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1997-06-12 第140回国会 衆議院 本会議 第45号
公式Web版
会議録情報
0
平成
九年六月十二日(木曜日)
—————————————
平成
九年六月十二日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した
案件
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための関
係法律
の
整備
に関する
法律案
(
渡辺周
君外三 名
提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時四分
開議
伊藤宗一郎
1
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
渡辺周
君 外三名
提出
)の
趣旨説明
伊藤宗一郎
2
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) この際、
渡辺周
君外三名
提出
、
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
提出者鳩山由紀夫
君。 〔
鳩山由紀夫
君
登壇
〕
鳩山由紀夫
3
○
鳩山由紀夫
君 ただいま
議題
となりました
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について、
民主党
並びに御賛同いただいた方々を
代表
して、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
公共事業
は、国や
地方公共団体
が
中心
となって行う
社会資本整備
のための
事業
であって、そこから生み出されるサービスが、
市民
の健康で文化的な
生活
を充足させるために重要な
役割
を果たすものです。
政府
は、すべての
市民
がそのような
生活
を享受できるように、効率的に
社会資本
を
整備
することが求められております。 ところで、国と
地方
の借金が
総額
五百十二兆円に達する今日の危機的な
財政事情
の中で、昨年
閣議決定
された各五カ年
計画
は、
効率性
が考慮されることもなく、軒並み四〇%近い伸びとなっております。このように、
公共事業
は、
財政再建
が
至上命題
とされる中でも、大幅にその
事業費
がふえ続けております。このままでは、
日本
の
財政
はいよいよ破綻し、将来の世代に大きな
ツケ
を残すことになります。 特に問題なのは、
公共事業関連
の十六本の
長期計画
であります。そもそも、これらの
長期計画
は、その多くが
緊急措置法
とされ、一時的な
法律
であったはずのものが、見直されることもなく今日まで続いてきております。
社会基盤
が未成熟な
時代
はともかく、今日ではその
役割
が問われているところでございます。 この
長期計画
の
問題点
は、
計画目標
を次々と高くし、
予算
を獲得するにしきの御旗として機能してきたところにあります。それは、
閣議決定
のみにゆだねられ、
議会
の
チェック
が及ばない仕組みとなっているためでございます。
計画
について外部から
チェック
ができないことから、何十年も前に
計画
をされ、本来の
目的
を失った
事業
までも、そのまま惰性で続けられております。
政府
は、先般の
財政構造改革会議
における
財政構造改革
の
推進方策
において
公共事業
の削減を提言しておりますが、五カ年
計画
の
計画期間
を単に延長するだけで、個別の
計画
についての
見直し
や
中止
が全く考えられておらず、本質的な解決にはなっておりません。
公共事業
とりわけ
長期計画
には以上述べたように多くの問題があり、これらの点を改善しなければ
公共事業
の
効率的配分
はなし得ず、
国民
も納得しないばかりか、
際限
なく膨張し
財政赤字
を肥大化させることになります。
唯一国会
のみが、
行政
とりわけ
官僚
をコントロールできるのであります。したがって、
国民生活
によくもあしくも大きな
影響
を与える
公共事業
について、
国民
の
代表
である
国会
が実質的に関与できない
現行制度
が異常なのです。そのような
視点
に立って、
公共事業コントロール法案
は
策定
されたのであります。 そこで、
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について御
説明
いたします。 第一に、
道路等
の
公共事業関連
の
長期計画
につき、その
開始年次
を
統一
し、
計画
を
国会承認事項
とすることによって、
国会
が
優先順位
を
判断
することとしております。 第二に、
公共事業
が、
国民生活
や
経済
、
環境
に重大な
影響
を及ぼすものであることにかんがみ、
