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1996-03-01 第136回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年三月一日(金曜日)     午前十時開議 出席分科員   主 査 深谷 隆司君       志賀  節君    石井 啓一君       上原 康助君    松本 善明君    兼務 川島  實君 兼務 嶋崎  譲君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総務庁長官) 中西 績介君  出席政府委員         行政改革委員会         事務局長    田中 一昭君         総務庁長官官房         長       河野  昭君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         総務庁行政監察         局長      大橋 豊彦君  分科員外出席者         行政改革委員会         事務局主任調査         員       藤井 昭夫君         経済企画庁物価         局物価政策課長 鹿島幾三郎君         経済企画庁総合         計画局計画官  土肥原 洋君         大蔵省主計局主         計官      長尾 和彦君         大蔵省理財局総         務課たばこ塩事         業室長     井置 一史君         国税庁課税部酒         税課長     岡本 佳郎君         林野庁管理部管         理課長     星野  明君         内閣委員会調査         室長      松下 英彦君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月一日  辞任         補欠選任   松本 善明君     吉井 英勝君 同日  辞任         補欠選任   吉井 英勝君     中島 武敏君 同日  辞任         補欠選任   中島 武敏君     松本 善明君 同日  第二分科員嶋崎譲君及び第三分科員川島實君が  本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成八年度一般会計予算  平成八年度特別会計予算  平成八年度政府関係機関予算  〔総理府所管総務庁)〕      ――――◇―――――
  2. 深谷隆司

    深谷主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  平成八年度一般会計予算平成八年度特別会計予算及び平成八年度政府関係機関予算総理府所管について審査を進めます。  総務庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川島實君。
  3. 川島實

    川島分科員 私は、新進党の川島實でございます。  今議題になっております総務庁行政改革あり方についてお伺いをしていきたいと思っております。  行政改革は、既に昨年のこの予算委員会の中で多くの方針が出されておりまして、一年たった今日、当時を振り返ってみますると、昨年の十二月にきちっと改革をする、こういう方向で来ておったわけでございますけれども、なかなか思うように進んでいないような状況でございます。現在、中央省庁改革というのは余り見えてまいっておりませんし、さらにまた、特殊法人の、一年前にいろいろ議論がなされた定数の問題だとか、孫請会社あり方の問題だとか、そういうものについても方向がいまだはっきり出ておりません。  さらに、政府が言っておりました九十二ある特殊法人の結局幾つかを廃止したり一緒になるのはいいですけれども、出てきた中身を見ますると、同じように、何々公団ですかいろいろ団の中に部があるような形で、一向に定数予算の面でも変更になっていない部分。それからまた、その施行が、九十二が八十九になるのが今年度の十月一日だとか、十二月一日に八十八法人になるとか、非常に速度がおそい。このことを指摘をせざるを得ないわけでございます。  さらにまた規制緩和の問題につきましても、昨年の三月ですか、政府方針を出して千九十一ですか規制緩和決定した。その決定をした千九十一については緩和されるのかなと思っておりましたら、そこから審議が始まって、結局延び延びになって十二月までに行う。ところが、それが全部また年を越しまして、ことしのこの予算委員会議論がなされて、現在までにまだ半分ぐらいで、あとはこれからの検討事項だということで先送りになってしまう。許認可権規制を受けているのが一万件以上あるわけでございまして、その中で、政府方針でも経済的規制原則廃止、こうなっておるわけでございますけれども、一向に中身がきちっとした形で示されてこない。  このことに対しまして、まず一つは、中央省庁行革についてどういう見通しを持っているのか、まずもってお伺いをしていきたいと思います。
  4. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま御指摘のございました中央省庁組織の問題につきましても、当然のことながら行政改革の聖域というわけではございません。社会経済状況は常に変化をしてまいるわけでございまして、それに対応した組織あり方検討していくというのは当然のことでございますが、政府方針といたしましては、規制緩和地方分権等進展状況を勘案しながら、中長期的にこの問題について検討していこうというのが基本的な考え方として従来申し上げてきたところでございます。
  5. 川島實

    川島分科員 そうすると、現在のところでは、計画的な行政改革を行おうという方向づけすらまだきちっとできていない、こう判断をしていいわけですか。
  6. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま私が御説明申し上げましたことは、政府方針としていわゆる行革大綱等閣議決定の中にも示されているとおりでございまして、現段階で個別、具体的な内容について政府として方針を有しているわけではございません。
  7. 川島實

    川島分科員 今答弁のように、既に一年余かかっても中央省庁改革については何ら示されていない、このことを指摘せざるを得ないと思います。  二つ目は、特殊法人関係について。現在九十二法人あるわけでございますが、これについて八十九から八十八、こう少し縮まっていくわけですけれども中身を見ますると、その定数等が余り変わるというか改革がなされるというか、ただ看板をつけかえて二つ一つになり、三つが一つになったというような状況と考えざるを得ないわけですが、その点についてはどういうふうなお考え をお持ちですか。
  8. 陶山晧

    陶山政府委員 先生既に御承知おきのところでございまして、御説明を改めて申し上げる必要はございませんけれども、昨年の二月から三月にかけて、すべての特殊法人についての事業合理化効率化を含めて、特殊法人整理合理化についての政府方針決定いたしました。すべての法人事業合理化効率化以外に、十六の法人を八つの法人統合すること、五つの法人についてその廃止とか民営化等を行うこと、それから財務内容について積極的にこれを公開すること等々の内容閣議決定したところでございます。  このうち、この通常国会におきましては、統廃合等対象法人でございます二十一法人、これの約半数に当たります九つ法人についての統廃合民営化等について、おのおの法律案を提出することといたしております。  また、特殊法人のディスクロージャーと申しておりますが、財務内容等の積極的な公開という方針につきましては、昨年の末に、このことについての具体的な内容を盛り込んだ閣議決定をいたしたところでございます。  この申し上げました統廃合等早期実施ということを含めて、政府としては、引き続き、この特殊法人整理合理化を含む改革に積極的に取り組んでいくという方針でございます。
  9. 川島實

    川島分科員 私が今尋ねたのは、具体的に、統廃合をいたします二十一の関係九つになる、それの定数、それから孫会社定数会社の数、孫がもうわかっているわけですから、それはどうなるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
  10. 陶山晧

    陶山政府委員 ただいま申し上げました統廃合等の個別の法人職員数ということでございましたら、予算の上で既に決定をしておりますから申し上げられますが、全体の職員数状況ということで申し上げますならば、私どもが把握しております数字では、平成七年一月一日現在の実員数で申し上げますと……(川島分科員「それは結構です」と呼ぶ)よろしゅうございますか。個別の法人について、必要ならば数字を申し上げられます。  なお、孫会社子会社等お話がございましたが、これにつきまして私ども権限上これに関与する権限がございませんで、全体的な数字としては、与党のプロジェクトチームにおいて全省庁的な実態調査をされた結果として承知をしておりますので、必要ならば申し上げます。
  11. 川島實

    川島分科員 今の十二法人特殊会社については、民営化されている部分もありますから孫の関係についてはいろいろ指図ができないかもわかりません。しかし、ここの定数等関係については皆さん方も掌握をしていろいろ議論がなされて今日まで来ておるわけでございますけれども、この十二法人だけでも孫百五十社の中に三万八千人いる。全体四百で資本金出資状況によって違っているわけでございますが、これらはやむを得ないにしても、今回統廃合する二十一から九つになるところの具体的な定数はどうなっているのか、そして競争を阻害している孫会社定数はどうなっているか。あなたたち統廃合という形で行革をしているものの具体的な数字を今聞いているわけですよ、法律案として出てきているわけですから。
  12. 陶山晧

