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1997-02-26 第140回国会 衆議院 予算委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年二月二十六日(水曜日)     午前九時三十分開議 出席委員   委員長 深谷 隆司君    理事 小里 貞利君 理事 高橋 一郎君    理事 中川 秀直君 理事 藤井 孝男君    理事 石井  一君 理事 権藤 恒夫君    理事 二階 俊博君 理事 中沢 健次君    理事 穀田 恵二君       相沢 英之君    石川 要三君       臼井日出男君    江藤 隆美君       尾身 幸次君    越智 通雄君       大石 秀政君    大島 理森君       大原 一三君    菊池福治郎君       熊代 昭彦君    桜井 郁三君       桜井  新君    高鳥  修君       中山 正暉君    西川 公也君       野中 広務君    葉梨 信行君       松永  光君    村山 達雄君       谷津 義男君    愛知 和男君       愛野興一郎君    石田 勝之君       太田 昭宏君    岡田 克也君       北側 一雄君    小池百合子君       田中 慶秋君    中井  洽君       西川 知雄君    平田 米男君       生方 幸夫君    海江田万里君       日野 市朗君    古堅 実吉君       松本 善明君    上原 康助君       北沢 清功君    岩國 哲人君       奥田 敬和君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 三塚  博君         厚 生 大 臣 小泉純一郎君         農林水産大臣  藤本 孝雄君         運 輸 大 臣 古賀  誠君         郵 政 大 臣 堀之内久男君         建 設 大 臣 亀井 静香君         自 治 大 臣 白川 勝彦君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 武藤 嘉文君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房管理室長   榊   誠君         総務庁長官官房         審議官     瀧上 信光君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         大蔵大臣官房総         務審議官    武藤 敏郎君         大蔵省主計局長 小村  武君         大蔵省主税局長 薄井 信明君         大蔵省理財局長 伏屋 和彦君         大蔵省銀行局長 山口 公生君         国税庁次長   堀田 隆夫君         文部大臣官房長 佐藤 禎一君         文部省初等中等         教育局長    辻村 哲夫君         文部省教育助成         局長      小林 敬治君         厚生大臣官房総         務審議官    中西 明典君         厚生省健康政策         局長      谷  修一君         厚生省保健医療         局長      小林 秀資君         厚生省生活衛生         局長      小野 昭雄君         厚生省保険局長 高木 俊明君         厚生省年金局長 矢野 朝水君         農林水産大臣官         房長      堤  英隆君         農林水産省経済         局長      熊澤 英昭君         農林水産省構造         改善局長    山本  徹君         農林水産省畜産         局長      中須 勇雄君         林野庁長官   高橋  勲君         水産庁長官   嶌田 道夫君         運輸大臣官房長 土井 勝二君         運輸省港湾局長 木本 英明君         運輸省航空局長 黒野 匡彦君         郵政大臣官房長 天野 定功君         郵政省貯金局長 品川 萬里君         建設大臣官房長 小野 邦久君         建設大臣官房総         務審議官    村瀬 興一君         建設省建設経済         局長      小鷲  茂君         建設省都市局長 木下 博夫君         建設省道路局長 佐藤 信彦君         建設省住宅局長 小川 忠男君         自治省行政局長 松本 英昭君  委員外出席者         予算委員会調査         室長      大坪 道信君     ————————————— 委員の異動 二月二十六日  辞任         補欠選任   臼井日出男君     大島 理森君   越智 伊平君     桜井 郁三君   大原 一三君     熊代 昭彦君   関谷 勝嗣君     大石 秀政君   矢島 恒夫君     古堅 実吉君   岩國 哲人君     奥田 敬和君 同日  辞任         補欠選任   大石 秀政君     関谷 勝嗣君   大島 理森君     臼井日出男君   熊代 昭彦君     大原 一三君   桜井 郁三君     西川 公也君   古堅 実吉君     矢島 恒夫君   奥田 敬和君     岩國 哲人君 同日  辞任         補欠選任   西川 公也君     越智 伊平君     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成九年度一般会計予算  平成九年度特別会計予算  平成九年度政府関係機関予算      ————◇—————
  2. 深谷隆司

    深谷委員長 これより会議を開きます。  平成九年度一般会計予算平成九年度特別会計予算平成九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥田敬和君。
  3. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 太陽党奥田敬和であります。  生後三カ月に満たない小さい存在ではございますけれども、全員参加太陽党ということで、私も本日は急遽駆り出されました。本当に筋の通った政治集団として、小さくとも野党勢力ブリッジ役を果たしたい、そういった使命感に燃えておるわけでございます。  各大臣一緒だと思いますけれども、私は自民党時代から、健全な野党存在というのはまさに議会政治安全弁である、そういったことを冷戦終結後の政治緊張感を与えるために、従来そんなことをやっていたということを言うわけじゃありません、ともかくうそ責任逃れ政治からやはりお互いに決別しよう、そういった形から、いわゆる自民党を出て、新生、新進、太陽放浪者のように動いておるわけですけれども、願いはここの一点にあるわけです。  私は、やはり相撲でも一緒で、東西両横綱が対峙して堂々とやるという形の中に国民人気が高まるのであって、万年、横綱が一人だけという政治はこれからは許されないだろう、また、許しちゃいけないと思っているんです。そういったことを考えて、さて現状はとなると、これはまた残念なことに、野党間の風通しも正直言って余りすっきりしませんね。非常に残念に思って、責任を感じている一人です。  きょうは総理出席を要求したんですけれども、これは委員長に事前に通告もなし、また、私もかつての議運予算委員長経験者として、これはもう長い間の慣例ですが、一般質疑には総理は特別な理事会承認か何かなければ出ないということですから、これについてはこれ以上こだわりません。だけれども、ここにナンバーツーかスリーか、我々の同僚、先輩がたくさんそこに控えておられるわけですから、政党政治家としてのお気持ちからいって、どうでしょう、健全な野党存在議会政治にとって必要不可欠であり、安全弁なんだという私の持論に対してお答えいただけますか。  大蔵大臣、あなた、総理のかわりに、私は、きょうは総理にやろうと思って山ほど質疑を用意してきたら、さっぱり当てが狂っているわけですけれども、これは先ほど言いましたようなことで、承知の上で、きっすいの政党政治家として今日まで来られておる大蔵大臣、私の見解に対して御感想を述べていただけますか。
  4. 三塚博

    三塚国務大臣 奥田議員とは、議運委員長を相前後して務めながら、議会政治基本議事運営風通しのよさ、与野党といえどもこの国とこの国民のためにやるべきことはやる。また、よき提案提案としてこれを受けとめる。しかし、最終的に取りまとめが難しければ多数決の原理にそのときは従っていただく。しかし、それを没にしても、いつの日か国民多数の理解を得て取り組む時期もあろう。こういう議会基本を踏まえながら、議会権威を高めることが民主主義権威を高めること、政治信頼を保つことに通ずる、こういうことであります。そういう中で、健全野党というものの芽が奥田委員長の当時も出てきたことは事実であります。  そういう点で、一党独裁という形はその国の将来にとってやるべきではない。民主主義というのは、多様な意見を背負って国会に出てくる、小なりといえども政党、大なりといえども政党ということで、大は謙虚に相手の意見を聞く耳を持つということで協調性が保たれ、結果的に国家国民のためにプラスになっていくという意味で、まさに健全野党という奥田議員政党観、絶対反対だ、何が何でも反対だということは、議会政治の中にあっては通用しない。また、通用させないためにも、時の政権党弾力性を持ち、そして謙虚に耳を傾けるということで、小政党もつらい政治運営をやりながら、いつの日か政権党への道を確実なものにするであろう、こう思っておるわけで、健全政党お互いがやはり目指して、与野党の別がありましようとも願いと目標は同じである、こういうことで取り組まなければならぬ、こう考えております。
  5. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 閣僚を代表してのお答えであったと認識いたします。私は、大変結構なことだな、そうであってほしいなと願います。  ただ、最近、それは大臣の言われたとおり、多数決に至る最終的なそういった形というのは議会政治基本でありますけれども、どうもやはり結論を急ぎ過ぎる。急がなければいかぬ問題もあります。しかし、ここはひとつじっくりやろう、また、やらなきゃいかぬという問題点もあるわけですから、その点の緩急をよく心得られて、そして頑張っていただきたいと願っております。  さきの総選挙行財政改革を訴えない政党というのはなかったと思っています。我が国の今日のいわゆる財政危機的状況というのは、国民は今度の総選挙を通じても認識を深くされたと思っております。ですから、国民皆さんは、各政党が唱えた公約をいかに実行してくれるか、それが本当にやってもらえるんだろうかという形で、かたずをのんで刮目していると言いたいところですけれども、現実は、私の感ずる限りにおいては少し白けているんじゃないか。やはり口先だけで、選挙が終わればけろりでもないけれども、時間稼ぎでまた先送りされてしまうんじゃなかろうか、そういう懸念が白けの原因の一つではなかろうかと思っているんです。  例えば選挙公約。これは別に自民議席だけを当てづらって言うんじゃありませんよ。ですけれども、自民議席は単独で過半数に近い二百三十八、選挙結果直後は二百三十八だったわけですから。その後ふえ続けておられますから、もう数字は随分限りなく二百五十に接近しているわけですが、この選挙直後の二百三十八人の当選を得られた先生方の中で百二人くらいが、選挙公約では、やはり行革なき、あるいは行革実行のめどのない消費税率二%アップに関しては反対で、これは一時凍結をするというような主張を選挙公報ではっきり訴えられた方が百人、正確には百二名いられるわけであります。しかし、これは、結果は、残念ながら、今大臣の御答弁にありましたとおり多数決で、それも比較的、数の上においても相当な、すんなりと通ったということであろうと思いますけれども、そういったことからは、この小選挙制度というのは、やはり有権者に対して選挙公報で、政党政治とはいえ議員がはっきり公約してやったという形については、私は今度の選挙制度が、そういった意味では非常に怖い制度であるだろうなということを予測しておるわけでありますけれども、こういった形でそういった凍結を主張された先生方は、やはり国民に対して、有権者に対してうそをついたと言うとあれですけれども、そういった意味合いにおいて、非常に議員個人個人のモラルの問題ではありますけれども、私は感ずるわけであります。  さて、今私は自分の総論、持論を述べているばかりで、大臣の御答弁をお聞きするということを少しあれしていますけれども、大蔵大臣、あなた、きょうばいらっしゃいますから、大蔵大臣中心になることをお許しいただきたいのですが、私は、大蔵官僚は本当に官僚中の官僚ということで、彼らに任せておけば日本は大丈夫だという、それぐらい、私も長い政治経歴を積ませていただきましたけれども、一貫してそういう姿勢で見ておりました。しかし、残念ながら、相次ぐ不祥事で、あるいは住専問題もあります、いろいろな形で、もう神話は崩壊しました。  今、私が特に大蔵大臣に勉強させてほしいのは、今まで私たちは、右肩上がりの成長のときには、本当にジャパン・マネーで世界東京になびいて、東京市場というのはまさに金融大国日本のセンターであるという夢をずっと見続けておったわけであります。しかし、それも幻想に近い形ということをはっきり、最近はほぞをかんでいる気持ちになっておるわけですが、ここで橋本総理が提唱されている、二〇〇一年までにはやるという日本型ビッグバン、これは非常に難しいことでございますけれども、これは簡単に言えば、日本の今までの金融システムというか、そういった形は国際標準の動きから見ればやはりおくれておったというか、グローバルマーケットではなかったということなんだろうと思うのですね。  それで、シンガポール香港なんかに比べて、規制の多さとかコストが高いということで、世界金融、そういった形が、東京を嫌っているというわけではないですけれども、欧米各国シンガポール香港に見られるよりも、嫌ったという言葉で言われるんじゃないかと思うのですけれども、これは大臣、どうなんですか。規制なり慣行なり、欧米並みに、もう既に金融自由化というか、そういったシステム改造をやった国並みに持っていこうということで理解してよろしいのでしょうか。     〔委員長退席高橋委員長代理着席
  6. 三塚博

    三塚国務大臣 基本はまさにそうであります。  戦後五十年、世界は大きく変貌いたしました。局地紛争はたびたびありましたけれども、大戦争は人類の英知で回避をすることができたと思います。それが、今日の世界経済で、まだ大きな差が地域によってはありますけれども、G7に代表される先進国、準先進国等は、経済活動を通じて国民生活の安定、国家の名誉の保持ということが着実に前進をしてきたのでありますが、我が日本が振り返ってこの時点で考えてみますと、金融面において足らざるものは何かということであれば、依然として護送船団方式金融業種が取り進められておるのではないかという強い批判があったことは事実であります。一部は、大きく、オープンに、グローバルな方向に進んでおる業種もございますが、全体として見ますといまだしということであります。  よって、世界経済の中で三極を構成するまでに至りました日本は、アメリカ並みに、またヨーロッパ並み、よくロンドンビッグバンが例にとられますけれども、ロンドン金融システム改革を学ぶことにより、それを上回った形でニューヨーク並み金融市場東京市場によって実現をしよう、こういうことで諸改革を断行する。  一点、奥田議員が言われますとおり、国際並みにということで、お金である限り、自由にそれが流通をされていくことが重要でありますし、自由に流通することによって三極を構成する日本の貨幣が、円が信頼を保ち、そして流通していくことによって、我が国の国益だけではなく、ひいてはアジア全体の発展につながるでありましょうし、全世界にまでも貢献することであろう。平和国家日本基本的な金融政策ポイントがそこにあるという橋本さんの見通しと改革への強い意思があらわれたことの中で、この諸改革が先鞭をつける形でスタートを切ったということに御理解をいただければと思います。
  7. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 そうすると、一般国民から見ると、はっきり言うと、家庭の貯蓄も含めて投資家の側が、数多くの金融商品お金には国境のない時代、だから、多彩な金融商品から適当なものを自己責任で選ぶ時代が来るんだということも言えるんじゃないですか。  そうすると、やはり我が国は今財政危機的状況であるということはわかりますけれども、国民の持っている預貯金というか、定額制のそういった形というのは世界にまれに見るくらい、千二百兆とも言われておりますけれども、はっきり言って、金融マンであれ経済評論立場の方であれ、やはり日本の潜在的な、預貯金の中、定額制貯金だけでも六百六十兆眠っている国民資産ですけれども、これは日本型ビッグバンをやってくれることによって、のどから手が出るほど、世界金融というより特にアメリカ中心とする、魅力のある、よだれの出るような市場だと私は思います。  そういった形の中で、今後本格的な国際レースというか、東京市場も含めて展開されていくということになってくるんだ。お金には国境はありませんから、もし日本の国のこういった、まじめに預貯金によって頑張っておられる皆さんが、今までどおりの低金利の継続や、今度のいわゆる消費税アップによる、あるいは特別減税、これが制度化されるかされないかということは今の論議の渦中にあるわけでしょうけれども、これらの打ち切り等が行われた場合、二重苦、三重苦という国民側にとっては非常にやはり厳しい情勢であり、そうなれば、このまじめな、そしてせっせとつましく貯金をしているそういった大事な預貯金者国民的にやはり反乱を起こすくらいの、やはりボーダーレスの社会になっていくと有利なものに目をつけるということですから、これは金融証券業界を含めてあらゆる金融系統に関しては大変な事態と認識しているのですが、間違っていますか。     〔高橋委員長代理退席委員長着席
  8. 三塚博