審議会
における資料を公表するなどその
策定手続
を透明化し、加えて
公聴会
の
開催
を義務づけるなど
国民
や
自治体
から広く
意見
を聴取する機会を設けることとしております。 第三に、
公共事業関連
の
長期計画
につき、
事業
の
有効性
を検証するために、
計画終了
後に
報告書
を
策定
させ、各
事業
の及ぼした
影響
を評価することとし、その
報告書
が新たに
策定
される
計画
へと反映される
制度
といたしております。 第四に、
揮発油税
などのいわゆる
道路整備特定財源制度
を廃止し、
公共事業
の
優先順位
をその時々の
必要性
に応じて弾力的に
判断
できるようにしております。 これに関連して、
公共事業
を
国民
の必要としているものから優先的かつ効率的に
実施
するために、各議院に
常任委員会
として
公共事業委員会
を増設し、
公共事業関連長期計画
の
審議
を
公共事業委員会
において一括して
審議
することとする
国会法
の一部を改正する
法律案
についてもあわせて
提出
しているところでございます。
公共事業
については、
国民
からの負託を受けた
国会
において十分に
審議
されてしかるべきと思います。その
優先順位
や
配分
を
国会
の場で正々堂々と
議論
を尽くし、
国民
の
判断
を待つことが、真に
責任
ある
政治
の姿であると
確信
しております。
議員
が役所に働きかけを行ったり
陳情合戦
を繰り広げるようなことは、これで終わりにしようじゃありませんか。
行政
が一度決めたことが、
時代
が変わり
環境
が変わっても、永遠に正しいという話が幻想である ことは、諫早湾や中海の
干拓事業
の例からもまことに明らかでございます。にもかかわらず、肥大し続ける膨大な
国債
を発行して、いたずらに
公共事業
を肥大化させ、私
たち
は今、当面の
財政危機
のみならず、
未来
へさらに大きな
ツケ
を残そうとしております。 私は、
民主党
の
代表
として、
未来
への
責任
を掲げて今日の
政治
にチャレンジしたいと考えています。
未来
に
ツケ
を回すのではなく、たとえ今苦しみを伴うものであろうとも、正しい決断をすることによって
未来
に明るい展望を切り開こうではありませんか。だから、今、
公共事業コントロール法
なのです。
議会人
として、というよりも一
国民
として、党派を超えての力強い御支持をいただけるものと
確信
をいたし、私の
趣旨説明
といたします。 ありがとうございます。(
拍手
)
————◇—————
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
渡辺周
君外三名
提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
伊藤宗一郎
4
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。順次これを許します。
田野瀬良太郎
君。 〔
田野瀬良太郎
君
登壇
〕
田野瀬良太郎
5
○
田野瀬良太郎
君 ただいま
説明
のありました
公共事業透明化法
につきまして、自由
民主党
を
代表
いたしまして、
質問
をいたします。 御承知のとおり、
我が国
の
社会資本
の
整備水準
は
先進諸国
に比べていまだに大きく立ちおくれており、今後本格的な
高齢化社会
が到来する前に、着実に
公共事業
を
実施
し、
社会資本
の
整備
を図っていくことが急務であります。このため、それぞれの
社会資本
の
役割
や
目的
、その
整備状況
を勘案して、五カ年
計画等
の
長期計画
という形で中
長期
的な
整備目標
を立てて
計画
的に
整備
が進められているところであります。ただ、この五カ年
計画
の
事業量
、
予算規模
というものはいわば一つの
目安
であって、毎
年度
の
予算
の執行については当然
国会
の
承認
を要するところであります。 ところで、
公共事業
の
実施
に当たっては、厳しい
財政事情
も踏まえ効率的に
事業
を
実施
するとともに、その
実施方法
も公正かつ妥当なものでなければならないことは当然のことであります。このため、
国会
においても、これまでも
個別具体
の
事業
についてさまざまな
議論
を行い、
行政
の
チェック機能
を果たしてきたところであります。 さて、この
法律案
は、
公共事業
の優先的かつ効率的な
実施
ということをうたっておりますが、その
内容
には多くの
問題点
があり、私といたしましては、
公共事業
の円滑かつ効率的な
実施
にとってかえって
障害
となるのではないかという懸念を禁じ得ないのであります。 以下、主な
問題点
のみに絞って
指摘
をさせていただきます。 まず、この
法律案
では、
公共事業
の
実施
に係るすべての
長期計画
を
国会
の
承認
に係らしめることとしておりますが、毎
年度
の
予算
