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奥山分科員 お世話になります。
私は、京都第三区から今回出てまいりました
奥山でございます。私も、
地元では地方議員をやりながら、小中
学校でPTAをやってきたわけであります。そんなことで、
教育問題には大きな関心を持っております。
そういう中で、このたび橋本内閣は第六番目の改革ということで、
教育改革を柱にしていきたい、そして子供たちの能力や
個性を十分に発揮して、二十一
世紀の
日本を背負うようなそんな子供たちをはぐくんでいきたい、このようなことをおっしゃっておられたわけでありますが、今日の
教育をいろいろ考えてみる中において、この間ある
教育の講演会の中で、こんな話が出てまいりました。
実は、トヨタ自動車が職員の採用をするに当たって、いろいろと面接で採用官が質問をしたわけであります。そして、その質問の
一つに、GNPというのはどういう意味ですか、こういうふうな問いがあったわけであります。最近は余りGNPということを言わないわけなのですけれども、たまたまその質問の趣旨がそういうことであったので、普通の学生は、それについてはもちろん
国民総生産ですというふうにほとんどの学生が答えたわけでありますが、ある学生が、このGNPという意味は、頑張れ
日本のパルサーや、こんな答えをしたそうであります。そこで、試験官が大変喜んで、実はこんな学生がうちの会社に欲しいんだ、こういうふうな話をしたということを聞いたわけであります。
私の方の小
学校で、こんな話がありました。理科の時間に試験がありまして、そして、今ちょうどこの寒い時期であります。朝、氷が張った。この氷が解けると何になりますか、こういうふうな試験が出たわけでありますが、普通の子供は、ほとんどが、もちろん水になるとかあるいはお湯になるとか、こんな答えをしたそうであります。ところが、たった一人の生徒は、氷が解けると春になります、こんな答えを出したわけであります。そして、その担任は、これをペケにしようかどうかということで大変迷われたわけでありますが、相談を受けた校長は、これこそ今、丸にしなさい、二重丸ぐらいつけておきなさい、こんなことを言っておられたわけであります。
現在、今日の
教育はいろいろ言われております。過去においても、自由民主党の文教部会あるいはいろいろな部会でもって
教育の改革という話が出て、そしてまたそれなりの答申も出されておるわけであります。去年、自由民主党の総合政策
研究所というのがあって、ここで一定のレポートが実は出されておるわけであります。
私はその中で、非常におもしろいなと思ったことがあります。これはコラムとして紹介されておったわけでありますが、少し紹介をしてみますと、アメリカの小学生に将来何になりたいかという質問をすると、目を輝かせて回答が返ってくる。フットボールの
選手になりたい、あるいは
科学者になりたい、大統領になりたい。しかし、同じ質問を
日本の小学生にぶつけると、一部の小学生は夢のある回答をするものの、少なからずわからないという答えが返ってくる。中学生に将来どんな職業につきたいかと尋ねると、やはり同じよ
うにわからないという答えがほとんど返ってくる。いろいろな職業を挙げると、面倒くさそうだから、疲れるなどの言葉が返ってくるという。
日本は大きな子供的な大学生や高校生がふえているということが現実ではないか、こんなことになつておるわけであります。
もう
一つだけ申し上げますと、今の
日本の
教育制度では、初等
教育から国語、算数、理科、
社会、すべての科目にわたって
一つ一つステップを踏んでいかないと上に上がれない仕組みになっております。
世界には、エジソン、アインシュタイン、チャーチルその他、少年期にエリートでなかったのに大きく意味のある仕事をした人は無数におります。彼らを
日本の
教育制度に当てはめたら、小
学校も卒業できないかもしれない。イギリスのチャーチルは、画家としても食べていけるくらいでありました。また、アカデミー賞受賞女優のキャサリン・ヘプバーンは、映画界きってのインテリであり、博士号を持っているという。
日本では、かつてのソニーの大賀会長は芸大出身者である。何か
一つのことが得意になれば、他のことを始めてもまたうまくいくような気がする。
日本の家庭では、我が子が算数で百点をとってきて家に得意げに帰ってきたときに、親は、それで百点をとつた子は何人いたの、だれとだれが百点とったのと、子供にこういう質問をするのが多いそうであります。いつも他の子供と比較して見ているのであろう、どの親もほとんど同じ方向を
日本の
教育は向いている。こういうふうなまとめ方であるわけであります。
今日の
日本の
教育は、六・三・三制、そして非常に大きな関門である大学受験があるわけであります。いわゆる単線的な
内容の平等主義的な、こんな
教育がずっと戦後行われてきたように思うわけでありますので、その中から自由に
個性と能力をはぐくむような、そんな
ゆとりがない学生時代をずっと今日の子供たちが送ってきたのでなかろうか、こういうふうに思うわけであります。最近よく言われるわけでありますが、中
学校や高校の勉強よりも
学習塾の方がおもしろいとか、こんなことを言う子供もおりますし、それから、大学受験まではみんなが一生懸命になって勉強するわけであります。ところが、大学へ入ってしまうと途端に
日本の子供たちは
学習意欲が半減をしてしまう、こういうふうなことが言われておるわけでありますので、こういった今日までの
教育のあり方について
文部大臣はどのような見解を持ってこられたのか、あるいはまたどのように変えていこうとされておられるのか、そういった点についてお尋ねをしたいと思います。