運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1997-05-22 第140回国会 衆議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年五月二十二日(木曜日)     午前九時三十四分開議 出席委員   委員長 木村 義雄君    理事 亀井 久興君 理事 岸本 光造君    理事 熊代 昭彦君 理事 古屋 圭司君    理事 河合 正智君 理事 河村たかし君    理事 伊藤 忠治君 理事 矢島 恒夫君       川崎 二郎君    熊谷 市雄君       佐藤  勉君    斉藤斗志二君       坂井 隆憲君    園田 修光君       竹本 直一君    中川 昭一君       山口 俊一君   吉田六左ヱ門君       渡辺 博道君    赤松 正雄君       石垣 一夫君    遠藤 和良君       神崎 武法君    中川 正春君       西  博義君    原口 一博君       北村 哲男君    山花 貞夫君       横光 克彦君    小坂 憲次君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 堀之内久男君  出席政府委員         郵政大臣官房長 天野 定功君         郵政省電気通信         局長      谷  公士君  委員外出席者         参  考  人        (国際電信電話         株式会社代表取         締役社長)   西本  正君         参 考 人         (国際電信電話         株式会社取締         役)      塚田 一幸君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)   宮津純一郎君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  林   豊君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  宮脇  陞君         参 考  人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役社長)  井上 秀一君         参  考  人         (日本電信電話         株式会社常務取         締役編成室長         兼企画室長)  木塚 修一君         逓信委員会調査         室長      丸山 一敏君     ————————————— 委員の異動 五月二十二日  辞任         補欠選任   野田 聖子君     熊谷 市雄君   野中 広務君     渡辺 博道君   永井 英慈君     中川 正春君 同日  辞任         補欠選任   熊谷 市雄君     野田 聖子君   渡辺 博道君     野中 広務君   中川 正春君     西  博義君 同日  辞任         補欠選任   西  博義君     永井 英慈君     ————————————— 本日の会議に付した案件  電気通信事業法の一部を改正する法律案内閣  提出第五四号)  国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律  案(内閣提出第五五号)  日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律  案(内閣提出第七六号)  電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法  律案内閣提出第八九号)      ————◇—————
  2. 木村義雄

    木村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出電気通信事業法の一部を改正する法律案国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  本日は、参考人として、お手元に配付してあります方々に御出席をいただくことにいたしております。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
  3. 原口一博

    原口委員 新進党の原口一博でございます。  委員長初め郵政省郵政大臣、そしてNTT皆様に、これまでの長い御論議の中で、日本の電気通信を前に進めていく、その姿勢に心から敬意を表し、またきょうは、NTT社長さん初め御参考人皆様にお足をお運びいただきましたことに感謝をささげて、質疑を始めたいというふうに思います。  この間、私は、古屋先生とある会に出席をさせていただいて、その中で、ある講師の方がこんなことをおっしゃっていました。アメリカの大統領は、朝起きて一番初めに何をやるのか。もちろん、自分の顔を洗うなんということはやるんでしょうが、その後に何をやるのか。その後に三十分のブリーフィングをやる。その一日に世界で起こる危機、そして国内における危機、それを聞いて、そしてその一日の公務に携わるということでありました。  果たして、我が国状況はどうなっているんだろう。総理大臣は、一日の初めにどういうことをなさるんだろうか。郵政大臣は、朝お起きになって一番最初になさるのは何でしょうか。  私たちは、この大変な高度化する時代の中で、まずやらなければいけないことは危機管理であろうというふうに思います。政治世界で、国会に参りまして半年がたちますが、一貫して訴えてきたことは、政治を復権させよう。私たち情報をどこからとるのか。それは、政治家が直接情報をとって、そして政治判断をしていこう、そういう仕組みをつくっていこうということを、この委員会の中でも一貫してお話をしてきたわけであります。私たちが一部の人たちからしか情報を得なければ、それは偏ったものになってしまうというふうに思います。  郵政大臣、朝起きて一番初めになさるのは何でしょうか。
  4. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 私は、大体朝が早いものですから、まず六時のNHKニュースを見る。これはもう習慣的になっておりまして、十分か十五分見た後にゆっくり新聞を読み、そしてその後自分の健康の体操をやっておるところであります。
  5. 原口一博

    原口委員 ありがとうございます。  やはり、私たちは、総理大臣も似たり寄ったりなんじゃないかなというふうに思います。情報を一体どこから得るのか。今、園田議員さんのところの鹿児島地震が頻発していますが、そういう地震が起こったときに、一体、郵政大臣が所轄されている通信というライフラインは大丈夫なのか。そして、この法案で御審議をされているNTTさんが再編をされるとしたら、一体その災害時における国民ライフラインは維持をされるのかどうか、そのことについて御所見を、局長と、そして社長さんにお伺いをしたいというふうに思います。
  6. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のとおり、情報通信機能といたしまして、国民生活に不可欠なライフラインでありますが、特に、そういった不測の事態が起きましたときに、通信機能が確保されるということは大変重要なわけでございます。このことは、国としても大変重要な責務だろうと考えております。  従来から、ネットワークの安全性信頼性ということを確保いたしますために、電気通信事業法に基づく技術基準におきまして、事業者に対する所要の義務づけをいたしております。それと同時に、この安全性信頼性を著しく向上させることができる設備の導入に対しましては、税制、金融上の支援措置も講じておるところでございます。  先般の阪神淡路大震災では、三十万を超える電話に障害が発生するなど大きな被害が生じたところでございまして、その教訓を踏まえまして、平成八年三月に、耐震対策等に関する技術基準改正実施をいたしました。  今後とも、大変重要な問題でございますので、この点に十分注意を払って努力してまいりたいと考えております。
  7. 林豊

    林参考人 NTTにおきましても、災害対策には、私どもとして万全の体制を整えているつもりでございます。  特に、大規模地震といったような災害の際には、全国的に災害対策人員あるいは災害対策機器といったようなものが分散配置されておりますが、そういったようなものを、本社を中心として国等災害対策機関連携をとりながら、全国的に機動力を活用するような形で被災地に集中させまして早期復旧に努めております。また、そういった対策がスムーズにできますように日ごろから、例えば重要加入者というものを想定いたしまして、緊急度の高いライフラインというものは特に万全を期すといったようなことでありますとか、もし停電といったような場合には公衆電話、これを特別に設置いたしまして一般の用に供するとか、そういった手だては十分尽くしておりまして、そういったようなものが災害時に直ちに発動できるような準備を整えてきているところでございます。
  8. 原口一博

    原口委員 そこで一番大事なのは、例えば地震が起こった、その起こった直後の数分間だというふうに思います。その災害地電話が殺到して、回線パンクをしてしまう。この間鹿児島地震があったときに、私は当地に電話をかけました。私たち電話は特別だそうでありますが、そういうときには関東から鹿児島にはもうかからないようにする、ブロックをかける、そして域内の電話緊急通信がスムーズにいくようにする、そういうシステムだそうでありますが、もし東西に分割をされたときに、ではその命令をどこで出すのか。どこで指示を出して、そして回線パンクをしないように担保をするのか。あるいは、一体緊急時のバッファーと申しますか、緊急時の予備回線というものをどれぐらいおとりになっているのか。私は、国民の命を守るライフラインを維持するということが一番大事なことだ。今回のこの経営形態見直しによって、そのことをどこで統括をして国民の命を守ろうというふうにされているのか、再び御答弁お願いをしたいというふうに思います。
  9. 林豊

    林参考人 先生指摘のように、先般の鹿児島川内地方におきます地震の際に、全国から安否確認でありますとか激励を含めまして、通話量が、平生時の十倍を超えるトラフィックが集中するという状況ができました。この辺は私どもトラフィックを管理いたしておりますセンターで状況が把握できるわけでありますけれども、そういった際に、先生からもございましたような、こういった状況がだんだん集積されていきますと容易ならざるふくそうの状態が出現するというおそれのある場合に、全国発信元の方で一部抑制をする、こういった措置を講じさせていただいておるところでございまして、先般の地震の際にも相当の抑制をさせていただいたところでございます。  これは例えば阪神淡路地震の場合には平生時の五十倍を超える通話量が発生するということで、私ども必要な余裕回線は持っておるつもりでございますが、その限度をはるかに超える状況になりますと、ある程度の抑制はやむを得ないというふうに考えているところでございます。  それで再編成後のお尋ねでございますが、これは、これからそういった計画を策定するということになっておりますが、現段階で私どもの今持っている考え方といたしましては、いわゆる持ち株会社、これはまあ全国を見ているという立場でもございますので、災害対策を含めましたいわゆる危機管理の基本的な考え方というのは常時持ち株会社中心につくっておきまして、再編各社が同じ考え方で、一たん緩急あった場合は行動できるということを想定いたしております。  実際にそういった事態が起きた場合につきましては、やはり持ち株会社がセンター的な機能として国等との連携にも当たりますし、それから再編各社が持っているいわゆる災害復旧リソース、こういったようなものの動員を機動的にかけまして、従来と同じような全国的な体制の中で対策なり復旧に当たる、こういうことを想定いたしているところでございます。
  10. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 電気通信事業者責務義務といたしまして、電気通信事業法八条で「重要通信の確保」というのがございますし、それからまた、先ほど申し上げました技術基準の問題につきましては四十一条一項にその根拠がございまして、これに基づきまして、私ども予備機器の、備えの問題でございますとか、それからふくそう時の対策耐震対策停電対策防火対策等を規定しております。  これらはそれぞれの事業者義務でございますが、事業者が接続をいたしまして提携してサービスを提供するときには、当然これらについても連携をとってやっていくことが必要なわけでございます。  さらに、こういった一般的な義務に加えまして、今回の再編の場合は、持ち株会社のもとで資本関係が維持されますので、こういったこともよりスムーズにいくのではないかと思いますけれども、なお、この再編計画の中でもこのことを実施計画の中で規定していただく必要があろうかと思いますので、これのもととなります基本方針の中でもこのことを触れる必要があるんではないかというふうに思っております。
  11. 原口一博

    原口委員 ぜひ郵政大臣に御要請を申し上げたいのは、通信リスクマネジメントをきっちりやっていただきたい、そのことを強く郵政省お願いをして、そして将来は、この委員会の中でも議論がございました、NTTさんはもう完全に民営化されて、独立して羽ばたいていただきたい、その思いであります。  私の郷土の先輩であります真藤先生民営化、そしてNTT通信ということで大変な御努力をされました。ちょうど私も、十数年前ですか、データ通信本部というところで未来の通信の絵をかかせていただいておりましたが、しかし、事あるごとに官の、役所のいろんな規制がかかってきてなかなか飛び立つことができない。私は、官がやるべき仕事と民がやるべき仕事をきっちりと分けて、そして、きのう小坂先生質問の中で谷局長お話しになっていましたが、将来は私は完全な民営化特殊会社じゃなくて民営化に向けての道筋を示さなければいけない。そのきのうの御議論を伺っておりまして、社長さんの、まあ八十点であった、しかし百点は完全な民営化なのだということでありますが、そこで並々ならぬ決意を、もう後ろには引かないんだという決意をお示しになったんだというふうに思いますが、このことに関するNTT社長様の御所見あるいは決意というようなものをお伺いをしたいというふうに思います。
  12. 宮津純一郎

