○谷口
委員 今御答弁のとおり、表面的な問題だけではなくて、極めて構造的な問題である、こういうふうなことであります。
我が国の
経済は、振り返って考えてみますと、戦後早々大変な
経済的な
状況の中から
我が国の
経済は高度
成長をし続けてきたわけでありますが、そこにいわゆる政官財、鉄のトライアングルと言われるようなものがあって、官僚が、いわゆる規格型製品と申しますか商品と申しますか、こういうものを提示する。そういうようなことで、政官財、鉄のトライアングルの中でこれまで生産をし、輸出していった。そういう意味において、官僚主導型の啓蒙主義とおっしゃる方がいらっしゃるわけでございますが、そのようなことで高度
経済成長をいたしたわけであります。
しかし、この
経済も、欧米に肩を並べるような段階になって、どうも今までのような官僚主導型の啓蒙主義がうまくいかなくなった、こういうように言われておるところでございます。
成長率も昭和四十年代後半から低下してまいりました。
そういう状態の中にもかかわりませず、
財政は拡大をずうっと続けるわけであります。そのような
財政の拡大の財源を
増税に求めるというのは極めて難しいことでございますので、これが、財投、また国債の発行に財源を求めるというようになってきたわけであります。これも、右上がりの
経済が続いておる段階ではいいわけでありますが、バブルの崩壊とともに
経済が横ばいになり、従来ともう全く違う
経済状況になったときに、今までの財投の問題、また国債発行残高の問題が露呈化いたしてくるわけでございます。
まさにそういう意味においては、国、地方合わせて五百兆を超える借金の問題は極めて重要な問題であるわけでございますが、先ほど
自民党議員の方がおっしゃっておられました、また、鈴木先生がまたそれに対しておっしゃっておられた、
財政改革と
経済改革というのは、私は、私もさっき聞いておってこれはおかしいなと思ったんですが、決してトレードオフの関係ではないと。これは両方やらなきゃいかぬわけであります。
政策のプライオリティーから考えますと、むしろ
経済対策をやっていかないと、
経済対策をやって
景気を
活性化することによって税収がふえるわけであります。自然増収、税収がふえてくるということであります。一方、この
財政均衡理論をずっと推し進めてまいりますと、より一層
景気が沈滞化してくる。まさに今回のこの
特別減税の二兆円の打ち切りは、そういう観点で極めて重要な問題である、私はこのように強く訴えたい、このように考える次第でございます。
今、鈴木先生からお聞きしたわけでございますが、何かまた補足するようなことがございましたら、どうでしょうか。──わかりました。そういうことでございまして、今回のこの
特別減税については、表面的な問題だけではなくて、構造的に極めて問題があるということを先ほどの答弁で言っていただいたわけでございます。
次に移りまして、今回の
法案の
提案理由説明にもありますように、
消費税率引き上げ、
特別減税打ち切り、
社会保障負担引き上げにより九兆円の
国民負担の増加があるわけでございますが、この結果、
連合の
試算によりますと、
年収が七百万の
標準世帯で年間合計で十二万三千円の
負担増になる、このように言われておるところでございます。
私、先日、大蔵
委員会でこれはちょっと質問したのですが、最近、自己破産が急増いたしております。昨年は五万六千件を超えるような自己破産があったようであります。バブルが崩壊して大体七年間、集計しますと二十五万件を超えるようでございますが、このような自己破産の急増の
状況、この裏側と申しますか、これを見ておりますと、住宅ローンが払えないというようないわゆる生活困窮型の自己破産がふえておる、こういうような
状況でございまして、従来はいわば遊興型の自己破産、このような問題があったわけでございますが、昨年あたりの
状況を見ておりますと、生活困窮型の自己破産がふえておる、こういうことが言われておるわけであります。
ちょうどバブルのときに、将来は
年収も上がるだろう、そういうことを前提に住宅ローンを借り入れた。これが、御存じのようにバブルが崩壊して、もう
年収も減ってくるということで、ぎりぎりのその住宅ローンを返せなくて、我慢に我慢をして、ある例を見ておりますと、一時払えなくなって消費者金融に何年かその返済原資を借りるというような結果、結局払えないで自己破産をするというような四十代、五十代の生活困窮型の自己破産もふえておる。
経済の現状は、この国会で
話している以上に悪化しておるということを私は申したいわけであります。
そういう中において、今回、
橋本内閣は、従来どおりのばらまき
予算で、
歳出削減にほとんど手をつけておらない。一方で、先ほ
ども私が申し上げましたようなリストラであるとか賃下げで苦しんでいらっしゃる
勤労者世帯は、三つのパンチ、
トリプルパンチで大変な
状況になっておるというのが現状のようでございます。
自民党政権は
勤労者冷遇の
姿勢なんだ、このようにさえ言われておるわけでございますが、これに対しましてお考えをお述べいただきたいというように思います。