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1996-06-13 第136回国会 参議院 地方行政委員会暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年六月十三日(木曜日)    午後一時開会     —————————————   出席者は左のとおり。     小委員長        鎌田 要人君     小委員                 溝手 顕正君                 続  訓弘君                 渡辺 四郎君                 有働 正治君                 西川  潔君                 田村 公平君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤  勝君    参考人        社団法人日本遊        技関連事業協会        会長       庄司 正英君        日本レジャー        カードシステム        株式会社取締役        副社長      日比野弘和君        株式会社長銀総        合研究所理事長  竹内  宏君     —————————————   本日の会議に付した案件暴力団員による不当な行為防止等に関する法  律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等  の件  (ぱちんこ営業に関する諸問題について)     —————————————
  2. 鎌田要人

    ○小委員長鎌田要人君) ただいまから地方行政委員会暴力団員不当行為防止法及び風俗営業等に関する小委員会を開会いたします。  暴力団員による不当な行為防止等に関する法律の運用及び風俗営業に関する制度及び運用等の件について調査を行います。  本日は、パチンコ営業に関する諸問題について御意見を聴取するため、参考人として、社団法人日本遊技関連事業協会会長庄司正英君、日本レジャーカードシステム株式会社取締役社長日比野弘和君、株式会社長銀総合研究所理事長竹内宏君に御出席をいただいております。  この際、参考人皆様に小委員会を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ当小委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  参考人皆様から忌憚のない御意見を伺いまして、今後の調査参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  最初庄司参考人、次に日比野参考人、次に竹内参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、小委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、意見の陳述、質疑、答弁とも発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず庄司参考人からお願いいたします。
  3. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 社団法人日本遊技関連事業協会会長庄司でございます。  本日、参議院地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会におきまして、私どもパチンコ業に携わる業界人としてお呼びいただき、参考人として表題のパチンコ営業に関する諸問題について意見を述べさせていただく機会をいただきましたことに、ありがたく御礼申し上げたいと存じます。  さて、私は、社団法人日遊協会長として、パチンコ問題に関する諸問題、許されました時間内で、できる限り業界現状を御理解いただけますようにお話させていただきたいと存じます。  前段に、私ども社団法人口遊協目的及び事業内容、続いて、警察庁の生活安全局長私的研究会生活安全研究会報告書パチンコ営業在り方について」を基本に、御指摘いただいた問題点に関する私ども意見を述べさせていただきたいと存じます。そして最後に、プリペイドカード問題に関しましての現状変造問題の認識、またそれに対する業界としての対応について意見を述べさせていただきたいと存じます。  さて、私ども社団法人日遊協は、平成元年七月、内閣総理大臣の許可を受け発足いたしました業界唯一公益法人でございます。ホール営業者、メーカー、販売商社景品卸売業、その他関連企業合わせて約八百社が参加する業界唯一横断的組織でございます。  その目的は、遊技関連事業の適正な運営を図り、国民的な娯楽産業としてパチンコ産業健全化推進し、また国民経済的にも有為なる産業として近代化とその地位向上を目指しております。  業界から脱税不正遊技機、一部業者でありますが暴力団の介在など、反社会的な行為を追放しなければならないのは言うまでもありません。私ども横断的組織の特徴を生かし、業界全体で力を合わせ、知恵と勇気を持って社会信頼され支持される業界をつくるため種々事業推進いたしております。  例えば不正遊技機問題に関しましては、流通ルートでの不正防止を図る販売業者登録制度の創設と運用、またそれに係る遊技機取扱主任者講習試験実施、厳正な登録資格審査委員会運営などでございます。また、教育研修事業といたしまして、ホール社員の定着とレベルアップのための教育、それらを目指す店長能力開発講座講習試験実施などでございます。そして、調査研究事業として、パチンコに関する世論調査を初め、景品問題、貯玉・再プレーの問題、年間四百万台を超すパチンコ機械の廃棄台問題の解決策を講じるための各種アンケート実施や集計または分析を独自に実施し、調査結果は業界健全化への道しるべとして高い評価を得ております。  また、最近、一部世論から御指摘がありますように、遊技機射幸性問題等に関しましても、遊技機在り方検討委員会を設け、社会流れを見ながら許される適度な射幸性に関して、また機械の性能やその規則のあり方についても各界の有識者の方々の御意見を伺い、研究し討議し、業界の正しいあり方を真摯に検討しております。近々その報告書も取りまとめ、発表いたす予定でございます。  こうした日遊協の多角的な活動は、国民に愛され親しまれる本当に身近な大衆娯楽パチンコとして、産業としての責任と役割を再認識して、開かれた産業構築を目指し着実に成果を上げつつあります。  さて、パチンコ営業に関する諸問題におきまして、平成六年十月、生活安全局長私的研究会生活安全研究会における「パチンコ営業在り方について」が公表されました。その中で、パチンコ営業問題点として以下の四点が指摘されております。  賞品買い取りの問題、暴力団関与の問題、遊技機の不正改造問題、脱税の問題、この四つが指摘され、そして特に景品問題の適正化一つ方策として、やむを得ない換金需要にこたえるためには、ある一定条件を付した上で第三者パチンコ客から買い取った賞品営業者が買い取ることを認め、この第三者については明確な者で、暴力団排除や収益の社会還元等ができるものという一つの現実的な方策が示されました。私ども協会は、この解決方策の実現に向け全力を傾けたいと考えております。  パチンコ業界産業として自立するための根源的な課題は、この景品問題にあると考えます。業界が健全なレジャー産業として発展していくためには、これまで御指摘いただいた諸問題への対応とその解決策を強力に実行する必要があります。  我々日遊協の多角的な活動はそのための活動でもございます。  パチンコ営業あり方で重要で主要な問題は、繰り返し申し述べますが、私どもは景品問題にあると考えております。そして、この景品問題の改革には、何よりも国民世論の理解と行政からの信頼が最重要と考えております。この課題に向けて本格的な論議がなされるためにも、レポートで御指摘いただいた諸問題を着実に解決し、社会行政からの業界不信を一掃し、景品問題適正化へのハードルを越える環境づくり日遊協全力を挙げて取り組んでおります。  国民に愛され親しまれる業界をつくるべく、業界近代化へ向けての推進力として、また羅針盤として役割を果たす所存でございます。どうか私どもの趣旨、目的を御理解いただきまして、事業に対する御助言、御指導を切にお願いする次第でございます。  そして、最後にプリペイドカード問題について述べさせていただきます。  パチンコ営業は不特定多数の客との現金取引がある等、売り上げの過少申告とか脱税ワースト業種として社会の批判が絶えず起きております。そういった現況にかんがみて、これら脱税問題の存在は我々パチンコ業社会的信用を損ね、パチンコ営業者が税制上の優遇や公的融資を受けられない大きな要因でもございます。  業界健全化社会的な信頼を得るためにも、脱税防止と経理の明朗化、またそれら現金管理効率化に有効な施策一つとして、私ども平成二年、プリペイドカードシステム導入とその推進健全化への一つの大きな施策として位置づけました。当初、二十店からスタートいたしましたが、種々の改良を加え、導入店営業努力その他等によりまして、平成五年にはカード専用機の登場によって顧客の利便性やまた人気機種営業店販促努力などが相乗して、四月三十日現在一万三千店、導入率七二%の普及を見るに至りました。しかしながら、その導入形態は一部導入が主体でございます。当初目的の全台導入、インのクリア、そういった考えが十分に達成したとは言いがたい状況でございます。  また、今日、社会をお騒がせしております変造カード問題を引き起こしたことはまことに遺憾でございます。その防止対応について、カード会社と連携協力し、変造防止全力で取り組んでおるところでございます。日遊協といたしましても、カード専門委員会中心にこの二年間カード二社に対しセキュリティー対策営業店における防止策に迅速に対応できるサービス体制を再三要望いたし続けておりました。  会員ホールからの情報や通報そして強力な警察の取り締まりによって、その被害額現状では激減しているやに聞いております。今後は、先般、日遊協カード二社に出しました要望書に沿って、被害額やその対策情報開示警戒体制のさらなる強化、またごく一部ではございますが、悪徳業者対策強化、特に一部とはいえカード変造に加担してカード不正使用を看過する業者に対しては、カード供給停止とともに当局の徹底した取り締まりを要望しているところでございます。  しかしながら、営業健全化のためにカードシステム導入した大多数の営業店の多大な努力と、コストを負担した業者がほとんどでございます。  一部の不心得業者のために大多数の営業者信用を傷つけられたことは極めて遺憾であります。今後は、中長期的な視点でカード会社に対しカードシステムセキュリティーの再構築を要望し、その展望を協議いたしたいと存じます。  カード問題は、そういった意味で業界健全化推進一つの大きな施策ではございますが、今後もそういった健全化流れをとめることなく、このシステムセキュリティーの再構築を目指して検討いたしておるところでございます。  まだ時間がありますが、以上でございます。ありがとうございました。
  4. 鎌田要人