    陶山政府委員 まず科技庁でございますが、新技術事業団と日本科学技術情報センターとの統合による新しい科学技術振興事業団設置をされることになります。これについて予算時のセットとしての職員数は、従来両法人の四百十人が同数の四百十人となっております。  それから農水省の関係で、畜産振興事業団蚕糸砂糖類価格安定事業団との統合によりまして農畜産業振興事業団が設置をされることになりますが、これにつきましては八十三人から八十二人という職員数予算上なっております。  通産省の関係では、石炭鉱害事業団と新エネルギー・産業技術総合開発機構との統合が行われることになっておりますが、これについては八百三十七人から八百二十四人という職員数になっております。  それから厚生省の関係では、社会保障研究所廃止になります。この職員数は二十一人でございます。  自治省の関係で、消防団員等公務災害補償等共済基金につきましては経営形態を民間法人化するということになっております。この職員数は十四人でございますが、いわば特殊法人職員数からはこの数字は除かれるということになるわけでございます。  なお、大蔵省関係で、日本たばこ産業株式会社塩専売事業民営化が行われることになりますが、これにつきましては、現在のJT塩事業本部職員は約五百人でございますが、このうち二百人が新たに設置される指定法人の方に移行する、その人数JTから削減されるという予定になっております。
  13. 川島實

    川島分科員 今の答弁でおわかりいただけるように、改革中身というのは非常に期待外れ指摘せざるを得ません。特に、孫会社の件は触れられていないわけでございますが、これは恐らく余り配慮していない、こう言わざるを得ないわけです。予算の方で見ますると、予算の方も従来の数と余り変わらないという状況になっているのですけれども、それはどういう理解をしたらいいのでしょうか。
  14. 陶山晧

    陶山政府委員 法人予算額は、文字どおり人件費以外にもそれぞれの事業に要する経費として例年予算編成過程を通じて決定されるわけでございます。この経費予算総額そのものについて私ども必ずしも詳細に承知しているわけではございませんが、それぞれの事業必要性を勘案しながら所管省庁財政当局とで個別に協議調整された結果が予算の上で数字としてあらわれるということでございまして、事業そのもの必要性についての吟味というものが、合理化効率化を含めた検討が行われた結果、最終的に数字が決まったものというふうに理解をいたしております。
  15. 川島實

    川島分科員 従来から、昨年の予算委員会で私も指摘をいたしておりますけれども、十二法人特殊会社についてはこれは抜きまして、九十二あるうちのほかの部分についての競争原理を阻害している孫会社、そこに働く人数、たくさんおるわけですけれども、その定数を絡めて改革というのは今後どのようにしていくつもりですか。
  16. 陶山晧

    陶山政府委員 先生指摘のございましたいわゆる子会社あるいは関連会社は、それぞれの特殊法人事業内容とか経営実態等に応じて出資を行ってそうした会社設置して関係業務を行っているという状況は、私ども承知をいたしております。先ほど御説明いたしました昨年の特殊法人の全般的な見直しに際しまして、これまで特にいろいろ指摘がありましたような子会社関連会社につきましては、関連法人業務内容見直しということで個別に閣議決定の中に書き込んだところでございます。  なお、子会社等財務内容についてこれを積極的に情報公開すべきであるという観点から、子会社等財務内容の全体像を明らかにするということを、これも先ほど御説明いたしました昨年末の特殊法人財務内容等情報公開に関する閣議決定の中に個別の項目として書き込んだところでございます。  いずれにしろ、これらの子会社関連会社等につきまして、いわば全体が目に見えるように、かつ、その子会社関連会社を含めた特殊法人経営状況財務内容ができるだけ一般国民の目に見えるようにするという考え方で、ただいま申し上げたような方針を決めたところでございます。
  17. 川島實

    川島分科員 余り時間もございませんが、今のお話を聞いておりますと、特殊法人会計監査も思うようにきちっとした形でできていない。そして、予算が執行される事柄も、孫会社にほとんど競争原理が働かずに国民の税金が使われている。そして、そこに働く特殊法人定数は決められておっても、孫の定数は決められていない。天下り先として生きている。そして、官官接待やいろい ろな問題もそこに全部含まれておる。こういう状況指摘をされて一年余になるわけですけれども、この点について一刻も早く改革を実行していただきたいと考えております。  経済企画庁にお伺いをいたします。  日本経済大国と言われるようになって久しいわけでありますけれども、一番の問題は、内外価格差が、アメリカからもいろいろな要求が出されておるわけですが、そういう価格差が経済的ないろいろな規制によって一向に国際水準並みにならないがために、我が国国民生活経済大国としての恵みを受け取ることができない、こういう状況になっていると考えておるわけでございますけれども、現在どういう努力がなされているのか、まずお伺いしておきたいと思います。
  18. 鹿島幾三郎

    鹿島説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生指摘ございましたように、内外価格差問題というのは、国民生活の豊かさを実感できない大きな原因になっております。一方、企業活動にとりましては、高コスト構造をもたらすということで、現在日本経済が直面しております構造問題のあらわれであるというふうに私ども認識しておる次第でございまして、経済企画庁といたしましても、重要な政策課題一つであるというふうに考えております。  昨年六月に、総理大臣諮問機関でございます物価安定政策会議におきまして、内外価格差是正縮小に向けた提言が行われておりまして、私どもは、この提言を踏まえまして、現在、種々の取り組みを行っているところでございます。  具体的に申し上げますと、ただいま申し上げましたように、消費者生活者を重視するという立場あるいは高コスト構造是正するという立場から、各省庁の協力を得まして、個別分野ごと内外価格差実態調査を網羅的に年一回行っておりまして、内外価格差が生じている要因等について分析し、これを公表しておるところでございます。  また、内外価格差が大きい個別分野につきましては、今御議論がなされております規制緩和でありますとか、あるいは独占禁止法の厳正な運用でありますとか、あるいは競争制限的なあるいは不合理な取引慣行是正といった、個別分野ごと実態に即した具体的な対応を行っているところでございます。
  19. 川島實

    川島分科員 それでは具体的に、あなたが総務庁に対して、どういう形で規制緩和をどれだけ要求してどれだけ実現しているのですか、数を言ってください、簡単に。
  20. 土肥原洋

    土肥原説明員 お答え申し上げます。  政府経済企画庁といたしましても、昨年四月の緊急円高経済対策におきまして、加えまして、昨年十二月に策定いたしました経済計画におきましても、高コスト構造是正活性化のための行動計画を策定したところでございまして、経済企画庁といたしましても、こうしたものを通じまして規制緩和策推進に貢献しているという所存でございます。
  21. 川島實

    川島分科員 数を聞いているんだ、数を。結局、言葉は非常にいい言葉を羅列して、一年過ぎて、常にこう変わっていく。  では、昨年の予算委員会で、アメリカから具体的に要求されたものを、全部数を分野別指摘をいたしました、総務庁に。それが、もうどれだけ緩和がされておるのか。この四月にクリントンが見える。アメリカも、日本はぼやっとして緩和がされておるのかどうかわからないというような発言もなされている。これらについて、要求されておる部分でどれだけ緩和されておるのか、具体的な数を言ってください。
  22. 陶山晧

    陶山政府委員 御指摘のございました米国からの規制緩和要望につきましては、昨年の規制緩和計画の上で、各省庁真剣に検討していただいた結果、これを可能な限り計画に掲上するという方針で盛り込んだところでございます。  数という御指摘でございましたが、この要望意見として寄せられましたもののいわば数え方というのが、実はいろいろ技術的に難しい面がございまして、それぞれの立場でいろいろな数字をおっしゃる向きがございますけれども、私ども取りまとめた立場として申し上げますならば、相当の比率で米国からの規制緩和に関する意見要望計画の中に盛り込んだというふうに考えております。  なお、日米包括経済協議規制緩和競争政策等のワーキンググループが、先般も二十六日から二十七日にかけて日本で行われたわけでございますが、こうした場を通じて、引き続き、米国政府からの意見要望を今後とも取り入れるべく努力をいたしたいと考えております。
  23. 川島實

