運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1997-03-27 第140回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年三月二十七日(木曜日)    午後一時一分開会     ―――――――――――――    委員異動  三月二十六日     辞任         補欠選任      橋本 聖子君     釜本 邦茂君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         鴻池 祥肇君     理 事                 永田 良雄君                 山崎 正昭君                 市川 一朗君                 緒方 靖夫君     委 員                 岩井 國臣君                 釜本 邦茂君                 坂野 重信君                 松谷蒼一郎君                 平野 貞夫君                 広中和歌子君                 福本 潤一君                 赤桐  操君                 小川 勝也君                 久保  亘君                 奥村 展三君    国務大臣        建 設 大 臣  亀井 静香君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)      稲垣 実男君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  伊藤 公介君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     松川 隆志君        国土庁長官官房        長        近藤 茂夫君        国土庁計画・調        整局長      塩谷 隆英君        国土庁防災局長  福田 秀文君        建設大臣官房長  小野 邦久君        建設大臣官房総        務審議官     村瀬 興一君        建設省建設経済        局長       小鷲  茂君        建設省都市局長  木下 博夫君        建設省河川局長  尾田 栄章君        建設省道路局長  佐藤 信彦君        建設省住宅局長  小川 忠男君    事務局側        常任委員会専門        員        八島 秀雄君    参考人        住宅金融公庫総        裁        高橋  進君        北海道東北開発        公庫総裁     宍倉 宗夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成九年度一般会計予算内閣提出、衆議院送  付)、平成九年度特別会計予算内閣提出、衆  議院送付)、平成九年度政府関係機関予算(内  閣提出、衆議院送付)について  (総理府所管北海道開発庁国土庁)、建設  省所管住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫  )     ―――――――――――――
  2. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十六日、橋本聖子君が委員を辞任され、その補欠として釜本邦茂君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 昨二十六日、予算委員会から、本日午後の半日間、平成九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち北海道開発庁及び国土庁建設省所管住宅金融公庫北海道東北開発公庫について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。
  4. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) まず、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫役職員をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  6. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 予算概要について政府から説明を聴取いたします。建設大臣亀井静香君。
  7. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 建設省関係平成年度予算について、その概要を御説明いたします。  まず、一般会計予算は、六兆七千七百八十七億円を計上いたしておりますほか、道路整備特別会計治水特別会計都市開発資金融通特別会計特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。  また、財政投融資計画については、当省関係公庫公団等分として十五兆四百七十九億円を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、二十一世紀に向けて、豊かな生活と活力に満ちた経済社会を構築するための基盤となる質の高い住宅社会資本整備を的確に推進してまいる所存であります。  特に、平成九年度におきましては、計画的な事業推進を図るため、治水事業五カ年計画を新たに策定するとともに、事業の効率的、効果的な実施を図りつつ、電線類地中化など当面する政策課題に対応した住宅社会資本整備を戦略的、重点的に推進していくことといたしております。  具体的には、一、高規格幹線道路網地域高規格道路整備空港港湾等へのアクセスの強化など次世代の活発な経済社会活動展開のための交流基盤整備、二、電線共同溝による電線類地中化など情報ハイウエー整備ITS高度道路交通システム)の開発などマルチメディア社会に対応した新たな社会資本整備、三、水と緑のネットワーク形成ふるさと下水道整備防災公園等整備高齢者障害者に優しい町づくり床上浸水解消対策交通渋滞対策など快適な暮らしが実感できる生活環境創出、四、良質な公的住宅の的確な供給都心居住促進対策高齢者向け住宅供給推進、優良な宅地開発促進など住まいの豊かさを実現するための住宅宅地整備、五、道路橋堤防住宅等補強土砂災害対策のり面防災対策推進密集市街地整備など安全で安心できる地域づくり町づくり推進重点を置くことといたしております。  次に、事業別重点施策概要について御説明申し上げます。  第一は、住宅宅地対策及び市街地整備であります。  まず、住宅対策については、公庫住宅公営住宅及び特定優良賃貸住宅等合計七十六万二千百六十戸の供給を図るとともに、特に、都心居住促進のための良質な住宅供給住宅市街地整備ケアつき住宅など高齢者向け住宅供給地方定住促進するための住宅供給等を積極的に推進することといたしております。  また、宅地対策については、優良な宅地開発推進を図ることとし、大都市近郊等における優良な事業に対する支援の強化等を図ることといたしております。  さらに、市街地整備については、防災上危険な密集市街地整備中心市街地活性化土地有効利用等に資する市街地整備等を積極的に推進することといたしております。  第二は、都市対策であります。  都市対策については、特に、立ちおくれている地方圏下水道整備及び安全でおいしい水の確保のための下水道高度処理施設整備、水と緑のネットワーク整備など緑豊かな都市環境創出等に取り組んでいくことといたしております。  また、防災公園整備など安全で安心できる都市づくりを積極的に推進することといたしております。  第三は、治山治水であります。  治山治水による安全性確保は、長野県蒲原沢土石流災害を初めとした近年の災害にかんがみても緊急の課題であり、河川堤防質的強化河川海岸堤防耐震化土砂災害対策渇水頻発地域におけるダム等整備等を強力に推進することといたしております。  また、床上浸水解消対策や、潤いのある水辺環境創出のための河川等環境整備水質浄化事業等推進することといたしております。  第四は、災害復旧であります。  災害復旧については、被災した河川道路早期復旧等を図ることといたしております。  第五は、道路整備であります。  道路整備については、経済構造改革を支援するとともに、活力ある地域発展を導くため、特に高規格幹線道路地域高規格道路整備地域プロジェクト関連道路整備推進するほか、高度情報通信社会の進展を図るため、電線共同溝などによる情報ハイウエー整備ITS高度道路交通システム)の開発等推進することといたしております。  また、阪神淡路大震災等教訓を踏まえ、道路橋緊急補強のり面防災対策などの災害に強い国土づくりのための道路整備推進するとともに、良好な沿道環境整備交通渋滞対策推進など快適な町づくり暮らしを積極的に支援することといたしております。  第六は、官庁営繕であります。  官庁営繕については、行政ニトズ高度化に対応した合同庁舎等建設とあわせ、身障者対応エレベーター整備など高齢者障害者施策推進することといたしております。  以上をもちまして、平成九年度の建設省関係予算説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
  8. 鴻池祥肇

  9. 伊藤公介

    国務大臣伊藤公介君) 総理府所管のうち、国土庁平成年度予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁一般会計歳出予算は、三千八百三十六億五千二百万円余を予定いたしております。  また、大蔵省所管産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本整備促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出一千五百万円を予定いたしております。  次に、平成年度予算重点について御説明いたします。  第一に、国土計画推進についてであります。  来るべき二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針となる新しい全国総合開発計画策定を踏まえ、この新計画を効果的かつ強力に推進することとし、予算額十二億七千百万円余を予定いたしております。  また、国土総合開発事業調整費により、公共事業省庁間連携推進するとともに、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図ることとし、予算額三百十六億六千五百万円を予定いたしております。  第二に、新たな総合的土地対策推進についてであります。適正かつ合理的な土地利用確保等を図るため、土地政策推進体制強化等土地有効利用促進土地情報総合的整備等推進することとし、予算額六十一億四千百万円余を予定いたしております。  また、地価公示等を引き続き着実に実施することとし、予算額四十七億九千五百万円余を予定いたしております。  さらに、第四次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等国土調査推進することとし、予算額百三十七億一千百万円余を予定いたしております。  第三に、総合的な水資源対策推進についてであります。  最近の渇水にもかんがみ、良質な水資源安定的確保を図るため、水資源開発推進水資源有効利用促進等総合的な水資源対策を積極的に推進することとし、予算額八百八十一億五千九百万円余を予定いたしております。  なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうちの八百七十六億九千百万円余の補助金等財政投融資資金等を合わせて四千二十三億七千万円余の資金により、ダム、用水路の建設事業等計画的に促進することといたしております。  第四に、大都市圏整備推進についてであります。  大都市圏整備と秩序ある発展を図るため、三大都市圏基本計画策定並びに業務核都市大阪湾臨海地域、研究・学園都市建設整備、琵琶湖の総合的保全大都市防災対策及び大深度地下利用あり方検討等推進するとともに、首都機能の移転の具体化へ向けた積極的な検討を行うこととし、予算額十億二千八百万円余を予定いたしております。  第五に、地方振興推進についてであります。  まず、新しい各地方開発促進計画策定等、新たな時代に向けた地方あり方についての多角的な検討を進めることとし、予算額一億九千三百万円余を予定いたしております。  また、人口地方定住と多極分散型国土形成を図るため、地方拠点都市地域整備地域間交流連携による地域づくり推進地方産業振興活性化地方回帰促進等の諸施策を総合的に展開することとし、予算額十六億四千二百万円余を予定いたしております。  次に、立地条件に恵まれない過疎地域山村地域半島地域豪雪地帯、離島、奄美群島及び小笠原諸島における生活環境産業基盤整備等を引き続き推進することとし、予算額二千二百三十六億三千八百万円余を予定いたしております。  第六に、災害対策推進についてであります。  阪神淡路大震災教訓を踏まえ、災害対策充実強化を図るため、震災対策推進防災情報収集伝達システム充実強化災害対策総合調整推進防災に関する国際協力推進等災害対策を総合的に推進することとし、予算額三十二億四千万円余を予定いたしております。  第七に、地域振興整備公団事業についてであります。  地域振興整備公団については、十三億四千五百万円の国の一般会計補給金財政投融資資金等を合わせて一千七百六十八億七千八百万円の資金により、人口及び産業地方への分散地域開発発展に資する各般の事業推進することといたしております。  以上をもちまして、平成九年度の国土庁予算概要説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  10. 鴻池祥肇

  11. 稲垣実男

    国務大臣稲垣実男君) 平成九年度の北海道開発予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成九年度総理府所管一般会計予算のうち、北海道開発庁に計上いたしました予算額は、歳出一兆五十九億三千二百万円、国庫債務負担行為三百二十億三千三百万円であります。  次に、これら歳出予算の主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に、国土保全及び水資源開発事業経費に充てるため、予算額一千七百四十九億二千九百万円を予定いたしております。  これは、石狩川等重要水系災害多発地域中小河川及び都市河川重点を置いた河川整備を初め、洪水調節及び水需給の逼迫に対処する多目的ダム等建設火山砂防事業都市対策砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業等治水事業推進するほか、森林公益的機能拡充強化を図るための治山事業、並びに高潮・侵食対策等海岸事業推進するための経費であります。  第二に、道路整備事業経費に充てるため、予算額三千四百五十七億九千万円を予定いたしております。  これは、交通体系の基軸となる高規格幹線道路地域高規格道路から一般国道地方道に至る道路網の体系的、総合的な整備推進するとともに、交通安全施設等整備事業雪寒地域道路事業、さらには、都市周辺のバイパス、連続立体交差、街路及び土地区画整理等事業推進するほか、豊浜トンネル崩落事故教訓等も踏まえ、道路防災対策重点的に進めるための経費であります。  第三に、港湾空港整備事業経費に充てるため、予算額七百十一億一千五百万円を予定いたしております。  これは、室蘭港及び苫小牧港という特定重要港湾、釧路港その他の重要港湾整備を進めるとともに、地域開発拠点となる地方港湾整備推進するための経費、並びに新千歳空港その他の空港整備推進するための経費であります。  第四に、生活環境施設整備事業経費に充てるため、予算額一千三百三億九千八百万円を予定いたしております。  これは、公営住宅等建設及び関連公共施設整備推進するための経費、並びに下水道環境衛生施設及び都市公園整備推進するための経費であります。  第五に、農林水産業基盤整備事業経費に充てるため、予算額二千六百二十六億四千百万円を予定いたしております。  これは、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う新たな国際環境に対応した多様で生産性の高い農業への速やかな展開を図り、かつ農村地域生活環境の改善を図るための農業農村整備事業水産業振興と活力ある漁村形成を図るための漁港漁村整備及び沿岸漁場整備開発事業、並びに豊かな森林資源を維持培養するための森林保全整備事業及び良好な生活環境を保全創出するための森林環境整備事業推進するための経費であります。  また、このほかに、アイヌ文化の理解の促進等事業を行うためのアイヌ関連施策経費として六千万円及び公共事業等における連携を一層強化推進するための特定開発連携事業経費として二十億円を新たに予定いたしております。  引き続き、平成九年度の北海道東北開発公庫予算について、その概要を御説明申し上げます。  北海道東北開発公庫は、北海道及び東北地方における産業振興開発促進するため、民間金融機関と協調して良質な産業資金供給することを業務といたしております。  北海道東北開発公庫平成年度予算は、出融資枠二千百四十六億円であります。  これらの原資といたしましては、政府出資金四十億円、政府借入金九百七十九億円、債券発行による収入三百三十一億円を予定し、残りの七百九十六億円は、外債三百億円の発行を含む自己資金等で調達することといたしております。  また、特別金利貸し付けにつきましては、北海道及び東北地方における地域経済構造改革推進や安全で快適な地方都市づくりのための制度の充実を図るなど、公庫出融資機能拡充することといたしております。  以上をもちまして、平成九年度の北海道開発予算並びに北海道東北開発公庫予算説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  12. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 岩井國臣