    三塚国務大臣 御指摘のとおりであります。優勝劣敗という言葉がありますが、まさに大競争時代に入ると見ても間違いがないわけであります。そのために二〇〇一年を完成の年といたしたわけでございます。一年前倒しでスタートは切れるようにしていくことが日本経済経済の血液である金融健全化、ひいては今言われました大事なとらの子が最もいい形で運用をされまして富がふえていく、そしてその富が御指摘のように世界経済の中で稗益をしていくであろう、こういうことであります。  問題は、自由化が大混乱を起こしてはいかぬわけでございますから、そういう意味で、立派な商品が、安心できて買える商品競争の中で出てくるということでなければなりません。そういう点からいいますと、透明で信頼できる市場ということで、ルールの明確化でありましたり、今日大変問題になっている透明性という問題が重要なポイントとして出てきますから、この制度もきっちりと確立をしなければならない。  金融は、銀行証券そして保険と今ありますけれども、これの業際はなくなりまして、お互いが自由に競争ができることでよりよいものが提供できるという状態の中で立派な市場ができていく、外国からもその信頼度が増していくということで、世界金融市場の三本の柱の中の一つに我が金融市場を育てていきますことは、預貯金者に対する大きな利益だけではなく、国家そして地域世界の幸せに通ずることである、こういうことになっておるわけでございます。
  9. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 預貯金者を本当に裏切らないように、そこは大臣、本当に日本型ビッグバン、そういった情勢を控えて、特に預貯金者のために厳しいそういった監督なりというものに目を光らせていただきたいと願うわけであります。  現在もう既に関係法案が提出されるやに聞いておるんですけれども、今度新しく、これはどういう名前で言うんでしょう、金融監督庁というんですか、これはファイナンシャルシステムエージェンシーの形で考えてよろしいんですか。金融監督庁ということで理解してよろしいですか。  そういうことになりますと、これは銀行局、証券局、従来あった大蔵の国際金融局、それに証券取引監視委員会、こういった形が金融監督庁の主たる構成になっていくわけですか。
  10. 三塚博

    三塚国務大臣 住専の深い反省の中で、独立した機関を持つことが金融の健全な発展につながるだろうし、預金者保護につながり、また金融システムがよき方向に働きまして金融使命が果たされていくであろうということで、三条機関として、金融庁という、監督庁ということでこれがスタートを切る、最終詰めがただいま行われ、法案の作業に入っておるものと存じます。  従前大蔵省にありました監督検査権限がそちらに移ることにより、大蔵省企画立案、こういうことの中で、これまた組織を一本化するという準備が行われ、今国会、これは法律事項でございませんので、何といいますか行政改革、組織変えでできることでありますから、これはこれで、今こちらの第三条機関スタートと仕上がりを見まして、それで取り組むということにいたしておるところでございます。  日銀法がまた、最終詰めに入っておるという現段階でございます。
  11. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 預金者立場から特に関心のある一千万円、破綻の場合、一千万円以下の預金者保護のペイオフの制度がございますね。預金保険機構、これはやはりこの金融監督庁実行機関一つ理解してよろしいんですね。
  12. 武藤嘉文

    武藤政府委員 お尋ねの預金保険機構につきましては、現在最終的な詰めをやっているところでございますが、基本的な考え方といたしましては、預金保険機構機能として、監督に属することと、それから企画立案に関することの二つが預金保険機構機能としてあるというふうに考えられます。  先ほど大臣から御答弁がありましたとおり、大蔵省には企画立案機能が残り、新しい金融監督庁には検査監督権限が移るということでございますので、預金保険機構につきましても、企画立案に関する部分大蔵省が分担し、監督に関する部分は新しい金融監督庁が分担する、そういう方向で今調整を行っているところでございます。
  13. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 政府委員の話を聞いているとなかなか筋の通った話のように聞こえるのですけれども、逆に言うと、今度のビッグバンを含めての金融改革、これはやはり、従来のおんぶにだっこというか、保護監督がごちゃまぜになっている護送船団方式といいますか、そういった形からの峻別が求められているわけですね。  ここでまた、きょうの一部報道にもあらわれておりますけれども、例えば、こういった預金保険機構の形でも日銀大蔵の協議の形を残しておこうとか、そういった形で、やはり峻別される形を期待している形の中にまた大蔵大臣監督権限、まあ日銀独立性という形もこれに関連してくるわけですけれども、それらをむしろ、中立性独立性というものを、今度は日銀法もあわせて改正されてなっていくわけです。しかし、どうしても大蔵官僚というのは頭がいいものだから、何か表向きは峻別された形には見せるけれども、今度の国民的な厳しい批判なり、あるいは、私は、世界標準化になっていくためにそういった改革が必要なんだと思いますけれども、どうもここで一つ小手先の手をまたやってきているのじゃないかなということ。日銀独立性中立性というものは間違いなく担保してほしいという国民的要望に関して、それはします、またしてほしい、そういった形の願いについてはどうでしょう。
  14. 三塚博

    三塚国務大臣 日銀の問題でありますけれども、これは各紙報道されておりますが、その中で一部の報道の見方は、独立性というものが侵されるのではないかというような報道もあります。決してそうではございませんで、与党三党が真剣に論議をした基本を踏まえながら、独立性とディスクロージャー、公開性、これを担保しながらよりよき、銀行の中の銀行でございますから、日本経済、物価、金融、この中で取り組んでいただきたい、こういうことなんです。  問題は、危機管理という言葉があります。安全保障上の問題、経済安全保障の問題も危機管理かと思います。金融もまた危機管理という意味で、御案内のとおり、G7の大蔵大臣・中央銀行総裁、二カ月に一回、三カ月に一回になることもありますが、会合をいたしまして、マクロ経済世界金融秩序の安定ということについての協議が行われていることは御案内のとおりであります。  国家経済政策、金融政策は、独立性を持つ日銀を尊重しながら、時にやはり議院内閣制において、政府を預かる政府首班、そして内閣が本問題について提言をすることも当然あってよろしいわけでございまして、時に協議があったとしても、このことが独立性を損なうものではない。預金者保護、そして金融システムの安定、安全、こういうこと、世界経済の中で、経済大国である日本が果たしていかなければならない金融上の問題点というものも達成をするということが大事であるという意味で、その連絡、協調という点がとかく問題になりますが、これは、民主主義議会政治の中における最小限果たさなければならぬ役目ではなかろうか。  大蔵官僚がいろいろやってこうなったわけではございませんで、政治家である主管大臣としても、時に意見を求められましたときにそう申し上げてきたところでございまして、三党の協議も大詰めに来ておりますので、どういう方向になりますか、最大の関心を持って見詰めておるところであります。
  15. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 大蔵大臣に偏っていますので、方向、視点を変えようと思いますけれども、私は、日銀独立性を担保されるという形については、そこまでは一緒なんですけれども、むしろこれは政治から、政治による外部圧力というものを排して、物価の安定を達成するために中央銀行には独立性を付与する必要があるのだという、独立性の必要性はそこにあるのですよね。ですから、余り政治的な関与という形は、私は、これは排されるべきであろうと思っているのです。  その法案も今準備中ということですけれども、大体、今国会提出、まあ九八年の七月、来年の七、八月実施という形の内容になっておるように聞いておるものですから、そういった形で日銀法改正も絡みます。しかし、どうか大臣、今言った預貯金者保護に対するそういった施策、そして預金保険機構を含む金融監督庁権限に対して、余りこれ、保護監督を峻別しようというときにまたぞろひもつきになっていくことのないように、そこは政治家としての英断で臨んでいただきたいということを特に注文しておきます。  ただ、結びに、あなたは小さい政府志向、政治家としてあれですか、今財政再建をめぐる改革が叫ばれておる大事なときですけれども、大きな政府を目指すのか、小さい政府を目指すのか、それに関してはいかがですか。一言で結構です。
  16. 三塚博

    三塚国務大臣 それは、小さい政府を目指し、地方分権が確立をされるということは極めて大事なことで、自己責任ということにベースがあると思います。
  17. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 いや、それは私も一緒です。それで、財政再建が本当にこれだけの大きな、喫緊、緊急の、最大の政治課題になっているときですから、私は、小さい政府でやっていくという方向でやるべきだと思います。  ただし、財政再建がしかし増税によって行われるならば、これはむしろ大きな政府につながりやすいですよね。ですから、小さな政府を大臣の言われるように目指すならば、増税よりもやはり支出削減という形が優先さるべき形であって、まあ今度の予算編成では大変な努力をしたということを再々お述べになっておられますけれども、増税よりも支出削減、このことがやはり一番大事なことであって、それに手つかずの補助金などの、これからの既得権益をめぐるいろいろな難しい形があるということは承知の上で言うのですけれども、これらに関して一律削減、カットをしない、あるいはそういった切り込みの努力というよりも、むしろ安易に国民に増税という形で持っていかれるという形は非常におかしいと思う。これらに関して、これは、小さい政府を目指し、いわゆる支出削減にも最大限の努力をしたという結果かくなったという形のお答えが返ってくるであろうから、御答弁は求めませんけれども、このことはやはり大事ですね。  ですから、私は、本当に今度の租税負担が国民にとって、消費税含めて、減税打ち切りがもし行われるとすれば、六・五兆円ぐらいふえる。社会保障の負担費が今後改正によって、公共料金の値上げ等々、やはり負担が二兆円、一兆円と、計算上私の推定では、これはエコノミストの集計もあるわけですけれども、国民負担がやはり九・五兆近くふえていくという形になるわけですね。  ですから、私は、これが国の一つ経済成長率を押し下げることになっていくということを、それを懸念しているわけなんですけれども、そういう点において、今後とも厳しい、来年度の、まあこの予算審議の過程にまた次のことを言うのは飛躍し過ぎるかもしれませんけれども、九年度から十年度のシーリングも始まるわけでございますから、そういった形の中で、ひとつきっちりカットしていくという基本姿勢、公共費の横並びの率も見直し、そしてまた、やはり建設、農林、運輸、一律の形でやっている分に関しても、そこはひとつ、横並びでやるのじゃなくて、きっちりめり張りをつけた形でやっていただきたいな、次の要望につながるわけですが、そういった形でお願いしたいと思います。  そこで、私はちょっと先を急いで、小泉大臣の顔を見ると、これはどうしても触れなきゃいかぬ気持ちになってくるのですけれども、郵貯、これは郵政大臣からもお答えいただくことになりますけれども、今度アメリカの大手銀行のシティーバンクと、何かキャッシュ、そういったサービスというもので、システムで合意されるということを聞いておるのです。  郵貯のATM、これは私も郵政大臣当時、CD、自動支払い機をうんとふやすのに一生懸命努力した方ですけれども、今や二万二千台ぐらい、恐らく各局全部に配置されているはずですから、これはもうすごい一つ預貯金者の大きな、二百二十兆近い預貯金者とともに、このサービスというのはすごいですね。この機構というのが、今度は米国最大手のシティーバンクと結びついて、これはもう消費者にとっては世界各地どこへ行こうが郵貯預金者は現地通貨で幾らでも換金できるということになるわけですから、便利なことはこの上ないことですけれども、巨大なアメリカのシティーバンクにとってみれば、これは大変な形の、世界一のネットワーク形成になるわけですけれども、それは十月くらいからか、いつごろからやられることになりますか。
  18. 品川萬里