    川島分科員 国会の場で具体的な数も言えず、その努力が本当に真剣になされているのかも我々に示されず、本当に閉鎖的な省庁あり方だと指摘せざるを得ないわけですね。要望が出ていれば、要望にこういうふうにこたえているというのはきちっと理解ができるのですよ、具体的に向こうとの詰めをやっているわけですから。  そういう形であって、我々国民は、海外からのこういう規制緩和要求に対して我が国は渋々緩和をする、それによって国民生活のバランスが何とか少しずつとれている。我が国の政治のあり方というのは本当に貧困だと指摘せざるを得ない。それは、皆さん情報を開示しない、そして我々が国民生活の中でいろいろ聞いていることを具体的に国会審議をして指摘しても、それに対してきちっと直そうとする態度があらわれていないわけでございます。  その点について、昨年、大蔵省関係二つ指摘をしておきました。  まず、たばこ民営化になって、いまだに規制大蔵省で握っておって、許可にならない、これがまず一つ。  二つ目は、酒を大手の大スーパーが許されて、安く仕入れて売っている。ところが、中小の酒屋の組合が共同購入して買うと、倉庫の中で、別々のお店の、どれだけ減ったか、在庫があるかということを全部出させて、全体としての出し入れという形の合理性を全然やらせてくれない。  それからまた、一般の道路に面している部分で、スーパーをやっていて酒をやっていないところの横へ酒をやっているスーパーが来てこっちの店を非常に侵してしまう。だから、旧来の店については、酒屋から仕入れて酒を置いて販売をすることができるかどうかということについても、なかなか規制緩和が生まれてこない。競争原理からいって、非常にアンフェアなんですね。だから、公正を求めての改革緩和というのが必要ではないか、こう言って指摘をしているのですが、どれだけ直っていますか。
  24. 井置一史

    井置説明員 たばこ小売販売業許可基準につきましては、これまでも緩和策をとってきたところでございます。さらに、規制緩和推進計画におきまして、小売販売業許可制について、需給調整を含め、基準見直しを行うこととしております。  なお、たばこ小売販売に係る規制につきましては、専売制廃止に伴う零細小売店への激変緩和及び未成年者喫煙防止の……(川島分科員「できているか、できていないかだけ言ってください」と呼ぶ)規制緩和推進計画どおり行ってまいりたいと考えております。
  25. 岡本佳郎

    岡本説明員 委員指摘のありました点につきまして、まず具体的な方からでございますけれども共同備蓄等の点につきましては、各小売業者の方が倉庫の所在地を適切に税務署長に報告していただければ、これは可能ということでございます。  そのほか、全般的な制度の見直しにつきましても、行革委意見を踏まえまして、今後、中央酒類審議会等で幅広く意見を聞いてまいるつもりにしております。
  26. 川島實

    川島分科員 国税庁の方も来ていただいておりますが、例えば、海外へ行くと三十万までは無税でいろいろな買い物をして税関通りますよね。ところが、個人輸入ですと、衣類や何か子供の服を買って個人輸入しても税がしっかりかかるという ような話で、私どものところへ陳情が来ているわけですけれども、この件についてはいかがですか。現状はどうなっているのですか。――では、具体的に我々が指摘をした分でも、きちっと対応がなされていない。千九十一項目規制緩和決定をされて久しいわけですけれども、現在、幾つ緩和されているのですか。
  27. 陶山晧

    陶山政府委員 端的に御説明いたしますと、着実に推進を図っているところでございますが、本年三月末、つまり年度末の段階で、御指摘のありました個別事項千九十一事項のうち約六〇%が措置される見込みでございます。
  28. 川島實

    川島分科員 一万件を超える件数があって、海外からも言われ、昨年、我が国経済界からも二千五百項目規制緩和要求が出て、ようやく政府が取り組んで、千九十一ということでやりますと言って出して一年もたって、まだ六〇%。我が国経済界等から出ている二千五百の件数についても、まだきちっとした取り組みがなされていない。これが我が国規制緩和状況です。  我が国は資源のない国ですから、貿易でその富を得ているわけですね。いつまでも我が国は黒字でおれるかといったら、今そういう世界の情勢ではなくなってきているわけですね、経済大国としていつまで維持できるかというのは。我が国は余りにも規制が多過ぎる。ほとんど規制のない国々、香港だとかシンガポールだとか、世界物価が国の政策の中にすべてとれる、そして世界の動きがその国の最高の政策の中に生かされる、そういう形でつくり上げられていっているのが、今の世界の本当の先進国で、すばらしいなという国々なんですよ。  我が国だけですよ、こんなに規制が多くて、不動産の部では、代表取締役の住所の変更から名前の形から、もう細かいところまで全部規制をしている。ちょっとした開発行為をやると二十一省庁へ全部お伺いを立てなければいかぬとか、いろいろな問題点がいっぱいあって、ちっともできていないのが今日の状況だと思います。  地方分権推進の方でも、学者、文化人、民間、地方人たちからはいろいろな形で要求が出されておりますけれども省庁が加わって議論をすると、またまた昔の権益で全部改革がなされない、こういうような状況になっておりまして、我が国のガンは、官の皆さんの発想が非常に貧弱なことだと指摘をせざるを得ないと思います。  時間でございますので、終わります。ありがとうございました。
  29. 深谷隆司

    深谷主査 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。  次に、石井啓一君。
  30. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 新進党の石井啓一でございます。  私は、きょうは、情報公開法につきましてお尋ねをいたしたいと存じます。  今回の住専問題につきましても、また厚生省の薬害エイズ、これはまた資料が出てきたということでございますが、この問題につきましても、私は、今我が国の行政機関に最も求められていることは、国民に対して説明する責任を果たすこと、これが最も求められているのではないかと思います。このための決定的なツールといたしましてこの情報公開法が極めて重要である、これによって行政の透明化が飛躍的に図られる、このように考えております。  現在、行政改革委員会の行政情報公開部会におきまして鋭意検討されておる、本年の十二月十七日を期限として総理に意見提出される、こういうふうに承知をしておりますけれども、私は、この意見提出後、早急な法制化が必要であろう、このように考えております。  そこで、まず大臣にお尋ねをいたしますが、この情報公開法制定に向けての大臣の御決意をお伺いしたいと存じます。
  31. 中西績介

    ○中西国務大臣 行政情報公開につきましては、戦後五十年経過をいたしましたけれども、十分でないということはそれぞれ指摘されるとおりであります。  したがって、今、改めて行政の民主化ということが大変重要な課題になっています。また、橋本内閣における最重要課題の一つでもあるわけであります。したがって、今指摘をされましたように、十二月に向けて、行政改革委員会の方で現在まで部会が三十一回開かれまして、各専門分野の皆さんが、憲法上、法律上、いろいろな問題を論議いたしております。そして、さらに細かくは、そのたたき台をつくるために、五、六回程度、今小委員会を設置いたしまして論議が進められております。そして、これが三月段階で明らかにされますので、それを受け、行政改革委員会の方からこうした諸問題について提起があれば、直ちに、積極的に、可及的速やかに、どう法案上処理をするかという問題が出てまいります。  ただ、六百になんなんとする法律との関係を精査し提起をしなくてはならぬということでございますので、とにかく可能な限り早くやろうということで、今、全精力を挙げておるところであります。  以上です。
  32. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 行政手続法制定の際にも、関連する法律がたくさんありまして、これはいつできるかということがございましたけれども、やはりかなり積極的におやりになったと私は思っております。この情報公開法につきましても、関連する法律がたくさんあることは承知をしておりますけれども、やはり全力でこれはお取り組みをいただきたい、このように要望しておきたいと存じます。  続きまして、いわゆる知る権利という問題でございますけれども情報公開法にこの知る権利を盛り込むかどうか、うたうかどうかということについては、一つの大きなトピックになる、このように思います。  現実に、自治体で情報公開条例がございますけれども、知る権利をうたっているケースとうたっていないケースがある、こういうことでありますし、また、そもそもこの知る権利というのが憲法の基本的人権として位置づけられているか否かについては諸説ある、ただ、諸説あるうち肯定的な説が多い、こんな状況承知をしております。  大臣にお伺いするには大変哲学的な問題になりまして、難しい質問で恐縮でございますけれども、憲法の基本的人権としてこの知る権利があるとお思いになるかどうか、大臣の御見解をお伺いしたいと存じます。
  33. 中西績介

