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1996-05-21 第136回国会 参議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年五月二十一日(火曜日)    午前十時開会     —————————————    委員異動  五月十六日     辞任         補欠選任      亀谷 博昭君     岩井 國臣君      栗原 君子君     矢田部 理君  五月十七日     辞任         補欠選任      岩井 國臣君     亀谷 博昭君      矢田部 理君     栗原 君子君  五月二十日     辞任         補欠選任      岡部 三郎君     岩井 國臣君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         寺崎 昭久君     理 事                 鹿熊 安正君                 河本 三郎君                 鴻池 祥肇君                 横尾 和伸君     委 員                 岩井 國臣君                 亀谷 博昭君                 鈴木 政二君                 二木 秀夫君                 松浦 孝治君                 吉川 芳男君                 泉  信也君                 戸田 邦司君                 平井 卓志君                 瀬谷 英行君                 渕上 貞雄君                 筆坂 秀世君                 末広真樹子君                 栗原 君子君    国務大臣        運 輸 大 臣  亀井 善之君    政府委員        運輸大臣官房総        務審議官     相原  力君        運輸省鉄道局長  梅崎  壽君        運輸省自動車交        通局長      山下 邦勝君        運輸省海上技術        安全局長     小川 健兒君    事務局側        常任委員会専門        員        志村 昌俊君    説明員        公正取引委員会        審査部管理企画        課長       梶山 省照君        資源エネルギー        庁石油部流通課        長        加藤 文彦君        労働省労働基準        局監督課長    長谷川真一君        建設省都市局街        路課長      奥野 晴彦君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○自動車ターミナル法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○外国船舶製造事業者による船舶不当廉価建造  契約の防止に関する法律案内閣提出衆議院  送付)     —————————————
  2. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十日、岡部三郎君が委員辞任され、その補欠として岩井國臣君が選任されました。     —————————————
  3. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 自動車ターミナル法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 泉信也

    泉信也君 ターミナル法議論に入ります前に、一、二関連したことをお尋ねいたしたいと思います。  昨年十二月に行政改革委員会が総理に提出したいわゆる規制緩和に関する意見がございます。また、ことしの三月二十九日に規制緩和推進計画の改定ということで、自動車関係は三十七項目あるというふうに承知をいたしております。  そこで、規制緩和問題について少しお尋ねをいたしますが、いわゆるトラックタクシー等ございます中で、営業区域拡大あるいは最低車両台数のことに関しまして今運輸省ではどういう取り組みをこれからなさるおつもりか、お答えをいただきたいと思います。
  5. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) まず、タクシー事業についてお答え申し上げますと、タクシーにつきましては、地域の実情を踏まえまして複数の市町村から成ります交通圏の設定を進めてきたところでございますけれども、こうした措置をさらに進めていく所存でございます。  また、東京等大都市地域中心にいたしまして、事業参入が余り活発に行われていないじゃないかという御指摘もございます。必要な最低車両数基準引き下げを行う予定にいたしておりまして、現在その基準検討を行っておるところでございます。  次に、トラック事業でございますが、トラック事業につきましては営業区域の見直しを進めておりまして、これについては既にある程度進んできたところでございます。例えば、本年四月から二つ営業区域について拡大を行ったところでございますが、今後につきましても、経済実態道路整備状況等を踏まえまして運行管理に支障が生じないことを、きちんとした管理がなされるということを確認した上で逐次拡大を進めてまいる予定でございます。  また、トラック最低車両台数につきましても、本年四月から基準引き下げまして地方運輸局間の格差を是正いたしました。先ほど委員指摘計画におきまして、将来的には全国一律五台となるよう段階的にその引き下げを図っていくということになっておりますので、この環境を整備いたしますために特に運行管理等についてきちんとした配慮がなされておるということを確認の上、こういった計画の実施に向けて努力を重ねていく所存でございます。
  6. 泉信也

    泉信也君 今、局長お答えいただきましたトラックの五台という数値が出ておるわけですけれども、この数値がなぜ五台かといったあたりが明確になっておりませんと、三台でもいいじゃないか一台でもいいじゃないか、こういう議論にも発展しかねないのではないかと思いますが、どういうお考えでしょうか。
  7. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) これは、物流二法と申しておりますが、平成二年の抜本的な改正におきまして、経済的規制はできるだけ少なくして、ただ社会的なルール、規制はきちんと守らせるということが基準になっておるわけでございます。最低車両台数は、先ほど申し上げました運行管理がきちんとなされるためにはやはり管理者を配置しなきゃいかぬだろうということで、そういった者を置くために、一台に一人置くというわけにいきませんので、これを配慮いたしまして五台、最低これぐらいはどうしても一人置くために必要だろうということでなされたものでございます。したがいまして、これでもって何か事業規制をしようということではございません。
  8. 泉信也

    泉信也君 今お話しのように、先発グループ新規参入を排除するためにとかそういう考え方ではなくて、安全管理という、今局長お答え運行管理というような視点からきちんとした考え方を打ち出してほしい、私はこのようにお願いをしたいと思います。  そしてまた、もう一つトラックについてお尋ねをいたしますが、いわゆる分割不可能な重量物輸送に関して輸送の効率を図るためという規制緩和要望が出ておりますが、このことにつきましてはどんな取り組み方がこれからなされることになりましょうか。
  9. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 分割不可能な物につきましては、各省いろいろ関連してまいりますが、一定条件をつけまして運んでいいということにしておるわけでございますが、実はその帰りを空で運ぶというのは非常に非効率的だということで、その場合にもう少し柔軟な対応があっていいのではないかという御指摘を受けております。この場合に、どういつだ条件をつけてどういうふうにすれば輸送の安全を図れるか、そこらを含めまして今関係各省で協議をいたしておるところでございます。
  10. 泉信也

    泉信也君 規制緩和に絡んでもう一つ整備の話をお尋ねしたいと思います。  民間車検場検査の際に、同一工場での点検整備という今制約がございますね。それを見直すようにという意見が出ておりますが、このことについてはどんな取り組み方をなさる予定でしょうか。
  11. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 確かに昨年十二月の行政改革委員会答申によりますと、現在、民間車検場検査の際には事前点検整備を同一工場で行わなければならない、こういうことにされておりますけれども、その制約を見直して民間検査により柔軟性を持たせて民間の能力を一層活用することを検討してほしいという要望でございました。  これを受けまして、私ども二つのことを考えておるわけでございます。  一つが、指定整備工場におきまして点検の際にユーザー検査情報を先に得られるように、それでもって整備ユーザー判断でなされるような道をきちんと開くようにということで、こういった運動を今進めておるところでございます。  もう一つは、今委員指摘検査施設が別のところにあってもいいじゃないかというお話でございますが、みずから検査施設を持たなくても別の工場検査施設を使えるような形で、それをどういう条件の場合には認めるかということを現在検討いたしておるところでございまして、これらにつきましてはなるべく早く実施できるようその内容を公表する予定にいたしております。
  12. 泉信也

    泉信也君 民間活力と申しますか、そうした多面的な点検整備ができる仕組みというのはこれから大いに取り入れていくべきだと思っておりますが、指定整備工場が、他の工場整備された車を持ち込まれたときに責任を持って引き続き仕事ができるかどうかという大変微妙な問題が現場では起きてくると思います。ですから、これからの検討に際しましては、現場実態をよくお聞き取りいただきまして混乱がないようにしていただきたい、こんな思いでございます。  この規制緩和の問題については、運輸省の方で新たな計画に盛り込んだ主な事項ということで書類を出しておられますが、これが八年度までとか八年度以降というふうにスケジュールが必ずしも明確でない部分が実はあるわけでして、これはやむを得ない面もございますが、一般消費者あるいは企業の経営者にとっては、いつからこの制度が変わるかということは大変経営上も気になる点であります。したがって、以降というようなところはできるだけスケジュールを明確にしていただきたい、こんな思いを持っております。  それからもう一つは、規制緩和のある程度の落ちつき先、どこまでいくのかわからない、次々に時間とともに内容が変化していく、こんなことが見受けられますので、十年計画でここまでやるというようなプログラムを明確にしてぜひ進めていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、次の問題に移らせていただきますが、先日、自動車安全情報というものが公表されました。私は大変これはすばらしいことだと評価をしておるものでございますが、このパンフレットと申しますか、これはどれくらいどこに提供されて、市民の反応みたいなものがおわかりでございましょうか。
  13. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) まず、自動車安全情報配付先でございますけれども、一万五千部ほど用意をいたしまして、これを作成いたしました事故対策センター、また私ども陸運支局等において配付をいたしておるところでございます。  一般ユーザーやマスメディアから非常に問い合わせが多く寄せられておりまして、今さらながら七千万台の自動車が国民の中に普及して非常に関心を呼んでおるということの意を深くしたわけでございます。また、試験結果の詳細データを発表いたしておりますので、こういったものが雑誌に掲載をされておりまして、こういったものについて一般ユーザーから非常に関心を呼んでおります。もちろん、いろんな見方はございますし、初めての試みでございますので、今後こういったものをどういうふうに適正にやっていくのか、各界の意見を聞きながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。
  14. 泉信也

    泉信也君 この情報は、まさに車種名を出してオープンにされたということが私先ほど申し上げましたように評価をすべき点だと、こんな思いを持っておるわけですが、メーカー側からの反応はいかがでしたでしょうか。
  15. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) この公表に当たりましては、実は平成三年度から五カ年間検討を進めてまいったわけでございます。その間、専門家の方々にお集まりいただいて検討をしていただきまして、自動車メーカーからもこういったことを進めようじゃないかという賛同を得ておるわけでございまして、こういったものについては今後とも協力が得られるというふうに判断をいたしております。
  16. 泉信也

    泉信也君 それは大変結構なことだと思います。  それで、こうした実験というかテストを繰り返していかれることになると思いますが、例えば側面衝突の問題とかあるいは最近ふえております輸入車についてもこうしたテストをやって情報を開示される御予定があるんでしょうか。
  17. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 試験方法につきましてもいろいろ意見が寄せられております。現在のもので我々も十分とは思っておりませんけれども、今後どういうふうに拡充していけばいいのか、これについては十分意見を聞きながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。また、国産車輸入車の取り扱いにつきましては、基本的には差を設けるつもりはございませんが、やはり予算等制約もございますので、販売台数の多いものから情報提供をすべきだろうと思っておるところでございます。
  18. 泉信也

    泉信也君 これは運輸省にお聞きするのとはちょっと違うかもしれませんが、五月十七日の産経新聞にRV車フロントグリルガード危険性について新聞に出ておりました。本来、日本ではオフロードを想定したこういうものは余り必要ないんではないかというようなことが書かれておりましたけれども、このことについても運輸省は調査をするといったしかコメントがあったと思いますが、どんなふうにこういう問題は対応されるんでしょうか。
  19. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 歩行者に対して自動車加害をするということについては、我が国の場合、非常に交通の密度が高うございますし、必ずしも車と歩行者が十分分離されてないという問題があるわけでございます。こういったことを踏まえまして、平成四年から運輸技術審議会答申も踏まえまして、先進安全自動車、ASVと呼んでおりますが、こういったものの研究におきましても歩行者の保護ということを取り上げて研究を進めておるところでございます。  今、委員指摘のレクリエーショナルビークルのようなものにつきまして、確かにグリルガードがつけられておりまして、これが歩行者に衝突した場合に加害性が非常に高いのではないかという御指摘があるということは我々も承知をいたしております。この点につきましては、どういつだ形のものがどういうふうな害があるのか、またその材質はどうかとか、こういったことにつきまして平成八年度から交通安全公害研究所におきまして研究を開始するということにいたしております。この中で、どういった形のものまでならよいのか、そこらあたりについて十分な検討をいたしまして早急に対応策を立てたいと思っておるところでございます。
  20. 泉信也

