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1997-04-03 第140回国会 衆議院 本会議 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年四月三日(木曜日)     —————————————  議事日程 第十号   平成九年四月三日     午後零時三十分開議  第一 教育公務員特例法の一部を改正する法律     案(内閣提出参議院送付)  第二 環境保護に関する南極条約議定書及び環     境保護に関する南極条約議定書附属書     Vの締結について承認を求めるの件(参     議院送付)  第三 アジア太平洋郵便連合憲章追加議定     書及びアジア太平洋郵便連合一般規則     の締結について承認を求めるの件(参議     院送付)  第四 民間活動に係る規制改善及び行政事務     の合理化のための通商産業省関係法律の     一部を改正する等の法律案内閣提出、     参議院送付)  第五 特定通信放送開発事業実施円滑化法の     一部を改正する法律案内閣提出)  第六 障害者雇用促進等に関する法律の一     部を改正する法律案内閣提出参議院     送付)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの   件  商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同   意を求めるの件  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する   法律案内閣提出)の趣旨説明及び質疑  日程第一 教育公務員特例法の一部を改正する   法律案内閣提出参議院送付)  日程第二 環境保護に関する南極条約議定書及   び環境保護に関する南極条約議定書附属書   Vの締結について承認を求めるの件(参議院   送付)  日程第三 アジア太平洋郵便連合憲章追加   議定書及びアジア太平洋郵便連合一般規則   の締結について承認を求めるの件(参議院送   付)  日程第四 民間活動に係る規制改善及び行政   事務合理化のための通商産業省関係法律の   一部を改正する等の法律案内閣提出参議   院送付)  日程第五 特定通信放送開発事業実施円滑化   法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 障害者雇用促進等に関する法律   の一部を改正する法律案内閣提出参議院   送付)     午後零時三十三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  宇宙開発委員会委員任命につき同意を求める   の件  商品取引所審議会会長及び同委員任命につき   同意を求めるの件
  3. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) お諮りいたします。  内閣から、  宇宙開発委員会委員秋葉鐐二郎君を、  商品取引所審議会会長神崎克郎君を、  同委員上村達男君、北岡隆君、佐々波揚子君及び竹居照芳君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。      ————◇—————  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正す   る法律案内閣提出)の趣旨説明
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) この際、内閣提出外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について、趣旨説明を求めます。大蔵大臣三塚博君。     〔国務大臣三塚博登壇
  6. 三塚博

    国務大臣三塚博君) ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案趣旨を御説明申し上げます。  最近における我が国国際金融取引を取り巻く環境は、金融資本取引グローバル化エレクトロニクス化進展欧州における通貨統合の動き、アジア市場台頭等を背景として、急速な変化を遂げております。  政府といたしましては、こうした変化対応して、我が国金融資本市場を一層活性化させるため、内外資本取引等を自由に行えるようにするとともに、外国為替公認銀行に限られている外国為替業務を完全に自由化する等、より自由な対外取引のための環境整備等を行う必要があることから、本法律案を提出いたしておるところでございます。  また、本法律案は、今後の金融システム改革の円滑な実現に資するものと確信をいたしております。  以下、その大要を申し上げます。  第一に、法律の題名から「管理」を削除し、外国為替及び外国貿易法とすることといたしております。  第二に、対外取引自由化を行うため、海外預金対外貸借等資本取引及び対外支払い等に係る許可・届け出制度原則として廃止することといたしております。  第三に、外国為替業務に着目した規制撤廃し、徹底した自由化を行うため、外国為替公認銀行及び両替商認可制度を廃止し、同時に、指定証券会社制度も廃止することといたしております。  第四に、国際収支統計作成市場動向の的確な把握等を行うため、資本取引等に関する効率的かつ実効性のある事後報告制度整備することといたしております。  第五に、我が国国際的責務を的確に果たすため、国際情勢対応して経済制裁等を機動的かつ効果的に実施できるよう所要の規定の整備を行うことといたしております。  その他、所要措置を講ずることといたしております。  以上、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきましてその趣旨説明をいたしました。(拍手)      ————◇—————  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  7. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。鈴木淑夫君。     〔鈴木淑夫登壇
  8. 鈴木淑夫

    鈴木淑夫君 ただいま趣旨説明のありました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、新進党を代表いたしまして、総理並びに大蔵大臣質問をさせていただきます。  現行外国為替及び外国貿易管理法、以下、外為法と略させていただきますが、この外為法は一九八〇年に原則自由・例外規制改正され、当時としては画期的な為替管理自由化実現いたしました。  しかし、その後十七年の間に、世界金融経済情勢は大きく変化したのであります。もともと米国為替管理自由化されておりましたが、欧州諸国においても、EUの市場統合実現し、さらに、通貨の統一を目指すため為替管理撤廃されたのであります。そのため、我が国例外規制は、今となっては欧米先進国の中でも最もおくれた為替管理として取り残されてしまったのであります。  為替管理撤廃と、エレクトロニクス技術を駆使した金融資本取引技術革新によりまして、今や、世界金融資本市場統合、すなわち金融グローバル化は大きく進んでおります。そして、グローバル化した世界市場では、金融商品証券化先物、スワップ、オプションなどの金融技術革新を駆使した各種派生商品、いわゆるデリバティブスが発達し、激しい競争が展開されております。  国際金融センターを抱える各国は、商品開発業務分野規制撤廃によりまして、そうした金融証券化派生商品の発達が容易な金融資本市場を用意し、いわば国際的に商売を奪い合うような市場間競争を展開し、自国金融サービス産業発展を助け、自国市場国際金融センターとして発展させているのであります。  