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1997-04-17 第140回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成九年四月十七日(木曜日)     午後三時二十七分開議  出席委員   委員長 鉢呂 吉雄君    理事 金子原二郎君 理事 金田 英行君    理事 高木 義明君 理事 山本 幸三君    理事 小平 忠正君 理事 児玉 健次君       石崎  岳君    熊谷 市雄君       園田 修光君    棚橋 泰文君       松本 和那君    渡辺 具能君       古賀 一成君    城島 正光君       岩田 順介君    中西 績介君  出席国務大臣         通商産業大臣  佐藤 信二君         労 働 大 臣 岡野  裕君  出席政府委員         資源エネルギー         庁長官     江崎  格君         資源エネルギー         庁石炭部長   中村 利雄君         労働省職業安定         局高齢障害者         対策部長    坂本 哲也君  委員外出席者         運輸省港湾局計         画課長     川島  毅君         建設省住宅居住         宅整備課住環境         整備室長    池田富士郎君         商工委員会調査         室長      安本 皓信君     ───────────── 委員異動 三月七日  辞任         補欠選任   原田 義昭君     菅  義偉君   吉井 英勝君     児玉 健次君 四月十七日、  辞任         補欠選任   吉川 貴盛君     棚橋 泰文君   渡辺 博道君     松本 和那君   島津 尚純君     城島 正光君 同日  辞任         補欠選任   棚橋 泰文君     吉川 貴盛君   松本 和那君     渡辺 博道君   城島 正光君     島津 尚純君 同日  理事児玉健次君二月二十一日委員辞任につき、  その補欠として児玉健次君が理事に当選した。     ───────────── 三月十二日  三井三池炭鉱閉山提案に伴う地域振興等に関  する陳情書  (第一二一号) 四月十日  三井三池炭鉱閉山に伴う地域振興等に関する  陳情書  (第一九八号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  石炭対策に関する件      ────◇─────
  2. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事児玉健次君を指名いたします。      ────◇─────
  4. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺具能君。
  5. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 自民党の渡辺でございます。三池閉山問題について、前回に続きまして二度目の質問をさせていただきます。  去る二月十七日に三井石炭鉱業組合に対しまして閉山提案をして以来、労使が真摯な交渉を進められまして、そのことを中心にいたしまして、それに地元方々、県、国など、あらゆる人たちの善意とそして積極的な参加が実りまして、三月三十日、悲しいことではありますけれども、厳かに閉山を迎えることとなりました。ともに苦渋の選択をされました労使方々に対しまして、深い敬意を表するものであります。  また、汗と涙の百有余年に及ぶ激動の歴史と、そういった歴史を支えてこられた方々に対しまして、惜しみない拍手を送りたいと思います。そして、かくなる上は閉山後の処理が円滑に行われ、このことが地域の新しい発展へのスタートであればということを祈るわけであります。  閉山後の対策としては、私は三つあると考えます。第一は離職者対策であります。第二は、引き続き発生するであろう鉱害への継続的補償確保であります。そして、ポスト石炭地域の再生であります。  こういった課題に対しましては、まず三井石炭鉱業、そして三井鉱山が強い責任感を持って取り組むことが基本でありますが、そこで質問でございますけれども通産大臣及び労働大臣におかれましては、三月三十日の閉山以降、両会社を呼ばれまして閉山対策について指導をされたというふうに聞いております。具体的にどういう要請をなされたのか、そしてその中においてどういう御感想をお持ちになったか、大臣としても決意の表明になるかと思いますので、伺いたいと思います。通産大臣にお答え願います。
  6. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 今委員御指摘のとおりでございまして、やはり今度の閉山に伴ってまず第一に考えなければいけないのは雇用対策だ、こういうことは全く御説のとおりでございます。  そこで、その場合に、まず第一に、やはり三井石炭鉱業及びその親会社である三井鉱山、さらには三井グループ全体として、企業の、グループ社会的責任というものを十分念頭に置きながら、最大限の努力が必要だということでございます。  こうした観点から、私といたしましては、労使交渉妥結日であった三月十八日、そして閉山の翌日の三月三十一日、三井鉱山及び三井石炭鉱業の両社長においで賜りまして、雇用対策等閉山対策に万全を期すよう強く指導してまいりました。会社側においても、雇用対策におけるみずからの責務を十分認識した上で再就職先確保に努める旨の強い決意を表明されました。  なお、これまでの会社側の取り組みの結果でございますが、現在三千四百人を超える再雇用先確保されているといったように聞いております。当省といたしましても、今後とも、会社側が一層努力を行い、着実にこの努力が実を結ぶよう指導してまいる所存でございます。
  7. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 大臣、本当に御苦労さまでございます。引き続き、折に触れそういった御指導お願いする次第であります。  先ほども申し上げましたが、一番深刻なのはやはり雇用問題ではないかと思うのです。その中でも、いわゆる直轄そして関連企業方々にはいろいろな対策が講じられているわけでありますが、やはり一番深刻なのは、三井石炭鉱業とは必ずしも直接つながらないけれども関連がないけれども一般的に離職を余儀なくされる方々ではないかと思うのです。関連企業の方は離職者は約千三百人と伺っておりますが、その他の全体の離職者を含めると三千人を超すとも一部言われているようでございます。  そこで質問なのですけれども労働省としてもこのあたりのことについては随時調査をされて、それなりの対策を準備しておくべきだというふうに思うのですが、今のところ離職者は全体でどの程度になりそうか、そして、そういった方々に対して就職あっせん見通しはどういう状況か。大ざっぱなところで結構ですけれども、大体の感じを教えていただければと思います。
  8. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 今回の三井三池炭鉱閉山によります離職者の数でございますけれども最新時点、四月十五日現在で離職者合計数千三百八十四名というふうになっております。その内訳でございますけれども福岡熊本両県で、三池炭鉱直轄の方の離職者が九百五十三名、下請関係で三百五十一名、関連企業からの離職者が六十六名、それからその他ということで、納入業者ですとかその他の関係企業からは十四名という状況でございます。  今後の離職者の発生の見通しということになりますと、具体的な数字はなかなか難しいわけですけれども直轄労働者の中には残務整理ということで当面会社に残っておられる方がおられます。これは残務整理進捗状況によって今後離職者がふえてくることになりますし、また、下請あるいは関連企業労働者につきましても、今後閉山影響地元経済にいろいろ出てくるにつれまして増加していくだろうと思われるわけでございます。  私どもとしては、その動向を十分注視していく必要があると考えておりまして、閉山関連産業等に与える影響安定所としても常時把握していかなければいかぬわけでございますので、安定所に出てこられた離職者につきましては、閉山による離職者なのかどうかということについて随時確認をこれからも行ってまいりたいと思っております。
  9. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 私が実は伺ったのは、今お答えいただいた数字は何らかの形でつながっている人たち数字ではないかと思うのです、その千三百八十四は。本当は、私が一番知りたい、そして心配だと思っているのはそれ以外の、今その他が十四とおっしゃったのですけれどもその程度ではなくて、本当の意味のその他といいますか、その地域に業をなしておられて、一般的に景気が冷え込むことによって離職をする人たちが物すごくふえてくるのではないかというふうに思うのですが、そのところを労働省としてもよくおつかみになつていて、それに対する対策はやはり頭に入れておく必要があるのではないか、そう思っているのです。その千三百八十四以外で、大体というのがわかれば教えていただきたいのですが、また、今この時点でわからなければ、刻々そういう状況をぜひ教えていただきたいと思いますが、何かお答えいただくことがあれば。
  10. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 現在私ども把握しておりますのはその千三百八十四名ということでございまして、その周辺部分のところから幾ら出てこられているか、現時点では数字を私ども把握いたしておりません。  いずれにいたしましても、今後ともいろいろな影響が広範に及んでいくことを念頭に置きながら把握に努めてまいりたいと思っております。
  11. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 私は、労働行政としては本当はその辺が一番重要ではないかというふうに思うわけでありますので、随時その辺についてはよく調査お願いしたいというふうに思います。  そこで、そういう方々に対する就職あっせんなのですけれども、直営の方々というのは、会社の中に設けられています労使によるあっせん室があるというふうに聞いておりますが、ここで行われるだろうと思うのです。それ以外の離職者方々については、恐らく職業安定所の方でということになると思うのですが、そこでぜひお願いしたいことは、この二つの組織といいますか、二つが緊密に連携をしていただいて、情報を交換して、離職者の方が一方に行けば一方の状況もわかるというようなサービスが必要ではないかと私は思うのです。もう既に機能を始めているわけですから、そのあたりのところがちゃんとなされているかどうかということを確認しておきたいということ。  もう一つ、私は、本当に一番大変なのは直轄関連産業人たち以外の周辺人たちだということを再三申し上げているわけですが、会社側が集めた求人が、さっき大臣がお答えになったのですけれども、大変あるわけです。そういった求人会社以外の離職者方々にもぜひ役立ててほしいというふうに思うわけですけれども、その辺どうでしょうか。
  12. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 私どもは、離職者早期就職促進をしていく業務を推進するに当たりましては、基本的にはより多くの場所で離職者情報にアクセスできるようにしていくことが大変重要であるというふうに考えておりまして、そういった意味合いを込めまして、地元大牟田荒尾安定所のほかに、三池鉱業所の中に臨時職業相談所を設けたところでございます。七日から相談活動を行っているわけでございますけれども、そういったアクセスポイントをふやすという意味におきましても、先生ただいまお話ございました、会社内で労使で設置した就職対策室というふうに聞いておりますけれども、それも重要な機能を果たすものというふうに認識をいたしております。  それぞれの役割分担なり連携についてでございますけれども、この三池鉱業所の中に設けました臨時職業相談所それから地元安定所におきましては、ここでは直轄あるいは下請といったことにかかわりなく、すべての安定所が集めた求人あるいは会社が集めました受け皿求人、これを閲覧できるようにいたしておるわけでございます。こういった形で情報アクセスヘ機会確保いたしております。また、労使で設置しておられます就職対策室におきましては、直轄労働者対象として、三井グループ内の受け皿求人情報を公開するというようなことをしておられるわけでございます。  私どもといたしましては、受け皿求人が有効に利用されますように、今後とも安定所を通じての情報把握ですとか連携に努めてまいりたい、それからまた積極的な求人開拓、こういったことも行いまして、離職者早期就職に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  13. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 岡野労働大臣も今御出席いただきましたので、もう少しこの離職者の問題をお伺叶いしたいと思います。  ただいまお答えになっていただいたように、離職者方々の不安を少しでも解消するためにひとつよろしくお願いするわけですが、この直轄人たちじゃなくて、それ以外の一般離職者関連いたして、特定雇用機会増大促進地域ですか、この地域指定について少し伺いたいと思います。  この地域指定については、前回質問のときにも、私、ぜひ大臣に前向きに考えていただきたいということでお願いしたわけでありますが、このたび、岡野労働大臣の強い御指導があったということでこの指定がなされたというふうに聞いております。大臣の御配慮と指導力に深い敬意感謝を申し上げたいというふうに思うわけです。  そして、せっかくこの指定がなされたわけですから、ぜひともこの制度をうまく活用していただきたいと思うわけです。一般離職者については、いわばこの救済しかないと言っても過言ではないわけですから、本当にうまく活用していただきたいと思うわけです。  この特定地域指定がなされることによりまして、雇用保険が九十日延長されるとか、これは自動的にそういう特典がつくわけですが、そのほか、雇用調整助成金ですか、それから開発助成金、そういった制度もあるわけです。  そこで、今既に指定がなされているわけですけれども、そういった助成金に対して引き合いといいますか、打診がもう始まっているのかどうか。まだ期間が余りだっておりませんから余りないかもしれませんが、その制度を活用するという意味でぜひ考えていただきたい。  せっかくでございますので、大臣お見えになりましたので、この制度をうまく活用することについて大臣によろしくお願いするわけですが、大臣、特に何かお考えになっていることがありましたら……。
  14. 岡野裕