    泉信也君 それでは、法律内容についてお尋ねをさせていただきます。  今回の法改正の中で、第一条を読みますと、まさに「整備」であった法律目的が今回の改正によりますと「公衆の利便の増進」という、目的がもう全く変わっておると言っても過言ではないように私は思うわけですが、こうした目的を変えるに至った背景、具体的な理由、これについてお話をいただきたいと思います。大臣提案理由説明の中にもちろんコメントはございますが、このことについて御説明をお願いいたします。
  21. 相原力

    政府委員相原力君) お答えいたします。  自動車ターミナル法は昭和三十四年に制定されたわけでございますが、当時は日本経済高度成長という段階でございまして、その当時、モータリゼーションが飛躍的に発展する時期でございました。したがいまして、道路網整備とかあるいは都市内の交通混雑が発生するという状況のもとでございまして、自動車運送事業基盤施設である自動車ターミナル整備が喫緊の課題であったわけでございます。このような状況のもとに自動車ターミナル法を制定したわけでございます。  したがいまして、当時は免許制ということで、自動車輸送網中心として望ましい位置輸送需要に適合する規模自動車ターミナル整備するということ、そこでそういう場所に例えば乗り合いバスとかあるいは特別積み合わせ路線トラック運行系統を集中させまして運行系統相互間の有機的な連携を図る、あるいは都市間物流そして都市内物流の円滑な中継を図るということとしたものでございます。こういうような観点から、自動車ターミナル事業の適正な運営確保して自動車運送事業の健全な発達に寄与することを目的として法律ができたわけでございます。  一方、その後の状況変化によりまして、最近におきましては新たなニーズがいろいろと起き上がってきております。新たなニーズ対応いたしまして一般自動車ターミナルに対する必要性が高まってきておりまして、特に量的な拡大が求められてきているところでございます。  具体的に申し上げますと、まずバス分野におきましては、特に都市間交通としての高速バス路線網、これが非常に拡大してきております。それから、空港へのアクセスのための路線網が急速に展開しつつあります。したがいまして、これらに対応するバスターミナルの整備が必要になってきているところでございます。  また、物流分野におきましては、特に最近におきましては物流コストの削減の要請が非常に高まってきておるわけでございまして、これに対応して、複数トラック事業者連携による連絡運輸とかあるいは共国運行を実施していくための拠点施設となる一般トラックターミナル整備が必要になってきております。さらに、都市内の交通渋滞の問題あるいは環境問題が深刻化しているということに対応する観点からも、自動車ターミナル整備必要性が高まってきているところでございます。  こうした状況のもとにおきましては、従来の免許制中心とした規制によりましては自動車ターミナル量的確保を図る観点からはむしろ問題が生じるのではないか、そういう観点で今回、自動車ターミナル事業参入につきましては、適切な位置及び規模事業参入の要件として課しております現行の免許制を改めまして、一定機能安全性を有するものであれば事業参入を認めるという許可制といたしまして、自動車ターミナル量的拡大を促進するということとしたものでございます。また、これに合わせまして、料金とかあるいは工事手続等規制を大幅に緩和することといたしておりまして、これにより弾力的な事業運営を可能とするということとしたものでございます。
  22. 泉信也

    泉信也君 整備に重点があったことから利用者サイドに重心が移ったのかなというふうに私は思うわけですが、それは時代流れであり、ある意味では当然のこと、そして参入を容易にするという流れも私は時代に合ったことだと思います。  今回、その規制を見直すことによって一般自動車ターミナル整備は今後どのように進展することになるのか、その点はいかがでしょうか。
  23. 相原力

    政府委員相原力君) 先ほど御説明いたしましたように従来の免許制許可制ということでございまして、したがいまして、自動車ターミナル安全性最低限の機能確保という観点から審査を行うということになります。従来は、例えば自動車ターミナル位置路線網中心にあるかとか、あるいは規模輸送量に対して適切であるかということまで含めて審査を行ったわけでございますが、それらが不要になるということでございます。  これによりまして、自動車ターミナル事業への事業参入が非常に容易になるということから新たな一般自動車ターミナル整備が図られる、また、現在専用ターミナルとして使われているものが一般自動車ターミナルヘの転用が図られるということから、今後一般自動車ターミナル量的拡大が図られるものというふうに期待いたしております。
  24. 泉信也

    泉信也君 今お答えの中にもございましたが、少し細目に入らせていただきます。  今まで免許で処理してきたことを今回は許可で取り扱うということでございますが、新法の六条の三つの項目がございますね、それと旧法五条免許基準を見比べてみますと、確かに旧法五条の一と二は今回こういう輸送量問題等については触れないということになっておりまして、三、四は基本的には新法でも残っておる、こんなふうに私は思うわけです。  そこで、例えば六条の二号、「事業遂行上適切な計画を有するものであること。」ということは、当然需給観点からの分析もここではなされてしかるべきではないか。実態的には余り変わらないのじゃないか、免許とかあるいは許可とかというふうに変わってまいりますけれども、当局としてなさる作業は実態上余り変わらないのじゃないかということを危惧するわけであります。もう一点申し上げますと料金の方でも、新法の七条による届け出旧法の十一条の認可、この実際上の手続がどんなふうに変わってくるのかなと。  事実、言葉が違いますし法的な用語が違うわけですから当然変わってくるとは思いますけれども、この内容を見ますと、先ほど申し上げました繰り返しになりますが、旧法当該地区における輸送量に対して適切なものであるかどうかというような判断法律上は落ちておりますが、実際の業務の計画を見る上においては当然判断をしなきゃならない要素として重要な問題ではないか。そうすると、法律改正実態上どんな意味を持ってくるのか、この点について御説明いただきます。
  25. 相原力

    政府委員相原力君) 御質問でございますが、従来の免許制基準につきましては、委員から御指摘ございましたように、位置が「輸送網中心として適切なものであること」、あるいは「輸送量に対して適切なものであること」という基準が一号、二号であったわけでございますが、これが改正案では許可基準ということでいずれも基準からは落ちているわけでございます。  なお、新しい許可基準の中の二号には、「当該事業遂行上適切な計画を有するものであること。」ということで書いてございますが、委員指摘のように、需給判断につきましては、従来の免許基準の際には判断したわけでございますが、許可基準としてはもう一切その点については審査をしないということにいたしているところでございます。  適切な計画を有しているかどうかということにつきましては、具体的には施設についての計画、あるいは事業運営に関する計画、あるいは管理に関する計画について審査をするということでございまして、需給については審査は行わないということにしているところでございます。したがいまして、申請者の場合におきましても、申請手続の際にこうした需給説明書面等提出が不要になるということでございます。  また、これに関連しまして、工事施行認可手続あるいは完成検査手続も廃止いたしておりますので、これらと相まって非常に申請者にとっての大幅な規制緩和になるというふうに理解いたしております。従来ですと、申請から免許を経まして工事施行認可、そして完成検査を経まして事業開始に至るわけでございますが、これは通常ですと約八カ月ぐらいを要したわけでございますが、新しい制度によりますとこれが三カ月ないし四カ月ぐらいということで、半分以下に短縮されるというふうに考えております。  なお、料金につきましても、従来認可制でございましたがこれが事前届け出制になりますので、そういう意味で従来約二カ月間ぐらい認可手続に要しておりましたが、これが大幅に短縮されるということで非常に大きな規制緩和になるというふうに考えております。
  26. 泉信也

    泉信也君 そうであってほしいと、事実フローチャートを見ましても、随分ステップが少なくなっておりますので実態上はそういうふうに進むだろうと思うんですが、使用料金のところを見ますと、新法の七条、旧法の十一条は、表現上、言葉がちょっと悪いんですが裏返しで書いてあるだけであって、恐らく当局でこの内容を見られるときには同じようなステップを踏まれることになるのではないかというのを私は危惧しておるわけです。  ですから、今お答えをいただきましたように実態が短縮されるということになればそれで成果が上がるわけですが、運輸省の組織も当然そのことによって人手を減らせる部分が出てくるわけですから、もっと必要な行政分野に回していただけるような、そこまでぜひお考えをいただきたい、そのことについていかがでしょうか。
  27. 相原力

    政府委員相原力君) 御指摘の件につきましては、まず料金の問題でございますけれども料金判断基準のようなものは従来の法律と変わっていないわけでございますが、従来は、先ほども説明いたしましたように認可制ということでございますので、申請者申請したものを運輸大臣が適切かどうかを判断するという要素がございました。これが、新しい改正法では届け出でいいということでございますので、基本的には申請者側の判断でそのまま申請ができるということでございますので、その点大きな違いがあろうかというふうに考えております。  それから、規制緩和によりまして手続が、先ほど御説明いたしましたような工事施行認可手続あるいは完成検査等も含めまして大幅に簡素化をされるわけでございます。したがいまして、その分につきましては行政側の手間といいますか、それも簡素化されるわけでございますが、最近におきましては、先ほど御説明いたしましたような新しいニーズも非常にふえております。例えば、物流分野におきましても、FAZといいますか輸入対応型の施設整備とかいろいろな新しい分野の行政がふえておりますので、そういう点も含めまして十分効率的な行政ができるように措置してまいりたいというふうに考えております。
  28. 泉信也

    泉信也君 今回の改正でもう二つだけお尋ねをさせていただきますが、専用のトラックターミナルに関しましては全く無規制と言ってもいいように緩和をされるわけですが、このことによって安全の確保でありますとか環境の保全といった観点からの問題が生じることはないのか。それからもう一点は、今回の規制緩和によって、これまでの税制でありますとか融資制度とか、そうしたバックアップ体制に対する影響は変わらないのかどうか確認をさせていただきたいと思います。
  29. 相原力

    政府委員相原力君) 第一点の専用トラックターミナルについての御質問でございますが、専用トラックターミナルにつきましては、そのターミナルを設置いたしましたトラック事業者などに利用が限定されているわけでございます。したがいまして、一般トラックターミナルと比べまして一般に開放されている施設としての性格が薄いということで機能を非常に異にしているものでございます。このため、それを利用するトラックの利便性を確保するための業務の適切な運営確保につきましては、トラック事業者の自己責任にゆだねるということでも支障がないというふうに今回判断いたしたわけでございまして、そのような観点から専用トラックターミナルに対する自動車ターミナル法による規制を廃止することとしたわけでございます。  一方で、御指摘のように、専用トラックターミナルにつきましても、例えば周辺地域等への安全の問題あるいは環境の配慮の問題というような問題があるということは十分承知しているところでございます。このような安全上の問題あるいは環境上の問題につきましては、現状におきましても、例えば貨物自動車運送事業法上でも荷扱い所ということで事業計画上の規制がございます。また、例えば都市計画法あるいは建築基準法におきまして、その地区における良好な生活環境の確保という観点からも規制で担保されているということでございまして、今回の見直しにおきましても、それぞれの観点から引き続きそちらからの規制が付されることになっておりますので、安全の問題あるいは環境保全の問題では十分な配慮がなされている、そういうふうに考えているところでございます。  それから、改正後の税制あるいは融資等の措置の問題でございますが、基本的には税制上の措置あるいは財投等の融資の措置につきましては、従来と変わらない措置を講じてまいるということにいたしております。専用トラックターミナルにつきましても、一般トラックターミナルから離れまして自動車ターミナル法上の規制はなくなるわけでございますが、従来ございました地価税等の非課税措置につきましては、これは先ほど申し上げました貨物自動車運送事業法上の荷扱い所ということから従来と同様な非課税措置が講じられることになっているところでございます。
  30. 泉信也