    ○中西国務大臣 知る権利につきましては、今指摘もございましたように、憲法の前文あるいは二十一条、こうしたところにいろいろ関連するわけでありますから、この部分について、今、意味する内容だとか、あるいは憲法上の問題だとか、こうした問題を、先ほど申し上げた専門部会におきまして、各専門分野の皆さんが徹底して論議をいたしておるところで、ちょうど今それがなされておると思います。  したがって、これらの問題については、私自身としては、国民要求するこうした具体的な要求については、私たちはあくまでも、行政情報公開をすること、そのことが行政に求められている最も重要な課題の一つであるということを認識をいたしまして、これらの問題につきましても、何としても具体的に明らかにすることによって、知る権利をどう保障していくかということが、今我々行政にとって一番重要な課題であろうと思っています。そして、これらの結論について、条文上いろいろ問題はありますけれども、これは今、先ほど申し上げたように、専門家によって論議をされているところでありますから、この分についての回答についてはお許しをいただきたいと思っています。
  34. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 ありがとうございます。  確かにいろいろ難しい問題というふうに承知しておりますけれども、やはりこの情報公開法の基礎に、あるいはこの法律を制定していくこの過程において、知る権利というのが考え方のベースになってやっているんだということをぜひ何らかの形でお示しをしていただきたい、このように思い ます。  続きまして、具体的な問題につきまして幾つかお尋ねをいたします。  本年の一月十二日に、情報公開部会で検討されている中途段階の発表として「情報公開法についての検討方針」、これが発表をされておりますので、この中身について幾つかお尋ねをしておきたいと思います。  まず、この情報公開法の対象機関でございますけれども特殊法人等については情報公開法を直接適用しないというふうにされております。確かに特殊法人、さまざまな性格がございまして、今JR各社もまだ特殊法人でございますから、民間企業と競っているような法人までも一律に対象にするということは問題があろう、このように思いますけれども特殊法人の中にはいわゆる行政代行的な事務を行っているというところもたくさんございまして、私は少なくとも行政代行的な事務についてはこの法律の適用対象にすべきではないかというふうに考えますが、御見解を伺いたいと思います。
  35. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 今委員指摘のとおり、特殊法人にはさまざまな性格のものがございます。それから、特殊法人に限られない問題もまたございます。認可法人指定法人、公益法人でも指定法人というものもございまして、行政代行的な仕事をやっておる法人がございます。  そこで、そういう特殊法人等を行政機関に加えまして対象とするかどうかにつきましては、さまざまな意見がございます。仮に規定するにしましても、いろいろな方法がある。それで、今御指摘検討方針におきましては、特殊法人についても情報公開を進めるべきと考えるけれども本法を直接適用することはしないとしておりますが、部会でさらに検討が進められることになっております。  今総務庁長官もおっしゃられましたように、小委員会を設けまして、いわば起草委員会的にたたき台をつくっております。そこでも議論の最中でございます。いずれ部会でそのたたき台を審議した上で、中間報告を四月中にはやりたいと思っております。各方面からの御意見もお聞きした上で最終的な報告をまとめるということになっております。部会としての具体的な考え方は、その際に明らかにされてくるということになると考えております。
  36. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 今の御答弁ですと、この方針では適用することはしないというふうにされていますが、今改めて検討しているというふうに承知をいたしましたので、ぜひこの点については、積極的にお取り組みをいただきたいと思います。  続きまして、いわゆる政府出資の第三セクターでございますけれども、今、このカテゴリーの中では、いわゆる企業情報等の中に位置づけられているというふうに思います。本来、第三セクターというのは、公益的な性格が強いゆえに政府出資をしているということでございますので、私は、行政機関並みといいますか、特殊法人並みにやはりきちんと扱うべきではないか、このように考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
  37. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 今お話しの政府出資の第三セクターでございますが、国からの出資法人は、現在のところ特殊法人と認可法人だけでございます。それで、国が出資するためには特別な法律が必要でございまして、法律による手当てが必要であるということでございます。  先ほどの答弁ともこれはまた重なってきて恐縮でございますけれども、類似のものがございまして、認可法人等でも代行的な事務をやっておるというものがございましたら、情報公開すべきかどうかも含めまして、その場合にどういう形でするかということを含めて部会でさらに検討が進められる。どうもこの時期、まことに歯切れが悪い御説明で恐縮でございますが、そういう御答弁をさせていただきたいと存じます。
  38. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 大変失礼な言い方をいたしますと、特殊法人とか三セクと言われているものが、何といいましょうか、行政の隠れみのといいますか、失礼な言い方をすればそういう形でなされるケースも間々あるというふうに指摘をされております。実際、今の自治体で定めている条例の中では、自治体の出資する三セクについては開示しないというようなこともありまして、種々問題を生じているようでございますので、この点について前向きにしていただきたいと思います。  ちょっと確認のためにお尋ねしますけれども、少なくとも、行政機関が持っているところの特殊法人等に関する情報というのは、これは当然適用対象になるというふうに考えてよろしいんですね。
  39. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 御質問は、監督官庁である各省が所管の特殊法人から提出されたデータを持っておる場合にそれがどうかということは、おっしゃるとおりでございまして、当然対象になるということでございます。
  40. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 その場合、もう一歩進めてお考えいただきたいのは、特殊法人等から提出されて役所が持っている資料のみならず、請求があった場合、特殊法人等から役所が取り寄せる、こういう仕組みについてもぜひお考えをいただきたい。特殊法人がそのまま対象になれば、それは問題ないわけでありますけれども、少なくとも、そういういわば間接的な請求がきちんとできるような形でのお取り組みをお考えいただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
  41. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 情報公開法は、御説明するまでもございませんが、みずから持っておるものが対象になります。したがいまして、監督官庁の監督の範囲内で、当然、国から独立して、独立の人格を持っておりますから、独自で監督の外にあるものはちょっと無理かもわかりませんけれども、監督の範囲内にあるものにつきましては、しかも所持しておるものということになれば、実は私も事務局長として常時出席しておるわけでございませんのでそこまで細かい議論があったか定かでございませんが、私は、作成されておるものであって監督下にあるものであれば、それはお説のとおり理解してよろしいと考えております。
  42. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 今回の「もんじゅ」の事故を見ましても、事故を起こしたのは動力炉・核燃料開発事業団でありますけれども、これが適用対象にならないということになると、情報公開を求めるのは科学技術庁に求めるということになります。それで、例えばビデオを出してくれというときに、科技庁がビデオを持っていない、じゃ、それは不存在だということになりますと、この情報公開法の趣旨がうまく生かされないことになりますので、その点につきましても、よろしく御検討のほどお願いしたいと思います。  続きまして、意思形成過程情報についてですが、この方針の中では、「行政部内の率直な議論の保護、未成熟であることによる誤解の回避、将来の意思決定の阻害防止等の保護を要する理由を具体的に吟味」する云々となっております。そういう点は、確かにもっともな点はあると思います。  私は、審議会についてお尋ねをしたいのですが、役所の政策決定について審議会というのは極めて重要な影響力を持っておりまして、この審議会への提出資料あるいは議事録についてどういう扱いをされるのか、御説明いただきたいと思います。
  43. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 委員指摘審議会への提出資料等の取り扱いでございますが、これも非常に重要な論点の一つとなっておりまして、さまざまな御意見が既に出されて議論されております。  今お話しの一月十二日の検討方針におきましては、「情報内容によって判断することを基本とし、開示・不開示の判断を審議会等の決定のみにまかせることはしない。」と、審議会でだめだと言っても、そうではなくて、その内容によって考えるのだという考え方が示されておりますが、これもまた具体的に部会で最終的にどうなるか、さらに今検討が進められておるところでございます。
  44. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 もう一つ確認をしておきたい のですが、審議会については、最終的な結論を出す途中のプロセスの審議会についても、積極的に出していただきたいと私は思います。  政府も、御承知のとおり、昨年の九月二十九日の「審議会等の透明化、見直し等について」という閣議決定で、いわゆる行政処分とか不服審査、個別の案件にかかわるもの以外の政策にかかわる一般審議会については、原則として会議公開する、あるいは議事録を公開する、こういうふうにされておりますので、この政策検討のプロセス段階でも審議会については原則として公開する方向であるという趣旨だと思いますので、当然のことながらそういうことも踏まえておやりになっていると思いますので、確認のためにもう一度御説明いただきたいと思います。
  45. 藤井昭夫