    岩井國臣君 昨年末、十二月の終わりでありましたが、国土開発幹線自動車道建設審議会、俗に言う国幹審が開かれました。そして、高速自動車国道整備促進に向けまして、全国各地の大変熱い期待を受けながら、基本計画整備計画の追加が行われました。これらの新年度予算の一つの大きな前提になっているかと思います。  しかし、一部のマスコミにおきまして、その前提に関しまして大いなる疑問を呈する向きがございます。日本道路公団は借金がどんどんふえていっておるじゃないか、そのうちに第二の国鉄になるのではないか、旧国鉄と同じように国民の税金を道路公団につき込まなければならないような状況になるのではないか、そういう論調がある。  それからいま一つ、これも最近のマスコミでございますけれども、一部のマスコミにおきまして、公共工事コストに大変なむだがあるじゃないか、もし、万が一ということですけれども、そのむだを省くことができれば大変な節約ができて、消費税の引き上げも、そしてまた特別減税の打ち切りも、そんなものは全く必要なくなるじゃないか、それだけ膨大なむだを公共工事はやっておるんじゃないか、こんな論調でございます。  これらの論調はとんでもない誤解といいますか、私にはそう見えるわけです、とんでもない認識不足から来ておるのではないか。こんな誤った報道がまかり通っておったのでは、新年度予算に対する国民信頼があるいは政府に対する国民信頼が大いに損なわれかねないと思うわけでございます。新年度予算に直接関連する大問題かと思いますので、それらの点に関しまして、どうしても建設省の考えというものをこの際ただしておきたいと思います。質問します。  去る三月十八日、ついせんだってでございますが、朝日新聞日本道路公団負債が二〇一三年ごろに三十五兆円に達すると。今どんどんふえていっていると思いますが、三十五兆円に達すると。旧国鉄債務と同じようにその返済が危ぶまれている、その辺がちょっと問題だと思いますが、そんな記事があったわけでございます。そして、税の大幅投入ということも今後論議に上る可能性がある、そう朝日新聞は言っているのでございます。これは本当でしょうか。  道路公団負債返済につきまして、建設省はどのような見通しを持っておられるのか、その辺をまず御説明願いたいと思います。
  14. 佐藤信彦

    政府委員佐藤信彦君) お答えいたします。  現在、高速自動車国道供用延長でございますが六千百キロを超えまして、まだ道半ばでございますが、国土の均衡ある発展を図るといったことで、引き続き計画的な整備が必要であるというふうに考えております。  採算の方でございますが、平成七年度の決算によりますと、一兆七千四百億の収入をいただいております。これに対しまして、維持管理費及び借入金金利を除きますと六千九百十億円、したがいまして収入の四〇%の六千九百十億円でございますが、これが借入金の元本の償還に当たっております。そういう意味では、返済は順調に進んでいるといったことでございます。これまでこういった返済の方に回っております金額でございますが、既に五兆二千億が償還に回っているといったことで、順調に行われているところでございます。  また、先ほど先生の方からお話がございました、昨年十二月の第三十回の国幹審策定されました新たな整備計画区間九百八十二キロでございますが、これが加わりまして、整備計画全体としては八千九百四十キロになるわけでございます。これをプールに編入した場合の採算見通しは概算でやっておりますが、今後のネットワーク拡充によります交通量の増大とそれから建設管理費等コストの低減、それから全国プール制を堅持するといったようなさまざまな工夫、努力を重ねていきまして、基本的には料金を上げないで採算性確保できるというふうに確信しているところでございます。
  15. 岩井國臣

    岩井國臣君 わかりました。ああいう報道を見ますと、私のような立場の人間でもあるいはと、こういう気になるわけでございまして、一般国民があれを見れば、本当にそう思っちゃうと思うんですね。したがいまして、今御説明いただきまして明らかになったように、あの朝日新聞報道は全くの間違いでありますので、やっぱり建設省の方で国民に向けて、もちろん我々に対してもいろいろ説明してもらわにゃいかぬわけですけれども、国民に向けていろいろと説明をされないといかぬのではないかな、こんなふうに思います。  次の質問に移ります。  これまた大問題でありますけれども、今週号の週刊ポストでございますが、大阪といいますか関西地区におきます例のゼネコン談合問題が特集されております。この談合疑惑につきましては、これがもし本当なら何といったらいいんでしょうかまことにけしからぬ、驚くべき事件だと思います。そのことにつきましては、先般建設大臣の御答弁にもございましたように厳正に調査中であるということでございますので、きょうはその談合問題自体はちょっと横へ置きまして、それに関連するものとして建設コストの問題、すなわち積算問題が書いてございます。その積算問題につきまして建設省説明を聞いておきたい、こう思うわけでございます。  週刊ポスト報道によりますと、あたかも公共工事積算が甘いといいますかいいかげんなものであって、大体二〇%も過大に積算されておる、そんな印象を受けるわけです。「公共事業受注から一切の談合を排除すれば、工事費は確実に二〇%は安くなる」。そんなことをまさか建設省がおっしゃっておるわけじゃないでしょうし、だれが言っているのかわかりませんけれども、それがあたかも本当であるかのごとき書きっぷりがしてあります。こう言っていますね、「談合を厳しく排除すれば、特別減税を打ち切ることも、消費税を引き上げる必要もないのである。」、こう論じておられます。  もちろん談合は厳しく排除しなければなりませんが、今私がここで問題にしたいのは建設コスト建設工事積算についてでございます。週刊ポストが読者に与えている印象、すなわち二〇%も過大に積算されておるのかどうか、こういうことでございます。建設省の見解をお伺いしておきたいと思います。
  16. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) お答えを申し上げます。  建設省だけでなくて、一般的に公共工事の実施官庁は、工事を発注いたします場合には、予算決算及び会計令に基づきまして、取引の実例価格を考慮して予定価格を定める、こういうことになっております。  予定価格を定める場合には、当然材料費でございますとかいろいろな具体的な材料、これを価格は幾らかということを正確に把握をする、賃金の場合には三省による労務費調査に基づき一人当たりの賃金というものを正確につかむ、こういうようなこと。あるいは現場管理費等につきましても、諸経費を実態調査に基づきまして適切に定めた積算基準というのをつくるわけでございます。この積算基準は公表もいたしておりますし、毎年取引の実例に合うように見直しも絶えずやってきております。  このような積算手法のあり方自体につきましては、平成五年にゼネコンスキャンダル等が起きましたときにも、私どもは果たしてこのような公共工事積算手法でいいのかどうかということを第三者の評価委員会を設置して審議をお願いをいたしました。この結果、現行の積算基準は極めて妥当な方式だと、こういうような御結論をいただいておりまして、現在ではこのような積算手法自体において私どもの工事の予定価格を積算すると同時に、公共団体にも送付をいたしまして参考に供していただいている、こういうことでございます。  やはり積算自体は、透明性の確保とかあるいは一般的な予定価格自体がそれによって正確に積算されるということが必要でございまして、一般的な施工能力を持つ会社が実際に工事をやる場合の工事の実施価格とほとんど大差がない、こういうことになっております。  また、週刊ポストの例をお話しになりましたけれども、積算が甘いというような御指摘が一部にあることも事実でございますけれども、私どもは絶えず見直しをした積算基準によって正確に予定価格をはかることによって入札をする。それによって適正な価格による公共事業の実施に努めてきておりまして、一部にあるような、例えば建設業会社がもうけ過ぎではないかというようなことも、例えば売上高営業利益率で調べてみましても、一般建設業の売上高経常利益率、これは大蔵省の法人企業統計で見るわけでございますけれども、全産業平均あるいは製造業等に比べましてむしろマイナスでございまして、決してもうけ過ぎといったような批判は当たらないわけでございまして、今後ともより以上にきちっとした積算に努めていきたい、こう思っております。  ただ、先生御指摘のございましたとおり、談合というのはこれは決してあってはならない行為でございますので、こういうようなことが起こらないように、今後建設産業政策も含めましてあらゆる角度から指導し努めていきたい、こう思っているところでございます。
  17. 岩井國臣

    岩井國臣君 よくわかりましたが、これも先ほどの問題と同じように、国民の間には建設工事公共工事コストが高過ぎるという感じがございますね。アメリカとか諸外国に比べまして、それは土地も高い、資材も高い、労賃も高い、流通経費も高い、何から何までそれは我が国のコストは高いわけですから、当然公共工事コストもそれに応じて高くなっているということがあるので、ですから、海外との価格差、内外価格差というものを比べれば確かに差はあるわけですけれども、それは何も建設コストに限ったことではないと思うわけです。  私は、これは毎年毎年会計検査も受けているわけでありますから適正に積算はなされておる、適正に予定価格というものは設定されておる、こういうふうに理解いたしますが、国民の間にはいいかげんな数字を出しておるんじゃないかとか、そういうムードがありますので、よほど建設省におかれてわかるように説明をしていただかないといかぬのではないかなというふうに思います。  建設大臣、今回のこういった報道に限らず、最近はいいかげんなといいますか私に言わせると間違った報道が間々見受けられます。こういう間違った報道は、建設省といいますか政府に対する信頼というものをまさに失墜せしめるものである、こんなふうに思います。大問題じゃないか、こんなふうに思うわけであります。  政府はやはり主張すべきは主張し、それから訂正すべきは訂正する、もちろん国民の声を聞くべきは聞いてもらわにゃいけませんが、やはり正すべきは正さなきゃいかぬ、こういうことだと思います。国民信頼を得る努力を絶えずしていかなければならないのではないか、いわれなきぬれぎぬをいつまでも着ておるわけにはいかぬ、こんなふうに思うわけであります。  閣僚の一員といたしまして、建設大臣の所感をお聞かせいただきたいと思います。
  18. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 今、委員御指摘のように、マスコミ報道が世論形成を含めて極めて重要な役割を果たしておるわけでありますが、オピニオンリーダーとしてのマスコミ報道姿勢がフェアでしかも正確であるかということについては極めて疑問が投げかけられておるというのが最近の状況である、私はこのように思います。私自身、個人としてもしょっちゅう被害を受けておるわけでありますけれども、建設行政につきましても、委員が御指摘のように、大変国民から正確な判断をしていただけないような、そうした記事が横行しておることを非常に残念に思うわけであります。  私どもはその都度それぞれの報道機関に対して注意を喚起し抗議をするというようなこともしておるわけでありますが、今後、もちろんそうしたこともきちっとやっていくと同時に、日ごろから建設行政をできるだけオープンにして、その中で国民の方々が我々が何を目指しておるのか、現に何をやっておるのかということを正確に御判断いただく、そうした努力をマスコミに対する説明を含めてもうこれは総力を挙げて私以下全職員がやらなければなりません。委員の皆様方にもぜひひとつ御協力を賜りたい、このように考えております。
  19. 岩井國臣

    岩井國臣君 昨日の建設委員会で市川委員から、建設省が法案審議のために用意された資料がまことに不親切というかわからぬと。あれは私もわからぬですよあんなのを見たって、必死になって見てもわかりませんよ。ですから、やはり建設省は依然として知らしむべからず、よらしむべしというのが、私が建設省に入ったときにそう言われましたよ、そういう教育を受けましたよ、そういうのがまだちょっと残っておるんじゃないですかね。違いますかね。そんな気もちょっとするわけでありまして、これからやっぱり言うべきことは言う、オープンにしていかなきゃいかぬ。  大臣がオープンと言われました。これは大事なことですので、ぜひオープンにしていただいて、どんどん資料も出していただく、それで言うべきは言う、そういうことでこれから国民信頼される建設行政をぜひ展開していただきたいと思います。  これは重要な問題ですから私いろいろやりとりさせていただこうと思いましたが、道路局長も官房長もそしてまた建設大臣もそれぞれ明快に御説明いただきまして、私といたしましては満足できるお答えをいただけたんじゃないかと、こう思いますので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
  20. 広中和歌子

    広中和歌子君 平成会・新進党の広中和歌子でございます。  ただいま冒頭に平成九年度建設省北海道開発庁そして国土庁予算に関しての御説明をいただきました。膨大な予算であり、多岐にわたる大切なお仕事だろうというふうに認めます。これはもちろん日本の社会資本充実のために組まれたものだと思います。ことしも非常に大きな予算でございますけれども、前年度もそして前々年度も絶えずふえることはあっても減ることはなかった、こうした予算でございます。  それというのも、もちろん戦後あの灰じんに帰した我が国の国土を建て直すためにそうした予算が必要であり、それを少しずつ積み上げながら現在のレベルの社会資本整備に至ったのだろうと思います。しかし、もう戦後五十年でございますから、やはり毎年その使われ方、内容について見直しが当然行われなければならないし、また今まで必要であったところでも、それはもう必要でないのならやめなければならないといったような当然のアセスメントというんでしょうか、そういうものが必要だろうと思います。  本年、平成九年度におきますこうした予算につきまして、どのような面からの見直しが行われ、そしてまたコスト、効果、そうしたものへの御配慮がなされているのか、まず建設大臣にお伺いいたします。
  21. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 本年度予算につきましては、私が就任いたしましたときは既に概算要求が終わった後でもございました。大枠は決まっておったわけでありますが、前大臣の中尾大臣も、予算というのは前年度のシェアを踏襲していけばいいものではないというかたい御決心に基づいて厳しい判断をされて概算要求もされたわけでございまして、私も引き継ぎの中でそういう御意向も受けながら、また私自身が日ごろ考えております、めり張りをできるだけつけたいということでのできるだけの努力はしたつもりではございますけれども、そういう中で、やはりこの際、不要なものを各課なり局が要求しているとは思いませんけれども、委員御指摘のとおり、やはり時とともに重要度というのは変わってきておるわけでございますから、次官なり局長のトップがそれを大所高所から判断をして、身内を削るというのは大変きついことではございますけれども、そういう努力は次官、技官初め幹部がやってくれたと、私はこのように実感をいたしております。  額として見れば大したことはないとおっしゃるかもしれませんが、そういう中では高速道路建設あるいは下水道都市公園、また御承知のように、都市の整備が今非常に喫緊の課題になっております。スラム化とは言いませんけれども、スラム化に近い状況が全国的に戦後五十年で起きてきている状況もあるわけでありますので、そのあたりに重点を移行する。その中で、電線の地中化事業量を倍にいたしました。我々と同量を電力会社にさらに設備投資をさせるということで、今回は市街地、住宅地の中にまで東京あたりでも手を入れていくことを始めさせておりますが、これなんかも重点化の一つの方法でございます。  また委員御指摘のように、質の面につきまして、やはり使いやすい、特に障害者の方、老齢化社会を迎えるわけでありますから、使いやすい社会資本という観点での工夫は相当やってきておるつもりでございますが、委員御指摘のような、時代とともに質の変化というのを我々は追求をしていきたい、このように考えております。
  22. 広中和歌子

