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1996-05-16 第136回国会 衆議院 農林水産委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年五月十六日(木曜日)     午後三時開議 出席委員   委員長 松前  仰君    理事 鈴木 宗男君 理事 二田 孝治君    理事 松岡 利勝君 理事 仲村 正治君    理事 初村謙一郎君 理事 増田 敏男君    理事 田中 恒利君 理事 井出 正一君       荒井 広幸君    金田 英行君       岸本 光造君    栗原 博久君       七条  明君    東家 嘉幸君       浜田 靖一君    穂積 良行君       松下 忠洋君   三ッ林弥太郎君       山本 公一君    石破  茂君       木幡 弘道君    須藤  浩君       千葉 国男君    野呂 昭彦君       堀込 征雄君    宮本 一三君       矢上 雅義君    山岡 賢次君       山田 正彦君    池田 隆一君       石橋 大吉君    永井 哲男君       野坂 浩賢君    山崎  泉君       金田 誠一君    簗瀬  進君       藤田 スミ君    徳田 虎雄君  委員外出席者         参  考  人         (全国漁業協同         組合連合会専務         理事)     菅原  昭君         参  考  人         (北海道指導漁         業協同組合連合         会代表理事会         長)      遠峰 進一君         参  考  人         (日本遠洋旋網         漁業協同組合副         組合長理事)  野村 稲穂君         参  考  人         (社団法人全国         底曳網漁業連合         会副会長理事) 吉岡 修一君         農林水産委員会         調査室長    黒木 敏郎君     ————————————— 委員の異動 五月十六日  辞任         補欠選任   畑 英次郎君     石破  茂君   永井 哲男君     池田 隆一君   小沢 鋭仁君     金田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   石破  茂君     畑 英次郎君   池田 隆一君     永井 哲男君   金田 誠一君     小沢 鋭仁君     ————————————— 本日の会議に付した案件  排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案(内  閣提出第八六号)  排他的経済水域における漁業等に関する主権的  権利行使等に関する法律案内閣提出第八八  号)  海洋生物資源保存及び管理に関する法律案  (内閣提出第八九号)  水産資源保護法の一部を改正する法律案内閣  提出第九〇号)      ————◇—————
  2. 松前仰

    松前委員長 これより会議を開きます。  内閣提出排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利行使等に関する法律案海洋生物資源保存及び管理に関する法律案及び水産資源保護法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  本日は、各案審査のため、参考人といたしまして全国漁業協同組合連合会専務理事菅原昭君、北海道指導漁業協同組合連合会代表理事会長峰進一君、日本遠洋旋網漁業協同組合組合長理事野村稲穂君、社団法人全国底曳網漁業連合会会長理事吉岡修一君、以上四名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにいたしております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただいて、審査参考にいたしたいと存じておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の順序について申し上げます。  菅原参考人、遠峰参考人野村参考人吉岡参考人の順に、お一人十分程度意見をお述べいただいて、その後、委員質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますけれども、発言の際は委員長の許可を得ることになっておりますので、御了承願います。また、参考人委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。  それでは、菅原参考人お願いいたします。
  3. 菅原昭

    菅原参考人 本日は、国連海洋法条約批准に係る水産関係四法案につきまして、参考人として意見を申し述べる機会をいただきましたことに、まず心から厚く御礼を申し上げたいと思います。  去る二月二十八日に日本武道館で開催しました「日本食料漁業漁村を守る 二百海里確立全国漁民決起大会」には、多数の国会議員先生方に御臨席いただきまして、また、各党の代表の方から二百海里の全面設定全面適用について力強い所信表明をいただきましたことを、この機会をおかりしまして、全国漁民代表し心から厚く御礼を申し上げたいと思います。  さて、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律案では、従来の漁業水域暫定措置法で認めていた、政令で定める海域については漁業水域設定しないという条項が削除されておりますことは、東経百三十五度以西の日本海等にいまだ二百海里が設定されていないという異常な姿を本来の完全な形にするという意義あるもので、私ども、高くこれを評価しているところであります。  また、この条約に係る漁業協定改定交渉につきましては、その交渉期間合理的期間内とした二月二十日の閣議了解と、海洋法条約批准国内関連法国会提案を決定した三月二十六日の閣議で、具体的な期限を区切って協定改定交渉を行うことが確認されましたことは、全国漁業者が大変心強く受けとめているところであります。この際、国連海洋法条約基本精神であります生物資源の持続的な利用を推進するためには、これらの交渉を通じて、管轄権取り締まり権について、現行旗国主義海洋法条約の趣旨に沿って沿岸国主義に変えていくことが緊急不可欠の条件であるわけであります。既に交渉が開始されておりますが、日中、日韓漁業協定改定に向けての政府の御努力を心からお願い申し上げたいと思う次第であります。  東アジア海域世界有数漁場でありますが、とりわけ日本周辺水域は絶好の漁場であります。しかも、日本漁業者は、資源管理型漁業推進や種苗の放流といった地道な漁場保存管理努力を長年実施してきております。そのため、日 本周辺水域がよい漁場に保たれてきておったわけでありますが、そこに多数の外国漁船がやってきて、無法かつ無謀な操業を行っているのが今日の状況であります。外国漁船が根こそぎ荒らしていくような状況を一日も早く直さなければなりません。そのため、二百海里の全面設定全面適用が確実に実現されることが必要となっているわけであります。  次に、TAC漁獲可能量制度についてでありますが、海洋生物資源保存及び管理に関する法律案ということで提案されているわけでありますが、我々沿岸漁業世界では、資源管理型漁業を長年推進してきております。TAC制度資源管理型漁業一つの手法でもありますので、その意味で、資源状況が悪化してきている状況から、今日我が国においてもTAC制導入は必要であるというふうに考えております。  しかしまた、TAC制導入につきましては、日本には従来ない制度でありますので、漁業者の理解を得ながら、混乱を生じないよう円滑な導入をすべきであるとかねがね主張してまいりました。TAC制導入平成九年ということを聞いておりますが、漁業者への周知徹底については今後とも特段の御努力お願いいたしたいと思うわけであります。  我が国漁業も、かつて千二百万トンあった漁業生産量がその三分の二の八百万トン台にまで落ち込んでいる現在、TAC制導入については、真に科学的な資源調査に基づく漁獲可能量設定すべきものであると考えております。資源調査に基づく科学的なTACとしますと、我が国漁獲努力量は過剰な部分がかなり出てくることが想定されます。資源を守るためには、この過剰部分をどう処置していくか、減船とかあるいは廃業といった再編整備が避けて通れなくなることは容易に想像できるわけであります。この再編整備はとても漁業者の力だけでできるものではありません。国の全面的な力において実施していただかなければなりません。その点もあわせて強くお願い申し上げたいと思うわけであります。  また、TAC制導入と裏腹の関係になると思われます輸入水産物についてでありますが、現在、国民の水産たんぱくの三分の一が既に輸入水産物であるという現実があります。しかも、魚価輸入水産物影響により極めて悪い状態になっております。TAC制導入により漁獲量規制、制限がなされた上に、さらに現状のような極めて安い魚価で推移していく限りは、日本漁業経営は成り立たなくなってしまうことが容易に想像できるわけであります。我が国漁業が国際的に競争力を持っていくためには、私ども漁業者みずからが、低コスト型漁業導入を図っていくために最大限努力をしなければならないと考えておりますが、あわせて国の手厚い支援がぜひ望まれるわけであります。TAC制度導入にあわせ、流通対策あるいは漁業経営対策についても最大限施策展開お願い申し上げたいと思っているわけであります。  終わりになりましたが、新海洋秩序時代を迎えるに当たって、漁業漁村活性化のための総合的な対策を講ずるようお願い申し上げたいと思っております。漁業漁村の持っている役割や価値を再認識していただきたいというふうに考えるわけであります。  我々の仕事が国民に良質のたんぱく食料を供給する食糧産業であることは当然のことでありますが、国土の均衡ある発展地域振興海洋環境保全、文化や伝統の継承、あるいは国民親水レジャーの場の提供、さらには海難救助といったさまざまな側面を現在の漁業漁村は持っているわけであります。これら漁業漁村振興についても、新しい海洋秩序時代を迎えるに当たって、積極的な政策展開を要望いたすものであります。  現状のままに放置していきますと、日本漁業は衰退の一途をたどることにもなりかねない状況であります。二十一世紀の食糧需給を見通しますと、人口増加が言われる反面、食糧の大幅な増加は期待できないという予測が一般的であろうと思われます。そのような見通しの中で、外国に自国の食糧を大きく依存していくことは、食糧安全保障の観点からも大変ゆゆしい問題であると考えているわけであります。我が国漁業自給力の向上について特段政策が必要であります。そのため、漁業漁村活性化対策とあわせて、漁業食糧産業と明確に位置づけるための漁業基本法制確立を強く望むものであります。  また、漁業漁村中核的役割を果たしているのが漁業協同組合であります。漁協現状は極めて零細で、規模基盤が大変小さく、現在合併等組織強化運動を必死で展開しておりますが、なかなか成果が上がるところまでまいっておりません。新しい海洋秩序時代となる中で、漁協組織強化についても、自助努力を大前提にしながらも、国のさまざまな角度からの支援お願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。  御清聴どうもありがとうございました。(拍手
  4. 松前仰

