運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1996-04-11 第136回国会 参議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年四月十一日(木曜日)    午前十時一分開会     —————————————    委員異動  四月十日     辞任         補欠選任      井上  孝君     海老原義彦君      倉田 寛之君     北岡 秀二君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         永田 良雄君     理 事                 石渡 清元君                 太田 豊秋君                 片上 公人君                 緒方 靖夫君     委 員                 岩井 國臣君                 上野 公成君                 海老原義彦君                 北岡 秀二君                 橋本 聖子君                 山崎 正昭君                 市川 一朗君                 長谷川道郎君                 福本 潤一君                 山崎  力君                 赤桐  操君                 大渕 絹子君                 山本 正和君                 奥村 展三君    国務大臣        建 設 大 臣  中尾 栄一君    政府委員        建設政務次官   沢藤礼次郎君        建設大臣官房長  伴   襄君        建設大臣官房総        務審議官     小野 邦久君        建設省建設経済        局長       小鷲  茂君        建設省都市局長  近藤 茂夫君        建設省道路局長  橋本鋼太郎君        建設省住宅局長  梅野捷一郎君    説明員        厚生省社会・援        護局援護企画課        長        紺矢 寛朗君        農林水産省構造        改善局建設部整        備課長      小林英一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改  正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 永田良雄

    委員長永田良雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十日、井上孝君及び倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として海老原義彦君及び北岡秀二君が選任されました。     —————————————
  3. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  両案の趣旨説明の聴取は既に終了しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 福本潤一

    福本潤一君 平成会福本でございます。建設会員会では初めての質問であります。ふなれですので、丁寧な御答弁をお願いいたします。現在、既に一九九六年ということでございますので、新しい五カ年計画ということになりますと二十一世紀、二〇〇一年を視野に入れて計画をする段階に既に入っております。  二十一世紀と申しますと、一九六〇年にはローマ・クラブが「成長の限界」という本、一九八○年にはアメリカ合衆国政府が総力を挙げまして、大統領報告書「西暦二〇〇〇年の地球」という本を出版しております。私もその翻訳に携わりましたが、いわば現代の文明がこのままの状態で推移していったとき、人口増加資源、エネルギー、食糧問題、地球環境問題という観点から見て二十一世紀にはかなり深刻な地球、人類の危機的状況が来かねないということで、二十一世紀から見た現代への警告書という趣を呈しておりました。知識階級に大きな影響を与えたものであります。  一九九二年にブラジルで行われた地球環境サミットでは、持続可能な開発、サステーナブルディベロプメントということが今後の大きな課題であるというふうに合意がなされております。また、国連の方からは、二〇二〇年ごろには石油どころか水にかかわる国際紛争すら懸念されるということが言われております。  こうした現代、二十世紀世紀末に、二〇〇一年を目標になされる下水道都市公園法に関する新たな五カ年計画の改定でありますので、過去の延長でいいというわけにはまいらないかと思います。とはいえ、下水道都市公園も、日本は先進国中でかなり整備がおくれているという段階にあります。その中で、より一層の普及促進及び施設充実が必要となってきておりますから、そういう意味では、今回の二法案には賛成の立場から、より充実を期す意味質問させていただきたいと思います。  最初に、下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部改正案についての質問をさせていただきます。  普及促進という観点から見ますと、第八次の下水道整備五カ年計画整備目標は、平成十二年で処理人口普及率六六%を見込んでおります。七次五カ年計画では、四四%から五四%と一〇%の伸び計画しておられるた。八次五カ年計画では五四%から六六%と、前回の計画を上回る一二%の伸びを予定しておられますが、その達成見込みをどういうふうに考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  5. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 八次五カ年計画達成見込みは、七次五計の七年末、大体五四%は達成できると思っているわけでございますが、それを一二%上げようということでございます。  そういった意味で、七次五カ年計画が四四を五四と一〇%に対して八次五計では一二%という事柄になるわけでございますが、果たしてその実行可能性がどうかという御質問趣旨だろうと思いますけれども、私ども長期目標を踏まえての普及率向上ということでございますので、まず、少なくともおおむね七〇%という観点から、下水道分については六六%ぐらいまでは達成していかなければいけない。それについて実現可能な数字かどうかということでございますけれども、一応、現在の二十三兆七千億という数字につきましては、調整費を除きますと残伸率が一一%程度ということでございますので、これは七次五計の補正等を含めた予算のつきぐあい等から見て十分努力可能な目標数値ではないか、こういう基本的認識に立っているわけでございます。
  6. 福本潤一

    福本潤一君 過去の五カ年計画達成されているとき 達成されていないとき、あると思いますが、達成されていないときの理由をお伺いしたいと思います。
  7. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) この七次五計、六次五計は達成できているわけでございますが、達成できていない状況、これは基本的に、景気対策等観点から補正予算措置が講ずることができなかった場合、あるいは予想以上の工事費単価上昇、こういった状況のときには残念ながら目標達成することができなかった。これが一般的な見方ということでございます。
  8. 福本潤一

    福本潤一君 今回は達成するように御努力をお願いしたいと思います。  続きまして、昨年の十二月に閣議決定されました「構造改革のための経済社会計画」では、公的主体により排水が衛生処理されている人口割合というものを二十一世紀初頭に九割を超える程度というふうに閣議決定されております。  建設大臣として、下水道について最終的にどの程度普及率になればよいと考えておられますか、その見解をお伺いしたいと思います。
  9. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 平成七年度における処理人口普及率は約五四%と見込まれておりますが、今後ともに都市機能整備に対する国民の要望に的確にこたえるためには、長期的な整備目標の設定とその達成に向けた計画的な整備を図ることが極めて重要ではないか、このように認識している次第でございます。  構造改革のための経済社会計画では、長期的な数値整備目標といたしまして、排水公的主体により衛生処理される人口割合を二十一世紀初頭に九割を超える程度にするとしているところでございまして、五カ年計画実施を通じまして着実にこの目標達成に向かって努力をしている次第でございます。
  10. 福本潤一

    福本潤一君 当面の計画をそのまま延長した段階では九割というのはなかなかいかない数字かと思いますので、今後のさらなる普及推進をお願いしたいと思っております。  続きまして、現実下水道普及がおくれている市町村対策としてどういうことを考えておられるかを聞きたいと思います。  現在、下水道普及がおくれている市町村というものが、昨年、平成七年度末で千三百十九市町村全国市町村の四一%に当たっております。これは未実施市町村技術者不足財政力などのいろいろな課題を持っておるからだと思われますが、建設省としまして未実施市町村が多い状況をどのように考えておられるか、またその課題は何なのか、お伺いしたいと思います。
  11. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生指摘のとおり、人口五万人未満の中小市町村処理人口普及率は極めて低い。平成七年度末見込みでも一七%程度と見込まれているわけでございまして、その普及率上昇が大きな課題になっているわけでございますが、基本的な問題は先生今御指摘の未着手市町村が非常に多いということでございます。  これについての基本的な問題、一つ技術者不足の問題、それからもう一つ下水道整備は非常に巨額の資金を必要とする、そういう施設整備でございますが、中小市町村財政状況が必ずしも十分ではない、こういったことが基本的な問題であろうというふうに私ども認識しているところでございます。
  12. 福本潤一

    福本潤一君 そういう未実施市町村におきまして、現実に起こっている問題としていろいろな課題が生じております。特に田舎、地方に行きますと都市化進展しまして農村地域都市化していく。そういたしますと、下水道施設も十二分にない、上水道を引くのがやっとだというような段階で、放流同意金という、家庭浄化槽処理水放流するときに土地改良区の水利組合にお金を払って現実対応するということが起こっております。回ったところでは、香川では讃岐うどんとかハーブとか新しい事業としてやっているようなところが月に百五十万円払わなければいけなかったりする。そういう意味では下水道整備されたところとかなり違う状況が生まれておるわけでございますが、そういう都市化進展していく途中段階下水道処理が必要になった場所をどの段階で進めていくか、これは中小市町村の問題でもありますけれども建設省としてはどのようにお考えかお伺いしたいと思います。
  13. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には、本来都市化進展するのに先立って基本的な基盤施設整備、したがって下水道もその基盤的施設一つとして整備さるべき問題、課題だろうと思いますが、残念ながら、戦後に公共下水道整備に乗り出したというタイミングのおくれもございまして、都市化進展になかなか十分対応できなかったということが基本的な要因だと。そういった意味合いで、全国的な都市化進展中小市町村においても都市化進展している状況でございますので、今後そういったことに十分対応していかなければいけない、こういうふうに考えているところでございます。
  14. 福本潤一

    福本潤一君 具体的にパーセンテージ等々出しにくいかと思いますけれども都市化進展に応じた下水道整備の方、よろしくお願いしたいと思います。  ここで、国と市町村、県の関係、また下水道事業団かかわりというものをお伺いしたいと思いますけれども、昨年、下水道事業団で談合問題が起こりました。若干の経緯でよろしいですから、その談合問題の経緯と、それに対してどういう対応策をとられたか、それ以後の経過が順調にいっているのかということをお伺いしたいと思います。
  15. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 下水道事業団の元関係者がいわゆる電気設備工事発注に関連いたしまして関与をしていたということ、そして最終的には公正取引委員会の告発を受けて起訴され、現在公判中、大変私どもも遺憾な事態ということで反有しているわけでございます。この問題に関連いたしましては、新聞報道が出た段階下水道事業団理事長トップでの調査委員元を設置していただきましていろいろ事情を調べていただいたわけでございますが、十分な調査が得られなかった。そういう状況のもとで、公正取引委員会が企業を告発する段階関与指摘記者会見で発表された。それを踏まえまして、私ども直ちに電気設備工事に関しましては発注方式改善するという措置を講じたわけでございますし、最終的に元工務部次長関与したということで、公正取引委員会が告発した段階建設大臣理事長以下関係者を処分すると同時に、私自身も調査が十分とれなかったということで注意処分をいただいたわけでございますし、そしてさらに今後の改善措置として全体的な特別監察大臣指示されました。  特別監察内容といたしましては、電気設備工事だけではなくて土木工事建築工事すべてについて公募型発注方式を採用する、大幅な入札制度改善、いわば透明化公正化を図るということでございますし、また情報公開等につきましても公開すべきものについてはすべて公開する、それ以外のものについては公開しない、そういう情報公開についての徹底措置を講ずるとともに、業者との対応についても透明な対応ができるように勧告され、そして、それについては現在完全に実施されるということで、これは参議院の決算委員会で実は警告決議をいただいているわけでございますが、そのとき中尾大臣からさらに特別監察改善指示、これが十分徹底されているかどうかについてのフォローアップをするよう指示がされたわけでございますが、現在その改善指示に従って適切な業務が執行されておる、こういうふうに私ども報告いただいておるところでございます。
  16. 福本潤一

    福本潤一君 その改善された入札制度で行われたのは、どの程度件数が行われておるわけでございましょうか。
  17. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) どれだけの発注件数がされたかということはちょっと今、後ほどまた数字については先生に御報告させていただきたいと思います。  要するに、その二十三億円を超える部分については条件つき競争入札ということでやっておりましたし、それ以下のものについてはいわゆる指名競争入札ということをしていたわけでございますが、それをすべて公募型の入札制度に切りかえたということで、客観的な条件に該当する業者についてはすべてこれを入札に参加させるという方式をとっているということで、例外的な事項はないというふうに聞いているわけでございます。
  18. 福本潤一

