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1996-04-09 第136回国会 参議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年四月九日(火曜日)    午後一時五十八分開会     —————————————    委員異動  四月二日     辞任      補欠選任      大森 礼子君     鶴岡  洋君  四月八日     辞任      補欠選任      小林  元君     鈴木 正孝君  四月九日     辞任      補欠選任      鈴木 正孝君     小林  元君      松前 達郎君     萱野  茂君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         及川 一夫君     理 事                 陣内 孝雄君                 吉村剛太郎君                 広中和歌子君     委 員                 岡  利定君                 景山俊太郎君                 河本 英典君                 北岡 秀二君                 保坂 三蔵君                 守住 有信君                 小林  元君                 鶴岡  洋君                 西川 玲子君                 林 久美子君                 伊藤 基隆君                 萱野  茂君                 上田耕一郎君                 山田 俊昭君                 水野 誠一君    国務大臣        郵 政 大 臣  日野 市朗君    政府委員        郵政大臣官房長  谷  公士君        郵政大臣官房審  品川 萬里君        議官        郵政省貯金局長  木村  強君        郵政省簡易保険  天野 定功君        局長        郵政省放送行政  楠田 修司君        局長    事務局側        常任委員会専門  星野 欣司君        員    説明員        厚生省老人保健        福祉局老人福祉  吉冨 宣夫君        計画課長        郵政大臣官房人  金澤  薫君        事部長        郵政大臣官房建  野々村俊夫君        築部長     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  ) ○郵便振替預り金民間災害救援事業に対する  寄附委託に関する法律案内閣提出) ○簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出)     —————————————
  2. 及川一夫

    委員長及川一夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、松前達郎君が委員辞任され、その補欠として萱野茂君が選任をされました。     —————————————
  3. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案郵便振替預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案及び簡易生命保険法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明聴取いたします。日野郵政大臣
  4. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 初めに、郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、要介護者である郵便貯金預金者の利益の増進を図るため、要介護者が預入する定期郵便貯金について、利率特例を定めようとするものであります。  次に、この法律案概要について申し上げます。  要介護者省令で定めるところにより預入する定期郵便貯金について、利率特例を定めることとしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  次に、郵便振替預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、天災その他非常の災害に際して行われる民間発意に基づく被災者救援充実に資するため、郵便振替加入者がその口座の預かり金の寄附郵政大臣委託する制度実施しようとするものであります。  次に、この法律案概要を御説明申し上げます。  まず第一に、郵政大臣は、天災その他非常の災害があった場合において、寄附委託を受けることを必要と認めたときは、寄附委託を受けることができる期間を定めることとするものであります。  また、郵便振替加入者は、その期間内に、その口座の預かり金の全部または一部について払い出し請求をするとともに、その払い出しに係る金額民間発意に基づく被災者救援する事業を行う団体寄附することを郵政大臣委託することができることとするものであります。  第二に、郵政大臣は、寄附委託があった場合は、寄附委託を受けることができる期間が経過した日において、加入者口座から払い出し請求に係る預かり金を払い出し、当該払い出し金額を取りまとめ、民間被災者救援する事業を行う団体を公募してその申請を受けた上、寄附金配分する団体及び配分する金額を決定することとするものであります。  なお、郵政大臣は、寄附金配分すべき団体に対し、守らなければならない事項を定めることができることとするとともに、寄附金配分すべき団体等の決定をするには、関係行政機関の長と協議し、かつ政令で定める審議会に諮問しなければならないこととするものであります。  また、郵政大臣は、寄附金配分した団体に対し、配分した寄附金の使途について監査を行うこととするとともに、寄附金配分した団体が守らなければならない事項に違反したときは、配分金の全部または一部の返還を求めることとするものであります。  第三に、郵政大臣は、寄附金配分団体に交付するまでの間、資金運用部に預託することができることとし、預託した結果生じた利子寄附金に充てることとするものであります。  また、郵政大臣は、寄附金に関する経理状況を公示することとするものであります。  なお、この法律施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日からとしております。  次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、近年における保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険加入者に対する保障内容充実を図るため、所要の改正を行おうとするものであります。  その内容は、主たる被保険者または配偶者たる被保険者のいずれか一方が死亡した日から年金を支払う夫婦年金保険を設けること、この夫婦年金保険については、加入申し込み時に被保険者健康状態について告知を受けるようにすること等であります。  なお、この法律施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日からといたしております。  以上がこれら三法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  これより三案について質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 私は毎週のように田舎へ帰るんですけれども、地方でも最近TBSの問題について非常に関心もあり批判もございます。特に、坂本さん一家が亡くなっているということもありますので、本当に批判が強いわけであります。これは、この間から集中審議とか、またあさっても行われるわけでありますが、田舎TBS系統放送会社がございますけれども、そういうものまでも批判対象になっている。それから、広告会社の社員などもTBSに広告しているんだけれども自分のところも非難を受けるんじゃないか、こういうことまで心配しているような状態です。  そこで、郵政省の方におかれましては、四月四日以降、TBSからいろいろ事情聴取もされていると思いますので、簡単でいいですから、その点について御説明をお願いします。
  7. 楠田修司

    政府委員楠田修司君) 御承知のように、TBSオウム報道問題に関しましては、三月二十五日にTBS磯崎社長記者会見を行いまして、これまでと違った調査結果を発表されまして、それ以降、逓信委員会あるいは予算委員会でも議論され、さらに磯崎社長等参考人として呼ばれたところでございます。  郵政省としましては、このような状況の中で、三月二十五日にTBSに対して早急に事実関係の解明や調査体制の見直しを要請いたしました。  これまでTBSからは四回報告を受けております。一番最近は先週の木曜日、四月四日でございます。  四月四日の報告内容を若干申し上げますと、また新たに出てきた発言といいますか、オウムを取材したときに坂本弁護士インタビューテープを見せる約束をしたというふうな発言が出てきたというようなことも出てまいりまして、このことにつきましてはなお引き続き調査を行っていただいております。  それから、調査透明性ということで特別調査人として佐藤庄市郎弁護士に入っていただくことになっておるようでありますが、以前に大川チームにおかれて行われました聞き取り調査、これは膨大なものでありますが、これを検証するということも進めていただいておりまして、相当進んでいるというふうには認識しております。当方としましては、改めて迅速かつ的確な事実確認を行ってくださいということを四月四日にも申し上げたということであります。  先生が先ほど言われたように、いろんなことがございます。郵政省としましてはTBS調査が一日も早くまとまることを期待しております。そして、その結果を踏まえまして必要な対応を行っていく予定にしておるところでございます。
  8. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 局長は何か次の予算委員会等もあるようですので、きょうはこのくらいにさせていただきたいと思います。  それでは、三法案について簡単に質問させていただきたいと思います。  第一に、最近、郵便局に対します評判がこれまで以上に非常によくなっております。私は田舎ですから郵便局というのは非常に関心を持ってつき合っておるわけですが、その声が強くなっております。  局員さんが配達傍ら独居老人に一声ずつかけていく。特に、ことしの冬なんかは寒くて雪も多かったので、そういう点では非常に信頼を受けたということであります。それから、行政と提携しまして、雪道などの道路交通状況などを素早く郵便局配達の方が連絡をするとか、こういうこともあったようです。それから、ふるさと産品開発も随分されて、地域おこしにも貢献をしておる。そういう点では、大臣になられてからハッパをかけられたかどうかわかりませんが、随分よくやっておられます。  昔から逓信委員会でよく言われる言葉があるそうです。「店は一等地、豪華版。身なりは背広にちょうネクタイ。客はおどおど。それに比し、郵便局バラックで、げた履き、にこにこ、こんにちは。地域社会の中にあり」。これは、前段の方は今の有名な母体行を批判しているわけですけれども、後半の方は郵便局、もうバラックではないんですけれども、そういった点で非常に地域の中にあるということであります。  そこで、今度提案されました三法案でありますけれども、これもそういった点で、これは窓口は全部郵便局がやるわけでありますので、私は今後もそのような趣旨でやっていただきたいと思っております。  それで、厚生省公的介護保険検討をしましたり、労働省は介護休業の導入を検討しておるわけですけれども郵政省では要介護者に対する金利優遇等実施を今回提案されました。これは、定期郵便貯金金利高目に設定して、その利息分を家計の経済的負担軽減に役立てようという、まさに自助努力のための方策として有効な手段と私も考えます。  その確認のためでありますけれども、要介護者に対する金利優遇等概要と、それが今回の郵便貯金法の一部改正にどのように反映されたか。その点をお聞かせ願いたいことと、これはニュー定期関係することだと思いますけれども、一千万までのうちの五百万に対しましてこれがかかわってくる。もう一つ福祉定期というのがございますけれども、これは民間銀行もやっていますが、この点との関係がわかりますればお答えをお願いしたいと思います。
  9. 木村強

    政府委員木村強君) 今回、提案をさせていただきました定期郵便貯金金利優遇等実施概要でございます。  定期郵便貯金金利優遇等が提供するサービスの種類は、貯金金利優遇及び貸付利率軽減という貯蓄貸し付けの両面から要介護者に対する支援を行おうとするものであります。  具体的には、金利上乗せにつきまして、定期郵便貯金利率に上限の一%から下限〇・二%の範囲内で二割上乗せをするというものでございます。なお、預け入れられる額は預入限度額の一千万円の内枠で五百万円までということにしております。  また、貸付利率軽減の方でありますけれども、現在、担保とする貯金貸付金利分というのを〇・五%上乗せをしておりますが、これを半分に軽減いたしまして〇・二五%でいいということで、要介護者が借り入れをされます場合にその金利負担軽減をいたしております。  これによりまして、現行金利で四年物の定期郵便貯金を五百万円預入し三百万円の貸し付けを受けた場合のメリットということで計算をいたしますと、年間約九万八千円程度になるということであります。一年定期でありますと、現在〇・四%でありますから、これが〇・六%ということになりますので約一万円程度ということになります。  こういった金利優遇措置にプラスをいたしまして、介護者に対するサービスといたしまして、全国九十カ所に設置する貯蓄相談センターにおきまして介護相談を新たに実施したい。今までは貯蓄相談といったようなものがメーンでございましたけれども、既存のそういった貯蓄相談等メーンとする二十五カ所に六十五カ所プラスアルファいたしまして、全国九十カ所で介護相談も加えた相談センター充実を図りたいということで、介護者の精神的な支えとなるサービスについてもあわせて実施をしたいというふうに考えております。  こういった施策実施に関連をいたしまして郵便貯金法改正をお願いしておるところでありますが、郵便貯金金利につきましては、郵便貯金法第十二条におきまして、郵便貯金金利市場金利を勘案して郵政大臣が定めるという金利設定原則がございます。今回の要介護者に対する定期郵便貯金金利優遇等措置は、要介護者という一定の配慮を必要とする者に対しまして特別に政策的な金利をつけるということで、郵貯としての独自の施策でございますので、郵便貯金金利設定一般原則を定める第十二条の特例として十二条の二という規定を新たに定めるということで、法律に根拠を置いて、郵貯独自の施策として、政策的なものとして実施をするということでございます。  それから、福祉定期との絡みでございますけれども、この要介護者に関する金利優遇等措置は、要介護者の経済的な負担一般の方と比べて多い、ここに自助努力手段郵便局として提供しようというものでございます。そういう要介護者の方というのは、これから少子・高齢化社会でますますふえていくであろうということで、郵便貯金事業企業努力範囲内で他の預金者に御迷惑をかけないという、我々がそういう企業努力範囲内でできるということを前提にいたしまして要介護者の方に優遇措置をしようという恒久的な措置として考えております。  これに対しまして、福祉定期郵便貯金というものは、現在金利が非常に超低金利でございまして、金利下降局面におきまして一時的、暫定的な措置として、激変緩和措置として、急激に下がるような場合には老齢福祉年金受給者等対象にして一定激変緩和措置を講じようという臨時的な措置でございます。このところが違うということでございます。  以上でございます。
  10. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 それで、要介護者、具体的にはどういう対象者を考えておられますか。  それから、こういう預金が出たんですから、全国津々浦々にやはりPRもされなくてはいけませんが、その点についてもお聞かせ願います。
  11. 木村強

    政府委員木村強君) 今回、施策対象者としております要介護者につきましては、郵便貯金法十二条の二におきまして「常時の介護を要する寝たきり状態その他の障害状態にある者であって省令で定めるもの」とされておりまして、具体的な要件は省令において規定をしていくということになっております。  ただ、本委員会において審議をしていただき法案が成立をすれば、これを一体のものとして実施する際に省令を決めなきゃいかぬわけでありますけれども、現在考えておりますことは、この認定に当たりましては、既に郵便局におきまして、簡易生命保険介護保険付終身保険の特定要介護状態というものが郵便局で事実上こういう形で利用されておるというノウハウがございます。その例によるということで、おおむね以下のとおりを考えております。  まず、寝たきり状態にある者ということでございますが、これにつきましては日常生活で歩行できない状態にあるというのがまず前提条件になります。歩行できない方であって、これから申し上げます四つ状態のうちの三つに該当する状態にある方をいうということで考えております。  四つ状態といいますのは、排尿便の後始末が自分ではできない、食事が自分ではできない、あるいは衣服の着脱が自分ではできない、四つ目に入浴が自分ではできない、こういった状況のうち三つに該当する、かつ歩行できない方というものを基本に置いて寝たきり状態にある者ということで特定してまいりたいと考えております。それからもう一つ、その他の障害状態にある者ということでありますけれども、これにつきましては痴呆の方を考えているということであります。医師により痴呆診断確定をされまして、意識障害のない状態で、次の三つに述べる見当識障害のいずれかに該当する状態にある者ということで、一つは時間の見当識障害が常時あるということで、季節であるとか朝昼夜といったような時間の概念がわからない状態の方、あるいは場所見当識障害ということで、現在自分が住んでいる場所または現在自分がいる場所がわからないといった状態三つ目には人の見当識障害があるということで、日ごろ接している家族または日ごろ接している周囲の人間がわからない状態ということで、こういった状態にある方をその他の障害状態にある者ということで、痴呆の方もこれに加えまして、こういった方々が定期郵便貯金をされる場合には金利優遇を行おうということを基本に考えております。
  12. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 要介護状態というのはだれしもなる可能性がありますので、非常に地味な仕事でありますけれども、今後一層努力していただきたいと思います。  それから次に、ボランティア口座創設についてでありますけれども、これは阪神淡路大震災の未曾有の大災害の反省を経てできたと思うんです。行政地域住民、それぞれ大きな役割がありましたけれども、やっぱりボランティア活動といった草の根的な民間活動というのが極めて有効であったし、本当にありがたいことでありました。そういった点で、今後、災害ボランティア口座創設されていろんなボランティアをやっている方におこたえをしたい、そういうねらいではないかと思いますが、災害ボランティア口座創設を発想された経緯とねらいについて、まず御質問したいと思います。
  13. 木村強

    政府委員木村強君) 昨年一月の阪神淡路大震災におきまして、被災者救援するためさまざまなボランティア活動が行われ、その評価が高まる一方でございました。その一方で、経済基盤の弱いボランティア団体方たちが撤退を余儀なくされているというような状況ども見られたところであります。  こういった阪神淡路大震災をきっかけといたしまして、我が国ボランティア活動有効性を高めようということで、どんな環境整備をしていけばいいのかということが政府としての課題ともなりました。現在、関係省庁十八省庁連絡協議会等を設けて種々検討が行われているという状況にあります。  この間、私ども郵政省は、国際ボランティア貯金を通じまして既に海外の開発途上地域で活躍をされておりますボランティア団体支援してまいりましたけれども、そういった配分を受けた団体の方からも、阪神淡路大震災のような国内で発生した非常災害時におけるボランティア活動についても支援措置をとってほしいといった要請が強くございました。さらに、郵便局には、阪神淡路大震災において被災者救援事業を行うボランティア団体に対しまして寄附をしたいが、どの団体寄附をしたらよいのかといった問い合わせもあったところであります。  このような、国民善意はあるんですけれども、一人一人の国民としてはそのような気持ちをどういう形で伝えていけばいいのか、その手段がわからないということで、ボランティア団体とこういった国民の皆様の善意との橋渡しができる知恵はないかということを検討したわけであります。  また、私どもといたしましては、こうした状況の中で、非常災害対策本部が設置されるなど、政府全体としてその対策に取り組むような大規模非常災害の発生という緊急事態が生じましたようなときに迅速に寄附金を募れる方法ということで、むしろ突発的、機動的な対応ということでは郵便振替口座を利用した支援仕組みの方がよりふさわしいであろうと。国際ボランティア貯金というのは継続的、安定的に毎年一回、三月三十一日に通常貯金利子からこれを賄うという仕組みでございますが、そういった継続的、安定的なボランティア行為ということよりも、大震災ということになりますとむしろ機動的、突発的だということで、その場合には振替口座の方がそういうニーズを満たすのではないかということで郵便振替口座を利用した支援仕組みを考えたわけであります。  また、郵便局で行うことにつきましては、何らかの公の機関、先ほど先生から郵便局窓口評判は最近はこうだということで大変激励をいただきましたけれども、警察であるとか税務署であるといった、権力と言うのもなんでありますけれども、そういった色彩の強い官公署よりは郵便局窓口、どちらかというと利用者に対する、地域の方に対するサービスを身近な形で行っている郵便局、そういった郵便局でこのような橋渡し仕事をすることがまさにふさわしいのではないかということで、郵便貯金事業として振替口座を使ったやり方ということで、貯金局を中心にしてこのようなアイデアを考えて御提案を申し上げるという状況でございます。  この制度の活用によりまして、大規模非常災害におきますボランティア支援活動の芽がさらに膨らんでいくということであれば、私どもとして大層やりがいのある仕事だと思って日々取り組んできた経緯がございます。  以上であります。
  14. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 非常にいろいろな問題も含んでおりますし、今後、ボランティア活動というのはますます重要になってくると思いますので、一層頑張っていただきたいと思います。  次に、我が国は非常な高齢化社会に突入をしてきておるわけであります。私の出身の島根県などは全国でも高齢化先進県と言われておりまして、六十五歳以上の人口を持った市町村がもうほとんどであるというぐらいな県でありますが、去年、敬老会に行きましたら、敬老会というのは大体六十五歳以上の人が老人としてもてなしを受けているんです。せめて七十歳以上です。そこへ行きましたら、そこに出席しているのが全部七十歳以上でありまして、だれがだれを敬老しているかといいましたら、七十五歳以上を老人にして、七十歳から七十四歳までが青年になって敬老会をやっている、こういう笑うにも笑えないような状態があります。  そうした中で、今度の簡易保険の法律ですけれども、公的年金だけではなかなかゆとりある暮らしができないということもありまして、国民自助努力を積極的に支援していくということが大切だろうと思います。特に近年、ひとり暮らしの高齢者もふえております。ひとり暮らしは、五十五年には九十一万人であったのが、平成六年には二百十一万人にまでふえている。今はもっと多いと思いますけれども、そういった状況の中で簡易保険に対しても積極的にかかわっていかなくてはいけないと思います。  今回提案されていますが、これまで長寿福祉社会の実現に向けまして簡易保険としてどういうサービスまたは商品を開発されてきたか、御説明をお願いしたいと思います。
  15. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 先生ただいま御指摘のように、我が国の人口は急速に高齢化が進展しているわけでありますが、国営の簡易保険にとりまして長寿福祉社会への適切な対応が重要な課題となっておりまして、これまでにも長寿福祉社会対応し、加入者の多様なニーズにこたえる商品・サービスの提供に努めてきたところでございます。  具体的に申しますと、保険商品では、平成三年に保険と年金一体型の終身年金保険付終身保険及び夫婦年金保険付夫婦保険を新設、また平成五年には、病気やけがなどの保障ニーズの多様化、増大にこたえるため特約制度を改善する。さらに、平成七年に要介護状態になった場合に年金を割り増して支払う介護割増年金付終身年金保険を新設したところであります。さらに、加入者福祉面におきましては、平成三年に介護機能つき終身利用型加入者ホーム、通称カーサ・デ・かんぽ浦安と呼んでおりますが、そういった施設を設置し、また今国会でただいま御審議中でございますが、平成八年度予算案におきましては要介護高齢者向けの加入者福祉施設の設置を重要施策として盛り込んでいるところでございます。  今回の法律改正案におきましても、自助努力による老後の生活設計の支援を図るため、夫婦年金の改善を行おうとするものでございます。今後とも、長寿福祉社会の実現に向け、国民のニーズに的確に対応した魅力ある新商品・新サービスの提供に取り組んでまいりたいと考えております。
  16. 景山俊太郎