    岡野国務大臣 労働大臣、遅参をいたしました。大変失礼を申し上げました。  ただいま渡辺先生から、特定地域指定に伴うその後の動きはいかがか、こういうお尋ねでございました。  これは、私、二十日の日に地元へ参りました。特定地域閣議決定は、その翌日の二十一日でございました。そうして、会社はもとよりのこと、労働組合の幹部の皆さんお願いをいたしました。あしたは特定地域指定閣議決定になり、二十六日にはこれが公布に相なる。やはりこの制度の中身、先生もおっしゃいましたが、失業給付の九十日延長の問題でありますとか、業種のいかんを問わずすべて雇用調整助成金対象になるというような仕組みであることをこの地域皆さんが御存じでなければ、ちっとも役に立たない。したがいまして、挙げてこの周知徹底にひとつお願いをしたい。同時にまた、それぞれの企業が、そしてそれぞれに働く皆さんがこれをそれぞれの雇用に結びつけるような全体的な高まりというものがなければ、制度というものは何ら役に立たないものだ。したがって、これは二十六日でまだ一週間ばかりあるけれども、その後、役所は当然でありますが、皆様にも雇用に結びつける御努力をぜひお願いをしたいと。  その後、三井石炭鉱業であるとか三井鉱山でありますとか、あるいは安永さんを初めとするこの関係労働組合皆さんでありますとか、東京にお訪ねをいただきました。私の部屋にもお訪ねをいただきました。したがって、これをまずは繰り返す等々で私どもとしては周知に相努めているという次第でございます。  お尋ねの、今の時点において申請がどの程度あるかという問題については、政府委員をして答えさせることにいたします。
  15. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 例えば雇用調整助成金ですとか、この制度につきましては、まだ公布、施行後間もないということもございまして、現時点では実績の数字はそれほど多くはないわけですが、大牟田安定所荒尾安定所を合わせまして、雇用調整助成金関係では相談がございました件数がこれまでのところ十件、それから地域雇用開発助成金関係では七件ほど、それから特定求職者雇用開発助成金につきましては四十件ぐらいの相談が今のところ来ております。
  16. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 私は、やはり特定地域の効果が期待できそうな今の数字ではないか、本当にうまく活用していただきたいと思います。  持ち時間が余りありませんので、ポスト石炭地域づくりについての質問がなかなかできないのですが、先日、通産局の調査で、大牟田市に廃棄物リサイクル産業を集積する構想が出されて、それがなかなか実現の可能性が高い、政府としてもいろいろな支援を行っていきたいというふうな記事が出ておりました。時間があればもう少しこのことについて詳しく聞きたかったのですけれども、時間がありませんので、地元のためにひとつよろしく御支援を賜るようにお願いをしておきたいと思います。  そしてもう一つ、この地域づくり一つの核として三池港のことがありますので、三池港のことを一つだけお伺いします。  三池港を整備するに当たっては、まず港湾計画が必要だということで、今港湾計画調査を待っているという状況にあるわけですけれども計画策定に当たっては、自然条件調査だとか環境アセスメントとか、長い時間がかかる調査があるわけですね。私は、そういう調査については早目にやっておいて、そしてその結果が出てきたときにさっと計画ができるように考えるべきだ、そういう指導をしていただきたいというのと、調査に対して国の支援ができるのではないかというふうに思うわけですけれども、その辺の見通しなりについてお伺いしたいと思います。
  17. 川島毅

    川島説明員 三池港の港湾計画策定、これは運輸省としてもできるだけ早期に策定されるよう御支援申し上げたいと考えております。具体的には、本年度、港湾計画策定のための環境アセスメント調査及び自然条件調査を実施することとしております。運輸省では、このための調査費を補助することとしております。  福岡県におきましても、現在、港湾施設用地の譲渡に関する協議を行っておられますが、これらを調えてできるだけ早く現地調査に入りたいということで、現在鋭意準備を進めておられる段階でございます。
  18. 渡辺具能

    渡辺(具)委員 質疑時間がとうとうなくなってしまったのですけれども一つだけちょっと発言をさせていただきます。  私ども委員のところに、先日、三組合の連署でお礼状が実は届きました。私はそのお礼状をいただいて大変感激をいたしました。そこにはこういうふうに書かれてありました。「これからは、新しい気持ちで第二の人生を目指して再出発を致しますが、これまでの貴職のご指導・ご協力に応えるためにも、炭鉱マンの心意気を発揮して、胸を張って堂々と逞しく生き抜いていく決意であります。」こういうお礼状をいただきまして大変感銘を受けたわけでありまして、この文章から私は将来に明るいものを見る思いでありました。  今、会社の中には労使による就職あっせん室が設けられているわけでありますけれども、どうか、通産省そして労働省におかれては、この双方のあっせん作業が本当にうまく進むように、特にいろいろ手厚い救済措置も設けられているわけでありますけれども、こういったことに甘えることなく、離職者方々が働く意欲を持って、そしてその地域のためにおのれの力をまた発揮していただくように、そのことは離職者の方にもまた地域の方にもハッピーなことでありますので、そういう方向で労使の協調が進むようにひとつよく御指導お願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  19. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 続きまして、高木義明君。
  20. 高木義明

    高木委員 新進党の高木義明でございます。石炭政策について、三池炭鉱閉山問題、また今後の石炭政策エネルギー政策あり方についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  去る三月三十日、三池炭鉱は、明治政府官営炭鉱として創業されて百二十四年、民営化されて百八年の歴史に幕を閉じたのでございました。今日まで三池炭鉱我が国エネルギー産業石炭産業中核として、その役割は、我が国産業経済に大きな貢献を果たしたわけでございます。炭坑節として親しまれておりますように、まさに我々のふるさとの歴史の中にも、このエネルギー革命の中で大きなあらしが吹いて、喜びも悲しみも、それはまさしく我が国の栄光と苦悩の歴史であったと私は言えるのではないかと思います。  そのような中で、この石炭産業に携わってこられた方々、もちろん労使を初めとしまして地域社会皆さん、また国を初め関係自治体皆さん方の重ねてこられた数々の御功績、御労苦に、私は、まことに閉山という心を痛めるものがございますけれども、この際改めて深く敬意を表するところでございます。  同時に、今回の閉山は、中核である三池炭鉱閉山ということは、今進められております我が国の新石炭政策折り返し点、この時点においての出来事でございまして、今後の我が国石炭政策あり方に大きな教訓を残しておるのではないか、私はこのように思っております。  二月十七日の正式な閉山提案があってから今日まで、労使協議が重ねられました。そして、円滑にこれが進められ、円満な解決がなされたわけでございますが、この間、国及び自治体において、とりわけ通産大臣あるいは労働大臣を先頭にされた数々の御努力に、私は心からそれを多とし、感謝を申し上げたいと思っております。  しかし、多くの対策や検討はむしろこれからが、その結果をいかに出すか、ここに期待がかかっておるわけでございまして、むしろ今から対策が始まっていく、私はそのように認識をいたしておりますので、そういう立場に立って、以下質問をさせていただきます。  既に本会議、この委員会あるいは予算委員会、各委員会におきましても、この三井三池問題は数々の質問が出ておりますので、若干各論に入るかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  まず、雇用対策についてでございます。  三月三十日閉山現在の離職者社員は千百七十五人でございました。四月八日現在で四百八十五人、四一%の再就職決定及び内定をしておるという状況でございます。社員アンケート調査では、言うまでもなく九三%の方が地元雇用を希望しておりますし、これに対して会社からは千七百二十五人の地元雇用提案をされておるわけです。  しかし、問題は、再雇用受け入れ先の多くが四十五歳以下という年齢制限を設定をしております。社員平均年齢が四十八歳という炭鉱離職者のことを考えますと、条件に合わない人が大勢おりますが、こういった実態についていかに承知をしておられるのか、この点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
  21. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 会社の方で用意をいたしております雇用受け皿でございますけれども最新時点四月十五日現在で、私ども三千四百八十七名というふうに承知をいたしております。これは地域別に見てみますと、大牟田とか荒尾といったいわゆる地元が四百三十四名、それから福岡県の筑後地区熊本県の城北地区という通勤圏内と思われる地域、ここでは筑後地区が二百二十三名、城北地区が百五十三名ということで、こういった近隣地区合計をいたしますと八百十名というふうになっておるところでございます。  また、年齢別でございますが、平均年齢が四十八歳ということで、年齢別の状況について見てみますと、この求人を四十五歳未満と四十五歳以上で区分けしてみますと、四十五歳未満の求人が累計いたしまして千六百八名、割合にしまして四六%くらいでございます。また、四十五歳以上が累計いたしまして千七百二十四名、四九・四%、その他が年齢不問ということで百五十五名ということになっておるわけでございます。  この雇用受け皿確保につきましては、これまでも会社側に対しまして、離職者は非常に地元志向が強い、あるいは平均年齢が高い、そういったことを十分踏まえまして実効ある地元雇用機会の増大に努めるよう要請をしてきたわけでございます。今後も、私ども、特別求人開拓の実施あるいは求人要件の緩和指導、こういったものによりまして早期就職に努めてまいりたいと思っております。
  22. 高木義明