    福本潤一君 今後とも、そういう監督官庁である建設省のよりよき指導をお願いしたいと思います。談合、入札制度の問題に関しては、大きな問題ですのでまた別個の機会にでもと思います。  現在、こういう下水道事業また公共土木事業等々を、全国市町村、県で地方分権にかかわる希望というのはどの程度あるのかというふうに調査した資料があります。これは昨日、友党である公明から発表されたものでございますが、この資料地方分権希望を最も望む項目という一覧リストがあります。  都市計画関係が二五・四%、農地の転用が二二%、地方財源の強化が一四・四%、公営住宅関係が九・七%、あと道路河川土木関係が三・六%、下水道事業関係が三・〇%、教育関係が四・八%等とありますけれども、この結果を見ますと建設省にかかわるものがかなり多いということがわかります。公営住宅を除いたとしましても六四%が建設省にかかわる事業公営住宅九・七%ですので、六三・七%が建設省がかかわる事業地方分権に望んでおるという結果が出ております。  具体的な声としましては、例えば事業計画は国の認可とか合意が必要でありますので、全体設計とか実地設計、営業の変更等は国の承認が必要である、したがって多くの期間を要し過ぎる、施行の遅延にもつながっている、これを県の認可承認へ改めてもらいたいというような声に代表される声が一番大きいと思います。  これは細川元総理が、バスストップですら動かすのにかなりの許認可中央に持っていかなきゃいかぬというようなことを本に書かれたことがありますけれども、そういう意味では規制緩和に伴いこういう地方分権というものが、今後中央で全部管理、統括できない場合に移行していく方向性も二十一世紀に向かって必要か。  今回は五カ年計画ですので、全体計画ではありますけれども、そういう地方分権に対する態度を建設省としてはどういうふうに考えておられるかお伺いしたいと思います。
  19. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 都市計画関係行政に関します地方分権につきましては、私ども従来より都市計画につきましては市町村基本だということでその市町村決定の範囲を広げてきたわけでございますが、基本的な考えとしては私どもそういう方向対応してまいりたい。  ただ、国、都道府県市町村、これは適正な役割分担のもとで物事を進めるということで、基本市町村を重視するという方向ですが、やはり国の関与最小限関与は必要ではないか、こういう基本的な考え方に立って、現在地方分権推進委員会における審議を見守っているわけでございます。  下水道関係につきましては、下水道法事業計画認可も、これは不要ではないかという観点あるいはそれを公共団体におろすべきではないかという考え方が出されているわけでございますが、この下水道法事業計画認可につきましても、実は一定規模公共下水道につきましては既に大臣権限都道府県レベルに落としている、移譲しているわけでございます。これにつきましても基本的に国の役割というのは、都府県の行政区域を超える広域的観点からの調整、いわば下水道水循環一環としての位置づけの施設でございますので、そういった観点からの関与というのは最小限の形でも維持していかなければいけないと思いますが、地方の実情に合った下水道整備、しかも完結な形での整備ができるように、これは地方分権推進委員会基本的な考え方を踏まえて見直しをしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
  20. 福本潤一

    福本潤一君 そういう意味では、多くの公共土木事業地方と密接な関係、また地域住民と密接な関係にありますので、今後の地方住民の声をよく吸い上げる形で推進していただけることを希望しておきたいと思います。  下水道質的向上ということに関しまして建設大臣にお伺いしたいと思います。  水循環再生ということに関する具体的取り組みは、都市計画中央審議会答申等でも挙げられておりますが、昨年の七月にその答申で、下水道普及に伴い、汚水、雨水の多くが下水道を経由する、水循環再生という視点で下水道の諸施策を行うべきであると。今回の計画以外にも、流域下水道計画ということで、一つ市町村を超えた形の大型下水道流域下水道というものがかなりの高いレベル進展していっておりますけれども、大きな地域を含んだ望ましい水環境水循環像というものがどのようなものであると認識しておられるか、建設大臣に御意見をお伺いしたいと思います。
  21. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 下水処理水そのものが高度に浄化された上で、水洗トイレ、公園等におけるせせらぎ用水あるいは工業用水などに利用されているほかに、下水処理場からの河川への放流を通じまして貴重な水資源として活用されておるわけでございまして、特に水需給が逼迫しがちな都市部においては下水処理水の再利用に対する需要がより一層強まるものと考えられる次第でございますし、今後とも、下水道は良好な水循環を確保するために必要不可欠な施設であるという認識のもとに、渇水時あるいはまた災害時の緊急的な利用を含めまして、下水処理水有効活用を積極的に推進してまいる所存でございます。
  22. 福本潤一

    福本潤一君 大臣が言われたようにかなり広範囲、また省庁でいいますと建設省のみならず農水省厚生省、他省庁とのかかわりかなり出てくるケースが見受けられます。  昨年の十一月に朝日新聞で報道されましたけれども具体例一つ挙げますと、建設省農水省下水処理場集落排水施設が二つ一カ所に並びまして、それぞれ相互に違う区域を下水処理している。この両者が連携することがあるならば、計画段階処理施設を一本化していたら、初期投資と運営の費用は三十年間で十三億円の節約になったという見通しを言われている下水道課長もおられるわけですが、こういう他省庁との連携、協調というものは現在どうなっておるのかということを建設省にお伺いしたいと思います。
  23. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 汚水衛生的処理方法といたしましては、下水道法下水道事業のほかに、いわゆる実態といたしましては農水省構造改善局関係のいわゆる農業集落排水施設整備事業、さらには厚生省所管合併浄化槽、この三つの方法が具体的にあるわけでございまして、過去におきましては先生指摘のような多少ダブった投資というような事態もあったわけでございます。  私どもは従来から、県段階において関係市町村意見を聞いた上で、県、公共団体基本的にどういう種類の施設整備を行うかそういう計画を立てていただく。それに対して国がそれぞれ応援していく。そういう考え方対応してきたわけでございますが、関係省庁との間で十分意思の合致が見られなかったということで、過去におきましてそういうむだな投資指摘されるような事態が出てきたことは確かでございます。  この点は関係省庁で十分調整しなければいけないということから、去年、そういう関係省庁におきまして基本的な考え方がまとまり、現在それを公共団体にお示ししているわけでございます。その基本的な内容というのは、都道府県段階において都道府県基本構想、これを関係市町村と十分調整した上で定めていただく。そして、それはいういうことかというと、それぞれ地域実態に合った施設整備を行うという考え方で、具体的にどういう施設整備をするかということを都道府旧段階において関係市町村意見を聞いた上で定めて、これに対して国がそれぞれ応援する。そういう方向が確認され、徹底されましたので、今後はそういう事態は避けられるのではないか。そして、その際の具体的な基準等についても基本的なことは定められておりますので、そういった過去に見られたような事態は二度と出てこないだろう、こういうふうに思っているところでございます。
  24. 福本潤一

    福本潤一君 とかく縦割り行政の弊害という形で言われがちのところを現場では御苦労いただいておるわけだと思いますけれども、この点に関して、同じ質問でございますが、汚水処理施設というものを整備する事業というものを具体的に農業集落排水事業という形で実施しておりますが、この事業はどういう考え方で進められておるか。同じく建設省下水道事業との連携調整に関しては同様の問題が起こっておりますので、今後どういうふうに取り組んでいかれるかということを農水省の方にお伺いしたいと思います。
  25. 小林英一郎

    説明員小林英一郎君) 御説明いたします。  農林水産省では、農業構造政策一環といたしまして、農業振興地域対象農業用水水質保全農業用用排水施設機能維持農村生活環境改善、あわせまして、公共用水域水質保全に寄与することを目的農業集落排水事業実施しておるところでございます。  御承知のとおり、農村都市と異なりまして人口密度が小さく、集落農地の中に散在していることなどの特性を有しておりまして、農業集落排水事業におきましては、このような農村地域に適した小規模分散型の汚水処理システムを採用し、処理水農業用水としての再利用、汚泥の農地還元を図っておるところでございます。  農業集落排水事業下水道事業等はそれぞれの目的の違いによりまして対象地域規模等が異なることから、相互に調整を図りながら地域に最も適した施設整備していくことが効率的ではないか、そんなふうに考えておるところでございます。  このような観点に立ちまして、農業集落排水事業下水道事業との円滑な実施を図るため、従来より地方公共団体の担当部局間で協議、調整を行ってきたところでありますが、さらに平成六年十二月には、汚水処理施設整備関係する厚生省農林水産省建設省をメンバーとしまして、また自治省をオブザーバーとした汚水処理施設整備等に係る関係省連絡会議を設置し、汚水処理施設整備及び技術開発にかかわる情報交換等を行っておるところでございます。  この関係省連絡会議での検討を経て、昨年十二月には、市町村の意向を反映した汚水処理施設整備に関する総合的な都道府県構想を策定し、円滑な事業の推進を図るよう関係省共同で都道府県にお示ししたところでございます。  農林水産省といたしましては、今後とも関係省連絡会議等を通じて関係省と連携を密にし、農業集落排水事業の効率的な実施に努めてまいりたい、そんなふうに考えております。
  26. 福本潤一

    福本潤一君 下水処理に関してもそういう協調が今後行われていくということでございました。水という循環を考えてみますと、上水道、それを使用した下水道、それを処理した再生水を中水道としても使うという形で、上水、中水、下水という多くの循環で各省庁かかわりを持ってきているだろうと思います。  都市化した新宿高層ビル街等々では、ビルの中に下水処理施設を独自に持って、またその再生利用水をトイレの水洗等に使うというような形で循環型で閉鎖的に使える部分をかなり高めておりますけれども、また地方の大型団地等々では上水から下水まで完全に完備していく必要があるという状況が生まれておりますが、今後、こういう上水に関して、水利権に関しても農水省建設省との対応連携もうまくスムーズにやっていただければと思います。特に慣行水利権等々を含めて、かなり利水側の問題が生まれているケースがあるよりでございます。  参考に、特定地域名は言いませんけれども、例えば具体例としまして、建設省河川改修をした、そうすることによって近くの農業用水の井戸水からの取水等々が水がれしましてその補償をしなければいけなくなってくる。そうすると、その補償をたちまち水利権のある側に対応できませんので、下水処理水を、二次処理しただけでございますから二次処理ということになりますと窒素と燐は含まれている、これは水田に使えば栄養にもなるではないかということで、下水処理水を転用するという形で水利権を賄ったという現実具体例があります。  そうしますと、先ほどの単一のビル群だけではありませんで、地域で大きく広げた形で下水処理水の水利化ということが現実に行い得るのではなかろうか。建設省にはそういう地域全体での循環利用方式というものも踏まえて、水利権も踏まえた上での下水道処理水の有効利用というものも考えていただきたいという参考例でお話しさせていただきました。  下水道資源の有効利用ということに関しましては、またほかにもかなり現実に行われているケースがあります。コンポスト化ということで緑農地還元のためにかなりの下水汚泥を有効活用している。植物生産にも使ったりいろいろな形で有効化しておるようでございますが、この緑農地へ還元している現状及び今後の見通し、これを資源として使えるような形でどういうふうにして今後対応していかれる予定か、そのことについて建設省の御意見をお伺いしたいと思います。
  27. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 下水汚泥でございますが、大体年間に二百三十万トン発生しているわけでございますが、有効利用されているのは約四分の一というのが現状でございます。  その有効利用内容でございますが、れんがをつくるとかいろいろな面もあるわけでございますが、基本的にはコンポスト、先生指摘の堆肥として活用するということでございます。私ども、これにつきましてはこういう有効利用基本的な方向ということで考えております。  今回の関連する下水道法の一部改正でも、そういう有効利用によって減量化を進めるという基本的な指針を明文化したのもこういった考え方によるわけでございますけれども公共団体におきましては、このコンポスト化等の有効利用につきましてそれぞれ経済採算性が確保されるように公共団体としても助成しているというのが現状でございますので、私ども、こういった実態を踏まえてさらに有効利用が促進されるように考えてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
  28. 福本潤一

    福本潤一君 下水道に入る工場排水等の重金属、有害物質等々に十二分に対処していただきながら、そういうコンポスト化を含めて検討、対処していただければと思います。  引き続きまして、下水道施設の高度化の推進ということでお伺いしたいと思いますけれども、阪神・淡路大震災というものが現実に起こったときに、下水道についても被害があったというふうにお伺いしております。その被害状況及び復旧状況の概要を簡単に御説明いただきます。
  29. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 阪神・淡路大震災に際しましては下水道施設も被害を受けたわけでございますが、あの地区には八つの処理場がございます。とりわけ神戸市の東灘処理場では高級処理が不能となってしまいました。既成市街地の方から最終的に処理場に送り込む汚水の送水管、これは運河の下を通っていたわけでございますが、それが壊れたということで、一時的にはその運河を締め切って簡易処理の状態で流したという実態もあったわけでございます。  また、管渠につきましても、基本的には地下の埋設物ということでもございますし、それから水道と違いましてつなぎ手がきっちり固定されていない、ある程度伸び縮みが許されるという状況でございましたので、上水道ほど大きな被害はなかったわけでございますが、土砂が進入したりあるいは取りつけ管のひび割れ、マンホール、つなぎ手部分の破壊等の被害が出たという状況でございます。これについては、被害額で約七百億円ぐらいの被害総額が出たというのが現実でございます。
  30. 福本潤一