このような世界の潮流の中にあって、ひとり取り残されているのが日本金融サービス産業であり、金融資本市場であります。現行外為法のもとでは、日本市場への参入退出は不自由であり、規制が多く、税制も不利に働くため、金融空洞化という言葉が示すとおり、日本市場のシェアは世界の中で今や低下の一途をたどっております。  このたびの外為法改正は、このような我が国金融空洞化を阻止し、日本市場を、ニューヨークロンドンと並ぶ三大国際金融センター一つとしてよみがえらせるために欠くことのできない対策の一つでありまして、むしろ遅きに失したと言うべきでありましょう。  新進党といたしましては、為替管理自由化方向性につきましては格別異議を唱えるものではありません。問題は、ここに提出された改正案に内在する不明確な点と、改正実施金融資本市場及び金融システムに対するインパクトにあります。  順序として、まず、法案に内在する問題点について、三点お伺いいたします。  第一は、この外為法改正によって我が国金融政策有効性が低下するのではないかという懸念であります。  改正案実施されますと、日本企業海外外貨建て決済口座を持ち、日本国内商取引決済外国にある外貨建て決済口座間の振替で行うことができます。したがって、将来、国内物価安定のために日本国内金融引き締め実施され、国内マネーサプライ抑制金利上昇が生じたとき、企業は、海外外貨建て資金を低利で借り入れで、外貨建て決済口座に入れ、その口座振替日本国内商取引を自由に決済できますので、日本金融引き締め政策の抜け穴となります。外貨建て決済口座為替変動リスクにさらされているとはいえ、新しい金融技術によってリスクを回避する道はたくさんありますから、このような事態は十分に起こり得ます。  経済運営基本にかかわる問題ですので、総理見解をお伺いいたします。  第二は、統計作成市場動向把握のため、自由化後も内外資本取引等事後報告制度整備することになっておりますが、その具体的な内容政省令で定めることとされ、この法案には示されておりません。しかし、もしこの事後報告制度が詳細をきわめ煩瑣なものとなりますと、せっかく自由化された金融資本取引コストが高まり、取引が忌避されますので、自由化の実が上がりません。このように法律実効性を左右するような制度創設政省令に任せることに、私は大きな疑問を感じます。  大蔵大臣、少なくとも法案上程のこの時点で、この制度内容を明らかにすべきではないでしょうか。  第三に、同様の問題が税制にもあります。  法改正に伴い、日本企業個人外国に円建て、外貨建て預金等を自由に持つことができますが、米国やドイツなどでは非居住者受取利息等には源泉徴収課税実施しておりません。日本税務当局は、日本居住者海外での受取利息等をどのような形で捕捉して課税するのでしょうか。これも、余り煩瑣な報告を求めますと、取引コストを高め、自由化の効果を台なしにしてしまいます。大蔵大臣見解をお伺いいたします。  以上三点のうち、第一点は我が国経済運営の根幹にかかわる問題であり、第二、第三点は法改正実効性を左右するものとして、今、日本企業が深い関心を持って見守っております。総理並びに大蔵大臣の明確な答弁をお願いいたします。  次に、外為法改正我が国国内市場並びに国内金融システムに対する影響について、同じく三点質問させていただきます。  第一は、国内規制との関係であります。  我が国金融自由化は、近年かなり進んできたとはいえ、欧米先進国に比べればなお多くの点でおくれております。諸外国政府にとって格好の保有対象である政府短期証券金利はいまだに均衡水準以下に固定され、その市場はほとんど形成されず、購入は困難であります。株式売買委託手数料を初め、多くの金融サービス手数料もほとんど自由化されておりません。有価証券限定列挙主義や過度の取引集中原則などに妨げられて、店頭金融商品開発は大きく制約されております。銀行証券保険等業際規制緩和も遅々としております。  去る三月二十八日に再改正されました規制緩和推進計画を拝見いたしますと、金融関係では、早 くて本年六月、多くは本年度中に結論を出すとされています。しかし、ただいま申し上げました諸規制緩和撤廃は、どうするかの結論をこれから出すのではなくて、実行の段階であり、明年四月の外為法改正実施に間に合うかどうかが問題なのであります。間に合わなければ、日本の不自由な規制を逃れて、個人企業金融資本取引海外にシフトし、海外金融機関日本に参入せず、日本金融空洞化を防ぐはずの外為法改正が、かえって日本金融空洞化を促進する結果となります。  総理並びに大蔵大臣は、先ほど申し上げた諸規制緩和撤廃外為法改正実施に間に合わせるおつもりがあるのかどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。  第二に、税制についても同じ問題があります。  ニューヨークロンドンにおける日本株売買には有価証券取引税はかかりませんし、シンガポールでの日本株先物取引には取引所税は存在しません。非居住者受取利息等に対する源泉課税も、さきに述べたように、ほとんどの国で免除されております。総理並びに大蔵大臣は、日本にしか存在しないこれらの税制を明年四月までにどうされるおつもりですか。仮に有価証券取引税を廃止するとした場合、キャピタルゲインを把握するための納税者番号制度を導入されるのでしょうか。  我が国税制国際標準化実現することなく外為法改正実施いたしますと、この面からも日本金融空洞化を促進するおそれが十分にありますので、総理並びに大蔵大臣の明確な御答弁をお願いいたします。  第三に、為替管理完全撤廃金融自由化は、預金取扱金融機関を含む各種金融機関競争を促進し、その優勝劣敗を強めます。そのこと自体は、日本金融資本市場金融システム発展、ひいては日本経済全体の効率化に寄与するものであります。しかし、競争に敗れた金融機関の破綻は、一つ間違えれば金融システム全体の動揺につながります。  特に、現在のように巨額の不良債権が存在し、今話題となっている複数の大銀行を初めとする少なからぬ数の金融機関経営が悪化していることを考えますと、このまま外為法改正金融自由化に突き進んでも大丈夫なのか、その前に処理すべきことがあるのではないかと感じるのは私一人ではないと思います。  イギリスは、金融ビッグバン実施する以前の一九八〇年から直接税減税国営企業民営化を進め、サプライサイドから民間市場経済を活性化し、成長率が十分に加速した一九八六年にビッグバンに踏み切りました。アメリカも一九八〇年代末以降、総額二十兆円にも及ぶ公的資金を投入して、貯蓄貸付組合を中心とする不良債権処理を終え、マクロ経済の回復が始まった九二年十二月から早期是正措置を導入しました。
  9. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 鈴木淑夫君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  10. 鈴木淑夫

    鈴木淑夫君(続) 間もなく終わります。  総理、信用金庫や銀行を含む不良債権処理抜本的スキームも確立せず、九兆円の国民負担増加によって成長率を再び一%台に落ち込ませた上で、明年四月から外為法改正金融自由化早期是正措置などをスタートさせて、日本金融システムは本当に大丈夫なのでしょうか。明年四月までに、金融三法の域を超えた、もっと一般的な金融システムセーフティーネットを張り直す必要があるのではないでしょうか。  以上、外為法改正国内市場国内システムに対するインパクトについて三点お尋ねいたしました。  外為法改正が、その意図とは逆に、日本金融空洞化を促進し、あるいは金融システム不安定化を招かないかという重大な懸念に関し、国民の皆さんを安心させることができるような明快な答弁総理並びに大蔵大臣に求め、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣橋本龍太郎登壇