    ○小委員長鎌田要人君) どうもありがとうございました。  次に、日比野参考人にお願いいたします。
  5. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) レジャーカードシステム日比野でございます。本日は、小委員会カード問題についていろいろ御説明する機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  最初に、カード会社設立後の状況と、それから今問題になっておりますカード変造問題の現状及び対策について簡単に御説明をさせていただきたいと存じます。  プリペイドカード会社は一九八八年に設立され、カードはどうあるべきかということを二年間ぐらいいろいろ研究させていただきまして、九〇年から営業を開始いたしました。私どもは東日本中心にして営業を進めており、これは日本レジャーカードシステムと申しますが、関西の方では日本ゲームカードという会社がありまして、一年後に設立をされ同じように営業を開始して今日に至っております。  五月末現在でございますけれども、七千六百六十五店が私どもカードシステム導入されております。全国レベルで申し上げますと、五月末現在一万三千二百五十七店舗、全体の店舗数から見ますと七三・二%にカードシステム導入いただきまして、このシステムによって営業が行われているというのが現状でございます。  さて、そういう中で、一昨年来、このカード変造問題というのが非常に大きく問題化いたしまして、一種社会問題化して現状に至ったことはまことに申しわけなく、私どもとしては本当に残念でございます。したがって、今その対策に万全を期しておるわけでございますけれども、その現状につきまして簡単に御説明させていただきます。  変造使用券というのは、これは最初平成三年ぐらいから非常にプリミティブな形でぼつぼつ使用され始めました。それに対してはその都度いろんな対策を打ってまいったわけでございますけれども、昨年の夏ごろから、集団でこの変造券使用するという案件が急増いたしてまいりました。  一つ店舗に百人、場合によっては二百人の人が押しかけて変造券を使うというような事態になりました。  我々としましては、そういうのを早急に防ぐということでいわゆる受付機、これは他店で発行された券は受付機を通さなければその店で使用できないというようなシステムでございますが、その店で買って使う場合には問題ありませんが、他の店で買って使用する場合は必ず受付機を通して使用するというようなシステムを加えまして、昨年の十二月からこれを設置いたしました。その間、実際には十月ぐらいからそれを設置しようという準備をしておりましたけれども業界皆さんとのいろんな打ち合わせその他で、実際には十二月の初めから設置を開始するというようなことにいたしました。  そのために、その設置前に不正カード使用しようといういわゆる駆け込み需要が急増いたしました。この変造券使用というのは昨年の十二月、ことしの一月、これの使用額損害額ピークの状態でございましたけれども受付機設置が進むに従いまして変造使用が急激に減少をいたしまして、三月ぐらいでは当時のピークに比べると半減をするというような状況でございました。  しかしながら、いろいろまた手口を考え、例えば他店舗で買った券が使えなければその店で発行した券をまたそのまま変造使用するというような案件も、特に首都圏中心にして広がってまいりました。  そういうようなこともございまして、私ども種々検討した結果、高額券使用を一時停止させていただこうということで、去る四月二十一日にまず一万円券の販売使用を一時停止させていただき、五月十九日に五千円券の販売使用を停止させていただきました。現在、千円、二千円、三千円券ということでホール皆さんにそのシステム運用させていただいております。  そういうことで、集団変造券を使うというようなことに対する関係当局取り締まり強化、それからホール皆さんのいろいろな御協力によりまして、当時に比べまして使用額がまさに激減をしております。ピーク時に比べて十分の一から二十分の一ということで、現在では騒動は鎮静化いたしております。私どもとしては、これを限りなくゼロに近づけるようにあらゆる技術的、システム的対応をいたしておりまして、その見通しをだんだんつけつつあるというのが現状でございます。  私ども加盟店全国に七千五百店散らばってございますけれども変造券使用されるエリアというのはほとんど首都圏中心使用されております。東京都で大体三五から四〇%、首都圏で見ますと大体五〇から六〇%、場合によっては七割ぐらいは東京都を中心とする神奈川、埼玉、その他の首都圏使用されているのが現状でございます。そのほか、愛知静岡北海道を入れますと、首都圏及び愛知静岡北海道で約九五%の変造券使用されたというのが実情でございます。  それから、この変造使用というのは七千五百店全般に使用されているというわけじゃなくて、私どもがある一定のデータで、例えば一週間に三、四十万円ぐらいが使われているということで切ってやりますと、大体五百店前後ということでございます。地域的にもそれから店舗的にも一部のところに非常に集中的に使われているというのが現状でございます。  そういうことで種々対策を打ちまして、現在では非常に激減し鎮静化の方向に向かっておりますけれども、私どもとしてはさらにこれを徹底してなくしていこうということで種々対策を立てております。カードにつきましては、単なる磁気に依存するカードじゃなく、これに他の複合的要素も加えて、不正使用防止強化を図るため新しいカードを市場に出すべく今生産準備をしておるところでございます。  あわせて、システム的には券売機カード読み取り装置、それからコンピューター関連に対して変造券識別能力を一層強化いたしましてそれに対する感知能力を高めるとともに、コンピューターシステムについても情報収集能力を高めて、変造券が使われた場合に直ちにその情報をキャッチして防止できるように、カード使用面システム面の両方から変造ができにくくなるようなあらゆる技術的努力をいたしております。  私どもとしては、この変造業界に与える極めて大きな影響を深く憂慮いたしまして、あらゆる角度から変造対策を行っているというのが現状でございます。  簡単ではございますけれども変造券使用現状と私ども対策について御説明をさせていただきました。
  6. 鎌田要人

    ○小委員長鎌田要人君) どうもありがとうございました。  次に、竹内参考人にお願い申し上げます。
  7. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 竹内でございます。  私は、パチンコについて幾つかの作品といいますか本があったり、あるいは土井たか子先生と御一緒にパチンコ文化賞をちょうだいしたりいたしまして、そんな関係でここで何か御報告申し上げることができる喜びを得たわけであります。  パチンコ産業全体の特色みたいなことを御報告申し上げて、現在の問題についても触れさせていただきたいと思います。  御案内のとおり、この産業売上高年間約三十兆と言われております。三十兆というのは、一億人で割ってみますとちょうど三十万円になるわけでございますから、かなり大きな支出といいますか、国民一人当たりの消費支出の中で十数%を占めるということであります。もっとも、この大部分が換金されますので、実際、胴元に戻る、胴元の粗収入になるのは四兆円ということでございますけれども、とにかく国全体を巻き込む大産業であることは確実でありますし、日本レジャー産業の中で最大でございますし、それから我々の最も重要なレジャーであることは確かでございます。  このようなレジャーパチンコ日本で非常に栄えました理由は幾つかございます。その第一番目は、何といっても我々都会に住んでいるサラリーマンなどにとりましては都市型のレジャーがないということでありますし、それから地域コミュニティーがございませんから、家に帰ってもいわばすることがございません。そういうことで帰りとか暇つぶしにパチンコをするということは、ばらばらに住んでいるあるいはコミュニティーが崩壊した日本都市の住民にとってどうも必要なレジャーだというふうに思われるわけであります。  それから第二番目には、これは大変射幸性といいますか、一種賭博と思われますけれども日本建前の国でございますから、賭博供給力は実際上、表面的にはない国であります。賭博需要はどの国民にも確実にあるわけで、日本でも平安時代、あるいはヨーロッパではローマ時代、ギリシャ、ローマ賭博の記録があるわけでございます。どの国民も、もちろん日本もそうでありますけれども賭博に対する需要は非常に強うございます。しかも、日本建前賭博はだめだ、こういうことになっておりますから、実際は賭博だけれども賭博ではないというような、パチンコに対する需要が非常に強くなるのは当然だというふうに思われるわけであります。  それから第三番目は、この業界技術進歩は目覚ましいわけでございまして、年配の方は御存じだと思いますけれどもパチンコ台でも、昔から二塁打、三塁打なんてちょろちょろしておりましたのが、正村ゲージになり、チューリップになり、それから半導体がいち早く導入された、こういうことであります。  ここには御当局の御指導がございますので、その御指導技術進歩によって越えていくと。  チューリップなんというのはまさに御当局の、一つの穴に入ったら十五以上出してはいけないと、そのような御指導を見事にチューリップによって克服した。そういうことによって国民賭博需要に応じていったという点では、まさに芸術品かなというように思われるわけであります。  それから、パチンコシステムでございましても、ちょうど地価が低いときには三尺島でございましたけれども、だんだん地価が上がると一尺島になり、それから昔は宇宙パイプとか月光ラインなんという自動給玉システムができ上がり、それがさらに自動化になり、コンピューター導入され、コンピューターと対話しながら全体の経営を管理していくというようなことでございます。従業員の方はできるだけ現金に触れないようなシステムにでき上がっておりますので、かなり問題がある方でもパチンコホールに勤めることによって再生するきっかけになるという点では、大変すばらしい感動すべきシステム開発されたというふうに思うわけでございます。  昨今になりますと、いよいよ大産業になってくるとともに、パチンコホールは町の中心部にやってまいりまして、新宿でも銀座でも渋谷でもパチンコホールが目玉になってきた。ワゴンサービスとか大変すばらしいサービスになり、ラスベガスやあるいは各地のホールといいますか、そういうところに比べても決して劣らない、一流のたたずまいを持つようないわば賭博場ができ上がった、しかもそれが町づくり中心になっている。地方に行きますと、これが小売店あるいは専門店であるとかスーパーであるとか、そのようなものと結びついて小売・リゾート・コンプレックスといいますか、そんなものになりまして、地域開発中心過疎地開発中心になっているという点では大変すばらしい威力を発揮しているというふうに思われるわけでございます。  ところが、この最大の問題は、先ほどから御指摘のような脱税とかあるいは暴力団との関係とかいろいろあるわけでございます。その背景には二つ問題がありまして、どういたしましても賭博であるのに賭博でないという建前で、現金交換というところが後ろめたいといいますか、不法不法でないところのすれすれのところでございますから、そういうようなことが業界の重要なポイントになっているということは、非常に業界の立場が悪いといいますか、そこで悪い人々がつけ入るチャンスが出てくるということになります。  御当局としてみますと、言うことを聞かないと現金交換を絞るぞというようなことで、まさに重要な交渉の道具になっているという点であの現金交換は重要でございますし、現金交換こそ国民賭博需要を支える要因でございますから、これは極めて重要なことでございますけれども、そこに問題があるという点が第一番目であります。  それから第二番目には、この業界で大活躍されている方は移民方々であります。でございますから、移民方々はどの国でもそうでございますけれども、やはり正当な扱いを受けておりませんし、日本でも大企業には就職できませんし、そのような差別を受けている方々、それで頭のいい方々がしこたまこの業界に入っていくわけでございますから、この業界が成長するのは当然だというように思われるわけであります。日本最大の頭脳が入っているかもしれないとも思われるわけでございます。  ところが、こういう方々差別を受けられているわけでございますから、どうしても日本国民としてのアイデンティフィケーションを求めるのは無理だ、こういうことになるわけであります。こういう方々差別をしながら税金をちゃんと納めろというのは無理だということでございまして、ここでこの業界脱税が宿命的だというふうに思われるわけでございます。  でございますから、この問題を解決していきますにはいろいろ難しい問題もあります。御当局は、大産業になり脱税が目に余り、そこで暴力団流れるかもしれないというような懸念をお持ちになるわけでございますから、ここでできるだけ収入を把握しようということでプリペイドカードをお考えになり、プリペイドカード導入するについてはCR機、射幸性の高いものをプリペイドカードとセットにして、経済的な要因によってこれを導入してもらい、同時にその収入を把握しようという非常にうまい考え方をされたということでございますけれども、この仕組みは、現在から見ますと多少無理があったのかなということであります。  つまり、ホールには不正を発見するモチベーションが全くないということであります。不正なプリペイドカードを使われてもホールの収入はふえるわけでございますし、お客さんにそれは違っているんじゃないかなんて言って、変に突っかかっていって評判を落とすよりも黙っていた方がはるかに得だということでございますから、ここは仕組み上、大変無理があったのかなということであります。考えてみれば大変うまい仕組みでございますけれども、無理がございました。  ですから、これは永遠に残る問題でございますけれども、我が国における移民方々日本国民としてアイデンティフィケーションをお持ちになるような体制をいち早くつくっていくということが重要でございますし、それからどうしても賭博賭博と認めなきゃならないのかなというように思うわけであります。  パチンコ業界現金交換、これも本当に芸術品でございます。特殊景品をかわりに出してそれを裏で売買するわけで、これは中古品の売買になるわけでございますから賭博ではないということで、本当にうまく、実にうまい仕組みを考えられたということでございます。ただ、その仕組みがある限りいろいろな問題が出てくるに違いないというふうに思われるわけでございます。  ですから、ちょうどこの仕組みは、素人でよく存じませんけれども、何となく憲法九条に似ているのかなという感じがいたしますし、最近の例でいきますと安楽死に似ているのかなと。実際に安楽死がありながら安楽死はないというのが建前でございますから、非常に暗いところで安楽死が行われているというようなことで、これは我が国の国情といいますか、尊厳死とか安楽死について真正面からはっきり見ない、議論しないというような我が国の特色といいますか、大変美的センスのあるところでございます。そのような意味で、このパチンコ業界賭博であって賭博ではないという建前をとっているのは、本当に我が国の麗しい人情のたまものかなというような感じすらするわけであります。  もし、これを賭博といたしますと、ちょうどアメリカのカジノのように厳しい規制を実行することができるわけであります。例えば三親等以上に犯罪者があったら認めない、その犯罪者を探すために随分お金をかけるそうでございます。それから、機械をちゃんと封印してさわらせない。現在は一々チェックされましても、くぎをいじれば一緒のことでございます。これも、いじったけれどもいじらないという本当に憲法九条のようなことでございます。  そういうように封印したらいじらせないとか、出玉データ比率といいますか、その賭博性を公開するとか、それで間違ってインチキしたら永遠に取り消しでありその親族も開業はできないというように非常に厳しい規制をかけて、そこで収益といいますか賭博の民営を認めていくというようなことが本筋ではないかということでございます。これは世界すべての国でスポーツにトトカルチョなんかやっておりますし、いろんなことにかけるわけでございますけれども、我が国だけそれはいけないということになっているわけでございます。  現在のまま行きますと、このパチンコホールとか、パチンコ業界脱税問題、現在の技術進歩は猛烈でありますから、プリペイドカードのような新しいシステムが考えられ、その都度失敗するというような繰り返しのまま、この美しい伝統を守っていくのかなというような感じがいたすわけであります。  以上で御報告を終わらせていただきます。
  8. 鎌田要人

