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1996-04-11 第136回国会 衆議院 予算委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年四月十一日(木曜日)     午後二時開議 出席委員   委員長 上原 康助君    理事 桜井  新君 理事 近岡理一郎君    理事 深谷 隆司君 理事 保利 耕輔君    理事 今津  寛君 理事 草川 昭三君    理事 野田  毅君 理事 三野 優美君  理事 五十嵐ふみひこ君       相沢 英之君    伊藤 公介君       江藤 隆美君    小澤  潔君       越智 伊平君    越智 通雄君       菊池福治郎君    後藤田正晴君       志賀  節君    高鳥  修君       谷川 和穗君    萩山 教嚴君       原田  憲君    武藤 嘉文君       村岡 兼造君    村山 達雄君       谷津 義男君    若林 正俊君       安倍 基雄君    愛野興一郎君       伊藤 達也君    石井 啓一君       川島  實君    倉田 栄喜君       左藤  恵君    笹川  堯君       谷口 隆義君    中野 寛成君       長浜 博行君    平田 米男君       前田 武志君    松岡滿壽男君       山口那津男君    山田  宏君       今村  修君    佐々木秀典君       坂上 富男君    田中 昭一君       細川 律夫君    錦織  淳君       松本 善明君    矢島 恒夫君       海江田万里君  出席国務大臣         内閣総理大臣  橋本龍太郎君         法 務 大 臣 長尾 立子君         外 務 大 臣 池田 行彦君         大 蔵 大 臣 久保  亘君         文 部 大 臣 奥田 幹生君         厚 生 大 臣 菅  直人君         農林水産大臣  大原 一三君         通商産業大臣  塚原 俊平君         運 輸 大 臣 亀井 善之君         郵 政 大 臣 日野 市朗君         労 働 大 臣 永井 孝信君         建 設 大 臣 中尾 栄一君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     倉田 寛之君         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 梶山 静六君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 中西 績介君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)         (沖縄開発庁長         官)      岡部 三郎君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 臼井日出男君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      田中 秀征君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 秀直君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 岩垂寿喜男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 鈴木 和美君  出席政府委員         内閣法制局長官 大森 政輔君         内閣法制局第一         部長      秋山  收君         防衛庁経理局長 佐藤  謙君         防衛施設庁長官 諸冨 増夫君         防衛施設庁総務         部長      大野 琢也君         防衛施設庁施設         部長      小澤  毅君         経済企画庁調整         局長      糠谷 真平君         科学技術庁原子         力局長     岡崎 俊雄君         法務省刑事局長 原田 明夫君         外務省総合外交         政策局軍備管         理・科学審議官 河村 武和君         外務省アジア局         長       加藤 良三君         外務省北米局長 折田 正樹君         外務省条約局長 林   暘君         大蔵大臣官房総         務審議官    武藤 敏郎君         大蔵省主計局長 小村  武君         大蔵省銀行局長 西村 吉正君         大蔵省国際金融         局長      榊原 英資君         国税庁次長   若林 勝三君         文部大臣官房長 佐藤 禎一君         農林水産大臣官         房長      高木 勇樹君         農林水産省経済         局長      堤  英隆君         郵政大臣官房審         議官      品川 萬里君         労働大臣官房長 渡邊  信君         建設大臣官房長 伴   襄君         自治省行政局選         挙部長     谷合 靖夫君         自治省税務局長 佐野 徹治君  委員外出席者         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ————————————— 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   村岡 兼造君     萩山 教嚴君   石田 勝之君     中野 寛成君   川島  實君     倉田 栄喜君 同日  辞任         補欠選任   萩山 教嚴君     村岡 兼造君   倉田 栄喜君     川島  實君   中野 寛成君     長浜 博行君 同日  辞任         補欠選任   長浜 博行君     石田 勝之君     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成八年度一般会計予算  平成八年度特別会計予算  平成八年度政府関係機関予算  主査からの報告聴取      ————◇—————
  2. 上原康助

    上原委員長 これより会議を開きます。  平成八年度一般会計予算平成八年度特別会計予算平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、各分科会主査より、それぞれ、去る二月二十九日及び三月一日の分科会における審査報告を求めます。  第一分科会主査深谷隆司君。
  3. 深谷隆司

    深谷委員 第一分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会は、去る二月二十九日、三月一日の二日間にわたり審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲るこ ととし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、警察庁関係では、運転代行事業の健全な育成必要性広域捜査体制現状見通し及び警察官の高齢化とその対応等について、  次に、科学技術庁関係では、高速増殖炉「もんじゅ」ナトリウム漏えい事故原因究明対応原子力安全管理見直し必要性、青森県六ケ所村の再処理施設計画見直し原子力発電所耐震設計についての信頼性等について、  次に、防衛庁関係では、アジア太平洋安全保障対話必要性集団的自衛権に関する憲法解釈極東有事への対応横田米軍基地燃料漏れ事故及び沖縄米軍基地騒音防止協定締結問題等について、  最後に、総務庁関係では、中央省庁の行革の見通し及び特殊法人整理合理化内外価格差是正、いわゆる情報公開法制定必要性、林野庁の要員規模適正化等について質疑がありました。  以上、御報告いたします。
  4. 上原康助

  5. 保利耕輔

    保利委員 第二分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会におきましても、二月二十九日及び三月一日の両日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、外務省関係では、米海兵隊岩国基地滑走路沖合移設計画、高知県における米軍機墜落事故原因飛行訓練あり方などであります。  次に、大蔵省関係では、債権回収体制強化、母体行の経営責任等住専問題、自賠責保険料率の引き下げ、大蔵省造幣局東京支局移転要求大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件についての行政責任阪神淡路大震災被災者に対する公的支援拡充土地税制見直し日本たばこ産業関連会社整理等行政改革必要性保険業法改正内容、兵庫銀行の倒産に伴う抵当証券問題などであります。  次に、法務省関係では、住専問題に対する法務当局の取り組み、抵当権移転に係る登記の登録免許税の軽減、刑務所、拘置所整備促進及び受刑者待遇改善東京拘置所における集団脱走事件原因監視体制あり方政治献金と課税に関する問題などであります。  以上、御報告申し上げます。
  6. 上原康助

  7. 細川律夫

    細川(律)委員 第三分科会における審査経過を御報告申し上げます。  本分科会も、二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑内容広範多岐にわたりましたので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものを申し上げます。  まず、文部省関係では、いじめ及び登校拒否対策小中学校のカリキュラムの見直し必要性小中学校におけるコンピューター教育推進平和教育についての文部省の取り組み方、国立大学存在意義私学助成拡充必要性特殊教育学校学校施設整備推進、幼稚園の設置基準見直し必要性交通遺児育英会運営あり方、三内丸山遺跡保存対策、アーツプラン21における芸術創造特別支援事業あり方山岳遭難救助体制整備改善策宗教法人審議会情報公開あり方などでありました。  次に、自治省関係では、地方自治体財政状況地方分権推進具体策合併特例法による市町村合併進捗状況地方公務員採用試験における国籍条項廃止必要性地方自治体における官官接待是正策在日外国人への地方選挙権付与必要性インターネット事業に対する自治省の取り組み方、北海道庁の空出張等による不正経理問題などでありました。  以上、御報告申し上げます。
  8. 上原康助

  9. 谷津義男

    谷津委員 第四分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会におきましても、去る二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、厚生省関係では、薬害エイズ問題、献血の国内自給体制確立障害者プラン推進への取り組み、高齢化社会における歯科医療重要性介護保険制度導入後における特別養護老人ホーム施設整備、年金福祉事業団による自主運用あり方厚生年金基金事業見直し予防接種方法の変更に伴うワクチン価格上昇現状陣痛促進剤使用基準明確化、長崎県原爆被爆地域指定見直しALS患者への医療体制充実産業廃棄物処理施設認可あり方国民健康保険組合設立認可緩和措置同和対策への取り組みなどでありました。  次に、労働省関係では、職場における喫煙対策港湾労働者雇用安定センター運営見直し労働時間短縮における小規模事業者への配慮などでありました。  以上、御報告申し上げます。
  10. 上原康助

  11. 桜井新

    桜井委員 第五分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会におきましても、二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、環境庁関係では、地球環境保全予算拡充河川水質汚濁防止対策ナショナルトラスト活動推進電気製品等の電磁波の人体に及ぼす影響、低公害車普及促進などであります。  次に、農林水産省関係では、住専問題、系統金融機関の業務のあり方土地改良事業推進かんがい排水事業あり方及びため池の位置づけ、米の生産調整及び備蓄のあり方ミニマムアクセスによる輸入米の用途及び輸入差益活用方法、中山間地域活性化対策農業経営者に対する支援策木材産業振興対策、松くい虫対策有害鳥獣による農作物被害対策排他的経済水域の設定問題などであります。  以上、御報告申し上げます。
  12. 上原康助

  13. 近岡理一郎

    近岡委員 第六分科会における審査経過を御報告申し上げます。  本分科会におきましても、二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、通商産業省関係では、愛知県への万国博覧会の誘致推進、大店法の規制緩和による中小小売業への影響とその対策繊維製品へのセーフガード措置の発動の可能性情報通信産業活性化対策コンピューターのソフ十分野における研究開発推進及びセキュリティー対策強化ベンチャー企業育成策伊方原発事故原因及び安全対策渇水対策としての工業用水活用などであります。  次に、経済企画庁関係では、金融システムにおける構造改革必要性NPO法制定あり方などであります。  以上、御報告申し上げます。
  14. 上原康助

  15. 谷川和穗

    谷川委員 第七分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会においても、各分科会同様、二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、運輸省関係では、運転代行業法人化後の課題、JR各社経営安定化対策船舶検定・検査のあり方地下鉄整備促進幅運賃制度導入による航空運賃改定あり方国鉄清算事業団の長期債務問題、空港整備促進整備新幹線促進港湾整備事業推進豊浜トンネル崩落事故被害者への補償問題、モーダルシフトの促進、成田空港の救急医療体制充実化沖縄航空交通管制あり方などであります。  次に、郵政省関係では、NTT分離、分割問題、テレビ放送における視聴覚障害者対策インターネット情報利用あり方、低軌道衛星通信システムの将来展望、大阪貯金事務センターにおける研修実態などであります。  以上、御報告申し上げます。
  16. 上原康助

  17. 伊藤公介

    伊藤(公)委員 第八分科会における審査経過について御報告申し上げます。  本分科会におきましても、各分科会同様、二月二十九日、三月一日の両日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、国土庁関係では、首都機能移転基本的理念、新たな国土軸の構築、湖沼環境保全対策工場立地規制緩和などであります。  次に、建設省関係では、高規格幹線道路地域高規格道路及び一般国道整備促進、急傾斜地の崩落防止対策、市街地再開発事業及び特定再開発事業推進河川工事に伴う周辺地域地盤沈下対策河川及び湖沼水質浄化対策治水事業充実阪神淡路大震災復興対策、都市再開発法問題点、防災への建設省の取り組み、豊浜トンネル崩落事故被害者への補償問題、今後のダム建設事業あり方などであります。  以上、御報告申し上げます。
  18. 上原康助