    ○品川政府委員 お答え申し上げます。  事実関係でございますので、私から答弁させていただきます。  今回の郵貯のオンラインシステムのATMの開放につきましては、実証実験という形でございまして、直ちに御利用者の方に使っていただけるということではございません。今回の九年度予算をお認めいただきますと、主としてクレジット会社、信販系、流通系の会社と、二十八社ばかりございますけれども接続実験をするという段階でございまして、先生御指摘のシティーバンクとの接続実験、まだ至りません。今後、いろいろお話をさせていただくという状況にございます。  いずれにしましても、今後とも利便向上について配慮してまいりたいと思います。
  19. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 やはり、この二百二十兆以上の預貯金残高というのは、これは国の一つの大きな支えにもなっているわけですが、これはもう世界のトップであるどころか断トツで、大変なマンモス的な機関になって伸びてきていることは間違いないのですよね。だから、これは世界的に見て特異な存在であるということも事実です。  ですけれども、これを今また、融資能力というそっちの方は別にないとは言いませんよ、運営能力というのはないとは言わぬが、集めるだけでおったら、これだけまじめに、これだけ国民信用で集めておるのはないのですけれども、私は、そのお金がやはり財投原資になっておるとかあるいは地方に対する自治体の地方債の形の中での本当に郵貯の果たしておる役割というものは、はっきり言って高く評価している一つではありますけれども、私はやはり今のままの形態では本当にいかぬなと思っているのですよ。これはどっちかというと財投の中身に入っていかにゃいかぬわけですけれども、まあ社会資本整備、災害復旧、財投の役割が重要であったという形の中で、私たちはそのことについては評価もしてまいりました。  しかし、この財投の面をひもといていくときに、これをある程度情報開示も含めて、財投運用の情報開示も含めてはっきりやらないと、行財政改革というのは、これは郵貯の民営化論にも発展していくわけですけれども、これをやらなければだめなんじゃないかな。財投がもう四百兆以上の大きな第二予算となって、こうなってくる原点からいって、特殊法人の民営化なんかは建設大臣もある意味において大胆な英断をもってやらなきゃいかぬという危機的認識を含めて、この財投運用のあり方そのもの、そして郵貯のこの二百二十兆を超える膨大な世界の断トツクラスのこの預貯金状態というものに関して、ここはひとつ小泉大臣、所管は違うけれども、あなたの持論展開というものに私は、本当にこれは真剣に聞くべき、私たちがやらにゃいかぬなと思っている面であります。パンドラの箱をだれが開くのかな。まあこの第二予算的な財投に対する、一つのいわばこれも国民資産ですから、この問題についてもやはり大きくメスを入れていく大事な時期が来ているな。そのためにも情報開示が必要になってくるわけですが、その点に関しての、短くて結構ですけれども、小泉大臣の、改めて政治家としての持論をお聞かせ願えませんか。
  20. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 私がなぜ郵政三事業民営化の必要性を主張しているかというのは、説明が長くなりますからはしょりますが、いろいろな仕方はあると思います。  一つには、財政再建をしないと日本はもう立ち行かない、だれもが言うことであります。総論賛成、財政のために経済があるのではない、当然であります。しかし、財政が破綻して経済発展はあり得ないというのも歴史の証明しているところであります。  今財政が危機的な状況にあって、それでは、増税は嫌だ、国債発行は削減していく、歳出カット、みんな賛成であります。しかし歳出を削減するといったって、一番税金はどこに使われているかというと国債の利払い、償還ですね。それを除くと、地方に行くのを除くと、実際の政策的経費は社会保障と公共事業です。社会保障十四兆五千億円、公共事業十兆円弱。これは幾らカットしろといったって半分にはできないでしょう。  財政再建というなら、支出をカットするのもそうだけれども、収入をいかに図るかということを考えなければいけない。経済を活性化させて、民間人、民間企業に大いに働いてもらって、税収を、収入を上げてもらうということを考えると、収入を考えるというのだったら、役所がやらなくていいこと、民間と同じようなことをやっている。それは民間は必ず利益を上げなければ倒産してしまいます。利益を上げて法人税を納めて、固定資産税を納めて、あるいは地価税を納めて、なおかつ国民にサービスを提供しているのです。同じ仕事をやって、役所は公共的だ、役人がやるから公共的だということで、同じ仕事をやっているにもかかわらず法人税は払わない、地価税は払わない、固定資産税は払わない、設備投資は、いや国の予算を使ってやるということだと、どんどんと大きな政府になってしまうということを考えるのだったら、私は歳入策を考えるべきだ。  そして、役所がやらなくていいこともやっているのだからどんどん民間に任せていけば民間も活況を呈する、税収も上がってくるということを考えると、じゃ政府関係機関で最も収入が上がる、民営化して株式会社化して株を売却して、今一番金目が出る政府関係の事業は何かというと郵政三事業でしょう。優良事業だからいいのです。優良事業だから株式会社にすれば株を買ってくれる人もいる。株式売却益も出る。  そういうことから私は、郵政三事業を民営化をすれば財投全般に影響が及んでくる、入り口だから。財政投融資というのは、政府関係機関の多額の不良債権を抱えている金融機関です。これから国民負担は大変ですよ。そういうことを考えて小さな政府を目指す。役所がやらなくてもいいことをやっているということを見直すのだったら、必然的に財投の見直しから、入り口の、郵貯だけではありません、簡保、郵政事業、全部踏み込まざるを得ない。  そういうことをやらない限り、私は、増税による財政再建か、あるいは必要なところにも予算が行かない、歳出削減でますます経済は縮小してしまうか、それをどっちを選択するかというのです。私は、増税による財政再建は嫌だ、必要な予算まで削る、これは国民が承知しないというのだったら、やらなくてもいい役所がやっている仕事を減らすということを考えて税収、収入を考えることを考えるべきではないかというのが一つの説明でありますから、郵政三事業の民営化はぜひとも必要だと言っているわけであります。
  21. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 しかし、世界的に見て特異な存在である郵貯がこの自由化時代にどう対応したらいいのか。あるいは小さい政府を目指す上において、やはりここはひとつ財投の見直しという切り口から入っていくと、これは特殊法人の業務というものに入らざるを得ないし、そしてこのことが、やはり今まで特殊法人の、国民の前に明らかになっていないいろいろな問題点がはっきり出てきて、財投原資の使い方に関していろいろな形で情報が提供されて、こういったことから今まであけ得なかったパンドラの箱が開いてくると思います。  そして、私は今小泉大臣持論である郵政三事業民営化という形の御意見も承って、私も郵政大臣経験者ではありますけれども、まさにこの問題に、財投の見直しから始まれば嫌でも特殊法人の業務実態の優劣が明らかになると同時に、そのことによっていわゆる郵貯のそういった形の今後の民営化論も含めて、まあ民営化論に至るまでにもう一段階あるのかもしれませんけれども、こういった形についてメスを入れるべきときが来たなという感じがいたしております。  今後とも、今厚生保険問題で大きな問題をまた抱えておられる担当でありますけれども、ひとつ御研さんし、私たちにも御教導を願えれば私もうんと勉強してお力にもなろうと思っておりますので、よろしくお願いします。  郵政大臣、あなたは頑張っておられるけれども、一言でいいです、もうよくわかっているのですから。
  22. 堀之内久男

    ○堀之内国務大臣 ただいま、一言と言われましたが、あれだけ答弁をさせてもらって私が一言、簡単にというわけにはまいらないと思いますので、少し時間をいただきます。  奥田先生は昭和五十八年の郵政大臣経験者でありますから郵政三事業については十分御理解をいただき、十分またその役割も御承知のことだ、こう思うわけでありますので、くどくどは申し上げません。しかしこれは、今から十数年前を考えますと、中曽根内閣のときにこういう民営化、行政改革が行われました。そのときにも三公社であります。五現業というのがいかに国民生活に密着をしておるかという形でこれは恐らくその当時もなされなかったものと思います。  その郵政三事業につきましては、ただいま小泉大臣からは、大変な暴言だと私は理解をした。それは、生活をする立場の違いも大きな立場になる。それは横須賀とかいう大都会に住まれて、朝晩の何も不自由のないところ。全国の七五%の市町村で金融的な恩恵も受けられない、こういう地域を考えますときに、今後の……(発言する者あり)
  23. 深谷隆司

    深谷委員長 お静かにお願いします。
  24. 堀之内久男

    ○堀之内国務大臣 こういう実態というものも、十分国民が広く実態を承知いただかなければ、ただ一部の地域だけ恩恵ということにはならない、こういうように存じております。  したがって、今の郵便事業におきましてももう信書以外は自由化されておるのです。ところが、民間会社は皆よくやっておるとおっしゃるけれども、去年の十一月、行政監察局が出した、宅配便に偽りあり、こういうのが出されておるのです。これは、ちゃんと宅配便の離島料金を取りながら離島には配達せずに港までとりに来いとやっておるというのが全部数字が出してある。私も、これを見ましてから、昨年十二月一カ月間を各郵便局に、宅配が本当にこの寒い雪の中で配達をしておるか調べろと言いましたら、どえらい数量なんです。  だから、そういう宅配便においても私は、民間が八十円や五十円で全国あまねく配達ができるとは思われません。恐らくいいところだけで、つまみ食いの大都会だけは完全に配達するでしょう。そういうことを考えるときに、また貯金においても、それはあなた、ほとんど金融機関は商業地域です。商業地域中心で、住宅あるいは過疎地域というのは皆郵便局であります。そういうところの方々の生活あるいはサービスというものを切り捨てるということになるわけであります。また、保険会社においても、約千八百ですか、千八百の市町村に何の店舗もないわけであります。  そういうことをやはりお考えいただいて、それはもう民間としては採算性を考えることは当然だ、こういうように思いますので、私は、今小泉大臣の言われましたこの株を売ってそれで借金を払うなんぞというのはとんでもない考え方だと思います。私は、国家財産の売り食いをやってそれで国民理解できるとは思っておりません。(発言する者あり)
  25. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 郵政三事業……
  26. 深谷隆司

    深谷委員長 お静かにお願いします。
  27. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 郵政省が果たしている役割は、それは国民の山間僻地に至るまでのライフラインで大きな業績を果たしていることはよくわかっているのです。ただ、自由化時代に備えて、この二百二十兆の大きな原資を持っている、その行き先に対しての不明朗性というものもはっきり追及しなければいかぬし、やはり国民利益に役立つなら、将来そういったいわゆる民営化もしくは民営化に準ずるような形の方策によって国民受益に最後は還元していく、そういった形について、私たちは真剣にこれから議論すべき時期が今来たということだけははっきり言っておきたいと思います。  ここでもう時間が参りました。大変残念でありますけれども、私は、政党人としての三十年のキャリアを持っている総務長官にお伺いしますけれども、この郵貯、こういった三事業を含めて、聖域としてあなたは見ているのですか。これは行財政改革のらち外で、これだけは特別だという形で見ておられるかどうか。そのことだけ、一言だけ。
  28. 武藤嘉文

    武藤国務大臣 まだ郵政三事業全体については議論をいたしておりませんが、今私ども、財政再建という形の中で、財投の問題についても突っ込んでいかなければならない。財投の問題を突っ込んでいけば、その出口と入り口と両方議論をしなければいけないというのは当然だと思います。  そういう観点から、郵貯の問題も、どうするかは別です、今お二人の意見は全く違うわけですから。どうするかは別でございますが、財投の入り口として郵貯の問題も取り上げなければならないことは当然だと思っております。
  29. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 大臣、あなたにもう一回ついでに、ついでにと言っては失礼ですけれども、私は、太陽党というのは、主張しているスローガンを絞って言えば、国会改革と今一番大事な情報開示です。この二点に国会活動の視点を絞ろうと思っているくらいなんです。  国会改革に関して、きょうも新聞の一部報道にありますけれども、自民党内でも大変御論議なさって、そして参議院、衆議院を含めての定数改革あるいは定数削減、今の制度に対する見直し、こういった形に関して非常に論議が高まっているようでありますけれども、私は大変結構だと思っています。  今度の選挙をやってみまして、いろいろ感ずることもありましたけれども、その制度の是非はともかくとして、やはり議員がみずから身を切り、血を流す、やるべきことがあると思います。私は、定数削減、これは必要だと思いますよ。そういった形で、まず自分たちから、国会から身を切るくらいにやる形が国会改革に関しては私は必要だと思いますし、これは制度論になって、重複立候補の制度はおかしいじゃないかとか、いろいろな形に関しての論議形態は別として、ともかく定数を削減する、とりあえず。比例定数をどうするとかということになると論議はあれですけれども、ともかく定数削減でやろうじゃないかという方向に関してはいかがですか。
  30. 武藤嘉文

    武藤国務大臣 これは今、党でいろいろと各党とも御議論いただいているわけでございますから、私の立場で申し上げるのはいかがかと思いますが、ただ、私はあるところで、実はこれは質問を受けましたときに申し上げたのは、とにかく重複立候補という制度はどうもなじまないのじゃないかという意見は圧倒的に多いのじゃないか。そうすると、重複立候補でカムバックされてこられたと申しますか、八十四名いらっしゃるわけでございますから、重複立候補をやめれば八十四名という数字がこれは必要がなくなるのではないだろうかということをあるところで私は申し上げました。  それから、いま一つは、私は、これから行政改革を私どもやっていかなければならない立場でまいりますと、当然やはり思い切って、国会議員の報酬についても、一時凍結をするとか思い切って切り詰めるとか、そういうような考え方をしていかないと、行政改革を役所の皆さんにこれから思い切ってお願いをしていくときには、そういう姿勢も必要ではないかというふうに考えております。
  31. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 やはりさすが行政改革担当大臣として、めり張りのある本当に強い意思表示を承って、意を強くいたしております。こんなことはもう与野党のそんな対決マターの問題ではありません。国民の前に政治基本的な姿勢を示すという意味においても、まず本当に火だるまになって行財政改革をやるという橋本内閣にとっても、また自民党にとっても、また本当に全部に共通する国民に対する課題だと思います。ですから、ひとつこれに関しては、お互いにしっかり手を組んで、協議して決めて決断をしていただきたいなと思っています。  もう一つ、情報公開。もうこれで最後にします。私は、ソ連の体制崩壊というのは、ゴルバチョフさんはペレストロイカで頑張りましたけれども、ソ連の体制崩壊はやはりグラスノスチ、情報開示ですね。情報開示がやはりソ連体制のそういった形の崩壊に通じ、東西の壁を打ち破ったのだと思っています。  私は、今度の、首相の諮問機関である地方制度調査会、二十五次になるのでしょうか。自治大臣はきょうばいらっしゃらないのですな。じゃ、これはやめます。  この情報開示は今地方の方が先走って、先走ってというか、今度の法改正でも出されておるようでございますけれども、この目的の一番大事なところは、第三者による外部監査機能の強化という形が主体であろうと思います。これで非常に信頼回復に努められるようですけれども、これは今国会中に提出する法案と聞いているのですけれども、これに関して国の方でも情報公開法、これはやっていただけるんだと。また、私たちもこれに対しては積極的に情報開示に関してやっていくだろう。まず情報開示。情報公開法の制定によって、私はいろいろな面が改まってくると思います。政治緊張感を持たすと同時に、やはり行政の面においても、私は大きな改革の第一歩がこのことによって火ぶたが切られていくのじゃないかなと思っております。  私もこれで後、岩國さんに、持ち時間内で非常にオーバーしているわけですが、聖域を持たないでひとつ真剣に頑張ろうということで、特に特殊法人を含める民営化に関しては、建設大臣も非常な卓見と決断を持って取り組もうという形を新聞でも見ております。  そういった意味合いにおいて、今自治大臣お見えになりましたけれども、地方の情報開示も非常に積極的に進んで、ことしの予算編成は政府に先立って地方自治体の方が経費節減で実質的な数字をはっきり示してきておるということも、私は、この問題、情報開示に関しては、中央より地方の方が一歩も二歩も先んじて非常に真剣に取り組んでおられるな、これはやはり我々も参考にしたいと思っております。  結びになりましたけれども、建設大臣のお話を結びにいたしたいと思いますが、やはり公共予算ですね。これは、今まで長い間一律に、伸び縮みは各省庁、農林省は何%、運輸省は何%、建設省はもちろん公共事業の宗家であるから何%というくらいに、割り振りの頭振りがもう決まっていますね。それで、こういった形については、やはり私は、このことについてはもうちょっと考えていかなければいかぬじゃないかな。五カ年計画、各省庁はやりますね。この五カ年計画でも、こういった厳しい時期のときに、これは閣議決定事項であるとはいいながら、やはり二年間くらい延長して、ならすくらいの削減計画でやっていってほしいなというくらいに気持ちが切実です。  ですから、公共事業主管大臣としてはそのことに触れにくい面もあろうかと思いますが、あなたは、特殊法人、公団を含め、都市整備公団を含め、もう役目の終わったものは役目の終わった、民営化に、いわゆる民間に移すべきものは民間というくらいに、めり張りのきいた形で行革、いわゆる建設省所管の特殊法人に関しても大胆な、私らの期待する御意見を持っておられると思いますけれども、ちょっと最後に決意の一端を披瀝していただいて、私の質問もこれくらいで終わりたいと思います。
  32. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 建設省所管の特殊法人等も、今まではそれぞれ歴史的な役割を果たしてきた、そうした功績も非常に大きいと思います。  しかし、戦後五十年、いわば占領政策下でなされてきた我が国の行政の仕組みあるいは権限等、制度疲労を来していることは事実でございますから、二十一世紀へ向けて、全くいわば新しい観点から国家機能をどうすべきか、それに対する特殊法人の役割はどうなのか、必要なのか必要でないのか、民にゆだねるものはゆだねていく、地方にゆだねるものはゆだねるという観点から、委員指摘のような観点から全力を挙げてまいるつもりでございます。
  33. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 これで終わります。  ありがとうございました。
  34. 深谷隆司

