○
平田委員 普天間の
返還条件としての緊急時の使用の
条件についても、まだこれからだという話。そして、膨大な費用がかかる、また、場所も決まっていない。これは、要するに絵にかいたもちの代替海上ヘリポートなのですよ。こんなことで普天間はどうやって返ってくるのですか。これで
沖縄県民は納得できると思いますか。
国民は納得できませんよ。これは、要するに実現可能性のない案だと言わざるを得ないと私は思います。
沖縄の
米軍の六割以上は海兵隊でございます。海兵隊の縮小あるいは
移転、全面的
移転、こういうものを
一つ大きなテーマにしなければ、
沖縄の
米軍基地の整理縮小というのは私は考えられないというふうに思います。この東アジアの安定を考えて慎重に対応はしなければなりませんけれども、しかし、
沖縄の基地がきちっと使えなければ、逆に言えば、また東アジアの安定のために
沖縄の
米軍はその存在意義がなくなるわけであります。そういう意味で、政治はもっと責任を持って対応をしなければならない。そういうときに、やはり海兵隊に手をつけなければいけない、私はこう思うわけであります。
それで、
SACOの
最終報告が出された際に共同発表というのも出されているわけでありますが、そこの中に「米国の軍事態勢について、特に、米国国防省の四年毎の国防計画の見直しとの関連において、緊密な協議を行う。」これを
平成九年の課題のまず第一番に挙げられました。私は、三個師団あるアメリカの海兵隊の第三海兵師団、
沖縄に駐屯しておりますこの師団の
削減、縮小というものが、この中のテーマにならなければいけないというふうに思うのですよ。
これは確認でございますが、まず、アメリカの海兵師団は三つでありますけれども、そのうち第一、第二はアメリカ本土におるのですよ。第三師団だけが海外の唯一の海兵師団、これが唯一
沖縄にいる。これはそのとおりかどうか。
また、海兵隊を運ぶ揚陸艦は全部で三十九隻だと言われておるわけでありますが、この三十九隻ではせいぜい一個師団を運ぶのが手いっぱいであります。そういうふうに聞いておりますが、それはどうか。
また、太平洋艦隊の揚陸艦の二十五隻のほとんどはサンディエゴにいる。そして、これが出動する際には、そのサンディエゴの近くにおります最精鋭の第一海兵師団が真っ先にその船に乗り込んで出動する、これが当たり前だろうと私どもも考えるわけでありますが、そうじゃないのかどうか。
それから、現在、
沖縄の部隊のほとんどが、実は第一、第二海兵師団から大隊単位で六カ月交代で派遣されておるのですよ。私も、この七月に
沖縄へ行って普天間の基地を視察させていただいたときに、そこの司令官にどうなんだと聞いたら、そのとおりだ、こう言っておりました。どうしてそんなことをやっているのですかと聞いたら、余り答えなかった。しかし、実際上これはそんなことをやっていれば移動に時間がかかりますよ。
訓練なんか十分にできっこない。したがって、
沖縄で
訓練をしている意味は非常に少ないのではないかと。本国から交代で兵力を派遣するくらいだったら本国で
訓練してくださいよ、こういうことになるわけです。その方が十分な
訓練ができるはずじゃないかと。こんな交代で来るような第三海兵師団というのは実体はない、名前だけじゃないのかと。
しかも、
沖縄の
訓練場は非常に狭い。一〇四号越えの実弾射撃
訓練をやっておりますが、あれも普通の弾で撃ちますと
訓練場をはるかに越えて飛んでいってしまうわけですよ。ですから、弾薬を少なくしてそういうことがないように
調整をして撃っているような狭い
訓練場なんです。そこで実弾射撃をやらざるを得ない。しかも、アメリカから六カ月交代でやってくる、狭い
訓練場へわざわざ六カ月交代で何のために
訓練に来るんだ。
実は、アメリカ国防当局は、九〇年代の初期に第三海兵師団の廃止を考えていたらしい、こういう話があるのです。そのときに、もう全体的に
米軍を
削減しよう、そういうことで三割
削減、それでは海兵隊も三割だから第三海兵師団、海兵師団三つのうち
一つ、三割を
削減しようという話になった。しかし、そのときに猛反対、特に海兵隊のOBの皆さんが政治力も使って反対をした。日本にいれば安いぞと。経費の七〇%は日本が持ってくれる、だから、経費
削減には直接つながらないから
沖縄の第三海兵師団を
削減しあるいは廃止しても余り軍事費の
削減には寄与しないよ、こういうようなこともあったようで、第三海兵師団は残った。こういう話があります。これは一体どのように認識しておいでになるのか、それを伺いたい。
それから、私が、これまでいろいろやりとりで、海兵隊は引き揚げたらどうなんだと言いましたら、北朝鮮に対する妙なシグナルになるといけない、こういう言い方をされました。しかし、現実に韓国にはアメリカの陸軍がしっかりおるわけでありまして、何も海兵隊がちょっといなくなったらアメリカのプレゼンスが東アジアから大きく減ったということにはならないわけでありますし、また、海兵隊ですから、機動力を持っておるわけですから、直ちに戻れるわけでありまして、これは私は取ってつけた理由だと思うのですよ。こういう疑問。
それから、もう
一つつけ加えて申し上げますと、九一年の湾岸戦争の際に、第三海兵師団は実際上は出動しなかった。本国の第一、第二海兵師団が出動したのです。本国から行っているのですよ。わずかの補充兵を第三海兵師団から出したにすぎない、こういう事実も私は聞いておりますが、それもどうなのか。まとめてお答えをいただきたいと思います。