    福本潤一君 七百億ということで、下水道に関してだけでもかなり大きな被害があった。  橋梁、道路、高速道路等々に関して耐震基準というものの見直しというのが行われたようでございますが、下水道に関してのその基準の設定、またその実施状況等に関してお伺いしたいと思います。
  31. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 下水道の被害、とりわけ東灘処理場の被害、これは実は液状化現象によって施設が壊れたという実態でございました。したがいまして、既存施設の耐震性のチェック等、あるいは新しい基準、こういった観点から下水道地震対策技術調査検討委員会が設置されまして、第一次提言が平成七年の四月、第二次提言が平成七年の八月、二回にわたって報告されているわけでございます。  その内容といたしましては、処理場等の施設の液状化対策を強化すること、末端管渠取りつけ管の耐震性の向上、そしてさらに、今後一つの管渠が破壊されても切りかえることができるように幹線の二条管化、ネットワークをシステムとして構築する、そういった考え方も提言されたところでございまして、私どもそういった方向を踏まえまして現在着実な強化対策を進めているところでございます。
  32. 福本潤一

    福本潤一君 上水というものが一番たちまち大変な状況になるわけですけれども、長期に一年、二年と避難生活しておりますと、そちらの下水道の方も現実に深刻な状況を及ぼしているようでございますので、この耐震基準に見合った形の計画を推進していただければと思います。  今回の五カ年計画で新たに入った計画としまして、下水道法という中では現実には行われていなかった光ファイバーを第一種電気通信事業者によって設けられるということでございます。アメリカ、カナダ等では国内に幹線網をくまなく光ケーブルでめぐらすという情報ネットワーク計画が行われておりますけれども、日本は若干おくれをとっている。その中で下水道に光ファイバーを敷設されるということでございますので、その現実的な運用、具体的にどういうことを考えておられるかお伺いしたいと思います。
  33. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 今回、下水道法の一部改正で、従来禁止されておりました下水道暗渠の中に電線類の設置を認めることができるようにしたということでございますが、これは実は当初、下水道法制定時点では全然予想されていなかった事態が出てきたということを基本的な背景としているわけでございますが、それはその管渠の中に下水道の管理用の光ファイバーを敷設する公共団体が出てきた。  この背景というのは、ポンプ場等の維持管理につきまして人件費、維持管理の合理化という観点から、テレビによって遠隔操作する、その鮮明な映像をテレビでとらえるために光ファイバーを敷設する、そういう状況が出てきたということでございます。現在、全国で大都市中心に二百キロぐらいそういう光ファイバーが敷設されている。加えて、情報化時代ということで、できるだけ低コストの状況のもとで光ファイバーが電気通信事業者によって敷設されるような、そういう環境づくりも必要だという背景が出てきたわけでございます。  そういった背景を踏まえまして、実態上支障がないという限度において下水道法の管渠を有効利用できるように法律改正したというのが考え方でございます。
  34. 福本潤一

    福本潤一君 きょうの日経新聞にも、東京都が光ファイバーを使って雨量データ、流量データを遠隔地まで運ぶというようなことが報道されておりましたけれども、今後、この光ファイバーを使って民間利用とか、全国に敷かれた幹線網の枝線、そういった形で使われるようなことの要望があったときにそれに応じていかれるようになるのか、それともそのときには具体的に建設省として費用等々に関する運用指針等も考えておられるか  どうかというのをお伺いしたいと思います。
  35. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には当面はその管理用光ファイバー、これが実際的だろうと思いますが、既に公共団体の中にはいわゆる電気通信事業者へのその利用提供という考え方も出ているところでございます。  私ども建設省といたしましては、こういったその地下空間、これは道路の地下空間を含めまして体系的に活用していただきたいという考え方を持っているわけでございまして、電気通信事業者という観点から見れば、全国的なネットワークを担当する電気通信事業者、さらにローカルの電気通信事業者それぞれ役割分担が求められているところだろうと思いますけれども基本的にはそういう全体的な計画関係省庁とともに基本的な考え方を示していく、そのために関係省庁とも連絡調整会議を開いているところでございます。  そういった計画的な考え方基本的な考え方のもとに、それぞれの地域において実際上電気通信事業者の申請があれば公共団体の判断で対応するということになるわけでございますが、個々の判断に関しましては、地方公共団体の判断、これが当然尊重されるべきであろうと思いますけれども、どういう点が支障となるかどうかということについてはマニュアル的なものは示していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  36. 福本潤一

    福本潤一君 こういう光ファイバー等々、多角的な運用というものがほかの土木事業でも今後准むと思いますので、この先駆的な事業が成功すろように持っていっていただければと思います。  今回、網羅的にお伺いさせていただきましたけれども下水道事業というものを具体的に五カ年計画で推進するときに、今回の事業の案内のパンフレットに、浸水被害が五年に一回以上起こらかいようにするというふうに書いてありました。弄年に一回というと若干少ないように思われますけれども、統計的に見た五年に一回ですので、今後、現実には浸水被害やなんか起こるケースもかなり出てくるんではなかろうか。一級河川ですと、百年に一回とか二百年に一回というようなオーダーで統計上やって、それでも現実には三十年、四十年に一度起こったりということが行われておりますので、この五年に一回というふうに決めた根拠を最後にお伺いさせていただきたいと思います。
  37. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には先生指摘のとおり、確率が非常に大きければ大きいほど、高ければ高いほどいいわけでございますが、現在の雨水排水対策の現状からしますと五年に一回程度の大雨、これは時間雨で五十ミリぐらいの雨量でございますけれども、それでもきちっと整備できている率が四六%という程度でございますので、これをこの五カ年計画では一〇%程度上げるということを基本目標にしてとりあえず整備を進める。長期目標といたしましては、この五年の確率を十年に引き上げる、二十一世紀初頭段階ではそういった目標に向かって進めていきたい。その過程におきまして五年程度の確率を当面の目標にしていきたい、こういう考え方整備を進めているところでございます。
  38. 福本潤一

    福本潤一君 引き続いて、都市公園等整備緊急措置法改正案につきまして御質問したいと思います。我が国の公園の普及というものは下水道以上におくれている現状があるかと思います。イギリスではハワードが田園都市計画を提出した以後かかりの形で現実に田園都市風景が広がる町並みができ上がっていますし、ドイツでは人口が各地に令散している。我が国は一極集中型の都市形成が行われておりますので、都市公園の必要性というものも非常に大きなものがあるかと思います。  今回の五カ年計画を見ますと、都市住民一人当たりの公園面積が七・〇を目標ということの前期計画がほぼ達成したと。それを受けて九・五平米を今後目標にするということでございまして、なり前の都市計画中央審議会答申というものも十平米を一人平均与えるようにしたいというふうに答申を出しておりましたけれども、今回九・五としたということになりますと、この十を意識して、切り上げると九・五というふうな形の数字目標を立てられてはいないだろうけれども、そういう心配を若干抱いたりするわけですが、この九・五とした理由をお伺いしたいと思います。
  39. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 実は、この公園整備計画の際の一つ目標である一人当たり何平米という目標でございますが、〇・五とか一という数字が非常に重い数字でございまして、といいますのは、実は都市計画区域人口、いわゆる都市計画の守備範囲の人口というのは約一億人でございます。大体、都市計画区域というのは全国の二五%、四分の一でございますが、人口は約一億二千万のうち一億人を対象とするということでございますので、一人当たり一平米の目標達成するためには一万ヘクタールの公園を整備しなければいけないという、そういう勘定になるわけでございます。  そこで、私ども今回の五カ年計画を策定するに当たっては、目標と同時に事業費をできるだけ実行可能な数字を積み上げていかなければいけない、そういう二つの要請から五カ年計画をつくったわけでございますが、目標であるおおむね十平米という目標と、それから実行可能な目標数値としての事業費、こういう二つの観点から十・〇という数字目標とするには少し事業費の面で無理があるということで九・五平米という目標にしたというのが実態でございます。
  40. 福本潤一

    福本潤一君 大蔵省との折衝、予算等の関係もあるかと思いますけれども、今後二十一世紀初頭には公園面積二十平米という大きな目標、もう二十一世紀はすぐでございますので、公園後進国と言われている日本の地域住民のために、公園の一層の促進をお願いしたいと思います。  ただ、都道府県別で見ますと、北海道は二十平米をもう既に超えております。東京、神奈川、千葉、大阪、愛知というところで軒並み低い。昔どこが一番住みやすい都道府県かということで算出したときに、北海道が公園の面積で極端に点数を稼いで一番になったことがありますけれども、そういう意味では現実に必要とされている東京、三大都市圏、そういうところでの全国平均がかなり下がっている。そういう意味ではばらつきがかなり激しいという現実があると思います。  今後、二十平米という目標に対して、建設大臣としてはどういうふうに取り組んでいかれるおつもりなのか、その決意をお伺いしたいと思います。
  41. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 都市公園は、安全でなおかつ安心できる町づくりや、緑豊かな都市環境の形成に不可欠なる都市の根幹的施設であるという認識のもとに、昭和四十七年以降五次にわたる五カ年計画によりまして量的な拡大と質的な充実を図ってまいった次第でございます。しかし、我が国における一人当たりの公園面積は、平成七年度末見込みで七・〇平方メートルと、先ほど委員が言われたとおりでございまして、欧米諸国の主要都市に比べて極めて低い水準になっているということを私ども認識しているわけでございます。  このために、昨年末に策定されました構造改革のための経済社会計画等を踏まえまして、計画規模を前計画に比べて一・四四倍の七兆二千億円とする第六次都市公園整備五カ年計画を策定したいと考えている次第でございます。  今後とも、広域避難地となります防災公園や、長寿福祉社会に対応した身近な公園の整備等、国民の多様な要望にこたえるために、防災福祉担当部局等の関係省庁とも相まって連携を整えまして、そして都市公園整備に最大限の努力を払ってまいりたいと考えておる次第でございます。
  42. 福本潤一

    福本潤一君 今、今回の計画は一・四四倍になるということでございました。その事業費の中で調整費というのがありますが、この調整費が今回一兆六千七百億というかなり多額の金額になっておりまして、パーセンテージでもかなりの比率を占めるこの調整費というものの性格は何なのかお伺いしたいと思います。
  43. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) この調整費でございますが、各種五カ年計画に共通してこういった枠が設けられているわけでございますけれども基本的な考え方といたしましては、流動的な経済情勢、財政事情等に弾力的かつ機動的に対応するために設けるものというふうに位置づけされておりまして、例えば整備単価が大幅に上昇し、目標水準の達成がその枠内では極めて困難だというような大きな経済情勢の変化があったり、なおかつ財政的にも発動することが可能な状況のときにはその調整枠の中から事業費に切りかえる、そういう性格のものとして各種五カ年計画の中にはこういった枠が設けられているというふうに理解しているところでございます。
  44. 福本潤一

    福本潤一君 これに関してはまた時間があるときにやりたいと思いますけれども、今回もうあとわずかでございますので、防災に関することに関して若干最後に聞かせていただければと思います。  都市公園の中で、防災公園という形で位置づけておられますけれども設計上とか面積上とか機能上、例えば地下に貯水槽があるとか何らかの違いがあるものなのか、オープンスペースを中心に考えておられるだけなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  45. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 今先生指摘のとおり、防災公園ということで防災性の確保に最重点が置かれる性格の公園でございますので、おのずとオープンスペースの確保に力点が置かれるということにまず定性的にはなろうかと思います。  それから、防災公園ということに位置づけられますと、いわゆる耐震の貯水槽あるいは食糧倉庫、こういったものの整備、さらにはヘリポート、これを防災公園関連の基本的な三施設というふうに言っているわけでございますが、そういったことの整備に対して助成制度が適用される、こういう制度面の位置づけになっているわけでござ  います。
  46. 福本潤一