    深谷委員長 これにて奥田君の質疑は終了いたしました。  次に、岩國哲人君。
  35. 岩國哲人

    岩國委員 太陽党岩國でございます。  先ほどこの橋本内閣の郵政大臣が同じ内閣の閣僚の発言を指して暴言であるとおっしゃいました。私はこのような閣内不統一の内閣に対して質問を続けることはできません。  同じく、日曜日のあるテレビ番組で、建設大臣はこのように発言していらっしゃいます。最近は予算委員会で幼稚な論議がまかり通っておる。まるで我々予算委員会の委員をこけにしたような発言ではありませんか。国民は、それでなくても国会に対する信頼を失いつつあります。それを、毎日毎日ここに座っておられる建設大臣が、テレビを通じて全国の国民に、幼稚な論議がまかり通っているとは何事ですか。  そして、けさ、今奥田議員の質問に対して、郵政大臣と厚生大臣意見は全く違っている。こんな閣内不統一の内閣に対して、我々はどうやって質問が続けられるのですか。  ここで、私は質問を終わります。
  36. 深谷隆司

    深谷委員長 委員、どういう意味でしょうか。
  37. 岩國哲人

    岩國委員 責任のある総理大臣に答えていただきたいと思います。
  38. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 委員から、先日私のテレビ出演で言ったことについての御批判がございました。  私は、今皆様方立法府に対して、立法府での権限も持っておりますが、行政権に属しておる者であります。しかし、行政権に属しておる者が、個人の立場において立法府の審議の状況なりそういうものに対して率直な感想、御意見を述べる場合が私はあってしかるべきだと思います。そうしたことまで封じられるということがあっては私は健全な議会民主主義は育たない、このように思っています。  私が申し上げましたのは、それは皆様方がやられていることが全部幼稚だとかなんとか言っておるわけじゃございませんで、委員も熱心にこの委員会にはずっと大体おられると思いますけれども、やはり予算委員会の審議の中身が、国民の期待するような、そうしたものにやはり集中をしていくということでなければ私はならぬと思います。それについて、私がそういう感想を持ったことが不当であるとおっしゃるかもしれませんが、私もほとんどこちらにおるわけでございまして、皆様方全部、幼稚だなんということを言っておるわけではございません。  しかし、中には、やはりもっと別な形で問題点を掘り下げていくというようなやり方はないものかな、我々は国民から選ばれた代表でありますから、そういう意味でもっともっと工夫をしていくべきだ、努力をしていくべきじゃないかな、そういう意味で申し上げておるわけでございます。
  39. 岩國哲人

    岩國委員 亀井建設大臣の御答弁を伺いましたけれども、確かに今国会には新しく選出された議員も多数おります。しかし、一回生といえ七回生といえ国会議員の給料は全部同じ、そしてそれぞれの支持者によって選ばれた以上は全部平等な国会議員であるはずです。  具体的にどの国会議員のどういう論議が幼稚と思われたのか。思われたからこそそういう発言があったと私は思いますので、具体的に二つか三つの例を挙げていただきたいと思います。
  40. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 私は個々の議員の名前を挙げて申し上げるなんてことを、そんな大それたことをこういう場でするつもりはございませんが、論議について私の感想の一つを申し上げますと、例えば財政再建は、これはもう必死になって取り組まなければならない国家的な課題であることは事実であります。しかし、そういう議論の中で、公共事業に切り込んでそれを抑制すればいいんだというような議論が私は主流であったと思います。これは財政支出の全般について、やはりむだがあれば思い切ってこれを切っていくという、これはいわゆる社会福祉の面もあるでしょうし、教育の面もあるでしょうし、そういう議論がほとんどなされていないというのが、私は委員もこれは御承知だと思います。  そういう意味で、いわゆる公共事業を抑えることが財政再建だという、いわば矮小化された、そうした議論があったことも私は事実であろう。この点は、私の言葉で言えば、これは極めて幼稚な議論だ、このように考えております。
  41. 岩國哲人

    岩國委員 私は亀井大臣の御日程が大変お忙しいことはよくわかっております。申しわけないと思っております。  にもかかわらず、私はこういうことを取り上げざるを得ないことを大変残念に思っております。ほかに大切な質問をしたがった。しかし……(発言する者あり) ちょっと黙っていてください。  亀井大臣に……(発言する者あり)うるさいですよ、ちょっと……(発言する者あり)  この予算委員会の今までの議論の中で、我々は箇所づけについても要求いたしました。そして、大臣は明快にこれは行政権を侵害してはならない、我々それは尊重いたします。しかし、我々の審議権も侵害していただいては困るし、空洞化は避けたい。だからこそ、箇所づけに関する資料を少しでも、もっと出してほしい、それが実のある議論にこれを持っていくことではないだろうか。まるで行政が予算審議の実質をやって、我々は総枠の議論だけやってしまうということはおかしいということは何回もここで出ております。  にもかかわらず、そのような御協力はいただけない。したがって、大臣が今おっしゃった実のある議論がなかなかこの予算委員会でできないという大きな原因は、私は大臣の方にも、建設省の方にも、省庁の方にもあるのではないか、そのように思います。
  42. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 今委員から具体的なことで立法権の審議に協力する点がちょっと欠けるのじゃないかという御指摘がございましたが、この箇所づけを出せという問題についてずっと議論がされてきたことは事実でありますが、私は何度も申し上げておりますように、委員会での審議のために必要な資料はできるだけ、可能な限り出せということを私は言っております。  また、これは情報公開というような面から、例えば特殊法人、それの下請、孫請の出資している企業についても私はもう出せということを言っていることは皆さん方御承知のとおりです。私は隠すつもりはございません。  ただ、大きなプロジェクトについては、御承知のように、きちっとお出しすることができるわけでありますが、実施計画を今作成中でありまして、地方自治体との間で、今もそうですよ、今も毎日地方自治体との間で箇所づけについては協議をしておるわけでありますから、それをすべて、何万カ所になりますね、その膨大な資料を、きょうお出しした資料をまたあしたは訂正せないかぬことになるかもしれません。  また、これにつきまして、それを出した場合、確定しないものを出した場合、地方議会、地方自治体との関係で具体的に、現実に非常に困難な問題が起きることは、聡明な委員でございますから、私は御理解をいただけると思うわけでございます。  なお、今後三、四ですか、分科会がございますね。分科会という場においては、さらに詳細な、各委員からの、ここはどうなんだ、ここはどうなるんだということを含めて御質問があるわけでございまして、そういうことに対して、我々としてはできるだけ、これは資料を出して御説明もいたしたいということは一貫をいたしておるわけでございますから、私は、建設省が委員やこの予算委員会の皆様方に対して非協力的だとか、そういうお言葉をいただくのはまことに心外でございます。
  43. 岩國哲人

    岩國委員 時間のせいもありますから、この点で、この件に関する質問を終えたいと思いますが、亀井建設大臣に、テレビに登場される回数は非常に多いようでありますけれども、こうした国会の論議をないがしろにするような言動はこれからも慎んでいただきたいと思います。  それでなくても、国民政治家に対する信頼、尊敬度は今非常に下がっていることはよく御承知のとおり。それをさらに引きずりおろすような言動というのは、責任ある閣僚としてそのようなことは慎んでいただきたいと思います。  次に、厚生大臣にお伺いいたします。先ほど郵政大臣の方から、厚生大臣の、私は大変すぐれた御意見と伺っておりましたけれども、それに対して、暴言である、このような、内閣の中で全然違った意見が発言されるという点について、我々は驚きもし、そして大変残念に思います。  この点について、厚生大臣は、先ほどの暴言というあの発言に対して、どのように思っておられるか。所感をお願いいたします。
  44. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 私の郵政三事業民営化論は、現職の郵政大臣から暴論と言われましたけれども、これは現在の政界全体がそう受けとめていると私は思っております。しかしながら、いずれ必ず、今は暴論と思われても将来正論になると思って今私は主張を展開しているわけですから、これからも粘り強く私の主張が理解されるように閣僚としても進めていきたい、そう思っております。
  45. 岩國哲人

    岩國委員 大変勇気ある発言を私も尊敬したいと思います。厚生大臣、大変お忙しい日程の中、ありがとうございます。  次に、一般廃棄物の固形燃料化について、最近いろいろな技術が進み、そして、いろいろな地方自治体において取り組みが進んできております。これについて、地方自治体の間には、こうしたいろいろな方法、それからいろいろなメーカーが入り乱れてきておって、そういう中で、厚生省の方で、あるいは政府の方でもっと研究費をしっかりとつけて、すぐれた技術でごみの固形燃料化を進めてはどうかという要望が大変出てきております。これについて、厚生省の取り組みをお伺いしたいと思います。  現に、北海道からあるいは九州に至るまで、大分県の津久見市では、既に固形燃料化の工場は稼働しております。それから、静岡県の御殿場市でも同じように進んでおります。島根県の出雲市でも、そうした固形燃料化の計画は今進みつつあります。  次々と、固形燃料化という方向でもって、ダイオキシンの問題もこれでクリアしながら、そして、自治体のごみ行政、廃棄物処理行政を進めようとしておりますけれども、これについて厚生省の取り組み、そして、本年度予算においてどの程度の予算を計上して取り組んでおられるのか、御答弁をお願いいたします。
  46. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 ごみの固形化というのは、減量という観点からもいいことだし、同時にこの固形化が新たな燃料として消費される、有効利用。いわゆる資源は有限である。資源循環型の社会にしていかなければならない。再生資源化ということを考えても、私は賛成であります。ごみ固形化の施策に向けて、これからも積極的に取り組んでいきたいと思っております。  具体的な予算の数字は、政府委員から説明いたします。
  47. 小野昭雄

    小野(昭)政府委員 ごみの固形燃料化施設についてのお尋ねでございますが、現在七カ所で稼働いたしておりまして、このほかに十カ所程度で建設している、あるいは計画中というふうに聞いております。  なお、お尋ねの平成九年度予算におきますこれに関連する予算額でございますが、十億八千八百万円余を計上いたしているところでございます。
  48. 岩國哲人

    岩國委員 厚生大臣は御存じかどうかわかりませんけれども、今東京都においても、豊島区で二百二十メートルの高い煙突を建てて、そしてごみ処理工場が建設中であります。処理工場、煙突合わせて一千億円。同じような計画が文京区、台東区等々でも進められている。合計十一本の煙突が建つことになっております。  概算、大ざっぱに言いますと一兆一千億円。そうした次々と巨額なお金を投じて、そして東京の青い空を汚していく、こういう古いやり方をこの東京のすぐれた住環境、商業環境の中で続けさせていくということは、大変問題があるのじゃないかと思います。もちろん、東京都には東京都の意見もあるでしょうし、それぞれの区の意見もあろうかと思いますけれども、環境行政という点からいえば、日本中心である東京の中に、このような古いやり方でいつまでも煙突を建て続ける。  これは固形燃料の見本でありますけれども、ごみをこうしたクレヨンのような固形燃料にして、暖房としてあるいは発電所に使おうという計画が進んでいるときに、日本中心であるこの首都において古いやり方がいつまでも続けられている。そして、一兆一千億円の巨額なお金がそれに投じられてしまう。  豊島区では二百二十メートル。すばらしい高い煙突です。なぜ二百二十メートル。隣の区に煙を流すためです。隣の文京区、恐らく二百二十五メートルとくるでしょう。煙を流し返すためです。そして、十一本の高い煙突が東京の空に並び立つ。これは、東京の豊かさの象徴ではなくて、東京の愚かさの象徴だと私は思います。  こうした自治体に対して、中央が余りにも影響力を行使するということは問題だということは一般に言われておりますけれども、しかし悪いことは悪い。自治体によって進んだ取り組みをしているところには積極的に助成を与える。そして、間違ったやり方をしているところがあれば、積極的に国はそういう新しい技術を指導するなりなんなりして、住民の不満あるいは疑問にこたえるべきではないかと思いますが、東京都のこの問題について、答弁をお願いいたします。
  49. 小野昭雄

    小野(昭)政府委員 家庭から出ますいわゆる一般廃棄物処理につきましては、その処理の責任主体は市町村でございます。  その処理方法等につきましては、市町村において慎重な御議論、検討された上で決定をされるわけでございますので、先生の御指摘にございましたように、焼却施設にするのか、再資源化施設をあわせて持つのかといったことは、まず市町村の決定に基本的にゆだねられるものというふうに考えておりますが、ただ、御指摘のようにダイオキシン問題等々、いろいろな問題がごみ処理に関しましてはございます。  そこで、先生先ほど御指摘ございましたように、ごみの固形燃料化施設等、こういった対策に十分資するような施設整備を促進する方策につきましては、私どもも十分留意しながら、市町村の御意見もお伺いしながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  50. 岩國哲人

