○
中川(正)
委員 今この
NTTの
世界だけではなくて、各産業界あるいは金融部門が特に
議論が白熱をしてきておるわけですが、この持ち株制度の解禁ということについては非常に積極的に
議論が展開をされておるわけであります。ところが、それぞれ他産業でのこの
持ち株会社を解禁すべきであるというその論拠と、それから先ほど
NTTの方から上がってきた、
持ち株会社を活用しながら特に基礎研究等ユニバーサル
サービスの確保という部分でそれを実現をしていきたいという見方には、
一つの矛盾というか大きな隔たりがあるように私は思うわけであります。
もともと
持ち株会社のメリットというかこれを活用して広げていく分野というのは、
一般的に言われるのは、
一つはスコープのメリットなんですね。これはいろいろな分野を超えて
連携をしていきながら、さらに新しい産業をそれでつくり出していく、そういう
一つの媒体になっていくという形のものなんでありますが、そういう
意味からいうと、今回は分社化ですから、同じ形態のものを幾つも割ったというだけでありまして、このスコープのメリットというのが各
企業の
努力でないと出てこない。
持ち株会社にしたからそこが出てくるというような性質の割り方ではないということですね。
それからもう
一つは、この
持ち株会社の最大のメリットというのは投資効率、資金というのをいかに効率よく使うかということで、それぞれ傘下の
企業を本来活性化していく、言いかえれば強いところをより強く発展させていくような形で
持ち株会社というのが運用されていって初めてメリットが出てくる、こういうことなんですね。ところが、さっきの話を聞いていますと、これは逆なんですよ。ユニバーサル
サービスを確保していこうと思うと、弱いところをみんなで助けられるからこの
持ち株会社という制度でそれを実現していこうという
考え方でありまして、これだと全体が一番底辺へ向いてそろってしまうという流れになって、
グループ全体の強さにはつながっていかないんだ、これまでと同じ体質をこの中に含ませているんだ、こういうことなんです。もっと言えば、本来
競争しようと思ったら優勝劣敗の
世界をそこにつくらなければいけない。今、
地域会社が
独占していますけれ
ども、その
独占というのは、時と場合によっては、というよりも、どんどんそれは自由化をされていかなければならないという前提での
独占なんですよ。バイパスというのが今アメリカで出てきていますけれ
ども、仮にそういうものがどんどん入ってきて、ひょっとしたら
NTTよりももっと効率のいい運営をする会社があらわれてきてそれが取ってかわっても、それでもいいんだという
世界をつくり出していくというのが、本来この
競争原理を導入していくということであったはずなんです。
ところが、ユニバーサル
サービスということを大義名分にしながら、それをいまだに保護していこう、どこかで弱いところを守っていこうというメカニズムがこの中に含まれているとすれば、これは、これから先の、いわゆる本来の
競争原理というものに対して水を差すような
仕組みがこの中に含まれているのではないか、こういうことだというふうに思うのです。
この二つの大きな矛盾があるわけでありますが、そこのところはどういうふうに解釈をし、どういうふうに整理をしてこういう施策を打ち出されたのか。
大臣と、それからそれを受けて立つ
NTTの方、それぞれ御
答弁をいただきたいと思うのです。