    景山俊太郎君 夫婦年金保険の改善を行う趣旨と、新しいタイプの夫婦年金保険の商品の概要、それから現行あります夫婦年金保険、それぞれ対比して、簡単でいいですから説明をお願いしたいと思います。
  17. 天野定功

    政府委員(天野定功君) それでは、今回の法律案の中に盛られております新しいタイプの夫婦年金保険の改善を行う趣旨でございますが、人口の高齢化が非常に進展しておりまして、先ほど先生御指摘のように、六十五歳以上の夫婦のみで生活する方が、平成六年でございますが五百万人に達しておりますし、高齢でひとり暮らしをする方が平成六年に二百万人を超えるなど大変大幅にふえているわけであります。また、いろんな調査によりましても、老後の生活に対する収入面での不安も増大しておりまして、老後の生活資金の準備手段として個人年金に対するニーズはますます高まっているという状況でございます。  そういうことで、今回の改正案は、夫婦の一方が亡くなり、ひとり暮らしになった場合の収入減に対応できるように、夫婦年金保険の改善を行うことにより国民自助努力による老後の生活設計の支援を図ろうというものでございます。  次に、新しいタイプの夫婦年金保険の商品の概要を現行の夫婦年金保険と比べまして御説明申し上げますと、現行の夫婦年金保険は、主たる被保険者一定の年齢、これは私ども保険料払い済み年齢と申しておりますが、その一定の年齢に達した日から年金を支払うことにいたしております。これに対しまして新タイプの夫婦年金は、主たる被保険者一定の年齢に達した日以降で、夫婦のいずれか一方が死亡した日から年金を支払うこととしているものであります。  これによりまして、現行の夫婦年金保険と比較しまして、年老いて配偶者を亡くした場合の生活を支援する夫婦年金保険を割安な保険料で提供することが可能になるわけであります。具体的な商品の仕組みにつきましては、現在のところ、保険料払い済み年齢につきましては六十歳、六十五歳、七十歳の三通り、それから主たる被保険者の加入年齢の範囲は三十歳から六十七歳、そして夫婦の年齢差につきましては最大十五歳以内とする方向で現在検討をいたしているところでございます。
  18. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 私からは、今後の郵政事業総論について三点と、本日提案法案についての各論の部分を数点お伺い申し上げます。  まず、郵便貯金のあり方についての議論への対応についてであります。  このたび、政府行政改革委員会においては官民活動の小委員会が新設されたわけであります。行政民間の役割の分担の見直しについて議論を開始したということであります。その中では財政投融資制度のあり方が検討され、その原資である郵便貯金にまで議論が及ぶのではないかというような予想もされておるわけでございますが、現在の議論の状況をお伺いいたしますとともに、郵政省としてこの問題にどう取り組まれるおつもりなのか、大臣にお伺いいたします。
  19. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 三月十三日に発足をいたしました官民活動分担小委員会というのがあるわけでございます。そこで今御議論をいただいておりまして、これからの当面の目標としていかれる点について発言をしておられるわけでありますが、公的部門の守備範囲を見直すための物差しづくりの検討に入ったというふうに私ども今理解をいたしているところでございます。  しかし、これはあくまでも公的部門の守備範囲を見直すための物差しということでございまして、具体的に郵貯などの郵政三事業を取り上げるというような話が出ているとはまだ伺っておりません。それから、財投についても御議論いただくのかと思いますが、この財投のあり方について、そういう検討があったにしても、社会資本整備や国民生活の向上、それから国際協力、景気対策への寄与といったような財投がそもそも持っている基本的な役割、これは今後とも非常に大きいものであるというふうに私は考えております。決して軽はずみに議論をされるべきことではないであろうというふうに私は思っております。  そしてまた、郵貯は個人専門の貯蓄機関でございますから、国民に簡易な貯蓄手段を提供しながら政策的に不可欠な長期の資金を安定的に供給するという役割を持っております。今後とも、日本の経済社会の基盤を支えるための役割、これは非常に重い役割でございますが、それを適切に果たしてまいろう、こう考えているところでございます。
  20. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 財投に関しましては、もう以前からいろいろな議論がなされておられるわけでございます。ちょうど先日も、報道機関によりましてちょっと一部報道がございましたが、私なりの感覚では一つの大きな節目に差しかかっておることは事実だろうと思います。これは、ともすると郵政事業の根幹を揺るがすような一つの大きな事態にもなりかねないということでございますので、先見性を持ちまして、もし改革をできる部分がありましたら積極的に改善をしていただきたい。それがまた、ひいては郵政三事業を未来永遠に存続をさせるということにつながっていくことであろうと思う次第でございますので、ぜひともよろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。  次に、二万四千郵便局ネットワークのあり方についてお伺い申し上げます。  郵便局は、全国二万四千ネットワークを生かして、私たちに最も身近な公共機関としてこれまでも大変大きな役割を果たしてきたわけであります。特に、ふるさと小包の開拓などを通じて地域の振興にも貢献してまいりました。公的機関であるがゆえに、社会のニーズを満たし、なおかつ地域住民から親しまれる存在であり続けなければならないという大きな使命を郵便局は持っていると私は感じておるものでございます。  その意味でも、このたび提出されました三法案は、我が国の抱えている大きな課題でもある福祉やボランティアに関して少しでも貢献するよう、地域に密着した郵便局ネットワークを活用し、今後二十一世紀に向けて郵便局ネットワークがどのような役割を果たすことができるのか、また果たすべきなのか、郵政省としての一つ提案であると私は受けておるわけであります。  ここで、今後さらに二十一世紀に向けて郵便局ネットワークが目指すべきものはどういうものなのか、郵政大臣のお考えをお伺いいたします。
  21. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 先生からも今御指摘いただいたわけでありますが、郵便局というのは全国に二万四千局あるわけでございます。これは大変なネットワークでございまして、しかも郵便局というのは日本の明治以来のずっと沿革を踏まえながら、ちゃんとした存在感をもって存在している。これは日本の一つの文化的な存在として存在をしていると言っていいのであろうというふうに思います。そして、こういった地域におけるそういう郵便局の存在、これがネットワーク化しているわけでありまして、そういう特性を生かしながら、地域振興を初めとして地域社会にさまざまな貢献をしてきたということは先生に御指摘をいただいたところでありますし、私も郵政大臣になりましてから、国民に愛される郵便局ということで、そういうことを申し上げながら努力をしてまいりました。  先ほど景山先生からもお褒めをいただきましたが、郵便を持っていって配達をしながらちょっと声をかける、その一言が特に一人で住んでおられるお年寄りなんかには本当の励ましになろう、そういう効果もちゃんと持っているところでございます。そして、これから二十一世紀を展望するとき、我が国としては福祉とかボランティアに関するいろんな仕事が出てまいります。それから、一極集中の是正だとか産業の活性化、こういった問題に対して郵便局のネットワークが果たし得る役割というのは大きいというふうに思います。  これからも郵便局地域の利便や安全性の向上のために、また地域の振興のために、地域の情報化の促進のために、そういったような拠点としてこれからの各種の施策に取り組んでいき、郵便局がそういった機能をちゃんと果たしていけるように頑張ってまいりたい、このように思っております。
  22. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 次に、郵便貯金オンラインシステムについてお伺いを申し上げます。  まず、先日、考えられないような事故がありました。四月一日の郵便貯金オンラインシステムの故障であります。時代をリードする電気通信分野を所管する郵政省の信頼を損なわない意味でも、二度とあってはならないことであります。その原因と今後の対策についてお伺いいたします。  さらに、民間金融機関とのオンラインシステムの共同利用について、あわせてお伺いいたします。  既に御承知のとおり、民間金融機関では業態を超えた提携が実現し、オンラインネットワークがより拡充高度化しており、二十一世紀のマルチメディア社会に向けて多種多様な可能性が広がっております。このような中で、官民の共同利用が実現すれば国民利用者の利便性は飛躍的に向上すると思われますが、現在の取り組み状況についてお伺い申し上げます。
  23. 木村強

    政府委員木村強君) 四月一日朝から東京、関東の一都七県を除きます地域郵便局におきまして郵貯オンラインが使えず、利用者の皆様に大変御迷惑をおかけいたしました。この場をおかりいたしまして私からもおわびを申し上げます。  全国のATM、CD、約二万二千台稼働しておりますが、この故障によりまして、そのうちの一万六千台に影響が出たということでございます。回復状況につきましては、十三時四十分、東海・近畿管内から順次回復をいたしましたが、最終的に九州・沖縄管内が回復いたしますまで、十九時四分ということで、かなりの時間も経過をして御迷惑をかけたということについて、私どもとして大変申しわけなく思っております。  故障原因は、前日の三月三十一日に入れかえを行いましたプログラムに誤りがあったためであります。  具体的には、センターシステムに郵便局の端末から誤ったデータが入力されるのを防ぐために、入り分配プログラムと専門用語で申し上げますけれども、入り分配プログラム、情報のゲートになっているところでありますけれども、そこで使用しておる制御表の変更を行ったわけであります。余分なものが入ってこないように内容を改善しようとしてテーブルの制御表の変更を行ったわけでありますけれども、そのテーブルの変更自体は正しく行われたわけでありますけれども、それと既存のプログラムとのドッキングの段階で整合性を欠いたために処理が異常となってセンターシステムが故障したということでございます。  郵便局窓口やキャッシュサービスコーナーにオンラインの故障が発生している旨の周知、わび状の掲出を直ちに行いましたほか、キャッシュサービスコーナーに職員を配置し、状況説明するなどして窓口へお客様を誘導するといったようなことで、手作業でできるだけの対応をさせていただきました。お客様におかけをした御迷惑をできるだけ少なくするようにという最善の努力をしたわけでありますけれども、大変申しわけないことであったと厳重に反省をいたしておるところであります。  要は、今後、このような故障を再発しないということがまず第一に肝要でございますが、内容は、プログラムを委託しております委託先への指導の徹底、プログラムの内容等は私どもの仕様によりまして委託先がつくります。そういう面で、既存プログラムとの整合性の確認であるとか試験データの充実であるとか、総合的な試験機会の増加であるとか、委託先に対しても十分慎重な扱いをしていただけるようにさらに指導を徹底したいということ。  それから、こういったプログラムを委託先から受け取る際に、これを我々検収という難しい言葉で呼んでおりますが、こういったプログラムの委託先からの検収の際に、検収方法の充実、より多種多様なデータによる試験の実施をしたり、個別の問題を頻繁に行う、プログラムの入れかえを頻繁に行うというようなことじゃなくて、総合的にまとめて行うといったようなこと、あるいはプログラムの入れかえをしましたときにも、実施の段階で一気にその範囲が広がることのないようにステップ・バイ・ステップで状況を見て、もし起こっても極限の状況対応できるというようなあり方であるとかいったようなことをさらに徹底いたしまして、絶対再発のないように努力してまいりたい、このように考えております。  それから、官民のオンラインネットワーク共同利用のお話でございますけれども郵便局のネットワークと民間金融機関のネットワークとの接続ということがこれからの時代ますます大切になってくるだろう。全国二万四千の郵便局を結びます郵便貯金のオンラインネットワークというのは、先ほどからもお話が出ておりますように、国民共有の財産でありまして、これと民間金融機関のネットワークとの接続が可能になりまして、ATM、CDなど、官民共通にそういうネットワークの仕組みが使えるということになれば、国民利用者の皆さんの利便というのは飛躍的に向上するだろうということで、平成六年度以降、官民のネットワーク接続のための調査研究費ということで予算要求をしてまいりましたけれども、財政当局の方の拒否に遭いましてこの実現を見ておりません。  といいますのは、官民論の問題がございまして、お客様、国民の皆さんからの利便性という意味では相互に接続をしてしっかり使うということが非常に大切だという視点で私ども対応しておるわけでありますけれども、官民論の立場で、郵貯とドッキングをするとそのサービスが全部郵貯に行ってしまうのではないかといったようなもろもろのことの反論がございまして、大蔵当局からはこういう調査研究費すらなかなか認められないという状況でございます。  我々としましては、官民の立場を超えて、やはり国民的な視点に立ってこれからのニューメディア時代にどう対応するか、諸外国の状況等もございます、金融機関というのはまさに電気通信というものに負う部分が非常に多うございますので、この辺をしっかりと対応していくことが必要だということで、これからも関係当局の理解を得るようにさらに努力してまいりたいと考えております。
  24. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 二度と同じような事故が起こらないように、特に基本的な部分では確実にこれから処理ができるような体制をぜひともつくり上げていただきたい。  さらに、オンラインシステムの共有化についてでございますが、御承知のとおり、国際的には電子マネーの時代が、既に実験的に取り組まれておるということで、オンラインを使ってのこれからの技術革新というのは私どもの想像を絶するぐらいの進展が出てくるだろうと思います。そういう観点から申し上げますと、この基本的な部分というのは、いろんな面で多少の利害が絡んできて、ややもすると行き詰まりになる可能性もあるかもわかりませんけれども、将来の日本の国の社会システムということを考えた上でも、ぜひとも積極的に取り組んでいただいて、より便利な方向へ結論を出していただきたいと思う次第でございます。  次に、提出されている法案の各論について御質問を申し上げます。  まず、先ほど景山先生も質問されましたが、要介護者に対する金利優遇等実施についてお伺いいたします。  御承知のとおり、世界に類を見ない超高齢化社会を迎えるに当たりまして、その課題を克服することは我々に与えられた重要な使命であります。その意味でも、高齢化社会対応した貯金創設は時宜を得たものであり、国民預金者にとっては大変ありがたいことであると思うわけであります。この金利優遇対象者は常時の介護を要する者であって、先ほど答弁にもありましたが、歩行できない、排尿便の後始末が自分でできない、食事が自分でできない等の要件に該当する者、さらにホームヘルプサービスなどの公的福祉サービスを利用している者を付加的要件とすると聞いておりますが、この公的福祉サービスを利用している者という付加的要件に私は多少疑問を感じるものであります。  御承知のとおり、ゴールドプランにおいては、ホームヘルパーの大幅増員を計画している中でホームヘルパーは不足しているのが現実であり、サービスを簡単にだれもが利用できる状況にはないのではないでしょうか。また、中には家族介護を行っており、公的福祉サービスを利用していない人もたくさんいるものと考えられます。私は公的サービスを受けていない人にこそ手厚い恩恵を受ける必要があると考えるものであります。要介護者の認定方法及び利用者間の公平性の確保についてどう考えておられるのか、お伺いいたします。
  25. 木村強

    政府委員木村強君) 今、先生からお話がありましたように、このサービスを利用する際には、サービスの利用申込書とともに利用者が要介護者であるということを証明いたします医師の診断書が必要でございます。これに付加的な条件といたしまして、ホームヘルプサービスなどの公的福祉サービスを利用している場合にはそのことを証明する書類を提出していただき、そうした書類をもとに郵便局で認定するといたしております。  このホームヘルプサービスなどの公的福祉サービスを利用している者ということを付加的な条件にいたしましたのは、適正な利用、特別の場合に政策的に優遇金利をつける、一般の金融の常識では考えられない特別の政策的な配慮をするものだということで、関係方面との政府部内での調整の中で、より適正な利用を確保するためにはそういった公的福祉サービスの利用をされている方というものがふさわしいのではないかといったような議論等がございまして、関係省庁間の連携を密にしていくという意味でも、私どもとしてこれを付加的条件にするということでスタートしたわけであります。  しかし、先生今御指摘のように、公的福祉サービスの現状ということを見ますと、地方公共団体におきましてもその実施状況について差異がある。あるいは家庭の事情などによりまして、例えばお姉さんが本当にもうつきっきりで見て、そういうホームヘルプサービスなどの公的な福祉サービスを受けないでもやっていっているんだというようなケースもございますということですので、形式的に公的福祉サービスの利用を絶対的要件とすることが必ずしも適切でない場合がある。  せっかくつくりましたこういった要介護の方々に対する新しいいわば温かい施策でもございますので、運用に当たって余り硬直的にやり過ぎると、そうはいってもやはり適切に運用しないと一般の方々からも疑義を招くということになってもいかぬということで入ってきた条件でございますけれども、私どもとしましては、公的福祉サービスを必ずしも受けられないような場合が客観的に合理的であるというような場合、先ほど申し上げました地方公共団体実施状況、家庭の事情、あるいは離島その他の土地的な環境等の中で、郵便局の職員がその事情を把握したりあるいは民生委員の方と相談するなどして、公的福祉サービスを受けられない場合であっても、それがやむを得ないと思われる場合には公的福祉サービスの利用のあかしの提出を不要とするなど、弾力的な扱いもしてまいりたいというふうに考えております。
  26. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 認定方法については、こういうシステムであるだけにできるだけ簡便なものとすべきであり、同じような症状でありながらサービスの不平等が生じないようにぜひとも努力をしていただきたいと思います。  次に、当法案のさらなる改正についてお伺いをいたします。  寝たきりの要介護者は、厚生省の推計においても増加の一途をたどっており、さらに少子化、核家族化の進展に伴い家族介護が減少するとともに介護費用が増大すると思われるわけであります。このような社会的な背景の中で、預入限度額の引き上げ等、商品性のまだまだの改善をする必要があるのではないかと私は考えるものであります。将来にどのように対応されるのか、預入総額、利率上乗せ幅の引き上げについての前向きなお考えをお伺いいたします。
  27. 木村強

    政府委員木村強君) 昨年の財政当局との予算折衝あるいはその後の政府部内での調整、法案の作成過程におきまして、現在御提案を申し上げておるような中身としております。  預入総額を五百万円とすることにつきましては、七十歳代、この施策の主たる対象者になると想定される高齢者の方の定期性預貯金の平均貯蓄保有額が一人当たり四百四十万円程度であるといったようなことで、この施策のニーズを満たす額であろうという判断でございます。   それから、二割を上乗せする、あるいは上限、下限を設けるといったような状況の中で、今後どうかということにつきましては、要介護者の置かれている環境あるいは経済社会情勢等を判断いたしまして柔軟に対処してまいりたい。介護問題の重要性は今後ますます強まると思われますので今後の介護費用の動向あるいは介護保険制度、公助の部分の扱いがどうなるかといったようなこと等を総合的に見まして、私どもとしても、自助努力の場を郵便局として提供しておるんだ、しかも企業努力範囲内で他の利用者の皆さんには御迷惑をかけないんだという経営の状況ども判断をしながら、環境の変化に応じた内容の改善等については引き続き取り組んでまいりたい、このように考えております。
  28. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 ぜひともよろしくお願い申し上げます。  次に、災害ボランティア口座についてお伺いをいたします。  御承知のとおり、昨年、阪神淡路大震災という戦後最大の災害があり、多くの国民を深い悲しみに巻き込んだわけであります。その中で唯一の光明として、人々が不幸を克服しようと一生懸命励まし合ったことがあり、多くの若者を含む多数のボランティアが活躍するシーンはだれの目にもはっきりと焼きつき、日本人の失いかけていたものを思い起こさせていただいたものであります。  このように、国民善意が大きなうねりとなってボランティア活動が活発化することは、我が国が将来にわたって豊かで安心できる社会を構築していく上で大変重要な役割を担うものと考えます。このような観点から、ボランティア活動をより活性化するための環境整備について広く検討し、よりボランティア活動を行いやすくするための条件整備が大変重要であります。  そこで、今回の災害ボランティア口座はどのような災害が発生した場合に発動するのか、まずお伺いを申し上げます。
  29. 木村強