    岩國委員 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  51. 深谷隆司

    深谷委員長 これにて岩國君の質疑は終了いたしました。  次に、平田米男君。
  52. 平田米男

    ○平田委員 新進党の平田米男でございます。  まず最初に、病院の寝具の問題、病衣の問題をお伺いをさせていただきたいと思います。  日本病院寝具協会をめぐる話はこれまでも出ておるわけでございますが、私、独禁法違反から厚生省がいろいろ対応をされたという経過の中で、今の実態がどうなっているかというのを調査をしてみました。そうしましたところ、もうほとんど改善がなされていないという実態が明らかになったわけでございます。  まず、厚生省の通達は、代行契約ですね、代行保証を「望ましい」という表現に変えたということですが、実態はもうどこもといいますか、国立病院また県あるいは市立のそういう自治体病院も代行保証を必ず要求をする、代行保証がないと病院が受けない、こういうふうに徹底をされているわけでありまして、「望ましい」という表現自体が事実上要求をしているという結果だろうというふうに思いますが、実態はそうでございます。  公立病院に入っておる病院寝具のクリーニングメーカーというのは、業者というのは日本病院寝具協会の会員がまあ圧倒的大多数ということでございますし、また、契約も実際上随意契約で行われている。それで、新規にこの業界に参入をしようとした業者が公立病院にあちこち伺って、最終的には自治体の病院管理課ですか、そこが全体的な対応をしているようでありますが、そこに話をしに行ったら、基本的に、まず入札をしていない、全部随意契約でやっている。それで入札をしてほしいということで要求をしましたら、考えておく、こう言われて、なかなかやってくれないんで改めて頼みに行きましたら、時間がないので、忙しいのでできない、こういう回答をもらってしまったということでございます。  また一生懸命、公的病院がそういう壁が厚いので民間病院の開拓を進めて、これまで協会の業者がやっていた民間病院が新規の業者、すなわち協会に加盟していない業者に変更することが営業活動によってできた。そうしましたら、県から病院に対して、まず変更したか否かの電話がありまして、変更をしたというふうに答えましたら、とにかく県に出てこいということで呼び出しを受けた。そこで県から病院が言われましたことは、まずその業者には代行保証があるのかないのか明らかにせよ。それから、その新規業者はクリーニング所の確認書をちゃんととっているのか。要するに保健所の許可あるいは指定洗濯物取扱認可工場の認可をとっているのか、こういうものを出せというふうに指導をされた。そしてさらに変更届を出せ。今まで毎年契約をしているわけでありますが、毎年どこと契約をしたなどというような届け出もしていないし、ましてその変更届なんか出したことがない、県には変更届の書式さえない。しかし変更届を出せ。しかもその新規の業者には、県から、場合によったらおまえさんのところへ調査に行くぞ、こういう電話さえあったということでございまして、新規の業者には、公的病院は今申し上げたように壁が厚く、そして民間病院に一生懸命やっているとまた県から事実上の圧力を加えられている、こういう実態でございます。  そういう実態を前提にして少しお伺いをさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  まず、今病院寝具は加算点数になっていなくてこれは入院環境料の中に入っているわけでありますが、しかし二年前ですか、二年前までは十七点ということでございます。十七点というと一日百七十円、これを三百六十五日で計算をいたしますと六万二千五十円になるんですね。それで病衣の方は現在も加算点数になっておりますが、これは七点ということで、三百六十五日にしますと二万五千五百五十円ということなんです。  それで業者の方に伺いますと、病院寝具というのは、かけ布団、敷き布団、まくら、それぞれのシーツ、これでワンセットになるわけでありますが、そのものを提供し、レンタルするわけですね、レンタルして、そしてシーツ類、布団類もクリーニングをする、最低一週間に一回はやらなくちゃいけませんよ、こういうことになっているわけであります。そのワンセットの取得価格はどれぐらいですかというと、大体二万円ぐらいだというんですね、二万円。病衣というのは、入院されている皆さんが着られますが、まあ通常二千円か三千円で高くても買えるものですよ。それが、クリーニング代が入っているとはいえ年間で計算いたしますと、病院寝具の場合は、十七点時代には要するに購入価格の三倍にもなっていた、また病衣については十倍ぐらいになっている、こういう実態があるわけであります。  私が見ますには、これは余りにも高い。今度厚生省は医療保険の改正をして、そして患者の負担を拡大をする方向提案をされているわけでございますが、しかし、まさに医療費の一つでありますこういうものが極めて高い。業者は莫大な収益を上げている、病院寝具や病衣を洗濯している業者は莫大な収入を上げている。片っ方で患者負担をまた拡大しますよ。確かに赤字になるから解消しなくちゃいけません。しかし、今回患者負担をふやしてもせいぜい三年ぐらいしかもたないという話でございますが、こういう余りにも高過ぎる、まあ薬剤等の問題もありますが、こんなに問題にされた寝具の問題にさえメスが入っていないんです。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕  それで厚生省に今聞きますと、レクチャーに来ましたお役人は、いや、もう入院環境料の中に入っていますから関係ありませんというような態度なわけであります。しかし、入院環境料に入れたときにきちんと十七点というのは加算されて、大幅に入院環境料は従前よりもふえているわけであります。十七点というのが前提にあった。いや、今では十七点じゃないでしょう、恐らく念頭にあるのは。このような高額の医療費を認めておられる、まずこの根拠を明らかにしていただきたいと思います。
  53. 高木俊明

    ○高木(俊)政府委員 まず基準寝具でありますけれども、これはただいま先生からもお話がございましたように、平成六年の四月にこの加算制度というものが廃止されておるわけであります。  この制度が導入されましたのは、昭和三十三年に現行の診療報酬体系が創設されたわけでありますが、そのときに、旧診療報酬体系の中に既にこの制度がございまして、これが当時三点ということになっておりました。それで、三十三年にこれが創設されましたときにそれが四点ということになりまして、その後平成六年まで、廃止されるまでの間、これは診療報酬改定全体の中で改定が行われてきたわけでありますが、医業経営、病院経営等の実態、それからまた物価や賃金の動向、それからまた保険財政状況、こういったものを総合的に勘案した形で中医協の中で御審議されて、そして点数の改定が行われてきたわけであります。それで平成六年に廃止されるときには十七点ということであったわけでございます。
  54. 平田米男

    ○平田委員 だから、要するに、根拠が明らかじゃないわけですよ、根拠が。昔四点と決めた、じゃ四点と決めたときにどういう根拠で決めたのかと聞いても、今資料がありませんからわかりませんというふうに私にはレクチャーのときは説明がされました。  その後、物価上昇は確かにあります。しかし、合理化もあるし、世間のいろいろな物品は、物価上昇に比例して上がっているものもあれば、ずっとそのままの値段のものもあれば、若干上がったにすぎないものもあるわけです。それにもかかわらず、単に物価上昇に大体合わせて、最近までは十七点、今も恐らくその考えで、そしてそれは、病院寝具は年間六万二千円、購入価格の三倍もかかっている。その分を国民におっつけながら、そして負担がふえますよと言いながら、片っ方ではその業者は丸々と太っている。こんな実態を許しておいて、どうして国民が納得できるんですか。  中医協の責任のような言い方をされますが、これは厚生省が国民負担をふやすという判断をしたならば、まず前提としてこういうところから取り組んでいかなきゃだめですよ。厚生大臣どうですか、これは見直しするお考えはありませんか。
  55. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 今までのいろいろな議論を参考にしながら、あらゆる点を見直していくという方針であります。
  56. 平田米男

    ○平田委員 それはいつまでにお見直しになるお考えですか。
  57. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 それは、与党内でも構造改革を一年以内に結論を出すと言っています、あるいは新たに審議会も設けられます。各般の意見を参考にしながら、できるだけ早い機会に見直していきたいと思っております。
  58. 平田米男

    ○平田委員 そうすると、医療保険の方もそれに合わせて、国民負担を拡大する話もそれに合わせてやっていくというお考えでございますか。
  59. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 医療保険の構造改革の問題も、今与党内で議論を進めていただいております。また、新たに審議会を設置しまして、これも御議論いただくと思います。  そして、これからの医療の構造改革と、今回の医療保険改革法案が成立したとしても構造改革を進めなきゃなりませんから、そういう点も含めて、今後、よりよき制度を目指していろいろな見直しを進めていきたい、そう思っております。
  60. 平田米男

    ○平田委員 それはおかしいので、今回国民に負担を要求しているその医療保険改正を撤回しないとおかしいんじゃないですか。こちらの問題は一年後ですよ、そして国民負担だけは前倒しでお願いします、こんな話は国民は納得しません。大臣がそういうお考えだったら、まずこの医療保険改正を、法案を撤回してください。
  61. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 いろいろな御議論があります。しかし、政府としてこの案をまとめたわけです。政党としてまとめて案を出していただければ柔軟に対応いたします。
  62. 平田米男

    ○平田委員 それは厚生省の極めて怠慢な開き直りの答弁ですよ、こんなのは。こういう問題点があるのに何で切り込まないのか。  じゃ、今までこういうものは検討したんですか、国民に負担をかける前に。何も検討しないで自分たちはきちっとやりましたなんということを言ったって、国民は納得しません。これで今回の医療保険の改正が、まさに反国民的な橋本内閣の象徴的な行動だということがわかるんじゃないですか。  業者は暴利をむさぼっているんですよ。もう六年前から独禁法違反だといって警告を受けているんですよ。それなのに二年間何の検討もしないで、そして医療保険国民負担だけはふやしてくる。二年間、村山内閣、橋本内閣、何をやってきたんですか。おかしいじゃないですか。  どうですか大臣、片っ方で国民にだけ負担をさせて、それで片っ方で医療費の節減をしようとしない。橋本内閣は、質問をいたしますと、全部改革については先送りの話なんですよ。国民負担は前倒しなんですよ。消費税もそうでしょう。  今回の医療保険だってそうじゃないですか。全部前倒しでやっていきます。そうじゃないですか。消費税のときだって、ちゃんと行政改革をやりますというのが前提だったじゃないですか。それをやらないで、やらないでこういうことになっちゃったんじゃないですか。全然着々とは進んでおりません。こういういいかげんな政治をやっていて国民が納得できるはずがないですよ。大臣答弁をどうぞ。
  63. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 それは議論は、政党も違うんですから違っていいと思いますけれども、私は、どのような改革がされようとも、今回、医療保険改革をしている案というのは必要だと思っております。それぞれ患者さんの負担もふえるでしょう。しかしながら、この負担額は、これからどういう改革をされようとも、これを下げるという議論にはならないと思って提出しております。
  64. 平田米男

    ○平田委員 かたくなな橋本内閣の姿勢がまさにかいま見られたわけでありますが、じゃ大臣、布団が三組も買えれる、それから病衣は年間十枚も買えれる、そのぐらいの値段、高いとまず思いませんか。
  65. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 それは改善の指導を行っております。すぐできるとは思っていません。それぞれ審議会にかけなきゃいけない、中医協の意見を聞かなきゃいけない、病院の判断もある、都道府県の判断もある。改善の措置に従って厚生省は指導しております。
  66. 平田米男

    ○平田委員 どうも高いも安いも言えない、言えないということは高いという御認識なんでしょう。  しかし、建設大臣がおられなくなりましたが、幼稚な質問だとかなんとかと言う前に、まず政府は、きちっとした責任ある答弁をしなきゃいかぬですよ。そういう逃げ回るような答弁をしていて、どうして国民のための予算委員会になるんですか。  こればかりやっておりますと時間がありませんので、次に代行保証に入りますけれども、通達では代行保証を事実上要求しています。そして、先ほど申し上げましたように、国立病院また自治体の病院も、業者が行けば代行保証はありますかと言うわけであります。  この代行保証制度を廃止する考えはありませんか。
  67. 谷修一

    ○谷(修)政府委員 先ほど来御議論のございます寝具の代行保証制度でございますが、これは従来、日本病院寝具協会に代行保証をやらせるという形でございましたけれども、平成六年の公正取引委員会からの勧告、警告がございまして、個別の業者による代行保証を認める、あるいは今回新たに複数の洗濯施設を有する事業者と委託契約を結ぶといったような形に改めたところでございます。  ただ、その代行保証そのものにつきましては、病院等におきます寝具類の洗濯業務、そういったものの特殊性にかんがみて、業務の継続性を保つということの一つの方策であるというふうに考えておりまして、このこと自体は全く必要がないというふうには考えておりません。
  68. 平田米男

    ○平田委員 廃止をするお考えがないといいことでございますが、ゼネコンの問題が起きたときに、建設省は、工事完成保証人制度が談合の温床だ、こういうふうに指摘をされまして、すぐにはなかなかやりませんでしたが、工事完成保証人制度は廃止になりまして、今度は履行ボンド制度というのを導入をいたしました。工事完成保証人制度、これをやっている限りは談合はなくならない、談合をやっておる限りは工事費、これが節減できない、こう言われてきているわけでございますが、建設省もそういう努力をしているわけです。  私から見ると、この代行保証制度というのはまさに工事完成保証人制度と類似の制度だ、こう思えてならないわけでありまして、建設省もゼネコンの疑惑があった、それでそのような体制に制度を変えた。  厚生省だけが、独禁法で違反をしているということで警告を受けてもう二年もたっているのに、代行保証制度、これがまさに独禁法違反の温床になったわけでありまして、それをまだ維持している。  これは、独禁法違反をどう考えているのか、こういうことになるわけです。これはぜひとも廃止をしていただきたい。廃止をしない根拠なんかないですよ。橋本内閣は、規制緩和をやると言っているんでしょう。これは、市場原理に任せると言っているわけですよ、言葉をかえれば。  業者に聞きますと、代行保証制度なんか要りませんよ、自由競争にさえすれば、どこかの業者が洗濯ができなくなったら他の業者が飛んでいってすぐやるようになるのが実態ですよと、こう言っておるわけですよ。自由競争を阻害している代行保証制度を今後も維持するなどというのは、橋本内閣の基本方針に反するんじゃないですか。大臣、どうですか。こんな簡単なことを何で廃止できないんですか。
  69. 谷修一

    ○谷(修)政府委員 先ほど申しましたように、今般出しました新しい通知によりまして、つまり、天災あるいは具体的には一番多いのは火災でございますけれども、火災等によって寝具類の洗濯等の業務が滞ることがないような必要な措置をとっておくことが望ましい、その例示として、他の業者との契約を結ぶといったようなことを例示として申し上げております。  したがいまして、具体的に、従来、寝具協会がやっておりました代行保証制度そのものは事実上廃止をされている。また、最終的には、これは医療機関が業者とどういう契約を結ぶかということでございますので、そのことに関して、一般的な考え方として、何らかのそういうバックアップシステムが必要だということは、望ましいということは言っておりますが、いわゆる制度として何かこれが残っているということではないというふうに私は考えております。
  70. 平田米男

    ○平田委員 大臣、こういうお役所でよろしいんですかね、こんなことで。(小泉国務大臣「廃止しているんだよ」と呼ぶ)いや、廃止なんかしてませんよ。大臣の全然認識違いですよ。今、私は、実態調査した上で申し上げているわけですよ。廃止しているなら、こんなことになっていませんよ。入札もしていないし、これが実態ですよ。  だから、六年に協会は独禁法違反で警告を受けているんですよ。でも、その後で出た通達がまさに傑作ですわ。その協会との間で保証契約を結ぶのが望ましいと言っているのですよ。「受託者は社団法人日本病院寝具協会又は個別の業者等による代行保証を確保しておくことが望ましいこと。」と言っているのですよ。従前とどこが違ったんだと言ったら、「個別の業者」を入れたと言っているんですよ。  独禁法違反をして指摘をされた、警告を受けた協会をまた推奨しているんですよ、厚生省が。こういうばかなことをやっているんです。それから指摘されてちょこちょこ変えているけれども、代行保証の枠組みは変わらない。こんな状態はおかしいですよ。
  71. 谷修一

    ○谷(修)政府委員 平成六年の九月に通知を出しました。その後、各方面からの御意見もあり、ことしの二月に改めて通知を出し直しまして、「受託洗濯施設が、天災等により一時的にその業務の遂行が困難となる事態に備え、寝具類の洗濯の業務が滞ることのないよう必要な措置を講じておくことが望ましいこと。なお、この措置としては、複数の事業者又は複数の洗濯施設を有する事業者と業務委託契約を結ぶこと、あらかじめ」「代行契約を結ぶこと等が考えられること。」ということで……(平田委員「だから、代行保証を要求しているじゃないですか」と呼ぶ)先ほど言いましたように、代行、そういうバックアップシステムというものが必要だということでございます。それは、あくまでも個々の医療機関が契約を結ぶに当たって考えるべきということで整理をしたものでございます。
  72. 平田米男

