかということにあると思うんです。政府自身答弁の中でも、金融監督庁の任務はそこにあって、そして消費者保護のために機能を発揮していくということの答弁もあったと思うんです。  私は、あの論戦を通じながら、御答弁を聞きながら非常にはっきりしたと思っておりますのは、金融監督庁の検査監督がいろいろ言われておりますけれども私の理解したところでは、金融機関に対して検査監督した結果さまざまな助言をする、そしてそれを受けて金融機関が自己責任において健全性ということを確保していくんだと、そしてそのことが自己責任を果たし得るような賢い消費者の保護につながっていくということになっているんじゃないかというふうに思うんです。要するにこの金融監督庁の任務が消費者保護にあるんだというふうに言われながら、結局は直接に消費者を保護する措置を伴っていないということがあるんじゃないかと思うんです。  本特別委員会の参考人質疑で、経済審議会のワーキンググループの座長として金融改革の提言を取りまとめられた慶応大学の池尾教授からも、私非常に印象深く伺ったんですが、この保護の体制なしに安易に消費者の自己責任が言われるのは問題だと。自由化されれば何でもやっていいということではないということで、池尾教授は、適合性の原則とか、被害者への司法的救済の道、貸し手責任を明確にした消費者保護立法の必要性も考えるべきだということを強調されたと思うんです。  総理は、利用者、消費者の直接の保護のために何か具体的な措置をとるようなお考えがおありなのかどうか。例えば、直ちに消費者保護に伴う法整備をきちっとやるという問題、あるいは被害救済の体制づくりに踏み出すということが必要ではないかと思うんですが、その辺についてはどのように具体的にお考えかを伺いたいと思います。
  57. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますけれども、冒頭、大蔵省検査、過去にさかのぼってというような御指摘がありましたが、これは現実の実務の話ですから後で事務当局から答弁を補足することをお許しいただきたいと思います。
  58. 笠井亮

    笠井亮君 過去にさかのぼって、そんなことを言っているんじゃないんです。
  59. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) いやいや、さっき言われました。私が答えたのに対して、これから先のことだけではない、今までもとおっしゃいましたから、過去にさかのぼった答弁を。
  60. 笠井亮

    笠井亮君 それは、そういうことですよ、もちろん。
  61. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ですから、過去にさかのぼっての答弁は事務方からさせます。  その上で、金融監督庁の任務というものが、民間金融機関業務が適切に運営されているか、またその経営の健全性が確保されるよう検査監督その他をきちんと行う。その中で犯罪が見つかれば司法当局に対してこれを届け出るのは当然のことでありますから。そして、金融監督庁の行う検査監督というものは、まさにその業務の適切な運営や経営の健全性の確保を通じて、預金者、保険契約者あるいは有価証券の投資者などを保護するために資するものであります。  なお、これから先、その金融分野におきまして消費者保護の観点も踏まえた法整備の検討が進められていくことになると私は思います。これらの成果が得られて関連法令が成立をいたしました場合には、金融監督庁は民間金融機関検査監督を行う機関としての機能分担に応じて、そのような関連法令に基づいてその責任を果たすということになるであろうと思っております。  過去にさかのぼっての大蔵省検査
  62. 笠井亮

    笠井亮君 端的にお願いします。
  63. 中川隆進

    政府委員(中川隆進君) お答えを申し上げます。  今、総理からも御答弁ございましたが、金融検査の主眼は、預金者の保護、信用秩序の維持等を図りますために、金融機関の財務内容の健全性等を主眼として検査をいたしているものでございます。従来から、問題がありますと厳正指摘をしているところでございます。  ただ、今、総理からも御答弁ありましたように、犯罪捜査ということで従来からそれを主眼にしているわけではございませんし、委員の御指摘のように、特別の検査を集中的に犯罪があったかどうかという観点から全体的にやるというのは、事実上、現実の問題といたしまして体制的にもなかなか難しいという問題もあるということを御理解賜りたいと存じます。
  64. 笠井亮