  11. 橋本龍太郎

    内閣総理大臣橋本龍太郎君) 鈴木議員お答えを申し上げます。  まず、今次外為法改正によって我が国金融政策有効性が低下するのではないかという御質問をいただきました。  しかし、これはもう議員がよく御承知のように、これまでも相当程度資本取引自由化を行ってきているところでありまして、今回の外為法改正はいわばその総仕上げで、直ちに金融政策有効性に大きな影響を与えるものとは考えておりません。また同時に、外為法改正は、効率的で厚みのある金融市場の構築を目指すものでありまして、金融政策を含めさまざまな面で望ましい環境の形成に資するもの、そのように考えております。  また、先般の規制緩和推進計画の再改定に際しまして、業態別子会社業務分野規制見直しなど金融分野規制緩和策最大限に盛り込みました。議員から、審議会等の時期を明示したのみにとどまっているものがある、そういう御指摘を受けましたが、確かに法制上審議会に諮問しなければならない分野でそうした部分があることは事実であります。しかし、外為法改正だけが行われ、規制緩和が行われないような市場というものが存立し得るかといえば、そのような方向はあり得ません。私は、規制緩和計画は今後とも進んでいくと申し上げておきたいと思いますし、同時に、この金融システム改革というものは遅くとも二〇〇一年までに完了する、こうした明確な期限を示しておるものでありまして、結論の得られたものから速やかに実施していきたいと考えております。  次に、有価証券取引税などについてお尋ねがございました。  各国いろいろな名前をつけた税制がこの分野にはございます。自由化徹底公正性透明性の向上という金融システム改革流れの中で、金融証券税制につきましては、税固有原則を踏まえながら総合的な検討を行うべきものだと考えております。  また、キャピタルゲインを把握するため納税者番号制度を考えているのか、そういう御指摘がありました。  納税者番号制度、これは御承知のように国民生活に少なからぬ影響を持つものであります。今後とも国民の皆様の受けとめ方を十分に把握しながら、幅広い論点から議論を進めていくべきもの、そのように考えております。  それから、金融システムについてお尋ねがございましたが、不良債権処理は着実に進んでおり ます。そして、個々の金融機関経営状況はさまざまでありますけれども、金融機関全体としては、私は不良債権問題を克服することは可能だと考えております。また、金融システム改革を進めるに当たりまして、金融機関不良債権を速やかに処理いたしますとともに、金融三法の枠組みを最大限活用することによって、システム安定に細心の注意を払ってまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)     〔国務大臣三塚博登壇
  12. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 鈴木議員お答えを申し上げます。  私への質問は六問でありますけれども、順次申し上げます。  事後報告制度についてのお尋ねでございますが、効率的かつ実効性のある制度整備することといたしておりまして、改正案では、新たに報告の章を設け、報告対象を可能な限り法律上明示いたしたところでございます。政省令につきましては、報告の不要な場合や具体的な手続等について定めることとしておりますが、その制定に当たりましては、報告者負担軽減に十分配慮してまいりたいと存じます。  次に、海外における受取利息等の捕捉についてのお尋ねでございますが、外国為替管理自由化が行われますと、その反面、クロスボーダー取引を利用した租税回避行為増大等の問題が懸念されるところでございます。公正性透明性を確保しつつ自由化を進めていくため、海外送金等に関する情報資料に係る銀行等報告制度整備を図ることが重要でございまして、そのために立法措置の準備を進めておるところでございます。  次に、金融関係規制緩和についてお尋ねでございます。  総理からも言われましたとおり、規制緩和はこの内閣最大使命一つでございます。金融システム改革の一環として、まず業態別子会社業務分野規制見直しなど規制緩和策を、先般の規制緩和推進計画の再改定におきまして最大限に盛り込ませていただきました。九年度中に措置することといたしたところでございます。また、金融システム改革については、二〇〇一年までに改革が完了するプランをまとめるべく、本年六月を目途に関係審議会等検討を進めておるところでございます。  有価証券取引税等についてのお尋ねでございますが、総理からも言われましたとおり、金融システム改革流れの中で、税の基本原則を踏まえつつ総合的な検討を行い、平成十年度税制改革において適切に対処をしてまいりたいと考えております。また、非居住者受取利息等に対する源泉課税制度につきましては、源泉徴収のメリットや、脱税、租税回避行為の防止といった観点から、維持していくべきものと考えておるところでございます。  キャピタルゲインを把握するための納税者番号制度についての御指摘につきましては、総理からも言われましたが、納税者番号制度基本的な仕組みにつきましては、国民の理解を深める努力を続けますとともに、国民の受けとめ方を十分に把握しながら、プライバシーの問題や、行政民間コスト等についてさらに論議を進めてまいりたいと考えます。  金融システムの安定、不良債権解消等については、総理答弁のとおりでございますから、略させていただきます。(拍手)     —————————————
  13. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 田中甲君。     〔田中甲登壇
  14. 田中甲

    田中甲君 私は、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について、民主党を代表して、質問いたします。  本案は、昨年十一月に総理が指示された経済の基盤をなす金融システム改革、すなわち日本版ビッグバンフロントランナーとして位置づけられております。そこで、まずは、本案の大前提であるビッグバン構想についてお伺いをいたします。  バブル崩壊後、東京の金融市場は、株式市場を含め、今やニューヨークロンドン市場に大きく引き離されたところか、東南アジア金融市場にも追い越されそうな情勢であります。国際金融取引グローバル化エレクトロニクス化の急速な進展に伴い、国境を越えた金融市場の間の競争が展開されており、従来の大蔵省護送船団方式金融行政ではもはや対応はできず、このままでは日本金融市場空洞化が必至という追い詰められた状況の中で浮上したのが、この日本版ビッグバン構想であると認識をするものであります。  改革実現には、官僚をはるかにしのぐ政治の強いリーダーシップが必要であります。国民はもとより世界じゅうが橋本総理大臣行動に注目し、行動力を期待しているところであります。まずは、橋本内閣総理大臣より、日本版ビッグバン実現に向けた基本姿勢決意のほどを確認させていただきたいと思います。  自由で透明で国際的な金融市場を目指すという日本版ビッグバンと、そのフロントランナーとしての外国為替資本取引自由化について、民主党基本的に賛成であります。が、しかし、その前段に、空洞化という大病を予防するための適切な処方せんが不可欠であると考えております。  つまり、外国為替資本取引自由化が施行される来年四月までの短期間に、思い切った国内市場規制撤廃緩和の前倒し、経営情報の開示の徹底有価証券取引税の廃止を初めとする税制の国際的なイコールフッティングを実現しなければならないという処方せんであります。