    政府委員木村強君) 今回の災害ボランティア口座につきましては、昨年一月に発生をした阪神淡路大震災というものの中でのボランティア活動経緯を踏まえて私どもとして具体的な考えをつくり出したものでございます。そういった経緯からいたしますと、この災害ボランティア口座政府全体でその対策に取り組むことが求められているような大規模非常災害が発生した場合に発動したいということで考えております。  具体的には、死傷者、行方不明者が多数出たり、多くの家屋が滅失、損壊、浸水するなどして、内閣総理大臣を長とする緊急災害対策本部または国務大臣を長とする非常災害対策本部が設置されたこと、第二の要件といたしまして災害発生後に被災者救援事業が必要とされていること、三つ目としてボランティア団体による救援事業が行れていること等を見て発動してまいりたいというふうに考えております。
  30. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 この災害ボランティア口座についてでありますけれども、その枠組みについて次にお伺いいたします。  大規模非常災害発生時においては初動救援活動が極めて重要であり、そのためにはボランティア団体に資金面での即効的な支援が必要であると思います。そこで、災害ボランティア口座における寄附金配分は、災害発生後時間が経過してからボランティア団体活動実績を見て行うのではなく、一刻も早く対応することが重要であり速やかに配分すべきものと考えますが、災害ボランティア口座における寄附金配分仕組みはどのようになっているのか、お伺いをいたします。
  31. 木村強

    政府委員木村強君) 仕組みでございますが、災害が発生し、非常災害対策本部等が設置をされました後、速やかに国民利用者に周知をいたしまして、一カ月から三カ月程度の間寄附金を募る、公募を行います。その一方で、ボランティア団体の公募の受け付けも並行して行いまして、できるだけ早くボランティア団体寄附金配分できるような仕組みにいたしております。しかし、災害が起こればすぐボランティア団体にお金を渡すということではなくて、ボランティア団体の公募の期間寄附金を募る期間を並行して走らせて、ボランティア活動事業が終わった段階でいち早く配分をするという仕組みを考えております。  そういう面では、先生がおっしゃいましたように、災害発生と同時にボランティア活動寄附金を交付してはどうかという点については、仕組みが若干それに追いついておりませんけれども、私どもの考えはそのようになっております。  これは、ボランティア団体へのヒアリング、その他の結果を聞きましたこともございます。活動資金の調達のめどが立てば十分活動ができる、いきなりお金をもらってやるというのではなくて、こういう事業をやるのでこういうお金が欲しいといったようなことで、そういう申請の窓口があればそれをもって十分活動ができる。寄附金の募集期間の終了後できるだけ速やかに審査事務を実施し、審議会への諮問、答申を含めても一カ月程度寄附金配分決定まで行い、ボランティア団体への通知も速やかに行うということで、実務上の処理とできるだけ早くということを兼ね合わせながら、現実に実行可能なやり方として今回の仕組みをつくっておるということでございます。
  32. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 このボランティア口座は私は非常に重要な策だろうと思います。今申されたとおり、いかに迅速に対応するか、そしてまたそのお金の配分につきましても、恣意的な配分じゃなくて、いかに公平に配分をするかということがポイントだろうと思いますので、今後、十分にそのあたりも対応していただきたいと思う次第であります。  時間の関係で、簡保について一点だけお伺い申し上げます。簡単にお伺いします。  新タイプの夫婦年金保険は現行の夫婦年金保険よりも割安になるということでございますが、なぜ割安になるのか、また保険料はどの程度になるのか一お伺いを申し上げます。
  33. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 現行の夫婦年金と比較して申し上げますと、まず現行の夫婦年金保険は主たる被保険者一定の年齢、保険料払い済み年齢でございますが、に達した日から年金を支払うことにしております。これに対しまして、新タイプの夫婦年金保険は主たる被保険者一定の年齢に達した日以降で、夫婦のいずれか一方が死亡した日から年金を支払うことにいたしております。したがいまして、現行の夫婦年金と比較いたしますと、一般年金支払い時期が遅くなることになるわけでありまして、そのかわりに保険料が割安になるという仕組みでございます。  保険料は現在試算中でございますが、現行の夫婦年金保険と比べましておおむね三割から五割程度安くなるものと見込んでおります。
  34. 北岡秀二

    ○北岡秀二君 結構です。
  35. 広中和歌子

    広中和歌子君 まず最初に、預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案について御質問いたします。  制度創設趣旨といたしまして、第二条に、天災その他非常の災害があった場合で、寄附委託を受けることが必要と認めたときは、郵政大臣寄附委託を受ける期間を定めるとございます。だれが必要と認めるのか、主語はだれなのか、まずお伺いいたします。  天災その他非常の災害はどのような災害をイメージしていらっしゃるのかもあわせてお伺いいたします。
  36. 木村強

    政府委員木村強君) 先生の申された第二条につきまして、「必要と認めたとき」の主語は郵政大臣でございます。
  37. 広中和歌子

    広中和歌子君 郵政大臣がお決めになると。
  38. 木村強

    政府委員木村強君) はい。
  39. 広中和歌子

    広中和歌子君 それでよろしいんでしょうか、改めて伺います。それとも、例えば内閣でお決めになるとか、そういうようなことはないんですか。
  40. 木村強

    政府委員木村強君) 先生の御質問のございました第二条の「必要と認めたときは」の主語は郵政大臣ということでございます。  ただ、私ども、これを受けましてどのような場合に判断をするか、政府として一体的に取り組む大規模震災といったような趣旨等につきまして、この判断を災害対策基本法に基づきまして国務大臣あるいは総理大臣を長とする対策本部が発足をしたときという形で、国民の皆様にこのボランティア口座を発動するに当たっては、政府一体となって取り組むような大規模災害であるという客観的な判断ができるようにということで関係方面と協議をしようということで考えておるものであります。
  41. 広中和歌子

    広中和歌子君 そうすると、イメージとしては例えば阪神大震災みたいな大型のものを見ていらっしゃるわけでして、例えばローカルに何か複合的な災害があったとか、そういうようなことは考えていらっしゃらない、小さな災害はこれに含まれていないということでございますね。小さい大きいというのは非常に難しいことですが、そういうことで解釈してよろしいんでしょうか。
  42. 木村強

    政府委員木村強君) そのとおりでございます。
  43. 広中和歌子

    広中和歌子君 こういうボランティア支援体制づくりということでは、既にボランティア貯金などで大変成功していらっしゃるわけですけれども趣旨については大賛成です。しかし、この法案は、非常災害が起こって非常災害対策本部が設置されない限り災害ボランティア口座にかかわる寄附金は集まらないとなっているわけで、対策本部の設置が条件となっていますが、この理由はどういうものなんでしょうか。    〔委員長退席、理事陣内孝雄君着席〕
  44. 木村強

    政府委員木村強君) 災害は、その規模程度によりまして千差万別であります。災害ボランティア口座をどのような災害において発動するかということにつきましては、やはり広く国民の皆様から募金を募るわけでありますので、客観的な一定の基準を設ける必要があるという判断でございます。  政府全体としてその対策に取り組むべき非常災害が発生した場合に、郵政省としても政府の一員として、郵便局のネットワークを有効に活用して国民の皆様の善意ボランティア団体につないでいこうというものでございますので、そういった条件を設定したということでございます。  もう一度申し上げますと、具体的な基準といたしましては、総理府に非常災害対策本部または緊急災害対策本部が設置された場合、災害発生時に被災者に対する救援事業が必要とされていること、それからボランティア団体が現実に救援活動に乗り出しておる、あるいはそういった可能性のあるものであるといったようなことを考えております。
  45. 広中和歌子

    広中和歌子君 ということは、災害が起こってから実際に稼働するというんでしょうか、預金が集まるまで、寄附金が集まるまでにはかなりの時間があると思うんでございますが、そのことについて、やはり常時そういう災害のために寄附金が集まるようなそういった常設の口座というものをおつくりになることをお考えにならなかったんでしょうか。
  46. 木村強

    政府委員木村強君) 臨時突発的な大災害に対して機動的に国民の皆様の善意ボランティア支援活動を行っておる団体にお届けをしようという趣旨でございまして、そういう意味では臨時突発的に機動的に対応しようと。しかも、災害が起こりましたその段階で、ボランティアの皆さん方の救援活動がどっと行われるというような場合に、そのボランティア活動の芽を側面から育てていこうという趣旨でございまして、そういう面では臨時突発的な大災害に限ってと。  国内で一般的なボランティア団体に対するこういった支援活動をやるかということは、これをつくります前にも内部で議論いたしましたが、国内における通常的な、恒常的なこういった仕組みというのはまだそこまで国民の中で成熟していないんではないかということで、阪神・淡路の大震災をきっかけとして、これを今後に生かしていこう、そのときの教訓として大災害に限って皆さん方の善意をというニーズが非常に強いということで、そういったホットな時期に皆様方の気持ちを集めてお渡しをする、こういう感覚が実態的にもふさわしいものだろう。  恒常的に置いておくというのは、なかなか平素そこまで気持ちが盛り上がっていくかどうかというような問題もありますし、現実にはなかなかそのことによる資金の集まりぐあいその他もどうだろうかというようなこと等を検討いたしまして、大災害ということでありますから臨時突発的に対応する、そのために善意の皆さん方のお金を急速集めるということの方がホットな時期にホットに対処しようということでいいのではないか、こういう考え方でございます。
  47. 広中和歌子

    広中和歌子君 多分同じ気持ちで話しているんじゃないかと思いますけれども、現実には災害が起こってから災害対策本部が設置されますね。そして、一カ月から三カ月かかって寄附金を募集しますね。そして、配分団体公募の公示をするわけですね。そうすると、もう二、三カ月かかっちゃうわけですよ。火事場の見舞金というようなことが一番評価されるわけです。  そういうふうに、例えば神戸の大災害が起こったときにたくさんの方、当時は二万人ぐらいの方が参加なさったわけですが、そのときに参加したくても旅費がないとか宿泊の問題、宿泊費が払えないとか、そういうようなことで参加できなかった人も結構いると思うんです。そういうような、すぐに必要なお金をある程度積んでおく必要があるんじゃないか。  ですから、大きな災害と認められたものに対して寄附金を払うということは大賛成ですけれども、しかしながら絶えず蓄えがあって、ゆとりがなければこういう機動的な動きができないんじゃないかということが一点でございます。  それから、この法律というのは、先ほどたびたびお言葉にも出ましたように、恐らく阪神大震災が根っこのところにあるんだろうと思います。現在でも六百人の人が毎日ボランティア活動をしてくださっているわけですけれども、こういうふうに過去に起こってしまったことに関しては適用できないということなんでしょうか。これからできる法律でございますから、さかのぼってということは不可能なんでしょうか。それについてもお伺いいたします。
  48. 木村強

    政府委員木村強君) 非常災害時におきますボランティア団体支援につきましては、非常災害の発生の都度寄附金を募集することが望ましいということでこの法律は作成をされております。先ほど申し上げましたように、ホットなときにホットなうちにという考えであります。  しかし、先生が今おっしゃいましたように仮に常時募集という話になりますと、これは現実の問題でありますから、先生の御指摘も十分そのようなこともあろうかと思いますけれども、平時においていつ発生するかわからない災害に対してあらかじめ寄附が集まるかどうかというような実効性の問題、それから常時募集をいたしました場合、ボランティア団体に依存心が生じまして、いつでもといいましょうか、郵便貯金ボランティアからお金がもらえるんだということがあらかじめわかっておるような、自分にもらえるかどうかはわかりませんけれども郵便局にそういうお金がいつも集まってきているんだというような感じで、本来のボランティアというのはお金のことを意識しなくとも、自分善意で、非営利で、心が動かされて動き出したことでありますから、そのようなことに対する自立性が失われるんではないかといったようなこと。  それから、現実に阪神淡路大震災のその後の状況も調べておりますけれども、昨年の一月十七日に大震災が起こりまして、その後、起こった直後一カ月間を一〇〇というふうに見ますと、ボランティアの方々の平均一日稼働者数は二万人でございました。一カ月で延べ六十二万人ということでありましたが、最初、震災が発生してから一カ月を一〇〇といたしますと、その次の二カ月目にはこれが七〇に落ちておる、三カ月目には二六に落ちておるということで、震災発生から三カ月目は五千二百人が稼働されたということであります。  最近の二月二十日現在ではこれが六百人であるということで、これにつきましては、先生の御質問があるということで先ほども兵庫県に聞いてまいりましたけれども、仮設住宅における独居老人の家事の援助であるとか安否確認であるとか、メンタルケアであるとか、一日六百人程度の方がやはりしっかりとそういうボランティア活動に取り組んでおられるということで、もちろんそういう事態はあるんですけれども、こういったボランティア活動の盛り上がりというのはやはり最初の三カ月ぐらいが非常に効果がある、有効であるということでございますので、私どもといたしましてもそういう実績からもそのような短期集中的にこういった募集活動を行おう、こういうふうに考えたわけであります。  また、義援金につきましても、郵便局窓口を通じて日赤等に集まった義援金がございます。これもこの阪神淡路大震災で調べてみますと、災害発生から四カ月間に全体の集まりましたお金の九〇%が集まっておるということで、やはり大震災が起きたときにボランティアの方々の活動も集中的に行われますし、それからお金も必要とする額も多いというようなこと等を見まして、短期集中的に機動的、弾力的に突発的に対応する仕組みがよかろう、このように考えたわけであります。  そのようなことで、一回これを発動して集まりましたお金がもしその震災に使われずに余っちゃうというようなことがありましたら、それはその次の震災が起きたときに繰り越して使えるという仕組みにもなっております。最初集まったお金が、まあほとんど配分、交付してなくなってしまうと思いますけれども善意の皆さん方のお金がたくさんあって、もし余ったということになれば残しておいて、次に起こった大震災のためには最初からそれがつぎ込める、こういう仕組みにもなっております。ゆとりを持った形というのは、こんなことは、大震災が起こっていいと私は望んでおるわけではありませんけれども、不幸にして起こった場合には、二回目以降は場合によっては一回目の残りをすぐに使えるという体制にもできるんではないかというふうに考えております。  それから、この法律ができた後で阪神・淡路の、今例えば六百人の方がまだやっておられるわけですから、これに適用されたらどうかというようなことでございますが、郵便局二万四千のネットワークを使って行う国民の皆さんに対するこういう行為でございますから、六百人の今一生懸命やっておられる方々には大変心苦しいわけでありますけれども郵便局全国ネットワークを使った仕組みとして一年以上たったところに対してお金をまた集めるんだということについては事実問題としてなかなか難しいんではないかという感じでございます。  したがって、私どもとしましては、この阪神淡路大震災を契機として、これを生かすためにこれから諸準備その他に取り組んで、できるだけのことの体制をつくっていきたいというふうに考えております。  この法案先生方の御審議によりまして法律として成立しましても、あとシステムの準備、教育の準備、国民の皆さんに対する周知その他で早くても八月、九月ごろでしか実施できませんので、その段階で阪神・淡路の方にということについては、大変心苦しいんですけれども法律としては臨時応急的に、短期の間に災害ごとに募集して交付するんだという仕組みになっておりますので、一年以上前のものに改めてやるということはこの法律内容からしてもどうかなという考えを持っております。大変先生の御意見はよくわかっております。
  49. 広中和歌子

    広中和歌子君 大臣にお伺いいたします。  今までのやりとりをお聞きになって、災害はいつやってくるかわかりません。ボランティアは迅速な対応が急がれるわけでございます。それから、先ほど貯金局長のおっしゃっいましたように、ある種の繰越金的な資金、それは最初の段階で必要なんじゃないかと思います。ですから、大臣としては、常時この災害ボランティアというのを開設して、それが繰越金として次の災害に使えるような修正を行うことが必要なんじゃないかというふうにお思いになるか、そしてその修正のために今後努力していただけるか、お伺いいたします。
  50. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 広中先生もいろんなボランティアについては造詣の深い先生でいらっしゃいますから、私がこれから申し上げることはおわかりいただけると思うんです。  一言でボランティア、こう言いますが、これは自分の意思から発していくものでございまして、ボランティアと言われる人がその場に望んで行って人に対して自分が奉仕をするという精神の高まりというのは大事なことであろうと思うんです。ボランティアのプロというのは私はないんだろうと思うんでございます。何かが起こったときに、自発的に、みずから喜びを感じて出ていく、そして人に対して自分の力をかす、これがボランティアだというふうに私思います。  そうしますと、これを継続的に続けていくのがいいのか。それから、こういう口座にお金を入れてくださる方、それもやっぱりそういう自分でも何かしたいという精神の高まり、これがあるんだと思うんでございます。こういうボランティア口座というものをずっと継続的に開いておきますよということでお出しになる方もおいでになるでしょう。しかし同時に、大震災が来た、大変だということで、自分も何かしたい、しかし行けない、自分はお金を入れることでお手伝いをしよう、こういう心情というものは、そういう精神の高まりというのは非常に大事なことであろうというふうに思います。  私も、局長が今御説明したように、その都度その都度ということになると、もっとお金をためておけばいいではないかというお考え、これは先生のお考えも私は一理あるとは存じますが、今の段階ではやっぱりそういったボランティアとして参加しようという気持ちを大事にしていくということが大事かなというふうに私は考えております。
  51. 広中和歌子

    広中和歌子君 この法律は、ボランティア参加が容易になるような、そういう目的でつくられたのだと私は理解しているわけでございます。  さて、こうしたボランティアボランティア貯金もそうですし、このボランティア関係のプログラムですけれども、税控除は適用されるんでしょうか。あるいは、税控除がないのであれば、税控除に向けてどのような御努力をなさっていらっしゃるか、お伺いいたします。
  52. 木村強

    政府委員木村強君) 現在の法律的な仕組みでありますけれども、個人が寄附をされた場合に所得税法上の寄附金控除を認められておりますのは、大蔵大臣が指定を、あるいはもしくは所得税法施行令に具体的に規定されている公益性の高い法人等、特定の法人等に寄附した場合に限られております。しかしながら、法人格を有していない大部分のボランティア団体に対しましては、この特定の法人等に含まれておりませんということで、災害ボランティア口座に対して現行法上は寄附金控除は受けられないということであります。  平成八年度の税制改正、実質的には昨年の年末に要望を出しまして関係当局とも議論いたしましたけれども、今のようなお話で認められておりません。困難であると判断されまして、認められておりません。今後とも、寄附金控除が認められるよう引き続き私どもとしては努力をしてまいりたいと思っております。  法人の損金の算入につきましては、寄附金控除のような寄附先の特定がないために、ボランティア団体への寄附でも損金算入は認められるということでございまして、本件災害ボランティア口座寄附金として法人がお金を振り込まれる場合には、その額について損金算入の適用を受けられるということであります。個人については、なお引き続き努力したいと思います。
  53. 広中和歌子

    広中和歌子君 税金控除のメリットというんでしょうか、それを御認識なさって、そして大蔵省に対して努力なさっているということは私はすばらしいことだと思いますし、引き続き努力をしていただきたい。法人にはそういう税控除が認められているわけですから、個人の善意に対しましてもそういう同じような恩典があってもいいのではないか。もちろんボランタリーですから、ただでやるのが当たり前といえばそれまでなのかもしれませんけれども、やはりそういったちょっとした国の評価、税金というのは要するに何を評価しているかという側面もあると思いまして、そういう意味で、私は税控除の導入ということに対して引き続き郵政省としては御努力いただきますようにここでお願いいたします。  次に、郵便貯金法の一部改正案についてお伺いいたします。  まず、その背景ですけれども、この法案改正の目的は、提案理由の御説明にもあるように、要介護者である郵便貯金預金者の利益の増進を図るため、要介護者が預け入れする定期郵便貯金について利率特例を定めるとございます。  それで、具体的に、仮に五百万円の定期預金を持っている要介護者は年額幾らぐらいの利益を得るのでしょうか。ちなみに、平成八年四月の時点での利率は〇・四%でございます。
  54. 木村強

    政府委員木村強君) 五百万円の預金を要介護者金利優遇措置を受けられるということで一年定期に預けられますと、現在〇・四%でございます、先生御指摘のとおりでございます。これに二割上乗せをいたしまして〇・六〇%ということになります。ただし、二割であれば、〇・四の二割でありますから〇・〇八でありますけれども、最低保証で〇・六ということにいたしておりますので、一%未満の場合にはこの最低保証がききますので現実には〇・六〇%で預けたということになります。  したがって、これを計算いたしますと一万円ということになります。税引き後であれば八千円ということになります。これが優遇の恩典であります。
  55. 広中和歌子

