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1996-12-17 第139回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年十二月十七日(火曜日)     午後三時開議 出席委員   委員長 仲村 正治君    理事 安倍 晋三君 理事 鈴木 宗男君    理事 中谷  元君 理事 浜田 靖一君    理事 長内 順一君 理事 白保 台一君    理事 鰐淵 俊之君 理事 池端 清一君       石崎  岳君    嘉数 知賢君       河井 克行君    桜田 義孝君       下地 幹郎君    林  幹雄君       吉川 貴盛君    旭道山和泰君       原口 一博君    丸谷 佳織君       三沢  淳君    松本 惟子君       古堅 実吉君    上原 康助君  出席国務大臣         外 務 大 臣 池田 行彦君         国 務 大 臣         (沖縄開発庁長         官)      稲垣 実男君  出席政府委員         防衛庁防衛局長 秋山 昌廣君         防衛庁教育訓練         局長      粟  威之君         防衛施設庁長官 諸冨 増夫君         防衛施設庁総務         部長      伊藤 康成君         防衛施設庁施設         部長      首藤 新悟君         沖縄開発庁総務         局長      嘉手川 勇君         外務省北米局長 折田 正樹君         外務省条約局長 林   暘君  委員外出席者         運輸省航空局首         席安全監察官  佐野  功君         海上保安庁警備         救難部航行安全         課長      長江 孝美君         特別委員会第一         調査室長    田村 勝美君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  沖縄及び北方問題に関する件      ————◇—————
  2. 仲村正治

    仲村委員長 これより会議を開きます。  沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。  沖縄那覇市沖における米軍航空機による爆弾投棄について、池田外務大臣から報告を聴取いたします。池田外務大臣
  3. 池田行彦

    池田国務大臣 去る十日に沖縄本島西海岸沖で発生した米軍機による爆弾投棄に関し、政府といたしましては、県民方々に多大な不安をもたらしたこと、また、事故通報に時間を要したことを深刻に受けとめております。  我が方からは、米側に対し、事故の発生及び正確な情報通報に時間を要したことにつき遺憾の意を表明し、さらに再発防止原因究明爆弾早期回収につき重ねて強く申し入れました。十四日には、クリストファー国務長官より私に対し、遺憾の意の表明とともに、早急に対処したい旨発言がありました。私からも、遺憾の意を表明し、事故通報体制改善日米の緊密な連絡、連携の重要性指摘するとともに、沖縄県民方々のお気持ちを考えつつ、爆弾回収等に早急に対処すべき旨述べました。  これに続き同十四日、在日米軍より、爆弾回収全力を挙げるとの意思表明とともに、作業迅速化を図るため、我が国への協力要請があり、十五日我が国として協力に応ずることといたしました。在日米海軍掃海艦二隻は十六日午前九時に佐世保海軍施設を出港し、爆弾捜索及び回収のため現場に向かったところであります。  また、事故通報体制改善についても日米で早急に取り組むこととなりました。
  4. 仲村正治

    仲村委員長 以上で報告の聴取は終わりました。     —————————————
  5. 仲村正治

    仲村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。嘉数知賢君。
  6. 嘉数知賢

    嘉数委員 自民党の嘉数でございます。  外務大臣にお伺いしたいと思うのですが、このたびの事故というのか事件というのか、私ども沖縄県民にとりましては、全くこれで本当に私どもが安心して生活できるんだろうかという大変な驚愕を受けた事件事故なんです。  それにつきまして、先ほど報告いただきました事故原因究明あるいはその再発防止申し入れをして、あるいはクリストファー国務長官はそれに対して遺憾の意を表明したという話もありますけれども、実際に、毎回事件事故を起こすたびに原因を究明せよ、再発防止をせよと、私どもその申し入れを県から国にしますし、国から米国政府にもやっておると思うのですが、なかなかその実が上がらないのです。したがって、今回の場合もただ原因究明をしていただきたいあるいは再発防止をしていただきたいという申し入れじゃなくて、それ以外にもっと突っ込んで、例えばどの施設、どの機関話し合いをして、こういうふうにしてほしいというようなことまで申し入れをしたのか。単に上のクラスでやったのか。
  7. 池田行彦

    池田国務大臣 委員指摘のとおり、この事故再発防止、そのために万全を尽くさなくてはならない。また、この爆弾回収その他の善後措置にも全力を尽くさなくてはならない。それにつきましては、単なる申し入れだけではございません。おっしゃるように、実の上がる措置をとらなくちゃならないということでございまして、まず情報早期通報、そのために、現在の手順といいましょうか、システムに問題があるのではないか、十分でないところがあるのではないか、そういう認識のもとに、早期通報システムを新たにつくり直そう、こういうことで既に協議を始めております。そして、近日中に日米合同委員会を開催いたしまして、新しい通報システムというものを日米間でつくり上げていこうとしているわけでございます。  また、なお、政府部内におけるそういった連絡あり方につきましても、今回の反省も含めまして、その改善を今関係方面と鋭意協議しているところでございます。  そしてまた、回収の方につきましても、先ほど報告申し上げましたけれども米国自身において、もとより自分たちの責任においてこの回収をしなくてはならないと考えておる、そしてまた、そのためのシステムなり能力も有するところではあるけれども、しかし、それを迅速に行うために我が国の、日本協力が得られればありがたい、こういうことがございましたので、その要請を受けて海上自衛隊が共同して作業に当たることになり、このことについては、早い時点米軍海上自衛隊との間の具体的なコンタクトポイントをつくりまして、協議をし作業を今進めておるところでございます。  御指摘のとおり、実の上がる対応をしてまいりたいと思っておりますし、そのようにしておるところでございます。
  8. 嘉数知賢

    嘉数委員 これは毎回のことですので、しっかりと対応していただきたいと思います。  それから、先ほどお話が出ましたけれども通報までの時間が相当時間的にあった。しかもそれ が各省庁でばらばらに動いているという。情報伝達危機管理の観点から見ましても、大変政府部内が意思統一が欠けていたのじゃないかという気がするのです。しかも、これは私ども県民側からしますと、一番大きな問題は、今マスコミで、やれ防衛庁が、やれ外務省がという話がありますけれども、それも大変大事で、ぜひ情報伝達をしっかりやっていただぎたいと思うのですが、もう一つ大事なことがあるのです。  これは、県民に対する通報が四十時間もおくれた。私は、官庁それぞれの機関同士伝達も大変大事でありますが、一番大事なのは、その危険にさらされている県民あるいは国民がどう対応していくのか、どのように知らしめるかというのが一番大事だと思っております。今回の場合、本当にそれぞれの官庁内での意思伝達も大変不十分だったと同時に、一番危険にさらされている側が全くつんぼ桟敷に置かれている。  これは、情報伝達のリレーション、しっかりと組み込んでいきたいとおっしゃっておりましたけれども、それ以前に、危険が発生するのかどうかはっきりしない、要するに情報としてまだはっきりしない段階からでも、危険にさらされている県民あるいは国民に対して事前に教える、こういう事故があるので用心してください、あるいは危険地域なんだということをはっきりとまず先に知らせる。私は、危険があるのじゃないかといって不正確な情報伝達をして後でおしかりを受けるというものよりは、危険があるにもかかわらず伝達がおくれたといった方がはるかに罪が重いと思っておりますよ。  ですから、危険が発生する可能性があるならば、まずその地域住民、被害を受ける側に先に伝達をしておいて、それから正確な情報をとって、もしそれが誤った情報なちそれにこしたことはないし、それで謝れば済むと思うのです。しかしながら、それを察知しながら伝達しなかったためにそこで事故が起こったということになると大変なことになると思うのです。その意味で、まず危険を受ける側、県民側あるいは国民側に対して早急に危険を伝達するシステムということをやっていただきたいと思います。外務大臣の見解をお伺いしたいのです。
  9. 池田行彦

    池田国務大臣 そのような点につきましても、今後改善を図ってまいりたいと考えております。  ただ、事実関係について若干申し上げますと、私ども最初にその通報がございました時点、これは十日の四時ごろでございますが、その時点におきましては、沖縄本島西方海岸沖七マイル、約十キロということでございまして、正確にどの地域である、どの水域であるということがわかりませんでした。それからまた、投下された爆弾実弾であるのか模擬弾であるかという肝心なところもわからなかったわけでございますので、そういった肝心なところについてさらに詳しい情報を早急に提供するように米側に求めながら、外務省といたしましては、関係省庁海上保安庁あるいは防衛施設庁にも、とりあえず未確認情報ではあるがということで第一次のその通報内容を御連絡申し上げた次第でございます。  そして、さらに詳しい位置、そしてまた実弾であるということ等につきましてはその翌日になりましたので、その詳しい情報をもとにしてまた関係方面に御連絡をさしあげました。  そして、私の承知しているところでは、海上保安庁におかれましては、その各段階連絡に応じて航海情報というのをお出しになった。こういうふうに承知しております。航海情報は、さらに第三弾として、米側の方から安全のために航行をとめていただくべきだという連絡があったという段階を踏まえて、さらに第二次の航海情報を出したというふうに承知しております。  いずれにいたしましても、先ほども申しましたように、安全を確保するために必要な関係方面、特にお地元の方々へのお知らせというものを早急にやらなくてはいかぬ、その点でも反省すべきところは多々あると考えておりますので、改善措置を講じてまいりたいと思っております。
  10. 嘉数知賢

    嘉数委員 確かに連絡もされていると思うのです。その時間が、例えば実際に県民に飢らせたのは四十時間後、それから、各あれに伝達したのは十一日の何時かですね。
  11. 諸冨増夫

    諸富政府委員 ただいまの御質問、ちょっと事実関係を御説明しておきますと、私ども外務省から最初情報を受けた段階で、十日の夕方、十七時三十分ごろでございますが、未確認情報だということで那覇防衛施設局から沖縄県の方に通報を行っております。内容は、米軍機那覇から約十キロメートルのところに爆弾を投棄した旨、場所はまだ未確認であるということを通報いたしました。  翌日の十二月十一日、再度外務省から当庁に対しまして、施設一区域外に爆弾が投棄された旨の連絡を受けまして、私ども沖縄県に対しまして再度その旨の通報を行うとともに、同時に沖縄漁業組合に対しまして事故の概要について連絡を行った。  以上が経緯でございます。
  12. 嘉数知賢