    ○平田委員 だから病院に考えさせればいいじゃないですか、そんなことは一々言わなくても。それが自由競争でしょう。何でおせっかいに厚生省が言わなあかんのですか。お役人が大人で国民が子供だという感覚がいまだに残っているんだよ、これ。いいかげんにしてもらわなくちゃだめですよ。いつまでたってもこんなことをやっていて、こんな代行保証一つも外せないような厚生省で何が規制緩和ですか。何が橋本内閣の行政改革ですか。大臣、いいかげんにしなきやあかんですよ、本当に。
  73. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 病院が患者さんに迷惑をかけないように、衛生水準を向上するようにという趣旨だと私は理解しております。  しかし、今言ったような点も含めて、代行制度はもう協会にはする必要はないということで指導しておりますが、実態的に今のような点があって、それがいろいろな業務に支障が出ているという点があれば、私は再度検討してみたい、そう思っております。
  74. 平田米男

    ○平田委員 大臣、検討じゃなくて、ちゃんと解決してください。  もう時間がないので聞きますが、寝具、いわゆる布団ですね、布団。これは綿布団です。これは洗濯することになっているんですよ。これは本当に洗濯していますか。綿布団をどうやって洗濯しているんですか。  聞くところによると、年一回ぐらい打ち直しというのをやるというんだね、打ち直し。もう布団の打ち直しって、最近、我々、羽毛布団で大体一般国民も寝ておられる方が随分ふえてきましたので、布団の打ち直しというのはなかなか耳にしなくなったのですが、布団の打ち直しをやる。それは何をやるかといったら、古くなった、要するに一年たった寝具を綿だけ出して、これをほぐす。それで悪いところを捨てる。それで新しい綿を入れて、また一塊の綿にして布団にする。これが打ち直しですよ。洗濯じゃないです、これ。  洗濯しろと書いてあるのに洗濯していないんだよ、これ。それで、洗濯をすることが前提になっていて先ほどの点数を認めているんですよ。どうなっているんでしょうか。
  75. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 今お話を聞いていますと、指導しなきゃいけない点と指導する必要のない点、私は実際、どこまで洗濯しているのか、布団の打ち直しがどうなっているのか知りません。しかし、病院として衛生水準の向上を図らなきゃいけない、環境をよくしていくという点について配慮しなきゃいけない点、厚生省としても指導しなきゃいけない点もあるでしょう。同時に、今議員指摘の、指導なんかする必要がないという点もあると思います。その点、よく調べて、検討させていただきたいと思います。
  76. 平田米男

    ○平田委員 昭和三十九年の七月四日に、厚生省の医務局総務課長から都道府県の衛生主管局長あてに文書が出ているのであります、「病院の洗たく施設について」という文書が。  そこの一番目に「委託できる洗たく物の範囲」ということで、伝染病と、それから放射性同位元素による治療を受けた患者以外の患者の用いた布団、入っているんですよ。毛布、それからシーツ、まくら、こういうふうにちゃんと挙げてあります。布団も、洗えないじゃないかというやじがありましたけれども、ちゃんと布団を洗いなさいと書いてある。実際、洗っていないんじゃないですか。洗っていないでずっとやっているんですよ。それでぼろもうけなんですよ。これはちゃんと調査してください。保健所を通じてでもすぐできるはずですから、調査をしてください、大臣
  77. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 これは、結論は調査しますが、今御質問を聞いてみると、病院に対して、あれをやれこれをやれという注文もある。あるいはやってかえって怒られることもある。これはなかなか難しいなと感じました。どこまで厚生省は関与して指導していいのか。指導すると余計な指導だと怒られる、指導しないとこれは指導しろと。この点もよく含めて調査させていただきます。(発言する者あり)
  78. 平田米男

    ○平田委員 ちょっと、私の質問時間をとらないでいただきたい。  大臣、最後は余計なことですが、検査をされるということですから、それでこれ以上言いませんが、社会的規制経済規制というのは別なんですから、それを前提にして私は質問していることを申し上げておきます。  次に、大蔵大臣、ちょっとこれは質問通告を特にしなかったのですが、大変重要な話なんで、きょうの新聞にも出ていたわけでありますが、社民党とさきがけが「平成九年度予算審議終局に当たっての申入れ」というのを、自民党に、また財政運営に当たる政府に、すなわち大蔵省も入っていますね、対して申し入れをされました。それで、ここのまず前文の中に、「平成九年度予算に対する国民の批判は、予算審議終局に至ってもなお厳しいものがあり、」こう指摘をしておいでになります。そして、「国民的不満には率直に応えなければならない。」こういう指摘がありますが、大臣はどのようにお考えですか。
  79. 三塚博

    三塚国務大臣 基本的には社民党の要望、申し入れ、こういうことでございます。これは、与党でありますから丁寧に協議をしなければなりませんし、受け入れられるポイントと、考慮をしなければならない点と、今後検討ということと、この種案件にはあります。  なぜこれを申し上げたかといいますと、ベストなものとして政府案を提案をいたしております。ただいま真剣な論議をいただいておるわけでございます。これを今年度予算に生かすという方法は、自後の執行において、その心、要望を受けとめつつ効率的、むだのないようにこれをやっていくということで御期待に沿うということにできると思います。  この回答を待ってということですが、それはそれとして執行部の方で先にやってもらいます。
  80. 平田米男

    ○平田委員 今私は、どうするかなんてまだ中身まで入っていないのですよ、大臣。これから中身に入るんです。ちょっと先走ってお答えになった。  まず、社民党、さきがけの皆さんの、平成九年度予算に対する国民の批判は予算審議終局に至ってもなお厳しいものがありますよ、国民的不満には率直にこたえなければなりません、こういう御認識へ主張をしておいでになることに対して、大臣はどのように見ておられますか。そのようにやはり国民の批判は厳しい、その不満にはこたえなければならない、こういうふうにお思いなのかどうか、イエスかノーかなんです。どうぞ。
  81. 三塚博

    三塚国務大臣 厳しく受けとめておるところです。
  82. 平田米男

    ○平田委員 じゃ、あれじゃないですか、もう修正するべきじゃないんですか。それだけやはり批判が厳しいとなれば、じゃ、もう国民からこんな、与党の中からもこんなことを言われるような予算、しかも予算を一緒に組んだ人ですよ、そういう方々からこのような声が出るんだったら、予算修正に応ずる、こういう姿勢になるのが今の御認識からいくと当然の帰結かと思いますが、いかがですか。
  83. 三塚博

    三塚国務大臣 いや、厳しく受けとめるということなんです。しかし、かねがね修正の問題が本委員会で各委員から出ました折に、全力を尽くし査定をし、やってきたわけですから、これが現時点における最良、ベストの案でありますから御理解をいただきたい、こう申し上げておるわけでありまして、厳しく受けとめることと、御審議をしていただく、それから今後に対応することというのはまた次元が違う、こういうことであります。
  84. 平田米男

    ○平田委員 これが詭弁なんですよ。(三塚国務大臣「いやいや、正直に言っている」と呼ぶ)これは詭弁というものでして、それは、正直ならちゃんと結論も正直にしなければいかぬです。前段は正直で、私も評価します。しかし、結論がそれはちょっとおかしい。それは、予算の修正に応じられないという与党のメンツ、政府のメンツがあるのでしょうけれども、メンツじゃいかぬですよ。これから行政改革をやろう、規制緩和をやろうというのは、いろいろな抵抗をはねのけて、死に物狂いになって、総理は火だるまとおっしゃいましたが、その決意で頑張っていただかなくちゃいかぬわけですよ。そういうときに、今までやってないこともやる、与野党ともに力を合わせてやるんだったらやるんだ、与党のメンツだ、政府のメンツだじゃないんだ、こういうことを示していくことが大事なんじゃないですか。それが新しい時代政治だと私は思いますよ。  続けて質問いたしますが、具体的にはこういうことをおっしゃっています。まず、九年度の予算の執行を削減しろ。それで、その削減の合意を閣議決定、閣議で合意をしろ、こういうことをおっしゃってみえます。そしてまた、節減の数値目標を設定しなさい。具体的には、公共事業、補助金、防衛費、ODA、これについては国民の厳しい監視にたえ得る徹底した改革と節減を行いなさい、こういう要求をしております。もっともですね。まずこういう具体的な話をしておいでになる。  伺いますと、私ちょっとこれはおかしいなと思うのは、内閣は、憲法八十六条で、予算をちゃんと提出をして、七十三条もありますが、国会の議決を得なくちゃいかぬのですよ。そうして国会の議決を受けたものを、今度は、審議中にですよ、審議中に、これはおかしいから執行を少し待とう、節減をしようなどというのは、予算提出権を持っている内閣の責任放棄ですよ。いいですか、内閣は、予算案を国会に提出する権利がある。提出権もあるけれども、義務もあるんだ、義務も。その義務というのは、国会にきちんと承認をしてもらえる内容の案を提出する義務があるんです。数の横暴で通すような案ではだめなんです。国民が納得できる案でなければいけないんです。与党の中からも中身を変えろ、こういうような案、要求が出ているような予算案を出したということは、これは義務の懈怠ですよ。怠慢だ。それを与党の中で認めたということですよ。まずそれが一点。  それからもう一つは、いいですか、もう一つは、まずそんな合意ができたら、一体予算委員会の予算審議は何なんだ、国会の議決は一体何なんだということになるわけであります。いいですか、そんな政党の談合で国なんか動かしてはいけませんよ。法治国家ですよ。国会で予算を……(発言する者あり)
  85. 小里貞利

    ○小里委員長代理 静粛に願います。
  86. 平田米男

    ○平田委員 予算を決めたら誠実にそれを執行しなければならないと内閣の責任の第一番に書いてあるじゃないですか。法律も予算もきちっと執行しなくちゃいけないんです。それを与党の中で、予算案が成立した後、執行についてはいろいろまた考え直そう、こんなばかな話はないですよ。ばかな話じゃないですか。そういうお考えは大蔵大臣にはよもやないでしょうね。
  87. 三塚博

    三塚国務大臣 せっかくの修正案についても、御勘弁くださいと申し上げているわけです。ベストなものを提出をいたしたわけでございますから、御審議の上、意見意見としてお聞かせをいただく、相当お聞きしてまいりましたけれども。そういう中で、社民党、与党として申し入れが出てきているわけでございますが、いずれも、成立後、簡素化、節減等ということであります。しかし、箇所づけは明確にしながら、また政策目的に従って予算を計上いたしておりますから、計上し、承認をいただいた以上、それを誠実に実行するということは、これまた当然のことであります。  ただ、一点、歳出削減が平成九年度少ないのではないか、こういう御批判も多々いただいておるところでございますから、執行面において何か工夫がないかということで出てきておりますのは、コスト削減について、三月末までにそれぞれの分野に検討を加えられて結論を得ることといたしております。経常費の節減というのは毎回やっておるわけであります。財政窮乏の折から、赤字国債を調達をしながら予算編成をやっておる現実にかんがみまして、行政費の節減、経常費でございます、光熱水費初め食糧費その他等々ということでありますから、削減は削減として、そういうことで毎年度、昨今、ここ数年やってきておりますから、これはこれとして取り組みますけれども、基本的に、成立をいたしましたら決めました項目は誠実に実行する、こういうことであります。
  88. 平田米男

    ○平田委員 公共事業、補助金、それからODA、防衛費、これもその経常経費の節減の中に入るというお考えなんですか。
  89. 三塚博

    三塚国務大臣 それはきちっと決まっておりますから。積み上げ方式で決められて査定をし、決定をしておるということで、これはこれとして精いっぱいの削減をかけて、政策目的がぎりぎりいっぱいこれならば成功できるな、こういって決定をいたしております。  ここに書いておることは、平成十年度に向けて、概算要求に向けて、そして本年年末の予算決定に向けてしっかり頑張れ、私はそう受けとめておるのです。
  90. 平田米男

    ○平田委員 社民党さんは、平成九年度の予算、これを問題にしているのですよ。大臣の十年度の話じゃないですよ。今全然説明がなってないじゃないですか。私は、経常経費の中に入るのですかと。主計局長、答えてください。
  91. 小村武

    ○小村政府委員 一般論として予算を執行段階で削減することができるかという点から御答弁申し上げたいと思いますが、歳出予算は、国会が内閣に対して議決の金額の範囲内で予算を執行する権限を与えるというものでございます。これは、委員指摘の憲法八十五条等においてもそういう趣旨の規定がございます。このことから、内閣が成立した歳出予算の内容を大きく変更するとか執行を行わないということは許されるものではございませんが、内閣が個々の事例に即して、その国会の議決の趣旨を損なわない範囲で予算執行を調整をするということは、これまでもかつて総需要抑制策とかいろいろな形で行われた事例がございます。
  92. 平田米男

    ○平田委員 では主計局長に聞きますが、こういう予算審議の最中に、数値目標を決めて、そして全般的な削減をするということまで許されるという御判断ですか。今までの凍結の問題というのは、各党が話し合って、各党合意のもとで凍結されたという例はありますよ。予算はそのまま通して、与党の中だけで話し合って、そして削減の数値目標を決めて全般的な削減をするというのはこれまでにない話です。それも主計局としては可能だという考え方ですか。
  93. 小村武

    ○小村政府委員 大臣からお答えを申し上げましたように、ただいま御提案している予算がベストのものとして御議論をいただいているところでございます。
  94. 平田米男

    ○平田委員 お答えがないということは、できないという判断です。大蔵大臣、できないという判断です。それでよろしいですね。
  95. 三塚博

    三塚国務大臣 大体理解していただいたと思うのですけれども、上限を決めるわけですから。しかし、積み上げの中で査定をし、これを決定をし、提案をいたしておるという厳然たる事実がございます。  同時に、与党という立場の中で、党内論議を踏まえながら申し入れをしてくるということは当然であろうと思うのです。それをまた自由民主党がそのまま受けとめる、そして大蔵省に本問題が提示をされる、まだ提示されませんけれども、書類を取得をした段階で。提示を受けたら、そこでただいまの論議を踏まえながら申し上げていく、こういうことであります。
  96. 平田米男

    ○平田委員 今回の問題は、極めて私は重大だと思うのですよ。予算委員会あるいは国会の予算審議権を侵害する話ですよ。主計局長も、明言は避けられましたが、そういう予算審議の最中に予算の内容を全般的に削減しようなどというような、そんなことはできないと。これは当たり前ですよ。そうしたらもう国会は要らないのですから。上限を決めるだけだ、あとそれを執行するかしないかは政府の自由裁量ですよ、そんな話もないですよ。予算は決められたら誠実に執行しなければいけないわけですよ。それが、与党内のまさに談合で、予算審議権をそっちのけにして、国会を無視して合意をしようなどというのは私は許されない。総務庁長官、どうですか。
  97. 武藤嘉文