    広中和歌子君 現在〇・四%、非常に低率でございますけれども、将来高くなった場合も続けられるかどうかということが一点です。  それから、現在のような低金利の中で特にそう感じるわけですけれども、一月に直すと千円以下の恩恵があるということです。この金額の持つ意味というのは人によって違うと思いますけれども、余りにも少ないというのが実感でございます。要介護者世帯にとりましては非常に効果が薄いんではないか、そんなような気がいたします。    〔理事陣内孝雄君退席、委員長着席〕  なぜそんな小さなお金を上げるためにこういう法律をわざわざおつくりになったのかと思うわけでございますけれども、商品としてのこういうものをおつくりになって要介護者にある種のあめを与えることによる貯金獲得方法、つまりPRのためにこういうことをなさっているのかなという感じがするわけでございますが、こういうような無理をして貯金を集めるというのは官の民への圧迫ではないか、そんなような感じもしないではないんですが、いかがでしょう。
  56. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 少子・高齢化時代というのは大変な時代でございまして、寝たきりの高齢者といったような要介護者を抱えておりますと、その家族というものは経済的にもそれから精神的にも大変な負担を持っているわけでございます。何とかしてこの問題を解決してあげたいという気持ち、これは政府の方としても、こういった問題に対処するときに自助だ、共助だ、公助だ、こういういろんなことを言いながら、それを組み合わせながら何とかして支援策を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  確かに、先生おっしゃるように、わずかな支援にしかなりません。新聞なんかによりますと、「寝たきり老人らに小さな贈り物」、こう見出しが打ってあったりするわけで、私も本当に小さな贈り物であろうかと思います。しかし、このような小さな贈り物を国のいろんな部分で出し合っていくこと、そして、それが小さいものを寄せ集めて幾らかでもその問題の解決のためになっていくのではないかというふうにも考えますし、もう一つ、我々の中に、例えば郵政省なら郵政省としてもちゃんと皆さんのことは考えておりますよ、今はわずかであってもこういうことを考えさせていただくというようなこと、こういった精神面のお励ましにもなるのではないかというような思いも私どもにもございます。  本当に小さなことでございますが、そういう形で幾らかでもできることはやりたいという思いでございまして、決してこれで民間の方の預金をこっちに引っ張ろうなどという考えは毛頭ございませんで、ひとつそこは御理解をいただきたいというふうに思います。
  57. 広中和歌子

    広中和歌子君 お気持ちはわかります。しかし、ちょっと私正直に言わせていただければ、子供だまし的な人気取り預金じゃないかなというような感じがいたします。  厚生省の推計によりますと、要介護者の将来推計は、二〇〇〇年には二百八十万人、二〇一〇年には三百九十万人、二〇二五年には五百二十万人、非常にふえてまいります。そして負担というのが、国としても、また個人としても、また家族としての負担も非常に大きくなるわけでございますけれども、この老人等要介護者がこれからどんどんふえる中でもこの政策を続けていかれるのかどうかということについてお伺いいたします。
  58. 木村強

    政府委員木村強君) まさにこれからの日本の国の将来を展望いたしまして、少子・高齢社会に対して政府としてどう取り組んでいくかということが大きな政策課題だというふうに認識いたしております。  郵政省政府の一員でございまして、私ども貯金局でございますが、郵便局で行っております郵便貯金事業として、他のお客様に迷惑をかけないで、しかも企業努力範囲内で、我々は稼いだお金でボーナスをふやすといったような形に使う仕組みにはなっておりません。利用者に還元をする仕組みというのが国営、非営利の個人専門の郵貯でありますので、こういった国営郵貯としても民間金融機関とは一味違った、営利ということにとらわれない本当に国民のニーズに合った商品開発を進めていくということは、郵貯として存在している以上私どもの責務でもあります。  そういう観点で、これからも老人等要介護者がふえていかれるという中にありましても、我々は企業努力に努め、こういった制度が本当に定着していくように、喜んでいただけるようにさらに努力してまいりたい、このように考えております。
  59. 広中和歌子

    広中和歌子君 厚生省がいろいろ福祉のことはやっていらっしゃるわけですけれども、大阪府の例を参考に見ますと、大阪府は、従来、福祉見舞金を実施していたんです。年間それが十一億になったわけです。束にすると非常に大きな額になります。しかし、税収が伸び悩む中、これらの福祉ばらまきを廃止して、むしろ必要なホームヘルパー二十四時間体制をやったわけです。非常に実質的なことに切りかえたわけです。  それから、大阪府だけではなくて、ほかの市町村でも見舞金制度というのをやめまして、もっと実質的にその土地、土地に合ったニーズに応じて福祉行政をやっている、そういうような形なんでございますけれども厚生省の方にいらしていただいていますが、郵政省の福祉ばらまきの見直しについての御見解をお伺いいたします。
  60. 吉冨宣夫

    説明員(吉冨宣夫君) 今回の郵便貯金法等の一部を改正する法律案におきまして、要介護者に対します定期郵便貯金利率特例に関する規定を新設する、こういうことにつきましては、一義的には郵政省の御判断によってなされるものであろうと考えております。  厚生省としましては、新ゴールドプランなどの着実な推進によりまして、介護サービスを必要とします高齢者や障害者の方、こういった方がそれぞれの地域で必要な介護サービスを受けられますように必要な介護基盤の整備を進めてまいりたい、このように考えております。
  61. 広中和歌子

    広中和歌子君 この郵貯法改正によって一人一人に少額で優遇をするよりも、むしろ今は老人施設が非常に不足しているわけですから、メルパルクみたいな老人のためのそういうものをおつくりになるというのも一つの考えかもしれない。ともかく利子を一括して有効にお使いになるというような考え方をお持ちになってはいかがかと思いますけれども大臣のお考えをお伺いいたします。
  62. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) そういった施設は今までも郵政省としてもつくりまして提供をしてきたところでございます。ただ、これについても財政上のいろいろの制約というものが非常に大きゅうございまして、なかなか郵政省としてもいろいろの枠をはめられているという形でございます。それで、我々としては、まずこういう形でできるところをやってまいろうということでございます。
  63. 広中和歌子

    広中和歌子君 それでは、話題が少し移りますが、財投についてお伺いしたいと思います。  行政改革委員会は、郵便貯金や財政投融資機関について縮小、民営化などを視野に入れて見直しの方針を発表しています。この改革委員会の目指すところは、財投の資金源となっている郵便貯金の見直しと言われておりますけれども、特に中小金融機関の相次ぐ経営破綻や住専問題、民間金融機関の信用が低下する中で、郵便貯金や簡易保険への資金シフトが民間の経営悪化に拍車をかけているということが懸念されております。  郵政大臣は、この郵便貯金のあり方と行政改革委員会の見直し論についてどういう御見解を持っていらっしゃるか、お伺いいたします。
  64. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 行政改革委員会で官民活動分担小委員会という一つ委員会をおつくりになりまして今作業に入られているわけでありますが、その作業の内容というのは公的部門の守備範囲を見直すということを言っておられまして、そしてそのための物差しづくりの検討ということを言っておられるわけでございます。それで、郵政三事業等を取り上げてというような話は具体的にはないわけであります。  そして、財投のあり方でございますが、財投のあり方についての御論議があるのかどうかわかりませんが、財投というのは、もう先生よく御承知のとおりでありまして、社会資本の整備とか国民生活の向上、国際協力、景気対策への寄与といったような日本の国にとって非常に大事な基本的な役割を果たしているわけでございまして、私はこれは非常に大事な一つのシステムであろうというふうに考えております。  郵政省としては、個人専門の貯蓄機関でございますから、国民にこういった簡易な貯蓄手段を提供しながら、政策的な長期的な資金を安定的に供給するという非常に大事な貴重な役割でございまして、これからもこれは維持されるべきものと考えております。
  65. 広中和歌子

    広中和歌子君 私はそれを否定するわけではないわけでございます。資金運用部で郵貯の占める比率は二一%であって、これは平成六年度だと思いますけれども、そのトータルは百九十八兆円に上っているわけです。まさに郵貯は世界一大きな銀行であって、これだけの大きなお金を集める金融機関というのは世界にほかにないわけでございます。  そういう中で、どんどん資金もふえていって、それが資金運用部を通じて政府系金融機関に貸し出されているわけですけれども、しかし今問題になっているのは貸し出しの低迷、一九九五年の財政投融資計画では、使い残し、未消化額が過去最高の十兆円前後になっている。  ちなみに今までの不用額というのは、平成三年で約八千億、平成四年度で五千九百億円、平成五年度で二兆七百三十六億、平成六年で一兆五千六百六十一億。そこまではいいんですけれども、平成七年度ではそれが十兆円にもなったということなんでございます。オーダーが違うと。こういうふうにどんどん郵便貯金の原資はふえる、そして一方では貸出先がなかなか手詰まりになっている。  そういう中で、ちょっと悪い想像でございますけれども、農協にバブル期にたくさん資金が集まって、それが住専に貸し出されたという悪い例を想像してしまうわけですけれども、こういうふうに郵便貯金がいろいろな形で、宣伝しなくてもしてもどんどん民間からお金が集まってくる。それがまた資金運用部を通じて貸し出される。そういう中で、こういう政府系のこうしたことが、自己増殖的にお金だけを集め、そして貸し手が見つからないというようなことで無理をして融資枠を拡大することになつちゃったりすると大変な問題になるんじゃないかなという危惧を持って今御質問に立っているところでございますが、大臣のコメントを求めて私の質問を終わります。
  66. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) いろいろ御心配をいただきましてありがとうございます。  ただ、郵貯がどんどんふえてと御心配になる方が多いわけでございます。農協からどんどん郵貯にシフトしているんじゃないかというような話もございますが、私も郵政大臣になったときは、そういうことがあるんじゃないかと思って実は心配したものでございます。しかし、実際調べてみますと、必ずしもそうなっていないんでございます。  郵貯のシェアというのは、大体金融資産の二〇%ぐらい前後でほぼずっと安定しているんでございます。それから、郵貯伸び率もどんどん伸びているだろう、こう言われるんですが、大体七%ぐらい、七%台の伸び。決してそんなに、ぐっと上がっているなどということはございませんで、これは順調に伸びている。ほかが悪くなっているときにおまえだけが伸びてどうだということを言われると困るんですが、やっぱりこれはいろいろな努力もあってでございますが、大体そういう順調な推移をたどっているということでございます。  こういう資金というものの存在価値といいますか、これは私今さら先生の方に申し上げるまでもないことでございますし、先ほどから申し上げていた国の政策を長期的に安定的に遂行していくという面からいえば、私は非常に貴重な財源であろうというふうに思います。これは、景気のいろいろな動向であるとか、そういうことによって不用額に推移があったりなんかするものでございますが、しかしこれも私、これからの財投の使い方というものは十分に検討されなければならないと思いますが、ただこれが決して投機を求めて走るというようなことにはなるはずがないわけでございます。この財投の資金というのは資金運用部を通していろいろ使い方も決まってくるわけでありますから、そういう非常に健全な運営をなされているというふうに私理解をいたしております。
  67. 広中和歌子

    広中和歌子君 そのように希望いたします。
  68. 西川玲子

    ○西川玲子君 平成会の松あきらこと西川玲子でございます。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。  夫婦年金保険の拡充として、配偶者死亡後支払開始夫婦年金保険という保険を新設したいということでございますけれども、まず概要を簡単に説明をお願いいたします。
  69. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 我が国の人口の高齢化が急速に進展していることに伴いまして、老後の生活に対する収入面での不安が増大いたしていることから、夫婦の一方が亡くなられ、ひとり暮らしになった場合の収入減に対応できるよう新しいタイプの夫婦年金保険を設けまして、現在の夫婦年金保険の改善を行うのがこの趣旨でございます。
  70. 西川玲子

    ○西川玲子君 先ほど北岡先生からも出ましたけれども、現行の夫婦年金保険との違いについてもう一度説明をお願いいたします。
  71. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 現行と新タイプの基本的に異なるところと申しますのは、現行の夫婦年金保険は主たる被保険者一定の年齢に達した日から年金を支払うこととしているのに対しまして、新タイプの夫婦年金保険は、主たる被保険者一定の年齢に達した日以降におきまして、夫婦いずれか一方が死亡した日から年金を支払うこととするものでございまして、この点が大きく異なるところでございます。
  72. 西川玲子

    ○西川玲子君 保険の新設なので、二、三気になる点がございます。  確かに、老夫婦にとって連れ合いを失うということはとてもショックでございます。その後の生活も非常に心配です、つまり健康のことやあるいは家計のこと。ですから、連れ合いの死亡で生活が心配になる点を年金でカバーしてくださいということだと思います。これからはとにかく少子・高齢社会ですから、こういった新種の制度を考えていくことは大変大切なことだと思っております。  しかし、保険で言ういわゆる一定の年齢に達する、そのあたりから配偶者寝たきりになったりあるいは痴呆状態、そういった夫婦も多いんですね、このごろ。そして、何か顔を見るたびに相手が死んでくれたら年金がもらえるのになんていうふうに考えたりするようになったら、かえって不幸かななんて思ったりもいたします。  大臣は所信で国民が豊かさを実感できる長寿福祉社会の実現ということを述べられましたけれども大臣はどのように考えておられますでしょうか。
  73. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 高齢化が進んでまいりますと、長寿社会、福祉社会ということを我々はもういやでも一つのイメージをつくり上げていかなければなりません。そして、それに向かって進まなければなりません。  夫婦で暮らしておられて、夫婦の一方がそういう要介護状態になったりなんかする、それから亡くなったりなんかする、そういうことになりますと、どうしても経済的にもそれから精神的にも一方の配偶者が大変な負担をするわけでございまして、そういう場合に対して自助努力をなさっていく、それを何とかしてその支援をして安心して暮らせるような長寿福祉社会を構築したい。それはもう皆さん口にお出しにならないでありましょうが、本当につらいつらいと思いながら日常を過ごしておられる。幾らかでもそれにお手伝いをしたい、こういう思いでございます。
  74. 西川玲子

    ○西川玲子君 ありがとうございました。  新しい商品を開発して、その商品を売るということも営業ですから大切だと思いますけれども、しかし簡易保険が何のためにあるのかという点に立って一度考えていただきたいと思います。  保険はもうとにかく種類が豊富になりまして、横に広がって内容も複雑になっているわけです。夫婦や家庭のあり方も多様化しております。貯蓄相談センターがあるように、利用者の立場に立った生涯設計をトータルでコンサルティングする保険相談窓口が私はぜひ必要だと思います。しかも、気楽に専門的なアドバイスを受けられるところ、そしてその方に合った、例えばこういう契約をしたらどうかというようなオーダーメードの保険を提供するといったような窓口、二万四千の郵便局があると先ほどもおっしゃいましたけれども、そこに設置をしていただいてもよいと思いますけれども、それはいかがでございましょうか。  先日の新聞報道に「鳥取市の悲劇」というのがありました。七十歳の長女が九十三歳の母親を凍死させたという話なんですけれども、悲しいことに、この九十三歳のお母さんがお漏らしを繰り返すので、お仕置きのために七十歳の長女が表に出して戸を閉めちゃって、凍死をしてしまったという悲しい事件なんです。  昔は人生五十年と言われましたけれども、今はもう九十歳、百歳の時代でございます。冒頭申し上げました夫婦ともども寝たきりになったり、あるいは老老介護に疲れてといったようなケースはどんどんこれからふえるに違いないと私は思います。この配偶者死亡後支払開始夫婦年金のおかげで、早く死んでほしいんでしょうなんて老夫婦がお互いに言い合うような、そういう悲しいことが起こらないように配慮をよろしくお願いいたします。  これからはとにかく単品の商品をつくるというだけでなく、先ほどから答えられてはおりますけれども、福祉あるいは介護などトータルコンサルティング、トータルサポート体制が必要だと思います。専門家を配置した年金相談センターというものを、都市部だけではなくて、特に高齢化というのは地方の方が進んでいるんですね。ですから、地方にもぜひ設置をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  75. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 郵便局でも地域住民のいろいろなさまざまな相談事に応じられるような能力を身につけるようにという御指摘かと思いますが、現在の簡易保険での取り組み状況について簡単に申し上げますと、御指摘のように、簡易保険も多様な保険種類があるわけでありますけれども、お客様のニーズに合致した保険商品をアドバイスできますように、日常の外務員の募集活動におきましてもコンサルティングセールスの推進に努めてきているところでございます。  また、お客様サービスとしまして、昨年三月から医療、介護、健康等についての電話相談サービスを開始いたしました。また、この四月からは全国の普通郵便局の端末機を通じまして、医療、介護、福祉施設等の情報提供サービスの推進をしているところでございます。さらに、平成八年度予算案には、専門の相談員による保険商品や生活設計に関する相談と情報提供を行う保険相談業務を、既に実施しております貯蓄相談業務とあわせて実施するよう予算を計上しているところでございます。  今後におきましても、簡易保険に関する、あるいは広く郵政事業に関するコンサルティングサービスあるいは情報提供活動につきましていろいろ工夫を凝らしてまいりたいと思っております。
  76. 西川玲子

    ○西川玲子君 うれしいお話でございます。よろしくお願いいたします。  ほかにも小さな疑問がございます。夫婦生活の多様化にはどのように対応を考えておられますか。例えば、夫婦が一定年齢になる前に離婚した場合、これは保険料支払い期間中に離婚した場合、あるいは離婚して再婚した場合、それとまた、一定年齢に達しちゃってから、支払い期間が終わってから夫婦が離婚した場合、そして再婚した場合、しない場合、この対応をお願いいたします。
  77. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 新タイプの夫婦年金保険の支払い関係につきましてお尋ねでございますけれども、ただいまケースを分けて、保険料払い込み中に離婚した場合、それからまた保険料払い込み後に離婚した場合、いずれの場合にもその後再婚した場合はどうなるのか、こういったことでございますが、いずれの場合も離婚をいたしますと、それが保険料払い込み中であろうと、あるいは保険料払い込み終了後であろうとも、離婚によりまして契約は消滅いたしまして、還付金を支払いをするということになります。再婚をした場合であっても、契約はもう既に消滅いたしておりますので、年金の支払いは生じることになりません。
  78. 西川玲子

    ○西川玲子君 そうですが。じゃ再婚した場合、また新たに掛けなければいけないということですね。わかりました。  配偶者範囲はどうなっていますでしょうか。戸籍で確認するんでしょうか。
  79. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 現在の夫婦年金保険でもそうでありますが、今回の新タイプの夫婦年金保険におきましても法律上の婚姻関係があるものを夫婦というふうに解釈いたしております。
  80. 西川玲子

    ○西川玲子君 こういうことをお伺いするのは、今多いんですよね、いろんなややこしい御夫婦が。ということは、事実上の夫婦というのはだめなわけでございますね、事実上の夫婦。そうすると、内縁の妻とか夫の場合はいかがでしょうか。これもだめなんでしょうか。
  81. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 御指摘のとおり、内縁関係は今回の夫婦保険の対象にはなりません。
  82. 西川玲子

    ○西川玲子君 こういうことが保険契約の約款には明確になっていると思うんですね。でも、とてもわかりにくいという印象があるんです。  現在、簡易保険には種類として十一種類、約款上の保険の種類として二十五種類ございます。そして、加入者の方がその希望に合った保険種類を選択できるようにしてありますと「みなさまの簡易保険95」、こういう本には書いてあるんですけれども、その一覧表などもありますけれども、読んでみてとても難しいんです。  簡易保険法七条三項には「郵政大臣は、保険約款を定めるに当たっては、」云々というのがありまして、とにかくわかりやすくしなさいということは書いてございますけれども、私なんかちょっととんちんかんなところ、早とちりなところがありまして、余り約款を詳しく読まないということもあるんですけれども、わかりにくい。ですから、例えば図入りとかでわかりやすい、ビジュアルなものにして説明できる工夫とかしていただきたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
  83. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 確かに、保険約款はいろんな難しい紛争事が起きた場合を想定しましてきめ細かく書いておりますので、非常にわかりにくいものでございます。それで、私どもとしましては、新規契約にお入りになりますときには「ご契約のしおり」というものを用意いたしまして、保険約款をかみ砕いた資料を御契約者にお届けしているところでございます。
  84. 西川玲子