    上原委員長 以上をもちまして各分科会主査報告は終了いたしました。     —————————————
  19. 上原康助

    上原委員長 これより締めくくり総括質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。深谷隆司君。
  20. 深谷隆司

    深谷委員 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけを代表いたしまして、締めくくり総括質疑をさせていただきたいと思います。  バブルがはじけて以来、長年にわたって不況が続きまして、国民の皆さんに多大の御迷惑をおかけしてまいりました。一刻も早く景気回復してほしい、これは国民共通の叫びにも似た願いである、そのように理解いたします。  そこで、私たちは、平成八年度予算を昨年の十二月二十五日に編成をいたしまして、年が明けて直ちに国会に上程をいたすなど、早目早目対策を立ててまいったのでございます。  しかしながら、結果におきまして、当予算委員会は極めて長期間に及び、しかも五十日間の暫定予算を組むというまことに残念な事態と相なってしまったわけでございます。  この間、新進党によるピケ戦術という、いわば力によって委員会室を封鎖し、一切の審議が行えないというかつてない異常な事態も起こったのでございます。どのような理由があるにせよ、力をもってあるいはピケを張って三週間以上も審議をとめるということは、議会制民主主義の上で許されない行為だと私は思っております。  反省を促したいという気持ちでいっぱいでありますが、ようやく今粛々と採決へ向かおうとしているときでございますから、これ以上いたずらな混乱を起こすことを避けるために、以上で申し上げることをとどめたいと思うのであります。  しかし、私に言わせれば、本来、野党という立場の方々はみずから対案を出すべきであった、そのように思っているのであります。言論をもってみずからの正当性を主張する、それが国会基本的なルールであるからであります。新進党が具体的な対案議会に提出し、我々と堂々と論議を行うことを避けたのはまことに残念でありますし、できることなら私たちも大いに議論をしたがった、その点が返す返すも残念でございます。  いずれにいたしましても、議会運営に当たりましては、その基本は、国家国民のことを考えて行動するということであることは間違いがありません。このたびの審議を通じて、そういう面で与野党とも反省すべきところがあったら率直に反省していかなければならないし、あくまでも国家国民のことを考えながら、全力を挙げることをお互いに誓いたいと思っている次第でございます。  それでは、大蔵大臣にまず御質問いたします。  まだ参議院での質疑というのは残っているわけでありますが、いよいよ予算成立するということになりました場合の景気に対する影響であります。暫定予算を組んだということが景気回復のいわば足を引っ張るということになりはしないか、そこいらの見解も含めてあなたのお考えを伺いたいと思います。
  21. 久保亘

    久保国務大臣 政府といたしましては、暫定予算五十日を編成せざるを得ない事態に立ち至りましたことにつきましては、予算提出者であります政府責任も含めて、大変残念に思っております。  今御指摘がございましたように、暫定予算は、新しい施策に関する予算を計上することが困難であります。そのために、景気に悪影響を及ぼすことを極力避けるために、私どもといたしましては、五十日の暫定予算に対して、平成八年度予算に計上いたしております公共事業費の三一・一%を計上し、公共事業継続執行に支障を来さないよう、そのことによって最大限景気を支えていけるよう、とりわけ昨年の九月に決定をされました景気回復のための経済対策が切れ目なく続けられるよう最大配慮を行ったところであります。  しかし、何と申しましても、本格的に平成八年度予算最大の目的といたしております景気回復促進いたしますためには、一日も早く本予算成立することが必要であると考えております。この上は、皆様方の御協力によりまして、一日も早く平成八年度本予算成立し、暫定予算が五十日を待たずその役割を終了するよう、努力をいたしたいと考えております。
  22. 深谷隆司

    深谷委員 一つ伺いますけれども、昨今の為替がかなり動いているような感じがいたします。例えば昨日は百八円五十一銭ということになっております。つまり、円安方向を向いているわけでありますが、これは予算のおくれとどのようなかかわり合いを持っているのか。人によりましては、間違いなく影響を受けたという御判断の方もあるようでありますが、大蔵大臣はどうお考えでしょうか。
  23. 榊原英資

    榊原政府委員 私が出てまいりますときにも、百八円六十銭ということでございました。  このところ、為替市場においては、経常収支の黒字の縮小等のファンダメンタルズを反映して、円高是正方向相場が推移しております。  為替相場が一体何によって決まるかということは、私ども公式には言ってはいけないということになっておるわけでございますけれども市場関係者の間では、予算審議のおくれが日本経済に与える影響について強い懸念がございました。そういうことで、そうした懸念相場影響があるということは当然言えるかと思います。
  24. 深谷隆司

    深谷委員 ちょうど三年前に、私は予算委員会野党立場筆頭理事をしておりました。あのときに、細川政権でございますが、予算編成が年を越したのであります。そして、国会に提出されたのはたしか三月初めでございまして、そのために非常におくれをとったわけであります。それも、しまいには細川政権、投げ出してしまいまして、後の羽田政権でこれを成立させるということで大幅なおくれをとった。そのことが、はっきり申し上げて、住専問題も含めて、現在まで景気回復の足を引っ張り続けたと言えると私は思っていますが、大蔵大臣、いかがでしょう。
  25. 久保亘

    久保国務大臣 予算編成がおくれ、その成立がおくれてまいりますことは、間違いなく相場等あるいは為替影響を与えることはそのとおりだと思っております。もちろん、それだけが要因ではないと思っておりますけれども、重要な要因の一つになろうと思っております。  また、この景気とも関連をしてまいりますけれ ども、ジャパン・プレミアムなどにつきましても、やはりこの政治状況予算審議状況というようなことが微妙に影響を与えてきたなということを、今グラフを一べつしながら感ずることでございます。
  26. 深谷隆司

    深谷委員 昨年の住専処理問題を含む予算編成の中で、政府住専処理責任を持って行うんだということを明確にいたしましてから、年がかわってから、株価その他についてもよき影響を与えつつございます。そして、恐らく景気回復軌道に乗りつつある、こう思ってもいいのではないかと思う。  ようやく衆議院の予算委員会もここまで参りました。参議院はまだ残っておりますが、したがって、一日も早く予算成立させることが第一要件であり、成立いたしましたときには、今度は執行の面で万全を尽くしておくれを取り戻すということが大事だと思うのですが、橋本総理、その点についての御決意を伺いたいと思います。
  27. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今、久保総理から御答弁を申し上げましたように、私どもは、暫定予算編成せざるを得ないという決意をいたしましてその作業に入りましてからも、一日も早い本予算成立というものを心から願ってまいりました。そして、今締めくくり総括審議の中で、今後、一日も早く予算成立をいたしますことを、そして、その平成八年度本予算をもって我が国の景気を安定した回復軌道にきちんと位置づけていくことを全力を尽くして行いたいと考えております。  ようやく今、緩やかながら回復基調に乗ったというところまで参りました。しかし、残念ながら、例えば中小企業設備投資は冷えております。雇用にも問題が残っております。そして個人消費もまだ弱いという状況でありますだけに、平成八年度本予算執行されることにより、こうした分野が力を取り戻してくれるように全力を尽くしたいと考えております。
  28. 深谷隆司

    深谷委員 橋本総理決意はよく承りました。特に私はうれしいと思いますのは、これから申し上げようと思いました中小企業の問題に思いを深く抱いておられる点でございます。  現在もまだまだ冷え切った状態にございます。景気回復をいたしましても、まずその景気回復を享受するのは比較的大きな企業でありまして、中小企業、零細企業はそれよりもはるかに後を追うという形が通常でございます。ですから、その間の差というものをどうやって埋めていくかということは政治の極めて重要な仕事であると思っております。  ただいまの橋本総理のお言葉を大変大事に受けとめて、あわせて、通産大臣、中小企業に一層思いをいたして進んでくださいますように心からお願い申し上げたいと思います。何かありましたら、どうぞ。
  29. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 景気が非常にいい数字を見せ始めておりますが、私が就任しまして四回の月例経済報告の中で、いずれも、雇用中小企業についての数字がまだ余りよくありません。極めて重要なポイントだと思いまして、しっかりと対応いたしてまいります。
  30. 深谷隆司

    深谷委員 どうぞ総理大蔵大臣、通産大臣も、とりわけ中小企業に思いをいたして頑張ってくださるようにお願い申し上げます。  さて、このたび与野党で合意事項がなされました。その中で特に注目すべきは、特別委員会を設置するという点であろうと私は思うんです。このたびの住専処理の問題を越えましても、まだまだ今後の金融不安というのは残っているわけでございます。このために、これをどうやって乗り越えていくかということを政府議会も真剣に取り組んでいかなければならないことは言うまでもありません。  今後の金融不安を解消するという点から考えました場合に、現行の金融、税制あるいは財政制度及び経済構造全般にわたる大改革が必要になってまいるわけでございます。その大改革について、まさに特別委員会、今後設置される予定でございます、その場で議会側も全力を挙げて議論して、先の見通しを立てていかなければならないわけでありますが、このことについて、大蔵省もかなりの決意あるいはお考えを持っていなければならないと思っております。  そこで、この機会に、大蔵大臣がこの点についてどのようにお考えでおられるか、ぜひ聞かせていただきたいし、そのお答えが国民の将来にわたる金融不安の解消になるならば、まことにありがたいと思っております。あなたのお考えを伺いたい。
  31. 久保亘

    久保国務大臣 住専問題の処理にいたしましても、不良債権処理全体の問題を考えます際にも、預金者の保護と信用秩序の保全ということがその最大の眼目でございます。  今回、住専問題の処理を象徴的、喫緊の課題として不良債権処理の問題として取り上げてまいりましたけれども、この問題は、今深谷さんからお話がございましたように、新しい時代の金融システムをどのように確立するかということとあわせて進めなければならない問題と考えております。自己責任と市場規律を確立をして、そして透明度の高い金融システムをつくるという目標は共通して明確でございますが、この目標に向かう金融行政の改革のあり方をそれぞれ懸命になって今取り組まなければならないときだと考えております。  国会におかれても特別委員会を設置するという、今、お話を承りました。この特別委員会がそのような意味でも重要な役割を果たされるよう期待をいたしておりますし、政府といたしましても、大蔵省にも既に、新しい金融行政あり方を検討するためのプロジェクトチームも設置をいたしたところでありますが、各方面におけるこれらの、あすの日本の金融行政、国際的に通用する金融行政あり方金融システムあり方というものがいかなるものであるかということについて、今懸命に取り組んでこれを具体化していかなければならないときであると考えております。私どもも、国会の特別委員会の御審議に対しても誠心誠意御協力を申し上げたいと考えております。
  32. 深谷隆司