    松前委員長 大変ありがとうございました。  それでは次に、遠峰参考人お願いいたします。
  5. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 北海道指導漁業協同組合連合会の遠峰でございます。  日ごろ、水産政策推進に当たりまして大変御尽力を賜り、諸先生方には心からお礼を申し上げます。また、本日は、国連海洋法条約の御検討に当たりまして、北海道の実情につきまして意見をお聞きいただく機会を与えてくださいましたことにつきまして、重ねて厚く御礼を申し上げます。  指導漁連という聞きなれない団体名と受け取られる先生もおられるかと存じますけれども北海道指導漁連は、昭和三十六年、漁業協同組合系統における指導事業重要性にかんがみ、指導事業の一元化を目的に、水産業協同組合法に基づく全国でただ一つ指導専門連合会として設立されたものでございます。現在、沿海地区漁協が百二十組合沖合底びき網漁業者で組織されております機船漁業協同組合その他の連合会を含め百二十七会員で構成をされております。  主要業務は、漁協系統総合企画、そして漁協並びに漁業者経営運営指導、監査及び税務、法務などの実務コンサルタント漁協役員、職員、組合員教育研修青年部婦人部などの組織活動の指揮、漁業政策公害対策を行っており、業務は広範かつ多岐にわたっております。  さて、本題に入りますが、韓国大型トロール漁船は、御高承のとおり遠洋トロール漁船で、その規模は小さい船で三百トン、大きな船は一千トン級の漁船でございまして、北洋の千島・太平洋海域操業すべく建造されたものであり、我が国沖合底びき網漁船百二十四トン型と比べると、はるかに漁獲能力の大きいものでございます。北海道周辺海域では、沿岸刺し網漁業が甚大な被害を受けてきましたことは今さら申し上げるまでもないことでございますが、諸先生方の御努力、御支援をいただきまして、政府間協議による自主規制措置で徐々に規制が強化されてきておりますが、依然十一隻が操業している実態でございます。  昭和四十年代に旧ソ連大型トロール漁船団北海道近海操業をいたし、漁具被害漁業資源への悪影響を与えましたことから、領海十二海里、二百海里漁業専管水域設定を求め運動をいたし、昭和五十二年に領海法水域法が制定をされ、ソ連船操業に歯どめがかかったのでございます。しかし、韓国に対しては適用除外をしたため、ソ連にかわって韓国が堂々と操業するということに相なり、北海道としては骨抜きの二百海里水域法と言わざるを得ない実態にございます。  韓国漁船による漁獲は明確ではございませんが、四万トン近く、北海道沿岸漁船漁獲の約半分を漁獲しており、そのため資源の減少は明白であり、さらに資源の産卵、育成にとって必要な堆が、日本海の好漁場である武蔵堆を初め本道周辺の優良な漁場において軒並み荒廃する事態に陥っております。  私ども北海道は、沿岸沖合底びき網漁業とが、スケトウダラは三十センチ、カレイは十五センチ 未満のものは漁獲しないという資源管理協定を結び、資源管理に努めているところであります。さらに沖合底びき網漁業については、操業海域操業隻数適正化を図るため、沖合底びき網漁業総合対策事業を実施するなど国内的な対策努力を行っております。また、沿岸性魚種のヒラメやエビ類についても、資源管理計画を策定し、資源保護に努めているところでございます。しかし、韓国漁船については全く野放しで操業させていることは、まさに国益に反する行為であると言わざるを得ないと思います。  具体的に申し上げますと、本年二月までの韓国漁船による被害総額は、件数で二千七百五十六件で、金額にして十一億六千五百万円強となっております。これは本道漁船が失った漁具だけの金額でございまして、本道周辺海域スケトウダラ中心とした魚族資源が近年、年ごとに減退している実態から見ますと、逸失利益ははかり知れないものと考えられ、韓国のためになぜ私どもがこんなに痛めつけられなければならないかと悲痛の念でいっぱいでございます。  また、被害が多発する地域では、盛漁期にもかかわらず漁具の手当てにも困り、継続することすらおぼつかない状況に陥る場合もございます。  私どもとしても、被害を防止するため、漁具敷設位置水産庁取り締まり船から韓国漁船に通報いたしておりますが、韓国漁船漁具位置など全く構わず操業を行い、さらに、船名を隠ぺいし、虚偽の位置通報は当たり前のこと、ひどいときには、しけを理由に緊急避難をし、天候回復後、港を出るときトロール網を引きながら出ていき漁具被害を与えるなど、悪質きわまる行為を繰り返し、それが年々巧妙かつ悪質なものとなっておるわけでございます。  また、昨年十月には、道東沖漁協監視船韓国漁船規制ラインを侵犯して操業しているのを現認いたしましたが、現場から逃げ去るという事実があったにもかかわらず一切を否認するという態度をとり続け、これは、水産庁取り締まり船、道の取り締まり船など公的監視による場合も全く同様な態度をとっております。  さらに、海上には十センチ程度の小さなスケソウが投棄されるなど、操業はもとより、資源上も極めて危機的な事態が生じております。かつては、スケソウの腹を引き裂き、子のみ持ち帰り、がらを海中に投棄するという憂慮すべき事態もあり、韓国我が国資源を略奪していることがおわかりいただけるかと存じます。  先ほども申し上げましたとおり、北海道としては、栽培漁業推進に一層努め、資源増大に取り組み、さらに資源管理のための各種努力を日夜行っておりますが、韓国漁船無謀操業によってその努力が無に帰される危惧を強く抱いているところでございます。  こうした事態を解決するには、これまでの経過を見ますと、現行日韓漁業協定に基づく自主規制措置ではもはや不可能であり、資源漁場を守るには、韓国に対し早急に二百海里を全面設定全面適用することが不可避でございます。  今般、国連海洋法条約批准に伴い、我が国漁業体制が国際的な資源管理時代に移行しつつある中にあって、貴重な水産資源を永続的に有効利用するためには、我が国基本政策として漁業国民食糧産業として確固たる位置づけを行い、外国漁船に対しても管轄権を持って厳たる態度で臨む体制を早急に構築することが必要であると考えております。  以上、北海道の置かれている現状を申し述べましたが、諸先生におかれましては、こうした事態を十分御理解くださいますようお願いを申し上げ、韓国に対する二百海里の全面設定全面適用早期実現をさらにお願いを申し上げ、つたない説明ではございますが、終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手
  6. 松前仰

    松前委員長 大変ありがとうございました。  それでは次に、野村参考人お願いいたします。
  7. 野村稲穂

    野村参考人 私、こういう厳粛な雰囲気の中で参考人として意見陳述すると想像しておりませんでした。大変緊張いたしております。お聞き苦しいところはあろうかと思いますが、よろしく御容赦のほどをお願いいたします。  私、東海黄海を一年じゅう漁場としております日本遠洋旋網組合で副組合長を務めさせていただいております野村と申します。  現在、日本漁業は、バブル崩壊影響もありますが、外国産魚の大量輸入によって魚価が低迷し、漁業者経営は塗炭の苦しみに追い込まれております。しかしながら、漁業に対する政府施策は、同じ食糧産業である農業、畜産業に比較して大変立ちおくれていると私どもは認識いたしております。  今国会海洋法条約批准され、二百海里の線引きが完全実施されますと、私ども東海黄海中心とする日本遠洋まき網業界にとっては、実に漁場の五五%、金額で五〇%を喪失するという大損害をこうむることになります。しかしながら、日本全国漁民が大同団結して海洋法条約批准を図り、二百海里設定推進し、日本漁業の再構築を目指しておるとき、私どもまき網業界としては、二百海里設定により多大の犠牲をこうむることで、本音は大部分反対でありますが、日本漁民の懸案である二百海里設定をかち取るためにも、小異を捨て大同につく、いわゆる二百海里設定の賛成の苦渋の選択を決定いたしました。  先ほど、魚価安輸入魚増大によると申し上げましたが、平成六年度漁業白書によりますと、数量にして三百二十万トン、一兆七千億円が輸入され、関税率平均五%といたしますと、八百五十億円の関税が我々漁業生産者魚価安という形の犠牲で吸い上げられております。このことは、日本輸入品目の、原油に次ぐ第二位を占め、政府の黒字減らし、国民の物価安定に大きく寄与していると思います。  ちなみに、我々、水産予算は三千七百億とお聞きしておりまして、そのうち漁港予算が二千四百億円、残り一千三百億が北海道から沖縄までの水産予算で、同じ食糧業界農畜産業に比較して、大変貧困で少な過ぎると思うのでございます。  次に、二百海里の線引きが完全適用されますと、私どもは大打撃をこうむることはもちろんでありますが、西日本地区地域経済に大きな影響を与えることを御認識いただきたいと思います。  私どもは、去る五月八日、長崎にて、千二百名のオール水産関連業界も含め集合して、西日本漁業の未来を考えるシンポジウムを開催いたしましたが、この中で特に注目を引いたのが、銀行調査部による報告の発表で、さきに述べました二百海里が中央線線引きされますと、六〇%の漁場と五五%の漁獲の減となり、私どもまき網だけでなく、地域社会崩壊につながると発表しております。  長崎県の離島は漁業なくして地域社会基盤が成り立たないと言っても過言ではなく、大型まき網漁業の基地である生月町、奈良尾町はまき網振興なくして町の発展はなく、もしまき網が衰退すれば町は存亡の危機にさらされると両町長は言っております。  最後に、二百海里経済水域設定我が国沿岸漁業外国漁船を我が水域から締め出すことができ、安全で計画的な操業が可能になり、大部分日本漁業は大きな恩恵を受けると思います。その中で、私ども業界は、一年じゅう東海黄海操業しており、二百海里が実施されますと大いなる影響を受けます。  もし線引きにより漁場を失った場合でも、今までの操業実績を尊重していただき、何としてでも入会操業を認めていただき、私ども業界がこれ以上統廃合に至らないよう善処していただきたいと思います。万が一にも東海黄海漁場において現在の業績が、実績が阻害される局面に至った場合、自助努力ではいかんともしがたく、何といたしましても漁業が継続できますように強力なる国からの御支援を賜りますよう、特段の御配慮をお願い申し上げます。  なお、TAC制度の問題につきましては、初めてのことでありますので、それぞれの業界の意 見や現場意見をよくお聞きいただき、業績とか経営上の立場を考慮して進めていただくよう、重ねてお願い申し上げます。  以上をもちまして私の陳述を終わらせていただきます。(拍手
  8. 松前仰

    松前委員長 大変ありがとうございました。  それでは次に、吉岡参考人お願いいたします。
  9. 吉岡修一

    吉岡参考人 私は、全国底曳網漁業連合会の副会長をしております吉岡でございます。  私は、日本海西海域でございまして、山陰の香住でございます。そういうことで、浜の状況等につきましてもいろいろな先生方視察等を受けておるわけでございまして、そのたびに、実は二百海里排他的経済水域設定全面適用お願いしたいということを随分と申し上げてきたわけでございます。  私は、九十トンの底びき船を持って、船が入りますと、船員と一緒に陸揚げもいたしております。あるいは競りが終わるまで帳面をつけて、安かったな高かったなと。あるいは韓国操業状況につきましては、つぶさに一航海航海実は報告を受けておるわけでございます。なおまた、場合によりましては船舶電話でそういう報告を日々受けておるわけでございます。そういうことで、一生懸命になって、何とか底びき漁業の、沖合漁業発展に寄与したいということで頑張り続けておるわけでございます。  最近の状況でございますけれども、特に近年、水産庁におきましても国におきましても、とる漁業から育てる漁業にということで、いろいろな施策予算をつけていただいておりますことも大変ありがたく、お礼を申し上げる次第でございます。  私も昨年六回韓国を訪問させていただきました。その中で、いろいろな韓国漁業者と実は話し合いもしてきたわけでございます。なおまた、我々の地域の漁労長も一緒に訪韓をして、相手の漁業者とも腹を割って話をしようではないか、資源の問題についてどう考えているんだということで、実は話し合いを続けてきておる一人でございます。しかしながら、韓国の場合、日本と違いまして、上の方々の返事は非常によろしゅうございます。しかし、下に伝わるまでが何カ月、あるいは場合によれば何年かかるのでございましょうか、下まで徹底しないというのが韓国漁業関係のそうした仕組みにどうもなっておるようでございます。非常に残念でたまらないわけでございます。  特にこの五年ほど前から、日本は一生懸命になって資源管理を行っておりますけれども、兵庫の沖、鳥取の沖、島根の沖、すべて、三月から十月いっぱいまで底刺し網が実は随分と多いわけでございます。私どもも実は一府六県でカニの資源管理を行っております。あるいは北海道から空輸でもって、資源をふやすためにカニの放流も行っております。しかしながら、地獄網と言います刺し網によってすべてのものがどっさりと韓国にとられて持ち帰られるその状況を見ますときに、韓国問題あるいは二百海里問題の解決なくして日本資源あるいは漁業は成り立たないというふうな強い危機感を実は抱いておるわけでございます。そういう中で、ぜひとも二百海里の排他的経済水域設定、完全実施を特にお願いをいたしたいと思うわけでございます。  この連休におきましても、日本では考えることのできない十五トン、二十トンの船が十一キロ、十二キロのレーダーに映ります数が、私も船上に行っておりましたけれども、七十数隻、船の数を数えたというのですね。非常に集団でそういう操業を行っておるわけでございます。そういうことで、つぶさに水産庁の方にもお願いをいたして、大変御協力をいただいてもおるわけでございますけれども、その十五トンから二十トン、そうしたものはすべて無許可船でございます。同じ漁場で働く者として、なぜ無許可船がそれだけ存在するのかなと、去年訪韓しましたときにいろいろ聞きますと、四千隻無許可船があるということをお聞きしました。日本で一生懸命になって、我々も含めて資源管理に一生懸命になっておりますけれども、無許可船でもってそういうふうな操業がなされるとするならば、やはり一日も早く主権を持った二百海里の設定をぜひともお願いしたい、ただそれだけでございます。  そういうことでございますので、意を尽くしませんけれども日本海の西部におきましてはそういう状況が続いているということの中で、一日も早く二百海里の全面設定をぜひともお願いしたい、このように考えるものでございます。どうか ひとつよろしくお願いいたしたいと思うわけでございます。  ありがとうございました。(拍手
  10. 松前仰