    嘉数委員 未確認情報として県に十日にあったということは伺っています。しかしながら、実質的にこうなのだといって警報その他を発したのはたしか十一日なのですよ。そうでしょう。その部分で、私は、もっと速やかに、模擬爆弾なのかもしらぬけれども、危険なのですよ、今早急に警戒、危険防止をしろという伝達早目にするのが筋だろうと思うのです。一日間の猶予というのは、事故がなかったからいいですけれども、そういう意味で、やはりしっかりと対応していただきたいなと思っています。  それから伝達部分で、私どもが一番期待をしていたのは、SACOで、事件事故が起こった場合に速やかにいろいろな情報連絡し合いながらやるという約束、それを含めて、例えば地位協定のいろいろな問題についても、SACOで速やかに連絡をしながらやっていくということが前提としてある、話し合いで決められているのです。しかし、今みたいに連絡そのものが相当錯綜するような状態だから、果たしてしっかり約束事が守られるかなという大変な不安を持っております。そういう意味で、これからもしっかりと、情報伝達をする側、される側、十分に話し合いをしていきながら対応していただきたいと思います。  それから、次は、落とされた爆弾位置確認されているのでしょうか。確認されているならば、それはどういう状態であるのか。
  13. 折田正樹

    折田政府委員 飛行機が投棄した地点でございますが、北緯二十六度十一分四十六秒、東経百二十七度三十二分十七秒ということで、投棄した場所はわかっているわけでございます。そこから投下したものですから、では実際にその爆弾海底のどの部分にあるかということについてはまだわかりません。今まさしくそういうことで捜索をしておるわけでございます。そして、その真下から半径二キロめ範囲にあるのではないかということで、その半径二キロの部分危険水域というふうに設定してあるわけでございます。  それから、どういう状況なのかということですが、我々が米側から受けている説明によりますと、今回投棄された爆弾は、例えば海中において何らかの事情で非常に大きな衝撃が直接与えられるなどした場合には一〇〇%安全とは言い切れないけれども爆弾を支えるラックというのがございます、そのラックごと投棄されているので爆弾は活性化されてはおりませんので、通常の状態に置かれている限りは海底において爆発する可能性は極めて低いという説明を受けております。
  14. 嘉数知賢

    嘉数委員 そうすると、まだ爆弾そのもの位置は確定していないわけですね。そういうことで理解しています。そうすると、処理に対して相当時間がかかるという判断をしなければいかぬのですか。
  15. 折田正樹

    折田政府委員 ちょっと私、専門的知識を持ち合わせず恐縮でございますけれども、今自衛隊がまさしくその捜索作業をやっております。自衛隊のいろいろな能力、それから米軍も加わることになりますけれども、それによって探されるとい うことで、私自身、どれぐらいかかるものかというのは必ずしもわかりませんが、私どもが特に米側に対して一刻も早く場所をまず特定して、そしてそれを回収してもらいたいということを強く申し上げているわけでございます。
  16. 嘉数知賢

    嘉数委員 まず、その位置確認されていたと仮定すると、それを撤去することについては、処理することについては、技術的に可能だということになりますか、どうですか。
  17. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 今、米軍の方もそうだと思いますけれども、まず探すことというのが第一でございます。探した後、それをどういう形で回収するか、処理するか、それは、その探した場所状況に応じて相談をするということになります。いずれにしても、それから撤去するということを相談をするということになろうかと思います、
  18. 嘉数知賢

    嘉数委員 処理は可能だという理解でいいんですな。
  19. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 発見をいたしまして、その状況にもよりますけれども発見できれば回収ないし処理は可能だと考えております。
  20. 嘉数知賢

    嘉数委員 本土からごく近い位置にある。これはぜひ発見をして処理をしてもらわなければ、危なくて、あそこはいろいろな航路の錯綜する場所ですから、そういう意味で、自衛隊米軍も精いっぱい頑張って早目に撤去していただかなければいかぬ。そういう意味で、努力をしていただきたいと思うのです。  それから、私は先ほど何度も事故防止をあるいは再発防止をということでやったけれどもなかなか実が上がらないということを御指摘しましたけれども、私は、その一つの大きな理由に、実はアメリカ軍が行っている訓練マニュアルというのがあると思うのです。  私ども沖縄県でいろいろ、今回の事故もそうですけれども事件なのか事故なのかわかりませんが、去年でしたか、辺野古の沖で飛行機からミサイルが船の後方に向かって発射された。そういう事件もあった。しかし、そのときに、常に発表の中に、当事者マニュアルに従って処置をしたと。いつの事件でも事故でも、例えばヘリコプターが不時着した場合でも、米軍発表の中に、訓練マニュアルに従って行動したという発表が必ずついてくるのです。したがって危険はなかったということで、常についてくるのです。  そのマニュアルがそういうことであるならば、政府高官初め司令官等は、あるいは再発防止について精いっぱい努力をするかもしれませんが、やった当事者というのは決して悪いことをしたと思っていない、マニュアルどおりやって処理してきたわけですから。そうすると、そのマニュアルというものが何なのかということが私は大きな問題になると思うのです。マニュアルというのは、米軍独自で訓練マニュアルとしてつくっているものなのか、何らかの形で、日本政府等との調整の中でこういうことでいきましょうといった文書なのか、お答えできる方がいましたら。
  21. 折田正樹

    折田政府委員 米側発表いたしましたプレスリリースの中にも、「当該機のパイロットは、標準の投棄基準に従い、周辺船舶がないこと、そして爆弾投棄地点から一マイル内に陸地がないことを確認」した上で行われたということで、おっしゃるように、何らかのマニュアルに従って行われたと思います。これは米軍が持っているマニュアルでございまして、日米間で取り決めたということではございませんし、これは米軍秘扱いになっているマニュアルでございます。
  22. 嘉数知賢

    嘉数委員 私は、そういう事件が起こるたびにそのマニュアルなるものが出てくるものですから、何らかの形でやはり日米間で話があったのかと思ったのですけれども米軍がそのマニュアルどおりにやったということを常に言うからには、事件事故がなかなかなくならぬ部分が出てくるわけです。  そういう意味で、このマニュアルそのものについて、米軍が、彼らの訓練というのは恐らく戦場を想定して、その周辺でそれを想定しながら訓練するわけですから、そうすると、そのマニュアルそのものも最小限必要な、危険を除くという形でのマニュアルだと思うのです。それが、今、民間地域である私ども沖縄県でそのマニュアルどおり訓練して、マニュアル処理しましたから安全ですという表現をされたのでは、こんな迷惑な話はないのです。  したがいまして、何らかの形でそのマニュアルそのものを見直していただきたい。例えばもっと安全な方向でという踏み込んだことができないのか、ぜひまたやっていただきたいと思うのですが、これはどなたですかな。
  23. 池田行彦

    池田国務大臣 まずマニュアルという点でございますが、これは先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、米軍のものでございますので、日米協議してという性格のものではございません。  しかし、米軍におきましても、当然、これは訓練の際に計画どおりの行為が行われることがまず大前提でございましょう。このケースでいえば、射爆場へ行って計画どおり爆弾が投下されるということが一番肝心なことだと思うのでございます。しかし、それが予定どおりにいかなかった。計画どおりにいかなかったときに、危険を防止するために一体どういうふうな措置を講じなくてはいけないかということを決めている。そういった意味でのマニュアルでありますので、これはやはり安全性を最も重視した決め方になっていると思います。  そういった内容といたしまして、先ほど政府委員から答弁申し上げましたように、付近を航行する船舶がないとか、そういうことをきちんと確認するということも具体的に挙げられておるわけでございます。そのほかにも、今回のケースでもそうでございますが、ラックといいますが、機体と爆弾とをつなぐ維持装置、この維持装置から爆弾が切り離されない場合には活性化しない、つまり爆発するような状態にならない、こういうことがございます。  今回の場合も、したがって、そのラック爆弾がくっついたままで投下する、こういう措置をしている。したがって、先ほども答弁の中にございましたけれども、まず爆発するおそれはない、極めて少ない、こういうことを言っておるわけでございますが、そういったラックごと処理するというのも、安全を確保するためのマニュアルといいましょうか、措置一つであろうと思います。
  24. 嘉数知賢

    嘉数委員 そのマニュアルそのものに従ってやられたこともわかっています。しかしながら、鳥島から沖縄県に戻ってくる間にもっと安全なところが幾らでもあるのです。もっと危険をよけるようなところが幾らでもあるのです。しかし、わざわざそこまで来たというのは、そのマニュアルがあって、ここまではマニュアルどおりやって大丈夫だという考えがあったと思うのですよ。だから、そのマニュアルそのもの範囲の問題、なぜわざわざ沖合十キロまで持ってこなければいけなかったのかという疑問もあるわけです。  それは今回の爆弾事件だけじゃなくて、いろいろな形で、例えば去年、辺野古であったのは、漁船後方でしたかな、約百メーターかどこかにミサイルを撃ち込んだ。あれもマニュアルどおりだ、漁船に対して危険がなかったと判断したので撃ったのだということなんですが、それを受けた方はとんでもない話だ。  だから、マニュアルそのものあり方の問題です。マニュアルどおりやったのでしょう、危険防止のためにこういうことをやったのですというのもわかります、これは。しかしながら、その運用のやり方だっていろいろあると思うのですよ。沖合十キロまで持ってこなければいけなかったのかという疑問もある。それは当然のことです。  ですから、そういう意味で、マニュアルそのものはもっと安全性を考慮してほしい。当然私は必要最小限安全性を考慮していると思っているのですよ、今のマニュアルは。そうじゃなくて、今回の事件では、操縦士安全性の確保の問題もあると思うのです。しかしながら、そこで受ける側の、住民側安全性から想定すると、相当やはり危険なことだと思っています。そういう意味で、マニュアルをもっと見直しをしてもらう方法がないものかどうか。  これは米軍の問題ですから、大変壁が厚いかもしれませんが、やってできぬことはないでしょう。私どもとしては、もっと危険をよける方向でのマニュアルを作成してほしいという立場からしますと、何らかの形でアプローチができたら、それはやっていただきたい、そういうことなんです。
  25. 池田行彦

    池田国務大臣 先ほども申しましたように、マニュアルそのもの米軍のものでございますから、その内容自体についてあるいはそれの決定について我が方が直接その協議に入るということは、これは性格上難しいかと存じますけれどもいこういった事故の場合、安全面での配慮をさらに充実するために従来以上の配慮をする措置をとるように要望するということは、これは日本側としてしてまいりたいと思います。  また、現に再発防止ということを強く申し入れているということは、そういった意味合いもあるわけでございますから、具体的にこういった場合の対処方法についても改善すべきところがないか、合同委員会の場において米側にも検討するように申し入れたいと存じます。
  26. 嘉数知賢

