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1997-02-14 第140回国会 衆議院 環境委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成九年一月二十日)(月曜日) (午前零時現在)における本委員は、次のとおり である。   委員長 佐藤謙一郎君    理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君    理事 村上誠一郎君 理事 持永 和見君    理事 田端 正広君 理事 武山百合子君    理事 小林  守君       大野 松茂君    河野 太郎君       桜井 郁三君    桜田 義孝君       鈴木 恒夫君    砂田 圭佑君       園田 修光君    目片  信君       大野由利子君    長内 順一君       中村 鋭一君    並木 正芳君       松崎 公昭君    桑原  豊君       藤木 洋子君    土井たか子君       岩國 哲人君 ————————————————————— 平成九年二月十四日(金曜日)     午前九時三十分開議  出席委員   委員長 佐藤謙一郎君    理事 杉浦 正健君 理事 萩山 教嚴君    理事 持永 和見君 理事 長内 順一君    理事 田端 正広君 理事 小林  守君    理事 藤木 洋子君       大野 松茂君    河野 太郎君       桜井 郁三君    桜田 義孝君       鈴木 恒夫君    砂田 圭佑君       園田 修光君    目片  信君       中村 鋭一君    並木 正芳君       松崎 公昭君    桑原  豊君       土井たか子君    岩國 哲人君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (環境庁長官) 石井 道子君  出席政府委員         公害等調整委員         会委員長    西山 俊彦君         公害等調整委員         会事務局長   永島 泰彦君         環境庁政務次官         長       鈴木 恒夫君         環境庁長官官房         長       岡田 康彦君         環境庁企画調整         局長      田中 健次君         環境庁企画調整         局地球環境部長 浜中 裕徳君         環境庁自然保護         局長      澤村  宏君         環境庁大気保全         局長      野村  瞭君         環境庁水質保全         局長      渡辺 好明君  委員外出席者         環境委員会調査         室長      鳥越 善弘君     ————————————— 二月十四日  武山百合子君が理事辞任した。 同日  藤木洋子君が理事に当選した。 同日  理事古賀一成君一月十七日委員辞任につき、そ  の補欠として長内順一君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  環境保全基本施策に関する件  公害紛争処理に関する件      ————◇—————
  2. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたします。  去る一月十七日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準変更等に伴い、理事辞任及び補欠選任を行います。  まず、理事辞任についてお諮りいたします。  理事武山百合子さんから、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  引き続き、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員の異動に伴いまして、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に      長内 順一君    藤木 洋子さんを指名いたします。      ————◇—————
  5. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  環境保全基本施策に関する事項  公害防止に関する事項  自然環境保護及び整備に関する事項  快適環境創造に関する事項  公害健康被害救済に関する事項  公害紛争処理に関する事項以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————
  7. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 環境保全基本施策に関する件及び公害紛争処理に関する件について調査を進めます。  この際、環境庁長官から所信を聴取いたします。石井環境庁長官
  8. 石井道子