    福本潤一君 防災公園というものの位置づけでございましたけれども、神戸というのが政令指定都市の中では飛び抜けて一人当たり十五平米以上公園を持っている。ただ、今回の大震災で、長田区では一人当たりの公園面積が一平方台というようなことで現実に大変な被害があった。そういう意味では地域内のバランスというもの、神戸は多く公園があっても現実には防災スペースにはならなかったということでございますので、そういうバランスのとれた公園行政のあり方ということに関して当局の見解をお伺いしたいと思います。
  47. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生指摘のとおり、神戸市は十五平米という一人当たりの面積が整備されているわけでございますが、実態は大部分が六甲の裏側の奥ということで、今回被災を受けた地域についてはそれほど高くないというのが御指摘のとおりの実態でございました。  そこで、やはり防災公園というのは既成市街地、人口密集地域において整備されて最も機能を果たすものであるという考え方で、今回約二百ヘクタールぐらい被災地域を中心に区画整理事業が行われているわけでございますが、そういった区画整理事業一環として公園のオープンスペースが確保されるようなそういう計画が立てられているわけでございまして、またその事業の円滑な推進が可能となるような予算措置についても十分対応されているところでございますので、基本的な方向としては先生指摘方向整備を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  48. 福本潤一

    福本潤一君 この公園と先ほどお話を伺いました下水道、日本はともに後進国でございますので、今後より一層の発展充実を図っていただくということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  49. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 都市公園等は、安全で安心できる都市づくり、活力ある長寿福祉社会の形成、都市環境の保全・改善、個性と活力ある都市づくり等に資する基幹的な公共施設であります。  しかし、我が国においては一人当たりの公園面積は全国平均で六・九平方メートル、東京ではわずか二・八平方メートルです。諸外国におきましては、ワシントンでは四十五・七平方メートル、それからイギリスのロンドンでは二十五・六平方メートル、パリでは十一・六平方メートル、お隣の韓国のソウルでも十七・四平方メートルと、我が国とは比較にならないほどの面積を持っているわけでございます。  また、下水道普及におきましてもまだ普及率五四%と、これからまだまだ普及を深めて、より豊かな暮らしを実現していくことに今回のこの法改正、三つの法案ともそういうことを推進する立場から賛成できる大変喜ばしい法律の改正だというふうに思っておるところでございます。  特に下水道におきましては、これは海上保安庁の白書なんですけれども、この白書によりますと、まだし尿とふん尿等が一般廃棄物として約二百七十九万トンも海洋投棄をされているという現実があるわけです。一人当たり一トン排せつをするというふうに計算すれば、実に二百七十九万人分ものし尿やふん尿が海洋に投棄をされているという現状でございますので、ここは早急に下水道の完備をし、自然環境の保全にも資するという法にしていただきたいというふうに思っております。    〔委員長退席、理事石渡清元君着席〕  特に、今回の下水道整備緊急措置法の改正におきましては、前回、平成三年の四月九日に本建設委員会の附帯決議として、  公共用水域水質保全及び処理水の再利用を促進するため、高度処理を積極的に実施するとともに、下水道汚泥等の資源・.エネルギーとしての有効利用を図るための技術の開発及び実用化を推進し、あわせて下水道施設の多目的活用を推進すること。右決議する。 こういう決議をやっているわけなんです。  日ごろ私たちは附帯決議を法律の不備な点についてつけようと一生懸命努力をするわけですけれども、附帯決議をつけてもなかなかそれが日の目を見ることが少ないという現状の中で、建設省はこの附帯決議に沿った法改正、もちろん光ファイバーの導入もそうでございますし、さらに下水道工事の推進、それから汚泥等の資源への活用等々、今回の法改正に盛り込んでいただいたことは大変うれしいことというふうに思っております。  この三つの法案に対して賛成する立場で、きまうはちょっと具体的な問題になって恐縮でございますけれども質疑をさせていただきたいと思っております。  本来ならば都市計画法によって将来公園になるべく網のかかった土地ですが、正式には千代田区九段南一丁目五番九号の東京都市計画中央公園の一部が厚生省によって戦没者追悼平和祈念館の建設地にされようとしています。  この祈念館の建設申請者は建設省なので、しかも都市計画法は建設省の所管ですので、本日この委員会によって取り上げることにいたしました。中尾建設大臣におかれましては、以下の質疑をよくお聞きいただいた上で、御判断をよろしくお願い申し上げたいというふうに思っております。  この都市計画法の規制のかかった当該地がなぜ東京都知事の建築許可がおりたのか、お聞かせをいただきたい。都知事の許可とは、何法のどのような許可なのかということをまずお聞かせいただきたいと思います。
  50. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生指摘施設の位置でございますが、これは都市計画法の都市公園として計画決定されている地域でございます。  通常、都市計画決定で施設の予定地ということになりますと、都市計画法五十三条、都市計画制限というのが働きまして、木造二階建てのように容易に移転できる建物しか建てられないというのが原則でございます。しかし同時に、都市計画に適合する内容のものについては許可することができるという規定がございまして、都市計画公園予定地内におきましては、いわゆる公園施設的なものについては東京都知事の判断で都市計画法五十四条、都市計画適合という考え方で許可することができる、こういうのが都市計画法上の構成でございます。  今回の施設についても東京都は公園施設に相当するものという判断で、都市計画決定の予定地ではありますけれども施設の設置を許可するという考え方を示したものというふうに理解しているところでございます。
  51. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 都市計画法の五十三条の許可の条件は、次の五十四条で規定をされておりますね。その中にこの平和祈念館が基準として入るとはどうしても思えないわけですけれども、どこに適合させたわけでしょうか。
  52. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 都市計画法五十四条で、「都道府県知事は、前条第一項の規定による許可の申請があった場合において、」、つまり予定地内では計画制限が働くので、その計画制限のむとでの許可の申請があった場合において、「当該建築が都市計画施設」「に関する都市計画に適合し、」というのが一つの要件。都市計画適合か、または当該建築物が以下に掲げる要件に該当して容易に移転できるもの、この二つが都市計画制限が適用される地域において許可し得る建築物というふうに規定されておるわけでございます。
  53. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 その五十四条の規定の中では、この平和祈念館は許可できる建築物として認められるんですか。
  54. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的に、都市計画適合と判断する施設がどういうものかということはこの法律の枠内において都道府県の判断ということになるわけでございますが、一つ考え方として、都市公園法都市公園施設であれば当然都市計画適合として読むことについては、かなり一般的に他の公共団体において行われておりますので、私どもその判断は著しく不当性を欠くというような判断はできないんではないか、違法ではない、東京都の判断は尊重されるべき判断ではないか、こういう考え方に立っているところでございます。
  55. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 五十四条をもう一度正確に読んでください。
  56. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 都市計画施設に関する都市計画に適合するという条項が明文化されているだけでございますので、この条項に従って公共団体の判断権が与えられたというふうに考えているところでございます。
  57. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それでは一般に、許可というのは相手方の建物の用途等が明確にあって初めてできるのではないんですか。
  58. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的にはそういう考え方でございますが、この都市計画制限における建築申請に対しましては条件を付与することができるという規定が都市計画法の中でも明文化されているわけでございます。したがって、その条件でそういった都市公園施設に類する施設であるということが確保されれば、それを前提にして許可することは適法であろうというふうに考えている  ところでございます。
  59. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 都市公園と同等のものと認めたその条件というのは何ですか。
  60. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 都市公園法都市公開施設につきましては、いわゆる教養施設という概念がございまして、それについては都市公園法によって都市公園の中でも設置することができるという規定があるわけでございまして、その教養施設に関する条項でございますけれども、例えば図書館とか展示場とか、あるいは祈念館とかそういったもの、そしてそれぞれの政令では、教養施設については典型的な事例を挙げながら、その他これらに類するものという整理をしておりますので、これは基本的にはその範囲内で公共団体の裁量権が法律上も認められているのではないか、このように理解しているところでございます。     〔理事石渡清元君退席、委員長着席〕
  61. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 東京都の許可は、鉄筋コンクリートづくりで、地上十階、地下一階、敷地が二千百三十九平方メートル、建築面積千四百七十三平方メートルという、今決定をされた、見直しがされた建物以前の建物で許可がおりているんですけれども設計変更された後の許可はとれていますか。
  62. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) これは最初の段階の許可から内容の変更があったということで、改めて申請がされるというふうに私ども報告を受けているところでございます。
  63. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それはおかしいですね。五十三条の施行規則の中に、許可を受ける場合は、建物の構造とかそれから敷地面積とか概要をきちっと届け出た上で許可をしなきゃならないという項目があるんじゃありませんか。おかしいじゃありませんか。
  64. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生指摘事態が具体的にどういう事態かちょっと理解できないところがございますけれども、要するに公園施設であるかどうかということがわかる範囲内での申請、東京都の具体の運用実態がどういう格好で整理されているかということについては細部について私は承知しておりませんけれども基本的に、この申請があって一たん許可された後でまた内容についての修正があったというふうに聞いているところでございます。
  65. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 極めて国民生活に密着をした国有財産地、しかも東京都の都市計画中央公園内に位置する当該地に申請許可をする場合に、そこに建てられる建物の概要等々がきちんと決められた中で許可がおろされていたんですよ。ところが、その建物自体が設計変更になった時点で、さらに新たな許可申請をし、許可を受けなければ当然それは許可にならないと思うんですけれども、そこはどうですか。
  66. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) それは先生指摘のとおり、再度内容が変わったということで、形式上の問題かもしれませんけれども、再度許可申請があるというふうに報告を受けているところでございます。
  67. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それでは、青島知事からの許可はまだおりていないというふうに認識してよろしゅうございますね。
  68. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 今その内容が変更されている、そういう新しい変更を受けての施設についての許可はまだ与えられていないというふうに理解しております。
  69. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 鈴木前都知事がこの許可を出す条件として環境庁と厚生省に求めたことは、厚生省の所管の土地であるこの土地を、建物を建設した後には環境庁所管の国民公園に指定をするという条件、確約、しかもこれは局長レベルのただの確認書であって、何ら法的根拠を持たないこの確認書が提出されたことによって東京都知事はやむを得ずという文句を入れているんですね、この許可をするに当たって。やむを得ず許可をしなきゃならないかなという、本当に追い詰められた状況の許可になっているわけです。  それでは、この確認書の法的価値というのはどういうふうに認識しているんですか。
  70. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には、都市計画法の都市計画制限というのは、いわゆる公園施設として予定されている中に公園的なものが建つということであれば、それは都市計画公園として事業として整理する必要がない、したがって許可するというのが基本的な考え方でございますので、都市計画法上の五十三条、五十四条の制限という関係から見る限りにおきましては、公園類似の施設という判断があれば法的には可能であろり。  ただ、今回につきましては、なおいろいろ公園施設としての実態に近い管理がされるようにそういう確認書が交換されている、こういうふうに私ども理解しているところでございます。
  71. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 厚生省、来ておられますか。  国有財産である当該地を所管がえをするときに、厚生省所管国有財産取扱規程第十条によって、厚生大臣に申請をし、承認を得なければならないことになっていますね。大臣承認は得られていますか。
  72. 紺矢寛朗

    説明員紺矢寛朗君) 従来の厚生省考え方について御説明をさせていただきます。
  73. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 得られているかどうかだけを答えてください。
  74. 紺矢寛朗

    説明員紺矢寛朗君) 本施設につきましては平成五年度の予算にその建設費を初めて計上いたしましたところでございまして、その際に本件予定地に建設をするという決定をしておるわけでございまして、この厚生省の決定に基づきまして具体的な事務処理手続として局長レベルで協議をしてきた、その結果につきまして確認書という形で都庁に提出させていただいたものでございます。
  75. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 質問に答えていません。
  76. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 紺矢課長、質問趣旨をよく理解した上で回答してください。
  77. 紺矢寛朗