は、当然のことながら、その時々の
経済情勢
、
社会情勢等
を反映して、
国会
で
審議
、
議決
するものであります。したがって、
国会
としては、
公共事業
の
あり方
も含めて毎
年度
の
予算
を真剣に
審議
することが何よりも重要であります。 しかるに、これに加えて、
長期計画
を
国会
で
承認
し、
計画期間
の
事業費
を
決定
するということになると、毎
年度
の
予算
の
議決
とはどういう
関係
になるのか、毎
年度
の
予算
の
議決
に対応して
計画
を変更していくのか、あるいは
計画
に合わせて毎
年度
の
予算
を決めていくのか。いずれにしても
国会
の
議決
が
国会自身
を縛ることになり、
財政
の
硬直化
を招き、そのときそのときの効率的な
資源配分
や機動的な
公共事業
の
実施
の
妨げ
になるのではないかと考えます。この点についてどうお考えか、
お尋ね
をいたします。 次に、この
法律案
では、すべての
長期計画
の
計画期間
を五カ年とした上で、
開始年次
を
平成
十
年度
に
統一
することといたしておりますが、現在でも、
相互
に関連する、例えば治山と治水、漁港と
沿岸漁場整備
といった
長期計画
は同じ
計画期間
で
策定
されているところであります。また、先ほど申し上げましたように、
公共事業
の
あり方
を含めて、毎
年度
の
予算
を真剣に
審議
することが何よりも重要であり、さらに、今回のように
長期
の
計画期間自体
も変わり得るものであることを考えますと、
計画
的に進捗しているそれぞれの
計画
を途中で中断してまで、あえて
長期計画
の
開始年次
を
統一
することにどれほどの
意味
があるのか、
お尋ね
をしたいと思います。 次に、
公共事業
の
実施
に係る
長期計画
を一律に五カ年とすることについて
お尋ね
をいたします。 十六本の
長期計画
の
計画期間
は多くは五年でありますが、
土地改良長期計画
については、農政の
基本方向
がおおむね十年後を展望して
策定
されており、これに即して
土地改良長期計画
の
計画期間
は十年となっています。このことからも、他の
長期計画
との横並びで機械的に五年とすることは適当ではないと考えますが、見解を
お尋ね
いたします。 また、この
法律案
では、
長期計画
の
策定
に当たってはそれぞれ
審議会
の
意見
を聞かなければならないこととしておりますが、そもそも
審議会
については、
行政判断
の際に、必要な場合に
意見
を聞いて
判断
の一助にするものであります。しかるに、この
法律案
のように、すべての
長期計画
について
審議会
の
意見
を聞くことを義務づけ、
審議会
のないものについては新たに
審議会
を
設置
するというのは、行き過ぎであり、
行政改革
にも逆行するのではないかと考えます。また、
審議会
の
意見
を聞く場合にも、
審議
の
公開
や
公聴会
の
開催
など
審議会
の運営については、一律にではなく、それぞれの
審議会
において
決定
すべきことであると考えます。これらの
考え方
について
お尋ね
をいたします。 最後に、この
法律案
では、
道路整備緊急措置法
及び
道路整備特別会計法
の改正により、
揮発油税等
に係る
道路特定財源
を廃止するといたしておりますが、
道路特定財源
は、
我が国
の立ちおくれた
道路整備
を緊急かつ
計画
的に進めるため、
受益者負担
の
考え方
に基づいて、
自動車利用者
に
負担
を求めているものであります。これを廃止し
一般財源化
するというようなことは、到底
納税者
の理解を得られるものではなく、絶対に容認することができないことを強く申し上げておきたいと思います。 以上、
質問
とさせていただきます。(
拍手
) 〔
渡辺周
君
登壇
〕
渡辺周
6
○
渡辺周
君
田野瀬議員
に
お答え
をいたします。 本
法案
が
公共事業
の円滑かつ
効率的実施
にとってかえって
障害
になるのではないか、あるいは効率的な
資源配分
や機動的な
公共事業実施
の
妨げ
になるのではないかという
お尋ね
がございました。 現在の
建設国債
及び
特例公債
、さらには借入金の残高から見ましても、
バブル崩壊
後、五
年間
で六十兆円の
追加投資
が膨大な
財政赤字
をつくっただけでなく、我々に
公共事業依存
、
補助金依存
の心理を植えつけてしまったことを自己批判的に考える必要があると思っております。 確かに、私
たち
は、まだまだ日々の
生活
に真の豊かさを実感できる
公共空間
、
社会資本
が
整備
されているとは思っておりません。効率的、重点的な
生活関連社会資本
の
整備
は急がなければならないと御
指摘
のとおり思っておりますが、
高度経済成長
とともに拡大してきた
公共事業
の
役割
とプライオリティー、その
規模
も、
時代時代
の中で変わってきていると信じるところであります。 この
法案
は、
国民
の
代表
たる私
ども