    松前委員長 大変ありがとうございました。  これにて参考人意見の開陳は終わりました。     —————————————
  11. 松前仰

    松前委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本公一君。
  12. 山本公一

    ○山本(公)委員 自由民主党の山本でございます。  きょうは、参考人の皆様方には、御出席をいただきまして貴重な御意見を賜りましたことに厚く御礼を申し上げたいと存じます。  今、御意見を拝聴いたしておりまして、今回の国連海洋法条約、さまざまなお立場でそれぞれ強い思いをお持ちだなということを改めて深く感じた次第でございます。本当に、北海道の方は北海道の方の思いを、そしてまた山陰の方は山陰の方の思いを、長崎の方は長崎の方の思いを強く述べられました。感動して拝聴をいたしたわけでございます。  そこで、きょうは、参考人の方々に質問をいたすわけでございますが、非常に時間が限られておりますので、少し個別の案件からもういきなり入らせていただくことをお許しを願いたいと思います。  実は、今回の海洋法条約、さまざまな試みがなされるわけでございますけれども、私、TAC制度導入というのは日本漁業にとりまして極めて画期的なことだと理解をいたしております。このTAC制度導入につきまして御質問をさせていただきたいと思います。  この制度導入そのものが、今回の法律を作成する過程で、漁業発展と水産物の供給の安定につながるんだという認識から導入を検討したわけでございますけれども、実際問題、皆様方の実感としてTAC制度導入漁業振興または水産物の供給安定につながるというお気持ちをお持ちなのかどうか、まず最初にお伺いを申し上げたいと思います。  全漁連の菅原専務、お願いを申し上げたいと思います。
  13. 菅原昭

    菅原参考人 ただいまの御質問でありますが、率直に私どもの気持ちを答えさせていただきたいと思います。  TAC制度導入によって日本漁業の量的発展につながるということは端的には考えられないと私ども考えております。にもかかわらず、なぜ私どもはこれを支持し、その導入を受け入れていこうとしているかということをまた端的に申し上げたいと思うわけであります。  私ども漁業者は、どうしても江戸時代の昔から、海にある自然の魚を目の前に来たときにやはりとっていかなければ生計が維持できない。自分の目の前から去っていったものが再び自分の網にかかる、自分の針にかかるという保証は何もないわけでありまして、結論的には、やはりそのときそのときの勝負で自分の生計を維持せざるを得なかった。こういう長い歴史を経て、今日の日本列島周辺の資源が極めてさまざまな魚種において危機的な状況をもたらしている。これにはさまざまな要因があるわけでありますが、やはり結論的には、この状況を何とか打開していかないと、自分たちの子々孫々にまでこの漁業というものを継続的に残していくことが不可能になるという強い反省を持っております。  そういう中からいきますと、現在の許可あるい は漁業漁業、すべて一定の条件で今もやっているわけでありますが、その規制の中で漁業操業して、結果として資源がどうなっていくかということについては、現在の規制だけではなかなか結論的に資源の維持存続という点では十分だというふうに思えない面があるわけでありまして、その意味で、大きい世界的な時代の流れの中で総量規制導入していくということは、やはりここで受け入れていかなければいけない。そのことによって私どもは、現在既に努力しているわけでありますが、限りある資源がいかに重要なものであるか、それで、この資源を持続的にしかも有効に利用していくことが、漁業者の生計を維持するのみならず、重要な日本国民のたんぱく食料の大きい部分を占めるものとして、みずからさらに自覚を深めて、これを機会資源管理型漁業の一層の推進漁業者の意識も変わっていくべきだし、いかざるを得ない。  そういうことから、量的な発展というふうにはなかなかつながり得ないと思いますが、既に海にある自然の資源をより大事に使っていく、さらには、それをふやしていくためのさまざまな努力を意識的にやっていく、そういう両面の意味を含めて漁業の質の転換を図る大変大事なきっかけになる、そういう意味で私どもはこの制度を受け入れていこう、こういう決意をしているわけであります。
  14. 山本公一

    ○山本(公)委員 おっしゃるとおりだと私も思っております。  ところで、このTAC制度導入ということは、今おっしゃられましたように、いわゆる規制の強化ということに相なるわけでございますが、いわゆる管理漁業推進されていくわけでございますが、その管理の方式、各国がさまざまな漁業管理方式をとっておりますけれども我が国において漁業管理方式を今から検討していくわけでございますけれども、皆様方の業界にとりましてよりよい管理方式というのはお考えでございましょうか、検討されていらっしゃるでございましょうか。どなたか参考人の方、お答え願えればお願い申し上げたいと思うのですが。
  15. 菅原昭

    菅原参考人 一言で日本漁業全体の問題として申し上げるのは、大変率直にお答えしにくいと思います。多分これから私どもは、それぞれの漁業実態と条件に合った形でTAC制度をどのように受け入れていくかという各論を漁業種類ごとに詰めていかなければいけないというふうに考えておりますので、この場で、ただいまの先生の御質問に的確になかなかお答えできないつらさがあることを——ただ、それぞれの条件の中でTACをどういうふうに受け入れていくかという点は、これから業界ごとに真剣な討論をしながら条件をはっきりさせていきたい、このように考えております。
  16. 山本公一

    ○山本(公)委員 ありがとうございました。おっしゃるように、多分今から推移をしていくんだろうと認識をいたしております。  いずれにいたしましても、こういった管理漁業導入されていく、漁業者の方々にそれを遵守をしていただくということが大前提です。それで初めて制度が生かされてくるわけでございますので、十二分に現場漁民の方々と御協議を賜りまして、よりよい方向に持っていっていただきたい、さようにお願いを申しておきたいと思います。  ところで、今回の国連海洋法、先ほど菅原参考人もおっしゃいましたように、必ずしも量的な増大にもつながらないというようなお話もございました。我々が心配いたしておりますのは、これがために、かえって漁業が不振に陥るようなことに相なってはならぬということを心配をいたしております。先ほど、まき網の副組合長さんがおっしゃいました。大変厳しい現状をお訴えになられました。私どももよく承っておるところでございますけれども、まさに、小異を捨てて大同につく苦渋の選択をされたわけでございます。  そこで、我々といたしましても、やはりそのお気持ちにこたえる意味におきましても、条件の整備というのが必要になってくるというふうに思っております。つまり、先ほどどなたかのお話の中にもありましたけれども、国の大きな助力が必要であるというようなお話がございました。私どもも条件整備の面につきまして国の助力というものが今後必要になってくるというふうに認識をいたしておりますが、具体的にこのようなことを整備していただきたいというようなお話がございましたら、苦しい現状をお訴えになられましたまき網の副組合長の方からお聞かせを願いたいと思います。
  17. 野村稲穂

    野村参考人 私ども政府の助力によりまして公庫資金の流用を今していただいておりますけれども、もう銀行さんが新しい輸血を私どもに入れてくれません。それぐらい困っておる次第でございます。だから、いつ倒産をするか、毎朝毎朝の無線の漁模様を気にしております。  先ほどもTACの問題が出まして、このTACが適用されますと現在の漁獲高よりも量としてはある程度の制限を受ける、かように思うわけでございます。私どもその制限を受けますと、値段がそれに、例えば三割の制限を受けましても三割の漁獲があるとこれは何とかやっていけるわけでございますが、漁獲量を制限されますと、それに見合ったスリムな船団操業をやらなければいかぬだろうと思うのでございます。そうするためには、今の船団方式をある程度合理化しまして、そして新しい機能的な船をつくって、今私ども五船団、六船団を一組として操業しておりますが、これを単船操業に近い形の操業形態に持っていき、そしてそれだけ経費を節減しまして、何とか漁獲量の減少をそれで補っていきたい、かように考えておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもの現在の立場では合理化になる新船建造というのが到底及びもつかないわけでございます。銀行はこの住専国会のいろいろな問題から非常に厳しくなって、もう私どもに、とにかくこれ以上の、今までのものはしようがないが、これ以上の輸血はやめさせてくれということが現状の私ども立場でございます。  そういうことで、私どもは、そういうふうなスリム化の方向に行かざるを得ないのじゃないか、そういうふうに考えております。
  18. 山本公一

    ○山本(公)委員 時間がなくなりましたので最後に、今から日中、日韓漁業交渉が真剣に行われるわけでございますけれども、先ほど吉岡参考人がおっしゃいました。日韓漁業交渉に臨む水産庁に対して御要望がございましたら、改めてお話を伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  19. 吉岡修一

    吉岡参考人 水産庁に対しましては、従来から非常にお世話になっておるわけでございますけれども、どうか英断を持って、より以上にひとつ御支援をいただきたい、このようにお願いをする次第でございます。
  20. 山本公一

    ○山本(公)委員 どうもありがとうございました。
  21. 松前仰

    松前委員長 次に、田中恒利君。
  22. 田中恒利

    ○田中(恒)委員 社民党の田中と申します。  きょうは、お忙しい中、参考人の皆さん、いろいろと貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。時間が十分ありませんので簡単に御質問いたしますので、簡単に御回答いただきたいと思いますが、まず全漁連の専務さんにお願いをいたします。  全漁連は長い間二百海里を掲げてきたわけでありますが、今回の国連海洋法条約批准によって全面設定全面適用という、今も生々しい実情が、このことを中心にぜひやってほしいという御要望があったわけでありますが、批准が終わればそういう方向に動くわけでありますだけに、非常に新しい我が国漁業界の道が開けるのか、また障害が出てくるのか、いろいろ問題がありますが、大きな一歩を踏み出すことになるわけであります。それを機会に、今の日本漁村漁業をどういうふうに方向づけていくかという問題があると思うのです。そういう問題について、漁協立場で、系統組織の立場でどういうお考えがあるか、ひとつお聞きをしたい。  それから、その内容は資源管理型漁業という問題が中心になると思いますが、これについては我々漁業界も十分に考えなければいけない問題がたくさんある、政策的にも制度的にも昔の古いしきたりの中で仕組まれたものが相当あるわけでありますから、そういう意味でまず我々が何を変えていったらいいかという問題がある、私はこんなふうに思っております。  漁業者の物の考え方、魚のとり方、魚の使い方、そんなものを含めて意識改革も求められると思っておりますが、TAC、いわゆる漁獲可能量ということ、これを漁民の皆さんにわかっていただくような説得なり理解なり、そんなものをどういうふうに進めていくかということが当面の大きな問題になると思っておりますが、それらについて、参考になる意見がございましたらお聞きいたしたいと思います。
  23. 菅原昭

