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1997-06-12 第140回国会 衆議院 本会議 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年六月十二日(木曜日)     —————————————   平成九年六月十二日     午後一時 本会議     ————————————— ○本日の会議に付した案件  公共事業長期計画透明化等を図るための関   係法律整備に関する法律案渡辺周君外三   名提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時四分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  公共事業長期計画透明化等を図るための   関係法律整備に関する法律案渡辺周君   外三名提出)の趣旨説明
  3. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) この際、渡辺周君外三名提出公共事業長期計画透明化等を図るための関係法律整備に関する法律案について、趣旨説明を求めます。提出者鳩山由紀夫君。     〔鳩山由紀夫登壇
  4. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 ただいま議題となりました公共事業長期計画透明化等を図るための関係法律整備に関する法律案について、民主党並びに御賛同いただいた方々を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  公共事業は、国や地方公共団体中心となって行う社会資本整備のための事業であって、そこから生み出されるサービスが、市民の健康で文化的な生活を充足させるために重要な役割を果たすものです。政府は、すべての市民がそのような生活を享受できるように、効率的に社会資本整備することが求められております。  ところで、国と地方の借金が総額五百十二兆円に達する今日の危機的な財政事情の中で、昨年閣議決定された各五カ年計画は、効率性が考慮されることもなく、軒並み四〇%近い伸びとなっております。このように、公共事業は、財政再建至上命題とされる中でも、大幅にその事業費がふえ続けております。このままでは、日本財政はいよいよ破綻し、将来の世代に大きなツケを残すことになります。  特に問題なのは、公共事業関連の十六本の長期計画であります。そもそも、これらの長期計画は、その多くが緊急措置法とされ、一時的な法律であったはずのものが、見直されることもなく今日まで続いてきております。社会基盤が未成熟な時代はともかく、今日ではその役割が問われているところでございます。  この長期計画問題点は、計画目標を次々と高くし、予算を獲得するにしきの御旗として機能してきたところにあります。それは、閣議決定のみにゆだねられ、議会チェックが及ばない仕組みとなっているためでございます。計画について外部からチェックができないことから、何十年も前に計画をされ、本来の目的を失った事業までも、そのまま惰性で続けられております。  政府は、先般の財政構造改革会議における財政構造改革推進方策において公共事業の削減を提言しておりますが、五カ年計画計画期間を単に延長するだけで、個別の計画についての見直し中止が全く考えられておらず、本質的な解決にはなっておりません。  公共事業とりわけ長期計画には以上述べたように多くの問題があり、これらの点を改善しなければ公共事業効率的配分はなし得ず、国民も納得しないばかりか、際限なく膨張し財政赤字を肥大化させることになります。唯一国会のみが、行政とりわけ官僚をコントロールできるのであります。したがって、国民生活によくもあしくも大きな影響を与える公共事業について、国民代表である国会が実質的に関与できない現行制度が異常なのです。そのような視点に立って、公共事業コントロール法案策定されたのであります。  そこで、公共事業長期計画透明化等を図るための関係法律整備に関する法律案について御説明いたします。  第一に、道路等公共事業関連長期計画につき、その開始年次統一し、計画国会承認事項とすることによって、国会優先順位判断することとしております。  第二に、公共事業が、国民生活経済環境に重大な影響を及ぼすものであることにかんがみ、審議会における資料を公表するなどその策定手続を透明化し、加えて公聴会開催を義務づけるなど国民自治体から広く意見を聴取する機会を設けることとしております。  第三に、公共事業関連長期計画につき、事業有効性を検証するために、計画終了後に報告書策定させ、各事業の及ぼした影響を評価することとし、その報告書が新たに策定される計画へと反映される制度といたしております。  第四に、揮発油税などのいわゆる道路整備特定財源制度を廃止し、公共事業優先順位をその時々の必要性に応じて弾力的に判断できるようにしております。  