○木暮山人君 どうも御苦労さまです。
局長は、口をお開きになれば
指導のモットーは懇切丁寧だと言われております。懇切丁寧で自殺者が出るわけはありません。
現場では大変な陣立てで
指導、監査が行われております。その会場に指名されて出る場合は何か法廷に出るような感じで、
厚生省関係の
保険課の方、それから県の
保険課、それとそれに関する人たちが大勢集まって一人に対していろんな質問をするわけです。また、ひどいときは机をたたいて怒りつける。そうやって
指導される方が、これは経験が豊富で、何か基準があってそういう行政の権限まで持っているのかということになると、そこまではないんじゃないか。
それでまた、そういう指定を受ける場合のシステムが物すごく狂っていると思う。それはどういうことかというと、県からまず
医師会、歯科
医師会に、ことしは何人ぐらいあなたの方で
指導、監査しますよと。それから、その中から今度県の方から、はい、じゃこの方たちはいかがなものでしょうと出すわけです。そんな事実は御存じないと思いますけれ
ども。
そうしますとどういうことになるかというと、いろんな悪弊が生じてくる。そんな悪弊の中でこの国民皆
保険が本当に国民に対して濃密な、高度な
医療を施していけるかといったら、私はこれはなかなか施していけないと思いましてこういう問題を表向きに今出してみたわけでありますが、きょうはこれをやるのには時間が三十分や四十分じゃとても間に合いませんもので、そういうスタンスを
厚生省の方ではひとつ十分お
考えになって、今、四月の大綱ももう一度ちょっと見直されたらよろしいんじゃないかと思う。
ということは、今の
医療保険というものは請負制ではありません。出来高払いです。それで約束事です。それで、今度
保険の
医療費の予算がこれぐらいことしはできたよというと、本当はこれは
厚生省でちゃんと点数を定めるべきだと思うんですよ。それをつかみ取りみたいに、各担当のグループに、おまえの方は二・二%予算上げたのに、勝手にしなさいよと。そんな二・二%というけれ
ども、頻度の余計なものと頻度の少ないものがありまして、頻度の余計なものだけで計算したら二・二%だけれ
ども、それは
余り必要のないような点数の上げ方で、本当に必要なものについて
保険点数は逆に下がったりしています。これは
厚生省がどうやって上げているか下げているか、中央
医療協議会も私はわからないと思いますよ。しかし、今のシステムがそうなってきているからそれでいいんだとおっしゃれば、それで私はいいと思いますけれ
ども。
そこら辺を
厚生省として今度の体系の中でもいわゆる出来高払いの最高の一〇%を監査とか
指導の
対象にするというような意向を持っているということは、これは萎縮診療をさせる。日本の
医療というのはもうこれ以上伸びない。それを抑制して今の延命治療を抑えるならそれでいい。しかし、今の延命治療そのものはいわゆる脳外科、これが脳の移植ができないということになれば、脳のいわゆる生命だけの人生になると思う。肝臓とか
腎臓を幾ら取りかえていっても、脳を取りかえることはできないでしょう、今から。そうしますと、そこら辺で延命治療を今まで
厚生省が放任してきた、いわゆる国民皆
保険の一番大事なところを放任してきた結果が、あと五年か十年たつと大変な問題になってくると私は思います。
そういう意味では、それを今から逆に予算だけで抑える、一番上の請求高の高い一〇%を
指導、監査の
対象にするなんということを細々今度の新しい大綱で書いてあるということは、これはちょっと
考えなきゃならないと思うんですけれ
ども、そこら辺のお
考えをお示し願いたいと思います。