さもなければ、現在は国内にある金融資産の多くが海外に流出し、国内資金不足を引き起こし、金利上昇経済の停滞という悪循環を招きます。処方せんを間違えれば重体になり、やがて日本経済の容体が急変し危篤状態にもなりかねないということであり、だからこそ、各課題に対し政府が適切な対応をとることが必要なのであります。  しかしながら、お聞かせをいただけるでありましょう総理決意とは裏腹に、最近の政府の施策を見るに、本気で日本版ビッグバン実現しよう、その環境づくりを行おうという熱意は、残念ながら大蔵省からは伝わってまいりません。  例えば、一昨日発表された大蔵省日本債券信用銀行に対しての再建支援策は、旧来の護送船団方式姿そのもので、改革のやる気のなさを顕著に示すものであります。大蔵省大臣談話を発表し、日本債券信用銀行に対し、新金融安定化基金及び日本銀行公的資金を導入する方針を表明し、さらに、銀行や保険会社等各金融業態の幹部 を銀行局長室に集め、経営再建策に対する支援を要請したのでありました。  しかも、この間、大蔵省出身の頭取を初めとする役員が、赤字決算を続けながら、大臣をしのぐ報酬をもらい続けるなど、これらの姿勢を見れば、経営は悪化すべくして悪化したと言わざるを得ないのであります。  さらに、その金融機関に対し、行政すなわち大蔵省が、三年半もの間検査もせず、その経営内容不良債権の実態を明らかにして経営責任を追及することもなく、いきなり公的資金を導入し保護するという今回の措置は、自己責任原則を確立し、市場化を進めようとする金融改革の目的からほど遠いものと断ぜざるを得ないのであります。  大蔵省はこれまで、日債銀の自力再建が可能だと言ってきたにもかかわらず、一転して支援措置による救済に転じたのはいかなる理由なのか、国民が納得できる説明というものを大蔵大臣にお願いしたいと思います。  もはや、大蔵省が、ただ大丈夫と言い、各金融機関に支援をさせるという時代ではないと思うのです。大蔵省がやるべきことは、早い段階できちんと検査を行い、各金融機関に対して判断材料を提供することに徹すべきということではないでしょうか。  また、不思議なことに、大蔵省が、検査の前に、支援措置によってどうして再建が可能であると判断ができたのか、理解に苦しみます。大蔵省の日債銀に対する検査結果がなく、各金融機関経営責任者が支援を決めれば、例えばその後経営が破綻した場合には、その経営責任者は背任に問われることになると考えられますが、実はこの点は担当の大蔵官僚の方に確認をしたいという思いでありますが、この場所では大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。  日債銀が発行する金融債は、一部の政治家の大量購入があったことも明らかになっており、公的資金を導入しての再建が金融システムの安定のために必要という理由だけでは、国民が納得できる説明では到底ありません。強く指摘をしておきたいと思います。  日債銀の件と同様に、野村証券事件も、ビッグバンの前に行政がきちんと事実解明をし、早急に的確な処理をすべき問題であります。アメリカの下院ロス銀行委員長も、今回の事件を注目しているという発表をするなど、世界じゅうが、日本政府が各市場のプレーヤーに対しどのように振る舞うかを、ビッグバンを本気で行うかどうかの試金石として見ています。  今回の事件は、野村証券が損失補てんで営業停止になってから五年もたたないうちの再犯であり、重犯は厳罰に処すべしという毅然とした態度を示すことが求められているのではないでしょうか。また、いまだ行政処分がないのはいかなる理由なのか、大蔵大臣の明確な答弁を求めたいと思います。  次に、本法案の個別の事項について質問をさせていただきます。  法案では、第十六条、経済制裁等の国際的要請への対応は、国民の財産権を制約し、違反者には罰則も科す経済規制政府が閣議決定のみで可能な政令に包括的に委任することであり、憲法の精神、罪刑法定主義に照らして、適切な対応とは思えません。  また、相手国との緊張を高め、戦争の危険につながり得る経済制裁措置について、憲法上国権の最高機関であり、広範な行政監督権を有する国会が一切関与できないというのは、立法府と行政府関係においてバランスを失するものであります。端的に言うならば国会の軽視であり、賛成することはできません。  そこで、対案として、民主党は、災害対策基本法における法律構成を外国為替及び外国貿易法に導入することを提案したいと思います。  災害対策基本法第百九条も、災害時の規制について、緊急政令という形で政令への包括的な委任を定めております。が、しかし、これは一般的な規定ではなく、原則法律で定めるべきことを、緊急事態に対処するための便法として政令委任を認め、事後的に国会の承認を得るように定めているものであります。あくまでも、国会の承認を得られなければその効力を失うという法律構成になっており、こうしたセーフガードの措置に関する国会承認の規定を今回の改正法案に設けるべきだという考えであります。この提案に対して、総理並びに大蔵大臣の御所見を賜りたいと思います。  続いて、法案で申し上げるならば二十一条、海外預金自由化における問題点は、今回の法改正が、有価証券取引税の廃止や手数料自由化規制緩和を伴わないと、東京市場の活性化ところか、逆に空洞化は一層進んでしまうという危険性をはらんでいることであります。この点は、大蔵省からは、影響はほとんどないと楽観的な説明を受けておりますが、私はそうは考えません。水が高いところから低いところに流れるように、国際経済市場はできるだけ低いコストで商売できるところに移っていくのが自然だと考えるからであります。  そこで、この問題を解決するためには、来年四月の改正法案の施行までに、委託手数料の廃止、有価証券取引税の廃止が必要だと思われますが、大蔵大臣はいかがお考えでありましょうか。  また、このほかにも実施すべき規制緩和措置が数多くあると民主党は考えておりますが、大蔵大臣は、このような中で、特にどのような規制緩和をどのようなスケジュールで進めていかれるか、そのお考えを明確に示していただきたいと思います。  最後に、橋本総理、今回の外国為替資本取引自由化は、東京市場の活性化のために、中途半端な形ではならないということであります。何とぞ処方せんを誤らぬように日本版ビッグバンを進めていただきたいと心からお願いを申し、もちろん民主党最大限の努力を行うことをお約束させていただきたいと思います。  そして、何よりも総理の思いを実現するために、政府大蔵省の真摯な対応というものを心からお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)     〔内閣総理大臣橋本龍太郎登壇
  15. 橋本龍太郎

    内閣総理大臣橋本龍太郎君) 田中議員お答えを申し上げます。  最初に、我が国金融システム改革に対するその基本姿勢及び決意というお問いかけでありました。  御承知のように、今ヨーロッパにおいては、新しい基軸通貨となり得べきユーロが誕生しようと いたしております。基軸通貨が複数になる、これは、我々が一たん注意を怠れば、我が国通貨である円がローカルカレンシーになる危険をはらんでいるということにほかなりません。しかし、我が国通貨であります円をむざむざローカルカレンシーにするつもりは、私にはございません。そして、国際通貨としての円の地位を向上させていきますために、同時に、国民の資産運用の有利な場をつくるという点からも、この問題にぜひ取り組みたい、そのように考えてまいりました。  そして、外為法改正、これは先ほどもお答えをしたことでありますけれども、果たして外為法改正だけでこのシステム改革を中断させたとき一体どんな状況になるかを考えていただくならば、これを中断することはできない。そして、それぞれのシステムにかかわるあらゆる規制等を今後緩和あるいは撤廃していかなければならないということは、どなたからも御理解のいただけることであると思います。  また、災害対策基本法の百九条と外為法第十六条についての御意見がございました。  私は、外為法に基づく政令は、支払い等を直接禁止するものではない、許可を受ける義務を課するにとどまるものであるということを考えましたとき、災害対策基本法に基づく政令、これは国民の権利義務に直接かかわる緊急措置を定めているものでありまして、大きく性格の異なるものだ、国会承認の規定は必要がない、そのように考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)     〔国務大臣三塚博登壇