これに関連して、公共事業国民の必要としているものから優先的かつ効率的に実施するために、各議院に常任委員会として公共事業委員会を増設し、公共事業関連長期計画審議公共事業委員会において一括して審議することとする国会法の一部を改正する法律案についてもあわせて提出しているところでございます。  公共事業については、国民からの負託を受けた国会において十分に審議されてしかるべきと思います。その優先順位配分国会の場で正々堂々と議論を尽くし、国民判断を待つことが、真に責任ある政治の姿であると確信しております。議員が役所に働きかけを行ったり陳情合戦を繰り広げるようなことは、これで終わりにしようじゃありませんか。  行政が一度決めたことが、時代が変わり環境が変わっても、永遠に正しいという話が幻想である ことは、諫早湾や中海の干拓事業の例からもまことに明らかでございます。にもかかわらず、肥大し続ける膨大な国債を発行して、いたずらに公共事業を肥大化させ、私たちは今、当面の財政危機のみならず、未来へさらに大きなツケを残そうとしております。  私は、民主党代表として、未来への責任を掲げて今日の政治にチャレンジしたいと考えています。未来ツケを回すのではなく、たとえ今苦しみを伴うものであろうとも、正しい決断をすることによって未来に明るい展望を切り開こうではありませんか。だから、今、公共事業コントロール法なのです。  議会人として、というよりも一国民として、党派を超えての力強い御支持をいただけるものと確信をいたし、私の趣旨説明といたします。  ありがとうございます。(拍手)      ————◇—————  公共事業長期計画透明化等を図るための関係法律整備に関する法律案渡辺周君外三名提出)の趣旨説明に対する質疑
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。田野瀬良太郎君。     〔田野瀬良太郎登壇
  6. 田野瀬良太郎

    田野瀬良太郎君 ただいま説明のありました公共事業透明化法につきまして、自由民主党代表いたしまして、質問をいたします。  御承知のとおり、我が国社会資本整備水準先進諸国に比べていまだに大きく立ちおくれており、今後本格的な高齢化社会が到来する前に、着実に公共事業実施し、社会資本整備を図っていくことが急務であります。このため、それぞれの社会資本役割目的、その整備状況を勘案して、五カ年計画等長期計画という形で中長期的な整備目標を立てて計画的に整備が進められているところであります。ただ、この五カ年計画事業量予算規模というものはいわば一つの目安であって、毎年度予算の執行については当然国会承認を要するところであります。  ところで、公共事業実施に当たっては、厳しい財政事情も踏まえ効率的に事業実施するとともに、その実施方法も公正かつ妥当なものでなければならないことは当然のことであります。このため、国会においても、これまでも個別具体事業についてさまざまな議論を行い、行政チェック機能を果たしてきたところであります。  さて、この法律案は、公共事業の優先的かつ効率的な実施ということをうたっておりますが、その内容には多くの問題点があり、私といたしましては、公共事業の円滑かつ効率的な実施にとってかえって障害となるのではないかという懸念を禁じ得ないのであります。  以下、主な問題点のみに絞って指摘をさせていただきます。  まず、この法律案では、公共事業実施に係るすべての長期計画国会承認に係らしめることとしておりますが、毎年度予算は、当然のことながら、その時々の経済情勢社会情勢等を反映して、国会審議議決するものであります。したがって、国会としては、公共事業あり方も含めて毎年度予算を真剣に審議することが何よりも重要であります。  しかるに、これに加えて、長期計画国会承認し、計画期間事業費決定するということになると、毎年度予算議決とはどういう関係になるのか、毎年度予算議決に対応して計画を変更していくのか、あるいは計画に合わせて毎年度予算を決めていくのか。いずれにしても国会議決国会自身を縛ることになり、財政硬直化を招き、そのときそのときの効率的な資源配分や機動的な公共事業実施妨げになるのではないかと考えます。この点についてどうお考えか、お尋ねをいたします。  次に、この法律案では、すべての長期計画計画期間を五カ年とした上で、開始年次平成年度統一することといたしておりますが、現在でも、相互に関連する、例えば治山と治水、漁港と沿岸漁場整備といった長期計画は同じ計画期間策定されているところであります。また、先ほど申し上げましたように、公共事業あり方を含めて、毎年度予算を真剣に審議することが何よりも重要であり、さらに、今回のように長期計画期間自体も変わり得るものであることを考えますと、計画的に進捗しているそれぞれの計画を途中で中断してまで、あえて長期計画開始年次統一することにどれほどの意味があるのか、お尋ねをしたいと思います。  次に、公共事業実施に係る長期計画を一律に五カ年とすることについてお尋ねをいたします。  