が、
住民ニーズ
に限りなく近い
視点
で、効率的な
公共投資
が行われているかどうかを
チェック
する
法案
であり、
資源配分
のうち
公共事業
という
公的部門
による
投資
、
配分
を
行政
のみに任すことなく、
議会
の権威と
議会
の良識が
責任
を持つその
第一歩
であると考えております。 また、
公共事業
の
長期計画
については、
両院
に新たに
設置
される
公共事業委員会
で一括して
審議
をし、その
目標
と
事業量
を
承認
することとしております。
承認内容
は
計画
の
目標
と
事業量
であって、
計画期間
内に
実施
すべき
目安
の量を定めております。したがいまして、各
年度
の
予算
がその
計画
と異なるような形で
決定
をされましても、それは
予算
の
決定
が最終的な
決定
ということで優先されるということになります。
計画
と各
年度
の
予算
が乖離する場合には、
計画
の
見直し
や変更が必要になることもあり得ると考えているところでございます。 ただし、
国会
が
計画
を
承認
するということについては、何ら無
意味
な行為ということではなく、
内閣
との
関係
でいえば、
国会
の
承認
は
政治
的な
意味
で
内閣
を拘束する形となり、
国会
の
承認内容
と明らかに異なる
予算案
が
決定
された場合には、
内閣
は
政治
的な
責任
を
国会
に対して負うこととなります。したがいまして、御
指摘
のような
財政
の
硬直化
を招くことはなく、逆に、
閣議決定
で縛られている
現行制度
の方が、
公共事業シェア
の
固定化
をもたらし、
個別事業
の
中止
や
見直し
を事実上不可能にしているという点で、効率的な
資源配分
や機動的な
公共事業実施
を
妨げ
ていると我々は考えるところでございます。 次に、
公共事業長期計画
を一律五年とすることについての
お尋ね
がございました。
現状
の
公共事業
の問題は、
計画
が個別に
策定
される結果、
計画相互
の
整合性
や
優先順位
の
判断
ができないということであり、例えば
交通関係
の五カ年
計画
も
開始年度
が
統一
されておらず、
道路
と
空港
、
港湾
を総合的に
判断
して
整備
するという
視点
に欠けているものと言わざるを得ません。 さらに、
関係性
の薄い
計画
間についても、国の
財政等
の総合的な観点から
総額
や
優先順位
を
判断
しなければならないにもかかわらず、それがなされていないという
現状
を改善する必要があることから、
開始年度
の
統一
と
計画期間
の
統一
を行っているところであります。また、総合的な
政策判断
の
必要性
から、
両院
に
公共事業要員会
を
設置
して、一括して
計画
の
審議
を行うこととしております。
田野瀬議員
御
指摘
の
土地改良長期計画
につきましても、
国際社会
を迎え、
情勢
が目まぐるしく変化する中で、十年の
計画
では逆に
時代
の変化に的確に対応できなくなる
危険性
があることにかんがみまして、これを五カ年としたところでございます。 次に、
審議会
についての
お尋ね
がございました。
行政改革
に逆行するのではないかという御
指摘
でございました。
行政改革
は、だれのために、何のために行うかという
視点
で考えなければなりません。
行政改革
とは、
主権者
たる
国民
の多様な物質的、
精神的ニーズ
にこたえ、その
意見
を踏まえながら、限られた
財源
の中で効率的かつ機動的な
行政システム
をつくり上げることであります。
公共事業長期計画
を
審議
する
審議会
を
公開
し、
国民
や
自治体
の
意見
を幅広く聴取する
手続
を設けることで、
官僚機構主導
、かつひたすら拡大する
公共事業
を
チェック
することができ、かえって
コスト
の節減が可能であると考えております。
審議会
の
設置
と
公聴会
を含めて、私
ども
は
年間
五千百万円程度の
コスト
を試算しております。しかし、これは
公共事業
の
効率化
によって補うことができるものと信じております。 続いて、
審議会
の
公開
についてでありますが、
公共事業長期計画
は莫大な
予算支出
を伴うものであり、
財政
、
国民生活
、
自然環境
に重大な
影響
を与えるものであり、当然
公開
するべきものと考えております。なお、各
審議会
の
公共事業長期計画
以外の
案件
については
公開
することを義務づけてはおりませんので、
審議会
の
自主性
を著しく損なうことはないと考えております。 残余の
質問
につきましては、
担当提案者
より
答弁
をいたします。(
拍手
) 〔
川内博史
君
登壇
〕
川内博史
7
○
川内博史
君
渡辺議員
に引き続きまして、
田野瀬議員
の
質問
に
お答え
をいたします。
審議会
の
設置
についての
お尋ね
に補足して御
説明
を申し上げますが、
国民
は、
計画
の
策定過程
に