    深谷委員 住専問題についての審議は、かなりの時間、この委員会で行われたわけでございます。時には関係者をお呼びいたしまして、いわゆる参考人招致で当事者のお話も伺いました。そして、それぞれの立場で数々の問題を抱えている、その責任は極めて重大であるということも明らかになったわけでございます。貸し手、借り手の両方の法律的な処置も含めて、これから厳重な対応をしていかなければならないと思うのでございます。  みずから無責任な融資関係で大きな迷惑を国民に与え、しかも、今日のような事態になりましても、高級住宅に住み、高級車を乗り回し、あたかも自分には責任がないかのごとくうそぶくような、そういう人たちもいるのであります。こんな姿は、国民の、額に汗して働く人々から見たら断じて許すことのできない姿であろうと、私どもは大きな怒りを感ずるのでございます。  四月十日には、末野興産及び末野社長らによる所得税法違反容疑事件に関連いたしまして、末野興産グループへの融資元の住専五社の大阪支店に対して、大阪国税局あるいは捜査当局合同で強制捜査に乗り出したのでございます。また国税局は、末野興産と取引関係にある複数の都銀あるいは信金などの金融機関の支店に特別の調査に入ったわけであります。  借り手のみならず貸し手に捜査が伸びたということは今までにないことでございましたから、私は極めて注目をすべきことだと思うのであります。ようやく関係当局が本腰を入れたという意味での期待は、国民の間に今広がりつつあるわけでございます。  調査の段階ですから、現在どのような状態になっているのかはなかなか御説明しづらいと思いますが、できる範囲で結構でございますから、所管の大蔵大臣並びに法務大臣、その状況をお話しいただくとともに、今後どのように対応なさるのか、決意のほどもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
  33. 久保亘

    久保国務大臣 今お話がございましたように、借り手であります末野興産、そして貸し手でございます住専、さらに銀行等に対しましても必要な捜査、査察等を行っておりますが、国税当局に対しましては、厳正、公平な調査を徹底して行うよう、私の方からは申しているところでございます。  ただ、国税当局のこれらの問題に対する調査等に関しましては、その内容にかかわっては、私の方から指示することはいたしておりません。
  34. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 住専の問題に関しまして、借り手の責任追及、貸し手の責任追及、しっかりやるべきではないかという委員の御指摘であると思います。  いわゆる住専をめぐります不良債権問題、これは御指摘のとおり、我が国の経済秩序にかかわる大変重大な問題でございますし、国民各層から関心を寄せていただいております問題であると認識をいたしております。  この問題につきましては、政府が一体となって取り組みまして債権回収のための万全の措置を講じる必要がございますし、また御指摘のように、関係者らの民事上及び刑事上の責任が可能な限り明らかにされる必要があると思っております。検察当局におきましても、御説明を申し上げておりますように、住専問題に関する協議会や捜査専従班を設置するなどいたしまして所要の体制を整え、こういった国会での御議論を踏まえまして、あらゆる観点から情報の収集、分析等を行っているわけでございます。  今後、これらの問題につきまして、関係者らの刑事責任を追及すべきであると思われるような容疑事実が判明いたしました場合には、警察当局等の関係機関と緊密な連携のもとに鋭意所要の捜査を遂げ、法と証拠に基づきまして厳正に対処するものと思います。
  35. 久保亘

    久保国務大臣 申し忘れておりましたけれども、預金保険機構に対して財産調査権を罰則つきで与えるよう法律の改正をお願いを申し上げておりますが、これらも厳正に対処するために必要なことと考えておるところでございまして、今後さらにこれらの問題は強化をしてまいりたいと思っております。
  36. 深谷隆司

    深谷委員 いずれにいたしましても、悪を許さない、悪い者を眠らせない、こういうことで、ひとつ担当大臣、国民の期待にこたえてしっかり頑張っていただくようにお願い申し上げます。  母体行、一般行含めて、いわゆる銀行、金融機関の自覚がない、さんざん問題になっていながら今もまだ反省が足りないという印象を私は強く持っているのでございます。追加措置策として、例えばリストラによる納税の話も出ました。これらも含めて、今後銀行に求められる改革というのは一層必要性が深まっているというふうに思います。  大蔵大臣は、この点について今後具体的にどのように指示し、どのように金融機関の改革のために御努力なさるおつもりか、御意見を承りたい。
  37. 久保亘

    久保国務大臣 当委員会におきましても幾たびか申し上げさせていただきましたけれども、金融機関の持ちます公共性、社会的責任は、企業として最も大きい分野に属すると考えております。それだけに、この母体行と呼ばれております銀行が今度の住専問題にかかわりました役割を振り返ってみますと、住専問題処理に当たってもその責任の重大なことは言をまたないところでございます。  既に与党三党におかれても、この問題に関して新たな追加措置を求めて銀行側とも協議をされたのでございますけれども、私どもといたしましても、銀行側に対しても、この住専問題の処理に当たっての母体行の責任をさらに重く考え、新たな負担措置等についても検討していただくよう今話を進めつつあるところでございます。  できるだけ速やかに、いろいろなこの住専問題処理に関します政府の提案が御承認をいただいて整備をされましたならば、積極的にさらにこれらの問題に対処してまいりたいと考えております。
  38. 深谷隆司

    深谷委員 農林水産大臣、この委員会においてしばしば、農林系統金融機関が九百万人という預金者を抱えているにしては中身が極めてお粗末であるということが指摘されました。  私は、誠実に働いて預金している農民の皆さんにこたえるために、農林系金融機関はやはり大きくこの機会に変わっていかなければならない、組織の整備も含めて。この点について大臣の御所見を伺います。
  39. 大原一三

    ○大原国務大臣 系統のこれまでのありようについては、委員が、この質問の際に冒頭に御質疑がございました。  その審議の過程を通じてみましても、確かに系統の金融のあり方、これは農協それ自体の存立基盤にかかわる問題であると同時に、御指摘のありましたような、九百万農家、農民の皆さん方の死活にかかわる問題でございますので、いろいろ議論がございましたが、農林水産省におきましてもいち早くプロジェクトチームをつくりまして、何とか新しい体制整備のために前進をしたい、こういう気持ちで邁進をしてまいりたいと思います。
  40. 深谷隆司

    深谷委員 大蔵省自身についての改革もここで大いに指摘をされたところであります。  近年、大蔵省の権限が拡大をし、あるいは行き過ぎた対応などが目立ってきているような思いがいたします。私は、今後大蔵省はどうあるべきか、組織を挙げて改革に着手しなければならないと思っておりますが、大蔵大臣決意を伺いたい。
  41. 久保亘

    久保国務大臣 現在は大蔵省の行政責任者として、今のような御指摘を受けますことは、私にとりましてはみずからの責任も大変痛感することでございますが、大蔵省自体としても、今回新しい金融行政あり方を検討するプロジェクトチームということでスタートをさせておりますが、これに先立って、バブル経済の発生から破綻に至るこの過程における行政対応責任というようなことについても検討を進めてまいりました。  こういったようなことを通じて、今後の大蔵行政はいかにあるべきかということを、既に与党においてもプロジェクトチームを発足されておりますけれども国会における御審議も十分に伺いながら、大蔵省自身もみずからの改革のために全力を尽くさなければならないと思っております。  大蔵省のつくりますプロジェクトチームが、省の防衛のためでは私は将来に対応できないと思っております。あくまでも改革のためのプロジェクトチームとしてその任務を果たすよう、省内にも今申しているところでございます。
  42. 深谷隆司

    深谷委員 最後に、橋本総理大臣に伺いたいと思います。  長かったこの予算委員会、間もなく予算もいよいよ成立する運びと相なりました。しかし、総理におかれましては、息つく暇もなく、クリントン大統領が日本においでになる日米首脳会談に臨まなければなりません。折から沖縄問題であるとか、あるいはアジア諸情勢が極めて危険な状態にあるといったようなことを含めて、日米安保問題にかかわる重要な協議がなされなければならないと思うのでございます。  私は、ぜひ、橋本総理の特徴を生かされて、日本の立場、アジアの立場、世界の立場をお考えになって、堂々と率直な議論をクリントン大統領としていただきたいと思いますが、総理の御抱負を伺いたいと思います。
  43. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 間もなくアメリカから、まずペリー国防長官が訪日をされ、引き続いて国賓としてクリントン大統領が日本を訪問されます。この機会に、私どもは、日本とアメリカのすべての分野における緊密な関係というものを再確認するとともに、これをより強いものにしていく努力をいたさなければなりません。議員もお触れになりましたように、昨今、このアジア太平洋地域において、必ずしも穏やかな状況が続いているわけではありません。こうしたことも当然ながら視野に入れ、私は、日米安全保障体制というものの持つ意味を改めてクリントン大統領とともに国民に訴えかける、そうした機会も持ちたいと考えてお ります。  しかし、そのためにも、私は、我が国の中でより大きな理解を得るための努力を日米両国は払わなければならないと考えておりますし、その中で、沖縄県における過去の県民に与えたその重荷というものに思いをいたしながら、基地の整理統合・縮小に努めていく努力を払っていくことは当然のことと存じます。  いずれにいたしましても、その直後にモスクワで原子力サミットを控えているわけであり、こうした会合における日米の主張というものを合わせながら全力を尽くしてまいりたい、そのように考えます。
  44. 深谷隆司

    深谷委員 橋本総理大臣並びに閣僚の皆さんに申し上げたいと思います。  まさに今や国の内外を問わず極めて厳しい局面でございますから、それぞれ御苦労も多いと思います。しかし、御苦労の多いときこそお力を発揮するときだというふうにお考えいただいて、一身を国家国民にささげるおつもりで、どうぞ頑張っていただきたいと思います。私たち全力を挙げて御協力することをお誓いいたして、以上をもって質問を終わります。  ありがとうございました。
  45. 上原康助

    上原委員長 これにて深谷君の質疑は終了いたしました。  次に、中野寛成君。
  46. 中野寛成

    中野委員 まず、北朝鮮の軍事行動、大変、国際的に見れば非常識な、休戦協定に違反する軍事行動等がとられているわけであります。  この月曜日にもお尋ねしたところでありますが、総括質問ではございませんでしたので、改めて総理にお伺いをしたいと思います。  これらは、我々から見ますと、これだけ国際社会、情報網が発達をしている中であれだけよく作り事を言えるものだというふうに思うような声明等を発表しながら無法な行為を繰り返しているというふうに私どもは思うのでございます。そういう中で、日米韓が十分協力をし、また中国の協力も求めながら、これに対してしっかりと対応していく。  同時にまた、我が国は、朝鮮半島の有事は日本の有事であるという認識のもとに、総理のもとに安全保障会議を開いて万一の備えもきちっとしていくということが極めて重要であると思いますが、どういう対応をしておられますか。
  47. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 三月二十九日、人民武力部第一副部長金光鎮という方が談話を発表されましてから、三十八度線沿いにおいて非常に緊張した状態が生まれつつあるということは、今さら繰り返して申し上げる必要はないと思います。そして、我々もその行動というものに極めて真剣に注意を払ってまいりました。  現在まで言われておりますのは、北朝鮮側の意図として、一般に、米国との暫定協定の締結に対し、アメリカ側に対して圧力をかけ、交渉の場に引き出すねらいがあると言われております。しかし、こうした北朝鮮側の動きというものが、朝鮮半島の平和と安定にとって非常に危険な要素を含むものであることは申し上げるまでもありません。  いずれにせよ、我々が知る限りにおきまして、北朝鮮は依然として地上戦力の約三分の二を非武装地帯付近に前方展開をしている。また、従来から一貫して即応態勢の維持に努めておると見られておりまして、これまでもそうでありましたけれども政府としては、北朝鮮の動向につきましては、関係諸国と緊密な連携をとりながら、細心の注意を払い続けてまいりたいと思います。  また、今たまたま委員から安保会議というお話がございました。私どもは、その朝鮮半島有事というような事態を想定した御質問というものに本来お答えをすべきではないのかもしれません。しかし、あえて一般論として、新しい防衛大綱の中におきましても私どもは、「我が国周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態が発生した場合には、憲法及び関係法令に従い、必要に応じ国際連合の活動を適切に支持しつつ、日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用を図ること等により適切に対応する。」といたしております。当然のことながら、安全保障会議の開催の必要の有無をも含めまして適時適切な対応をとってまいりたい、そのように考えております。
  48. 中野寛成