    高木委員 この再就職をしていく企業等への要請というのは、これは地元の職安へも四十五歳以下という条件を提示をしている関係上、炭鉱離職者に限ってこれを変えるということは、一般社会の中で非常に難しい面があると私は思っております。  ただ、国の施策としましても、例えば特定求職者雇用開発助成金制度の中では、四十五歳以上六十五歳未満の離職者雇用する事業主への支援を行っておるわけでありまして、今回の炭鉱離職者の場合の平均年齢を考慮すれば、例えば四十五歳というのを四十八歳以下、こういうふうに年齢制限を上げていただく、そういう指導をしてはどうか、すべきではないか、私はこう思いますけれども、この辺について対応方をお聞かせいただきたい。
  23. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 ただいまお話ございました特定求職者雇用開発助成金でございますが、この制度は原則としては五十五歳以上の求職者が安定所紹介で雇い入れられた場合に賃金の一部を助成するということになっておるわけですけれども、先ほどお話ございました特定雇用機会増大促進地域指定されたことによりまして、この地域内では炭鉱労働者以外の方でも四十五歳以上の方がこの助成金対象になるということになるわけでございます。  そういった点も踏まえまして、この助成金が十分に活用されますように周知を図ってまいりますとともに、雇用受け皿の中にこの求人年齢に達していないところもございますので、求人年齢の引き上げを含む求人要件の緩和指導に努めてまいりたいと思っております。
  24. 高木義明

    高木委員 ぜひそのような御努力お願いをしたいと強く要望しておきます。  また、逆に年齢を引き下げるという件について、例えば自治体等におきまして、公的機関においては高齢者の雇用対策、こういうことが行われておるわけでありまして、これには五十五歳あるいは五十七歳以上といった決まりがあるわけですね。したがって、こういう高齢者雇用制度そのものを形骸化したり、あるいは高齢者の方々に悪い影響を与える、あるいは仕事を奪う、決してこういうことになってはいけませんけれども、こういうことに十分注意をして、例えば、求職者が足りないところについては、炭鉱離職者のために逆に就職しやすいように年齢制限をこれは逆に引き下げるような、そういう措置も有機的に考えていくことは私はいいことではないかと思っておりますが、この点についていかがでしょう。
  25. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 高齢者を取り巻く雇用情勢は、先生御案内のとおり大変厳しいものがあるわけでございまして、今後とも、私ども労働行政の重要な課題として高齢者の雇用対策に積極的に取り組むことにいたしておるわけでございますけれども、御指摘ございましたような事例につきましては、こういった高齢者の雇用対策の重要性も片一方で念頭に置きながら検討していくことが必要というふうに考えますけれども炭鉱離職者方々早期に再就職できるように、実態を十分把握しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
  26. 高木義明

    高木委員 私が今申し上げたのは、四十五歳以下という求職の一つの基準をむしろ上げてそれに対応できるようにしてほしい、あるいはまた、高齢者対策としての雇用の部類についてもそれが適用できるようにすれば、この離職者雇用というのはかなりまた広がっていく、こういうことで私は申し上げておるわけでございますので、どうぞひとつ、その辺についてこれからも十分に留意をされて、お願いをしたいと思っております。  次に、大臣決意をお伺いしたいわけでございますが、この三井三池炭鉱はまさに地域の基幹産業でありまして、この閉山に関しては、地元の商工業界、特に直接取引をされておった業者の方々下請関連方々、これらの方々はその影響も甚大でございます。したがって、地域経済の落ち込み、購買力もかなり落ちておる、そういうものが私は感じられるわけでありまして、商業・サービス部門にわたっても影響が波及しております。そういう中で、地元企業等についても、すぐに炭鉱離職者を受け入れるという状況にはないと私は思っておるわけです。  その意味で、雇用機会増大促進地域指定されていた大牟田市、荒尾市の両市は、地域雇用促進法に基づく特定雇用機会増大促進地域への指定並びに地域雇用開発助成金の拡充による雇用構造の改善を強く求めておりました。去る三月四日の本委員会での労働大臣の答弁は、存分に検討する、こういうことでございました。三月十九日の労使交渉の妥結を受けて大臣は極めて迅速に決断、対応をされまして、三月二十六日付で両市が指定されております。これは、三月七日、我が新進党としても強く内閣総理大臣に申し入れをしたことでございますので、私は、この対応については大いに評価をするところであります。  しかし、今後、まさにこれの具体的な実効が上がるようにしなければなりません。したがって、今後の対応について、ぜひこの際、労働大臣決意をお伺いをしたいと思います。
  27. 岡野裕

    岡野国務大臣 先生おっしゃいましたように、この三井三池鉱業所閉山に伴うところの離職者、これが、ひとり石炭鉱業にとどまらず、無論、三井鉱山はもとよりのこと、地域のいろいろな業種の皆さん影響が及ぶであろう。それで、総理からもお話がありまして、ここに通産大臣おいででありますが、私と両名召されまして、全力投球でやれという下知もいただいておりました。それまでの間に、先生おっしゃいますように、石炭特別委員会を初め予算委員会、労働委員会等々で、この地域対策について、こういう手もあるぞ、こういう声も地元からあるぞというお話を諸先生から伺ったわけであります。自分自身も現地に赴きまして、あれやこれやの知恵を第一線の者とともども相談をいたしました結果、先生がおっしゃいますような、特定地域指定並びに黒手帳、緑手帳の弾力的な支給等々を決定をしたところであります。  しかし、先ほど渡辺先生に申し上げましたが、制度、仕組みがあっても、これを生かすか殺すか、これはやはり人間だと思っております。その意味合いで、役所も全力投球をいたしますが、同時に、会社当局、そして地方公共団体当局等々、労働組合皆さん皆さんがそれぞれ努力をして、これから成果が上がっていくのではないかなと、当面周知に努める傍ら、そういった具体化の問題についても知恵を絞りまして、先生のお話にありますような、一人でも多く、三井石炭鉱業従業員は当たり前のこと、大牟田荒尾、この地域皆さん離職者が数少なく、幸せな生活が今後もできるような精いっぱいの努力はこれからも続けてまいろう、その意味で、通産大臣とも緊密な連携をとってまいろう、こう思っている次第であります。
  28. 高木義明

    高木委員 次に、住宅問題についてお尋ねをしてまいります。  当初、閉山後の住宅入居につきましては一年ということでありましたが、事情がある場合にはさらに六カ月延長することができる、こういう最終的な労使協定になったわけであります。現在、社宅には、閉山時の従業員が大牟田市で四百六世帯、荒尾市九十世帯、高田町十九世帯、計五百十五世帯、そしてそれに加えて、以前からの退職者九十二世帯、一酸化炭素事故の方々の御遺族の方が三十六世帯、下請協力会社七十二世帯、計二百世帯、合計七百十五世帯が入居しておりまして、閉山から一年六カ月の間にこれらの人々の受け入れ住宅の建設をどうにかしなければならぬわけでございます。  大牟田市、荒尾市では、住宅地区改良事業として、改良住宅建設を進めるために具体的な検討が進められております。例えば、大牟田市においては小浜南社宅を中心とした計画が進められております。国としては積極的な支援体制をとっていくべきだと思っております。  これは、衣食住と言われておりまして、人間の生活にとって住宅が家族の触れ合いの原点でもございますし、まさに働くあるいは活動していくその大切なよりどころ、この住宅確保について、当局の対応をお聞かせいただきたいと思います。
  29. 池田富士郎

    ○池田説明員 住宅対策についてのお尋ねをいただいたわけでございます。  その中で、特に、住宅地区改良事業を取り上げていただいたわけでございますが、この事業は、老朽化をいたしました炭鉱住宅が密集しているような状況にあります地区につきまして、市町村が事業主体となりまして、この老朽化した住宅を全面的に除却をいたしまして、その跡地に、改良住宅と言っておりますが、公的な賃貸住宅を建設いたしまして、そこにもともと住んでいらっしゃった方たちに入居していただくように賃貸をするという事業内容を持ったものでございます。  その際に、建設省として補助金の交付などをする仕組みができているわけでございますが、この事業実施のための要件といたしまして、対象となる地区の面積ですとか、その老朽化した住宅の戸数とか比率とか、それから、どれぐらい建て詰まって建っているかという住宅の密度などについて、物理的、客観的な基準がございます。この事業の根拠法であります住宅地区改良法に基づきまして定められております。  現在、大牟田市を中心にいたしまして、これらの基準に照らして、それぞれの地区の状況を具体的に調査中であるというふうに伺っております。今後、これらの調査結果に基づきまして、地元の市あるいは福岡県とも御協議をされながら、事業の具体的な実施の考え方、方針をまとめていかれるものというふうに承知をいたしております。  これに対しまして、建設省としても、積極的に御支援を申し上げたいと考えているところでございます。
  30. 高木義明

    高木委員 住宅に関連してですが、今特に、国会でも、特殊法人とかあるいは各種事業団等の統廃合の議論がかなり活発に行われております。  雇用促進事業団、それもその一つなんですが、この雇用促進事業団、いわゆる雇用促進住宅の趣旨からすると、まさにこういうときにこそ雇用促進住宅というのを、そういったノウハウ、これまでの積み重ねた力をもって貢献をする、私は、これはまさに今出番ではないかと思っておりますが、この点について、積極的な取り組みをお聞きをしたい。
  31. 岡野裕

    岡野国務大臣 団体交渉で、長くても一年半ということが決まりました。これは労使決定でありますので、私どもがあれこれ言うことはなかろう。  しかしながら、先生おっしゃるような数の炭鉱の皆さんが、今現に住んでいるところの社宅を失うというようなことで、私は予算委員会で、雇用促進事業団は住宅及び福祉施設については今後一切新たなものはつくらない、撤退をすると言いましたが、現に存在をするものは最大限活用してはどうか。地元で空き家の労働移転用の住宅を調べまして、百九十二戸、これが幸か不幸かあいておりましたので、これらの活用については十分に努力をしてまいりたい、こう思って、労働組合皆さんにも会社の社長にもお話をしてあるところであります。
  32. 高木義明