    宮津参考人 今先生真藤さんの話もおっしゃいましたが、私も真藤さんから教えてもらった一人でございまして、民営化の精神というのは、自主的にいろんな判断をして、特にNTTなんかの場合には積極的に世の中を渡っていく方向というものがこれからますます大事になってくると思います。  今おっしゃったように、将来、行く行くは民営化方向というようなことで、一度にはすぐにはまいらないとは思いますけれども、過去の問題もいろいろありましてそういうものは引きずっておりますが、その方向に向かって私どもも最善の努力をしていくということを考えております。  あと政府の方もそういう我々の動きというのを見ておられて、しかるべくまたリードしてくれるとは思いますけれども、私どもとしては自主的にそういうふうに考えて進めたいと思っております。
  13. 原口一博

    原口委員 強い御決意をいただいたというふうに思います。ありがとうございます。  心理学の実験にこういうものがあります。パズルですけれども、一〇%できているパズル、半分できているパズル、九割方できているパズル子供にどれでもいいからやってごらんというふうに言います。伸びる子供は、やはり一〇%を選ぶ子供なのですね。自分の力で、自分の手で何でもかんでもやってみようという子供は伸びます。ぜひ今政府がやるべきこと、それは先ほどお話をしたリスクマネジメントであったり、あるいは、今はもう本当に電子上の世界が築かれています。この間もあるホームページにわいせつな画像があったということで、私たちは、政府がやるべきことはそういう国民の人権あるいはリスクマネジメント、それに限って、あとはどうぞ自由にやってくださいという、小さな政府をつくることが大事なのではないかというふうに思います。  ですから、今回の法改正、私たちはこの法改正方向に基本的に賛成だというふうに思います。ただ、これは最終の、行き着くところではなくて通過点なんだ。電通審では分離分割というお話がありましたが、そのことはもう消えて、今回は再編成という用語をたくさんお使いになっています。これはあくまで通過点である、そして、今後も三分の一は政府が株を保有するということでありますが、そういったことも撤廃をしていく方向で御検討を願いたいというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  14. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 まず最初に、真藤総裁お話がありまして、私も佐賀県出身とは初めて知ったわけですが、昭和五十四年ですか、鈴木内閣のときにこの真藤総裁が就任されました。私どもも改めてこの総裁見識に敬服いたしたわけです。たまたまこの委員会で、社会党のある人の御質問であったと思いますが、今のこの電電公社というのは規制ばかり多くて、しかも国会が監督をして、そして何も総裁としての仕事はできません、手足をくびって泳げというのと全く一緒でありますという答弁をされました。私どもは改めてそのときに真藤総裁指導力というか考え方に敬服をいたしましたが、そのように私は、電電公社があのようなすばらしい変革、改革をしてきたのは、やはり真藤総裁のすぐれた見識であった、また、我々もこの逓信委員会を通じて、電電公社のそうした近代化に協力をさせていただいた、こう思っております。  ただいまお尋ねのこの再編成案は、現時点では私どもは、これはもう最高の考え方だ、最も適当な考えだ、こう思っております。すなわち、持ち株会社を通じまして再編各社間の資本関係を維持するということでありますが、しかし、その中でも公正競争を十分確保する、そして今後の競争を通じて国民にこれまで同様の、あるいはそれ以上の電話サービスを提供していくことが大事だと思っておるわけであります。  しかし、電気通信分野は非常に激しい変化、進歩をなしておりますので、特に地域通信電話におきましては、最近CATVを通じての電話参入と申しますか、六月一日からは柏市で初めて参入の申請が出ておりますし、今後続々そうしたCATVが出てまいります。したがって、将来、こうした状況変化を踏まえまして適時適切に見直しをすることが必要と考えておるわけであります。
  15. 原口一博

    原口委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。  そこで、NTT社長さんにお伺いしたいのは、先日の参考人さんの質疑にありましたように、これからはスケールのメリットが果たしてきくのだろうか、むしろ意思決定までの時間あるいは集中した資本の投下、そういったことが大事になるのではないだろうか。今のような、大きな、たくさんの資産をお持ちでありますこの状況が今後有利とばかりは言えないというようなこともございまして、今後、この再編によって、意思決定スピード、そういったものはどういうふうになるのでしょうか、あるいは意思決定のプロセスに費やされる時間というものはどうなるのか。東と西に地域会社が分かれるわけでございますが、そこでの意思決定というのはどういうふうになるのだろうか。今のままでも大変大きな、いわゆるメガキャリアでございますが、そこで要求されているものについて社長さんの御所見をお伺いをしたいというふうに思います。     〔委員長退席岸本委員長代理着席
  16. 宮津純一郎

    宮津参考人 スケールの問題と、それからタイミングというかスピードの問題ということをどういうふうに調和するかというふうな御質問かと思います。  もともと今回の再編成というのを考えるための外部条件というのは、相当世の中競争が激しくなってきていまして、国際的にも競争力というのが必要になってきておる。競争というのは結局のところ、やはりタイミングだと思います。ですから判断などが、スピードタイミングがよくないと全く意味がなくなってくるというようなことで、そういう要素というのはこれからますます強くなると思います。同時に、競争ですから相手との、かなりいろいろな意味での総合的な力というのが必要になってまいりますので、ある程度スケールの問題もあるとは思いますが、再編後、経営上特に大事で重要と考えていかなきゃいけないのは、こういうような機構をうまく動かすために、スピーディーに動かすためにどうすればいいかということだと思います。  それで、これから法案を通していただいて具体的な進め方は詰めてまいりますけれども、基本的にはやはり、判断をする、それを決めるタイミングと、それから、それがすぐうまく各組織に伝達されて動いていくというようなことがうまく進められるように、ふだんからやはり仕組みとしてある程度組み込んでおくというようなことを考えていかなきゃならないとは思っております。そういうことも含めてこれから検討させていただきたいと思います。
  17. 原口一博

    原口委員 これは、五月二十一日水曜日のNTTリースさんの広告なんですけれども、「ほらね、NTT市外通話が月々三千円から二〇%割引になるのは、NTTグループカードだけ。」というふうに書いてあります。カードと組み合わせることによって割引サービスをなさるということでありますが、これはこれで大変結構なことだというふうに思いますが、じゃ、この九二%もの独占企業に対して、ほかの企業が果たしてこれ対抗できるのだろうか。カードといういわゆる私たちの信用の情報一緒に組み合わせて、情報によるエンクロージャー、いわゆる囲い込みを行う。そのグループに入っていなければ、国内においてとてももう太刀打ちできないのじゃないかというふうに思います。  ですから、さらにNTTさんが、自分たちのその独占というものをどういうふうにおとりになるのか。そして、自分たちの敵は、やはりNTTの敵はNTTだというふうな御発言がありましたけれども、私たちは、これが信販と結びつくことによって巨大な一つの固まりになれば、もうそこには競争はないのじゃないかというふうに思うのですが、局長さんの御所見をお伺いしたいというふうに思います。
  18. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 ただいまの御指摘サービスについて、私、詳細を承知しておりませんので、そのことについて申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども一般論として申し上げますと、現在の利用者に対する便益サービスということと、それからおっしゃるように、競争を通じて将来にわたって提供される便益、利益ということがあるわけでございまして、それらの問題につきましては、どちらがどちらということは申せませんが、個々の問題に応じて、その両方について十分目配りをした上で考えていくべき問題だろうというふうに考えております。
  19. 原口一博

    原口委員 私は、やはりこのことが解決しなければ、いつまでたっても、先ほど大臣お話しになりました真藤先生の理想というのは実現できないんだろうな。これだけの巨大企業であれば、どこかでその独占の弊害を正す、そういう行政の力が働いてくるのは当たり前だ。ぜひ、これはもう御答弁は結構ですから、NTTさんに自助努力をしていただきたい。  また、NTTさんは、ソフト開発部門を子会社化するということをおっしゃっていますが、これはどういう目的で行われるのか。やはりこれから通信の市場の中で大事なのは、ソフト開発力とそして新しい通信を担う人材を育成することだというふうに思いますが、この件についての御所見をお伺いしたいというふうに思います。
  20. 宮脇陞

    宮脇参考人 お答えいたします。  ソフト事業化ということに関しましては、これは私ども経営改善施策の一環であるとともに、もう一つは、開かれたNTTという考えで、その実現の観点から、これまで私どもの社内に蓄積してまいりましたソフトウェア技術、ノウハウ、こういうものをグループとして事業化することによりまして、私ども以外の事業者の方にもお使いいただきたい。そして、こういうことをすることによりまして、我が国情報通信産業の全体の発展に貢献するということも重要な意義であるということで、始めようとしているものでございます。  これは実は単なるソフト開発だけじゃございませんで、私どもの会社で使いますソフトの開発はもとより、それ以外にも、実は私どもの会社の中でこういうコンピューターシステムを幾つも持っておりまして、そういうものの運用、保守、それから御存じかもしれませんが、料金請求書の印刷、発行、こういうものいわゆるソフトウエアに関連する業務を幅広く行おうとしているものでございまして、ぜひ私どものみならず世間にも貢献するような会社にしていきたいというふうに考えております。
  21. 原口一博

    原口委員 質問時間が残り少なくなりましたが、ぜひこれは郵政省お願いをしたいのは、通信の時代、大変な大きな大きな道路を、車に例えてみると、たくさんの車が通ろうとしている。しかし、そこに信号機をつくり、横断歩道をつくる、これは郵政大臣を初めとする郵政省のお仕事だというふうに思います。電子上の個人の情報をどうやって守っていくのか、個人の人権をどうやって守っていくのか、そういったことがこれから大変大事になる。それをやるのは、堀之内郵政大臣を先頭とする役所の皆様であるというふうに思います。しかし、それ以外のことは、ぜひNTTさんやこれから出てくる各通信事業者にできるだけ自由にお任せをいただきたいというふうに思うわけでございます。  そのことについての御決意大臣にお聞きして、そしてきょうはVIP口座のことについてもちょっとお尋ねしなければいかぬのかなというふうに思っていましたが、官房長官の御趣旨がよくわかりませんので、また別の同僚議員に譲りまして、その郵政省の役割について大臣の御決意をお伺いして、私の質疑にしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
  22. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま委員の御指摘のとおりでございますが、電気通信情報産業というものが我が国のリーディング産業として大きな役割を果たし、あるいはまたこれからの産業構造改革の原動力となる、このように考えておるところであります。したがって、今後この通信事業の活性化あるいは競争の公正化、こうした問題につきまして、郵政省は適時適切に、規制緩和を初めとして、そしてまたインフラ整備につきましても精いっぱいの努力をする、そういう環境をつくり上げていくことが郵政省の大きな役割だ、こういうように認識をいたしておる次第であります。     〔岸本委員長代理退席、委員長着席〕
  23. 原口一博