    ○小委員長鎌田要人君) どうもありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑は自由質疑方式といたしますので、質疑のある方は挙手をし、私の指名の後、御発言願います。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。
  9. 田村公平

    ○田村公平君 庄司日比野竹内、お三方の参考人、お忙しいところを当小委員会に来ていただきまして、ありがとうございました。  当初、私は何を聞こうかと思っておりましたけれども、お三人にまとめて、なぜプリペイドカード導入されたのか、警察庁との関係中心にしてそれぞれのお立場でもう少し本音を言っていただきたいなという思いが実はありましたが、先ほどの竹内参考人のお話を聞きまして、もうずばりかなり本音を言っていただいたものですから、それはさておきまして、庄司参考人にお伺いします。  先ほど申し上げましたように、唯一認められた業界の団体として、いわゆる脱税不正防止のために頑張っておられるという話を踏まえた上で、何でPC対応型CR機をおたくの業界が受け入れたのか、先ほどのはちょっときれいごと過ぎたものですから、そこのところを教えていただきたいと思います。
  10. 庄司正英

    参考人庄司正英君) プリペイドカードシステム最初の視点は先ほど申し上げたとおりでございます。業界が長年、その当時も引き続いて脱税ワーストワン業種であって、それに対して業界は何もしない、何もこたえず、業界健全化近代化と言おうとも、一般世論、一般のユーザーに理解できる具体的な施策一つもとらなかった。これに対して私ども業界も真摯に考えた経緯がございます。  そういう中で、プリペイドカードは、いわゆる経理の明朗化だけではなくて、その当時のホールを振り返りますと、百円玉であふれておりました。お客様も百円玉をたくさん持って御遊技いただく不便さ、これはホール営業に携わってまいりました私どもにとって、またホールに百円玉がたくさん遊技機の前に積まれている状況は芳しいという状況ではございませんでした。当初CR機はございませんでした。ユニットと機械は別々でございましたが、しかしそういった経緯の中で、お客様の声の中にも、プリペイドカードをサンドに入れて、また手でそれを皿に移すという行為が非常に面倒である、なぜ一体化できないのかという声も含めて、我々業界のいろいろなマーケティングの視点からもそういう提案を繰り返しお願い申し上げました。  そういう中でCR機が、第一号のCR機はたしかなかなか人気が出なくて、私どものお店でも三カ月四カ月で取り外した経緯がございます。最初から今のような人気機種が出たわけではございません。二番手三番手と改良を重ねて、今のような人気機種が出現したというふうに私どもはとらえております。
  11. 田村公平

    ○田村公平君 庄司参考人に重ねてお伺いいたします。  メーカーの方も同じように業界をつくっておられますけれども、その最新型のCR機、製造原価は一台幾らでしょうか。
  12. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 私自身、正確な数値は承知しませんが、二十数万円の機械、おおよそ原価率は半分以下であろうというふうに言われております。私はホール経営でございまして、原価率はよく存じておりません。
  13. 田村公平

    ○田村公平君 私が調べたら、大体二十八万円というふうにホールの方から聞いております。メーカー製造原価が八千五百円、一万円を切るというふうに聞いておりますが、そこらは間違っているでしょうか。
  14. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 私は、二十数万円の機械が八千円でできるというのは信じがたい事実だというふうに思っております。
  15. 田村公平

    ○田村公平君 私も信じがたい事実だと思っておるので、ちょっとお伺いをさせていただきました。  それはさておきまして、先ほど竹内参考人の方からアメリカのラスベガスの話もありましたけれども、あそこの何というんですかね、ルーレットじゃなくてパチンコみたいなもの、あれはたしかメード・イン・ジャパンがほとんどですよね。そこで聞いてみますと、やっぱり一万円前後というふうに言っております。ということは、一万円のものを二十八倍で売っておる。それの許認可を実は全部警察が持っているんですね。  ここに一つ問題があって、ずばり言えば、三十兆円産業と言うけれども、三十兆円は三千万人を超えるパチンコ愛好家が払っているお金で成り立っている。それを一元化して、つまり脱税の問題がありました、脱税のことは国税庁がやればいいんですよ、警察が関与すべきことじゃない。景品の交換について、そこで暴力団の関与があればそれはまた警察が関与する。それぞれ何かこの一元化の問題があるような気がしてしようがないんです。  そこで、日比野参考人にお尋ねをいたしますが、九六年三月期の決算で七兆九千億円、会社が実際に動き出したのが九〇年ですか、それで六年ぐらいで七兆円にふえるような産業というのは僕は余り、余りどころか聞いたことがないんです。  NTTの子会社がテレホンカードをやり始めたときに偽造の問題がいろいろあって、私が聞いておるところでは、NTTは絶対大丈夫だ、警察庁にもそういうふうに言われた、警察庁の子会社というか外郭団体も出資する、だから三菱、おまえが音頭をとってやれと言われてつくったと。  朝日新聞の報道によれば「パチンコカード変造」という大きな見出しで「NTTの技術、問題」「三菱商事 法的手段も検討」ということで、社長がたしか二十五日付でかわるというふうなことについて、日比野参考人、これはもうちょっと本音の部分をお聞かせいただきたいんです。こんなあほなことに突っ込んで裁判ざたにもならぬといかぬのかと。
  16. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 最初に私どもがこの仕事を始めましたときは、磁気カードが、今のようにICがあるとかそういうものはございませんでした。それで、当時テレホンカードに若干そういうものがあるということは承知しておりました。  私ども、このシステム構築するに当たりましては相当その点も考慮して、カードそのものも今のテレホンカードとは基本的に違う性質のものでございますし、システムそのものもかなりコンピューターを多用したシステム防御をしております。そういうことで、今日のシステムにも基本的な部分はいろんなものを追加しておりますけれども、それで防止できるという基礎的なものを持っておるわけでございまして、私どもとしてはそういうものを十分考慮したシステムであったというふうに考えております。  しかしながら、コンピューター技術その他の非常な進歩によりましてコピーをとる技術が開発されてきた、昨年の後半に至ってそれが非常に本格化してきたということで、私どももそれに対しては真剣に取り上げて対応をしている。それで、私どもカードにつきましても、磁気カードにプラスいろんな要素を含めて、こういう変造対応し得るカードをつくる技術的めどを立てております。ただ、こういうふうにコンピューター技術が非常に進歩する中でございますから、単にカードのみならずシステム的に防衛をしようというふうに考えております。  それで、先生の今御質問の、技術的な問題の責任の点でございますけれども、新聞で伝えられているようなことは今のところは考えておりません。私ども関係者一同、とにかく今の変造問題を解決して、これを限りなくゼロに近くということで関係者一丸となって今努力しているところでございまして、さよう御了解をいただきたいというふうに思います。
  17. 田村公平

    ○田村公平君 変造からの脱却というのは不可能だと思います。これはもう絶対に不可能です。どんなことでも偽造できます。新しいことをやったって絶対だめですということだけ申し添えておきます。私の友人で早稲田大学理工学部の電気通信学科を出たその道の権威に聞いてもそう言っております。偽造のできないものは何もない、ただ費用対効果の問題だけですから、それはむなしい説明だと、参考人に大変申しわけないんですけれども。  それで、今まさに竹内参考人からお話がありましたけれども建前と本音の部分の私は本音を聞きたくて庄司参考人日比野参考人、お二方にお伺いしたわけですけれども、なかなか本音が出てきません。  例えば大阪方式という景品のかえ方、寡婦とか身障者の方々の組織をつくってやっておられる、暴力団もうまく排除しておると、そういうやり方があるにもかかわらず、三十兆円産業と言われるまさに国民レジャーであるパチンコ産業にこのプリペイドカード導入し、るるありました暴力団との関係脱税の問題、それは建前の話、そんな余計なものがくっついて、現行法で対処できるのに、六百三十億円とも言われる、実際は一千億円かもしれない、いずれにしてもそういう新たなやみの世界にお金を上げてしまうようなシステムをどうして構築していったのか、これが僕はこの間からの審議でも全然理解できない。  ホールの方は百円玉がいっぱいある。五百円の機械もあります。私もここにカードを持っています、この前初めて行ってきました。三千円と二千円と千円ですから六千円を損しちゃったけれども。そのことを踏まえても、金の管理はホールでやればいいんですよ、百円玉が一万枚あろうと。  どうしてなのかということを、もう時間がありませんので、一番本音で物を言っていただける竹内参考人に、先ほど来のやりとりを含めまして、本音の部分で総括をしていただければ大変ありがたいと思います。
  18. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私もわかりませんけれども、多分、そういう収支がはっきりし、ホール自身が、別のところで収入が計上されるわけでございますから、そういうふうに一切クリーンにいたしますと、現金交換の場所を大っぴらにしてもいいという、何かそういう国民的な感情といいますか、脱税もやり、暗いところで現金交換をし、そこへやくざも来たり、そこで襲われたりと。そうじゃなくて、これをだんだん表に持ってこようと、この表に持ってくるところを第三セクターでやろうといったお考えも最初は御当局にはございました。  そうすると、どうしてもそれは不可能だ、国家で賭博と認めることになる、こういうことになりますから、折衷として、とにかくこの業界は全部クリーンであるというような形にすれば、この暗い面が除かれるということでおやりになったのじゃないのかなという感じがしております。
  19. 田村公平

