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1997-05-30 第140回国会 衆議院 内閣委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年五月三十日(金曜日)     午前九時五分開議 出席委員   委員長 伊藤 忠治君    理事 赤城 徳彦君 理事 岸田 文雄君    理事 熊代 昭彦君 理事 御法川英文君    理事 河村たかし君 理事 倉田 栄喜君    理事 金田 誠一君 理事 木島日出夫君       岩永 峯一君    大野 松茂君       大村 秀章君    金田 英行君       菅  義偉君    平沢 勝栄君       茂木 敏充君    渡辺 博道君       石井 啓一君    上田 清司君       鹿野 道彦君    武山百合子君       中川 正春君    西村 眞悟君       丸谷 佳織君    池端 清一君       瀬古由起子君    辻元 清美君       保坂 展人君    奥田 敬和君  委員外出席者         議     員 熊代 昭彦君         議     員 小川  元君         議     員 河村たかし君         議     員 上田 清司君         議     員 富田 茂之君         議     員 木島日出夫君         議     員 瀬古由起子君         議     員 辻元 清美君         衆議院法制局第         一部長     早川 正徳君         経済企画庁国民         生活局国民生活         政策課余暇・市         民活動室長   小林 裕幸君         内閣委員会調査         室長      新倉 紀一君     ————————————— 委員の異動 五月三十日  辞任         補欠選任   虎島 和夫君     金田 英行君   桧田  仁君     茂木 敏充君   石田幸四郎君     丸谷 佳織君   鹿野 道彦君     上田 清司君   鈴木 淑夫君     中川 正春君   中野 寛成君     武山百合子君   保坂 展人君     辻元 清美君   奥田 敬和君     前田 武志君 同日  辞任         補欠選任   金田 英行君     虎島 和夫君   茂木 敏充君     桧田  仁君   上田 清司君     鹿野 道彦君   武山百合子君     中野 寛成君   中川 正春君     鈴木 淑夫君   丸谷 佳織君     石田幸四郎君     ————————————— 五月三十日  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する  請願深田肇紹介)(第三三〇八号)  同(能勢和子紹介)(第三三三三号)  同(野呂田芳成君紹介)(第三三三四号)  同(肥田美代子紹介)(第三三三五号)  同(深田肇紹介)(第三三三六号)  同(肥田美代子紹介)(第三三七四号)  傷病恩給等改善に関する請願持永和見君紹  介)(第三四五六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  市民公益活動を行う団体に対する法人格付与  等に関する法律案河村たかし君外四名提出、  第百三十九回国会衆法第四号)  市民活動促進法案熊代昭彦君外四名提出、第  百三十九回国会衆法第一八号)  非営利団体に対する法人格付与等に関する法  律案木島日出夫君外二名提出衆法第一三号  )      ————◇—————
  2. 伊藤忠治

    伊藤委員長 これより会議を開きます。  第百三十九回国会河村たかし君外四名提出市民公益活動を行う団体に対する法人格付与等に関する法律案、第百三十九回国会熊代昭彦君外四名提出市民活動促進法案及び木島日出夫君外二名提出、非営利団体に対する法人格付与等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大村秀章君。
  3. 大村秀章

    大村委員 皆さん、おはようございます。  本日は、この市民活動促進法案及び各党、三党から出されておりますこの法案につきまして、順次御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  市民の自主的、自発的な活動ボランティア活動といったものでございますが、こうした市民活動は、もう既にこの日本全国定着をしておるわけでございまして、それぞれの地域に本当に根づいておるというふうに認識をしております。地域の祭礼を担うものから福祉環境教育文化、スポーツ、ありとあらゆる分野にわたりまして幅広い活動をし、そして国民生活潤いのあるものにするとともに、我が国の社会をある意味では厚みのあるものにしておるということではないかと思っております。  我々、今ここに本日出席をしておられる皆様方は、選挙という活動を通じまして地域のありとあらゆる方々自分活動をお訴えをする、そういう過程の中で、こうした市民活動をやられている方々と必ず出会うわけでございます。そういう意味で、こうした方々活動が本当に日本社会に定着しているな、根づいているなというのをまさしく実感をしておるのではないか。私もその一人でございまして、こうした方々一緒活動する中で、地域社会を、そしてこの日本社会をさらにさらに潤いのあるものにしていきたい、厚みのあるものにしていきたい、成熟した市民社会、そうしたものをつくっていきたいというふうに思うわけでございます。  そこで、こうした市民活動をバックアップするということで、今回こうした法案がそれぞれ三党から出された、三党といいますか、すべての党派から出された、三案が出されたということは、大変私は意義深いものだと思っております。そういう意味で、ここに至りますまでに本当に議論を尽くされた皆様方に本当に敬意を表する次第でございます。この委員会での審議を通じまして、我々は、もちろん私は与党案を支持するものでありますけれども、さらにさらにこの審議を通じてこの意義が深められて、そして市民活動をさらにバックアップするいいものができればというふうに期待する次第でございます。  そこで、質問をさせていただきますわけでありますけれども、まず、この法人格取得対象範囲ということが昨日も大変いろいろ議論になりました。我々出しております与党案は、いろいろ分野を並べて列挙しておるわけでございまして、新進党案共産党案はそういうものがないということでありますけれども、私は、この十一の分野、これを見ていまして、大体ほとんど、ほとんどといいますか、今ある市民活動は私はすべてが対象になると思っております。これに当たらないものがむしろないのじゃないか、探せないのじゃないかという感じがするわけであります。私はそう思っておりますが、まず確認になりますけれども、こうした理解でいいかどうか、お答えをいただければと思います。
  4. 熊代昭彦

    熊代議員 市民活動重要性社会厚みを増すというその機能、先生御指摘のとおりだと思います。  それで、御質問のことでございますけれども、十一項目に限定されているということでございますけれども、繰り返し申し上げてはおりますけれども、やはり民法とのすみ分けをしておりますので、外れているものは必ずあると思います、それは分野を限ったことでございますから。ただ、今いわゆる市民活動というものをやっておられる団体が、この十一項目を活用して市民活動団体をつくりたいと。そのときに、従たる活動もあるわけですから、主たる活動をこの十一項目に焦点を据えて組織しまして、従たる活動としてこの項目にないものをするというような工夫をすれば、かなりの団体が必ず法人格が取れる、そういう構成ではないか。要するに、市民活動団体の意思にかかる面も非常に多いのではないだろうか、そのように考えているところでございます。
  5. 大村秀章

    大村委員 昨日、同僚の渡辺議員地元のことをお話しされましたので、私も一言申し上げたいと思います。  私の地元に知立市というところがありまして、そこにボランティアあおみの会というのがあります。三百人ぐらいの御婦人方が今集まりまして、もう二十年ぐらいそうした活動をされておられるわけでございまして、その内容は、老人グループ障害者グループカウンセリンググループ青少年グループ点訳グループ切手グループ国際協力グループなどなど、ありとあらゆる分野にわたっておるわけでございます。多分これの中心的な活動福祉ということであろうかと思いますので、そうした分野で多分法人格といいますか、申請をされるのではないかというふうに思うわけでございます。  そのときの手続的なもので、今回、与党案認証という言葉をお使いになっておられるわけでございまして、これは私の認識ですけれども民法許可といいますか、そうしたものよりも実際問題は緩やかにやっていただけるのではないかと思っております。  ただ、もちろん法人格付与するということになるわけでありますので、日本法体系からして、これを全く、届け出といいますか、そんなことだけでいいかどうかというのは若干法律バランス上問題があるというふうに思いますので、この認証という形で方向性をとられたということはやむを得ないところがあると思うのでありますが、実際の運用として、これは大体、私も含めて、相当実際に緩やかに運用されるのではないか、許可よりも相当緩やかではないかというふうに思われておるわけでございます。この点につきましての、実際の設立に当たりまして、申請をされるそうした方々に対する実際の運用はどうか、これについてお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
  6. 熊代昭彦

    熊代議員 委員承知のとおり、民法法人許可でございますので、法文に書いていないことも、例えば三億円以上の基本財産とかいうことで自由裁量範囲内でやっておりますが、この法文、この法律認証でありますので、この法律の各要件に該当すれば認証しなければいけない。公告期間を過ぎたら三カ月以内にということにしておりますので、そうはいってもまあやはり五百万ぐらいは費用がなければ経営できないのじゃないかとか、そういう裁量を働かせてはいけないわけですね、逆に。  それを働かせますと、我々がせっかく意図しました、基本財産も要らない、それから年間収入の制約もつくらないということがだめになるわけでございまして、それを担保するのは、この法律の各要件に該当していれば三カ月以内に認証しなければならないということでございますから、実際問題として、常識の範囲内で体裁が整っていれば速やかに認証されるということでございまして、許可と全然違うというふうに理解しております。
  7. 大村秀章

    大村委員 ぜひそういう運用をしていただきまして、できる限り、自主的な活動である市民活動法人が速やかに法人格を取って、そしてもっともっと活動ができるというふうにしていただきたいというふうに思います。  それで、これは大変気の早い話であるわけでありますが、今回この法案が実際に、仮に、仮にというのはちょっと、我々与党ですから一日も早くこれを成立させたいというふうに思っておるわけでございますが、これがこの国会成立したというふうにした場合、実際にいつから施行して、こうした市民活動法人が実際にその法人格取得できるのは最短でいつごろなのかとよく聞かれるわけでございます。何かこういう法律を出しておるようだけれども、夏ごろには法人格が取れるのかねというようなことを聞かれるわけでございまして、夏はちょっと早いよと、年内ぐらいには何とかなるのじゃないかというようなことを私も地元で申し上げておるのですが、それがいつごろなのかということを、今の段階で結構でございますので、お聞かせをいただければというふうに思います。
  8. 熊代昭彦

    熊代議員 この法案は、御承知のように、附則で公布の日から一年以内に施行ということになっております。一年以内でございますから、私も委員と同様に速やかに可決、成立させていただきたいというふうに願っておるわけでございます。  しかし、今成立して一年以内でございますから、最長で来年の六月ごろにはもう施行していなければ、今可決していただければの話ということでございますが、都道府県の方が条例を定めなければいけないということがございますから、一年以内、できるだけ早い機会にと思いましても、恐らく常識的には来年の四月一日とかそういうところで条例も整い、フレームも整いということが現実的ではないだろうか。これは、本委員会での本法案取り扱いと、そして本国会での取り扱いに一にかかっているわけでございますけれども、それが常識的でありまして、さらに早くできれば早くするというようなことであろうというふうに理解しております。
  9. 大村秀章

    大村委員 来年の春といいますと、それからまた一月、二月と手続がかかると、まあ一年後ぐらいということで理解をしていいのですね。もうちょっとできましたら早く施行していただいて、一日も早く法人格を取って、さらにさらにしっかり活動できるようにお願いしたいというふうに思っております。  それで、手続的にはそういうことかなと思うわけでありますが、これは昨日から税制議論がいろいろされておりました。私も、皆さんの、諸先生方の御意見、御議論を拝聴させていただきまして、この財政的なといいますか、市民活動団体の財源といいますか、そういった基盤をやはり何とかしてあげたいという、心情的には私も同感であるところがあるわけでありまして、本日この審議に参加されておられる方々は大方心情的にはそういうことではないかと思うわけでありますけれども、ただ、税金のことでありますので、やはり公平と公正ということが大事でございます。  日本の場合は租税法定主義、言わずもがなでございますが、法律で何に税金をかけるかということを決めて、税金をまける場合も、本来かかるけれども、これはこういう要件だからまかるということがあって初めてそれが租税法定主義だというふうに私は理解しておるわけでございます。  そういう意味で、確かにその税制の問題は大きな課題であろうと思っておるわけでございますが、やはりそういう法律上のこと、法律に基づいて初めて税金ができる、そうでないと、この日本という社会、この国というものが壊れてしまうという感じもあるわけでございます。そして、今回の税制の問題でいえば、やはり民法公益法人課税とのバランスということが、やはりこれを詰めないとなかなかそこの問題はクリアできないのではないかと思うわけでございます。  そういう意味からいたしますと、その点を詰めるにはまだ議論がそこまで煮詰まっていないのではなかろうかなと思うわけでございまして、そういう意味で、これはさらにその議論を詰めていきますと、詰めようといいますか、やろうとしますとまだまだ時間がかかる。時間がかかるということは、法人格が取れないということになるわけでございます。  ですから、昨日からの御議論に、先生方の御答弁にもありましたように、私は、今回はこの法律を一日も早く成立させて、まず法人格取得の道を開くということをやった上で、そして並行的にといいますか、あわせてそうした問題も、残された課題十分議論を尽くして詰めていくということが必要ではないかと思うわけでございます。  そういう意味で、同じ愛知県の河村先生も大変この問題で御苦労されておられるというふうにお伺いをしております。ちょっと古い、一年前の新聞記事でありますが、日本経済新聞の記事でありまして、河村たかし代議士は無念だというようなことが書いてあるわけでございます。  少し御披露させていただきますと、昨年の話でありますのでちょっと古いわけでありますが、   通常国会の会期末が迫った日、議員立法を目指したある税制改正法案廃案になった。「五月末にやっと提出したのに一度の審議もしなかった」。提案した新進党河村たかし代議士はいかにも無念そうだ。 こういうことがあるわけでございます。  そして、今回も提案されておられます上田代議士とともにこれをやったわけでありますが、   ところが「壁」は思わぬ場所にもあった。議員立法には慣例として「党の承認」が必要だが、応援してくれると思っていた新進党税制調査会幹部がなかなか首をタテに振ってくれない。もともとこの税制改正法案新進党通常国会の前の臨時国会に出した法案を肉付けするものなのに……。 こういうことがあるわけでございます。  それで、さらにその奮闘ぶりが披露されておりまして、   党税調幹部への説得作業は二カ月以上も続く。やっとゴーサインが出たのが五月二十八日。野田党税調会長はつぶやいた。「まあ野党なんだし、提出してみようか」。 「まあ野党なんだし、提出してみようか」ということがここでかぎ括弧つきで書いてあるわけでございます。そして、さらに続きまして、   時間もなく、党首脳の熱意もなく、法案はいわばシナリオ通り廃案となった。「やはり官僚の手のひらの上の反乱か……」。河村氏らはむなしかった。 こう締めくくっておるわけでございます。  これは新聞記事でございますのであれでございますが、これだけを見ますと、河村先生の御努力奮闘は私ども大変敬意を表するわけでございますが、新進党の中でも、この問題はまだ議論が尽くされていないのじゃないかということを思うわけでございます。  ですから、時間もあれですから答弁はあれでございますが、そういう意味で私がぜひお願いをしたいのは、このまま、昨日辻元議員が言われたことがそのとおりじゃないかと思うわけでありますが、一日も早くこれをまず成立をさせてみて、まずやってみよう。まずやってみまして、そしてその上で、これはぜひ、議員提案でありますので、国会通常国会臨時国会もやっておるわけでありますので、その都度、改善をしたり直したらいいという点があれば、その段階議論をしてやっていくということが大事ではないかと思うわけでございます。市民団体方々の期待も大変大きいということもあるわけでございまして、一日も早い成立に向けまして、関係者皆様方のさらに一層の御努力をお願いしたいと思っております。  そういう意味で、残り時間がほとんどありませんけれども、この法案成立、そしてまた、これを成立させた後に、やはり各党間で本当に真剣な議論積み重ねていきたいというふうに思います。  その点についての決意を、ぜひまた熊代先生にここでお答えをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
  10. 熊代昭彦

    熊代議員 税のお話につきまして大変含蓄のあるお話をいただきまして、おっしゃるとおりでございまして、税はだれでも払いたくはないわけですけれども、公平、公明であれば払おうということでございますので、それを減税するということにつきましては、非常に公平、公正な配慮が必要であろうと思います。  そういう配慮も含めまして、このNPO法案市民活動促進法案で、可決していただきますれば市民活動法人を新しい法人格としてつくるわけでございますので、税制の問題も本当に難しい問題がいろいろございますけれども、ぜひその隘路を克服して公平、公正な税制をつくりまして、市民活動法人を育てることのできる環境づくりを、これから鋭意力を込めて先生一緒にやらせていただきたいというところでございます。よろしくお願いします。
  11. 大村秀章

    大村委員 さらにさらに各党間での真剣な議論積み重ね、建設的な議論積み重ねをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  12. 伊藤忠治