    石井国務大臣 環境庁長官石井道子でございます。  第百四十回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。  まず、現在、大きな問題となっております日本海タンカー重油流出事故については、一月十日に対策本部を設置し、重油回収を行っているところですが、地域皆様方ボランティア方々の多大な御尽力をいただき、その御苦労については、頭が下がる思いです。また、ボランティア活動中に亡くなられました方々に心から弔意を表したいと存じます。  環境庁といたしましては、平成七年十二月に閣議決定された油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画に基づき、環境保全観点から対応しております。また、本件重大性にかんがみ、一月二十日に設置された関係閣僚会議等の場において、政府一体となって取り組んでいるところでございます。さらに、関係自治体ボランティア方々協力し、水鳥等野生生物の救護、環境影響調査などを行うとともに、国立公園等における重油除去対策に取り組んでおります。  本件のような重大な環境汚染に対しましては、適時適切な環境調査を行い、その結果を的確に把握評価し、今後の対策に生かしていくことが重要でございます。  このため、専門家による調査委員会を発足させるとともに、関係省庁との連携もと、油による水質底質、魚介類及び大気汚染状況、並びに景観、海鳥を含む生態系への影響について段階的、継続的な調査に着手しております。  自然環境回復についても、関係府県と相談しつつ、必要な措置を検討し、進めていく予定でございます。  さて、今日の環境問題は、地球温暖化に代表されるように、地球生態系を損ない、将来世代生活や産業にも大きな影響を及ぼすことが予想されるなど、人類生存基盤を脅かす問題となりつつあります。これからの私たち対応あり方が、二十一世紀以降の人類の暮らしや経済活動発展を左右するものであり、国内的にも国際的にも極めて重要な政策課題となっております。  これらの環境問題は、通常事業活動や日常の生活一般に起因している部分が多く、その解決のためには、生産、消費のパターンやライフスタイルの見直しなど、現在の経済社会システムそのものを持続的な発展が可能なものへと変えていく努力が不可欠です。  特に、我が国は、大規模経済活動を営み、多くの資源を海外に依存するなど、市場を通じて国際社会に密接にかかわりを持つとともに、環境問題に関し多くの経験を有しております。このため、率先して国内対策を講じつつ、環境への負荷の少ない社会実現に向けた活動が日本や世界で大きな流れとなるよう、国際的にリーダーシップを発揮していくべきと考えます。  環境庁としては、これまで、環境基本法に基づき、環境基本計画長期的目標である「循環」、「共生」、「参加」、「国際的取組」が実現される社会を目指し、各般施策実施してきたところでございます。私といたしましては、これまでの取り組みを一段と充実強化し、さまざまな分野において、二十一世紀を見通し、環境保全施策を積極的に展開していくことが大切であると考えております。  とりわけ、本年は、ブラジルで開催された地球サミットから五年目に当たります。六月に国連環境特別総会が、また十二月には地球温暖化防止京都会議が開かれるなど、いわば地球環境の年と言うことができます。我が国としても、環境問題への取り組みを大きく前進させるべき年です。  地球温暖化問題、廃棄物問題、自然との共生などの問題は、私たち価値観ライフスタイルと密接に結びついており、一人一人の自主的な取り組みが不可欠です。このため、関係省庁地方公共団体事業者国民等協力をしつつ、あらゆる主体連携もとに、全体として効果を上げるような仕組みを構築することが重要と考えております。  私は、このような認識のもと、次の施策に重点的に取り組んでまいります。  第一に、地球環境対策の一層の推進を図ります。  まず、地球温暖化防止対策についてでございますが、本年十二月には、二十一世紀の国際的な温暖化対策あり方が決定される地球温暖化防止京都会議が開催されます。我が国は、開催国として、京都会議の成功のため、環境保全上実効があり、実行可能性の高い国際約束がまとまるよう、具体的なたたき台を示しつつ、各国と意見交換を行い、国際合意の形成に積極的にリーダーシップを発揮してまいります。  その一方、国内では、このままでは地球温暖化防止行動計画目標達成が困難な状況にあり、京都会議を成功させるためにも、対策を一層強化する必要があります。このため、国民総ぐるみ取り組みを進め、地域における温暖化防止モデル事業支援、省エネの強化、新エネの導入促進など、地球温暖化防止行動計画に盛り込まれた施策充実強化を図り、二〇〇〇年目標達成の目途を早急につけてまいります。また、二〇〇〇年以降のより厳しい対策実施に備えて、行動計画が全体として一層効果的な仕組みに改められるよう、必要な作業に着手いたします。  さらに、地球全体として温暖化防止を進めるため、共同実施活動促進等を通じ、アジア諸国中心とした途上国における取り組み支援してまいります。  各般地球環境問題については、国連環境特別総会などを踏まえて、戦略的な対応を図ります。  まず、持続可能な開発に向けた戦略づくりを行い、その成果を政策等に具体化するための国際的な機関として地球環境戦略研究機関を設立することに関し、所要の準備を行います。  生物多様性国家戦略を踏まえ、生物との共生を図る地域づくりや、我が国生物多様性状況の継続的な把握などを進めます。また、国連海洋法条約締結などを踏まえて、海洋環境保全対策充実を図ります。