    泉信也君 この法律改正に直接は関係しない部分ではありますが、このターミナル自体は、環境問題でありますとか輸送効率を高めるとか安全性確保、こうしたことからでき上がったものだというふうに理解をいたしますと、実は軽油の問題をこの際お尋ねをしておきたい、こんな思いでございます。  先般、特石法の廃止に伴ってバスあるいはトラック、いわゆる軽油を主燃料とするところが大変影響を受けるということが出てまいっておるわけでありますが、この動きについて、特にトラック中心にきょうはお尋ねをさせていただきたいと思いますが、トラック事業に与える影響について運輸省はどんな認識を持っておられますでしょうか。
  31. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 特石法廃止に伴いまして、トラック事業者に対して石油販売業界から軽油価格の引き上げの要請があるということは十分承知をいたしております。  ただ、トラック事業は、御承知のように総コストに占める燃料費の割合が非常に高うございまして、またその割合が小規模事業者ほど高くなるという傾向にございます。軽油価格は一リットル一円値上げされますと、トラック業界にとりまして約百五十七億円の負担増となりまして、事業経営に非常に大きな影響を与えるものでございまして、その価格が適正な水準に維持されるということが我々は必要だと認識をいたしております。運輸省といたしましても、この価格につきまして、トラック業界と石油業界の間できちんとした自由で公正な取引が行われ適正な水準に収れんするよう、資源エネルギー庁とも十分な連携をとりながら対処してまいる所存でございます。
  32. 泉信也

    泉信也君 今、局長お答えいただきましたように、一円上がると百五十七億円という大変な負担が輸送業界にかぶってくるわけですが、今ここで私が申し上げるまでもなく、軽油引取税の値上げあるいは高速料金の値上げ、大変この負担が輸送業界には強いられておるという中で、何か特石法廃止によって軽油は上がってくるというのが、どうも私この因果関係がよく理解できないわけであります。輸送費に占める、いわゆる営業費用の中で占める軽油費の割合というのは、損益明細書を見ますと、これは全国平均でございますが約九%ぐらいの大変高い率を持っておるわけでありますから、軽油が値上がりすれば経営が大変苦しくなるということになってくるわけです。  そこで、資源エネルギー庁お見えでございますか。——この特石法を廃止した結果、結果と言って過言ではないと思いますがなぜ軽油が上がることになるのか、その点をお話しいただけますか。
  33. 加藤文彦

    説明員(加藤文彦君) お答え申し上げます。  従来、石油製品の価格につきましては、古い話でございますが、第一次石油ショック以降、ガソリンにコスト、利益を積み、同じ原産品でございます軽油、灯油、重油等は低く抑えるという、我々の言葉でございますが、ガソリン独歩高という我が国独特の体系が維持されてきておりました。これが背景の一つでございます。  それからもう一点は、特石法廃止の議論が起こりました約二年前から自由化を先取りいたしました競争が起こりまして、この二年余りで、ガソリンについて申し上げますと全国平均で十五円、それから軽油につきましても従来安く抑えられていたわけでございますが、その安く抑えられていた軽油につきましてもこの二年間でさらに三円下がっております。したがいまして、自由化を先取りした形で既に石油製品全般が大幅に値下がりしているわけでございまして、金額で申し上げますと、ガソリン、軽油、灯油含めまして値下がりした結果、石油業界全体としては、数量を乗じて計算いたしますと約一兆円に上るものを消費者、需要家の方々に還元している状況でございます。  そういう中で、石油業界といたしましても、現在、大幅なリストラに努力をしておるわけでございますが、価格が国際的にオープンになるプロセスにおきまして、我が国独特のガソリン独歩高の状況というのは国際的なマーケットにリンクせざるを得ない状況になっておりまして、そういう関係で灯・軽油につきましては国際的に、これは為替レート等にもよりますが若干高くなる可能性はあるということでございます。
  34. 泉信也

    泉信也君 抽象論でお答えいただくことももちろん大切だと思いますが、簡潔にこれからお尋ねすることにお答えをいただきたいと思います。  今、独歩高という御説明がございましたけれども、私持ち合わせております建設省の資料では、決してそういうことは言えないんじゃないでしょうか。日本の軽油が今までは世界の価格よりも低くて揮発油が高かった、それをアジャストするとそういうことなんだと、こうおつしゃいますけれども、じゃ間違いですか、建設省の資料は。今までの資料を見る限りでは、今課長お答えのようなことは決して一般論としては展開できないというふうに私は思いますが、どうでしょうか。
  35. 加藤文彦

    説明員(加藤文彦君) これは現実に輸入が起こってその輸入価格等の関係で数字の上でわかってくるんだと思いますが、我々の一つの試算でございますが、従来トラック業界を中心にいたしまして、石油業界の方からお納めしております軽油のいわゆるインタンク価格でございますがさらに下がってきておりますので、軽油引取税、消費税等を抜きまして今現在二十六円ぐらいだと思います。実際、輸入が起こる結果……
  36. 泉信也

    泉信也君 済みません。手短にお願いします。
  37. 加藤文彦

    説明員(加藤文彦君) はい。一つの試算として三十円前後というのが例えば韓国から輸入する軽油の値段だという試算もございまして、為替レートにもよりますけれども、そういうことを踏まえて石油業界もいろいろ検討しておるということでございます。
  38. 泉信也

    泉信也君 エネ庁の資料で、石油輸入製品の価格の推移という軽油のところを見ますと、平成五年からほとんど変わっていない、むしろ漸減傾向にあって、平成八年は若干上がっておりますけれども、こういう動きなんですね。輸入価格です、これは。どうして日本のその軽油が世界のマーケットに比べて高いとか安いとか、そういうことが言えるのかどうか、私は甚だ不思議なんです。これはCIF価格だろうと思いますが、こういう傾向の中で、まさに特石法の動きが出てきた時点から上がりてきたということは大変理解がしにくい。  もう一つ申し上げますと、それでは輸入の軽油がこれからふえるとエネ庁は見込んでおられるのかというと、平成十二年までの量を見ましても特別ふえるというふうには見ておられないわけですね。現在の輸入量は国内の軽油の生産量から見ますと微々たるものであるわけです。この傾向は変わらない。そういう中で、なぜ軽油の値段が上がっていくことになるのか、どうでしょうか。
  39. 加藤文彦

    説明員(加藤文彦君) 先ほど申し上げましたとおり、この二年間の価格の動きを見てみますと、先生御指摘の点、昨年の九月ぐらいまで一年九カ月の間で五円ぐらい軽油は下がりました。その後今に至るまで二円ぐらい上がっているのが実態でございます。トータル三円、この二年間で下がっているわけでございます。  こういう価格の動きでございますが、これは原油の価格それから為替レート、この二つに大変大きく左右されるものでございます。例えば、現在のように為替レートが百七円でございますと輸入価格大変高うなってございまして、したがいまして、さっき申し上げたとおり三十円を上回るような価格になっていますが、これが九十円ぐらいの為替レートでございますと二十八円ぐらいで持ってこられるということで、これが大変大きいということ。  それから、原油の価格そのものが大分変動しております。例えば四月の段階では、バレル当たり二十六ドルでございました。これが今はまた下がっておりますが、一カ月でバレル当たり五ドルぐらい下がりますとリッター当たりに換算いたしますとこれまた二円ぐらいの変動になるということで、そういう意味で変動は、ある程度そういうふうに左右されるということでございます。  それから、先ほどの今後の輸入の見通しでございますが、我々、供給計画というのを五年間分つくることになっておりますが、ここでは為替レートが割と円安になっているということを前提に一応数字をはじいているものでございます。
  40. 泉信也

    泉信也君 原油の価格が動くとか為替レートが変動するなんて、これは当たり前の話で、そのことが今回の価格の変動に影響しておると私には思えないんです、このおたくの資料で見る限りはですね。ですから、私としては、そもそも特石法を廃止して世界のマーケットからより安い、品質もいいものを入れようということで多分廃止されたのに、揮発油は下がってきているのかもしれませんが軽油は上がるという、これは先ほどから申し上げておりますようになかなか理解ができない。  そこで、もう一つお尋ねしますのは、先ほど揮発油が十五円下がったとおっしゃいましたね。どうも精製会社あるいは元売会社の考え方からしますと、揮発油の下がる分を軽油で取り戻そう、どんぶりは一緒にしよう、こういう思いがあるんじゃないか。そこで、揮発油と軽油の生産量をおたくの資料で見ますと、軽油の方がちょっと少ないんですけれども、ほぼ一対一。ですから、揮発油が十五円下がった分を取り戻そうとしますと、軽油で十五円上げなきゃならぬということになるんですね。今は、三円ぐらいの話が世上は出ておりますけれども、このことについてエネ庁はどれくらいまで上がるというふうに見ておられますか。
  41. 加藤文彦

    説明員(加藤文彦君) 今回の自由化措置によりまして、輸入品価格というのが一つの物差しになることは間違いないと思います。したがいまして、国際的な水準とほぼ合った価格体系になると思っております。そういう意味で、この二年間でガソリン十五円、軽油三円下がっておりますが、ガソリンはもう一息下がりそうでございます。軽油につきまして、国際価格水準というのは十五円とかいう高いものではございませんで、せいぜい二、三円の幅ではないかというふうに考えております。
  42. 泉信也

    泉信也君 今のお答えを私は大変重視したいというふうに思うわけです。  そこで、エネ庁の方はとりあえずここで切らせていただきまして、公正取引委員会お見えでございますか。——今お聞きのように、軽油が上がってきておるということでございまして、私の手元にございます資料ですと、ほぼ全国各地、元売会社等から輸送業界に同じような理由で三円、ほぼ三円ですね、上げてほしいと。しかも、それが認められなければ出荷停止をする、こういうことを文書で言ってきておるわけです。国際価格実現のためにとか、中間留分安の是正のためだとか、国際的なものの枠内に組み込まれ、あるいは元売会社の指示によりという、こういう文書が実は出ておるわけでありますが、このことは御承知でいらっしゃいますか。
  43. 梶山省照

    説明員(梶山省照君) 御説明します。  先生御指摘の軽油の動き、そのことについて公正取引委員会は当然のことながら承知はしております。ただ、それについてどうこうするかということはちょっと別にいたしまして、承知はしております。
  44. 泉信也

    泉信也君 ことしの二月十四日、それから三月十九日、全日本トラック協会から公正取引委員会に、そうした談合の疑惑がある、あるいは値上げの動きに対する調査依頼という文書が出されたと思いますが、このことは受けとめていただいておるのか、そしてその調査が進んでおるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  45. 梶山省照