    伊藤委員長 次に、岸田文雄君。
  13. 岸田文雄

    岸田委員 おはようございます。自由民主党の岸田文雄でございます。  昨日来、各委員の積極的な議論を聞かせていただきまして、私自身NPO法案と称させていただきますが、この法案重要性を改めて感じますと同時に、ぜひいいものをつくっていきたい、そしてまた一方で、早くこの制度を日本の国にスタートさせたい、そんなこと、いろいろな感想を持っております。  加えて、議員立法というものの魅力、こういったことも改めて感じながら、本日は、きょう説明者として当委員会に御出席の各先生方に心から敬意を表しながら質問をさせていただきたいと存じます。どうかよろしくお願いいたします。  さて、まず新進党案河村委員にお伺いさせていただきたいと存じます。  この法案は、二十一世紀日本国家像を決する法案であると力強く御発言をされておられました。私も、本当にこの法案重要性感じるとともに、そういった大きな日本方向性を決める法案だということに共感を覚えるわけであります。  そして、二十一世紀にどのような国家像を描いているかということを、河村委員質問者として立たれたときに、与党案熊代委員に盛んに聞いておられました。  河村委員自身国家像というものについては質疑の中で断片的にお伺いしたわけでありますが、改めまして、河村委員自身の二十一世紀日本国家像、特に、行政等政府部門と、それから従来あります企業等民間営利部門、それとこの市民活動との兼ね合い、こういったものがどういった位置づけになるのか、どういったバランス国家が形成されていくのか。例えば、この間阪神大震災のときに、ボランティア活動行政の下請的な扱いを受けたということで大変批判を浴びたわけでありますが、ああいった批判もある中であります。  今申し上げましたような大きく三つの部門がどういった関係でどういったふうに位置づけられて、二十一世紀国家像はどういったものになるのか、その辺につきまして改めてお教えいただけませんでしょうか。
  14. 河村たかし

    河村(た)議員 どうもありがとうございます。本当に、一番すばらしい質問だと思います。やはりここを描きながら、まず、そういう国家像を選択するのかしないのかですね、それで、もし選択するとするならどういうステップでそこへ近づけるのか、こういう議論を本当に与党皆さんと具体的に、議員立法ですから、従来型の手法ではなくて積み重ねていきたい、こう思っております。  たまたま私どものつくった資料がありますので、委員長、これを配付させていただいていいですか。  今の国家像といいますか、資料が行く前にまず言葉で言いますと、今まで民間人というか国民はどういうところで飯を食っていくかといいますと、やはり一般の国民営利部門、それから、世のため人のためというか社会的サービスをする分野については、これは皆さん、私ら議員とか役人とか、そういうふうに分かれていたのですね。市民というのは、それは阪神大震災は助けに行ってもいいけれども、そこでは飯は食えないというようなシステムになっていたわけですよ。  しかし、今後は、そういうような行政とか公共サービス、そういうところも市民がシェアして、今まではその部門は役所と議員の独占だったのですが、そこもシェアして、飯も食えるようになるということですね。非常にいい言い方かどうかわかりませんけれども民間公務員のようなもの、ちょっとこれは適切な表現かどうかわかりませんけれども、そういうようなものなんです。自分たち公務員のように、国民も公的なものにかかわっていけるような、そこで飯が食えるようになるということです。そういう社会を想定しておるということです。  今配りましたけれども、ちょっと御説明申し上げますと、円グラフがございまして、これはアメリカが一番NPOで進んでおるわけでございますけれどもアメリカ経済に占める政府NPOの大きさということで、外枠がこれはアメリカ経済です。そこで民が七五%、官=税金分野、それからもう一つ公というのがございますが、これは何かといいますと、日本でも第三セクターといいますけれども、全然性質が違っておりまして、寄附金による競争がある部門。ずっと下の方に参りますと、それはどういう部門があるかというと、文化とか教育保健医療、ソーシャルサービス、福祉ですね。それから環境とか開発とかもろもろあります。こういう部門は、収入割合を見ておりますと、アメリカは、寄附と公的収入、補助金です。それからあと事業収入です。こういう三つに分かれておりまして、下へ行きますと、これは一〇〇%になります。寄附が一九%、補助金が三〇%、それから事業収入が五一%。反対に日本は、寄附が一、補助金が三八、事業収入が六〇なんですね。  だから、これで何が言えるかというと、文化とか教育とか、こういう部門は、日本はいわゆる補助金でやるか事業収入だけでやらせている。だけれども、向こうは、寄附をして、いいところへは寄附するけれども悪いと寄附しないという競争原理が働きますから、そういうメカニズムの中で競い合いながら国民がそういう社会的なものにも参加している。  これは非常に税金のむだ遣いをカットするのにつながります。この寄附に行った分だけ補助金をカットするということでございますので、非常にそういう面でも小さな政府になる。  それと、何遍も言いますけれども、寄附をしまして寄附控除をすると、控除をした書類が税務署へ上がりますから、公開しているというのもありますけれども、だからかえって脱税がなくなるのです、これは。ここは誤解がありますから、ここは理解をしていただきたい。  こういうことでございまして、要するに、市民が無料でただ行政の下請になってバケツリレーをするのじゃなくて、堂々とそういうところへ、自分たちが主体になっていってお金も自分たち努力して、できれば全部寄附みたいなものがいいのですけれども、事業収入と、やはり補助金も幾らか要ります。そういうお金を自分たちで集めて、それで生活していくという、そういう社会ですね。だから、社会が三つできるということになるのです。  そんなことでございます。
  15. 岸田文雄

    岸田委員 ありがとうございました。  それじゃ、河村委員、きのうの議論の中で与党案の目指す方向性みたいなものを質問されておりましたが、基本的な哲学として、あるいはベクトルとして、与党案が目指す国家像とあなたが今御説明された国家像、違いがあるのでしょうか。
  16. 河村たかし

    河村(た)議員 御質問のこの哲学の差ということの関係、いいと思います、本当に。国家像がどうかということですけれども、具体的に言いますと、僕は今言ったような国家像を持っております。市民が本当の公共的なものにも参加して生きていく、飯を食っていくということですね。収入もあるということです。  もし、熊代先生がきのう言われたように、無報酬なり自分の資源だけでやると言われましたから、要するに寄附なんかを受けるのは、それはどっちかというと本意ではないというようなことになると……(発言する者あり)言ってないですか、言ってない。いや、それだったら同じだと思う。そういうことなら同じです。
  17. 伊藤忠治

    伊藤委員長 不規則発言は慎んでください。
  18. 河村たかし

    河村(た)議員 具体的な法制度の違いを申し上げますと、法人法がまずありますよね。それから税法がある。  法人法については、今の状況ですと一番大きい違いは、私どもは目的の審査をしません迫公益性の審査ははっきりします、反対に。公益団体ということになります。だから釣りクラブとかそういうのではだめだ、それはもっと社会的な利益のためにやってくださいよということです。中身のチェックはしていない。だけれども与党の場合は、中身のチェックを、いろいう言われますけれども、残念ながら一応十一項目あることは事実なんですよね。やはり、県の知事が違う判断をすることも事実だということなんです。そこが一番大きい違い。それから、政治と宗教のチェックがまずあるだろう。そこが違うところ。  税法については、うちは寄附金税制を、先ほどちょっと大村さんの話もありましたけれども、党内で非常に苦労しながら、これは公益寄附金税制と公益法人の他の課税とバランスがもうとってあります。そういうのを割と早くから勉強していたということでございまして、もし国家像が同じなら、岩永さん、これは本当に従来型の委員会じゃなくて、やはりきちっと相談し合って、きのうは奥田先と言われておりまして、そういういいものを本当につくられていくことは僕は十分可能だ、そういうふうに思っております。
  19. 岸田文雄

    岸田委員 今のお話を聞きましても、私自身の考えとしましては、与党案の目指すところ、新進党案の目指すところ、その哲学、ベクトルはやはり違いはないのではないかという気がしてならないのです。  今、例えば寄附金お話もされましたけれども、その部分に関しましても、これは三年間の検討期間に対する評価、それはできっこないじゃないかということを再三河村委員きのうはおっしゃっていましたけれども方向性としてはそんなに違いがないのではないか。あるいは、今十一分野の制限ということをおっしゃっておりましたが、これは新進党案におきましても、その法案の中で盛んに公益という部分を強調されるわけです。  ただ、その公益という言葉意義意味合いによるかとは思いますけれども、公益という用語を使って法律の中に規定して、そして都道府県知事の認可というような形をとっておられるわけですけれども、それに対して、与党案、十一分野を限定して都道府県知事の認証あるいは経済企画庁長官の認証という形になっているわけですが、これは運用の仕方によってそんなに大きな違いが出てくるのだろうかという気がして私はならないのです。  例えば、きのう河村委員経済企画庁を盛んに攻撃されておられました。何か補助金を出しているのではないかというようなことを言ってみたり、いろいろ攻撃をされておったわけでありますが、経済企画庁の補助金という部分一つとってみても、例えば新進党案でいきますと、都道府県知事の認可ということになっているわけですけれども、例えば五十四条の二項を見まして、「国及び地方公共団体は、市民公益活動を推進するため、必要な財政上及び金融上の措置を講ずるよう努めなければならない。」と法律の中に規定されている。ところが、地方自治体に措置を講ずることを努めなければいけないということを決めているわけですから、経済企画庁の態度を批判するのであるならば、じゃ、都道府県知事、地方自治体、これを一〇〇%信頼していいのか。これはもう絶対だとしていいものかどうかという気がいたします。経済企画庁と各都道府県とどこがどう違うのか。あれほど激しく経済企画庁を攻撃されたのに対して、それじゃ各地方自治体、都道府県知事は完全に信頼していいのかなというような気もします。  そうしますと、ちょっとその部分を考えますと、細かい部分にはいろいろ議論はあるかもしれませんけれども、どうも基本的な哲学、ベクトルに大きな違いはないのではないかという気がしてならないわけです。だからこそ河村委員も盛んに質疑それから答弁の中で、いいものをつくりましょう、修正に応じますよというようなことをおっしゃっているんだと思うわけですね。基本的な哲学やベクトルが違ったら、これは修正に応じることはできないはずであります。もう全く水と油であるにもかかわらず修正はできないと思うわけでありますから、修正を呼びかけること自体が、御自身やはり基本的にはこの哲学、方向性、違いがないと認めておられるのではないかという気がしてならないのですが、いかがでございましょうか。
  20. 河村たかし

    河村(た)議員 今お話があって、僕は今まで、確かに熊代さんのきのうの話もあって、割と無報酬の、やはり行政の下請的なものをイメージされておられるのではないかと正直言って思っていたのです。  下請というのはどういう意味かというと、内容をチェックしますと、うちは公益をやるんじゃないかといいますけれども、公益というのは、例えば自分の利益か、友達の利益か、そうでないかという判断ですね、これは。仲間内だけのカラオケクラブかどうか、これを判断するのはそれほど難しいことじゃないですよ。だけれども、こういう目的はだめよ、オンブズマンはだめよとか、政治で靖国の会はどうなのかとか、こういうことは、これはなかなか実態的に非常に立ち入らないと基準のつくり方が難しいし……(岸田委員河村さん、哲学はいいです、ちょっと時間がないもので、済みません」と呼ぶ)わかりました。済みません。  もし、今言われたように、いわゆる多元的社会社会を三つに分けていって、市民が本当にそこで食べていくというベクトルであるなら、ベクトルは違わないというふうに思います。
  21. 岸田文雄

    岸田委員 ありがとうございました。  ちょっと時間が、あともう五分ということなので、済みません、いろいろ質問を考えていたのですが、ちょっとはしょりまして、そこから結論の方に入らせていただきたいと思うのです。  まず、今お認めいただきましたように、ベクトル、方向性は違わないということであります。そしてまた、思うことなんですが、今この法案重要性は十分認識します。そして、提案者の皆様方の御努力には大いに敬意を表します。そして、この議論を一生懸命しないといけないと思うのですが、一般国民の、NPO法案とあえて称させていただきますが、この法案に対する認識というか、理解というもの、これがどの程度進んでいるかということについて、私、ちょっと考えさせられる部分があります。  これは、二カ月ほど前、朝日新聞がアンケートをしておりました。NPO、NGOに対するアンケートでありました。このアンケートの結果を、この新聞自体は、強い期待、積極姿勢という大きな見出しでこういう評価をしていたわけなんです。ところが、このアンケートの結果、よく見てみますと、例えば、NGOとかNPO、こうした言葉を見たり聞いたりしたことがありますかという質問に対して、四八%の人が見たり聞いたりしたことがないという答えをしているとか、あるいは、NGO、NPO市民活動に参加したことがあるかという質問に対しまして、四%の人しか参加したことがないという答えが返ってみたり、あるいは、参加してみたいという気持ちがありますかという質問に対しまして、四四%の人がその気持ちはないという答えをしているわけなんです。この大見出しは、大きな期待だとか、積極姿勢という、国民の姿勢を評価しているのですが、これをよく見てみると、これは、両方、どっちともとれるのではないかというアンケートの結果ではないかという気がしてならないわけなんです。  かくのごとく、これは一部の関係者、そして御努力をされている方々、この御努力には大いに敬意を表しながらも、国民の意識というものはどれだけこれに対して深まっているのだろうか、理解が進んでいるのだろうか。どうも、ちょっと何かおぼつかない部分があるのではないか、そんな気がしてならないわけなんです。これはやはり、ここで二十一世紀国家像をつくるんだという意気込み、これは大いに評価しなければいけないわけですけれども、この国家像の主役はあくまでも国民でなければならないわけです。国民自体がこの制度をしっかり理解して、そしてこれを十二分に活用できる方法を考えなければいけないのではないかという気がしてならないわけです。我々だけが余りに独断的に物事を決めてしまうということに対して、いかがなものかなという気がしてならないわけです。  ですから、寄附金の問題、きのうから大変議論になっていますけれども、その寄附金の問題一つとりましても、今まで、公的部門に対する資金援助、河村委員もおっしゃっておられたように、今までは国家が独占していたものを、それを独占状態を外して、民間から直接市民活動に入る糸口をつくるという、これは画期的な制度であります。こういった面期的な制度をやるに当たって、国民理解というものがこの程度で本当にうまく機能するのだろうかという気がするわけです。これほど画期的な、大切な制度であるならば、三年間これを検討するということも考えてもいいのではないかという気がするわけです。  三年間といっても、きのう熊代委員がおっしゃっていたように、二年後には結論を出して、そして三年後にスタートということですから、これは例えば法人格を与えて、この制度をスタートして、一年ぐらい様子を見たら、またすぐ議論をしなければいけない、税制の問題も結論をつけなければいけないということですから、決して随分悠長な話だということも言えないのではないか。このくらいの段階を踏むことは、国民のこの制度に対する理解、今の現状を見た場合は考えてもいいのではないかという気がするのですが、この点についてはどうでしょうか。
  22. 河村たかし

    河村(た)議員 確かに、おっしゃるとおりかもわかりません。だから、その場合は、ぜひ十人なら十人ぐらいできちっとしたメンバーで、こういう寄附金控除をきちっと導入していく。やはり財政当局がおりますから、条文上もここはしっかりした道筋だけはきちっと開いておくということは、僕は最低限どうしても必要なんだろうなと。また、そういうことが僕たちの党の、やはり二大政党を目指す、これはそれなりのボリュームを持った党の主張でございますので、そこら辺はしっかり理解をしていただければいいかと思いますけれども。だから、そんなすぐとは申しません、私どもはしっかりした格好を示しましたけれども。そういうことだと思います。
  23. 岸田文雄

    岸田委員 ありがとうございました。  二十一世紀日本国家像を決するという重大法案だという認識については私も同意するものでありますが、今国会、その二十一世紀を決するような重要法案、ほかの場でも次々と議論され、そして国会を通過しているわけであります。例えば、経済界の憲法と言われました独占禁止法九条の改正、持ち株会社の解禁問題、こういった議論もありましたし、あるいは、アメリカアメリカンドリームを実現するための大きな原動力になったというストックオプション制度の導入、民法の改正問題、これも議員立法でこの国会を通過したというようなことがありました。  こういった面期的な法案が導入されるに当たって、ほかの議論を聞いておりますと、やはり、日本には日本にふさわしい体制があるのではないか、段取りがあるのではないかということで、一部例外を設けて、検討する部分はそれぞれ設けているということを見るわけであります。そういったことを見ましても、このNPO法案市民活動に対するこの法案というものの重要性感じ、この大切な法案議論する際にも、そういった日本の状況をしっかり踏まえた、手順を踏んだ議論を進める必要があるのではないか、そのように感じます。  しかし、国民理解を進めるためにも、まず、この制度をスタートさせなければいけない、法人格を与えて、この制度をスタートさせなければいけないということを改めて感じる次第であります。  そういったことから、方向性につきましては新進党与党、違いはないということは確認させていただきましたが、段取りの部分、手順の部分で、与党案の考え方に私自身は賛意を感じる次第であります。そういった思いを申し上げさせていただき、時間が過ぎました、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  24. 伊藤忠治

