○砂田
委員 自由民主党の砂田
圭佑でございます。
大変難しい法律の話が続いて、皆さんも、お答えになる方も大変でありますし、伺っている方も大変じゃないかという気がいたしますが、私はまず自分の経験から少し
環境のことを申し上げたいと思います。
私は、神戸の中でも須磨、垂水、舞子という白砂青松の地で育ちました。子供のころは戦争中でありましたから、空襲警報の合間に海岸で日々暮らす、そういう生活をして大きくなりました。年がら年じゅう海に入って、我々は五月から十月ぐらい海に入っておる、そういう子供でありましたから、海の中へ潜っても水は本当に透明で、海岸に立っていましても足の先に魚が寄ってくるのが見えるという、そんな時代でありました。また、舞子の松並みはすばらしい自然の松並みでありましたし、六甲山の山々の緑も大変我々の
自然環境としてすばらしいものを提供してくれておりました。
大きくなって灘区というところに移り住みましたけれども、ここは自宅から一キロぐらい南側に神戸製鋼の工場がありまして、そこから毎日もくもくと煙が立ち上って、ベランダに干した洗濯物はすぐに黒ずんでしまう、そういうような中で育ちました。
したがって、
環境の変化とか悪化とかいうことを、特別意識はしませんけれども、子供心にも、少年、青年になってからも身をもって体験をしてきた、そういう一人でございます。それだけに、新しい法律ができて、そしてそこで我々市民の生活のために
環境アセスをやろうということはまことにありがたいことでありますし、もう一度あのきれいな空と海の水を取り戻したい、そんな思いからもこの
法案の成立にもろ手を挙げて賛成をするものでございます。
そういうような
地球環境、
地球全体、これはもう私ども神戸の空、海だけではなくて、世界じゅうの海や山がだんだんとそういうふうに、あるいは空気も変わってくる。そういうものが
人々を苦しめていくという
環境の中で、次に来る二十一世紀は
環境の世紀だとも言われている今日でございます。二十一世紀が
環境の世紀ということは、二十世紀は
環境が非常に悪化をして悪い世紀であったということも言えるわけでございます。今世紀の後半は、世界の
人々が文明の発達とともに生活の
向上と豊かさを求めて一生懸命努力した、その結果が
地球の
環境を破壊をするという、まことに皮肉な
状況を生んでいるわけでございます。
政治の目的が、多くの
人々、人類のすべてが平等に豊かになることを実現しようというのが目的であるとするならば、何としても
人々の生活を
向上させる、その反作用としての公害をなくさなければならないのは、それは人類の努力として英知を傾けてもやらなきゃならない、そんな気がするわけでございます。
もし世界じゅうの
人々が欧米並みの生活水準に達する、世界じゅうでなくても、例えばお隣の中国、私は中国が発展をすることを望む者の一人でありますけれども、中国に十三億という人がいて、その方々が欧米並みの生活水準に達するとすれば、
地球の
環境あるいは
地球の資源はどんなことになるのか、そら恐ろしい気がするわけでございます。まさに世界の資源は枯渇する方向に向かっていくでありましょうし、例えば尖閣列島あるいは南沙諸島を中国の領土だと強く主張するのも、やはり石油の資源を求めてのことではないかという気がいたします。
中国の工業がどんどん発達すればするほど、そこで起こるばい煙は偏西風に乗って恐らく日本を覆うことになるでありましょう。そして、
発生する炭酸ガスはますます
地球の
温暖化に拍車をかけることになるという気がいたします。これらのことが、あるいは時には国際紛争の種にならないとも限らない。今や
環境という問題は、国際間の問題あるいは大きな政治問題として世界じゅうで取り上げていかなければならない問題ではないかという気がいたします。
特にアジアの国々が大変急成長を遂げている今日、日本はその先進国としても、
環境問題でアジアの中で
リーダーシップを発揮して国際間の協調を図っていかなきゃならない、そんな気がするわけでございます。
また、日本の国内においても、
環境の
影響評価に関しては、
地方の方が先取りをして国の施策をリードしたことはまず間違いのないところではないかという気がいたします。大都市がやむにやまれない我が身の問題としていち早く
環境アセスに取り組んできたことは、今までの経過から見ても事実ではないかという気がいたします。
この
環境アセスメントの
法案ができるのを機会に、
環境庁が主導権を持って日本の
環境行政を一元化をして、二十一世紀に向けてぜひとも
リーダーシップを発揮していただきたいと心から願うものであります。
そこで長官にお伺いいたしますけれども、前段申し上げた
地球全体の
環境問題に対する御所見、日本の
環境行政を担当する長官の御所見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。