    嘉数委員 これはまず危険を除くことが大前提ですから、ぜひできるだけ機会を見つけて努力をしていただきたいなと思っています。  それから、あと五分しかないのですが、これは実はある意味で禅問答になるかもしれませんが、私ども沖縄県では、私も県議を十六年やってまいりましたけれども、常に基地撤去という表現をすると米軍基地なんです。沖縄には自衛隊基地もいっぱいあります。それに対して、自衛隊基地に対して撤去せよという決議は、私も議員としてやったことはないのです、議会としてやったことはないのです。これは共産党も含めて、私ども自民党も含めて、米軍基地だけ撤去しなさいあるいは整理をしなさいということで、なぜ米軍基地だけに焦点が絞られるのか、そのあたりをどのような形で理解されているか、御理解していただいている範囲内で簡単にお答えいただきたいと思います。
  27. 池田行彦

    池田国務大臣 私、かつて防衛庁の仕事をさせていただいたこともございますが、そのころ自衛官の諸君から、いろいろ話をしております中で、実は沖縄での自衛隊の活動は大変難しいんだ、こういう話も聞いたことがございます。これは過去のいろいろな経緯もございまして大変難しい。そういったときには、むしろ米軍より我々自衛隊に対するいわば風当たりといいましょうか、いろいろな御批判が少なくないんだといった感じを受けた。そういった話も聞いたことがございます。  しかし、現時点において、委員指摘のように、今基地の撤去を求める、あるいは基地をめぐるいろいろな問題について、いろいろな声があり、そして御要望がある。それはすべて自衛隊のものではなくて米軍のものだということでございますけれども、それはやはり米軍自身も、そしてまた、それとの連絡に当たります、その関係を担当いたします外務省といたしましても、そのことを重く受けとめ、十分な改善措置を講じていかなくてはならないと考えているところでございます。  そのよってもって来る理由は何かと言われますと、これは想像で物を言ってはいけないのでございますが、やはり何と申しましても、土地の非常に狭隘な沖縄県、しかもその沖縄本島米軍の基地が集中しております。自衛隊の基地に比べまして圧倒的に大きい面積、あるいは人員の面でもそうでございますね。そういったことで、沖縄県民方々にお与えする御負担であるとか生活の面にお与えする影響なんというものは、米軍にかかわるものは大きいものがあろうかと思います。  基本はそうですが、さらに米軍の運用上の問題あるいは行動の問題において、自衛隊に比してさらに問題があるとするならば、そういったところも心して改善していくように米側に対しても申し入れてまいりたいと考える次第でございます。
  28. 嘉数知賢

    嘉数委員 ありがとうございます。  それ以外に一つだけ大きな問題があります。それは、地位協定というのがあるために、私ども沖縄県民は、日本国憲法の中で、日本人として当然の権利が主張できない部分がいろいろな形で出てくる三人の引き渡しでもいろいろ泣き寝入りをしなきゃいけない部分がたくさんある。そういう人権が無視されている部分が相当数あるのです。やはり日本人として平等に扱ってもらうために、そこに治外法権のところがあって、そこに逃げ込めばどうにもならぬわけですよ。そのうっせきした部分が相当あるのですよ。  それが自衛隊基地じゃなくて米軍基地に向ける大きな、もちろん事件事故もいろいろありますよ、その処理する中で、突っ込んでいくと当然人権の問題にぶつかっちゃいます。沖縄県民が常に人権の問題で差別を受けていると言ったら変ですけれども、そういう思いでずっと戦後やってきたのです。これは占領時代も当然のことなんです。戦後、復帰をしてもなおかつその思いをずっと持ってきたのです。その部分が向ける心理的なものは相当大きいのです。それをぜひ理解していただきたい。  やはり法のもとに当然平等であるべきだ。負担も、沖縄県民だけじゃなくて、当然他府県の皆さんも同時に負担をするべきものは負担をする必要があるでしょう。なぜ沖縄県民だけがそういう部分まで制約を受けなきゃいかぬのかという不満が、実は去年の一〇・二一の県民総決起大会で、私、大会委員長としてやりましたけれども、私どもが予想した以上の人が集まってきて、そして大きな大会になった大きな原因もそこにあるのです。それをぜひ理解をしていただいて、これからの沖縄問題に対応していただきたい、そのように思っております。  やはり一番大事なことは、人権を守る、きちっと守っていただきたいというのが沖縄県民の一番偽らざる気持ちなんです。そういう意味で、両大臣にひとつ決意のほどをお願いして、質問を終わりたいと思います。
  29. 池田行彦

    池田国務大臣 沖縄県民方々の人権を大切にしなくちゃいけない、当然のことでございまして、そういったことを大切にしながらやってまいりたいと思います。今、地位協定を取り上げましたが、地位協定をめぐる問題につきましても、今回のSACOの最終報告においても改善措置が幾つか盛り込まれておりますが、これからもそういった面についてもいろいろ考えてまいりたいと思います。
  30. 稲垣実男

    ○稲垣国務大臣 私も就任早々二回ほど沖愚に参りました。今日まで沖縄県民の抱えておられます心の痛みといいますか、今日までのお苦しみが本当に響くような思いがいたしました。我が内閣といたしましては、これらの問題については真剣に内閣を挙げて取り組むべき問題だと考えております。  米軍施設・区域の約七五%、SACOの最終報告は今回二一%減で約五千ヘクタール減になりますが、これが実現されましても約七〇%になりますが、こういった施設・区域が沖縄県に集中しておる、このことも事実でございますし、住民の生活環境や地域振興にさまざまな影響を及ぼしている現状を踏まえまして、政府として、沖縄米軍基地問題を引き続き最重要課題の一つとして、何よりもまずその解決に向けて一層の努力を行っていくこととしております。  私としても最善の努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
  31. 嘉数知賢

    嘉数委員 どうもありがとうございました。本当に精いっぱい頑張っていただくようにお願いいたしまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  32. 仲村正治

    仲村委員長 白保台一君。
  33. 白保台一

    ○白保委員 質問しますが、前回の沖特の委員会で、私たちは、沖縄の基地の整理縮小をめぐって外務大臣からSACOの最終報告を受けて、まじめに、沖縄の基地の整理縮小をどうやってやっていくか、基地あるがゆえに沖縄は常に危険にさらされておる、少しでも住民生活を平和なものにするために基地の整理縮小を進めようという議論を大変展開したわけであります。  その議論を展開していたのが十二日、そのとき私たちはこういう問題が起きておるということを知らずに議論をしていました。既に十日には爆弾の投棄がなされて、その間、沖特が十二日の午前ですから、そしてその夕方正式に公表される、こういう状況で、私たちは今振り返って、何と情けない、重大な事件が起きていたにもかかわらず知らなかった。あるいは教えてもらっていなかったということだと思います。  これまでも私たちは、多くの沖縄県民は、米軍から発生する事件事故に遭遇して、身の危険やあるいは不安や、そういったことで日々の生活を圧迫されておる、そういう思いの人が多くおります。そういう中で、今回は、全くこれは非常識というか、離島航路あるいはまた航空路、そういう極めて重要なところに不当にもこのような爆弾の投棄がなされました。  私も那覇市に住んでおりまして、港の近くですから、周辺の島々の皆さん方が那覇を中心にして生活をしておりますし、行き来をしています。ですから、港に多くのフェリーが毎朝また夕方入ってくる。そしてまた、そういう島々から来られる人たちと接しながら生活をしておる一人として、こういう人たちの安全をどうやったら守ることができるのか。提供水域でもない、しかも漁民も漁業者も大変重要な漁場としてやっているところ、そして航路である。このような非常識な投棄がなされたことに対しまして、県民は物すごい勢いで怒っています。抗議の声が広がっています。  先ほど大臣から報告を受けましたが、今の大臣の御心境をいま一度お聞かせいただきたい。
  34. 池田行彦

    池田国務大臣 今回の事故によりまして、沖縄県民の皆様方がお持ちになりました大変な不安なお気持ち、そしてまたお怒りというものを、先ほども申し上げましたけれども政府としても、また私といたしましても、深刻に受けとめておる次第でございます。その上に立ちまして、事故の再発の防止、そうして、現在投下されました爆弾捜索を行っておりますが、その回収を迅速に行いまして、御不安を取り除くために全力を尽くしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  なお、今回の米側の対応、また、外務省あるいはそれ以外も含めまして政府の対応に必ずしも十分じゃなかったという点も、通報その他も含めまして、これも重く反省いたしまして、それらの改善についても全力を尽くしてまいりたい、このように考えている次第でございます。
  35. 白保台一

    ○白保委員 先ほども申し上げましたが、十二月十日に投棄がなされました。発生しました。そして、十二日に正式な公表をするまでの間、なぜこれだけの時間がかかったのか。これだけ危険なものを危険な地域に落として、なぜこれだけの時間がかかったのか。これは素朴な疑問なんですよ。そして、報道にもありますように、こういったことがなされたということがわからないでフェリーもそこを通っているのです。漁業者も船で操業しています。そういう状況を考えたときに、極めて重要な問題であるにもかかわらずこれがなぜこんなにも時間がかかったのか。  昨年の大震災以来、危機管理ということが言われているわけでございまして、問題が起きたら直ちに処理の即応態勢でしていく、これが本来のあり方です。そうしないと、物によっては二次災害、三次災害と進んでいくわけですから。そういう意味で、正式公表まで二日間以上かかったという、これは一体何だったのか、その間何が行われていたのか、この経過を教えていただきたいと思うのです。
  36. 折田正樹

    折田政府委員 御指摘爆弾投棄事故に係る御報告等がおくれた点については、私ども反省しているところでございますけれども、第一に米側から外務省に対する正確な情報連絡がおくれたことが大きな原因となっております。  十日午後四時過ぎに在京米国大使館から事件の第一報が入ったわけでございますが、事故が起きたのは十時でございますから、もう既に六時間もたっていたわけでございます。そして、実はその内容沖縄防衛施設庁が入手した情報内容が食い違っていたということがあったものですから、どっちが正しいのかというようなことを確認努力をする等したわけでございます。  四時過ぎに第一報が入ったわけでございますが、その日の夕刻に、事務的な形ではございますけれども海上保安庁、それから防衛施設庁の方に御連絡申し上げた次第です。それで、防衛施設庁の方からは沖縄の県当局の方にお知らせになったということでございます。  その時点でのアメリカ側が我々にくれた情報は、那覇空港の何キロというところでございまして、一体それはどこを起点にして、どこだろうかという、七マイルということでございまして、全く正確な場所はわからなかった。それから、爆弾模擬爆弾なのか実弾なのかもわからなかったわけでございます。  そこで、そういう情報では我々対応ができないということで、その日から夜を徹し、また次の日にかけて、我々は米側、在京の大使館、それから横田にございます米軍司令部に働きかけまして、正確な情報を提供するように強く求めたわけでございます。そして、翌日の昼ごろでございますけれども場所がわかったし、これが実弾だというのがわかって、それで、その時点海上保安庁の方は航行情報を出したわけでございます。
  37. 白保台一