  25. 保坂展人

    保坂委員 昨日聞かせていただいたことの続きを、きょうも、時間が短いですが、行いたいと思います。  この与党案の限定列挙というところで、熊代議員の方からも、まあ九九%、ほとんど大方のものは当てはまり、選別されるような、これはいい、これはだめというような趣旨のものではないんだという答弁があったと思います。それから、もちろん辻元議員の方からも同趣旨のお答えが続きましたけれども、この理解で——経企庁の方は来ておられますか。経済企画庁の方で、提案者の見解と変わらないのかどうか、これをちょっと確かめておきたいと思います。     〔委員長退席、金田(誠)委員長代理着席〕
  26. 小林裕幸

    ○小林説明員 経済企画庁国民生活局の余暇・市民活動室長の小林でございます。  今回の法案につきましては、基本的に議員立法ということで審議が進んでおります。しかも三案ございまして、今慎重に御検討いただいているところでございますので、経済企画庁、今の場合には与党案だけ経済企画庁の名前が出てきておるわけでございますが、その過程、審議経過等を十分踏まえて、かつ、我々、法律に従いまして文言に忠実に解釈、運用するという責務が政府としてあると思いますので、審議の経過、それから法律の文言、他の前例等を十分慎重に検討して運用していくということになると思います。  いずれにいたしましても、そういったことで、今早急に、この分野がこういうことだというふうなことについては、まだお返事できる段階にはないかというふうに思っております。
  27. 保坂展人

    保坂委員 昨日私は、例えば、十年、十五年という長い視野に立てば非常にいい問題提起だったということが、一カ月とか二カ月という、その局面では、行政の判断と市民団体の声が場合によっては違う場合があるということを申し上げましたけれども、今回、二つの都道府県にまたがって事務所を置く市民活動法人は経企庁ということになるわけですね。その経企庁のもとに、会計状況やあるいはその構成役員等々、その市民活動法人活動の実態あるいはその状況を預かるということになるかと思うのですが、こうした情報を預かるに当たって、経企庁の方で考えておられる原則やルール、あるいは心得とか、ここはこうしようというようなことをお考えになっているかと思うのですが、その点について、現時点でお答えになれることをお願いしたいと思います。
  28. 小林裕幸

    ○小林説明員 まず第一に申し上げますことは、経済企画庁に上がってきます、情報と言われましたけれども、その言葉をおかりいたしますと、それは二県以上にまたがるものだけでございまして、各都道府県で知事の権限でやられるものについては情報は上がってこないということでございます。  それから、上がってきました情報も、まず、目的が二つございまして、一つは、市民皆さんにお見せするために公告縦覧、そういった形のための目的が一つ、それから、最低限の、要するに法人格付与する以上、最低限の知識を持っておく必要があるという点で、今、与党案に即して申し上げておりますけれども、なっているのだろうと思います。  したがって、まず、公告のところについては当然公開いたしますし、そのほかの部分につきましては、我々の守秘義務というのがございますので、その範囲で機密を保持しつつ処理していくことになるというのが一般的な考え方だろうと思います。
  29. 保坂展人

    保坂委員 今回の与党三党でまとめるに当たって、やはり多々議論が重ねられたところの集約点が、いわば三年後の見直しということになるかと思うのです。そこのところを提案議員に再度お尋ねしたいのですけれども、その市民団体からの声を多数受けてきた中で、どこにポイントを置いて、どの点を中軸にしてこの見直しということを考えておられるのか。その点、熊代議員辻元議員にお願いしたいと思います。
  30. 熊代昭彦

    熊代議員 市民団体からの声、いろいろな場面で聞かせていただいたわけでございますが、一つは、まじめにやっているんだから行政からの干渉はなしにしてほしいという御要望が大変強くございました。それはそのとおりでございますが、まじめにやっていらっしゃる団体行政からの干渉はいささかもないということにしたい、そういう修正は鋭意やりまして、法文の細かいところまでそれを取り入れることに修正をいたそうということで、議論が継続しているものもございますが、既に修正したものもございます。  それから、それとともに、非常に悪意の、悪用する団体も確かに一部ではございましょうがあるということで、その場合に、オウム真理教のようなものに対応できないということも、これは政府としての責任が果たせないだろう。それは十分に気を配りながらも、しっかり最後、一番悪いものについては対応できる、そういうことをやりたいということを配慮したところでございます。  もう一つは、税の問題、これも大変に御要望が強いところでございますけれども、これはいろいろ議論も出ましたけれども、公平の観点というものも大切ですし、どのような手続で、だれが認めて、どういうふうにしていくか、そういう詰めも必要でございますし、これまでの従来の慣行を大幅に変えていかなければいけないという意識がございましたので、いろいろ御意見ございましたけれども、もっと研究しなければいけないということで、三年以内の見直しということを入れたわけでございます。
  31. 辻元清美

    辻元議員 議論の過程では、市民活動団体というのはさまざまな規模、さまざまなテーマである。小さな、二十人、三十人で一生懸命お母さん方が地域活動されている、そういうグループもあれば、物すごく大きく、幅広く活動している、何百人、何千人の人たちと一緒にやっているグループもあれば、その活動の中心が海外の第三世界、発展途上国で活動するのがその実態であるというグループもあれば、本当に小さな町で、いろいろありました。そういう声を、今回は大分集めたと思います。  皆さんにこれは申し上げておきたいのですけれども、本当に、市民皆さんが主催されるシンポジウムなどに積極的に、この一座、河村さん、熊代さん、私も参りました、木島さんも一緒に出かけていきまして、直接意見を聞くというのを何回やりましたか。大阪でもやりました。金田さんも行かれていましたけれども、何回も何回も積み重ねてきて、今回に至っているのですね。  今、熊代議員がおっしゃったこと以外につけ加えますと、その中では、やはり第三者的な機関もつくっていただきたい、何かトラブルがあったときとか、それから何か相談事があったらそういうところに相談に行って、いろいろな処理をしていきたいというような声もありました。これも運用してみて、三年以内に、そういう要望や、それから実態を見まして、これからの検討事項であるというふうに考えております。この点をつけ加えさせていただきます。
  32. 保坂展人

    保坂委員 一点だけ、事実確認なんですが、私の周辺には、不登校や登校拒否に悩んで、学校に行かない、行けないという子供たちが多いんですが、その子供たちの親たちが中心になって、ここ十年、さまざまな形のいわゆるフリースクールというものができたわけですね。昨日の御答弁で、いわゆる塾というのは、塾というそのイメージは駅前に大きな看板を出してビルを借りてといういわゆる進学塾を指していると思うのですが、フリースクールの場合は大体ぎりぎり、もちろん補助金もありませんし、そういう形でやって、場合によっては昼間働いてそのお金をつぎ込んでやっているというところも多いわけですが、フリースクールに関してはこの塾と区別されて考えられているかどうか、提案議員に一点。
  33. 辻元清美

    辻元議員 今の点も随分議論が出ました。それで、今、不登校の問題等は社会問題になっているということで、提案者の間では、この二番の社会教育の推進という、この活動に当たるのではないかというふうに私たちの間では話し合ってまいりました。ですから、一般の競争競争の進学塾、ありますね、高いお金を払って行かしていらっしゃる、営利を目的としているものとは別のものであるという理解をしております。
  34. 保坂展人

    保坂委員 昨日、新進党河村議員にお尋ねした点なんですけれども、いわゆる公開審査のところの公平性を担保する。今、与党案議論の中では、この三年の見直しの中に第三者機関ということも考えていいのではないかという辻元議員答弁があったのですが、河村議員の方のお考え、新進党案に沿ってはいかがでしょうか。
  35. 河村たかし

    河村(た)議員 それは、第三者機関でやるという方法も当然いいんだろうと思いますね。イギリスなんかのようなイメージをされておると思います。  それから、きのう失礼しましたことでございますけれども、設立認可の取り消しの手続、御質問がありまして、私どもは、まず改善命令と業務停止命令ですか、これを前置しておりまして、それから取り消しにいく、こういうステップをきちっとしております。  それから、審理の公開がございましたが、ここにちょっとありますけれども、設立認可の取り消しに係る聴聞の期日における審理は、行政手続法において非公開が原則とされている。これは同法二十条六項に対し、本法律案で、市民公益法人から請求があったときは審理の公開を義務づけておりまして、これは四十八条二項です。これにより、その公正を担保している、こういうことでございます。  裁判所によってやるべきだという話がありました。しかし、知事がやはり実情を一番よく把握しているということで、先ほどちょっと岸田さんの話もありましたけれども、経企庁と知事、知事というのは選挙で選ぶちょっと特殊なものということなんですということ。それから、今、取り消しの要件も非常に限定しております。それから、ほかの制度においても認可権者が取り消し権者になる場合はあるということでございます。そして、認可取り消し決定という行政処分に不服があった場合でも、それは司法裁判所へ処分取り消しの訴えを提起することができますので、最終的には司法の判断で決着するということになっております。
  36. 保坂展人

    保坂委員 日本の場合、例えば入管のいわゆる難民認定の仕組み自体が、入管局に難民申請をして、これが却下になると異議申し立てをして、また入管局が答えを出すという、UNHCRなんかから見るととても特別なというか、いわゆる市民社会成立が未成熟というようなことが指摘されているわけで、ぜひここのところは、市民活動法人あるいはNPO認証するという側がまたそこを審査するということではなしに、客観的に公平性が担保できる仕組みを、見直し三年の期間の中で見通しを立てていかれることを望んでいきたいと思います。  確かに、市民活動というのは、非常に複雑怪奇というか、多種多様もきわまれりというところで、一人で市民活動、二人でという方もいます、あるいは数十万人の会員を持つ大きな団体もあります。そういう意味では、多様な市民活動、一言で言えば社会の触覚であるというふうに申し上げたいと思うのです。日本国民全体が感じていない、あるいは実感していない部分も、例えば遺伝子組み換え食品なんていうことについてアンケートをとってみたら、それはもう九〇%の人が大変だというふうにはなっていないわけですけれども、たとえ〇・二%でも食生活や健康に関して大変だという声を上げることが一〇〇%の国民の健康や安全にもつながるという役割を果たしているのが市民活動だということをぜひ御理解をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  37. 金田誠一

    金田(誠)委員長代理 次に、武山百合子君。
  38. 武山百合子

    ○武山委員 武山です。  早速内容に入らせていただきますけれども、実は、私、長いことアメリカで生活しておりまして、日米協会の、ある地方の団体なんですけれども、そこに長いこと所属しておりました。それで、あちらの実情もとらえながら、今、法案が上がる状態ですので、ぜひ皆さんお話ししたいと思います。  まず、この法案の、ノンプロフィットオーガニゼーションというこの言葉なんですけれども市民公益活動を行う団体ということですけれども、あちらでは、一般には非営利団体というふうに日本語では訳しまして、位置づけまして、公益というよりも非営利と訳すものですから、あらゆるものがそこに入るわけです。非営利なものですから、収益を上げないということで、例えばボーイスカウト、ガールスカウト、それから町の交響楽団、それから地域で行われているいわゆるリトルリーグだとか、もうあらゆるものがそこに入るわけです。  日本もようやくこういう非営利団体、公益法人ということで、法人格付与されるような今状態になってきて、大変画期的だと思いますし、また、こういう議論が活発に行われるようになったということは、やはり精神的な部分で先進諸国の本当に一国となり得る状態にあるということで、私もこういう議論が活発に行われている国会を大変うれしく思います。ただ、アメリカがすべていいとは思いませんけれども、純粋な気持ちで、ノンプロフィットオーガニゼーション、非営利団体が発展そして成長した過程の精神というものは、やはり学ぶべき点が多々というよりも、大変多くあるのではないかと思います。  そして、アメリカの家庭では、年間五百万円とか一千万円とか、中には三百万円とか、それぞれに年間の収入がありますけれども、その収入に対して、このくらいの収入ですとこのぐらいの寄附を一般的には行われていますよというふうに、個人申告制なものですから、公認会計士なり税理士さんなりと申告の相談をするときに、武山さんのお宅ではこのような収入ですから、ぜひ、この収入に対してこのくらいの寄附が一般的な社会の通念ですから、寄附をしてくださいと言われるわけなのです。まず、それに驚きました。ですから、本当に自分たちの収入に合わせてそれなりの寄附が行われているということに大変私は驚きと、それからそういう社会通念が浸透していることに随分日本の国とは差があるんだなという印象を持ちました。  日本では、今、財団を設立するのに相当か金額がないと設立てきないと思うのです。しかし、このたびこのノンプロフィットオーガニゼーションができるということで、まさにお金はなくてもできるというような、与党案ではそうですよね。そして、私の所属している新進党案では最低五十万円以上であるということですけれども、あちらでも全くお金がなくてできるわけなんです。ですか ら、そういう意味では少ない金額で新進党案は出しておりますけれども、少ない金額でできる。そして、片や与党案は全然お金がなくてもできる。非常にいい非営利団体法案ができつつあると思います。そういう意味で、一般の人がつくれる、井戸端会議をしながら、三、四人で話し合って、そこからもう非営利団体ができるという過程は大変いいことだと思います。  それで、非営利団体、公益法人ということで枠をはめましたけれども、自民党案の方は枠をとったということで、あらゆる分野が考えられるということで、それはもう枠がない方が私はいいと思っております。  それで、河村議員の方に、新進党案の方に尋ねたいのですけれども、いわゆる社員の数が十人以上であるという、この十人以上であるということの哲学みたいなものをぜひお話ししていただきたいと思います。
  39. 河村たかし

    河村(た)議員 きのうもちょっと言いましたけれどもアメリカの法人は営利も何もなくて出せるんですよね。日本は、法人というのは取ったときから、これは制度としてですよ、今のところいいか悪いかはちょっと別としまして、一応、第三者の取引の安全をもう図っておりまして、例えば株式会社なら一千万とか、そういう制度。向こうはそこも違うのですよ、全然。だからぎりぎりのところで負担にならないように、皆さんが本当に気軽に取れるようにということで、最低限の一つの枠組みだけは要るのではないかという趣旨でございます。
  40. 武山百合子

    ○武山委員 それではもう一つ、河村議員に、基本基金として保有する財産のお金、五十万円以上であるという、この五十万円の根拠をちょっと皆さんお話ししていただきたいと思います。
  41. 河村たかし

    河村(た)議員 同僚議員の方からの質問でございますけれども、一つは、今言いましたように、何にもなしというのも考えられないことはないと思いますけれども、やはり日本の法人制度というのは、何遍も言いましたけれども、一定の、最低限の、法人になったときに取引の安全を考慮して一定の枠を日本の場合は持っているのですね。だからそれとのバランスということでございまして、もし何にもなしということになると、日本の場合は法人が二つあるということですね。営利法人の場合は第三者の取引の安全を考慮している、非営利は全く初めは何にもなしからできる法人であるということで、それならいいのですよ、それも一つの選択であろうと思いますけれども、私どもの立法政策としては、最低限ぎりぎりのところで、全然負担のかからないところで、営利や何かと、日本の法人というものは最低限の何かがあるよというようなところをバランスをとった、そんな規定でございます。
  42. 武山百合子

    ○武山委員 あちらでは教会とか、それから公益というか非営利団体が、ある程度歴史のあるところは建物を持ったり事務所を持ったりしているものですから、そういうところを本当に少ない金額で、月三万円とか月一万円とかで貸してくれたり、主に教会なんかが非常に非営利団体を支援したりしているのですけれども、私が所属していた団体は草の根で始まったものですから、ある程度の五年、十年、二十年という歴史のある団体とは大変格差がありまして、どれを比較してお話ししようかということになると大変難しいのですけれども、初めてこのNPO法案を上げて、これから草の根で始めようという視点をやはり一番みんなに知っていただきたいと思いますので、そのお話をしているわけなのです。  そういう意味で、いわゆるお金がなくてもできるという、数人から出発しているわけなのですね。ですから、この額というのは大変少ない。今、日本社会通念上ですと、財団なんかと比較しますと大変少ない額ということで、高いとは言えないと思いますので、非常に市民にとっては始めやすいという金額だと思います。  お金の中身に入りますけれども、賄う会費というか、寄附というか、それはどんなもので賄うのでしょうか。河村議員にお聞きいたします。
  43. 河村たかし