    武藤国務大臣 内閣は、先ほどの話で、予算を提出をして審議を願うわけでございますし、当然その編成をした内閣はその予算がベストであるという考え方で提案をしていると思います。  それ以上のことは私の立場からとやかく申し上げるというわけにもいかない。これは大蔵大臣の所管でございますし、総理自身の、内閣全体の問題でございますから。やはり内閣としてはそのベストのものを御審議をいただき、でき得るならばそのまま通していただきたいというのが私は内閣の姿勢だと思っております。
  98. 平田米男

    ○平田委員 これは憲法にも反するような重大問題だということを警告を申し上げて、次の質問に移ります。  厚生大臣、年金資金の預託金利の引き下げの問題で、大臣が大変頑張っておいでになると私は評価をして申し上げているわけでございますが、預託金利の引き下げを、大蔵大臣から要請があったけれども拒否をしておいでになる。預託金利は、毎月の国債の利回り、これを基準にして決めてきた、これは慣行のようでございますが三月債が一月債よりも〇・一%低下したので、大蔵省としては、現行二・九%の預託金利利率を二・七五に引き下げてくれないか、こういう打診をしてきているということでありますが、拒否されているという報道でございますが、それでよろしいでしょうか。
  99. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 それは事実であります。
  100. 平田米男

    ○平田委員 この拒否された理由ですね。私は、年金資金の問題、郵貯の問題、こういうもののあり方と大きく関係があるのではないか、このように推測をしておるのですが、拒否された理由、まだそういうものとの関係がどういうふうにあるのか、御説明をいただければと思います。
  101. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 そもそも、資金運用部に年金と郵貯と簡保を一緒に預かって一緒に統合運用している制度が私はおかしいと思っているのです。大事な年金のお金、郵便貯金お金、簡保のお金国民お金ですから、これを有利確実に運用しなきゃならないのが財政投融資制度基本であります。にもかかわらず、財投の実態を見ると、全然有利に運用されていない。確実なのかというと、国民が税金で負担してくれれば確実なだけであります。  そういう実態を見て、預託金利が高ければ高いで、また問題があると思います。というのは、出口の国民金融公庫とか住宅金融公庫の金利を高くしなきゃなりませんから、それは貸す方は不便だ。低くすれば、それは住宅金融公庫の金利も低くて貸し出せます。しかし、高どまりしていれば、住宅金融公庫の金利を低くすれば、結局一般会計で負担しなきゃならない。財投の出口の方では、一般会計で負担しているのは結構ありますね。本来低ければ低いほどいいと思うのでありますが、そうすると、年金を預けている人はどうなのか。有利運用できない。本来、郵貯も簡保も国家の信用を背景にしていますから、金利は一番低くていいのです。そうすれば、出口の住宅金融公庫、道路公団、何でも貸出金利を低く貸し出すことができる。  ところが、それは、郵貯は金利が、預けている人は金利が高い方がいいから、預託金利を高く要求する。貸す方は低い方から。知らないうちに一般国民は税金で負担させられたのであって、知らないツケが回ってくる。これをどうするかというのが、今財政投融資制度改革行政改革財政構造改革基本でしょう。そこに目をつぶってはいけない。  たまたま年金を担当している大臣として、年金を預かっている大臣として、年金の資産が不利に運用されるというのは、これは軽々にオーケーするわけにはいかぬ。しかも、年金と郵貯、簡保が一緒に統合運用している矛盾をつく絶好のチャンスだと思って、私は、これは軽々にはオーケーしない。大蔵省が下げてくれと言ってきても、これは承知しない。根本的な、財政投融資制度の根幹にかかわる問題だからもっと議論すべきだということで、反対しているわけであります。
  102. 平田米男

    ○平田委員 大変明確な御答弁を、先ほどとは大分違って明確な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  大蔵大臣、御要求されているのですが拒否されておりますが、これはどういうふうにお考えですか。
  103. 三塚博

    三塚国務大臣 拒否されたと私は受けとめていないのです。これは、事の次第と、今日における財政投融資資金、小泉大臣言われましたとおり、有利かつ確実に運用してまいりますというのは、預金をしていただいた国民各位に対する最大の政府の責任、また法律でそう明示をされております。  五・五の約定で年金はお預かりをいたしております。既に再計算のとき決められましたときは、物価スライド二%を決めておりましたから、三・五プラス二%、五・五という約定であります。ところが、昨今、マイナスでありまして、物価は安定をいたしております。(平田委員「短くしてください」と呼ぶ)こういうことで、確実有利はそのとおりであります。  短くしろと言うので、じゃ、結論に入りますが、本件は、そういうことで有利運用をして、責任を果たしておるということでございます。よって、財政金融制度のあり方は、真剣に今懇談会を設け議論をいたしておるところでございまして、国の制度の中で不変なものはございません。そういうものは、世の中の進運に合わせまして、国論の帰するところにそんたくをしながら合わせていくというのも行政改革基本でありますので、今日ただいまはそういうことで、同じ閣内ですから、小泉理論は、もう同じグループですから、頭の方から全身に受けとめておりますことでありますので、今後に対応します。     〔小里委員長代理退席、委員長着席
  104. 平田米男

    ○平田委員 同じ党だとは思えないような両大臣の御発言でございますが、先ほどの郵政大臣の御答弁もございましたが、どうも橋本内閣というのは閣内ではきちっと議論していない、そういう感じがしてなりません。  厚生大臣の、年金は五・五%を保証しているわけでありまして、それを二・七五で回せ、こういうことを大蔵省から要求されるなどというのは、それはけしからぬ、これは当然の御判断だろうと思うのです。  きのうの予算委員会では、厚生年金基金の運用規制を撤廃する方向でという御答弁があったようでありますが、基金だけではなくて年金資金そのものもやはり自主運用をして、もっと高利回りの、きちっと五・五%を保証するのだったら五・五%を保証できる、そういう運用を、また役人がやるのじゃなくて、民間の力をかりてきちっとやっていく、私はこういう姿勢がぜひとも必要だというふうに思っております。  まず厚生大臣、この点、どういうお考えでございましょうか。
  105. 小泉純一郎

    ○小泉国務大臣 先ほど答弁いたしましたように、年金の自主運用が必要だ。現在時点においては五・五%の利回りを確保するというのはとても難しい状況でありますけれども、一緒に郵貯、簡保資金と財政投融資に預けて、有利に運用されるとは思えませんから、私は年金の自主運用を主張しております。これからも主張していきます。要求していきます。
  106. 平田米男

    ○平田委員 大蔵大臣また総務庁長官、今厚生大臣がそのような御発言をされましたが、それを受けて、御答弁いただけますか。
  107. 三塚博

    三塚国務大臣 有利運用については、ただいま理財がやっておるのが私はベストだと思っているのです。これだけ激変の強い経済状況、金利の動向定まらぬ諸状況の中で、ただいま二・八を保証させていただき、同時に二・八で、利ざやを稼がず、財投資金として運用をいたしておるわけでございますから、有利かつ安全という意味では、定期で〇・七五とか〇・五というのがあるわけですね、一%とか。  そういう中で二・八ですから、これの根拠は、利付国債十年物の利子とイコールして決めさせていただくということで、大事なお金ですから、これはこれとしてやらせていただいておる。財政金融政策との違いはまた別で、検討は検討として別に進めておるところでありまして、本来の預託金の運用、今二・八と言いましたが、了承をいただきますと二・八であるので、ただいま二・九であります。そういうことで御理解をいただければと思います。
  108. 武藤嘉文

    武藤国務大臣 私は、行政改革という立場からいろいろと特殊法人の問題その他を今議論しておる最中でございまして、そういう観点から御答弁させていただきますと、当然財投の出口と入口の問題、これは関連してくるわけでございます。  そうなってくると、その入口である今お話しの点についてはどうかということになりますと、外為法も今度はなくなるわけでございますから、お金世界的に自由になってくる。そういう中で、果たして日本の国内だけで特定の金利を維持していくことができるかどうかということは、私は、必ずそういう現象はあらわれてくるのではなかろうか。そういう観点から、この財政投融資のいわゆる入口の方の議論も当然、私ども関連あるものとして議論をしていかなければならぬと思っております。
  109. 平田米男

    ○平田委員 この問題はもう今現実に起きている問題なわけですよ。それで、内閣の中で拒否した、拒否されていないと、総務庁長官は長い目でこれから議論をするのだと、これでは国民はどうなっているのかさっぱりわかりません。  これは、内閣できちっとした方針をここ一日二日の間に出してください。そうでなければ予算の採決なんかできませんよ。大蔵大臣、御答弁いただけますか。
  110. 三塚博

    三塚国務大臣 努力をして御期待にこたえたいと思います。
  111. 平田米男

    ○平田委員 では、内閣不統一ばかりですから、ぜひ、不統一の内閣は国民は困るわけですので。個々の大臣の考え方は、それは結構ですよ。  先ほども、本当に見苦しい、奥田委員からの質問に対する両大臣の言い合いがあったような気がして、暴言などという、他の大臣が発言したことを同僚大臣がそのように評価をするなどというのは、私は前代未聞だと思うのですよ。これだけで辞任ものです。  郵政大臣、お越しになっておられますが、郵貯の話は先ほどもう奥田委員がされましたから、私は重ねていたしませんが、先ほど暴言だとおっしゃられましたこと、これは取り消されますか。
  112. 堀之内久男

    ○堀之内国務大臣 先ほどの答弁で、ただいま御指摘の暴言というのは行き過ぎだと思いますので、訂正をいたします。
  113. 平田米男

    ○平田委員 今取り消されましたが、この予算委員会で私ずっと見ておりまして、アルツハイマー発言を初めとして、それから幼稚発言ですね、特定の大臣に集中している嫌いもありますが、本当に、今までの国会の論戦の中での発言あるいは大臣としての私的な発言も含めて、もっと品位があったと思うのですよ。それがどういうわけかこういうことになってしまっているというのは、私は橋本内閣全体的に御反省いただかないといかぬと思うのですよ。  それは、批判は結構ですよ。だけれども、言葉をやはり、大臣たる者は一国を代表して海外へ行かれるわけですから。その方が国内でこういう言葉遣いをしているというのは、これは国全体の品位を汚すわけですよ。これは与党野党関係ないです。極めて恥ずかしい。そうお思いになりますか。うなずいておいでになるので、そう皆さん思っておいでになるのでしょうけれども。  私も、野党ではありますが、国民を代表してこの国会、与党野党ともに立場は違えど国民に対して責任を果たす、また、海外に対しても国としてのきちっとした機能を示していく、これは同じ決意ですよ。選挙では小選挙区になったので大変な厳しい戦いをしたけれども、それをぱっと切りかえていくのがまた政治家じゃないですか。それをいつまでも何か引きずっているような国会論戦、しかも一番品位を示していかなければならない大臣の発言、行動、私は、これを国民は決して満足しているものではない、いや恥ずかしいと。ますます政治不信ですよ。  どなたか代表して御答弁されますか。何か建設大臣が手を挙げておいでになりますが。
  114. 三塚博

    三塚国務大臣 国会論議は、まさにこの国の現在と展望をかけて論議が行われる。また、国民生活の安定、特に弱い立場にあられる方々に対して最大限の愛情を注ぎながら、その中で対応をしていく。また、頑張り抜いてもこの変革の中で到底頑張り切れない一次産業、二次産業、そこにきちっとした問題をやる。こういうことでありますから、ただいまの御提言を踏まえながらさらに全力を尽くして職務を果たしてまいる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
  115. 平田米男