    原口委員 ありがどうございます。終わります。
  24. 木村義雄

    木村委員長 中川正春君。
  25. 中川正春

    中川(正)委員 新進党の中川正春でございます。お許しを得て、質問をさせていただきます。  私は、先般中国を訪問する機会がありました。あそこの通信事業、モトローラが現在独占をしていくような形で入り込んでおりまして、もう一方では、テレビといえばスタテレビ、香港系が非常に大きな勢いで浸透をしてきておるというふうな現状、こういうのをつぶさに見てまいりまして、国際的に情報通信産業というのがさま変わりをし、また大きな競争の時代に入ってきた。そんな中で、日本のNTT、あるいはKDDを含めて、もう十年も二十年もおくれてしまったのではないかという議論が出てきておるわけであります。  そんな中で、今回こうした形で、分割というよりも分社化、純粋持ち株会社という、日本の制度までこのNTTを機会に変えてしまったわけでありますが、こうした自由化の波を、これを突破口につくり上げて新しい挑戦をしていこう、そういう段階にまで来たということ、これは私たちは積極的に評価をするものでありますし、逆に言えば、この間十年も十五年も議論だけして、こういう状況をつくり出し得なかった、そういうことに対して非常に憤りを感じるものであります。  そういうことを前提にしまして、少し基本的なことからお聞きをさせていただきたいのですが、特にその中で、今回、完全に分割ということではなくて、持ち株会社という形態をとったということ、これがもう一つすっきりしない。いわばそこにそれぞれの甘さがあって、いまだにその気持ちの切りかえができていない弱さというか、そういうものを内包してしまったような、そんな結果に今回終わってしまったのじゃないか、そういう気持ちを込めて、そしてまたさっきの議論の中で、これは通過点だ、こういうことでありますが、通過点であっても、しかしこれを導入するということによって、そのゆがみというのも出てくるわけでありますから、その辺を集中的にきょうは質問をさせていただきたいというふうに思うのです。  そんな中で、まず最初にこの分割なりあるいは分社化、いずれにしても、郵政省なり審議会の方では、分割をという形で非常に強く話を進めていただいておったようでありますが、これが逆に、NTTの方で純粋持ち株会社というような形をとることによって押し返されたというそんなイメージが私たちにはあるわけでありますが、その分割をしていく必要性といいますか、そこから話に入っていきたいと思うのです。  これは私たちの理解では、それこそ独占はだめなんだ、市場原理をもう一回この世界に導入して、いろいろな他の企業参入とそれによってもたらされる競争原理というものでこの情報通信分野というのを新たに活性化していこう、そういうねらいがあるんだというふうに理解をしておりますが、それでいいのでしょうか、大臣
  26. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま中川委員の御指摘のとおりと、こう私は申し上げたいわけであります。  この情報通信分野は非常に激しい変化で、そして急激な発展を遂げておることは御案内のとおりでありまして、今日では国際化、そして新しい技術によるマルチメディア化といった大きな環境の変化をもたらしておるわけでございます。そして、今までの情報通信産業我が国の経済を牽引する大きな戦略分野として成長、発展をいたしておるわけであります。したがって、これの活性化というのが政府の大きな役割だ、こういうように考えておるわけでございます。  こういう認識のもとで、規制の緩和や公正有効競争条件の整備、こういう立場から、何といっても世界的にも巨大なNTTであるし、またすぐれた技術力を持っておるわけでございます。そういう意味で、NTT再編成することによって競争部門、独占部門、こういう形に分社化することによって、いわゆる長距離部門は今までの国内長距離会社、あるいは国際の方にも進出可能にしまして国際化に対応し、あるいは国内における地域通信網におきましては二社に分社化して比較競争を促進させる、そういう構想のもとにやっておるわけであります。公正競争確保のためには接続ルールの公明性そして公平性、こういうことを行って今後の情報通信の活性化を図ろう、こういう立場から再編成を行ったところであります。
  27. 中川正春

    中川(正)委員 その上でこの制度が持ち株会社による分社化ということになったわけですが、NTTの方では、この持ち株会社にこだわったというそのもとはどういう理由からであったわけですか。
  28. 井上秀一

    ○井上参考人 今の問題は今までずっと論議されてきましたので、また繰り返しの部分になるかもしれませんけれども、我々は分割反対ということでずっと言ってきました。  なぜ分離分割反対なのかというのは、一つ大きな問題としては株主の権利保護の問題がございます。そのほかに、お客様サービスの問題、研究開発力の問題、国際競争力の問題、こういうものが分離分割したのではだめになるということで、こういう問題を解決しながら、先ほどから出ている公正競争なんかをうまく取り入れて活性化ある市場にするにはどうしたらいいのかという議論をずっと我々としてはしてきたつもりでおります。  そういう中で、今回の持ち株制度でございますと、資本関係のない分離分割と違いまして株主の権利保護もできますし、お客様サービスだとか研究開発の問題でも、例えば研究開発でございますと基盤的な研究開発は電気通信全体を発展させるということ、世界的な競争の中でも非常に重要だというふうに考えておりますから、こういうものについても持ち株会社でもって全体のレベルを高められる。片一方では応用的な研究、これは各社でやることによってお客様サービスがスピーディーにできるというような仕組みができた。それから、先ほどのサービスの問題で、重要通信の確保の問題などがございますから、こういうものについても、持ち株会社のもとの各社間で連携することによって担保できるとか、そういうような形でいろいろうまくいくだろうということがございます。  片一方で、先ほどからお話に出ている国際グローバル的な競争、特にマルチメディア化時代におけるグローバル的な競争の中で、我々は今までもグループとしていろいろな経営をやってきましたが、さらにこういうグローバル化競争というものの中で、グループ連携しながらやることによって十分力を発揮できるのではないか、こういうようないろいろな判断をした上で、持ち株会社なら何とかできるかというふうに思って、この制度をうまく利用することによって今以上に飛躍できるのではないかということでこの方式をとったわけでございます。
  29. 中川正春

    中川(正)委員 今このNTT世界だけではなくて、各産業界あるいは金融部門が特に議論が白熱をしてきておるわけですが、この持ち株制度の解禁ということについては非常に積極的に議論が展開をされておるわけであります。ところが、それぞれ他産業でのこの持ち株会社を解禁すべきであるというその論拠と、それから先ほどNTTの方から上がってきた、持ち株会社を活用しながら特に基礎研究等ユニバーサルサービスの確保という部分でそれを実現をしていきたいという見方には、一つの矛盾というか大きな隔たりがあるように私は思うわけであります。  もともと持ち株会社のメリットというかこれを活用して広げていく分野というのは、一般的に言われるのは、一つはスコープのメリットなんですね。これはいろいろな分野を超えて連携をしていきながら、さらに新しい産業をそれでつくり出していく、そういう一つの媒体になっていくという形のものなんでありますが、そういう意味からいうと、今回は分社化ですから、同じ形態のものを幾つも割ったというだけでありまして、このスコープのメリットというのが各企業努力でないと出てこない。持ち株会社にしたからそこが出てくるというような性質の割り方ではないということですね。  それからもう一つは、この持ち株会社の最大のメリットというのは投資効率、資金というのをいかに効率よく使うかということで、それぞれ傘下の企業を本来活性化していく、言いかえれば強いところをより強く発展させていくような形で持ち株会社というのが運用されていって初めてメリットが出てくる、こういうことなんですね。ところが、さっきの話を聞いていますと、これは逆なんですよ。ユニバーサルサービスを確保していこうと思うと、弱いところをみんなで助けられるからこの持ち株会社という制度でそれを実現していこうという考え方でありまして、これだと全体が一番底辺へ向いてそろってしまうという流れになって、グループ全体の強さにはつながっていかないんだ、これまでと同じ体質をこの中に含ませているんだ、こういうことなんです。もっと言えば、本来競争しようと思ったら優勝劣敗の世界をそこにつくらなければいけない。今、地域会社独占していますけれども、その独占というのは、時と場合によっては、というよりも、どんどんそれは自由化をされていかなければならないという前提での独占なんですよ。バイパスというのが今アメリカで出てきていますけれども、仮にそういうものがどんどん入ってきて、ひょっとしたらNTTよりももっと効率のいい運営をする会社があらわれてきてそれが取ってかわっても、それでもいいんだという世界をつくり出していくというのが、本来この競争原理を導入していくということであったはずなんです。  ところが、ユニバーサルサービスということを大義名分にしながら、それをいまだに保護していこう、どこかで弱いところを守っていこうというメカニズムがこの中に含まれているとすれば、これは、これから先の、いわゆる本来の競争原理というものに対して水を差すような仕組みがこの中に含まれているのではないか、こういうことだというふうに思うのです。  この二つの大きな矛盾があるわけでありますが、そこのところはどういうふうに解釈をし、どういうふうに整理をしてこういう施策を打ち出されたのか。大臣と、それからそれを受けて立つNTTの方、それぞれ御答弁をいただきたいと思うのです。
  30. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御指摘のとおりでございますが、基本的に私どもが目指しておりますのは、利用者に対するサービスの提供ということでございまして、そのサービスが、必要なものができるだけ低廉に提供されるということを確保するための基本的な手法として競争原理というものを導入しております。  そして、私どもの、特にこのユニバーサルサービスのようなものにつきましては、サービスの提供を確保するということが絶対的な要請でございまして、かつこのサービスは、もちろん全体の仕組みではありますけれども、主としてやはり地域の通信網に依存する度合いが非常に高いわけでございます。この分野につきましては、十二年前以来、競争導入という制度の枠組みでやってきたわけでございますけれども、いまだに九九%が独占的な状態ということになってきておるわけでございまして、そういう意味で非常に競争の成立しにくい分野であるということも事実でございます。  こういったサービスを確保しつつ、将来的には競争を実現し、最終的に市場原理に基づいてこういったサービスにつきましても国民に提供されるということを目指す方法といたしまして、いわば安全運転的という御批判もあるのかもしれませんけれども、当面のこういった特殊な状況下にある地域通信網を中心としてのユニバーサルサービスを確保しつつ、同時に競争に向けての将来の可能性も探っていきたいというのが今回の仕組みでございます。
  31. 井上秀一

    ○井上参考人 今回のこの再編成の形の中で今まで議論されてきている項目として、地域はNTTがほとんど独占しているということで、長距離事業者等との公正競争の問題というのがかなりクローズアップをされてきておって、その公正競争を担保するという部分が一つございます。  そのほかに、グローバルな競争をどうやって進めていくかということで、長距離会社が、いわゆる特殊会社ではなくて民間会社で、今までは長距離だけをやっておったのですが、これが国際通信にも出て、そこで、民間企業として民間的な経営、ユニバーサル的な地域のサービス地域会社に任せ、長距離、国際といういわゆる競争分野でどういうふうにやって発展していくか、そういう仕組みになっております。  片一方、地域でございますが、地域佳今まで独占というふうに言われてきておったのですが、我々が現実にやっているところでは、固定電話の部分については我々が確かに独占的にやっておりますが、現実には移動体等の競争が出てきておりますし、先生よく御存じの専用線ですね、こういう世界では必ずしもNTT独占ではございませんで、各会社といろいろな競争をやっております。さらに、先ほどから出ているCATV電話、それから、いわゆる地域会社が専用線以外に新しくいろいろな電話サービスを拡大していこうということで、特に首都圏などば既にTTNetさんがPRしておりますが、市内についても大きな競争になってくるというふうに考えています。  こういう中で、我々としては、やはりインフラを守りつつ、どういうふうにやって電気通信全体を、我々の事業を含めまして発展きせていくか。特に我々の事業をどういうふうに発展させていくかということについては、今回の持ち株制度の中でもそれぞれの会社もいろいろ工夫しますけれども先生のおっしゃるように、持ち株会社そのものがどういうところに貸本投下していけば一番有効に資金の利活用ができるかということを考えていくのが重大な機能というか役割だと思っています。  そういう意味で、我々としてはこの制度を最大限活用して、先生が先ほど言った、活性化しないような企業経営ではなくて、どういうふうにやったらうまく活性化するかということを考える、これが持ち株会社の最大の知恵の出しどころだというふうに思っております。
  32. 中川正春