    高木委員 まだまだ、例えば三池港の整備とか、あるいは社会資本、いわゆるインフラ、九州縦貫自動車道、高速道路の南関インターからのこの地区への道路の整備、これは地域の発展には極めて大きなインパクトを持つと私は思っております。どうぞひとつ、これらの促進についても、ぜひ強力な手だてを講じていただきたいと思います。  また、先ほどからも出ておりますが、有明海で唯一の重要港湾、この三池港の役割というのは、この地域の将来にかけるものがあると私は思っておりますので、どうぞ、港湾整備計画促進を図られて、この地域の活性化の拠点になるように、海運交通の要所になりますように、ぜひこの点についても取り組み方をお願いをしたい。運輸省、建設省、各省庁にまたがる問題でございますが、関係省庁会議も活発に開いておられるようですから、この辺については、ぜひ議題にのせていただいて促進方をお願いをしたい。  次に、これからのことになってくるわけですが、石炭鉱業審議会、石鉱審が四月二十五日にも開催をされる、こういうふうにお聞きをしております。一部報道によりますと、来年度の国内炭の引き取り量に三井三池鉱の貯炭分を含める条件として、一つ、国の石炭政策が続く二〇〇一年度までさらに炭価を下げる、二つ目、二〇〇二年度以降の価格を輸入炭並みにすることを強く要望していくという、いわゆる電力業界の、電力サイドの姿勢がうかがわれる。これが認められないとすれば、四月以降、国内に残る松島炭鉱池島鉱業所、これは長崎ですが、それから太平洋炭硬釧路鉱業所、北海道の釧路でございますが、この石炭は引き取るが、三井三池炭鉱の貯炭分は引き取らない構えだ。これはことしの二月の段階の報道でございますが、こういう報道もございました。  三池の貯炭の買い上げについて適切な対応が図られたと聞いておりますが、この辺の状況についてお伺いをしておきたいと思います。
  33. 江崎格

    ○江崎政府委員 三池炭鉱の貯炭の問題でございますが、現在、百万トンぐらい貯炭の存在がございます。  これまで、政府としまして、閉山対策が円滑にいきますようにということで、現在唯一の需要業界であります電力業界に対しまして、この貯炭の引き取りにつきまして協力をお願いしてきているわけでございます。  電力業界におきましては、三井三池炭鉱の構造調整に対する長年の協力、それから電力業界を取り巻く状況の変化などにかんがみまして、引き取りに協力をするという表明を、これは三月の上旬でございますが、しております。  ただ、貯炭の引き取り価格でございますが、これは、平成九年度の基準炭価につきまして、今御指摘の石炭鉱業審議会などで御意見を聞いた上でこれから決めていくということで、なるべく早く炭価を決めていきたい、このように思っております。
  34. 高木義明

    高木委員 今日まで、電力業界が、内外価格差約三倍という割高な国内炭を、国の石炭政策ということに基づいて引き取る形で国内炭鉱が存続したという事実は、私は否めないと思っております。しかし、石鉱審に臨む業界の対応次第では、現存の二鉱、いわゆる松島、釧路、この存続も非常に危ぶまれておる、こういうことが一部で言われておるわけです。しかし、逆に、この三井三池炭鉱閉山に伴ってむしろこれまで以上に、我が国の将来のエネルギー事情を展望すれば、そのエネルギーの安定供給から、今後の石炭政策、いわゆるこの二つの現存する炭鉱の存続の必要性という議論が出てきたことは、私は注目に値するものだと思っております。  したがって、以下お尋ねをしてまいりますが、電源開発調整審議会での、国内の一般炭の需要は、電源開発計画によりますと、これから十年、今五千七百万トンが十年後には一億トン強、約二倍になる。一方、海外の需要も、アジア地域の発展に伴って、あの中国が、二〇〇〇年、平成十二年になりますが、二〇〇〇年からは石炭の輸入国に転じる予測というのも出ておるわけです。しかしやはり需要は増大傾向にあるのは明らかであります。  また、最大の輸出国である豪州、オーストラリアにしても、供給先を、今日までは日本を主にしておりましたけれども、この国も、日本のみならず多角化をする傾向にもある。したがって、安定供給と言われておった情勢が、今後不安定、不確定要素が大きくなってくるのではないか。  そういう場合を見ると、私は、石炭の安定供給を図るための対策は今ぜひ必要ではないか、こう思っておりますけれども、エネルギー庁の御見解をこの際聞いておきたい。
  35. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 まず石炭についてでございますけれども、これは一次エネルギーの供給の一七%を占めているわけでございまして、基幹的なエネルギー源として非常に重要な役割を果たし続けるというふうに認識しているわけでございます。  現在、三池閉山もございまして、石炭生産が減少いたしまして、その供給のほとんどを海外からの輸入に依存するという状況にあるわけでございますし、他方、御指摘のように、アジア地域経済発展に伴いまして需要が著しく伸びるという予想もあるわけでございます。その意味におきまして、海外炭の安定供給の確保というのは、我が国エネルギー政策上極めて重要だと私ども認識しているわけでございます。  このために、これまでも我が国最大の石炭輸入先でございます豪州におきましては、石炭資源の開発、輸入の円滑化のための支援、あるいは国内で培われました炭鉱技術を活用しまして、生産、保安技術の共同研究というようなものを実施しているわけでございます。さらに、今後石炭需要が急増すると見込まれまして生産の安定的拡大が急 務となっております中国、インドネシア等におきましては、探査活動への協力とか技術者交流を実施しているところでございます。  今後とも、こうした施策を推進することによりまして、石炭の一層の安定供給の確保に努めてまいりたいと考えております。
  36. 高木義明

    高木委員 石炭の安定供給、そのことがひいては日本の採炭技術を維持する、生かすという意味でも同様のことでございまして、ある資料によりますと、坑内掘りの対象埋蔵量の比率は、坑内掘りと露天掘りの対象でございますけれども、中国で坑内九三%、インドネシア八五%、非常に高いわけですね。中長期にわたっては、どんどん露天掘りから坑内掘りに入っていく傾向にもあるし、どんどん深くなってくる。  そういう意味では、これらの石炭の安定供給を求めるならば、やはり高度な、蓄積されたノウハウが必要であろう、こういう意味からも、現存炭鉱の釧路、池島、ここをその技術開発、技術維持の拠点にしていくことも非常に価値あることであろう、こういう思いが私はするわけでございます。この点についていかがでしょう。
  37. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 先生御指摘のように、世界的には坑内掘りが非常にふえる傾向にあるわけでございます。私どもとしましては、石炭の安定供給の確保ということと、世界第一の石炭輸入国としての責務という観点から、我が国の国内炭鉱技術を活用した国際協力を図ることは重要だというふうに考えておりまして、現に、豪州、中国、インドネシア等の産炭国から技術協力の要請が数多く寄せられておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、我が国の国内炭鉱で培われました世界有数の生産、保安等の技術を活用した共同研究とか技術者交流等の国際協力を実施しているというところでございまして、今後ともこのような技術協力を推進していきたいと考えているわけでございます。  なお、国内炭鉱のあり方に絡んで技術の位置づけをしていくということにつきましては、今後、石炭鉱業審議会を中心に、国内炭鉱技術の維持等の国内炭の役割を含めまして検討をしていくということにしているわけでございます。
  38. 高木義明

    高木委員 通産大臣にお伺いをしてみたいと思います。  大臣は、三月四日の本委員会におきまして、我が党の古賀一成議員の質問に答えて、石油、石炭、天然ガスの安定供給を図りながら、省エネルギーの推進、新エネルギーの導入促進、原子力開発利用の推進をしていくことが重要との見解を示しておられます。また、四月一日の本会議において、これまた我が党の古賀正浩議員の質問に答えて、「国内炭鉱技術の維持やこれを通じた安定供給の確保等の国内炭の国民経済的な役割と、それを支える負担がどのように均衡するのか、この問題は検討してまいりたい」とのことでございました。  いわゆる国民経済的均衡点の論議というのは久しく行われてきておりますが、その結論を待たずして三井三池炭鉱閉山をしたわけでございます。残る二山二鉱も非常に厳しい環境にある。しかし、その二鉱ともどもに、将来の埋蔵量あるいは生産設備、労使のそれぞれの自助努力、これは私は大変評価をするものがあると認識をしております。  今後の国内炭のあり方について、安定供給あるいは技術維持の観点に着目して、国による価格差補助等の是非を含め早急に検討して、将来展望を示すべきであろうと私は思っております。その点についてぜひ通産大臣にお答えを賜りたい。
  39. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 今、高木議員御質問のように、過去二回の委員会、本会議において、そのような発言をいたしました。  今の高木議員の質問の中にもありますように、まず大事なことは、これからのエネルギー政策、その中でもっていかに全体の中で石炭というものを位置づけるか、こういう問題から始まるわけです。確かに、石炭から石油時代になって、安いという価格の問題あるいは埋蔵量の問題からして、今また石炭が見直されていることは事実であります。しかし、同時にそれだけにやはり需要もふえてきて、御指摘のように中国でもインドネシアでも、今まではまず石油の輸入国、それからやがては石炭、こういうふうに推移をしてくるのでしょう。  その際に、日本がせっかく培ってきた技術、それがしかも日本の場合には露天掘りではなく坑内掘り、こういうことが専門でございました。また、世界で、豪州、中国においても、露天掘りから今度は坑内の方に変わってくる、こういうことですから、せっかく持っていた技術、これをいかにこれから生かしていくか。その技術というものを温存するために、残る二炭鉱の役割をそこに見出すのか、こういう問題があると思うのです。  ただ、一方、難しい問題は、石炭の持つ特性というか、今非常に地球環境問題ということが叫ばれているときにおいて、燃焼時に石炭から発生する多量のSOxだとかNOx、同時にまた、ほかのエネルギーに比べてCO2、炭酸ガス、こういうものの発生が大きいということもやはり否定できません。酸性雨、地球温暖化、環境への影響、こういうことをやはり考えなければいけない。  それで、そのためにこれから今の石炭というものを見直そう、また、技術というときに、同時に脱硫、脱硝技術、SOx、NOxを省く、そしてまた発電効率の向上等のクリーン・コール・テクノロジー、こういうものの研究開発をやっていかないと、やはり石炭というものの利用は大変な問題になってくるだろう、かように実は考えております。  そういうことで、先ほど申したような基本的な政策と同時に、やはりクリーン・コール・テクノロジーの研究開発、そして、日本の持っている今までの炭鉱技術あるいはこれからのクリーン・コール・テクノロジー、そうした技術というものの協力をアジア諸国に積極的に進めていきたい、かように考えている次第でございます。
  40. 高木義明

    高木委員 時間も参りましたので、最後に一点だけお尋ねをしておきます。  確かに、石炭の持つ性格から環境問題の克服が課題だと私は思っております。もちろん、その問題についても、このような科学技術の進歩でありますから、我が国は相当なノウハウも持っております。そういうものをあわせて考えますと、昨今のいわゆる動燃や「もんじゅ」の例を見ても、原子力行政というのが今国民の大変な不信の中にあるわけで、これは遺憾なことでございます。そういうことを見ると、やはり二十一世紀、嫌でもこの石炭エネルギーに環境問題を克服しつつ頼らざるを得ない。そういう意味では、これまで以上に例のエネルギーの安全保障という問題が、むしろ国の危機管理という立場から、そういう発想から、私は今物すごく見直されてきておると思うのです。  したがって、一たんつぶした山はもう二度と返ってこない。だから今私は、中長期にわたる日本のエネルギーあるいは世界の環境、エネルギー、そういう問題に照らして、ただ経済的な価格の喪失という観点だけで我が国の石炭を、国内炭のことを考えるのじゃなくて、存続の方向で検討をしていただく、こういうことを改めて、簡単で結構でございますから、決意だけ表明をいただきたいと思います。
  41. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 私の説明で委員が誤解をお持ちかもしれませんが、冒頭申したように、さきの委員会そしてまた本会議場でそのような決意のほどを述べた、その気持ちは変わりません。
  42. 高木義明