    説明員(梶山省照君) 公正取引委員会にどのような調査依頼があったかということは、従来から答弁を差し控えさせていただいておりますので御理解いただきたいと思います。  ただ、一般論として御説明しますれば、公正取引委員会といたしましては、独占禁止法違反行為があるかないかという情報収集には努力しておるところでございまして、もし違反行為があれば当然のことながら厳正に対処する所存でございます。
  46. 泉信也

    泉信也君 それでは、ちょっと観点を変えまして、石油分野において今までやみカルテルとかいわゆる独禁法違反と言われたような事例があったのかどうか、常習犯なのかどうか、この分野は。お答えいただけますか。
  47. 梶山省照

    説明員(梶山省照君) 石油業界に対しましては、これまで数回にわたりカルテル等に対しまして審決という形で行政処分をしておる、かなり多い業界であるということは言えると思います。  そのうち、例として挙げますれば、昭和四十九年には、いわゆるオイルショック時における価格カルテルということで元売十二社に対して審決をし、この件につきましては御承知だと思いますが、刑事告発をした上、最高裁で最終的に有罪判決が確定しておるということになっております。また、最近の例ですと、昨年でございますが、千葉県の野田支部におけるガソリンスタンドの価格カルテルについて行政処分をしたといったような状況でございます。
  48. 泉信也

    泉信也君 今、御答弁いただきました事例だけでこの業界の体質を論ずることは差し控えなければなりませんけれども、そういう可能性を持っておるというふうに思うわけですね。  そこで、こういう文書が出ておる、しかも同じような価格だ、内容もほぼ同じ、こんなことになりますと、こういうことだけでは違反にはならないんでしょうか。
  49. 梶山省照

    説明員(梶山省照君) これも一般的な御説明になりますが、外形的に値上げ幅が同一である、あるいは時期が同一であるということだけでは独占禁止法違反とはちょっとならないわけでございまして、独占禁止法上カルテルといいますのは、事業者が話し合ってお互いに拘束し合うというものが独占禁止法で言うカルテルとして違反になり得るところでございます。外形的な事実だけではなかなか違反と言いがたいというのが法律でございます。
  50. 泉信也

    泉信也君 関係業界から調査の依頼も出ておりますし、私も、こういう文書を見ますといわゆる談合、やみカルテルが結ばれておるんではないかということを危惧するわけであります。ぜひ厳正な調査をやっていただいて、そして、そういう具体的な事例が出てまいりました場合には厳しい措置をお願いをしておきたいと思います。  大臣、最後でございますが、法律の問題はむしろ前進をしておりますが、燃料の問題はお聞きのように輸送業界にとっては大変死活的な問題だと思うんです。先ほど申し上げましたように軽油引取税七円八十銭、これはある意味では大変な負担ですけれども道路をつくっていこうじゃないかということでその額の議論をさせていただく余地が残されるわけですが、今回のような軽油の値段が上がるというのは大変理解できないわけでありまして、高速料金のアップ、来年の一月もまたアップするわけで、このことはひいては国民生活、物価に大変大きな影響を及ぼすというふうに私は危惧するわけです。単にトラック輸送業界の問題だけではなくて、大半の貨物をトラック輸送に依存しておる日本輸送構造から見まして、この問題は看過できないことだというふうに思っております。  そこで大臣、この軽油の動きについては運輸大臣にも業界から要望書が出ておると思いますが、どのようにこれからお取り組みをいただくことになりますでしょうか、お願いしたいと思います。
  51. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) 今、委員指摘の特石法廃止に伴う問題、トラック事業者に対しまして石油販売業者から軽油価格の引き上げ、このことにつきましての要請があることは承知をいたしております。  特に、先ほどもお話がございましたが、軽油価格が一円上がりますと全国で百五十七億の負担増、人件費が占める割合あるいは燃料費の占める割合が大変多い業界でございます。さらにはまた、中小企業等々も抱えておる、大変事業経営が厳しいわけでありまして、その価格が適正な水準で保たれることが必要なわけであります。一面、いろいろな面で規制緩和等々をいたし、あるいは物流コストの削減と、こういう努力をしておるわけでありますが、委員指摘のような形で推移するというのは大変残念なことであります。  ぜひ、私ども運輸省といたしましても、軽油価格につきましては、トラック業界と石油業界とがいわゆる公正な取引のもとで自由な立場でいろいろ取引が行われるということが必要なわけでありまして、関係機関もその意味でいろいろ努力をしておるところでございますが、さらにその十分な連携を図ってまいりたい、このように考えております。
  52. 泉信也

    泉信也君 ありがとうございました。
  53. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今回改正されようとしております自動車ターミナル法につきましては、自動車ターミナル事業参入規制免許制から許可制事業運営上簡素化していこう、そうすることによって多様なサービスを提供していこうということについては、私賛成をしてまいりたいと思うのであります。  今回の改正案では、工事施行認可完成検査などの規定が廃止をされるわけでございまして、今後安全という問題についてどのように担保していくのかをまずお伺いしたいと思うのであります。これと似たような法律トラック事業法というのがあるわけでございまして、そこではきちっとこれらの問題について規制をしているわけでございますが、そこがあるので自動車ターミナル法についてはここを廃止しても何ら安全上問題がない、こういうふうな理解なのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  54. 相原力

    政府委員相原力君) 工事の施行認可あるいは完成検査等の規定を廃止した後安全をどのように担保できるかという御質問でございますが、従来の自動車ターミナルにつきましては、免許を受けた事業者につきまして工事に着手する前に具体的かつ詳細な工事計画書をチェックいたします。これを工事施行認可と言っておりますが、そういう工事計画書のチェックを行います。また、施設の完成後には、工事計画どおりに建築されていることを確認するための検査、すなわち完成検査を行って安全確保の徹底を図ってきたところでございます。  しかしながら、その後の状況変化がございまして、具体的に申し上げますと、最近における民間の建築技術が非常に向上しているということ、特に自動車ターミナルにつきましても相当数整備がなされてきておりまして、民間自動車ターミナルにかかわる技術的ノウハウが蓄積されてきているという実態がございます。それから、今までの例で申し上げましても検査の結果不合格となった事例はございません。また、合格した自動車ターミナルが安全上支障を生じたこともないという実態もございます。さらに、一定の経理的な基礎あるいは社会的信用を有する者に限って今後も事業許可を行うということにいたしております。したがいまして、事業主体に関する信頼性が非常に高いということから、設計どおりの建設を行わない可能性は極めて少ないと。  これらのことを勘案いたしまして、従来は工事施行認可時に設計審査を行ってきたのでございますが、これを新しい改正案では許可の際にあわせて設計審査を行うという制度にいたしたいというふうに考えております。それから、工事完成後の最終的な確認のための検査制度は廃止することが適当であるというふうに考えたものでございます。  なお、それで安全の確保ができるのかという御指摘でございますが、一般自動車ターミナルそれから専用バスターミナルにつきましては、従来と同様に、事業運営の際には、構造設備につきまして一定基準に適合するようにターミナルを維持するという義務を法律上課しているところでございます。また、この基準に従った管理がなされていないときには、その是正のための必要な措置を命ずることができるというふうに法律上規定されるところでございまして、これによりましてターミナルの安全は十分担保されるというふうに考えているところでございます。
  55. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 交通・運輸産業にとって一番大事なのは安全の問題でございますから、これからもひとつ注意を喚起していただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、トラックバスターミナルのバースの利用状況で、いまだ未利用のバースがあるわけでありますけれども、これらの理由についてお伺いをしたいと思います。なお、今回の法の改正によりまして利用状況が好転するのかどうか、お伺いしたいと思います。
  56. 相原力

    政府委員相原力君) ターミナルのバースの利用状況でございますが、バスにつきましては時間帯とかあるいは季節によりまして利用率が異なるわけでございますが、平常の利用率で申し上げますと平成七年度で約九一%の利用でございます。トラックにつきましては同じく平成七年度で約九九%の利用状況でございます。  なお、一定の利用されていないバースがあるわけでございますが、バスにつきましては、一部のターミナルにつきまして特に鉄道駅とのアクセスが悪いという問題等バス事業者の利用がないというのがあるようでございます。トラックにつきましては九九%ということでございますので、従来よりほぼすべてのバースが利用されているという状況にあるというふうに考えておりますが、各トラック事業者事業展開に応じましてターミナルの利用者にも若干の入れかわりがございますので、そういう入れかわりという観点での一時的なバースのあきが未利用のバースとなっているものというふうに考えられます。  なお、今回の法律改正によりまして、例えば料金認可制から届け出制になるということで、事業者の創意工夫によります多様な料金設定が可能にもなります。あるいは、機動的な施設の改良なども行われるということも期待されておりますので、これらによりまして利用されていないバースの利用促進が進むことを期待いたしているところでございます。
  57. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 次に、自動車ターミナル事業の収支状況、これはトラックターミナル事業よりもバスターミナル事業の方が実は累積赤字が大変多いわけでありますが、その辺の理由についてお伺いをいたします。
  58. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) バスターミナルは、ただいま御説明申し上げましたように、最近、鉄道やそれから空港との関連でございますとか高速バスを頭に置いたターミナルとか、新しいタイプのものが少しずつ出てきております。平成二年には例えば新札幌バスターミナルでございますとか、六年十月には福住バスターミナル、これも同じく札幌でございますが、こういうものが営業を開始しましたことでもおわかりのように最近少しずつふえております。また、中には熊本の交通センターのように大規模な改修を行ったものもございまして、建設費などの減価償却費の負担がふえておることが一つの大きな要因になっておるのではないかと思っております。
  59. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今後、これらのターミナルにつきましては、需要に見合う確保というものを考えますと土地の利用ということを考えなくてはならないというふうに思うわけであります。したがいまして、土地の有効利用という観点から考えますと二層化、三層化ということを考えていかなくてはならないと思いますが、それらの考え方について御意見をお伺いしておきたいと思います。  あわせて、先ほども同僚議員の方から問題提起がございました広範な土地を利用するということから考えればやはり税制上の問題、同時に助成措置を講じる必要があると考えますが、いかがでございましょうか。
  60. 相原力

    政府委員相原力君) 委員指摘のとおり、ターミナルを整備する場合には相当広大な用地が必要になるということ、特に大都市周辺におきましては用地の確保が非常に困難になっているという状況がございますので、そういう意味でターミナルの多層化の問題も今後非常に重要になってくる課題ではないかというふうに認識しているところでございます。  自動車ターミナルにつきましては、バスにつきましては旅客の乗降、あるいはトラックターミナルにつきましては貨物の積みおろしのための施設ということでございますので、施設の多層化に当たりましては、土地の有効利用という観点の要素に対応いたしまして、一方で、建設費の問題、旅客の利便性の問題、貨物の積みおろしあるいは荷役の効率性の問題、それらの問題もあわせて、それぞれの施設の立地の地域あるいは機能に即しまして個別に検討していくことが必要ではないかというふうに考えております。  ただ、先ほども申し上げましたように、一般的傾向といたしましては、ターミナルのための用地の確保が非常に困難になってきている現在の情勢におきましては、従来にも増してターミナル施設の多層化が求められる事案が増加してくるものと考えているところでございます。このような多層化したターミナルにつきましては整備のための事業費も相当多額に上るものというふうに考えられますので、委員指摘のような税制上の措置あるいは金融上の措置等に対しまして、運輸省としても引き続きそのような措置によりまして施設整備の促進に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
  61. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 今回の法改正は、九〇年十二月から施行されました物流二法によって法律上余り制約がなくなってきたのではないかと思います。したがいまして、旧法の二条一項のところ、今回新しく改正されたところでは法第二条第三項の括弧書きにおいて「特別積合せ貨物運送をするものに限る。」と限定をしていますけれども、この限定をした理由についてお伺いをしたいと思います。  なお、この項につきましては今回具体的な検討がなされたかどうか。そうして、残す理由についてわかればその理由について明らかにしていただきたいと思います。あわせまして、法第二条第三項の括弧書きの限定を解除した場合におけるメリット・デメリットといいましょうか、その点が明らかになればお示し願いたいと思います。
  62. 相原力