    広中和歌子君 私は環境に興味を持っている人間でございますけれども、住環境についても同然でございます。これは初期に注意をする方が、後から直すよりもよっぽど安上がりであるわけでございます。これはこの前の質問でも私申し上げたところでございますけれども、例えばもう既にある電線を地中化する、しかも道路ができ上がり家が建っている中でそういうことをやっていくのは非常にコスト高で大変なことだと思います。ですから、できるだけ先見の明というんでしょうか、先を読んでこのプランニングをぜひしていただきたいと思うわけでございます。  今御発言の岩井委員と違いまして、私は大変厳しい質問をしなくちゃならないわけでございますが、いろいろな御努力にもかかわらず、やはり日本の社会資本整備というのはまだまだやっていただかなければならないことがいっぱいあるんじゃないかと思います。特に、これは都市問題でもあるわけでございますけれども、通勤、長時間でありそして渋滞があり、幾ら道路をつくってもそれが、特別な時間帯なのかもしれませんけれども絶えず渋滞しているとか、それから家は、持ち家比率は非常に高くなっているけれども、しかしながら広さが十分でないとか質が余り高くないとか、それからまた、身障者や高齢者に優しい町づくりになっていない、そういうようなことがいろいろございます。  これは私のある知った方の例なのでございますけれども、ある日突然、車いすに乗らなきゃならない状況になったということで、病院に通うときに自動車がなくて乗り物や道路、さまざまな機関を使って病院に通うわけでございますけれども、そのときに、ある場所はバリアフリーになっているんですけれども、例えば駅に着くとエレベーターがないとか、そういうふうにコーディネーションができていないわけなんですね。ですから、一度どなたでもいいですから自分が身障者になったつもりで、車いすに乗ったつもりで例えば東京なら東京という町、あるいは神戸なら神戸という町を歩いてくださる、そういうようなことも必要なんじゃないかと思います。  それから、例えば外国人が日本に参ります。きのうの委員会で観光のことが言われましたけれども、ローマ字は世界的に通用する字でございますけれども、ローマ字化された道路標識がない、あっても非常に少ないということ、それから、日本人であってもよそから来た人に日本のどこかの番地を探し当てていくということが非常に難しいとか、そういうようなこともやはり社会資本整備の範晴に入るんじゃないかと思います。  小さなことでございますけれども、住みよさという点では非常にやらなくちゃならないことがいっぱいあると思います。それも、建設省という省の枠組みの中だけでなさるんじゃなくて、ぜひ他省庁、自治省とかあるいは運輸省などと連携をとりながらやっていただかなくちゃならないんじゃないかと思います。  それから、一人でしゃべっておりますけれども、道路の渋滞なんかの解消の仕方でございますけれども、さらに道路をつくるといったようなやり方ではなくて、思い切って発想の転換をしていただく。道路が込んでおります大きな理由の一つに物流関係があると思います。確かに、私たち宅急便など大変便利をしておりますけれども、あれは必ずしもトラックですべて運ばれなくちゃならないというようなことはないのではないかと思います。それが例えば飛行機で運ばれるとか、一部ピギーバックというんですか、鉄道で運ばれるとかというのをもっと推進していただいてもよろしいんじゃないかと思います。  ピギーバックについては今質問いたしませんけれども、例えば地方空港などがまだ十分に利用されていない、滑走路が短いとかなんとかいろいろ理由が言われておりますけれども、今のままで例えば名古屋から仙台に物を運ぶときに、どこの宅急便会社でもよろしゅうございますけれども、その宅急便会社が自前のトラックのかわりに飛行機を持ったとしたらば、随分東京というところを通らなくて済むというようなこともあるのではないかと思います。  聞くところによりますと、飛行機も大型ではなくて小型の飛行機をもっとふんだんに使う、乗客に関しましては日本は鉄道事情が非常によくなりましたから、競争で地方空港地方空港の間の輸送というのは余りお金になりませんけれども、物であればもっともっと運べるような状況があるのじゃないかと思います。  ところが、運輸省の規制というんでしょうか、そういうものに阻まれるのかどうか知りませんけれども、例えば宅急便会社が飛行機を持つことが許されない、それによって荷物を運ぶことが不可能であるというような状況があるとしたならば、そういうことも変えていただかなければならない。  私がわざわざこういうことを御質問するのは、亀井建設大臣が元運輸大臣でいらした、そして幅広く内閣の中でさまざまな行政を見ていらっしゃるということを知っての上でお伺いするわけでございますけれども、少なくとも今ここまで申し上げたことに対してコメントをいただきたいと思います。
  23. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) まず、委員が御指摘の質の面といいますか、私は就任と同時に基本的な方針を示しましたのは、戦後五十年間焼け跡の中からとりあえず雨露をしのぐバラック建築をやるというのが今まで五十年間の建設行政であった。今後は、二十一世紀へ向けて本格建築をあらゆる分野について目指していくということを私は基本的な方針として示したわけでございますが、委員が御指摘の点はまさにそうした本格建築に取り組んでいくことであると思います。  ただ道路をつくればいいというものでもありません。駅をつくればいいというものではありません。それは、利用する方々が千差万別でありまして、健康で力の強い者だけがうまく利用できるものであってはならぬわけでありまして、そういう意味でのきっちりとした配慮を加えていくということが私は政治の基本である、このように思っております。  ただ、その場合は、私は委員におかれましても、また委員所属の党におかれましてもぜひ御理解を賜りたいと思いますのは、最近公共事業コスト削減の問題、先ほど岩井委員からもちょっと御説明がございましたけれども、むだなコストを省かなきゃならない、これは当然の話でありますけれども、ただ額を低く抑えて事業量だけはきちっとこれをこなせという話になってまいりますと、必ずこれは質の問題が起きてくるわけでありまして、これは耐震の問題もありますし、また委員が御指摘のようなそうしたいろんなハンディをしょっている方々が使いやすい社会資本にするためにはコストがアップするんですね、どうしても。  だから、あえてコストが少々上がっても子々孫々のためにいろんな人が使いやすい社会資本整備するんだという憲法ともいうべきものを我々はきちっと守らなければならない。安くつくればいいということには我々は加担をしていくつもりはございません。  それから、交通体系建設省所管、運輸省所管、それぞれの所管の省が違うためにそういうものがばらばらになされて、資本整備という面では二重投資が起きておる面も確かに私はあると思います。そういうものをきちっと解消すると同時に、今おっしゃいましたように物流の面でも、陸海空それぞれがコストの面においても、これは地域というのは立地条件全部違うわけでございますから、利用する方々がそれをきっちりと御選択いただいて競争していただく。その条件を縄張り争いをしないで整備をしていく必要があろうかと思います。  ただ、私も運輸大臣を経験しておった当時から、今古賀大臣、またいろんな大臣がやっておりますけれども、はっきり申しまして今運輸省は思い切って規制緩和しましたね。もう需給原則といいますか、それに従って許認可等もやっていくということでありますから、簡単に言いますとトラック運送会社が飛行機を持って運送をしようと思えばやれるということだと思います、今は。  ただ、問題は、空港のキャパンティーという問題もあろうかと思います、これはどこにでもとまれるわけではありませんから。羽田、成田のキャパンティーと地方空港のキャパンティーの問題もあります。そういうことがありますけれども、それはそれに合った空港整備をしていけばいいことであります。  鉄道利用の問題、道路利用の問題それから空港利用の問題、いろいろありますけれども、一つはコストの問題だと思います。それと利用の問題です。特に、飛行機便の場合は相当高価なものでないと陸上運送に比べてどうしてもコストが割高になっていくという面があります、生鮮食品を含めまして航空便を使いますと、要するに高くなってくる。例えば、料理屋さんなんかが地方から直接使っているのは、やはり町の一般の家庭が食べられる魚とか果物、野菜に比べてうんと割高で、それでもということで使っておられる場合が非常に多いと思うわけであります。長くなるので申し上げませんが、委員が御指摘のように、そうした意味であらゆる陸海空それぞれが物流等の面で分担をしながらやっていける、それにはどういう整備が必要かという視点が絶対必要だと、このように私は思います。
  24. 広中和歌子

    広中和歌子君 今、コスト高であるというのは、航空三社に頼っているからじゃないかと思います。上にお客を乗せまして下が貨物でございますけれども、そういうふうに頼っている間はうまくいかないのじゃないかと思います。私は実を言うと、別に宅急便会社は個人的に全然知らないので彼らが本当にやりたいのかどうか、それさえ知らずに御質問しているんですけれども、当然アメリカなんかではフライングタイガーとかいろいろやっていますよね、そしてあの広いアメリカの中を便利に安くやっているわけでございます。道路の便利さというのは、ドア・ツー・ドアで非常にいいことは知っていますけれども、それでもやはり道路がこのように渋滞している現状では、シフトしてくださるような政治的な意図を持った規制緩和というのかあるいは誘導策、そういうものも必要ではなかろうかなと思うわけでございます。たくさん使われれば当然コスト安になると思います。  それから、今こういうことを申し上げているのは、今まではどちらかというと供給者のサイドに立った工事、公共事業というのが非常に多かった部分があるのじゃないかと思いますけれども、ぜひ消費者の視点に立っていただきたいということでございます。例えば歩道橋でございます。大臣もいろいろ御旅行なさったと思いますけれども、三つの有名な都市、パリ、ロンドン、ニューヨークには歩道橋なんてたしかなかったんじゃないかと思います。オーストリアのウィーンで一つ見たことがございますけれども。これだけ歩道橋があるというのは、交通渋滞を解消するためにあるいは歩行者を守るためにつくられたものだろうとは思いますけれども、これも今存在するものを取り除けとは申しませんけれども、同時に横断歩道もちゃんとつけていただく、路上に。そういうようなこともぜひ御配慮をいただきたいと思います。  それから、もう一つ心配しておりますのは、一たん火事、それも大型の大震災などによる火事が起こった場合、消防自動車が入れないような道路がいっぱいあるということでございます。これを広げるというようなこと。それから、せっかくビルを建てましても、道路が狭いために地下駐車場をつくるわけにいかない。今一生懸命地下室を宣伝していらっしゃいますけれども、道路が狭ければ工事費もうんとかかるわけですよね。  そういう当たり前みたいなことを、私は素人で、それでも当たり前だと思うことをもうちょっとそういう仕組みを変えることからやっていただかないと、全体のコストというのは下がってこないのじゃないかと思うのでございます。本当に専門家に対して失礼な質問だとは思いますけれども、そういうところをいろいろ今後工夫していただくための法改正なりあるいは予算づけなりぜひお願いしたいと思います。  それから、もう一つまた気がついたことを申し上げますと、地方都市、どこを見ても似たような都市ですよね。東京に関しましては皇居があったり特別なものがございますし、やはり資本が入っていますからすばらしい建築群が建っておりまして、これは私は世界でも誇り得る大都会だろうと思いますけれども、中小の都市、どこもかしこも同じです。新幹線の駅が同じなように、町の真ん中、本当に同じでつまらない。これはだれのせいなんでしょうかね。地方がアイデアがないのか、今までは歴史があったわけですよね、伝統もあったわけです。それがあんなふうに同じになってしまった原因というのはどうなんでしょうか、ちょっとお伺いいたします。
  25. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は、全く同じ考えを持っております。何か映画のロケのセットみたいな昔の町並みを残したことになっているところもありますし、これはもう善意でやっているんでしょうけれども。また、市街地の再開発をやったところは全部同じような感じです、どこへ行っても。個性がありません。なぜそうなったのかと言われたら、やっぱりそこに住んでいる人がそうしたんじゃないでしょうか。  やはり日本人自体が自分の文化に気がついていないといいますか、自分自身のそうした文化に対する何と言ったらいいんですかね、個性といいますか、そういうものを意識していないために、そのときの流行がありますね、何か後をすっとその流れに乗っていっちゃうんですね。そういう町づくりを、インテリアその他の面でもすぐしちゃうという面があろうかと私は思います。これは建設省の責任じゃないんじゃないかという気がいたしますけれどもね。
  26. 広中和歌子

    広中和歌子君 私は、いわゆる今の建て売り住宅というのがありますね。世界のあらゆる町からとってきたようないろんな住宅があるんですけれども、それが結構サイズが大きいものですから東京の住宅地には建てられないで田舎の畑のど真ん中に建っていたりして、非常に違和感があったりするんですが。  これは建設省の責任じゃないということであれば、町づくりに対してもうちょっと意識を高揚するような、あるいは建設省のせいじゃないとしても、地方分権というものをもうちょっと進めることによって、そして地方がそれぞれの独自の予算を持ち、独自の町づくりということを考えるシステムをつくる方向に動くことによって、これから次の五十年では変わり得るんじゃないか、少なくともそういう方向を目指して勉強会でもやっていただくとありがたいのでございますけれども、ぜひお願いいたします。  それから、またこれも大変恐縮な質問なのでございますけれども、岡光事件、建設省とは何の関係もない事件でございますけれども、この岡光事件をニュースでフォローしておりましたら、丸投げという言葉に出会いました。これについて建設省の御見解をまず伺いたいと思います。
  27. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 建設業法上、いわゆる丸投げについての規定がございまして、これは一括下請負と称しておりまして、原則的には禁止をされております。ただし、発注者が承諾した場合にはよろしいと、こういうことになっているわけでございまして、今回はその発注者の承諾のもとに行われたというふうに言われておりまして、全部事実を確認し切ったわけではございません。資料等がまだ我々の手元に来ないということもありますけれども、いろいろな事柄を総合しますと、一応発注者の承諾のもとに行われたのではないかというふうに思われるわけでございます。
  28. 広中和歌子

    広中和歌子君 丸投げは法律で禁止されているにいたしましても、下請とか孫請とか、いろいろ建設業界にございますよね。それについてはどういうふうな御見解でいらっしゃいますか。
  29. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 御案内のとおり、建設業は大変入り組んだ組み立て産業でございまして、工種にいたしましてもそれぞれ求められる技術の内容にいたしましても大変多岐にわたるものでございますので、そういう建設業の特性から、それぞれの専門の企業の方々が一つの工事に大勢で参加する、こういう業態が発達をしてきた経緯がございます。  最近よくアウトソーシングというような言葉が言われまするけれども、そういうことに実に適した産業であるということで、そういう実態が積み重なってきたんではないかというふうに考えております。
  30. 広中和歌子