特に、日本海環境保全に関する我が国とロシア、中国及び韓国から成る北西太平洋地域海行動計画推進するため、緊急の事故対応検討など、各種取り組みに積極的に参加していくこととしております。  オゾン層保護に関しましては、フロン等の着実な生産規制実施及びフロン破壊モデル事業拡充等によるフロン回収破壊充実を図ります。  アジア太平洋地域における持続可能な開発実現に向け、エコアジア長期展望プロジェクトの結果を踏まえ、環境問題の解決に向けた行動計画策定を進めるなど、この地域中心とする国際協力展開いたします。  第二に、環境保全型社会システム実現に向けた取り組み推進いたします。  まず、環境影響評価については、環境汚染未然防止し、総合的な環境保全を図る上で重要な施策であり、その的確な推進が必要です。今般、今後の環境影響評価制度あり方についての総理からの諮問に対し、中央環境審議会答申が出されました。答申では、法律による制度とすること、早い段階からの環境配慮を可能とすること、環境基本法対応した評価実施すること等の基本原則が示されました。これを踏まえ、環境影響評価法案を速やかに今国会に提出することとしております。  廃棄物・リサイクル問題に関しましては、製品の製造から最終処分までの各段階環境負荷を低減するための検討を進め、最終処分に係る基準強化製品中の有害物質削減等各種対策を総合的に実施いたします。  また、経済的手法の積極的な活用に向けた検討を進めるとともに、環境保全型への経済構造の改革に資するため、先駆的な環境研究技術開発普及推進します。  第三に、地域住民事業者主体とした環境保全活動について、国が率先して取り組むとともに、環境市民学校事業展開を初めとする環境教育環境学習の振興、環境に優しい製品購入促進地球環境基金拡充強化による内外NGO環境保全活動支援等を進めます。加えて、昨年十月に開設した地球環境パートナーシッププラザ拠点とする活動推進等により、事業者国民などが協力連携もと環境保全活動に自主的、積極的に参加することを一層促進いたします。  地域においては、自然的、社会的条件に応じた先進的な環境保全モデル事業実施し、地域住民主体とした環境に優しい地域づくりを進めます。  第四として、自然との共生推進します。  自然との触れ合いに対する要求の高まりを踏まえ、国民生活の質の向上に直結する新しいタイプの公共事業として、我が国を代表するすぐれた自然の保全復元を一層強化します。また、滞在型の自然の体験学習活動を行うため、ふれあい自然塾など自然と親しむ場の整備創造を進めます。  希少野生生物保護を図るため、生物多様性保全施策と相まって、絶滅のおそれのある野生動植物調査推進し、保護拠点となるセンター整備を進めます。  さらに、野生鳥獣地域住民との共生を図るため、地域ぐるみ野生鳥獣の適正な管理推進します。  南極地域については、環境保護に関する南極条約議定書早期締結に向け、南極地域環境保護に関する法律案を今国会に提出することとしております。  第五として、化学物質による環境リスク対策を総合的に推進します。  化学物質による人の健康及び生態系への影響未然防止するためには、環境リスクの科学的な評価と、これに基づくリスク管理が必要です。  環境リスク評価については、評価体制強化し、化学物質に係る有害性評価暴露評価等を総合的に推進します。  環境リスク管理に関しては、包括的管理として環境汚染物質排出移動登録システムの構築に向けた検討を進めます。また、PCBやダイオキシン等各種化学物質対策が円滑に進められるよう、環境リスクに関する関係者の共通の理解を促進します。  大気水等媒体別リスク管理として、特に、有害大気汚染物質について、さきの通常国会で成立した改正大気汚染防止法の規定を踏まえ、排出抑制対策、モニタリングの充実強化等を図ります。  第六として、大気環境対策水環境対策を積極的に推進します。  大気環境対策について、大都市地域中心に依然として深刻な自動車による大気汚染騒音等の早急な改善を図ります。このため、低公害車普及促進窒素酸化物ディーゼル黒煙低減対策及び道路交通騒音対策を進めてまいります。  このほか、国民からの苦情の多い騒音等の問題に積極的に取り組み、身近な大気生活環境保全を進めます。  水環境対策については、地下水汚染浄化に係る新制度もとで、地下水汚染実態把握浄化装置開発普及推進等対策を適切に実施します。  また、地下水の涵養を促進し、湧水井戸復活を図ることにより健全な水循環回復を促進します。  さらに、水利用形態変化等流域水環境への影響について、実態把握し、流域全体を視野に入れた対策策定を進めます。  第七は、健康被害の予防及び公害健康被害者救済実施です。  公害健康被害者救済に万全を期するとともに、健康被害を予防するための施策を着実に推進します。  水俣病対策については、水俣病総合対策医療事業等平成七年十二月の閣議了解等に盛り込まれた施策を着実に実施します。また、患者に対する補償金の支払いを円滑に継続していくため、チッソに対する支援にも取り組んでいくこととしております。  以上、環境行政の主要な課題と今後の取り組みの基本的な方向について所信を述べさせていただきました。  環境基本計画目標とする環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築していくことは、橋本内閣目標とする「変革」と「創造」に不可欠なものでございます。  私は、環境基本計画に基づき、環境庁施策充実強化を図るとともに、企画調整機能を十分発揮し、政府一体となって環境行政の総合的、計画的な推進に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  本委員会及び委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。(拍手)