    菅原参考人 ただいま先生おっしゃいましたように、私ども日本漁業者にとって、二百海里の全面設定全面適用に向かって今我が国政府が一歩ずつ着実に動いているという状況につきましては、率直に申し上げて、感激、感無量の言葉が適当だというふうに考えております。  この運動を全漁連が総会で組織決定、二百海里に日本が踏み込むべきだという組織決定をしてからちょうど十一年目であります。この十一年間は筆舌に尽くせないような気持ちを持って日本漁業者は頑張ってきて、今日に至ったわけであります。私どもは、この感激を胸に秘めながら、最後の全面適用実現まで、先生方や国にお願いをきちっと続けていきたい、こう思っております。それを機会に、私ども漁業者としても、新しい日本漁業をみずからの努力でつくり上げていかなければいけない、そういう意識がまた今求められているんだというふうに思っております。  その場合に一つの大きいポイントは、今まで私どもは自分たちの生業を守るということが大変重要、ほとんどすべてといってもいいぐらいの気持ちがあったわけでありますが、今後とも漁業者の生計を維持するというのは基本でありますが、同時に、地域の人たちに受け入れてもらえるような漁業日本の消費者に喜んで食べていただけるような形での魚を生産し、供給し続けていく、そういうみずからの持っている役割を新たに大きく意識を変えながら、国にお願いすべきものはしていかなければいけない、こういうふうに思いを新たにしているところであります。  それからなお、TAC導入につきましては先ほども若干触れさせていただきましたけれども、一番の心配は、科学的に資源を把握して、それにふさわしい漁獲努力量設定しようとした場合に、現存する漁獲努力量と新しいTACの量とかみ合わない部分が出てきた場合にどのようにしてこれを措置していくか。これは、大変いろいろな意味で財政的な措置がまた必要になってくる部分でありますし、それぞれの漁村漁業者の生活、生計、それから地域の問題に大きくかかわってくる問題にも逢着するわけでありますので、そういう点を現地の大きい混乱なしに軟着陸させていくことが非常に重要である、このようなことを現在考えております。
  24. 田中恒利

    ○田中(恒)委員 北海道の指導連の会長さんにお伺いします。  先ほど北海道の周辺の資源の問題についてお話があったわけでありますが、今の北海道で、この海洋法条文の中に定めておりますいわゆる余剰原則、余ったものがあった場合に外国へ出すという、この余ったものがあるのかどうか、このことを一つお聞きしたい。  同時に、そのことに関連いたしまして、余ったものがないということになっても、例えば北海道の場合は、ロシアの水域日本の船が行かなければいけない。そういう場合に、向こうが北海道へ来るのはだめだが日本が行くのをどうするかという問題があって、やむを得ないのではないかという意見もあるやに聞いておるわけであります。そういう問題についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  25. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 北海道の考え方について御質問いただいたわけでございますが、今北海道では資源管理型漁業を進めております。そのためにも、資源の保護に努めると同時に栽培漁業推進を一生懸命やっておる、こういう現状でございます。  ただ、今の北海道漁民の最大の願いは、北海道周辺から韓国船がいなくなる、このことが北海道漁民の願いでございます。  それで、北海道周辺の資源量についての御質問でございますけれども、まず、韓国船の主としてとっておりますスケトウダラ状況についてお話を申し上げます。これから申し上げます数字は、平成二年から平成六年の五カ年の平均でお話を申し上げたいと存じます。  今北海道周辺でとれていますスケトウダラの量は二十三万三千トン、そして適正漁獲量として発表されております数字が十七万九千トンでございます。この適正漁獲量は、水産部が漁業資源検討協議会という会議にかけまして、水産資源を現在より悪化させることのない適正な漁獲量として一応割り出した数字でございます。これからいきますと、全道で二十三万三千トンでございますから、もう既に五万四千トン多くとっている、足りない、こういう現状です。さらに韓国漁船が三万九千トン、韓国側で言っている数字が三万九千トンですから、事実はこれできかないだろうと思いますけれども、それを足しますと九万三千トンも多い、足りない、こういうような現状でございます。  ソ連水域にそれではどうのこうのと今お話がございますけれども、それは今我々は考えておりません。ただ、今の新しい時代を迎えたのだから、北海道の周辺海域を高度に利用する、そのためにも資源の保護をやりながら、そして栽培漁業推進を図る、こういう考えでおりますことを御報告申し上げます。  終わります。
  26. 田中恒利

    ○田中(恒)委員 時間がありませんので、えらい済みませんが、遠洋旋網漁協の副組合長さんにお願いいたします。  TACが決まりますね。そしてその割り当て数字が出てくる。それが守られているか守られていないかという問題が次に出てくるわけであります。  そういう場合に、築地市場に出す水揚げの量、これで判断するという場合もあります。それから航海日誌、それで幾ら魚をとったというのがわかりますから、それで限度を切るという方法がありますね。そんな方法はほとんど業界、つまり遠洋の場合は皆さんの業界に任せられてくると思うのですよ。  だから、そういうものについて何かお考えがありましたら、ちょっとお聞きしておきたいと思うのです。
  27. 野村稲穂

    野村参考人 今の御質問は、TAC制度が施行された場合に守られるかということでございますか。(田中(恒)委員「守られるか守られないかということです」と呼ぶ)  私ども業界は今、毎日事務局に報告をしておりまして、ほとんど日韓、日中の国際漁場でやっておるものですから、その位置、魚種、漁獲量というのは全部報告しております。そういう面で、私ども業界の資料は大体一〇〇%に近いと思っております。今後もそういうことを踏襲していきますから、TACが定められましても、私ども業界ではそれは当然正確に守られていく、かように考えております。
  28. 松前仰

    松前委員長 参考人に申し上げますが、時間に限りがございますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
  29. 田中恒利

    ○田中(恒)委員 最後に、底びきの吉岡さんにお聞きいたします。  さっきも話がありましたが、TAC導入というものにはさまざまな条件の整備が必要になってくると考えております。  戦後の底びきの漁業というものは非常に大きな役割を果たしたわけですが、現在の水産資源保護法によって、漁法の制限とか、あるいは許可定数の削減とか変更とか取り消しとか、こういったよ うなことをやった場合には救済規定が条文に書いてあるわけですね。これが大分動いてきたわけであります。そこで、これを今後ともTAC制度等を活用した形でやる必要がある、こんなふうに思っておるわけでありますが、これについての御意見。  それから、この底びき漁法というものは、極端に言えば一網打尽方式で、小さな魚も大きい魚も一緒に底からごぼっとやっていくという性格であるわけです。これは遠洋の場合も同様ですが、そういうことが実際問題としていろいろな問題を出してくるように思うわけでありますので、何かそれを克服するような技術なり漁法が新しくできるのかどうか、あるのかどうか、こういう点もあわせて御示唆いただければと思っております。
  30. 吉岡修一

    吉岡参考人 ただいまの御意見でございますけれども、最近、我々漁業者におきましても、バックフィッシュ運動というものがございまして、小さいものはすべて海に返す、こういうことを我々も非常に強く訴え、組合員も徹底してそうした考え方をしておりますし、そうした帽子までかぶらせて実は行っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、網目の制限なりそうしたものの中でやはりやれるのではないかという考え方を持っております。
  31. 田中恒利

    ○田中(恒)委員 ありがとうございました。いろいろ御意見をいただきましたので、私ども、これから当委員会立場政府と対話をいたす際の貴重な素材にさせていただきたいと思います。  言われておるように、二百海里の全面適用、これに向かって当面一年以内に結論を出す、領土の問題などという厄介な問題があるものですから、そういう形で政府も腹を決めておりますから、我々もそれを応援して、ぜひそのことを実現して、先ほど来漁業者の皆さんの現地の大変生々しい実情をお知らせいただいたわけでありますので、我々も胸にこたえながらそれを受けとめて、全力を尽くしますことを改めてお約束いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございます。
  32. 松前仰

  33. 金田誠一

    金田(誠)委員 新党さきがけの金田誠一でございます。  きょうは、お忙しいところ本当に貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。改めてこの韓国船の問題、深刻な状態を認識させていただいたところでございます。  私ども連立与党でも申し合わせをしているところでございますけれども、できるならば年内、さらに遅くても一年以内にという基本線を堅持して、不退転の決意で頑張ってまいりたい、こう思っております。それにつけても必要なのは世論のバックアップでございます。中でも直接漁業に携わる皆様の声が何としても一番の力になるわけでございまして、ひとつ御支援のほどをお願い申し上げたいと思う次第でございます。  時間がございませんので、早速質問させていただきたいと思います。  それぞれの方から出てございました国の支援予算づけ、あるいは農業に比べても漁業の方はという表現もございました。おっしゃるとおりだと思うわけでございますが、しかし、農業の予算づけを見ましても、金額は確かに張るわけでございますけれども、中身は、かなりの部分が構造改善、実際支出される先は土木関係というものが多うございます。漁業についても同じことだという指摘もございました。漁協関係がかなりの部分を占めているわけでございます。これ自体について今賛否がございますが、実際私ども陳情をお受けいたしますと、市町村長さん口をそろえて、予算の時期になりますと、まずは漁港ということで皆さんおいでになるわけでございます。  しかし、本当にそれだけでいいのかという疑問はずっとついて回っておりました。こちらを削ってこちらへということはなかなか難しいかもしれませんけれども、これからの漁業振興、特に資源管理型になって二百海里が適用された中で、将来に希望の持てる漁業をどうつくるか。輸入の問題もございます。そうした中で、漁業政策、基本的な予算編成のあり方、この辺についてお考えがございましたら、これは漁連の菅原さん、漁連のお立場からお考えをお示しいただければと思います。
  34. 菅原昭

    菅原参考人 ただいまの先生のお話につきましては、私ども端的に申し上げまして、漁業が二十  一世紀に本当に生き延びていくための構造をきちっとしていかなければいけないというふうに考えております。  御承知のとおり、全国漁村は非常に地理的に条件の悪いところばかりでございます。これから二十一世紀に本当に日本の中央と地方がバランスよく発展していく意味でも、地域振興は極めて重要な問題だと思っております。その中でも、特に日本は海洋国家でありまして、海岸線の総延長が三万五千キロ、その中に約七千弱の漁村集落が営々と存在し続けておりまして、この存在の持つ日本の社会的、経済的な意味というのは大変大きいものがあるだろうと考えております。その意味でも、ただいまのハードの問題でいきますと、単に漁港のみならず、生活環境整備ということが極めて緊急の課題になっていると考えております。  それからさらには、大変疲弊している今の漁業形態を、国際商品となった水産物の輸入がかくもふえている状況の中で少しでも競争力をつけていくためには、漁業者の個人的努力だけではもう間違いなく限界がある。そこで、一定の期間区切っても結構ですので、この際ひとつ日本漁業形態を健全化させるための経営対策施策展開をぜひお願い申し上げたい、こういうふうに考えております。  時間が大変短くて申し上げにくいわけですが、そういうハード、ソフト両方の方向を含めての施策お願い申し上げたいと考えております。
  35. 金田誠一

    金田(誠)委員 時間がございません。申しわけございません。また改めてひとつ勉強させていただきたいと思います。  次に、ポイントの一つになります輸入の問題でございます。これはWTOの問題等々さまざまな要素もあり、なかなか簡単に結論の出しにくい問題だというふうには思いますけれども野村さんにお伺いをしたいと思います。  日本漁業者立場からいって、この輸入というものに対して、魚価の低迷の根本原因になっているわけでございますけれどもTACが施行されれば漁獲は下がる、なおかつ輸入が入るということになればこれは極めて深刻な問題になってくるわけでして、この輸入に対して基本的に日本政府としてはどうあるべきなのか、どうあることを目指すべきなのかといいますか、その辺の御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
  36. 野村稲穂

    野村参考人 私ども、現在の日本立場から、輸入禁止ということは到底あり得ない、またできっこないというふうに考えております。だから、IQ制度は守っていただきますようにお願いするのと一緒で、ただ、輸入することによって関税がどこかに入っておるわけでございますから、それは漁業生産者魚価安ということにつながっておりまして、その犠牲の上において輸入関税というのは入っておるわけでございますので、もっとそれを漁業生産者に何らかの形で還元していただきたい、これが私どもお願いでございまして、日本立場からいいまして、ぜひとも漁獲物の輸入を禁止していただきたいということは一応考えておりません。
  37. 金田誠一

