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1996-02-28 第136回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年二月二十八日(水曜日)     午前九時二分開議 出席委員   委員長 左近 正男君    理事 稲葉 大和君 理事 七条  明君    理事 中谷  元君 理事 大口 善徳君    理事 小池百合子君 理事 小坂 憲次君    理事 濱田 健一君       逢沢 一郎君    小此木八郎君       佐田玄一郎君    佐藤 剛男君       田中 直紀君    田中眞紀子君       福永 信彦君    松岡 利勝君       松下 忠洋君   三ッ林弥太郎君       宮路 和明君    村上誠一郎君       横内 正明君    赤羽 一嘉君       赤松 正雄君    石田 祝稔君       遠藤 乙彦君    二階 俊博君       西村 眞悟君    初村謙一郎君       増田 敏男君    宮本 一三君       今村  修君    前島 秀行君       横光 克彦君    前原 誠司君       穀田 恵二君    土肥 隆一君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 鈴木 和美君  出席政府委員         内閣参事官   安富 正文君         阪神淡路復興         対策本部事務局         次長      生田 長人君         国土庁防災局長 村瀬 興一君  委員外出席者         内閣官房内閣内         政審議室内閣審         議官      辻原 俊博君         内閣官房内閣情         報調査室内閣調         査官      佐野 智則君         北海道開発庁地         政課長     小野  薫君         防衛庁防衛局運         用課長     金澤 博範君         経済企画庁国民         生活局国民生活         政策課長    江崎 芳雄君         科学技術庁研究         開発局企画課防         災科学技術推進         調整官事務取扱 上原  哲君         法務省民事局参         事官      升田  純君         大蔵省主税局税         制第三課長   伏見 泰治君         厚生省健康政策         局歯科衛生課長 石井 拓男君         中小企業庁長官         官房総務課災害         対策室長    玉木 昭久君         気象庁地震火山         部地震予知情報         課長      内池 浩生君         建設省都市局区         画整理課長   小沢 一郎君         建設省道路局道         路交通管理課長 塩島 高雄君         建設省道路局企         画課道路防災対         策室長     馬場 直俊君         建設省道路局国         道課長     城処 求行君         建設省住宅局住         宅・都市整備公         団監理官    大久保和夫君         建設省住宅局住         宅総務課長   古屋 雅弘君         建設省住宅局建         築指導課建築物         防災対策室長  佐々木 宏君         建設省住宅局市         街地建築課市街         地住宅整備室長 菊田 利春君         自治大臣官房参         事官      原  正之君         自治大臣官房地         域政策室長   山下 貴史君         特別委員会第三         調査室長    金山 博泰君     ————————————— 委員の異動 二月二十八日  辞任         補欠選任   田中眞紀子君     田中 直紀君   今村  修君     横光 克彦君 同日  辞任         補欠選任   田中 直紀君     田中眞紀子君   横光 克彦君     今村  修君     ————————————— 二月二十七日  阪神淡路大震災被災障害者・家族、関係者  に対する救援・災害対策に関する請願(横光克  彦君紹介)(第六〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 左近正男

    左近委員長 これより会議を開きます。  この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  阪神淡路大震災の復旧・復興状況調査のため、兵庫県に本委員会から委員を派遣することとし、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 左近正男

    左近委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、派遣委員の人選及び派遣期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 左近正男

    左近委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  5. 左近正男

    左近委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小坂憲次君。
  6. 小坂憲次

    小坂委員 おはようございます。小坂憲次でございます。  新進党から今回初めて御質問させていただきます鈴木国土庁長官に、これから、危機管理、そして防災の総責任者、まあ総責任者といえば内閣総理大臣と言われるかもしれませんが、私どもにとりまして一番身近で、一番中心になってこれをお考えいただくお立場で、まず鈴木大臣危機管理に対する御認識、そしてまた決意をお伺いしたいと思っております。  私は、危機管理というのは、基本的にはその危機の存在をどのように認識するかということが一番大事であろうと思っております。大臣には、日本に存在する危機というものは一体どういうものがあるか、また、それにどういうふうにして対処をして国民生命財産を守っていこう、このようにお考えになっているか、まずもってお聞きしたいと思います。お願いいたします。
  7. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 先般、阪神淡路の痛ましいああいう災害がございましてから、危機管理という問題は大変重要な課題だと私は思っております。  危機管理の問題については、まず第一は、何といっても情報収集ということが基本に置かれまして、それに対する責任という問題が、これは重要な第一の課題だと私は思っております。二番目は、そういう情報収集責任の中で、それに対応する政府対応体制ということをきちっとしておかなければならない、これが一番最初に思う私の危機管理の基本的な考え方でございます。
  8. 小坂憲次

    小坂委員 基本的なスタンスはお聞きいたしましたが、日本災害というもの、自然災害あるいはいろいろな災害がありますが、大規模災害について鈴木長官は、どういうものが大規模災害として考えられるとお考えでしょうか。
  9. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 災害に関しては、基本的に大も中も小もないと私は思っているのです。特に人命に関すること及び財産に関することということを考えれば、もう一度繰り返しますが、災害に関しては大も中も小もないという認識でございます。  さて、今度は災害事故という問題との兼ね合いということになるわけでございますが、事故についても、これは災害以上に人命影響することでございますから、例えば航空事故にしても、それから海上の問題にしても、そういう問題についても災害とどうやって兼ね合わせていくのかということをこれから考えていかなければいけない、こういうふうに思っているところでございます。
  10. 小坂憲次