    政府委員相原力君) 一般トラックターミナルにつきまして、改正法でも許可を必要とする一般トラックターミナルを、定義におきまして特別積み合わせトラック事業の用に供する者に限定していることについての御質問でございます。  まず、特別積み合わせトラック事業は、これは既に御案内のように、集貨と幹線積み合わせの運行そして配達という一連の流れをシステム化した輸送を行っているわけでございまして、幹線を運行する自動車とそして集貨、配達を行う自動車との間で貨物の積みかえのための積みおろし施設事業運営上不可欠なものでございます。このような積みおろし施設には常時大量の大型のトラックが出入庫をいたしておりまして、また大量かつ恒常的な荷さばき作業が行われる施設でございまして、独自の機能を果たしているところでございます。  したがいまして、こうした事業にかかわるトラックターミナルのうち、特に不特定多数の者が利用する大規模施設となる一般トラックターミナルにつきましては、安全の確保あるいは物流機能確保のための適切な事業運営を行うことができる者に限って事業が行われることとすることが必要である、そういう観点から事業の開始には許可を要することとしたものでございます。  これに対しまして、御質問の特別積み合わせトラック事業以外の一般のトラック事業でございますが、これらのトラック事業につきましては、先ほど申し上げましたような特別積み合わせトラック事業のようなシステム化された輸送を行うものではないという実態がございます。したがいまして、貨物の積みかえのための施設もその事業運営上は不可欠なものとはなっていないわけでございます。こうした事業者の中には、事業運営一定の積みおろし施設を用いる者も一部あることはあるわけでございますが、その形態は非常にさまざまでございまして、特別積み合わせトラック事業におきますような一定した独自の形態にないのが実情でございます。  このような観点から、こうした施設についてまで許可制というような事業運営上非常に厳格な一律の規制に服せしめることは、事業者にとりましてかえって酷であるというふうに考えられますので、事業運営に際しての許可などを要しないこととしたものでございます。したがいまして、限定を外してこうした施設についてまで一律に自動車ターミナル法規制を適用するのは適当でないという判断で、今回も同様な措置とした次第でございます。  なお、許可を受けた一般自動車ターミナルを、施設の有効利用という観点から、例えば特別積み合わせトラック事業以外のトラック事業の用に供するということも考えられるわけでございますが、その点につきましては自動車ターミナル法上禁止されているというわけではございませんので、そういうような使い方をするか否かはまず第一義的には自動車ターミナル事業者の経営判断に属する問題である、このように考えておるところでございます。
  63. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 バスターミナルの設置の指示に関する規定につきましては、本文にもありますけれども、一般公衆の利便及び一般乗り合い旅客自動車運送事業の健全な発展にとって必要な指示、設定と考えますけれども、廃止後はどのようにされるのかお伺いをしたいと思います。  また、現在、全国六市で実施をされておりますパーク・アンド・ライドの促進という観点から、必要な指示と助成の拡大が求められていますけれども、どのようにされるのかお伺いをしたいと思います。
  64. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 今般の法改正によりまして、国がバスターミナルのあるべき位置でございますとか規模でございますとかこういったことを直接監督いたしまして、不十分な場合には指示を出すという制度になっておったわけでございますが、先ほどから御説明申し上げておりますように、今後、事業者の創意工夫を生かして、結果としてこういったものが拡大するように、またその利用者のニーズに合った機動的な施設整備が行われるようにという趣旨でできておりますので、こういったことが十分発揮されていけば、先ほど申し上げましたような今の制度にございます指示というようなことは必要なくなってくるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。  また、パーク・アンド・バスライドにつきましては、私どもと建設省、警察庁とともに渋滞対策協議会をつくりまして、総合渋滞対策支援モデル事業といたしまして現在十二都市交通需要のマネジメントを行っておるところでございます。これらにおきましても、やはりこのパーク・アンド・バスライドというのは非常に大きな課題として各都市で取り上げられておりまして、こういったものを促進いたしますために、現在、バス活性化システム整備費補助制度でございますとか、また地価税や事業所税等の非課税措置等の支援措置を行っておるところでございまして、今後はこういったものの積極的な活用、特に必要となってくるのは用地の確保でございますので、地方公共団体等へもこういったものの必要性を十分働きかけてまいりたいと思っておるところでございます。
  65. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  66. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 私は、トラック運送事業が抱えている幾つかの問題についてお伺いしたいと思います。  トラック運送事業は、深刻な不況に加えて、先ほども御答弁がありましたが、軽油が一円上がれば百五十七億円トラック業界全体として負担増になる、あるいは高速道路料金が引き上げられるということで極めて深刻な状況にあります。中でも大きな問題が運賃問題だと思います。  トラック事業者というのは九九%が中小事業者によって占められています。それだけに、適正な運賃が確保されるかどうかというのは、トラック運送事業業界全体にとっての死活的な問題です。しかも、これは同時に、そこに働く労働者の労働条件にも当然深くかかわっできます。ところが、運賃ダンピングの実態を見てみますと、平成二年度の認可運賃から二割から三割低いというとんでもないダンピングの実態になっている。  いま一つトラック運送事業者にとって大きな負担になっているのがいわゆるバックペイ、協力金という制度が事実上制度化している。これを受け入れないと取引が直ちに停止されるというこういう不当な行為も常態化している。ここに今多くのトラック業者の深刻な悩みがあるというふうに思います。  この実態について、日銀などでも実は調査をやっています。公正取引委員会でも抽出をして若干の調査をやっているようです。しかし、これはトラック運送事業の安全輸送にもかかわってくる、あるいは安定した経営ということにもかかわってくる、運輸省がこうした実態について主体的に調査をするというのが当然のとるべき態度だと考えますけれども、いかがでしょうか。
  67. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) ただいま委員指摘のように、一般的にトラック事業者が荷主に対しまして弱い立場にございまして、特に景気が後退するような局面におきましては、荷主企業からいろんな名目で例えば今お話ございました協力金とか、そういったような名目のいかんを問わずダンピングのようなことが行われやすいというのは遺憾ながら事実でございます。トラック事業が健全に発達していくためにはやはりきちんとコストの内容に見合った運賃の収受が必要となっていくわけでございまして、荷主に対しまして、こういったもののコスト負担について理解と協力を得る努力をさらに積み重ねていく必要があると思っております。  運輸省といたしまして、このような例えば協力金のような不当なことが行われているかどうか、その実態につきまして我々も調査を行う必要があると考えておりまして、このための関係方面との調整を行っていくことといたしております。
  68. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 ぜひ直ちに、できるだけ早く調査していただきたいと思うんです。  いろんな形があると今おっしゃいましたが、確かにそうでして、単純なバックペイというだけではなしに、請求書を書きかえさせる、本来なら百万だけれども八十万にするということで、形の上ではバックペイはなくなる、こういういわば巧妙なやり口というのも行われているわけです。ですから、こういうものも含めて今調査をするというふうにおっしゃいましたので、ぜひ速やかにやっていただきたいと思います。  いま一つ、こういう問題を調査して実態をきちっと把握する、その上で、実態把握してひどいなというだけじゃこれはしようがないわけで、ひどければこれは変える必要がある。変えることはできるんです。貨物運送事業法の第六十四条で荷主に対して運輸大臣は勧告する、こういう制度がございます。  衆議院運輸委員会の審議でも、例えば過積載を強要するというふうな場合には改善勧告を出すことができるというふうに御答弁されておりますけれども、これは過積載だけじゃないですね。運賃についても当然不当なダンピングがあればこれは勧告措置をすることができるというふうにこれまで国会でも御答弁されてきたと思うんですけれども、確認をさせていただきたいと思います。
  69. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) ただいま御指摘のように、荷主から協力金などの不当な要請があったという事実が判明いたしました場合は、貨物自動車運送事業法の規定によりまして、運送事業者を処分するだけでは足りないというようなケースにつきましては荷主に対して勧告ができる規定になっておりまして、我々としては、できるだけそういった手続にのせる必要があると考えました場合については厳正に対処してまいる所存でございます。
  70. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 この勧告制度が導入されたときに、その目的とねらいについてこう言っているんです。このような規定は他の運送事業法には例を見ないものである、画期的であると、従来は荷主は知らぬ存ぜぬで済んだわけであるが、これからは悪質な場合には運輸大臣の勧告がある、大きな社会的制裁を受けると、こういうふうに当時説明がされておりました。ところが、局長も認められたようにこの間ダンピングがある、バックペイがある。しかし、この五年間一度もこの勧告制度が行使されたことがないんです。当時、国会決議でも、荷主勧告に関する規定は「適切かつ機動的に運用する」というふうに述べているんです。  ですから、もちろん調査もしなけりゃいけない、全体把握しなきゃいかぬ、しかし全体把握しなくても、個々にひどいものがあればそれを取り上げて勧告するという決断をやらなきゃ、何のために勧告制度をつくったのかということにこれはならざるを得ないと思うんです。そういう時期にもう来ているんじゃないですか。
  71. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) ただいまの経緯については十分承知をいたしております。  私どもも、平成二年の物流二法の施行がほぼ定着をしてまいりましたし、どういつだ点に問題があるのかということが明らかになりつつあるわけでございまして、今御指摘のような事柄について全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますが、よろしくお願いいたします。
  72. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 私によろしくお願いされてもあれなので、私の方がよろしくお願いしたいと思うんですよ。  次に、労働条件の問題についてお伺いしたいと思うんですが、やはりトラック運転手の長時間労働、過密運転、これは当然安全問題に直結する課題です。  労働省の統計によりますと、全産業の総労働時間は千九百四時間、トラック労働者は二千三百十五時間、四百十一時間も多いんです。八時間として五十日間多いということです。全産業よりも五十日間分トラック運転手はたくさん働いている。その一方に、時間当たりの収入は全産業が二千五百二十八円、トラック労働者は千九百七十一円、大体二、三割安いんです。長時間働いて、しかも収入は逆に低いというのが実態なんです。  例えば週四十時間、これは労働基準法でもうたわれているわけだけれどもトラック労働者には三年間猶予措置というのがとられて、これが来年三月三十一日で期限が参ります。四月一日から新しくする。私は、来年四月一日からこの週四十時間は完全実施すべきだというふうに思いますけれども、労働省さん、まずお伺いしたいと思うんです。
  73. 長谷川真一