    笠井亮君 私は犯罪捜査を成りかわってやるということを求めているんじゃないんです。実際にそういう不正な問題がなかったかどうか。やはりこの間検査をやってきたけれども、前に伺いましたけれども、その問題では大蔵省のお立場では見逃しがあったというような言い方もありました。  そういうことが改めて洗い出されて、隠ぺい工作みたいなことがなかったのかどうか、そこが一つあると思うんです。  それから、もう一つ申し上げたいのは、今、金融検査というのは銀行経営の健全性を図るためのものであって犯罪捜査のためではないということも言われましたが、私はこれは総理が九一年当時に、当時大蔵大臣でいらっしゃいましたか、所掌事務、捜査権限、告発あるいは行政処分との関係、それから自主規制団体との関係などについて検討をされていて、その中で、検査権限については答弁を私は拝見したんですが、準検察的権限を持たせる方が望ましいという御答弁もされていたと思うんですよね。そして、そのもとで、証券取引等の監視委員会の方にはいわばそういう性格、任務を持たれるということがあったわけでありまして、ただ、銀行検査においてはそういうことにはなっていなかったということもあったと思うんですよ。  だから、私は検察がやることと同じことをやれと言うわけじゃないですが、答弁総理自身がおっしゃったような形で準検察的な権限を持たせることが望ましいということが銀行検査についてもあったとするならば、やっぱりそういう立場も含めて、検査あり方、そしてこれまでに見逃しがなかったのかどうか総点検をする、特別のやはりそういう集中的な検査はどうしても必要だということを強く思うわけでありまして、これは当然のことだと思うんですけれども、私は強くそのことを要望して質問を終わりたいと思います。
  65. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 私は、株主代表訴訟につきまして、総理にこの機会に御卓見を例えればと、こう思います。  今現在、金融業界不祥事を背景といたしまして、金融監督庁を設置して外からの監視の強化を図る、これに合わせて刑事罰則の強化も図る、大変結構なことだろうと思います。それなりの成果もまた期待していいだろうと思いますが、これは行政による外からの規制だと、こういうふうに理解いたしますと、もう一つ内部からの規制監督、これも必要なことだろうと思います。  それの先端になるのが株主代表訴訟、株主というのは会社のオーナーですから、自分会社で取締役たちがどんなことをしているか、もし不正があればそれを追及いたしまして、会社にかわって損害賠償の請求をする。これは当たり前といえば当たり前のことで、こういう制度があるからこそ、一つの抑止力となって外からの規制と相まって不正の防止が図られる、会社の健全な経営が図られる、こういうことだろうと思います。車の両輪と言ってもいいと思います。  ただ、ビッグパンを控えまして、今現在外からの規制というのはなるべく最小限度に控え目にしていこうと、規制緩和時代でもありますから、それは当然だろうと思います。株式会社内部からの自主的な規制で健全経営が図られれば、これにこしたことはないわけであります。  そういう意味で、株主代表訴訟の意義を私は大変高く評価しておるわけでありますが、おかしなことに、最近、経団連を中心といたしまして、この株主代表訴訟を制限していただこうと、こういう動きがあるやに聞くわけであります。大変不可解なことだと思います。  今現在問題になっております野村証券第一勧銀事件、これの歴代の企業トップたちが、特定の株主である総会屋と結託、癒着をして不正な利益を与えてきたと、こういうことが問題になっておりますが、こういうケースにつきましても、もう既に私いろいろ調べてまいりましたけれども、伊勢丹だ、そごうだ、いやキリンビールだイトーヨーカ堂だ、切りがないわけであります。最近では高島屋、味の素、そして今回の事件総理ももう本当にあきれてしまうと、こういうことを言っておられました。私も同意見でありまして、私だけじゃなしに、また全国民も、一体何をしているんだと、こういう考えを持ってこのケースを眺めておるだろうと思います。  私、今回のケースにつきましても、やっぱり経団連ももう少ししっかりしてもらいたいと。もういいかげんにしようと、経済界からもう総会屋を追放しようという声明を断固として発表してもらいまして、そしてまたこういうことをやるような企業があったら、もう一切つき合わないことにする、経済界から追放する、それぐらいのことは言っていただきたいんですが、それがどうも歯切れがいま一つよくない。それどころか、何か、ある政党などに働きかけて株主代表訴訟を制限してしまおうと、こういう動きがあるやに聞いております。こんなことを引き受ける政党があるとはゆめ思えませんけれども、どうも現実にはそれがそうだと。ある政党は党内にプロジェクトチームをつくって制限する動きを示しておる。  一番問題なのは、今現在、株主代表訴訟を起こすのは最低千株ですけれども、今度はこれを三十万株にしようと、こういうんですね。三十万株なんというのを持っているのは機関投資家かあるいは銀行相互間か、あるいはこの三十万株というのは、今問題になっているあの小池容疑者が野村証券に持った株なんですね。ですから、こんなことで制限をいたしますと、もう株主代表訴訟が実際上行えないと、こういうことになるわけであります。  先ほど総理は恥を知る文化とおっしゃいました。大変私の気に入った言葉でございます。この恥を知る文化の国に住む経済界のリーダーたちが、自分たち不祥事を起こしておいて、その後始末的なことで何をやるかというと、株主代表訴訟を制限しようかと。これは恥を知る人たちのやることであろうかと、こういう気もいたすわけでありまして、それをまた引き受けて、一方において外からの規制を非常に強固にする、そう言っておきながら、内側からの監視、規制を骨抜きにしてしまう、こんなことが恥を知る政治の世界に住む人たちのやることだろうかなと、こういう気もいたすわけであります。  細かいことは結構でございますので、どうぞこういう問題についての総理の高い立場からの御所見をいただければ、率直に申し上げますと、自民党が今検討中だということを新聞が報道しておりました。その後、訂正記事も出ておりませんから、多分本当なんだろうと思います。自民党の総裁としても、この問題について一言御意見を賜らばと思います。
  66. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 事務方の諸君が模範解答を用意してくれておりますけれども、これはちょっと横に置きまして、私は株主代表訴訟という制度自体、有効に働けば本当にいい制度だと思うんです。そして、世間からいろいろな批判がありましたけれども、ある意味では、ラルフ・ネーダーがひところこれを活用しながら商品の質の改善に役立てた、こんな使い方もありました。しかし、やっぱり逆に、その株主代表訴訟が総会屋の武器として使われるんじゃ、これは困るなと、これは私本当にそう思います。  ですから、総会屋さんが武器に使えないような工夫があるのであれば、それは私本当にそういう工夫はしたいという気持ちがありますけれども、本質的にこの制度の持つよさは、あるいは必要性は認識をしておるつもりであります。
  67. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 時間ですので、終わります。
  68. 田村公平