    小坂委員 かなり抽象的な質問を申し上げておりますから、なかなかお答えにくいかと思いますが、それでは、私の考え方も若干述べさせていただいて、僭越でございますが、大臣のこれからの業務の御参考にしていただければ、そう思うわけであります。  私は、災害への対応の心構えとしては、まず第一に、十分過ぎる、少しオーバーだと思われる対応をまずしていただきたいというお願いをしたいと思います。災害発生時にその規模というのはなかなか把握しにくいものであります。したがって、災害発生の当初は、その規模把握が難しいということにかんがみて、把握された情報に対しては、まさに牛刀を用いるぐらいのつもりで臨んでいただきたい。そして、例えば火災であれば、ぼやであろうがあるいは大火災になろうが、これは当初はわからないわけでありますので、まず可能な限りの消防車の出動をして消火に当たらせ、実際に現場へ行ってみて不必要な消防車は返すぐらいの、そういう対応がすべてにおいて、これは火事のみならず地震災害、あるいは今回の古平町の災害にしても、いろいろなものがありますが、初期情報に対しては過剰な対応をしていただきたい。そして、現状の把握に従って、それを実態に合わせていただきたい。私は、災害対策の要請はその辺にあるのではないか、危機管理としてそういう対応をひとつ大臣お願いをしたいと思っております。  さて、二月二十三日の閣僚懇談会申し合わせで、首都直下型大規模地震発生時の内閣初動体制について決められたそうであります。まず、なぜ今のこの時期に「首都直下型大規模地震発生時の内閣初動体制について」という申し合わせをされたのか、そこからお聞かせいただきたいと思います。
  11. 辻原俊博

    辻原説明員 政府初動体制対応についての申し合わせについてのお尋ねでございます。  今般の阪神淡路大震災教訓を踏まえまして、首都東京において直下型地震発生した場合についての内閣としての初動体制を定めておくために、今月二十三日に「首都直下型大規模地震発生時の内閣初動体制について」を閣僚懇談会申し合わせしたところでございます。  その内容といたしましては、首都東京に大規模震災発生した場合におきまして、内閣総理大臣事故がある場合の職務代行について、またそういった大規模震災が起こった場合の各閣僚参集場所参集方法等、またそのための情報伝達方法等について定めております。さらには、緊急災害対策本部設置についての閣議の開催の方法等についても定めておるところでございます。  政府といたしましても、今後は本申し合わせに基づきまして速やかな初動対応を図っていくことといたしております。
  12. 小坂憲次

    小坂委員 今までも検討はしてきたと。特に近々そのようなことを発動されることが予定されているということが何か情報としてあるのでしょうか。
  13. 辻原俊博

    辻原説明員 そういうことではございませんが、大規模災害が起こりました場合には政府全体として適切な対応早期に打っていくということが求められるわけでございまして、このためには何よりも迅速な対応体制というものを確立することが重要であるという考えに立っておるわけでございます。  今後、仮に首都東京直下型といったような大規模地震発生した場合には首都機能に甚大な影響をもたらすことが予想されるところでございますので、したがいまして、特にそのような非常事態をも想定いたしまして、先ほど説明いたしましたような内容につきまして、事前にかつ具体的に必要となる事項を定め、確認をしておくということで各閣僚間で申し合わせを行った次第です。
  14. 小坂憲次

    小坂委員 ここには「首都直下型大規模地震」と書いてあって、大規模災害とは書いてないのですね。この辺はいかがでしょうか。
  15. 辻原俊博

    辻原説明員 首都直下型大規模地震という意味合いでございますが、これは首都機能に甚大な影響を与える大地震というものを意味しておるわけでございます。  そのような地震の類型といたしましては、直下地震以外にもプレートの地震といったようなものも考えられるわけでございますが、これらを総称するものといたしまして首都直下型大規模地震というふうに表現をいたしておるところでございます。
  16. 小坂憲次

    小坂委員 ということは、首都圏災害、いろいろな災害があるだろうけれども、いろいろな災害をひっくるめて直下型地震に代表させた、こういうことなんでしょうか。そうであれば、例が余りに適当ではないのではないか、むしろ首都圏の大規模災害に対する対応というくくり方の方がいいのではないかと思うのです。なぜ直下型というものに代表させて、その中で緊急災害対策本部設置の要件といいますか、手続とかその他についての具体的な部分を定めているのか、その辺についてお聞かせいただけますか。
  17. 辻原俊博

    辻原説明員 やはり首都機能に甚大な影響を与える大地震という意味では首都直下型大規模地震というのがほとんどの場合代表的な例かということでございまして、先ほど申し上げましたように、首都機能に甚大な影響を与える大地震を総称いたしまして首都直下型大規模地震ということでございますので、首都機能に甚大な影響を与える大災害ということの意味というふうに解しております。
  18. 小坂憲次

    小坂委員 次の質問にちょっと関連してしまいそうなのですが、同じく、二月二十一日の閣議決定で、「大規模災害発生時の第一次情報収集体制の強化と内閣総理大臣等への情報連絡体制整備に関する当面の措置について」、こう書いてありまして、これの場合には表題が「大規模災害発生時」となっているのですね。そして、中を見てみますと全部、「大地震発生時において被害規模早期把握のため」とか「大地震発生時における内閣総理大臣官邸」とか「大地震発生に際し、別紙に掲げる関係省庁」、そうして一番最後に「社会的影響が大きいその他の突発的災害についても、上記措置を準用するものとする。」と書いてあるのですね。  これとの書き方が余りにちょっと違い過ぎて奇異な感じがするのですが、その点についていかがですか。
  19. 佐野智則

    佐野説明員 御指摘の二月二十一日の閣議決定は、さき阪神淡路大震災教訓としたものでございます。内容は改めて申すまでもなく、内閣情報調査室官邸への連絡窓口とするということを含めて、大規模災害発生時についての初動対応といったようなものを定めたものでございます。  御指摘のような点がございますけれども、これは、さきにも申しましたように阪神淡路大震災教訓ということでございまして、それを前提とした形での各種の官邸に対する情報収集あり方を定めたということで、これをそれ以外の災害についても情報収集観点では適用するあるいは準用するといったようなことを考えているものでございます。  さきの御質問にございました直下型大地震閣僚申し合わせとの関連で申しますと、当面対応を定めたものと、それから、閣議決定として情報収集中心としたあり方を定めたものとの違いというふうに御理解いただければと思います。
  20. 小坂憲次