    ○白保委員 このことを外務省の方から発表になって、報告に来られました。いろいろ聞いていますと、なぜおくれたのかというと、要するに情報が錯綜しておった。正確な情報を得なければいけないということだ。そして、それを迅速にやらなければいけない。正確に、迅速にという言葉が何度か聞かれたわけですが、こういう問題が発生したときにどういうような連絡報告の体制になっておるのか、いま一度教えていただけますか。
  38. 折田正樹

    折田政府委員 私どもとして、連絡体制というものの改善努力するつもりでありますし、今回の反省を踏まえて、もう少ししっかりしたマニュアル的なものまでつくっていきたいというふうに考えております。  私どもが今までやっておりましたのは、米側から事故通報がありますと、直ちに関係当局、官邸、海でありますれば海上保安庁、そのほかに、関係官庁いろいろあり得るわけでございます。また、防衛施設庁、そういうところに直ちに御連絡するという体制になっているわけでございます。
  39. 白保台一

    ○白保委員 海上保安庁の方が来られていると思いますが、今回の情報入手から航行警報までの経過をお聞きしたいのです。その前に、海上保安庁は常に海の安全、安全航行に一生懸命努力されているわけでございますので、今回のこの問題が起きて大変頑張って努力されておられるわけですけれども、まず、情報入手から航行警報の出されるまでの経過を答えてください。
  40. 長江孝美

    ○長江説明員 お答えいたします。  海上保安庁といたしましては、十二月十日午後五時半ごろでございましたが、外務省から未確認情報であるがということで情報をいただきました。十日、時間は不明でございましたが、沖縄県内射爆場で演習中の米軍機爆弾を投下した可能性がある、実弾模擬弾がは不明である、投棄の場所地点については現在まだ特定できない、一応那覇から七マイルの海上ということでございましたが、方位等もやや不明確でございまして、場所の特定ができないということでございまして、できるだけ速やかに場所等、追加情報の提供をお願いしたところでございます。  その後、大至急関係者から情報入手に努められたどいうことでございまして、翌十一日、お昼ちょっと前ぐらいのころでございましたが、外務省から口頭で御連絡をいただき、やがて正確な情報爆弾実弾であったということ、その投下位置につきましては那覇空港の西方約十キロメートルの海上である、爆弾は爆発せずそのまま海底に沈んだと思われる、こういう情報を入手いたしましたので、これは確実な情報だということで即刻手続をいたしまして、午後一時過ぎでございますが、那覇港西南西に爆弾あり、北緯二十六度十一・五分、東経百二十七度三十二・二分、こういう航行警報を関係船舶に直ちに発出したところでございます。  以上でございます。
  41. 白保台一

    ○白保委員 それともう一点、航行航路の今後の安全の確保、このことについても御努力なされておると思いますが、お答えいただきます。
  42. 長江孝美

    ○長江説明員 お答えいたします。  海上保安庁といたしましては、現在、米軍からの情報に基づきまして、当該爆弾の投下された海域周辺を危険海域、危険区域といたしまして航行警報を発出してございますが、爆弾処理が終わりますか、あるいは安全であるということが明らかになりますまで、当該航行警報を反復継続して安全の確保に万全を図ってまいりたい、かように考えております。また、船舶の安全を図るため、このほかにも、当該海域の周辺におきまして巡視船艇等におきまして重点的にパトロールを実施いたしまして、海域におきます安全確保に全力を挙げてまいりたい、かように考えております。
  43. 白保台一

    ○白保委員 それではちょっと話を変えますが、御存じのように、先ほど申し上げましたように、ここは沖縄県民の生活にとって極めて重要な航路でございます。したがって、一日も早いこの投棄した爆弾回収が望まれる、みんながそれを望んでおる、そういうところです。ですから、いろいろなことを言っても、この投棄されたものを早く回収をしてもらわないと困る、生活に影響が出てくる、こういうことで、これを前提にしておいてお伺いしたいと思います。  実は、この問題が発生してから新聞の報道なんかも見ていますと、政府の対応がちぐはぐである、海自船出動させて一転中止になる、こういうようなことが報道でなされています。海上自衛隊が出動しました。これは自衛隊法九十九条を根拠にしておる、こういうことですが、自衛隊法九十九条を説明してください。
  44. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 自衛隊法第九十九条には、「海上自衛隊は、長官の命を受け、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする。」という規定がございます。
  45. 白保台一

    ○白保委員 海上自衛隊が掃海艇を出動させた。これはどういういきさつで掃海艇を最初に出動させたんですか。
  46. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 十二月十日に米軍機沖縄県の那覇市沖に投棄した千ポンド爆弾一個の捜索処理につきましては、自衛隊といたしましては、関係機関の調整が整い次第、要請に応じまして速やかに自衛隊により捜索を実施できるよう、準備を十三日の午後からいろいろと始めておりました。夕刻に掃海艇二隻を勝連から準備段階の一環といたしまして出港させ、現場に向かわせ待機させたところでございます。  自衛隊法九十九条に基づく捜索処理の命令は、十四日になりまして米側から自衛隊協力依頼というものが出ましたので、それに基づいて十四日の夜から出動命令をし、その捜索に当たるという形になったわけでございます。
  47. 白保台一

    ○白保委員 最初のいきさつについて確認をしておきたいのですが、防衛庁は、外務省とも連絡をとり、掃海の準備として現場に向かわせたというのが実情だと説明しておる、これは間違いありませんか。
  48. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 防衛庁自衛隊といたしましては、過去の経験からいたしまして協力依頼の要請があり得るということを考え、前の日の十二日あたりから、施設庁ではなくて、防衛局あるいは海上幕僚監部の方で情報収集を始めておりました。そして、十三日の午後になりまして、とにかく早期発見早期回収といったような話がいろいろと聞こえてまいったものですから、外務省とも連絡をとり、防衛庁に対する捜索あるいは回収協力依頼があればすぐそれに応じることができるように準備を始めていたということでございます。
  49. 白保台一

    ○白保委員 結局、外務省防衛庁協議の上で準備をする、こういうことですよね。
  50. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 海上自衛隊に命令を出すのは防衛庁長官でございますので、外務省との協議が調い次第ということでは法的にはございません。  しかし、本件は、米軍の投棄した爆弾でもございますし、米軍からの協力依頼があるということが必要であるという認識のもと、外務省協議はいたしておりました。いたしておりましたが、海上自衛隊、それから防衛庁の責任で準備段階に入り、準備段階の一環として船が夕刻出港したということでございます。
  51. 白保台一

    ○白保委員 その後、官邸の方から、米軍が第一義的に処理するのが筋だということで、海自が事前に動くのはおかしい、こういうふうなクレームがついた。これは、沖縄県民も皆そう思っているんです。米軍が不発弾をぶち込んだりいろいろなことをやりますから、自衛隊がそういったことを処理するのじゃなくて、米軍が、やった原因者が処理するのが当然だ、こう思っています。思っていますが、それはそれとして、皆さんは九十九条を根拠にして動いておるわけですね。ところが、官邸の方がそう言ってクレームがついた。それで急遽中止になった。これは、皆さんの動き方は間違っていたんですか。
  52. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 我々防衛庁海上自衛隊のこの十三日の動きは、あくまでも九十九条に基づく防衛庁長官の捜索処理命令が出た場合に、直ちにこの捜索に当たれるように準備行動の一環として行っていたことでございまして、その十三日には法律に基づく出動命令というものは出ておりません。その段階で、準備段階の一環といたしまして船を現場海域に出しましたが、いずれにいたしましても、米軍からの協力依頼というものが出た上で、手続を踏んで他動命令を出すという方針に従ったわけでございます。
  53. 白保台一

    ○白保委員 そこで、確認をしておきたいのは、先ほどから申し上げているのは危機管理、そして処理の即応態勢、こういうことですから、これから九十九条を根拠として、重大な問題が起きた場合に、九十九条で皆さんは自衛隊は動ける、このように確認してよろしいですね。
  54. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 災害派遣活動とか、この九十九条によりますところの不発弾処理の問題とか、これは国民の安全、そういった観点から自衛隊としても極めて重要な任務と思っております。  災害派遣につきましては、御案内のとおり、基本的な要請主義というものがございますが、それは防衛庁長官の発動の要件でございまして、我々といたしましては、そういった要請に対して早く対応できるように、特に海上自衛隊の持っております船は、御案内のように、足はそう速くありませんので、準備段階の過程でその船が出港をし、そして命令を待つというパターンは今後もあろうかと思っております。
  55. 白保台一

    ○白保委員 それでは回収の問題についてお伺いしたいと思いますが、その前に、新聞報道等で、在沖海兵隊は爆発することはない、在日米軍筋は衝撃を受けたら爆発の危険性がある、防衛庁は万一衝撃を与えても爆発の危険はない、こういうように言っておるというふうに新聞報道など出てまいりますと、これは一体何なのかなというような不安が出てくるわけです。  そこで、まず一つは、この統一的な考え方で危険があるのかないのかということが一つ。もう一つは、この種の爆弾の規模、破壊力だとか規模とか、そういったものがどういうふうに認識されているか、掌握されているか、教えてください。
  56. 折田正樹

    折田政府委員 米軍が私ども説明しているその説明によりますと、今次投棄された爆弾は、例えば海中において何らかの事情で非常に大きな衝撃が直接与えられるなどした場合には一〇〇%安全とは言い切れないが、爆弾を支えるラックごと投棄されているので爆弾は活性化しておらず、通常の状態に置かれている限りは、海底において爆発する可能性は極めて低いと承知しております。
  57. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 今引用されました新聞報道について、私は確認しておりませんけれども、私の理解するところ、海上自衛隊米軍の考えている考え方と同じような考えを持っていると思いますが、これはちょっと調べてみないとわかりませんけれども、その米軍の言っている状況について、我々もそんな状況ではないかと思っております。
  58. 白保台一