    高木委員 終わります。
  43. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 続きまして、岩田順介君。
  44. 岩田順介

    ○岩田委員 民主党の岩田順介であります。前回質問をさせていただきましたが、引き続きお尋ねをしたいと思います。  先ほどからもお話がございましたが、短期間の間に、大変心配されておりました労使関係交渉が妥結をいたしました。後ろにも安永会長初め石炭労協の方々がお見えになっておりますが、恐らく、今高木先生質問をされた、当面、今後の問題、石炭の今後の行方を心配しておいでになっているのであろうと思います。差し当たり、個々人の問題や各労働組合の要望はもっともっとあったに違いないのでありますが、御苦労なさいましたことについてはまず敬意を申し上げておかなければならぬと思います。  きょうは四月の十七日でありますが、二月の十七日に閉山提案がありまして、ちょうど二カ月ですね。もう一つ私は思いますのは、二月十七日の提案の前日の十六日まで、大牟田市長さんも荒尾市長さんも商店街の皆さんも商工会議所も議員も議長も十六日までは石炭の存続を言ってきたわけですよ。ですから、関係者が努力されて、あらかじめ対策されたことを私は認めますが、あらかじめ対策が十分いってないというのは、そういうところにあるのじゃないでしょうかね。  一番大事なのは、関係の団体等、市議会や市長さんの間はもちろんですが、いわゆる展望を持って大牟田に生きていこうとしている市民の皆さんが不安を持っていたということですよ。市長が連帯を呼びかけるというのは十七日からなんですね。これは間違っています。  今後そういうことが、二山しか残らない山ですからそうそうあっては困るけれども、これは私の反省と同時に、反省にしていただきたい、かように一点は思っております。時間が余りありませんからこれ以上のことは申し上げませんが、大事な点だろうというふうに思います。  これから先の有明地域熊本福岡を含む有明地域の展望は、いわゆる関係者と政府の一体感があれば展望があると私は思います。非常にあると思っております。当面の問題は雇用問題でありまして、大臣も一生懸命やると御答弁いただいておりましたが、残る問題はたくさんあります。引き続きお願いをしたい、このことだけは申し上げておきたいと思います。答弁は要りません。  それから、通産大臣に、前回も若干申し上げましたが、三井の資本グループ三井グループの責任は重たいですね。ここに第一にかかってくる。それがないなら、通産省だって政府だってやれないでしょう。私は、指導ということになるのか、環境整備を含めて通産大臣に期待するところが大きいというふうに思いますが、このことと、いわゆる連絡会議が行われておるというふうに聞きます。次回は近々だと聞いておりますが、大牟田をどうするか、荒尾をどうするかということで具体的な案がそろそろ煮詰まってくるのじゃないかというふうに思いますけれども、連絡会議の現状と今後について、決意を含めて通産大臣にお聞きをしたいと思います。
  45. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 岩田委員にお答えいたしますが、今御指摘のように今度の閉山というのは大変大きな問題。それで、一義的にはもちろん雇用者、雇用の人に対することで、我が省としては閉山交付金の支給、労働省の方としては黒手帳、緑手帳、この方はうまくいったのですが、要は、やはり地域そして雇用問題にも大きく関係してまいりますが、大牟田だとか荒尾とか、あの地域の一番中心となっていた三井というものがなくなったわけですから、それははかり知れない影響があるということはもう否定できません。  それで、今の御指摘の、事務的な話をいたしますと、閉山労使の話し合いが妥結して、早速次の日でしたか、たしか三月の十九日だったと思いますが、各省庁から成る産炭地域振興関係各省庁等連絡会の特別会合を開きまして、私、出席しまして、こういう事態になったのだということで各省知恵を絞ってくれという問題を指摘しました。そして、その一回目が四日にございまして、この二十三日に、ある程度のどういうふうに各省検討したか持ち寄ってまいります。  それと同時に、やはりいろいろな問題で、まずその中においても、先ほど御指摘のように三井グループ三井のこの二社とグループの全体、これも大きい、それはもちろんですが、それにも限界がある。地方の自治体、これもやはり協力してもらわなきゃいけない。政府も一体。だから、大げさに言うと、政官業の癒着が問題になっていますが、癒着ではなく、これが協力して、業界がしなければやはり地域の振興は図れないだろう、こう思っております。これからそのように取り組んでまいります。  実は、岩田委員、この間私の方にも地域対策について、民主党ということでおいでになりました。そのときに私も申し上げたと思いますが、この問題はそういうふうに、みんなですから、当然やはり政党の中においても垣根がない。どの政党の陳情だからこれはだめだとか、我が党でなければ、与党でなければと、こんなけちな気持ちではできない。まさにこれは超党派で皆様方にも取り組んでもらいたい、こういう要望でございます。  具体的に、あのときにもやはり遊休地をどうするかとか、そして、中の三井鉄道の撤去の問題、もっともだと思います。今申したように、これも各省庁、関係者とやはり連絡しなければと思って、こういう方面も進めてまいりたい、かように思っております。  決意をと言われるので、一言お答えいたしました。
  46. 岩田順介

    ○岩田委員 大臣おっしゃるように、自民党それから新進党、私で三人目になりますが、この問題に限っては政党間のバリアフリーでいきたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと存じます。  私が質問しようと思っていたことについて幾つか先にお触れいただきまして、助かるのでありますが、三井グループの方も、労使交渉が妥結をしたわけでありますから、今後は地域対策に本格的に対処されるであろうと思います。それから政府の方も、各省庁が何ができるかということが出そろった体制ができるというふうになりますね。ありがたいことでありますから、ぜひ進めていってもらわなきゃならぬ。  それで、自治体の方も、県境を挟んで両県、両市がきっちりいくという体制ができつつありますね。それから地元の要望も大体一本化しつつあります。これは要望ですけれども、ばらばらの対応を政府がするということは困るんですよ。したがって、商店街の要望であるとか漁連の要望であるとかというのは市長さんがまとめるでしょう。町長の要望も大方、荒尾市と大牟田市の市長さんがおまとめになると思いますが、そうするとほぼ一本化するわけですよ。地元対策は一本化して、国とばらばらじゃなくて、何日も何日も陳情することがないように、地元はそんな暇ないんですから。通産大臣、ぜひともこれは肝にとめておいていただいて、まとまるというか、いわゆる統一対応ができるように、ひとつ長官それから部長によく御指示をいただいておきたいというふうに思っております。これは要望です。  それから次の問題でありますが、三井石炭所有の学校用地が、三井の社長の発言では無償譲渡を検討ということになっておりますが、これは非常にいいですね。三井さんはこれぐらいはしなきゃいかぬ。どんどんしてほしいというのが私の気持ちですよ。これをどういうふうに誘導するか指導するか、細かなことはこれ以上言いませんが、これを通産省にぜひお願いしたいというふうに私は思っています。  つまり、港湾の問題も出ましたけれども三井三池の今後というのは一に土地にかかっているわけですよ。そして、北海道のこれまでの閉山を見てみましても、その後の展開が地域発展としてうまくいっているところは、旧石炭社が当該自治体に無償譲渡をやった例がありますね、かなりありますが、これはうまくいっておるんですよ。率直に言って、大牟田もこういう状況ですから、貧乏と言ったらしかられるかわかりませんけれども、そう財力はない。荒尾も脆弱な財政状況だと僕は判断します、不交付団体ではないのですから。ぜひ私は無償譲渡をしてほしいと思うのでありますが、土地の提供がまずは地域発展の要請であるというように思います。これは確認することもないと思いますけれども、いかがでしょう。
  47. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 御指摘のように、三池地区の地域振興を図るに当たりましては、三井鉱山グループが保有する広大な土地につきまして、地元地域振興のための計画との整合性をとりながら、その有効活用が図られることが極めて重要だというふうに私ども認識いたしております。  昨日でございますが、三井鉱山グループ大牟田市は、炭鉱関連施設の取り扱いあるいは土地利用等についての協議会を設置したと聞いておりまして、先生御指摘のような問題につきましても、グループの保有する土地の取り扱いということで、この中で議論がされていくものと聞いております。  通産省としましては、グループに対しまして、地元自治体と誠意を持って話し合っていくように今後とも指導してまいる所存でございます。
  48. 岩田順介

    ○岩田委員 三井の遊休地がどれぐらいあるかというのは調べておりますが、ここでは申し上げません。膨大な土地がございますね。担保に入っているということも存じておりますが、三井も、北海道のこれまでの炭鉱の閉山と違って、あそこで三井を残して事業展開をするというふうにおっしゃっていますから、全部よこせなんということを僕は言っているわけじゃありません、共存共栄を図っていただきたい、常識の線をぜひお示しいただきたいというふうに思っているわけですから、何もいわゆる遺恨があって言っているわけじゃないので、ぜひ通産省の仲立ちをお願いしたい。そして、自治体への譲渡になると思いますけれども、将来展望に向かって、ひとつ自治体との協議をしていただくようにお願いをしたいと思います。  もう一つ、それに関連して具体的なことでありますが、二月二十八日に大牟田三池鉄道跡地利用協議会というのができております。これは地元の商工会を中心に、これを要望しておった各種団体が一堂に会しまして、要求が一本になりました。  先般大臣にもお話をしておりましたが、町の真ん中を南北にJRが走っておりまして、それを三井鉄道が横切っているわけで、これまでも市街化計画だとか都市計画の最大阻害要因がこれだったんです。JR線は近々アンダーグラウンドという計画がありますが、残るこの三井問題ですね。要望されているいわゆる市街化に該当するレールの長さが千三百メーターですか、一・三キロぐらいですね。ところが、あれは築堤になっておりまして、底地面積が、下の幅が長いところは二十メーターぐらいあるんです。大変な土の量になりますし、面積になりますが、これは当面、将来ともそうですが、展開するに当たって一番大きな要素になっております。  これは二月二十八日、市議会で可決をされております。そして、通産大臣もお聞き及びと思いますけれども、近々ミスターマックスが地元に大展開するんだそうですよ。それから荒尾にも大店舗ができる。それから、これは唐船というんでしょうかね、大牟田ダイエーができる。それから南関にオービルパビリオン。次々に大型店舗が展開をされる予定になっておりまして、これは何としてでも、有償、無償をここでは私は言いませんが、これに限って早急に結論を出すように、展望を与えていただきたいと思うのですよ、大牟田皆さんに。死活問題、市民を含めて死活問題だというふうに私は思います。  これについて、先ほど土地問題でお答えをいただきましたが、ぜひ、大臣にも先般このことについて申し上げておりますが、いかがでしょうか。
  49. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 三池鉄道につきましては、御指摘のとおり、鉄道の敷地が一部市街地を分断するなど、今後の地域開発にとって何らかの阻害要因になる可能性もあるわけでございます。一方、地域振興に鉄道敷地を活用すべきというような御意見もあったりしまして、いろいろな御意見があるわけでございますが、御指摘の阻害要因になっているという箇所は、新栄町と大正町との間に位置する軌道が撤去された土堤の部分と考えられると思いますけれども、この土堤には排水管とかガス管とかあるいは工業用水管等が埋設または土堤と並行して敷設されておりまして、これをどう撤去するのか、その場合には費用の面とか技術の面とかいろいろ検討が必要だというふうに地元からは聞いております。  したがいまして、大牟田市の方におきましては現在実情把握に努めておりますが、当省としましては、いずれにしましても、今後大牟田市と跡地を所有します三井石炭鉱業等が検討、調整を行いまして、その後適切に対応したいと考えております。
  50. 岩田順介