    ○西川玲子君 次に、運用利回りについてお尋ねしたいと思います。  運用利回りがどれぐらいになっておりますか。平成四年をピークに余剰金も低落の一途でございます。こういう事態になったので保険料をこの四月一日から値上げしたようでございますけれども、そもそも現在の低金利を招いたのはバブルに絡んだ銀行の救済だと思います。こういうところでも配当金は減るし、保険料は値上げされるし、まさに国民にツケが回ってきているという気がいたします。こんなことをほっておいて、所信でおっしゃっている豊かな長寿福祉社会とは言えないというような気がいたします。  こんなことではなくて、経済政策の上でもっと長寿福祉社会の実現のために大臣が果たされる役割があるのではないかと思いますけれども大臣の御決意を伺いたいと思います。
  85. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) まず、簡保資金の運用利回りでございますが、先生おっしゃるように、近年の市場金利の低下から非常に厳しい運用を迫られているわけであります。平成四年度は五・八〇%、平成五年度は五・一四%、平成六年度には四・六七%、年々低下をしてきております。このように、簡保を取り巻く経営環境というのは大変厳しいものがございます。  これは、ほかの保険についても、民間の保険についても同様に非常に厳しい状況になっておりまして、そちらの方でもいろいろ努力をしておられるようでありますが、簡保といたしましても引き続き運用利回りを向上させるための努力を払ってまいらなければなりません。そしてまた、事業運営の効率化の推進、これにも努めなければなりません。そして、経営基盤の強化を図ることによって国民の財産である簡易保険を、国民自助努力を積極的に支援して、安心して暮らせる長寿社会の実現を目指して取り組んでまいりたいへこういうふうに思っているわけでございます。  金利の問題については、これは日銀がその政策を取り仕切っているわけでございまして、我々の方から今とやかく申し上げる立場ではございませんけれども、こういう低金利の時代における問題、私のところは所管外ということになってしまうわけでありますが、政府全体として取り組みを進めていかなければならないことと心得ております。
  86. 西川玲子

    ○西川玲子君 保険料が四月一日から値上げをされました、今申し上げましたけれども。予定利率も三・七五から二・七五に変わりました。約款で決められているので国会は関係ないんでしょうけれども、実はきょう審議をしている配偶者死亡後支払開始夫婦年金は夫婦年金の支払い方法のバリエーションだと思うんですね。だから、むしろこの法案は約款で措置されてもいいのではないでしょうか。  保険料は公共料金と同じで国民生活の基本にかかわるものですから、予定利率とともに法律で決められていてもよいはずだと私は思います。約款にしておいて、ぱっと値上げしたり率を下げたりしてはとてもかなわないという気持ちでございます。経費などのディスクロージャーを真剣に検討していくべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  87. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 簡易保険事業は国営の事業でございますから、経営状況につきましては、毎年度、決算書等を国会にお出しいたしまして御審議をいただいているところでございます。またさらに、簡易保険事業に対する国民の理解を深めていただくために、事業経営状況を掲載しました情報提供用冊子を昭和五十五年度から発行いたしまして情報の開示に努めているほか、平成六年度決算からは財務諸表の官報掲載及びインターネットによる情報提供を行っているところでございます。  今後とも、簡易保険事業に対する国民の御理解を一層深めていただけますよう、情報の開示の充実等に努めてまいりたいと考えております。
  88. 西川玲子

    ○西川玲子君 加入者福祉活動についてお尋ねをいたします。  特に、健康増進支援事業についてですが、大臣は所信表明で、高齢者に優しい加入者福祉施設づくりなど商品・サービスの改善充実に取り組むとおっしゃっておられますけれども、施設を生かすソフトについてどういうふうに取り組まれるかが大切だと思うんです。保養センターも全国で八十カ所あります。健康づくり事業に百四十八万人の参加者があり、大いに心身の保養に寄与しているとの説明を受けております。ここでもトータルなサポートでサービスをしていただきたい。  例えば、「かんぽ福祉施設のごあんない」、こういう立派な本もあるんですけれども、施設へのアクセスは、つまり電車なんかからおりた後、どこでも自家用車あるいはタクシーを前提にしているんですね。送迎バスなんかもあるんですけれども、朝一本、夜一本とか、泊まりまして次の日どこか遊びに行きたいといっても、行ってください、でも市営のバスは不定期で何時に出るかわからないし、どうなるかわからない、つまりお金を使ってください、こういうことではやっぱり何かどこかが欠けているなというふうに思います。ですから、私自身は官営施設だからこそできる細やかなサービスを心がけていただきたいと思います。
  89. 天野定功

    政府委員(天野定功君) まず、簡易保険保養センター、現在、全国に八十カ所ございますけれども加入者の健全な娯楽及び心身の保養に資することを目的として設置され、宿泊機能が中心となった施設でございますが、近年におきまして余暇ニーズの多様化が進行いたしまして、そういった要請にこたえるためにテニスコート、ゲートボールなどのスポーツ施設や日帰りの施設などを併設いたしまして、従来の宿泊機能中心の施設から、そういった新しいニーズにもこたえられるような工夫を今しているところでございます。  さらに、平成五年度からは、身体障害者等が安心して保養センターの施設を利用できますように、車いすでも利用できる客室の整備等を行うとともに、平成八年度予算におきましては、パイロットプランとしてでありますけれども、要介護高齢者が家族とともに過ごすことができるような客室、浴室の設置を予算要求するなど、高齢者や身体障害者の方が利用しやすい施設整備に努めているところでございます。  こういった形で、必ずしも先生の御指摘にぴったり合うかどうかわかりませんけれども、官営施設だからできるきめ細かなサービスに努めているわけでありまして、これからも加入者の要望等に十分配意いたしまして、よりきめ細かなサービスの提供に工夫してまいりたいと考えております。
  90. 西川玲子

    ○西川玲子君 ほかにも質問したいことがございましたけれども、時間ですので終わらせていただきたいと思います。
  91. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 きょう、冒頭の景山委員質疑の中で、独居老人に対する声かけ運動、郵便配達または貯金、保険の業務の途中でひとり住まいの老人に声をかけていくということが郵政省の中で制度として労使が一致して進められているわけであります。ただ、最も必要とされる大都市においては、非常に忙しくて、要員も不足しておりますからなかなかやり切れない。しかし、雪深い中で独居老人、お一人で住んでおられる年寄りにせめて声をかけるという細々とした取り組みが行われているということについて、私もぜひ知っていただきたいと思って、携わった一員として以前の逓信委員会で紹介いたしましたが、きょう景山さんが同じことを言われまして、大変感慨無量でございます。  私は、今回の郵政省提出した法律改正及び郵便振替の問題等にかかわって幾つかの質問をするわけですが、共通のテーマがあると思っています。  それは、一つ自助努力というものの重要性、しかしその自助努力の限界というものも同時にあるだろう。行政がやるべき努力、これはぜひやらなきゃならない、しかし負担率との関係行政の努力にも限界があるだろう。さらには、もう一つの要素として共同体の力というものがあるだろう。このことを私はさまざまなところで、委員会でも申し上げてきたところでありますが、今回の法律改正案はこの三つの要素にフィットしたものになっているんではないかというふうに思っていま。不十分性がある指摘があるわけでありまして、私もそのように思いますけれども、不十分の中の努力ということでの評価もあっていいんではないかと思いまして、私は評価するところでございます。  そこで、簡易保険法の一部を改正する法律案が出ておりまして、簡易保険にかかわって質問をいたします。  高齢化社会が進展する中での自助努力をどう支援していくかという位置づけでの簡易保険という役割があると思うんですが、民間生命保険が保険料の値上げや配当を減額するという動きの中で、簡易保険だけは大丈夫ではないかというような期待もありましたけれども、簡易保険も平均五・八%の保険料の引き上げを行いました。私は、不況という中で、金利は最近やや上昇基調にあると言われますけれども、景気との関係で不安定な状況がずっとありまして、これを受けての保険料収入の伸び悩みや運用収益の伸び悩み、厳しい経営状態が続いているのではないかというふうに心配をせざるを得ません。  そこで、率直なところ、簡易保険の現在の財政状況、それと簡易保険の健全な経営は将来にわたって保証し得るのかということについてお聞かせいただきたいというふうに思います。
  92. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 先生ただいま御指摘のように、現在、長引く景気の低迷、未曾有の低金利によりまして、生命保険の経営は、民間事業も含めまして、全般的に保険料収入及び運用収入が伸び悩んでおりまして、大変厳しい状況にあります。  簡易保険におきましても、平成五年度以降、剰余金が対前年度比二〇%を超える減少が続いておりまして、民間生命保険同様厳しい状況にあるわけでありますが、平成七年度におきましては、経営面での努力の結果、前年度を下回りますものの五千億円弱の剰余金の発生が見込まれておりまして、その大部分を加入者へ分配する予定でございます。またこの四月から、先ほど御指摘のとおり、現下の低金利対応いたしまして予定利率の引き下げ等による保険料の改定を行うことといたしました。そして、引き続き事業運営の一層の効率化を推進しているところでございまして、これからも加入者が安心できる健全な事業経営を確保してまいりたいという考えでございます。
  93. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 今、簡易保険局長から予定利率の引き下げをやったということでございますが、この簡易保険の保険料の見直しの内容について、内容的に少し説明をいただきたいというふうに思います。  さらに、契約者との関係は非常に長きにわたるわけでございまして、市場の厳しさを反映しての保険料値上げというふうに説明されても、一人一人の契約者にとっては突然のものになってくるわけでありますから、そういった一方的な保険料の値上げというような状況の中での十分な説明がなされたのか、さらには契約者に対してどのような配慮がなされてこの保険料値上げが行われたのかということについての説明をいただきたいというふうに思います。
  94. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 現在の我が国の景気は若干上向きにあるとは申せ、市場の金利は依然として低い水準にありまして、生命保険事業を取り巻く厳しい経営環境であります。そういう状況で、これまでの保険料水準を維持していくことは、健全な経営を維持していくことにとりまして大変困難であるということが考えられましたので、本年四月一日から保険料の計算の基礎となる予定利率及び予定事業費率を見直して保険料の改定を行ったところでございます。  今回の改定におきましては、お客様への保証利回りとしての予定利率をこれまでの三・七五%から二・七五%へ引き下げる一方、経営努力によりまして予定事業費率を引き下げることにより保険料の引き上げ幅をできる限り抑制しました。この結果といたしまして、全体として五・八%の引き上げになったのでありますが、一部の保険商品では予定事業費率の引き下げによりまして保険料の据え置きもしくは引き下げとなっているところでございます。  また、御指摘のありました加入者サービスといたしまして、本年四月から、一つには安い保険料で終身年金保険を利用できるようにするため定額型終身年金保険を新設いたしました。二つ目には被保険者が重度障害状態になった場合の保険料払い込み免除制度を新設いたしました。三番目に契約者貸し付け利率の引き下げを行いまして加入者サービスの配意を行ったところでございます。
  95. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 事業費率の抑えということが経営上の圧迫にならなければいいがというふうな心配もしておるところでございます。  さて、少子・高齢化社会ということでこの委員会で皆さんがおっしゃっております。六十五歳以上の人口が総人口に占める割合は、二〇〇〇年には一七%、二〇二〇年には二五・五%と急激な上昇を続けておるわけでございます。こういった高齢化が進展する中での毎日の暮らしを安心して送れる、大臣の所信表明の中にありましたことでございますが、公的サービス充実ということが前提とはなりますが、その限界ということについて先ほど申し上げまして、自助努力ということがそれに加味されなければおのずから守れないという状況の厳しさということがあると思います。  そこで、私はこの簡易保険の商品、制度というものが自助努力手段として非常に有効であろうというふうに考えておりますけれども、もちろん健全な経営と良質なサービス前提でありますが、簡易保険の加入状況というものの現状と将来の見通しということについてお尋ねしたいというふうに思います。
  96. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 平成七年度、昨年の四月から、現在、データにおいて確定できますのはことしの二月までの新契約の状況でございますが、まず保険につきましては件数で七百五十三万件、対前年同期比で二・九%の増であります。保険金額は二十兆三千八十五億円であります。一方、年金保険の方は件数が七十六万件で、対前年同期比で一八・五%、年金額にいたしまして二千六百七十五億円がことし二月までの新契約状況でございます。  この結果、前年度までの分と合わせました保有契約の状況は、保険で八千四百十二万件で、保険金額にいたしますと百九十三兆四千億円、年金保険の方は累計で五百十二万件で、年金額一兆四千億円に達しているところでございます。  今後の見通しでございますけれども、現在は景気の状況で若干伸び悩みぎみでございますけれども、しかし本格的な少子・高齢化社会の到来を迎えまして、国民の暮らしの安定に向けた自助努力手段といたしまして簡易生命保険に対する国民の期待とその役割はますます高まっておると認識いたしておりまして、私どもはさらに簡易保険の一層の普及と保障の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
  97. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 私は、将来の見通しの中で、簡易保険局長は厳しい中での努力について述べておりますけれども、こういう厳しい状況下において簡易保険の第一線の募集体制、その募集の仕方、商品等についてより健全なもの、長くお客様の信託にこたえられる体制も商品もつくる必要があろうかというふうに考えています。  二月十九日の新聞報道の中で、郵政省貯蓄型簡易保険の勧誘を停止するということが出ました。とかく貯蓄型がバブル期には奨励をされ、一時払い養老等が大いに民間生命保険等でも売られ、簡保でもやられたわけでございますけれども、商品の重点を保障型に移していくという方針になったということについては、私は生命保険業としては健全な選択というふうに考えております。  とかく成績を上げればいい、成績至上主義ということが誤った方向に行く、すなわちお客さんの利益に合致しないそういう業務運用、運営ということになりがちでありますから、この時期にきちんとした経営または営業体制というものをつくる必要があろうということで、御都合主義でない本格的な保障型重点の営業方針にいくのかどうか、この辺について簡易保険局長の考えをお聞きしたいと思います。
  98. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 簡易保険につきましては、加入保険金額について一定の制限があること、無診査で簡易な手続で加入できるといった簡易保険の特質などもありまして、従来から貯蓄性の高い養老保険が主力を占めていたところでございます。  しかしながら、先生御指摘のとおり、これまで募集実態として貯蓄型商品に偏重しておりましたことから、これを是正するため、保険本来の機能である保障機能重視の営業活動を目下指導しているところでございまして、平成八年度の簡易保険営業方針におきましても保障の充実を図っていくことを基本方針としておりまして、その具体的方策としまして、営業目標額の設定において保障型商品の比重を高めるなど所要の措置を講じているところでございます。
  99. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 さて、自助努力を積極的に支援するための簡易保険の経営ということが盛んに保険局長から述べられているわけでありますが、現在の簡易保険の加入限度額は原則一千万円ということになっております。果たしてこれがニーズにこたえられる額であるのかどうか、私は不十分ではないだろうかというふうに思っています。事業総体というよりは、加入者一人一人のニーズから見て不十分なところが強いのではないかということを感じておるところでございます。  さて、そこで、郵政省としてこの簡易保険の加入限度額を見直すべきではないだろうかと思いますけれども、どういった視点で考えておられるか、その辺について説明をいただきたいというふうに思います。
  100. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 簡易保険の加入限度額につきましてですが、昭和五十二年九月に一千万円に引き上げられて以来、昭和六十一年九月に一定の条件のもとで千三百万円まで加入できるようになったのでありますが、基本額一千万円は既に十八年以上も据え置かれている状況でございます。  この間、例えば勤労者世帯の消費支出を見ますと一・九五倍に達するなど、各種経済指標はおおむね二倍以上の伸びを示しておりまして、生命保険としての保障機能を十分果たすためには、必要な保障額等を考慮した場合、現在の水準では不十分というふうに認識いたしております。さらに、加入者等からの加入限度額見直しの要望も年々高まってきているところであります。  そこで、平成八年度予算概算要求におきまして簡易保険の加入限度額の見直しを要求いたしまして、関係の向きと鋭意折衝を重ねたところでございますが、残念ながら認められておりません。  加入限度額の見直しにつきましては、私ども事業の重要課題の一つでもありまして、簡易保険を取り巻く経済情勢の変化などを踏まえながら、今後ともその実現に向け鋭意努力してまいりたいと考えております。
  101. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 さて、話題を変えまして、生命保険料控除の問題でございます。  高齢化社会に備えるための政策的支援措置ということでございますけれども、現在の生命保険料控除額は昭和四十九年以来二十年以上も据え置かれたままになっております。生命保険料控除は、まさに多くの方々がお話ししている自助努力を行う国民を国としてサポートしていく、そういう唯一の税制というふうに言ってもいいと思います。  平成八年度の税制改正で、生命保険料控除は九年度改正での見直しを目指すということになっておりますが、生命保険料控除というものを考えたときに、自助努力をサポートする唯一の制度であって、高齢化社会に向けて堅持するかあるいは拡充するか、その方向をとるべきであろうというふうに私は考えております。もちろん、そのためにほかに何があるかということも当然税制としては出てくるかと思いますけれども、この制度に対する郵政省の考え方は、どのように取り組まれようとしているか、お聞かせいただきたい。
  102. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 人口の高齢化が急速に進展する我が国社会にありまして、生命保険あるいは個人年金は、必ずしも十分でない公的保障を補完しまして、老後の暮らしの安定を図るための自助努力手段としてますます重要になってきていると認識いたしております。  このように、国として国民各位の自助努力を期待せざるを得ないような状況にある中で、現行の生命保険料控除制度国民の暮らしの安定のための自助努力を国がサポートする唯一の税制でありながら、現状においては残念ながら十分ではないわけであります。  平成八年度税制改正の御審議では当制度の見直しの議論があったと伺っておりますけれども国民自助努力支援する当制度充実こそが必要であると考えておりまして、今後とも関係方面に御理解を賜るよう努めてまいりたいと思っております。
  103. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 それでは、法律改正にかかわって少し質問いたします。  一つは、告知義務の問題でございます。  新しいタイプの夫婦年金保険において、夫婦の双方について告知義務を課している。一般年金保険は、被保険者が早く死亡すれば受け取る年金総額は少なくなるものでありますから、告知義務を課す必要はないというふうに私は考えますけれども、あえてその危険選択を行う理由は何か、ぜひお聞かせいただきたい。
  104. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 新タイプの夫婦年金保険は、夫婦の一方が死亡した場合に年金の支払いを開始するものでありまして、これまでの年金保険とは異なり、被保険者の死亡により給付が生じる仕組み年金保険であることから、夫婦の双方ともに健康であることが加入の要件として必要になるわけであります。そこで、加入申し込みに際しまして、夫婦の双方に対しまして面接を行い、健康状態の告知を求めることにしたところでございます。
  105. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 さらに、年金の支払い開始後、すぐ残りの配偶者が死亡した場合に、長期間保険料を払ったにもかかわらず、結果的に受け取る年金がわずかになるということで加入者に損失感を与えることとなると思いますが、そういう場合の何らかの手だてはあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
  106. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 年金の支払い開始後、短期間のうちに残された配偶者が死亡した場合、その後、何ら年金を支払わないことになれば、払い込まれた保険料総額に比べまして支払われた年金の総額が少なく、加入者の損失感が生じると考えられます。そこで、支払い開始後一定期間、これは保証期間と呼んでいるわけでありますが、一定期間内に残された配偶者が死亡したときは、その相続人に対しましてその残存期間中継続して年金を支払うこととしたいと考えているところでございます。
  107. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 新しいタイプの夫婦年金保険、老後の生活の保障ニーズに対応する商品ということでございますが、同種の年金民間生保では発売しているかどうか、その状況についてお聞かせください。
  108. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 民間生保におきまして、夫婦の一方に万一のことがあった場合に、その配偶者年金を支払う仕組みの類似の商品を発売している会社があると承知いたしております。  しかしながら、民間生保の商品は、一つには、単品の商品でなく、年金の特約として付加されるものであります。もう一つ、保険料払込期間中に夫婦の一方が死亡した場合に年金を支払うものであり、働き盛りの被保険者が主たる対象となっている状況であります。さらにもう一つ年金の支払いは終身でなく一定期間に限られておるということで、私どもの新タイプの夫婦年金保険とはその性格や内容が異なるものでございます。
  109. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 今の答弁をお聞きしまして、民間の商品または市場についての事前の検討ということがなされたというふうに理解するわけでございます。とかく競合の激しい業界でございますけれども、今後、簡易保険の商品・サービス開発について、特に民間との関係でどのように取り組んでいくつもりがあるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  110. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 人口構造の高齢化が急速に進展する中で、保険・年金サービスに対するニーズもますます多様化、高度化しつつあるわけでありまして、公的保障には財政面の制約等もございますから、国民自助努力を支える生命保険の役割はますます重要であるというふうに考えております。  こうした生命保険に対する期待にこたえるために、簡易保険と民間生保とはそれぞれの特色を十分に発揮し、お互いに創意工夫しながら国民のニーズに的確にこたえていく必要があると考えております。  今後とも、国営簡保の特色を十分生かした商品・サービスの提供に努め、豊かで活力ある長寿福祉社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  111. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 質問の課題をがらっと変えまして、郵政短時間職員についてお尋ねしておきます。  昨年の年末、予算編成に向けて郵政省の大変な努力もあり、私たちも関係方面にさまざまな要請や陳情行動をとりました。短時間職員というのは、フルタイムの方がいいに決まっているわけでございますけれども、郵便の動きは一日のうちに波動性がある、しかし要員は確保しなければならない。就業者の方のニーズということも、生活のさまざまなスタイルの中で合致する人たちに焦点を合わせた短時間職員。忙しい時間帯に必ず来てもらわなきゃならないという状況の中でのしっかりした雇用関係または処遇ということが前提となって、労使で合意しての取り組みというふうにお伺いするところでございます。  この短時間職員の本年度予算における状況と、制度が将来どのように確立されていくのか、退職手当の問題等についてどのような見通しがあるのか、また郵政省はどう考えているのかということについて、現状と将来への取り組みの姿勢についてお伺いしたいと思います。
  112. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) お答え申し上げます。  まず、平成八年度予算案における郵政短時間職員の扱いでございますが、配置エリアを現在の二管内、関東、東京で現在やっておりますが、これを全管内へ拡大することといたしております。また、採用職員数を現在の三百九十二人から二千三百十八人へ拡大してまいるということでございます。それから人件費、募集採用経費及び訓練経費として三十一億六千万円が計上されているところでございます。  今後、どういう取り組みをするかということでございますが、郵政短時間職員の給与、諸休暇等々の処遇につきましては常勤職員に準じたものとなっているところでございます。しかし、先ほど御指摘もございましたように、退職手当の支給と共済組合への加入が認められていないというところでございます。  そこで、平成八年度の予算編成過程におきまして制度化の要求を関係方面に行ったわけでございますが、常勤職員並みの勤務時間で勤務しない、つまり八時間ではなくて四時間勤務ということ、それから民間における短時間社員に対する退職金の支給状況が成熟していないということから認められなかったというところでございます。  しかしながら、郵政省といたしましては、この郵政短時間職員の処遇の改善というのは非常に重要であるというふうに認識しておりまして、今後も引き続き関係省庁に対しまして退職手当の支給及び共済組合への加入を求めていきたいというふうに考えております。
  113. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 次に、貯金局長にお尋ねいたします。  まず、現下、日本の金融の混乱ということが起こっておりまして、金融機関のあり方、モラルの低下、さらには金融システム、金融行政のあり方も討論され検討もされている最中でございます。まさにその体質全体、システム全体が問われている。その中にあって、郵便貯金または公的金融システムというものも大きく日本の金融システムの一部を構成しているわけであります。しかしながら、今日、公的金融システム、郵貯を含めた政府関係金融機関等のあり方、その存在意義というものも改めて再認識されつつあるという状況にあろうかというふうに私は思っております。  そこで、これまでの状況から見れば、そういった状況下において郵便貯金の信用、郵便局活動の信用というものは高まっているということでございますけれども、心すべきは、国全体の金融システムにおける郵貯のあり方という視点を常に忘れてはならない、社会の安定の中で郵便貯金がどのようにやっていくかということを忘れてはならないというふうに思うわけでございます。  たびたび郵政省の見解をお聞きしているわけでございますが、この際、郵便貯金が今後果たすべき役割について郵政省の考え方を再確認しておきたいというふうに思います。
  114. 木村強