参加
をすることを通じて、
公共事業
を十分に評価することができる。例えば、国道と一緒に並んで走っている狭い
高速道路
、あるいは使われることのない
農道空港
、そしてまた
年間
に数隻しか入らない
港湾
、
環境
に大きな
影響
を与えながらしかし
食糧自給
に寄与することのない
干拓事業
など、私
たち
が謙虚に反省すべき事例はたくさんあるということは否定をできないわけでございます。
審議会
の
設置
を行うことにより、莫大な
税金
の使い道を決める
計画
の
策定
に
国民
が
参加
をする、そのことに積極的に
費用
をかけることこそが、
行政改革
の
趣旨
に沿うことであるというふうに考えております。 次に、
田野瀬議員
が
意見
を表明されました
道路特定財源制度
について、私
ども
のスタンスを明らかにさせていただきます。 確かに、この
道路特定財源制度
が制定をされました昭和二十年代、
我が国
の
道路状況
は大変に貧弱で、
アメリカ
の
調査団
からは、この国に
道路行政
はないとまで言われたのでございますが、しかし、それから三十年以上にわたって
道路整備
は常に
公共投資
のトップを走り続け、その
総額
は
平成
七
年度
までに百九十四兆円にも達しているのでございます。 確かに、まだ
道路整備
がおくれている
地域
があることは私
たち
も存じております。しかし、今後、
国民負担
の増大が予想される中で、
道路
だけが特別の地位にあり、
道路特定財源制度
によってその
整備
が保障されるということは、許されることではないと考えております。
国民
の貴重な
税金
をいただく中で、
公共投資
のみならずさまざまな
行政ニーズ
との比較の中で、なおかつ
道路整備
の
優先順位
が高い
地域
や町があるとするならば、今の
道路特定財源制度
の枠を超えてでも
道路整備
は行うべきであり、まさに本
法案
の予定する
公共事業委員会
の論戦に基づくことになるのでございます。
財政危機
が叫ばれる中、
住民ニーズ
に沿った
事業
への重点的な
投資
は、
国民
全体の
要請
であると考えております。この
要請
にこたえるためには、むしろ
道路特定財源制度
は若干の
障害
になるのではないかと考えられております。私
たち
は、本
法案
によって、この
道路特定財源制度
の
一般財源化
を提案させていただいております。 以上です。(
拍手
)
伊藤宗一郎
8
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 辻第一君。 〔辻第一君
登壇
〕
辻第一
9
○辻第一君 私は、
日本共産党
を
代表
して、ただいま
議題
になりました
公共事業
の
長期計画
の
透明化等
を図るための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
について
質問
いたします。
公共事業
をめぐる現在の
中心
問題は、
財政危機
を招いた
最大
の原因である
公共事業
のむだと
浪費構造
に
メス
を入れることであります。その
最大
の
問題点
は、一たび
決定
されると、当初の
目的
を失っているのに
事業
を継続し、むだと
浪費
を拡大再生産していることであります。 そのため、後は野となれ山となれで原野になっている
苫小牧東部
など巨大な
拠点開発
、利用されないのに
増設工事
をする
港湾整備
、農民にも歓迎されないのに
巨額
の
費用
を
投資
する
土地改良事業
などが
全国各地
で行われています。このような
工事
のための
工事
の
際限
のない
むだ遣い
に抜本的に
メス
を入れることこそ焦眉の
課題
であり、今
国民
は強く求めているのであります。 以下、
質問
をいたします。 第一の問題は、初めに
総額
ありきで
公共事業
の
浪費
の大もとになっている六百三十兆円という途方もない
巨額
の
公共投資基本計画
は、最近、
期間
を十年から十三年に延長することを決めましたが、これは
浪費
をなくすどころか、十三
年間
浪費
を続けるだけのことであります。この
計画
を撤廃しない限り、住宅、公園、下水道などの
国民生活
に必要な
事業
ではなく、
大手ゼネコン奉仕
型の
大型プロジェクト
ばかりを優先させる
公共事業
のゆがんだ
現状
を是正できないことは明白であります。現在のつかみ
金方式
をやめ、本当に必要な
事業
を積み上げる
方式
に抜本的に転換すべきではありませんか。
答弁
を求めます。 第二に、現在十六ある
公共事業
の
長期計画
は、
縦割り行政
による
予算獲得合戦
の産物であり、
官僚組織
と
族議員
を横行させ、
政財官
の
癒着構造
を温存させてきました。我が党が追及したように、
農水省官僚
が多数
ゼネコン
に
天下り
、
農業関連公共事業
を独占的に受注し、
橋本首相
も度が過ぎていると言わざるを得ませんでした。
建設
、
運輸官僚
の
ゼネコン
への
天下り
