○寺前
委員 先ほどから、公益法人等の指導監督の話が、九三年でしたか、指示の話が出ておりました。私は、この公益法人等の指導監督の問題については、早い
段階から、
政府としてはやっていたと思うのです。
八五年六月十日の事務次官等
会議申し合わせにより、連絡
会議が設置されます。これは、公益法人についてどうしなさいという、総理府次長が議長で、各
省庁の
局長で構成され、
運輸省からは
運輸政策局長が構成員に名を連ねていますよ。この笹川平和財団を所管する
局長は、
運輸政策局長でしょう。その連絡
会議が、八六年七月二十二日に、公益法人の運営に関する指導監督基準というのを決めて、資産の管理運用について、
基本資産の管理運用は安全確実な方法で行う必要があり、特に、価値の
変動が著しい財産及び客観的評価が困難な財産で管理運用することは適当でないと、ちゃんとこの八六年の
段階で
指摘しているわけでしょう。
局長も参加して、そういう連絡
会議の指針が決まっているのです。
それから、九三年六月二十五日には、
先ほどから言われる幹事会の申し合わせ。この取扱指針は、八六年七月二十二日に決定した公益法人の運営に関する指導監督基準などの運用に当たっての具体的、統一的な指針として決められている。同指針の解説を見ると、
基本財産の管理運用について、財団法人の
基本財産は、財団法人の人格の基礎であり、公益
活動を行うための収入の
基本となる重要な財産であることから、その管理運用に当たっては、これが減少することは厳に避ける必要があると述べ、
基本財産の管理運用は、安全、確実な方法、すなわち元本が確実に回収できるものとし、金等の価値の
変動が著しい財産、あるいは投資、出資等、回収が困難になるおそれのある方法で行ってはならないと書いてある。そして、取扱指針を見ると、価値の
変動が著しい財産として、株式とか株式投資信託、金等を例示をしている。
こうやってくるわけだから、改めて出したのか知らないけれ
ども、最初から参加していながら、ここまで書かれたときに何でここに対してメスを入れなかったのだろうか。
その間に評価損が出てくる。一年ごとの更新で特金を運用するということになっているけれ
ども、九五年度末現在でも、特金運用が二百七十五億円と相変わらずふえていっておる、そして、評価損が十六億三千三百万円も依然として残ってきているのです。
これは、もともとのお金の出どころが、わざわざ特別競走をやって、一般的にはやれないことを、この財団のためにだったらやるぞといって金を集める方法をあの賭博でやって、それでいて片一方で損失を出すようなことを、そういうところに特金のやり方をやっていっている。これは、わざわざ内閣で相談までずっとやりながら、一体何で長年にわたって放置してきていたのだろうか。
私は、ちょうど九二年、何かやっていることはなかったのかなと思って調べてみたら、
先ほど言ったように、
科学技術庁のつくば科学万博記念財団、ここが、ファンドトラストというのですか、金銭信託以外の信託、それでの運用をして十四億円の評価損を出した、この結果、記念財団の
理事長、会長、一部
理事が責任をとって
辞任をせざるを得ないという、監督官庁としての
行政指導もやられているということが、その年の新聞を見たらばんと出てくるわけです。
そうすると、
科学技術庁は、断片的にぱっとやったことでさえもそれほど責任を感じていたのに、
運輸省ではそれまで責任は感じてこなかった、慌ててそこで指導しましただけで済む話だったんだろうか、何で平和財団にメスを入れることができなかったんだろう、ここの責任問題というのは、私ははっきりしておかないかぬと思う。
あなたは当時は
局長ではないんだから、この際に改めて、
運輸省の体質上どこに問題があったのか、私は明らかにしてほしいと思うのです。特に、基金をつくったもとが特別競走にあっただけに、一層社会的責任は私は大きいと思うので、明らかにしてほしいと思うのです。