    ○白保委員 半径二キロという区域を設定して、これは入らないようにというふうにしたわけですが、半径二キロの根拠があるのですか。
  59. 折田正樹

    折田政府委員 当該機のフライトに関するデータの解析等によりまして、航空機が爆弾を投棄した場所先ほど場所なわけでございます。そして、そこから投棄されているものですから、具体的にどの場所爆弾があるかということは捜索をしてみなければわからないのですが、その投下された場所から半径二キロメートルの範囲爆弾がある可能性が極めて大きい、そういう趣旨でございます。
  60. 白保台一

    ○白保委員 そこで、一番やはり焦点となってくるのは回収の見通しなんですね。この回収の見通しについて掃海艇は捜索を始めていろいろやっていると思いますが、現在のところの報告を聞かせていただきたい。
  61. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 現在、確たる見通しを、私、情報として得ておりませんけれども、まず発見することに全力を尽くしているわけでございますが、海流、潮流あるいは海底状況、砂浜なのか岩場なのかあるいはサンゴ礁なのか、いろいろなケースでこの発見にどのくらい時間がかかるのか、これは私も今わかりません。  ただ、過去の経験からいたしますと、まず発見することが大事で、その発見することに時間がある程度はかかるという認識でおります。
  62. 白保台一

    ○白保委員 実は大臣、沖縄に基地があるゆえに、基地から派生する問題が数々出ています。先。ほども質問をされておりましたけれども、私たちは、沖縄県議会にいた当時に、米軍基地開係特別委員会というのがあって、事件事故が起こるたびに委員会を開き、議会で抗議決議をしたり、申し入れ要請をしたりしてまいりました。そのたびに、必ず最後に、要請の中に、抗議決議の中に再発防止ということを載せるわけです。ところが、この再発防止がまたしばらくすると出てくる。  今回も、この問題をやっている直前に、既にヘリコプターが久米島に不時着してみたり、あるいは昨日も水陸両用車が沈没してみたり、十二日に私が大臣と議論しているときにも、海兵隊のトラックが横転したり、そういった話をしました。日常茶飯事のようにこのように多くの事件事故が出てくる。そのたびごとに抗議決議をし、そのたびごとに再発防止というふうに言っているわけです。ところが、この再発防止というのがなかなか実効が上がらない。実が上がらない。こういうのが現実です。  そこで、先ほどの答弁の中に、外務大臣は、新たな実の上がるものをつくる協議をやりたいというようなお話がございましたが、いっ、どのレベルで行われるのか、御答弁をお願いします。
  63. 池田行彦

    池田国務大臣 先ほど御答弁申し上げました点は、再発防止の点、そしてまた早期通報システムの確立の点、もちろん今回の捜索回収の件、そういったものすべてにつきまして実の上がる措置をしてまいりたい、こう御答弁申したところでございます。  そして、それぞれにつきまして、米側には今回の事故が起こりましてからも何度も繰り返し、またいろいろなレベルで厳重に申し入れているところでございますけれども、そういう単なる申し入れだけではなくて、実効の上がるような措置をしてまいりたい、こう思っております。  具体的に、今週中にも日米合同委員会を開きまして、まずその通報システム改善策については話し合いたいと思います。そして、捜索回収努力はもう既に行われているところは御高承のとおりでございます。  再発防止の点につきましても、これもいろいろな側面がございますので、どういうタイミングでということは、今確たることは申せませんけれども日米合同委員会等の場におきまして、いろいろな側面から、この委員会でもいろいろ御指摘がございます、そして沖縄のお地元の皆様方のお気持ちもございます、そういったことを十分踏まえながら申し入れてまいりたい、こう考える次第でございます。
  64. 白保台一

    ○白保委員 事故が起こるたびに再発防止の問題が言われると同時に、原因の究明の問題、そしてそれが公表されない、あるいはまた情報の開示がなされない、こういうことで、騒ぐ、そして決議する、抗議する、だけれども後はうやむやになっているということがあって、県民の中にはいつも非常に不満があります。  今回、これからこういった再発防止一つ機関でもって積み上げていくという中にあっては、なぜこういったものが起きたのか、そういったものの公表もぜひなされなければならないと思いますし、同時に、その原因究明がなされるまでの間は本来訓練は中止してもらいたい、中止すべきだ、こういうのが県民の声なんです。原因がはっきりしないのにまた空を飛んでやっていくなどということは、下にいる県民にとってみれば、こんな不安なことはないのです。原因究明がなされて、こういうことだから安全であるということが明確になるまでは訓練は中止をしてもらいたい、これが県民の声です。いかがでしょうか。
  65. 池田行彦

    池田国務大臣 再発防止を図っていくためにはいろいろな面からの検討が必要でございますが、その中でも、当然のこととして、事故の起きました原因の究明というのは基本だと思います。そういった面では、原因の徹底的な究明を米側にも申し入れておるところでございます。  それと同時に、その最終的な結論が出るまでにもなし得ることはいろいろあるのだと思います。例えば訓練開始前の整備あるいは点検等を徹底するというようなことはその一つかと思いますけれども、そういうことも含めまして、本当に実のある再発防止措置がとれるように全力を傾けてまいりたい、こう考える次第でございます。
  66. 白保台一

    ○白保委員 申し上げたいことはいっぱいあるわけですが、ぜひ理解をしていただきたいのは、島嶼県においては、空、海は道路なんです。海と空は生活道なんです、島嶼県ですから。これはまさに生活がかかっておるところなんですよ。  そういう意味では、今回のこのような投棄事件は極めて重大な問題として私たちは受けとめています。しかも、重要な海路です、航路です。そういうところがよくわかってないのじゃないか。だから、新聞なんかを見ても、「“臨場感”ない外務省」と書いてありますよ。「“臨場感”ない外務省」。現場がどういうような生活をしているのか、事件事故が起こったのがどういうところなのか、県民にとって何なのか、このことがよくわかっていない。そういう意味では、ぜひ沖縄大使は臨場感を持って頑張ってもらわなければいけない。  これは、実は私どもは一九八〇年二月、十一月、そして翌年、私の先輩が外務委員会で伊東外相や園田外相に沖縄大使を申し入れ、さすがは園田外相は党人で、前向きでおられました。なぜ私たちがそのころからそのことを言ったかというと、まさに臨場感の問題なんです。このままいったらいろいろな事故が起きる、外務省方々に知ってもらわなければいけない、その場に来てもらわなければいけない、来てもらってそこで対応してもらわなければならない、こういうことで我々は——その当時の新聞に大きく出ています、十六年前に。それがやっと十六年たって実現する ようですから、ぜひ現場の臨場感を持って対応していただかなければこの問題は解決しないだろう、こういうように思っています。  次に移りますが、防衛庁、運輸省、来られていますね。来られていると思いますが、実はニアミスの問題が出てまいりました。那覇空港で。時間がありませんから急いで申し上げますけれども自衛隊とANK、エアーニッポン、この民間機が自衛隊機とニアミスを起こしているわけです。  ここは沖縄県のまさに玄関でございまして、三百万から以上の観光客が当然入域いたしますし、同時にまた、先ほど申し上げたように、島嶼県では空路というのはまさしく言ってみれば駅のターミナルみたいなところです。そういうところで、いわゆる軍民共用という問題が常に言われてまいりました。この危険な空港の実態を、私たちは早くからこの問題を解決していかなければならない、こういうふうに訴え続けてきたわけでございます。  私も、去る四月二十日に、東京からの帰りに那覇の上空まで来て、あと十分でおりますというときに、急遽鹿児島の方へ引き返した。何が起きたかと恵うと、あの民間空港が共用ですから、あの空港で自衛隊機がパンクをして民間機がおりられない、こういうことがよくある。こういう実態を早く解決しなければならない。沖合展開をするなり分離をするなりしていかなかったならば、県民の安全あるいは空港の安全は守れない、こういうことで、強くこのことを申し述べておきたいと思います。  現状について、運輸省、防衛庁、御報告いただきたいと思います。
  67. 粟威之

    ○粟政府委員 まず、防衛庁の方から御説明をいたします。  十二日の十二時三十五分ごろでございますけれども那覇空港の滑走路上空において、那覇空港への着陸態勢にあった航空自衛隊のF4戦闘機の二機が同空港から離陸態勢にあった民間航空機と接近する状況が生じましたけれども、これは、私ども訓練終了後、那覇空港に帰投じている際に、那覇空港の管制指示に基づいて着陸進入を行ったところ、滑走路上に民間航空機を視認いたしましたために、着陸を断念して、着陸復行、再度着陸コースに入るための飛行をやった。その際に、既に離陸を開始していた当該民間航空機と接近する状況になったものでございます。  現在、運輸省を中心に当該事案に関する事実関係確認を行っておりまして、防衛庁としても、運輸省と協力して事実関係確認に努めてまいりたい、こう思っておるところでございます。
  68. 佐野功

    ○佐野説明員 平成八年の十二月十二日、那覇空港の滑走路上、36上空で、今お話しになりましたようなエアーニッポンの四三三便と航空自衛隊のファントム、F4が接近したという事実が、航空法の第七十六条の二の規定に基づいて、報告が航空局の首席安全監察官あてにエアーニッポンの四三三便の機長から提出されました。  今現在、これに基づいて関係機長及び那覇空港事務所から状況を聴取するなどによって調査を実施しているところであります。調査の結果に基づいて、必要に応じて再発防止についてしかるべき処置をとっていきたいと考えております。
  69. 白保台一

    ○白保委員 時間が参りましたので終わりますが、これは、だれがどうこうという話もないわけじゃないのですけれども、一番大事なことは、共用をしているところに問題がある。スピードが違うわけですから、共用しているところに問題があります。この共用を早く終わらせる、ないししていかないと、この種の問題はこれからも起こるだろう。したがって、この問題の解決を強く求めて、終わります。
  70. 仲村正治

