○市川一朗君 先ほど、魚住
委員の御紹介にもありましたように、「声」の欄でもいろいろ賛否両論といいますか、意見があるようでございますし、私
どももこの
法案につきましては、この
委員会の審議を通じて最終的には判断したいと思っております。そういった中で、実は私自身は昨年の三月二十六日の
建設委員会、それから五月二十三日の
建設委員会では、
都心居住の推進をもっと進めないとこの長時間
通勤地獄は解消できないんじゃないかということを申し上げた一人でございます。
それくらいこういう問題についてのいろんな物の
考え方といいますか、国民のコンセンサスがまだ分かれているテーマだと思うんですが、そういった中で、特にそのときも御指摘申し上げたんですが、国有の宅地まで今売りに出ている段階である。それから、この間、建設
委員長の御配慮によりまして、この
法案の
対象地域となるであろう港区、中央区の現地を見てまいりました。やはりかなり中途半端な状態で空き地が余っておる。
この
状況は、考えてみれば、もうしばらくは来ないかもしれないと思っていた
一つの大きなチャンスが来ているのかな。つまり、
東京というレベルで見ました場合に、明治維新で江戸が荒廃した、その後で関東大震災があった、そしてこの間の、この間と言いましてももう五十年前になりますが太平洋戦争、第二次世界大戦で
東京は焼け野原になった。こういった中でこの間のようなバブル現象まで来てしまった。
ドイツの例とか、そういったふうに見ますと、しまったなという感慨を持っておった関係者の気持ちはいろいろあったと思うんです。しかし、この時期にああいう現象が起きて、あらゆる宅地が買ってくださいと、そういうところに来たとするとこれは
最大のチャンスじゃないかなというふうな問題意識もありまして、それで昨年そういったことも事例に挙げながら、当時は中尾
建設大臣でございましたが、いろいろ御指摘申し上げたのでございます。実は、通常国会に
建設省が提出する予定
法案の中にその辺が入っておりませんでしたので、かなり慎重な
議論をしておるのかなというふうな気持ちを持っておったのでございます。
そういう中で、実は
東京都の方の勉強も取り組みも進んでおりまして、ことしの三月に
東京都が
東京都
住宅マスタープランというのを
改正した中で、
都心居住の推進を図るというのをかなりはっきり打ち出したんです。
それを見ますと、一番トップの中に、
都心居住の推進を図るべき
地域の範囲として、具体的には環状七号線と首都高速道路、湾岸線に囲まれた区域において
都心居住の推進を図りますというような
考え方が打ち出されている。
いろいろこれから
議論が進み、かつ理論の世界から
制度の
議論になり、そして最終的に運用、実績の時代にずんずん移行していくテーマだと思いますが、若干ちょっとその辺の検討が不十分だったのかなという
感じもします。先ほど来の
大臣及び
政府委員の御答弁を聞いておりますと、かなりのことをいろいろ思考しながらここに踏み切ったというふうにも見えますので、その辺、
大臣は強力なリーダーシップでここに踏み切られたと思いますが、若干私からしますと、ちょっと場合も限定され、少し中途半端だったんじゃないかなという
感じを実は持っておるわけです。
具体的な例として言えば、その適用範囲がちょっと狭過ぎるんじゃないか。やはり本当の
意味で
都心居住、この提案理由の言葉をかりて申しますと、「
職住近接の
都市構造の実現」ということになりますと、やはり
都市構造という観点から見ますと、今回のように非常に限定的に、
用途地域も限定し、そして四〇〇%として今既に
容積率が決まっているところだけでやるということで、
大臣がお考えになっている
職住近接の
都市構造、それはもちろん住
環境がきちっと確保されていなきゃいけないわけですが、そういったものとして
法律を出して実行に移すという
意味ではもうちょっと思い切った方がよかったんじゃないかなという
感じを持っているんですが、改めてもし何か御感想ありましたら。