    広中和歌子君 これは厚生省からの資料なのでございますけれども、彩グループというのがいろいろ施設の建設を請け負っております。そして、トータル百四十四億なのでございますけれども、下請契約金額との差額を見ますと約二四%が元請が受け取っているわけなんですね。これは建設省と無関係な厚生省の事件かもしれませんけれども、こういった元請というのは二四%もピンはねするような内容の仕事を本当にやっていらっしゃるのかどうかということです。  システムが複雑だから、やはりそれぞれ元請は元請でやるべき仕事があるんだとおっしゃられればそれまでなんですけれども、この表を見ますと多いところで四〇%近く、安いところで一五%ぐらい上前をはねているというような感じがするんですね。こういうのはよろしいんでしょうか、こういうままで。
  31. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 報道されました事例につきましては、私ども大変関心を深く持っております。本当にそういうことがあったのかなと、信じがたい気持ちでございます。  先ほど言いましたように、書類その他はまだ捜査当局に押収されているということもありまして、事実関係については我々の方といたしましても十分解明できていないのでございますけれども、いろいろな設計変更であるとか複雑な要素が絡み合っているような様子も見受けられるわけでございますので、常識的にはこんなに大きな差が出るということは普通はあり得ないんじゃないかというふうに考えられますので、何かいろんな事情があったのかなというふうなことも考えております。
  32. 広中和歌子

    広中和歌子君 流通業界では価格破壊というのが起こりましたよね。これは結構アメリカのプレッシャーもあったわけですけれども、さまざまな変化が起こって、流通革命、大型店の導入とか直接輸入とか、そういうことで価格破壊が加わっているわけですけれども、建設業界のいわゆるシステム、それについてはこのままでいいと思っていらっしゃるのかどうか、建設大臣にお伺いいたします。
  33. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 建設業の具体的なそうした下請、孫請との関係について詳細に承知しているなんということは、私は言うほどの知識もございません。しかし、私どもが日常の生活等の中で耳にしたり聞いたりしておるそうした中で、やはりそうした関係が下請、孫請が元請との関係できっちり利益を確保できるような今状況になっておるのかなと。仕事はあってもなかなかもうけが少ない、しかし職人を食わさにゃいかぬから非常に劣悪な条件下で仕事をとるというような状況が相当あるんではないかなという感じもいたします。  そういう意味では、やはり我々が指導という観点からも、下請、孫請との契約関係が適切に行われていくように強力に指導しなければならないと思いますし、また建設業法をきちっと守っていただかなければなりません。元請がいわばペーパーカンパニーのようなことになっていくということは絶対にあってはならぬことでありますので、そういうことに対しては強く目を光らせていくつもりでございます。現にそれをやらせております。
  34. 広中和歌子

    広中和歌子君 バブルのときにも非常に建設コストが上がりましたよね。大工さんの日当が二万円から三万円になるとかというふうに言われておりまして、当然公共事業の単価も上がったんじゃないかと思いますけれども、あの当時どのくらい上がって、今どのくらい引き下げられているんでしょうか。
  35. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) バブル期に比べて公共事業の単価がどのくらいかという御指摘でございますけれども、一般公共工事の場合に労務とか資材とか機械とか用地とかいろんな構成要素から価格が構成されるということもございまして、全体が総合的に組み合わされた単価というもので物を比較するということはなかなかできないのでございます。  ただ、一つの例としては、例えば建設工事費のデフレーターというのがございます。このデフレーターというのは、ある基準年における建設工事の標準的な労務でございますとか資材とかあるいは機械の構成、機械費というのは大変大きな要素を建設工事の場合には占めるわけでございます。機械の構成と、これら要素ごとの価格変動から基準年とは別の年の建設工事の価格変動を求める、こういうような形でつくり上げるものでございます。一種のデフレーターでございます。  その中に建設総合デフレーターというのがございまして、これでちょっと調べてみますと、バブル前の昭和六十二年から平成三年までの四年間で平均三・三%伸びております。ただ、これがバブル後の平成三年から今暫定値が出ております平成七年のデフレーターまでの四年間を比べますと、その間の伸びというのは平均〇・六%ということでございますので、バブル前の時期からバブルに至るまでの三・三、年平均でございますのでこの四年間は相当な伸び率があったわけでございます。それとバブル後の暫定値、平成七年までの伸びを比較すると、これは六分の一ぐらいということで、相当の伸びがバブルにはあったということでございます。  同じような建物を比べていって、果たしてバブル時期とその後とを比べたらどうかということも私ども建設工事の単価というような観点からやっておるわけでございますけれども、バブル期にはやはり民間の建築工事の場合には大変質の高い、建築物自体が豪華なものがたくさん建っているわけでございます。また、建物の高さも高い、構造にもいいものを使う、内装にもいいものを使うといったようなこともございまして、一概に公共工事の場合等と比較はできないのでございますけれども、現在、バブル期と今と比べますと、民間の場合にはバブル期に相当上昇しております。その後、平成三年、四年を境に急落をいたしておりまして、現在の民間の価格とそれから公共工事の価格、公共建築物の価格、ほとんど大差がない、こういうふうに理解をいたしておるところでございます。
  36. 広中和歌子

    広中和歌子君 何か新聞の社説等を見ますと、民間の方が二十数%安いというふうに言われて、それが民間がぜいたくをしない、もうちょっと質を落としたものをつくった結果としてそうなっているのかどうか私はわかりませんけれども、そういうことが指摘されたということを申し上げておきます。  今、日本では建設業関係に従事している人の数が非常に多いというふうに聞いております。ヨーロッパやアメリカなどよりもずっと多いと。ですから、供給サイドとして、つまり彼らに仕事を与えるために仕事をつくらなければならない。その一部として、民間もありますけれども、公共事業もあるんじゃないかというふうに想像しては悪いかなとは思うんですけれども、確かに私どもは建設省初め国土庁北海道開発庁などに充実した社会資本に向けて御努力をしていただきたいとは思うのでございますけれども、ちょっとパーキンソンの法則的な形で、要するに仕事をどんどんつくっていくと。特に最近、環境という名目で、これは環境にいいからということでやたらに自然をいじったりいたしますと、何のための公共事業かと思うようなこともないわけではございません。  その点は十分に御配慮いただきますようにお願いいたしまして、私の部分の質問を終わらせていただきます。どうも失礼いたしました。
  37. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 公共事業経済波及効果をどうとらえるかということは建設行政の骨格になると思いますが、先週二十一日に当委員会でたしか松谷先生の質問に対して総務審議官が減税との比較で答弁されて、ちょっと私気になっておるんですが、恐縮ですが再度ちょっと御説明いただければ。
  38. 村瀬興一

    政府委且(村瀬興一君) この前の二十一日に松谷先生の御質問にお答えさせていただきましたのは、主として乗数効果という点についてお答えをさせていただいたわけでございます。  乗数効果について見てみますと、公共投資の場合には、名目でございますけれども、一年目が一・三二、二年目が一・七五、三年目が二・一三、これは経済企画庁がつくっております第五次の世界経済モデルというものから出てきているわけでございます。それから減税の方でございますけれども、個人の減税でございますが、一年目が〇・四六、二年目が〇・九一、三年目には一・二六というふうなことでございます。
  39. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 第五次の経企庁の世界経済モデルのデータの基礎になる時期はいつごろでございましょうか。
  40. 村瀬興一

    政府委員(村瀬興一君) 推計期間が八三年から九二年までと承知しております。
  41. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 我が国でバブルが崩壊したのは平成二、三年ごろからでございますか。そうしますと、現在の日本の経済状況を想定してさまざまなマスタープランをつくる際に、ちょっとこのモデルは問題ではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
  42. 村瀬興一

    政府委員(村瀬興一君) 確かに、今おっしゃるような若干時点が古いということはございますけれども、それにかわるものが残念ながらないということと、それからこの前は今の乗数効果だけについてお答えをさせていただきましたけれども、それ以外に公共事業の効果といたしましては、生産誘発効果でございますとか、あるいは今ちょっとお話が出ておりました就業の誘発効果でございますとか、それから本来はそういったフローの効果以外に社会資本整備が進んだことによりますストック効果というものを重点にいろいろ検討すべきものではないかというふうに考えているところでございます。
  43. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 わかりました。  私も余り経済は専門じゃないものですので素人の質問になりますが、公共事業の、建設行政と言ってもいいと思いますが、経済波及効果というのは大事なことだとは思います。しかし、それにばかり物の考え方の視点を置きますと、これまた別の問題が起こると思います。波及効果がなくったってやるべきことは大臣の英断でやってもらわなきゃいけませんし、同時にまたその波及効果もフォローしていかなきゃいかぬという、非常に難しい選択だと思います。  昨今、金融機関の不良債権問題というものが非常に社会問題になっておりまして、そしてそれに続く建設業界の不良資産といいますか不良債権といいますか、この問題が社会問題化しようとしていますが、こういう建設業界の不良債権、不良資産の増加というのはこの波及効果に相当影響があるのじゃないかと思いますが、どのような御見解でしょうか。
  44. 村瀬興一

    政府委員(村瀬興一君) 建設産業だけではないと思いますが、実は昨年の経済白書で若干その辺の分析をしておりまして、それ自体いろいろ問題もあるといえばあるんですが、簡単に申しますと、かなりの公共投資をしたにもかかわらず効果があらわれなかったというようなことを言っておるわけでございますが、その理由といたしまして、現時点では経済企画庁も、経済効果自体はあったんだけれども、いろんなもっと民間の設備投資が余りにも冷え込んでおって、全体として見た場合に効果があらわれなかったんだというようなことを言っております。  そういう意味で、先生おっしゃいますように、産業全体の状況というものによって公共投資をした場合の効果の実際のあらわれ方というものについては、それはそのときの状況によって違うだろうというふうに考えております。
  45. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 そこで、総務審議官が今お話しになりました減税の効果でございますが、そのデータというのはやっぱり現在の日本の税制度を前提とした効果だと思います。ですから、それはそれで客観的なデータだと思いますが、税制度を抜本的に構造改革することによって減税による波及効果が非常に変わるという考え方が一つあるわけでございます。  例えば、減税してその減税分が貯金に回るようじゃこれはいかぬわけでございまして、個人でも企業でも、それが消費あるいは設備投資に回るということによってGDPの向上に役に立つと思うわけでございます。例えば、建設行政の中で、住宅でもいいですし、そのほかもあると思いますが、思い切った政策減税によって、公共とは言わないでしょうけれども、民間の建築関係の需要を拡大する、そして全体のGDPを押し上げていくという要素はあると思うんです。  例えば、私は住宅金融公庫にお世話になってことし全部払い終わるんですが、借りたときは五・五%でしたか、民間の銀行のローンが大体八%、非常に高い。やっと払い終えるわけなんですが、途中でわずかな政策減税があっただけでございまして、それはもうウサギ小屋そのものなんですよね。今までのことはいいんですけれども、やっぱりそういう形の減税というのは思い切って、特に建設省関係ではやれるんじゃないかと思っているんですが、大臣いかがでございましょうか。
  46. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は、減税を一般論としてすべて経済波及効果がないという議論をしても仕方がないという、委員のお説のとおりだと思います。  例えば、住宅取得促進減税、今年度も実施、新たに強化するわけでありますが、こういうことは確実に、やはり経済波及効果、GNPを押し上げていく力があるわけでありまして、あと土地税制についてもしかりだと思います。のっぺらぼうな減税ということを議論するよりも、委員御指摘のように、そうした効果をねらう、またそれはそうした経済的効果だけじゃなくて、社会的弱者の生活面にきちっと視点を当てながら税制面を私は考えていくべきだと、こういうふうに思います。
  47. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 私たちが今準備をしている、議論をしているものの中に、NPO、非営利民間センターなどの活動の法案をつくろうとしているわけなんですけれども、その中で、寄附行為に対して所得減税をすると。アメリカでは今十五兆円ぐらい減税している。これは貯金に回りませんわね。寄附してその寄附したところが使うわけですから、その福祉団体とかそういうところが使うわけですから、学校なんかが。  そこで、ぜひひとつそういう意味で、建設行政の中にも、予算を獲得して公共投資中心に経済波及効果を追求することも一つには大事だと思いますが、そういう新しいやっぱり税制なり財政、いわゆるポリシーミックスで進めていっていただきたいことを要望しておきます。  ちょっと角度を変えますが、先ほど触れました建設業界の不良資産、不良債権の実態を、今どのように建設省はとらえていますか、経済局長
  48. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) おっしゃるように、バブル期にいろんな工事に非常に積極的に取り組んだのが裏目に出たといったような問題を建設業界は抱えているわけでございまして、私の今手元にいわゆる大手ゼネコンないしは準大手と言われる上位五十三社の平成八年三月の段階の数字がございますので御紹介いたしますと、いわゆる保証債務、他人の借金を保証するという保証債務が二兆八千億ございます。それから、有利子負債、これが八兆九千億でございます。それから、注文をとって工事を請け負って完成させたけれども、その代金がもらえない、一年以上代金が滞っている、完成工事未収金と言っておりますが、これが約一兆一千億でございまして、これは全部が不良債権というわけではございませんけれども、その中に相当問題があるのが含まれているのではないかというふうに考えられます。
  49. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 私は、俗に言う建設族という立場じゃございませんですが、率直に言いまして、五百五十万とも言われている建設関係の企業、それから恐らく就業人口というのは七百万以上あるんじゃないかと思うんですが、これが変な挫折になるとやっぱり大きな社会的混乱のもとになると思います。率直に言いまして、マスコミと証券会社と建設会社が健全ならその世の中は健全だと思うんですよ。  そういう意味で、今経済局長の驚くべき数字が説明されたわけでございますが、建設省として、これに来るべき一つの大きな問題が発生した場合にどう対応するかという具体策みたいなものは御検討でございましょうか。
  50. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 基本的には自由主義経済でありますから、個々の建設会社が抱えておる債務、中も千差万別でございますが、それぞれが個別の経営努力によってこれをきっちり解消していただかなければならないと思います。  それについては、ただ赤字だから公共事業を受注させないとか、そういうような四角四面な対応をするのではなくて、財務内容とか会社の経営体質、そういうことも判断しながら、赤字で現在あっても公共事業をきちっと施工していく力があると判断した場合は発注もしていくというような、これは間接的支援でございますが、これはしていきたいと、このように思っております。  それともう一つは、やはり民間金融機関、御承知のように〇・五%という、彼らにとっては史上最大の経営環境がつくられておるわけでありまして、そうした状況においての、やはり金融機関としてそうした建設関係の再建努力に対して、私は最大限の協力をしてもらいたいと思います。  金を貸すときにはどんどん使え使えと貸しておいて、経営がおかしくなったら引き揚げることばかり考えておるというのが、残念ながら今の金融機関の姿勢でありますが、苦しんでおる建設会社の中には自業自得の会社もありますけれども、そうじゃないところもあるわけでありますから、金融機関がそうした意味の社会的責任をこの問題についてもきっちりと私は果たしていただきたいと、このように考えております。
  51. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 あと一分ありますので、最後の質問なのでございますが、先般、何新聞でしたかな、経済企画庁の計算として、現行制度による補助金を市町村に一括交付したならば、ちょっと表現は正確じゃないかもわかりませんが、九%、全体の予算を削減できるという記事が載っていて、御承知だと思いますが、このことに関して、建設省としてどういう感想をお持ちでございましょうか。
  52. 村瀬興一