    ○田村公平君 しかし、暗いところが除かれると、御当局というのは警察庁のことだと思いますけれども、それが結果として六百三十億、そういうやみをつくってしまったというのは、組織犯罪的に言えばかえって傷を大きくしてしまった、そういうふうに私は思うんですが、それは竹内さん、どうですか。
  20. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私も全くそのとおりだと思います。もしこれが入らなければこんな大産業にはなりませんので、これが入りまして大産業になったから、一層収拾に困ったという点は確かに御当局にあるというように思われるわけでございます。  それから、先生がおっしゃったような技術的のほか、現在の仕組みである限りこれはチェックできない、ホールはチェックするモチベーションがありませんから。
  21. 田村公平

    ○田村公平君 つまり、かつては十五兆円産業と言われたのが、このプリペイドカード導入とともに急成長していく、つまり三十兆円産業になってしまったということが、それはもういろんなところに出ていますよね、マスコミ等々を含めまして。  それで、この前もちょっと言ったんですけれども、私は不思議だなと思うのは、何で当局である警察庁がそれに対してきちっとした、間違いなら間違いでいいんです、失敗なら失敗でもいいんです、だからこういうふうにしたいんだということを、それを今は技術論ばっかり言っているでしょう、カード会社が偽造、変造がないようにすると。  そこらはどういうふうに竹内参考人はお考えですか。
  22. 竹内宏

    参考人竹内宏君) ですから、私は、業界の方もその点をお考えになりまして、一挙にラスベガスのようなきれいな、見た目にこれがホールかと思うような立派なホールができていったのはそれかなという感じがしております。  つまり業界も御当局の御意向に沿ったようなホールをうまくつくられて、この辺があうんの呼吸で、余分なことですけれども、余りすさまじい台ができましたのでその過程でとうとう私もついていけなくなりまして、もうパチンコができなくなつちゃいましたけれども
  23. 田村公平

    ○田村公平君 ありがとうございました。
  24. 西川潔

    ○西川潔君 本日は御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。  カードができまして、パチンコ店では昔から、我々がニュース、報道等で余り聞いたこともないような事件が多発しているわけです。せんだっても、八日ですか、札幌市内のパチンコ店で、自称中国人という男性が使っていた変造カードを見破られて、取り押さえようとした店員さんが何人か切りつけられたという事件が発生しているわけです。犯罪がパチンコ店で殺人事件にまで及んでいるわけですけれども、これはまことに残念なことだと思うんです。  不正犯罪の場合、パチンコ店の従業員方々にとりましても、仮にその不正を見破ったといたしましても、こんな事件が多発すれば取り押さえようもない、まず自分の身の安全が確保されなければいけないと思うんです。  そうなりますと、やはり警察との連携が非常に大切、重要であると僕は思うんですけれども、不正事件の摘発に協力することもさることながら、従業員方々の安全の確保、ビデオとかで指導もというようなお話もお伺いしました。資料の方も読ませていただきましたけれども、このあたりを庄司参考人にまずお伺いしたいと思います。
  25. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 今、最前線のホールでは、本当に西川先生のおっしゃるとおり命がけでございます。この防止をするためにホールの社員の緊張度、またそれを発見した際の対応、そして御当局への通報等、その連携にかける一つのエネルギー、これはいまだかつてないぐらいに私どもホールにとっては本当に負担でございます。  しかしながら、先ほど来御議論にありましたように、我々の一部の業界から本当に不心得業者が出て、新聞の論調のようにあたかもお店が得するシステム、店が全然損しないでカード会社だけが損する、そんなことはございません。私ども産業から六百億円というお金が、この推進力が失われる、これはお客様が我々の産業を支持する利潤としていただいたものがすべて失われたわけでございまして、我々のホール側といたしましても大変心外でございます。  いずれにいたしましても、この火急のとき、このカード変造問題をどう解決するか、どう鎮静化するか、今、行政と私どもそしてカード会社も一体で取り組んでおります。何もこれはセキュリティーだけの問題ではございません。このシステム業界がせっかくこれだけエネルギーとお金を投入した健全化への一つ流れというものをここで本当に失っていいのかという考えも我々の業者にあります。したがいまして、この変造問題を早くおさめて、そして長期的な視点でもう一度、先ほど来御指摘のとおりセキュリティーに欠陥があることは明らかでございますので、検討し直して、今申し上げたような趣旨で再度そういった方策を考えたいというふうに考えております。
  26. 西川潔

    ○西川潔君 カード不正使用の防止対策は緊急の課題であると思うんですけれどもカード会社皆さん方も大変研究に研究を重ねて検討もしていらっしゃると。一万円、五千円のカード販売使用の一時停止、あるいはカード受付機設置等、具体的な防止対策にも取り組んでおられるわけです。  こういう報道も読ませていただいたんですが、この秋までに不正防止策にめどがついた、絶対に大丈夫だという報道もあるわけですけれども、ここのあたりを日比野参考人にお伺いしたいと思います。
  27. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 変造問題が起こしている社会的影響が極めて重大なことは我々も十分自覚をしております。したがいまして、何にも増して変造問題を解決するということが最大の問題でございます。私どもも、まずシステム的にそれをできないようにしようということで、今まで打ってきた対策ばかりじゃなくて、御当局のいろんな捜査の強化とかホールさんの協力とかそういうものがありまして、先ほど申し上げたように非常に激減をし、ほとんど収束に近いような状況になっておりますけれども、これもいつまたどういうふうになるかわかりません。私どもとしてはあらゆる努力をしていきたい。  そういう意味では、新しいカードを秋ぐらいに導入しようというふうに思っております。これは一部を私どもでテストしてみますと、非常に好成績を上げております。それにさらにシステム強化を加えまして、秋にはそういう問題が全く鎮静化するようにあらゆる努力をいたしておりますので、ひとつよろしく御理解をいただきたいというふうに思います。
  28. 西川潔

    ○西川潔君 日遊協さんでは五月に日本レジャーカードシステムに対しまして「偽造・変造カードに対する今後の対策」という要望書をお出しになっていらっしゃるわけですが、その内容の主なポイントを庄司参考人に、そしてその指摘に対する日比野参考人の御意見をあわせてお伺いしたいと思います。
  29. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 実は日遊協で五月に、要望書を二社に対してお出ししました。大まかに申し上げまして、二つの対策、視点を要求しております。  まず緊急対策、これに対しましては、今、業界はもう七割以上のお店がこのカードシステム導入しております。したがって、このカードシステムの存続の可否は今や業界の命運にかかっております。そういったことを十分意識していただいて、信頼性あるシステムの再建を真摯にお願いしております。いずれにいたしましても、こういった抜本的方策の検討をただ単に応急対策だけでなくて、もっと基本的な問題としてシステム全体をもう一度見直していただきたい。  それから、カードの被害状況がここまで至った大きな要因一つに、最前線のホールの防ぐ姿勢とカード会社との連携不足もしくはコミュニケーション不足、カード会社がもっと早くこの状況を開示していただいていれば、事細かな状況のディスクローズがあれば、我々はもっと違った手だてを打てたんではないかという真摯な反省がございます。  カード会社カード会社なりに、それらを公開すればまた新たな偽造問題が発生するという理由があるやに聞いております。しかしながら、カード会社と私どもホール信頼関係によって、またそれらの契約によって結ばれている関係でございます。それらを十分認識せずに、なぜ十分な情報開示がなかったのかということが私どもにとっては非常に悔やまれることでございます。  もう一つ、特にホールの視点で申しますと、事件発生時のカード会社対応が不十分であった。  特に夜間、土曜、日曜などにおける体制が極めて不十分であったということを指摘しております。  そして、残念なことに我々営業者の中にも、これらのシステムの欠落を利用した、それらのカードを利用した悪徳業者、これに対してはカードの供給を直ちに停止していただきたい。また、でき得れば業者名を公表していただきたい、そういう要求を申し上げております。  中長期的な視点では、私どもは、一万数千軒が一つシステム一つの方式にすべてをゆだねる、こういう状況の改善を考えております。一度システムが破られますとすべてがだめである、こういう状況を考えまして、そのシステムの多様性を提言いたしたいと思います。  また、この状況をよく見ますと、当初、全台導入、インのクリアというものを大前提にしたものが、いつの間にかカード会社の商業ベースによって一部でもいい、五十台でもいい、そういう導入の形式を図ったがゆえにこういった問題を引き起こしている側面もございます。  我々は、当初の、善意のまた純粋な理念で健全化をしたいという一つの視点に返って、そういうことを十分意識していただいて一部導入を考え直していただきたい、それらのことを先般要望書としてお願い申し上げました。
  30. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 日遊協の方から、今、庄司会長がおっしゃいましたような要望書をいただいております。私ども、期限の六月末までに、これに対して真剣な検討を加えて具体的に納得いただけるような回答をいたそうというふうに考えております。今、検討中でございますけれども、現在の考えを若干申し上げますと、一つは、技術的対応につきましてはもう再三申し上げましたように最重要問題でございます。私どもはこれに対して真剣に検討をしておりまして、これに対する具体的な回答をしたいというふうに考えております。  二番目の問題、こういう被害に至った情報開示につきましては、これは私どもも一部反省すべきところがございます。一つは、変造損というのは確定額というのがなかなかつかめないという状況がございます。一時的には、券売機で売った券の額と消費額との差が大きくあれば、これは何らかの格好で不正があるということでございますけれども他店で使うとか導入店が常に増減をしている等いろんな要件から、なかなかそういう点がつかめないままそれを公にして、これに対する社会的ないろんな反響もございましたが、十分なる情報を常時ホールさんに提供し得なかったということ。  それから、この変造が昨年の暮れからことしの初めに急増いたしまして、本当に毎日二倍、三倍の状態ということでございました。そのときは私ども受付機というものの設置をもう既に決めておりまして、ホール皆さんにこれの設置をお願いしておったわけでございます。当時はそういうことをある程度御説明しながら受付機設置をお願いしたわけでございまして、そんなことで多少問題があったことは私ども自覚をしております。今後、できるだけ皆さんとそういうものをよく打ち合わせしながらやっていきたいというふうに考えております。  それから、一部のホールで残念ながら不正に関与して変造券を利用して売り上げを得、あるいは危険を冒して他に転売するというような事案がございます。私どもとしては、善良なホールさんらに対するこのシステム信用維持のためにも、そういう方に対しては厳正なる態度で臨んでおります。既に解約、支払いの一時停止、それから警告その他を行いまして、そういう一部の不正業者に対し強い対応をいたしております。  それから、全台導入の件でございますが、私どもこの仕事を始めたときは全台導入ということを前提に話を進めてまいりましたけれども、当初なかなか導入店がふえないという状況下で、全台導入というような余りかた苦しいことを言うな、まず一部でも入れて、体験してから全台導入をしたいんだという要請が全国からございました。私どももそれに対しては非常にちゅうちょしたわけでございますけれども、とにかく入れたい人には入れさせろというような要望が非常に強くございましたので、私どもとしては一部でも導入していただくということを許容してまいったわけでございます。  それが今、一部導入だけで全台導入が進まないということでございますが、私どもとしてはまた原点に戻りましてできるだけ全台導入していただくということで、全台導入者に対してはそれだけのフェイバーがあるというようなことを真剣に検討していきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  31. 西川潔

