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沓掛哲男君 契約とか云々はそうなんだけれども、実態がそうでないということを私は言っているんです。
それから次に、
動燃の
実験等で私思うんだけれども、
基本的なものとそれに付随した二次的なものが世の中どこにでもあるんです。木で例えれば幹と枝葉に当たるものに分けられると思うんですけれども、
最初に私は
目的を聞いたけれども、あの
目的は何かというと、要するに、
ドラム缶に
廃棄物を
アスファルトを入れ込む、そうすると、大体熱いやつを入れるものだから、冷えていくと上に一五%ほど空間があくわけですね。空間が
ドラム缶にあくから、それをもう少し、何%でも余計入れれば
ドラム缶の本数が減る、そういう
実験なんです。要するに、家庭でいえば、ごみが出る、それを袋に入れる、上の方にすき間ができる、すき間ができると袋が余計に要るから、そのわずかなすき間に何かもうちょっとごみを入れるようなことができないか、そういうことで、それも経費を節減する上で決してむだだということではないんですけれども、そのことで、こんな大きな不始末で
動燃全体がひっくり返るようなことが起きてくるんです。
だから、何が一番大切なのか、そういうことについて全体の人がよくわかっていないというふうに思えてならないんです。もちろん私はこの八五%充てんされているのをもっとふやすことを意味がないと言っているのではありません。しかし、それがいわゆる
動燃の死命を制するものではないし、死命をかけてやるべきものでもないんです。ないと言うと言い過ぎですけれども、そういうこともあってこれを重要視しないで非常に軽率にやったのかなというふうに思えてならないんです。お答えを聞いていると次に進めないので、そういうふうにぜひ理解してください。
そして次に、私は思うんだけれども、今回の
事故原因の
調査は徹底的にもちろんやっていただきたいんです。しかし、この種の、
アスファルト固化体減容率改善という難しい言葉を使っているけれども、要するに
ドラム缶の中に
廃棄物を入れたら上にすき間あきます、
アスファルトの熱いものを入れるわけですから。そうすれば、冷めていけば減るから、今の場合一五%くらいあく。そこを少しでも詰めたいということなんですけれども、そういうふうにやる
処理方法というのは幾らでもあるわけです。今回の
実験内容をさらに改善して、そして何が何でもその
方法でやらなければ
動燃の事業ができないというものでは全然ないんです。
ですから、私は徹底的に究明はやっていただきたいけれども、これを全部読んでみると、いろいろな過程で、火がついたときにはこういうことじやなかったか、いやしかしこういうことなのかもしれない、まさにこれはこうだということをいっぱい仮定して随分勉強しているんですよ、今の火が出た理由なんかを。それを徹底的に
動燃挙げてやっているというんじゃ、これは
動燃の
目的じゃないんですよ。ですから、必要な限度において速やかにこのことはやっていただいて、そして
動燃本来の使命、役割分担をきちっとやっていただきたいと強く思います。
もうよく
皆さんもおわかりいただいたと思います。
ドラム缶に一五%あく、その空間にいかに二%余計入れるか、三%やるかという
実験なんです。ですから、そのことを大事でないとは私決して申しません。しかしながら、本当にそれだけで
動燃がとまってしまう、我が国の
原子力政策がそこで傾くというような、そんな大々々ではないとは言いませんけれども、やっぱり物事には幹もあれば枝葉もあるんです。
私が
最初に政治家になったとき、安倍晋太郎
先生の派に入ったけれども、安倍晋太郎さんはいつも言われました。いわゆる幹立ちて基生ず、
基本をきっちりとしないと幾らやってもだめだよと。そういう点で、私はこの幹という
基本が
動燃で何かこう、どこが幹なのかというしっかりしたものが全体としてぼやけてしまっているように思えてならないんです。
それから次に行きます。
もう時間もないんで、
動燃を
改革する上で私なりの意見を少し述べさせていただきたいんです。
まず
一つ、
現場ではミスやトラブルというのはあるんです。ミスやトラブルのない
現場なんてあり得ないんです。しかし、