    ○藤井説明員 行政情報公開部会でも、まさに先生指摘のとおり、審議会というのは重要な意思形成プロセスであるから、その透明性の向上は重要な問題であるというような観点に立って議論されていることは事実です。  先生指摘の趣旨が、審議公開とか議事録の作成とかいうものを新たに義務づけるというような御指摘であるとするならば、それは実は先ほど局長の方から御説明申し上げましたが、情報公開法制というのは、外国でもどちらかというと、保有されているあるがままの情報を対象として、それを法律の基準で判断して公開、非公開を定めていくというような仕組みになっております。今先生指摘閣議決定は、どちらかというと、政府がみずから審議会を公開すべきとか、議事録なり議事概要をきちっとしたものを作成するのだという義務づけの方に力点を置いた施策になっておるということです。  ですから、あの閣議決定に基づいて議事録なりがきちっと作成されましたならば、それは情報公開法ができたら当然その対象文書として、これは審議会が決定したから議事録を一律に非開示とするというような取り扱いをすることなく、その議事録を見た上で、個々の部分について開示可能か不可能か、そういうような観点から公開を進めていくということになろうかと思います。
  46. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 わかりました。  続きまして、これまで自治体の公開条例では余り問題にならなかったようでありますけれども、資料が存在するか存在しないか、これを明らかにすることも適切でない、あるかないか言わない方がいいという情報があるようでございます、いわゆるグロマリゼーションというふうに言うようでありますけれども。これはなかなかわかりにくいことでございますので、どういう事例を想定しているのか、あるいはその場合どんな対応になるのか、御説明をいただきたいと思います。
  47. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 一月十二日の検討方針では、「存在・不存在を明らかにすることが適切でない情報については、司法救済における審査方法にも留意しつつ、何らかの対応検討する。」とされております。この議論では、例えば、請求対象とされる情報の存否を明らかにすること自体が、プライバシーを侵害するおそれがあったり、国の安全とか犯罪捜査に支障を及ぼしたりするような情報指摘されております。ケースとしては、今申し上げた、やや抽象的ではございますが、プライバシー侵害あるいは国の安全、犯罪捜査等々が議論の対象となっております。  検討内容、つまりおっしゃることは、どう対応するかということでございますね。そういうケースや対応策につきましては、これもまた恐縮でございますけれども、さらに検討が進められておるわけでございますが、かなり難しい問題でございまして、今の段階で具体的に申し上げるわけにいきませんが、いずれ近いうちに中間報告が行われますので、そこで明らかにされると私は理解しております。
  48. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 わかりました。  続きまして、手数料の問題でございます。  今、自治体においても、大量請求された場合、そのコストが非常にかかるということでお困りになっている事例もあるようでありまして、この検討方針におきましても、「複写その他の実費として徴収すべきコストの適切な範囲について検討する」。いわゆる乱用防止のための手数料という意味、あるいは請求するので当然それなりのコストをもらうという意味合いは当然あろうと思います。しかし一方、余り高額の手数料ということになりますと、せっかくの情報公開の趣旨がその手数料の壁のためにうまく使われないということになると、これは逆に法の趣旨に反するということになると思います。  そこで私は、複写をする手数料についてはある程度お取りになってもよろしいかと思いますけれども、いわゆる検索、閲覧する手数料については、これは原則として取らない方向の方がよろしいのではないかと思いますが、その点についてはどうなっているのか。  もう一つ続いて、アメリカでは公益目的の場合、手数料が減免されるということがあるようですけれども、この場合、今回は同様の規定が盛り込まれるのかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
  49. 藤井昭夫

    ○藤井説明員 お答えいたします。  実は、部会での議論でも、まさに先生のおっしゃっていた双方向の要請をどう調和するのかというのは非常に難しい問題という御認識で御論議が進んでいたところでございます。ただ、手数料ということになると、当然それにかかった実費は徴収するというのが基本的な考え方でございます。  その中で、まさに、いかに国民にとって利用しやすい料金設定をするか、あるいは一方、そうはいっても、場合によっては非常に大量請求ということも予想されるのであれば、それなりに何らかの牽制効果、これは本来の筋論ではないのですが、そういったものもやはりにらみながら考えていかなければいけないのではないか。こういうような御論議で、それ以上の御論議については、具体的にその実費の範囲をどうするのかというようなことについては、まだお答え申し上げるのは無理な段階にあるということを御理解いただきたいと思います。  それから、確かにアメリカでは、例えば企業の利用とか公益利用、こういったものについては差をつけた徴収方法をとっていることは事実でございます。  ただ、そうはいっても、企業は当然高くなるわけですけれどもアメリカの場合でも、手数料として徴収するのはあくまで制度の維持にかかった費用、コストの範囲の中で、企業は大体十分取って、あと公益目的であれば安くするということで取っているようでございます。  ただ問題は、そういう営利利用と公益的な利用、こういったものをどうやってチェックするか、これが実は非常に事務的には難しい問題でございます。と申しますのは、開示請求権というのは、もともと目的を問わないで請求してくるわけでございます。アメリカなんかでは、大体その請求者の属性と申しますか、そういったところで一応割り切って制度をつくっているというような状況であるようでございますが、ただ、日本なんかの場合、結構きちっと物を考えざるを得ないお国柄でございますから、そういった形で果たして制度というものをつくっていいのかどうか、そういったことがまさに今、議論の対象となっているというところでございます。  以上でございます。
  50. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 わかりました。  続きまして、インカメラ審理、これも専門用語で大変難しいのですが、司法救済の場合、原告に提示せずに、裁判官が資料を見て、この資料を公開すべきかどうか、あるいはどこまで公開すべきかを審理するという、いわゆるインカメラ審理という方法があるわけであります。この検討方針の中では、インカメラ審理等の特別の審理手続は設けない、それにかわる有効な手段の導入の可能性について検討するというふうにされておりますけれども、どういう手段を御検討されているのか。これもちょっと難しい質問でございますけれど も、御説明いただきたい。
  51. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 今仰せのとおりに、インカメラ審理というのは、非常に難しい問題でございまして、憲法上の問題もあるというのは御存じのとおりだと思います。検討方針では「それに代わる有効な手段」と今おっしゃるとおり書いておるわけですが、現段階では検討方針以上に部会の論議が煮詰まっておりません。いろいろな話は実はありますが、この席で申し上げるにはなお問題があるのかなと思っておりますので、お許しいただきたいと思います。
  52. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 これは、可能性についてというよりも、ぜひ導入する方向で御検討されることを要望しておきます。  最後でございますが、いわゆる文書管理でございますけれども、この情報公開法の基盤、基礎として、役所の文書の管理がきちんとしていなければ、これは存在するか存在しないかきちんとしないということでは、情報公開法の基礎が成り立ちません。  例えば、厚生省の薬害エイズの資料でも、あれは今までないないと言っていたんですよね。だから、今回この情報公開法が成立したとしてやったとすると、あの資料は不存在だった、不存在ということで役所としては言っていたわけですけれども、改めてよく調べてみたらあった、存在したということでは、こういう文書の管理では、この情報公開法の基礎がやはり崩れてしまうということでございます。この文書規程というのは各省でばらばらになっておりますね。こういう現状を考えますと、文書管理がきちんと整っていなければ、特にその資料が存在するのか不存在なのかという点で大変大きな問題になろうと私は思います。  したがって、行政機関で統一的な文書管理のシステムを情報公開法とあわせてきちんと整備すべきではないか、このように考えますが、いかがでございましょう。     〔主査退席、志賀主査代理着席〕
  53. 田中一昭