    ○田村公平君 総理、恥の文化という言葉がありました。私それを聞いて、ちょっと内心じくじたるものがありますけれども、古来、日本には武士道、西洋には騎士道、やはりこれも同じ意味だと思います。あるいは廉恥の罪を破る破廉恥という日本語もございます。実は、けさほど同郷であり、同僚議員である江本議員と話をいたしました。それは、日本の野球と本家であります。アメリカのベースボール、審判のことについてでありました。もう既に報道等で御案内のとおりであります。ルールということの、日本の野球とアメリカの野球、いわゆるベースボールとの違いということが大変話題になっております。  前置きはそのぐらいにいたしまして、今までいろんな質疑の中で、梶山官房長官も三塚大蔵大臣も、時にはその大臣の職を超えた踏み込んだ御発言もありました。  私自身は、でき得れば、いろいろ問題はあるにしても、金融監督庁ができたときに、その監督庁で働いておる方々が一つの権威と誇りと、やがて退官する時期を迎えたときに、そういう方々がもしいわゆるOBとして俗に言う天下りをしたときに、ああその会社は税務調査が行かなくてもいいぐらいすごくきちっとした会社だなというぐらいの透明性を持った、役所に育てていただきたいなという思いがあります。  そこで、いわゆる金融ビッグバン及びそれから今般の金融行政機構改革は、世界的共通な基準というグローバルスタンダードにのっとったものにすべきだという考え方をお伺いしておりますけれども、総理、改めてその御見解をお教えいただきたいと思います。
  69. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 一言だけ脱線をお許しいただきたいのでありますけれども、私の競技は剣道でありまして、剣道には、審判絶対神聖でありまして、審判に対する抗議はありません。そして、不思議の勝ちはある。言いかえれば、審判が誤審して自分が勝たせてもらうことはある。しかし、不思議の負けはない。言いかえれば、審判に誤審をさせるようなところまで相手に迫られた自分が悪いんだ、これが我々の競技のルールであります。  それだけに余りああいう野球のような騒ぎというのは楽しい思いで見ることができませんでした。  そして、まさにこれを国際的な金融市場に当てはめてまいりました場合、ついしばらく前までは我々が全く想像のつかなかったデリバティブ取引のような新たな金融商品というものが次々に開発されてまいっております。そして、こうした新たな商品の出現と同時に金融市場というものがまさにグローバル化し、環境というものは大変大きな変化をしてまいりました。  こうした中で、私どもがフリーとフェアそしてグローバルという三つの原則をかざした中で、今金融システム改革に取り組んでおります。この金融行政機構改革というものによりまして自己責任原則を徹底していくことと同時に、市場機能の十分な発揮を基軸とする透明性の高い市場というものにこれを変えていきたいと願っております。  それはまさに日本がグローバルスタンダードにのっとった市場をつくろうとしていることにほかならず、その目的にこれからも真っすぐ進んでいきたい、私は心からそう考えております。
  70. 田村公平