    ○平田委員 総理ではありませんが、大蔵大臣が代表してお答えいただいたと私は思いますが、あちらの方で大きな声で手を挙げておられる方もおいでになりますけれども、本当にきちっとした態度をとっていただきたい。本当に情けない、そういう思いでございます。  では、次の質問に移りたいと思いますが、これは規制緩和の話です。事は非常に細かい話なのですが、私は大変重要だと思って取り上げさせていただきました。  今度、不動産特定共同事業法の一部改正法案が建設省から出てくるわけでございますが、そこの中で、何でこんなことをやっているのだろうというふうに思うところを、まず二点指摘をしておきたいと思います。  不動産共同投資事業というのは一体何なのかというのがわからない方もおいでになるかと思います。要するに、大きな不動産事業、これはディベロッパーがやるわけでありますが、以前は、銀行からディベロッパーが借金をして、そして自前の開発をして、そこにテナントを入れてテナント料をもらって、そして融資金の元利を返済していく、こういうことで事業をやっていたわけでありますが、これだと返済するまでに二十年あるいはそれ以上かかってしまうということで、ディベロッパーとしてもなかなか次から次へと新規の事業をやっていけない。  これは、民間主導の社会資本整備、こういうものも遅滞させる大きな原因になっているわけでありますし、また、景気の回復という視点からしますと、もっとこういうあたりがいろいろな民間活力を使って事業を展開してもらいたい、そういうことからすると何か知恵を出さなくてはいけないということで、一つのプロジェクトでディベロッパーが建てたものを小口に投資家に販売をして、そして一定の利回りがつくような、そういうメリットのある商品にして販売をすることによって、銀行からの融資ではなくて直接投資家から、すなわち、普通は投資家銀行に預金をして銀行から融資を受けるのですから間接金融なわけでありますが、投資家から直接融資を受けるわけですから、これは直接金融ですね。そういうふうに転換をして事業をどんどん進めていく。これは、ディベロッパーも自分のところのリスク負担が相当軽減されますから次から次へと事業展開ができますし、また、巨額なものも可能になっていく、そういう展望を持って二年前につくった法律でございますが、これががんじがらめの規制に遭っておるわけです。  最初は建設省所管でずっとやっていたのですが、いよいよ法案を出すときに大蔵省大蔵省の共管にしてくれといって、大蔵省と建設省の共管になりました。私はこの法案の成立に、当時建設委員会の理事もやっておりまして、推進をした一人でございます。与野党ともに推進をしたわけでございますが、しかし、出てきたものは、政令、省令だけではなくて通達でがんじがらめの規制をやっている。  先ほど申し上げましたように、小口で出資持ち分を皆さん持っていただいて、それで銀行利回りと同等あるいはそれ以上の利回りを得て、場合によったらそれを現金化することが容易にできるというようなシステムにしないといけないはずなのですね。そうしなければこの法律をつくった意味がない。  にもかかわらず規制ががんじがらめというのは、まず一つは、その出資額が、金銭で出資をする場合は一億円以上でなければいけませんよという規定になっているんですよ。一般国民で一億円もの現金出資なんてする人は、まあできませんわ、あり得ませんわ、よっぽどのお金持ち。  しかも、その出資持ち分を理事長以外の第三者へ売っちゃいけませんよ、こういうことになっているんですよ。理事長というのは、出資者が匿名組合とか無名組合をつくって、そしてその代表者として全体の事業を執行する、その中心者を理事長というのですが、要するに事業の中心的な責任者、その人だけに売ってもいいけれども、要するに買い戻しみたいなものですが、買い戻しは認めるけれども、第三者に転々譲渡させることはだめだというわけですよ。  つとにもう皆さん御承知のとおり、日本は間接金融でずっとやってきました。しかし、もう直接金融時代だ。また、千二百兆円もの個人金融資産をどう回していくのか。銀行という細いパイプでは、不良債権を抱えて身動きできない銀行だけでは、本当にこの千二百兆円の血液が回っていかない。だから、これをいかに回すか、こういう大議論がされているわけですよ。その切り札として、まさにこの不動産特定事業をやるべきだ。今までは法律がなかったのでいろいろなトラブルが起きた。しかし、起きないようにきちっとやろう、こういうことでつくったんです。  私は、正確な表現ではありませんが、これは一体何かというと、基本的にプロジェクトごとの担保つき社債なんですよ、プロジェクトごと。会社全財産を担保にする社債というのは今までもありましたね。工場だけを担保にするという社債もありますが、要するに、ディベロッパーがこれをやろう。例えばショッピングセンターをやる、あるいは一つの町までつくっちゃう、ショッピングタウンですね、そういうものをつくって、そしてそれを販売するわけですが、その一つのプロジェクトを担保にした社債みたいなものなんですよ。  だから、それを有価証券にして、その出資持ち分は本来転々と譲渡させる。ドイツなどは、それは五兆円の市場があると言われているわけですよ。日本だったら十兆や十五兆すぐになってもおかしくないんです。千二百兆円の個人金融資産を動かすには、今恐らくこれしかないだろうと言われている。公共事業をやるんだとか政府はおっしゃっていますが、その前に、民間のこういう金がスムーズに動くようにしてもらわないといかぬ。それを、法律でもない、政令でもない、省令でもなくて通達で規制しているんですよ。こんなばかな話はない。  片っ方で、現物出資、一たん融資を受けてその物を買って、それでその全体的な事業者にそれを提供する場合は一口五百万円でいいですよという規定になっている。しかし、それをやるためには、一たん出資者に不動産の名義変更をしないといかぬ。名義変更をするためには登録免許税、登記をしなきゃいかぬですから。不動産取得税がかかる。そういう負担をした場合は五百万円でいいですよ、一口五百万円ですよ。そうじゃなくて、直接現金を出資した場合は一億円以上でなければならないですよ。何でこんな、五百万と一億で二十倍もの差をつけないといかぬのですか。片っ方、五百万出資の場合は税金の負担が重い。だれもやろうとしないですよ。利回りもなくなりますよ。こういうことを通達でやっているんですよ。これは大蔵省がやっているんですよ。いや、建設省共管だと言われるから建設省も仲間なのかもしれませんが、どうも建設省よりも大蔵省なんです。  それで、よう聞いてみると、金融制度改革をやるからこういう金融商品は今はやらせないんだ、こういう考え方のようですわ、新規のものは。じゃ、何で二年前に法律をつくったんだという話ですよ。さっきの予算と一緒ですわ、予算はつくっておいて執行は別だという。こういうばかなことをやっとっちゃ、橋本内閣の本当にメッキがどんどんはげていくわけです。そもそも通達などで、課長でも通達を出されるんですよ。そんな程度で、一番重要な首根っこをぐっと押さえてしまう。  私は、法律ができて、あと政令等の附属の法令をつくるときに言ったのは、もう市場原理に任せなさい、こんなのは担保つき社債だから監査をきちっとやればいいんだ、政府が出ていってあれこれ規制をする必要はないんだ、監査をきちっとやればいい、要するに会社の監査役と一緒だ、会計監査は公認会計士にやらせる、あるいは法律上の問題点は弁護士にきちっと監査をさせる、そういうシステムをつくれば、そんなお役所が出てこなくたって市場原理のままにうまくいくはずですよというアドバイスまでしたんですが、もうがんじがらめ、時代に逆行する規制をしてしまいました。  大臣、余り御存じなかったのかもしれませんが、役所はこんなことをやっているんです、大臣の目を盗んで。  大臣、これは本当に私は、与党野党立場は違いますが、この景気をどうするのか、千二百兆円の金を回すしかないんだ、これはどの学者も口をそろえているわけですよ。政治家もほとんどがそういう認識ですよ。そのときに、今これ以外に何が切り札があるんだ、ないんですよ。民間の資金を使って社会資本整備もできるんです。  そして、もう一つこれに言わなければならないのは、最近新しい土地政策要綱が発表されましたね、総合土地政策要綱。土地利用の促進だ、こういうふうに大きく打ち出されました。  私は、この不動産共同投資事業は、土地を買ってやったら絶対失敗する。なぜならば、まだ下がっちゃうかもしれないから。キャピタルゲインどころじゃなくて、損失の方が拡大してしまう。だから、やるんだったら土地は定期借地権でやらなくちゃいけませんよ。ディベロッパーも、まさにそうです、こうおっしゃっているんですが、だけれども、これがまた大蔵省が大きな壁になっているんですよ。  地主さんが土地を提供しますよといって土地を提供して、いざ相続になった、相続になったら、普通の賃貸借だったら底地の相続税評価は五割以下ですよ。それなのに定期借地権だと八割だというんですよ、八割。しかも五十年間返ってこないんですよ、定期借地権は基本的に。まあ二十年というのもありますし、もっと短いのもないわけじゃありませんが、一般的借地権は五十年ですよ。一般的借地権、五十年で八割の底地評価を認めるわけです。これでは地主さん、こんなもの提供して、相続が始まったらだれも買ってくれない。相続税はどかっと来る。こんなことでは定期借地権などというのはだれもやろうとしないですよ。  じゃ、今までの普通賃貸借はどうなのかといったら、御存じのとおり、今までの普通賃貸借は法定更新というのがあるから、期限を決めておいてもどんどん期限延長されちゃうから、いつ返ってくるかわからない。そのデメリットを回避するために定期借地権というのを設けた。設けたら今度大蔵省が出てきて、税金でがんじがらめにして使わせないようにしている。大蔵省というのは一体何を考えているんですか、ここは。財政再建だとかなんとかと言いながら、景気回復だとかなんとかと言いながら、実際上切り札は全部絞り上げているんじゃないですか、使わせないようにしているんじゃないんですか。  大蔵大臣、御存じなかったですか、この話も。なかったと思いますね、そのお顔の御表情では。(発言する者あり)ああ、そうでしたね。  こういうやり方をやっていたら、橋本内閣はいつまでたっても言葉だけです。目の前のことをやろうとしないんです。通達を廃止してください、これは。それから、定期借地権は、これは国税庁の取り扱いでしかありませんから、これも直してください。普通賃貸借よりももっと安くなってしかるべきですよ、五十年間拘束されるんですから。そして、普通賃貸借の場合は二十年で評価するわけですから、基本的に。  ぜひこれは、お役人の答弁ですと従来の答弁しかありません、政治家の論議をしましょう、大臣官僚が壁になっているんです、規制緩和とか行政改革というのは。それを打ち破ろうとするときに、官僚答弁していて、どうして打ち破ることができるんですか。(三塚国務大臣「言い分を聞いて、私言いますから」と呼ぶ)そうですが。
  116. 小鷲茂

    ○小鷲政府委員 この法律を私どもから提案をさせていただいた経緯がございますので、私の方から状況について御説明させていただきたいと思います。  ただいま、具体的には出資単位と譲渡制限を例に出しまして、不動産特定共同事業ががんじがらめである、健全な町づくりに対する善良な投資がなかなか進まないという御指摘がございましたけれども、これは、先生既に立法当初からこの内容については詳しく御審議いただいておりますので十分おわかりと思いますが、実は、この法律ができた背景には、当時、不動産投資事業というのが現にございまして、投資の回収が困難に陥っていろいろな社会的なトラブルがあちこちで発生をしてきた、こういう状況がございます。したがいまして、これをただ放置するわけにはいかないのではないかということで、当時既に規制緩和ということが大きな政策課題であった中におきまして、規制をせざるを得ない、こういう判断のもとに一定の規制をさせていただいたわけでございます。  具体的に、ただいま申されました出資単位でございますが、金銭出資と現物出資とでかなり大きな差がございます。金銭出資につきましては、実は、この法律ができる前に、既にさまざまな金融商品がございまして、それにつきまして同様の出資単位が設けられておりますので、そういった全体のバランスを考えて、御指摘のありましたように、原則一億、ただし資本金十億以上の大企業が事業者になります場合には一千万円まで引き下げることができるということにいたしております。  ところで、不動産を出資するという形態はこれまでございませんでしたので、その出資単位をどうするかという際に、やはり取引の実態を見る必要があろうかということで調べましたところ、大体五百万から一千万ぐらいの投資単位が中心になっておるということで、現物出資の場合には、したがいまして五百万という限度を設けた次第でございます。  それからまた、これらの規制を省令なり通達でやっておるというお話でございますが、ただいま申し上げました立法の過程で、なるべく事業規制は少なくしていった方がいいのではないか、こういう御議論がございまして、確かに弱者救済あるいは投資者保護という社会的な要請も大事ではあるけれども、反面、事業者に対する規制でございますから、そこのバランスを、その時々の社会情勢を見ながらうまく判断していく必要がある、こういう大変重要な御指摘がございまして、私どももそのように理解をいたしているわけでございます。したがいまして、将来弾力的にその辺につきましては運用をさせていただく必要があろうかと思っておりまして、そういう意味から、省令なり通達で将来に備えて多少弾力的に考慮ができるような仕組みにさせていただいているというふうに御理解をいただきたいというふうに思う次第でございます。  なお、御指摘のような趣旨を踏まえまして、今国会で一部法改正をお願いいたしておりますが、それは、投資経験の豊富でありまするいわゆる機関投資家につきましては一部自己責任の領域を拡大してもよかろうということで、そういう趣旨からの法改正をお願いしておる次第でございますので、よろしく御審議賜りたいと存じます。  それから、定期借地権についてのお話がございましたけれども、これは技術的な問題がございまして、定期借地権つきの底地を取引するという取引実例が今までございません。したがいまして、これをどう評価するかということは技術的に大変難しい話になっております。現在は八割ということになっておりますが、これは、普通の借地権をどういう評価をするかということを例にとりまして、とりあえず八割ということにいたしているわけでございますが、将来、取引実例を踏まえまして、それに合わせた適正な評価をしていくということにつきまして税務当局も御理解をいただいておりますので、なるべく早くそういう実例を踏まえた適正な評価ができるように努力いたしたいと考えております。
  117. 堀田隆夫

    ○堀田政府委員 定期借地権が設定されております底地の評価につきましてでございますけれども、先生から御指摘ございましたように、私ども、相続税法の規定に基づきまして、財産評価基本通達というもので定めてやっております。  内容につきましては、今の建設省の答弁とダブりますので詳細は省略いたしますけれども、原則として、課税時期における更地の価格から定期借地権の価格を控除して評価する。普通の借地権と同じでございます。その際に、この定期借地権をどう評価するかということにつきましては、課税時期において借地人に帰属する経済的利益及びその存続期間をもととして評価する。  ただ、仮にこの定期借地権の価格がゼロの場合であっても、今建設省が申しておりましたように、最大限二〇%相当額を底地の評価から減額するというシステムになっておりまして、これは、まだこの定期借地権が創設されて日の浅い段階で、実際に権利の取引実態的な評価も確立していないという状況でございますので、現段階で私どもこれ以外の評価はあり得ないと思っておりますけれども、今後、その普及定着の実態をさらに見きわめていきたいと思っております。
  118. 三塚博

    三塚国務大臣 よく今、事柄がわかりました。しかし、ちょっと不透明なところもありますから、一番効果的に立法の趣旨に沿っていけるためには何か、私なりに勉強し、また御報告を申し上げます。
  119. 平田米男

    ○平田委員 建設大臣も所管のことでございまして、建設大臣はよくこの件は御存じかというふうに思いますが、私の申し上げている趣旨も御理解いただいているんじゃないかと思いますから、もし御発言がありましたら、短目にお願いします。
  120. 亀井静香

    ○亀井国務大臣 短くやりますが、まず、先ほど委員から、私に対して厳しい御批判がございました。私は委員ほどの人品骨柄、そんな上等だとは思ってはおりませんけれども、ただ、幼稚という言葉とかアルツハイマーという言葉が、私は品性が落ちる言葉だとは全然思っておりません。  まずこのことを申し上げまして、今の委員からの御質問でございますけれども、私は、委員指摘されておりますように、この経済をどう活性化をしていくか、そういう観点から千二百兆をどう活用していくか、それがポイントであるという認識においては全く同じでございます。そういう意味で、委員先ほど御指摘の、今国会へ出しております法律を含めまして、それがいかに有効に機能するかということでなければ意味がありません。そういう面で、そうしたこの税制を含めてのいろいろな規制が目的に合った形で整理をされていきますように、私自身も今後細かく見ていくつもりでございます。
  121. 平田米男

    ○平田委員 総務庁長官、これだけじゃなくて、通達でもうあらゆる規制をやっているわけですよ。それは法律に基づく許認可権は一万程度かもしれませんが、この通達というのがくせ者でございまして、しかも、国会を通してないわけですよ。政令でも省令でもない、こういうもので規制をやっていることに対してやはり総務庁としてメスを入れないと、本当の規制緩和にならないというふうに思います。  その点についてどのようにお考えなのかというのが一点と、先ほどちょっと聞き逃しましたが、財投の問題ですね。これはどこで議論をされ、いつごろまでに結論を出される問題なのか。長期的に、中期的に見るのだという御答弁でございましたが、その点について明確に御答弁をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  122. 武藤嘉文

    武藤国務大臣 私、個人的にも、正直、日本の行政の中で余りにも通達が多過ぎるということは前から思っております。今度、規制緩和という観点からいたしまして、できるだけそういう通達で行政指導をやっているものをこの際排除していくという方向で努力をしてまいりたいと思っております。  それから、いま一つ、先ほどのお話でございますが、これはどちらかというと大蔵大臣の方の所管になるわけでございますが、財政構造改革会議というところで、この財投の問題を含めて早急に結論を出すということでやっておるわけでございます。それを踏まえて、行政改革という観点から、財政一般の会計だけではなくて、財投関係も含めて、財政がよりスリム化していく、それがやはり行政のスリム化につながっていくという観点から、いろいろ財政構造改革会議で御議論いただくことを踏まえて私どもは対処して、いろいろ行政改革という立場でやってまいりたいと思っております。
  123. 平田米男

    ○平田委員 終わります。ありがとうございました。
  124. 深谷隆司

    深谷委員長 これにて平田君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十七日午前九時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十九分散会