    中野委員 私は、例えば自衛隊の存在も、海上保安庁の存在も、あらゆる危機に備えて常に用意をしておく、また訓練をしておく、そして行動をとっていくということが大切であると思うわけでありまして、その力がもしあっても、政府の判断を間違えればこれは何の効果も発揮しない、全く意味がないということになってしまうわけでありまして、基本はやはり総理を中心とする政府の危機管理、そのことが未然に事を防ぐ。または事前に国民の安全を守るためにきちっと行動される、運用されるということがあって初めて国民は安心をすることができる。そして事を重大に至らしめないということになるのだろうというふうに思うわけでありまして、そのことをしっかりと御認識いただいて、今後の対応をより深めていただきたいと要請をしておきたいと思います。  なお、先般私は、一週間ほど前でしたか、北京において日本の外務省の職員と北朝鮮の方との接触があった、この目的は何だと池田外務大臣にお尋ねをいたしました。何を思われたか、米の話はしていないということのみを強調されて、会ったも会っていないもお答えになりませんでした。これは暗に会ったことを認めたのだろうと私はそのときに申し上げたところでございますが。  そしてまたそのときにお伺いしたのは、今、日朝交渉を再開する話、そのための接触ということはこういう事態の中であり得ない話であろう。まさか、日韓関係が極めて険悪な状況にあるので、それを牽制するために日朝の話をしたということもあり得るはずはない。とするならば、やはり米ではないのか。すなわち、米国からの米の支援もない、韓国からはもちろんあり得ない。そして国連の調査団に対する北朝鮮側の回答等のいきさつもあって、国連からももはや望みはない。という中であとは日本だけ、日本の足元を軽く見られたのか、こういう疑念を持って私はお尋ねを先般したところであります。  ところが、きょうの新聞を見ますと、第三次米支援を朝鮮労働党の副課長らが要請してきた、野中自民党幹事長代理と会談をした、こういう報道が各紙でなされております。私流に申し上げれば、よくもまあこんなときにぬけぬけと、こういう気持ちに実はなるのでございますが、そこはさすがに野中幹事長代理も「「コメ支援問題は米韓両方の意見を聞かなければいけない問題だ。政府間の正式な外交ルートを通じて交渉すべきだ」と、自民党としては独自に支援には応じられないことを伝えた。」こう報じられております。これは当然の答えであろうと思いますが、同時にしかし、こういう状況の中で、政府間の正式な外交ルートを通じて交渉すべき時期でもないと私は思うのでございます。案の定、向こうの方が「「正式な政府間交渉は困難だ」と述べた。しこういう記事になっている。  私は、少なくとも北朝鮮のやり方というのは、表で握手したり協議したりするときは足でけ飛ばしている、こういう、いわゆる南進トンネルやラングーン事件等の例を挙げて指摘もしたところでございますけれども、私は、これらのことについては、やはり日本外交としてしっかりとした姿勢を持っておく。日本の民主主義の視点に立って、国際社会から笑い者にならない、そういう基本的な視点というのはきちっと持っておくということが必要だと思いますが、まさか政府の方でこれらの交渉に応じるようなことはないであろうと思いますが、念のためにお聞きしたいと思います。
  49. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今、まず第一に事実関係として、本件の代表団が昨日自民党関係者と会談したということは、私も報告を受けました。その上で、会談の詳細を政府立場でコメントする話ではありませんけれども、少なくとも私が知る限りにおきまして、自民党関係者に対して新たな米支 援の要請はなかったと私は理解をいたしております。そして、今議員が引用されましたように、もしするとしても政府の話だろうということに対し、それは無理だと向こうが言っているといったことであっただろうと思います。そして、政府にそうした支援の要請があったわけではありません。  同時に私は、朝鮮半島における平和と安定が生まれてくること、そしてそのために南北対話が促進されることは願っております。しかし、それを飛び越えて、韓国と北朝鮮との間に対話が全く成立をしないような状況のときに、北朝鮮と我が国が交渉を何らかの形でするとすれば、それは少なくとも事前に韓国の了承を得た上での行動でなければ、お互いの信頼関係を壊してしまうものになると思います。そして、現在私が知る限りにおきまして、韓国を飛び越えてそのような話し合いが持たれる状況ではない、交渉が持たれるような状況ではないという認識については、議員と私は同感のものであります。
  50. 中野寛成

    中野委員 これは、折に触れまして、それは憶測も含まれるかもしれませんけれども、いろいろな形で、裏の話があるのではないか、非公式な話があるのではないかなどというような報道までされる。これに対しては、私は、それをやはり打ち消しておくということが、日本国民国民感情からいっても、日韓関係からいっても、そしてまた、ある意味では北朝鮮の正常な判断というものを確立するためにも、私は必要なことだと思います。日本政府の姿勢がしっかり、確固たるものがあるということが大切でありまして、私は、今の総理の御答弁は、お言葉の上では全くそのとおりであります。そのことをひとつ今後とも堅持して頑張っていただきたいというふうに思います、時間の都合ではしょりますが。  次に、日米首脳会談の問題についてお尋ねをいたします。  沖縄の基地の問題、楚辺通信所が、まさに今国による違法占拠の状況になっている。私は、これはもう去年段階での判断が明らかに間違っておったと思いますけれども、今さらそれを繰り返して申しません。  今後我々は、クリントン大統領をお迎えするにしたって、国民の気持ちからすると、言うならば日米関係最悪の時期に、私は、大統領をお迎えするようなことになってしまったような気がするのです。大変残念であります。先般総理が訪米をされたことも、ある意味では地ならしの意味も込められたであろうと思うのでありますが、今にして思えば、何のために行かれたのかと思うほどに残念な環境になっていると思います。  これは、やはり沖縄の基地の問題であります。そこで、沖縄県民の皆さんにこれ以上被害を及ぼさない、そしてそのことが日米安保体制をより友好的なものにするための必須条件であるという二つのテーゼをベースに置きながら、効果あるものをつくっていかなければいけませんが、日米特別行動委員会、日米安全保障協議委員会等々行われます。  しかし、先般来私は二度にわたって質問をいたしましたけれども、その内容について、こちらが何か案を持って提示しているのではなくて共同作業をやっているのだというお答えばかり外相から返ってくる。そして、秋までにはというお話が返ってくる。しかしこれは、本当は国民が知らなければいけない、また知らせてほしい大きなテーマではないかと思うのであります。  そういう意味で、交渉事ですから相手もあります。また、アメリカの国内事情もあります。これは、一方的に申し上げますけれども、大統領の選挙中といっても過言ではありません。また、国務省と国防省の考え方、必ずしも常に一致しているという状況でもありません。アメリカの政局もあります。  しかしながら、そういう中で、少なくとも日本国民は日本の立場に立って政府からしかるべき情報が開示されるということが、安全保障という平和に関する国民の気持ちを一体化していく上においては極めて重要な要素であるというふうに思います。まして、楚辺通信所の問題が解決したとしても、立て続けに嘉手納飛行場等、十二施設の問題等々が起こってくるわけであります。これらの問題については、きちっとプログラムを組んで対応していくということが必要であります。また、どうしてもやむを得ないときには、強制使用のための特別立法ということも考えられなければいけないのかもしれません。しかし、それは最後の手段でありましょう。  それらのことについて、総理基本的にどういうスタンスで臨んでおられるのか、お尋ねをしたいと思います。
  51. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 今、日米首脳会談における論議を、日米安保体制の維持発展、同時にそれに伴う基地使用という二つの部分からのみ組み立てて御論議をいただきました。私はその視点を否定するものではありませんが、同時並行で動いておりますものに、経済問題もありますし、コモンアジェンダの関係もあります。そして、それぞれが皆、複雑に絡み合ったという言い方はちょっと語弊があるかもしれませんが、少なくとも同時並行でアメリカ側と議論を続けているさなかでございます。そして、恐らく外務大臣は、そうした状況を共同作業という言葉にくくられたのだと思いますが、今私どもは、クリントン大統領の訪日のその瞬間まで、全力を挙げて、少しでも日米関係にとって多くのプラスの生ずるような内容のお互いの意思の確認を目指し、全力を尽くしているさなかでございます。  その中には、当然ながら基地の問題もありますし、また経済分野の交渉もございます。そして、交渉事でありますから、どうぞこの機会に詳細の報告を求めることはお許しをいただきたいと存じますが、いずれにもせよ、国民にとって強い関心を持たれることでありますし、私どもは、日米安保協議委員会におきまして例えばこの基地の関係の問題が集約を見ました段階で、その内容は十分御説明を申し上げる責任を負うておりますし、国会におきましても、御質問にお答えをすることを通じ、きちんとお答えをしていかなければなりません。まだ我々は努力のさなかだということ、その点はどうぞお許しをいただきたいと思います。  また、先日、たまたま予算委員会の御論議の中で、いよいよとなった場合新規立法というお言葉が議員からもございました。私は、実は現在の法手続の中に定められております緊急使用申し立てから緊急使用の許可という手続自体が、本来なら議員が言われる新規立法のような場合を想定してつくられた規定だったのではなかろうかと思います。ただ、それがぎりぎりの時点で今回緊急使用申し立てを行うという状態になりましたことは、大変私にとりましても残念なことでございます。そして、これはもう理屈の世界を超えまして、私は、この緊急使用申し立てに対し許可をおろしていただきたいと心の中で願っております。  同時に、私は、必ずしもこの新規立法というものに、前回も真正面から賛成というお答えをいたしたつもりはありませんでした。なぜなら、これはもう議員もよく御承知でありますけれども、成田の空港の土地収用をめぐった議論が非常に厳しい状況でありましたとき、土地収用委員の方々が全員辞任をされるといった事態が発生をいたし、その後の事務が極めて大きく停滞をいたしました。私は、立法措置をとったからといって、そこに人を得ることができなければ必ずしも効果がない、むしろそうした状態をつくらないための努力をすることが先決だということを当時非常に強い印象を持ちました。  ただ、あえてその上で先日もお答えをいたしましたのは、一方で、今地方分権の議論が進んでおります。そして、その中で国の権限と地方の権限、役割というものが見直されております。そうした視点に立ちましたときに、国としての手続を整備しておくというその必要性まで私は排除するものではない。  しかし、今日ただいまの時点において、私は、その緊急立法といったことを論ずるより、本来こ うしたときのために用意されたであろう緊急使用申し立て、これに基づいて、国から要請をいたしておりますものに対し、地元の土地収用委員会として緊急使用の許可を何とかおろしていただきたいと心から願っております。
  52. 中野寛成