    中川(正)委員 余り説得力のある答弁ではありませんでしたけれども。  もう一つ、そういうふうに自分の都合のいいようにこの持ち株会社を使いながら、さらに全体の制度をゆがめている部分があるのですね。それは、譲渡益課税を免除するということと、東日本から西日本ヘの損失補てんが前提になっておるわけでありますが、これを損金勘定で落としていく、こういう特例を前提にしたわけです。  これは、現益の持ち株会社議論の中で、連結決算についてはしばらく見合わせをしていこうという議論が片方であるわけでありますが、特に、損失補てんを損金勘定に入れてもよろしいよというこの手法は、現実的な連結決算を認めているのと同じ効果が出ているわけなんですね。これをNTTだけ特例として認めていくということに対しては、これから先こういう形で持ち株会社を展開したときに、片方は赤字が出ている、片方はもうかっているんだ、もうかっているところから赤字のところへ向いて金を流したときには、それでは損金勘定をして税金を払わなくてよろしいよ、これはNTTでやったのだからどこの会社でも通じるでしょう、こういう話になるわけであります。そういう意味では非常に大きな特例をつくってしまったわけであります。なぜNTTだけにはこれを許して、ほかのいわゆる一般の民間会社ではこれが許されてないのかという状況をつくり出した。  これは、なぜこれが可能なのかということは郵政省としても答えておく必要があるだろうというふうに思うのです。どうですか。
  33. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私ども、当初連結納税ということを申しておりましたのは、未来永劫ということを、NTTだけについてという趣旨であったわけではございませんで、現実に想定されます西会社の赤字、これをどのように国民利用者に対する、あるいは株主に対する悪影響なしに処理していくことができるかということにあったわけでございます。  現在のこの負担金の制度は税制上の理念から考えました場合にどのような意味を持つかということにつきましては、先生指摘でございましたけれども.私は税の専門家ではございませんので、この点についての判断は税務当局において御判断いただいたわけでございます。私どもとしてこの制度を考えますと、従来NTTが一体として営業をしてまいりました中で、どのような事情によるかは別といたしまして、現に西日本の部分におきましては格差を生ずるという収支構造になっておるわけでございます。これらのことは今後の再編成後の経営努力によりまして解消できると私ども信じておるわけでございますけれども、現実に存在しますこの格差を再編成する過程といいますものは一過性のものでございますので、その中で、改善努力が行われるまでの期間どのようにして担保していこうかという仕組みとして、いわば、一体経営の中で生じておりましたこの格差を三事業年度内に是正をしていく過程における軟着陸のための制度として活用させていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  34. 中川正春

    中川(正)委員 実は、前例というか、そういう意味ではこういう特例を使わずにしっかり分割をしていった例があるのです。国鉄なんですよ。  国鉄の場合も、今、NTT分割方式とよく似た構造がありまして、見てみますと、新幹線、これは長距離に当たるわけですね、一番のもうけ頭ですが、この新幹線を含んだ形で分割をされたのが、JR東日本、東海、それから西日本、この三社であります。これに対して、ローカル線ばかりを経営基盤にしながら、これは地域独占独占しているのではないけれども、地域で競争していこうではないかということで、あと北海道だとか四国、九州、これが分割をされたわけであります。ここで何が起こっているかということは、将来のNTTを予測するものでもあろうかと思うのです。  長距離を持っている東日本と東海と西日本は黒字決算を上げてきております。しかし、北海道、四国、九州は、前よりも苦しい状況の中で赤字決算を繰り返しておるという構造的ないわば宿命が、縮図としてきれいにここにあらわれてきております。それに対して、国鉄は、補てんをしようではないかという前例もありませんし、もしNTTでこれが可能であれば、こちらもやりたいなという話は当然出てくるだろうというふうに思うのです。  こういうような、いわば真剣勝負ができているのかどうか。どちらかというと、その両者の都合の中で談合して、特例でいいではないかというふうな形で進められた今回の妥協策というのが、社会全体に、あるいは日本全体にゆがみをもたらしているのだということ、これをひとつ自覚をしていただきたいというふうに思います。  それと同時に、これを突き進めていきますと、将来、地域を中心分割されたそれぞれの会社が料金を上げざるを得なくなるのではないか、こういうことがあるだろうと思うのです。現に、アメリカの場合は上がっております。アメリカのベルが分割したときには、地域の電話料金が四三・五%の上昇ということになったわけであります。長距離については二七・一%の低下なんです。長距離が下がって、地域独占をしている部分というのはやはり上がりました。こういう構造が日本でも予想されるわけでありまして、この間からNTTは、いや、地域は料金上げませんよ、こういうことを言い切っているわけでありますが、本当にそれでいいのですか。それを確かめたい。  それから、もう一つ最後に言えば、ユニバーサルサービスというのは、それを言うのであれば、NTTが、こういう形で持ち株会社というような形態ではなくて、公的に仕組みをつくりなさいよ、これは公的部門でカバーすることでしようというような議論を正々堂々と展開したらいいではないですか。その中で、公的な部分は公的な部分、そして、自由競争でやる部分は自由競争でやる、そういう形態を早くつくり上げないと、両方で足を引っ張って、非常に先行きそれぞれが苦しまなければならないというような制度を残してしまったのではないか、そういう危惧を大きく持っております。  そういう意味から、もう時間がありませんので、最後に、その電話料金の部分だけ、どういう展望を持っているのか答えていただきたいと思います。
  35. 井上秀一

    ○井上参考人 時間がないので簡単にお答えさせていただきますが、例の負担金制度というのは、暫定的な制度ということで、三年間という形で言っております。  そういう中で、我々としては、東も当然経営努力するし、西は今まで以上に経営努力する。今までの財務的な状況を見ますと、地域についてはいろいろな合理化も進めておりまして、かなり改善されてきております。ただ、一挙に、今の時点で東西に分けたときに問題があるということで言っておるのでございまして、何とかこの東西の格差を埋めていきたいということでこういう制度をお願いしたわけでございまして、今後とも、全国一律に今までやってきた料金のいいところ、これをできるだけ今回の再編を理由に変えたくないということで、できるだけ格差のないような料金を今後とも持っていきたいということで取り組んでいきたいという努力表明をしているところでございます。
  36. 中川正春

    中川(正)委員 料金については。
  37. 井上秀一

    ○井上参考人 今の格差というものの中には当然料金も入っているのでございまして、我々としては、料金というのはできるだけ安くていい料金ということで、これを最大の努力目標として、今までも経営をやってきましたし、今後ともやっていくということで取り組んでいきたいというふうに考えております。
  38. 中川正春

    中川(正)委員 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
  39. 木村義雄

    木村委員長 河合正智君。
  40. 河合正智

    ○河合委員 新進党の河合正智でございます。  宮津参考人また西本参考人初め、NTT、KDDの皆様におかれましては、参考人として、今日で都合四日間という異例の御出席を賜っておりまして、心から感謝申し上げます。  私は、最初に、本会議質疑でも御質問申し上げました件で、この委員会で余り論点にならなかった一点を先に質問させていただきたいと思います。電話加入権の問題でございます。  昨年二月の電気通信審議会答申におきまして、新規加入料の撤廃または大幅な引き下げが提言されております。電話加入権につきましては、取引市場が形成されております。国民の財産ともなっております電話加入権、この見直しの過程の中で、その価値がなくなるというようなことは避けなければならないと思います。その点について、郵政省の見解を伺っておきたいと思います。  あわせて、昨年十二月に、携帯電話の新規加入料が廃止されました。一方で、料金の未払いが増加して、この未払い分というのは料金を支払っている方たちの負担になっているのではないかという懸念もございます。この点もあわせてお聞きしておきたいと思います。
  41. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 電話サービスにつきましては、国民生活に不可欠なサービスでございますので、利用者の方々ができる限り利用しやすい料金体系であるべきだろうと思っております。  そういう観点から申しますと、電話サービスの新規加入料として国際的に見ましても高い水準にございますこのNTTの施設設置負担金でございますけれども、基本的には、料金水準の引き下げなど、新規加入時の利用者の初期負担が軽減される方向で見直されるべきだろうと私ども考えておりまして、審議会の御指摘どおりだと私ども考えております。  ただ、この電話加入権につきましては、この施設設置負担金の金額を基礎といたしまして市場において売買されているという実態がございまして、もちろん制度もあるわけでございますが、この金額の急激な変化は関連の業界に大きな影響を及ぼす可能性もあるわけでございます。  したがいまして、この見直しに当たりましては、関連業界への影響でございますとか、それから、利用される方々の負担の公平といった点にも配慮いたしまして検討していく必要があるだろうと思っております。  それから、もう一つの料金未払いの問題でございますが、確かに、未払いの料金の分は、最終的に、支払われないということになりますと、全体としての利用者の負担ということに理屈としてはなるわけでございます。  御質問の趣旨は、このことと施設設置負担金の見直し問題との関連ということではないかと思うわけでございますけれどもNTT電話サービスにつきましては、設置場所が固定されておりますことから、携帯電話と比べますと、未払いの起きる可能性というのは低いものだというふうに考えております。ただしかし、こういったものが増加してくる可能性も否定できないわけでございますので、施設設置負担金の見直しに当たりましては、この点につきましてもあわせて考慮して、検討してまいりたいというふうに考えております。
  42. 河合正智