    説明員長谷川真一君) 先生御指摘のとおり、トラック、貨物運送業等、現在猶予措置の対象となっております事業場につきましても、労働基準法で平成九年四月からは週四十時間労働制に移行することになるわけでございます。労働省としては、今後とも猶予措置の対象事業場に対してきめ細かな指導援助を行いまして、その確実な実施に努めてまいりたいと考えております。
  74. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 運輸大臣もこの点いかがでしょうか、四十時間、四月一日から。
  75. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) 週四十時間制への移行につきましては、トラック事業を所管する運輸大臣といたしましても労働省と連携を図り全力を尽くしてまいりたい、このように考えております。
  76. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 この間、過労死であるとかあるいは労災というのが大きな社会問題にもなってきました。そういうもとで、この十五年間に全産業で労災死は二三・五%減っています。ところが、貨物運送の方はといいますと、逆に一二%増加しております。中でも労災死は、平成五年、六年と二年連続増加し五三・四%と五割を超えているんです。七年度はさらに悪化している。労基法違反は統計によっても六五・三%、七号告示違反が五三・四%、こういう状況になっています。  特に、トラック労働者の労働災害の死亡者二百九十二人のうち、交通事故による死亡者が二百十六人、七四%を占めています。その原因について運輸省の方では前方不注意と、前方不注意になぜなったか。主には居眠りです。結局、長時間労働、過酷な労働条件、それがこういう事故を引き起こしているということがこの統計でも明らかだと思うんです。  この際、これらの事故の原因を解明してそして対策を講じていくというためにも、まず事故原因を徹底的に調査をする、同時に長時間労働、過労運転は一体どういう状況になっているのか、この実態を正確に把握していく、これがどうしても必要になってきていると思いますけれども、いかがでしょうか。
  77. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 確かに、トラック事業に伴います交通事故等が多発しているということは、我々も承知をいたしております。全体としては必ずしも事故数がふえておるというふうには認識をいたしておりませんが、おっしゃいましたように例えば高速道路上で事故死に至るような事故、こういったものがかなり起きているということは我々もゆゆしき事態だと思っております。先日も、スピードを出し過ぎるような経営形態が裏にあるんではないかというような御指摘ございまして、関係者を全部集めまして今後の改善策について報告を求め、指導しておるところでございます。  確かに、その一番もとになりますのはどういつた原因であるかということをきちんと把握するということが必要なわけでございまして、私どもも、交通事故分析センターこういったところと協力いたしながら本当に実効が上がる措置について考えておりますし、さらに強化をいたしたいと思っておるところでございます。
  78. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 今の点について、労働省の方は例えば七号告示の見直しとかいろいろ検討されているというふうに伺いますけれども、どういう状況でしょうか。
  79. 長谷川真一

    説明員長谷川真一君) 先生御質問の七号告示、改善基準の見直しでございますが、この御指摘の告示は自動車運転者の拘束時間でありますとかあるいは運転時間の上限基準を定めたものでございまして、労働省としては事業主に対しましてその遵守を指導してきたところでございます。  先ほどございましたように週四十時間労働制に来年度から移行するわけでございまして、それ以降この改善基準告示をどういうふうにするかということで、現在、中央労働基準審議会の自動車運転者労働時間問題小委員会におきまして、こういった拘束時間、運転時間等についての必要な見直しを検討しておるところでございます。労働省としては、そこでの御議論を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
  80. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 最後に私お伺いしたいのは、去る四月二十八日に福岡に本社のある西鉄で、八十キロで運転走行中に、そして乗客二十人を乗せたバスの運転手が急死する、こういうショッキングな事件がありました。これについて労働省では、変形労働時間制が導入されているわけですけれども、当然必要な改善指導を行われたと思うんですけれども、西鉄の皆さんの指導に対する対応というのはどういうことになっていますか。
  81. 長谷川真一

    説明員長谷川真一君) 先生御指摘の事故につきましては、四月二十八日北九州市におきまして、福岡空港行きの西鉄の高速バスの運転手が高速道路走行中発作を起こしまして、停車後救急車によりまして病院に搬送されましたけれども、急性心不全により死亡した事故でございます。  この事故に関しましては、現在、所轄の労働基準監督署におきまして、死亡した労働者の勤務状況を含めまして西鉄におけるバス運転者の労働時間の実態、健康管理体制の状況等について調査を進めているところでございまして、その調査の結果を踏まえて必要な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
  82. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 私が聞くところによりますと、当該の労働基準局が西鉄に対して運用に問題があるという指導をしたのに対し、西鉄側は全部なかなか言うことを聞かないと、こういうふうに聞いております。  最後に運輸大臣に伺いたいと思うんですが、この問題というのは輸送安全性という、しかもこれ旅客運送ですから、これはたまたま大惨事には至らなかったけれども、その場所によってはこれはもう大惨事になっているということだと思うんです。ですから、労働基準局の指導をちゃんと受けなさいということと同時に、運輸省としても特別に調査に入って、そして改善の指導をするということが必要だと思うんですけれども、この点についての御決意をお伺いしたいと思います。
  83. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) 運転者の健康状態と安全確保が密接な関係にある、このことは十分認識をいたしております。従来から運送事業者に対しましても、健康診断の結果を把握し、適正な勤務制、乗務制と、こういう中で運行管理が充実するよう努めておるところでもございます。今後とも、運転者の年齢がますます高齢化をするようなことも予想されるわけでありまして、運輸省といたしましても、適正な診断の充実と事業者による運転者等に対する健康管理の充実強化に努め、そして適切な指導監督をしてまいりたい、このように考えております。
  84. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 終わります。
  85. 末広まきこ

    末広真樹子君 初めまして、末広真樹子でございます。会派名は参議院フォーラム、無所属、愛知県出身でございます。  五月十五日まで労働委員会で、ともに生きる社会というのを私自身のテーマとして取り組んでまいりました。女性や高齢者そして障害者の雇用問題、これに重点的に取り組んでまいりました。とりわけ、この秋の男女雇用機会均等法の改正案、これを大変楽しみにしておりました。現場を自分の目で見て聞いて調べることからスタートして、九カ月でございます。やっと調査内容が質問で生きてくるようになったなと思いましたら、シーズン途中で突然運輸委員会ヘトレードということで、今少し戸惑っております。  しかしながら、運輸行政といえば、陸海空、交通の利便性と安全性を目指して日本の経済を高度成長へ押し上げた、文字どおり大動脈であると認識しております。数多くの諸先輩の御努力によりまして今日があるというふうに、深い感謝と敬意を表したいと思います。また、海上の保安や暮らしに密着した気象情報まで、大変間口の広いところで学ばせていただけることを幸せに思います。  私の地元愛知県では、中部新国際空港や名古屋港の港湾整備、そして武豊線の早期電化並びに複線化など、空にも陸にも海にも多々問題が山積している状況でございます。一方では、全国的なテーマでございますが、障害者のための施策や、記録的なスピードで高齢化社会へ突入していっている高齢者のための交通のあり方など、いわゆる交通弱者、ここでは女性の中に圧倒的に多い方向音痴、私自身もそうなんですが、これもいわゆる社会的弱者という形で含めたいと思いますが、このような小さなテーマにも目を配りながら、大きなことから小さなことまで現場の声を聞きながらこの先順次取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、提案されております改正案は、自動車ターミナル事業につきまして、これまでの免許制から許可制に変えることで規制緩和を推進しようとするものでございます。私を一番びっくりさせましたのは、改正案の資料に、専用トラックターミナルについては無規制という三文字がばんとあったときでございました。これはもう大変な御議論があった上での一歩踏み込んだ結論ということで、賛辞をお贈りしたいと思います。もちろん、安全性とか自然環境への影響といった基本的な問題に十分な配慮を置いた上であるということは当然のことでございますが、業者の自主性に任せることによって経営の良心ですとか、それから企業責任を育てることになると信じて、その成果を期待したいと思います。  さて、大臣にお伺いしたいと思いますが、今時代は大きな音を立てて規制緩和の方向へと向かっております。消費者、利用者の利便性などをさらに向上していく必要があると思いますが、この点について、一般論で恐縮でございますが、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
  86. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) 委員から運輸行政また運輸行政と国民生活の関係と、いろいろ御指摘をいただきました刀私ども運輸行政を預かる者といたしまして、そのような視点に立ちましてまた努力をいたさなければならない、このように考えております。  運輸サービスの利便性の向上は重要な課題と、このように考え取り組んでおるわけであります。今後とも運輸サービスの利便性の向上を一層図っていくためにいろいろの努力をするわけでありますが、近年における民間事業者の能力の向上を踏まえれば、可能な限り民間事業者の自主性を生かした事業活動をする、促していくということが重要なことであると、このように認識をし、今回の自動車ターミナル改正もそのような視点に立ちまして進めておるところでもございます。  ただし、先ほども指摘をいただきましたが、運輸事業規制緩和に当たりましては、やはり何といっても輸送の安全の確保ということが重要なことでもありますし、環境の保全、このことも十分考慮した上でいろいろ努力をしてまいらなければならない。社会経済構造の変化、こういう中で規制緩和を極力進めて、しかし先ほど申し上げました安全あるいは環境、こういう問題については十分意を尽くして努力をしてまいりたい、このように考えております。
  87. 末広まきこ

    末広真樹子君 ありがとうございます。  まあ人間性善説に立ちまして、やらせてみなければわからない、それで不備なところがあれば丁寧にチェックしていって指導する、そのようなところでお願いしたいと思います。  バスターミナル事業を支援するために、税制上の優遇措置としましては、地価税、事業所税、特別土地保有税の非課税措置、そして政策融資としましては日本開発銀行の低利融資制度が行われております。平成四年度には、広島バスセンターの施設の改良に対しまして日本開発銀行から五億円の融資が行われたとのことでございます。今回の規制緩和措置に伴い、バスターミナル設置を希望する事業者もふえることが予想されますが、参入規制を緩和するだけではなくて固定資産税も軽減するというような支援措置も考えられますが、これはいかがでしょうか。
  88. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 確かに、先ほどから申し上げておりますとおり、利用者のニーズの多様化に応じたバスターミナルの設置が計画をされ、また求められておるわけでございまして、こういったものを促進いたしますために、私どもも財政上の措置、また今御指摘の税の措置につきましてできる限り努力をいたしてまいりたいと思っておりますが、個々の内容についてはどういう形で考えていくのがいいか、さらに一層御指摘を踏まえまして検討をいたしたいと思っております。
  89. 末広まきこ