    河村(た)議員 ここが私ども法案の一番特色になってくると思いますけれども、やはりそういう団体は、事業収入だけでもし食うのだったら、それは営利でもできないことはないということになりますね。やはり公共サービスをみんなでシェアしていくということでございますので、そこは寄附を冒頭から求めてもいいように、ただ、手続的には一年後というふうに、法人格取得後一年後、また知事の認定というふうに私ども法案はなっていますけれども、今言いましたように、法人格を取って活動してもなかなか生きていけないのですよね、本当に事業収入だけでは。だから、自分で、私たちはこういう団体なんだよ、ぜひ寄附してください、経理も公開して皆さんからの浄財を集める。  出す方は、寄附控除があって、寄附控除があるということは、何遍も言いますけれども、幾ら寄附をしたという書類が税務署へ行きますから、ですから脱税防止になるのですね、これがかえって。ここは基本的にぜひ御理解いただきたいのだけれども、脱税防止のためにも寄附控除をするというシステムで、財政的にも活動資金も含めて初めから育てていこう、こういう発想に基づいた私ども法案ということでございます。
  44. 武山百合子

    ○武山委員 そうしますと、もう少し突っ込んで河村議員にお聞きしますけれども、例えばAさんという人が百円寄附した、Bさんという人は一万円寄附した、Cさんという人が五十万円寄附したとしますね。それは名前が全部透明で公明に、会計報告の中に名前と住所とそれから金額も必ず報告されて、それは一般の市民にも見られるようになっているわけですね。
  45. 河村たかし

    河村(た)議員 そこのところは、私もアメリカのものをきちっと勉強しなければいかぬのですけれども、多分幾ら以上ぐらいのところで絞るのではないかという気がしますね。全員の寄附者の名前を全部明らかにしていいかどうかというのは、プライバシーの問題も若干出てくると思いますので、そこのところ、米国はどうなっているかきちっとあれですけれども
  46. 武山百合子

    ○武山委員 そこの点ですけれども、やはり自由で透明で自己責任の国ということで、だれもが自分の寄附行為には正々堂々と、この金額を私は寄附しますと。一般的には、私の会でも、本当に少ない額から大きい額まで、また企業からの献金から個人からの献金から、あらゆるものが公明で透明で、それでプライバシーの問題なんというのはないわけなんですね。お金を寄附するわけですから、それは自分が働いて得た収入から寄附するわけですから、やましいとかそういう言葉が出ること自体がおかしいと思うのですよ。  ですから、透明で公明で、本当に、明らかにだれの目に触れてもおかしくない、堂々と寄附をする、そういう社会にこれから持っていかなければいけないと思うのですよね。ですから、その辺、それでやましいとかプライバシーとかそういう問題はもう時代が違うということで、やはり堂々と正しく寄附を行えるような環境で、それで正確に報告できるようなそういう法案にしていただきたいと思います。  それから、免税のことでちょっとお聞きしますけれども、出発点ですから、これから試行錯誤だと思いますけれども、例えばこういうノンプロフィットオーガニゼーションがある事務所を借りまして、そこで備品や何かが必要になりますね。電話や使用する備品、そういうもの、またいろいろな活動に必要なものを買うときの免税の方はどうお考えでしょうか。税金を払わないで買えるようなシステムを考えておりますか。河村議員にお聞きします。
  47. 河村たかし

    河村(た)議員 税金を払わないで買うということですか。それは本来事業、自分の備品なんかが自分のところの公益事業本来のために用いられる場合は、それに必要なお金を入れた場合、それは非課税になりますね。今、日本でも同じでしょうね。本来事業、非課税ですね、そういう物を売ったり買ったりした場合。  固定資産税等については、規定はどういうふうだったかな。まだほかにも、例えば郵便料金だとかそういうこともお考えになっておられると思いますけれども、そういうことも含めるわけでしょう。郵便料金も考えたのですけれども、なかなかそれも、日本の郵便と向こうのアメリカとはちょっと違っておりまして、別の会計になっておるとかいろいろあって、そこまでは今のところ制度を準備しておりませんけれども、トータルに言いますと、本来の公益団体の公益目的に従う収入については非課税になるということでございまして、それは今でも同じですよね。
  48. 武山百合子

    ○武山委員 草の根で始まった非営利団体というものは、本当にポケットマネーを出し合ってつくって育てていくわけですから、ぜひ免税にしていただきたいと思います。  しかし、その免税にする中身ですけれども、やはりそれは公明で公正で透明でなければいけないと思うのですよね。ですから、そこにまたいろいろな談合だとか今までの癒着体質が持ち込まれたら、それはもう本当にゆがんだノンプロフィットオーガニゼーションになってしまいますので、そういう部分も、かかわる人個人個人の自己責任というか、品性ある人間であるという前提のもとにそういうことが行われるということでないと、やはりこの法案というものの中身がゆがんでしまうと思います。  これは、政府与党案の方でも免税は考えておるわけですね。熊代議員にお聞きいたします。     〔金田(誠)委員長代理退席、委員長着席〕
  49. 熊代昭彦

    熊代議員 与党案につきましては、御承知のとおり、所得控除とか税法上の寄附者の特典につきましては、現在のところ法案には盛り込んでおりません。法施行後三年以内に検討して結論を得て実行する、そういう附則の中で、そのような税制上の問題については検討して早急に結論を出したいというふうに考えているところでございます。(武山委員「免税の方はどうでしょうか、備品や活動に関する」と呼ぶ)
  50. 伊藤忠治

    伊藤委員長 発言の場合には委員長を通してください。
  51. 武山百合子

    ○武山委員 活動に必要な備品は、買うときに免税になりますでしょうか。
  52. 熊代昭彦

    熊代議員 わかりました。消費税を免税にするかどうかということだと思いますが、それも検討の対象でございます。
  53. 武山百合子

    ○武山委員 ぜひ早急に検討していただきたいと思います。  それでは、河村議員にお聞きいたします。  アメリカではよくあるのですけれども、例えばミノルタコーポレーションというのがニューヨークエリアにありまして、そこから中古のコピーの機械を私たちはいただいたのですね。そういうものは寄附として税金の控除の中に入るのでしょうか。あるいは、例えば企業の寄附として、お金ではなく車代を寄附するとか、それから例えば年次総会の賞品、ラフルの賞品を提供した場合、あちらでは、例えばパナソニックでテレビをいただいたり、レストランからディナー券をいただいたりするわけなのです、ラフルの賞品としまして。そういうものは、このNPO法案では税金の控除に入りますでしょうか。そこまで考えておりますでしょうか、ぜひお答えください。
  54. 河村たかし

    河村(た)議員 私どもの場合は、寄附控除を受けるお金は郵便局または銀行の特定口座を経由することになっております、お金の場合は。財産の寄附は当然入ることになりますが、お金の場合は、今言いましたように、非常に透明性を要求しておりますので、金融機関の口座を経由するところがアメリカとちょっと違って、さらに透明度を要求しているということです。  財産の寄附も当然入ります。
  55. 武山百合子

    ○武山委員 税金の申告のときに、こういうコピーの機械を寄附した、あるいは車代を寄附した、非営利団体に寄附をしました、賞品をこういうものを寄附をしました。それで、時価の価格で、例えばコピーの機械でしたら約五十万円相当だとか、車代でしたら五万円相当だとか、そういうふうに換算して税額から控除という形になるのですけれども、ぜひそういうところもお考えいただきたいと思います。  それから次に、役員の任期についてお聞きいたします。  役員の任期は二年ということですが、一般的には、あちらではやはり二年、一年、役員会で自由に決められるのですけれども、非常に短い期間で、常に新しい血を入れるということで、多額の寄附をしたからといってトップの座にとどまるということは非常にまれなのですね。それで入れかえて、新しい活動を、常にそのアイデアをもってしていくというのが基本的な哲学みたいになっているのです。  任期二年ということですけれども、例えばたくさんの寄附をして理事長におさまりたいという場合が恐らく出てくると思うのですよね。そういう場合、任期二年で、最低二期までとか三期までとか、いろいろお考えだと思いますけれども、居座りたいという人が出てきたとき、どういたしますか、河村議員にお聞きいたします。
  56. 河村たかし

    河村(た)議員 それは、今のところ団体の自治に任せておりますので。それと、公開をしますので。  米国の場合を見てみますと、州によって違うかわかりませんけれども、幾ら以上の収入の上位五名は収入を公開しなければならないとか、向こうはそういう規定を持っておりますね、僕が見たのでは。だから、そういうような一つの担保がある、社会的に。この人が不当に給料をもらっておるかどうかは公開によってわかるというシステムでいきたい、基本的には。あとは、やはり団体の自治、市民の目ということになると思います。
  57. 武山百合子

    ○武山委員 日本団体の長というのは、私の印象といたしましては、例えばPTA会長になっても、みんな長期にやっているわけなのですね。それから、いろいろな各種団体の長も長年やっている方が多いのですね。ところが、あちらではそういうことがあり得ないわけなのですよ。ですから、そういう精神をぜひ取り入れていただいて、幾ら高額に寄附をしたといっても、理事長として五年も十年も居座ることによって必ず体質がゆがんでいくわけなのですね。それで、透明で活力ある団体活動というものをどうしても阻害してくるわけなのです。個人的な考えが左右するわけなのですね。ですから、かかわる理事の方、役員の方の本当に一人一人の人間性の問題にかかわると思うのですよね。ですから、つくってしまったら、これを生かしてそこに居座ろうという人が日本の場合必ず出てくるのではないかと思うのです。そういうところ、ぜひ考えていただきたいと思います。
  58. 河村たかし

    河村(た)議員 おっしゃるとおりでして、居座る風土というのは、多分お金がないところですね。日本の自治会等、いろいろありますけれども、もともとお金がないし、若干の補助金ですから、そういうシステムだと居座ってしまうのですよね。これがもし寄附が主流になりますと、やはりそれは能力がないとだめですから。私たちの団体はこういう活動をしているのだとどんどんアピールしていって、公開もしなければだめですからね。いいところでないと寄附は集まりませんから。  だから反対に、いい意味でのお金を集める団体は、これは伸びていくということになるので、これは与党さんは、これからまたお話しするのですけれども、寄附の文化というのは、非常にマーケットメカニズムが働いて、悪いものを淘汰していく。その分、補助金をカットしていきますから。それで、寄附控除をすると、何遍も言いますけれども、かえって脱税がないということになるのですね、書類が行きますから。だから、そういうシステムで、居座りとか、悪い団体をどんどん自由競争のところにさらしていく、こういうシステムを早く導入したい、こんなふうに思っております。
  59. 武山百合子

    ○武山委員 そうしますと、やはりお金にかかわりますので、透明で公明な報告というか、それをいろいろと今までのしがらみを捨てて、必ず、一円たりとも報告する。それから、個人の名前から住所から、全部報告する。そういうことによって、どの人がどういうものを支援しているのだという、その人自身の哲学も国民一般にさらされることによって、こういう社会を目指すためにこういう団体を支援しているのだということで、いい意味の前向きな発想でその人を評価する時代になると思うのですね。それで、本当に白を白、黒を黒と言えるような社会をつくっていくための一歩だと思うのですよ。いいことをする人は、社会にとって、みんなが認め合っていく社会、そういうものをつくっていくためには、ぜひ必ず、すべての金額、住所、氏名というものを公表するような、そういうシステムをつくっていただきたいと思います。  それから、最後になりますけれども、チェックは、これから法案成立して、与党案では三年後に見直しということですけれども、ぜひ見直しは必ずしていただきたいと思います。  アメリカの場合は、五年後にチェックということなのですけれども、まず、役員がだれで、それからどういう活動報告をして、それから寄附はだれが、いつ、何月何日、物品を寄附したか、お金をどれだけ寄附したか、すべて透明なのです。ですから、その活動内容それから資金の出入り、それをきちっと、あるスパンを決めて、それでチェックしていただきまして、それを、新進党の案は今のところ都道府県単位ということですけれども、都道府県単位でも、外部監査が入っても、どちらの監査でも結構ですけれども、きちっとそれをチェックできる機能があるということが大事だと思いますので。  そこで、一般的に日本国民は、行政に対して非常にまた癒着をするのではないかということを考えていると思うのですけれども、それはどう担保できますでしょうか。そのチェック機能の担保ですね。今のところ、新進党案は都道府県ですけれども、チェック機能はどういうふうに担保していただけるか、ちょっと説明していただきたいと思います。
  60. 河村たかし

    河村(た)議員 まず、公開をしているということですが、これは将来、また見直してもいいのですけれども、一応我が法案では、市民公益法人センターというのを全国に一つとしております。なぜかというと、余りこういうふうに決めたくなかったのですけれども、初め、ワークするときに、やはりだれかがそこへ行って、今言われた話ですね、この団体はどういう経理で、どういう方が寄附してどうということは、非常にわかりやすくしてあげないと、なかなか寄附する文化というのは育たないのですよね。そういう意味で、初めだけはちょっと統一的にやろうということで、これは将来進んでくれば、そういう公開をするNPOが出てくれば結構でございますので、それでやっていく。まず情報公開ですね。  それと、やはり知事の方で一定の、最低限ですけれども、監督規定は持っております。米国の場合は届け出でございますけれども、法務長官なり州務長官がいつでもどこでも検査するということで常時検査をしているようです。税務署と法務長官ですね。そこは、向こうは登録制ですからそうですけれども、我が方はちょっと違いますけれども、一応そういう方向で仕組みをつくっております。
  61. 武山百合子

    ○武山委員 私の団体アメリカ人が会計の方をやっていたのですけれども、実は、非常に正直に、きちっと、もう隠すことは全然ないのですよ。それから、議論して、これはどうしようかなんということは全くないのです。そういう環境に私は驚いて活動してきたのですけれども、非常に正直で、そのまま報告して、それでそれが情報公開されているというような状態なのです。ですから、ぜひ二十一世紀はそういう情報公開を、こちょこちょとどこかで議論したりして、それではこういうふうなまとめでいこうということではなく、これは非営利団体ですので、一人一人の行動はすべて公に、そしてどこへ出してもやましくない、そういうことを基本にしてぜひ情報公開をしていただきたいと思います。  私の質問を終わります。ありがとうございました。
  62. 伊藤忠治

    伊藤委員長 次に、丸谷佳織君。
  63. 丸谷佳織

    丸谷委員 新進党丸谷佳織と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、昨年の十月に初めてこの政治の世界に入ってきたわけなのですけれども、それまでは音楽関係の仕事にずっと携わっておりました。その中で、プロあるいはアマチュアミュージシャンを問わず、音楽を通して自分自身を表現したい若い人ですとか、あるいは人に音楽を聞いてもらって心にゆとりを持ってもらおうとか、楽しい時間を過ごしてもらおうと思って活動している人たちにたくさん会ってまいりました。  きょうはちょっと具体的な内容で質問させていただきたいと思うのですけれども、ジャンルを問わず、プロのミュージシャンの場合、利益というものがついできますので、これはビジネスになると思うのですが、プロになる手前のセミプロですとかアマチュアミュージシャンの場合は、利益を得ることができないわけですね。アメリカの方などでは、オーケストラとクラシックの団体NPOで育てている例もあると思うのですが、例えば若者の表現の一つでありますロックミュージックのようなバンド、これはNPOで育てていけるような対象になるのかどうか、まず各党の提案者にお伺いします。
  64. 辻元清美

    辻元議員 ロックミュージシャン、私も大好きなのですけれども、実は仲間にもたくさんおります。その場合に、どういう目的を持ってやっていらっしゃるかということです。例えば阪神・淡路大震災の折なども、たくさんのミュージシャンの方、アマチュアの方、音楽を志向されている方が、現場で随分皆さんを励ます活動をしてみたりとか、それから老人ホームなどで、いろいろな歌手の方等が営利目的関係なく活動されているグループもあります。ですから、この非営利の定義というのは、その得たお金をその構成員に分配しない、これが大原則になっていますので、まずその原則に従うことが一つ大きな要件となるかと思います。  その上で、その目的がどういうふうであるかということをその活動をされている方が定められると思うのですが、その際、その目的が、この私たちが提出している与党案市民活動促進法の目的に合致するならば入ると思うのです。その際は、四番に、「文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」というのがありますので、これに、この法律に合致する手続と、それから非営利の原則と目的が合えば入ると思います。
  65. 上田清司

    上田(清)議員 今お話しになった部分が、私ども法案では三条一項の、文化の向上を目的とする活動、この項目に入ると思います。  一つだけ少し御注文をつけさせていただければ、あくまでそのミュージシャンを育てる人たちがいて、身内でただ一人その人を育てるとかそういうものではなくて、やはり愛好される人たちが集まってミュージシャンを育てていく、そういう活動になれば、あと、先ほど言われましたように公益、私的な利益ではない、そういう形になれば、まさしくNPO対象団体になると思います。
  66. 木島日出夫

