○林(義)
委員 時間もなんですから、私あえて今の問題を詰めません。この次の
審議の中でもう少し話を詰められれば詰めてまいりたい、こう思っています。
次に、三つ四つ問題がありますので、それをまとめて申し上げますので、それぞれのところからお答えをいただきたい。
まずは労働省の方ですが、実はこの
審議をするに当たりまして、労働問題をどう考えるか、
子会社と親
会社ができました、
子会社に労働者は雇われている、そういったときに、親
会社の方が
経営権を持っているならば、労働者が親
会社の方に対して文句を言うことができるのかどうなのか、これは
法律上の問題がありますよという御
議論があったのです。
最高裁の判例で、それは当然に応諾義務がある、こういうふうな話が出ています。出ていますが、それは
法律的にどういうふうに考えたらよろしいか、どういうふうなことをやったらよろしいかというような
議論がありまして、日経連と連合との間で話し合いをずっと進めてもらいました。そこで一応の
合意に達していますから、私はこの
合意は国会としては尊重してやるべきだろう。恐らく皆さん方もその点については御賛成だろう。もしも反対されるなら、その点についても反対だということになってしまうのだけれども、
合意をつけた、その
合意はやはり国会としても尊重してやらなくてはいかぬが、
政府の方はこの
合意について一体どういうふうに考えているのか。
労働法制を変えるということは、正直言ってなかなか大変な問題がほかにある。ありますから、どういうふうな形で、
子会社云々ができたときの労働関係をスムーズな形に持っていくか。やはり労働関係というのは戦後の民主的な法制の大きな問題ですから、これは真摯に取り上げていかなくてはならない問題でもあろう。しかし、
独禁法の中には労働法制を入れるわけにはいかない。これは全然別な話ですから、だれが考えてもそういうことだろう。この辺についてどういうふうに考えるか、その辺は労働省からお答えをもらいたい。
それから、あとこの
法律には、別に定める日までは金融関係
法律は別にいたします、こういうことで書いてある。この
独占禁止法の今度の
改正は、まさに
企業経営の
多角化を図っていく、そして国際的な
経営体制をつくっていく、そういったことが
一つのねらいでありますから、そういったような格好の中で、金融関係だけは別にするということを書いてあります。
これは、書いてありますのは、いろいろと
議論しますと、証券業界の中での
議論あるいは保険業界の中での
議論、銀行の中でも信託があり長期信用銀行あり、いろいろな銀行があって、それぞれのところで別々の
規制がある。本当は
持ち株会社をつくって、全部同じにやったらいい。特にこの問題は
アメリカの銀行
委員会でも、銀行
委員長の提案と
委員の提案と
二つあって、まだなかなか
議論ができていない。これは国際的な問題ですから、
日本の金融
持ち株会社法をつくる、金融関係法をつくるというのは、国際的にもやはり
議論が出てくる話だと私は思う。
日本は特に東京ビッグバンをやって東京で金をいろいろ運用する。
日本には千二百兆の個人資産があるのですから、その資産をいかにして運用するかというのは、これは世界も関心を持っているところだと思う。アジアの国だって関心を持っているところであります。
それをどういうふうな形でやっていくのか。いい東京金融市場をつくっていかなければならない、こう思いますので、私は、そういったものを含めて、金融
持ち株会社の関係あるいは金融についての
規制、今五%
規制というのがありますが、その
規制を一体どういうふうにしてこれからやっていくのか。今からやりますという話でありますからそれを待っていて言うのですが、今どういうふうな形で話が進められているのか。別に
法律で定める日だ、こう書いてありますから、別に
法律で定めなければいつまででもよろしい、いつまででもいいなどということでは、とてもじゃないができない。外為法は来年の四月からもうやろう、こういうことですから、ほっておいて何もやらなかったならば、外為法でじゃんじゃん外国の
資本が入ってきて
日本のせっかくの資産が皆つぶされてしまう、こういうふうな話にもなりかねないという話ですから、その辺をどういうふうに考えて今やっているのか。
それからもう
一つは、これも聞きたいのですが、金融
会社がほかの
会社について
株式保有を
制限される。確かに金融
会社がいろいろなところを持つということは問題はあると思うのです。あると思いますが、何でもかんでもほかのところを持ってはいかぬというような形でやるのかどうか、その辺についてどんな
規制をかけていくのか、特に建設業者についての問題を一体どういうふうにやっていくのか、この辺もやはり銀行法としてのあり方を問われるような話であって、
独禁法での
ルールの話ではないのではないかなと個人的には思っていますが、その辺、どういうふうに考えるのかということであります。
それから、ちょっと時間がありますが、商法の問題がある。あるいは税法の問題があります。これは今度企業会計原則を改める、こういうふうなことになっていますが、企業会計原則を一体どういうふうに改めるのか、それが
一つの大きな方向です。この
持ち株会社制度とすぐに結びついて、
持ち株会社をやったらこちらも必ずやらなければいかぬという話ではないと思うのですが、企業会計原則を国際会計原則にしていくということは、そのこと自体としてやはり
日本の企業会計の国際化になっていく、企業の国際化に役立つものだ、私はこう思いますので、その辺をどういうふうなことで考えていくのかということと、そのほかに諸
制度として、
株式会社を
設立するときに一体商法上の
規定が整備されるのかどうか。お互いの株を持ち合ったりなんかするときの商法上の手続がいろいろかかる、
株式交換によって
会社分割をするというのが商法上どういうことになるのか、その辺の
検討。
さらには、グループ
経営に対応して、株主とか債権者の利害調整をどうしていくのか。商法の
規定というのは株主保護であるし債権者保護なんですから、その
規定と一体——先ほど申しました
持ち株というような話で労働者のところの問題があるように、同時に債権者に対する問題も出てくると思うのです。その辺についての
検討をしてもらわなければならない。単にこの
独禁法をやっただけで
日本の経済がさあっと国際化、自由化されていくとは私は思っていません。そういった商法上の関係もいろいろとこれから
検討していかなければならない。この国会にすぐ出せなどということは私も言いませんけれども、私はそういったことを虚心に考えて国際化の
時代になるような企業体制をつくっていくことが必要だと思います。
そういったことと関連して、これも最後になりますけれども、税制の問題。分社化をしたときに一体譲渡益課税をどうするかというような問題、それから分社化をしたときの連結納税
制度をどういうふうにするのか。これまたそのこと自体で大問題だと私は思いますし、すぐにどうだということになりませんけれども、国際的にはこれは広く認められている
制度であります。
アメリカでもそういった
制度がありましたり、
ヨーロッパでもある。
特に、
日本の企業が今度
アメリカや
ヨーロッパに進出して向こうで
会社をつくる。その
会社をつくったときに今度向こうに税金を納めるのかね、こっちで税金を納めるのかね、親
会社が税金を納める、連結納税を親
会社がやります、しかし税金だけ
アメリカで払いますよというのは一体どういうことだねというような話にもなってくるのだろう。こう思いますから、そういったような点など、やはり整備を図っていかなければならない問題がある。これもできるだけ早くやった方がいいだろうとは私は思いますけれども、そういったような諸問題がある。そういったようなことをぜひ
検討してもらいたい。
労働省と
大蔵省の銀行局と証券局と主税局それから法務省、それぞれちょっと、簡単でいいですからお答えいただきたいと思います。