    ○岩田委員 今部長がお答えいただきましたように、大正町だとか昭和町だとか銀座通りだとかさまざま要望がありまして、これは一本化したということを申し上げております。一本化したから、議会ではそれぞれ思惑があったものが全員一致で可決をされた、こういうことですから。  それから、価格の問題をどうするか、譲渡の方法をどうするか、ガス管や水道管をどうするか。これは技術的な問題と財政的な問題、簡単な問題とは言いませんけれども、この大牟田の一大状況であります。戦後というか、最後の大閉山ですよ。これは重く受けとめてほしいというふうに私は重ねて申し上げておきたいと存じます。
  51. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 今の話は確かに重大だし、実は先ほど答弁しなかったのも、委員の口から有償、無償という話が出たので、これは検討の余地はあるなと思いました。いずれにいたしましても、速やかに結論を出さなければ地元が困ると思いますので、その点は責任を持ってやりたいと思っております。
  52. 岩田順介

    ○岩田委員 以上で終わりますが、労働大臣質問を申し上げる機会がございませんでしたけれども、意見を申し上げて、御答弁があれば一言御意見を賜りたいと思います。  高齢化社会です。私は産炭地筑豊の出身ですから厳しく体験をしてきておりますが、旧産炭地はいち早く高齢社会を迎えて、二八%、三〇%という高齢化の中を走っているわけです。これは農村地帯の過疎も同じでありますけれども、つまり高齢化社会の問題というのは雇用問題ですね。これは裏表の話です、高齢化社会は。  なぜ産炭地が疲弊をして高齢化社会を五歩も六歩も先を歩いたかというと、若手が流出をするからです。冒頭私は、大牟田も展望がなくはないと申し上げましたが、これは連絡協議会で一名でも十名でも多くの労働力が現場で確保できるようにお願いをしたい、こういう観点から、先ほど労働問題で御質問がありましたが、一層の労働大臣の御協力、御尽力を賜りたい、こういう意見を申し上げておきたいと思います。  以上です。
  53. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 続いて、児玉健次君。
  54. 児玉健次

    児玉委員 日本共産党の児玉健次です。  昨年の暮れに、私は三井三池鉱に入坑してまいりました。これは私にとっては二度目で、幾つか炭坑に入りましたが、本当にスケールの大きいすばらしい炭鉱だ、こう改めて去年の暮れも痛感しました。それが閉山したことが残念でなりません。山を長く育ててきた地域にとって、ある炭鉱が消えてなくなる、そのとき、雇用受け皿として炭鉱にかわり得るものはない、これが私のおります北海道での幾つかの閉山の経験から明らかですね。  それで、労働省としては大変な御苦労をなさっているわけですが、今炭鉱離職者に渡されている雇用保険基本手当、そして黒手帳、緑手帳、それぞれの金額は、私は十分だとは思わない。しかし、今提示されている求人条件と、例えば黒手帳の日額五千八百九十円、それらを突き合わせたときに、それを上回るだけの求人がどれだけあるか、しかも地元で。この問題は、大きな波紋を地域で呼んでいると思います。  そこで、私は労働省、特に労働大臣に要請を兼ねてお伺いしたいのだけれども、黒手帳の三年間、緑手帳の二年間、山が閉山するとき皆さん努力がそこに集中するというのは当然のことですけれども、同時に、これらの手帳の期限が切れる時期にわたって息長く、親身の努力を続けていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  55. 岡野裕

    岡野国務大臣 今のところ、先生のお話にもありますが、三井三池鉱業所及びその関連下請離職者皆さんは数えて一千三百八十四、こういうことになっております。今の雇用対策は、この皆さんを全国ネットワークの中で可及的に近隣地域で何とかアクセスをさせたいということで鋭意やっているわけでありますが、しかし、閉山経済的な影響がこれから市街地にもだんだん出てくる、商店街の皆さんにもお目にかかりましたけれども、その声が非常に強うございました。  したがいまして、今の数がどういうふうな形で、どういう分野でふえていくか、これをじっと私はにらみながら、それに応じた対策を練っていこう、そういう意味合いで、大きく広く特定地域というようなものを指定し、そして先生お話しの黒手帳、緑手帳、幾層かで雇用対策を積み重ねて、最大限、精いっぱい、その効果というものを発揮させたい、こうこいねがっているところであります。
  56. 児玉健次

    児玉委員 御努力お願いします。  通産省、通産大臣に対して次にお聞きをしたいのですが、三井閉山の時期、先ほどお話もありましたが、電気事業連合会が国内炭の引き取りについて一定のことを意思表示をしたというふうに報道されております。このことで通産省とどんな折衝があったのか、示していただきたいと思います。
  57. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 私どもは、電力業界とは、基準炭価を決める際にいろいろすり合わせをするわけでございます。平成九年度の基準炭価については、来る四月二十五日の石炭鉱業審議会、さらに五月十三日の石炭鉱業審議会を一応予定いたしておりますが、その中で議論をしていくということでございます。  それで、この三井三池閉山それ自体につきましては、会社が対外的にもその理由として挙げておりますけれども、例えば経済的な炭量の枯渇でございますとかあるいは累増する赤字等によって閉山のやむなきに至ったということで、直接その九年度の炭価がそれに影響を及ぼしたというふうに私どもは考えていないわけでございますし、また先ほどお話がございましたように、貯炭につきましても、電力業界についてはいろいろなお話があると思いますけれども、快く協力をしていただいたということでございます。  いずれにしましても、電力業界につきましては、現在のポスト八次策といっておりますが、この政策の期間内においては当然応分の負担をするという考え方のもとに御協力をいただけるものと私どもは思っております。
  58. 児玉健次

    児玉委員 問題はその後ですね。二〇〇二年、二〇〇三年、そう先の話じゃありません。  それで、これは通産省、特にエネ庁の全体的な認識を伺いたいんですが、電力の石炭消費量というのはこの後ふえていくだろうと思います。九五年の段階で、私の承知しているところでは、石炭の消費量、先ほど大臣のおっしゃった、海外炭が圧倒的ですからSOxもNOxもほとんど海外産のものなんで、日本のものも減らしていかなきゃいけないけれども、四千百十三万トンだった。対前年比八%増、相当なテンポですね。この後石炭火力をさらに大きくしていくという計画で、二〇〇三年には三千九百七十八万キロワット、石炭の消費が七千二百七十万トン。これは大変な量ですね、日本で石炭を一番産出していたときで五千万トン強ですから。火力業界だけで、一九六〇年代の後半、七〇年代初期にかけての最も掘っていた時期より多い部分を消費することになる。  そういう中で、アジアの石炭の消費量、これはまたドラスチックな変化をしていますね。七五年が四億六千八百万トンであった、九三年には十億六百二十九万トンになっているようです。そういう中で、日本が、最大の産出国である中国が近く輸入国に転じようとしているときに、一つの有力な炭鉱が幕を閉じた。その意味でも残念でしようがないんですね。  このアジアを中心とした石炭の需要をめぐる急激な変化、その点について通産省はどういうふうに理解されているでしょうか。
  59. 江崎格

    ○江崎政府委員 アジア地域全体の石炭需要の見通しでございますが、現在におきましても、アジア地域においては石炭というのは、日本それから周辺国含めましてかなり有力なエネルギー源になっております。今後十年、二十年というスパンで見ましても、石炭というのは、特に中国、インドネシア等におきましては、恐らくエネルギー需要の半分以上を占めるかなり有力なエネルギー源という位置は変わりないものというふうに思っております。  それから、日本におきましても、今後とも有力な発電源として、少なくとも二〇一〇年ぐらいまでの私ども見通しを持っておりますが、その間におきましては、これまた非常に重要な位置を占めるものというふうに理解しております。
  60. 児玉健次