    小坂委員 申しわけないけれども、さっぱりわからぬですね。  要するに、片方地震を表に出して言っておいて、そして、例によって、整備される初動体制はすべての災害にも準用するんだと言うのですが、準用するとは書いてないのです。片方には「大規模災害発生時の」と書いてあって、中には地震のことばかり書いてあって、一番最後に、ほかの災害にも準用すると書いてある。  この書き方を云々しているということでとらえられると非常に狭くなってしまうのですが、私が言いたいことは、また総理大臣の口から、初めてのことでとか早朝のことでとかいう言葉を聞きたくないということなんです。国民生命財産を守るということは、常に頭の中に、どういうことが起こったらどういう対応をしようかというシミュレーションをしていただきたいということを言いたいのです。  鈴木大臣、今回の「首都直下型大規模地震発生時の内閣初動体制について」、二月二十三日の閣僚懇談会申し合わせ、この中に、「内閣総理大臣職務代行について」というところに、内閣総理大臣事故あるときは、副総理たる閣僚が第一位、第二位が内閣官房長官、第三位が国土庁長官、第四位がその他の閣僚となっております。これでいきますと、上位三位のそれぞれが、国土庁長官より先の順位の方々が連絡とれないときには、国土庁長官内閣総理大臣にかわって職務を行うことになるわけであります。  その点でお伺いするわけでありますが、今私が質問を申し上げてここまで参りましたときに、大規模災害発生時の、それはあらゆる災害を想定していただきたいと申し上げました。もう一度お伺いします。大臣が想定される大規模災害になり得る災害とは一体どんなものがあるだろうか、少し例示をしていただけませんでしょうか。これはやはり、私はこんなことが起こるとは思わなかった、本当に奇想天外なものは、これはしようがないです。しかし、考えられるものについて日ごろからやはり頭に描いていただかないと、いや、まさかこんなに早く私の順番が回ってくると思わなかったと言われても困りますので、大変失礼でございますが、最初でございますのでお許しをいただきまして、しっかりと大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
  21. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 災害担当国務大臣を拝命いたしたときに、私の頭を一番最初によぎったことは、災害がない方がいいな、これが率直な私の気持ちでございました。  さて、それはそうかもしらぬが、どういう状態で、どういう場面で、人命財産影響を与えるような災害が起きたらどうするんだ、これはまた担当大臣としても当然職務として考えることでございました。そのときに、橋本総理官房長官も大変心配なさっておるのは、阪神淡路の例を見まして、やはり初動体制というか、責任体制というか、そこのところをきちっとしておかないとこれはいかぬということが、やはり大きな認識として今日の閣議決定が行われたものだと私は思っております。  災害というのは、地震もさることながら火災もそうでございますから、予知というものに対してこれはしっかりまた勉強しておかなきゃならぬことだと思っております。したがいまして、国土庁の中でも、災害担当だけに限らず、国土庁職員に対して、すべての人たち災害のあらゆるものを想定して検討しておくように指示をしているところでございます。
  22. 小坂憲次

    小坂委員 余りこれで時間を費やしたくないのでございますけれども、大臣所信に対する質疑ということで、所信の中に書いてあることですので質問をさせていただいているわけであります。  大規模地震のほかに、所信の第十四番に津波対策について、十五に火山災害対策について、十六に風水害対策についてと書いてあるわけですね。それ以外書いてないのですが、これだけなのでしょうか。大臣お答えいただければ幸いです。
  23. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 私の所信についてのことは、今先生指摘のとおりでございます。したがいまして、津波にしても、それから風水害に対しましても、洪水に対しても、そういうものに対して今現地でいろんな状況が起きたときの想定というようなものを考えながら、それで防災局には対応をしっかりするように指示しているところでございます。
  24. 小坂憲次

    小坂委員 これ以上続けましても、確かに時間のむだでありますし、大臣にも失礼になってしまうかもしれませんので、今回はこのぐらいにしておきます。  原子炉関係事故とか、あるいはよく言われる例の一つになりますが、衛星の落下事故のようなものが想定されるとか、あるいは大規模難民とか、これを災害と認定するかどうかですけれども、災害というよりは日本危機という面からすれば、こういうものもある程度頭に置いていただきたい。私は、危機認識という点、そういうものも踏まえて考えていただきたいと思うわけですが、リーダーがやはりそういうものを認識しておりませんと、あらゆるものについて検討しておけと言って組織下部に指令をされましても漏れが出てくると思います。  大臣には、今日までの御経験とそして幅広い御見識をお持ちでございますので、ぜひともその辺について十分にこれからも御研究をいただきまして、今回の任に当たられたその職務を、今までいろいろな災害の際に言われたようなことのないように、大臣の任期中はどのような災害が起こっても的確な対応をされて、マスコミにも批判されないような、そういう対応をしていただくようにぜひともお願いをいたしたいと存じます。  それでは、若干時間が迫ってまいりますので、少し飛ばしまして、私は消防防災飛行艇というものについて以前から興味を持っております。これは、昨年の阪神淡路大震災の際にも、航空消防をもっと検討すべきだったという意見大分新聞をにぎわしたのでございます。  私も、昨年二月七日の当委員会におきまして、そのことについてお話をいたしました。その際に、消防庁防災課震災対策指導室長だったと思いますが、なかなか航空消防は難しい、研究してみたけれども難しい、こういう御回答でございまして、そういう意見窓口にあればいつまでたってもこれは進まないなと失望した覚えがあるわけでございます。たまたま明日、この航空消防飛行艇のデモンストレーションがありまして、これは外国製飛行艇の売り込みでありますが、その機会をとらえて再度この質問をさせていただこうと思ったわけであります。  この消防防災飛行艇について、消防ということでとかく消防庁とかにすぐ行ってしまって自治省消防庁お答えが出てきてしまうのですが、私は、これは防災全般観点から、どこの主管ということでなく、本来国土庁長官がこういうものについても研究していただいて、閣議の中でどこが主管になるか検討していただくような、イニシアチブをとってこういうものに取り組んでいただきたいと思うのですが、航空消防飛行艇、こういう飛行艇消防についてどのようにお考えでしょうか。まず、大臣ちょっと、せっかく手を挙げていただいているのですから。
  25. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 消防庁が専門的に検討されている事項でございますので、これは消防庁からの御意見もあることだと存じます。  でも、先生せっかくの御提起でございますから、これも一つ参考にして、そういうものを実施できるような研究というものは私は必要だと思うのです。  したがいまして、今消防庁検討されているような問題を十分受けとめながら、密接な連携を保ちながら対応してまいりたい、こういうふうに思っております。
  26. 小坂憲次