    末広真樹子君 ありがとうございます。  次に、高齢者、障害者が利用しやすいバスターミナル整備必要性についてお伺いしてまいります。  バスターミナル設置に当たりましては、エレベーターの設置、点字や音声による案内など、高齢者、障害者に利用しやすい施設にすることが必要でございます。高齢者、障害者のための施設整備に対する公的助成としまして、交通アメニティ推進機構から助成金が交付されております。しかし、JRや民鉄の駅にエレベーターまたはエスカレーターを設置する場合は最大で事業費の二〇%が助成されるのに対し、バスターミナルの場合は事業費の五%しか助成されません。駅と同じ水準まで助成の割合をふやすなど、支援をさらに充実させていただきたいというのが一点。  もう一点は、利用者がバスターミナルに求めるニーズは多様化しております。高齢者にも見やすい、わかりやすい案内板、近づいていって目をすりつけないと見えないという案内板が多いようでございます。それから、文字の大きさはもとより、例えば長距離バスターミナルには冷暖房完備の待合室ですとかシャワー室の設置の希望が多いと聞いております。私も、実際に早朝のバスターミナルを利用しましたときに売店の営業がなくて大変ショックで、飢えをしのぐ対策に走り回ったことがございます。  こういった利便性に対する具体策とそれに伴う助成制度についてどのようにお考えでしょうか。質問は二点です。お願いします。
  90. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) 御指摘の公的な助成制度でございますが、確かにバスターミナルについては今御指摘のような状況になっておるわけでございます。一方、私どもバス活性化システム整備費の助成をいたしておりまして、これについては実は毎年拡充をいたしてきております。また、この中で例えば低床スロープつきのバスでございますとかノンステップバスのような障害者、高齢者にも使いやすいようなバスの導入を図っておりまして、こういったものを拡充することによってできるだけ対応していきたいと思っておるところでございます。  また、使いやすい利便性の高いターミナルをという御指摘でございますが、おっしゃるとおりでございまして、例えば高齢者にも見やすいような形で、これは熊本のバスセンターで始めた事業でございますが、全部色で方面別にわかるようにということで、見にくい字を遠くから見ないで色に従って行けばそちらに行けるようなシステム、こういったものを皆様の意見を聞いて始めておりまして非常に好評でございました。こういったものも一つの参考になるのではないかと思っておるところでございます。また、いろんな設備等の問題は確かに十分ではない点もあろうかと思いますが、こういった要望がございますということについては、事業者団体等を通じましてどういつだ形でカバーできるか、さらに検討していきたいと思っておるところでございます。
  91. 末広まきこ

    末広真樹子君 徐々に改善されていっているということで喜ばしいと思いますが、利便性に関しましてはやはり利用者の声を生で吸い上げるような方策を講じないと、国会におりまして黒塗り乗用車に乗っていらっしゃる方が多いところではなかなかわからないことが多いのではないかと思いますので、投書箱でも目安箱でも何でも結構ですからターミナルに設置していただいて、利用者のお声を聞くという姿勢をまず示していただけないものかと思います。唐突な質問でございますが、それに対しましては、大臣いかがでしょうか。
  92. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) いろいろ利用者の皆さん方の声を聞く、それぞれの企業におきましても努力をいたしておることと思います。昨日もちょうど横浜に参りまして、ターミナルの話を伺いました。私鉄のターミナルが方面別に大変わかりやすくなった、また高層な建物、そういう中でいろいろ知恵を出してやっていただいてよかったというようなお話も承りました。  また、先生からも今お話を承り、そのような努力をさせていただきたい、このように考えております。
  93. 末広まきこ

    末広真樹子君 ありがとうございます。通告書になかったものですから大変失礼いたしました。  次に、都市では放置自転車対策が大きな社会問題になっております。路上の放置自転車は、バスタクシーの運行の妨げになっていることも事実でございます。また、歩道を自転車が占領することによって歩行者や車いすの通行にも支障を来しております。地方自治体では、駅前広場の整備と同時に駐輪場を設けるなど、放置自転車対策への取り組みが進んではおります。しかしながら、バスの利用促進とあわせて放置自転車対策のためにも、バスターミナルと駐輪場を一体的に整備するサイクル・アンド・バスライドを進めていく必要があるのではないでしょうか。とはいえ、ターミナル及び駐輪場のための用地確保とか資金調達が困難であるためになかなか整備が進まないというのが現状であることは十分に推察できます。  そこで、運輸省と建設省にお尋ねいたします。サイクル・アンド・バスライド実施への取り組みについて基本姿勢と認識をお示しいただきたいと思います。まずは運輸省からお願いいたします。
  94. 山下邦勝

    政府委員山下邦勝君) サイクル・アンド・バスライドは、都市部でございますとかさらに鉄道駅の周辺に非常に多数放置されております自転車、もとの方で措置をするということでございますので、こういったものの削減に非常に役立つのではないか、また、こういうことをきちんとすればバスの利用の促進につながると我々も考えておりまして、先ほど申し上げましたバス活性化システム補助制度におきまして一応対象といたしております。今後、こういったものの対象をふやしていくために、例えば地方公共団体とも連携をとりながらこういうものを使って拡充を図るように呼びかけていきたいと思っておるところでございます。
  95. 奥野晴彦

    説明員(奥野晴彦君) 御指摘のありましたように、鉄道の駅周辺等で放置自転車等多いわけでございますが、鉄道とかバスなど公共交通機関を利用しやすくすることは、通勤、通学をしておられる方を初めとして、すべての人々の移動手段を確保するという観点からも大変重要な施策ではないかというふうに考えております。そうした中で、自転車駐車場、駐輪場の整備は、放置自転車による通行の安全の阻害、これを除去するため、また自転車から鉄道、バスなどの交通機関への乗りかえを支援するための施策としても大変有効ではないかと考えているところでございます。  建設省におきましては、道路上における放置自転車の解消を図るとともに歩行者や自転車などの安全で快適な通行空間を確保する、さらには、そのことをもって都市環境の向上を図るといった観点から、駅周辺あるいは中心市街地等におきまして、道路事業の一環として街路事業あるいは特定交通安全施設整備事業によりまして自転車駐車場の整備を推進しているところでございます。今後とも、ただいま御指摘のありましたバスターミナル周辺あるいは駅周辺などにおきまして、関係機関とも連携を図りながら自転車駐車場の整備を推進してまいりたい、かように考えているところでございます。
  96. 末広まきこ

    末広真樹子君 ありがとうございます。  規制緩和というのがきょうのテーマの一つのサイドラインになっていると思うんですけれども、そうやって運輸省、建設省も省庁別の規制をなくして垣根を取っ払った形で、交通の利便性ということで今後手に手をとって施策に取り組んでいただければ、国民にとってはこんなにうれしいことはないと思います。  国民の皆さんが望んでいるものは快適性とそして何よりも安全であることが基本である、これはもう申すまでもございません。高齢者も障害者も皆さんが利用しやすいように、ぜひとも交通弱者の視点に立って行政をお進めいただきたいとお願いしまして、私の第一回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  97. 栗原君子

    栗原君子君 新社会党・平和連合の栗原君子でございます。  私は、自動車等による輸送とそれからJR輸送とが共存共栄の関係にあるべきだ、このように考えているものでございます。ところで、ここ数年運輸省が鳴り物入りで進めている物流政策の柱となっておりますモーダルシフトについてお伺いをいたします。  モーダルシフトは、環境問題の顕在化、交通渋滞の深刻化、近い将来予想される運転手不足などの問題に対応するため、トラックによる中長距離幹線輸送を鉄道、内航海運にシフトさせていこうとするものでございます。輸送機関別分担率、いわゆるトンキロベースで見た場合に、鉄道シェアの場合、九〇年度は五・〇%でございましたが、九四年度は四・五%、内航海運シェアで見た場合、九〇年度が四四・七%、九四年度が四三・六%となっております。この間、トラックについては九〇年度が五〇・二%、九四年度は五一・七%と増大をしているわけでございます。  このように逆のモーダルシフトになっていることに対して、なぜこのようになるのでしょうか、何が要因でなるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  98. 相原力

    政府委員相原力君) 委員指摘のように、モーダルシフトにつきましては、環境問題の顕在化、そして道路交通混雑あるいは労働力不足といった物流を取り巻く制約要因を考えますと非常に重要なことであるということで、運輸省の中でも大きな政策の柱としてここ数年取り組んでいるところでございます。  今、トンキロベースの輸送量お話ございまして、自動車につきまして九〇年度五〇・二%が九四年度、私どもの数字では五一・五%という数字でございますが、こういうような御指摘がございました。この辺の関係、数字のとり方にもよるわけでございますが、まず過去にさかのぼってみますとトラックのトンキロベースの分担率、恐れ入りますが手元の資料で昭和で言わせていただきますが、昭和四十年度におきましては二六・一%がトラックの分担率でございました。これが逐年増加してまいりまして、これは八九年になろうかと思いますが、平成元年度では五一・七%という数字まで拡大してきております。この五一・七%というのが過去のトラックのシェアが一番高かった数字でございますが、平成元年度まで五一・七%ということで拡大が続いていたという状況でございます。  その後、平成二年度以降ここ数年は五〇%から五一%台で、平成六年度が五一・五%ということでございますので、そういう意味では横ばいといいますか、そのような状況にあるというふうに考えております。ただ、もちろんトラックの分担率を鉄道あるいは内航海運に振り向けるという施策からすれば必ずしも十分ではないわけでございますが、ずっと拡大をしてきた自動車のシェアがここ数年間はほぼ横ばい状況にあるというふうに今認識しているわけでございます。  また、具体的には、特に鉄道におきましてはJR貨物鉄道株式会社におきまして、例えば昨年秋に川崎市におきまして廃棄物輸送を鉄道輸送で始める、あるいは海上コンテナについての内陸向け輸送も本格的に始めるなどなど、必ずしも十分ではございませんけれども一歩ずつ前進しているのではないかというふうに認識しているところでございます。  なお、具体的な施策といたしまして、運輸省として従来からいろいろな観点から推進しているわけでございますが、特にモーダルシフトの受け皿となります鉄道そして海運の輸送力の増強が必要であるということで、具体的に申し上げますと、東海道本線におきまして輸送力増強に必要なインフラ整備に対しまして鉄道整備基金からの無利子貸し付けを行っているというのがございます。また、内航船につきましては、船舶整備公団によりまして内航コンテナ船あるいは内航ローロー船、これはトラックが直接乗りおりできる船でございますが、ローロー船などの整備も行っております。  また、港湾におきましては、陸から船あるいは船から陸への複合一貫輸送対応いたしました内貿ターミナルの整備も行っているところでございます。また、複合一貫輸送施設あるいは輸送機器の整備に対しましては財政投融資による支援を行っており、これらの措置を計画的かつ着実に進める所存でございまして、今後ともこれらのモーダルシフト施策の推進をさらに深度化をいたしたいというふうに考えております。  また、各地域にはモーダルシフト推進協議会というのがございまして、これは関係の輸送業者あるいは荷主業者等も入っている団体でございますが、このようなモーダルシフト推進協議会も活用をいたしたいと思いますし、あるいは、モーダルシフト船舶につきましては船腹調整事業計画的に開始をするというようなことも決めておりますので、このような施策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  99. 栗原君子

    栗原君子君 今お聞かせをいただきまして、あれもこれも大変よくやっているというお話でございましたが、その割には効果が出ていないんですね。このことを私は大変不思議に思うわけでございます。JR貨物がそういった意味で大変重要になってくると、政府の政策誘導措置が不十分なことが要因であると、私はこのように思っているわけでございます。  その中の一つ、モーダルシフト促進税制は九一年からスタートいたしましたが、ピギーバックという、いわゆる貨車にトラックを乗せていくわけなんですけれども、この車両を取得する場合の自動車取得税の軽減、それから鉄道輸送用私有コンテナの固定資産税の軽減措置などがとられていましたが、この前者の場合は九二年度限りでもう打ち切られているわけでございます。  そしてまた、もう一つJR貨物のインフラ整備に対する財政措置についてでありますけれども、このコンテナ列車の長編成化に、とにかく時間が自由にとれませんものですから長く貨車を連ねていくわけでございます。この発着線とか待避所、そしてまた延長工事、変電所の工事について鉄道整備基金から、先ほど少し話が出ましたけれども無利子の貸し付けが認められておりますけれども、これが九六年度の予算で四億円程度ということでございます。大変これでは金額も少ないと思いまして、本当にやる気があるものでしたら、もう少し私はこの金額もふえてもいいんではなかろうか、こういったことも考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
  100. 相原力