  16. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 田中議員お答えを申し上げます。  まず、日債銀についてでございますが、一昨日、同行より抜本的な経営再建策が発表されました。大蔵省といたしましては、従前より、内外金融システムに大きな動揺が生じませんよう、各行の経営基盤強化のための努力をサポートいたしてまいりましたことは、御案内のとおりであります。今回の支援もその一環として行ったものであります。  次に、金融機関の判断材料等々についての御質問でございますが、今般、日債銀は、みずからの経営判断によりまして、大株主等に対し、代表者、経営陣が資本拠出の要請を行ったところでありますが、出資を行うかどうかは、各関係者が個々に判断すべきものと考えておるところであります。  なお、日債銀の財務状況につきましては、同行が監査法人とも十分協議して行いました自己査定結果の報告を受けておりまして、その査定の内容については、大蔵省といたしましても十分に確認をいたしておるところでございます。  次に、野村証券の事件についてのお尋ねでございます。  まことに遺憾な事件が起きました。かつての証券不祥事件の反省を踏まえながら、法令違反行為については、証券取引等監視委員会が独立して事実認定をした上で、行政処分を大蔵大臣に勧告する仕組みに相なっておるところであります。現在、監視委員会による調査が行われておるところでございまして、行政としては、今後、勧告がありますれば厳正に対処をいたしてまいりたいと考えております。  次に、国会承認の問題でございますが、総理大臣から申されたとおりであります。国民の権利義務に直接かかわる緊急措置を定める災害基本法の政令とは大きく性格が異なりまして、国会承認は必要がないものと考えております。  次に、委託手数料自由化せよとの御指摘でございます。  昨年秋の金融システム改革に関する総理の御指示におきましても、市場原理が働く自由な市場における多様なサービスと多様な対価という観点から具体的検討項目とされておりまして、本年六月には、証券取引審議会において自由化のスケジュールを含め結論を得ることといたしておるところでございます。  有取税でございますが、有価証券取引税、本件は、鈴木議員にもお答えを申し上げましたとおり、金融システム改革の一環としての証券市場の構造改革の今後の進展状況を踏まえつつ、証券税制全体の中で本年末までに検討し、平成十年度税制改正において適切に対応したいと考えておるところでございます。  次に、規制緩和を行うべしとの御指摘であります。  本内閣の最大の命題でありまして、先般、第一弾を発表させていただいたところでございます。今般の金融システム改革は、我が国市場空洞化懸念を踏まえて推進いたすことといたしており、先般の規制緩和推進計画の再改定に当たりましては、業態別子会社業務分野規制見直し、適格退職年金に係る資産運用規制撤廃など各般の規制緩和最大限に織り込みまして、九年度中に措置することといたしております。  以上であります。(拍手)     —————————————
  17. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 前田武志君。     〔前田武志君登壇
  18. 前田武志

    ○前田武志君 ただいま趣旨説明のありました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について、太陽党を代表して、橋本総理及び三塚大蔵大臣質問させていただきます。  今回政府が提案されている本改正案は、総理の六つの諸改革の中でも先頭を切って早急に改革を要する措置と位置づけられております。金融資本市場改革のいわゆるビッグバンと称されるもろもろの改革は、我が国税制金融制度を初め、金融機関及び証券会社等、金融資本市場の中核をなす企業経営そのものに、またユーザーとしての国民企業行動に劇的な大変化をもたらします。  私は、この金融システム改革は、橋本総理の主張されるように、我が国の活力ある発展にとって必要不可欠な措置と認識いたしますが、本法律案を初めとした諸改革の歩調が整わない場合には、かえって我が国金融資本市場空洞化に拍車をかけ、国民生活に混乱を来すのではないかと危惧しております。  以下、順に本法律案内容についてお尋ねいたします。  第一に、今回の外為法改正は、日本版ビッグバンフロントランナーと位置づけられております。我が国金融資本市場においては、さまざまな公的規制や不合理な慣行が存在し、情報開示 も不十分なため、自由な競争が制約されております。また、税制が国際的な整合性を欠き、さらに市場インフラも未整備であるため、ニューヨーク市場やユーロ市場に比べ極めて非効率であり、我が国企業資金調達がニューヨーク市場ロンドン市場に流出するという空洞化の傾向が進んでおります。  まさに時間の猶予はありません。経済のストック化、社会の高齢化の進行を考えますと、企業のみならず個人の資産運用の重要性がますます高まっているのであります。個人がそれぞれ最適の資産運用を行い得るように、柔軟かつ適切な資産運用環境実現することが必要であります。  そこで、今回外為法改正されることを契機として、日本版ビッグバンを前倒しで実行すべきであると考えますが、総理はいかがお考えでございましょうか。  第二に、今回の外為法改正により、海外に開設した口座を通じ、外国証券会社だけではなく日本国内証券会社と取引できるようになります。ところが、円預金や円債の金利日本株の配当が、国内では源泉徴収されるのに対し、例えばロンドンでは税金がかからない。ロンドン日本株売買注文をすれば、有価証券取引税もなく、株式委託手数料国内の十分の一で済むのであります。したがって、日本証券市場に係る規制税制を抜本的に改正し、グローバルスタンダードへと転換しない限り、東京市場空洞化は避けられないのであります。  そこで、この際、有価証券取引税の即時撤廃及び株式委託手数料の即時自由化を断行すべきであると考えますが、総理はいかがお考えでしょうか。  第三に、個人の株式取引税制上分離課税であるのに対し、先物取引やオプション取引等のいわゆるデリバティブについては総合課税を行っておりますが、こうした税制上の取り扱いの違いが新しい金融商品開発を妨げることになります。さらに、金融先物と商品先物が縦割り行政になっているなど、先物市場の問題もあります。  今回の外為法改正により、通貨先物取引が一般化することに合わせ、この際、直ちに先物市場整備及び税制改革に取り組むべきであると考えますが、総理はいかがお考えでしょうか。  第四に、これまで税制等の改革の必要な部分について何点か例を挙げて申し上げてきたわけですが、これらと関連して、そもそも外為法改正により我が国政府の税収が大きく変化する可能性について指摘をさせていただきます。  外為法改正の結果、仮に国民金融資産海外流出、金融機関競争激化に伴う収益悪化などが生ずるとすれば、そのことにより税収の減少が起こるわけであります。