    小坂委員 私は、確かに今のお答えに期待をいたします。研究をしてください。そして、前向きに検討していただきたいと思います。  昭和五十年、五十一年当時に、防衛庁の退役のPS1を改造しまして、飛行艇消防実験をしたことがあるのです。この成果を見ますと、かなり前向きにとらえられる部分がある。ところが、ネガティブな側面からばかりこれを検討したような、そして否定してしまったような嫌いがあります。また、最終的に、この研究を継続するかどうかのときには、防衛庁予算にするか消防庁の、自治省関係予算にするか、それで何か予算窓口が決まらないままとんざしてしまったという話も裏話としても聞いております。  そんなことで、ぜひともやはり航空消防というのは、これから山火事とかいろいろな面を考えますと、海水を十数秒で何十トンという水をおなかの中に持って一気に放水できるというこの設備は、十分に検討に値すると思っております。  前回に重ねて余り細かいお話は申し上げませんけれども、今までの阻害要因としては、消防用の水をくみ上げるバケット消防庁は持っているけれども、大きなものを持とうと思っても、ヘリコプターつり上げ能力が足りない。一方、防衛庁には、十分つり上げる能力はあるけれども、消防用バケットは持っていない。結局、総合的にすれば、省庁間の連絡を密にして連携のもとにそういう組織をつくれば十分に対応できるものが、それぞれの力がばらばらになっているために発揮できないという事実もあります。そんなものも踏まえながら、ヘリコプターを活用したりあるいは消防艇を活用したり、いろいろな形で防災に対しての備えを密にしていただきたい。  これは、ぜひともこの機会に大臣お願いをして、大臣の、おもしろそうだ、よし、じゃ、積極的に研究してみようじゃないか、こういうお答えを期待したいと思います。いかがでしょうか。
  27. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 先生のせっかくの御提案でございますから、結論から申し上げまして、研究させていただきたいと思っております。  なお、技術的には、今まで先生からの御指摘もあって、消防庁消防庁なりに検討してまいったと思いますので、先生指摘のとおり、これからも関係省庁としっかり連携をとりながら対応してまいりたい、そう思っております。
  28. 小坂憲次

    小坂委員 時間も迫りましたので、最後に、意見だけにとどめたいと思いますが、今回、二月十日に発生をいたしました北海道古平町での国道二百二十九号線豊浜トンネルの崩落事故、このことに対しては、現在、建設委員会並びにもう既に予算委員会での質問もありましたし、本日は本会議での質疑も行われる予定でございます。  私は、この中で、事故原因云々を今この災害対策特別委員会で議論するのはちょっと早いかと思っておりますので保留いたします。しかし、現地対策本部のつくり方、それからその機能、運営の仕方において、私はどうも、今回のこの事故においても、昨年の阪神淡路大震災のときの災害対策本部のつくり方、その反省が生かされていないように思います。すなわち、多くの機関が力を寄せ合って災害に当たるという、この基本的な体制がいまだにこの日本組織ではうまくいかない、このもとはやはり省庁の縦割り行政にある、こう思っております。  災害対策基本法の第三条に言う「国の責務」、そして第四条での「都道府県の責務」、そして第五条の「市町村の責務」という、この段階を踏んでそれぞれの現場に現地対策本部ができる、そういうマニュアル整備を求めているわけですが、それに対して、十分にそれが機能するようなものになっていないのではないか。今回の事故は、それを示していると思っております。国の立場からこれを指導勧告をする、「勧告し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。」こういうふうに指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長に求めているわけですので、これをぜひともこの機会にさらに検討を加えて、今後、また同じような事故発生するたびに言われる、初動体制が悪かった、あるいは現地対策本部のリーダーシップがとれなかった、あるいは担当責任者が適格者でなかった、こういう批判の出ないような対策をぜひとも指導していただきたい、このようにお願いをいたしまして、ちょうど時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
  29. 左近正男

    左近委員長 小坂憲次君の質疑は終了しました。  大口善徳君。
  30. 大口善徳

    ○大口委員 新進党の大口です。  大臣、就任されて、一月十三、十七日と阪神入りをされたということでございます。そしてまた総理も、二月十八日に現地入りをされて、そして、十九日に大臣に対して指示をされた、こういうことでございます。  そこで、総理から具体的にどういう指示をされたのかということと、大臣も就任後二回にわたって現地の方に行かれて、復興対策についての大臣の抱負を、首相の指示等も踏まえながら御答弁願いたいと思います。
  31. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 私が担当大臣を拝命する前に、災害が起きまして直ちに、現地に三回ほどお邪魔いたしました。拝命してから、正式には、今先生指摘のように、十三日に行ってまいりました。  総理が先般行かれまして、復興に対して、自分の見解ということで、私と建設大臣とそれから自治大臣をお呼びになりまして、そこで総理からお話がございましたものは、まず第一は、何といっても住宅の問題が深刻のようである、したがって、これからは恒久住宅に入れるようにまず全力を注いでくれぬか、それで、どうにもそこに行けないという方々に対してどういう対応をするか、これも研究してくれぬか、こういう御指示が一つでございました。  それからもう一つは、復興委員会が解散をするということになったために、現地の方々が、何か中央から離された、こういうような感じを持っているので、現地との協議を綿密にやるための方策についてこれを検討しろ、こういう御下命がございまして、その対応について今一生懸命やっているところでございます。
  32. 大口善徳

    ○大口委員 今大臣からもお話がありましたように、住宅の問題というのは非常に深刻でございます。そのことにつきましては、過日、石井一代議士の方から予算委員会の方でも質問がありました。  そこで、その公的な住宅の供給について今どのようになっているのか、御答弁願いたいと思います。
  33. 古屋雅弘

    ○古屋説明員 被災者の方々に対します公的な住宅供給の問題でございますが、これは、兵庫県がおつくりになっておられますひょうご住宅復興三カ年計画によりますと、震災前に既に着工済みの一万五千戸に加えまして、新たに十一万戸の住宅供給をしていこう、そのうち、特に、被災者の方々、高齢者の方々が多い、あるいは自力で住宅を再建できない方々もたくさんいらっしゃるであろう、こういう見込みに基づきまして、七万戸の公的な住宅供給をしていこう、そのうち、公的な賃貸住宅で五万四千戸の供給をしていこう、こういう計画をお立てになってございます。  この計画を円滑に推進するために、国といたしましても、現在最大限の御支援を申し上げているという状況でございます。
  34. 大口善徳