    説明員紺矢寛朗君) 本件につきましては、厚生省の決定に基づきまして具体的な手続として局長の判断として実施させていただいたものでございます。
  78. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 国有財産を所管がえする手続として、局長が相手方の環境庁と話し合った場合でも、その手続上大臣に申請をし、承認を得なければならないことになっているんですよ。それが得られているかどうかを聞いているんです。時間がないのですぐに答えてください。
  79. 紺矢寛朗

    説明員紺矢寛朗君) 委員指摘の国有財産の移転、所管がえという問題につきましては、先ほど御説明申し上げました施設が完成後に行うことになっておりまして、その手続につきましては今後実施していく、こういう位置づけでございます。
  80. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 今おっしゃったとおりです。今、そこはまだ国民公園にはなっていません。都市公園にもなっていません。都市計画法の管轄地であります。ですから、五十三条の規定によって、五十四条の許可条件がそろわない限りは、東京都はこれを許可することができません。そのことをしっかりと踏まえていただきたいと思います。  先ほど建設省は、あたかもそれが公園として、公園の施設として認められているかのごとくの答弁をしていますけれども、ここは違いますので、しっかりと指摘をさせていただきます。  それからもう一つ、法律的なことなんですけれども、用途の地域の容積率ですか、そういう制限からもこれは違法な建築物と言わざるを得ないわけです。本件の土地は、現在、用途地域の指定がされていますか。どういうふうに指定されていますか。
  81. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) この地域については用途地域が指定されているというふうに聞いております。
  82. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 用途地域の指定があるならば、その容積率、建ぺい率、高さ等の建築基準法上の制限はどのようになっていますか。
  83. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 用途地域は商業地域で、建ぺい率八〇%、容積率七〇〇%の用途地域が指定されているというふうに聞いております。
  84. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 商業用地ではないでしょう、ここは。中央公園の一角ですよ。ちゃんと通告してあるわけですから、ちゃんと調べて答弁してください。
  85. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 都市計画法の都市公園計画決定の段階では、通常、その用途地域の上に合わせて都市計画決定されるということでございますので、商業地域の用途地域の上に都市計画決定の公園予定地の決定がされているというふうに報告を受けているところでございます。
  86. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 都市計画法の所管の建設省がそういう御答弁でよろしいのですか。それでは、ここは商業用地として皆さんは確認をしているんですね。それでいいですね。——はい、わかりました。それだったら、商業用地としてどうして平和祈念館を建てないんですか。なぜ建てた後国民公園にする必要があるんですか。
  87. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 用途地域というのは、要するに基本的な土地利用の制限でございまして、それに加えて都市計画公園の予定地としての制限が働いている。  予定地としての制限というのは、将来その予定地が公園的な利用がされない場合には、事業執行によって最終的に目的達成しようという内容でございますので、いわば用途地域に加えてその制限が課せられる。そういう地域に、事業ではなしに個別の建築行為によって都市計画公園の予定地としてふさわしい利用がされるということであれば、それはそれで都市計画法の判断としては建築を許すことができる、そういうふうになっているわけでございます。
  88. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それならば、なぜ厚生省はわざわざ環境庁に所管がえをして建てなければならなかったのですか。許可がおりなかったからじゃないんですか。
  89. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先ほど申し上げましたように、その都市計画法の予定地制限ということに関しましては、都市計画に適合していれば許可することができるということでございまして、そして御案内のとおり、都市公園法都市公園、これはある程度弾力的な管理法が規定されているわけでございまして、個々の具体の建築行為によって、都市公園類似の施設都市公園法の公園施設として許容される範囲の施設現実に建つということであれば、それはそれで都市計画段階で許可することができる。  ただ、東京都の判断としては、なおその都市計画的な施設としての担保をより念を入れるために国民公園としての位置づけも条件として期待した。これが東京都の判断ではないかというふうに理解しているところでございます。
  90. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 東京都の判断は非常に苦しい判断をしているんです。五十四条の一項の規定は、私がちゃんとおっしゃってくださいと言ったのにあなたはおっしゃいませんでしたけれども、「容易に移転し、若しくは除却することができるものであると認めるときは、その許可をしなければならない。」、「階数が二以下で、かつ、地階を有しないこと。」、それから、「主要構造部(建築基準法第二条第五号に定める主要構造部をいう。)が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。」というふうに規定されています。  そうすると、平和祈念館は永久建物ですから、この建物は、簡単に移転できる建物とは全く違う。この五十四条で許可が許されている建物とは全く違うわけです。だからこそ東京都は、そこで五十四条の許可条件が得られないから、東京都独自で定めている都市公園及び緑地に関する都市計画法第五十三条一項の許可取扱基準の二の一に公園と同種のものというところに救いを求めたわけです。この公園の施設と同種のものというところで、国民公園に移管をするという環境庁の覚書がどうしても必要だったんですね。そういうことで許可がおりているということがあるわけです。  これは、だけれども、先ほど私が指摘をしてきたように、明らかに法律の枠を超えた形で取り交わされていますし、国民公園に移管をする手続さえも正式には行われていない。しかも、国民公園というのは、この規定がされたときに、国民公園という正式名称を使うようになったのは昭和二十二年の十二月なんですけれども、旧皇室園地に限り閣議決定によって国民公園とすると言っているんです。  しかし、この当該地は陸軍省の役所もあったというふうに聞いていますし、今は九段会館の駐車場ということで東京都の中央公園の一角と位置づけられている。しかも地目は宅地になっています。だから国民公園にはなれない土地なんです。そういう土地ですので、国民公園にすることを前提にする厚生省と環境庁の局長レベルでの確認圭というのは何ら意味もなさない。これを頼りにして出した東京都の建築許可もこれは意味が九い。  そして、その建築許可が出された後で設計変更がされているわけですから、新たにもう一度東京都に建築許可申請をし、許可をいただかなければ建築をすることができない。その平和祈念館を五月に着工しようとしている。しかも、建設省はみずからの所管、都市計画法を犯して、そして、さらに自分みずからが申請者になってこの建物をつくろうとしている。厚生省は何ら傷つかないんですよ、これ違法的なことでやったとしても。傷つくのは建設省でしょう。こういうことを今やろうとしている。  しかも、地元の住民たちはどう言っているかというと、まだ地元の合意が得られていない、あそこは防災の避難所として確保しておきたい都市公園なんだということを言っていらっしゃる。こういう住民の声、区長さんからも区議会からも、あるいは市民団体からも、もう少し住民としっかりと話し合って着工すべきであるという声が出ているわけです。  この声をしっかりと真摯に受けとめて、もう一度計画を練り直し、合法的に建てられるような形で建設をしていくべきで、私は、建設をどうしてもだめだと言っているわけではありません。しかし、法をつくり、法を守ることを国民に強いている私たちみずからが、自分たちの手で法を犯すような形でこういう建設をすることはいかがなものかということを強く重ねて申し上げたいと思います。  ここに、きょうは時間が三十分ということで短くなってしまってなかなか詰めることができませんけれども、朝日新聞のことしの三月二十日の新聞ですが、国民の投書欄のところに載った記事があります。この記事は私の思いと随分一緒でありますので読ませていただき、大臣のお考えの一端にさせていただければというふうに思っています。  「平和祈念館の着工は中止を」、逗子市石崎キんさん、戦没者遺族、七十九歳。   「戦没者追悼平和祈念館」建設に関して、盾生省は、本来高層の建築物は建てられない出京・九段会館前の緑地を、環境庁との「密約」により建設予定地として都の許可を取り、五月に着工する方針を決めたことを、本紙の報道で知った。   国民の歴史観・戦争観が問われる国立の施設を建設するというのに、その構想に関して国民的な論議の場も設けず、歴史学者や市民団体、戦没者遺族の批判や要請にこたえることもなく、景観、防災などについての地元区議会や住民の声も無視して、百二十三億円の巨費を投じて一方的に事を進める厚生省計画の意図に疑念を禁じ得ない。   「戦中戦後の国民生活上の労苦を後世代に伝えるため」というが、あの戦争を問い直し、加害の事実に向き合い、アジアの痛み、謝罪の思い、不戦の決意へと導かれる展示内容が欠落していては、「戦後五十年を期して後世代に戦争を伝える」という目的を果たし得ない。   「密約」を交わしてでも、この際計画を強行しょうとする省庁の姿勢を見ても、そこには平和を願い、真に戦没者を悼む思いからはほど遠いものを感じる。私たち戦没者遺族は着工の山止と建設構想の根本的見直しを強く求めている。 こういう投書が寄せられているわけでございます。私も、本当にこの投書と同意見でございます。  建設大臣、時間が不足して大変雑駁なやりとりでございますけれども、正確に法を照らしてみても、私は法律の専門家からきちんと勉強させていただいてきよう質問に立っています。法律で照らしても、まやかしの手続によって建設がされていて、しかも建設省は事実のところがよく知らされていない中でその施行主、申請者となって建てていかなければならない、こういう状況でございますので、五月着工というのを見直して、千代田区民の皆さんとの住民合意をしっかりとやり、しかも合法的な建物をつくっていくという決意を聞かせていただきたいと思います。
  91. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 大臣の御答弁の前に、事務的に一点だけ確認させていただきたいと思いますが、先ほど先生の御質問に十分にお答えすることができなかったためにちょっと混乱が出ている面があろうかと思います。  五十四条の許可でできるものは二種類ございます。これは条文上も、都市計画に適合し、または簡易な建築物、二種類ございまして、予定地でございますので、将来の公園整備として事業執行が容易にできるように強固な建築物は建ててはいけない、これが一つでございます。今回はこれに該当するわけではございません。  もう一つ五十四条で許可できるのは、要するに都市公園として公共団体整備しなくても、同じ類似の施設が個々の建築行為によってできればそれはそれで事業に結びつけなくてもいいではないか。そういう意味合いで、今回のこの祈念館が都市公園法の公園類似施設ということで許可できるものとして東京都は判断したんではないか。  さらに、通常の場合であればそれでもう都市計画法上は要件を満たしているというふうに我々は理解しているわけでございますが、なおより一層の適正な公園施設的なものとして将来も維持されるように国民公園としての位置づけを条件で規定した、こういうふうに私どもは理解しているわけでございますし、東京都もそういうふうに我々に連絡……
  92. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  93. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それでは、なぜ五十四条によって許可をすると書いてないのですか、東京都の許可書に。五十四条によって許可ができないんですよ。だから、回り回って許可しているんですよ。そんな認識はだめです。  もう結構ですので、大臣、済みません、お答えください。
  94. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 平和祈念館の建設工事を担当している建設省としましては、所要の手続をすべて踏まえた上で、厚生省とも協議を重ねながら、平和祈念館が広く国民に親しまれるような施設となるように、今後とも努力をしてまいるという気持ちを伝えたいと思います。
  95. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 議題となっております二つの法律案について、日本共産党は基本的に賛成です。  まず、下水道整備目標について確認しておきたいのですけれども、七次計画当時に、西暦二〇〇〇年までの中期目標として下水道処理人口普及率を七〇%程度まで引き上げるとしていました。八次計画についての昨年の都市計画中央審議会答申でも同じです。  ところが今回、八次計画では六六%とされています。これでも一二%上げたということが先ほど話が出ました。同僚議員への局長の答弁で、おおむね七〇%を六六%と言いかえをされました。七〇%と六六%というのは四%差がありまして、この数字は非常に重いですから、切り上げるということでは処理できないと思うんですね。こうした言いかえは、私は成り立たないと思うんです。  一刻も早くこういう計画を促進することが求められていると私は思うんですけれども、そして二十一世紀初頭の九〇%の目標、これは先ほど大臣も触れられたとおりですが、それが危ぶまれるんではないかと思うわけです。どうしてこういうことになっているのか、目標を切り下げたことにならないのか、まずこの点をお尋ねいたします。
  96. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) おおむね七〇%のところを、六六%でおおむね七〇%になるからそれによって目標達成基本的に合うんだという、そういう強弁をするつもりではございません。  この点に関しましては、実は今までおおむね七〇%と言ってきた段階では下水道を中心に物事が計画されていたわけでございますが、実態として農水省所管の農業排水施設整備事業、あるいは厚生省所管合併浄化槽、こういうものの実績が出てきている状況になってきているわけでございます。平成七年度末における公共下水道以外の事業によってどの程度水洗化がされているかということでございますが、現段階で大体七十万人程度ぐらいはそういう農水省所管の排水施設整備事業で水洗化されているということでございます。そういった意味合いでは、現行の五カ年計画ではまだ一%には達していない。いわば一億二千万人ということであれば〇・五、六%という状況になるわけでございますが、ただ、ウルグァイ・ラウンド等、農水省構造改善事業についても六兆を超える事業規模が五カ年で予定されているという状況でございますので、公共下水道では六六%程度目標にする。なおかつ他の事業による衛生的処理、水洗化、これは二、三%程度は期待できるんではないか。とりわけ農業改善については、現在その数字調整、法定の五カ年計画がございませんので明確なまだ調整には至っていないわけでございますが、七年度末で七十万ということであれば、五カ年計画、今後の五カ年間において約二百万程度は見込めるということになれば、それは二%程度は期待できる。  そういうことを考えますと、ここではまたこのおおむねを言わせていただかなければならないわけでございますが、六六%と他の事業による二、三%程度ということで、六九段階には行くのではないか。そういう意味で、おおむねという目標計画的な整合性はとれているのではないかという、こういう考え方計画したわけでございます。
  97. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 局長は大変苦しい答弁をされていると思うんですけれども、私も計算してみたんですが、農業集落排水事業など、コミュニティープラントとか、そういうのを全部合わせても九四年度末で大体〇・八%です。ですから、そういう七〇%という、しかも経済計画目標については七〇%を超えると、超えるですよ。六九%では超えないわけです。ですから、そういう形でやはり今言われた建設省以外のところを全部集計しても、農業集落排水事業等を恐らく四、五倍にしなければこれは達成できない、こうなるわけです。ですから、私はこれは質問ではありませんけれども、やっぱり大事な目標ですから、その点はごまかさないで、またあいまいにしないで、その点をきちっと見てこの事業を進めていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。  次に、都市公園下水道整備、どちらも促進する上で工事のあり方、中小企業への発注の問題について質問したいと思うんです。  現在、長期にわたる不況のもとで中小建設業者が仕事がなく、単価の切り下げ、不払いなどで苦しみ、倒産が相次いでいるわけです。公共事業を進めるに当たってこうした問題の改善を図ることは非常に重要だと思います。都市公園は五カ年で七兆二千億円、下水道は同じく二十三兆七千億円という莫大な投資が行われるわけです。こうした生活密着型の公共投資が国民生活の質的向上に役立つ、それと同時にやはり施工の面でも中小業者に仕事が回る、このことが非常に大事だと思うわけです。  そこでお尋ねですけれども都市公園下水道、全工事の中小企業への発注率、これは全体で何%か。国関係、つまり国、公団、事業団、そういったところで何%か、数字だけで結構ですが、お尋ねいたします。
  98. 小鷲茂