    ○田村公平君 今国会終了後、デンバー・サミットがあります。これはお願いでございますけれども、我が国が将来にわたってサミットのメンバーから外されることのないように、世界に信用できる国になり、そして誇り得る経済が持てるように、まさにグローバルスタンダードの中で、金融だけではありません、日本が生きていかなければならないと思っております。デンバーはちょっと高度の高いところでありまして、酸素も薄うございます。総理も山に登りますけれども、私も山岳部で一応国体まで出ておりますので、ただし登山には審判がおりません。大蔵大臣も含めまして関係大臣、ぜひ我が国の国威発揚、これほどたたかれておりますので、そういうことでよろしくお願いをして、私の総括の質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  71. 奥村展三

    ○奥村展三君 一昨年から、住専に端を発しましていろいろと金融システムあるいは今日までの金融そのもののあり方等を改革していこうということで、今回もこのような法案を我々審議をさせていただき進めてまいったわけでありますが、何はともあれ国民が安心して、そしてまた安定した金融システムが構築をされていかなければならないと思います。  そうした中で、いろいろ皆さん方からも、長時間にわたって審議の中で御意見あるいはまた御質疑等を闘わした中にもありましたように、国際的あるいはグローバル化した中で一日も早い信頼の回復というものが強調なされていたと思います。  そのとおりだと思うわけであります。  総理初め大蔵大臣、官房長官等もいろいろ答弁の中にその意気込みといいますか、本当に今ここに至って何としても改革をやっていかなければならないという意気込みは十二分に私も感じさせていただいたわけであります。まさしく総理がリーダーシップを持ってこれを遂行していこうというお気持ちはありありと見えるわけでありますが、ぜひもう一度その意気込みといいますか所見をお伺い申し上げたい。  同時に、今までの議論の中でもあったと思うんですが、昨年の十二月二十四日の三党合意の中で、金融行政機構等の改革について合意がなされておるわけですが、その中で政府金融機関あり方についても論議が広まっておる、また財投についても転換期にあることがいろいろ指摘をされておる。その透明性、効率性の確保と運営の仕組み等について大胆な改革を検討するというように合意がなされたわけであります。金融関連の審議会等でもいよいよ中間報告がまとめられつつあると仄聞をいたしておるところでございますが、公的金融機関監督等についてもどのようにお考えか、総理、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  72. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私にとりまして、公共性の本当に高い免許業者であります銀行というものが、こうした業務運営の中で預金者などの信頼を著しく傷つけるだけではなく、捜査当局捜査の対象として連日報道されるような状態になっておりますことは本当に情けないという一言に尽きる事態であります。  この一連の金融不祥事というものにつきましては私は関係当局厳正対応してくれると信じておりますけれども、あわせてこの機会に公正な市場の構築というものに向けて一層のルール整備を図っていかなければなりませんし、金融機関自身におかれても企業倫理の徹底に向けて自己改革を本当にきちんと行っていただきたい。そして一刻も早い信頼回復に努める必要があると真剣に考えております。  そうした中から、今また昨年の与党合意における御論議にお触れになりました。政府金融機関が行っております政策金融、これはまさにそれぞれがスタートいたしましたときには時代のニーズによりましてその政策課題にこたえるためにスタートしたものだと思っております。そしてその本質は今日も変わりません。すなわち、これからの時代のニーズに必要なものがあり、その政策課題に政策金融をもってこたえる必要があるならこれは残していかなければなりますまい。  しかし、その必要性が薄くなったならば、あるいは民間金融機関が十分対応できるようになっているものは除外していく、こうした不断の見直しが必要であることは御指摘のとおりであります。  金融システム改革が進むことによりまして民間金融の機能がより拡充強化されますならば、これにあわせて政府金融機関の守備範囲についても、今既に見直しは行っておりますけれども、さらに見直す必要が生じてくるであろうと思います。  財投そのものは、私は将来にもその必要性は残ると思います。しかし、その規模とかあるいはあり方というものは社会経済情勢の変化に応じて当然のことながら資金をいかに重点的、効率的に活用していくかということを考えていかなければなりませんし、今、資金運用審議会の懇談会におきまして広く財政投融資について専門家の意見を聞きながら本格的な検討、研究を進めていただいております。  しかし、これは同時に政策金融というものの持つ役割を評価する立場からでありますから、例えばそれぞれの機関がその政策目的に合った資金の使用をしておるかどうかは、私は民間金融機関に対する検査監督とはおのずから違った立場においてその政策の実効性というものをチェックしていく、その中で検査監督は行うべきものだと思っております。
  73. 奥村展三