    ○西川潔君 素朴な疑問なんですけれども、プリペイドカード不正使用です、お客さんの前で堂々とできるものなのかなと。僕もまだ発見したことはないんですけれども、玉を打たずに玉だけ出して換金する、これは素人目から見ても大変不自然なんです。熱中しているお客さんは気づかなくても、店員さんが気づかないというのは相当巧妙なのかなと。また、アルバイトで暴力団を雇って、先ほどのお話じゃないですけれども、百人も二百人もというような大変なお話もお伺いするわけですけれども不正使用の手口について庄司参考人日比野参考人に一言ずつお伺いをして、終わりたいと思います。
  32. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 私どもホールでは、今ほとんどがテレビカメラでビデオを撮っております。そういったビデオテープを見ますと、極めて手口は巧妙でございます。一人が大量にやるのではなくてグループで来て、またその不正者を見えにくくするためにいろいろな操作やしぐさをしております。したがって、私どもホールでは、そういったビデオテープとともに台のデータなどを営業中によく精査しながら、そういった防止に今努めております。先生御指摘のとおり、そういったグループはいろいろなことを考え、大変巧妙に実施しているというのが現状かと思います。
  33. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 今、庄司会長がおっしゃったように、なかなか手口が巧妙でございまして発見しがたいケースもございますし、それから堂々と使われてそのまま容認されているというのも散見されます。非常に差が大きいホールさんもございますので、そういうホールさんに対しては、我々も何とか監視を強化していただくようにお願いをしております。
  34. 西川潔

    ○西川潔君 ありがとうございました。
  35. 有働正治

    ○有働正治君 きょうは参考人としての御意見、いろいろありがとうございます。  このプリペイドカード問題は、導入に当たりまして国会でも衆参の予算委員会等々でかなり議論されて、その中では、業界の正常なあり方とのかかわりで、政界や暴力団とかいろんな癒着の問題等々も取り上げられてきたわけであります。そこらあたりも関連しながら、若干お尋ねしたいと思うのであります。  まず、日比野参考人にお尋ねいたしますけれども、当時国会で答弁なさっておられた平沢勝栄元警察庁刑事局の保安課長さん、この方は御存じでありましょうか。
  36. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 存じ上げております。
  37. 有働正治

    ○有働正治君 この人は総選挙を予定されていろいろ準備なされているようでありますが、五月二十八日の夜にニューオータニで、一種の資金集め的なパーティーをおやりになったということでかなり盛大に行われたようでありますけれども日比野参考人会社あるいは個人的にあなたかどなたかこれに御出席なさっておられるのでしょうか。
  38. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私は、個人的な関係でちょっと顔出しさせていただきました。非常に多かったので、すぐ帰りましたけれども
  39. 有働正治

    ○有働正治君 ほかに何人か、会社としても日ごろお世話になっているということでおつき合いなりなんなりなさったのでございましょうか。
  40. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私は個人的に行きましたので、ほかにだれが出ているか定かには記憶しておりません。
  41. 有働正治

    ○有働正治君 政治家では中曽根元首相、後藤田元官房長官、亀井運輸大臣、鯨岡現衆議院副議長等々、相当盛大だったと私も聞いておりますけれども、これは自民党の公認候補者ということで、自民党関係者が行かれるのはそれなりのお立場で行かれたのだとは思います。  それから、日比野参考人に、おたくの会社設立に先立ってだと思いますけれども、ある程度設立のめどがついた段階で、お世話になった人あるいは今後お世話になる人等へのごあいさつをかねて、一種設立発起パーティー的な催しといいますか、政治家としては後藤田正晴さんらが参加したと出席された人から私はお聞きしているわけであります。そう大がかりなものではなかったようでありますけれども、気持ちとしては当然これからお世話になるということでお開きになったと思うんですけれども、そこらあたりはいかがでしょうか。
  42. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私は、そういうパーティーがあったということは記憶しておりません。
  43. 有働正治

    ○有働正治君 記憶していないということでありますが、ここに出席されたおたくへの出資会社の有力な企業の役員等幹部の方が、明確にそういう状況を語っておられるということであります。  そこにあなたは出席していないからということで直接的にはあれでしょうけれども、現在指定暴力団となっています住吉会、当時は住吉連合会堀政夫総裁、近年お亡くなりになったと承知していますけれども出席されているということを別の出席された方が明白に指摘しておられます。そのことも指摘しておきます。  それから、報道によりますと、今回のプリペイド被害をめぐりまして、日比野参考人会社として損害賠償訴訟を起こされたようでありますが、この事実関係はいかがでありましょうか。また、今後、成り行きによってこういう問題にも幾つか積極的に対応していく意向なのかどうか、そこらあたりちょっとお聞かせいただけますか。    〔小委員長退席、溝手顕正君着席〕
  44. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) その損害賠償はだれに対してということでございましょうか。
  45. 有働正治

    ○有働正治君 例えばやったのかどうか、事実関係ですね。
  46. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私どもがやっているのは不正カード使用ホールに対して、これは刑事事件を起こして実際に訴追されているケースがございまして、そういう一部の会社につきまして、その不正をされた金額に対して損害賠償の請求をしているケースがございます。    〔小委員長代理溝手顕正君退席、小委員長着席〕
  47. 有働正治

    ○有働正治君 今後も成り行きによってはそういうことで対応されるということでありましょうか。
  48. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 明らかに不正行為であるということが明確になったものにつきましては、それに対してさよう対応していきたいというふうに考えております。
  49. 有働正治

    ○有働正治君 それから、秋までに今回の改善策といいましょうか手だてをとって、いろいろ万全を期したいという意向を再三表明なされました。  当然そういう努力はなされると思うんですが、例えば竹内参考人は失敗その他の繰り返しの中で発展していくのではないかとおっしゃいましたけれども、秋までにそういう次善の措置をとった後、被害が起こらないという確信が本当にあるのかどうか。  田村委員は、もう絶対あり得ない、専門家もそう言っていると。もし改めて被害が起こったような場合、LEC社としまして営業上、その他出資者等とのかかわりでいろいろ出てくることも当然あり得ると思うんですね。そこらあたり、何らかの形でまた相当深刻に再検討しなくちゃいけないような問題が起こるというふうに見ておられるかどうか。
  50. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) またこういうのが再発しましたらまことに重大なる事態でございまして、今回のようなことが二度と起こらないように、これは私どもだけの問題ではございませんで対社会的にもいろんな影響を与えることでございますので、私どもとしてはそういうことが起こらないように万全の対策をとりたいというふうに考えております。  ただ、技術的な問題でございますから、これを一〇〇%ギャランティーをするということはなかなか難しいかと思いますけれども、いろんな面からその対応を考えていきたいというふうに考えております。
  51. 有働正治

    ○有働正治君 日比野参考人、おたくの場合は被害額が五百五十億相当とおっしゃられて、この間警察庁からもそう聞いているというふうに報告いただいたわけですけれども、これは完全に捕捉された金額なのか、あるいは成り行きによったらもっとふえる可能性もあるというふうな見込みのものなのか。  と申しますのは、これよりも多い可能性が確実にあり得るというような意見等々が私のところに届いているものですから、そこらあたりはいかがお考えなのか。
  52. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私どもはそれを正確に捕捉する必要が決算上もございますので、今まで発行しているカードと全く別のカードを四月一日から発行いたしました。  これは中の磁気情報を若干変え、今まで発行されているものの総数をつかむという作業をいたしました。その結果、今申しました額というのはほぼ確実、多少の誤差はございましょうけれども、ほぼ正確な値だというふうに了解していただいて結構だと思います。
  53. 有働正治

    ○有働正治君 それから、先ほど日比野参考人から、ことし急増した被害の中で百人二百人が押しかけて使うというお話がございましたけれども、百人二百人というのは大体どういう感じの人か、いわゆる外国人が多いとか、あるいはその中に何か暴力団的なにおいがするのかしないのか、そこらあたりはどう見ておられるのか、その点いかがですか。
  54. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 新宿地区、池袋地区で実際に起こった案件でございますけれども、大部分は外国人のお客でいっぱいになるという感じでございました。
  55. 有働正治

    ○有働正治君 それから、先ほど庄司参考人がさまざまな要望を行って、それに対して日比野参考人は、六月末をめどに積極的に対応すると、それで幾つかお述べになりました。  庄司参考人が、悪徳業者名の公表を含めてお願いしたいと要望なさったやに私聞きましたけれども、そこらあたりまだ結論は出ていないかもしれませんけれども、非常に健全なレジャーの発展をと国民的には期待されているのに対して、そういう今後起こり得るものに対して、日遊協としての強い要望に前向きに対応されていかれるのか、どういう感じでいらっしゃるのでしょうか。
  56. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) プライバシーの問題がございましてなかなか難しい問題でございますけれども、私どもとしては、どういう県に何件あるかということは日遊協及び全日遊連ともう一つございまして、そちらの方には一応公表させていただいておりますが、今のところ具体的にホール名を開示するまでには至っておりません。これはなお検討させていただきたいというふうに考えております。
  57. 有働正治

    ○有働正治君 それから、コスモ・イーシーの熊取谷稔氏、これは御存じでありましょうか。
  58. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 存じ上げております。
  59. 有働正治

    ○有働正治君 どういう関係で御存じであるのか。この方は会社設立とのかかわり、仕事とのかかわりで積極的な役割を果たされたということなのか、どういうことなのか。  それから、LEC社とのかかわりでいきますと、実態上はかなりの株を持っておられるやに聞き及んでいるわけでありますが、そこらあたりはどう見ておられるのでありましょうか。
  60. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 取引関係につきまして、熊取谷氏が社長をやっておられますコスモ・イーシーという会社は玉貸し機の有力メーカーでございまして、私どもは当初から玉貸し機の一部をコスモ・イーシーに製作していただいて納入しております。現在も私どもは、二十社ある代理店の一社として御協力をいただいております。  それから、当社の株の問題でございますが、それについては私は承知しておりません。
  61. 有働正治

    ○有働正治君 恐らく、実態的には相当の大株主だということが一般関係者の間では常識になっているようであります。  それから、熊取谷氏が、プリペイド導入に当たりまして積極的に当局あるいは政界等にさまざまな働きをされたということがいろいろな方面で指摘されておりますけれども、ここらあたりはどう見ておられますでしょうか。
  62. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私は当時から事務方を担当しておりましたけれども、事務的にそういう関与その他は承知しておりません。
  63. 有働正治