    児玉委員 そういう状況の中で、三井閉山が実施に移される、その直前の時期に、電気事業連合会がある意向を表明したという報道がありました。私は、それを見たときに、ちょうど十年前のことを思い出さざるを得なかったですね。  一九八六年の四月七日に、国際協調のための経済構造調整研究会、そこがいわゆる前川レポートを発表しました。この中で、海外炭の安定供給のことについて非常にストレートな提起がされておりました。そして、五月の八日に、第八次石炭政策を検討していた石鉱害が慌ただしく中間報告を示す。そして、五月十四日に、アメリカの下院本会議が、日本が米国に輸出する鉄鋼を生産するのに必要な原料炭に見合う原料炭をアメリカから輸入するようにという包括的貿易改正法案を可決しました。  そういう急激な変化があった直後ですよ、鉄鋼大手が、それまで通産省とよく話し合って安定して維持してきた、原料炭輸入量の五%以上に相当する国内原料炭を引き取ることについて、これを一方的に三%に下げてしまった。それから、基準炭価が決まるまでは前年度の炭価で仮払いするという、これまた確立されてきたやり方を一方的に破棄してしまう。そのことが国内の原料炭の生産を極度に困難にした。  この経過について、通産省、確認できますね。
  61. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 これは別に議論するわけじゃございませんが、私の経験で申し上げたいのは、今、製鉄の使う原料炭の話が出ました。私はこれの買い付けを実は五年ばかりやっておりまして、なぜ外国から買わなくなったのか。当時のコークス技術というものは、道炭なりそしてまた筑豊系、この二つのものと、アメリカのウェストバージニア州から出る強粘結炭、これのブレンドでもっていいコークスができるという定説だったのです。そういうことで、御存じのように、石炭と製鉄会社の結びつきは非常に強いので、石炭の出るところに製鉄会社ができた。八幡が筑豊にでき、そして室蘭に富士が行った。こうした歴史があるわけです。そこで、それがなくなったというのは、アメリカ側もそうですが、量的にもう日本でもって良質な石炭が出なくなったということから、そしてアメリカの方も寂れてきた、こういうことです。  それで、この認識は、実に今おっしゃるのがと思いますのは、先日アメリカのロックフェラー上院議員が来ました。そして、石炭を買ってくれという話でした。通産省の方から私聞いて、これは買えない、我々は知っているからといって私の話をしましたら、ロックフェラーさん、一言もございませんでした。どうもその辺でもって、本当の現場というか実態をやはり通産省のエネ庁も知らないし、アメリカも知らなかったという一例ではないだろうか、こう思っております。  今の委員の御質問の点は政府委員にさせますが、私の言いたいのはそれだけでございます。
  62. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 鉄鋼業界が引き取りをやめたときの経緯でございますけれども、当時、昭和六十一年ごろでございますけれども、鉄鋼業界は極めて経営状況が悪いということで、もはや国内原料炭を引き取ることはできないということを強く主張したということでございます。既に、国内原料炭の購入に当たりましては、したがいまして海外炭並みの価格で支払うというような状況にあったと聞いております。  ただ、構造調整過程にございました国内石炭産業につきましては、それにも増して厳しい状況にあったということでございまして、当時、通産大臣のイニシアチブのもとで、石炭鉱業審議会の中に両業界と中立的な委員から成ります七人委員会を設置しまして、原料炭の問題を審議することになったわけでございます。  本委員会等による両業界間のぎりぎりの調整によりまして、最終的には昭和六十一年度の基準炭価を千円引き下げる、それから鉄鋼業界による引き取りを平成二年度にかけて漸減するという方針が示されることになったわけでございます。  それが経緯でございます。
  63. 児玉健次

    児玉委員 佐藤通産大臣が原料炭の輸入の任務に当たられていた、私もああそうだったと思って、これは伏兵があらわれたと思っておるんですが、あの時期の経過というのは、一方では、さっき申しましたアメリカ下院の包括法案の成立、そして今石炭部長がおっしゃった、確かに鉄鋼の経営が困難だということはあったけれども、しかし困難であるからといって、それまでの割り当て、一般炭については二〇%、原料炭については五%、それを一方的に破棄する理由はない。この点は、当時この委員会でも随分厳しい議論をいたしました。  そして、その後、例えば三井にしても北海道の幾つかの山にしても、原料炭の引き取りがなくなったものだから、わざわざカロリーを引き下げるブレンドをやって、そのことが一般炭の山や原料炭をつくっていた山を困難にしていく。この経過についてはもう繰り返すまでもないです。  それで、先ほど述べたような大きな背景の変化の中で、日本の電力業界にとってもこの後火力発電の規模をさらに拡大しようとしているとき、石炭の供給を安定させるために国内炭の生産をどのくらい確保していくか。その比率はわずかですよ。さっきの二〇〇三年の七千二百七十万トンを見た場合に、二つの山が今出している三百万トンは、七千二百七十万トンの中の四・二%でしかないですよ。九六%は外国からのものですね。そういう状況の中で、少なくともこの四%に当たる部分についてはとりあえずしっかり確保していく。そのことについて、通産省が電力業界をも適切に指導されながら、日本のあの石炭産業の火は絶やさない、その点で私は大臣の御努力を強く要請したいのですが、いかがでしょう。
  64. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 私も、若干誤解した面がございまして、舌足らずな面があったと思います。今の話は、残る二つをどうするかというお話だと思うのです。  先ほど実は高木議員にもお答えしたので、あのときにも舌足らずかなと思ったのは、後から、高木議員の御出身が長崎であった、児玉委員は北海道である、問題になっているのは北海道と長崎にある、こんな認識でございますが、最終的に言えば、どうするかというのは、やはり石炭会社の経営問題として会社自体が判断すべきことだと思います。その前として、今のように石炭に対する通産省の政策いかん、こういうことでございますけれども、それは言うまでもなく、現行の石炭政策の中でも決まっておりますが、この二炭鉱に関しては、構造調整努力支援してまいりますという一言に尽きるわけです。  ただ、先ほどから申しているのは、この炭鉱だけでは日本の石炭を全部賄うわけにいかない。海外から持ってくる。そのときに、やはり一部で残せということだろうと思います。そのときの受けとめ方として、今までの持っているその技術、それをアジア諸国、そして産炭地に対しても教えるべきである、こういうことで、実は前のときに議論として、少ない炭鉱というものを、そうした研究開発、掘削の、また採炭の技術を残すために売らないでなるべく長持ちさせてというふうな御質問もありましたので、その話と若干混同したかもしれません。そういうことでございます。
  65. 児玉健次

    児玉委員 エネルギーの問題は、食糧とともに、自給のために最大限努力するということは、民族的な自立の基礎だと私たちはいつも思っています。今、佐藤大臣の御答弁にもありましたけれども、あと二つしかありませんね。最大限掘って年千三百万トンですよ。そして、全体の需要は一億トンをはるかに超している。  そういうとき、この残っているわずかの部分をどう維持していくかというとき、二つの観点があると思います。  一つは、コストの観点のみで論じてはならないという点です。なぜかというと、それは二つ目のことと関連する。必ず日本国民は、日本に存在している豊富な埋蔵された石炭を、やがて積極的に開発する時期が来ると思うのです。そこに向けて二つの山が残っているということの意味がどれほど大きいか。これは九州と北海道だけの問題じゃありません。日本全国の問題だと思いますね。それが残っているか残っていないかで、私たち日本国民にとって貴重な宝である石炭資源をこの後再び積極的に日本国民が活用していく種火があるかないかの違いになるわけですから、その観点を私は通産大臣にぜひ御理解いただきたいと思うのです。  以上、いかがでしょう。
  66. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 今御指摘のように、これは長い歴史があって、今残っているこの二つの炭鉱が、これはこれでもって大事な意味合いがあることはそのとおりでございますが、一つちょっと気になって、委員の御意見に逆らうわけではございませんけれども、今まで閉山した炭鉱が全部復活できるかというと、これははっきり言って無理だと思います。これは私自身、民間会社のときから通産行政を批判する中において申し上げていたのは、水没図を完全に保管していないという最大の欠点がある、かように実は思います。  そういうことで、これをある程度系統立てて申しますと、やはりこれからの国内石炭鉱業のあり方の検討というのは、先ほどから申し上げるように、今エネルギー全体の中で石炭をどういうふうに位置づけるか、そしてまたアジア地域の石炭需要等を踏まえながら、国内炭がエネルギー政策の中で、炭鉱技術の維持、その活用を通じた安定供給の確保、こういうふうに、どういうふうな役割かということでございますので、そういうところの視点から、やはり関係者の意見も聞いてこれから議論していかなければいけないだろう、かように思います。こうした視点から、早急に、石炭鉱業審議会の場を中心に、今のように需要家、電力とか鉄鋼とか、やはり広くそういうところの意見も聞きながら議論を深めてまいりたい、かように思っております。  また、先ほどから申したように、やはり石炭会社が構造調整の努力をしながら、最終的には経営問題、こういうことになると思います。
  67. 児玉健次

    児玉委員 時間ですから終わりますが、一つだけ、誤解があったらそれは解いていただきたいのですけれども、一遍稼行していて閉山した山をその坑道に沿って再開発ということを私は言っておりません、それはむしろ新しいところを掘るより困難が多いので。日本、特に北海道や九州に存在している新たな最も適切な炭層を掘り当てていくことに今後日本はなっていくだろう、そう考えていることを述べて、私の質問を終わります。
  68. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 続きまして、中西績介君。
  69. 中西績介

    ○中西(績)委員 限られた時間でございますし、多くの皆さんから質問がされておりますので、二、三の点について意見を求めると同時に、意見も差し挟ませていただこうと思っています。  両大臣並びに行政の皆さん閉山問題に対する対応、特に企業に対する指導あるいは提言等、真摯なこの対応に対しましては敬意を表したいと思っています。  そこで、雇用問題についてでありますが、退職条件など労使間の交渉結果、これは両大臣の二回にわたる三井鉱山、石炭両社長に対する要請あるいは指導等もありまして、期待に近いもので妥結するに至ったということは大変よかったと思います。しかし、困難なのはこれからでございまして、雇用問題あるいは地域対策等の問題をどのようにするかがこれからの課題であります。  そこで、労働省から、四月十五日現在の雇用状況あるいは就職希望者の状況等についていただきましたけれども、四月十五日、求職申込数が千二百九十一人、三月三十日、解雇者数千三百五十九人になっておりますが、アンケート実施結果などを見ますと、千二百七人中、地元希望者が千百三十人、九三・六%、訓練受講希望者が七百六十四名、六三・三%となっています。  企業が手がけた求人数は、お聞きするところでは四月五日現在で三千三百八十四名ということになっておるようでありますが、その内訳が私は問題だと思っています。  当初、私お聞きしたとき、千七百人については全部一人ずつ精査しました。その後やられておりませんけれども、通勤圏域が何人で、四十五歳以上、今度いただきましたこの資料では約五〇%以上になっておりますから、これはわかりますけれども、さらにまた賃金分布がどうなっているか、こうした、今企業側がこうして集められた求人数について分析された資料があるのかどうか、この点どうでしょう。
  70. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 ただいま先生お話しございました会社が用意いたしました受け皿雇用の数でございますけれども、四月十五日現在、直近の数字では全体で三千四百八十七名というふうに承知をいたしております。これの地域別数字、あるいはまた年齢別の分布につきましては、先生先ほどお話しございましたとおりでございますが、例えば賃金水準とのクロスした集計の数字というのは、今のところ私どもは持ち合わせておりません。  これまでいろいろな機会をとらえまして、雇用受け皿確保につきましては、離職者が非常に地元志向が強いあるいはまた年齢が高いということで、会社側に対して実効ある地元雇用機会の拡大に努めるように要請をしてきたところでございますけれども、今後とも、いろいろなそういった状況も分析しながら、特別求人開拓といったようなものに取り組むとともに、あるいは求人要件につきましても緩和指導といったようなことを行いまして、早期就職に努めてまいりたいと思っております。
  71. 中西績介