    ○奥村展三君 総理のリーダーシップをもって六大改革初め、特にこのような不祥事が出ておる金融等につきましてもチェックをしながら推し進めていただきたいというように思います。  原案に賛成をさせていただくことを表明して、質問を終わります。ありがとうございました。
  74. 山口哲夫

    山口哲夫君 住専問題から先に質問をいたします。  平成八年の三月四日に三党合意がなされておりまして、住専問題に関する新たな措置についてということであります。  それで、毎年その実態を報告をするようにということで、先般資料の要求をいたしまして、委員長のお取り計らいによっていただきました。  ところが、見ておりますと、これは金額が一銭も出ておりません。数字をずっと並べているだけであります。これでは、三党合意で七年間で五千億円の税収を上げるんだということが一つもわかりませんけれども、私はその金額を出したものをさらに出していただくように委員長としてもお取り計らいをいただきたいと思います。
  75. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 後刻、理事会において協議いたします。
  76. 山口哲夫

    山口哲夫君 しかも、これは、三党合意によると毎年その都度国会に報告をするということになっているはずでありまして、ここの委員会発言をして、委員長からお願いしなければ出てこないというものではないと思うわけです。三党合意に従って、大蔵省とそれから農林水産省がきちっと毎年出されるように強く私は要求をいたしておきます。よろしいですね。
  77. 山口公生

    政府委員山口公生君) 先生御承知のように、この三党合意は、与党三党が民間金融機関に対しこうした形での合意をなさっているわけでございます。大蔵省及び農水省は、その民間金融機関が公表したものを取りまとめて国会へ御報告するという形になっております。  それから、数字を出すということにつきましては、例えば三千人なら三千人の人員減という数字がありましても、それが金額的に幾らになるかというのはなかなか難しいということも御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
  78. 山口哲夫

