○西川(太)
委員 今
遠藤理事からるるお尋ねをしたわけでありますが、その中で聞き漏らした点、もう少し突っ込んで伺いたい点を中心に私は質疑をさせて一いただきたいと存じます。若干しつこく、いやらしくなるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
この
泉井事件なるものは、私は二つの側面があると思います。
一つは、
泉井というこの業者に、三菱石油を中心とする
産業界が何を期待したのか。彼に五十億を超える巨額な
資金を動かざせ、脱税額でも三億、隠した金が六億、こういうような巨額な金を業界が
泉井という一個人に、何の理由があって、何を期待してやらせたのか、これが一つ。だれでもそれは不思議に思う。
もう一点は、
泉井個人が、自分の存在の値打ち、それを業界に示すには、
通産省、石油業をめぐる許可、認可を持っている部局の方々と極めて密接なつながりがあるということを見せながら、ただ見せるだけではなく、道楽じゃないんですから、実質的に何かを依頼したに違いない、そう考えるのが、これだけ巨額のお金が動いているということの背景に、どうしても推理小説っぽくなりますが、
泉井さん自身が今塀の中にいるからもうだれもそれはわからない、
大臣おっしゃるとおり検察の
捜査の進捗を得たざるを得ないのでありますけれども、そういうことがありましょう。
そこで、先ほど来から
遠藤さんもそのことを伺っているわけですが、私も念のためもう一度伺いますが、
泉井が一九八五、六年ごろから、
通産大臣を経験した某自民党の派閥の当時領袖であった故人、今は故人になっておられる方等々を背景に、
通産省の幹部が引見せざるを得ない——会う理由がないんでしょう、何も頼まれてないというんだから。会う必要がない人が役所の中に来ているんですよ。この
調査は、これから詳しく聞きますけれども、どこかの料亭で会ったとかホテルで
会食したとかゴルフに誘われたとかということになっているけれども、OBをなぜ
調査しないのですかというさっきのお尋ねに対して
大臣は、
捜査権がない、やめた人に対してこれを聞くわけにもいかないような御趣旨の御
発言でございましたが、実際この
泉井という人間が
通産省に食い込んできた背景には、当時の主要なポストにおられた官僚の方々が一介の業転屋に忙しい時間を割いて会うというその背景があったわけですね。私どもはそういうふうに聞いています。
それから、今、いろいろな方の情報によると、OBの有力な方々は御自宅に帰っていないそうですね。それは個人的な理由もあるかもしれないけれども、マスコミの攻勢を避けている、そういう話も聞いている。大物の政治家も若干そういう方がいらっしゃるとも聞いている。
こういう点はこれから司直の手によって、何かあれば、何かあればはっきりしてくるのだろうと存じますけれども、まず最初に伺いたいのは、
官房長、お役所として、通産のOBも含めて幹部の皆さんがなぜこの
泉井という人と会ったのですか。そこからお尋ねします。