    政府委員(村瀬興一君) 先生御指摘のように、私もその記事をたしか見ました。それでどういうことなのか、記事を読んだだけでは全く理解できませんので、現在担当の方から企画庁の方にどういうことを言っておるのか精査をするべく準備中でございます。したがって、きょうはその中身がどうだということは、ちょっと残念ながら申し上げられませんけれども。
  53. 平野貞夫

    ○平野貞夫君 終わります。
  54. 赤桐操

    赤桐操君 それでは、私の持ち時間は二十分程度でございますから、能率的にひとつ質問をさせていただきたいと思います。  きょうは予算の関係の委員会でございますから、予算関係中心で伺いたいと思いますが、平成九年度の予算の中で住宅宅地関連公共施設整備促進事業というのがございます。この促進費について毎年予算化されてきておりますが、今年度の状況についてまず御説明をいただきたいと思います。
  55. 小川忠男

    政府委員小川忠男君) 促進費の予算計上額でございますが、九年度につきましては一千八百九十億円をお願いいたしております。ただ、八年度の補正予算で二百二十九億円がぎりぎりに計上していただきましたので、両者合わせまして、初めて二千億円を超えるというふうな状況になっているかと思います。
  56. 赤桐操

    赤桐操君 徐々にこの促進費が重ねられておるところでありますが、これは私もちょうど昨年の今ごろ、予算委嘱審査の中で軽く一遍触れたことがございますが、これは五十三年から実はもうついておる予算でありますね。そして、これは五十二年の予算委員会でちょうど長谷川四郎建設大臣がおいでのころでございまして、この大臣のもとで私どもが予算委員会で論争をいたしたことを思い起こすのでありますが、この論争の後で、大分この問題が浮かび上がってまいりまして、大蔵省も大分動き出したようでございまして、具体化の方向が出てきたように思います。  その論争してきた経緯をまとめてみまするというと、その趣旨は、欧米におけるところの住宅建設の中では、いわゆるこういった公的な負担分というものは国と州政府ないしは自治体がこれを持っている、そしてここに居住する入居者に負担をかけるということをやらないという建前になっているということが明らかにされたわけであります。これは私も実は欧米諸国を見てまいりましたが、そのとおりでございます。  それで、要するに、言ってみれば公的負担分といえば、道路とか公園とか学校とか遊水地とか、いろいろ団地をつくるに当たって、町をつくるに当たって必要な公的なものがございます。そういうものの公的負担分については、用地から造成費から金利の一切を国なりあるいは地方自治体が持つ、こういう建前で進んできておるということを私ども確認いたしております。したがって、入居者はこれの負担をいたしておらないわけであります。  ところが、我が国におきましては、当時の状況はもう丸っぽで、これは受益者負担と称して、受益者負担という言葉で言われておりましたが、土地もすべてのものが全部用地費にかぶる、こういうことでございましたから、開発の認可が出たときには、もう素地で用地費は倍になる、こういう状況でありますね。  それで、公共の負担率というのは大体五〇%前後になっていますから、大体もう公共負担で半分持っていかれてしまう。残ったのは、いわゆる住宅建設の純然たる用地費で、この用地費というのに全部かぶるんですから、これはもう造成費も金利も何も全部入るわけですから、公園から何から学校もみんな入ってくる、こういうことになりますというと、大変な額になるわけですね。これが実はその当時の状況で、反省の中からこうしたものがいささかつき始めたというのが実態であったと思います。  五十三年についたのが三百億ですね。自来、三年間三百億ずっついた。このときに私が、多分あのとき住宅局長さん、どなただったか思い起こせませんが、お伺いしたところによりまするというと、これはこれから先ずっと続きますので相当これは大きな役割を果たすと思いますと。私は当時余りよくわからなかったので、零が一つ足らぬじゃないかと、こう言ったら、最初の項目から三千なんとつくわけありませんということで笑ったことがあるのでありますが、いずれにしても、そういう経緯の中でスタートを切ったというのが事実でございます。  それが今日までついてまいりまして、それが大体今、本当を言えば、もう五千億を超えておると思うのでありますが、延長は一時ストップした時代もありましたから、二千億をようやく超えたと、今局長から御答弁があったような数字になったと思います。こうした状態で今来ているのでありますが、これは公団だけではなくて、民間も使っておるわけでありまして、強くこれは大きな影響を与えておることは事実でございます。  そこで、そうした状況の中で、私は一つ、この前の委員会でも若干触れたのでありますが、時間がなくて申し上げ切れませんでしたが、大体東京から五十キロ圏、百キロ圏とよく言われるのでありますが、大体建設省あるいは公団等もそう思っていると思いますが、住宅の一番の標準的なものは、四LDKで土地が五十坪から五十五、六坪、建坪が四十坪前後というところであろうと思うのであります。こういうのが標準だということになってくるというと、それで値段の問題等も加味するというと、千葉県なんかでは大体佐倉あたりになりますね。佐倉、成田、この辺のところが大体の標準になってくるように思われます。  ここの例で、一つ佐倉の例で見たのでありますが、取得額が五千万強、五千百万ぐらいのものでありますが、これが大体土地面積が五十八坪、建坪が三十九坪、約四十ちょっと欠いておりますね。こういう標準型のものに四LDKとなっておるようでございます。これを五千万ということで中堅層の人が得るためには、まず百四、五十万の税金を払って取得をすることになります。それからあと、いわゆる固定資産税やら何やら入ってずっと長く続くことになりますが、この場合の土地費と建築費との区分で申し上げるというと、土地費が二千八百万、建坪が三十九坪で二千二百万という、これは丸めてありますが、大ざっぱな数字になります。  要するに土地の方が高いわけでありまして、大体この土地の二千八百万の中の千四百万相当のものと思いますが、半分が公共負担分なんですね、率直に申し上げますというと。面積で五十坪ですから、若干違いがあるかもしれませんが、大ざっぱに見て半分とすれば、千四百万程度のものが公共負担分になっている。それを大体用地費にかぶせられるというと、二千八百万になる。  したがって私は、ヨーロッパ社会におけるものと比較するというと、まあ五千万という額も、ヨーロッパじゃこんな額にならぬと思いますが、一応同じ額と考えましても、土地費については、これは結局倍のものを買っているということになると思うんですね、日本の場合は。ですから、日本の私の友人がパリの郊外に住んでおりますが、この人はやっぱりしみじみ言っておりますが、日本より住宅ははるかに安いと、日本の場合においては、これはもう土地そのものが高いということをやはりかなり強調しておるような状況ですね。  ですから、そういうように見るというと、やっぱりこれは少しく国際的な標準から見ていってもうまくないんじゃないかなと。千四百万全部を今発想の転換を行って欧米社会並みにするということにすれば一番いいかもしれぬけれども、これは予算その他の関係がありまして、にわかにできないかもしれぬけれども、言ってみれば、そういう方向に持っていかなきゃならないんじゃないかなと私は考えているんですが、どうですか、これ局長
  57. 小川忠男

    政府委員小川忠男君) 非常に難しい問題が内在していると思います。といいますのは、関連公共施設整備を補助するというふうな概念で構築されております促進費、これについては、現状においても相当程度御希望に沿って箇所づけ、配分をしていると思いますが、ただいま先生おっしゃいました費用というのは相当程度までは、例えば道路でいいますと関公の対象ではないいわゆる路地裏の区画道路みたいなものが相当費用的には入っているんだろうと思います。  ですから、そういうふうなものについて何をどの程度まで補助対象にするのかというもう一つ別の角度の議論があるのかなというふうな感じで今先生のお話を伺っておったわけでございますが、ただ、いずれにいたしましても、宅地開発、大規模な都市づくりにおきます公共施設についてできるだけ手厚く援助をしたいという思いは気持ちとしてはございます。
  58. 赤桐操

    赤桐操君 今申し上げた数字は、そういうものは入ってないんですよ、これは。これは出たそのままの数字で申し上げております。団地の中の一つを取り上げて話した内容ですから、これはそういうように受けとめてもらいたい。そこら辺にある一般道路のわきに立った家のことを言っているわけじゃないんです。これは純然たる生産原価として必要なものを述べたと、こういう状況なんですね。  それから、さらにもう一つ、もうちょっとこの問題も本当はあるんですけれども、正直言うと、これは今から大分前の当時の長谷川大臣のころに論争した中で、江戸英雄さんを参考人としてお招きして伺った内容もあるんです。これも御披露する必要があると思うんですが、そのとき江戸さんは何と言われたかといいますと、公共負担分については私どもの方で実際にお貸しいたしましょう、そしてその分は十年間据え置きにしていただければ十一年後からは順次自治体から払い込んでいただくことができるでしようと。  この十一年後というところにみそがあるようでしたけれども、十年間据え置きにすると。どうして江戸さんはそういうことをおっしゃるのかと聞いたら、十年間ぐらい団地をつくり上げるまではかかるでしょう、十年たてば大体どんな団地でもでき上がります、その後から上がる税金でこれは賄えるはずだと、これが当時の江戸さんの発想だったと思うんですね。  私は、その場合に言われた金は民間の金融機関の金だったと思うんです。私が委員会で述べた内容は、その金を使う必要はないので我々が積み上げている財政投融資資金の金を使うべきじゃないか、むしろ大蔵省理財局の金を庶民の身近なところに還元すべきだ、こういう私は理論立てでこのとき話をしたことを記憶するんであります。若干違いますが、江戸さんの発想と私が言っておるのは同じことなんですよ、これ。正直申し上げて。  私がよくわからないのは、そろばんは余り上手な方ではありませんからわかりませんが、後から入ってくる税金でこれ一体千四百万、この当時はこんなにしなかったと思うんですけれども、それだけのものを今賄ったとしたときに、十年据え置きで後からのやつでもってこれが賄えるかどうかということはこれは私にはわからない。これはひとつ建設省の方で計算してもらわなければわかりませんが、実は当時そういう状況であったことは、一応私だけの独善的な考えではなかったという状況であったと思います。  そこで、時間の関係もありますのでこの辺でひとつまとめたいと思うんでありますが、もう一つの問題は、一つの団地ができますとその隣にまた団地ができるんですよ。そのときに、この買収に入るというと近傍類似価格といって、土地鑑定士はここにできた相場というものを基準にして上げるんです、これは。明確にこの計算の中に入っているんです、これは。ですから隣の土地を買うときには、七年前に買った土地から見てそれほど上がるはずがないと思っても大変な値上がりをしておる、雑種地でもって、こういう状況なんですね。  だから、これが実は都市開発をやりながら、住宅建設をやりながら、だんだんだんだん地方土地の価格を上げていった大きな理由の一つではないかと私は考えておるんです。ですから、関連公共費を国が入れるということは、そういうものを半分にすることになりますから、結局土地の高騰を抑えるという作用を持っておる、これを事前にやるべきだというのがもう一つの私の考え方にありますが、この点についてもひとつ御検討願いたいと思っております。この考え方は大臣いかがでございましょうか、どういうようにお受けとめになっておられますか。
  59. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 基本的には委員の思想といいますかお考えに私は同調いたします。  林道等につきましては、用地は利用者が出すというような形としておりますが、ただ市町村道であっても、その近傍に住んでおる方が負担をしてそれを拡張するということはないわけでありますから、そうした意味では住宅団地を建設していく場合も、これは私道ではございませんから、そういうものについて自治体なりそういうところが責任を持って整備をするという基本的なやっぱり責務が私はあると思います。また、委員御指摘のように住民税その他でこれは自治体の財政にも貢献をしていくわけでありますから、そういう面ではそういう分野について自治体が出動をしていくという考え方というのは私は思想として、考え方としてはそのとおりだと思います。  ただ問題は、自治体の財政力とか、そういうものとの観点での制約が現実には起きてこようかと。国がそこまできちっと補助対象というような形で団地形成のときディベロッパーの計画の中に入っていくというところまで踏み込んでいくにはちょっと距離が現実にはあるんじゃないかなという感じがいたします。
  60. 赤桐操

    赤桐操君 その話はそのくらいにさせていただきまして、引き続いてひとつ専門的な立場で大臣、御検討いただきたいと思っております。これはひとつぜひ、関連公共は補助金じゃないんだと、そういう意味を持つ基本的な投資なんだと、こういうようにひとつお考えいただいて、御検討あらんことをお願い申し上げておきます。  最後に、時間がありませんので簡単に伺いますが、公団の問題で、これは大臣の方になると思うんですけれども、少しくちょっと御相談をしたいと思うんです。  住宅公団について、きょうの新聞にも大々的に出ているんですが、「住都公団99年に廃止法案」ということが、自民党の中のもののようでありますけれども、いずれこれは三党調整会議に出て、こういう形のものは何らかの形で出てくるんだろうと思っております。これは大臣も御承知をいただいた上のことであろうかとも思っておりますが、いずれにいたしましても、そういう問題が本格的世論になってきておる。  さてそこで、これはこの際簡単に御答弁願いたいと思いますが、住宅局長、この住都公団の今日までの足跡といいますか実績といいますか、果たされた役割を簡単に述べていただきたいと思います。
  61. 小川忠男