    ○木島議員 お答え申し上げます。  ロックミュージシャンの皆さんがきちんとした組織をつくって、約束事、規約をつくってきちんと総会もやる、そういう組織形態をとっておるならば、私どもの案では無条件に法人格が与えられます。
  67. 丸谷佳織

    丸谷委員 今のお答えを踏まえまして、またちょっと具体的な質問をさせていただきたいのですが、ロックミュージックというと日本では若者を中心に聞かれているジャンルかなというふうに思うのですけれども文化の振興と申しますと、どうしても、一般的に見まして、芸術性の高いものですとかクラシックというふうに限られてきてしまうのではないか、そういうおそれを持って今この質問をさせていただいたわけなのですが、今 皆さんおっしゃっていただきましたように、ジャンルにかかわらず音楽は文化であると。そして、文化というものは、自分たちの表現の一つであるとともに、みんなに喜んでもらえるという公益性のあるものだというふうに私も認識しております。  例えば、自分で演奏する場合ではなく、そういった若いロックミュージシャンをプロになるまで育てていきたい。育てていくときに、これをビジネスとしてやるのではなく、例えば私は北海道出身なのですが、北海道から世界に羽ばたくようなロックバンドを育てるために努力していきたい。そうすることによって、ビジネスではなく、だけれども生活をしていきたい、それをライフワークにしていきたいと思った場合、今のシステムでは、例えばほかに仕事をしながら、アルバイトをしながらそういった行動をしていかなければいけない社会システムになっていると思うのですけれども、このライフワークにしていきたいという一つの夢と今回のNPO法とのかかわり方について、見解をお伺いします。各党の提案者の方にお伺いします。
  68. 熊代昭彦

    熊代議員 個々具体的なことで、具体的には認証の際ということでございましょうが、一般的に言えば、先ほどのお答えにもございましたように、営利を目的としない、それから文化芸術の振興を図る活動であるというふうに認められれば認証されるということでありますので、その具体的な形態によると思います。営利活動でないということであれば、そして文化芸術活動であることは間違いないわけでございますので、そういうことだと思います。
  69. 辻元清美

    辻元議員 そこで、ライフワークにしたいという御質問だったかと思うのですけれども、これはちょっと私ごとで恐縮なのですが、日本ではなかなか難しいのですよ。難しい原因はいろいろあると思います。それを変えていく第一歩が今回のこの審議になっていると思うのです。これを、例えば先ほどから税の優遇措置等も含めて、今後、一歩を始めて二歩、三歩とみんなで議論していこうというのは共通認識になってきたと思うのですね。  さてそこで、難しいのですが、できないというわけではないと思います。私は、自分の経験で恐縮なのですけれども、二十二歳のときにピースボートという国際交流のグループをつくりました。四名で始めたのですよ。十四年間やって、これを日本の中で定着させていくのは本当にしんどかったです。今は、それで食べている人間が、専従者が多いときで四十名、年間九億円の予算でやっています。しかし、補助金は一切もらっていません。事業収入とカンパですね。寄附というものでやっているのです。  ですから、これはやろうと思ったら片手間にはできないので、自分たち活動を周知してもらうために朝六時からチラシをまいたり、まあさまざまなことをやりました。困難を克服して、自分もやった上でこの法案提出しているわけなんですけれども、その間にはアルバイトも多種多様やりました。しかし、そういう状況が、今、阪神大震災やいろいろなところで大分認められてきて、社会的な法的枠組み、そしてその後に、そういう経験を踏まえていろいろな税のことも議論していこうじゃないかというのが今だというふうに考えていますので、やり方次第であると私は思っています。
  70. 河村たかし

    河村(た)議員 同僚ですけれども、非常にいい質問だと思います。  やはり、そこら辺が実際上の一番の中心のところで、まずこういう活動が入るかどうか。今聞いた話では、ロックミュージシャンを、プロまでいけば飯は食えるけれども、プロにいくまでは飯は食えないから、そういうものを育てる、北海道なら北海道で育てる、そういう活動自分も生活していきたい、こういうことなんですよね。  では、実は今どういうところがやっているかというと、やっているかどうかはわかりませんが、多分北海道庁の中で、音楽文化何とか課というのがあって、公務員ならそれは食っていると僕は思うのですよね、公務員なら。ここが究極的な問題なんですよ。なぜ公務員だけそういうことをやって飯が食えるのかということでございまして、私ども法案は、そういうことを民間でもやれるようにする。先ほど言いましたように、NPOは何かと言われたら、民間公務員民間議員である、そんなような感覚ですので、公務員と同じように飯が食える。  では、飯が食えるためにはどうしたらいいんだ。今辻元さんが言われたように、努力すれば事業収入でやれるじゃないかという道もないとは言いません。それはそれで結構だと思います。しかし、一般的には、人を育てる分野というのは、育てるだけではなかなかこれはお金もうけにならないんですよね、実際の話。やはり、いわゆる公共サービスというか、これは公益活動ですよ。だから、そのお金をどうやって担保していくのかということが実は非常に大きい問題なので、そのやり方として、一つは、辻元流の、事業収入で頑張れと、全部とは言いませんけれども。それからもう一つは、補助金で、それはあくまで北海道庁がやって、それが面倒を見ればいいじゃないかというやり方。  だけれども、私どもは、そうじゃなくて、若干の補助金も入るかもわかりませんけれども、やはり基本的にはみんなが寄附をしながら、北海道に税金を出すのと直接出すのとどちらにしろ同じですから、それを脱税がないような仕組みをきちっとつくって、寄附によって、そのお金で十分食べていっていただくというシステムを法案としてきちっと準備はしてあるということでございますので、私ども法案成立しますと、十分そういう格好で飯が食えるようになります。  そのかわり、努力しなければだめですよ。公開しなきゃだめだし、寄附金集めの努力が要るということになってまいります。
  71. 木島日出夫

    ○木島議員 私どもの案では、生活の糧としてその非営利法人からきちんとした給料をもらうということ。もらって、ライフワークとして音楽の振興のために頑張りたいという若者、それから、副業としてまあ実費ぐらい欲しいという若者、それから、もうお金は要らない、趣味でも仲間になって加わりたいという若者、いろんな人がいると思います。そういう皆さんを全然差別をせずに、力を合わせて約束事をつくって団体として行動していこうという場合には全く無条件で組織化ができるわけですから、ライフワーク、完全に認めております。  ただ一つの例外は、私ども法案の第三十七条で、役員になった場合、「不相当に高額な報酬又は給与を支給してはならない。」一カ月五百万の給料を役員になったミュージシャンが取ってしまうという、それだけは禁じよう、それは非営利法人の基本的な性格から合わないということでありまして、それのみが制約されるだけであります。あとは、相当であれば十分な役員報酬、給料を取って、ライフワークとしてその組織内で頑張っていくこと、当然の前提にしております。
  72. 丸谷佳織

    丸谷委員 では、辻元さんにお伺いしたいと思うのですけれども、今のお話の中で、最初、立ち上げは財源も含めて大変だった、今は四十名ほどいらっしゃって、寄附、カンパも含めて九億円ほどで動いていらっしゃるというお話があったのですが、そこの、立ち上げの財源的な大変さを今振り返りまして、今後のこの市民活動促進法に向けて、財源立ち上げに際してどういった財源の確保が望ましいと思われるのか、お伺いします。
  73. 辻元清美

    辻元議員 随分前の話なんですけれども、私たちの場合は、まず自分たちでアルバイト等をしたお金を何人かで出し合ったりとか、それから知人、友人、心ある人からお金をお借りしたりして立ち上げていったわけなんです。ただ、実際には、その規模によります。先ほども申し上げたように、私たちみたいなやり方ばかりではなくて、地域でいろいろな活動をしたい、一万円ずつみんなで出し合ってまず電話を一本引こうじゃないかというふうな始め方の活動もあります。ですから、その財源の確保というのは、規模によってそのやり方が違ってくると思います。  だから、私の例はただ一例で申し上げただけで、これがすべて何百万集めないとできない活動なのか、五万円ぐらい集めてとにかく一からやってみようじゃないかという規模なのかということで変わってきますので、ここで一概に、財源の確保についてこうしろというふうに申し上げることはできないと思うのです。  河村議員が寄附というふうにおっしゃっていますけれども、もちろん寄附も立派な財源です。ただ、全部を寄附に頼ろうとか、全部を補助金、全部を事業収入となると偏りが出ますので、それぞれの団体の特質によってそのバランスをとりながら健全な財政運営をしていくということを目指していきたいと思います。  そういうことも含めて、この法律がここで成立するならば、丸谷議員もロックミュージシャンの将来のことをかなり真剣に考えていらっしゃると思いますので、いろいろな規模の市民団体にとって財源の確保はどういうやり方がいいんだろうかということをバランスよく考えていきたいというふうに思いますので、ぜひ呼びかけたいと思います。
  74. 丸谷佳織

    丸谷委員 ありがとうございます。  では、与党案の中では活動項目十一項目という限定がございますけれども、これもきのうの審議の中でも、こういった活動はどうであろうかという質問はかなり多く出ていたと思うのですけれども、政治、宗教に関する活動は、これは除かれていると思います。  例えば、今、若者の政治離れがかなり進んでいる、選挙があれば投票に行く人も少ないといった中で、若い人たちにもわかりやすい政治学習会を開きたい、こういった活動の場合はこのNPO法案対象になるのかどうか、お伺いします。
  75. 熊代昭彦

    熊代議員 これもまた具体的な中身によると思いますけれども、別表の第二に「社会教育の推進を図る活動」というのがございます。そういう社会教育の一環として政治を教えようというならば入りましょう。  ただ、委員質問のものは、政治上の主義を推進してはいけないというように書いてあるわけですから、これはそういう一般的な話ではなくて、要するに、民主主義がいい、あるいは共産主義がいいから共産主義のために命を捨てていこうという、そういう団体はここの市民活動団体にはならない。まあ共産主義だけを申し上げましたけれども、民主主義のために命を捨てていこうというのも、やはりここではいわゆる市民活動法人ではないだろう。そういうことで除いてございまして、いい政治をつくろうとか、いい政策をしようということを排除するものではないわけでございます。
  76. 河村たかし

    河村(た)議員 私どもは、当然オーケーになります。何の問題もなしということでございます。ここがやはり一番違うところなんですよね。  与党さんの場合は、今言ったように、熊代議員はいいと言うのかもわからぬけれども、北海道知事はいかぬと言うかもわかりませんね。大阪府知事はいいと言うのか、鹿児島県知事はどう言うのかということに、言わせてもらえば、残念ながらなる、ということがどうしても一つある。  それと、ある一線を超えるとだめになるかわからないのですよ。ここがまた怖いのです。(発言する者あり)いや、公益性とは違うのです。公益性というのは、私益と共益ではないという意味なんですよ、自分たちだけの利益ではないということです。目的では限定してないですよ……
  77. 伊藤忠治

    伊藤委員長 不規則発言に答えないでください。
  78. 河村たかし

    河村(た)議員 ということであって、いや、ここは……
  79. 伊藤忠治

    伊藤委員長 不規則発言に答えないでください。
  80. 河村たかし

    河村(た)議員 わかりました。やめますけれども、今ちょっと議論がありましたけれども、ここをもうちょっとぜひ詰めないと、何を見るかということは物すごい本質的ですから、この両法案は、ということは非常に重要だということです。  私どもは、御承知のように公益の目的については一切全部オーケーですから、その他ということでオーケーです。あと、政治、宗教については与党さんのような規定を持っておりませんので、どうぞやっていただいて結構です、そういうことでございます。
  81. 木島日出夫

    ○木島議員 私ども法案の特質がまさにそこにあるわけでありまして、私ども法案は、活動の目的、内容、全く無限定でございます。
  82. 丸谷佳織

    丸谷委員 では、与党案について重ねて質問させていただきたいと思いますが、政治学習会を、例えばきのうの表現では、何々イズムというふうなものはいけない、そればかりをするのはいけないという表現だったと思うのですが、政治というのはやはり主義がなければできないものではないかというふうに思います。政治学習会を、客観的に歴史も踏まえてこういう主義がある、あるいはほかにはこういった考え方もあるという学習会を重ねていくことによりまして、では、この主義についてはどうなんだろうというふうな判断が学習会を重ねるごとになされていくのは当然のことだというふうに思うのですが、そういった議論になった場合、何イズムということでその団体法人格を失うようなことになるのでしょうか、お伺いします。
  83. 辻元清美

    辻元議員 与党案の方はこのようになっておりますね。第二条第二項第二号のロに、市民活動法人は、その行う活動が「政治上の主義を推進し、支持し、またはこれに反対することを主たる目的とするもの」であってはならない。これは、推進し、支持し、反対するというのはアクションですので、勉強するのとは違うのですね。ですから、議論積み重ねていただくことは社会教育の一環として結構だと思いますが、これがアクションとして出てくる場合は、この与党案によりますと、これはあってはならないというふうになっております。  ですから、目的をどうお持ちになるのかということなんですね、その団体の。推進し、支持し、反対するということを目的にするのかどうか、そこのところをその団体がどのように登録なさるかということにかかると思います。
  84. 丸谷佳織

    丸谷委員 それでは、もう一回確認させていただきたいのですが、最初は政治学習会、政治についてもっと詳しく知ろうという学習会という目的で法人格として認可されました。それで時間の経過とともに、それが、こういった主義がいいのではないかという議論がなされていくことについては全く問題ない、ただ、それに基づいて何かの行動を起こすということに関してはいけない、そういう認識でよろしいでしょうか。
  85. 熊代昭彦

    熊代議員 辻元議員が御説明したとおりでございまして、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」これは、これがいけないというのではなくて、政治資金規正法もございますし、そちらの方でやってくださいということなんですね。この法律の目的とするところではない。何でもここに取り込もうという趣旨では全くございませんので、私どもは交通整理をして、民法とのすみ分けも考えていることでございます。  先ほど申し上げたように、議論の途中で何かが出てきたからそれでいけないということではないわけで、それは主たる目的とすることということでありますが、議論の途中でそういうことができて、共産主義と言ったら語弊がありますから、民主主義がいい、民主主義のためには今もかけるという運動を始めるならば政治団体等に衣がえされた方がいいと思いますけれども、しかし、そういう議論が出てきて、それが議事録に載ったからいいとか悪いとか、そんな話ではない。これは行動を規制しているだけの話でございます。
  86. 丸谷佳織

    丸谷委員 ちょっとしつこいようで申しわけないのですけれども市民活動という定義におきまして、いろいろな主義にのっとって活動をしていく。文化の促進というのも主義の一つであると思いますし、それが政治の主義であるのも一つの市民活動だと思うのですが、活動をしていくというときに、その議論の中で、政治を知ろうという目的のもとでの主義に基づく活動はいいけれども、そこで出た結論、一つの主義にのっとって社会に対して働きかけるという市民活動という意味では、このNPO法案与党案のもとでは認可できないということになりますか。
  87. 熊代昭彦

    熊代議員 何を目的に質問されているかよくはわからないのですが、私の理解したとおりで申し上げますと、「政治上の主義を推進し、支持し、」ですから、いろいろな主義がございますけれども、これは法令用語辞典でも調べた定義でございまして、それから、いわゆるイズムと言われるもので、しかも、何とかイズムというように政治上の主義のイズムを別のことに使っていますが、それは全然関係ないのでありまして、政治の体制のあり方だけを考えている、民主主義とか共産主義とかあるいは絶対主義とかナチズムがいいとか、それだけはまさしく政治活動の範疇ではないか。それは政治資金規正法等、政治の法律の範疇の団体でやっていただきたい、それはそこで認められているわけでございますから。そういう趣旨でございます。そのほかを云々するものでは一切ございません。
  88. 丸谷佳織

    丸谷委員 今、質問の意図がわからないというふうにおっしゃられてしまったのですけれども、私の意図は、この十一項目に限定されることによりまして、果たして市民活動に対して公正な判断がおりるのかどうか、そこがちょっと今心配で、具体的な例を挙げて質問をさせていただいております。  では、与党の提案者の方に質問させていただきたいのですが、一日何件くらい認可を求められるのを想定されて今回の話し合いがなされたのか、お伺いします。
  89. 辻元清美