    ○大口委員 最近のデータによりますと、その五万四千戸のうち、用地確保をしているのは三万二千三百戸、着工が九千百四十九、こういう状況なのですね。そうしますと、用地確保についてはまだ二万戸以上確保しなければいけない、それから 着工が九千、それで来年には仮設住宅の二年の期限が切れる、こういう状況のもとで、この計画について、あるいは仮設住宅の期限切れということについて、どう対応されますか。
  35. 古屋雅弘

    ○古屋説明員 ただいま議員から御指摘ありましたとおり、二月十五日現在の進捗状況でございますが、公的賃貸住宅の計画戸数五万四千戸に対しまして、用地確保、これは見込みがついているものも含めてでございますが、御指摘のとおり、約三万二千三百戸、着工が約九千百戸でございますが、年度末に向けまして着工を鋭意進捗させる計画でございまして、年度末におきましては約一万四千七百戸になる見込みでございます。  建設省としましては、もちろん仮設住宅の期限切れあるいは一時入居者の期限切れという事態が後ろに控えているわけでございますので、この迅速な建設を図るために、現地に、例えば住宅・都市整備公団の震災復興事業本部を設置いたしまして体制の強化を図るほか、地方公共団体に、全国の公共団体から職員派遣をお願いいたしまして、さまざまな面でてこ入れをさせていただいております。  また、特に公営住宅の供給が急がれるわけでございますので、これにつきましては、地元の執行能力を補完し、応援していくという観点から、公団や民間からの借り上げ・買い取り方式、こういったものを活用していこう、あるいは住宅・都市整備公団の工事受託、こういった措置を活用していこうというような工夫をいたしております。  また、建設省及び公的な住宅建設事業者によりまして協議会を設置しまして、用地情報の集約化や共通の設計方針、標準間取り図の作成等を行いまして、業務効率の向上に最大限の努力をいたしておるわけでございます。  仮設住宅等の期限が参りますまでの間に最大限の努力をいたしまして、この恒久住宅の供給が円滑に行われるように引き続き努力を、また御支援を申し上げていきたいと考えております。
  36. 大口善徳

    ○大口委員 「災害復興住宅入居希望者登録結果について」という報告があるわけですけれども、これは災害復興住宅の入居希望におけるアンケートなんですが、その中で、三万三千九百六十二の登録件数の中で、世帯主が六十五歳以上の登録者は全体の二九・八%を占めるということで、高齢者の世帯主の方が三割いるということですね。それから収入でいきますと、三百万円未満の方が五二・六%という数字になっております。また被災前の住まいの家賃について見ますと、これは賃貸の関係ですが、それでいきますと、一万円未満の人が一・五%、それから一万円から二万円の方が九%、こういうふうになっております。ですから、二万円未満で一割、こういう状況であるわけです。また、三万円未満ですと三一%、こういう結果が出ております。これは、被災前において三万円以下が三割、二万円以下が一割、こうなっているわけですから、そういうことから、被災後はもっと苦しいはずでございます。  今アンケート調査についてはやっておるということでございますけれども、今回の公営住宅につきまして、その災害公営住宅の家賃が、三DKで四万、一DKで三万、こういうことですけれども、これは、このアンケートを見ましても、一割ぐらいの人は払えない、あるいはもっとアンケートをとれば、被災後ですともっと厳しいわけでしょうから、かなりの方がこの家賃を払えない、こういうことになると思います。  そういう点では、用地確保についての補助ですとかあるいは家賃補助ですとか、そういうことを考えて、やはり建設省においてこの家賃の低減を図るべきだ、こう思うわけですけれども、どうでしょうか。
  37. 古屋雅弘

    ○古屋説明員 災害公営住宅の家賃の問題でございますが、これまで、例えば激甚法に基づきまして災害公営住宅の建設費の補助率のかさ上げを行い、あるいは用地費の一定割合につきまして、毎年度補助する補助率の引き上げでありますとか、あるいは入居者の家賃負担を抑制するための、家賃対策補助と呼んでおりますが、それの拡充等の措置で最大限の努力をいたしてきたところでございます。  これらによりまして災害公営住宅の家賃の低廉化を図っておりまして、例えば、今議員御指摘ございましたとおり、高齢単身者向けと想定されます四十平米程度の住宅を仮にとってみますと、民間の住宅であれば十万円以上の市場家賃のものが約三万円程度まで低廉化できる、こういう措置をとらせていただいているところでございます。  しかしながら、先ほどお話にもございましたとおり、総理から関係省庁に対しまして、このような公営住宅の家賃であっても、個々の被災者の方々の生活状況によりましてはなお負担が重い場合もあるのではないかというような指摘を考慮して、何か工夫ができないかという御指示が私どもの建設大臣にも参っておるわけでございます。  一方、地元兵庫県におきましては、現在、応急仮設住宅の入居者の方々全員に対しまして個別面接を行って、個々の実情についての調査を実施中でございます。  住宅対策としましては可能な限りの努力をしてまいったところでございますが、建設省としましても、さき総理の御指示あるいは被災者の方々の生活状況に関する調査、こういったものを十分踏まえて、関係省庁と種々相談をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  38. 大口善徳

    ○大口委員 建設省も前向きのようですので、そこで自治省に、建設省がそういう形で何らかの補助をした場合に、自治省としても補助をするかどうかについて聞きたい。
  39. 原正之

    ○原説明員 総理の方から、仮設の住宅から恒久的な住宅への円滑な移行やあるいは公営住宅の家賃の軽減方策などにつきまして、各担当大臣に対して御指示があったところでございます。自治省といたしましても、関係省庁と十分に連携をとりながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  40. 大口善徳