一方、外国金融機関日本進出も盛んになると考えられますが、国際的な収益のつけかえなどが行われるため、結果として、これらの外国金融機関我が国で多額の納税をする状況は考えにくいと思われます。総じて言えば、外為法改正によって税収の減少に直面する可能性が高いと考えられます。  大蔵大臣は、こうした可能性についてどのように考えておられるのか、またどの程度の税収不足が起こると予測されておられるのか、事前に対処しておく必要はないのか、そういった点についてお伺いをいたします。  第五に、不良債権問題の処理に苦しむ我が国金融機関がこのような激変に耐えられるかの問題であります。  株価下落、地価下落による含み資産の縮小による金融機関の体力の低下、ひいては金融システムの脆弱化している昨今、その自律的な回復を促すためには、まず何よりも内需を拡大し景気を立ち直らせることが必要でございます。消費税値上げ、所得減税打ち切り等、政府のとったデフレ政策に加えて、景気の足取りを重いものにしているものに不良債権処理が進んでいないことがあり、それは、担保不動産の処分等、土地が動かない現状に問題があります。したがって、土地の流動化政策の推進こそが重要な課題であります。土地税制の軽減等を含め、土地の高度利用を図り、また証券化の手法を取り入れた本格的な不動産投資市場の創設等が必要であります。  政府においては、このような方向づけを早急に行い、国民の前に示すべきものと考えますが、この点についての総理の御所見をお伺いいたします。  第六に、外為法改正後、いかに日本国内において公正な金融取引を確保するかという点に関連して質問をさせていただきます。  外為法改正及び一連の金融ビッグバン実施によって、国内金融取引は大幅に自由化され、最先端の金融取引をめぐって金融機関等による競争が活発化する状況が想定されます。最先端の金融取引にはリスクがつきまどうものであります。海外の例で見ても、いわゆるデリバティブ取引の失敗で地方自治体や銀行が突如破綻するという事態が現実化しております。  こうした状況において、なお金融取引の安全性を確保できる金融監督体制を整備することは容易ではありません。まず何よりも国際的な基準に沿った金融取引ルールを国内において確立し、それを厳正に適用する体制を築く必要があります。また、外国人等も含め不正な取引を摘発あるいは訴追できる体制を用意することも必要です。さらに、これと関連して、弁護士、公認会計士や税理士など金融取引にかかわる専門家が、必要とされる業務に数多く配置される状況を早急に整備しなければなりません。  さらに、マネーロンダリングや脱税防止に対する国際的な要請の高まりもあります。外為法改正で始まる金融の大幅な自由化は、資金流れを多様かつ複雑にし、また資金の出所の特定や送金人の本人確認が現在の体制に比べて非常に難しくなることが予想されます。各国政府は、それぞれ金融規制緩和を行い、一般人の金融取引の利便性を一段と向上させる一方で、マネーロンダリングの撲滅には大変な苦労を費やしているところであります。  政府として、日本金融市場がマネーロンダリングの温床にならぬよう効果的な対策が必要です。外為法改正により我が国金融市場が無法地帯となってしまわないような諸方策の必要性をどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。  第七に、危機管理の観点からお伺いいたします。  国際的な要請にこたえて経済制裁等を機動的に発動することとされておりますが、さらに、国際金融上の予期せざる事態が起こって円が危機的状況に陥った場合など、経済的有事における国益保持の観点から、為替管理の統制、危機管理をいかに行う御所存か、総理の御所見をお伺いいたします。  内外資本取引自由化は、利用者に多様な金融等の商品やサービスを提供することとなります。このような経済社会は、多大のリスクを伴う取引の周知徹底や、金融機関証券会社を初めとする金融システム関連業界の経営内容の十分な情報開示を制度的に早急に整備する必要が強く求められるところであります。  我が国の東京市場を初め金融資本市場が、ニューヨークロンドンと比肩する国際金融市場となるためには、乗り越えなければならない難問が山積しております。政府においては、これら諸改革によって金融不安や企業倒産による失業不安を招来させぬよう、着実で調和のとれた金融システム改革を実行されんことを望み、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣橋本龍太郎登壇
  19. 橋本龍太郎

    内閣総理大臣橋本龍太郎君) 前田議員お答えを申し上げます。  まず最初に、金融システム改革を前倒しすべきであるという御指摘をいただきました。  本改革は、多くの分野にまたがるものでございます。法制度内容等も含めまして総合的に進めていく必要があるものであり、強い決意を持ってこれに取り組んでまいりたい。そして、この改革は遅くとも二〇〇一年までに完了するという明確な期限を示しておりまして、結論の得られたものから速やかに実施していきたいと考えております。  次に、有価証券取引税について御意見をいただきましたが、金融システム改革の中で、税制につきましては、公平、中立、簡素の基本原則を踏まえて検討を行っていく必要がございます。有価証券取引税につきましては、金融システム改革進展状況などを踏まえながら、証券税制全体の中で本年末までに検討し、平成十年度税制改正において適切に対応すべきものと考えております。  次に、株式委託手数料の即時自由化を断行すべきであるという御意見をいただきました。  昨年秋、この金融システム改革に関する私の出しました指示の中でも、市場原理が働く自由な市場における多様なサービスと多様な対価という観点から具体的検討項目として取り上げているものでありまして、本年六月には、証券取引審議会におきまして、自由化のスケジュールを含めて結論をいただくものと承知をいたしております。次に、先物市場整備について御意見をいただきました。  今般の金融システム改革の中におきまして、国際的にも遜色のない市場の形成に向けて所要整備を目指すなど、関係審議会等々において御議論をいただいております。  なお、金融先物と商品先物の縦割り行政という御指摘をいただきましたが、先物取引が現物取引と密接な関係を有しておりますことから、これらを一体的に管理いたしておるところであります。  また、個人の株式取引、デリバティブ等々、こうした点からの税制の問題の御提起がございました。  株式等譲渡益課税及び先物取引等デリバティブによる所得に対する課税を含めまして、金融関係税制全体につきましては、今申し上げましたような金融システム改革進展状況の中で、公平、中立、簡素という税制基本原則を踏まえて検討してまいります。  また、不良債権処理を進めるためにも土地の対策が必要であるという御指摘をいただきました。  三月末、担保不動産等流動化総合対策を取りまとめまして、担保不動産の収益性の向上、担保不動産の証券化、情報化の推進などに取り組むこととしておりまして、これにより土地の有効利用が進展我が国経済の活力が維持される、そのように考えております。また、税制につきましては、担保不動産の流動化という政策課題を踏まえながら、課税の公平中立等の観点を視野に入れて検討していくべき課題であると考えております。  なお、この土地の有効利用につきまして、与党三党の政調会長にも入っていただいた関係閣僚から成ります土地の有効利用促進のための検討会議を設置し、今後さらに政治的レベルでも検討を加えていくこととしております。  次に、国際的な基準に沿った金融取引ルールの確立や金融取引に関する専門家の配置等についての御意見がありました。  自由に取引される市場におきましては、市場のメカニズムが有効に働くと同時に、自己責任原則に基づく公正な取引が確保される必要があるのは御指摘のとおりであります。このため、今後の金融システム改革の中におきましても、フリー、フェア、グローバルという三原則を踏まえて、法制度、会計制度、監督体制などの整備を含めて適切に対応してまいります。  最後に私にありましたのは、為替管理についてのお尋ねでありました。  今回の外為法改正におきましては、御指摘のような経済的有事におきまして、資本取引などについて許可を受ける義務を課することができる旨の規定をいたしておりまして、改正法案におきましてもこの規定を維持し、経済的有事に適切に対応してまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)     〔国務大臣三塚博登壇