    中野委員 結局、法的手続に至る場合には、その裁判等において一定の期間というのがどうしても必要になるのであります。そのことを事前に想定をして手続をとらなければ、極めて非民主的になるわけであります。そして、不法占拠などと言われることになってしまうわけであります。その上で、そのときに強引な手法をとりますと、これはもうまさにファッショであります。ゆえに、政治というのはおくれおくれになってはいけない、後手後手になってはいけないわけでありまして、先送り政治の象徴的な弊害がここにあらわれているというふうに言っても過言ではないと思います。  このまさに苦い貴重な経験を生かして、今後積極果敢に政府としての責任を果たしていただきたいということを強く要請をしておきたいと思います。  次に、原子力安全サミットについてお尋ねをいたします。  四月十九、二十日、モスクワに総理も行かれるわけであります。チェルノブイリ事故から十周年、そういう中でお聞きしますと、核解体それから放射性廃棄物の管理、核物質の密輸等々、いろいろな問題について協議、論議をされるようでございます。折も折、CTBT、核実験全面禁止条約、五月から山場を迎えるようでありますが、中国が異論を唱えているということが危惧をされております。  私は、今後、いやが応でもロシアと中国は、とりわけ中国は原子力大国にならざるを得ない宿命を持っていると思います。ロシア以上に中国はその環境になりつつあると思います。経済発展が著しいところは、その中国に次いで東南アジア、また同じ傾向が生まれていくでありましょう。これは避けられない道筋であります。  とするならば、そのことをしっかりと認識して、先進七カ国、G7プラス・ロシアというだけではなくて、これを一つの起点として発展させていく、そしてそこでいかに日本が役割を果たしていくかという、この重要な起点となる会議なんだと思います。  そういう意味で、よほどの決意と提言を持ってこれは総理は臨んでいただきたい。これは中国、東南アジア、ロシア等の地理的環境からいっても、日本にとっては万一のことを考えますと極めて重要な意味を持ちます。国民の生命の問題とそれから将来の日本の経済に与える影響と、両面からこれは極めて重要な意味を持ちます。総理のお覚悟のほどをお聞きしたいと思います。
  53. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 まず、ロシアあるいは中国、ともにCTBT交渉につきましては、本年中の妥結の必要性についてはコミットをしている、ただ中国が非常に他の核兵器国と立場を異にしている、これは委員が御指摘のとおりであります。  そして、私はこの原子力安全サミット、国会のお許しをいただけるならぜひ参加をしたいと考えておりますが、今議員から御指摘のありましたような点以外に、例えば放射性廃棄物の海洋投棄の問題でありますとか、日本の立場として議論をしておきたい、そして少なくとも軌道に乗せていきたいと思っておる問題は幾つかございます。  同時に、もう一つ私にとりまして非常に気になっておるといいますか、意識をし、この会議に臨みたいと思っておることがございます。将来を考えましたとき、我が国も原子力にエネルギー政策の上で頼る部分は非常に大きなものがございます。そして、我が国もそのためには、安全を最大限優先することでありますけれども、今後も原子力発電というものに依存度を高めていかなければなりません。  ところが、ヨーロッパあるいはアメリカ等を見てまいりますと、このところ原子力に依存する比率が下がっておりますというか、あるいは新規の原子力発電所の建設というものにブレーキがかかり始めた、陰りが差してきたという感じがいたします。ところが、その中でまさにこのアジアあるいはアジア太平洋地区というものが、これから先非常に原子力発電のふえていく地域として私どもの前に出てまいっております。  そして、私は、原子力安全サミットというものの持つ意義は、一方では核兵器またはその核兵器に連なる分野に対する取り組みでありますけれども、もう一方で平和利用の原子力の安全というものをどこまで強調できるかという問題意識を持っております。将来に向けてそうした問題意識を共有できるような、そうした足場をここでつくることができれば、そのような思いで、お許しがいただけるなら参加したい、そのように考えております。
  54. 中野寛成

    中野委員 私は、この原子力の平和利用という問題は、これから我が国もまたその道をたどらざるを得ないと思います。そのときに、実は、例えば化石燃料の問題等との関係から考えても、この中国、東南アジアの経済発展からしますと、これはエネルギー源の奪い合いになります。そして、どちらかというと日本はその距離的な条件や地理的条件からいっても決して有利な環境にあるわけではない。  そうすると、この原子力の平和利用について、そして一方では核兵器の全面禁止について、これは日本の歴史からいっても、また将来の日本の環境からいっても、世界で最も熱心に、真剣に取り組まなければいけない国であると私は思います。その認識については総理も共通の認識をお持ちのようでございますが、それだけに日本としては積極的に役割を果たしていくということが必要であります。  モスクワへ行かれるとして、総理はどのような提言をなされようとしているのか、先ほどお気持ちはお聞きしましたけれども、もう少し具体的にお聞きしたいと思います。
  55. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 議員が、例えば今後処理されるべき核兵器のその処理技術あるいはそのコストの負担という視点からもし提起をされたのであるとすれば、私は、特に核兵器の場合に、その処理というのは第一義的にはその国が責任を持つべきものだと思っております。  しかし、その上で、例えば極東におけるロシアの、多分これは潜水艦でありましょうけれども、液体性の放射性廃棄物の処理に対しては、我々自身が日本の海の安全というものからも海洋投棄は認められませんから、今、処理施設をつくっていくための支援を行っているわけであります。  旧ソ連が多数の国に新しい姿をとりましてから、核の所在する国の数というのは飛躍的にふえました。そしてその中には、非常に古いタイプ、例えばチェルノブイリで事故を起こしましたものと同タイプ、同年次に建設をされた原子力発電所も現在存在しているわけでありまして、その中には老朽化を非常に懸念されておるものもございます。しかし、それぞれの国が、そうした施設の管理、殊に安全面における技術を十分に持っておる状況ではございません。  今までも、殊にそのチェルノブイリの事故の発生以降、医療の面等におきまして、我が国は被爆という非常に悲惨な体験の中からこうした分野に対する医療が非常に進んでまいりました、その体験による救援活動等も行ってまいりました。  一方では、こうした危険な核施設というものをより安全なものにしていくための、あるいはそれをより危険の少ないものに変えていくための技術管理の手法、人の養成、こうした分野に日本の役割は一つあろうかと思います。  同時に、先ほども申し上げたように、議員がお触れになりましたが、二十一世紀のアジアの制約要因、経済成長の制約要因の中の一つがエネルギーであります。そして、その中における原子力エネルギーの占めるウエートは高くなります。これに対して、我々が共通のエネルギー政策を有する立場から各国に呼びかけその安全管理、より効率的な使用といったものに対しての枠組みをつ くっていくことができれば、そうしたこともこの中に議論として盛ってまいりたい。  さまざまな角度の提案があろうかと存じますが、私はそう思っておりまして、核兵器そのものの解体ということでありますならば、私は、第一義的に兵器についてはそれぞれその保有国が責任を持つべきものだ、そのように思っております。
  56. 中野寛成

    中野委員 ぜひそのスタンスを明確に表明しながら、力いっぱい日本政府として頑張っていただきたい、私はそのことを強く要請をしておきたいと思います。  最後に、金融システムの問題でございますが、これまでいろいろ議論をしてまいりました。しかし、なお明らかにならないものがたくさんあります。  住専の一次処理の問題を中心にこれまで議論がなされました。しかし、二次処理は、先般申し上げましたけれども、十五年先のことだとのんびり構えているというわけにはいかないと思います。土地は一方で下がりました。二次処理の枠というのは、これでふえるんではないのでしょうか。それとも、土地がもう一回上がるのを待ちますか。  先ほどの御質問の中で、為替相場の話が出ました。円高にまあ言うならストップがかかって若干の是正がされてきた。このことを、何か日本の政局、しかも新進党ピケ戦術と無理やり絡めての御質問だったようでございますが、暫定予算を提出する際の大蔵省の説明は、景気に関係ありませんという御説明でございました。円高傾向が是正をされることによって株価が上がって、むしろ金融機関の含み益は上がっているんではないんですか。もしそれが新進党ピケのおかげだったら、どうなるんですか。まさかピケのおかげなどと私は不謹慎なことを言おうとは思いませんけれども、逆にそういうことが経済に悪影響をいかにも与えたようにこじつける。  それは、もちろん予算というのは、よりよい予算がより早く成立するのが国民経済のためにとって必要なことは当たり前のことであります。しかし、悪い予算が通っていいはずはないのであります。そのために我々は今日まで懸命に努力をさせていただいたのでございまして、そのことを我々はぜひ御指摘を申し上げておきたいと思うのであります。  ましてノンバンクの問題、信用組合等の他の金融機関の問題、これをトータルして解決しなければ、日本の金融システムは解決されたことにならないのではないのですか。それを我々は、例えば会社更生法プラス特殊法人、処理公社という形で御提言を申し上げている、トータルで御提言を申し上げている。  それに対する対案政府に、与党にはないじゃないですか。住専の第一次処理の問題だけじゃないですか、出されているのは。大部分の問題を先送りして、そしてのほほんと、新進党の方に対案を出せなどと厚かましいことを言う資格はない、私はそう思うのでございまして、新進党対案はとっくに出している。まず予算を削減しなさいということ、削除するべきだということを申し上げたわけであります。  さて、国民の九割が反対をし、審議を通じてますます国民の理解が進むのではなくて、国民の怒りが増し、しかも、その審議の過程において総理大蔵大臣が、いまだ国民の理解を十分得るには至っていないとお答えになることもあったというような状況の中で、聞く耳持たぬとばかりに強引にその予算を押し通そうとした状況の中で、三月四日採決されているかもしれない状況の中で、その非民主的な強引な手法に対して対抗するに、我々は、当然、国会のシステムに基づいて、制度に基づいてそれを是正したいという気持ちはあります。当然のことであります。  しかしながら、あの三階に、我々とても不本意なピケ戦術をとらざるを得なかったその背景、原因、よって立つ国民の怒りというものをもし笑って無視するとしたら、その政治家は私はやはり不見識だと思う。  きのうも与野党の合意がなされましたけれども、この六千八百五十億の削除に至らなかったのは極めて不本意であります。しかし、この予算審議を進め、採決に至るための必要最小限度の合意事項だったとして、私は、それはそれなりに認めなければならないと思います。  しかし、問題はこれからであります。これから特別委員会等を設置して論議を深めていくわけでありますが、どうか政府におかれては、その合意事項を曲解をしたり、また、玉虫色だというような解釈をするのではなくて、本当に国民の納得のいく結論を得るために、真摯に、謙虚に耳を傾けていただいて、今後の充実した特別委員会の審議になるように御協力をいただきたいということを申し上げたいのでございます。  現実に、住専の二次処理なんというのはまだ全然先行きわからないのです。そうでしょう。金額が幾らになるかもわからないんでしょう。ノンバンクだって、これは結局、会社更生法で勝手にやれということのようですけれども、そのために農林系統はどれだけの負担を強いられることになるのですか。七兆かそれ以上の融資をしているのでしょう。  そして、金融三法に至っては、もっと早く出すべきだったのではありませんか。やっとめどがついたということか知りませんけれども、それか、与党内の調整がつかなかったということか。やっとあした出すとかといううわさを聞いておりますけれども、そういうことで本当に国際社会に信頼される、国民の未来を保証する、そういう金融システムの改革というものがなされると私どもは思えないのであります。  政府におかれては、そのことをしっかりと踏まえて、今後の審議にも御協力をいただきたいということを最後に申し上げ、質問を終わりたいと思います。
  57. 上原康助