    仲村委員長 松本惟子君。
  71. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 御質問をいたします。  在日米軍施設の七五%が集中しております沖縄は、同時に、先ほどの方も述べておられましたけれども、目には見えない訓練水域、そして訓練空域によってすっぽり覆われているということが改めて再確認をされました。沖縄には、鳥島のほか幾つかの射撃場があり、米軍機が頻繁に射撃訓練を行っております。今回の事故は、訓練の帰りがけに日常的に起こり得ることを証明したものであり、沖縄が絶えず危険な状態にあることを示していると言えます。さらに、日米地位協定のもとで、安全の問題一つとりましても、沖縄県の方々は人権に対する圧迫感を常に感じているということも同感でございます。  そこで、質問でございますけれども爆弾投棄地点那覇空港の西約十一キロの海上で、宮古島や石垣島、周辺離島と那覇港を結ぶフェリーの航路にもなっております。小型漁船や釣り船が往来をしている場所でもございます。一歩間違いますと大惨事を引き起こしかねない場所とも言えます。なぜこのような場所に投棄をされてしまったのか。先ほどの御説明では、投棄者はマニュアルどおり処理をしたんだというふうにおっしゃっておられましたけれども、私はやはり納得ができないのでございます。その真相はどうだったのか。そして、事故から一週間もたっているのですから、大臣の御説明先ほどございましたけれども、真相の究明がどのように進んでいるのか、そのことをお伺いをしたいと思います。
  72. 折田正樹

    折田政府委員 今回の事故につきましては、その原因等を今米側当局で調査中でございまして、私どもも詳細はわからないわけでございますけれども、現時点での米側説明によりますと、当該事故機のパイロットは、訓練中何度も爆弾の投下を試みたが成功せず、この段階爆弾を投棄しないまま嘉手納飛行場に着陸することができるという判断を行い、嘉手納飛行場付近へ飛行したのではないかとのことでございます。  さらに、米側によりますと、同嘉手納飛行場の航空管制官が爆弾を投棄した後に着陸するようパイロットに指示を出し、このパイロットもそれに従うことになった由でございますけれども、この段階では、訓練場まで引き返して爆弾を投棄するのに十分な燃料が残っていなかったためで、マニュアルに従ってあそこの場所で投棄したということのようでございます。
  73. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 何度も先ほどから御質問があっておりましたのでこれ以上申し上げませんけれども、一刻も早く、一日でも早く真相を解明されまして、そして処理をされますことを強く要望をしておきたいと思います。  次に、今回の爆弾投棄事件で一番大きな問題は、事故情報伝達のおくれでございまして、そのことにつきましては先ほどから政府側の御答弁がございました。  参議院の外務委員会が十二日に行われておりますが、ここで外務省折田正樹北米局長説明したところによりますと、同省が在日米国大使館から情報をキャッチしたのは十日の十六時ごろ、そして、直ちに海上保安庁防衛施設庁連絡するとともに、米国に対して即座に遺憾の意を表明し、必要な措置をとること、そして原因の究明、再発防止などを申し入れた。こうおっしゃられております。  そして一方、海上保安庁でございますが、十日の夕方、外務省から連絡を受け、那覇沖という漠然とした情報で投棄場所がはっきりしなかったために航行警報は出さなかった。こういうことになっているようです。そして、翌十一日の十二時三十分過ぎて、外務省から海上保安庁に投棄位置などの具体的な情報が入って、十三時三十四分、海上保安庁航行警報を発令し、沿岸を航行する船舶爆弾が存在することの注意を呼びかけております。それが危険区域とする警報に変わったのは、十二日の零時五十五分ということでございます。爆弾投棄から何と四十時間がたっているわけでございます。  爆弾が投棄された危険水域を漁場とする漁民やフェリーの利用者たちなど、地域の住民の安全にかかわる投棄の事実だけでもやはり早く知らせるべきだったにもかかわらず、県民は丸二日間も知らされないままだったということは私も大変な問題だというふうに思います。  これで果たして沖縄県民の声にこたえられるのでしょうか。この間たびたび政府がおっしゃいました。そして外務大臣もおっしゃられましたけれども県民の理解と協力を得ることができるのでしょうか。SACOの最終報告で、「良き隣人たらんとの米軍の方針の一環として、米軍の部隊・装備品等及び施設関係する全ての主要な事故につき、日本政府及び適当な地方公共団体の職員に対して適時の通報が確保されるようあらゆる努力が払われる。」というふうに最終報告の中に明記をされてあるのは一体何なのでしょうか。沖縄県民にきちんと伝える誠意が、私はどうしても日米政府に全く感じられないというふうに申し上げます。この点についての外務大臣の御所見を伺わせていただきたいと存じます。
  74. 池田行彦

    池田国務大臣 まず、今回の事故そのものが大変遺憾なことであり、このような事故が再発しないように、原因の究明、そしてそのいろいろな改善措置、そういったものをやっていかなくちゃいけない、これは当然でございます。  それと同時に、今回、米軍から我が国に対する通報あり方、あるいは政府部内の連携、いろいろな対応につきましても、反省すべき点がある、改めるべき点がある、このように考えておりまして、そういった点について、日米間においても早速に協議を始め、所要の措置をとってまいりますし、政府部内においても改善措置を講じてまいりたいと考えている次第でございます。
  75. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 日米合同協議の件につきましては、お伺いをしておりましても、もう少し政府の主体的な姿勢をその会議に臨むに当たって持っていただきたいということを私は申し上げておきたいと思います。  次に、海上保安庁外務省との食い違いの問題についてお尋ねをいたします。  報道によりますと、航行警報が遅かった理由としては、海上保安庁は、外務省からの一報は投棄位置がはっきりしてなかったというふうにおっしゃいました。それで、未確認情報のために公表を控えてほしいとの内容だった。第二報で実弾と判明をして投棄位置もわかった段階で直ちに航行警報を出した。こう御説明をされております。未確認情報のために公表を控えてほしいと外務省海上保安庁要請したのですか、そのことを伺いたいと思います。それから、事実とすれば、その理由は何なんでしょうか。そのことについてもお伺いをしたいと思います。
  76. 折田正樹

    折田政府委員 私ども、第一報が入ったときに直ちに海上保安庁の方に情報を渡したわけでございますが、それは未確認情報である、まだ内々の情報であるという言い方で情報をお渡ししたわけでございます。それ以上にいろいろ申し上げたということはございません。
  77. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 未確認情報であっても危険はあるわけですから、迅速に対応していただきたいと思います。  そして、先ほどからの御説明を伺っておりまして、第一段階では模擬弾というお話もありました。それから、危険性がない、今のところ爆弾そのものはすぐに爆発をするというようなことでもなかろうというようなニュアンスの御答弁がございましたけれども、仮に模擬弾であったとしても、未確認情報を得たときにどうして日本政府は、政府はといいますか、外務省はもっと積極的に確かなことを、九州の言葉で言いますとせっつかなかったのか、米軍に対して県民の安全を守るために聞かなかったのだろうかということでございます。米側としましては、パイロットに実弾かどうかということを確かめれば、実弾を積んでいたかどうかというのはわかるのではないかというふうに思いますが、そのあたりはどうなんでしょうか。
  78. 折田正樹

    折田政府委員 当時、もう一つ沖縄防衛施設庁から入ってきた情報もあったわけでございますが、それもまた私どもがいただいた第一報の情報とは違っていたわけでございます。  私ども、まさしく今委員おっしゃるように、そういうことぐらいすぐにわかるのではないかと思ったものですから、その情報確認にその後ずっと努めていたわけでございますけれども、実際に答えが返ってきたのはその翌日だったということで、私どもこの辺の米側の対応は非常に遺憾であったと強く思っているところでございます。
  79. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 次に進みますが、投棄された爆弾はMK83、こう呼ばれておりまして、全目的型爆弾、そして全長三メーター、直径三十五センチ、重さ四百五十キロ、爆薬の量は二百キロ、そして投棄時は起爆装置が作動しないようになっていたというふうに言われております。  しかし、投棄場所は比較的に底が浅い地域海底であると言われております。私は、浅いということについては、発見しやすいということかなというふうに当初考えましたけれども、いまだに見つかってない。それから、浅ければ、漁船が間違って網にひっかける可能性なんかもあります。ですから、早期にやはり撤去をしていただきたいというふうに考えるわけでございます。  これに関連しまして、九一年の十一月でございますが、青森県の三沢基地のF16戦闘機が爆弾投棄を起こした事件を思い出します。離陸後に機体に電気系統のトラブルが発生したということで、三沢対地射撃場の制限水域内で、搭載していた二千ポンド、約九百キロと言われておりまして、今回の二倍の爆弾でございますが、七キロ沖合に投棄をした。そして、航空自衛隊協力をして捜査をしたが見つかっていませんね。これは現在も見つかっていないというふうに思います。こういうことがないように一刻も早く爆弾処理すべきと考えます。現状につきましては、先ほどるる御説明がございましたのでこれ以上重ねて申し上げません。いち早く処理されることを重ねて強く要望させていただきたいと思います。  それから次に、早く見つかることを望んでやみませんけれども、仮に、危険指定が長期化しまして、漁業関係者やフェリーの会社などのお仕事に影響が出てきた場合、その補償はだれが、どのようになさるのでしょうか。私、心配ですから、この点についてもお伺いをさせていただきたいと思います。
  80. 伊藤康成

    ○伊藤(康)政府委員 お答え申し上げます。  今回の事故は、大変遺憾なことでございますが、米軍の公務中による事故ということでございますので、この事故から今後何らかの損害が発生する、現在のところ幸いにして発生しておりませんが、今後損害が発生したということでございますと、地位協定の規定、また地位協定に基づきます民事特別法という法律がございますが、これに従いまして国家賠償法と同様の補償をするということになっております。すなわち、国、国家公務員が何か事故を起こしたとか、あるいは国の施設で何か損害を及ぼしたというようなケースと同じように補償するというのが決まりでございます。  手続といたしましては、今後仮に何らかの損害が出たということでございましたならば、私どもの出先の防衛施設局の方にお申し出いただければ、それが法律上補償できるものであれば防衛施設庁から補償させていただく、そういうことになると思います。
  81. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 補償につきましては、暮らしにかかわる大切な問題でございますので、ぜひ政府がきちんと対応し、必要な補償をしていただきたいということを申し上げさせていただきます。  最後でございますけれども米軍はこれまでも、普天間飛行場での夜間離着陸訓練、それから読谷補助飛行場でのパラシュート降下訓練などで数多くの事故を引き起こしております。沖縄方々は絶えず米軍演習による危険にさらされていると言っても過言ではございません。今回のような米軍による常識を逸脱した行為を再び起こさせないようにするためにも、私は、日米地位協定に演習に関する条項を追加するなど、政府の責任において住民の安全の徹底を図るべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
  82. 池田行彦