    ○大口委員 次に、二十年前、当時東大の助手でありました石橋克彦さんの発表されました東海地震説、これが二十年たちまして、私ども静岡、地元なんですが、静岡新聞社において二十五回にわたってその連載をしております。そこで、最近のその予知体制についていろいろな課題というものが浮き彫りにされておりますので、そのことについて質問をしたいと思います。  まず、この東海地震につきましては、大規模地震対策特別措置法にありますように、この強化地域に静岡等がなっておるわけでございますけれども、これにつきましては、その特別措置法の九条に、気象庁長官が地震予知情報の報告を内閣総理大臣にする、そして警戒宣言を総理閣議にかけてこれを発する、こういうことで、この東海地震の強化地域の予知情報あるいは評価、これについては気象庁長官の諮問機関である判定会がやることになっているわけだと思います。  そこで、その東海地震についての予知の強化体制について、これは、地元もこれにつきましては非常に関心がある。特に最近、この東海地域における地震活動というものが、長期的に見まして以前と変わった段階に入った可能性がある、こういうふうに茂木会長も指摘をしておられます。昨年四月のマグニチュード四・五の地震以降、駿河湾内では十回を超える地震、まあマグニチュード三以上の地震があったとか、あるいは御前崎で続いてきた沈降傾向が、九二年を境にしてその沈降傾向に鈍化の兆しが見られるということでございます。  そういうことから、この東海地震についての予知体制の強化、これをすべきであると思うわけです。  また茂木会長も、このことについて、一月二十三日の判定会の委員の打ち合わせの記者会見でも、例えば浅いところに置かれているために雨の影響を受けるひずみ計は三百メートルぐらいの地下に設置してほしい、あるいは気象庁の海底地震計は東海トラフ沿いにもう一本欲しい等、要するに陸上の地震計観測網については濃密度であるのですが、海底については非常に甘い。また、体積 ひずみ計についても雨の影響を受けやすいという心配をしているわけでございます。  そういうことで、気象庁にこの東海地震の観測の強化、予知体制の強化はどうなっているのか、お伺いします。
  41. 内池浩生

    ○内池説明員 御説明いたします。  先ほども御案内のとおり、気象庁では、関係機関の協力を得まして、各種観測データをリアルタイムで集中監視しております。そのための強化につきましては、本年度は、東海及びその周辺地域において、その集中するデータを以前よりも五十ふやして現在百八十になっているわけです。それとともに、伊良湖と石廊崎の地殻岩石ひずみ計観測システムを更新いたしまして、観測精度の向上を図っております。それからさらに、現在、これまでの観測監視の経験とか地震予知技術の向上を踏まえまして、東海地震予知のための観測網の強化策につきまして、判定会の先生方も含めまして、関係行政機関の方々とともに検討しているところであります。この成果は、地震調査研究推進本部における調査観測計画に反映させていきたい、そういうふうに考えております。
  42. 大口善徳

    ○大口委員 判定会の会長がそういうことを指摘しているわけですから、そういうことも含めてしっかり検討をしていた、だきたいと思います。  そして、昨年七月十八日に、総理府に地震調査研究推進本部ができました。そして、この地震調査研究推進本部、ここで地震調査研究に関する基本施策の立案、調査観測計画の作成、総合的な評価、広報、こういう役目をすることになっており、科学技術庁長官がその本部長、こうなっているわけです。  この強化地域につきまして、以前は長期予知については予知連、そして短期の予知については判定会と、区別がはっきりしていた。それが、この推進本部の地震調査委員会と判定会との間において連絡調整がまだうまくいっていない。一元化をうたうなら観測強化体制の一本化を図るべきではないかということを、これも茂木会長がおっしゃっているわけでございますけれども、そういう点で、この推進本部における地震調査委員会と判定会の役割分担、これを答弁してください。
  43. 上原哲

    ○上原説明員 お答え申し上げます。  東海地域における地震問題につきましては、まず地震調査研究推進本部に設けられております政策委員会の中に調査観測計画部会を設けまして、この一月十日に、当面推進すべき地震に関する調査観測の計画の取りまとめを行いました。そこでは、やはり昨年七月にできたばかりでございますので、非常に短期間な検討となりましたので積み残しの部分がございまして、東海も含めます調査観測については、継続してこれから検討するということになってございます。  それで、もう一方の機能といたしまして、地震調査研究推進本部の中に設けられました地震調査委員会というものがございます。地震調査委員会におきましては、定例的な検討とともに長期的な地震に関する評価を行うということでございまして、現在、地震調査委員会の中に長期評価部会というものを設けてございまして、その中で、今後の全国的に見た地震に関する長期評価を行おうということで行ってございます。  それで、御質問のありました判定会との関係でございますが、判定会の情報につきましては、当然、地震調査研究推進本部のメンバーには運輸省も入られているわけでございまして、また、その地震調査委員会の運営につきましては、私どもと気象庁、国土地理院、また文部省という形で連携をとりながらやっているわけでございまして、地震調査委員会の審議につきましても、また判定会の審議につきましても、気象庁並びに当庁、ほかの関係機関と連絡をとりながら、連絡を密にしていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  44. 大口善徳

    ○大口委員 判定会との役割分担についてはどうですか。
  45. 上原哲

    ○上原説明員 今申し上げましたとおり、私ども地震調査委員会の方で今進めているのは、現在のところ長期的な評価でございまして、いわゆる直前の予知の問題につきましては判定会で行うべきものであるというふうに考えてございます。
  46. 大口善徳

    ○大口委員 次に、昭和六十年四月十七日に建設省で、建築物の窓ガラス、屋外突起物等の落下物による災害の防止について通達を出しておりまして、これによって避難路や避難地沿いなどにある三階建て以上のビルを対象に落下物調査を十年前からやっているわけでございます。  これにつきまして、静岡県でも、十年前安全だったビルも十年たって状況が変わっている。また、阪神大震災のこともあり、もう一度これを改めて総点検をする、こういうことになったわけです。それに対しまして、全国的においてはどうなっているのかということが一点。そして、この十年前の通達によって、危険なビルがその後どういう状況になっているのか、わかっていればそれを教えていただきたいということ。そしてまた、こういうような危険なビルという場合には情報開示を住民にすべきではないか、こういうことにつきましてお伺いしたいと思います。
  47. 佐々木宏