    金田(誠)委員 ありがとうございます。  農業の関係では、関税相当分などが農業関係に還流されるシステムも相当完備をしておるようでございまして、そうしたことを含めてまた私どもも勉強させていただきたいと思いますし、御指導も賜りたいと思います。  実は私は北海道、函館でございまして、これから資源管理型漁業といった場合に深刻な問題は、日本海側のいそ焼け現象、北海道だけではございませんけれども。しかし、これについて実は市町村長さんに陳情のたびに申し上げるわけです、漁 港の陳情は来るけれども、いそ焼け対策の陳情はただの一度も来たことがないと。道庁もそうなのでございますけれども漁業者の皆さんとその辺のコンタクトは果たしてどうなっているのか。  遠洋からはこれから締め出されるかもしれない、それにつけても沿岸漁場としていかに豊かなものにしていくか。いそ焼け対策というのは私は焦眉の課題である、あきらめて済むものではない、大変大きな課題ではありますけれども、全力を投入すべきだと思っておるのですが、北海道漁業者の皆様と行政との間でこの辺のお話などがされているものなのか。ぜひして、大きな声にしていただきたいと私は思うのですが、その辺のところ、遠峰さん、ひとつお願いいたします。
  38. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 いそ焼けの問題については、原因がなかなか明確にわからないというような悩みがございます。ただ、ことしの場合、特に日本海漁業者のお話では、従来いそ焼けで昆布とかいろいろなものがつかなかったところがことしはついてきた、こういうようなお話も聞いておりますので、これは海流とか海水温とかそういう面も大きく影響しているのじゃないだろうか、こういうふうに考えています。  我々も重大な関心を持ってこれらについては水産部の方ともいろいろお話をしておりますので、今後ともまたいろいろ御支援をいただくことがあるかもしれませんが、ひとつよろしくお願い申し上げます。
  39. 金田誠一

    金田(誠)委員 ありがとうございます。  実は、これはそう簡単に原因が究明できるものではない、こうは思います。さまざまな複雑な要因が重なり合っての結果だろう。ある意味では、海にストレスがあらわれているのかなと思ったりもしておりますけれども、いずれにしても、道庁なりあるいは各市町村長なりの要望項目の中に活字で入っていないというのはいかにも寂しい。ぜひひとつ漁業者の皆様から団体を通して、いそ焼けという言葉さえ今この霞が関では知っている人はごくわずか、見たことはほとんどだれもいらっしゃらないという状態だと思いますので、ぜひひとつ声を上げていただいて、これは何も無理を言うことではない、当たり前なことを当たり前なように、まずは原因究明から、そして対策に進めていただくということで、活字になるように、こういう機会お願いするのもどうかと思いますが、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思うわけでございます。  もう時間もございませんから、最後に、吉岡さんは山陰の御出身でしたでしょうか、そういうお立場から、端的にひとつ率直な御感想といいますか、思うところをお聞かせいただきたいのは、竹島の問題でございます。  大変貴重な漁場にもなっているということも伺っておりますけれども、これから日韓交渉を進める上で、恐らく浮上してくることになるだろう。これは結果がどうなるか別にしましても、現地の皆様の多くの方々のお気持ち、そういうものをお聞かせいただければと思うのですが。
  40. 吉岡修一

    吉岡参考人 現地におきましては大変危惧をいたしておるわけでございまして、我々漁業者の中では、日本の領土とするならば、ああして韓国の方で岸壁をつくり、あるいはまた観光船を運航するような話し合いが随分と、新聞紙上でしかわかりませんけれども、なっておる、それに対して日本国として抗議したということが余り新聞に出ないというふうなことで、非常に危惧をいたしておるわけでございます。  そういう中で、竹島が韓国の領土、日本の領土ということの中で領土問題は別だということになっておるようでございますけれども、その線引きにつきましては漁業者は非常に心配をいたしておりますので、どうかひとつ公平な立場の中で、やはり日本国は日本国の二百海里の設定を強く引いていただきたい、このように御要望申し上げる次第でございます。
  41. 金田誠一

    金田(誠)委員 ありがとうございます。  一九〇五年に島根県に編入された、この当時の話なども実は伺いたかったのですが、ちょっと時間もないようでございまして、またの機会に譲らせていただきたいと思います。  これで終わらせていただきますけれども、特に、日本海まき網をなさっております野村さんのお立場、大変利害相反するものがありながら苦渋の決断をしていただいた。日本全体の漁業のため、食糧のためという御決断だと思うわけでございまして、貴重なものとして受けとめさせていただいて、皆様の心を体しながら努力をしてまいりたいと思いますので、またくれぐれもバックアップのほどをお願い申し上げたいと思います。  本日は、どうもありがとうございました。
  42. 松前仰

    松前委員長 石破茂君。
  43. 石破茂

    石破委員 参考人の皆様、御苦労さまでございます。本日は御足労いただきまして、感謝申し上げます。  今まで三名の方から質疑がございました。もし重複をする点がございましたらば御容赦をいただきたいというふうに思っております。  私は、この委員会に十年近く籍を置きまして、水産関係のときにたびたび質疑にも立ってまいりましたが、どうも漁業というのは本当に資本主義というものになじむのかなというお話を前にしたことがございます。それは同じ農林水産省のテリトリーではございますが、農業というのは一生懸命技術の向上をやって生産性を上げると、大臣からよくぞやったということで表彰状をもらうわけですが、漁師が同じことをやりますと、何ということをやるかといってしかられることが多いわけでありまして、これは本当に今までのいろいろな概念をそのまま適用してやっていけるものなのかなという気がしております。  今回、私どもとしても、本当に二百海里の全面適用ができるということであれば、これはまことにめでたいことでありますけれども政府の姿勢等々を見ていますと、本当にそれはできるのかしら、これから先やってみなければわからぬというグレーゾーンの部分が随分ありはしないのかなという気がしている。おととしのWTOのときもそうだったのですが、アメリカがどういう態度に出てくるかわからない状況日本が本当にWTOというものを批准していいのかなということを考えたこともございます。私は選挙区は鳥取でございますが、鳥取の漁民の方々がお越しになったときに、その見通しがはっきりしないで日本批准をするなり関連法案なりを採決するということが本当にあっていいのだろうかということを申し上げたこともございます。  これはもちろん韓国批准をしておる、中国も批准しておる。そうすると、日本だけがしないというわけにはならぬのでしょうけれども、昨日来、いろいろな質疑の中で我が党の同僚議員も言っておろうかと思いますが、これは附帯決議とかそういう話ではなくて、委員会の決議とかそういう話でもなくて、日本国の国会の意思として、二百海里の全面適用というものをきちんとしなさいということは、国会の決議として、国家の意思としてやっていく必要があるのではなかろうか。  そしてまた同時に、長崎まき網なんかもそうですが、それによって被害をこうむる人たちに一体どういうような手当てがなされるのか、これはなかなか技術的に難しいお話だと思いますし、外交交渉上そういうことを言ってしまうとだめだということかもしれませんが、しかし、現実に国益を守ることによって被害をこうむる人たちがいる。国家としてどういう対応をすべきかということはきちんと言わねばならぬであろう。  同時に、これから先の水産業の再生のあり方、漁業基本法というお話もありますが、そういうようなものをきちんとしておくということも、今、画期的な時期に必要なことではないのかな、そういうふうに思っております。  そういうような基本認識のもとに、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、今回、竹島の問題がいろいろ言われております。私どもも、山陰でございますから、竹島どうするのだということをいろいろお話を聞きま す。北方四島の場合には、これは主管官庁が総理府ということになっておって、総理府設置法にもこの役所がそれをやるのだよということが書いてある。しかし、竹島をどこの役所がやるのだねというと、これは法律にはどこにも書いていないし、どの役所の設置法にもそれは書いていないのではないかというふうに私は思っておるのです。竹島をどうするのだということ、これは私どもの国として、先ほどの議員の質問にもございましたが、我が国はどういう姿勢で韓国に向かって外交交渉をしていくか。  私は、必要なことは、確かに私どもの国が韓国に多大な御迷惑をかけたことも事実でありましょう、そういう過去の贖罪というものをやっていかねばならないということも私はある面正当だと思う。しかしながら、そのツケを漁民に回していいという話には私は絶対にならないだろうというふうに思っておるのですね。  そうしますと、これは韓国の人から聞いた話ですが、何で韓国がこんなに強く出てきたのだろうか。竹島というのは何か聞くところによると日比谷公園ぐらいの面積なのだそうですね。広いのか狭いのか、とにかくかなり、岩ではないわけだ、もうとにかく島ですよ。そこにもう韓国の国旗をどんとこう据えて、まあ日本人には考えられない。そしてまた、あそこは私どもの領土であるという歌が大変韓国ではやったということもある。それはもう国民運動的なものが展開されておる。総選挙の前だったということもあるでしょう。同時に、もう一つは、やはり北朝鮮ということを抜きにして韓国国民の感情ということを語ることは非常に難しい、理解することは難しい、私ども日本人にはよくわからないことですが。しかしながら、例えば日本が北鮮に対して米の援助をする、何で韓国の頭越しにそんなことをやるのだというようなことも韓国民にとっては非常にアピールしやすい、そういうような状況であったのだろうなというふうに思うのですね。  二点ほどお尋ねしたいのですが、我が国韓国に対して、そしてまた中国に対してどういうような姿勢で臨むべきであるかというふうに漁民の方々はお思いであるかということが第一点、これは皆様にお尋ねをいたしたい。  それからもう一つは、どういうふうに線を引くかということであります。つまり、竹島というものを日本の領土として線を引く、向こうは向こうの領土として線を引く、そうすると重なる部分が出てきますよね。その部分を一体どういうふうにしたらいいのか。私ども日本の領土として線を引きたい、しかしながら、向こうも自分の領土として線を引くでしょう。そういう場合に重なる部分、そこにどれだけの漁獲があり、どれぐらいの利益がどのようにして守られるべきとお考えか。一番最後の部分吉岡さんにお尋ねしたいのですが、その前の部分は皆様にお尋ねをいたしたいと存じます。
  44. 菅原昭

    菅原参考人 私ども、このたび国に二百海里の全面適用お願いしている最大の目的は、限りある生物資源の維持管理というものをいかに早期に着実に行っていただくか、確実に実行できる体制をどうやって早く実現するか、それが最大の目的であります。  したがって、領土の問題があることは十分承知をしているわけでありますが、幸いなことに、日本の総理大臣と韓国の大統領との間で、この領土の問題は別に置いておいて、漁業の問題として協議を進めていこう、そういう整理、合意がなされたというふうに新聞報道で承っておりまして、私どもも、生物資源管理を一日も早くやるためには、やはりそういう合意を基本にして、それにのっとって進めていただくのがベターではないかというふうに考えておりますので、ぜひその線で進めていただきたいと強くお願いしたいという気持ちであります。  なお、そこから先につきましては、交渉のことですから、さまざまなことがあり得るかと思います。どういう状況になったとしても、その交渉の進展に応じて出てくる状況を的確に受けとめさせていただきながら、それについて漁業者としてはどういう姿勢で臨むべきかということを、交渉の進展ぐあいに合わせながら、私ども、組織内部の議論を進めていかなければいけない、このように考えております。
  45. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 先生がおつしゃられた竹島の領土の問題、我々にとっては本当に高度な問題であって、とても意見を挟む余地はございません。ただ、新聞等によれば、総理が、領土問題は抜きにして漁業交渉を進めるんだ、こういうふうに報じられておりますので、それを信じて、漁業問題を解決してもらいたい、この一念でございます。  以上です。
  46. 野村稲穂