  20. 三塚博

    国務大臣三塚博君) 前田議員お答えを申し上げます。  私に対しましては、二問でございます。  まず、外為法改正によります税の減収についていかんということであります。  これまでも着実に規制緩和実施いたしておりますが、今回の改正によりまして、我が国の一方的な資本流出が生ずるとは考えにくいところでございます。また、金融機関はより多様な金融サービスを提供でき、ビジネスチャンスの拡大が期待されるようになってまいります。したがいまして、今回の改正により税収が減少するとは考えて おらないところでございます。  マネーロンダリング防止についての方策についてお尋ねでございますが、改正法案におきましては、近時の国際的な議論の動向を踏まえまして、両替業務を行う者等に対する本人の確認義務や現金等の支払い手段の輸出入に係る事前届け出制度を規定し、適切に対応することといたしております。(拍手
  21. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 教育公務員特例法の一部を改正す   る法律案内閣提出参議院送付
  22. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第一、教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。文教委員長二田孝治君。     —————————————  教育公務員特例法の一部を改正する法律案及び   同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔二田孝治君登壇
  23. 二田孝治

    ○二田孝治君 ただいま議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案につきまして文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、科学技術基本計画等を踏まえ、国立大学と民間との共同研究等を推進するため、国立大学等の教員が共同研究等に従事するに当たり休職にされた場合の退職手当の在職期間の計算について、この休職期間を除算しないこととするため、国家公務員退職手当法の特例に関する規定を設けるものであります。  本案は、三月十九日参議院より送付され、同月二十五日本委員会に付託されたものであります。  本委員会におきましては、昨日小杉文部大臣から提案理由を聴取した後、質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  24. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案委員報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 環境保護に関する南極条約議定書及び環境保護に関する南極条約議定量の附属書Vの締結について承認を求めるの件   (参議院送付)  日程第三 アジア太平洋郵便連合憲章追加議定書及びアジア太平洋郵便連合一般規則締結について承認を求めるの件(参議院送付
  26. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第二、環境保護に関する南極条約議定書及び環境保護に関する南極条約議定書附属書Vの締結について承認を求めるの件、日程第三、アジア太平洋郵便連合憲章追加議定書及びアジア太平洋郵便連合一般規則締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。外務委員長逢沢一郎君。     —————————————  環境保護に関する南極条約議定書及び環境保護に関する南極条約議定書附属書Vの締結について承認を求めるの件及び同報告書  アジア太平洋郵便連合憲章追加議定書及びアジア太平洋郵便連合一般規則締結について承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔逢沢一郎君登壇
  27. 逢沢一郎

    ○逢沢一郎君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、南極条約議定書及附属書Vについて申し上げます。  南極の環境及び生態系の保護については、従来、南極条約協議国会議の勧告に従い、動植物相の保存、海洋生物資源の保存、特別保護地区の設定等、個別的な措置がとられてまいりました。しかしながら、地球環境の保護の重要性が世界的に一層強調されるようになり、平成元年の第十五回南極条約協議国会議においで、南極の環境等を包括的に保護するための法的枠組みの作成について勧告が行われました。  この勧告に基づき、法的枠組みを作成するための南極条約特別協議国会議の会合が平成二年以降四回にわたって行われ、平成三年十月、マドリードで開催された同会議において附属書を含む議定書が採択され、また、同月ボンで開催された第十六回南極条約協議国会議において附属書Vが採択されました。  本議定書及び附属書Vは、南極の環境と生態系を包括的に保護することを目的とするものであります。  議定書本文は、南極地域における科学的調査以外の鉱物資源活動の禁止、環境上の緊急事態に対応するための緊急時計画の作成及び活動が計画される場合の環境影響評価等について定め、その附属書において、動植物相の保存、廃棄物の処分及び管理並びに海洋汚染の防止等に関する具体的措置を規定しております。  また、附属書Vは、南極特別保護地区または管理地区における活動の規制等について、具体的措置を規定しております。  次に、アジア太平洋郵便連合憲章追加議定書及び一般規則につきまして申し上げます。  アジア=太平洋郵便連合の文書は、アジア太平洋郵便連合憲章アジア太平洋郵便連合一般規則及びアジア=太平洋郵便連合条約の三文書とされておりましたが、平成二年にニュージーランドのロトルアで開催された第六回大会議において、執行理事会に対し、これら三文書の構成及び内容の再検討を付託することが決議されました。この決議を受け、草案の作成作業が行われた結果、平成七年、シンガポールで開催された第七回大会議において、現行の憲章を改正する追加議定 書が作成され、また、この改正に伴い本一般規則が作成されました。  その主な改正点は、追加議定書については、条約の内容を一般規則に一本化し、一般規則を恒久文書化すること、連合への加盟、脱退及び連合の文書の締結手続等における寄託者等を中央事務局の存在する国の政府から中央事務局長に変更すること、さらに一般規則は、従来、条約の内容であった国際郵便業務に関する規定を追加したこと、連合の支出の年間最高限度額を十万合衆国ドルから十一万合衆国ドルに引き上げること等であります。  以上両件は、去る三月十九日参議院から送付され、二十五日に外務委員会に付託されたものであります。  外務委員会におきましては、四月一日池田外務大臣から両件について提案理由の説明を聴取し、昨二日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————