    ○有働正治君 東京コスモシステムから二千万円、近畿コスモシステムから二千万円、九州コスモシステムから一千万円を捻出して、どうもこの資金捻出のための債権確認書等々もつくられている。私はその債権確認書を持っていますけれども、相当大がかりな資金が捻出されていろいろ活用されていったということが指摘されているということも述べておきます。  といいますのは、健全なレジャー発展の上でいろいろな疑惑その他があってはいけないという点で、こういうことがないように本当に広く開かれた国民の健全なレジャーとして運営等々にそれぞれ臨んでいただきたいという点を述べているわけであります。  竹内参考人それから日遊協庄司参考人に一点だけ簡潔にお尋ねします。  竹内参考人、政治家との癒着という点で、かなりの政治家に政治資金収支報告等にも明記されている資金が流れているんですね。平成四年から六年まで、小渕恵三さんら政治団体等々に合わせまして二千万円以上、赤松広隆元社会党書記長等々を含めましてこれはもう明白になっている。こういう金のかかわりがあるのは本来いかがかなと思うわけであります。あるいは癒着等というものについてはあってはいけないんではないかなと思うのでありますが、竹内参考人にこの点についてのお考えを。  それから庄司参考人、CR機導入一台三十万円近く、二十数万円とおっしゃいますと、大きいホールの場合には一億近い資金投入ということで大変苦労された点もあるんではないか、そこらあたりをどう見ておられるのか。今度、新しい機械等の設備投資があるとすると、そこらあたりの営業所への影響等について業界の中ではどういう心配があるのかないのか。  また、この導入に当たりまして、CR機を導入しない申請に対しては許認可がなかなか出ない、CR機導入のところは許可が出るということを直接私も幾つか聞いているわけです。こういうことがあってはいけないと思うのでありますが実情はいかがなものか、全然耳にしないのかどうか、ちょっと恐縮でございますけれども
  64. 竹内宏

    参考人竹内宏君) この業界現金交換という弱みがございまして、これでお上の方針によって存立の基盤が揺すぶられるというような弱みがございます。  それから第二番目として、事によると選挙の票をお持ちでない方が大変いらっしゃいますので、そのようなお立場だったらどうするかということになりますと、私の場合だったら、多分献金せざるを得ないかなというような感じがいたします。
  65. 庄司正英

    参考人庄司正英君) CR機のコスト増に関してでございますが、十数年前は機械一台三万八千円から四万円弱、これがCR云々よりもディジタル機の登場によって十数万円、そして今ユニットつきのCR機が二十八万円、確かに昨今の機械のコストは上がっております。  しかしながら、私どもホールのそういった設備造作や設備の機器も、特にコンピューター化によります。そういった機器のコストは同様に非常に重いものがあります。そういうコスト増を、ある意味では私どもの経営努力効率化によってある部分は吸収しある部分は顧客の拡大によってそういうものを乗り越えて、なおかつ私ども業界がそれなりの収益を上げさせていただいているという現況だろうと思っております。  もう一つの御質問の、カード問題に対する許可が云々の話は、私どもホール営業者は時々そういううわさなり風評は聞きます。しかしながら、私が少なくとも東京で十数店営業している中で、カード導入しないがゆえに許可がおりなかったという話は一つもございませんでした。
  66. 有働正治

    ○有働正治君 おくれたということはどうか。
  67. 庄司正英

    参考人庄司正英君) おくれたという問題も、いずれにいたしましても、申請を受け付けていただいてある期限内には必ず許可がいただける、もしくは許可がいただけないという答えをいただきますので、私の知る限りにおきましては、そういう話をじかに私がお聞きした例はございません。
  68. 有働正治

    ○有働正治君 終わります。
  69. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 お三方の参考人の方、どうも御苦労さまでございます。渡辺です。  まず、庄司参考人にお尋ねしたいんですが、先ほどからいろいろお話を聞きまして、カード会社二社に対して緊急対策としての要望も出されておる、日比野参考人の方から、努力して六月末ぐらいまでに何らかひとつ結論を出したいというお話がありました。  今の会長庄司さんでありますけれども、おたくの初代会長の松岡英吉さん、私ども委員会におりまして、このカード導入の問題についてはその当時からいろいろ議論してきたわけですが、そういう時代からこのカード導入の三人の中のお一人として松岡さんも大変な努力をされたというふうに、実はそんなことも聞きました。  そういう中で、ホール健全化あるいは明朗化という目的に向かって努力をされたと思うんですけれども、結果的には今みたいな状況が出てきておる。目的と違った方向で新たな犯罪が起きておるわけですから、そこらについては御要望申し上げておきたいと思うんですけれども、ぜひひとつホールの方も日遊協と一緒になって、先ほど西川先生からお話がありました札幌での殺傷事件、これだって店員の皆さんが犯行に及んでおる人間を直接押さえようとするからそういう殺傷事件が起きたと思うんですね。ですから、そこらは警察の方と十分ひとつ連絡をとっていただくように特に日遊協にお願いをしておきたいと思うんです。  私も、むやみやたらに制服の警察官がパチンコ店に入るということについては絶対に避けようということで今まで警察庁ともやりとりしてきたわけです。本当に健全な娯楽施設だということを維持するためにも、犯人が飛び込んだときは別ですけれども、制服の警察官については入れないようにということを警察庁の方にもお願いしてきておったわけですから、そういう点も含んでいただいて、ぜひひとつ日遊協としても御努力いただきたいというふうに要望しておきたいと思うんです。  それから、日比野参考人にお尋ねしますが、これも新聞報道で恐縮ですけれども、おたくの関係だけで、プリペイドカードの横流しやあるいは買い取りが確認されたお店を十八店舗契約を解除したというようなことがありますが、これは事実ですか。
  70. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 横流し、横受けということで解除した案件がございます。事実でございます。
  71. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 これはホール内であれば偽造有価証券の行使なんですね。ホール外はだめですけれどもホール内であれば、あの券は有価証券ですからね。偽造の有価証券を行使するわけですから、そうすれば店ぐるみでやったところは明らかな犯罪を起こしているわけです。そうだとすると、犯罪として警察庁の方にお願いするということをしなければね。  ですから、お客さんに紛れて来てそういう変造カードを使ったという人間でなくて、ホールそのものが全体的にやったということでしょう。これは計画的な犯罪ですからね、私はちょっと質が違うと思うんですが、そこらについてそういう手続をとったことがあるのか、とっていなければどういう理由によるのか。  先ほどあなたは、ホール内のプライバシーの問題もあるからと、こういうふうなお話でありましたけれども、それはプライバシーの問題じゃないです、犯罪ですから。どういうふうな経過があるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  72. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 例えば長野県とか埼玉県で実際に刑事事件で訴追された件がございます。これについては事前に私ども情報を交換しながら、協力してああいうふうに至った案件でございます。  これは、そういうふうにやられているという段階で私たちがわかりますと、すぐ警察との連係プレーを行いますが、結果として相当これは横流ししているんじゃないかと、こういうふうに後から発見する案件もございます。それについては、私ども、民事的に証拠を挙げて相手に対して解約なり損害賠償の請求、一部は支払いの停止と、そういう措置をとっているわけでございまして、個々のケースによって若干対応が異なるというふうに御了解いただければと思います。  我々としては、できるだけ警察の御協力を得て行政の方で措置していただくのが望ましいということで、積極的に各県警本部とも連絡をとりながらその撲滅に努めております。
  73. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 それはホールの方はおたくから見れば大事なお客さんですから大事にしなきゃいけないと思うんですけれども、そういう悪質なお店が何軒かあるために、例えば今カードの取引をしておるお店が一万八千店舗ぐらいあるというふうなお話ですけれども、全体がそういう疑惑の目で見られるわけです。情を持つことによってかえって犯罪が大きくなってくるという可能性がありますから、私はそこらは厳粛な態度で臨むべきだと要望しておきたいと思うんです。  それから、これも先ほど田村委員からちょっとお話がありましたが、おたくの三代の社長さんはずっと三菱商事の方から出られておりましたけれども、これも新聞報道ですが、十日の役員会で、今度はNTTデータ通信の立花さんという方が内定したとか決定したとか、これはわざわざ解説までついております。  結局、NTTデータ通信がこの変造対策についてはもう万全だという鳴り物入りでやってきたのでカードを始めたわけですね。そういう責任もあるんだから、これを明確化してもらうために三菱の方はデータ通信の立花さんに今度は社長を譲ったんだと、こういう解説まであるんです。そこらを副社長として、今どういうお感じを持っておられるか、お聞かせ願いたいと思うんです。
  74. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 変造防止が今最大問題点でございます。これに対しては、技術的、システム的対応が最も重要でございまして、私どもとしては、それに最も熟知されている方が経営に当たられる、責任者になられるのが現時点では最も妥当であろうと判断をしたというふうに了解しております。
  75. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 それはそれ以上言えないでしょうね。  それからいま一つは、六百三十億を超すような不正が行われておる。これは変造と偽造がありますね。例えばこういう証券類に値するような品物であれば、変造の場合であればあれでしょうけれども使用済みの部分については大体はさみを入れて切断するというようなこともあるんですよ。  例えば切断機が十万円かかったと、一万八千店舗あって十八億ですね。ですから、本当に小さな部分でもなくしていくということであれば、おたくが損するわけですから、カード会社の方からでも店舗にそういう切断機を据えていただく、そして幾らかの手数料をお払いすると。警察の方から聞いたんですけれども、使ったカード使用済みのものについてはごみ袋の中に入れてそのまま外に出す、そうすると悪質なのはそのまま持っていって変造カードをつくってくるというようなお話も聞きました。  まあ微々たるものかもしれませんけれども、そういう部分にはさみを入れて、後で変造あるいは偽造されないように、そういうことはできないものでしょうか。
  76. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) これは当初から話題のポイントでございまして、そのためには後から破砕するんじゃなくて、カードが中に入ったら機械の中で破砕しないと本当に変造防止に役立たないということで、私どもとしても検討をしております。  後から、外へ出てから破砕するという場合は、今一部回収をしていますけれども、どういうわけか流れるわけでございます。機械の中で自動的に磁気面に破壊する力を加えないといけないということで、これは技術的に若干問題がございまして実現しておりませんが、一つの検討課題としております。
  77. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 いや、私が申し上げたのは、NTTのテレホンカードの場合、使用済みの部分をまた偽造して、外国人を中心に立ち売りしておるというふうな報道等も聞いておるものですから、素人なりにそういう感じを持ったものですから、はさみを入れたらどうかということを申し上げたわけなんです。  それから、日比野参考人御自身が、これも週刊誌に載っておりましたけれども、一九八八年の十月にLEC社が発足をして、記者の皆さんたちから、その当時から変造カードの出現とか、それに伴うトラブルが予想されるがという質問があったのに対して、あなたはその当時取締役であったんですが、その点については我々も十分に考慮している、大蔵省もセーフティーの面を最も懸念しており、絶対に変造されないようガードすることを条件に許可をいただいたと、記者の皆さんの質問に答えておるということが載っておりました。  ですから、その当時はそういう自信があったと思うんですよ。しかし、私らはその当時から危ないんだ、NTTのあのテレホンカードから見ても危ないんだというのは言ってきましたけれども、その当時は、もう絶対に大丈夫だというふうにあなたは思い込んでおったわけですか。
  78. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私は当時、各地でカードのセミナーを行いまして、単に新聞記者の皆さんばかりじゃなくて業界皆さんにも、私どもはそれで十分なるセキュリティーをとっておりますというふうに申し上げたことは事実でございます。  当時、多少そういうテレホンカードの問題がございましたけれども、私どもはNTTデータといろいろ技術的な打ち合わせの中で、先ほど御説明申し上げましたように、カードそのものもかなり変わったカードで全く別のカードでございますし、システム自体も当時そういうものを防ぐに足る措置をとっておると了解しておりましたので、さよう申しておりました。
  79. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 もう時間がありませんから、最後竹内参考人にお願いしたいと思います。  先ほどちょっとお話がありましたけれども、九四年の十月に「ぱちんこ営業在り方について」という報告書をまとめて出されております。この中にいろいろ書いておりますが、この時点でも少し偽造カードの問題が出てきておったわけですが、こういう部分についてはこの研究会の中では議論されなかったんでしょうか。
  80. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私は欠席が多かったものですから、具体的な内容を存じません。  ただ、現金交換については、第三セクターをつくることについてはかなり議論されたという記憶はあります。
  81. 渡辺四郎