    野村参考人 竹島の問題では、今差し当たって私ども漁業操業に対して関係はございませんけれども、先ほどどなたかから、明治何年に日本国に編入されておるということをお聞きしておりますし、今後、私ども操業上、尖閣列島が大きな問題として浮上してくると思いますので、この竹島の扱いが先になるのか、尖閣列島の扱いが先になるのかは、私どもわかりませんけれども、もし竹島の扱いが先に妥結したならば、それを踏襲するような中国の出方になるのではなかろうか、そういうことを非常に危惧しておりまして、特に尖閣列島では中国と台湾問題が絡んでおりますので、何とかひとつその竹島問題をしっかり解決していただければ、かように考えております。
  47. 吉岡修一

    吉岡参考人 先生は地元でございますので、我々以上に非常にお詳しいと思うわけでございますけれども、我々の考え方としましては、先ほど申し上げましたように、どういう線になるかということを非常に心配いたしておるわけでございますけれども日本から二百海里、韓国から二百海里ということになってきますと、領土の問題は別ということになりますと、恐らく重複水域ができる、このように我々は考えておるわけでございまして、その重複水域の中でどれだけの漁獲量があるのか、それによって隻数をどれぐらいにしたらいいのかということは、私は、恐らくこれからのいろいろな議論の対象になるんじゃなかろうかな、このように考えておるわけでございます。我々の業界、特に兵庫、鳥取、そういう方面、あるいはまた石川もそうでございますけれども、一番関係のございますのが、底びきにおきましては兵庫、鳥取、イカにおきましては石川から長崎までが恐らくそうした関係が出てくるだろう。  ですから、底びきの資源におきましても、イカの資源におきましても、まずどの程度漁獲量があるのか。韓国あるいは日本ということで真っ二つに引いていきますと、今まで我々が操業しております海域が大分やはり韓国側に入るわけでございまして、そういうことで心配をしておるわけでございますので、そうした重複水域におきましてのそうした問題につきましては、日本の科学者の、あるいは調査船の資料を十二分に検討しながら考えていただきたい、このような考え方を持っておるわけでございます。
  48. 石破茂

    石破委員 吉岡さんに重ねてお尋ねをいたしたいわけですが、これは私もある程度は知っておるつもりですが、実際に竹島周辺で、周辺といってもいろいろな周辺がございますが、兵庫、島根、鳥取、そういうような漁船が今どのような状況にあるか、どのような漁獲をやっておるかということ、その実態をお教えいただければありがたいと存じます。
  49. 吉岡修一

    吉岡参考人 特にイカ釣り等におきましては、七月の中旬から八月いっぱいまでは、竹島周辺では操業が多数の隻数に上ると思っております。あるいは底びきにおきましては、十一月の終わりから十二月にかけましては、その近くまでではございませんけれども、ほぼそこそこ、その近くまでカニを操業しておるという実態がございます。  以上でございます。
  50. 石破茂

    石破委員 これは実際やってみなければわからぬわけですが、恐らく重複する水域が出てくるだろう、そこをどうするのかということが一番の問題になっていくだろうと思っておるのですね。これはきれいに引かれればいいですけれども、そこ の重複されるところにどのような資源があり、どのように配分をしていくか。これはどうあるべきというふうなお話を今なさっておられますか。
  51. 吉岡修一

    吉岡参考人 いろいろな非常に難しい問題も実はあろうと思うわけでございますけれども、どういう格好に線引きがなされましても、もし仮に日本として不利な状況が、漁業者として不利な状況が考えられるといたしました場合におきましては、漁業者として、やはり国の事業の中で漁場づくりというものを考えていただいて、沿整という格好の中でも漁場づくりをして、それに対応できるような施策お願いしたいというのが漁業者の考え方でございます。
  52. 石破茂

    石破委員 野村参考人にお尋ねをいたしたいと存じますが、遠洋まき網は大変な被害をこうむるということですよね。しかしながら、日本全体の国益というものを考えてやむなくこの二百海里というものに同意をしたというお話で、大変感動的なお話だと思ってはおるのです。敬意も表します。しかしながら、実際にそこでやっていかれる方々がその犠牲になっているというお話にはならないですね。  一つは、漁業者の御努力として、いかにコストを下げるかということの御努力をいただかねばならぬ。しかしながら、どんなにコストを下げたとしても、とてもじゃないがやれない部分に対して、やはり補償なりそういうものを国に要求するという、そういうような権利というのですかね、そういうものを漁業者、遠洋まき網漁業者は持っておられるだろうというふうに思います。  第一点は、コストを下げるということについてどのようにお考えであり、どのような努力をこれから先展開をしていかれるか、その見通しはいかがなものであるか。そしてまた、それと相まって、しかしながらどうにもならないという部分に対してどのような施策を望んでおられるか。以上二点、お教えいただきたいと存じます。
  53. 野村稲穂

    野村参考人 私ども、今開発センターの予算の中で単船操業を試験操業させていただいております。今先生御指摘のように、私ども、いろいろな問題で果たしてこれが守られていくのかどうか、私、漁業そのものの存在の危機を感じているわけでございますが、私どももずっと先年からこの漁業をつかさどってきまして、何としてもこの商売をやっていきたい、こういうのが私どもの願いでございますが、今おっしゃるようにいろいろな条件でそういうことが立ち行かないようになりますと、どうしてもスリム化に向かっていかねばならない、かように考えております。  したがって、今私ども五隻、六隻の船団操業でありますが、これを一隻ないし二隻に集約して、経費を半分なら半分、四割なら四割ぐらい節減するようにし、それによって漁獲が落ちてもそれをペイするような施策に進んでいかねばいかぬのではないか。こういうふうにして、私ども水産庁の指導も仰ぎながら今研究を重ねているところでございます。  しかし、いろいろなそういうことを私どもも試行し、努力しておるわけでございますが、万が一それでも漁業経営の続行は難しいということでございますれば、何とかして国の国家補償で減船をしていただければ、かように考える次第でございます。  もういろいろなことをする自助努力の限界を私ども皆、目いっぱい、本当に明日はどうなるかという格好で現在操業をやっております。よろしくお願いします。
  54. 石破茂

    石破委員 これは本来水産庁にお尋ねすべきことなのかもしれませんが、その自助努力で一体どこまでやれるのだろうかということですね。もちろん魚価の水準もありますから一概にそういうことは言えないのだけれども、しかし、この二百海里というものが全面適用になるのがもう目前であって、自助努力でどこまでやっていけるのか。  そして、もうこれはとてもやれないというようなことがある程度明らかになるとするならば、その時期というのはいつごろになるのだろうかということ。おわかりの範囲で結構です。感じでも結構です。
  55. 野村稲穂

    野村参考人 私ども、現在一船団で五十名から五十五名ぐらい乗組員を使用しております。だから、これを何とかして四十五名ぐらいに減らしていくし、また、あるいは外国人の乗組員を何とか私どもの研修制度にのせて、若干乗組員の給与は安いわけでございますから、そういうことも現在実施、模索しておりまして、何とかしてそういうふうに経費の節減に努めていきたいと思っておりますが、魚価というものがある程度アップしてこないと、この魚価安時代にはなかなかやっていけぬのではないか、こういうふうに考えております。  果たしてこの二百海里がどういうふうな形で決着をつけるのか、それと、果たしていい線が出てくるのか、とにかくそれまで何とか気張ろうということで頑張っているのが本音でございます。
  56. 石破茂

    石破委員 減船補償のようなことを本当に考えていかねばならないし、その財源をどこからひねり出すのかということも国会の議論としてやっていかねばならぬということだろうと思います。そこの議論を詰めていかないと、なかなかこれは先に進む話でもないなというふうに思っているわけでございます。これはもう私どもの責任でございますので、またお教えをいただきながら努力をしてまいりたいと思います。  次に、百三十五度以西に二百海里というものが適用になりますと、排他的経済水域というのが物すごく広がる。それが沿岸国主義という話になる。さて、本当に取り締まりができるのかねということも問題としてあるだろうと思うのですね。  それで、私どものところでもヘリコプターつきの巡視船をくださいというお願いを十年ぐらい前からしているのですが、金がないとか、ヘリコプターなんか積んだって余り意味がないというようなことを言われまして、なかなか海上保安庁では予算がつけていただけない。そもそも予算の枠が少ないということもございますが。  本当にこの取り締まりというものが、今でも、余りというか、完全に実効を上げていないのではないかという気もする。二百海里、沿岸国主義ということになった場合に本当にこれをやれるのだろうかなという気もするわけですが、この点はいかがでしょうか。菅原参考人、あとは野村参考人吉岡参考人にお尋ねいたします。
  57. 菅原昭

    菅原参考人 先生がおっしゃいますように、今、現状で見れば、広大な海域を有効に取り締まりがきちっといけるとはなかなか私どもにも思えないのであります。  しかし、御承知のように、現状日本が取り締まりの権限がないというのが基本の問題でありまして、二百海里が実現していただければまず沿岸国が取り締まり権を持てるわけでありますから、現状の数少ない取り締まりの実力の中でも現に目前に違反船があれば完全に取り締まることができるわけですから、まずは一罰百戒で大変な牽制力は持ち得るというふうに思っております。  それと同時に、いよいよその二百海里が実現するという時代になれば、世界に冠たる海洋国家の日本として、この二百海里内の管理については、相当な取り締まり機関の充実等を含めた、これは国内の内政でできることだと思いますので、ぜひそれは実現、強化していただかなければいけないと思いますが、まず何よりも取り締まり権を持つことが最大の問題だというふうに思っております。
  58. 吉岡修一

    吉岡参考人 菅原参考人と同じ考え方でございますけれども、二百海里が完全設定全面適用できれば、やはり当然その海域内は日本の主権ということになろうと思いますので、完全なそうしたような監視体制がとれるのではないか。我々は、とれる、とっていただける、そういうふうに考えておるわけでございます。
  59. 野村稲穂

    野村参考人 私ども、幸いといいますか、日中、日韓において余り洋上においてトラブルはございません。ただ、少々トラブルがありましても、日中処理委員会日韓処理委員会でいろいろ年に何回か協議をされまして、これは少なくとも二年以 内には現在解決してきております。  ただ、私ども日本漁船は、どちらかといいますと四分六で、対等ではなくて四分六で、遠慮して事故が起こらないように操業しておるものですから、向こうがそれで調子に乗って当たり屋的な操業態度をすることはたまたまあります。だけれども、私ども業界では日中、日韓においてまだ大きな問題は起こっておりません。
  60. 石破茂

    石破委員 それでは次に、TACというものについていろいろな議論がございますが、これを本当に実効あらしめるためにどうしたらいいのだろうかということが、私は何となくリアリティーを持ってとらえにくいのですね。  それはもう、前、農林水産委員会のどこかの視察である漁村に行きましたら、すごい御殿みたいなのが建っておって、こんなに御殿を建てる秘訣は何ですかね、こう聞きましたらば、それはあんた、だれよりも早く漁場に行って、だれよりもたくさんとって、だれよりも早く帰ってくればこういうことになるんだよという話を聞いて、なるほどと思ったことがございますが、まあ、それは戯画的な話かもしれませんけれども。  みんなの努力できちんと資源管理していかなければ最終的にみんなが損するのだからというような思想というもの、それは確かに正しいし、そうあらねばならないというふうに思いますが、今まで略奪型漁業というものが何でずっとあったかといえば、それはもう資源がだんだん少なくなればなるほど魚価が上がる。最後にはみんななくなってしまって大変なことになるんだよと言いましても、私どものマツバガニなんというのもそうでしたが、どんどん値段が上がるものですから、一枚ウン万円なんというような話になりまして、とにかく少なければ少なくてももうかるんだ、そういう合理性というのかな、経済性というものもあります。  このTACというものを実効あらしめるためにそれぞれどのような方策を講じ、どのような理解を求めていくかということでございます。その点について、これは菅原参考人と遠峰参考人にお尋ねをいたしたいと存じます。
  61. 菅原昭