    政府委員(小鷲茂君) 御質問にございました資本金一億円未満の中小企業への発注比率につきましては、公共工事着工統計によりましてその数字をつかむことができるわけでございますが、平成六年度の数字で申し上げますと、まず公園事業につきましては、件数で八六・〇%、工事金額で五四・七%でございます。次に、下水道事業につきましては、件数で七六・七%、工事額で四八・五%でございます。これらを含めまして、全工事、公共工事全体で見ますると、件数で八三・七%、工事額で五二・一%となってございます。  このうち、御質問にございました国、公団、事業団に限って見ますと、公園事業につきましては、件数で五七・二%、工事額で三八・〇%。次に下水道事業につきまして、件数で二〇・三%、工事額で六・七%でございます。それで、すべての発注工事を合計いたしますと、件数で五九・五%、工事額で二六・〇%となっております。
  99. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 ここで配付いたしました資料、この表の一に今答弁があった数字、これは額のパーセントですけれども、それを挙げておきました。そのとおり符合しているわけですけれども、これを見てわかるように、例えば下水道六・七%ですね、国関係。しかも、その中で事業団は四・三%となっているわけです。やはり私は、どうしてこんなに中小企業への発注率が低いのかなと思うわけですが、これはなぜですか。
  100. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生今述べられました統計上の数値というのは下水道事業全般の数値でございまして、実は日本下水道事業団が受託するというのは、これはいわゆる処理場中心あるいは遮集幹線、非常に大型の事業を中心にしているわけでございまして、いわゆる末端の管渠等については受託することはないわけでございますので、基本的に大型の工事を、公共団体の能力のないそういう大型の工事について日本下水道事業団に委託する、そういう性格によるものと理解しているところでございます。
  101. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 事業団の問題に限ってもそれだけではないと思うんですね。やはり事業団は、有資格の企業が多数あるにもかかわらず、非常に大手に発注が偏っている、そう思います。  その端的な事例が、先ほども出ましたけれども日本下水道事業団の談合事件だったと思います。詳しいことは省きますが、今裁判が行われておりますけれども、この問題で非常に裁判の中で明らかになったのは、やはり事業団が大手の五社七五%、中堅四社二五%という大枠のシェアをつくってその中で談合していた。この実態が裁判の中でも明らかになっているわけです。  しかも、これは東京高検が独禁法第三条、不当な取引制限の禁止、その違反で電機メーカーの関連した人たちを起訴しただけではなくて、先ほど話にありましたけれども事業団の元工務部次長までも起訴した。独禁法には発注者を処分する規定がないわけですけれども、それにもかかわらず身分なき共犯という異例の起訴になった。ここにやはり非常に大きな問題があると思います。事業団の理事長も引責辞任いたしました。公正取引委員会事業団を告発し、監督体制見直し、再発防止などの措置を命じましたし、会計検査院も検査に入りました。日本の基幹産業を舞台にしたこうした談合行為、これが刑事事件として挙げられたというのはやっぱり史上初だと思います。建設省に対しても、新聞社説などで官製談合の元凶は建設省だとか官・業の癒着と厳しい批判が行われました。  問題は、大手が受注を独占しているこういう状態から、より小規模の企業、もちろん特殊の技能とか、大きな工事ですからそういう特殊能力等々が求められるとしても、より小規模の企業にどう仕事を移していくのか、これが問題だと思います。  そこでお尋ねですけれども事業団には問題になった電気設備のほかに土木建設、機械設備などの部門があるわけですが、それぞれ中小企業への発注をふやすという点で、建設省特別監察以降どんな改善が図られたのか、お尋ねいたします。
  102. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) まず、先生の御質問にお答えする前に、下水道事業団のいわゆる新聞報道で言う官製談合に関連しての問題でございますが、これはそもそも電気設備工事でございます。いわゆる中央の指令センター、これはコンピューターの複雑な機器ということで非常に限られた大手しかないということでございますので……
  103. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 知っておりますので、質問に答ウてください。
  104. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 中小企業への発注電気設備工事との関係は、ちょっと直接的な関係は無理があるのではないか。  御質問下水道事業団、一般的に中小企業の参加機会の拡大についてどのような措置を講じたかということでございますが、これは建設省としての基本方針に基づきまして各種公団、事業団につきましてとられた措置でございますが、平成七年九月十八日以降発注する工事に関しましては、いわゆる下位等級工事の金額の引き上げということで、土木工事建築工事につきまして、C等級工事の上限額を二億円から三億円へ引き上げるという措置。それから、水処理施設整備工事、電気設備工事についても、B等級工事の上限額を五千万円から七千万円に引き上げる。さらに、技術的要件等を満たす優良建設業者については上位の等級工事への参加機会を確保できるように措置を講じ、そうすることによって中小建設業者の受注機会の確保について対応措置を講じてきたところでございます。
  105. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 次の問題に移りますけれども都市公園下水道も自治体、地域に密着した事業でありまして、こうした事業に今比較的大手のゼネコンが入り込んできて中小企業の仕事を奪うという形が出ているわけですね。不況が長引く中でこの傾向は顕著になっていると思います。  九〇年度から九四年度までの五年間で、総事業費の評価額一千万未満の下水道、公園の工事が夢注額が減っている、中小業者への受注が減っている、そういう実態があるわけです。表の二を見ていただければと思うんですけれども、例えば五百万円未満の工事の大企業への発注率が九〇年度で一二・六%だったものが九四年度で一九・四%、五百万円以上一千万円未満で一〇・九%だったものが九四年度で一六・七%という形になっているわけです。  こういう形で、比較的大きな企業がこういう小規模な工事を受注するということが起こっているわけです。こういうあり方、特に公共事業でこういうことが起こっているということがやはり公共事業のあり方をゆがめているのではないかと思うんですけれども、なぜこういうことになるのかお尋ねいたします。
  106. 伴襄

    政府委員(伴襄君) お尋ねは、公共事業一般の話として承ってよろしゅうございますね。
  107. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それでも結構です。
  108. 伴襄

    政府委員(伴襄君) 特に下水、公園の特殊性につきましては先ほど局長が答弁しましたけれども、公共事業全般については、先生資料の表三にございますが、通常、公共工事につきまして特に中小企業の受注を確保するということで受注目標を立てまして、それに沿って、目標達成のためにいろいろと各官庁が努力するという仕掛けになっております。  大体その目標達成しておるんですが、この先生の表三で、私この数字のとおりかどうかはちょっと確認できませんけれども……
  109. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 後で計算してください。建設省資料からつくったものですから。
  110. 伴襄

    政府委員(伴襄君) 最後の一九九四年度のところの一般工事を見ますと確かに落ち込んでいるんですね。九三年度までは非常にいい調子で来ていたんですが、九四年度が非常に落ちているということなんで、特に我々もその辺は問題意識を持つておりまして、何とか中小企業の受注を確保するということで、特にこの平成六年度の、一九九四年度の数値を見ながら、何とかもとに戻すようにするという努力を各発注者はそろってやっているところでございます。
  111. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 東京の北区の土建業者とお話ししたときに、こういう声が出たんで紹介したいと田います。  今まで自分たちのところに区から来た公園修理とか、それは数百万円程度の仕事なわけですけれども、それが今みんな大手が持っていってしまう、こうしたことがおととし以来顕著になっている。区など、例えばこれまで数十万円程度の仕事はもう必ず来たんだけれども、一切声がかからなくなっている。こう言うわけですね。公園も下水道地域の町づくりにかかわる仕事で、地元の業者がやってこそ地域の魂が込められる。小さな仕事ぐらいはよこしてほしい。こういう嘆きですね。これは別に局地的なものじゃなくて、もう全部共通しております。  そこで 私、中尾建設大臣にお伺いしたいんですが、こうした切実な叫び、声に対して、今自殺者を生み出すような大変な建設業界、特に小規模のところですが大変な不況になっておりますけれども、こうした事態の中で建設業に最高の責任を持つ政治家として何を思われるのかお尋ねいたします。
  112. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) ただいま委員のるる御説明あるいはまた質問なさったことは、これは正攻法の質問だと思いますから、私は全く同感でございまして、建設業者の大宗というものは中小建設業者でございますし、あるいは中小・中堅建設業者の受注機会の確保を図るということ自体が地場産業としての建設業の健全な発展につながるという点も全く同感であります。そういう意味においては、地域経済の活性化を図るためには極めて重要な施策であると認識しておる次第でございます。  建設省としましては、これまで講じてまいりました中小建設業者の受注機会の確保対策について、直轄工事において徹底してまいることはもちろんのこと、関係省庁関係団体、地方公共団体に対しましても今後ともさまざまな機会をとらえて一層の周知徹底を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  113. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 工事全般について、先ほど官房長からも話がありましたけれども、この表の三にあるような状況なんです。やはり非常に懸念されます、これからどういう数字が出てくるのか。  今建設大臣からも御答弁いただきましたけれども、この問題は非常に大事だと思います。とりわけ、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律、これに基づいて毎年閣議決定されております。中小企業の受注の機会の増大のために措置を講ずるようにということです。ですから、そういった点で、今御答弁ありましたけれども、中小企業に仕事が回るように、建設省としてもそして大臣としてもぜひ全力を挙げていただきたい。このことを要望して、質問を終わります。
  114. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後四時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後四時二分開会
  115. 永田良雄