    ○中西(績)委員 そのような分析をされておらないとなると、これはちょっと恐縮ですけれども、四月一日、本会議での通産大臣のこの報告内容の中に、去る二月十七日、会社側から三点、もう申し上げませんけれども、これを理由にいたしまして、千七百四十四名分の再雇用確保した上で三月三十日をもって閉山する旨の提案が行われたという報告がされております。その後、三月十八日には、とずっとございまして、閉山の合意に至ったのであります、こうなっております。  そこでお聞きしますが、この分析の結果が、本当に再雇用確保したということが言える中身になっておるかということが私は問題だろうと思って、ここでお聞きするわけです。三月三十日のこの閉山提案内容が本当に、分析した結果は、さっき申し上げましたように地元志向それから高齢者等々を含めまして、再雇用確保した上でという言葉が使えるかどうか。ここが本当にそうであれば、私は安心してもうこのことについて何も言いませんけれども、この点がどうなっておるかという点についてお聞かせください。
  72. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 お答えいたします。  三井鉱山グループとして雇用確保をいたしたわけでございまして、四月十五日現在で三千四百八十七人ということでございます。年齢的な分析もいたしておるわけでございますけれども、例えば四十五歳未満の方の累積で千六百八人ということでございますから、四十五歳以上で約千七百人以上のものがあるということでございます。  そういう意味において、マクロ的にはかなり需給がバランスしてあるわけでございますけれども、個別に見ますと、地元でございますとか、あるいは職種でございますとか、あるいは賃金でございますとか、いろいろ難しい問題がありますけれども、できるだけ離職者方々の御要望を聞きながら、そのマッチングに我々としても努めるということでございます。
  73. 中西績介

    ○中西(績)委員 私が言いたかったのは、こうした結果、まして正式に報告されたわけでありますから、一般的にはこの再雇用確保されたということが、皆さんから見れば、こんなにたくさん求人があって大体大丈夫じゃないかというのが先に立っていくのじゃないかということを私は恐れるわけですね。ですから、こうした問題等についてはできるだけ分析をしていただいて、企業側にむしろそうした点について向こう側からそうした問題を出させた上でやるくらいの、やはり精査した上でやっていただくということがこれから後も大事じゃないかと思うものですから、あえて質問をいたしました。  さらに、この十五日現在、速報によりますと、三月三十日以降継続の数が二百八十二名となっておりますが、その内訳、雇用期限などによって今後の就職などの関係がどのように報告されておるのか。わずかでありますけれども、やはり何か将来的にもまたこれが継続するような形で受け取られる可能性があるわけでありますから、この点についてどうなのですか。
  74. 坂本哲也

    坂本(哲)政府委員 地元安定所の調べによりますと、四月十五日現在、三井石炭鉱業三池鉱業所で二百八十二名の方が再就職対象から外れているといいますか、継続雇用等で残っておられる方もおられるわけですけれども、そのうちの百二十二名が残務整理要員ということで在籍をしておられるわけでございます。こういった方には、残務整理進捗状況に合わせてその時点でまた解雇者として出てくることになるわけですけれども、早ければ今後一カ月程度、遅くとも二年程度、この間に順次離職者として出てこられるというふうに聞いておるところでございます。  そういった方々につきましても、早期に再就職できるように、対策には万全を期してまいりたいと思っております。
  75. 中西績介

    ○中西(績)委員 ですから、これを見ましても、おたくから出てきた資料を見ましても、そのように考えますと、鉱山グループに帰る人だとか、あるいは残務要員で二年だとかというようなことになってくると思いますが、問題はもう一つ、新分野でどのような形でこれが採用されておるのか。この前もちょっと触れたのですけれども、新しい新分野開拓事業計画が実施をされておるわけでありますから、十二、新しく申請されたものについてはこれは間に合いませんけれども、今まであったものに今度はどれだけのものがさらに拡大されていくかということも含めて考えておかなくてはならぬと思うのです。  私はなぜこのように細かいことを言うかというと、やはり一名でも多くの人が自分の希望するもの、あるいは解雇された者が就職できる体制をどうっくるか。だから、私は企業皆さんには、私がもし社長であるなら、一名の問題であっても土下座してでも頼むと言ったのですよ。それくらいの気持ちでやらなければ、あなたたちの今の態度というのはなっていないということを指摘したのです。  ですから、そうした問題等を考えますと、この面がどういうふうになっておるかお答えください。
  76. 岡野裕

    岡野国務大臣 通産省からお答えがきっと新分野についてあろうとは存じますが、私は、先生がおっしゃるのは非常によくわかります。  私は、会社当局が三千有余のを出した、それを、こんなに厚いのでありますがずっと見てみました。私は職業に貴賎はない、こう思っておりますけれども、うんと遠いところのタクシーの運転手さんもどうだとかというような意味合いで、再就職口を確保したのではなくて、再就職先というものはこんなものがある、それをトータルすると三千何がしになるということだと、これではいただけませんよ。三井石炭鉱業三井鉱山は当然のこと、三井グループ全部が、これはそれぞれ軽重の差はあっても責任を持つのだ。  したがって、三井グループ挙げてひとつ再就職、一人一人が──私だって身の丈五尺二寸九分で、目方はまあやめておきましょう。そこのところは、この間話をしたのは、十着洋服を準備されて、浅野内匠頭みたいなものからボタンをしただけで窮屈で息ができないのまで、これまで着ろということではとてもではない。要するに一人一人が、一人でも多く自分の好みに比較的といいますか、合うような再就職口を準備したいということで、心根はそこへ向けてやっております。
  77. 中西績介

    ○中西(績)委員 そこで、通産大臣の同じこの四月一日の報告の中にありました、政府としては今後とも三井石鉱に対して云々から始まりまして、万全を期すよう指導してまいりたい、こういうお話がございました。そこで、関係各省庁協力のもとに、四月下旬までに地域振興対策を取りまとめ、引き続き閉山対策に遺漏のないよう期していきたいということがありますが、内容的にはこれはある程度まとまってまいりましたか。
  78. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 中西委員御指摘のように、四月二十三日、来週になりますか、そのときに産炭地域振興関係各省庁等連絡会というものを実は開催いたします。その場に各省が、三月十九日に私が各省庁連絡会でお願いしたその結論というか方針を各省別に持ってくるわけでございます。  その中には、雇用対策に万全を期すということも入っていますし、産業基盤の整備、新しい産業の育成、住環境等の都市機能の整備、まさに二十一世紀を展望した広範多岐にわたる地域振興策、こういうものを盛り込んでくるはずでございます。その話を聞きまして、また、これからの閉山対策進捗状況のフォローアップということで、必要に応じて県や地元自治体の出席を求めてこの連絡会を開催していくというわけでございます。  一方、地方自治体会社との協力体制ということでございますが、昨日、大牟田市と三井鉱山三井石炭鉱業が常設の協議機関を設置するということに合意したというふうにお聞きしておりますし、他の自治体との間でも同様な協議機関を設ける方向で調整が進んでおるとも聞いております。こうした協議機関を活用して、会社地元自治体が土地利用のあり方、炭鉱関連施設の取り扱い等について十分調整を行っていくこと、これに大いに期待しておりますし、また、地元関係者の要請があれば、そうした協議会の場に通産省としても適宜参加していきたい、かように思っております。
  79. 中西績介

    ○中西(績)委員 ぜひいち早いまとめをしていただきたいと思います。  それで、部長にお聞きしますけれども、筑後有明振興構想基礎調査委員会、これでこの前一応提言はされておりますけれども、最終的な報告はいつごろになってくるのですか。
  80. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 御指摘の筑後有明振興構想基礎調査委員会によります調査につきましては、大牟田市及び荒尾市を含みます筑後有明産炭地域の総合的な地域振興策について検討を行ってきたものでございまして、去る三月二十六日に緊急提言ということで、道路、港湾整備等の産業基盤の整備による企業誘致の促進、環境、新エネルギー、リサイクル産業等新産業の創出、住環境等の都市機能の整備等の地域振興の具体的な考え方を示したところでございまして、同委員会の最終報告書は、五月末に取りまとめる予定でございます。
  81. 中西績介

    ○中西(績)委員 先ほど大臣がお答えいただいたものとこれとの調整なりなんなりがまたこれから起こってくるだろう、こう思いますので、これをいち早くまとめていただくということを、これは全面展開するわけですから、ぜひお願いしたいと思います。  地方の皆さんが一番望んでおるのは、先ほどから皆さん御指摘ございましたように、特に私は、北海道なりあるいは筑豊の経験をしておるときだけに、新しいそうした構想でどう展開していくかというのが本当に当初からこれが出ていかないと、後追いみたいな格好になると、またぞろどうしても救済的なものにしかなっていかないという弱さを持っておるわけですから、思い切った政策を打ち立てていただいて、地域皆さんの要望なりにおこたえいただければと思っております。  時間がありませんので、先ほどから土地問題も出ておりましたけれども、今大臣お答えいただきましたように、自治体企業とのそうした常設の機関ができたようでありますから、そうなってまいりますと、国、県、そして自治体、さらに企業、こういうところが一体になってやれる条件が少しずつ整いつつあるということを感じますので、ぜひこの点について今後の指導を強めていただければと思っております。  最後に、環境問題を視野に入れるならば、これから後、石炭問題もさることながら新エネルギー政策をどうするかという問題が、ソーラー問題等含みまして今までよりも大分、倍々の予算がついてきたのですけれども、従来から一つの原子力発電所を建設するに当たって四千億もかかるわけですから、これくらいの金を投入してでもやりさえずれば、今コストが高いといってなかなか利用できないけれども半額になればペイするわけですから、こうした問題等について、やはり佐藤通産大臣のときに思い切った政策を立てていくべきだということを私は提言しておきたいと思うのですが、何かあれば。
  82. 佐藤信二

    佐藤国務大臣 全く中西委員と同感でございます。というのは、炭鉱が閉山になった、その地域に対する単なる救済策、これは余りにもちょっと考え方がみみっちいのではないだろうか。もう少し違って、まさに今我が国が内閣でも取り組んでいる経済構造の改革でも、やはり二十一世紀は今と違った考え方を持っていかなければだめなんだということになると、あの三井三池炭鉱が持っていた用地をいかに活用するか。具体的にいっても大ぶろしきになる、今のおっしゃるのに全く同感というのは、例えばエネルギー問題でも、それにかわるような新エネの開発だとかリサイクルとか、そういう一大的な大きいのでなければ、小さいのばかりを集めるのもいかがなものだろうか。そういうことでもって大いに頑張りたいと思いますので、中西委員を初めとする各委員のお力とお知恵を拝借したい、かように思って、答弁を終わります。
  83. 中西績介

    ○中西(績)委員 終わります。
  84. 鉢呂吉雄

    鉢呂委員長 以上をもちまして本日の質疑を終了いたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十分散会