    ○河合委員 それではこれから、本会議での質疑から始まりまして今日に至るまでの経緯を振り返りながら、特に新進党におきます質疑、それに対する答弁もやや不明確な点もございます、その点を中心にしましてお伺いしてまいりたいと思います。  まず、私は本会議で、十四年間、今日までかかった政治の責任をどのようにお考えですか、このように総理大臣にお伺いいたしました。今回の、昨年十二月六日の合意案、これはいわば昭和五十七年、一九八二年の土光臨調のフレームそのものとも言えますし、一九八四年のAT&T、いわばアメリカがこれではいけないとスタートラインに立ったその一九八四年のAT&Tが不思議なことに今回生まれたというような状況の中から、この十四年間に、アメリカでは、例えば一九九二年にゴア構想が発表されまして、ゴア副大統領は、メディアの三要素と言われておりますデジタルのフォームとネットワークの両輪にコンテントを乗せてマルチメディアが発進するというメディアのビジョンを、一国のトップリーダーが提示したということもございました。  また、その翌年、NII行動アジェンダを発表いたしまして、それに対しましてその翌年、一九九四年九月、NII進行状況報告書というものが出ております。これはクリントン政権が公約した事柄に対します報告書でございますが、連邦政府が関与しているプロジェクトを網羅しております。その資料は私も持っておりますが、実に膨大な報告書でございます。  一方、日本においてはどうなっているのか。また、シンガポールにおきましては、IT二〇〇〇、リー・クアンユー首相のもとで電子立国としての地位を揺るぎないものにしておりますし、マレーシアはスーパー・コリドー計画を打ち立てております。  つまるところ、我が国におきましては、二十一世紀の重要な経済戦略分野の一つであるとの国家戦略を欠いていたのではないか、このように総理に質問申し上げたわけでございますが、これに対する総理大臣答弁は、我が国におきましても情報本部を設置して、私がその本部長に就任しております、こういう答弁でございました。これは答弁としてお聞きすればもっとものように聞こえますが、実は、二年半前、私は全く同じ質問を商工委員会におきまして橋本通産大臣にぶつけたわけでございますが、そのときのお答えと寸分たがわない答弁なのでございます。これが日本の状況でございました。  そこで、私たちは、今回の法案提出に至るまで、どれくらいの方がどれくらいの御労苦をされたかということにつきまして、それを否定するものではございませんが、この現況を踏まえまして私たちがなさなければいけないことが大きく言って二つある。それは、国際情報戦争に向かって突き進んでいく中庭ありまして、我が国におきます規制緩和と競争ルールを早急に前進させなければいけないということで、実は各政党に向かって、規制緩和と競争ルールというこの二点に絞って五年後の見直しを附則に書き込むということを提案してきたわけでございます。  しかし、これもまた不思議なことに、太陽党さんを除くすべての政党がこの案に賛成されませんでした。そういう経緯がございました。これもまた私は、実に不思議なことと言わなければいけないと思っております。余りにもこの十四年間の期間というのが長過ぎた、十四年間、ゴールのないマラソンを走り抜いて、もうすべての関係者はへとへとに疲れ、やっと見つけたそのゴールでは、次の課題に取りかかる気力も失っている、何にもさわりたくないという実態がそこにあるのではないかと痛感した次第でございます。  したがいまして、私は、本委員会の我が党の質問を総括する意味におきまして、また、ただいま申し上げました経緯を踏まえまして、この規制緩和と競争ルールの点につきましては、現時点で一歩でも前進できる答弁郵政大臣からも求めたいと思いますし、そしてそれをよすがにして、私は次の二十一世紀の情報通信の戦略の一端にしていただきたいと思い、質問に立たせていただきます。  まず、規制緩和の第一点といたしまして、今後、規制緩和について大臣はどのように取り組んでいかれますのか、私は本会議で、五年後にもう一度この規制緩和と競争ルールについては見直すということを大臣に提案したわけでございますが、改めてお聞きさせていただきます。  その場合、KDD、NTTを初めとする電気通信事業者経営の自主性といったものについて、どのように考えていかれるのかもあわせてお伺いさせていただきたいと思います。
  43. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま河合委員から、NTT再編成について長時間を要したのではないか,そのことで大変立ちおくれをしているんじゃないかという強い御指摘でありましたが、先般もそうした御指摘がありましたけれども、宮津社長からの御答弁では、おくれたことは事実でありますが、取り返しのつかない状想ではありません、したがって、これから全社挙げて今後のこの激しい競争に立ち向かっていきたい、こういう御答弁でございました。  私ども郵政省としても、今後、そうした情報通信のインフラを初めとする環境整備に最大の努力をいたしまして、今後の世界情報通信産業に立ち向かっていくべきだ、かように強く考えておるわけであります。  その中で、ただいまお話ありましたように、何といっても規制緩和が重要であるということでありますので、今後も最大の努力をしてまいりますが、特に料金規制については、これまでも届け出制の導入や、さらに今後の電気通信市場の競争の進展状況を踏まえまして、また、NTT再編成の実現を踏まえた中で、インセンティブ規制の導入や、今後の規制緩和をさらに検討を進めていく所存であります。  そして、規制緩和によって、今後NTT、KDDを初め、電気通信事業者経営の自主性が十分発揮されますように、我々も適時適切に検討してまいる所存でありますし、また、政府としても全面的に支援をしてまいる考え方でございます。
  44. 河合正智

    ○河合委員 今回の十四年間の論議の中で、ブリティッシュ・テレコムをひな形として目指す考え方と、AT&Tをお手本として目指す考え方があったように思います。  そこで、我が国が今後とるべき戦略ということを考えた場合にどういうことが浮かび上がってくるのか。  この点につきましては、先ほど私が申し上げましたアジアとかヨーロッパにおきましては、国内通信市場というのは規模が比較的小さい。したがって、市場支配的な通信事業者の存在が重要視されます。これはブリティッシュ・テレコムがその典型であると思われます。  これに対しまして日本におきましては、国内通信市場は六兆七千億円ございまして、国際通信市場の四千七百億円に比較いたしまして著しく国内通信市場が大きいわけでございます。これはアメリカの市場に似ております。したがいまして、日本だとかアメリカは、国内で複数の通信事業者競争できる市場環境にあるという点でヨーロッパ、アジアと異なっていると考えます。  したがいまして、私は、日本の戦略といたしましては、思い切った競争政策、そして料金低下とサービスの高度化、多様化によりましてインフラ投資を拡大することによりまして、産業の強化、これは金融、保険、商社、コンピューターなどの産業の強化及び再編を進めていく、その結果として通信事業者の国際競争力を高める、そしてその高めた国際競争力で、相互主義の国際ルールの中で優位性を確保していくというのが日本の戦略的な位置にあるのではないかと考えております。  アメリカは、この点既に、昨年二月連邦通信法を改正しまして、地域独占を撤廃し、すべての法的独占をなくしたのはこの委員会でも明らかになってきているとおりでございますが、NTT、KDDの料金の低廉化、サービスの多様化といった点について、郵政省としてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
  45. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 これからの情報通信産業のあり方がどのようになっていくか、どのような形が好ましいかということにつきましては、非常に不確定要素も多うございまして、これといった決め手というのはなかなか難しいわけでございまして、世界じゅう、それぞれの国々においても模索をしているという段階ではないかと思っております。  私どもといたしましては、先生指摘ございましたけれども、基本的には、よりよいサービスを提供するということはやはり競争という手法によってもたらされるべきである、それが最も効果的であるという考え方のもとに、国内におきましても競争主体を設けて活発な競争を行わせるということが基本であると思うわけでございますが、同時に、通信はグローバル化いたします。国際競争力につきましても、国内競争力ということがその基盤になって初めて国際的な競争力を持つことができると考えておるわけでございます。  そういう意味で、国内利用者に対する対応といたしましても、また国際的な対応といた上しましても、基本的には競争をつくっていく。その中でどのような形でそれぞれの情報通信産業が展開していくかということは、これは事業者の方々の選択にもよるわけでございまして、私ども状況の推移を見ながら、できる限りその活動が活発に行えるような環境を整備していくということが基本であろうかと思っております。
  46. 河合正智

    ○河合委員 次に、我が党の遠藤和良委員質問に対して大臣答弁、やや私たちにとってわかりにくい点がございましたので、改めてお伺いさせていただきます。  規制緩和の大きな柱というのはNTT、KDDの完全民営化であると私たち考えておりますが、この点につきまして大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  47. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 NTT、KDDのいずれにおきましても、最終的には完全民営化する方向を目指して、競争の促進やまたそのための環境条件の整備に努めてまいりたいと思っております。
  48. 河合正智

    ○河合委員 ありがとうございます。  それでは次に、NTTとKDDの社長さんにお伺いさせていただきますが、本委員会の審議に際しまして両社の社長さん、当事者として答弁に立たされているというような局面が多かったと思いますが、私ども、あくまでも参考人としてお招きしているわけでありますから、どなたにも気兼ねしないで、これから私がお伺いすることに御社の希望として、また御決意としてお述べいただきたいと思います。むしろ、参考人として御意見をお述べになる機会はこれが最初で最後かもしれませんので、ぜひとも大胆に、率直にお答えいただきたいと思います、  NTT法の廃止につきましてどのように御希望されますか。宮津社長さんにお伺いさせていただきます。
  49. 宮津純一郎

    宮津参考人 行く行くは完全民営化にしていただきたいと言っております。そのことは、NTT会社法をやめてもらいたいということだと思いますが。
  50. 河合正智

    ○河合委員 大臣にお伺いします。
  51. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま宮津社長からも希望の意見が述べられましたが、現在何といっても独占状態にある地域通信市場におきまして競争が十分進展する状況が整った段階で検討するべきだ、こういうように考えております。
  52. 河合正智

    ○河合委員 次は、KDDの社長さんにお伺いさせていただきます。  実は、私ども論議しておりますのは、NTT法が、また改正KDD法が施行された後の話を主としてしておりましたが、それに至る準備段階において既にNTTは国際進出が可能とされております。これは法改正前に、既に一方ではKDD法があって拘束されている状況の中で、とても対等に競争しろという方が私は無理であると考えているぐらいでございますが、その点も踏まえまして、KDD法の廃止につきましてどのように御希望されますか、お伺いさせていただきます。
  53. 西本正

    ○西本参考人 お答え申し上げます。  NTTの長距離会社が完全民営化されることにかんがみますれば、私どもは、規制緩和はこれから進展してまいります、公−専−公の開放などもございますので、そういう競争環境の変化に対応していく上で、KDDもNTT長距離会社と同様の経営基盤に立つ、そういった事業活動が可能になることが望ましいというふうに考えております。  したがいまして、KDD法自体の廃止につきましては、この委員会でもいろいろ御議論がございましたが、昨年二月の電気通信審議会答申の趣旨に沿い、また今後の競争事業者の対地拡大状況というのが条件になっておりますけれども、あるいはまた国際通信市場の変化の動向等を踏まえて次の段階において政府での検討が進められるものというふうに理解いたしております。
  54. 河合正智

    ○河合委員 大臣にお伺いいたします。
  55. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 KDD法の廃止につきましては、国際通信市場の変化の動向を踏まえまして、時期を失することなく検討をしてまいりたい所存であります。
  56. 河合正智

    ○河合委員 次に、NTT株式の問題につきましてお伺いさせていただきます。  二点ございます。  政府保有株の売却につきまして、改めて答弁を願いたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。
  57. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 NTT株式につきましては、平成元年度以降、円滑な消化が見込まれる市場環境にありませんでしたので、予算には計上されながら、実際、売却ができなかったというのが実態であります。NTT株式につきましては、今後、株式市場の動向を踏まえながら、適切かつ着実な売却を進めていく必要があると考えておるところであります。
  58. 河合正智

    ○河合委員 昨日の小坂先生の御質問に対しましての答弁で、私、横で聞いておりまして、NTT社長さんにお伺いさせていただきたい点が一件ございます。  それは、公正取引委員会の見解も踏まえまして、NTT持ち株会社がKDD株を今後買い増しするようなことはない、そういうことでございましたが、ややこの点答弁にあいまいさがございました。よりそのお答えを具体的にするためにこの設問を設けます。例えば、NTT傘下のNTTデータ通信がKDD株を所有するといった形、もしくは別な形かもしれませんが、NTTデータ通信とKDDが持ち株会社形式、もしくはそれ以外の方法で企業合同されていくお考えというのはおありでしょうか。
  59. 宮津純一郎