    辻元議員 この間出されました経企庁の統計に従いますと、八万数千団体対象になっておりまして、そのうち一万団体程度が、まずこの市民活動法人成立したならば登録されるのではないかという予想が立っております。  ですから、私もそのように理解していますが、各県によってもばらつきがあると思うのです。東京は多いですし、ほかの東京以外の他府県に比べたら圧倒的に多くなると思いますし、それぞれの人口の割合とか、それから例えば沖縄県などはどうなんでしょう。環境保護とかいろいろな団体があると思いますけれども、人口は少ないですね。ですから、一日に何件というふうに、私は提案者ですけれども、ここで答えることはできません。  以上です。
  90. 河村たかし

    河村(た)議員 私どもは多分、すぐ一気に来るかどうかわかりませんけれども、三十万団体から四十万団体。なぜかというと、アメリカが百二、三十万ありますので、宗教法人が非常に多いですけれども、宗教法人が半分としても六十万団体、その中の、経済規模がアメリカの半分としまして、三十万団体から四十万団体が大体うちの法案NPOとして生きていくという社会の仕組みを提示しているということでございます。  それが一気に来れば非常に多いですけれども、徐々に来ればということで、数の規模が——当然大きい違いは、今ここにも傍聴にお見えになっていますけれども、今ある団体の方に法人格を与えて何とか育てようというか、頑張っていこうという、それは当然ありますが、それを超えて、新しいセクターをもっとつくっていこうという思想が僕らの根本にある。多分それは同じなのだろうと、先ほど岸田さんの質問でわかりました。手法がちょっと違っているのではないかな、そんな気がしております。
  91. 丸谷佳織

    丸谷委員 与党案の方では、二つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものにあっては経済企画庁長官が所轄庁になるわけなのですけれども、今の数、どれだけか。三十万とも八万ともという話が出ていたのですけれども、これは三十万、四十万になった場合、経済企画庁の方で認可をしていくのはかなり大変な作業になっていくのではないかという危惧もされるのですが、与党案の提案者の方は、その点についていかがお考えですか。
  92. 熊代昭彦

    熊代議員 与党の方は、申し上げましたように、一万程度かなというふうに考えているわけでございます。  そのうちで、事務所を二県以上に持っているところはどれだけあるかということでございますが、これは統計的に推測をする根拠を持っておりませんので。しかし、二県以上にわたってというのは、恐らく自分の県と東京に事務所があるとか、そういうのが典型でございましょうから、それほど多くはないというふうに一応理解しているところでございます。ただ、東京だけにありまして東京都に申請するというのとどちらが多いかなというような、そんな感じでございますが、正確な予測を持っておりません。
  93. 丸谷佳織

    丸谷委員 この活動を十一項目に限定されることによりまして、上の方から、これは促進すべき非営利団体活動だとかいうふうに決められるのではなく、新進党案のように、市民が、自分が促進したいと思う活動に寄附をして、それを財源として活動を伸ばしていく。そういった市民が選べるような、促進すべき市民活動が実際に輝いていけるような新しい社会システムというのをぜひつくっていただきたいというふうに私は願っているわけなのですけれども、時間もなくなりました。  三日の日に公聴会が開かれるというふうに聞いております。いろいろなマスコミの論調の方でも、本当に市民が望むようなNPO法案につくり上げるために、もっと時間をかけて、実際に活動をしている人の声を聞いて考えていった方がいいのではないかという論調も多いというふうに私は認識しておりますが、この公聴会の後、ゆっくり時間をかけて審議の方に臨まれると認識しておりますが、それは各党の提案者の方、どのように認識していらっしゃるか、最後にお伺いして質問を終わります。
  94. 辻元清美

    辻元議員 まず、この法律をつくるまでの過程ですけれども、これはほかの法律に比べて、かなり市民団体とのいろいろな意見の聴取それからヒアリング、ディスカッションを積み重ねてきたということは、これは河村議員も同じであると思いますし、木島議員も、そして与党の私たちも同じであると思います。それは、まずちょっと申し上げておきたいと思います。  それと、この審議審議中ですので、これがこの審議でどうなっていくのかということを私たち提案者としては見守っていきたいというふうには思っております。  ただ、私は、一刻も早く成立させたいという気持ちは変わっておりません。きのうも申し上げましたが、連日たくさんのファクスが届いています。ではいつ成立させたらいいのかという問いかけには、やはり一刻も早くそのような法律は欲しいという声が届いていますので、私は、その声に押されるような形で、一刻も早く成立させたい、そういう気持ちで、これがいつなのかということは審議を見守りたいと思っております。
  95. 河村たかし

    河村(た)議員 市民団体皆さんと、僕も本当に数多く出て話をして、それは大事なのですけれども、やはりこれ、実は国会議員の仕事なのですよ、国のシステムをつくる、法律をつくるということで。内閣委員皆さんはもう聡明な方ばかりだから、もうほとんど前からわかってみえたかもわかりませんけれども、これは本当のことを言いますと、本当にまだわかってないと思うのです。本当のことを言ってですよ、正直言って。  だから、僕は本当に何も変な気持ちはないのですよ。皆さん一緒にいいものがつくれれば本当につくって、全会一致で委員長提案で出してもいいのです。そういうのを政局絡みに絶対しないで、これは国のシステムをつくることだから、僕はそういう意味で継続になったっていいし……(発言する者あり)まあ、ああいう言い方でしょう。  だからそういう意味なら、やはりもっときちっと考えて、本当に国会で、国会議員のほとんどが、ああこういうことなのか、NPOというのは。それで、今言いましたように、どういうステップがちょっと違うのだろう、では、そこでどう妥協できるのだろうかということを考える雰囲気ができても絶対間違いではない、僕はそんなふうに思っていますので、何遍も繰り返しますけれども、三日の強行だけは絶対やめていただきたい。これは日本社会のために、三日の強行だけは、お願いします。
  96. 木島日出夫

    ○木島議員 この法案は、日本社会のありよう、ひいては日本国家のあり方にかかわる非常に重要な法案だという認識であります。委員の、徹底審議を尽くすべきだ、全く同感であります。  昨日私も述べましたが、もっと具体的に言いますと、百年前の公益法人主義、法人に対する官僚支配、これを打破できるかどうか、本当に民主的な自主的な日本社会をつくれるかどうかがかかった法案だとも考えております。百年目にして初めてそういう方向に日本社会が進むかどうかがかかった法案でありますから、立法機関である国会としては、本当に十二分な徹底的な審議を尽くすこと、とりわけこういう性格の法案ですから、国民皆さんの意見を徹底して聞いた上で審議に反映することが肝要かと考えております。
  97. 丸谷佳織

    丸谷委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  98. 伊藤忠治

    伊藤委員長 次に、金田誠一君。
  99. 金田誠一

    金田(誠)委員 きょうは、共産党さんと新進党さんに質問をさせていただきたいと思います。  まず、共産党案でございますけれども、附則の最後のところ、附則の六「民法その他の関係法律の整備」という項目がございまして「この法律の施行に伴い必要となる民法その他の関係法律の整備については、別に法律で定めるところによる。」ということになってございます。  そこでお尋ねをいたしますが、この附則六で想定をしている民法等の整備の内容はどういうものになってくるのか、それはいつ提案されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  100. 木島日出夫

    ○木島議員 提案理由で御説明申し上げましたとおり、私ども法案は、民法三十四条の公益法人を基本としてその特例を決める法律ではありません。公益法人とすみ分けを考えている法律ではありません。民法三十三条を基本法とする非営利団体に対して、一般的に法人格付与するという法案でございます。  そして、私ども日本共産党は、しからば民法三十四条の現行公益法人をどうするのだということでありますが、それを否定する意思は全くございません。既に二万を超える公益法人がございまして、それにはさわるつもりはございません。それから、民法三十四条の公益法人を基本として、これの例外としてつくられたいろいろな中間法人と言われるもの、学校法人法に基づく学校法人、宗教法人法に基づく宗教法人、それから社会福祉法人、更生保護法人等々があるわけなのですが、これについても、私ども日本共産党は、現行法体系にさわるつもりは全くございません。  したがって、しからば、この私どもの案の「民法その他の関係法律の整備」は何が必要なんだ、まさに質問の点について御答弁申し上げますが、私どもは、ある団体が、民法三十四条に基づく官庁の許可をもらって法人格取得するのか、あるいは私ども法案成立した場合に与えられる、もうそんなことはやめて法務局に登記をして法人格取得しようと考えるか、選択権が幅が広がったと考えております。したがって、基本的には民法の改正は、全面的な改正は全く必要ないと考えております。  ただ、民法の三十七条から八十四条、法人の設立手続、法人の管理、法人の解散、それから罰則、たくさんの規定があるのですが、これはどうも民法三十四条の公益法人を前提にして組み立てられているように思われるのです。しかし、そのことの明記がございませんから、そこははっきりさせるために、最小限、民法三十七条から八十四条の規定は民法三十四条に基づく公益法人に関する諸手続であるということを民法の中にきちっと書いておけばいいのではないかと考えております。ですから、これは、私ども法案成立させていただければ、同時日にもできるような改正です。  そして、もう一つ、「その他の関係法律の整備」は何だといいますと、登記に関係しますから商業登記法、また私ども法案の中にも過料などがありますから非訟事件手続法等々、関連法にはさわってきますから、これらは改正が必要だろう。それほど難しい改正ではないと考えております。
  101. 金田誠一

    金田(誠)委員 民法三十四条の特別法ではないという立法でございますから、民法と重なってしまう部分が相当出るわけですね。その重なりの部分がそのままで、果たして運用上支障がないものなのかどうなのか、疑義を感じてはおるわけでございますけれども、提案の趣旨はそれなりには、説明としては理解をいたします。  そこで、この附則の六の解釈でございますけれども、本当に民法三十七条から八十四条、並びに商業登記法その他というだけで、果たしてこの法律が円滑に執行できるものなのか。民法三十四条との重なる部分についての一定の整理等が必要ないものかどうなのか、それらも含めまして、この際、法制局の方から御見解を伺っておきたいと思うわけでございます。
  102. 早川正徳

    ○早川法制局参事 お答えいたします。  共産党の御提案になっております非営利団体に対する法人格付与等に関する法律案の附則第六項によります民法その他の法律の整備の内容についての御質問でございますが、この法案の作成をお手伝いをさせていただきました者といたしまして、この件に関しまして私どもの御意見を木島先生に申し上げたところでございまして、木島先生の御了解を得まして、その御意見を申し述べさせていただきたいと思います。  共産党御提案の法案は、非営利社団一般を法人格付与対象としておりますから、民法対象とする非営利・公益法人よりも幅広い団体対象としていることになります。すなわち、この法案民法との関係は、民法第三十四条以下の公益法人制度と一般法、特別法の関係で併存し得る関係ではなく、民法とは別法という形はとっておりますものの、実質的には民法第三十四条以下の公益法人制度に取ってかわる、非営利の社団法人に関する一般法の制定という性格を持っているものと理解しております。  このように、公益社団を包含する非営利の社団一般を対象とする準則主義の法制度を設けることといたしますと、同一の対象に対しまして法人格付与という同一の効果を生ずる公益法人の許可制度を存置する立法上の合理的理由の説明が困難ではないかと思われます。  なお、民法第三十三条は、「法人ハ本法其他ノ法律ノ規定ニ依ルニ非サレハ成立スルコトヲ得ス」と定めておりますが、この規定は、民法第三十四条以下の公益法人制度と実質的にそれに取ってかわる法制度、この非営利法人法の併存を認めているものとは考えられないのではないかと思われます。  それで、問題は、この法案が非営利法人一般法として民法第三十四条以下の規定にかわる性格のものと理解をいたしました場合に、現行の民法第三十四条以下の規定によって設立される公益法人の取り扱いをどのようにするかということでございます。  これは、法制論で一義的に決まるわけではなくて、公益法人をどのように取り扱うのが適当かという政策的価値判断にかかわる問題でありまして、それによって法制上の構成の仕方は変わってくるものと思われますが、少なくとも民法について、第三十四条以下の規定に対する手当ては必要ではないかというふうに考えております。  また、民法以外のその他の関連法律の整備につきましては、民法の公益法人の規定を前提として制定されております法人格付与に関する種々の特別法、例えば私立学校法による学校法人、これは本来公益法人ではございますけれども教育施設に対する国の関与を少なくする趣旨で民法許可主義ではなくて認可主義がとられているというふうに理解しておりますが、今度非営利法人一般が準則主義となった場合に、その取り扱いをどうするのかというような問題がございます。そのほかに、宗教法人法による宗教法人、社会福祉事業法による社会福祉法人、あるいは更生保護事業法による更生保護法人などの取り扱いをどのようにするのか、認可あるいは認証を準則主義にすべきかどうか、あるいは、準則主義に立った上で事業規制に関する規定を存置することとしてよいのかといったようなことについて検討を要すると思います。  非営利・公益社団として分類される、あるいは各種協同組合法の取り扱いをどのようにするかといったような点も含めまして、法人格付与制度全体について政策的、法制的な整合性を担保するための総合的な検討を加え、必要な整備を行うことが必要ではないかというふうに考えております。  次に、この民法その他の法律の整備の時期についてでございますが、実質的に民法第三十四条以下の公益法人制度にかわる共産党御提案の非営利法人法案が可決、成立され、施行される時点、これは平成十年四月一日というふうに附則第一項で規定されておりますが、民法とその特別法その他の関係法律の整備法がそれまでに成立いたしまして施行されることが当然の前提になっているというふうに考えております。
  103. 金田誠一

    金田(誠)委員 共産党さんが大変御苦労されてこの法律をつくられたということについては、敬意を表する次第でございます。  御苦労された点は、恐らく、与党案なり新進党案のように三十四条の特別法ということですみ分けということになりますと、何らかの民法三十四条から切り分ける根拠が必要になる。与党案では十一項目の限定で切り分ける、新進党案では地域を基盤ということで切り分ける。どちらの場合にもそこから漏れる部分、あるいは行政裁量あるいは関与を認めざるを得ない部分が出てくる。それを排除しようというのが共産党さんの意図だと思いますし、その意図自体につきましては私どもも全く同感なわけでございます。しかし、それについて、民法そのものをいじらずにそれを組み立てできるかということになりますと、疑義を感じざるを得ない、私どもこう思うわけでございます。  そこで、御要望だけ申し上げておきたいと思いますけれども、急がば回れということもあるのではなかろうか。とりあえずは民法三十四条の特別法ということですみ分けをしながら、多少時間をかけながら、一般法に向かってともに進んでいただけないものかという私どもの願望をここで申し上げさせていただきたいと思うわけでございます。
  104. 木島日出夫

    ○木島議員 私どもは、確かに、非営利法人に対して基本的に法人格付与しようと、一般法の性格を持たせて本法案を提案をしております。それゆえに、私どもの提案した法律案は、法人格を与える法的手続、監督、罰則に至るまで事細かく、すべて非営利法人に対する法律関係を網羅している法律だということをまず御理解いただきたいと思います。  それと、委員の方から、民法三十四条の公益法人とすみ分けの問題はどうなのだという御指摘でありますが、私どもの考えはすみ分けではないのですね。ですから、団体にとって、どちらを選ぶか、選択権が生まれるということが非常に大きな意味だと考えているわけであります。公益法人を選ぶかあるいは学校法人法に基づく学校法人を選ぶかは自由だと。そして公益法人を選べば、選んだなりの法的効果があります。学校法人法に基づく法人格を取るのだということを選べば、それなりの当然の法的効果が生まれます。逆に、学校法人法等によりますと、学校を経営するにはこれだけの基本的な設備と財産がなければいけませんよという規制がありますから、それは学校教育という観点からの規制でありますから当然のことであって、そのことを我が党の非営利法人法が束縛するものでは全くないと考えております。  したがって、私どもの非営利法人法が成立したことによって、現行公益法人やあるいは現行学校法人、宗教法人等に何らの影響を与えるものではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
  105. 金田誠一

    金田(誠)委員 御提案の趣旨は理解をしているつもりでございますが、そのことが、現在既に民法によってあるいはその特別法によって認可等をされた公益法人が多々あるわけでございまして、それに伴う税制の優遇等もこれまたあるわけでございまして、そういう現状の中で、社会的な認知、合意形成が今にわかにし得るところまで詰まった内容なのかという点で、首をかしげる向きがこれは出てくるなという感想を申し上げておきたいと思います。  次に、新進党案につきまして質問させていただきたいと思います。  これは、民法三十四条の特別法ということですみ分けをされているわけでございます。与党案の十一項目にかわって、「一定の地域を基盤として行う」ということになっているわけでございますけれども、この「一定の地域を基盤として行う」ということがすみ分けの根拠だと。地域基盤、先般まで地域限定という言葉を使いましたら、そうではないというお話もございましたけれども、これがすみ分けの根拠ということで理解してよろしいですね。
  106. 河村たかし