    菅原参考人 TAC導入した場合には、本当に漁業者がそれを着実に守っていけるかどうかという問題は、建前とは別に、実際海の現場でどういうことになるかということについては、私ども全然懸念がないというわけにはまいらないというふうに思っております。しかし、それを乗り越えていかないと、これは新しい海洋法の秩序の時代を迎えるということになり得ないわけで、そこの理想と現実のギャップをどのように埋めていくかというのは、なかなか歯切れよくいかない問題がたくさんあろうかというふうに思っております。  そういう中で、一つ大変重要だなと思っているポイントは、やはりTACは国が設定するわけであります。それから、そのTACを守っているか違反しているかということも国の取り締まりの中でやるわけであります。しかし、国の取り締まりは非常に大事だと思いますが、やはり漁業者同士の、少し甘いと言われるかもしれませんけれども資源管理マインドといいますか、もうこれからは今までと頭を切りかえていかないと本当に共倒れになる、そういう気持ちがこの十数年で相当醸成されつつあるというふうに私ども思っております。  それは特に、浦浜、沿岸に近いところがら徐々に沖合の方へと延びて資源管理マインドが広がっていく傾向を持ち始めているというふうに考えておりますので、この際、何とか国のきちんとした枠の設定、これはあくまでも漁業者が納得できるような、科学的な資源論に裏づけられた枠の設定が大前提でありますが、十分に納得したら、漁業者の仲間詮議で抜け駆けをしないでやっていこう、そういうものと国の公的な取り締まりとが何とかうまくかみ合って、本当に資源管理の実が上がるようなことになっていくように頑張っていきたい、このように考えております。
  62. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 私たちは資源管理型漁業推進をやっているわけです。こういう意味からいってもTAC制導入というのは必要だろう、こういうふうに考えておりますけれどもTAC制はやったことがないのです。それだから、現場が混乱しないように慎重にやってもらいたい、このことを特にお願いを申し上げたいと思います。  それと同時に、資源に見合った操業体制をどうつくるか、これが私は大事だろうと思いますし、それに関連して、やはり余剰の原則、残ったものは外国にとらせる、こういうような余剰の原則も厳格に守っていただきたい、こういうふうに考えます。
  63. 石破茂

    石破委員 新食糧法案で、減反をやらなきやみんなが損するんだ、だから自主的に減反してちょうだいねというお話で、新食糧法案というのはちょっと関係ないお話かもしれませんが、ふと思ったんですけれども、これが動き出すとみんな自由につくれるんだ、最初はこう思ったわけですね。ペナルティーもない、自由につくれると思ったところが、いやいやそうじゃない、減反をしないとみんな値段が暴落して大変なことになるので、系統を中心に減反をちゃんとやってちょうだいということで、かえって減反強化になってしまった。しかし、それをやらないと制度自体が動かないというジレンマみたいなものがあったわけですが、何となくそのことと重なるような気が少ししたんですね。  実際に、今参考人がおっしゃいますように、どうやって漁業者に納得をさせるんだということだろうと思うんです。MSYの理論にしても、MEYの理論にしても、本当にそれがどこまで実証され、漁民に理解でき、本当にそれにみんなが参加しようというふうにせしめるか、それがどれだけ権威あるものであり、それをどれだけ納得させるかというところが手法としてまだよく私わからないんですね。今どのようなことを検討され、どのような努力をすれば、それでもみんな納得してその制度が動くというふうにお考えですか。今の菅原さんと遠峰さん、同じくお二人にお尋ねします。
  64. 菅原昭

    菅原参考人 スタート時点では、やはり設定される枠について、漁業者はその魚種について長年の操業の経験を持っておるわけでありますから、その資源が大体、資源の枠としてどの程度のレベルにあるのかなというおおよその経験則を持っておりますので、それから大きくかけ離れていると、なぜだという疑問になると思うんです。そのときに、やはり日本世界に冠たると言っていいんだと思いますが、資源学が大変進んでいる国だと思いますので、試験場なりあるいは水研なりの試験研究機関から漁業者が納得できるような枠の根拠というものを十分に説明していただく、それが漁業者の経験則とだんだんすり合っていけるということがあれば漁業者としても大変納得性が出て、それは、じゃ仲間詮議で何とか守っていこうやという空気につながってこれるんだと思うんです。  ですから、まず枠の設定の仕方について、できるだけ科学的な根拠で漁業者に説明してもらえるように、そういう努力を国にぜひお願い申し上げたいし、それからさらに、もし万が一、設定される枠と既に存在している漁獲努力量との間に大きいギャップが出るような場合には、これまた漁業経営なり、あるいは地域経済なりに破壊的なショックを与えないだけの国の手厚い措置というものもあわせて私はぜひつくっていっていただきたい。そういうことをもろもろあわせて漁業者の不安感を最小限度にしていただくことによって、その枠をみんなで自分たちのものとして守っていこうという空気の醸成に大きくつながってくるのではないだろうか、このように考えております。
  65. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 私は、全国的なことについては十分承知しておりません。ただ、北海道のことに関して言えば、今、少し資源的にとり過ぎている。当然、資源に見合う隻数を決めなくちゃいけないんだ、当然減船をやらなきゃいけない、こういうふうに私は考えております。ただ、その減船についても、国の後押しがなければこれは減船も容易じゃないだろう、こういうふうに考えております。
  66. 石破茂

    石破委員 時間もあとわずかになりましたが、あわせまして私は、農業の場合でもそうなんです が、同時に、漁村に住む人たちの生活環境というものをどうやって向上させていくのか。要するに、漁家の収入というものが下げどまりというのか、そういう傾向を今は示している。少し反転してきたんですかね、漁業白書を見ますと。しかしながら、農村と漁村を見ますと、どちらの方が生活環境としてよりハードであるかというと、これは私ども山陰だけには限らないと思うのですよ、漁村の方が生活環境というのはより厳しいのかなという気がしている。後継者をつくらなきゃいけないとかいろいろなことを言いますが、やはりそこに住みたいというからには、漁業収入というものもそうですが、そこにおける住環境なりそういうものが向上していかねばいかぬのじゃないのかなという気が私はしておるのです。  やはり農村に比べて家もかなり密集している。火事が起こったらどうするのだというようなことも常に懸念せねばならないし、がらがらっと戸をあけると目の前をダンプがわあっと通っていくような、そういう中で漁師さんというのはやっている。漁業と農業とを比べると、兼業漁師さんというのは余り聞いたことがない。もちろんあるとは思いますが、農業のように二種兼業というのが主流になるという話にはなっていない。  私は、やはり漁村の生活環境の向上というものもあわせて考えていく必要があるであろうし、そして、漁業においては直接所得補償みたいなものがそう簡単に導入できるとは私は思っていないわけですけれども、どうやって収入を確保していくかということも国の政策として必要なことではないのかなというふうに思っております。  そういう点の御要望というものが農村の方から非常に強くあるのですね。ガットのとき、WTOのときも六兆百億円、これがどういうような実効性を持っておったかはこれからの経緯を見なければいけないわけですが、今回の二百海里設定に伴って、そういうような漁村の生活向上、そういうものもあわせて私どもは図っていかなければいかぬのではないかという気がしております。  最後に一つお尋ねしたいのですが、本当にトータルで見た場合、漁家の生活環境、生活状況、収入水準、そういうものがどういうような傾向にあると理解をしておられますか。これは菅原さんにまとめてお尋ねをいたしたいのですけれども、そういうものがどういうような傾向にあるのだろうかということ。  もう一つは、漁協の合併ということもあわせて推進していかなければ、この二百海里に対応するということはなかなか難しいことだと思う、直接関連することではありませんが。漁協の合併の状況が今どのような状況にあり、今後の見通しはいかがであるか、二点最後にお尋ねをいたします。
  67. 菅原昭

    菅原参考人 漁村の生活環境につきましては、個別にはいろいろあると思いますが、一般的なことでいけば非常に条件が悪いというのが一般的に言えると私は思います。海からすぐ山に続くという漁村が多いために大変狭隘な土地の中に密集して住宅があるということで、石破先生がおっしゃいましたように、万が一火事なんかあっても消防車が入れないところが圧倒的に多いというようなことがありまして、しかし簡単に山は動かせませんし、海をどんどん埋め立てしていくのではこれは自然環境の破壊にもなるわけでありますので、やはり条件の悪い生活環境の中で定住圏を形成している漁村というものを二十一世紀に人間が住むにふさわしいレベルに引き上げるというのは、これは国の特別な施策がいるのではないかというふうに私は思っております。  そうすることによって日本の国土が全体として発展していけるということは、単に漁業対策を超えた重要な意味を持っているんだというふうに私は思っております。そういうことで、日本漁業が二百海里時代という新しい時代に入るきっかけを失わずに、ぜひそういう総合的な施策展開していただきたい、こういうふうに思っております。  それから、先ほど私はハードとソフトと申し上げたのですが、経営の問題につきまして一言だけ申し上げたいのですが、今度のガットの際でも漁業はそれほど大きい被害を受けていないというのが大体一般的な受けとめ方だと思いますが、それはそのはずで、水産物については既に昭和三十年代からどんどんどんどん自由化、市場開放されてきておるわけであります。その間、それから十年、二十年という長い時間の間にどうして漁業者はみずから努力して競争力のある経営体質をつくらなかったのかという責めはあるかもしれませんけれども、もうそういう余裕のないままで、要するに現在の漁業形態がかくも困窮の度を深めているというのは、十年、二十年の長い間、輸入水産物の攻勢に打たれて経営の体質がもう徹底的に弱り切っている、そういう状況でまだ輸入がふえている。こういうことで、ガット・ウルグアイ・ラウンドで一発でやられるのではなしに、ボディーブローが大変さいてきている。これに反転攻勢をかけるためには、やはりそういう歴史的な認識をつかんでいただいた上での施策を、当然、我々漁業者自助努力ということを前提にしながら、ぜひお願い申し上げたい、こういうふうに思っております。  それから、漁協組織強化の問題につきましては、最近、海に対する国民のさまざまな親水性のレクリエーション等が大変ふえてきております、余暇時間の拡大とも関連するわけですが。しかし、海洋にいる我々が本当に快適な環境としてそれを、シーサイドというものを国民の皆さんに提供できているかというふうな問題もありますし、それから、海でレジャーを楽しむ人と従来の漁業とのすみ分け、あるいは共存ということをきちんとできているのかどうかというような問題、それらをすべて実際に担っていけるのは、漁協がやるしかないのです。したがって、そういうことがきちんとできるような漁協をつくっていくというのが、漁村の今後の発展にとっては必要欠くべからざる問題だというふうに思っております。  にもかかわらず、残念ながら、合併助成法をつくっていただいておりますが、現在のところなかなか思ったように進展しておりません。しかし、新しい海洋時代を迎えるに当たって、私ども、これを何とかして組織強化をして、国民にも地域の人たちにも理解をしてもらい、地域に奉仕できる漁協をつくっていきたい、こういう強い決意でおります。  組織強化問題についてはお願い申し上げたいことがたくさんありますので、また改めてお願い申し上げたいと思っております。
  68. 石破茂