    委員長永田良雄君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  116. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 私は、自由民主党を代表いたしまして、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして御質問をさせていただきます。  都市公園の重要性というのは、午前中ずっといろいろ議論がなされてきたわけでありますが、まさに都市生活にとっては自然と人との触れ合いとか、あるいはまた生活に潤いを与え、心のオアシスとして日常国民生活に大変重要な私は施設だというふうに考えておりますし、同時に、昨年のあの阪神・淡路大震災でも見られましたように、被災あるいはそこからの復興の拠点地区ということで大変に重要な施設であるというふうに考えられるわけでございまして、そういったことを考えましたときに、今までの第五次五計では一人平均大体七平米という公園面積にほぼ達成できるというふうに聞き及んでおるわけでありますが、これからもなお一層これらの施設整備のために私は努力包していかなければならないというふうに考えておるところでございます。そこで、お伺いいたしますことは、まず第一番には、公園施設整備につきましての実は公共事業に占める割合が非常に少ないんではなかろうか、こんなふうに考えられるわけであります。建設省が出しております資料によりましても、公園の施設というのは本当に平成七年度でも微々たるものであるというようなことを考えましたときに、これらの施設充実ということに対しまして、防災対策観点からも、ひとつ二十一世紀の社会に向けて公園事業のあり方についてどうお考えなのかをまずお伺いいたしたいと思います。
  117. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 確かに、建設省一般公共事業における公園予算の比率は平成八年度の案の段階においても二・五%ということで非常に低いわけでございますが、ただ、ある程度長期的な期間をとって見てみますと、ちょうどこの第一次五カ年計画が始まった時点においては予算規模において百二十五億ということで、当時の建設省一般公共事業一兆三千九百三十八億の中の〇・九%、それが現在では規模にしては千六百六十一億ということで、絶対的に規模も大きくなっておりますし、パーセントも二・五%ということで、長いスパンで見るとその比率も大きく変化してきているわけでございます。  ただ、先生指摘のとおり、公園の機能の役割の大きさとの関係で見てみますと、まだまだ不十分であるということは私ども基本的な認識として持っているわけでございまして、そういった観点から、二十一世紀へ向けて都市公園整備を強力に推進していく必要があるという認識のもとで、今回、前計画に比べて一・四四倍の七兆二千億円の五カ年計画の案をお願いしているところでございます。
  118. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 ひとつこれからもシェアとして、やはり建設省予算の中でその位置づけを上げていっていただきたい、このようにお願いを申し上げるわけであります。次に、今までの五カ年計画と今回の五カ年計画とを比べまして、どういう特徴があるのか、またこういう違いがあるのか。今次五カ年計画以降、二十一世紀を見据えた重点施策があれば具体的にひとつお示しをいただきたいと思うわけであります。
  119. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的に都市公園は、安全、安心できる町づくり、あるいは緑豊かな都市環境の形成という観点からの根幹的な都市施設ということでございますので、今までの数次の五カ年計画においてもその規模と質を確保するということで基本的に整備を進めてきたわけでございます。  そういった基本的な考え方は今回の五カ年計画でも差はないわけでございますが、ただ、去年の阪神・淡路大地震におきましての知見、経験をもとに、やはり都市の補強としての安全、快適、利便性、基本は安全性の確保、したがって防災公園としての役割、これを基本的に第一番の課題として認識しようではないか、そういう観点から、今回の新しい五カ年計画における視点はいろいろあるわけでございますが、第一にこの防災性の確保という観点を五カ年計画基本にしていこう。それを第一として、そのほか、自然との共生とかあるいはレクリエーション活動の場の確保あるいは地域の特性に合った弾力的な都市公園整備ができる、こういった基本的な考え方で現在の新しい五カ年計画を要求させていただいているところでございます。
  120. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 そういった防災の観点からもひとつよろしく整備を促進していただきたい、このように思うわけでございます。  次に、公園施設のバリアフリー化というのをいただいております。緑豊かな都市づくりを目指してというパンフレットにも出ておるわけでございますが、確かにバリアフリー化というのは非常にこれからの高齢社会を迎えましても大変に重要なことだと思うわけでありますが、と同時に、その公園というものは身障者も利用するでありましょうし、また幼児あるいは幼児を連れたお母さん、こういった方々も利用するわけでありますから、今度はそこに到達するのに非常に困難性を有しているというふうなことも言われておるわけでございます。  そういったことを考えてみますと、やはり周辺一帯の道路などの整備もしていかなければならないんじゃなかろうかな、こんなふうにも考えられるわけでありまして、このような点につきましてどのようにお考えなのかお伺いいたしたいと思います。
  121. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 私ども、建設行政の基本的な政策として福祉政策大綱という大綱を出させていただきまして、建設行政における身障者あるいは高齢者、そういう方々に対して安全、安心の町づくりという考え方で各種の基盤整備をしているわけでございます。  先生指摘のとおり、とりわけ公園施設につきましては、そういう方々が利用する頻度が高いということでございますので、公園そのものについてそういう観点からの施設整備、具体的には、例えば公園の中のトイレに対しましても幼児を連れた御婦人の方々が安心して利用できるような施設整備、これを進めているところでございます。そういう公園施設自体、高齢者、障害者の観点からいろいろ整備すると同時に、周辺の道路整備に当たっても、そういう方々が安全、安心して利用できるようなバリアフリー化等の対策を進めていかなければならない。  これは先生指摘のとおり、私ども基本的な認識として持っているところでございまして、今年度から始まる第六次の特定交通安全施設整備五カ年計画におきましても、こういった公園施設周辺の道路整備についてのバリアフリー化等については重点的に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
  122. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 次に、先ほどからもお話が出ておりますように、防災公園というのは、さきの阪神・淡路大震災のときにもその役割が大変に認識されて、重要性が認識されたわけであります。ただ、災害というのはいつ起こるかわからない。しかし、それに対応するだけの公園設備が、施設がまだ日本国内では整っていないというふうなことを考えますと、その緊急性や必要性を考えてみましても、地方公共団体の財政負担の軽減を考えながら補助事業の枠の拡大をしていただきまして、例えば現在三分の一の用地取得費の補助率を二分の一に引き上げるとか、こういったことをいたしましてその整備の促進をしていただきたい、このように考えるわけではございますが、いかがでございましょうか。
  123. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 確かに、その防災公園の役割、重要性ということで、その整備を進めていかなければいけないわけでございます。そしてそのために、財政上可能であれば補助率等についても検討すべきかとは思いますけれども、現在の財政状況においてできるだけその整備を進めるということになってまいりますと、やはり国、公共団体役割分担のもとで進めていかなければいけない。  こういった基本的な状況のもとでどうするかということになるわけでございますが、先生指摘のとおり、二分の一に上げるということまでの大幅な改正はできていないわけでございますが、防災公園は従来はかなり大規模な都市に限定していたわけでございますが、それを十万以上の都市についても防災公園の整備を進めるという観点から、そういった地域における公園につきまして、いわゆる備蓄倉庫、耐震性貯水槽、あるいはヘリポート、こういったものを補助対象施設として加えるという格好でその整備の推進に努めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  124. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 時間もありませんので、この点もちょっといろいろ議論したいところもあったわけでありますが、次に進ませていただきます。  五次五計で都市住民一人当たりの公園面積が七平米になる、目標を大体達成するとお伺いいたしておるわけでありますが、しかし、国営公園だとか広域公園などの大規模公園につきましては、何かまだまだ進捗率が余りよくないというふうに感じられるわけでございます。  地元の話でまことに恐縮なんですが、福島県全体の広域公園の整備状況もまた同様でございます。ただ、私の生まれました原町市に東ケ丘公園という広域公園がございますが、これは平成五年度に国庫補助として採択をいただきまして、おかげさまで野馬追の里・歴史民俗資料館とか周辺の園路とか広場など、昨年の八月に一部開園させていただきましたことをこの機会に感謝を申し上げる次第でございます。ただ地元といたしましても、今回の六次五計によって相当また進捗させていただけるんじゃなかろうかなという大変な期待もいたしておるところでございます。  そういった中で、広域公園とかあるいは国営公園とかこういった大規模公園の整備というふうなものをどのように進めていくお考えなのか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
  125. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 先生指摘のとおり、防災公園等についてもその役割は非常に重要でございますので整備を進めなければいけないわけでございますが、一方において、広域公園、国営公園、こういった滞在型のレクリエーション需要にも的確にこたえていかなければいけないという観点がございますので、私ども、公園五カ年計画においては、こういった広域公園の整備についても重点を置いて対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。国営公園については、現在、十六カ所について事業中でございます。既に十一カ所については一部供用を開始しているわけでございますが、逐次計画的な供用開始に努めてまいりたいと思っております。  それから、先生、福島県の広域公園についての御質問がございましたけれども、確かに現在、福島県におきましては五公園全体で大体六百五十へクタールぐらいの広域公園の計画がございます。現段階では、このうち供用されておりますのが合計で百七ヘクタール、一七%程度にとどまっているわけでございますが、この五カ年計画、法律の改正が認められ予算が確定されるということになりますと、現在、福島県と調整はしているわけでございますが、県自体の考え方としては、これを五〇%を上回る率まで持っていきたいというふうに考えておられるようでございます。私どもとしても、基本的にはそうなるように応援してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  126. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 地方公共団体からの要望の中に、地方公共団体が行う都市公園事業に対する国の補助の率なんでございますが、政令の二十五条では、施設については二分の一、用地については三分の一となっておるわけでございます。しかし、この実際の運用面におきましては、その補助の対象は、ここにもございますが公園の種別で、例えば街区公園が四五%とか、近隣公園が六五%とかいうふうなことになっておりまして、実質的な補助率は政令の規定よりも少なく補助をされているというのが現実の状態でございます。  地方公共団体の財政負担が大きくなっているというふうな面と、それから地方財政が非常に悪いという事情も考慮をいただきながら、しかもなお公園整備の重要性ということを考えましたときには、これらの運用というのは廃止をすべきじゃないかというふうにも思われるわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  127. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には、その公園整備につきましても、国、地方公共団体役割分担のもとで整備を進めていくべきであろうという考え方に立っているわけでございまして、まず、国としての役割というのはできるだけ大規模な小園に対して助成していこう、比較的小規模ないわゆる街区公園的なものについては公共団体の負相でやっていただこうという考え方考えております。  八年度から現在の予算案が認められるということになりますと、今先生指摘のように、従来は補助率という考え方のほかに補助対象率という考え方を採用していたわけでございますが、もうそれは基本的にやめよう、補助率一本で行こう。ただその場合に、国が応援すべきものと公共団体が単独でやるもの、これを分けた上で、国が応援すべきものについては全部を対象として補助率を掛けた額を国費として補助していこう、そういう考え方に立って役割分担のもとで整備を進めていこうという考え方をとっているところでございます。  そして、基本的にその公園整備を進めるためには、やはり予算の額を確保することが非常に重要だと思いますので、それはそれでまた努力してまいりたいというふうに考えております。
  128. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 ただいまの御答弁で地方公共団体もある意味では大変希望が持てたのかな、こんなふうに考えられるわけでございます。  また、今回の都市計画中央審議会答申でも触れておられますが、公園行政に市民参加、市民ニーズ、市民のアイデアを取り入れる必要があるんじゃないかというふうな答申がされておるわけであります。  ちょっと言い過ぎかもわかりませんが、確かに、専門家が集まってつくられた公園には魅力というものが欠けているというようなことの中で、利用者が少ないということも一部言われているやにも聞いております。また、私が過般ちょっと報道を見ておりましたら、児童公園をつくるのに通学区内の子供たちにどういうアイデアがあるのか、どういう遊具がいいのか、こういったことをあなた方が全部自分たちで考えなさいということでつくらせた児童公園が大変に好評で、子供たちが自分たちの公園として利用しておるというふうなことも言われておるわけであります。  こういったことを考えましたときに、市民参加の公園管理とか運営とか、あるいは公園づくりなどに市民の意見を取り入れていくというふうな事例とか、そういったことがありましたらまたお伺いいたしたいと思います。
  129. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的に、先生指摘のとおり、私どもも市民参加の公園管理、運営、これが望ましいというふうに考えているところでございます。  これは、都市計画中央審議会でもそういった方向が出ているわけでございますが、例えば事例として世田谷区の奥沢七丁目の公園では、これは公園の施設整備内容についてワークショップ型、地域住民の発想で計画づくりをしていただく。それで、専門家を公共団体が派遣する、その費用を負担する。そして、専門家の方が市民の立場で地域住民意見を取り入れて案をつくる、それを公共団体が採用する。そういう事例がございます。  こういった基本的に日常生活にかかわる町づくり、これはもう公園施設整備はもちろん、街区の整備事業につきましても、今後はそういった方向地域住民の理解、さらには具体の案も住民側から出していただく。そして、そのために国、公共団体役割としては、公共団体がその地域住民の立場に立って案づくりができるように専門家を派遣する。その派遣費用に対して、いわゆる積み上げ的な補助ではなくて、メニュー補助の一環として、公共団体が与えられた補助の中で利用できるようにする。こういう方向で、今実は阪神・淡路地域における区画整理事業についてもそういう方式を採用しているわけでございますが、公園整備については典型的にそういう考え方をどんどん採用していくべき施設整備の事例ではないか、こういうふうに思っているところでございます。
  130. 太田豊秋