    河村(た)議員 結構でございます。  私どもの立法政策の一番中心は、一条、二条に書いてありますけれども、多様な価値観というか多元的な社会をつくろうということが大原則にありまして、したがって、すみ分けの根拠として、目的限定を絶対しない、そこからスタートしまして、ではどうするかというところで、地方分権の今の国家的な思想それから憲法の精神、何条か忘れましたけれども、地方自治の規定が憲法上あるわけです。そういう憲法の規定を生かすという趣旨にあれば、簡易に法人格を与えることができるだろう。例えば、宗教法人でも信教の自由だろうし、私立学校法でも学問の自由とあるわけですよね。だから、私どもは、今皆さん一緒にやっておるこの地方分権を実際的に進める、それは憲法の思想なのだ、それに基づいた行為については、活動については簡易に法人格を与えていいじゃないか、そういう思想でございます。  したがいまして、繰り返しますが、多元的な社会をつくるためには目的限定だけは絶対しないでおこう、官の支配をどうしても認めてしまうから。そういう思想でございます。
  107. 金田誠一

    金田(誠)委員 目的で切り分けるか地域で切り分けるかということでございまして、非営利一般法以外は、共産党さんはそれで苦労されたわけでございますけれども、いずれにしても、こういうすみ分けが出てこざるを得ないと思うわけでございます。  そこで、実際問題どういうすみ分けになるのかということで、立ち入って聞かせていただきたいわけでございますが、これは、第三条第二項第五号「主として活動を行う区域が、当該団体の主たる事務所の所在地の都道府県の区域内にあること。」活動を行う区域が都道府県の区域内にあることという認証の条件、これを満たさなければ認可されないという条件になるわけでございます。  この場合、例えばアムネスティという団体がございます。こういうニュースレターを発行しているわけでございます。伺いますと、全国各地に百四十三のグループがあって、三千人近くの方がそのグループに所属をして活動をしている。そうなりますと、主として活動を行う区域が都道府県の区域内ではないわけですね。主たる事務所は、これを見ますと、東京と大阪に主たる事務所があるわけでございますが、活動日本全国に展開されている。  それでは、こういう団体新進党案では法人格取得できないということでよろしいのでしょうか。
  108. 河村たかし

    河村(た)議員 主たる活動が県内にあるという意味は、県外、国外で何をやっていただいていて もいいのですが、それをフィードバックしてほとんど実際やられているのですよね。例えば、広報を発行するとかシンポジウムを県内でやるとかそれから写真展をやるとか、寄附を集めることになりますと、当然そういう活動を非常にすることになります。ですから、地域限定というのは誤りですからね。そういうプロパガンダがありましたけれども地域限定は一切しておりません。地域が基盤であって、フィードバックして、皆さんの、県の人たちの国際的理解の増進に資しておればいいということでございます。  それで、今のアムネスティさんの実際上の活動になりますけれども、世界でやっているのをフィードバックして、県民の人たちが喜ぶというか、国際的理解の増進に資しておればいい。  もう一つ、国外に法人が別法人になっている場合、これはやはり国内でいう法人とは当然のことながら別ですから、それは切り離して考えていい。法人格を持っていなくても、別の団体と明らかに言える場合は、これはいいと思います。別です。国内の法人格取得について考慮する必要はないということでございまして、実態は、ほとんど国内、県内でそういう広報活動等をやらないと生きていけないのですよね。生きていけないと言うと、ちょっと言い過ぎかもわかりませんけれども。  ですから、実態はほとんどの団体がやっていることだし、またNGOの精神、シンク・グローバリー、アクト・ローカリーという精神からすれば、活動はいろいろやるのだけれども、とにかく地域の人からも愛されよう、そういう精神ですから、僕はいいと思いますね。
  109. 金田誠一

    金田(誠)委員 それでは、アムネスティは認可される、法人格取得できるという御答弁のようでございますが……(河村(た)議員「今の様子ならですよ」と呼ぶ)今の様子ならそうだという御答弁のようでございます。  そうでございますと、例えば、二項の三には「社員の過半数が、当該団体の主たる事務所の所在地の都道府県の区域に住所を有する者であること。」「役員の三分の二以上が、」同じく「住所を有する者であること。」となっているわけです。ところが、アムネスティの場合は、社員の過半数がそこに住所を有するなどという状態ではないようでございます。約三千名近くの方が百四十三のグループに分散をして全国に散らばっているということでございますが、そういう場合は法人格取得できないという理解でよろしいかどうか、確認をさせていただきます。  それと、今の答弁の中では、フィードバックすればいいのだということでございますが、ここには明確に、「主として活動を行う区域が、」「主たる事務所の所在地の都道府県の区域内にあること。」これに対して、アムネスティの活動というのは全国で行われているわけでございます。全国で行われていてもフィードバックすればいいのだ、こう御答弁ではおっしゃっておりますが、法律のどこを見るとフィードバックすればいいというふうに書いてあるのか、お示しをいただきたい。  それとあわせて、そういうことであれば、地域が基盤というすみ分けの根拠自体が消滅してしまうのではないかと思うわけでございますが、いかがでしょう。
  110. 河村たかし

    河村(た)議員 地域基盤を判断するときに、単に地域基盤と言うとよくわかりませんものですから、それを定量化をした方がかえって市民団体というかNPOにいいだろうということで、そこに参加というかそういう人たちの人数、そういうものと、それから活動と二つ分けたということでございます。  各々の、それぞれの活動によって分けて考えるのがいいかもわからぬということで、これは、役員の三分の二というのは役員の二分の一に改めて、社員の過半数というのは一応削除する用意はしております。実態において判断した方がいいのではないか、置いておいた方が便利だということもあるんですけれども。  それから、海外の活動、ちょっと実態を見てみないとそれはわかりませんけれども、先ほど言いましたように、事務所を構えて別個の法人格を持っておれば当然別ですし、別の団体と言える場合はこれは別なんですよね。だから、そうは言われるほどのことはないであろう。  しかし、僕の言いたいのは、そのすみ分けの根拠に合理的な根拠があるかどうかということなんですね。僕の方は、地方分権ということは、今、歴史的背景として、それはそれで重要じゃないか、それが言いたいんですよ。与党さんは与党さんで、これは考えておられます。だけれども、例えば男女共同参画社会をつくるといったって……(金田(誠)委員質問内容に答えていただければ」と呼ぶ)いや、だから、そういう非常に合理的な分類というかすみ分けを目指した方法であるということでございます。
  111. 金田誠一

    金田(誠)委員 フィードバックすればいいという規定がどこに書いてあるかということを聞いているわけでございます。ちょっと待ってください。それと——それを聞きましょう、そうしたら。
  112. 伊藤忠治

    伊藤委員長 絞ってお答えください。
  113. 河村たかし

    河村(た)議員 これは、主として活動を行う区域だということで結構なんじゃないですか。広報活動とかそういうことは、十分、NPOの本来の活動ですよ。
  114. 金田誠一

    金田(誠)委員 先ほど来数字を挙げて、いかに全国的な運動であるかということをお示しをしておるわけでございますが、そういう運動体であってもフィードバックすればいいんだというのがどこでわかるんですか。
  115. 上田清司

    上田(清)議員 金田議員のお尋ねの部分に、例えばアムネスティの支部あるいは本部、それぞれ、当該役員のそれぞれの住所を持っておられると思うんですね。その中で該当できるのではないですか。
  116. 金田誠一

    金田(誠)委員 ということは、もはや、地域基盤、主として活動を行う区域が都道府県の区域にあること、一定の地域を基盤として行う運動であることというものではないわけですか。こういうすみ分けをすれば、必ずそれから外れるものが出て当たり前、出なければ三十四条の特別法としては成立しない。だから、共産党さん、苦労して共産党案、出されているわけですよ。その辺のところ、きちんと立法の趣旨を説明していただきたいと思うんです。
  117. 河村たかし

    河村(た)議員 それは金田さんのおっしゃるとおりですね、特別法ですから。明らかに主たる活動が県外の場合はやはり入らない。けれども、その場合は明らかに民法法人でということになると思いますね。ですけれども、今言った方法によって、実際はかなりの数が主として県内で活動されておるんじゃないかと。
  118. 金田誠一

    金田(誠)委員 明らかに入らないものもあるんだということではわかりました。やはりすみ分けはできているんだということだと思います。  その場合、すみ分けの根拠として、社員の過半数がその同一の都道府県にいるという状態ではない団体があるわけですね。そういう場合は、これはもう当然のこととして認証されないということでよろしいですね。
  119. 河村たかし

    河村(た)議員 社員要件につきましては、そういうわけで、実態を見て判断する、この参加の状況をということですが。役員については、これは過半数までおろしましたけれども、やはり地域基盤性という以上、一定の地域の方が参加されておるということが必要だと思いますので、それはぜひそういう、まあぎりぎりのところでございますけれども、そうむちゃな要件だと私は思っておりません。ぜひ合わせていただきたいという感じがしております。
  120. 金田誠一

    金田(誠)委員 その客観的な条件として明確に示されているものは、新進党案の場合、社員の数が十人以上、それから五十万円以上の財産、それと社員の過半数と役員の三分の二が主たる事務所の都道府県に居住するというのが、客観的に数字として、裁量権の入らない形でこれは明確に示されているわけでございますけれども、あとは、主として活動を行う範囲が都道府県の区域内にあるということは、主としてあるかどうかというのは、これは客観的な数字ではなかなか出てこない。ここには行政裁量権というものが当然入らざるを得ないと思うんですが、どうでしょう。
  121. 河村たかし

    河村(た)議員 それは多分、知事のところで、将来はそれをNPOなんかでやるといいと思いますけれども、広報をどういうふうに出しているかとかシンポジウムをどうしてやっているだとか、そういう一定の基準をつくることになると思いますね。それで非常に形式的に当てはめていく作業が必要になるかと思います。
  122. 金田誠一

    金田(誠)委員 時間が来ましたので、終わります。
  123. 伊藤忠治

    伊藤委員長 次に、瀬古由起子君。
  124. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  日本共産党は、この委員会審議を通じまして、各党の一致点を見出して、全会派の共同によって少しでもいい法律をつくりたい、これが基本的な立場でございます。しかし、昨日、木島議員も指摘しましたように、与党提出市民活動促進法案には幾つかの重大な問題点がございます。それらについては、何としても考え直してもらいたいと考えています。  そこで私は、きょう、政治活動の自由と政治的な意思表示が制約されるという問題について質問をさせていただきます。  第一点ですけれども、ことしの二月なんですけれども、みのお山自然の会という団体から送られてきた質問状がございます。これは各党にも多分来ていると思うのですね。  それで、この質問状によりますと、この団体は自然保護を目的としたボランティア団体で、署名活動、議会や行政への要望活動、宣伝活動を行うことがある、このように言っています。これは、自然を守るための意思表示であり、私たちの意見を届ける活動だとして、そして、私たちのこのようなやむにやまれぬ活動について、禁止対象とならないよう配慮をお願いします、このように書いています。草の根の自然保護団体も、与党案の条文にはそういう危惧を抱く、こういう状態が生まれております。  そこで、私、辻元議員にお聞きしたいのですけれども、本来の活動目的にかかわる意思表示は何ら問題ない、このように保証できますか、いかがでしょうか。
  125. 辻元清美

    辻元議員 今、本来のとおっしゃったんでしょうか。今の事例ですと、自然保護ということと、それから、いろいろな施策に対する活動については、これはこの与党案によりますと保証されておりますので、その二つの要件に合致するのであれば大丈夫です。
  126. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 では、自然保護団体の例で、例えば長良川の河口堰に反対の請願を地方議会に出した、そういう場合があったとします。それが採択されなかったという場合がございます。何度請願を出しても、住民の大半の意思でも、例えば議会はそれを無視する、こういう事態があります。そういうときに、この自然保護団体は、議会制民主主義を守れ、こういう方向に、いわゆる主義と言われた、イズムがアクションに転換する、こういうことになった場合は、この団体はどのようになると考えられますか。
  127. 辻元清美

    辻元議員 今の御質問ですけれども、これも同じようなケースで、自然保護と施策については先ほど申し上げたとおりです。  議会制民主主義を守れということを言い出したらどうなるか。これは従たる活動では問題はないということになりますので、その範囲においては頑張っていただいたらいいんじゃないでしょうか。
  128. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 これは与党案で書かれております「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」こういう条文がございますけれども、こういう場合に、あるときには議会制民主主義、こういう問題が重要な問題になってくるという場合に、あなたが言うように、主義が主になって、そして自然保護団体の要求を実現する、そういう活動を展開するということは当然あるわけですね。そういう場合は、あなたたちの提案している、主義がアクションになる、主になるということになりませんか。いかがでしょう。そういう判断がされるということが出てきませんか。
  129. 辻元清美

    辻元議員 今の御質問は第二条二項第二号に当たるかと思うのですけれども、ここで、先ほども申し上げましたけれども、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対する」というのがほとんどの活動になってしまった場合、施策ではございませんね。主義の推進、支持またはこれを反対することを主たる目的とするものであってはならない、この項目に触れた場合は、それはこの法律に合致しません。  ただ、何回も申し上げていますが、政治上の施策とは区別されておりますので、自然保護、いろいろな立場でされている活動が主である場合は、これは問題ありません。ですから、その団体が何をお選びになるのか、その団体の自主性に任せてということになりますね。
  130. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 自然保護、自然を守るという運動をしていけば、例えばそういう政治の問題にぶつかるというのは、あなたもよく御存じだと思うのですね。  そして、今、何が問題かというと、議会がそれを踏みにじるという事態になったときに、その団体は、ともかく議会の民主主義を守れということで、主張して、その運動を展開するということがあるわけですよ。そういう場合に、もちろん自然保護の問題は基本にありますよ。あるけれども、そういう主義を主張して、民主主義が今問われているんだと言われたときに、それは判断の基準に、これは主たる活動になっている、だからこの範囲市民活動法人の資格を失うという判断が出る可能性はあるのじゃないか。  それから、例えば、そうならなくても、このままいったら、主たる活動にならない範囲でやったらまずいぞ、取り消しになってしまうぞということで、市民運動自身が自己規制が働いていく、こういう状態ですね。他の種類の法人にはこんなことはないですよ。こういうことが働くということが十分出てくるのじゃないかというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
  131. 辻元清美

    辻元議員 これは、昨日からも申し上げているのですけれども活動される団体が何を目的としているかというところが一番の判断材料になるわけですね。うちは主義を主張したい、これが最大限の目的なんだと。議会制民主主義だけじゃないですよ、社会主義、共産主義、いろいろあります。それを推進していくんだ、そのための活動を目的にするんだということであれば、これには入らないというだけなんですね。ですから、それは、その主体の方が、いやいや、これもやっておるけれども、うちはこっちの方が主ですからというのであれば、していただければいいということなんですね。それは、その人たちが選ぶことなんです、実際に。
  132. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 大体、議会制民主主義なんていうのは基本的な問題なんですよ。憲法でもちゃんとうたわれている。これをイズムとして、大体、今回の法案対象にしてやるなんということ自身が問題だと私は思うし、ましてや、市民運動、住民運動という場合は、いろいろな方向に、最初はこれで出発したって、これが大事だという場合は発展していくわけです。それがもともとの市民運動なんですね。ですから、初めにこうだから、だんだん変わっていった場合に、それはこういうことだってあり得るわけですよ。そういう場合に、歯どめをぜひかけないでほしいというふうに私は思うのです。  もう一つ聞きたいと思います。  では、選挙になりますと、候補者や政党にはさまざまなアンケートが来ますよね。マスコミだけではなくて市民団体も、活動分野にかかわる各党や各候補者の考えを知ろうとしますし、また、そうした活動や、主権者の知る権利を実現するためにも大変大事なものだと私は思うのです。このようなアンケート活動は自由にできますか。
  133. 辻元清美

    辻元議員 そのようなアンケート活動は、皆さんの御意見を聞く活動ですから、やっていただいて結構だと思います。
  134. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 アンケートの結果が出ますよね。例えば自然保護団体が、諌早湾の干拓についてどう思いますか、こういうアンケートをする。そうすると、各政党や各候補者がそれに答える。そうしますと、その結果を団体の構成員に知らせるというのは、当然、市民団体がやる場合には知らせるわけですね。  そして、知らせた場合に、どの候補が自分たちの考えに近いかという評価を公表する。こうなってきますと、これはどうなんでしょうか、こういう団体というのは問題になってくるというふうになりませんか、あなたたちの法案で。
  135. 辻元清美