    ○田中(一)政府委員 委員指摘のとおり、この情報公開法を円滑に運用していくためには、その基礎として文書管理がしっかりしておらなければいけない、極めて重要であるという御認識でございますが、全くそのとおりだと思います。各省庁の文書管理の実態を、私ども総務庁の御協力を得ながら、ヒアリングしたり勉強しておりますけれども実態を踏まえながら現在検討されているところでございます。  統一的な文書管理システムをつくるべきであるとの御提案でございますが、そのことについては、私どもの部会でも議論にはなっておりますけれども、改めて部会の方にお伝えしたいと思っております。
  54. 石井啓一

    ○石井(啓)分科員 では、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  55. 志賀節

    ○志賀主査代理 これにて石井啓一君の質疑は終了いたしました。  次に、嶋崎譲君。
  56. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 与えられた時間は三十分ですが、たった一問の問題をめぐりまして、少し総務庁並びに林野庁の相互の意見を聴取し、大臣の今後の対応についてのお願いを申し上げたいと存じます。  林野庁国有林野事業では、平成七年度におやめになる人が大体千三百五十ぐらいですね。そして、総務庁が管轄をして、予算編成をやるときには、新規の定員、定数について決めた上で予算編成を毎年行っております。ことし、平成八年度予算ではどうなったかというと、林野庁の特別会計、これは支弁なんて古い言葉がはやっていますが、特別会計で支払いする新規の人は十名ふえまして、平成八年度は百六十名です。  今年度おやめになるのは千三百五十。そのうち、正規の国有林野事業の中の定員内でいきますと、ことしのおやめになる予定は千三百十八ぐらいになるのではないかと思います。平成八年度にいきますと、約千三百、依然として千三百やめるわけ。定員内職員総務庁がかかわりますが、その他の定員外の方は大蔵省が直結しますから、ごれはきょうは質問は省くことにしましょう。そうしますと、定員内職員でことし約千三百人ぐらいおやめになり、また来年も千三百人おやめになる。ところが、新規の採用は昨年が百五十、ことしは十名ふえまして百六十という予算になっております。  このやめていく数、今林野庁からずっと漸減していく退職予定者の表をもらいましたら、これは、改善計画平成十二年までですが、その十二年までの間に定年でおやめになる、自然体で三千九百十三名おやめになります。ことしは千四十六ぐらいで、来年は千、予定がですよ。そして年度末にいきますと、また来年は千七十七名、千名以上やめていくのです。そして、採用が百五十から百六十ということですね。  たくさんおやめになるのは定年でやむを得ぬとしても、山を管理する林業技術者とでも申しましょうか、ないしは林業の技術者集団というものが、このぐらいの新規採用を継続されていて、今一千万ヘクタール以上の大森林の蓄積が日本列島にできてきておりますし、外材依存率は非常に高いですけれども、グローバルに見て、いつまでも外材に頼っている時代ではありません。そうしますと、今後の日本の林業や将来の林政政策を考えてみて、当面、平成十二年までの改善計画の中で毎年せいぜい十名ずつぐらいふやしていくようなことで、新たな林業専門家を育てていくという労働力の更新になるのかどうか、まず大臣、この辺について御意見はいかがですか。
  57. 陶山晧

    陶山政府委員 大臣からもお答えがあるかと存じますが、その前に私から事務当局の立場で一言だけ申し上げさせていただきます。  ただいま嶋崎先生から御指摘のございましたように、国有林野事業の定員につきまして、私どもと林野庁の御当局、両者で十分御相談をしながら、毎年度の予算編成において具体的な措置を決めているということでございます。八年度の新規採用の数字につきましても、先生の御指摘のとおり、前年度より十人増の百六十人ということにいたしたわけでございます。  いずれにしろ、林野庁の御当局と十分御相談を重ねながら、今後とも、この国有林野の定員の問題につきまして、経営改善計画を踏まえた適切な定員管理に努めてまいりたいというふうに考えております。
  58. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 ことしは、林野庁は二十名増を要求したのです。二十名増を要求して、十人カットして十名になったのです。おととしは、私はこの問題の党の担当者だったのです。私がやったときはゼロだったのです。その前の年は十名、その前の年も十名。もう林野庁は、ぎりぎりの再建計画の中で、大変な赤字を抱えているのですから、やはり労働力の更新を考えて着実に少しずつでもいいからふやしていこうといった要望がこの数字だと私は見ています。おととしは、私が担当したときはゼロだったのです、山口長官のときに。あれだけ行管の局長と大臣と林野庁と三者で話し合った結果、林野庁は泣いたのです。ことしを見ていましたら、二十名要求して十名に削っているのです。  ちょっとお聞きしますが、総務庁の行政管理局に森林専門官は配置されていますか。林野庁から出向していますか。いるならいるだけでいいです。いないでしょう。いますか。
  59. 陶山晧

    陶山政府委員 私どもの局で、仕事のやり方といたしまして、農林省を担当する専門のセクションを置いておりまして、その担当が農林省と十分御相談し、事情を聞きながら仕事を進めているということでございます。(嶋崎分科員「大蔵は入っていますね、すぐ返事して。大蔵省からはちゃんといるでしょう、この行政管理局の中には」と呼ぶ)大蔵省から出向して私どもの局に在籍している職員はおります。
  60. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 経過は、実態はよく知っていますから。最後の詰めの段階に来ますと、総務庁も、大蔵が担当者いますし、非常に気を使いながら定数の問題を配慮していることはよく承知していま す。  いずれにしましても、去年、おととしは、十名、ゼロですよ。これ何で十名ずつふえたかというと、平成二年、三年に法律改正をやったのです。経理区分というのをやって財政再建の道筋つくって、こういうふうに再建するのだからという方針が出たから、平成五年を境にして毎年増、十名ずつふえていっているのです。それが平成七年度ゼロ、そしてことしは十名、二十名の増の要求に対して十です。  そこでお聞きしましょう。林野庁、来ていますな。  林野庁は、現在、林政審議会に大事な諮問をしているはずであります。林政審議会はどういうテーマを今やっておるかというと、御承知のように、森林資源基本計画と重要林産物の長期需給見通しというものについての検討に現在入っております。これは始まりが一九八七年ですから、期限は大体十年と見ますと、去年の夏から審議を始めていますから、今年じゅうには一定の判断が出てくるはずであります。日本の森林の資源というのはどのように計画的にふやさなければならぬかということを、方針を出して審議しているのです。  もう細かなことを挙げている時間がありませんから一言で言いますと、この現在の段階計画と現実の進行には、物すごい乖離があるのです。つまり、計画して例えば森林面積をどうするかといったことに対して、ふえる方向じゃなくて、むしろ減少しているのです。それから、造林の面積をどうするかというのは、現在は目標の五三%、天然林なども入れていろいろありますが、目標は立てていますが、七五%。木材の自給率というのは、目標は四〇%と言っていますが、今は二四・七%。全然計画どおりに資源計画が動いていない。これをどうするかとか、今審議している真っ最中です。ことしじゅうには、その中間報告を出すか出さないかが大事なところです。  そして、私が手がけまして新たな予算項目をつくった森林整備五カ年計画というのは、治山はずっと昔からありましたが、森林整備をやらなければならぬというのでやり始めた予算がことしで切れます。いよいよ平成九年度からは森林整備の新たな計画に入る年になります。これらの計画が現在林野庁で動いていると思いますが、この林野庁の見通しがいつごろ出るかということ。  それから、林野庁が今日まで行っている改善計画の中で、こんなに毎年毎年定員が減っていっているのに対して、補うのは、千名を超えるのに対して百名そこそこ。それも第Ⅰ種、第Ⅱ種と第Ⅲ種がありますから、大卒は大体七名ぐらい。Ⅱ種、Ⅲ種、Ⅱ種はまあちょっとおいて、Ⅲ種は高校卒が割と多いのですが、それ以外にも大蔵による一般会計採用のもいます。ことしは四十何名採用しているはずです。そういうのを入れまぜて新規の労働力を確保しようとしているのです。  今の我が国の森林の将来を考えてみて、今のような新規労働力でもって――これからは技術革新にたえる若い労働者でなければいけません。森林と文明などについての哲学や歴史みたいなものを知っている森林官でなければ困ります。国土のあり方と森林のあり方はどうなのかということもわかっていなければ困ります。そういうことを考えてみて、これからの日本の森林を考えて、大量にかつて多かった時代は黒字の時代ですから、今日のような赤字になって減っていくのはやむを得ないとしても、その自然体の割には新規採用がこの程度で将来の日本の森林管理は可能かどうか、非常に案じています。  林野庁、二つの問題にどうお答えになりますか。
  61. 星野明