    ○渡辺四郎君 終わります。
  82. 続訓弘

    ○続訓弘君 庄司参考人日比野参考人竹内参考人、本日は大変御苦労さまでございました。そしてまた、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。  私はお三方からいろいろな意見を伺いましたけれども、実は残念ながらパチンコをやったことがございませんので、具体的な質問はできません。  そこで、私はかつて美濃部知事のもとで東京都における財政の責任者でありました。昭和四十六年ぐらいだったと存じますけれども、美濃部知事が小学校五年生の男の子から直接、知事さん、私は両親が離れ離れになりました、その原因は何かといえば競輪と競馬でした、何とか東京都から競輪、競馬をなくしてほしい、こんな要請をされましたと、知事から私は直接聞きました。ついては、家庭の悲劇、こういうものを生じている競輪、競馬を都政の中からなくしてしまおう、直ちになくせよと、こういう指示がございました。  当時、百二十億を超える貴重な収益がございました。都財政の中で大変な収入源でありました。  法律に認められている事業であります。戦災復興のためにあるいは福祉施設等のために貴重な財源でありました。しかし、知事の思いは今申し上げたように、いたいけな小学五年生の陳情から決断をされました。少なくとも都財政をギャンブルに依存するような状況ではだめだということでありました。私は直ちに対策を考えました。  今ここに新聞がございます。これは小委員長の地元の鹿児島でございますけれども、日経新聞がこのように報じておりました。家庭の悲劇、離婚、借金苦ということが表題に載っておりました。私はその新聞を拝見しながら当時のことを思い出しました。  竹内参考人にお伺いいたしますけれどもパチンコは健全な娯楽でありましょうか、その辺の忌憚のない御見解を承りたいと存じます。
  83. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私は、ギャンブルに対する需要は抜きがたいものがございますから、これはどうしても供給が必要だというふうに思います。  もしギャンブルをなくしてしまえば必ず犯罪が起きるというようなことで、一種のガス抜きとしてギャンブルがどうしても必要だというふうに思います。  できれば、そこに暗い人といいますか、やくざが入らないように、明るいギャンブルをつくるべきだ。しかし、その辺のバランスは、余り手近にありますとそういうことが起きる。ですから、やや離れたところとか、やや制限があるのかなというようなことで、今までパチンコの成長はどうもそのような制限の範囲内であったというふうに思われます。ですけれども、現在はやや大き過ぎるのかなという感じがいたします。  それで、御指摘のようにギャンブルに財政依存することは困りますけれども、新しい行き方として、よく存じませんので生意気なことでございますが、例えばヨーロッパですと、がんを本人に宣告して、本人に家族に言っていいかどうかを聞くと。ですけれども日本は逆に家族に聞いて、本人にしゃべってもいいかと言うと。あるいは、オランダなんかそうでございましょうけれども、あの運河にさくを設けないで子供たちにぬれた服で水泳することを練習させる、それ以上はやらないと、こういうことであります。  ですから、ギャンブルも、どこまで突っ込んだというのはこれは本人の責任だということで、それを救うためにほかの人までやっちゃいけないということにはならないだろうということで、どうも考えますと、GNPの大体二%ぐらいがギャンブル支出の上限かなというように思っているわけでございます。
  84. 続訓弘

    ○続訓弘君 東京都が競輪、競馬、オートレースを廃止したときには、廃止するために実は三年かかりました。そして、その補償料は三百数十億を要しました。その三百数十億を捻出するのは大変容易なことではありませんでした。にもかかわらず、今申し上げたように家庭の悲劇、それを公からなくそうじゃないかというのが美濃部知事の哲学でありました。  先ほど来、一会社でいわば五百億ものプリペイドカードに基づく赤字が出た、そして十五兆円産業が三十兆五千億円の産業に膨れ上がっていると。そのもとをただせば、例のプリペイドカードシステムによる射幸心をあおるようなシステム導入されたがゆえだと、こういうふうにいろんな週刊誌等に書いてございました。これは地方行政委員会調査室が資料として私どもに提供していただいた中にもエコノミストの九連載の物語がございます。また、アエラもずっと続けてこの問題を特集しておられました。その他、週刊誌等にもこの問題がずっと出ておりました。そして、そのすべてに実は警察官僚との癒着というのが出ております。  私はこの間の委員会で、そういうことはあり得るはずはないし、またあってはならないことだ、警察当局としてこういう特集記事に対する反論をしてほしい、こんなことで反論をしていただきました。  そこで、庄司参考人に伺いますけれどもカード導入と警察官僚とのかかわりはどのように考えておられるのか、それは一切ないと断言できるのかどうなのか、あなたのお立場から御見解を承りたいと存じます。
  85. 庄司正英

    参考人庄司正英君) まず、このプリペイドカードの視点で私どもが先ほどるる御説明申し上げました純粋な気持ちがあったことも事実でございます。警察行政取り締まり行政から指導育成行政に大転換した、そういったことを受けて私どもは、それでは業界健全化を進めるに当たってどういつだことをすればいいのか、そういうことを真摯に考えながら、行政当局と相談をしながら、こういったカードシステム導入を我々業界自身が選択して決めた経緯も事実でございます。  今、どういうかかわりかと、そういう御質問に対して、私はその当時その籍にはありませんでしたが、平成五年から日遊協会長職を引き受けておりますが、るる言われるようなそういった趣旨を顧みない関係があって何かはかのことで決まったという報道もありますが、私は少なくともそうではないと申し上げたいと思います。  そういった中で、日遊協健全化近代化に向けての真摯な気持ち、活動をぜひとも御理解いただきたいと思います。
  86. 続訓弘

    ○続訓弘君 これまた私は信じたくありませんけれども、例えばプリペイドカード導入している業者からの申請は一カ月でおりる、ところがそうでない人からの申請はああだこうだといって延ばされてしまうと、こういう記事が載っておりました。そういう事実はございますか。
  87. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 確かに私どもの所轄レベル、いわゆる最前線のホール営業はそういった警察署との連携、防犯運動とかいろいろな活動においていろいろと相談、指導を受けております。これは何よりもそういった地域における防犯上の問題とか健全娯楽場としての治安保持とか、そういったことを包括的に含めた指導であります。  そういう中に、今申し上げたような業界もこういう健全化施策を取り入れたらどうかというようないわゆる働きかけ、これがあったことも事実だと思います。しかしながら、それではカード導入しないから許可を渡さない、こういった事案は私は存じません。  今、るる申し上げているような期間の問題は何をもって短しとするのかわかりませんが、いずれにいたしましても、申請書を提出してある期限内に答えを出していただくのは行政のお役目だというふうに理解しております。
  88. 続訓弘

    ○続訓弘君 また、同じ週刊誌によれば、その店舗しか使えないカードというのがもう完成されているにもかかわらず、先行二社の権益を擁護するという意味で許可をしない、要するに使用の許可をしないと、そういう記事が載っておりました。  これは日比野参考人にお伺いしますけれども、そういううわさを聞いたことがございますか。
  89. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) そういううわさを聞いてはおります。  しかし、それは雑誌とかに書いてあるうわさでございまして、実態であるかどうか。第四会社と第五会社が出てくるという話がありますけれども、それに対して我々が阻止しようというようなことをしたことはございません。
  90. 続訓弘

    ○続訓弘君 こういう偽造が蔓延して大変な問題になっている。あなたの一社だけでも五百億、合わせて六百三十億もの不正が現実に一年間か二年間で行われているというのが新聞紙上に出ているわけですね。そうすると、先ほどの話ではありませんけれども、とにかく問題を解決するためには、全国に共通のカードではなくてその店限りのカードを許可することによって防げるんだというような記事が載っておりましたけれども、それは事実でしょうか。
  91. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私どもとしては、システムそのものにもよりましょうけれども、それをハウスカードにしたから変造が全く防げるというふうには考えておりません。もう既に私どもシステムは一万三千軒何がしに入れていただいているわけでございます。私どもの入れていただいたシステムを生かしながら変造対策をしたい、そういうことを基本的な考え方として進めていきたいというふうに考えております。
  92. 続訓弘

    ○続訓弘君 最後の質問です。竹内参考人に伺います。  竹内参考人は、先ほど憲法九条とかあるいは安楽死の問題だとか比喩的におっしゃいましたが、大変私はいい比喩だなと思いながら伺っておりました。移民方々中心になっているこの産業、この移民方々のアイデンティティーをどう高めるかによってしか問題解決はないんだ、こういうお話がございました。だとすれば、その方策いかん、御見解を承ります。
  93. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私はよく存じませんけれども日本国籍を素直に取っていただけるような環境ができないかなというふうに思っております。  ただ、これはなかなかできないので、嫌な歴史もございますし、向こうの方はこの国の国籍は取れないかもしれないと、自負心がございますから。  そのように非常に難しい問題がここには絡んでいるのかなというようなことで、対策というのはどうもわかりません。  ただ、ゆっくり時間が解決するのかなと。今、やっと移民の方の二世とか三世の方が出てこられてそういう時代になりましたので、だんだん時間が解決してくれるのかなと。こういう方々日本国籍を取られたら本当にウエルカムで、我々が心から歓迎していくというような姿勢が必要かというふうに考えております。
  94. 続訓弘