    政府委員小川忠男君) 昭和三十年以来数十年間、いろんな角度から評価は可能だと思いますが、一つには、間違いなく住宅を百数十万戸つくり続けてきたという点がございます。賃貸に限りましても現段階でも七十二万戸、二百万人が住んでおります。  それから、やはりもう一つはニュータウンといいますか都市の整備、例えば筑波学園都市でございますとかその他大規模な開発、合計で四万ヘクタール近くの開発をやっております。それから、都市の再開発でございますが、合計で百地区というふうなことで、住宅の分野、町づくりの分野、再開発の分野、幾つかの観点から私どもそれなりの仕事をさせていただいてきたというふうに考えております。
  62. 赤桐操

    赤桐操君 私は、住都公団というのはこれは政府の政策の実施部隊である、常にそういうように認識をしてまいりました。分譲住宅とかそういうものについては総撤収するということも言われておりますが、それは今の時節柄いろいろまた検討されている一つの方向だろうと思いますが、ここで一つ考えておかなきゃならぬことは、いまだにやっぱり遠高狭という住宅問題というのは存在しているということをお忘れにならないように願いたいと思うんです。  そして、今申し上げたように、先ほどの例で申し上げたとおり、自力建設で二戸建てるとなれば、これは大変なことですよ。五千万のものを買物するとなれば相当な頭金を払わなければなりません、これは。しかも、毎月毎月大体十万ぐらいから十五、六万払って、しかもボーナス時期には五十万ぐらいずつ二回払わなければ、これは三十年間、三十五年間の間に払い切れないという状況になるわけでありますから、ただごとではないと。おやじさん一人の収入ではとても払い切れないので奥さんも働く、二馬力でやらないと、エンジン一つじゃだめだと、こういうことになってきておるのが今の日本の家族だと思うんですよ。これがいろんな問題に影響しているんですね。家庭生活全体を破壊している。  私は、そういう状態から考えれば公団の果たした役割は大変だと思うんです、これは。高遠狭を解消するために随分近いところでいろいろの困難な土地も買収して困難な仕事もやってきたと思うんですね。そういう意味では、やはり住宅問題というのは市場原理だけで、いわゆる自由主義社会だから、売った、買った、もうけた、損したというだけでは解決のつかない事情があるということをこの際銘記する必要があると思うんですね。と考えるというと、公団の改組や公団のこれからのあり方についてもやはりそういう角度も含めて真剣に検討してもらいたい、これが一つ。  特にまた、大臣のお話の中でときどき出てくるのは、地方にこれは受け皿をつくって、地方におけるところの地域の中でいろいろ果たしていただく役割にしたいと、こう言われるわけであります。これはわかるんでありますが、今、地域振興整備公団というのがあるようでありますけれども、これはどのくらいの役割を果たしているかちょっと私はわからない。きょうは来ていただいていると思いますが、これを御説明いただく時間はないようであります。私は五十分で終わりになりますからまとめて私から要請しておきますが、地域振興整備公団と公団を一つにするということになるというと、そこにはかなりの問題があるんじゃないかな、こういうふうに私は考えております。今までやってきた活動というか、理念というか、それに基本的な差があります。また人材も大変違いがあるんじゃないかと思う。  そういう面からするというと、かなりの問題をそこにははらんでいるように思いますので、含めましてひとつ御検討いただきたい、お願いを申し上げて、終わりにいたしたいと思います。
  63. 小川勝也

    小川勝也君 小川でございます。  赤桐大先輩から住宅の問題で議論がございましたし、昨日は住宅金融公庫の法案の審議の中で市川先生を中心に住宅の議論がなされました。私も今の御指摘、なるほどなというふうに伺っておりました。私はまだ家は持っておりませんけれども、例えばこの東京でサラリーマンが仕事をしていく中で、ともすれば子供の教育そして住宅の取得、このお金を稼ぐだけで一生が終わってしまうのではないかというぐらい心配をしておるところでございますが、私はその点で大きく伊藤国土庁長官に御期待をしたいわけでございます。  きのうもお話にありました、仙台は大都会だけれども東京よりもずっと住宅事情がいいですよという市川先生のお話でした。私は、選挙区ではありますが札幌もまたすばらしいところだなというふうに考えておりますし、北海道はまだまだ広い土地があいております。日本人がこの東京や大阪や名古屋や大都会だけに集中することなく、この狭いようで広い国土にきれいに均一に住むことができれば、住宅環境というのは計算上は物すごくよく改善されるのではないかなというふうに考えるわけでございます。  そんなときに、定番の言葉ではございますけれども、国土の均衡ある発展、遠高狭という言葉がございますけれども、通う場所が東京に集中するから住宅問題も非常に苦しいことになる。その通う場所が一億二千万人の人口の中でそれぞれの仕事の分野でさまざまなところで仕事ができるというふうな国土に変えることができれば、住宅問題は一挙に解決できるのであろうと思っております。  大変な難しい問題ではございますけれども、期待を込めております伊藤長官に答弁をいただきたいと思います。
  64. 伊藤公介

    国務大臣伊藤公介君) 全国に三千二百三十二市町村があるわけでありますが、それぞれの町や村はできるだけ個性豊かな町づくり、そしてできれば自分たちのふるさとに若い人たちが定着をして住んで将来の期待をかけてくれる、そうした郷土づくりをしていただいているわけであります。  私どもは、過疎と過密を解消して豊かな自然の中に共生ができる、そうした国土行政をぜひ進めたいと考えているところでありますが、委員御案内のとおり、この国土行政は、特に池田内閣の時代、昭和三十七年の十月五日に全国総合開発計画がスタートいたしました。歴代の内閣は常にこのことを心がけてきたわけであります。しかし、残念ながら過疎はますます過疎に、過密の状況は必ずしも解消していない状況でございます。  個人的なことを申し上げて恐縮ですが、私の両親が住んでおりますふるさとは超過疎であります。私自身が今選挙区としております東京は、亀井建設大臣のもとで新しい住宅公団のいろいろな見直しが指摘をされているその公団の最も多い多摩ニュータウンを抱えたところが選挙区でございます。したがいまして、実力のある建設大臣と協力をして、大都会に住んでいる人々がもう一部屋もう二部屋広い住宅に住んで、子供たちが外国でホームステイをしたら御恩返しに私たちの住宅にもまた他の国の若い人たちが来てホームステイをしてお互いに交歓ができる、そうした住環境を提供する義務が政治にあるのではないか。  同時にそれは、住宅が一部屋二部屋広くなるというだけではなくて、例えば先進諸国の大きな比較的いい町だなと、そう言われる国際都市に行ったときに、非常に豊かな自然の中にオープンスペースを十分とって、そして比較的高層を許している、そういう住宅づくりが進められていることを考えますと、昨今建設大臣が御指摘をされている容積の見直し等々は、新しい住環境の政策に風穴をあけることになるのではないか。  また、私ども国土庁といたしましても、そうした都市の人々にもより豊かなそうした住環境を提供するし、また地方の人々もそこに定着ができるような国土政策というものを進めていかなければならないというふうに考えております。  七月、夏の少し早い時期までには、ポスト四全総と言われます確実に二十一世紀のかけ橋になる新しい全国総合開発計画策定中でもございますので、そうした中にも私たちは今委員の御指摘いただいたようなことも含めまして、しっかり国土政策を進めてまいりたいと思っております。
  65. 小川勝也

    小川勝也君 ぜひ御奮闘をお願いしたい次第でございます。  私の希望だけ申し上げておきますけれども、これ以上東京に通っための大きな造成地があってほしくないなというふうに思っております。  そして、この都市の過密問題には当然防災問題が絡んでくるわけでございます。さきの一般質疑のときにはちょうど前日に北海道沖で地震がありまして、国土庁長官に抜き打ちで質問をさせていただきました。たまたまきのうは九州鹿児島地区で被害を伴う地震がございました。阪神大震災を受けて、防災備蓄の面から防災基本計画というものがまとめられておりまして、さまざまな御指導がなされておるように思っておりますが、そんなときに、地方自治体に対する指導ということではどのようなことをなされておるのか、国土庁にお伺いをいたします。
  66. 福田秀文

    政府委員(福田秀文君) 防災の基本となる計画、これは平成七年の七月に大改定が行われまして、それにのっとりまして各地方公共団体で地域防災計画が定められておりまして、大方の都道府県においてその修正が済んでいるというような状況でございます。その改定作業が終わった後、これは消防庁が直接公共団体を指導しておりますけれども、消防庁と一緒になって、私ども公共団体の担当部長に集まっていただいて、そこで新しい防災基本計画の趣旨等々について御説明し、徹底を図ったところでございます。
  67. 小川勝也

    小川勝也君 きょうこの場で申し上げたい点は、この中にいろいろな災害時を想定しながら、少なくとも二、三日分の食糧、飲料水の備蓄あるいは非常持ち出し品なんかを持っておくようにということが書いてあるわけでございます。残念ながら、私も防災袋は持っておりますけれども二、三日分の食糧までは用意できてないなというふうに思う次第でございますが、実は地方においてそのことを地域住民に指導する立場の自治体職員にさえもこれが徹底されていないのではないかという御指摘を私が受けましたものですから、今回この質問をさせていただくわけでございます。  今私が申し上げました、自治体職員への啓蒙がどのぐらい進んでおるのか、あるいはもし未達成であると御認識をされるのであれば、これからどう指導をされていきたいのか、国土庁にお伺いをしたいと思います。
  68. 福田秀文

    政府委員(福田秀文君) 先ほどお話し申し上げましたとおり、基本計画にのっとりまして大半の地方公共団体、特に都道府県レベルでは大半が済んでおりますし、また市町村レベルでも相当数これは進んできておりますので、少なくとも公共団体の職員については消防庁を通じ、あるいは私ども一緒になって、その趣旨の徹底が図られているというふうに私どもは存じておりますけれども、なお先生の御指摘もこれありでございますので、また消防庁とも協力しながら徹底を図っていきたいというふうに思います。
  69. 小川勝也

    小川勝也君 私が申し上げたとおりじゃないかなというふうに思っております。指導すべき立場の地方公務員の方々でもまだまだ未達成の部分が多いのではないかというふうに危惧をいたしますし、私も白状したとおり、自分も備えをおろそかにしておりましたし、きのう私の部屋に来ていただきました国土庁の係の方も未達成だというふうに言っておりましたので、御報告をしておきます。  北海道開発庁長官、お見えでございますので、地域のことでお伺いをしたいと思います。  私もたまに都合のいいときだけ使う言葉に、農道が国道と並行して走っていて、ほとんど車が通らない道が北海道にはたくさんあるなどということを、これはためにする議論でよく言われているんだと思いますが、使われることがございます。これは私も実地でいろいろ確認をしたわけではございませんけれども、長官としてはどのように把握をされておられるのか、また感想もあればお伺いをしたいと思います。
  70. 稲垣実男

    国務大臣稲垣実男君) 委員御承知のとおりでございますが、国道というのは乗用車も通ればトラックも通るあるいはトレーラーも通るというような、まさに多様な交通需要に対応しておるということでございまして、また一年を通して安全、確実な道路交通を確保して、それによって国土開発国民経済発展に資するいわゆる幹線道路であると思います。  また一方、農道というのは、農業基盤整備事業の一環として整備しておるのでございまして、より生産性の高い農機具など、これは速度はございませんが、そういうものを搬入したりあるいは荷物を搬入したり、生産性の高い農業促進し、あわせて農村生活環境改善に資することを目的としておると。つまり機能がお互いに違うわけでございます。両者は性格を異にしているものでございますが、道路網として一体に活用されることが多いことから、よく効率的な投資及び整備を図られるよういろいろと取りざたされております。従来にも増して相互に連絡を密にして調整、協力を進めてまいりたいと思います。
  71. 小川勝也

    小川勝也君 私も、農道の重要性を理解する者の一人として、自分が言う分にはいいですけれども、人から公共事業のむだがすべて北海道に集中しているなどと言われるのは気分が悪いものですから、特に御注意をいただいて、確かな行政に心がけていただきたいと思っております。  続いて、北海道開発庁長官にお伺いをいたします。  北海道が千歳空港を中心にエアカーゴ基地構想というのを以前から進めておりました。私なりに判断をいたしましたところ、国際ハブ空港化という点におきますと、日本の空港はどれをとっても韓国や香港やシンガポールに水をあけられてしまったのかなという感もございます。  しかしながら、新千歳空港においては、KLMオランダ航空が就航するなど、いいニュースもございますので、ここでまた北海道開発庁に大きなお力をいただいて、このエアカーゴ基地構想がうまく進めばいいなというふうに思っておりますけれども、長官の御見解をお伺いしたいと思います。
  72. 稲垣実男

    国務大臣稲垣実男君) 私も実は北海道開発庁長官になりましてから、従来から私の部屋の壁に世界地図が張ってありますが、ともすれば平面的に見ておりました。私の田舎には大きな地球儀がございます。過日、田舎へ帰りまして、ちょうど北海道の位置が北緯四十五度周辺でございますが、そこにあてがって地球儀をくるくるつと回しますと、北半球の主要都市というものは大体この辺の緯度に位置をすると。  今までは、ともすればロシアの上空がなかなかうまくいかないというような視点に立っておるわけでございますが、これからグローバル的に地球を見てまいりますと、北米、欧州など主要な都市に近いわけでありますので、非常に私は重要な拠点になり得ると。ロシア上空が今申し上げたように開放されてくれば非常に可能性が広がる空港だと、こういう認識を持っておるわけでございまして、このような可能性を有する新千歳空港というものは、物流のみならず観光を含めた人的交流の国際ネットワーク拠点として、全方位の国際空港を目指して空港機能の強化を図る必要があると、このように思っている次第でございます。  このために北海道開発庁としては、長距離国際航空の路線の就航を図るための地元の努力に対して支援をしていくと、そのために必要な空港整備をさらに一層推進してまいりたいと思う次第でございます。
  73. 小川勝也

    小川勝也君 その北海道のすぐ近くに、いわゆるロシア共和国のサハリンがございます。御案内のとおり、北部サハリンの油田並びにガス田の開発で、今や世界から注目を浴びているところでございます。そして、北海道の中でも稚内、小樽、函館など、このサハリン開発拠点に我が町こそなろうということでいろいろな動きがございます。  この点に関しまして、北海道開発庁でそのサハリン開発において北海道がどういう役割を果たしていけるかという点に関して何か構想がございましたらよろしくお願いをいたします。
  74. 稲垣実男