と、
道路
・
港湾建設事業
の
独占的受注
も周知のことであります。なぜここに
メス
を入れようとしないのですか。 さらに、
計画
の
根拠法
となっている各
緊急措置法
は、大
企業本位
の
経済政策
のもとで、
産業基盤優先
の
社会資本整備予算
の確保を
目的
としたものであります。しかも、
国民生活
に密着した福祉・
教育施設
は
公共事業
の枠外とされております。
提案者
は、その点どうするのでしょうか。十六の
長期計画
という
枠組みそのもの
について抜本的に再検討すべきではありませんか。
お答え
をいただきたい。 第三に、本
法案
による五カ年
計画
の
内容
は、
事業
の
目標
とその量を示すのみで、個別の
事業計画
を定めることとはされていません。これではむだな
事業
をとめることはできないのではありませんか。むだの典型であり、
政治
の焦点になっている
首都機能移転
や
東京臨海部開発
こそ
中止
すべきであります。明確な
答弁
を求めます。 今こそ、
アメリカ
の圧力でつくられた六百三十兆円という
公共投資基本計画
を廃止し、十六に及ぶ
長期計画
を白紙に戻して抜本的に見直す、
首都機能移転
など
巨大プロジェクト
の
中止
、
公共投資膨張
の根源である
道路特定財源
を改める、
アメリカ
に比べて三割も高いという
公共事業単価
の水増しに
メス
を入れる、このことこそ緊急不可欠の
課題
であることを強調して、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
仙谷由人
君
登壇
〕
仙谷由人
10
○
仙谷由人
君 辻第一
議員
の
質問
に
お答え
をいたします。
政財官
の
癒着
の
構造
、
天下り
に
メス
を入れることになるのかという御
質問
でございますが、我々が
提出
いたしておりますこのような
公共事業コントロール法案
が成立いたしますと、
公共事業委員会
が
設置
されますので、その中で事実を明らかにすることによって、そしてその
公共事業委員会
の
審議
によって、十二分に
メス
を入れることができるようになると考えております。 そしてまた、
公共投資基本計画
のようなつかみ
金方式
をやめるのか、あるいはむだな
計画
を廃止することになるのかという
お尋ね
でございますけれ
ども
、当然のことながら、この
公共事業委員会
の
審議
によりまして
計画
がむだであるとの
判断
に至った場合には、そのような
計画
は廃止することになると考えております。 次に、必要な
事業
を積み上げる
方式
へ抜本的に見直すことになるのかという御
質問
でございましたが、
市民
や
住民
の
ニーズ
に合致する
社会資本
の
整備
がなされるようにするためには、権限あるいは
財源
の
分権化
、
地域主権
の
システム
の確立を待たなければならないと考えております。しかし、その
第一歩
として、本
法案
により
公共事業
の
策定過程
や実態が
国民
の眼前にさらされることによりまして、
国民
の批判と関心が高まり、
辻議員
のおっしゃるように、本当に必要な
社会資本
の
効率的整備
に向けて前進するものと
確信
をいたしております。 次に、
長期計画
の
対象事業
につきましては、
民主党
が
中心
になった政権をつくることができましたならば、ハードよりソフトを重視する、土木より
システム
へ比重をかける、そういうつもりでございます。福祉に関しましては、新ゴールドプランやエンゼルプランあるいは
障害
者プランをより充実させ、その確実な実行を図ることが肝要だと考えております。 もう一つ、個別
計画
を
長期計画
の中に定める必要があるのではないかとの御
質問
がございましたが、
長期計画
の具体的な中身を吟味することができるようにすることがまさに本
法案
の
目的
でございます。 最後に、大
規模
公共事業
の典型である
首都機能移転
や東京都臨海副都心を見直すべきと考えるが、どうかという問いがございました。 大
規模
公共事業
については、見直すべきものは見直さなければならないと考えているところでございます。 なお、
首都機能移転
につきましては、
公共事業
としての金額あるいは
工事
量及び
工事
の種類などが現在ささやかれておるわけですが、そうした問題以前に、新しい首都が必要か、必要であればいかなる機能を持ったものであるべきかという観点に立って
国民
的な
議論
がもっと必要だと考えているところでございます。(
拍手
)
伊藤宗一郎
11
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
伊藤宗一郎
12
○
議長
(
伊藤宗一郎
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十二分散会
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