    山口哲夫君 三党合意では、一兆五千億の合理化、効率化を行って七年間で五千億円の税収増を図るんだと、農水省においては一千八百億の税収増を上げるんだということになっているわけですから、私はそもそも、これは大変悪い言葉かもしれないけれども、こんな内容というのは当たり前のことであって、極めてまやかしたと思っていたんです。案の定、数字が何にも出てこない、これは国民をだましたと同じだと思うんです。そういう点では、ぜひきちっと合意に基づいて数字を出すことを要求しておきます。  次に、この金融監督庁を設置いたしましても、大蔵省との間に人事の遮断が行われなければ目的は半減するだろう、こういうふうに言われております。なぜならば、これまで大蔵省は各省庁に対して人事の面からも支配をしてきた、そういうふうに言われております。ちなみに、大蔵省の本省課長以上の他省庁、政府機関への出向状況を調べてみますと、平成七年度が衆議院や公正取引委員会も含めて、十九省庁五団体で五十三名、八年度が五十四名、この中では、特定省庁の事務次官を初め極めて重要なポストがもう大蔵省の出身者の指定席にさえなっております。  こういう状態でございますから、大蔵省だけが富士山であとの省庁はみんな八ケ岳なんだ、そういうことが言われるゆえんなわけであります。私どもはこういうことを許してはならないと思います。  特に、今度のこの問題に関する衆議院の附帯決議があります。「金融監督庁設立後の大蔵省との人事交流は、」「責任ある幹部職員についてこれを避けること。」、いわゆる大蔵省金融監督庁の人事の遮断をしなさいということでございます。こういう附帯決議もあるわけですから、私は、総理におかれてイニシアチブをとって、そういう附帯決議を実現されるようにぜひひとつ御尽力をいただきたい、その御決意をお聞きいたします。
  79. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、スタートの時点において、長官の人事は別といたしまして、大蔵省から人を受け取らないという約束はいたしかねます。そして、その上で、幹部職員としてその時点で金融監督庁に移ってもらった諸君には、その金融監督庁の中で生涯を送ってもらうだけの覚悟を決めてきてもらいたいと思っております。  しかし、専門家として、例えば地方の財務局であるいは国税の査察等で努力をしている諸君からスタート時にもし応援を得るといたしましたなら、その諸君を大蔵省に帰すことをしないというお約束は私はいたしかねます。  同時に、より新しい商品開発等についての有能な知識を持つ人材があれば、私はそうした人材は受け入れもしたいと思っておりますし、幹部職員についてのお約束はある程度いたしましても、実動部隊となる第一線の諸君について、当初、国税からあるいは地方財務局等から移籍してもらった諸君を生涯帰さないということまでは私はお約束はできません。
  80. 山口哲夫

    山口哲夫君 終わります。
  81. 遠藤要

    委員長遠藤要君) これにて両案の質疑は終局いたしました。     —————————————
  82. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 特殊法人財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武藤総務庁長官
  83. 武藤嘉文

    国務大臣武藤嘉文君) ただいま議題となりました特殊法人財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  政府は、特殊法人の財務内容等の公開について、これを行政改革の一環としてその推進に取り組んできたところであります。  総務庁は、一昨年来、特殊法人の財務内容の公開・子会社等に関する行政監察を実施し、昨年十二月、その結果に基づき勧告を行ったところであります。さらに、この勧告に基づき昨年十二月に閣議決定をいたしました行政改革プログラムにおいて、政府としての実施方針を決定したところであります。  その行政改革プログラムにおいて、特殊法人の財務内容等に関する書類の作成、公開については、所要の措置を一括して講ずる法律案を今国会に提出するとされており、それを踏まえて、ここにその法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、財務諸表等の作成に関する事項といたしましては、特殊法人の財務内容を明らかにする書類、具体的には、貸借対照表、損益計算書、附属明細書及び事業報告書並びに監事の意見書について、それが作成されていない場合には新たにこれを作成することとするなど、必要な規定を欠いているものについて所要の規定を整備しております。  第二に、財務諸表等の公開に関する事項といたしましては、特殊法人財務諸表等を各事務所に備えておき、所要の期間、一般の閲覧に供しなければならないこととするなどの規定を整備しております。  この法律案は、以上のとおり、特殊法人の財務内容の公開を一層推進する観点から、財務諸表等に関する所要の規定を整備するため、今国会において新設等の御審議お願いいたしております法人を含めた七十八特殊法人について、十五省庁、七十一法律にわたる改正を取りまとめたものであります。  なお、これらの改正は、一部を除き公布の日から施行し、本年から新たな情報を閲覧に供することができるよう、平成八年四月一日からの事業年度の決算に係る財務諸表等から適用することといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いをいたします。  なお、特殊法人の事業につきましては、今後、必要か否かを含め計画的に行政監察を実施していく所存でありますことをこの際付言させていただきます。
  84. 遠藤要

    委員長遠藤要君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  次回は、来る六月十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十分散会      —————・—————