    ○佐々木説明員 御指摘の建築物の落下物対策でございますが、御指摘のように、昭和六十年に建設省から落下物の実態調査要領というものを定めまして、各都道府県におきまして実態調査を行うように指導してまいっておるところでございます。その後、昭和六十二年度には、落下物を防止するための改修工事に関しまして、融資税制の優遇措置というものを創設いたしました。さらに平成五年度からは、外壁等落下物対策キャンペーンというものを毎年展開いたしまして、建築物の落下物対策に関する普及啓発を行ってきているところでございます。  また、毎年、年二回、建築物防災週間というものを行っておりますが、その中で防災査察ということも各地方公共団体で行っております。その際に、外壁タイル等の落下の危険性のある建築物につきまして調査をいたしまして、その所有者に対して必要な指導を行っているところでございます。六十年度以来、今までに約十五万七千棟の建築物について調査を行いまして、そのうち改修が必要とされました約一万七千棟のうち、改修が終わったものが約一万棟、残りのものにつきましては現在も引き続き指導しておるというところでございます。  御指摘のように、建築物の落下物防止措置というものは、地震における建築物の安全対策の中でも重要な事項でございます。御指摘のような方法も含めまして、今後さらに実効が上がりますように、落下物の防止対策につきまして検討してまいりたいと考えておるところでございます。
  48. 大口善徳

    ○大口委員 あと、情報開示の件について。
  49. 佐々木宏

    ○佐々木説明員 直ちに情報開示ということになりますとなかなか難しい点もあろうかと思いますが、いろいろな方法を含めまして、実効が上がる方法を検討させていただきたいと考えておるところでございます。
  50. 大口善徳

    ○大口委員 私は適マークのようなことを考えてみてもいいんじゃないかな、こう思っております。  それから、私毎回言っておりますけれども、応急危険度判定士への支援体制のことについてです。  これは、二次災害防止のために応急危険度判定士支援体制が非常に大事なわけですが、阪神淡路大震災があった平成七年度、これの講習会を実施していない県が実は三県まだある。具体的に県の名前は申しませんが、三県ある。それから、この応急危険度判定士の登録、登録者がゼロという県が十六、三分の一あるわけです。これは非常にゆゆしきことではないかな、こう思っております。自分の県をいざ助けてもらうという場合はお願いするのに、ほかは助けに行かないということになってしまうわけですから、この点についてどうなのか。  それと、これから応急危険度判定士の支援体制、全国的な統一基準、運用基準等をつくっていくわけですが、そのことについてもお話を聞きた いと思います。
  51. 佐々木宏

    ○佐々木説明員 御指摘の応急危険度判定の問題でございますが、御指摘のように、全国の都道府県におきまして、現在建築士を対象とする講習会を開きまして技術者を育成し、受講者名簿登録ということで進めておるところでございます。御指摘のように、今年度末までに四十四の都道府県で講習会を実施いたしまして、受講者数は六年度までには一万二千人、今年度の予定も含めますと約三万四千人、合計四万六千人が受講ということになるわけでございます。  あと三県残っておるということでございますが、こちらにつきましても来年度には実施をするということで計画を組んでおる状況でございます。  また、登録ということにつきましては、現在までに全国で約三万三千人が登録を済ませておるわけでございますが、残りの都道府県につきましても、講習会の次のステップということで、順次その段階に進んでまいるように指導してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、全国的な統一的進め方という点でございますけれども、応急判定が迅速かつ的確に行われますようにいたしますためには、御指摘のとおり広域的な支援による応急危険度判定の実施というものが必要でございます。そのため、全国の都道府県、建設省、建築関係団体から成ります。そういった点についての協議の場を早急に設けますよう現在準備を進めているところでございます。そういう場を通じまして、応急危険度判定の組織でありますとか、動員のあり方、応援の計画といったもの、あるいは判定の方法などにつきまして共通の理解を深め、検討していきたいと考えておるところでございます。
  52. 大口善徳

    ○大口委員 最後に、今の応急危険度判定士については、身分保障をしっかりしないとなかなかこれは推進できないということを指摘しておきます。  そして、これは、災害医療における歯科診療体制ということで、厚生省防災業務計画で、歯科巡回診療車あるいは携帯用歯科診療用機器の確保、こういうことが記載されておりますが、今、在宅医療ということでいろいろ歯科医師さんも頑張っておられる、またそういう中で、巡回車については今二十五県にしかない、こういう状況もございます。これを全国展開していくためにどう考えているか、これについてお伺いして、私の質問とさせていた、だきます。
  53. 石井拓男

    ○石井説明員 ただいま御指摘の歯科巡回診療車、それから携帯用の治療機器でございますけれども、御指摘のように災害時におきまして大変有用なものでございます。また、その診療車が備えております機能は、やはりこれも御指摘のように在宅歯科保健医療におきましても有効に活用されるものであると思われますので、今後とも都道府県におきましてその確保が図られますよう具体的方策を検討してまいりたいと思っております。
  54. 左近正男

    左近委員長 大口善徳君の質疑は終了しました。  小池百合子君。
  55. 小池百合子

    ○小池委員 それでは、私は阪神大震災の復旧、復興に関しましての質問をそれぞれさせていただきたいと思います。  せんだって予算委員会の方で、住専国会に絡みましてもこの阪神の復旧・復興問題を取り上げさせていただいたところ、不規則発言として、被災地、被災地とうるさいというような声が後ろから飛んできたのをよく記憶しているわけでございます。自分のところが被災地にならないとそれがおわかりいただけないということでは、私は大変悲しい思いがするわけでございます。  きょうは、私は幾つか具体的な質問をさせていただこうと思っておりますので、ぜひとも具体的にお答えいただきたいと思っております。その具体的と申しますのは、確かに一年が過ぎまして、そして鉄道であるとか、それから大きな瓦れきの処理であるとか進んではおります。しかしながら、現在の問題は、より生活に密着した、そしてより細かなと申しましょうか、しかしそれが解決しないと動かないというようなところに現段階で来ているわけでございまして、それだけに詳しくまた具体的にお話を伺わせていただきたいというところでございます。  早速でございますけれども、ようやく生活の兆しが見えてきたという被災地でございますけれども、御商売をなさっておられる方、それが大きくとも小さくとも、そういった方々は被災地においてはまず自分の自宅を直す、確保するということ、そして事業所を直すという二つ、三つの障害があったわけでございます。後ほど個人住宅のことについて伺おうと思いますけれども、まずこの中小企業にかかわる方々から、今私のもとにも幾つも陳情と申しましょうか、悲痛な叫びとでも申しましょうか、そういったものが多く寄せられておりますので、その中で共通する問題として、中小企業に対する特別融資について伺わせていただきたいと思います。  今回の震災の復旧、復興に関してさまざまな融資の特別枠をお設けいただいたことは、これは多とするところでございます。ただ、残念ながらなかなか、予算年度に応じて復旧、復興が進むかというと、現実はそうではありません。また、この東京・永田町と被災地の間では、精神的、物理的な時差があるのではないかというふうに思うわけでございます。  この中小企業の融資さまざまなものがございます。例えば、共同施設の再建補助、商店街の振興組合などに対するものもございますけれども、しかし、この期限がもう既に来てしまうということで、現実に動き出すのは来年度というのが実情なわけですね。そのときにはせっかくの特別融資の枠が期限が切れてしまっているということでございます。この現状につきまして、また今後そういった延長の可能性があるのかどうか、伺わせていた、だきます。
  56. 玉木昭久