  9. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 これにて環境庁長官所信表明は終わりました。  次に、平成九年度環境庁関係予算概要について説明を聴取いたします。岡田官房長
  10. 岡田康彦

    岡田政府委員 平成九年度の環境庁関係予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  平成九年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は七百九十三億四百万円であり、これを前年度の当初予算額七百五十六億三千六百万円と比較すると、三十六億六千八百万円、四・八%の増額となっております。  予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。  第一に、環境保全企画調整等については、本年十二月に京都において開催される気候変動枠組み条約第三回締約国会議を契機として、幅広い国民参加もと地球温暖化防止に向けた取り組み推進すべく各般対策実施するほか、開発途上国環境問題への取り組みに対する支援地球環境戦略研究機関設立準備等地球環境問題への取り組みを積極的に推進するとともに、環境影響評価制度充実環境基本計画推進化学物質対策強化等環境政策の一層の展開を図るべく、これらに必要な経費として四十八億五千万円を計上しております。  第二に、公害による健康被害者救済等については、水俣病総合対策推進するほか、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、環境保健に関する各種調査研究推進することとし、これらに必要な経費として二百十億四千万円を計上しております。  第三に、大気汚染等防止については、窒素酸化物対策推進のための低公害車普及事業を初め、オゾン層保護対策浮遊粒子状物質対策有害大気汚染物質対策等推進することとしております。  また、騒音、振動及び悪臭対策についても引き続き推進を図ることとし、これらに必要な経費として二十億六千八百万円を計上しております。  第四に、水質汚濁防止については、汚染された地下水浄化対策推進するとともに、生活排水対策、海域における富栄養化対策及び水質総量規制湖沼水質保全海洋環境保全特定流域環境保全等対策推進するための経費として十六億八千百万円を計上しております。  このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として二億四千二百万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として三億四千七百万円をそれぞれ計上しております。  第五に、環境事業団については、建設譲渡事業融資事業等を引き続き推進するほか、地球環境保全に取り組む民間団体活動支援するための地球環境基金事業推進を図ることとし、同事業団事業に対する助成等に必要な経費として五十七億五千七百万円を計上しております。  第六に、公害監視等設備整備については、地方公共団体監視測定体制整備を助成するために必要な経費として八億二千百万円を計上しております。  第七に、環境保全に関する調査研究のための経費については、総額八十億三千八百万円を計上しております。  この内訳としては、まず、国立試験研究機関等公害防止等試験研究費として十九億五千三百万円を環境庁において一括計上するとともに、環境基本計画推進調査費として二億五千万円を計上し、環境基本計画推進するための環境保全対策に関連する各省庁所管調査総合調整を行うほか、環境研究総合推進費として二十八億五千万円を計上し、各省各庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種地球環境保全等に関する調査研究総合的推進を図ることとしております。  また、公害防止等調査研究費として二十九億八千五百万円を計上し、地球観測衛星に搭載する成層圏オゾン観測機器開発環境汚染による健康影響の解明、その他大気汚染水質汚濁自然保護等に関する各種調査研究を進めることとしております。  第八に、自然環境保全対策及び自然公園等整備事業について申し上げます。  まず、自然環境保全対策及び自然公園等維持管理については、生物多様性国家戦略に基づき、各種情報収集整備を初めとする生物多様性保全施策を総合的に推進するとともに、国立公園保護管理強化を図ることとしております。  また、野生生物保護対策については、絶滅のおそれのある野生動植物保護対策強化を図るとともに、野生鳥獣保護管理に関する調査検討推進することとしております。  これらに必要な経費として、合わせて二十四億六千五百万円を計上しております。  次に、自然公園等整備事業については、人と自然との豊かな触れ合いを確保するため、我が国を代表するすぐれた自然を有する国立国定公園において、その保全復元事業自然学習自然体験の場の整備等を総合的に推進するとともに、身近な自然との触れ合いの場や長距離自然歩道等整備推進するほか、国民公園整備を図ることとし、これらの整備に必要な経費として百二十八億七百万円を計上しております。  