    ○星野説明員 ただいま嶋崎先生から御質問のありました二点の第一点目、森林資源に関する基本計画及び長期需給見通してございます。  現在、林政審議会におきまして鋭意御審議を幅広い観点から行っていただいておるところでございます。今後の経済社会の発展方向に即応いたしました新たな計画及び見通しに改定するということで御審議いただいているわけでございますけれども、本年中を目途として進めているというふうに承知いたしておるところでございます。  それから、森林整備の五カ年計画でございますけれども、これにつきましては、平成四年度から八年度までの計画でございますので、そういうことも踏まえていろいろと考えているということでございます。  それから、人の問題に関する御質問でございますけれども、国有林野事業につきましては、公益的機能の発揮また林産物の計画的、持続的な供給等、その使命を十分に発揮していくという観点から、現在、平成三年七月に策定いたしました国有林野事業の改善に関する計画に基づきまして、要員規模の適正化、組織機構の簡素化、合理化等自主的な改善努力を尽くしますとともに、一般会計からの繰り入れ等所要の財政措置を講じて、経営改善を推進しているところでございます。  先生の先ほどの御発言の中にもございましたように、平成三年度新規採用者数百三十名であったわけでございますけれども平成八年度には前年に比べて十名増の百六十名といたしております。今後とも、いろいろな厳しい状況はあるわけでございますが、改善計画に即しまして適切な採用、適正な森林管理に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  62. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 答えになっていないよね。十名ずつふやしていって新規労働力を確保できる見通しを立てているから、毎年要望しているのでしょう。その根拠は、もう最低ぎりぎり絶対に要るのですと言わなければ、二十が十に減らされたら、ああそうですが、他省庁並みですからと、引いてくることになるじゃないですか。だから、改善計画の中で将来を見通してみると今の要求はぎりぎりなのですよというぐらいのもっと強い熱意でいつも構えておらないと、林野庁はやられてしまうのですよ。僕は林野庁のPTAのつもりですよ。しっかりしてくださいよ。  それで、この改善計画皆さんからいただいた数字を見たって、自然減でも、平成十二年の改定期までに定員内職員が三千九百十三減るといっているのです。それで、その年度末の職員は、自然減でいくと六千九百、これは定員内職員だけで六千九百になるのです。約七千と見ていいでしょう。定員外は、自然減でいきますとこれは大体三千足らずになります。そうすると、両方足してみて約一万ぐらいになるのです。  私はだめだと思っておりますけれども、自然のままでいくとそうなるのですから、仮に一方になるとして、減っていった中ですぐれた森林技術官たちを、林野庁といったら基本は技術者集団なのですから、その森林技術者集団の労働力を更新して、現代の時代の変化に対応し、技術革新にもたえ、コンピューターも皆やれなければいかぬのですから、もう機械は皆――寒いときだったら暖房しているし暑いときは冷房しているのですよ。若い女性や男性でもみんな伐採したり、みんな自由にできるぐらいに技術革新は進んでいるのです。だから、若いすぐれた労働力を確保していかなければいけません。  その労働力の更新をやりつつ、日本の森林の蓄積を考えて、いつの時代にどのぐらいの仕事があるか、せめて平成十二年の再建までの間、もうあと五、六年なのですから、それの改善計画の中で毎年どのぐらいの新規を要求していかざるを得ないかぐらいの大枠の判断はお持ちにならないといかぬ。  僕が心配しているのは、自然減になる七千人に対しては、これから毎年四十名ずつ新規採用しないと七千を維持できないのですよ。平成九年度予算は四十名、その次はさらに四十名とやっていって、やっと七千の定員内職員を維持できるのです。定員外を入れてやっと一方ですよ。定員外はここでは議論を省きましょう。それでも、最低そのぐらいの数の新規採用なくして、日本の全国で働く国有林の関係人たちの労働力の更新はできぬのです。  その意味で、十名という人間に限っている根拠もあいまいですが、二十名要求して削った十名の 総務庁の判断、何で十名減らしたのですか。その要望に対して、ととしはなぜ減って、一昨年はなぜゼロだったのですか。ちょっと説明してください。
  63. 陶山晧

    陶山政府委員 専門家の嶋崎先生に大変御無礼かもしれませんが、先ほども説明申し上げましたとおり、私どもと林野庁御当局とで現在の経営改善計画を踏まえながら十分に御相談を詰めて、その結果としてそういう数字になったということでございます。
  64. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 おととしはそのど真ん中に僕はいたのだから。林野庁は泣いたのですよ、ゼロのときは。皆さんがそれで我慢なさるのなら今回はしょうがないなと僕は言ったのです。泣いたのですよ。林野庁と話し合いの上で結論が出た話ではないのですよ。ことしだって二十名を十名減らしているではないですか。だから、おととし減らしたなら、ことしは二十要求した、二十ふやさなければおかしいのですよ、あのときの理屈が成り立たないとすれば。  そこで、この間、二月二十二日、農林水産委員会で農林大臣が、国有林野事業についての同僚の質問に対して非常に重大な御回答をなさっておられます。議事録によりますと、今年度予算で新たな利子補給等幾つかの一般会計繰り入れ措置がございましたけれども、この程度ではとてもこの赤字をしのぐということには至らない、やはり何らかのときに今や抜本的な対策を考え直さなければならないと、私も委員と同様、御指摘のように思っておりますと。  この委員は何を言っているかというと、改善計画についてビジョンの作成を改めてやり直して、手おくれにならないように省庁を挙げて努力をしていただきたい、その際、農水省しっかりしてくれ、こう言っているわけ。それで、農林大臣はそれにお答えになっている。  このことは、先ほど私が言ったことと密接不可分なのだ。平成九年度のときには、林政審の森林資源の整備計画並びに需給見通しの方針がほぼ出てきます。森林整備五カ年計画がことしで終わります。そうしますと、平成九年度は財政をどうするか。新たな計画を進めなければならないという一方のニーズに対して、財政をどう裏打ちするか。大変な時期に来ます。ことしになったら、財投から借りたお金は利息を払ったら投資的経費はないですよ。ゼロですよ、今。  今やそんな事態に立ち至っている中ですから、新規採用の要求というのは大変厳しいというふうに大蔵から見ればなるでしょう。それを受けて、総務庁の側からいえば、他省庁とのバランスを考えてみてそんなことはできぬな、こういうふうに、森林・林業の持っている意義なんかとは関係なしに、まさに銭の計算でいくとそうなってしまうのですよ。  したがって、きょうは三十五分までですからもう時間がありませんが、ことしのこの八年度予算については、法案の改正を三本当しています。森林の公有化問題とか、特に財政再建に関連して大蔵も御了承いただいて、造林については、利子について一般会計から補給するとか累積についてそれを補てんするとかという新しい制度が動き出します。何も新しくはないのだ。本当は三年前に僕がつくったのですが、予算をつけてなかったからことしから動き出したにすぎないのです。  だけれども、動き出した。これは、造林がいいのならなぜ林道はだめなのですかという議論が残ります。林道だって公益事業です。ですから、そういう問題も含んで、まだまだ一般会計論は必要なのだけれども、しかし、農林大臣がこういう御発言になるぐらいに、この森林整備の五カ年計画について今後検討しなければならぬという一般的な決意を述べておられますが、それだけに、平成九年度予算編成というのは、八年度の経験を踏まえて、非常に重要になります。  その認識を総務庁皆さんに持っていただきたいというのが私のきょうの質問ですが、同時に、その際に、今の日本の森林・林業の将来を考えて、国家公務員並びに国有林野事業における特別会計の一般職の採用に当たっては、林野庁の要請に基づいて最大限総務庁努力していただきたい。  あと五分ありますから、これについて少しやりとりしましょう。まず行管局長、どうですか。
  65. 陶山晧