    上原委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。  次に、松本善明君。
  58. 松本善明

    ○松本(善)委員 予算委員会審議の焦点が母体行の追加負担に移ろうとしているときに、五党首合意をほごにする採決が行われることに我が党は断固反対であることをまず述べて、質問に入りたいと思います。  与党と新進党との昨日の合意について、総理はなぜ凍結になるのかと述べたということが報道をされております。その合意は、六千八百五十億について、「制度を整備した上で措置する。」とあります。これは住専処理法案の成立を意味していると総理は受け取っておられるのか、あるいは、法案が成立した上でさらに何らかの措置が必要だと受けとめておられるのか、総理の見解を伺いたいと思います。
  59. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、記者団の質問がどういう質問であったかということからお確かめをいただきたいと存じます。なぜなら、記者団から求められた質問に対して私は答えました。(松本(善)委員「今の見解を聞いている」と呼ぶ)今の見解ではありません、委員が私の発言はとおっしゃいますから、それは、記者団からこれは凍結かということでありましたから、どうして「制度を整備した上で措置する。」というのが凍結なんだいというのは、私は確かに答えました。これはまさに制度を整備した上で措置するという文字どおりのものではないのか、そういうやりとりがあったことは事実であります。そして、記者団がこれは凍結だ凍結だと言われますから、「制度を整備した上で措置する。」というそのとおりに私は読んでいるということを繰り返して答えたということであります。  むしろ今の見解をと言われますならば、これから特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法案、こうした御審議における御論議等を十分に踏まえながら措置していくことが我々の役割であろうと考えております。
  60. 松本善明

    ○松本(善)委員 私がお聞きしましたのは、記者会見でのお答えに関連しながら、現在総理がどのように受けとめているかということをお聞きをしたのでありますが、それについて明確にお答えに ならないということ自体がこの合意の性格を示しているのであると思います。  大蔵大臣に伺います。  母体行の追加負担の具体化につきまして、大蔵大臣の御答弁は、その必要性、また六千八百五十億にとどまらないというその規模、また政府が母体行に追加の負担をさせるという責任についてお認めになりました。そして、それは予算成立後に行うと答弁をされました。追加負担策の具体化によりまして二次損失分まで含めて国民負担がゼロになることがあるのか、その可能性があると考えているのか、その場合は予算執行がないのか、明確にお答えいただきたいと思います。
  61. 久保亘

    久保国務大臣 今お尋ねになりましたようなことを数字でもって明確にお答えできるようなことであれば、大変私も答弁がしやすいのであります。すべては、これらの問題が、政府が提案をいたしております今日まで、母体行や一般行、系統金融機関等との間で損失の負担の仕方について協議、合意いたしました。この枠組みを決めていただく中で、さらに母体行に対しては、国会審議も踏まえた上で、追加措置を可能としているのではないか、またその責任があるのではないかということで、その負担を求めようとしているのであります。求めてまいりました場合には、そのことによって六千八百五十億のいわゆる財政支出に関する部分が縮減されていくものになろうということを私は繰り返し申しているのであります。
  62. 松本善明

    ○松本(善)委員 審議の中で、母体行の追加負担について先ほど申しましたような、私は答弁の上では前進が一応あったと思いますけれども、しかし、今なおあいまいで、それがはっきりしないということが私はこの問題にとっては非常に重大なんだと思います。  といいますのは、大蔵大臣は、住専問題は不良債権処理の象徴だというふうに答弁をされたことがあります。我が党は、住専問題を不良債権処理の根本問題と考え、六千八百五十億の削除、母体行負担の原則の確立を主張してきたのであります。子会社のノンバンクは母体行の責任で処理をすることが日本でも行われてきた当然の原則でありますし、米国でも常識化をしておる原則であります。この原則に穴をあけるのが住専の処理であります。預金者のいないノンバンクに公的資金を使うのは母体行の救済以外の何物でもありません。金融三法案提出に関しまして、政府・与党が不良債権処理について無原則であることが図らずも明らかになりました。  住専に公的資金を導入して、住専以外のノンバンクに投入しない、税金、公的資金を投入しない理由は何か。日銀の松下総裁は四日の本委員会で、我が国の金融機関の収益力、内部留保の規模などを踏まえると、我が国の金融機関は、全体として不良債権に十分対応することが可能だと答弁をいたしました。体力があるにもかかわらず住専を特別扱いをする理由はどこにあるのです。これは大蔵大臣御自身の御答弁をいただきたい。  といいますのは、大蔵官僚は、これはこの問題ではいわば共同責任、当事者であります。だからこそ、この不良債権処理の原則について、内閣は政治方針としてどう考えているのかということを明確にお答えいただきたい。大蔵大臣の答弁をいただきたいと思います。
  63. 久保亘

    久保国務大臣 共産党の御主張と申しますか、松本さんの御意見は、この委員会においても何回か承りました。私は、一つの御見識だと思って承っております。  しかし、私どもの今やらなければならないことは、いかにしてこの不良債権問題を処理し、そして金融システムの安定化によって内外の信用と信頼を回復するか、このことに全力を挙げねばならないのでありまして、そのことのために今、住専問題をまずその象徴的喫緊の課題として取り上げ、その処理策を御審議を願ったのでございます。  しかし、このスキームを御決定をいただきました場合でも、今後の回収、責任、それから情報の開示といったことはさらに積極的に強力に進めなければならないということを当初にお約束してございます。その立場に立って、母体行の責任についても、今後も私どもは、松本さんが御主張になりましたことも考えながらやってまいりたいと思っております。
  64. 松本善明

    ○松本(善)委員 私が事を分けて不良債権処理の原則についてお聞きしたにもかかわらず、そのお答えがないというのが今の政府現状だというふうに受けとめました。  総理大臣、伺いたいのは、今、内外の金融機関に対する信頼ということを大蔵大臣は言われました。我が党は、住専問題で一貫して公的資金の導入反対、母体行責任で解決せよと主張し続けてまいりました。それは、子会社のことは親会社が責任を持つという当然の原則を破るからであります。この当然の原則を破ることは、金融機関への信頼を崩し、真の意味での金融システムを守ることにならないからこの主張を執拗に続けてきたのであります。  四月二日、本委員会で私は、バブル期に大量の不良債権をつくり出した銀行はその存在意義が問われているということを提起をして、総理に質問いたしました。総理は肯定的な答弁をされました。子会社の問題を母体行が解決するという原則を守らせることができないとしたら、銀行がその存在意義を問われるのみならず、大蔵省も存在意義を問われます。それだけではなく、政治存在意義が問われます。総理大臣は一当時大蔵大臣として重大な責任を負っておられました。この問題について、今銀行、大蔵省、政治存在意義を問われているという重大な問題について、総理はどのような見解をお持ちになっているか、お聞きしたいと思います。
  65. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 同種のお尋ねを今までにも松本委員から何回かちょうだいをいたしました。そして、どうしてもかみ合いませんのは、私は、議員のような御論議を否定するものではありません。しかし、私どもとしては、この住専の問題を突破口、いわば始めとして不良債権問題を早急に解決していくことが我が国の金融システムの安定性と内外の信頼を取り戻して、本当に国民が切に願っておられる本格的な景気回復というものを実現していく上で必要不可欠だと私どもは思っているんです。  そして、もうこれも私は長々繰り返しませんけれども、本院でも何回も関係者から御説明をいたしましたように、昨年の夏ぐらいから一生懸命に関係者の中での論議を尽くした上で、本当に最後、公的資金導入というものを含む今回の住専処理方策というものを、まさに政治責任を持つ立場として大変重い決断をいたしました。そして、不良債権の問題を早期に解決するためにも新しい金融システムを構築しなければならないと、三法案の提出を今急いでいるところであります。  御批判は今までもちょうだいをいたしました。そしてその御批判は甘んじて受けますけれども考え方の基本にどうも食い違いがあるようでありまして、我々は、この住専の問題の処理というものが喫緊の課題、そして不良資産問題の突破口、そうとらえているということをもう一度繰り返させていただきます。
  66. 松本善明

    ○松本(善)委員 我が国の財政は、財政制度審議会が言うように、「大きな時限爆弾を抱えた状態」であります。大蔵大臣は本委員会で私の質問に、財政再建の目標、改革の手段について今示せない、こういうことを御答弁になりました。今総理大蔵大臣の御答弁を聞きましても、不良債権問題についての処理原則がはっきりしない、ないと言ってもいいですよ、そういうまま住専に公的資金を導入するというのは、財政再建との関係でも二重三重に無責任だということを指摘をして、質問を終わりたいと思います。
  67. 上原康助

    上原委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。  次に、海江田万里君。
  68. 海江田万里