十六本の長期計画計画期間は多くは五年でありますが、土地改良長期計画については、農政の基本方向がおおむね十年後を展望して策定されており、これに即して土地改良長期計画計画期間は十年となっています。このことからも、他の長期計画との横並びで機械的に五年とすることは適当ではないと考えますが、見解をお尋ねいたします。  また、この法律案では、長期計画策定に当たってはそれぞれ審議会意見を聞かなければならないこととしておりますが、そもそも審議会については、行政判断の際に、必要な場合に意見を聞いて判断の一助にするものであります。しかるに、この法律案のように、すべての長期計画について審議会意見を聞くことを義務づけ、審議会のないものについては新たに審議会設置するというのは、行き過ぎであり、行政改革にも逆行するのではないかと考えます。また、審議会意見を聞く場合にも、審議公開公聴会開催など審議会の運営については、一律にではなく、それぞれの審議会において決定すべきことであると考えます。これらの考え方についてお尋ねをいたします。  最後に、この法律案では、道路整備緊急措置法及び道路整備特別会計法の改正により、揮発油税等に係る道路特定財源を廃止するといたしておりますが、道路特定財源は、我が国の立ちおくれた道路整備を緊急かつ計画的に進めるため、受益者負担考え方に基づいて、自動車利用者負担を求めているものであります。これを廃止し一般財源化するというようなことは、到底納税者の理解を得られるものではなく、絶対に容認することができないことを強く申し上げておきたいと思います。  以上、質問とさせていただきます。(拍手)     〔渡辺周登壇
  7. 渡辺周

    渡辺周君 田野瀬議員お答えをいたします。  本法案公共事業の円滑かつ効率的実施にとってかえって障害になるのではないか、あるいは効率的な資源配分や機動的な公共事業実施妨げになるのではないかというお尋ねがございました。  現在の建設国債及び特例公債、さらには借入金の残高から見ましても、バブル崩壊後、五年間で六十兆円の追加投資が膨大な財政赤字をつくっただけでなく、我々に公共事業依存補助金依存の心理を植えつけてしまったことを自己批判的に考える必要があると思っております。  確かに、私たちは、まだまだ日々の生活に真の豊かさを実感できる公共空間社会資本整備されているとは思っておりません。効率的、重点的な生活関連社会資本整備は急がなければならないと御指摘のとおり思っておりますが、高度経済成長とともに拡大してきた公共事業役割とプライオリティー、その規模も、時代時代の中で変わってきていると信じるところであります。  この法案は、国民代表たる私どもが、住民ニーズに限りなく近い視点で、効率的な公共投資が行われているかどうかをチェックする法案であり、資源配分のうち公共事業という公的部門による投資配分行政のみに任すことなく、議会の権威と議会の良識が責任を持つその第一歩であると考えております。  また、公共事業長期計画については、両院に新たに設置される公共事業委員会で一括して審議をし、その目標事業量承認することとしております。承認内容計画目標事業量であって、計画期間内に実施すべき目安の量を定めております。したがいまして、各年度予算がその計画と異なるような形で決定をされましても、それは予算決定が最終的な決定ということで優先されるということになります。計画と各年度予算が乖離する場合には、計画見直しや変更が必要になることもあり得ると考えているところでございます。  ただし、国会計画承認するということについては、何ら無意味な行為ということではなく、内閣との関係でいえば、国会承認政治的な意味内閣を拘束する形となり、国会承認内容と明らかに異なる予算案決定された場合には、内閣政治的な責任国会に対して負うこととなります。したがいまして、御指摘のような財政硬直化を招くことはなく、逆に、閣議決定で縛られている現行制度の方が、公共事業シェア固定化をもたらし、個別事業中止見直しを事実上不可能にしているという点で、効率的な資源配分や機動的な公共事業実施妨げていると我々は考えるところでございます。  次に、公共事業長期計画を一律五年とすることについてのお尋ねがございました。  現状公共事業の問題は、計画が個別に策定される結果、計画相互整合性優先順位判断ができないということであり、例えば交通関係の五カ年計画開始年度統一されておらず、道路空港港湾を総合的に判断して整備するという視点に欠けているものと言わざるを得ません。  さらに、関係性の薄い計画間についても、国の財政等の総合的な観点から総額優先順位判断しなければならないにもかかわらず、それがなされていないという現状を改善する必要があることから、開始年度統一計画期間統一を行っているところであります。また、総合的な政策判断必要性から、両院公共事業要員会設置して、一括して計画審議を行うこととしております。  田野瀬議員指摘土地改良長期計画につきましても、国際社会を迎え、情勢が目まぐるしく変化する中で、十年の計画では逆に時代の変化に的確に対応できなくなる危険性があることにかんがみまして、これを五カ年としたところでございます。  