    政府委員木村強君) 先生御指摘のように、昨今の民間金融機関の一部の混乱の中で国営郵貯の存在意義というものが改めて見直されておることと存じております。  私ども、個人専門の非営利の金融機関ということでございまして、明治八年の創設以来、貯金の分野では、庶民の、国民の皆さん一人一人が震災であるとか老後であるとか病気であるとか、あるいは子供の教育のために積み重ねられたお金の集まりであります。しかし、それも昨年六月には残高二百兆を超えまして、一部からは肥大化というようなお話もございます。  大臣も申し上げましたとおり、全体の経済の仕組みの中で国営郵貯として安定的に成長していくということが経済発展の中でやはり国民のニーズにかなうものだということでございまして、郵便貯金、二割のシェアということで、国民の選択の結果であろう、かように考えております。  昨今、民間の問題がいろいろと出てまいりますけれども、このような郵貯の役割、国営の一機関であるということを考えますと、やはり全体の金融システムの中での国営郵貯ということでもございますので、日本の景気回復あるいは経済の発展、金融システムの安定化といったようなものに国営の一機関として協力をしていこうということで、全体のバランスの中で対応することが必要でございます。  その結果、現在も極端に郵貯にシフトしておるというようなことではございませんで、超低金利化を反映いたしまして流動性の高い貯金がかなりふえておりますけれども、トータル的にはここ二、三年伸びとしては安定的に推移をしているというような状況でございます。  公務員として節度と品位を持って営業活動に当たる、そして国民の皆さんのニーズにこたえるということでありますが、ただ節度と品位ということだけでもやはり困ろうと。もちろん営業としてはそのようなことでありますけれども、やはり二十一世紀を展望して、我々の存在意義というものもあるわけであります。  例えば、きょう提案を申し上げておりますような自助努力手段を我々の企業努力の中で非営利として提供していくといったような分野、あるいは社会扶助の分野、ボランティア口座のきょうの法案関係もそうでございますが、こういった国営郵貯としての、民間金融機関とは一味違った多様な商品を国民の前に提供して、そしてこれを使っていただければということで、量よりもむしろ横につながっていく、一人一人が郵便貯金を利用されていく、こういう形の中でこれから民間が本当に自己責任の原則に従った形で経済のシステムが整理されていきますと、そういう意味での民に対する官の郵貯の役割というものもひときわ目立つものがあろうということで、存在感は示しながらも、全体のバランスをとりながら節度と品位を持ってこれからも国民の負託にこたえる郵貯についてかじ取りをしてまいりたい、このように考えております。
  115. 伊藤基隆

    ○伊藤基隆君 私は、郵便貯金法の一部を改正する法律案、それから郵便振替の預かり金の法律案、これも一つはささやかという批判はございますけれども、これからの社会に対する行政の努力、これは貯金法の一部改正。それから共同体の力を支援する、ボランティアに対して支援するという郵便振替法というところのあらわれが今回のこの委員会に付託されているところだというふうに思っています。  先ほど郵便振替の問題で、阪神大震災、神戸のお話がされまして、この委員会でも林委員が再三にわたって神戸からの発信を行っておりまして、その都度、厳しさを私も感じておるわけでございますが、こういったことが地域社会からどんどん発信されてくるということが非常に重要であろうというふうに思います。  阪神大震災の後、私も現地に行きまして郵便局を訪ねました。郵便局員が一番最初何をしたかということを私が聞きましたところ、周りの家の下敷きになっている人をまず助けたと。それで私は褒めたんです、偉いなと。そうしたら、そんなことで褒めないでくれとみんなが泣くんです。なんでそうなんだと言ったら、助けられなかった人が多過ぎた、自分たちの手だけではどうにもならない。新聞等にも出ていましたが、ちょっとしたジャッキとかのこぎりとかがあれば助けられたのにというのが彼らの話でありまして、今関係ない話をしているような感じもございますけれども、ぜひ郵便局にそういったことを支援できる道具をそろえておいていただきたい、この機会に申し上げます。  さて、貯金局長の答弁の中で、郵便貯金民間との問題について常にそれが問題になってき続けたわけでありますから、それに配慮しつつ業務運営をやっているという話を聞きました。民間金融機関だけではうまくいかないということについて、国ならある程度できるんじゃないかということをやっているというふうに申されておるわけでございます。お客様から見れば、官か民か、どっちがいいかという問題ではないわけでありまして、どっちのサービスがいいのか、その質と量が問われるわけでございます。ぜひそういったことを今後も念頭に置きながら、官民共存という体制を競争によって果たしていっていただきたいというふうに思います。  そこで、経団連のアンケートが私の手元にございまして、ことしの三月二十七日に出されました。規制・慣行の見直しランキング、一位が銀行の手数料、営業時間の多様化だそうでございます。二位が外国化粧品の輸入販売許可、三位がタクシーの同一料金、また期待商品・サービス番付、期待するものとしては一位が多様な郵便局サービスというのがここにありまして、郵便局に厳しい経団連がアンケートによって間接的に評価をしているというふうに私は喜んでこれを見たわけでございます。私は金融機関に対する国民の意識がおのずからここに出ておるというふうに考えております。  そういった中で、どれだけ郵便局が身近なサービスをしていくかということが重要でありますので、少し具体的な細かいことについて貯金局長に三点ほどお聞かせいただきたいと思います。  一つは、各地方公共団体における郵便局の自動振り込みの導入状況について。二つは、公金収納のための自動払い込み推進についてどのような取り組みを行っているか。三つは、地方自治体における給与振り込みについてはどのような状況になっているか、またはこれからどのように進めようとしているか。サービスの拡大ということについての視点でお聞かせいただければ幸いでございます。  この質問をもって私の質問は終わります。
  116. 木村強

    政府委員木村強君) 郵便局で提供しております為替貯金事業国民の利便性の増大というのが一つ大きな役割であろうと思います。そういう意味で、全国にある郵便局をお客さまに、地域の住民に身近なものと見ていただきまして、そして二万四千のネットワークを使っていろんな金融的な措置を講じていくということが私どもにとりましても大変必要なことであろう、このように考えております。  先生今御指摘のございました地方税であるとか各種の保険料、あるいは住宅使用料等公金の自動払い込みにつきましては、地域住民の生活の利便に直接かかわる問題であるという認識を持っております。そういう意味では、これらのサービスを提供する機関民間金融機関だけではやはり住民にとっては選択肢が狭いということになろうかということでありまして、こういった住民の選択の幅を広げておくということも郵便局の大きな役割であろうというふうに認識をいたしておりまして、郵便局の自動払い込みにつきまして取り組んでまいりました。  平成七年度で、八年の二月末までの一番新しい状況で、二月末でありますけれども、二百八十九もの地方公共団体が新たに自動払い込みをやるということで了解をしていただきました。昨年は同期で二百十件ぐらいでしたから、二百八十九件ということで、対前年比一三八%増ということで件数がふえております。トータル、公金の収納の取り扱いを行っておりますのは、地方公共団体の三千三百五団体あるうちの千九百八十一団体になりまして、導入率が六〇%弱ということで、六割までが郵便局で公金の収納ができる、地域住民にとっては郵便局を使って公金を払い込める、こういう状態になってございます。  これまで実績のございませんでした都道府県などにつきましても、東京都が住宅使用料あるいは個人事業税、固定資産税及び都市計画税、それから新潟県と滋賀県が住宅使用料の自動払い込みを導入するといったようなこと。あるいは東京の二十三区におきましても、区民税あるいは都民税、国民健康保険料、それから国民年金保険料などの自動払い込みも郵便局でできるような措置も決まったということで、自治体等にとりましても、地域の住民の皆さんにとって利便を図るということは地方公共団体の使命でもあろうかと思いますので、このような点を訴えながら、もうけ主義、商売主義ではなくて、そういう道を住民のために置いておくという観点から引き続き努力してまいりたい、かように考えております。  それから、先生二点目に御質問ございました取り組み状況、こういった公金収納のための自動払い込みの推進に対する取り組み状況ということでありますけれども、今申し上げましたやはり認識が大切であります。我々としましても、住民の利便、それに対して、地方公共団体等が扱うお金でありますから、地方公共団体にそういった住民の利便のための選択肢を確保するんだ、こういう観点でアプローチをしていこう。郵便局が行きますと商売だというような雰囲気であっても困ろうということで、そういう観点では市町村の利害と全く一致をするわけでありますので、そういう観点を地方郵政局長あるいは郵便局長、トップ以下が共通の認識として持ちまして、しかも最近の時代は激動あるいは動きの早い時期でありますから、下から役人的に積み上げていくというのは時代の動きに取り残されていくということで、トップがそういう意識を持ってまず動いていく、市長あるいは知事に飛び込んでいく、こういう体制を各郵政局管内にとろうということで、会議等を頻繁に行いまして指導をしてまいりました。  それから、つい三月でありますけれども、「エキサイティングニュース」なども発行をいたしまして、各郵政局相互に、それぞれこういう取り組みについてこれだけ成果が上がったよ、A管内で成果が上がれば、それをA管内以外の管内に周知をする、B管内もAがやったなあというようなことでまた頑張る。そういった、相互にいい意味での刺激をし合った情報の公開も、本省として全体の情報を持っているわけですから、これを地方にディスクローズいたしまして、それを使って大いにやろうといったようなこと。  それから、地方公共団体には保険のお金が貸付金として行っております。そういったパイプもございますし、それから郵便貯金につきましても、この七月、八月をめどにいたしまして、郵便貯金資金が身近でどの程度使われているか、上下水道であるとか学校、公民館の建設にどの程度財投を通じて入っているかというようなことも明示できるようにもなりますので、そういった手法も使いながら地方公共団体ときちっとしたパイプをつくって、お互いのこれは相互関係であります、住民のための相互関係ということで、ギブ・アンド・テークという言葉ではありませんけれども、そういう観点で取り組みを強化したい、このように考えております。  それから、給与預入の導入状況であります。今申し上げましたのは地方の公金の払い込み、住民から見たら公金を郵便局を通じて自動払い込みをするという方式でありましたけれども、地方自治体の職員が郵便貯金で給料を払い込んでもらう、こういう導入状況につきましては、市町村につきましては既に対前年一四八%、全体では四二%の公共団体でできるようになりました。千三百九十二団体であります。ただし、都道府県レベルでは郵便局は指定金融機関に入っていないということで、地方公共団体と為替取引がないということで、自治省の指導等がありましてなかなかうまくいきませんでしたけれども、こういった自治本省との交渉はまさに郵政本省の仕事であるということで、我々本省の仕事だということで行政局とも交渉をいたしまして、ほぼ自治省としてもこういう方向については現下の情勢を踏まえてやむを得ないなという判断までこぎつけております。現在、出納長等以下に自治省自身が説明をするからという状況になっておりますので、その推移を見守ってまいりたいと思います。  そういたしますと、自治省自体も、こういった地方公共団体、都道府県も含めて職員の給与の払い込みという仕組みについても御理解がいただける、このように考えておりまして、現場での取り組みも熱が入ろうということでございますので、引き続きこれについては私ども自身フォローしてまいりたいと考えております。
  117. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 きょうは参議院先議の三法案なんですけれども趣旨説明の後、三法案まとめてきょう質疑ということで、国民生活に関連のある法案であるだけに非常に残念な事態で、私ども充実した審議が今後行われますよう強く要望させていただきます。  法案そのものはそれぞれ積極的な内容なので私ども賛成でございます。  郵便貯金、簡保をめぐって私は二つ今重大な問題があると思うんです。一つは超低金利政策、もう一つは財界の攻撃です。経団連が一月に長期ビジョンを発表しましたけれども、この中で初めて郵便貯金、簡易保険の分割・民営化、これを明記したんですね。  ここに、経済広報センターのパンフレットがあります。「抜本的見直しが不可欠! 肥大化する郵貯・簡保」、こういうパンフレットまでつくって広く送付しているという状況があるんです。真正面からの攻撃を財界が郵便貯金、簡易保険に対して加えているのはよく御存じのとおりだと思うんです。  まず、郵便貯金法改正ですけれども、この法案提出の背景には超低金利政策があります。改めて郵便貯金利率を見ますと、金利の自由化で市場金利連動型にされたために、定期で一年物が〇・四でしょう、四年物が一・六です。郵便貯金の八七%を占めております定額郵便貯金、一年物は〇・三五です、三年以上が一・一五というんだから、もう本当にこの低金利は庶民の懐を直撃している。  それで、九一年から公定歩合は六%が〇・五%まで九回下がった。これでどういうことになったかというと、経済企画庁の国民経済計算で、九四年度、家計の受取所得が四・八兆円、約五兆円減った。大企業が一・九兆円、金融機関が三兆円ふえた。いわゆる所得移転ですね。庶民の懐から大企業、大銀行に所得移転が年間約五兆円です。九四年、九五年で約十兆円と言われている。そうすると、個人消費六兆円が吹っ飛んだ計算になるということなんですね。  ところが、今景気が少しずつ回復しつつあるというのに、日銀はこの公定歩合を絶対上げない。なぜかというと、住専その他不良債権を、特に金融機関がその不良債権を処理する財源をこの超低金利で庶民の懐から所得移転するためにやっているわけです。  そこで、私は、日野郵政大臣にお伺いしたい。郵便貯金二百十兆円です。一%金利を上げれば二兆円入るんですよ、庶民の懐に。それで、だから僕は、やっぱり郵政大臣としても、政府の超低金利政策、これ自身を是正する努力をしていただくと同時に、大蔵省と相談は必要でしょうけれども法律的にはできるんだから、こういう状況の中で郵貯の利子を少しでも上げるという努力をぜひしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  118. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 先生の方から超低金利ということで御指摘ございました。  これは、郵便貯金としても低水準の金利、これ大きな悩みであることはお察しのとおりでございます。ただ、この金利の問題というものは我々ではどうにもならぬところがございまして、これは日銀が、公定歩合を中心に日銀が所管をしているところでございまして、我々としても郵貯にお預けをいただいている方々に対しては非常に心苦しいというような感じ、我々のせいではないにしても心苦しいという思いは抱いてはおります。でありますから、我々としては、こういう状況の中で経済的に弱い立場の方々に対しては積極的に支援をしてまいりたい、このように考えてはいるわけでございます。  その我々の思いが今度の、具体的に言いますと老齢福祉年金受給者等対象とする福祉定期郵便貯金、これを平成九年の二月末まで取り扱っていこうと。これはもっと前にやめろという御意見がございましたが、これは継続しようということもやらせていただいておりますし、それから今度の要介護者に対する定期郵便貯金金利優遇というような努力もやってまいりましょうということで、今そういった努力を続けているところでございます。
  119. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今度の改正は、郵便貯金法の第十二条、「政令で定めるところにより市場金利を勘案し」という条項改正じゃなくて、新規に十二条の二を創設したんですね。これは私は、国民のための新商品、利率を必要に応じて郵政省が独自にやるという方向を切り開いたものとして前進だと思うんです。今度の要介護者に対する金利上乗せ策についても、概算要求で公表されたら、すぐ全銀協は郵便貯金の一層の肥大化を招くということでやっぱり懸念表明があったんですね。それで、そういう懸念はあったけれども、今度おやりになったことは大変いいと思うんだが、そこで一つお伺いしたい。  九五年度末の郵便貯金の累積利益はどのぐらいになっているか、それからこの法案による優遇策の必要資金はどのぐらいなのか、貯金局長、お答えください。
  120. 木村強

    政府委員木村強君) まず、一般会計、今先生御指摘のございました平成七年度予算におきます損益というものにつきましては、二千百五十九億円の黒字ということで計上いたしております。
  121. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 累積利益。
  122. 木村強

    政府委員木村強君) 累積でございますか。これは一兆七千億程度でございます。累積利益、一兆七千億程度でございます。
  123. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それは六年度末でしょう。七年度末の累積利益。
  124. 木村強

    政府委員木村強君) それではもう一度申し上げます。  六年度決算が出ておりますが、これは一兆七千八百六十八億であります。平成七年度では、二兆二十七億円という予算で平成七年度は走りました。今、決算の最中であります。
  125. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それから、これに必要な額、今度の施策の。
  126. 木村強

