○聴濤弘君 今の法制局の
答弁は私は大分違うと思うんです。
幾つもありますが、時間があれですからまず簡単な方から言いますけれ
ども、だれに返すかわからないから管理をしたのが前回だと。とんでもないですよ。これはこの当時の
質疑を読めば明白なとおり、何で管理をするかといえば、返還の手続をする、その返還の過程を管理するんだというのが
政府の見解だったんですよ。だれに返すかわからないから何もしなかったんだなんてとんでもないです。地主に返還の手続をする、しかし手続が終了するまで若干の期間が要るから管理するんだ、そういうことで管理させてもらっているんだというのが当時の法制
局長官の
答弁です。だれに返すかわからないなんて、そんなでたらめなことを言ってはだめです。今は知花さんに返す、これはもう明確なことなんで、こんな
答弁で私は納得することはできません。
それから、直ちにという問題ですけれ
ども、これは官房長官の談話で四つ例があるんですけれ
ども、二十年間にわたって適法で借りてきたというのが第一、これは事実を述べたにすぎないわけで、これが適法だということにはならない。事実を述べたにすぎないわけです。
二番目の理由というのは、日米安保条約及び地位協定の義務であるというのが第二番目の理由なんですが、これは仮に国として義務があるとしても、どうやって土地を借りるかというのは手続法が要るわけです。日米安保条約あるいは地位協定で
アメリカに土地を貸すことになっておる、だから貸すんだと。これは
法律じゃない。では、どうやって民有地を貸していくのかというその適格性あるいはまた手続、そういったものはきちっとした
法律があってこそ初めて貸すことができる。それが特措法のはずです。ところが、その特措法の期限が切れたわけだから、ただ安保条約のことを持ち出してこれが適法だというわけにはいかない、法治国家である以上いかないということは明白だと思います。
三番目に挙げられている理由は、今緊急使用の手続をしているところだというのが三番目の理由ですが、これは手続をしているという経過を述べているだけで、このことから出てくるわけじゃない。
それから四番目は、土地の借地料を払っているので損害を与えていないと。これは当たり前のことです。
今の四つのことを全部合わせてみても、だから適法だという結論は私は出てこないと思うんです。直ちにという理由を今御
説明になりましたけれ
ども、直ちにもとても私は理解できない。
そこで、現在の法の秩序のもとでこの問題に矛盾なく対処できるやり方というのは、やはり知花さんに土地を返還する、そういうことだと思うんです。その手続を開始することだと私は思います。これは七七年の経験からいって当然出てくることだというふうに私は思うわけであります。
矛盾なく解決しようと思うと、要するに今のままで適法だ、合法だということでもってすべての論理を一貫させるか、あるいはやっぱり無理があるから新立法をつくらなきゃならぬという論理で一貫させるか、どちらかしかないと私は思うんです。その辺の言ってみれば苦衷が出て官房長官の二つの談話になっているというように私は理解いたしますが、それを今の法制局の
答弁のような形で理由
説明とするのは絶対に私は成り立たないと思います。
法解釈については時間もあれですから、実際の沖縄の事情をよく理解しながら対処したいと官房長官も言っておられるんだから、現在の法的な状況のもとで矛盾なく対処するためには知花さんの土地を返還すべきだ、この
措置を防衛庁としても施設庁としても私はとるべきだというふうに思いますが、施設庁にも来てもらっていますので、一言御
答弁をいただきたいと思います。