原子力に関するいろんなことにかけては、これは完全無欠です、もう本当にいかなるあれもありませんという、そういうことを今まで言ってきているわけです。それはいろんな背景があるからやむを得ないと思います。
だけれども、私は、そういうトラブルはオープンにぜひしていただきたい。そして、速やかに善処する、そういうことを
職員にも徹底していただく。トラブルやミスを恐れないで、そういうものがあったら速やかに善処する、そしてオープンにしていただく、そういうことが私はこれからいろいろ科学技術を進めていく上において、やる人も、また日本
国民にもぜひ理解していただきたい。
大きな
事故になるようなことは、それはもちろん絶対にないようにはいたしますといってみんなでやっているわけですけれども、私もきのう、おとといと鹿児島の災害地に行ってきたんですけれども、川内にある
原子力発電所が地震でどうなったかというのがきのうのマスコミの一番先の私への
質問でした。ですから、そんなことは心配しないでください、原子炉は五重の安全性を持たせてといろいろ
説明したら、彼らは、それならそういうことを川内の
原子力発電所なり九電の人が言ってくれればいいじゃないですか、私らが行くと門前払いですというようなことを言っていましたけれども、そういうことのないようにぜひお願いしたいと思います。
それから次に、いわゆる
研究開発及びそれに伴う
実験と経常的
業務、すなわち
運転業務とは区別して取り扱うことが私は必要だというふうに思います。
研究開発的なものといわゆる
運転業務的なものとは取り扱いを変えて、
研究開発的なものは研究者、
職員が中心になって、もちろんいろんな
作業は
作業員にさせるにしても。また、
運転業務的になったものはもう
作業員的なものにしてしまう。それを分けるのも必要でしょうし、けじめをつけながら運営することも私は大事だと思います。これを読んでみると混然一体になっているんですよ、
研究開発も
運転業務も。そして、何がここで一番
基本なのか、そういう点がないというふうに思います。
それから、予算の効率的執行と
業務に応じた
職員、
作業員の適正規模の確保ということも大切だというふうに思います。
今回の行財政
改革でも、
試験研究的なものについては特別配慮するということに党から出す案はなっているわけですけれども、貴重なお金をやっぱり大事に効率的に使っていただきたいというふうに思いますし、
職員も、私は初め
動燃は五、六百人の人かなと思ったんです。そうしたら二千八百人近くもおられるし、
作業員は三千七百人もおられるんです。それを
管理するだけで
皆さん頭いっぱいになっちゃうんじゃないかなと思って、そういうことはないとは思いますけれども。だから、それはやっぱり適正規模というのは必要だというふうに思います。特に、
研究開発的なものはお金がいっぱいあるとお金に追い回されてしまうんです。そういうことのないようにぜひお願いしたい。
それから次に、人事政策としても適材適所の貫徹をぜひお願いしたい。
動燃の場合はどうしても電力会社とかあるいはメーカー等からの出向者が参ります。そうすると、前の人が三、四年いると次の人がまたそこへ入ってくるというふうになりがちです。そうすると、必ずしもその人は適材適所の場所でもないわけです。やっぱり来たらそんなことを考えないでぐるぐると回して適材適所でぜひお願いしたい。
それから、私は、競争原理の働く分野で厳しい事業運営等を経験された方を経営者の中にぜひ入れていただきたい。いろいろ役員を見せていただきましたけれども、電力会社、または
科学技術庁、それから大きなメーカー、そういう方が役員ですけれども、そうじゃなくて、厳しい経営環境の中で育ってきた、そういう人もぜひ経営者の中に入れていただきたいなというふうに思います。
それで最後に、いわゆる今回の
一連の
事故で
動燃はその信頼を私は大きく失ったと思いますが、どうか近岡大臣のもと
科学技術庁は一致結束し、また
近藤理
事長のもと
動燃の
職員も奮い立って、両者力を合わせて我が国の
原子力政策を強力に進めていただくことを強く願う次第でございます。
ちょっとオーバーしてしまったので、ここで大臣と理
事長さんから所見と
決意をお伺いしたかったんですが、次が待っております。本当にありがとうございました。ひとつまたよろしくお願い申し上げます。