第九に、環境保全施設整備については、野生生物保護管理施設等整備自然共生型地域づくり生活排水対策重点地域内の水質浄化施設整備井戸湧水復活再生等事業推進するために必要な経費として二十一億七百万円を計上しております。  第十に、環境庁研究所については、国立環境研究所において地球環境問題を初め環境全般にわたる研究推進するために必要な経費として七十四億九千二百万円を計上し、国立水俣病総合研究センターにおいて水俣病発生地域の特性を生かした研究推進するために必要な経費として六億円を計上し、また、環境庁研究所施設整備を図るために必要な経費として二億五千六百万円を計上しております。  以上、平成九年度環境庁関係予算案概要につきまして御説明申し上げました。
  11. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 次に、各省庁平成九年度環境保全経費等概要について、便宜、環境庁から説明を聴取いたします。田中企画調整局長
  12. 田中健次

    田中(健)政府委員 各省庁平成九年度環境保全経費等概要について御説明申し上げます。  まず、歳出予算について御説明申し上げます。  地球的規模広がりと将来の世代にわたる広がりを持つ今日の環境問題に対処するため、平成六年十二月、政府全体の環境保全施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画である環境基本計画策定されました。  環境保全経費につきましては、この環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から、環境基本計画に示された施策の体系に沿って取りまとめております。  平成九年度における環境保全経費総額は二兆八千百四十二億円であり、前年度の当初予算に比べ七百一億円、二・六%の増となっております。  これを事項別に見ますと、循環を基調とする経済社会実現のために二兆三千九百四十二億円、自然と人間との共生の確保のために三千七百七十九億円、すべての主体参加実現のために三千四百五十二億円、共通的基盤的施策推進のために二兆二千八百三十三億円、国際的取り組み推進のために六百四十九億円、その他として百三億円が計上されております。  なお、予算によっては複数の事項に重複して計上されているものがあります。  主要な項目については、次のようになっております。  まず、循環を基調とする経済社会実現のための経費のうちでは、建設省等に計上されている下水道事業費一兆千九百五十四億円、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費千七百八十九億円などがあります。  また、自然と人間との共生の確保のための経費のうちでは、環境庁自然公園等事業費百二十八億円、建設省等の公園事業費千六百四十五億円、すべての主体参加実現のうちでは、環境庁地球環境基金関係経費十九億円、国際的取り組み推進のうちでは、外務省の国連環境基金拠出金五十億円などがあります。  なお、近年の地球環境問題に対する取り組みの重要性にかんがみ、環境保全経費とは別に、環境庁において各省庁地球環境保全関係予算を取りまとめたところでありますが、これによりますと、平成九年度における総額は五千八百三十六億円であり、前年度の当初予算に比べ百四十七億円、二・六%の増となっております。  これを事項別に見ますと、国際的枠組みづくりに係る経費として八十三億円、観測・監視、調査研究に係る経費として千百四十五億円、技術開発普及に係る経費として四千二百二十五億円、環境分野の政府開発援助等に係る経費として百六十七億円、環境配慮に係る経費として七十一億円、地球環境保全型の社会経済活動普及啓発等に係る経費として百四十六億円となっております。  次に、環境保全関係財政投融資は、貸付規模等において総額三兆五千百七十九億円を予定しております。  機関別の主な内訳としては、環境事業団事業規模で七百八十億円、中小企業金融公庫が貸付規模で千百五十億円、日本開発銀行が貸付規模で五百六十億円を予定しているなどのほか、地方公共団体の下水道整備廃棄物処理等の事業推進するため、地方債計画において三兆二千四百三十二億円を予定しております。  このほか、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、中小企業事業団等において産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。  最後に、今国会で御審議いただく環境保全関係の税制改正措置について御説明申し上げます。  まず、地球温暖化対策といたしまして、低公害車の燃料等供給設備に係る固定資産税及び特別土地保有税の課税標準の特例措置等の創設を行う予定であります。  さらに、廃棄物・リサイクル対策として、建設混合廃棄物選別施設の特別償却措置及び固定資産税の課税標準の特例措置の創設を行う予定であります。  このほか、公害防止用設備の設置、自動車交通における窒素酸化物対策等に関する所要の税制上の措置を講ずることとしております。  以上、平成九年度の各省庁環境保全経費等概要について御説明申し上げました。