    国務大臣稲垣実男君) 委員御承知のとおり、サハリンの油田につきましては、我が国との間の距離が非常に近いということでありますし、また聞くところによりますと、埋蔵量が極めて豊富であるということから大変注目を集めております。  日本企業が参加しているサハリン一、サハリンニの両プロジェクトにつきましては、既にロシア政府等との間に生産物分与契約というものが調印されまして、二〇〇〇年ごろの生産を目指した取り組みがなされていると承知しております。  北海道はサハリンと距離的にも近いし、それからまた港湾施設はもとよりでございますが、建設資材や消費物資の供給能力があるために、いわゆる後方支援基地としての活用が考えられるのではないのかと。  そこで、今御指摘がありましたとおり、道内は稚内、函館、小樽がその後方支援基地として名乗りを上げている状況でございます。日本の参加企業との対応を中心に誘致運動を展開しておるところでございますが、特に稚内では、昨年十月、資材中継業務を行う第三セクターとして稚内国際埠頭株式会社が設立されておると承っております。  なお、サハリンの石油やガスを道内のエネルギーとして活用するといった需要サイドの動きは今のところ顕在化しておりませんが、いずれにしましても、サハリン油田の開発は大きなプロジェクトでありますし、距離的にも極めて近いということから、今後の油田開発の進展に対応していろいろな動きが出てくるものと考えられますので、北海道開発庁といたしましても十分関心を持って必要な取り組みを行ってまいりたいと思っておる次第です。
  75. 小川勝也

    小川勝也君 御案内のとおり、サハリンヘは航空機で入るという道が一般的でございまして、今函館から便があるんでございますけれども、将来、世界から技術者が、あるいはアメリカ合衆国から技術者が頻繁に入るということになりますと、さまざまなルートが開拓されるという危惧もございますので、何とか北海道開発庁並びに長官のお力もおかりしたいと思っております。  そして、北海道開発庁の役割ということなんでございますが、私は子供のころ、北海道開発局のことを開発開発と、こう言っておりました。何を開発するのかなというふうに、わからなくて使っておったんですけれども、今私たち北海道民の心の中に、ともすれば、日本の中で本州と同じ立場にもう北海道はあるんではないかというふうな気持ちもございます。いつまでも熊襲の地として開発をされる土地でいいのかなという疑問もございます。  そんな中で、私個人ではございますけれども、北海道開発庁というところは、北海道開発だけではなくて、北海道の将来にわたって有意義なこと有効なこと、さまざまなことを企画して考えて実施してくれる官庁だというふうに私は思っておるわけでございます。  そんな中で、北海道の大切な資源に自然というものがございます。ともすれば開発という言葉と自然ということが相反するようにも聞こえますが、私の解釈からいうと、そうではないというふうに理解をしたいと思います。  北海道の大自然を守るという観点から、北海道開発庁にどういう意気込みがあるのか、長官にお伺いをしたいと思います。
  76. 稲垣実男

    国務大臣稲垣実男君) 御指摘のように、北海道の自然環境というものは、我が国にとりまして大変貴重な資源であります。  北海道開発庁としましても、近年、自然との共生、人間と自然がどうかかわり合っていくかという視点から、できる限り自然環境の保全に努めてまいらなきゃなりませんし、生活の豊かさを実感できる快適な生活環境づくりを目指さなければならぬと思っている次第であります。  具体的には、各種の公共事業を進めるに当たりまして、例えば動植物の生態系に配慮した、よく言われますようにエコロードの整備、また野生動物の生態空間であるビオトープ保全とか、また各自然型工法による河川、最近コンクリートで三面張りをやらずにいろんな自然の環境の中にある河川とよくなじもうというような計画とか、あるいは排水路の整備などの政策を進めてきているところでございます。  さらに、現在策定中の新たな北海道総合開発計画におきましても、北海道の恵まれた環境や資源を誇りを持って次世代に引き継いでいかなきゃならぬと。そういうようなことを基本的な理念の一つとすることを検討しておりまして、雄大な自然の保全やこれらの自然を背景とした国民の多様な自己実現の場を提供するなどの施策をとってまいりたいと思います。  最近でございますが、私も三回ほど北海道に参りました。積雪寒冷地帯でありますので、雪との闘い大変だなと。反面、和寒町に行きましたら、野菜を何とかして長持ちさせようということで、一メートルぐらいの雪をそのままにしておいて、氷温温度ということで、みずみずしく春先の五月ぐらいまではとれたままよりもむしろ甘味が増すということで、この前参りまして、そのままむしって食べましたら大変甘くておいしいというようなことでした。自然環境を、それがあるから困るからといって、ただいたずらにいじくり回すんではなくて、そういう自然にあるものをうまく活用、利用するということが非常に私は大切ではないのかなと思います。  最近また、東南アジアから雪を見たいということで、たくさんの人がことしあたり昨年よりも多く来ておられるということを見ますと、北海道はすばらしい自然を持っておる、これをどう生かしていくかという施策をこれから進めてまいりたいと思っております。
  77. 小川勝也

    小川勝也君 ぜひ大きな御配慮をお願いしたいと思います。  ちなみに、今長官から御説明のあった雪の下の野菜というのは、私のふるさとの名物でもございます越冬キャベツでございますので、御承知おきいただきたいと思います。  それで、亀井大臣にお伺いをしたいわけでございます。  私は、先日の治山治水の五カ年計画の法案に反対をさせていただきました。これはどういうことで反対かというのは、質問の中あるいは討論でお訴えを申し上げました。すべての公共事業に反対というわけでは毛頭ございません。この財政危機の中、どの事業が優先なのか、どの事業を先にやらなければならない事業なのかということを国会の場で議論をするのが先決なのではないかということで、あえて反対をさせていただきました。  そのときにも質問に加えさせていただきましたが、さまざまな五カ年計画がございます。十六本あるように認識をしておりますが、その中に建設省所管しておるものも何点かございますが、今この財政状況の中、将来の子供たちにどういう社会資本を残していかなきゃいけないかというぎりぎりの判断をするのは、私は、最後は政治の場であってほしいと思いますし、その気持ちは大臣とて同じだと思っております。  道路であるとか治水であるとかさまざまな五カ年計画のスタートを一緒にして、そして、今回はこれは涙をのもうとか、今回はこれを中心にやっていこうとか、少なくとも国会がそれに関知をできるように私はどうしてもすべきだと思うわけでございますが、改めて亀井建設大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
  78. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は、委員が御指摘のように、国家の富をどの分野にどう配分をしていくか、トータルの判断が政治の基本であると思います。  そういう意味では、公共事業の各分野について、委員のお説のように、同じスタートラインに立って長期計画策定していく、どの分野にどうつぎ込んでいくかというのがあるいは理想であるかもしれませんが、現在のところ、ばらばらに進んでおるわけでありまして、将来の課題としては、委員がおっしゃるような方向で整理することもあろうかと思います。  しかし、現実は現実でございまして、非力な私がそれを一挙にばっと革命的に直ちにスタートを合わせるなんてことはできないわけでございますので、治山治水五カ年計画についてもそういう形で、事業の中身は、委員を初め委員会の御意見も十分お聞きしながら策定をしていくということを言っておるわけでございますから、それに反対されたことは私にはどうもわからぬわけでございまして、理解できません。  建設的な姿勢の中で、ぜひひとつ我々を御指導いただければありがたいと思っております。
  79. 小川勝也

    小川勝也君 私は強力な亀井大臣だからこそ期待をしたのでございますけれども、どうも私は逆に納得がいかないのは、最初に予算がありきで、その中から何をやっていこうかということ。そうではなくて、こことここが必要だから今回はこれだけの予算にしようという、いわゆる積み上げ型の予算が考え方としては正しいのではないかなというふうに思っております。  高度経済成長時代に税収がどんどん上がって、国家予算がどんどん膨らんでいって、どの分野もこの分野も予算欲しい、みんな同じだけふやそうやというときにはそれでよかったけれども、これからは下水道道路もあるいは河川も、予算を減らさなきゃいけないという事態も来るかもしれない。そんなことで提案をさせていただきましたので、大臣の御答弁の一部に、将来的にはという言葉がございましたので、その一言に期待をさせていただきたいと思っております。  最後の質問になるかと思いますが、産経新聞の特集に「日本 緊急手術ヲ要ス」なんという企画がございまして、そこのナンバー二十二番から二十五番までが道路公団を扱っていた記事でございます。さまざまなことが言われておりますけれども、端的なことだけお伺いをしたいと思っております。  道路公団がありまして、そして道路施設協会というのがある。そして、道路公団は赤字だけれども、傘下の企業は大幅な黒字だと。そして、その赤字は国民の税金から払われる。この一点だけとりましても、どうしても理解がいかないと思います。  大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  80. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私も委員と同じように理解がいきません。したがって今、大改革を命じております。
  81. 小川勝也