    宮津参考人 この前お答えした趣旨は、株などを買い増しして、KDDの経営NTTがこれ以上介入したりというような気はありませんというような趣旨でお答えしました。
  60. 河合正智

    ○河合委員 次に、競争ルールの点につきまして、これはまとめてお伺いさせていただきます。  まず、東西地域会社が地域通信市場を独占しているといった懸念がございますが、どのように競争の活性化を行っていこうとしているのかが第一点。第二点目は、許認可中心、事前審査型から事後介入紛争仲裁型の移行につきまして、本会議でも質問させていただきましたが、これはアメリカにおきましてはFCC、またイギリスにおきましてはOFTELといった機関を設けまして、反競争的行動の監視と消費者からの苦情処理に当たっております。この点も踏まえまして御答弁お願いしたいと思います。大臣お願いいたします。
  61. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 どのようにして公正競争を担保するかというお尋ねでございますが、公正競争を担保するための条件は、競争促進の観点から極めて重要なものと考えております。今後、関係者の意見を聴取しながら、十分検討した上で定めてまいる所存でございます。  具体的中身につきましては今後の検討課題でありますが、一例を申し上げますと、長距離会社と地域会社との間の役員の兼任や営業の独立性などについて一定のルールを定める考えでございます。また、公正競争の観点から、地域通信につきましては、接続ルールを活用しましてCATV電話のようなサービスを提供する事業者による競争を促進していきたいと考えております。  しかし、現在、当面独占状況の解消は難しいと考えますので、NTT東西二社の地域会社間の比較競争はもちろんでありますが、相互参入による競争が可能となるような改正法案の適正な運用に努めてまいる所存であります。
  62. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 事前審査型、事後介入型というふうなことでございましたけれども一つの例として、現在御提案を申し上げております接続について申し上げますと、今回の改正法案では、目的や対象に応じまして事前審査と事後的関与の双方の仕組みを設けているところでございます。  将来、状況変化が生じますれば、それに応じまして、もちろんこれにつきましても見直していくということはあるわけでございますけれども、基本的には、私どもといたしまして、そういった目的、対象に応じたそれにふさわしい行政手続のあり方というふうな観点で臨んでいくべきだろうと思っております。その際に重要でありますのは、行政の公平性、中立性、透明性を確保するということでございますので、そういう観点を十分踏まえて検討してまいりたいと思っております。
  63. 河合正智

    ○河合委員 昨日の宮津社長の御発言、私は今回の審議の過程の中で一番衝撃を受けました。それは、電話の話ばかり十四年間の中でしていた期間が長かった、マルチメディアの議論をしたのはここ三、四年のことであると。これは、NTTは、世界最大規模の一社体制を維持したその社長のお言葉として、私は日本が置かれている状況をこれほど深く認識したことはない言葉でございました。  ベルが一八七六年に電話を発明しましてから百二十年たちました。ライト兄弟が初飛行したのは一九〇三年のことでありました。百年の間に人類は衛星を使って国境というものを意味のないものにし、しかも通信と放送の垣根ももう既に取り払われてしまいました。これから百年後の未来を予測することは私どもに不可能でございますが、私は、情報通信世界が輝ける二十一世紀の子孫の財産として残っていくことを切望いたしまして、質問を終えさせていただきます。
  64. 木村義雄

    木村委員長 矢島恒夫君。
  65. 矢島恒夫

    ○矢島委員 この三つの法案について、きょうまで種々論議されてまいりました。その中で到達している、いろいろな推移の中の到達であるわけですけれども、そういう今までの議論を踏まえまして、二つの点できょう私は質問をさせていただきたいと思います。  まず、その一つは、この間何回も論議の中心になりましたいわゆる東西間の格差の問題であります。これまでの審議の中で、いわゆる電話というユニバーサルサービス、この部分では格差を生じさせないとNTT社長も申されました、しかし、多様なサービス、高度なサービス、こういう部分では格差は出てくるだろう、こういうお話でした。郵政省もほぼ同様の考え方だと思います。  格差を生じさせないサービス、それから格差が出るサービス、これをどう考えるかという問題が起きていると思うのです。電話は確かに格差を生じさせない方向でいく、しかし、多様なサービス、高度なサービスにおいては、料金面も含めて差ができてもこれは当然なんだ、こういう立場なのかという点であります。鉄道で例えますと、在来線は格差はないけれども、新幹線までは格差がないなどということは保証できないということになるのかということですね。  ユニバーサルサービスというのはいつまでも電話という概念だけではない、情報通信技術が進歩していけば、すべての国民が受けるところの通信サービス、こういうものも向上するはずだということについては、昨日局長答弁の中にもそのことが触れられていたと思います。  電話さえ格差がなければいいという郵政省の立場なのかどうか、その辺を確認したいと思います。
  66. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 二つあると思いますが、一つは、いわゆるユニバーサルサービスだけでなく、利用等の状況から見まして、これに準ずるような広く利用されるサービスもあるわけでございまして、そういったものについてどう考えるかというお話だろうと思います。それから、現在のユニバーサルサービスだけではなく、将来にユニバーサルサービスとなるであろうものについてどうかということでございます。  基本的には、先生もおまとめいただいたように、私が申し上げましたのは、競争を通じて多様なサービスが実現し、高度なサービスが展開するということが望ましいわけでございまして、多様と申しますれば、多様でございますからこれは一つにはならないのは当然でございますけれども、しかし、高度なサービスも、一般的なサービスとして普及してまいりますれば、当然それなりの状況になってくると思うわけでございます。  ただ、将来ユニバーサルサービスとなるサービスでございましても、現在のその萌芽と申しますものはいろいろな模索の中から出てくるわけでございますので、そういった段階におきましては、やはり自由で多様なサービスの模索の芽というものを摘むことはいけないのではないかというふうに考える次第でございます。
  67. 矢島恒夫

    ○矢島委員 なぜ東西の格差が生ずるかという問題でありますけれども、あるいは格差が出るのではないか、こういう問題について少し尋ねていきたい。  既に本委員会質疑の中でも、NTTから、西日本会社は当面赤字になる、こういう見通しが出されております。  そこで、なぜ西日本が赤字になるのかという点について、今日まで幾つかの点については既にNTTの方からの答弁もございましたけれども、ここでひとつ、西日本の赤字体質の根本的な要因はどこにあるとお考えになっているか、その点についてまとめていただきたい。
  68. 木塚修一

    ○木塚参考人 お答え申し上げます。  私どもが、今回の再編に当たりまして、一九九九年と二〇〇〇年の年度について収支の試算をさせていただいたわけであります。西日本は、分割ロスを入れまして一千億の赤字が一九九九年度に見込まれ、二〇〇〇年で八百億円の赤字が見込まれているという状況になりました。  その根本の原因は何かというお尋ねでございますが、まず私どもの要員の問題でございますが、これが、一九九九年を推計いたしますと、東西間で約七千人ぐらいの差が見込まれます。西が多うございます。  では、それは何によってもたらされるのかというところを研究していたわけでございますが、これは、まあ物理的要因と申しますか、そういうものもあろうかと思いますが、一つは、市町村の数を例にとりますと、西が約五割多いわけであります。また、有人の離島数で申し上げれば、東が三十一に対しまして、西日本が二百九十八というふうになってございます。小学校の数も、同じように西が多うございます。  そういったような問題を背景といたしまして、当社のコスト、これは施設保全費と申しまして、いろいろな、昔の言葉で言えば電話局の交換機の保全をしたりケーブルの保守をしたりする社員の人件費、いわゆる要員数にはね返りてくるのではないかということであります。それで、現在の費用を分析いたしましても、西日本の方が一加入当たりで換算いたしましても、もちろんコストが高いということであります。  したがいまして、今までデジタル化を行いまして、保守の合理化というものを最大やってまいりましたが、今後も、新しい技術を開発いたしまして、いろいろな意味で効率化を図っていって、そして西日本の経営基盤というものを安定させる必要がある、こういうふうに思っています。そして、できるだけ基本サービスでお客様に御迷惑をかけないようにするということが我が社の責務だというふうに認識しているわけです。
  69. 矢島恒夫

    ○矢島委員 今度の分け方によって分けますと、西の方の要員の数も多いと。離島の数あるいは市町村数等を挙げられたわけであります。  要するに、離島が多いとか市町村数が多いというのは、一つは西日本の地形的な特徴だとかそういうものに関係してきているわけで、今度のように東日本と西日本と区別すれば、別にNTTだけがそうなっているわけではなくて、学校の数を先ほど言われましたが、学校数においても、また小学校や中学校の教員数においても、今度のNTTの分け方と同じように分けますと、大体七千五百人ぐらい西の方が多くなる、割合でいきますと一一%ぐらいになりますか、こういう状況であるということは、まさに東の方には東京を中心とする一つの経済、文化の集中した部分があるとか、いろいろな要因はあると思うのです。  その中で、西に離島が多いということは、これはやはり日本列島の地形的な要因なんですね。ですから、これが西日本の赤字の要因、あるいは先ほどの答弁にありましたように、東より常にコストが高くなる、こういう要因だろうと思うのです。こういう原因によって西日本の地域に住んでいる人あるいはその中に所在しているところの企業、こういうところは、東よりも常に低いレベルのサービス、つまり格差が生ずる危険というものを押しつけられているごとになるわけですね、地形的な問題において。  ところが、郵政省NTTも、電話事業とか基本的なサービス、こういうところは格差をつくらない、しかし、今後のいろいろな技術の発展やそのほかの中で、多様なサービスという点では当然格差というのは出てくるだろうと。つまり、西日本において、そこに住んでいる方々は、高度なサービスを東よりも受けにくくなるか受けられないか、あるいは実用化がおくれる、普及がおくれる、こういうようなことになるという問題が起こるわけです。  割り方の問題ですね。地形がそうなっているのだから、そこで東西会社がそれぞれ努力してということをおっしゃられますが、なかなかこの地形というものを変えるわけにいかないわけですから、持って生まれたその基盤的な格差がそこにあると思うのですね。  確かに西日本の方が要員が多い、だから何とかこれを削減していってコストを下げたい。しかし、そういうことをやっていくと、やはりサービスの面での問題、例えば保守の面などで矛盾が出るのではないかと思うのです。東と西は会社が違うのだからサービスが違うのは当然という一般論ではなくて、大臣、お聞きしたいのですが、NTT分割案では、今度のような分け方をした場合には、常に西日本に格差が生じるという一つの日本列島の地形的な問題がある。北と南に分けたらどうかとかあるかもしれませんが、今度は東と西ということで、東京が入る方とそれ以外の方ということになるわけです。  これは東西会社の努力の問題なんかじゃないと思うのですよ。そういうもともとの基盤的な格差、こういうものがある以上は、どうしてもいろいろな形での格差が生じていくだろうということは十分考えられるわけです。  大臣は宮崎でございます。宮崎では受けられないが東北では受けられるサービス、こういうサービスに格差がつくような基盤で分割していく。西の方に住んだのだから仕方がないのだというわけにいかないのですね。その点について大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、格差の問題で。
  70. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 ちょっとその前に私から一言申し上げたいのでございます。  現在、この西会社と考えております区域における収支を見ますと確かに東に劣っておることは事実なのでございますけれども、それが絶対的なものかどうか、地形によるものかどうかということにつきましては、まだはっきりわからないわけでございます。これにつきましては、現在のNTT経営努力の中でもこの格差というものは改善されつつあるわけでございますし、絶対額としても改善されつつあるわけでございます。私どもといたしましては、この原因が絶対的なものかどうかということにつきましては、なお今後の再編成の中で、NTT経営努力の中で、その原因を十分見守っていく必要があるのではないかというふうに思っております。
  71. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 再編成後、東西地域通信会社において特に西の方が赤字だ、こういうことで想定されております。どんな企業でも、石の上にも三年という言葉がありますが、したがって三年間は東の方でしっかり面倒を見るということになっておるわけですから、その間に、経営者というのはそれなりの知恵を出して、また技術も非常な進歩をいたしておりますので、私は将来においてそんなに心配しておりません。  今日までNTTさんが大きな子会社を二つ三つ持っておられます。皆さん本部にあるときはほとんど立派な成績を上げておりませんが、独立して分社化していきましたら皆立派な成績を上げておる。これが実態でありますから、西のNTTということになりましても、研究施設も十分できるし、東が研究開発が進まないものを、かえって環境の悪いところは特にそうした努力をして東を追い抜こうというようなサービスをやられる、私はそういうことを信頼をし、また期待をいたしておるところであります。
  72. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私が懸念するのは、一つは、もともとの基盤的な格差というものについて、経営努力というだけでこれを解消できるのか。経営努力という場合に、先ほども要員の問題などが出されました。そういうところを合理化していく、削減していくということになれば、やはり人員が減るわけですから、サービス面だとかあるいは電話の保守の問題だとか、そういうところの問題が、いろいろ矛盾というものが出てくるのではないかという点を私は懸念しているわけです。ですから、いずれにいたしましても、国民利用者がおまえは西に住んでしまったのだから格差は仕方がないよというのはもう許容できる問題ではないという点を指摘しておいて、残り時間が少なくなりましたので、もう一つの問題です。  次の問題は、国際通信におけるユニバーサルサービスということでお聞きします。  一昨日の参考人の意見陳述の中でも、鬼木先生が国際通信のユニバーサルサービスがあいまいであるという点を指摘されておりました。  そこで、まず郵政省に聞きますが、国際通信においてやはりもうかる部分ともうからない部分がある。あるいは最初から赤字だとわかっているような部分もあると思います。しかし、すべての国々を通信でつなぐというのは重要な公共的な役割だろうと思います。郵政省のこれまでの答弁では、その責務というのはKDDに担わせるということになると思うのですが、そういうことでいいですか。
  73. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 現段階におきましてはKDDがその能力を持っておるということで、KDDにその役割をお願いしたいと考えているわけでございます。
  74. 矢島恒夫