    ○海江田委員 市民リーグ・民改連を代表しまして、締めくくりの質問をさせていただきます。  まず、私どもは、住専処理のために六千八百五 十億円の財政資金を投入することには反対で、予算からの削除を求めてまいりましたが、本日、間もなく六千八百五十億円を含んだ形で予算案が衆議院を通過することは、大変残念なことであります。  さてそこで、総理にお尋ねですが、政府が先般つくりました住専問題のパンフレットでは、住専のために一人五千五百円の税金を新たに納めていただくことはありませんと、これを殊さら強調しております。しからば、じゃこの六千八百五十億円の財源は何かということを考えてみますと、私はこれは赤字国債だと思うのですね。少なくとも、この住専処理の負担がなければ、ことしの赤字国債の発行額は六千八百五十億円マイナスになるということは、これは明らかだろうと思うわけでございます。  そこで、六千八百五十億円の赤字国債の発行は、考え方によりましては、国民一人五千五百円の新たな税負担よりも好ましくない選択ではないだろうか、こういう考え方が成り立つわけでございます。  今さら繰り返すまでもありませんけれども、本予算成立をすることによりまして、今年度の国債発行額は二十一兆二百九十億円、これは九五年度と比べまして、実に六六・九%の増加でございます。もちろんこれは、当初予算ベースで史上最高額でございますが、この記録は恐らく来年あっという間に塗りかえられるでありましょう。来年は、国民負担が住専の三十倍と言われている国鉄清算事業団の債務に手をつけなければならないからであります。  これも総理はもちろん御存じでしょうけれども、EU、欧州連合の通貨統合の条件は、年間の赤字額はGDPの三%以下、債務残高は六〇%以下でございます。我が国の場合は、九五年度で既に七・六%、ことしの場合は、これは確実に一〇%になんなんとする赤字国債の発行額でございます。それから、累積債務の残高は、八八・八%が九五年でございますから、九六年に至ってはおよそ一〇〇%になるのではないだろうか。ということは、とりもなおさず日本は、もしEUの一員であるならば、通貨統合には参加できないということになります。  こういう財政の危機的な状況と、住専の処理に財政資金を投入をする、しかも今年度は六千八百五十億円でありますけれども、将来の二次損失は二分の一が財政負担であるということは、このことがさらに財政を圧迫するという認識はおありかどうか、これを総理にお尋ねしたいと思います。
  69. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、今の海江田さんの議論を全く否定はいたしません。そして、赤字国債というものにそれだけの危険さがあること、それは私自身十分存じておるつもりであります。  というよりも、国債依存度が高まれば高まるほど、財政は非常に厳しいものになります。そして、新規施策に対する投資は減ります。ですから、私自身、大蔵大臣のときに国債依存度を下げることに夢中になってきました。  しかし同時に、今必要な資金があったといたします。そしてその必要な資金を使って一つの仕事をしていくことにより、将来我が国の経済がよりよい姿を取り戻すという方向があったといたします。しかし、その資金がなかったときに、国債という手段が許されないものかどうか。私は、議員と私の考えの分かれ目は、まさにその部分だろうと思います。  そして今、私は、赤字国債という非常手段を使ってその資金を調達してでも、日本の景気回復軌道に乗せなければならない時期だとかたく信じております。その責任は、もし問われるなら、あえて逃げるものではありません。しかし、ここで必要な資金が赤字国債で調達を許されないために景気回復のチャンスを逸するとすれば、私はその方がはるかに大きな課題だと思います。
  70. 海江田万里

    ○海江田委員 そういうお考えでしたら、わざわざこういうパンフレットに、一人五千五百円集めるものではありませんよということを殊さら強調する必要はないのではないだろうか、私はそういう認識を持っております。  それから、今総理はかなり懇切丁寧に私の質問に、ややもすれば五分の持ち時間を突破しそうにお答えをいただきましたが、ただ、こういうお答えというのは私は非常にありがたい。きょうは締めくくり総括質問でありますから、各大臣がそれぞれに率直に意見を開陳をしておりますが、例えば昨日などは一般質問でございました。一昨日も一般質問でございます。一般質問で大臣の皆さん方がいなくなると、政府委員が実に不誠実な答弁をするわけでございます。  一月末以来、百五十一時間余りの議論があって、そしてその中で、国会が果たして真相解明にどれだけ役立ったかということでいろいろな議論がございますが、もしこの国会の議論が不毛であるとするならば、その一端は、私はやはり政府委員の不誠実な答弁にもあると思うのです。私は、これから参議院でも議論があるわけでございますから、どうか橋本総理が、やはりこれは橋本内閣として、政府委員に対してもっと誠実な答弁をするようにというふうにおっしゃっていただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  71. 橋本龍太郎

    橋本内閣総理大臣 私は、公務員はそれぞれの省庁の設置法によって定められた範囲を超えた行動はとれないと思います。それは国会の御指摘でありましても、その所掌事務を超えての発言はできません。そこを補うのは私どもの役割だろうと思います。しかし、その限りにおいて政府委員が真剣な御答弁をするように、改めて申します。
  72. 海江田万里

    ○海江田委員 ありがとうございました。  時間ですので終わります。どうもありがとうございました。
  73. 上原康助

    上原委員長 これにて海江田君の質疑は終了いたしました。  これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成八年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。     —————————————
  74. 上原康助

    上原委員長 ただいままでに、日本共産党松本善明君外一名から、平成八年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が、また、自由民主党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけの三派共同提案として深谷隆司君外五名から、平成八年度一般会計予算に対する修正案がそれぞれ提出されております。  まず、松本善明君外一名提出の動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。松本善明君。     —————————————  平成八年度一般会計予算平成八年度特別会計   予算及び平成八年度政府関係機関予算につき   撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  75. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、平成八年度予算三案につき政府がこれを撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、既に文書がお手元に配付してありますので、簡明に提案理由及び概要を御説明いたします。  まず、撤回、編成替えを求める理由についてであります。  予算案の最大の問題は、乱脈な不動産投機で生じた住専の莫大な不良債権処理に六千八百五十億円もの血税をつぎ込もうとしていることであります。与党三党と新進党の合意で、予算総則に、「制度を整備した上で措置する。」の条項を盛り込んだところで、血税投入には何らの変化もありません。肝心なことは、母体行責任を貫く立場で追加負担を明確にすることでありました。国会の論議はまさにその中心課題に焦点が絞られようとしていたのであります。母体となった大銀行は、経営の実権を握り、住専を別働隊として利用して巨額の利益を上げ、バブルがはじけるとみずからの不良債権まで押しつけて責任逃れを図るなどの横暴を働き、その結果生じた損失のツケを国民に押しつけるなど、断じて許されるものではありません。住専への血税投入を直ちに予算から削除すべきであります。  あわせて、深刻な財政危機の打開、国民本位の財政再建に向けた第一歩を開始することであります。そのために、浪費とむだの構造を温存、拡大する部分に徹底的なメスを入れ、思い切った削減を行うことであります。  次に、不況からの脱出を図る予算に転換するため、個人消費拡大の思い切った予算配分を行うことであります。  また、防災対策や福祉、教育を大幅に充実させること、無責任な財政運営を根本的に改め、国債発行を大幅に削減することであります。  次に、編成替えの概要について述べます。  第一は、住専対策の六千八百五十億円を全額削除することであります。  第二は、軍事費やゼネコン奉仕予算の大幅削減の問題であります。  第三は、消費税増税を中止し、国民生活優先の不況対策に転換する問題であります。  第四は、生活基盤再建を中心とする震災復興、福祉、教育の抜本的充実を図ることであります。  第五は、大企業優遇の税財政を改める問題であります。  以上が動議の概要であります。  詳細は配付してあります動議を御参照いただきたいと思います。  委員各位の御賛同を期待して、趣旨弁明といたします。
  76. 上原康助

    上原委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。  次に、深谷隆司君外五名提出の修正案について提出者より趣旨の説明を求めます。三野優美君。     —————————————  平成八年度一般会計予算修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  77. 三野優美

    ○三野委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました自由民主党、社会民主党・護憲連合及び新党さきがけ共同提案の平成八年度一般会計予算の修正案につきまして、その提案の趣旨及び概要について御説明を申し上げます。  今回提出されました平成八年度予算は、ようやく明るさの見え始めた景気回復をより確実なものにするためのものであり、本予算の一日も早い成立国民各層から強く望まれているところであります。  さて、我が国の景気が低迷してきた原因の一つに、金融機関の不良債権問題と、これに起因する金融システムの不安定化を挙げることができますが、預金者保護の必要性、我が国経済の現状金融システムの安定性の確保、我が国金融システムに対する内外での信用確保等を考えるときに、特に住宅金融専門会社、いわゆる住専の不良債権問題をこのまま放置することは、景気回復の芽を摘むこととなり、国民生活に重大な支障を与えかねず、その経済的、社会的悪影響ははかり知れないものがあります。  このため、平成八年度予算政府案には、住専の不良債権処理のための緊急金融安定化資金六千八百五十億円が計上されたところであります。  この財政資金の投入に関しては、去る一月三十日の総括質疑開始以来、連日熱心な質疑応答が行われ、二百時間を超えた審議が行われたにもかかわらず、いまだ、財政資金を導入することに対して十分な理解を得るに至っておりません。したがって、国民の皆さんのより一層の理解を得るために修正を行うこととした次第であります。  修正案の内容について申し上げます。  本修正案では、予算総則において「緊急金融安定化資金に係る措置」として「第十五条」の次に「第十六条」として「緊急金融安定化資金の六千八百五十億円については、制度を整備した上で措置する。」との条文を追加することとしております。  以上、修正案提出の趣旨とその概要を申し述べましたが、本修正案は、住専の不良債権処理に財政資金を投入するという今回の処理策の重要性と、これに対する国民の十分な理解と納得を得るべく修正を行ったものであります。  何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案の趣旨説明といたします。
  78. 上原康助

    上原委員長 これにて本修正案の趣旨説明は終了いたしました。     —————————————
  79. 上原康助

    上原委員長 これより討論に入ります。  平成八年度予算三案、これに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議並びに平成八年度予算三案中一般会計予算に対する修正案を一括して討論に付します。  討論の通告がありますので、順次これを許します。近岡理一郎君。
  80. 近岡理一郎

    近岡委員 私は、自由民主党、社会民主党・護憲連合新党さきがけを代表して、ただいま議題となっております平成八年度予算三案に関し、三党の共同提案に係る修正案及びそれを除く政府原案に対し、賛成の討論を行うものであります。  以下、修正部分を除く政府原案に賛成する主な理由を申し述べます。  賛成の理由の第一は、異例に厳しい財政事情のもとではありますが、最近における景気回復の動きをさらに確実なものとするため、平成七年度と同規模の所得税、個人住民税の特別減税を継続して実施し、公共投資の着実な推進を図るとともに、経済構造改革を実現するため学術研究基盤の充実、高度情報化の推進等を図るなど、我が国経済の中長期的な持続的安定成長に大いに資するものとなっていることであります。  これらに加え、住専問題の早期解決を図るため、緊急金融安定化資金六千八百五十億円が計上されております。  住専問題の処理については、本委員会において異例の審議時間を確保し、住専の経営責任を初め種々の責任明確化等を図るため、広範な情報開示が図られ、真剣な論議が行われてまいりました。  住専問題の早期処理は、我が国金融システムの安定性とそれに対する内外からの信頼を確保し、預金者保護に資するとともに、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せるため喫緊の課題であり、今回の四党間合意を踏まえ、住専問題の処理を進めていく必要があると考えます。  賛成の理由の第二は、社会保障の充実を初め、豊かで活力ある経済社会の創造のため真に必要な施策など、社会経済情勢の変化に即応した財政需要に的確に対応した予算となっていることであります。  社会保障については、障害者プランを新規に策定し、新ゴールドプラン及び緊急保育対策等を着実に推進しており、雇用対策、文教及び科学振興費、中小企業対策費、農林水産関係予算等、いずれも時宜にかなった適切なものとなっております。  賛成の理由の第三は、極めて厳しい財政事情に適切に対処していることであります。  我が国財政は構造的に極めて深刻な状況となっており、財政改革を強力に推進し、できるだけ速やかに健全な財政体質をつくり上げていく必要があります。  このため、平成八年度予算につきましては、徹底した歳出の洗い直しに取り組み、一般歳出全体を二・四%増と抑制し、特に経常部門経費は一・五%増と、六十三年度以降では最も低い伸び率とする一方、限られた財源の中で資金の重点的、効率的配分に努めたものとなっております。  自由民主党、社会民主党・護憲連合新党さきがけの共同修正案について意見を申し述べます。  同案は、当委員会におけるさまざまな議論及び与野党間の真摯な協議を踏まえ、一般会計予算予算総則に第十六条を加え、「緊急金融安定化資金の六千八百五十億円については、制度を整備した上で措置する。」こととするものであり、賛成の意を表するものであります。  以上、共同修正案及びそれを除く政府原案に賛成する主な理由を申し述べましたが、私は、これらが現在我が国が直面しておる内外の諸課題に的確に対応し得るものと確信しております。  なお、日本共産党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議につきましては、見解を異にするものであり、反対いたします。  最後に、討論を終えるに当たり、一言申し上げたいと思います。  今国会最大の争点であった住専問題について、与野党間で激しい論争があったことは当然としても、再三にわたり野党から対案が提示される旨の発言があったにもかかわらず、今日に至るも対案が提示されず、与野党間における真の論争がなし得なかったこととともに、国民の前にピケの是非のみが前面に出されただげで本予算審議がこのまま終わることは、残念のきわみであります。一刻も早く論争を中心とした真の議会制民主主義回復が図られることを期待して、私の討論を終わります。(拍手)
  81. 上原康助