    陶山政府委員 嶋崎先生には、従来からこの問題について格別の御指導をちょうだいしてまいりました。  現在の経営改善計画につきましては、国有林野事業国民生活あるいは国民経済の上で果たす役割にかんがみて、その使命を十分に果たすことができるよう健全な経営を確立する必要があるという観点から策定をされたものというふうに承知をいたしております。  私どもといたしましては、これまでもこの趣旨を踏まえて、林野庁御当局と十分協議、御相談をしながら対応してきたところでございますが、今後とも林野庁の御当局と十分に御相談をしながら、今後の対応検討させていただきたいと存じます。
  66. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 林野庁、改善計画見直しなんて言う必要ないです。そんなことを言うとまた面倒になりますから。そんなことを言う必要はないが、大臣が言っておられるようなことを想定しつつ、森林資源基本計画並びに林産物長期需給見通しのいよいよ中間報告が出る、森林整備五カ年計画が来年から始まる、そういうことを考えて、この森林整備、今の五カ年次、平成十二年までの計画の中で、特別会計の中で採用する新規の採用について、林野庁が要望していく要望は、遠慮なさらずに、将来の労働力を考えて、こういう技術者集団をつくらなきゃならぬという理屈と信念を持って、総務庁との間に、九年度予算の概算が始まってから、勝負は十一月から十二月ですけれども、それまでは大臣、選挙はなかろうと思うから、来年度予算編成に向けては、ひとつ転換のための努力をしてほしいなと思う。  林野庁、改善計画の中で、来年度は重大だという認識と、こういう問題について、来年はどんな要求をするかまだ決まっていないわな。それは当然のことだな。ことしは二十名の要望で十名に減らされ、おととしも十名減らされてゼロだったんだから、そのぐらいは積み足ししてやるぐらいの構えであってほしいと思うが、決意いかん。
  67. 星野明

    ○星野説明員 ただいま嶋崎先生の方から御指摘のありました件につきまして、国有林野事業といたしまして非常に大事な問題だと考えておりますので、今後とも関係の各方面ともいろいろ御協議いたしながら、意を用いてまいりたいと考えております。
  68. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 一つだけ行政管理局の方に。  これは、おととしの秋、皆さんのところからいただいたデータでこしらえた私の文書ですけれども、定員削減計画というのが始まったのは昭和四十二年、これは平成六年までの数字です。平成六年までの間に各省で、全体でどのぐらい人間が減ったかという数字がこれによって出てくるのです。  これは傾向値ですから、一%や二%違うところはあると思うが、おやめになった総数、この昭和四十二年から平成六年までの間に国家公務員でおやめになっていったのは、定数が減ってきたのは四万百二十一。そのうち、林野庁の中の定員内職員だけとってみますと、定員内職員は二万五千六百八十六。四万百二十一名中、これは国有林三条定員と言うのです、特会支弁ですから。三条定員の場合は二万五千六百八十六人。減少の中で林野庁が負担した分は六六%ですよ。  それは、かつて国有林がもうかっておったときは、黒字ですから、一般会計にお金を入れている。赤字になってきたんですから、しかも木材の輸入が始まっていますから、えらいことになっているという意味で、だんだん減らさざるを得ない。それはわかるにしても、国家公務員の定数削減の中で、何と林野庁職員の負担したのが六六%。それから、定員外を入れまして、国有林の定員内外の削減数というのは総勢でいくと五万六千六百二十、これは全体の中で占める比率七 二%、こういう傾向値なんです。それには、じきじきにそれぞれ理屈があります。その理屈は僕はみんな知っていますから、わざわざ聞きません。  これだけ御努力をされ、最近は毎年、定員内だけですよ、千人を超える人たちがおやめになっていき、それを新たにふやすのには、せいぜい十人ぐらい今よりふやしてくれぬかという要望が続いておるということです。  そこで、もう時間がありませんから、僕が一冊本を推薦します。ちくま新書の環境考古学の学者、安田さんという方が書いた「森と文明の物語」という本を、行管の方々、森林というものを考えるのですから、一遍読んでおいてください。それから、これは東大出版から出た学位論文ですが、「日本森林行政史の研究」、これは最近出た非常にすぐれた本です。  今、日本の林業というのは、農林省の中の一つの庁にしかすぎないが、全体を見たときに、国土庁と林野庁、建設省と林野庁、運輸省と林野庁、みんなかかわるのです。オーストリアへ行きますと、建設省の河川というのは、林野庁が主管するのですよ。川の生態系というものを、林野庁がかかわらないで勝手に開発しちゃいかぬのです。そのぐらい行政改革の課題は大きいのです。  今までの建設省や運輸省の延長線上で、林野庁というのは山だけやっているんだから関係ないというような発想でいる国は、発想がおかしいのです。それだけ重大な課題を持っているということを、それぞれの担当者がそういう専門的な研究なども勉強していただいて、これからの大事な日本の国土の問題ですから、今のような議論を十分に踏まえて御検討いただきたい。  もう時間がありませんので、大臣に最後にお願いですが、平成八年度予算は、これを精いっぱい通すことになりましょう。平成九年度は重大な時期を迎えますから、この予算が上がって、いよいよ林政審答申がどうなろうとしているか、それからその後、答申に基づくところの九年度予算編成は重大な転機を迎えるぞということを、中西長官は我々と長い間一緒に林業をやってこられたお方ですから、釈迦に説法でございますので、そんなことを申し上げる御無礼なことはありませんが、平成九年度の予算編成に向けては、林野庁の改善計画の中で最大限に、ささやかなりでも要求していく課題についておこたえをいただきますように、林野庁と総務庁がその予算編成に当たってよく話し合いをした上で納得のいく結論が出るように御努力を賜りたい。よろしくお願いいたします。
  69. 中西績介

    ○中西国務大臣 いろいろ嶋崎委員の御高説を拝聴いたしました。森林問題については、全く考え方については一致しておると思います。  私も、昨年、森林調査等歩きましたけれども、そうした中で、今、日本の国土保全あるいは環境問題等を含めまして多くの役割を果たしておるということを十分承知をしておるつもりです。その結果が、今の、それを守る側の人員配置、これが果たして十分であるかどうかという問題の指摘であったと思うわけでありますけれども、今指摘のございましたように、林野庁そして大蔵省、こういうところとの関連を十分考慮いたしまして、総務庁としての役割を果たすように努力をしていきたい、こう思っております。  以上です。
  70. 嶋崎譲

    嶋崎分科員 終わります。どうもありがとうございました。
  71. 志賀節

    ○志賀主査代理 これにて嶋崎譲君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総務庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午前十一時四十分散会