    ○矢島委員 NTTの国際進出というのは、まさにユニバーサルサービスをどうするのかという点について、鬼木先生指摘されたように、今度の法案の中で考慮されていない、このことが一つ指摘できるのではないかと思うのです。  NTTは、国内ではもちろん先ほど来出ておりますユニバーサルサービスというものの責任を負わされている。これはNTTが事実上の独占状況である、あるいは、巨象とアリなどと象徴されてもいるようですけれども、圧倒的な支配力を持つ事業者だということが背景にあるわけです。これまでの国際通信市場において、KDDと新規参入業者との間には、NTT国内のNCCほどではないにしても、やはり同じようなことがあった。しかし、今度は世界最大のキャリア、NTT参入してくる。  我が国の国際通信の市場規模というのは、九五年度で見ますと三千六百億円ぐらいだったかと思います。これは国内のチョコレート産業の市場規模とちょうど同じ程度であります。ここに巨象が持ち株会社という大きな力を維持しながら参入する。売上高でいえばKDDの二十倍以上となります。直接参入する長距離NTTだけでも四ないし五倍はあると思います。  はるかに小さい力しかない事業者が不採算部門を必然的に抱える、はるかに大きな事業者がいいとこどり、クリームスキミングというようなことで、もうかる分野に参入してくるということによってKDDより安い料金でサービスができる。これで本当に国際通信におけるユニバーサルサービスが確保できるのだろうか。この点を郵政省はどう考えておられるか。
  75. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 KDDも国際業務だけでなく国内業務を担当することになります。また、NTT再編成後は恐らく長距離会社がみずから国内、国際の業務を担当されることになると思います。その際に料金の体系といたしましてどのような体系をおつくりになるかということは、これは事業者判断にもよるわけでございます。  いずれにいたしましても、NTTとKDDのみでなく、規模におきましてはさまざまな規模の会社がこの電気通信世界に競合、競争して存在するわけでございます。それらの事業者がそれぞれの特色あるいは創意を生かして競争される、その中で、おっしゃいましたような大きさあるいは従来から培われました特別な地位というものもあると思うのでございますけれども、そういったことが自由な競争の妨げになるかならないか、そういう点につきましては、これは行政として公正な競争ができるような環境を整えるという役割があるのだろうというふうに思っております。
  76. 矢島恒夫

    ○矢島委員 圧倒的に強い方がもうかる部分だけに参入するという、いいとこどりということはどう考えても逆立ちしているのではないかと私は考えるわけです。  時間になりましたので、大臣一つ、この国際通信におけるユニバーサルサービスというもので、NTTとKDDの競争の中で起きるだろうというこの逆立ち現象、これをどうお考えになるかということをお聞きしたがったのですが、時間になってしまいました。そのことだけちょっと答えていただいて終わりにしたいと思います。
  77. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 先ほど局長からも御答弁申し上げましたが、国際通信の確保ということは、これはもう大変大事な問題でありますが、今後の国際通信市場の動向を踏まえまして、時期を失しない段階で、KDD法の廃止を含めて検討してまいりたい、私はこういうように考えております。
  78. 矢島恒夫

    ○矢島委員 終わります。
  79. 木村義雄

    木村委員長 小坂憲次君。
  80. 小坂憲次

    小坂委員 いよいよ採決前の最後の質問の機会になってしまいました。十五年間続いてまいりましたこの電気通信事業分野における改革の方向性について、一つの結論とまではいきませんが、一歩踏み出されようとしております。その議論を通じまして、今日までに明らかになってまいりました課題あるいは問題点、そして将来像といったものについて、最後に残った部分をまとめて質問させていただきたいと存じます。  きょうの午前中の質疑におきまして、かなり私の疑問も解消してまいりました。その点で、重なる質問にもなりますが、最後の機会でありますので、改めてもう一度お聞きしたいと思います。  重要通信の確保について、きょうは各委員からの質問もあったと思っております。重要通信の確保について、今回のNTT法の改正においてそれが維持されることは期待ができるところだと思いますが、さらに進めて、やはりいろいろな危機管理というものが今国会でも議論になっておりますけれども、震災を初めとして、いろいろなそういう災害に当たっての電気通信分野における通信というのは、従来のように電話線だけではないと思うわけですね、無線通信施設の保守も含めていろいろな重要通信を確保していかなければいけないということが認識をされてきていると思うのであります。今回の電気通信事業法改正にかかわる問題点のみならず、そういった広い意味での災害における重要通信の確保について、郵政省としてこれからしっかり取り組んでいくという決意を、これは大臣にお聞きしたいのですが、大臣には後ほどまたお答えをいただく問題もありますので、余り分野違いのところにはお答えになりにくいから、局長、まずこの三法を中心としながら、今後こういうことも考えられる、こういうことについても努力すべきだと思うという、それぞれの局長としての考えもまぜながら、決意をあらわしていただきたいと思います。
  81. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 基本的に、電気通信事業者につきましては、電気通信事業法におきまして、その八条で重要通信の確保の義務が書かれております。その他、電波法その他関係法令、災害関係の法令におきましても、通信事業者等の義務が書かれておるところでございますが、先般の阪神淡路大震災における教訓も踏まえまして、私どもとしては、この問題、大変重要な問題でございますので、万全の体制をとるように常にこの内容について検討を加えていく必要があると思っております。  今回のNTT再編成におきましても、一般的な通信事業者責務ということは今申し上げたとおりでございますが、再編に当たりまして、そういったシステムが円滑に確保されて移行されていきますようなことにつきまして、私ども十分配慮をしていかなければならぬと思っております。  それから、御指摘のように、このことは、通信事業者だけではなく自営も含めまして、あるいは有線だけではなく無線も含めまして、全体としてこういった観点からそのシステムが整備されることが望ましいわけでございまして、私どもも、関係の方面と十分連絡をとりながら努力をしてまいりたいと考えております。
  82. 小坂憲次

    小坂委員 そうですね。私も言いたかったことは、すなわち民間に任せるだけでなく、公共施設あるいは公的機関のそれぞれの施設間の通信の確保ということについては、これはやはり国の機関としては郵政省中心になる、また局長のところが中心になりて発議をしてそういうものの整備を進める、そのぐらいの決意がないとだめなものですから、ひとつお願いをいたしたいと思います。  今回、質問の中で一つ時間がなくて先送りにした問題があります。番号のポータビリティーの問題がありますが、これからコンピューターの時代になって、番号のけた数とか、こういうものを新たに変更したり、それから国際と国内のそれぞれの番号の位置づけですね、頭にあるのが例えば国番号とか、あるいは通信の性質をあらわすとか、そういうようなものをこれから省令で規定していただくわけですが、その省令で規定していただくについては、世界的な視野を持って、これから宇宙携帯通信というようなものも出てくるわけですから、これは想定していなかったなということにならないように、また、逆に、自分たち一つのルールを国際的なルールにできるような、そういう対外的な働きかけもこれからしていただきたい、これは意見として申し上げておきます。  それから、質問として局長お願いをしたいのは、電気通信分野において今後我が国電気通信事業者が充実すべき福祉サービスといったものについて、これは一体どういうものが考えられ、またどういうことを郵政省としては進めていきたい、やっていきたいかということですね。例を申し上げた方がわかりやすいかもしれないが、例えば目の不自由な方あるいは耳の不自由な方、それからお年寄りでうちから動けない、いろいろなことが考えられるわけですね。そういった中において、この福祉の分野に電気通信事業が果たす役割は非常に大きくなってくると思うのです。その方針について一言お願いいたします。
  83. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 高度情報通信社会を我々迎えようとしておるわけでございますけれども、この社会を、高齢者の方もあるいは障害者の方にも十分配慮した人に優しい社会としていくために、だれでも、いつでも、どこでも自由に使える、そういう低廉で使い勝手のよいサービスや機器の普及に配慮していかなければならぬと思っております。特に、情報通信が社会のさまざまな活動の分野で非常に重要な手段となりますことを考えますと、この面において、社会的な弱者との間でその利用をめぐっての格差がますます広がるということは大変問題だろうと思っているわけでございます。  このことにつきましては、従来NTTが取り組んでおられましたものといたしましては、高齢者、障害者向けの電話機の月額使用料や工事料の減免でございますとか、身体障害者等の方に対する番号案内料の無料化でございますとか、あるいは車いす用の公衆電話ボックスの設置でございますとか、そういったことにも取り組んできておられるわけでございますけれども、将来の問題といたしまして、先ほども申し上げましたけれども、高齢者、障害者の方々が利用しやすい機器やサービスを開発していくということ、それから高齢者や障害者の方々に特に有効な新しいシステム、これは、そういう障害者の方々が使いやすいということもあるわけですけれども、例えば遠隔地で健康診断が受けられるというふうなこともこの方々にとって便宜であろうと思うわけでございます。こういったことについて、従来から私どもといたしましても、さまざまな助成措置も含めて検討をしてきておるところでございます。
  84. 小坂憲次