  28. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 両件を一括して採決いたします。  両件は委員報告のとおり承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員報告のとおり承認することに決まりました。      ————◇—————  日程第四 民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案内閣提出参議院送付
  30. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第四、民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。商工委員長武部勤君。     —————————————  民間活動に係る規制改善及び行政事務合理化のための通商産業省関係法律の一部を改正する等の法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔武部勤君登壇
  31. 武部勤

    ○武部勤君 ただいま議題となりました法律案につきまして商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、経済構造改革を推進していく上で、規制緩和の推進及び行政事務の簡素化、合理化が重要な課題であることにかんがみ、通商産業省関係の十六の法律について一括して廃止し、または改正する措置を講じようとするものであります。  その主な内容は、  第一に、輸出手続を簡素化するため、輸出検査法及び輸出品デザイン法の二法律を廃止すること、  第二に、企業組織の変更に係る手続を簡素化するため、電気工事士法等十一の法律について許認可等の再取得や再届け出を不要とする措置を講ずること、  その他、諸規制について簡素化、合理化を図ることなどであります。  本案は、去る三月十九日参議院から送付され、同二十五日当委員会に付託され、昨四月二日佐藤通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行った後、討論を行い、採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  32. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案委員長の報告は可決であります。本案委員報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  33. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案委員報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第五 特定通信放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案内閣提出
  34. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第五、特定通信放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。逓信委員長木村義雄君。     —————————————  特定通信放送開発事業実施円滑化法の一部を   改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔木村義雄君登壇
  35. 木村義雄

    ○木村義雄君 ただいま議題となりました特定通信放送開発事業実施円滑化法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、認定計画に係る通信・放送新規事業を実施する株式会社が、当該事業の実施に必要な人材を確保するため、ストックオプション制度として、取締役または使用人に対し、将来の一定期間、特に有利な発行価額で自社株式を購入できる権利を付与する制度を導入しようとするものであります。  本案は、去る四月一日本委員会に付託され、昨二日堀之内郵政大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  36. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案委員長の報告は可決であります。本案委員報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  37. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案委員報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 障害者雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  38. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第六、障害者雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。労働委員長青山丘君。     —————————————  障害者雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔青山丘君登壇
  39. 青山丘

    ○青山丘君 ただいま議題となりました障害者雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、障害者雇用に関する状況にかんがみ、精神薄弱者を含む障害者雇用率を設定するほか、障害者雇用支援センターの設置主体に社会福祉法人を加えるなど、障害者雇用施策の充実強化を図ろうとするものであります。  その主な内容は、  第一に、身体障害者または精神薄弱者である労働者の総数を算定の基礎とした障害者雇用率を設定し、事業主はその雇用する身体障害者または精神薄弱者である労働者の数が障害者雇用率以上であるようにしなければならないものとすること、  第二に、子会社が雇用する障害者を親事業主が雇用する障害者とみなすことができる特例子会社の認定要件について、親事業主と営業上の関係が緊密であることという要件を廃止するものとすること、  第三に、障害者雇用支援センターとして指定できる者に社会福祉法人を加えることなど、障害者雇用支援センターの指定要件を緩和するものとすること、  第四に、精神障害者である短時間労働者についても助成金の支給対象とするものとすること等であります。  本案は、去る三月十九日参議院より送付され、三月二十五日労働委員会に付託となり、昨二日岡野労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  40. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 採決いたします。  本案委員報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  42. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十八分散会      ————◇—————