    ○太田豊秋君 大臣、お疲れのところお見えになりましたので、私はもう既に質問の要旨は建設省の方にお届けしてありますので、今までの議論をお聞きいただかなくても、大臣にはもうすべておわかりいただけると思います。  そこで、今次五計の策定に当たり、今事業の推進につきましての大臣の御決意などを最後にお聞かせをいただきまして、私の質問を終わります。
  131. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 衆議院の本会議の関係で、まことに御無礼でございました。まず冒頭におわびを申し上げまして、質問に答えさせていただきたいと思います。都市公園そのものは、生活環境向上都市の防災性の向上、あるいはまたレクリエーション活動の拠点等、多様な役割を持つ重要な生活基盤施設設備でございますが、平成七年度末の一人当たり公園面積は七・〇平方メートルと見込まれておりまして、欧米諸国に比べて依然として低い水準にとどまっております。このために、昨年末から策定されました構造改革のための経済社会計画等を踏まえて、計画規模を前計画に比べて一・四四倍の七兆二千億円とする第六次都市公園整備五カ年計画を策定したいと考えておる次第でございます。  今後とも、広域避難地となります防災公園や、長寿福祉社会に対応した身近な公園の整備等、国民の多様な要望にこたえるため、防災福祉担当部局等関係省庁とも深く連携を保ちまして、そして都市公園整備に最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
  132. 石渡清元

    ○石渡清元君 私は、下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部改正について御質問を申し上げます。  とにかく太田理事と百七十分をかなり詰めろと、こういうことでございまして、簡潔な答弁で結構でございます。  まず、第七次下水道整備五カ年計画は終わりましたが、それに対する評価、反省点、問題点があったらお答えをいただきたい。
  133. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 第七次五カ年計画につきましては、まず、事業費ベースで見ましても計画額を上回る額の事業実施できました。それから、目標である五四%という点につきましてもおおむね達成することができたわけでございます。そういった意味では、基本的には計画どおり実現できたのではないかという考え方を持つわけでございます。  ただ、反省すべき点といたしましては、実はこの五四%の普及率について規模別に見てみますと、五万人未満の中小市町村普及率が一七%ということで非常に低い。一方、いわゆる指定市につきましてはもう九五%を超える状況、こういう状況にあるわけでございます。  下水道事業、これはもう直轄事業ではございませんで市町村の事務であるということでございますので、市町村長の発意がなければ応援できないという点。それからまた、比較的財政力が弱い、こういったことも原因でこれだけの規模別の差が出たわけでございまして、基本的な原因はあるわけでございますが、ただ建設省といたしましても、下水道の必要性につきまして市町村長、地域住民の理解をもう少し得るように努力し積極的にそういう啓蒙活動ができなかったかどうか、この点については反省すべき点があったのではないか。  また、財政面からの中小市町村へのバックアップ、これにつきましても種々制度改善はあったわけでございますが、反省すべき点もあったのではないかという考え方に立っているわけでございまして、新しい五カ年計画においては、とりわけ中小市町村普及率が上がるように財政面、技術面、援助面で頑張っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  134. 石渡清元

    ○石渡清元君 そして、今回の八次五カ年計画ということになるわけでありますけれども、この五カ年の二十三兆七千億の確保の見通し。  そして午前中にもちょっと指摘がございましたけれども調整費が三兆七千億。これは調整費が一番伸びているんですね。あるいは全体の一五・六%。これもう少し説明をしていただかないと、午前中の答弁だといささか物足りないなという感じがいたします。  そして、高度処理人口。今までの計画ですと実績達成が七亘二十万。しかし今度は高度処理人口の積算を変えたというんだ。変えて、第八次は最終千五百万人だと。この積算を変えた根拠と、どういう形で千五百万人に至ったのか、それを説明願いたい。
  135. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) まず、第一点のこの二十三兆七千億の事業規模が確保できるかどうかという見通してございますが、調整費を除いた規模につきまして、いわゆる残伸率一一%程度を伸ばしていかなければいけないということになるわけでございますが、いわゆる当初予算ベースで、今までの伸び率が大体七%台ということから見ますと、その一一%というのはかなり目標としても高いのではないかという御指摘もあろうかと思います。  しかし、その点に関しましては、実はこの七次五計あるいは六次五計、一応規模、事業費が達成できた計画では補正予算かなり組まれているわけでございます。とりわけ七次五計におきまして補正予算が景気対策という観点からかなり組まれまして、その関係で、実績からいいますと一一%程度の実績があるということで、いわば目標としてのこの程度残伸率伸び率は確保できるのではないかという考え方に立っているわけでございます。  なお、確かに調整費というのが各種五カ年計画にあるわけでございますが、なかなか事務的にも説明しにくい枠組みでございますが、一応その目標六六%というのは、調整費を除いても達成できる目標ということでとらえているわけでございまして、大きな経済変動等で単価が大幅にアップする、こういう状況のもとでは調整費を取りましていかなければ目標達成できないのではないか、そういう意味でこの調整費が計上されているところでございます。  それから、高度処理の問題でございますが、先生、これは七次五計では実は高度処理によって処理されている汚水排水量を一人当たり人口で逆算した数字でございます。一人当たり大体汚水を五百リットル排水するという前提で、高度処理によって処理されている汚水の量を五百リットルで割った人口ということでございまして、その中には実は工場排水も入っているわけでございます。  今度の新しい五カ年計画では、純粋に高度処理されている処理区域内に住んでおられる人間の数、だから工場排水分はカウント外にする、そういうことで、七次五カ年計画でのベースで換算しますと七百五十万人相当。しかし、それは現実に処理区域に住んでいる人間は五百万人ということで、五百万人をもとに八次五計では出発していこう、こういう考え方で、ちょっとその点は混乱を招く要素があるわけでございますが、御理解いただきたいと思います。
  136. 石渡清元

    ○石渡清元君 まだ下水道法があるから、なるべく簡単で結構でございます。  さっき答弁の中で、下水道普及のおくれている市町村対策については、「今後の下水道整備と管理は、いかにあるべきか」という建設の方の答申にも出ている、都市計画中央審議会答申でも地方債の償還期限の延長等々がうたってあるんですが、幾つかの制度改善があったという今答弁をされたけれども、具体的にはどういう制度改善があったんですか、中小市町村対策として。
  137. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 基本的には補助対象範囲を中小市町村に対しては拡大してきているわけでございますが、そういったことのほかに、例えば基本計画策定費の補助限度額を引き上げるとか、あるいは技術者不足しているという事態対応するために事業団による技術援助、こういったことで対応をしてきたのが実態でございます。
  138. 石渡清元

    ○石渡清元君 もうどんどん進みますが、午前中にもちょっとありましたけれども、類似の下水道以外の各汚水処理施設に関する位置づけ。これ地方分権普及会のパンフレットなんかを見ますと、「下水道って何種類あるのか」という漫画で、N省だK省だ、さらに別にK省だと書いてあるんですよ。地方分権が進めば、これがさも合理的になるというようなことまで宣伝をされているんだけれども、前の五カ年計画のとき、私も建設委員会に属しておりました。政府委員として市川委員が答弁しているんです。あくまでもそれは下水道整備までのつなぎの、議事録に書いてあるんだから、つなぎの措置としてという答弁があるわけですよ。  ですから、それがなぜ五年間に何らかの形で統合するような、そういうふうにいかなかったのか。いたずらに、こういうことは僕は地方分権の問題じゃないと思うんだ。どういうふうに考えていますか。
  139. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) 計画論としては、公共下水道整備するという考え方もあり得るかと思いますが、ただ実際上は、実は既成市街地というのは必ずしも一点集中型ではなくて散在している場合があるわけでございます。  その場合に、それぞれ公共下水道整備していくには時間がかかるということであれば、それぞれ散在した既成市街地の集積を対象とするその地域の特性に合った処理施設、例えば合併浄化槽とかあるいは農業排水施設、これは公共団体の判断で当然あってしかるべきことではなかろうか。  ただ、最終的にそれぞれが整備された段階で、効率的に維持管理するという観点からつなぐべき場合について、公共団体の判断でつなげるように各省が協調していくということは基本的に必要であろう、こういうふうに考えているところでございます。
  140. 石渡清元

    ○石渡清元君 それでは次に、下水道法関係を御質問します。  発生汚泥等の処理に関する規定の整備、これは新しいあれですけれども平成五年実績で二五%というんですが、新五計では有効利用目標をどの程度に見込んでいるのか。それと、下水道空間の有効利用、これをどのように積極的に活用をしていくのか。特に、今も管理用の光ファイバー等を使っているわけです。これから平成八年度における下水道光ファイバーの利活用というのをどういうふうに取り組んでいくのか。あるいは、それに対する使用料負担、受益者負担というんですか、そういったような考え方を説明していただきたい。
  141. 近藤茂夫

    政府委員近藤茂夫君) まず、汚泥の有効利田でございますが、現在二五%ということでございますが、これについては、新しい五カ年計画では三五%程度に引き上げていきたいという考え方努力してまいりたいと思います。  それから、光ファイバーでございますが、現在、これは管理用光ファイバーとして活用されている部分も二百キロ程度にすぎません。そういう意味で、管理用光ファイバーの整備段階では先生指摘のような使用料という問題も出ないわけでございますが、行く行くは、当然電気通信事業者が下水暗渠を活用するということが出てこようかと思います。  その場合の使用料でございますが、基本的には、これは下水道法に基づく管理条例でその額等について規定がされることになろうかと思いますけれども一つの大きな考え方としては、光ファイバーが敷設されることによる維持管理の費用の増嵩分、これは最低限いただかなければいけないだろう。そういう考え方で、これは今後の光ファイバー活用の状況を見ながら、公共団体ともどもと少し相談して考え方を整理していこうというふうに思っているところでございます。
  142. 石渡清元

    ○石渡清元君 それでは最後に、大臣にお伺いいたします。  この新五カ年計画策定あるいは実施に向けての大臣の決意、並びに下水道空間有効利用に向けての大臣の所見を承って、私の質問を終わります。
  143. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 石渡議員にお答えいたします。  下水道は、生活環境向上、浸水の防除、公共用水水域の水質保全などを目的とする重要な生活基盤施設でございますが、平成七年度末における処理人口普及率は約五四%と見込まれておりまして、いまだ国民の要望に十分にこたえ得るには至っていないという状況にあると考えます。特に、中小市町村における普及のおくれは大きな課題となっているわけでございます。  このため、昨年末に策定されました構造改革のための経済社会計画等を踏まえまして、計画規模を前計画に比べて一・四四倍の二十三兆七千億円とする第八次下水道整備五カ年計画を策定し、中小市町村への普及拡大、下水道資源施設の有効利用等、下水道整備に対する国民の要望に全力を挙げてこたえてまいりたいと考えておる次第でございます。
  144. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  145. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  146. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾建設大臣
  147. 中尾栄一

    国務大臣中尾栄一君) 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案並びに下水道整備緊急措置法及び下水道法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。  ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
  148. 永田良雄

    委員長永田良雄君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 永田良雄

    委員長永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十三分散会