    上原委員長 次に、今津寛君。
  82. 今津寛

    ○今津委員 私は、新進党を代表して、ただいま議題となりました平成八年度政府予算三案及びこれに対する与党提案の修正案並びに日本共産党提出の編成替えを求める動議に対して反対の討論を行います。  我々新進党は、純粋の民間の事業会社であり預金者もいない住専に対する税金の投入は断じて容認できないことを強く主張し、住専処理のための六千八百五十億円の財政資金投入は予算から全面削除するよう強く要求してまいりました。  我が党が、予算委員会審議等を通じ、国民の期待にこたえて住専への税金投入策の欠陥をただしたにもかかわらず、政府は終始言い逃れのための詭弁を弄し、型どおりの審議で表面を取り繕いながら中身の全くない答弁を繰り返しては日程だけを消化し、去る三月一日には、採決の日程を一方的に決定したのであります。  我が党は、こうした与党の非民主的、ファッショ的な行動を阻止するため、万やむを得ざる手段として、国民の意思を貫くために非常の政治行動をとらざるを得ませんでした。その結果、土井議長立ち会いの上、与野党党首会談において、強行採決はしない、また、自民党加藤幹事長の証人喚問に前向きに応じるとの与野党の合意があり、今日まで我が党は真摯に審議に参加してきたのであります。  残念ながら、審議はいまだ不十分であります。加藤紘一幹事長の喚問もいまだ実現をいたしておりません。しかしながら、暫定予算の補正という事態となり、一進一退を繰り返している景気を足踏みさせることは、責任野党として放置できません。この見地から、我が党は与党からの国対委員長会談の呼びかけに応じ、昨日、与党三党と国対委員長間で、予算書の総則を修正し、第十六条を追加し、緊急金融安定化資金の六千八百五十億円については制度を整備しない限り支出しないなどといった三項目にわたり合意、本日、採決という事態を迎えるに至りました。  我々新進党の要求は、あくまで国家国民の利益を守る立場から、予算案から住専予算を削除することにあります。昨日の合意は、我々の目的実現のための一里塚として一定の評価をするものでありますが、削除が実質的に保証されたものではなく、政府予算案に断じて賛成するわけにはまいりません。また、六千八百五十億円については制度を整備した上で措置をするとしてありますが、この制度というのは金融機関全体の不良債権処理の制度であるべきことは言うまでもありません。  さて、政府住専処理案は、手続、内容の面からも欠陥と矛盾に満ち、到底納得できるものではありません。関係者の責任追及は不徹底、根拠は不明確、スキームはあいまいなままで、ずさんなバブル融資に狂奔した預金者なき住専の処理に税金を投入する政府案のお粗末さは、国会の質問等を通じて白日のもとにさらされ、国民の怒りは一層高まりました。橋本総理の元秘書までが住専絡みの融資にかかわっていたという事実、共和からの裏献金や北朝鮮への米援助等に関連するさまざまな疑惑を払拭できない加藤幹事長が、血税投入を推進した中心者として、また最大与党の責任者として国民に税負担を求めることは全く納得できないことであります。  加藤紘一幹事長は、本日午前の総務会で、同氏の共和献金問題について、自分の政治資金の取り扱いの問題なので、今後いずれかのときにいずれかの場で明確にしていかなければならないとの心づもりだと発言をいたしておりますが、私は、代議士は侍でなければならないと思います。どうか、御自身に過ちがないというのであれば、国を憂うる侍らしく、みずから堂々と国会の場で身の潔白を晴らされるべきでしょう。いかがでしょうか。  また、住専問題の解決については、市場原理に基づく自己責任の大原則により、国民に開かれた状況の中で行うべきです。政府案は関係者が密室の談合の中で取り決めたものであり、一般の国民には全く情報が開示されていません。さらに、住専各社の経営破綻の処理は、法的処理により公正、透明なルールのもとに行うことが市場経済の大前提であります。また、連立与党が決定をした、いわゆる住専処理策の追加措置にしても、税金投入に反対する世論の反発をそらそうとするまやかし以外の何物でもありません。追加措置という名の子供だましの作文であり、国民をペテンにかけるものにすぎません。  このように、政府住専処理策は矛盾と問題に満ちており、賛成することは断じてできません。  さらに、政府予算案には、住専の問題のみならず、景気対策、経済構造改革行政改革、外交・安全保障など、重要課題に対しても内外の期待に全くこたえておらず、これらの諸点からも、我が党は政府予算案に賛成できません。  今政治国民から強い批判を受けています。党利党略におぼれ、今やらなければならない仕事、決断、改革がなぜできないのか。理念の異なる自社さきがけ連立てあることもその一因かもしれません。政治は自民党のものではない、社民党のものでもない、もちろん新進党のものでもありません。また、一人一人の政治家のためにあるものでもありません。今こそ、予算成立後一刻も早く衆議院を解散し、国民の信を問うべきことを総理大臣に求めるものであります。  我が党は、今後、参議院予算委員会や衆議院に新たに設置される特別委員会などにおいて、住専関係予算の削除及び加藤自民党幹事長の証人喚問の実現に新たなる決意を持って臨むことを宣言し、政府予算案及び与党三党の提案による修正案、日本共産党提出の編成替えを求める動議に対する私の反対討論を終わります。(拍手)
  83. 上原康助

    上原委員長 次に、矢島恒夫君。
  84. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私は、日本共産党を代表して、与党修正案及び政府提出の一九九六年度予算三案に反対し、我が党提出の政府予算撤回のうえ編成替えを求める動議に賛成の討論を行います。  私はまず、本日予算審議を打ち切り採決を強行することは、住専問題に対する審議の到達点に照らしても、また、十分な審議を行い強引な採決は行わないことを確認した五党首合意、すなわち国民に対する公約から見ても国民に対する背信行為であり、断固糾弾するものであります。  政府・与党の修正なるものは、当たり前の予算執行の手続を予算総則に書き込んだだけであり、六千八百五十億円の血税投入の歯どめになるものでもなく、小手先のごまかし以外の何物でもありません。  この間、政府は、我が党の追及に対して、母体行は三・五兆円の債権放棄だけで責任を果たしたことにはならないと、母体行に追加負担を求める答弁を繰り返してきました。これは、母体行の負担はぎりぎりの最終のものだとして持ち出してきた六千八百五十億円の財政支出がもはや根拠がないことを政府みずからが認めたことにほかなりません。  今政府に求められることは、繰り返し明言したこの母体行の追加負担を言葉だけに終わらせず、それを具体化した政府案を国会に示すことであります。それをせずに、六千八百五十億円に指一本触れないまま予算案を強行しようというのでは、政府の言う母体行の追加負担は最初から空手形で あり、六千八百五十億円は、将来の不良債権処理に向けての際限のない血税投入の手付金であると断じなければなりません。  審議の中で、住専問題の主犯は母体行であることが明白になりました。住専をして乱脈な不動産投機に走らせ、莫大な不良債権を抱えるに至らしめたのは、住専をつくり、役員を派遣するなどしてその支配権を握ってきた母体行であります。  さらに、母体行は政府の超低金利政策のもとで、この不況経済のもとでも莫大な業務純益を上げ、内部留保も年々ふやし続けているのであります。母体行には、追加負担に応じられる体力も十分あるのであります。血税六千八百五十億円を予算から削除し、事実上の親会社である母体行が子会社の不始末の責任をとるという母体行主義での解決こそ、圧倒的多数の国民の声にこたえる唯一の道であることを強く主張するものであります。  我が党が予算三案に反対するのは、住専問題にとどまりません。政府予算案は、みずから財政危機宣言を出しながら、住専の支出にとどまらず、新たな軍拡と日米安保体制のための予算を増大させ、ゼネコン奉仕の公共投資を拡大するものであり、到底容認できません。こうしたアメリカと大企業奉仕の浪費とむだの構造に徹底的にメスを入れ、軍事費を半減させるべきであります。基地に苦しむ沖縄県民の声にこたえず、在日米軍への思いやり予算を増額するなどもってのほかであります。そして、国民生活優先の不況対策、福祉、教育の抜本的充実を図るべきです。とりわけ、一年を経過して、なお深刻な事態が続いている阪神淡路大震災被災地に対し、早急に、被災者の生活基盤と生活再建のための個人補償制度を創設するなど、総合的な対策を立てるべきであります。  最後に、私は、重ねて住専問題処理への六千八百五十億円の血税投入の全額削除と母体行追加負担の具体化を強く要求し、私の討論を終わります。(拍手)
  85. 上原康助

    上原委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  86. 上原康助

    上原委員長 これより採決に入ります。  まず、松本善明君外一名提出の平成八年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  87. 上原康助

    上原委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。  次に、深谷隆司君外五名提出の平成八年度一般会計予算に対する修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  88. 上原康助

    上原委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  ただいま可決されました修正部分を除いて平成八年度一般会計予算の原案を採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  89. 上原康助

    上原委員長 起立多数。よって、平成八年度一般会計予算は修正議決すべきものと決しました。  次に、平成八年度特別会計予算平成八年度政府関係機関予算の両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  90. 上原康助

    上原委員長 起立多数。よって、両案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました平成八年度予算三案に関する委員報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 上原康助

    上原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  92. 上原康助

    上原委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る一月二十六日の審査開始以来、終始真剣なる論議を重ねていただき、本日ここに審査を終了するに至りました。  これもひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。ここに深く感謝の意を表します。  私の力不足でいろいろと御迷惑をおかけいたしましたが、やっと終わることができました。ありがとうございました。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後四時十四分散会      ————◇—————