次に、審議会についてのお尋ねがございました。行政改革に逆行するのではないかという御指摘でございました。  行政改革は、だれのために、何のために行うかという視点で考えなければなりません。行政改革とは、主権者たる国民の多様な物質的、精神的ニーズにこたえ、その意見を踏まえながら、限られた財源の中で効率的かつ機動的な行政システムをつくり上げることであります。公共事業長期計画審議する審議会公開し、国民自治体意見を幅広く聴取する手続を設けることで、官僚機構主導、かつひたすら拡大する公共事業チェックすることができ、かえってコストの節減が可能であると考えております。審議会設置公聴会を含めて、私ども年間五千百万円程度のコストを試算しております。しかし、これは公共事業効率化によって補うことができるものと信じております。  続いて、審議会公開についてでありますが、公共事業長期計画は莫大な予算支出を伴うものであり、財政国民生活自然環境に重大な影響を与えるものであり、当然公開するべきものと考えております。なお、各審議会公共事業長期計画以外の案件については公開することを義務づけてはおりませんので、審議会自主性を著しく損なうことはないと考えております。  残余の質問につきましては、担当提案者より答弁をいたします。(拍手)     〔川内博史登壇
  8. 川内博史

    川内博史君 渡辺議員に引き続きまして、田野瀬議員質問お答えをいたします。  審議会設置についてのお尋ねに補足して御説明を申し上げますが、国民は、計画策定過程参加をすることを通じて、公共事業を十分に評価することができる。例えば、国道と一緒に並んで走っている狭い高速道路、あるいは使われることのない農道空港、そしてまた年間に数隻しか入らない港湾環境に大きな影響を与えながらしかし食糧自給に寄与することのない干拓事業など、私たちが謙虚に反省すべき事例はたくさんあるということは否定をできないわけでございます。審議会設置を行うことにより、莫大な税金の使い道を決める計画策定国民参加をする、そのことに積極的に費用をかけることこそが、行政改革趣旨に沿うことであるというふうに考えております。  次に、田野瀬議員意見を表明されました道路特定財源制度について、私どものスタンスを明らかにさせていただきます。  確かに、この道路特定財源制度が制定をされました昭和二十年代、我が国道路状況は大変に貧弱で、アメリカ調査団からは、この国に道路行政はないとまで言われたのでございますが、しかし、それから三十年以上にわたって道路整備は常に公共投資のトップを走り続け、その総額平成年度までに百九十四兆円にも達しているのでございます。  確かに、まだ道路整備がおくれている地域があることは私たちも存じております。しかし、今後、国民負担の増大が予想される中で、道路だけが特別の地位にあり、道路特定財源制度によってその整備が保障されるということは、許されることではないと考えております。国民の貴重な税金をいただく中で、公共投資のみならずさまざまな行政ニーズとの比較の中で、なおかつ道路整備優先順位が高い地域や町があるとするならば、今の道路特定財源制度の枠を超えてでも道路整備は行うべきであり、まさに本法案の予定する公共事業委員会の論戦に基づくことになるのでございます。  財政危機が叫ばれる中、住民ニーズに沿った事業への重点的な投資は、国民全体の要請であると考えております。この要請にこたえるためには、むしろ道路特定財源制度は若干の障害になるのではないかと考えられております。私たちは、本法案によって、この道路特定財源制度一般財源化を提案させていただいております。  以上です。(拍手
  9. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 辻第一君。     〔辻第一君登壇
  10. 辻第一

    ○辻第一君 私は、日本共産党代表して、ただいま議題になりました公共事業長期計画透明化等を図るための関係法律整備に関する法律案について質問いたします。  公共事業をめぐる現在の中心問題は、財政危機を招いた最大の原因である公共事業のむだと浪費構造メスを入れることであります。その最大問題点は、一たび決定されると、当初の目的を失っているのに事業を継続し、むだと浪費を拡大再生産していることであります。  そのため、後は野となれ山となれで原野になっている苫小牧東部など巨大な拠点開発、利用されないのに増設工事をする港湾整備、農民にも歓迎されないのに巨額費用投資する土地改良事業などが全国各地で行われています。このような工事のための工事際限のないむだ遣いに抜本的にメスを入れることこそ焦眉の課題であり、今国民は強く求めているのであります。  以下、質問をいたします。  第一の問題は、初めに総額ありきで公共事業浪費の大もとになっている六百三十兆円という途方もない巨額公共投資基本計画は、最近、期間を十年から十三年に延長することを決めましたが、これは浪費をなくすどころか、十三年間浪費 を続けるだけのことであります。