    石破委員 ありがとうございました。  以上で終わります。
  69. 松前仰

    松前委員長 藤田スミ君。
  70. 藤田スミ

    ○藤田委員 きょうは、私どもの要請に、しかも非常に短期間の間でございましたのに御協力をいただきまして、本当に感謝しております。許されればこういう機会国会の場でもっともっと持つべきではないか、先ほどからのお話を聞かせていただいて改めて痛感をいたしました。  早速に質問をいたしますが、菅原参考人、及び必要とあらばどうぞお三人の皆さんにも御答弁いただきたいと思いますが、私どもは、輸入の適正な規制資源に見合った操業こそ漁業経営を守る基本であるというふうに考えております。現在、輸入水産物が急増しており、このままでは日本漁業輸入水産物による魚価の低下で深刻な打撃を受け、発展の兆しを失いかねないというふうにも考えております。  これは、先日の漁業大会でも、輸入の適切な規制、つまりセーフガードの発動を強く求める声が出されておりましたけれども、この点についてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
  71. 菅原昭

    菅原参考人 先生がおっしゃいますような気持ちで私どももおるわけであります。ただ、現実には、例えばセーフガードの発動とか秩序ある輸入体制の構築というようなことをお願いしても、なかなか国際的な市場経済の自由化の中で具体的に実効の上がるような措置というのは実現できないままに今日来ているわけであります。  これから先は一体どうなるのかということであ りますが、私どもの正直な気持ちとしては、このような国際化の流れの中で輸入を直接規制するようなことは無理であるという認識は持っているわけでありますが、それにしても余りにも過剰な輸入ですね。適切な、需要に合ったような形の輸入というのは、これは当然、国民に安定的な供給という意味で私どももそれはやぶさかでないわけでありますが、まあ全国漁業者の、ひところはある魚種が入ればその魚種の魚価が下がるということでしたけれども、最近はもう全国どこの浜へ行っても、どんな種類の魚ももう値が安いという慢性的な状況になっておりますので、何か適正化というのでしょうか、漁業者は何も特別高い魚価を求めているわけではありませんので、最小限度、再生産できるだけの適正な魚価というもの、それを国民の、消費者の方々にも受け入れてもらえるレベルの適正な、再生産に要する経費が償える魚価というものを何とかして実現できないものだろうか。これはもう本当に率直な悩みとして申し上げるわけであります。
  72. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 今、魚価安は漁家並びに漁協経営に大きく影響しております。我々では、それが特に顕著に出ているのはサケ、アキサケでございます。何とか輸入が少しでも削減をされ、魚価が向上することを心から願っております。
  73. 野村稲穂

    野村参考人 私、先ほども申し述べたわけでございますが、現在の貿易立国の日本において輸入をとめるということは到底できっこないだろう、だから、あくまでも現在実施されておりますIQ制度を堅持していただいて、秩序ある輸入をしていただければ、かように考えるわけでございます。
  74. 吉岡修一

    吉岡参考人 漁業者としましたならば輸入がゼロの方が喜ばしいと思いますけれども、それは大変不可能な問題でございまして、少なくともやはりTACとの相関関係が出てくるような気が私はしておるわけでございます。漁業者には強力なTACを植えつけていく、指導するという中で、強いTACが指導されますと、逆にそれだけ漁獲が少なくなった方が輸入されるということになれば、漁業者はなかなか納得しにくいというような問題を抱えておると思いますので、TACとの兼ね合いの中で、輸入というものには十分強力な指導をお願いしたい、このように考えておるわけでございます。
  75. 藤田スミ

    ○藤田委員 セーフガードに関する協定の中では、「生産する国内産業に重大な損害を与え又は与えるおそれがある」ときにはこのセーフガードを発動することができるということを書いてあるわけでありまして、現に日本は発動しておりませんが、アメリカにしてもEUにしても、また韓国などにしてもセーフガードの発動というのは行っておりますので、私どもも皆さんと御一緒に、本当に国内の漁業を守るために必要な政府の措置というものを求めていきたいというふうに思います。  今回、この排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利行使等に関する法律案というものが制定されますと、漁業水域に関する暫定措置法は廃止されるわけでありますが、この法律は一九七七年に成立いたしまして、我が党も賛成をしております。ただ、このとき私たちは、この法律案に対して修正案を提起いたしまして、韓国船などによる規制条項の適用除外を無制限なものにせず、我が国漁業規制措置を適用するということと、適用除外を行った場合には関係漁業者意見を尊重するという修正案を出しましたが、残念ながら他党の皆さんの反対でこれはできませんでした。改めて、先ほどからのお話を聞かせていただいて、本当に涙が出るような思いがいたします。  そこで、遠峰参考人にお伺いをいたしますが、せっかくの機会でございますので、この韓国船の七〇年代の後半から始まった無謀な違反操業によって、スケソウダラなどの乱獲で資源の衰退はどういう状況になったのかということを簡単にお話しいただければと思うんです。また、韓国船などによる漁具被害が頻発しておりますが、この補償などが極めて不十分ではないかと思われますが、この点について。  それから、被害対策では、海洋法条約批准ということになりましても、合理的期間内は適用除外という状態になるわけでありますので、この間も被害は当然出るおそれが強いわけです。国の事情によって漁具被害が出るのである以上、その被害対策に国が責任を持つべきであるという漁民の皆さんの声を私どもも聞いております。この点についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  76. 遠峰進一

    ○遠峰参考人 今北海道周辺で操業しております韓国漁船は、二百トン以上七百トンまでの船が七隻、それから七百トン以上九百トンまでが二隻、九百トン以上が二隻ということで、全部で十一杯ですか、十一そうの船が今操業をやっております。  そして、昭和四十一年からことしの二月までに発生をした漁具被害が約十一億五千万円という金額でございます。そして、その漁具被害については補償してもらえない。これはあくまで見舞金という形の中で、民間、大日本水産会が中に入って民間交渉で我々はもらっているというようなことで、その金額がちょうど三億五百万円という今までの累計でございます。交渉を毎年十二月にやるわけでございますが、十二月ではなかなか決定を見ないということで、翌年の三月にソウルまで押しかけて行って、やっとその二〇%未満の見舞金をもらう、こういうような現状でございまして、まことに歯がゆく思うと同時に、何で一方的に被害を受けるのか、こういうような思いがいたしているところでございます。  そして、韓国漁船による資源的な影響でございますけれども、今現在、北海道周辺に底びきの船が八十八杯操業しております。それで、これらの船も、その韓国船による影響だろうと思うわけでございますが、近年どんどん収支が合わなくなっている。これは平成六年の統計では、八十八隻のうちに赤字が生じた船が三十九隻、辛うじて黒字になった船が三十二杯、こういうような現状でございます。もちろん、沿岸が受けるその資源的な被害は、これは莫大なものであろうと私は思います。  以上でございます。
  77. 藤田スミ

    ○藤田委員 吉岡参考人にお伺いいたします。  先日兵庫県の浜坂、香住、柴山を尋ねさせていただきまして、実情を聞かせていただきました。北海道にまさるとも劣らないような被害の実情を聞かせていただいたわけでありますが、とりわけカニの禁漁期間中にせっかく沈船魚礁までつくってやっているのにそれが全部いかれてしまうということについては、本当に情けないという訴えがございました。  先ほども四千隻の無許可船の問題が出ておりました。この決め手は、先ほど来から言われておりますように、旗国主義沿岸国主義に改めるということが大事だと思いますが、それが決め手になるのかどうかという点が一点です。  それからもう一つの問題は、TACを実施するにしても、その基礎となる漁業資源調査の体制がないというお話も聞かせてもらいましたので、この点についての御意見。  それから、豊かな漁場をつくるために国に求めたいこと、この三点をお聞かせください。
  78. 吉岡修一

    吉岡参考人 先日我が地方を訪れていただいたようでございまして、感謝を申し上げる次第でございます。  特にTACの問題につきましては、資源という問題の中で漁場づくりも行っておるわけでございますので、なお一層、沿構ということではなしに沿整でもって、国の大事業の中で漁場をつくってもらえばまだまだ大きな光があるのではないか、私はこのような考え方を持っておるわけでございます。  以上でございます。
  79. 藤田スミ

    ○藤田委員 四千隻の無許可船の問題については。
  80. 吉岡修一

    吉岡参考人 無許可船につきましては、水産庁の方から、日韓漁業交渉の中でそうした要請を強くしていただいておるということは当然伺っておるわけですけれども、今現在そういうふうな状 態がまだまだ一向に改善されていないわけでございますので、二百海里を機に一層強力に厳しく韓国とのそうした交渉を持っていただきたい、このように考えるわけでございます。  最初に申し上げたのでございますけれども、それがやはり民族の差かもしれませんけれども、指導が下までなかなか徹底できないというふうな、どういうものか知りませんけれどもそういう格好になっております。しかしながら、我々漁業者で交流を持ちましてやっておるところなんかは割合とスムーズにやっておりますので、やはり地域によってそういう格差が非常に大きいのじゃないかな、このように考えておるわけでございますので、政府の方からも今後は強く、少なくとも無許可船がゼロになるような交渉をひとつ持っていただきたい、それが大きく資源保護にも影響があるのじゃないか、このように私は思っております。
  81. 藤田スミ

    ○藤田委員 時間が非常に制限されておりまして、私、本来菅原参考人に、漁業を国としてどう位置づけるべきかという御質問をさせていただきたいと思っておりましたが、冒頭御発言をいただきまして、私も本当にそのとおりだと。昨日も同じような主張で質問もいたしましたが、割愛させていただきます。お許しをいただきたいと思います。  最後に、野村参考人にお伺いいたします。  二百海里が設定されますと、それぞれ責任を持って資源管理し得る経済水域設定が緊急に必要になることは言うまでもないことですが、あわせて、関係国が協力して資源管理する機構を確立するということも一つの大きな課題ではないかというふうに考えますので、この点について。  もう一つ、この遠洋まき網業界の今回の苦渋の選択というお言葉は身にしみて聞かせていただきました。これまでも国の再編整備事業の助成の水準ではなかなか大変だったと思いますが、いわんやTAC導入減船を余儀なくされる場合の国の援助策に対する要望というのは幾ら繰り返していただいても十分だということはないと思いますので、最後にお聞かせをいただきたいと思います。
  82. 野村稲穂

    野村参考人 先ほど資源の問題に対しましては、私ども日韓漁業あるいは日中漁業会議におきまして、お互い資源を把握しながら、放流とか、そして私ども日本国内ではこれだけこれだけの再編整備をやっておる、韓国もひとつそれに同調してください、こういうふうにお願いをしておりまして、韓国からも前向きに、その方向へ行きますというお言葉をいただいておるわけでございますが、中国からは、私どもの国ではまき網に対してはまだ資源にそう困っていないと思う、だから今までどおりやらせていただくというようなことが現在日韓、日中の協議の中では行われております。  苦渋の選択とおっしゃいましたが、事実私どもそうでございまして、私どもはこの海洋法、そしてまた来年の一斉更新を本当に漁業元年というふうに考えておりまして、この際どうしても外国との問題を片づけて、その果てにこの国内問題はお互い話し合いの上でやっていこうじゃないかという結論に達して私どもああいうふうな選択をさせていただいたわけでございます。よろしくお願いいたします。
  83. 藤田スミ

    ○藤田委員 どうもありがとうございました。
  84. 松前仰

    松前委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。  参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。当委員会代表して心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十八分散会