  13. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 次に、平成八年における公害紛争処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたします。西山公害等調整委員会委員長
  14. 西山俊彦

    ○西山政府委員 公害等調整委員会が平成八年中に行った公害紛争処理に関する事務及び平成九年度総理府所管一般会計公害等調整委員会歳出予算要求額について御説明申し上げます。  まず、公害紛争処理に関する事務の概要について御説明申し上げます。  第一に、平成八年中に当委員会に係属した公害紛争事件は、静岡県等の住民からプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インクを相手方として申請のあった液体洗剤水質汚濁被害等調停申請事件、香川県の住民から産業廃棄物処理業者等を相手方として申請のあった豊島産業廃棄物水質汚濁被害等調停申請事件、東京都住民から埼玉県の鍛造事業者を相手方として申請のあった金属加工工場騒音・振動被害調停申請事件、島根県等の住民から中国電力株式会社等を相手方として申請のあった送電線建設土壌汚染被害等調停申請事件、島根県等の住民から国を相手方として申請のあった中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停申請事件、島根県等の住民から国等を相手方として申請のあった松枯れ対策農薬空中散布大気汚染被害等調停申請事件、東京都住民から小田急電鉄株式会社を相手方として申請のあった小田急線騒音被害等責任裁定申請事件、福岡県の住民から飯塚市を相手方として申請のあった飯塚市廃棄物悪臭被害責任裁定申請事件、福岡県の住民から飯塚市を相手方として申請のあった飯塚市し尿処理場等悪臭被害原因裁定申請事件の合計二十二件であり、これらのうち、平成八年中に終結した事件は五件であります。  なお、以上のほか水俣病損害賠償調停申請事件については、調停成立後に申請人の症状に変化が生じたときに申請される水俣病慰藉料額等変更申請事件が十六件あり、うち十件が終結しております。  現在継続中の事件につきましては、適切な解決が図られるよう鋭意努力してまいる所存であります。  第二に、平成八年中に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は九十三件であり、廃棄物処理場・清掃工場、工場・事業所、ゴルフ場、道路及び建設工事等に係る事件が多くなっております。これらのうち、平成八年中に終結した事件は三十五件であります。  公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとなっておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るという観点から同審査会との間での連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。  第三に、全国の公害苦情の実態についてであります。  当委員会調査によれば、平成七年度において、全国の地方公共団体公害苦情相談窓口に寄せられた公害苦情は、約六万一千件となっております。  これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情は約四万三千件で、前年度に比べ六・四%減少しました。また、いわゆる典型七公害以外の苦情は約一万九千件で、全体の約三〇%を占めております。  公害苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、これらの地方公共団体に対し、職員に対する研修の実施、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。  続きまして、平成九年度公害等調整委員会の歳出予算要求額概要について御説明申し上げます。  平成九年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の歳出予算要求額は六億四百万円であり、これを前年度の当初予算額六億三百万円と比較いたしますと、〇・一%、百万円の増額となっております。  次に、その内訳について御説明申し上げます。  第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として、五億七千万円を計上しております。  第二に、公害紛争処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として、三千四百万円を計上しております。  以上が平成八年中に公害等調整委員会が行った公害紛争処理に関する事務の概要及び平成九年度公害等調整委員会の歳出予算要求額についての概要であります。  公害等調整委員会といたしましては、今後とも公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、鋭意努力してまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
  15. 佐藤謙一郎

    佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時十一分散会