    政府委員木村強君) 今回の額につきましては約八億強ということでございます。
  127. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今、二兆幾らと言ったけれども、去年の日経の八月二十五日号では、郵貯累積利益、三兆円突破と郵政省が発表したというのがあるんですね、後できちんと数字をやってほしいんだけれども。やっぱり超低金利郵便貯金ももうかっているんですよ。三兆円を超えているんですよ、累積利益。  今のお話では七年度末で二兆幾ら、それで今度の額、八億円でしょう。ちょっと少な過ぎると思うんだな。今度の額については要介護者優遇は十分とは言えないという意見があるわけです。それで、都市銀行は年金生活者、年金受給者向けの優遇預金一%上乗せを次々やっているんです。先ほど大臣も言われた福祉定期預金、これ四・一五%でしょう。だから、一年物定期預金で〇・四%に〇・二%上乗せして〇・六%。先ほども月に千円、足りないじゃないかと言われたけれども、しかし都市銀行も一%上乗せしているんだから。それで、八億円でこれやっているんでしょう。そうしたら、一%上乗せして〇・四%を一・四%にしただけでも、恐らく三、四十億円でできますよ、三兆円の累積利益があるんだから。  余り財界や都市銀行に心配しないで、きちんとみんなが喜ぶようなそういう方向を思い切ってやっぱりやるべきだと思うんだ。これ、大臣、どうですか。
  128. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) 先生のおっしゃる気持ちは私もわからないではないんでございます。ただ、郵貯そのものが果たしている国民生活の中での役割、また日本の経済の中での役割を考えてまいりますと、民間のいわば銀行でございますね、銀行と張り合って、そして郵貯が自分のペースを崩すというのはいかがなものかというふうにも私考える次第でございます。
  129. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 これはやっぱり思い切って検討して、みんなが喜ぶようなものをぜひやっていただきたいと思うんです。  今度は簡易保険の問題ですけれども、まずちょっとお伺いしたい。  超低金利の長期化で簡易保険についても運用利益がかなり低迷しているわけですね。先ほども厳しいというお話があった。そこで、郵政省は何をやっているかというと、貯蓄型商品から保障型にシフトをしている。運用難のツケを契約者に、だから保険料を上げるわ、貯蓄型じゃなくて掛け捨ての保障型に切りかえようとしている。  一月末、郵政省全国郵便局などに通知を出し、掛け捨ての終身保険など保障型商品の販売に力を入れるよう求めた、こういうことになっているんです。  これは、先ほど言った財界からのいろんな攻撃に対して、やっぱり受け身の対応で、貯蓄型じゃなくてこういう保障型、掛け捨てにいきますというようなことになってはいかぬと思うんです。やはりこの簡易保険というのは、保険法にも明示されておりますように、単に市場型のやり方、市場原理だけにゆだねないで、国がやっているんですから、そういう点では国民が要望している貯蓄型機能、私はこれをやっぱり重視していくという方向を堅持していただきたいと思うんだけれども局長、いかがですか。
  130. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 御指摘のように、平成八年度の営業方針では保障型の商品を重視する指導をしておるわけでありますけれども、これは、これまで簡易保険といいますものが比較的保障額が小さいとか、あるいは無診査であるといった特徴から、どうしても貯蓄型商品が主力になっておって、全体の商品構成から非常に貯蓄型に偏っている、偏重しているといったことで、経済情勢が変わるときに健全な経営をしていく場合に、余りに特定な商品に偏ることはいかがなものかということで、適度なバランスを図るという意味でやっているわけでありまして、決して私どもの方で貯蓄型商品が主力であることを否定するような意味で指導しているものではございません。
  131. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今の答弁、しっかり受けとめたいと思うんです。それを弱めるのではなくて、ぜひ進めていただきたいと思います。  今度の新しい夫婦年金、これまでの夫婦年金というのは掛金もかなり高かったということもあります。それから、支払い方法も先ほどから説明があるような状況があったけれども、今度の新商品は、支給開始後、年金受給者の夫婦のいずれかが死亡したときに支払われるわけですね。そうすると、平均寿命が今女性が八十二歳、男性七十六歳、どうも我々男性の方が寿命が短いんですけれども、この差額をいうと、残された女性の方が六年、割に女性の方が若いケースが多いから三年足すと例えば九年とか、そういう感じなんです。そうすると、やっぱり六年から十年ぐらいの支給ということにほぼ平均でなりそうだと思うんです。  先ほども委員の質問に対して保証期間を設けるというお話があった。これは非常に積極的だと思うんです、法案にはそれ書いてなかったんだけれども。今までの現行の夫婦年金には、支給開始後十年から十五年以内に年金受給者が死亡した場合、保障する保証期間、これが定められていたんです。今度も、二十年、三十年掛けて掛金分も支給を受けないというような事態を防ぐためには、遺族がやっぱり保証期間受け取るという制度がぜひ必要と思うんだけれども局長、具体的にはどのぐらいの期間を考えておられますか。
  132. 天野定功

    政府委員(天野定功君) まだ、具体的にここで何年と申し上げるような形で検討が行われているわけでございません。今御指摘のように、現在の夫婦年金保険では、年齢によって若干違いますが、おおむね十五年の保証期間があるわけでありますけれども、私どもの方は、この新タイプの夫婦年金が、今の現行のよりも保険料を安くして、残された配偶者の収入減を助けるといったことも考慮しまして、この期間よりは短くなるのかなとは思っておりますが、現在、まだ何年というような形で想定している状況ではございません。
  133. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 できるだけ保証期間が長くなるように検討をお願いしたいと思います。  最後に、少し時間がなくなりかけましたので、ちょっと三点、郵便振替の預かり金の民間ボランティア支援法案についてお伺いします。  一点は、公募するということになっているんですね。公募をして答申を受けて公表する。その場合、官製団体優遇したり、特定の団体、例えば宗教団体などに利用されないようにきちんと運営してほしいということが第一点。これをどうお考えになるか。  第二点は、この法律配分金の使途の適正確保のために事項を定められるとか使途について監査を行うということが決められていますけれども、やっぱり民間ボランティア団体というのは自主的な組織なので、郵政大臣配分金の決定とか使途の監査などを通じて万一干渉に及ぶというようなことは非常にまずいことなので、厳に避けていただきたいんだけれども、そこらあたりをどう考えておられるか。  第三点、国際ボランティア貯金の場合には、どうも郵便局窓口でかなり強い勧誘が行われたなどということも聞くんですね。今回、ボランティア団体独自のカンパ活動を自主的に進めるという点で、余り押しつけだとか強制的なやり方が窓口で一切行われないようにすることも重要な課題になっていると思うんですが、以上三点についてお答えいただきたいと思います。
  134. 木村強

    政府委員木村強君) 先生御指摘のまず第一点でありますが、災害ボランティア口座による寄附金はどういう団体配分をするのか、宗教団体等特定の偏った配分の仕方は困るぞ、こういうような御趣旨だと思います。この口座によりまして集まった寄附金国民の皆様から預かった貴重な善意寄附金でありますので、本当に有効に公平に活用されなければならないという基本認識を持っております。  そこで、配分するボランティア団体といたしましては、政府組織から自立し、主体的な活動を行っているもの。二点目に、団体活動が自発的な役務の提供によって成り立っていること。それから三点目に、営利を目的としない民間団体であることといったようなことが法律で定められております。  これに加えまして、私どもといたしましては、日本国内に事務所を有する、あるいは代表者が定められ意思決定及び活動の責任の所在が明確であること。それから、過去の実績、過去にそのようなことがない場合には過去の実績ということにはいきませんが、スタッフその他から見て申請された事業の遂行能力があること。それから、暴力団等公序良俗に反する団体、政治団体、宗教団体を除く団体であること。これをある程度公のところの関与を踏まえてオーソライズするということで、社会福祉協議会等の登録団体であるとか、あるいはその推薦団体であること。  また、先ほど発動の要件に非常災害対策本部ができましたときに発足をさせるというようなことも申し上げましたが、こういう非常災害対策本部といったような他の公の機関の意見などもよく聞くといったようなことで、こういう形で団体について公正に行っていこう、配分する団体を公正に決めていこうという扱いにいたしております。こういうことをベースにして郵政大臣は郵政審議会にも諮問をするということでございます。  それから、この配分に当たりまして、寄附金配分するといったようなことに対しまして、自主性を損なったりすることはないかということであります。確かに、このお金は先ほど申し上げました善意の浄財でございますから、配分に当たりましては国民から疑念を抱かれることのないよう万全を期す必要があるということで、配分金の使途等についての監査を行う権限も郵政大臣に与えられております。  この監査権の行使に当たりましては、ボランティア団体提出をいたしました実施計画に基づきまして被災者救援事業実施状況であるとか経理状況について監査を行うということでありまして、ボランティア団体事業の中身に立ち入ったりあるいは活動を制約するということではないと。あくまで客観的に事業の結果として使われたお金というものが公正に、正しく使われておるかという観点で監査を行うということでございまして、ボランティア団体事業の自発性、自主性を損なうということのないように厳に注意をして運営をしてまいりたいと考えております。  それから最後に、これを発動いたしましたときに、国民の皆様から預けられるこのお金について、郵便局で目標みたいなものをつくるんではないかということでありますけれども、この趣旨はあくまで大災害が発生したときに個人として郵便局を通じて、郵政大臣を通じてボランティア団体にお渡しをしようということでございますので、自然体、こういうことを役所の機関がお預かりをしてそういう橋渡しといったような仕事はさせていただきますけれども、もともとがボランティアということで善意のお気持ちで発生をしたお金ということでありますから、これを役所が勧誘なり営業的に無理に預けてくれといったような行為ということ、あるいはそれを踏まえた目標といったようなことを設定して行うということのないようにしたいと考えております。
  135. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 終わります。
  136. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 きょう私が質問を予定したというか、きのう質問告知しました九割方がもう既に質問で出ちゃいまして、一問だけ残っておりますので質問したいと思います。  大臣もおっしゃったように、存在そのものが文化だ、それが郵便局全国に二万四千ある。そのうち四分の三ですか、七五%が特定郵便局であります。一万八千五百四十七局と数字を調べて知っているんです。  きょうの法案三案は私ももろ手を挙げて賛成する法案であるわけでありますけれども、どんなすばらしい法律がつくられようが、改正されようが、その執行や運用が正しくされなければ国民の理解が得られないことはもとよりであります。  その意味において、その組織面である郵便局の運用実態がどうなっているかという意味合いから、国民の素朴な疑問点というものから、特定郵便局についてお尋ねをするわけです。  現在、日本全国にあるすべての郵便局の数、そしてその中で占める特定郵便局、これは何局ありまして、それが適正な数なのか、不足しているのか多いのか、そこら辺のところを最初にお伺いをしたいと思います。もし過去の統計があれば、現在は郵便局の数がこれだけで、特定郵便局がこれだけ、過去の増減、変動、局数がわかれば教えていただきたいと思います。
  137. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 特定局の数でございますが、平成七年十二月現在で一万八千六百三十七局ございます。普通局が千三百十九局、簡易局が四千六百十八ということでございます。  過去の局数の経緯でございますが、それはちょっと調べまして後ほどお答え申し上げたいと思います。
  138. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 去年とことしと比べると特定郵便局数がふえていることは間違いないんですか。
  139. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) ふえております。
  140. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 一般局は減っているんですね。そういう理解でよろしゅうございますか、一般郵便局は。
  141. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 特定局はふえております。普通局は数としては減ってはいないというふうに思います。
  142. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 きょう私が一番聞きたいのは、俗に特定郵便局局長というのは世襲制で行われているんじゃないかということの素朴な国民の疑問に対してきょうは明らかにしていただきたいから質問をするわけであります。  おととしと比べると、去年は七十局ばかり特定郵便局がふえているということでありますが、この特定郵便局局長の採用基準についてお尋ねをするわけです。  私がちょっと調べましたら、特定郵便局長任用規程というのが昭和二十年の五月につくられて、その後少しの改正はあるんですが、わずか二行掲げられている。「特定郵便局長ハ左ノ各号ニ該当スル者ヨリ之ヲ任用ス」。特定郵便局長の資格要件は、年齢二十五歳以上の者、相当の学識ある者、この二つだけが要件になっているわけであります。二十五歳以上で相当な学識があればなれるということなんですが、例えば一般の人が特定郵便局長になろうと思えば、どういう手続でどういう形でなれるのか。そこら辺のところ、よくわかりませんので御明示をいただきたいんです。
  143. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 特定郵便局長の任用でございますけれども、国家公務員法第三十六条の規定等に基づきまして競争試験以外の能力を実証する試験、いわゆる選考採用という形により行っているところでございます。  任用基準といたしまして、先ほどお示しがございましたような任用基準でやっておるわけでございますけれども郵政省が定めているものをもう一度申させていただきますと、年齢が満二十五歳以上の者ということでございます。ただし、御承知のように、特定局には集配特定局と無集配特定局というのがございますけれども、集配特定局につきましては三十歳以上ということでございます。  それから、「相当ノ学識才幹アル者」ということでございますが、この「相当ノ学識才幹」の意味といたしましては、局長としての事業管理能力を有するということが一つございます。それから、局長たるにふさわしい地元住民の信望を担い得ることという点がございます。この二つの要件を「学識才幹」という意味であらわしているわけでございます。  具体的に、郵政省が採用を行います場合には教養試験というものを行います。それから作文試験を行います。それから人物試験を行うというふうな形で能力を実証する試験を実施いたしまして、総合的に評定した上で任用しているということでございます。したがいまして、現在の特定郵便局長の任用制度は公正かつ適正に行われているというふうに考えている次第でございます。  以上でございます。
  144. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 適正、有効に局長が選ばれているというお話ですが、一般に国家公務員というのは競争試験に勝ってなっていくわけなんです。今のお話だと、一応試験科目はあるけれども、競争試験ではなくして単なる選考という形でされているわけですか。そして、選考されるためには、僕のちょっと知識が不完全かもしれませんけれども局長の推薦あるいは局長会の推薦がなければその選考試験の資格要件すらない、今おっしゃったような試験も受けられない、このように伺っていますが、いかがでしょうか。
  145. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 御承知のように、国家公務員法におきましては、採用試験の対象官職とそれ以外の官職というふうなものがございまして、競争試験によるものと、その他能力の実証に基づく試験という二つの種類が法律の上で定められているということでございます。  特定郵便局長につきましては、法律に基づきまして能力実証試験というものを行う、いわゆる選考採用というものを行っているわけでございます。それから、特定局長会の推薦というふうなお話ございましたが、そういうことはございません。
  146. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 一般局長になるための選考試験とか、試験があるんだそうですが、そういうものを一般の人たちが余り認識していないという現状にあるんですね。それは、局長の一族、内輪同士で局長を推薦し、つくっていくという暗黙の中の家族制度的な形で特定郵便局局長が選ばれているという実情があるのではなかろうか、国民一般ではそういうふうに見られているわけですが、いわゆる局長の世襲制という問題、これに対してどうお考えなのか。  ちょっと質問が抽象的過ぎますけれども、例えば局長が亡くなった後、次の局長が選ばれる場合に親族なり子弟なりがなっていく数といいますか、全然無関係な人が局長になるのと一族がなっていく場合の何か統計などがありましたらお示しをしていただきたい。
  147. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 先ほども申し上げましたように、特定郵便局長の任用は国家公務員法という法律に基づきまして郵政省が教養試験、作文試験、人物試験等の能力を実証する試験を実施して、総合的に評定した上で任用しているということでございます。  任用するに当たりましては、特定局というのは非常に地域に密着した存在でございまして、その地域の特定郵便局長としてふさわしい責任感と活動力を有する適任者を任用するということでございまして、部内外を問わず、その地域における郵政事業の信望を担い得る人物を選考しているということでございます。したがいまして、先ほど御指摘のございましたような世襲制というふうなことは制度上存在しないということでございます。  また、統計でございますが、そういう統計はございません。
  148. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 統計があるかなと思って私も調べたんですが、ないんです。今後、そういうことを調べられるという予定はございませんか。
  149. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 制度仕組みとしてそういうものを前提にしていないわけでございまして、私どもとしてはそういう統計をとるつもりはございません。
  150. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 現在、非常に不況で、いろんな方たちに職種の門戸は開かれるべきだと思うんです。局長になりたいという希望者がどういう形でなれるかということのもっと一般的な、公開をして、門戸を多く開かれた形で、特定郵便局局長にすばらしい立派な人が多く選ばれることを期待いたします。  次に、同じ質問なんですが、同じというより特定郵便局に関する質問でございますが、公的な機関、国家機関、公共設備が個人から借りて営まれているというのは恐らく特定郵便局ぐらいだろうと思うんです。特定郵便局舎の所有形態、これについてお尋ねをするんですが、郵政省あるいは国家が所有している特定郵便局の数といいますか、あるいは借り入れてなされている数といいますか、その数字がわかれば示していただきたい。
  151. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 特定郵便局舎の所有形態でございますが、特定郵便局舎の国有と借り入れの別ですけれども、国有局舎が約千四百局で全体の約八%でございます。借入局が一万七千二百局、合計一万八千六百局ということになっております。
  152. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 局舎の所有は、今九二%は個人から借り入れている、こういう理解でよろしいんですか。
  153. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) そのとおりでございます。
  154. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 その中で第三者というか、特定郵便局長個人の資産、土地、建物を借り入れている数はいかほどでしょうか。
  155. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 第三者の所有という郵便局もございますが、特定郵便局長自身が所有しているという局の数でございますか。
  156. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 そうです。
  157. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 特定郵便局舎の局長所有の郵便局の数は一万一千九百局、全体の六九%でございます。
  158. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 特定郵便局局長の持っている土地、建物を国が借りて郵便局業務を行う、そういう形態は、ほかに例えば交番とか駐在所、郵政省の方に聞いてもわからぬけれども、国家がそういう個人から借り入れて公共のことを行うという施設はほかに何かあるんですかね。恐らく僕はこの郵便局だけだろうと思うんです。そういう国の事業を個人の局長の土地、建物を借りて営むという形態は恐らく特定郵便局の形態だけだろうと思うんですね。地方、田舎に行って駐在所あたりがあるいは個人から借り入れている交番があるかもしれませんけれどもね。  だから非常に特異な形態、国営としての郵便業務が個人の局長と、癒着というと表現は悪いけれども、借りてそういう業務を行う上において、国民が最も知りたいことは、土地とか建物を借りる賃貸借契約というものがどのようになされているのか、その賃料などは適正に払われているのかどうか、その点を知りたいと思うんです。  したがって、今言う個人の局長さんから直接借り入れをしている国との賃貸借契約における契約内容といいますか、期間とか賃料の定め方について、賃料算定の基準などがありましたらお示しをしていただきたい。
  159. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 借入特定局の賃料の基本的な構造は、建物を国が借り入れる家賃と、それから土地を借り入れる地代と二つの概念でできております。  建物の家賃につきましては、いわゆる建築工事費、最初に建物を建築したときの建築工事費をもとにしてある一定の乗率を掛けて算出しております。一方、土地の方ですが、地代の方ですが、土地固定資産税評価額をもとにいたしまして、それに一定の乗率を掛けて算出しております。その二つの概念を足したものが特定郵便局舎の借り入れの算出基準だというふうに申し上げればいいかと思います。
  160. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 賃料算出の根拠は今示されてわかるけれども、契約書を取り交わされて、期間どもどの程度かという具体的な内容の国と個人の局長との間の建物の賃貸借契約書、当然交わされていると思うんですが、そこら辺の期間などを聞きたいと思うんです。  時間がないのであわせて聞きますが、今示されました賃料算定の基準、一つの局舎を借りれば土地を借りて建物を借りるわけですから、地代と建物の二つの賃料計算の算出はされるべきですけれども、通常借りる場合は建物だけの賃料を決めるんですよね。今の郵政省が局舎を借りる場合は土地と建物二つに分けて、土地の賃貸借契約と建物の賃貸借契約、二つ交わされているんですか。
  161. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 二つ交わしているわけではありません。概念として今御説明したわけでございまして、借料については一本ということでございます。
  162. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 そうすると、一本だけなのに、地代と建物の評価を別々にして、地代はこれだけ、建物の借り料はこれだけ、それを合わせて一本にした契約をしているんですか。  その点は、時間が来ましたのであれなんですが、いわゆるバブルの崩壊によって土地、建物の固定資産評価が、相当実勢の価値も変わってきているんですが、そういうときの賃料の見直しなどということはなされているかどうか。最近、かつてこの程度の賃料だったのが、こういう形でこういう見直しをしたという例がございましたら示していただきたいんです。
  163. 野々村俊夫