    小坂委員 そのように、ぜひとも、民間事業者が創意工夫を凝らしてそういうサービスを充実したくなるような助成措置、また補助的な施策を導入していただいて、頑張っていただきたいと思います。  ここまでいろいろな質問をやってまいりましたが、今日までの質問の中で明らかになってまいりましたことは、この電気通信事業分野は技術の進歩によって競争環境が激変する、そういう分野であるということ、そして市場区分についても、従来のような、長距離あるいは地域、国内、国際といった、そういったボーダーがなくなってくる、地球規模のものになってくる、国境を超えてこういうものを考えなきゃいけない時代になったということであります。また、株式に関連した問題も幾つか指摘をされました。持ち株会社のあり方について、株主の権利保護について、また政府保有NTT株の処理について、そしてNTT保有のKDD株の処理、こういった問題それぞれ指摘をされてまいりました。  さらには、これらのすべてのいろいろな課題の解決に郵政省のこれから策定をいたします基本方針が非常に大きな部分を占めている、この基本方針の策定に当たっては、今まで指摘された内容を十分に反映していただきたいとお願いを申し上げたいと思います。  重要通信の確保、そしてユニバーサルサービス公正競争とのバランスをどうするか、こういった問題、あるいは接続ルールとそして裁定のあり方、こういった問題についても私ども指摘をしてまいりました。今回の改正は単に第一歩でありまして、これから国内通信事業が活力ある発展を見るように、私の本会議における質問のときにも、今回の改革で真に求められているもの、それは、世界の最先端を走る豊かな創造性と活力に満ちた情報通信産業の姿であり、二十一世紀の豊かな市民生活を支える公正な競争関係に裏打ちされた低廉かつ高い利便性を提供する電気通信事業であるはずであります。我々が求めていたものは、競争に疲れ、経営に行き詰まった新規産業の会社の姿でもないのはもちろんでありますし、今回の分割によってNTTが弱体化することでもないわけでありますから、そういった点を踏まえて、国際競争に必ず打ちかつ日本の姿を描き出していただきたいと思います。  その点について郵政大臣の御決意を伺って、私の質問を終えたいと思います。
  85. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 小坂委員も御承知のとおり、今この情報通信産業が、我が国でもそうでございますが、各国とも経済のリーディング産業として大きな役割を果たしておるところであります。今、世界各国が二十一世紀の戦略産業として、その国際競争力の向上に取り組んでいるところであります。  我が国といたしましても、そのことを十分念頭に置きながら、規制緩和の推進、競争環境の整備などの政策によりまして国内における競争の活性化を積極的に推進してまいりますとともに、我が国情報通信産業がお互いの競争、切磋琢磨を通じまして国際競争力の向上を図ってまいりたいと思っておる次第であります。また、海外市場への事業展開を図ろうとしている事業者に対しましては、政府としても積極的に支援をしてまいりたいと思っております。
  86. 小坂憲次

    小坂委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  87. 木村義雄

    木村委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  88. 木村義雄

    木村委員長 これより討論に入ります。  各案に対し、討論の申し出がありますので、順次これを許します。横光克彦君。
  89. 横光克彦

    ○横光委員 私は、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び太陽党を代表いたしまして、ただいま議題となっております三法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。  御承知のとおり、我が国は昭和六十年に電電公社民営化競争原理の導入など第一次情報通信制度改革を果たし、十年余が経過しております。  この間、我が国情報通信分野は、デジタル化等技術革新が進展する中で、社会経済活動のグローバル化やボーダレス化を背景に、世界的な規模での事業展開、事業提携が行われるなど大きな変化の局面を迎えております。  我が国においても、この世界の潮流に乗りおくれることのないよう、情報通信産業のダイナミズムを促す政策が何よりも要望されているところであります。  また、利用者にとって、多様な選択が可能となり、全国どこでも低廉な価格で良質なサービスが受けられるようにすることが急務とされております。  このような状況を踏まえ、電気通信事業法の一部を改正する法律案は、電気通信市場における新規参入の一層の円滑化と事業者間の公正かつ有効な競争の促進に資するため、所要の改正を行おうとするものであり、極めて適切かつ時宜に適したものと考えられます。  次に、国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案は、国際電信電話株式会社が念願の国内電気通信市場への進出を果たすことができるようにしようとするものであり、これにより市場がより活性化し、国内の価格競争が一段と促進され、国民の利便に資することになるものと考えております。  次に、日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案は、十四年間の長きにわたり懸案となっていたNTT分離分割問題の解決として、現行の日本電信電話株式会社を持ち株会社による東西の地域会社二社と長距離一社に再編成しようとするものであります。これは、持ち株会社方式により、長距離通信、地域通信会社の自主性によって競争の促進を図るとともに、今まで規制されていた国際分野へも進出が果たせるよう、メガコンペティションの時代に柔軟に対応できる制度に改めようとするものであり、本案による改正は適切なものであると考えております。  以上、三法律案につきまして賛成の意を表し、討論を終わります。
  90. 木村義雄

    木村委員長 矢島恒夫君。
  91. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、日本電信電話株式会社法一部改正案、国際電信電話株式会社法一部改正案、電気通信事業法一部改正案に反対の討論を行います。  まず最初に、本法案の中核であるNTTの国際進出は橋本首相の直接の指示であり、総理の政策判断によって持ち出されたものであるにもかかわらず、本委員会において総理質問も行わず、またNTT分割するにもかかわらず地方公聴会も開かないなど、十分な審議を尽くさぬままにこの法案を採決しようとしていることに対して強く抗議するものであります。  NTT分割再編は、AT&TやBTなどのメガキャリアが国際企業向けのサービスを競っている国際通信市場の覇権争いにNTTを参戦させようというものであります。そのために本法案では、持ち株会社によって巨大な資本力と競争力を維持しつつ、直接国際通信市場に乗り出す長距離NTTは完全民間会社として、公共性の看板を捨て去っています。  これは、社会の神経系統として極めて高い公共性を有している電気通信事業の公共的役割をさらに後退させ、NTTの国際進出に係る投資や経費を国内電話中心とした通信事業に負わせるものであり、国際競争力を高めるためのリストラ、合理化や国内の六千万加入者へのサービスダウンと値上げをもたらす危険が高いものであります。国内の公益事業、重要な公共料金である電話料金を源泉として国際通信市場に乗り出すというのであれば、国民利用者への徹底した経営の公開と合意のもとで進められるべきであります。本法案による持ち株会社方式と長距離NTTの完全民間会社化は、これと正反対の方向と言わざるを得ません。  NTT分割が東日本と西日本での重大なサービスや料金の格差をもたらす危険性が大きいことも重大であります。本法案分割案は、最初から西日本がコスト的にも不利になるようにつくられています。審議の中で、郵政省NTTも、電話では格差はっけないとするだけで、これからますます重要になるコンピューター通信を初め多様なサービスでは、格差ができるのが当然という姿勢を示しました。地域によって受けられるサービスに差ができることは、競争などというものではなく、地域間の格差以外の何物でもありません。  さらに、今回採用される持ち株会社は、労働組合との団交権を事実上奪うなどの労働者の権利を大きく後退させる危険性を持っており、我が国有数の大企業であるとともに公益企業であるNTTが先頭に立ってこの持ち株会社制を採用することは、社会全体にも深刻な影響を与えるものであります。  日本共産党は、社会の神経系統を支えるという極めて高い公共性を有する電気通信事業は、国民利用者への経営の公開と監視のもとで進められるべきであると考えております。現在のような官僚的な規制ではなく、国民による民主的な規制のもとで情報通信事業を発展させるべきであることを表明し、反対討論を終わります。
  92. 木村義雄

    木村委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  93. 木村義雄

    木村委員長 これより各案について採決に入ります。  まず、電気通信事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  94. 木村義雄

    木村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  95. 木村義雄

    木村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 木村義雄

    木村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  97. 木村義雄

    木村委員長 ただいま議決いたしました三法律案に対し、亀井久興君外四名から、自由民主党、新進党、民主党、社会民主党・市民連合及び太陽党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。河村たかし君。
  98. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ただいま議題となりました電気通信事業法の一部を改正する法律案国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     電気通信事業法の一部を改正する法律案国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は本三法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。  一 国内電気通信のユニバーサルサービスの確保に万全を期すとともに、東・西地域における料金等に不合理な格差が生じないよう十分配慮すること。  一 東・西地域会社における公正有効競争を確保するとともに、各社の自主性・独立性を尊重しその業務の遂行に支障がないよう配慮すること。  一 情報通信分野におけるボーダレス化・グローバル化に適切に対応し、我が国電気通信事業者の国際競争力の向上を図ること。  一 NTT及びKDDについて、今後とも経営の効率化を通じた料金の低廉化、サービスの多様化に最大限努めさせること。  一 NTT及びKDDについて、将来の完全民営化方向を目指し、そのための環境条件の整備に努めること。  一 高度情報化の進展に伴う新たな社会問題が生ずるおそれがある場合には、適時適切かつ柔軟に対処すること。  一 NTT再編後も、大規模災害時における重要通信の確保を図るとともに、福祉サービスの水準の維持・向上に努めること。  一 接続ルールについては、新規技術の進展が著しいことにかんがみ不断に見直し、迅速かつ柔軟に対応すること。  一 NTT再編に伴う株主の権利保護については十分配慮するとともに、NTT株の適切かつ着実な売却を進めること。  一 今後とも、我が国電気通信事業者に対する規制見直しを引き続き行うとともに、NTT再編後も、急速に発展する情報通信変化に即応した利用者サービスが提供されることとなるよう、不断に検討を行い、適時適切に対処すること。 以上です。
  99. 木村義雄

    木村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  亀井久興君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  100. 木村義雄

    木村委員長 起立多数。よって、本動議のとおり三法律案に附帯決議を付することに決しました。  この際、堀之内郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀之内郵政大臣
  101. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 ただいま電気通信事業法の一部を改正する法律案国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手)     —————————————
  102. 木村義雄

    木村委員長 ただいま議決いたしました各法律案委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 木村義雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  104. 木村義雄

    木村委員長 内閣提出電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。堀之内郵政大臣。     —————————————  電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  105. 堀之内久男

    堀之内国務大臣 電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、サービスの貿易に関する一般協定の第四議定書の実施に伴い、第一種電気通信事業の許可及び電気通信業務を行うことを目的として開設する無線局等の免許について、それぞれ外国人等であることを欠格事由としないこととする改正を行おうとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、第一種電気通信事業の欠格事由のうち外国性の制限に係るものについて削除することとしております。  第二に、無線局の免許の欠格事由のうち外国性の制限に係るものについては、電気通信業務を行うことを目的として開設する無線局等には適用しないこととしております。  その他所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、サービスの貿易に関する一般協定の第四議定書が日本国について効力を生ずる日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  106. 木村義雄

    木村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十七分散会      ————◇—————