    政府委員相原力君) 委員の質問の中で前半の税制の関係について私の方からお答えさせていただきます。  ピギーバック関係の税制措置が途中で打ち切られたという御指摘でございますが、これにつきましては、私どもも非常に効果がある措置ではないかということで当初制度を創設いたしたわけでございますが、なかなか実態といいますか実際の需要が伴ってこなかったという観点でその後打ち切られたという経緯がございます。ただ、ピギーバック輸送というのも非常にモーダルシフト推進の観点からは私ども重要な手段であるというふうに考えておりますので、今後またその辺の必要性を十分検討の上、適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  101. 梅崎壽

    政府委員(梅崎壽君) ただいまJR貨物の東海道線の貨物輸送力の問題に関しまして御質問ございました。  この貨物輸送力増強計画全体といたしまして総事業費百十五億円ということで進めておりますが、八年度の予算におきましては、貸付額は確かに四億四千八百万ということで計画しております。ただ、事業費は十五億弱ございます。全体の事業費の三割を鉄道整備基金から無利子貸し付けをするということでございます。この事業の進め方に関しましては、この無利子貸し付けの基金も一定の限界があるわけでございますので、私どもJR貨物と十分相談をしながら有効に活用されるように進めてまいっているつもりでございますし、今後ともそういうことでやっていきたいと考えております。
  102. 栗原君子

    栗原君子君 いいことをやっていらっしゃるとすれば、先ほど言いましたように効果がどうも私はいまいち薄いと思うのでございますけれども、要は、JR貨物に対して私は荷物が集まらないということではなかろうかと思うわけです。  それで、荷主の期待するダイヤがある程度自由に荷主が選べるようにダイヤを設定することも大切ではなかろうかと思います。それから異常時、旅客のダイヤの整理のために、何かあった場合にはどうしても貨物のダイヤが後回しになりまして二十四時間待機させられるなど、こうした貨物のダイヤについては安定的でないわけでございます。だから、定時輸送が保証をされるとか、あるいは荷主の要望にこたえられるようなことになりますと、私はもっと鉄道に対して荷物が集まってくるのではなかろうかと思うんです。  予算をつけておけばいいと、それで終わりだといったものではないと、根本的なそうした措置が必要ではなかろうかと思うんですけれども、もう一度ちょっと答弁をお願いします。
  103. 梅崎壽

    政府委員(梅崎壽君) ただいま御指摘ございましたダイヤの設定の問題、ダイヤ調整の問題というのは大変私ども難しい問題だと思っておりますけれども、やはり都市部におきます通勤・通学輸送列車の確保であるとか、都市間におきます優等列車のダイヤの確保であるとか、そういったようなものの中であわせましてJR貨物のダイヤを確保していく、こういうことが必要でございます。  ダイヤ調整の問題に関しましては、JR発足に当たりまして、JR各社問で締結しました運輸営業に関する基本協定におきまして、それからこれに基づく細目協定におきまして、ダイヤ設定の優先度とか調整ルールとか、こういったことが決定されております。やはり具体的には、貨物列車のダイヤをどうやって確保していくかということは、旅客輸送確保といった面もあわせ考えながら当事者間で調整していっていただくということが必要なことだろうと思います。物流業界等々から、先生御指摘のような御意見があることは私ども承知しておりますけれども、これはやはりレールが限られておりますので、旅客輸送問題等ともあわせて必要な調整を図っていくことが望まれる、こういうぐあいに思っております。
  104. 栗原君子

    栗原君子君 JR貨物をつぶすわけにはいかないと思うんです。むしろ、これから私は二十一世紀の交通を考えたときに促進をしていく必要がある、このように考えている者の一人でございます。  そこで、今日、整備新幹線の建設に当たりましていろいろ議論がなされているところでありますが、九四年十二月十九日に四大臣の申し合わせといたしまして、九六年中に成案を得るといった申し合わせがあるわけでございます。この完成後、並行在来線をJR経営から分離することが決定をしているわけでございますが、第三セクターによる存続かあるいは廃止にするのかの選択が私は迫られてきていると思うわけでございます。新幹線にまたもう一本レールを敷きまして三線軌条方式も模索をされております。これらにつきまして、列車のスピードや構造上の難点もあると言われております。第三セクター化による並行在来線の経営にも不安が残るわけでございます。  運輸省は、全国一社体制ということも含めてJR貨物の経営を見直すとしておりますが、どのように見直すお考えなんでございましょうか。貨物会社が分割され旅客会社の一部門となれば、鉄道貨物輸送の消滅につながっていくのではなかろうかと思います。JR貨物を生かすのか、または殺すのか、このことを私はこれから迫られる、こういったことを思うわけでございますが、どのようにお考えでございましょうか。
  105. 梅崎壽

    政府委員(梅崎壽君) まず、新幹線の問題でございますが、整備新幹線の建設に伴いまして並行在来線をJRの経営から分離する場合に、経営分離後の鉄道貨物輸送をどう取り扱うか、これは大変重要な問題だと思います。我が国の物流体系におきますJR貨物の役割にかんがみますれば、経営分離後におきましても、適切な鉄道による輸送経路が確保されますように関係者間で十分協議し、適切に対処していくことが必要であると考えております。  それから、ただいま先生御指摘ございました全国一社体制を見直すようであればということでございましたが、私ども現在、JR貨物につきまして全国一社体制を見直すという考え方を持っておりません。国鉄改革に当たりまして、JR貨物は、これは旅客と違いまして全国一元的な体制で運営することが望ましいということで現在のJR貨物を発足させたわけでございますので、今の全国一社体制のもとで鉄道貨物の機能がより発揮されますように、当事者としてのJR貨物の経営陣も努めていっていただきたいと思っておりますし、私どももそういう観点から、今まで例えば先ほど御質問ございました東海道線の貨物輸送力の増強という施策も通しておりますし、いろいろ検討をしていきたいと考えております。
  106. 栗原君子

    栗原君子君 これは九六年中に成案を得るということを申し合わせていらっしゃいますけれども、もうことしは九六年なんであと半年しかありませんけれども、これに向けては着々と作業が進んでいるものなんですか。
  107. 梅崎壽

    政府委員(梅崎壽君) 整備新幹線の問題に関しましては、連立与党の検討委員会がございまして、連立与党としてはそこで検討をして進めておられるところでございます。私ども運輸省といたしましては、そういう状況も見ながら今後検討してまいりたいと考えております。
  108. 栗原君子

    栗原君子君 最後になりますけれども、公共交通ターミナル、特にバスターミナルの施設の構造面での高齢者とか障害者への対応についてお尋ねをいたします。  運輸省が一九六四年三月に策定いたしました公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドラインに沿いましてこの整備が進められているわけでございますけれども、障害者を含め利用者みんなが安心して使いやすい環境整備を積極的にお進めをいただきたい、このように思っておりますが、それらにつきましてどのようにお考えでございましょうか。できましたら、最後大臣に御答弁いただければと思います。これらも含めましてJRの貨物の問題について。
  109. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) 貨物の問題につきましては、先ほど鉄道局長から御答弁を申し上げましたようなことで今鋭意努力をしておるところでもございます。長距離の輸送でのJR貨物の役割、これは大変大きな部分を占めておるわけでありまして、その努力をしてまいらなければならない、このように考えております。  また、いわゆる高齢化時代を迎える我が国におきまして、より人に優しいバス交通を実現していくことが重要なことであると、このように認識をいたしております。先ほどのバスターミナルの問題、これらを踏まえて、そのような視点に立ちましていろいろ努力をしてまいりたいと、このように考えております。
  110. 栗原君子

    栗原君子君 終わります。
  111. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  112. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表して、自動車ターミナル法の一部を改正する法律案への反対討論を行います。  反対理由の第一は、一般自動車ターミナルの使用料金認可制届け出制にすることによって、料金設定をターミナル事業者の自由裁量に任せ、利用者である中小運輸事業者の経営に影響を与えるおそれがあることです。  例えば、東京都が半分出資している日本自動車ターミナル株式会社は、バース数で全国総計の四〇・三%を占めていますが、施設利用率がほぼ一〇〇%、九四年度当期利益が八億円になるにもかかわらず、東京都は使用料金の値上げをしたいと明言しています。また、従来も八九年度以降、一般トラックターミナル二十五カ所中十カ所で値上げされており、二・九%から三三・二%もの値上げ率となっています。料金変更への規制が緩和されれば値上げへの動きが起こる十分な懸念があります。  第二は、一般ターミナル事業参入への需給調整廃止が、佐川急便など大手特別積み合わせ事業者によって一時爆発的につくられたにもかかわらず、不況のため部分遊休化している専用トラックターミナルを一般トラックターミナルヘの転用で活用する道を開くなど、大手業者の手前勝手な投資の失敗のツケを救済する性格を持っているからです。  第三に、一般自動車ターミナルの廃止について許可制届け出制にすることは、ターミナル事業者の都合のみで廃止を自由化することであり、利用者の営業と利便性を損なうおそれがあることを否定できません。  なお、本改正は、さきに行われた物流二法の改正による事業参入への需給調整廃止、料金届け出制などの規制緩和策に続くもので、今後、反対の強いトラック業界、タクシー業界の規制緩和などへの突破口を開く危険性を持っていることもこの際指摘して、反対討論を終わります。
  113. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  自動車ターミナル法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  114. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  116. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 次に、外国船舶製造事業者による船舶不当廉価建造契約の防止に関する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井運輸大臣
  117. 亀井善之

    ○国務大臣(亀井善之君) ただいま議題となりました外国船舶製造事業者による船舶不当廉価建造契約の防止に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  平成六年十二月に、我が国、米国、欧州共同体、韓国及びノルウェーにより、造船業に対する各国の公的助成及び船舶のダンピング建造契約を律するため、商業的造船業における正常な競争条件に関する協定が採択されました。  この法律案は、同協定の実施に伴い、外国船舶製造事業者による不当廉価建造契約を防止するため、不当廉価建造契約を締結した外国船舶製造事業者を指定し、指定を受けた外国船舶製造事業者がその後一定期間に締結する建造契約に係る船舶の運航者に対し、本邦における当該船舶への貨物の積み込み等の禁止を命ずることができることとする等の措置を講じまして、船舶製造業における公正な競争を図ろうとするものであります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、運輸大臣及び通商産業大臣は、外国船舶製造事業者が本邦の船会社等と締結した建造契約が不当廉価建造契約であるか否か、つまり、その外国での通常の商取引における契約価格より低い価格で契約し、これによって本邦の船舶製造業に損害が生じているか否かにつきまして調査を行うこととしております。  第二に、運輸大臣は、調査の結果、外国船舶製造事業者が本邦の船会社等と締結した建造契約が不当廉価建造契約であると認められました場合には、その外国船舶製造事業者を指定することができることとしております。  第三に、運輸大臣は、指定を受けた外国船舶製造事業者一定期間内に建造契約を締結した船舶について、その船舶の引き渡しから一定期間、本邦における貨物の積み込みまたは取りおろしの禁止を命ずることができることとしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  118. 寺崎昭久

    委員長寺崎昭久君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十六分散会