この計画を撤廃しない限り、住宅、公園、下水道などの国民生活に必要な事業ではなく、大手ゼネコン奉仕型の大型プロジェクトばかりを優先させる公共事業のゆがんだ現状を是正できないことは明白であります。現在のつかみ金方式をやめ、本当に必要な事業を積み上げる方式に抜本的に転換すべきではありませんか。答弁を求めます。  第二に、現在十六ある公共事業長期計画は、縦割り行政による予算獲得合戦の産物であり、官僚組織族議員を横行させ、政財官癒着構造を温存させてきました。我が党が追及したように、農水省官僚が多数ゼネコン天下り農業関連公共事業を独占的に受注し、橋本首相も度が過ぎていると言わざるを得ませんでした。建設運輸官僚ゼネコンへの天下りと、道路港湾建設事業独占的受注も周知のことであります。なぜここにメスを入れようとしないのですか。  さらに、計画根拠法となっている各緊急措置法は、大企業本位経済政策のもとで、産業基盤優先社会資本整備予算の確保を目的としたものであります。しかも、国民生活に密着した福祉・教育施設公共事業の枠外とされております。提案者は、その点どうするのでしょうか。十六の長期計画という枠組みそのものについて抜本的に再検討すべきではありませんか。お答えをいただきたい。  第三に、本法案による五カ年計画内容は、事業目標とその量を示すのみで、個別の事業計画を定めることとはされていません。これではむだな事業をとめることはできないのではありませんか。むだの典型であり、政治の焦点になっている首都機能移転東京臨海部開発こそ中止すべきであります。明確な答弁を求めます。  今こそ、アメリカの圧力でつくられた六百三十兆円という公共投資基本計画を廃止し、十六に及ぶ長期計画を白紙に戻して抜本的に見直す、首都機能移転など巨大プロジェクト中止公共投資膨張の根源である道路特定財源を改める、アメリカに比べて三割も高いという公共事業単価の水増しにメスを入れる、このことこそ緊急不可欠の課題であることを強調して、質問を終わります。(拍手)     〔仙谷由人登壇
  11. 仙谷由人

    仙谷由人君 辻第一議員質問お答えをいたします。  政財官癒着構造天下りメスを入れることになるのかという御質問でございますが、我々が提出いたしておりますこのような公共事業コントロール法案が成立いたしますと、公共事業委員会設置されますので、その中で事実を明らかにすることによって、そしてその公共事業委員会審議によって、十二分にメスを入れることができるようになると考えております。  そしてまた、公共投資基本計画のようなつかみ金方式をやめるのか、あるいはむだな計画を廃止することになるのかというお尋ねでございますけれども、当然のことながら、この公共事業委員会審議によりまして計画がむだであるとの判断に至った場合には、そのような計画は廃止することになると考えております。  次に、必要な事業を積み上げる方式へ抜本的に見直すことになるのかという御質問でございましたが、市民住民ニーズに合致する社会資本整備がなされるようにするためには、権限あるいは財源分権化地域主権システムの確立を待たなければならないと考えております。しかし、その第一歩として、本法案により公共事業策定過程や実態が国民の眼前にさらされることによりまして、国民の批判と関心が高まり、辻議員のおっしゃるように、本当に必要な社会資本効率的整備に向けて前進するものと確信をいたしております。  次に、長期計画対象事業につきましては、民主党中心になった政権をつくることができましたならば、ハードよりソフトを重視する、土木よりシステムへ比重をかける、そういうつもりでございます。福祉に関しましては、新ゴールドプランやエンゼルプランあるいは障害者プランをより充実させ、その確実な実行を図ることが肝要だと考えております。  もう一つ、個別計画長期計画の中に定める必要があるのではないかとの御質問がございましたが、長期計画の具体的な中身を吟味することができるようにすることがまさに本法案目的でございます。  最後に、大規模公共事業の典型である首都機能移転や東京都臨海副都心を見直すべきと考えるが、どうかという問いがございました。  大規模公共事業については、見直すべきものは見直さなければならないと考えているところでございます。  なお、首都機能移転につきましては、公共事業としての金額あるいは工事量及び工事の種類などが現在ささやかれておるわけですが、そうした問題以前に、新しい首都が必要か、必要であればいかなる機能を持ったものであるべきかという観点に立って国民的な議論がもっと必要だと考えているところでございます。(拍手
  12. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  13. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十二分散会      ————◇—————