    小川勝也君 ある意味において亀井大臣の剛腕に大変期待をする者の一人でございます。ここにも関係者の建設省道路局長を経験したある元建設次官という方のコメントが出ております。余りにも身内で固め過ぎた、甘んじて批判を受け、改善すべきだ。これは御見識だと思います。  役所というシステムの中でお一人だけすばらしい方がいたとしてもなかなか改革できるものではないというふうに私も認識をしております。疑問を持っている建設省の役人の方やOBの方もたくさんおられるかと思います。日本国民のためにずっと長年苦労されて仕事をされた方々でございますので、その方に後ろ指を指されるようなことがあっては私はならないと思います。亀井大臣の大きな御見識に期待を申し上げて、私の質問を終わります。
  82. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 関西での談合疑惑問題について質問いたします。  西松建設の取締役相談役の平島栄氏が近畿地区で九六年度中に発注された公共土木工事のうち、八百七十二件について大手ゼネコンを含む建設会社百五十六社が談合で事前に受注業者や受注価格などを決定していたとして、独禁法違反容疑で公正取引委員会に告発した件なんです。大臣は三月七日の記者会見で、平島氏の弁護士が一連の談合疑惑に関する資料を大臣室に持ってきた、事務次官のところにも持ってきたようだと述べられました。そして、その日の朝、官房長に対し建設経済局を中心に調査を進めるよう指示したと述べられています。それは間違いありませんね。大臣はその資料をいっ受け取られましたか。
  83. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 受け取ったというよりも、私が不在中に代理人と称する弁護士が持ってきて置いていったということでございます。
  84. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 いつですか。
  85. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 二月十九日。
  86. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 伴事務次官は三月六日の記者会見で、平島氏とは会っていないが資料を置いていったので目を通したと述べて、資料の内容を調べた上で独禁法上問題があれば公取委と連絡をとり、連携して行動すると発言されています。建設省として公取委に通報したのかどうか、そしてしたならばそれはいつかお答え願います。
  87. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 現在徹底調査をやっておる最中でございまして、その結果によりまして談合の疑いがありという判定をいたしますと、直ちに公取委に通報いたす予定でありますが、現在は調査中でございます。
  88. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は運輸省にも聞いたんですけれども、この関係で調査している運輸省の方は十七日に公取委に通報したということでありました。やはり、こうしたこともここは国会の場ですから、できるなら報告していただきたい、そう思います。  大臣は三月十一日に受けた新聞社からのインタビューで、ことし一月十七日に大阪市内の大阪コクサイホテルで新たな談合組織を結成したというゼネコン各社からの事情聴取を開始すると述べられています。建設省は十二日から各社の東京本社担当役員らから事情聴取を開始した、そう言われていますけれども、これは事実でしょうか。
  89. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 事実でございます。
  90. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 建設省が事情聴取を行った業者はどこか、名前を明らかにしていただきたいと思います。
  91. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 現在調査中でございまして、調査の範囲もまだどこまでというふうに確定しているわけではございません。流動的でございます。御理解賜るとすれば、伝えられる中で関係のあると思われる会社というふうに御理解いただきたいと思います。
  92. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それでは、名前はともかく業者の数を言ってください。
  93. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 数もただいま言いましたように調査の過程で流動的でございまして、それにつきましてもいずれ建設省として調査がまとまった段階で公表させていただきたいと思っております。
  94. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私が伺っているのは、関係する業者というその範囲が狭いのではないかということを危惧するからなんです。建設省の事情聴取の対象業者が新談合組織の発足に関与される業者だとしたら、これはやっぱり非常に狭い、少ない数の業者になるだろうと思うんです。それだけに限定していいのかというそういう関心から伺っているので、そのことについてわかるように答えてください。
  95. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) 調査の中にも新談合組織をつくったというような情報があるわけでございます。これについて、もし事実だとすればこれは産業政策上大変な事態でございます。そういう点の調査が一つございます。  それからもう一つは、発注者としての調査があるわけでございます。ある工事が具体的に出た場合に、入札に絡んで談合が行われたのではないか、こういうような疑いがあるという指摘が仮にあったといたしました場合に、それについて当然調査をするわけでございます。それで、発注者としての調査がございます。  先ほど先生御指摘がございました運輸省の調査、恐らくは運輸省の港湾工事についての発注者としてのお立場での調査ではないか。現在私どもも建設省の直轄工事、あるいは場合によりましては各発注者としての公団等がそれぞれ入札をいたしました工事について、そういうことがあるのかどうかといったような発注者としての調査でございますが、こういうものも現在継続をしているところでございます。
  96. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 西松建設の平島氏、彼については事情聴取しておりますか。
  97. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 大臣からもそういう御指示を受けておりますので、その努力をいたしております。
  98. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 努力をして終わりましたか、事情聴取は。
  99. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 終わっておりません。
  100. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 全然やっていないということですか。
  101. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 努力をいたしておるというふうにお答えを申し上げました。
  102. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 よくわからないですね。何度かやるわけですか、それとも一度ですか。大臣、ちょっとはっきり答えていただけませんか。
  103. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私どもは逮捕するとかというような強制的な権限は有しておりません。  現時点におきましては、私どもとしてはやはり任意の事情聴取をする以外ないわけでございまして、相手のあることでございます。それを我々は嫌がる方についても熱心にこれを口説いて、もし新聞その他報道されておるようなことがあるとすれば重大なことであるから、真偽のほどを徹底的に確かめたいということでぜひ御協力をいただきたいということで、関係者を説得しながら事情聴取をしておるわけでございます。こういう問題について進んで協力しますよという人は残念ながらおらぬのが今の日本でありまして、そういう意味で平島氏におかれましても再三今我々としては協力をお願いしておるということでございます。  委員、ちょっとこういうことは任せてください。何ならあなたの方で連れてきてくれればいいけれどもね。
  104. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 建設業法の三十一条にはさまざまな定めがあるんです。立入検査はできるわけですよ。そういう権限を持っているわけですね。警察や検察とは違うとしてもやはりこういうことをフルに発揮して、この事実解明は非常に大事だと思います。  実は、私は平島氏が公取委に提出したという告発の資料を手に入れているんです。日付は平成九年二月十九日付になっております。この資料によると、結局、平島氏が独禁法の違反被疑行為者の一覧表、これを出しているわけですけれども、これを見ますと、業者の数は数えてみると百五十六社あるんです。そのうち大林組、鹿島、大成、清水、奥村組の五社を含む百二十五社については名指ししているわけですよ。西松建設の名前ももちろんあります。  こうした資料は建設省にも提出され、先ほど二月十九日と言われました、大臣、次官も目を通していることははっきりしました。にもかかわらず、事情聴取をしている業者を新談合組織発足に関与した業者だけというふうに絞るとしたら、これはやっぱりおかしいと思うんです。ここに列記されている業者全員を企業者を対象にすべきでしょう、大臣。いかがですか。
  105. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) そういう具体的な方についてはお任せをいただきたいと思います。我々も委員に言われてやっておるわけじゃございませんので、建設省の責務を全うするという観点から徹底調査をやっておるわけでございますから、その調査の範囲については我々はあとう限り徹底的にやる、周辺も含めてやっておるわけでございます。  先ほど立ち入りとおっしゃいましたけれども、そうしたことについての文書で申し入れといいますか、そういうことがあったからといって直ちに立ち入りというようなことの強権発動をやるということは私は適当じゃないと思います。やはりそういう疑いといいますか、そういうものをいろんな形で徹底的に調査をした上で、これはそういう問題が必要であればやっていくということでありまして、最初からそういう文書が来たから、マスコミが書いたからといって建設省が直ちに踏み込んで立入調査をするような、我が政府はそういう強権的な態度を最初からとるつもりはございません。しかし徹底してやります。
  106. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そういう手段を持っているということを情報から述べただけなんです。  それから一般論としてお聞きしたいんですけれども、建設省が定める経営事項審査の評価点はそれぞれの業者のみに通知されると思いますけれども、それ以外にも公開されているものなんですか。
  107. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 公開いたしておりません。申請をした当人についてのみお返しをするということになっております。  もっとも、御本人がどういうふうに使うかということについては特に制約はございません。
  108. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 平島氏が提出したこの資料の中には、名指しした百二十五社について経営事項審査の評価点を順位順にABCDEと等級に区分けした一覧表があるんです。これらの格付は本来秘密扱い、部外秘扱いされているわけですけれども、業者間でもこれは秘密にされているものですよね。しかし、平島氏はこうした数字を全部つかんでリストにしていたわけです。これは問題じゃないかと思うんです。経営事項審査の内容は一体どこで管理しているんですか。
  109. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) これは建設大臣許可業者であれば私どもで管理いたしております。もう少し厳密に言いますると、経営事項審査の中に一定の算式によりまして割合機械的に計算できる部分がございまして、それは建設業法を所管しておりますそれぞれの部局で持っております。
  110. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その部局の名前は。
  111. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) ただいま言いましたように、建設大臣許可であれば建設省建設経済建設業課でございます。
  112. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 はい、結構です。  そうすると、経営事項審査というのは建設業課が管轄しているということになります。さらに言えば、そこから業者に個別に知らされる、そういう関係なわけですよね。そうすると、何でこの数字が出てしまってリストになっているのか。私は、そこに機密が漏れたというそういうことになりかねない重大な問題もあるんじゃないかと思うんです。この談合疑惑というのは単なる業者間の対立というそういう問題だけでは片づけられない、官と業の癒着という疑いも持たれる、そういう問題になってくると思うんです。  私は思うんですけれども、談合が成り立つためには予定価格の漏えいかないと成り立たないんですよ。発注者は公共事業ですから国、自治体でしょう。そうすると、これはやはりこの点にもメスを入れなきゃいけない。亀井建設大臣は徹底調査には聖域なしと言われた、聖域ないですよね。そうすると、こうした問題も視野に入れて徹底調査するということですね。
  113. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私どもの指名その他に使います。そういうものがいわゆる漏れておるとか、そういうことを私は信じたくはございません。そういうことは私はない、このように確信しております。
  114. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 でも、それが起こっているという現実もやはりはっきり見ていただきたいんです。大臣は三月十四日の記者会見で、近く平島氏本人からも事情聴取を行うと言われた、言われましたでしょう。それについては答えられないということでした。しかし、考えてみると、二月十九日に直接大臣あてに資料が届いて、そして三月六日、これは朝日新聞が大きく報道したその日にこれからやるぞと言って、その間に随分時間がありますよ、二週間以上。そして十二日ごろから調査を徹底して事情聴取を始めたという話なんだけれども、やはり随分のんきな話ではないかと思うんです。私はそう思いますよ。  それで、時間がないから、もう一つ聞きたい。  平島氏が大臣あてに建設業界における談合行為の実態についての報告とその是正に関する要望書と題するA4判の三枚の文書を届けていると思いますけれども、大臣、読まれましたか。
  115. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 読みました。
  116. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それを受け取られたのはいつですか。
  117. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 私が承知しておりますのは、郵便で送られてきたということのようです。
  118. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その平島氏の要望書を受け取って大臣はどういう形でどんな対処をされましたか、あるいは指示を出しましたか。
  119. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 調査の一つの資料としてこれに目を通すようにということを局長に命じて渡しました。
  120. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その文書を読みますと、彼は調整役として直接深く関与してきたということを述べていますでしょう。それからまた、建設省が実態を調査するなら全面的に協力する、そう述べられているんです。  これは裏返しますと、彼が持ってきた時点まで建設省はなかなか動かなかった、そういうことを意味していると思うんです。ですから私は、その点で果たしてこの問題について事態をつかんでそして対処するという点で、言ってしまえばこれが大問題なのに建設省の側に随分のんきな対応があったのではないか、そういうことを思わざるを得ないんです。  その点で一つさらにお伺いしたいんですけれども、私が聞くところによりますと、建設省では先週の二十一日までに関係業者からの事情聴取を終了して問題なしとして誓約書を提出させたというけれども、私はそう聞いたんですが、大臣はそのことを御存じですか。
  121. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私はこの件に関しての調査の中間報告をまだ受けておりません。これについては徹底的に調査をするようにという指示を継続しております。
  122. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、この問題については監督官庁の立場としての建設省の対応と、先ほど官房長が言われた発注官庁としての対応があると思うんです。その問題なんだけれども、建設省及び管轄課の発注事業のうち、今回の平島氏の談合リスト、ここにありますけれども、何枚にもわたる手書きのものですよ、手書きのこういう平島氏のリスト、この中に挙げられている国の関係する工事、それについてどのぐらいあるかということについて述べていただけませんか。
  123. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) どのぐらいあるかということでしょうか。
  124. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 規模と額です。
  125. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) 発注者としての調査でございますけれども、私どものような直轄の工事の場合と、それから公社、公団がございます。  それから、これについて時間がかかっておるのではないかという御指摘でございますが、一つの工事につきまして例えば一般競争の場合でございますと、当該一件の入札につきまして十数社が参加されることもあるわけでございます。談合調査ということになりますと、あるいは調整行為があったかどうか、これは十数社全体を呼んで調査をいたしませんと正確な情報もとれないわけでございます。そういう点で幾つかの代表的な事例等につきまして、私どもでは現在、発注者サイドからも業者を呼んで必要な調査を大臣の御指示によってやっているところでございます。  具体的な金額等でございますけれども、これはどういうような工事がどういうような状況で出てきたのか、幾つかの新聞情報等でも代表的な公団の発注の工事とか幾つかのものが書いてございまして、そういうようなものも参考にしながら現在私どもでは発注者としての必要な調査もやっている、こういうことでございます。
  126. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その額も、それからどういう工事かというのもぜひ明らかにしていただきたいんです。  私は一つだけ計算してみたんだけれども、阪神高速道路公団発注の工事、これは十九件あって、その額の合計は二百五士一億六千四百七十万円あるんです。しかも、その一部になりますけれども、この公団が昨年八月に発注した橋脚補強工事、これは地震関連です。同じ工区について大林、鹿島、大成、清水、奥村組、この五社がきれいに分けているわけですよ。普通こんなことはあり得ないですよね。ですから、それだけ見たって、素人が見たってこれは談合の結果かなと思えるようなことがあるわけですよ。ですから、監督官庁としてだけじゃなくて、発注官庁としてもやはりきちっとした形で、この問題、徹底していただきたい、要望しておきます。  それから、この問題ではやっぱりマニュアルに沿って行うという手続が非常に大事だと思うんですけれども、これについて、いっこのマニュアルに沿った指導が始まっているのか、近畿地建ではどういう対応をしているのか、報告してください。
  127. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) 一般的に談合情報等が発注官庁に寄せられる場合があるわけでございます。入札の前に寄せられる場合もございます。それから、入札後に当該入札案件について調整行為があった、あるいは談合があったという情報が寄せられる場合もあるわけでございます。恐らく、今回のケースは入札後のケースだろうと。平成八年に入札した具体的な受注業者名、それから具体的な金額というようなものが書いてあるとすれば、それは当然のことながら、現在は入札結果すべて公表いたしておりますから、そういうものからもつくれるわけでございます。  さはさりながら、そういう点について情報が寄せられているわけでございますから、具体的な一件、代表的なもの等も選び出しまして、現在それについて調査をいたしておりまして、その結果、例えば具体的に公正取引委員会に通報した方がいいと考えられるものがあれば、それは速やかに通報いたしております。
  128. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 その点で、その線からも公取への通報というのはできるわけですから、やっぱりマニュアルどおりにきちっとやっていただきたい、このことを要望しておきます。  少しテーマを変えましてお聞きしたいんですけれども、談合一般なんですがね、この間、いろんな談合の問題がありました。その中で、そのたびごとに建設省は何らかの対応措置を行ってきたと思うんですね。この二、三年をとってみて、公共事業について談合全国的に行われていたと見ているのか、それとも談合はほぼ行われていないと見ているのか、建設省の大局的な認識を伺いたいと思います。
  129. 小野邦久

    政府委員(小野邦久君) 公正取引委員会の立ち入り、あるいはそれに基づく排除勧告等は私どもが所管しております、あるいは具体的な発注行為をやっております建設業界についてかなりあるわけでございます。そういうようなことから推測すると、談合というのは決してあってはならないという行為ということで、平成五年以降、いろんな事件がございましたものを含めて、いろんな入札制度の改革を進めておりますけれども、遺憾ながら、これが根絶できたというふうには考えておりません。
  130. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そういう認識をぜひ持っていただきたいんですね。やっぱりもっと厳しく見ていただいて、談合というのは相当行われていると、そういう形で見ないと事態の追及は甘くなると思うんですね。  これは、つい最近、九州の佐賀県で新たな談合が明らかになりました。つまり今月三月十七日、十皇別のことなんですけれども、佐賀河川総合開発工事事務所に勝村建設の取締役営業部長が来て、建設監督官に、蛎久その2と思っていましたが、蛎久管路で調整がつきました、五億で落ちるでしょうか、四億九千万円でしょうかと聞いてきたというんですね。本当に間抜けな話だと思うんですけれども、こういうことが起こるわけですよね。  勝村建設が入札した蛎久管路、これは白紙に戻されたと思いますけれども、間違いありませんか。
  131. 尾田栄章

    政府委員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘の佐賀導水事業に絡みます工事でございますが、三月十九日に九州地方建設局が発注を予定いたしておった工事でございます。この工事に関しまして、前日の十八日にいわゆる談合情報が寄せられたところでございます。  九州地方建設局におきましては、先ほど来お話が出ております談合情報対応マニュアルにのっとりまして事情聴取等の処置をとったところでございます。そして、当該の工事の入札につきましては、事情聴取の結果に基づきまして、入札を公正に執行できないと判断をいたしまして、十九日の入札を延期いたしますとともに、二十一日に入札を中止いたしたところでございます。  そして、事情聴取結果につきましては公正取引委員会に通知をいたしたところでございます。
  132. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 そのことが事実だということはわかりました。  それで、こういう重大事態が起こっているさなかにも、これは朝日新聞の三月二十五日付の夕刊なんですが、これは関西版なんだけれども、一面トップで、「談合新組織、告発後も活発」と、こういう形で現場を押さえて、だれが出席したかというそういうのも出ているわけですよね。ですから、談合についてこれだけ社会問題になり、追及されているときに、そのさなかにこういうことをまだ業者は行っている。これは逆に言うと、監督官庁が甘く見られているということなんですよ。  ですから、私は亀井建設大臣が先ほど言った言葉は信じない。やってくれますよね。徹底的に聖域なしに、官も業も区別なしに、やっぱりこの際きちっとした形で対応していただきたい。  最後に、この関係で私は当委員会に、委員長に要請したいことがあります。  一つは、先ほど官房長からも話がありましたけれども、関係資料ですね、これは私たち大阪あるいは兵庫県に行って見るわけですよね、一生懸命こうやって。それではなかなか大変です。ですから、やはりこの際、指摘された企業の受注状況を独自に全部公表していただきたい。入札結果表は各関係機関でもちろん見られますよ。しかし、全部見るのは困難なので資料として出していただきたい。これが第一点。  第二点。平島氏本人の参考人招致を当委員会で行っていただき、この問題についてやはり集中審議をする必要がある。ここは建設委員会ですから、この問題についてはっきりとした形で国会も、建設省もそうでしょうけれども、国会もやはり独自の国政調査権を発揮して調査に当たる必要がある。  この件について、委員長、理事会において協議していただきたいと思います。
  133. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) ただいまの緒方君の発言につきましては、理事会において協議をさせていただきたいと思います。
  134. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 終わります。
  135. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 以上をもちまして、平成九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち北海道開発庁及び国土庁建設省所管住宅金融公庫北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 鴻池祥肇

    委員長鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十七分散