    辻元議員 アンケートの結果を個々人に知らせ、個々人がどのように判断されるかというのは自由ですし、それから、先ほどからも申し上げていますけれども、施策についてさまざまな意見を述べるというのは、非常に成熟した市民社会をつくっていくには物すごい重要な仕事だと私も思っておりますので、アンケートの結果を判断されるのは個人でありますから、その個人個人が判断されるということで結構じゃないですか。私はそう思いますよ。  ですから、アンケートを送って、この候補者はこうしているな、ああしているなというふうなことを個人に知らせることは、この法律には触れるものではないというふうに思っております。
  136. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 個人個人がそれぞれ判断すればいいと。しかし、団体が、例えば干拓推進の候補者を応援しない、こういうスローガンのもとに、団体の機関紙を掲載して配布したらどうなるんでしょうか。これは、あなた方が言う「特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」こういうふうに書かれていますけれども、特定の候補に反対、こういうところにも当てはまるということは考えられませんか。
  137. 熊代昭彦

    熊代議員 特定の候補者を応援するものはだめであるということでございまして、だめなわけでございます。これは生協法などにも書いてありますし、既存の法律体制にございます。  政治活動の一番政治活動たるものは、特定の候補者を応援し、反対するということでございますから、当然だめであるということでございます。
  138. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 市民運動をやってきた人ならわかると思うのですよ。辻元さん、あなたがその中で活動してきたならわかると思うのです。  いろいろな自然保護の運動をやっていて、そして、選挙になったら、自然がどんどん破壊されていく、これを何とか守りたいという場合に、候補者にアンケートをして、だれが賛成しているか、だれが反対しているか、そのことを明らかにして、この自然を守るためにはこういう候補者を落とさなければいかぬ、こういう人を推薦しましょうということは、当然、私は、市民運動の経過でいくと、全国の市民運動を見てくださいよ、そういうことだってあり得ると思うのですね。そういう場合に、この法律は、そんなことはやってはならぬと。もうそれで許されないという事態になるのではないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
  139. 辻元清美

    辻元議員 瀬古議員は、共産党を基盤にされた長年の御努力をしてこられた、その体験から今御発言なさっているということは重々受けとめながら、私の意見を述べさせていただきます。  私は、市民活動というのは、私がやっていた団体もそうなんですけれども、一定のものがこの議員落とせとか、この政党を支持しようというのは、私はちょっと市民活動と違うと思うのです。例えば施策について、いろいろな問題を私たちも取り組んできました。しかし、市民運動というのは非常に緩やかなネットワークで、いつでもいろいろな人が入ってこれるというのが非常に基本になっておりますので、あなたはこの人を支持しなかったらはいれないよというようなことは、私は市民活動にそういう態度はなじまないと思うのですね。  そういう意味で、さまざまな方がアンケートをとって、それぞれの方々が候補者をお選びになるのは、これは権利ですから自由だと思いますし、市民活動はその中で一定の方向でいろいろな紆余曲折はあるかもしれない。しかし、それを規制してしまうというようなことは、私たちのやり方の市民活動にはなじまないのじゃないかというふうに私は考えております。
  140. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 では、もう一つの事例を示したいと思うのですけれども、あなたが「進歩と改革」ナンバー五百四十三号、九七年の三月号に書いている文章がございます。   私は昨年の衆議院選挙に当選して、国会活動を始めることになりました。さかのぼれば選挙もNPO活動の延長線上でした。近畿ブロックの比例代表選挙をたたかったのですが、完全なボランティアの選挙でした。なぜボランティアの選挙ができたのかというと、一九八三年にピースボートという民間の国際交流団体をつくって、それから一四年間、非営利民間団体活動を続けてきたからです。……NPOあるいはNGOという活動をする人たちが、政治の場にNPO、NGOの代表として私を送りだしたらどうか、と推してくれました。 こういうふうにあなたは書いているのですね、NPOの代表として国会議員になったと。  こういういろいろな運動をしている中で、自分たち一緒に頑張ってくれた、自分たちの声を代表してくれる、こういう人を応援していこうかということだって、この人落とそうということだってあるけれども、応援していこうということだってあるわけでしょう。あなたがそういう中でもちろん活動してきて、そしてきちんとその人たちに推されて出てきたのだと言われているのです。それは、少なくともNPO、こういう市民運動をやってきた人たちの声を踏みにじるといいますか、ある意味では国会議員を当選させようという声だって出て当然じゃないかというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょう。
  141. 辻元清美

    辻元議員 今おっしゃっている趣旨は十分理解いたしております。  ただ、例えば私が選挙をやった場合どうしたかといいますと、私は先ほど申し上げましたピースボートというところで専従をやっておりましたが、すべてやめました。そして、私の応援をしたい人はしてくれ。そのかわり、専従職員は解雇になりました。その上で活動をするという物すごい線引きをして私たちはやったわけで、実際にその団体がまとまって、一致団結して一つの政党を推すというような事態は、私はちょっと市民団体の自由な活動にそぐわないのだと思っておりますので、その原則を通して選挙の活動をやりました。  ですから、その推してくれた人がどういう気持ちでやったのか、私はここまでわかりませんので何とも申し上げられません。ただ、NPO、NGOの価値観というのがありまして、それがやはり大きく育っていく、それが政治の場にも来て発言していくということは非常に重要であると考えていますので、そういう意味で、そういう価値観という意味NPO、NGOに推されて出てきたというような発言はしますけれども、今御説明申し上げたとおりが私のその発言の真意と考え方なのですけれども
  142. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 少なくとも、例えば自然保護を実現する場合でも、意思表示をする場合でも、政党や候補者を支持したり反対したりすることは許されない、この法案では行動に制約を受ける、こういうことがあるということは明らかになったと思うのですね。  では、こうした一たん認証を受けて市民活動法人になった団体が何らかの事情で候補者を推薦するようになったら、この法人の存在というのは違法ということになるわけです。この場合は、法律によって改善命令が出される、立入検査の対象にもなる、改善されなければ最後は認証の取り消しということになる。これは間違いございませんか。
  143. 熊代昭彦

    熊代議員 委員承知のとおり、生協法にもこの条文は入っております。生協の関係で、この条文を無視していろいろな活動が行われているという訴えがいっぱい来ているのも私は承知しているわけでございますけれども、それは事実がどうかはわかりませんけれども、もしそれが事実としたら、それは生協法の法律の執行をしっかりしなければいけないということでございまして、このNPO法もそのような趣旨で、やはり公的な信用を得る法人は一応直接の政治活動から避けるのだ、それは政治資金規正法ないしは政治団体の範疇でやっていただきたいということでございますから、委員が御指摘のようなことがあるのは当然でございます。
  144. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 今回の場合の認証の取り消しというのはどういうものになるかということなのです。  法案では、認証の取り消しが解散の事由に挙げられている。これによって清算の手続が開始されて、解散命令と同じことですよね、こういう状態になる。清算の手続が始まれば、法人の所有する預金も建物も、その他備品の鉛筆一本に至るまで裁判所の指名する清算人に管理される、管理を移されるようになる。最後は、法案の規定に従って残余財産として処理される、こういうことになりますよね。  また、法案では、改善命令違反は罰金刑の対象になります。他の条項の過料とは違って、罰金刑があれば警察の取り扱う事件ということになるわけです。  このような問題について、私はどうしても改善が必要だと思いますけれども、最後に見解を伺いたいと思います。
  145. 熊代昭彦

    熊代議員 委員の御指摘のことは、改善命令が出てもそれを無視してやる、そういう強い御決意のもとに言われているような気もしないでもないわけでございますけれども改善命令が出れば改善していけば取り消しになるというようなことはないわけでございますから、そんなしゃくし定規な法律の適用ということはございません。しかし、あくまでも徹底して、もう必ず特定の候補者を応援するのだというなら、それは解散されて、そして政治活動分野で、政治資金規正法等政治団体を規制する法律分野でやっていただきたい。  罰則の適用は、やはりほかの法制等も見まして、当然のことでございます。おっしゃるとおり、当然そのようなことになると思います。それはいささかも、まじめにこの市民活動促進法案の趣旨を理解して市民活動を進めようとする人たちを害するものではございません。そのように確信しているところでございます。
  146. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 時間でございますのでこれで終わりますが、市民運動や、そういう自然保護団体の場合は、この人をどうしても推そうというふうにはならないでしょう。むしろ、こんな悪いことをやっている議員を落とそう、こういう流れが私は出てくると思うのです。それは、各地域見ていただければ、当然政治とこういう運動というのは結びつくわけですよ。それを全く無視した形で今回法案が出ているというのは、大変私は問題だというように思います。  私たちの日本共産党の法案は、できるだけ市民皆さんの声も不安も、そういうものもきちんとお聞きして、それにこたえるために努力をさせていただきました。しかし、何としても私たちの法案すべて実現しなければという立場ではないのです。しかし、少なくとも今、市民団体、自然保護団体などがこれだけは不安だというものについてはきちんと取り除いた上で、何としてもいい法律をつくって共同の取り組みにしていきたいというように思います。  以上です。終わります。
  147. 伊藤忠治

    伊藤委員長 次に、奥田敬和君。
  148. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 もう簡単に切り上げます。  私も、もうやがて七十歳になります。二十八年の議員経歴を積ませていただきました。  考えてみますと、私たちのような議員の終末期を迎えた人間にはちょっと大変希望が持てる法案ですけれども、先ほどから論議を聞いておりまして、確かに新しい時代が来るな、自分は生きることはできないけれども、二十一世紀日本はやはりシビルの時代が来るな、そういったことを踏まえて先ほど来の討論経過を聞いておりました。  私は、みんなの生き生きした討議を聞いておりまして、この法案の成否は別として、議員立法というのはやはり大事だな。やはり君たちの表情を見ていると、平生と違って生き生きしている。それと、国民が期待する国会審議も、やはりこれを望んでいるのだろうなと思っています。  今この法案でそれぞれの意見主張が行われているので、別に今私はどちらにジャッジするという気持ちはありません。ただ、多元的な社会で、市民が主役になる時代を皆さんがつくろうと。実際のことを言って、行政分野で何でもかんでもやっていけるという時代はもう不可能ですよ。ですから、こういったお互いの互助的な、しかも同好の士、ボランティアの姿勢でやっていく、そういった多彩な団体の出現というのは、私はやはり世の中に活力をもたらしてくれるだろう。そういった意味合いでは、きのう申しましたけれども日本もようやく成熟した民主主義国家への道を歩んでいく、やはり一里塚なんだろうなという形で歓迎するわけです。  ただ、熊代さん、あなたの御答弁を聞いていて非常に、これは自由闊達な市民サークルに、みんなが望んでおる法人認証という形によってさらにそれを活発にさせようという気持ちでやっておられることは理解します。あなたがコモンセンスで運用をできるだけ幅広く柔軟にやっていこうという形、それは大変結構です。ですけれども、法文化されると、これをまた運用して解釈する方がしゃくし定規で、今言っていたような論議が各所で起こって衝突するという懸念もあるわけです。  ですから、今、新進党案、共産案なりお互いに出ていますけれども与党案なりありますが、本法制定の基本的な理念形成のところはやはりお互いに相談し合って、修正項目で、本則、附則でいくとまた時間とかいろいろな形で議論が絶えないかもしれませんけれども、やはり将来の見直しも含め、健全な市民社会実現を目指しているわけですから、余りしゃくし定規で、今のような論議を聞いているとこれは……。  例えば緑を守る団体、そうすると、これはもう初めから即政治運動が主たる目的でつくっていく団体と。そうではなくて、不特定多数で本当の環境保護に関心を持っている人たちがたまさか集まり、その中の主勢力が、自分たちの支持政党というものが自然と合意のうちに形成されていく、そして結果、今さっき共産党議員質疑であったから、共産党候補の支持に回っていく、これは自然の流れでしょう。初め市民のサークル、緑を守る環境団体としてできたときは、何もそんな主たる政治目標で——あなたらの場合は初めから政治目標を主たる形でもって頭に持っていくから論議がおかしくなるのです。これは例えば環境の話ですよ、これは子供でも一緒ですけれども。  そういった形で、やはり市民社会の中で、それはそうだと、やりましょうやという形で来る。そういった形で、非営利団体としての法人認証で大手を振ってやりなさいよという形のまずスタートですね。それが発展していき、そして環境全般に、今、森から、今度は森ばかりではない、環境ということになればダムもあり、あるいは今言ったムツゴロウもあり、いろいろな形のところへ飛躍していくでしょう。そういった運動展開でどうこう、あるいはそういった形の環境に関する熱心な人たちが、自然の流れの中である特定候補者に、たまたま選挙のときにはそういうことになっていく、推薦になっていくということは、これはあり得るのでしょうね。  これらに関して、熊代さん、これは制限しているわけではないのでしょう、この政治上云々の形は。
  149. 熊代昭彦

    熊代議員 先生の御指摘にお答えする前に、一つだけちょっと訂正させていただきたいのですが、先ほど、二県以上に事務所を持っている団体のデータはないという答弁を申し上げましたけれども、経企庁委託の社会調査研究所が平成九年三月に公表されています報告書によりますと、法人格を取りたいという約一万団体の中で、二県以上にまたがって事務所を持っている団体は二割あるそうでございます。約二千ということでございますので、もしこれが二年間ぐらいで全部取るとしますと一日二、三件ぐらいの平均になるかな、こういうことでございますので、訂正させていただきます。  それから、先生お話でございますが、私の答弁はややかたい、厳しい面もありますので反省いたしておりますが、申し上げることは、民法法人でも政治活動をするときには一歩退いて別の政治連盟とかをつくられます。そういうふうに一歩退いて、市民活動団体ですけれども、これは別な、それの関係の政治連盟をつくられる、こういうけじめをつけていただいた方がよろしいのではないでしょうかと。  市民活動法人自体で何が何でもあの候補は落とす、あの候補は当選させるというのは、ちょっと法律の趣旨から反するので、やはりそれはけじめをつけていただいて、法律の趣旨に反しないようにしていただきたいという趣旨でございまして、一つ一つのことを余り目くじらを立ててやるものではない。改善命令も出しますし、穏やかな法律の運営がされるということでございます。
  150. 奥田敬和

    奥田(敬)委員 このNPOの法人認証を受ける団体というものは、余り初めから、極端な改善命令や取り消しなんというのは例外中の例外だと思うのですよ。  だから、そういう特異な、頭から尻まで一つの、政党が対の、そういった形を初めから主目的で、従属させていこうというような意図を持った人たちには都合が悪いかもしらぬけれども、それではない形の方たちにとってみれば、実際ある意味においては緩やかな、市民社会の中でそういった自由闊達な、そんな方向で伸びていくのじゃないかなという期待の方が多いわけです。  ですから、先ほども言いましたように、この運営に当たって、認証に当たっては、余りしゃくし定規な、分類の規定の中でこの項目はなかったからこうだとかいう形ではない、やはり幅広いものですよ。実際のことを言って、今仮にこれが税制恩典などが付与されているという実態がはっきりしていれば、またいろいろな問題点も出てくるかもしれませんが、今の段階はまず実態を見ようと。そしてその後に、河村さんらが指摘されている、いわゆる運営上の形に当たって寄附行為を主たる形にする税制上の優遇措置は当然設けられるべき、そういった論議に発展していく性格のものだなと見ているわけです。  ですから、ひとつあなたらの方で、質疑の終盤になってきたら、やはりそういった意味合いを込めた修正点で合意できる形ができないかどうかということについては、ひとつ、単に出口だけの問題で初めから論争するんじゃなくて、そういった形の含みが、将来において、議員立法ですから議員間の約束で、政党間の約束で、二年間なら二年間の期間において担保でき得る方向というものをやはりはっきり打ち出していくべきことが、私はとても大事だなと思っているのです。  ですから、そういった意味合いを込めて、もう時間も来たということですからやめますけれども、こういった議員立法、大きな、将来を画する議員立法審議を見て、新しい時代が来たなという国民の期待を裏切らぬように、しゃくし定規な形でお互いに角突き合うだけじゃなくて、こういった形の画期的な法案に関しては、やはり若い世代の諸君たちが英知を絞って、いい方向で解決するように強く望んで、質疑を終わります。
  151. 伊藤忠治

    伊藤委員長 この際、委員各位に申し上げます。  来る六月三日火曜日午前九時から内閣委員会公聴会を開会いたします。  なお、次回の委員会は公聴会散会後の午後二時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会