    ○続訓弘君 私は、願わくばこのパチンコが本当に国民の共感を得るような完全な娯楽であってほしい。射幸心をあおらないで、そしてまた六百三十億もの不正が行われないようなそういう産業であってほしいということを願いながら、質問を終わります。
  95. 溝手顕正

    ○溝手顕正君 自民党の溝手でございます。三人の方、どうも大変御苦労さまでございます。  まず、竹内先生、庄司さんにお伺いをいたしたいのでございます。先ほど田村先生の方から話がありましたが、統計を見ますと、パチンコ産業三千万人、三十兆円という勢いで伸びておりますが、プリペイドカード導入によってそのカーブがより一層伸びたというような印象が数字から見て確かにうかがえます。しかし、私はちょっとこの辺にも疑問を感じております。  というのは、なぜこんなにパチンコが伸びたんだろう、本当にこのカードのせいだけなんだろうか。冒頭、竹内先生がおっしゃいましたように、ほかにもいろいろあると思うんですね、社会的な要因というのが。その点について、本当にこの五、六年で倍増近く伸びている、これを先生の立場とそれから事業主の立場からどうお考えになっているか、聞かせていただきたいと思います。
  96. 竹内宏

    参考人竹内宏君) ここで非常に射幸性の高い機械が一挙に出てきたということがございますけれどもホール業界方々の大変な御努力がございまして、今から十年ぐらい前と現在のホールと比べますと、本当にあばら家から宮殿のような大変化でございます。汚い話で恐縮ですけれども、トイレも実にきれいでございますし、私は、あの雰囲気からいきましても、本当にクリーンな我々の大衆娯楽であって、暗い面がなくなったなというふうに思われます。  ですから、ここに女性の地位の向上と相まって、女性の方々の参入といいますか、お客のマーケットが非常に広がったというようなことと同時に努力されているんじゃないか。別の面でいきますと、射幸性が高まることによる収入の増がそのホールに投入されていったと。  従来でございますと、暗い業界でございますから、できるならばここから脱却したいというふうに初代の方が考えられます。パチンコホールで収益を上げられた、それによって不動産に出られ、ホテルに出られ、ホテルのオーナーになったときに財界人として認知されるので、ホールだけだったら財界人として認知されません。  ですから、そういう意味でほかに投入されていきましたけれども、これだけ収益が高まり健全化することによってホールに投入されていったというような力が働いて、これが同時にマーケティングに働いた、マーケットを拡大することに働いたというような要因が明らかにあったというふうに思います。
  97. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 何をもってしても、人気の出た機械、先ほど来射幸性の部分だけにスポットが当たっておりますが、むしろディジタル機が登場した際にパチンコの概念を一から変えました。  これはなぜかと申しますと、いわゆるパチンコの勝ち方が技術論から確率論の世界に移りました。今まで技術論の世界ではプロがたくさんそういったものを獲得していたのが、一般の人たちが、初めての人でも確率論の世界で当たりが引ける、そういった面期的な機械が出たおかげでございます。そういうことだけではなしに、CR機にはゲーム性と新世代を引きつけるような内容をたくさん盛り込んであります。そういったことによって客層が大きく広がった。  それから、今先生も御指摘いただいたホールのオペレーションが大変な改革をして、ホール自体が一つの改革をなし得たということによってまた多くの幅広いお客様をかち得たこと。  そして最後に、国民レジャーに対する、もしくは適度な射幸性があるこういったゲームに対する認識、価値観が変化して一つレジャーとして位置づけられたこと、これらのことが相乗して私ども産業が着実に、三十兆円と言われるような規模を擁するようになったというふうに私ども解釈しております。
  98. 溝手顕正

    ○溝手顕正君 我が意を得たような気がするんですが、私は決してプリペイドカードが犯人ではないんではないかと思っております。電話の方は、割とプリペイドカードの方が使用料を引っ張るという要素が強いんじゃないかと思うんですね。このプリペイドカードというのはよそで余り広く売っておりませんし、また贈答品とかどこかの景品で配ったりもいたしませんし、だから私は、どうもその辺はパチンコ産業の伸びとはっきり区別して考える必要があるんではないかというような思いを持っておりました。  現実に田舎に帰りますと、よその奥さんの話ですが、そこのだんなにコーヒーが飲みたいと言ったら、よし連れていってやると言ってパチンコ屋に連れていったと、こういうような話も聞いておりますので、大変居住性がよくなったことは事実だろうと思います。  それから、もう一点は日比野さんにお伺いしたいんですが、NTTが変造カードでどれくらい損をしているか御存じだろうかという問題でございます。我々もそれなりに勉強して数字をいただいておりますが、最近の三年間ぐらい、平成五年、六年、七年にわたりますと、発行額と使用額というのが毎年数十億ぐらいの赤字になっております、NTTのカードが数十億の単位で。細かくは申し上げません。その前の三年、五年を見ますと、毎年数百億、五、六百億の黒字になっております、発行額と使用額が。ということは、最近、大変偽造事件が多い、偽造使用が多いという話でございます。  そう考えますと、最近の数十億の赤字というのは、実はもともと数百億余っていたということは、これは使わないで机の中に置いておいたり記念品にとっておったりいろんな理由があったんだろうと思うんですが、実質的な損害というのは六百数十億あるいは七百億というのがNTTの受けている損害ではないかと推定されるわけです。これについて質問をしたことがございますけれども、NTTも言葉を濁してはっきりしたことを言いませんでしたが、我々はそんな心証を持っております。  そこで問題なんですが、NTTのカードと比べてパチンコカードというのははるかに高級品を使っていらっしゃるんですが、その辺がまず第一点です。NTTというのは最近、実は毎年数百億の赤字を出している、そんなカードなんて初めから信頼性はないはずなんですね。ですから、どうしてそんなことをおやりになったのかというのも一つの疑問でございます。  それからもう一点、NTTの問題はだれが損をするかというと、NTTが損をするわけですね。  NTTが偽造されるカードを発行しているんですから、ばかを見るのはNTTで、NTTの責任なんです。何ということはないわけです。外国人が変造カードを使っているとかなんとかいいますが、上野の方でその変造カードを買ったりなんかして若干問題はありますが、基本的な問題はNTTに罰が当たっているわけでございます。  今回のプリペイドカードの問題も、これはもうカード会社が悪いんだと。そのために、派生的にだれが損をしているかといったら、もちろんパチンコに行っている健全な市民はだれも損をしていないわけで、使えなくて損をしているのかもしれませんが、当然の報いというのはカード会社が受けるべきだ、私はこのように思っているんですが、感想はいかがでございましょうか。
  99. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) テレホンカードの損害その他については詳しく承知しておりませんけれども、私どもがやり始めるときから、カードそのものそれからシステムそのものも基本的に異なるというふうに了解をしております。  詳しい技術的な問題はあれでございますが、カードそのものも、磁性体その他のものも非常に今複雑になっておりまして、暗号も違います。それから、大きな違いは、電話の場合は電話機とカード使用時点での端末との交信というのはしておりませんけれども、私どもコンピューターで玉を貸す端末までコントロールできるという一応ループになったシステムにしております。そういうことで、コードを変えるとかいろんなことができるということでは、基本的にはテレホンカードの技術をベースにはしながら、システム的にもカード的にも全く異質のものであるというふうに了解をしております。
  100. 溝手顕正

    ○溝手顕正君 NTTを信じたというような話が出ておりまして、今技術的な問題をここで細かく議論するつもりはございませんが、田村議員から御指摘がありましたように、カードの損というのはNTTも大変損をしていてとんでもないことをやっているんだと、だからあなた方が六百億というのは当たり前だと私は思っているんです。そう思っている人もたくさんいるということをぜひ御認識いただきたいと思うんです。  時間が来ましたが、もう一つ伺いたいことは、ギャンブルそのものの問題でございまして、続先生からお話がございましたように、私は余りギャンブルが好きでないものでございまして、パチンコというのは射幸性が強過ぎるという見解を持っております。そういう意味でもう少し何とかならないかということと、竹内先生のおっしゃっている気持ちもわからないわけではなくて、大変ジレンマに陥っております。  何を申し上げたいかというと、日本のギャンブルというのは、上がったテラ銭を何か公共のために使っているんですね。一種のメセナみたいなもので、福祉施設の増強に、競艇をやっても競馬をやっても競輪をやっても皆やっております。パチンコは何をやっていらっしゃるんだろうか。本人への配当とパチンコ店のもうけだということになります。  これは極めて日本的な発想なんですが、パチンコをすると福祉が充実するとか、サッカーくじじゃないですが、そういった要素の問題、これは言葉をかえると増税ということになります。三%掛けますと九千億といいますから、住専の処理金なんてすぐいけるわけでして、私はそういうことに動く可能性がないことはないと思います、これは考え方の問題で。  ですから、そういう意味で、もっと日本的な社会性を持つということに対してどうお考えになっているのか、簡単で結構ですから、三人の皆さんにコメントをお願いします。
  101. 竹内宏

    参考人竹内宏君) 私は、現金交換を第三セクターでして、そのときに一部をちょうだいして、明らかにわかる形でメセナというか寄附をいたしまして、その寄附が確実にわかるというようなものを何かつくって、みんなのサポートを得るようなことにしたらどうかということはかねがね考えております。
  102. 日比野弘和

    参考人日比野弘和君) 私も、そういう格好で何らかの社会的還元が必要ではないかというふうに考えております。
  103. 庄司正英

    参考人庄司正英君) 私も同様に、先般の生活安全研究会のレポートでも御提案いただいた、一定条件を付した上、また第三者社会的貢献を具備した形で換金需要の問題を解決していただきたいというふうに思っております。  何よりもこの業が、私もロータリアンとしてロータリーの精神で職業奉仕ということを意識しております。国の基礎と発展は職業、なりわいとしての誇りにかかっております。私ども産業はこの誇りを持ちたいがゆえに、またなりわいとしてのあり方を真摯に見詰めるがゆえに、この問題を解決していただきたいというふうに申し上げているだけでございます。
  104. 溝手顕正

    ○溝手顕正君 長時間にわたって大変お世話になり、ありがとうございました。  最後に、一言要望をいたしておきますが、竹内先生が御指摘になりましたように、戦争以来の問題を抱えた大変複雑な業界であるということは十分承知をいたしておりますし、私としては、パチンコ業界がさらに健全に発展するためには、一定の支持者が得られる、広がりが得られる社会奉仕というのは極めて重要な要素ではないかと考えております。ぜひ積極的に御検討いただければと、このように思っております。  ありがとうございました。
  105. 鎌田要人

    ○小委員長鎌田要人君) 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人皆様方に一言お礼の言葉を申し述べさせていただきます。  参考人皆様には、長時間にわたりまして御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。小委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十三分散会