    池田国務大臣 在日米軍がその活動を行います場合に、我が国の公共の安全に配慮を払うべきは、これは当然でございます。そして、現在の地位協定にも、たしか三条だと存じますけれども、それが規定されております。そういった配慮はきちんとやってまいります。  他方におきまして、米軍日本に駐在しまして、安保条約上の目的を遂行するために活動していく、その場合には、当然それは訓練を行うということが前提になっているわけでございますのでへその訓練そのものをどうするとか、事故があった場合にいわばペナルティー的なものを科すといったような規定を置くということは、これは性格上なじまないものと存ずる次第でございます。  いずれにいたしましても、前半で御答弁いたしましたように、安全には十分の、万全の配慮をしていただかなければいけない、こう考えます。
  83. 松本惟子

    ○松本(惟)委員 最後にお願いでございますが、再発を防止するという悲願にこたえるためにも、私は、もう少し踏み込んで、日米地位協定に演習に関する条項をもう少し具体的に追加をしていただくということを最後にお願いをしておきたいと思います。  ありがとうございました。
  84. 仲村正治

    仲村委員長 古堅実吉君。
  85. 古堅実吉

    ○古堅委員 私も、米軍機による爆弾投下事件について質問をいたします。  この種の事件事故が起きるたびに、決まったように再発防止のために最善を尽くす云々と言われてきました。そういう政府その他の言動に対して、正直言って沖縄県民は本当にうんざりしています。私は、まず最初に、改めて今回の事件に対して怒りを込めて抗議を表明して、若干の質問に入らせていただきます。  鳥島射爆場に放棄すれば今日のような危険な事態は起こらなかったのであります。なぜわざわざ那覇空港沖十キロの近地点爆弾を投棄するということになったのか、説明してください。
  86. 折田正樹

    折田政府委員 今回の事故につきましては、現在米国当局で調査中でございまして、まだ詳細は明らかにされておりませんけれども、現時点での米側説明によりますと、当該事故機のパイロットは、訓練中何度も爆弾の投下を試みたが成功せず、この段階爆弾を投棄しないまま嘉手納飛行場に着陸することができるという判断を行い、嘉手納飛行場付近へ飛行したのではないかということでございます。  さらに、米側によりますと、同嘉手納飛行場の航空管制官が爆弾を投棄した後に着陸するようパイロットに指示を出し、このパイロットもそれに従うことになった由でございますが、この段階では、訓練場まで引き返して爆弾を投棄するのに十分な燃料が残っていなかったということでございます。
  87. 古堅実吉

    ○古堅委員 那覇沖で投棄できたのですから、鳥島の射爆場現場でも投棄できたのではないですか。
  88. 折田正樹

    折田政府委員 理論的にはそういうことだろうと思いますけれども米側説明では、その段階では爆弾を投棄しないまま嘉手納飛行場に着陸することができると。いう判断をそのパイロットが行ったということでございます。
  89. 古堅実吉

    ○古堅委員 軍事評論家で元航空ジャーナル編集長であられた青木氏が、通常はラックごと爆弾が落とせるのであれば射爆場で落とし、どうしても落とせないときはそのまま基地に帰投する、途中でわざわざ爆弾を落とすのはおかしいというふうに述べています。おかしいと思いませんか。
  90. 折田正樹

    折田政府委員 今米側原因等を調査中でございますので、私からそれ以上予断を持ってお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。
  91. 古堅実吉

    ○古堅委員 政府はその報告の中で、パイロットは手順に従い爆弾を投棄したと言っております。青木氏の指摘のように、ラックごと落とせるのであれば射爆場に落とすのが手順ではないか、こう思われます。どうですか。
  92. 折田正樹

    折田政府委員 先ほど申し上げましたように、理論的には射撃場で落とすことが可能だったように私も思いますけれども、そのときのパイロットの判断では、爆弾を投棄しないままで嘉手納飛行場に着陸することができるという判断をパイロットが行ったという説明をアメリカ側から得ております。
  93. 古堅実吉

    ○古堅委員 この青木氏は、爆弾ラックにつけた状態で着陸する訓練も行われており、難しい操縦ではない、このようにも述べております。青木氏が述べているように、落とせないときは基地に持ち帰るというのが手順ではないのですか。
  94. 折田正樹

    折田政府委員 私、専門的知識も持ち合わせませんし、青木氏の言われていることが本当に正確なのかどうかというのを判断する立場にございませんけれども、やはり個別のいろいろな事情も勘案しなければならないのではないのかなというふうに私ながらに思います。
  95. 古堅実吉

    ○古堅委員 先ほど訓練場まで引き返すのに十分な燃料がなかったのでマニュアルに従って投棄したものと思われるという趣旨のことを述べておられました。理論的にそのとおりだと思うと、私の質問に対してもそういうお答えをしておられます。  そういうことにかかわることは、この種事件が、なぜわざわざ那覇空港沖十キロ近くに、しかも本当に航路や漁場などとの関係で鳥島近海とも異なって重大なことになりかねないようなところに来て落とすということになったのか。その程度の疑問というのは、青木さんのような専門家などではなくても起きる疑問ではありませんか。そのことについて、政府はアメリカに対して何ら突っ込んだ問い合わせとかそういうこともしていないのですか。手順に従って落としましたと言われているこの手順そのものが、どうなっているのかということについても何ら確かめてもいないのですか。
  96. 折田正樹

    折田政府委員 私も素人でございますけれども、私なりに疑問を持つところもいろいろございます。そういう点も踏まえまして、私どもも専門家の知識もかりながら、アメリカ側にいろいろな疑問点ということについては究明しているところでございます。
  97. 古堅実吉

    ○古堅委員 それでは念を押してお聞きしますけれども、あなたも疑問に思っておられる。私の質問に対しても、理論的にはそうであろうと。しかも、手順云々ということで報告の中にも引用しておられる。その手順なるものがどうなのかということについて当然確かめなければいけない立場にありましょう。そういう意味で、政府として、外務省としても、この言われているマニュアル、手順、それらについて、アメリカ側にきちっと確かめた上で国民に公表してもらえますか。
  98. 折田正樹

    折田政府委員 私自身としても、詰めるべきところは詰めて、できるだけわかる形で国民の皆様方に明らかにするというつもりで交渉をやっております。
  99. 古堅実吉

    ○古堅委員 もう少しまじめに答えなさい。わからないからあえてそういう質問をしておるのです。今程度のことでは国民の疑問にも答えられない。大臣、お答えください。質問します。  国民の今、安全にかかわるこういう重大な事態です。しかも、手順に従って投下したなどというふうな弁明もなされています。そういう事態です。アメリカに対して、この手順がどうであったのか、なぜ射爆場に投棄するということにならなかったのか、手順との関係などをしっかり確かめて、国民に公表できるようにアメリカとの間でも交渉をしてもらえますか。大臣にお聞きします。
  100. 池田行彦

    池田国務大臣 先ほど来、他の委員の御質問にもお答えいたしておりますけれども、私どもは、再発防止のために万全を尽くしてまいりたい、実効ある措置を講じてまいりたい、そのためにも、原因究明は極めて大切だ、こう考えております。そして、その原因究明を単に求めるだけではなくて、我々なりに、この点はどうだったのだろうかという疑問点も含めながら、米側にいろいろ徹底的な原因の究明を求めておるところでございま す。  いずれその原因が究明されましたならば、それは国会の場等を通じまして、国民の皆様方にも明らかにしてまいらなければならない、このように考えております。
  101. 古堅実吉

    ○古堅委員 これだけ大問題になっていることについて答弁をはぐらかしてはいかぬですよ。  今質問している手順、マニュアルにかかわる、外務省自身としても疑問のある内容になっているわけですから、当然問い合わせをするなどして、私が質問をいたしましたことにかかわる問題を含め、国民に公表すべきではありませんか。もう一度、大臣、お答えください。
  102. 池田行彦

    池田国務大臣 でございますから、私どもといたしましても、疑問に思う点を指摘しながら、米側にさらなる原因の究明の努力を求め、その結果の通報を求めておるところでございます。  ただ、現段階で、まだ米側からそれに対する具体的な回答は来ていない段階で、推測をもってあるいは予断をもって、私はこう思いますということを申し上げるということは、かえって事態を混乱させるおそれすらございますから、そこのところは、現段階では米側はこういうことを申しておりますということを御説明申し上げた。こういうことでございます。  なお、そのマニュアル自体は、これは米軍のものであり、我々が協議にあずかりながら決めていくものじゃございません。それは他の委員の御質問に対してもお答えしました。しかし、そのマニュアルにかかわる問題、そして安全を確保するためのいろいろな措置につきましては、内容的には我々も米側説明を求めていくということはしてまいる、そういうことでございます。
  103. 古堅実吉

    ○古堅委員 米側に明らかにするよう求めて、きちっとした説明に基づいて国民にも公表する、そのことを強く求めておきます。  次に、米軍事件事故発生にかかわる通報体制の確立について、今週中にも日米合同委員会を開催して協議するという報道がなされております。このとおりですか川
  104. 池田行彦

    池田国務大臣 報道がなされておりますが、本日の当委員会でも私そのように御答弁申し上げました。
  105. 古堅実吉

    ○古堅委員 具体的にどのようなことを協議するお考えですか。
  106. 折田正樹

    折田政府委員 地位協定に基づきます合同委員会がございます。その合同委員会の場で、今回のような事故が起きた場合に、いかに早く、しかもきちっとした形で通報をするということを確保するためにどうしたらいいかという観点から議論をしてまいります。
  107. 古堅実吉

    ○古堅委員 抽象的な言い分でよくわかりませんが、時間もないので前へ進みます。  あと時間も残っていませんので、最後となりますが、今、日本政府は、安保条約を盾に沖縄に二十一世紀までも引き続き基地のたらい回しなどの方法をもって米軍基地を押しつけようとしています。これはまさに、沖縄県民に戦後五十一年たった今日も引き続き基地との共存を求める以外の何物でもありません。  しかし、それが何をもたらすか、そのことが今回の事件を通じて改めて県民に本当に思い知らされた。そういうような感じになっています。県民は本当に心からの怒りを込めて、これでいいのか、国にも問いかけております。そのたびに、これ以上こういう事故が起きないように努力しますなどというふうなことを、何回、何十回、何百回繰り返しても、それがそのとおりになるという保証は何もありません。  県民の願いにこたえる道はただ一つです。本当に基地の整理縮小を県民が言っているような方向に進めることです。たらい回しによる基地の押しつけ、固定化、それではありません。県民の願いにこたえるまじめさがあるのであれば、今回の事件のような事故を限りなくずっと起こし続けている海兵隊について、その撤退を真剣に政府として考えていく以外にない、県民の多くもそう考えています。そのようなことなどを通じて県民の願いにこたえるべきではないか、そのことを最後に大臣からお答えをいただきたいと思います。
  108. 池田行彦