    説明員野々村俊夫君) 借入特定局の借料につきましては、従来から固定資産税の評価がえがあるごとに見直してまいりました。そういう意味で、適正な借料とするように今まで配意してきておりますが、最近では、平成七年度において、最近の地価の下落状況等を勘案して借料の見直しを行っております。
  164. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 その見直しをどういう形でされたのか、具体的にお示しをしていただけるとやっぱり国民は納得すると思うんです。この特定郵便局、私もまだ勉強不足であれなんですが、いろいろと調べるといろいろお聞きしたいことがいっぱい出てきまして、また改めて質問をしたいと思っております。  とにかく、今言いましたように、国家の事業が個人から借り入れた施設の中で行われているという現実、これは他に例を見ない形態である。そういうことを御認識なさりまして、ガラス張りの形で、特定郵便局一般の人たちによくわかるような内容をお示しされることを希望いたしまして、私の質問を終わります。
  165. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) 郵便局数の件だけお答えさせていただきたいと思いますが、特定局につきましては、平成元年は一万八千百八十一だったわけですが、それが徐々にふえまして、平成五年では一万八千四百七十五、六年度末では一万八千五百七十五、それから平成七年十二月、先ほど申し上げました一万八千六百三十七というふうにどんどんふえてきております。  普通局につきましては、平成元年は千二百九十局でございましたが、平成五年には千三百二十八というふうに若干ふえてまいりまして、その後は横ばい状況ということでございます。
  166. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 今の答えを聞くと、一つだけ聞きたいんですけれども、いいですか。
  167. 及川一夫

    委員長及川一夫君) はい。
  168. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 そうすると、ふえているというのは、やっぱり郵便局は現状において不定しているということなんでしょうか。しかも、一般局よりも特定郵便局の数がふえていく統計があるということは、その必要性がさらにあって、今後もますます特定郵便局はふやし続けていかなければならない現状にある、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  169. 金澤薫

    説明員(金澤薫君) ふえておりますのは、主として都市部における過密状況にある地域を中心にしてふえておりまして、人口がどんどん減っている地域におきましては置局調整ということで減る場合もございます。人口がふえれば特定局を置いておくということでございまして、そういう全体の大きな流れの中でふえてきているということでございます。
  170. 山田俊昭

    ○山田俊昭君 終わります。
  171. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 委員長としての希望ですが、山田委員の御質問は、私の記憶する限り初めて触れられたような気がいたします。  それで、やりとりを聞いていると必ずしも定かになった状況じゃないと思うので、別に先生だけじゃなしに、委員だけじゃなしに、できれば我々にも公式、非公式問わず教えてほしいなというふうに、(「昔の社会党がやりおったよ」と呼ぶ者あり)いや、私は遅まきながら出てきていますから、それはそれであれですが、やっぱりそういった大事な問題だと思いますので、ひとつ当局の方も我々に協力してください。そういった点で説明していくようにお願いいたします。
  172. 水野誠一

    ○水野誠一君 私は郵便貯金に関して伺いたいと思います。  郵便貯金については、平成五年の第三次行革審の答申の中で「簡易で確実な少額貯蓄手段の提供という本来の目的に沿って、民間金融市場との整合性を図る。また、個人貯蓄分野における資金シフトを回避し、民間金融機関とのトータル・バランスを図る」というふうに述べられているわけです。  ところが、平成八年の三月二十五日の朝日新聞の報道がありまして、ここでは郵便局貯金集めを目的に配布したパンフレットのことが出ています。ここで書かれておりますのは、「「金融機関が倒産したら預金は一千万円までしか保証されない」など、民間金融機関預金者の不安感をあおるような表現があった」ということで、農林中金とかあるいは農協から総務庁行政監察局に苦情を申し立てたという記事が出ているわけであります。  これによりますと、群馬県の前橋市の前橋中央郵便局が昨年夏に配布したとされるパンフレットのことでありますが、その中では、新聞報道などによると金融機関の安全性が重視されているということから、住専の破綻をきっかけに、住専に多額の貸し出しをしている農協の経営が厳しい状況に追い込まれているだけに云々ということから、実際には一千万円までしか保証されないと書かれた雑誌記事のコピーなども添付して、結論としては「大切なお金は郵便局へ」とアピールしているというような報道がされているわけであります。  これについては今総務庁の行政監察局でも調査中ということなんでありますが、この報道に対して郵政省としてはどういうふうにごらんになっているか、事実関係も含めてお答えをいただきたいと思います。
  173. 木村強

    政府委員木村強君) 御指摘の朝日新聞の三月二十五日付の記事であります。前橋中央郵便局が昨年の夏ごろ民間金融機関預金者の不安感をあおるようなパンフレットを配布したということで、行政監察局に農協等が申し立てをしたという趣旨のお話であります。  このような記事が出ましたものですから、私どもも、営業の考え方につきましては先ほども伊藤先生の御質問でお答えいたしましたように、国営郵貯として節度と品位を持って対応するということで、昨年着任いたしまして以降、強力な指導をしてまいった経過がありますので、私もこの記事を見ましてびっくりいたしました。それで、早速、前橋中央郵便局ということで名前も具体的に出ておりましたので、この局に関東郵政局を通じて調査を行いました。その結果、外務職員、具体的に自分の名前を書いて配ったということでございますから、書いた本人もはっきりと自覚症状が当然ございまして、その内容について若干申し上げます。  一人の外務職員、前橋中央郵便局貯金の外務職員でありますけれども、昨年八月ごろまで商品PRのため自己の受け持ちエリアでチラシを配布していたという事実は確かにございました。  それから、彼の使いましたチラシの内容でありますけれども、定額・定期貯金PRの手づくりチラシということで、自己の氏名入りのもので、あいさつ状みたいなものが書いてあると。中に素材として使いましたのが、経済誌「日経マネー」平成七年四月号、あるいは「マネージャパン」の四月号であるとか、そういったもののコピーを使いまして、「御存じですか」というのを手書きで書き添えたものだというようなことであります。  この経済誌のコピーということでありますけれども、中身は満期金の預けかえ先の客観的なそういうデータであるとか、あるいは預金保険機構の仕組みであるとか、むしろ一千万までは保証されるといったような仕組みが書かれてあるものであるとかというようなことでございまして、客観的に出回っているそういった経済誌をコピーにして、「御存じですか」といったようなことを書き添えたものであるということで、これ自体を見ましたところ、民間金融機関への不信感をいたずらにあおって、郵貯は大丈夫だから入れなさいといったようなものではないというふうに私どもは判断をいたしております。  しかし、たとえ客観的に市中に出回っております雑誌等の記事でありましても、その中身が本当に客観的なものかどうか、何かに誘導するような形で記事が書かれておってはやはり問題でございますので、今後、そういった客観的に出回っております雑誌のコピーにしても、最近のように特に民間に金融不安があって、お客様に私ども国営郵貯だというようなことでいろいろと宣伝をして回りますと、どうしても動揺が生じて、全体の金融の仕組みのバランスが崩れてもということもございます。従来にも増して私どもの話法とか宣伝、広告の手法につきましては事あるごとに指導してまいってきておるわけでありますので、そういうことも含めて九月以降一切やめろという指示も出しております。その結果、九月以降、彼自身にも浸透いたしまして、そういった指導は一切していないということでございます。  それ以外にも全国的な何か一部のあれがあったようでありますので照会をしておりますけれども、個別具体的にそのようなことは各管内から上がってきていないということで、今後ともこういった事例を管内に周知をしながら適切に対応したい。  ただ、行政監察の方にも照会をしましたところ、この中身は今すぐどうだという中身ではないということで、本当にこの新聞記事のように全く信用不安をあおった郵貯の外務職員の営業活動であるということを行政の方としても断定できないようなお話を今内部的に聞いております。最終結論はまだ行政監察としても出されていないようでありますけれども、そういう状況でございます。
  174. 水野誠一

    ○水野誠一君 今の御説明で適切な指導はされているということで安心をいたしましたが、ともかくこういう時期が時期だけに、民間金融機関とのいたずらな摩擦はできるだけ避けて、調和を図っていただきたいというふうに思います。  次に、要介護者に対する定期郵便貯金金利優遇等措置について伺いたいと思います。  郵政省が平成六年に実施しました郵便貯金に関するアンケート調査によりますと、郵便貯金で利用されている商品・サービスについては、通常貯金が七六・一%、それから定額貯金が六三・二%、この二種類が圧倒的に利用率が高い商品になっています。一方、定期貯金の利用率というのは九・一%と低いことがわかるわけであります。  ところが、今回の法案では、要介護者を抱えた家計の経済的負担軽減するために定期郵便貯金金利優遇を行うとされているわけでありますが、郵便貯金のいろいろな商品の中で利用率の高い、同じ定期貯金である定額郵便貯金をなぜ対象にしなかったのか、なぜ定期貯金を選ばれたのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  175. 木村強

    政府委員木村強君) 昨年の八月末に財政当局に概算要求をいたします内容としまして、要介護者に対する金利優遇等実施というものを大蔵省に具体的に要求いたしました。その内容は、郵便貯金のすべての商品にわたって要介護者である方が貯金をされた場合には金利優遇をすべきであるという要求でございました。その後、大蔵当局と個別に折衝してまいりました結果として、最終的に政府部内で合意を得たのが、あらゆるすべての定期郵便貯金に対する優遇措置ということに決まったわけであります。  定期貯金という意味では一つの種類に限られたわけでありますが、最終的には関係当局との調整の結果である、政府部内での調整の結果であるということで、私どもの当初の要求とは異なったものである。しかし、この交渉過程の中で、定額貯金は確かに郵貯の主力商品で、現在八八%を占めております。利子からいいますと、この定額貯金というのは六カ月たてばいつでも払い戻せるという非常に流動性を兼ね備えた商品でありまして、これまで郵貯の主力商品でございましたが、最近では、この定額貯金金利も自由化以降民間定期性の預金金利よりも低い金利にしようということで、定期貯金と定額貯金を比べますと、同じ預け入れ期間であればむしろ定期貯金の方が強いというのが事実関係でございます。  そういう意味では、要介護者に対する金利というのは、非常に些少ではありますけれども、どちらかというと定期性の貯金の方が金利も高い。それに対する優遇措置の方が、些少ではあるけれどもメリットがあろう。しかも、一年、二年と限った形で短期に回転もできるということで、最高四年まででありますけれども、短期の六カ月であるとか一カ月から始まったそういう定期貯金の種類も非常に豊富でございますので、流動性という意味では四年以内であれば定額貯金ともそう変わらない、しかし利子定期貯金の方が高い、それに対する優遇をすればもっとよりいいだろうという判断で、最終的には大蔵当局との交渉の結果として定期貯金ということで実現を見たということでございます。
  176. 水野誠一

    ○水野誠一君 今の説明で大体わかったんですが、ともかく利用者の利便性あるいは人気性ということも考えて、将来は定額貯金にも金利優遇サービスを拡大していくということもぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。  次に、簡易保険の運用状況について伺いたいと思います。  郵政省が発表しました郵政三事業の六年度決算概要、これを拝見します、郵政事業の経営環境が好転した反面、簡易保険事業は二年連続で余剰金が減少するなど一層の経営悪化が進んでいるようであります。例えば、余剰金は平成六年度は六千五百九十億円で、これは前年度を千八百四十四億円下回った数字でありますし、平成三年度から比べると約五千億円近くも減少している、こういう状況になっています。  この背景には、景気回復のおくれによる影響や保険料収入の伸び悩み、特に運用利回りが悪化しているということが原因していることは明らかなわけであります。例えば、簡保資金の運用利回りは六年度は四・六七%、それから同じく郵政大臣が管理運用されております郵貯の自主運用分の利回りは五・二五%、つまり簡保資金の自主運用は郵貯の自主運用に比べてかなり運用利回りが下回っているということであります。  低金利状況の中で、現在、どういう方針で運用を行っていくおつもりなのか、また今後どのような方針で行っていくというふうにお考えになっているのか、この点について伺いたいと思います。
  177. 天野定功

    政府委員(天野定功君) ただいま先生御指摘のように、資金運用を取り巻く環境は、景気の長期低迷により、未曾有の低金利の長期化の影響を受けて大変厳しいものとなっておりまして、過去の高金利時のような高い運用利回りを得ることは難しい状況になっております。  簡保資金の運用に当たりましては、基本的には、資金の性格が将来の保険金等の支払いに備えた準備財産であるということから、長期的な見地に立って運用をしているところでございます。特に、現在、厳しい運用環境のもとでは、確定利回りのものを中心に運用する中で、少しでも金利の高い債券を購入するなど、現行の運用対象の中でできる限り有利な運用に努めているところであります。  今後も、当面厳しい運用環境が続くと思われますけれども、リスク管理にも十分配意しつつ、健全な事業経営を確保するために確実に有利な運用に努めてまいりたいと考えております。
  178. 水野誠一

    ○水野誠一君 次に、簡保事業団による単独運用指定金銭信託、これについて伺いたいと思うんですが、このいわゆる指定単運用の悪化が問題になっているというふうに伺っておりますが、事業団の運用状況というのはどんなぐあいなのか、また累積赤字というのはどの程度今現在あるのか、お示しいただければと思います。
  179. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 平成六年度の簡保事業団の資金運用事業、これは簡易保険にかかわる資金運用事業でございますが、これの経常収益は二千五百四十七億円、経常費用は四千百二十三億円でありまして、差し引き経常損失千五百七十五億円を計上しました。これにより繰り越しの欠損金は二千六十一億円になっております。これは指定単の収益が実績配当であるため、当年度の金融環境に影響されるわけでありますけれども、近年は低金利や株式市況の低迷によりまして運用収益は伸び悩む一方、調達コストは高金利のものが大きなウエートを占めているために収支の逆ざやが発生していることによるものであります。  このため、平成六年度に指定単の制度改善を行いまして、従来の貸付制度から、運用に見合ったコストを勘案した低利な運用寄託制度を導入したところであります。これにより調達コストは今後逓減し、漸次収支の改善が図られる見込みと考えております。
  180. 水野誠一

    ○水野誠一君 今御説明のあった指定単の運用利回りというのは公開されてないというふうに聞いておりますが、なぜこれが公開されないのか。また、簡保事業団の運用実績を評価する上からも、私は今後公開すべきだというふうに考えるんですが、この点について郵政省のお考えを伺いたいと思います。
  181. 天野定功

    政府委員(天野定功君) ただいま御指摘の指定単運用は、簡保資金の全体の運用の一部にすぎないということで、その一部である指定単の運用利回りのみを取り上げて公表することは、簡保資金全体の運用状況について誤解を招くおそれがあるのではないかということでこれまで公表してきておりません。こういうことでありますけれども、ただいま御指摘がありますように、今後、簡保事業の現況を加入者に御理解をいただくという観点等から、公表につきましては検討してまいりたいと考えております。
  182. 水野誠一

    ○水野誠一君 情報公開という観点からもぜひこの辺は御検討いただきたいというふうに思います。  それから次に、平成六年度はかなりの円高であって、外債の運用における評価損が九千億円を超えている、たしか九千四十二億円となっているというふうに聞いております。昨年来、円安に進んできている現状でありますが、現在の評価損というのはどの程度になっているのか、これを例えればと思います。
  183. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 六年度は、先生今御指摘のように、外債の評価損は九千四十二億円であったわけであります。七年度末の評価損についてお尋ねでございますが、現在、まだ決算前でありますので正確な数字を申し上げることはできませんけれども、円安が進行しておりますので二千億円台まで減少していると推計いたしております。
  184. 水野誠一

    ○水野誠一君 今のお答えが本当だとすればかなりの改善だというふうに思います。  その次に、簡保資金は長期貸し付けや地方債の購入によって地方公共団体の行う各種公共施設の建設資金に充当されているというふうに理解をしているわけであります。つまり、自治体のいわゆる箱物建設に一役買っていると言っていいわけであります。  では、具体的に今どのような方針により資金配分を行っているのか、またどの分野に重点的に配分をしているのか、この点について伺いたいと思います。
  185. 天野定功

    政府委員(天野定功君) 簡保資金の運用に当たりましては積極的な地方還元に配意しているところでございまして、平成七年度末現在、簡保資金の地方公共団体融資残高は約十三兆四千億円、全体の資金総額の一四・六%を占めております。このほかに、市場運用として約五兆円の地方債を購入しているところでございます。  次に、地方公共団体融資の事業配分につきましては、住民の生活に身近な分野に重点を置いて配分することにしておりまして、平成八年度の地方公共団体融資計画には四つの重点分野がございます。具体的に申しますと、下水道事業約五千五百億円、義務教育施設整備事業約二千二百億円、公営住宅建設事業約千五百億円、公園緑地事業約一千百億円の融資を予定いたしております。
  186. 水野誠一

    ○水野誠一君 今の数字はわかるんですが、どの分野に重点配分していこうというような方針、これについてもう少し伺いたいと思います。
  187. 天野定功

    政府委員(天野定功君) ただいま申しましたことの繰り返しになるんでございますが、住民の生活に身近な分野に重点を置くということで、具体的には下水道事業、義務教育施設整備事業、公営住宅建設事業、公園緑地事業を重点四分野というふうに考えております。
  188. 水野誠一

    ○水野誠一君 ということは、大体ここ何年間というのは基本的にその重点配分というのは変わらないと理解をしていいわけですか。
  189. 天野定功

    政府委員(天野定功君) ずっと将来のことはわかりませんけれども、ここ当分はそういうふうな理解でおります。
  190. 水野誠一

    ○水野誠一君 ありがとうございました。
  191. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより三案について順次採決に入ります。  まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  193. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  広中さんから発言を求められておりますので、これを許します。広中さん。
  194. 広中和歌子

    広中和歌子君 私は、ただいま可決されました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、日本共産党、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     郵便貯金法の一部を改正する法律案に対     する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、郵便貯金事業  が国営・非営利の個人のための貯蓄機関である  ことを踏まえ、次の各項の実施に努めるべきで  ある。  一、本事業実施に当たっては、政府全体の福   祉政策との関係にも配慮しつつ、これら諸施   策と十分調和をとって行うこと。  一、要介護者としての要件を定めるに当たって   は、不公平が生じないよう十分配慮するこ   と。  一、定期郵便貯金利率特例を定める際に   は、要介護者が利益を十分実感できる内容と   なるよう努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  195. 及川一夫

    委員長及川一夫君) ただいま広中さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  196. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 全会一致と認めます。よって、広中さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、日野郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。日野郵政大臣
  197. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。
  198. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 次に、郵便振替預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  199. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  広中さんから発言を求められておりますので、これを許します。広中さん。
  200. 広中和歌子

    広中和歌子君 私は、ただいま可決されました郵便振替預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案に対し、自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、日本共産党、二院クラブ及び新党さきがけの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     郵便振替預り金民間災害救援事業に     対する寄附委託に関する法律案に対す     る附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たり、郵便貯金事業が国営・非営利の個人のための貯蓄機関であることを踏まえ、次の各項の実施に努めるべきである。  一、本制度実施に当たっては、政府全体の災  害対策ボランティア活動支援策等との関   係に配意するとともに、これら諸施策と十分   調和をとって行うこと。  一、寄附金郵便振替加入者善意の浄財で   あることにかんがみ、寄附金配分に当たっ   ては、郵便振替加入者の意向が十分反映さ   れるよう、本制度の適正な運用に努めるこ   と。  一、国民ボランティア活動の活性化に資する   ため、ボランティア活動支援に対する国民の   理解、本制度の成熟度等を総合的に勘案しつ   つ、今後、災害発生後直ちにボランティア活   動への支援ができるような寄附の常時募集等   制度の拡充に努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  201. 及川一夫

    委員長及川一夫君) ただいま広中さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  202. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 全会一致と認めます。よって、広中さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、日野郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。日野郵政大臣
  203. 日野市朗

    国務大臣日野市朗君) ただいま郵便振替預り金民間災害救援事業に対する寄附委託に関する法律案を御可決いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがどうございました。
  204. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  205. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  206. 及川一夫

    委員長及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時五分散会      —————・—————