    池田国務大臣 安全対策に万全を尽くしていくのはもとよりでございますし、また、安保条約の目的を達成していくこととの調和を図りながら、沖縄県民の皆様方の御負担をでき得る限り軽減していく、そしてまた米軍の存在することに伴い沖縄県民方々が生活する上でこうむられる影響というものも極力軽減していく、そのために最善の努力を尽くしてまいりたいと存じます。  しかし、その余のところは、委員の御主張と私とは見解が異なるところでございます。
  109. 古堅実吉

    ○古堅委員 もう終わりますが、県民の願いは、県民を引き続き基地に結びっけるような、そういう立場からのどんな形容詞をも願っているものではありません。今の外務大臣の答弁、それには沖縄県民は怒りを込めて、絶対納得がいかぬ、こういう事件が起きてもなおまじめさがない、こういう受けとめだと思います。  引き続き県民の立場を踏まえて、海兵隊の撤退の問題を含め、本当に基地の整理縮小、その早期実現を目指して奮闘することを表明して、終わらせていただきます。
  110. 仲村正治

    仲村委員長 上原康助君。
  111. 上原康助

    ○上原委員 外務大臣関係者の皆さん、御苦労さんです。  私も、去る十日に起きた米軍機爆弾投下事件でまずお尋ねをします。  続発している米軍等の事件事故県民は怒り心頭を通り越して、本当にうんざりしています。加えて、残念ながらこういうものに迅速に対処をする外務省政府の顔が余り見えない、そこがなお県民の不信や不満を買っている点をぜひ真剣に受けとめていただきたいと思います。  そこで、まずこの十二月十日午前十時ころ、爆弾投下、那覇空港西方十キロ地域というのだけれども、この最初報告を受けたのはどこですか。政府外務省防衛庁、運輸省、どこからだれにどういう報告があったのか、それを明確に示してください、簡単に。
  112. 折田正樹

    折田政府委員 政府全体として見ますと、一番最初情報が届いたのは沖縄那覇の防衛施設局でございます。外務省は十二月十日の四時ころでございますが、在京米国大使館二等書記官から外務省日米安全保障課の担当に対しまして、沖縄県の射爆撃場で訓練中のFA18が千ポンドの爆弾の投下作業を行ったが、作動せず、嘉手納飛行場の管制官の指示に基づき、那覇沖七マイ」ルにラックごと投下したという情報が来たわけでございます。
  113. 上原康助

    ○上原委員 今のお答えを聞いても、そんなものかなと思う方も、恐らくこの事件の重大性を思うでしょうね。大使館の二等書記官から四時に。その程度のものですか、日米関係というのは。  那覇防衛施設局は何時にどこからだれに連絡があったのか。
  114. 諸冨増夫

    ○諸冨政府委員 十二月十日の十五時でございますが、在日米軍沖縄地区事務所から私ども施設部長に対して、未確認情報として、制限水域内の安全を確認し、爆弾を同水域内に落下した旨の連絡を受けたところでございます。
  115. 上原康助

    ○上原委員 米軍沖縄地区事務所のだれから、どのクラスからあったのか。
  116. 諸冨増夫

    ○諸冨政府委員 ちょっとそこまでは私承知しておりませんので、確認いたします。
  117. 上原康助

    ○上原委員 皆さん、大臣、政府の皆さん、聞いてください。その程度のものなのか、あなた方の情報というのは。  たくさん時間がないので、それともう一つ、この投下された爆弾は不発弾なのかどうなのか、専門家、答えてください。
  118. 諸冨増夫

    ○諸冨政府委員 ちょっと先ほどの答弁を補足いたしますと、在日米軍沖縄地区事務所渉外官ホサカ氏でございます。
  119. 上原康助

    ○上原委員 ホサカさんというのは通訳官だよ、女性の。女性だからどうということはないけれども。  これは不発弾なのかどうなのか、答えてください。防衛庁でもだれでもいい、専門家が来ているでしょう。
  120. 秋山昌廣

    秋山(昌)政府委員 米側からの通報によりますと、訓練中の海兵隊所属のFA18航空機が機器の不調により不発爆弾を投棄する必要が生じたということを言っておりますので、不発弾ということであろうかと思います。
  121. 上原康助

    ○上原委員 冗談じゃないよ、あなた。不発弾というのは、爆発させるために投下をして、衝突を受けて不発になるのが不発弾だ。  私がなぜこのことを聞くかというと、本当に皆さんのこの外務省から出ている文書、あるいは米軍とのやりとりのものについてはずさんもずさん。この程度のことしかやらないのかということが、これは恐らくだれだって不発弾と思わないでしょうね。外務大臣、そういうことです。  防衛庁が出している文書は今聞いたから、もう一つ、これは最初プレスリリースですから、恐らく外務省でしょうね。時間がありませんからたくさん言えませんが、実に、県民がこれを読むと余計頭にきますよね。  「燃料切れになるおそれはなかったものの、当該機の燃料は最低限度に達しつつあり、そのため爆弾を海上に安全に投棄すべく指示された。」射爆場まで行って投下できるような状態にあったのかどうか。燃料切れのおそれはなかったものの、燃料は最低限度に達し、こんな説明で納得できると思いますか。これをはっきりさせてください。  それともう一つ、「当該機のパイロットは、標準の投棄基準に従いこどういう投棄基準なのか、このマニュアルというのがあるはずですから、これは出しますね。米軍はこのマニュアルを持って、それに従ってやったと言っているのだから。さっきも少しあれだったのだが、その投棄基準マニュアルというものがあって、標準の投棄基準に従ってやったと言っている。どういうマニュアルなのか、投棄基準なのかはっきりさせなければいかない。米軍にあるなら、防衛庁にもあるなら、これをはっきり国会に出してください。いいですね、今の二点。油はあったのかなかったのか、投棄基準マニュアルがあるなら、アメリカに確かめるまでもなくこれを明らかにすべきだ。それができないと、ないと原因究明できない。
  122. 折田正樹

    折田政府委員 燃料切れ云々のお話は、私、一つの重要なポイントだろうと思います。  それで、今、米側でまさしく原因の解明を行っているところでございますので、私が余りここで予断を持って申し上げるわけにはいかないと思います。  それから、「パイロットは、標準の投棄基準に従いこということでございますが、アメリカによりますと、パイロットは爆弾投棄の際、船舶が付近を航行していないこと及びLマイル以内に陸地がないことを確認の上、爆弾を投棄したというふうに承知しております。そして、投棄する際には、爆弾を不活性化するため、支持するラックごと爆弾を投棄したということでございます。それが投棄基準ということでアメリカ側から説明を受けておりますが、そのマニュアル自身米軍の運用にかかわる米軍の恥の文書でございますので、私どもはそれは公表は難しいものと思われます。
  123. 上原康助

    ○上原委員 これは非常に重要なことで、外務大臣、これは政治の話なので、重要な問題点を指摘されて、原因究明を徹底的にやろうということ、アメリカが言い逃れている点あるいはいいかげんにやろうとしている点は、我々は野党時代から、こういうことについてはもう何回、何十回、何千回と私は言った。多分何百回言っている。  だが、今あなたが秘なんて言うのは、アメリカは本当に秘と言っているのか。出しなさいという主体的な外務省の要求を、政府の要求もせぬでおって、こういう公式の場では出せないということ自体がおかしいのだ。納得できない、それは、いつまでそんなことをやるのだ。  だから、見てごらんよ。十二月十日でしょう、十二日でしょう。十三日、久米島に海兵隊のヘリコプター不時着。またきのうは水陸両用舟艇の沈没、金武の山火事。これで何がSACOの事業なのだ。大臣、こういう不明瞭な点があるのですよ。  だから、合同委員会でなさるならなさるで、きちっと、これは役人、官僚任せにせぬで——何ですか、さっきのは。ホサカ連絡官から報告を受けて、防衛庁外務省や、局長や次官や大臣クラスが、ああそうですかと。そんなものですか、本当に。だから、こういうことについてもなっていないと言うのだ。僕は残念ながらもう野党に戻るけれども。  これは外務大臣、私が今言っている点は、別に僕は無軌道なことを言っているのじゃない、これこそ本当の正論なのですよ。国民の生命財産、事故防止を本当にやるということなら、この程度のことはやってもらわなければいかぬ。  それと、運輸省はいつ、どこから、だれから連絡を得たのか。これは、時間がないがちょっと答えておいてください、後のことがあるから。
  124. 長江孝美

    ○長江説明員 お答えいたします。  海上保安庁が御連絡をいただきましたのは十二月十日午後五時半ごろでございまして、外務省から未確認情報ということで御連絡をいただきました。
  125. 上原康助

    ○上原委員 最後に、今私が指摘したことについてまとめて大臣の御答弁をいただいて、終わります。
  126. 池田行彦

    池田国務大臣 委員の御指摘になりましたところ、私も本当に真剣にお伺いさせていただき、また、今後改善策に真剣に取り組んでまいりたいと存じております。  そして、とりわけ通報システムにつきまして、通報のレベルなどにつきましてもいろいろ御指摘ございました。私どもも、そういったところは改善しなければいけないと考えておるところでございまして、現に今回も事後的に高いレベルで説明を求め、また、こちらからもいろいろ申し入れをしたわけでございますが、今後開かれます合同委員会におきまして、こういう通報システム協議いたします場合に、そういった点もよく相談してまいりたいと思います。  それから、いま一つ、安全を図るための手順を踏んだという点でございます。これは、マニュアルそのものについては米軍の運用にかかわる問題でございますので、それは難しいかもしれませんけれども、こういった場合にマニュアルではどういうふうな手順を踏むことになっているのかいそのことは米側説明を求め、それと照らし合わせて、今回の、どうしたらどうであったかということはきちんと明らかになるようにして、また、国会へも御報告してまいらなければいけない、このように考えている次第でございます。
  127. 上原康助

    ○上原委員 終わります。      ————◇—————
  128. 仲村正治

    仲村委員長 この際、御報告申し上げます。  今会期中、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してございますとおり、北方領土の早期返還に関する陳情書外一件であります。      ————◇—————
  129. 仲村正治

    仲村委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 仲村正治

    仲村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時七分散会