    ○玉木説明員 お答え申します。  阪神淡路大震災にかかわります政府系中小企業金融機関、中小公庫、国民公庫、商工中金、三機関でございますけれども、その災害復旧貸し付けにつきましては、災害発生後間もなく受け付けを開始して、その貸し付け条件の面でも思い切った特例措置を講じております。被災中小企業者の方にも利用しやすいものとなっているというふうに考えております。  適用期間でございますが、激甚災害法の期限を切って適用するという考え方がもともとございますので、当初平成七年七月末までの期限をつけてとりあえず受け付けを開始いたしました。昨年の六月二十七日の閣議決定によりまして、本年、平成八年の七月末まで一年間取り扱いの延長を行ったところでございます。ことしの七月以降につきましては、被災地域の復旧状況、そういったものを今後調査いたしまして、あと数カ月間受け付けがございますので、そういった状況等を十分に勘案いたしながら、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
  57. 小池百合子

    ○小池委員 延長していただいた、そして、現実はまたさらに時間がかかるということでございますので、また改めて延長の方をぜひともお願いしたいというふうに思います。  それから、やはり事業者というのは先を、どういうふうに事業計画を立てていくのかということが、これは精神的なバックアップにもなりますし、希望にもつながっていくということで、それぞれ予算等々の現実問題ございましょうけれども、できるだけ先が見えるような、そういう施策をぜひともお願いしたいと思っております。  それでは次に、こちらも大変大きな問題でございましたけれども、住宅に関する幾つかの問題が出てきております。新たな問題が発生しているといいましょうか、もしくはさまざまな復旧、復興が進む中で初めて見えてくるような問題なども出てきているわけでございます。  震災によりまして全半壊住宅というのが合計二十一万戸ということでございますけれども、今盛んに取り壊しであるとかその瓦れきの処理、さら には建てかえということが現地で大変盛んに行われているところでございます。しかし、やはり住宅と申しますと、これは一生の一番大きな買い物であることには変わりがないわけで、それが今回の震災によって、好むと好まざるとにかかわらず、この大きな買い物をもう一度やるというような状況になっているわけでございます。  そこで、この建てかえの融資についてでございますけれども、こちらについても、個人住宅に対する建てかえ、いろいろな措置お願いしたところでございますし、また、それによって進んだ面も多々あるわけではございます。現在の融資の特例でございますけれども、例えば貸し付けの限度額、これまで木造で現行の一千二十万円だったものが一千五百三十万円にふやしていただいたという件であるとか、それから、これは前々からあったネーミングですけれども、親孝行ローンなるものを導入して、利子の減免措置であるとか、こういったことが特例の柱、またもう一方で、償還期間の延長ということが特例の柱となっているわけで、功を奏している部分もあれば、次の新たな問題を抱えているといったようなまだら模様が現在の状況ではなかろうかと思うわけでございます。  ここで私、ぜひとも新たな問題として発生している状況でお伺いしたいことがあるわけでございます。  今、親孝行ローンというのを申し上げましたけれども、被災地においてはやはり古い住宅がどちらかというと全壊、半壊の対象となってしまったわけでございますね。年老いた親御さんが住んでおられた、そして財産というと、例えば、その土地であるとか住宅が財産になっていた。いろいろなケースがございます。しかしながら、これでまた建てかえということになると、新たにローンを組まなくてはいけない。そうすると、その親御さんというのは、もうローンを組むには年齢的な制限であるとかさまざまな障害があって、なかなか新たに借りるわけにはいかないという方がたくさんおられます。そういうことから、この親子ローン、つまり、親の家を子供の名義でもってローンを立てて、そして家を建てるというような状況になっているわけなのです。  ところが、先ほど申し上げましたように、住宅というのは大変高額な、一生のうちの買い物とすれば大変高いものでございまして、そこにまつわる税金につきましては、たとえ税率が低くとも、結局非常に高い税金を払わなくてはならないということになるわけでございます。今回も税金についてさまざまな免除などをお願いもしておりますし、またそれで助かる部分はあるんですけれども、被災地だからといって、かといってあれもしろ、これもしろというようなことは申したくありませんが、しかしながら、現実にまだまだ住宅の復旧、復興がおくれているというのは、実はそのネックになっているのがそういった税金の問題であろうかというふうに思います。  今回、建てかえと、それからそうやって親子の間でのローンの組みかえと申しましょうか、これについてはこれまでどのような措置をとっていただいたのか、ちょっとまとめていただこうと思いますので、御担当の方、よろしくお願いいたします。
  58. 伏見泰治

    ○伏見説明員 建てかえとローンということに直接なるかどうかわかりませんが、税制上の措置ということで少し申し上げたいと思います。  税制上の措置につきましては、昨年の二月二十日、まず所得税の緊急対応、当面の措置ということで、災害減免法の関連で一つ措置をさせていただきました。さらに、三月の二十七日に公布、施行されました震災税特法、この一部改正ということで、所得税あるいは法人税、相続税あるいは登録免許税、可能な範囲でできる限りの措置をとらせていただいたところでございます。  具体的に例を申し上げますと、例えば相続税とか贈与税といったものにつきまして特例を設けるというようなことをしてございます。それからあとは、住宅資金の貸し付けを受けて住宅を建て直すといった場合の所得税に関する措置でございますとか、あるいは事業主さん等についても一定の措置をとっているところでございます。  さらに何か具体的な御指摘がございましたら、また答弁させていただきます。
  59. 小池百合子

    ○小池委員 住宅取得の際の税金の発生面で、登録免許税それから抵当権の設定ということで税額が発生するわけでございますけれども、これについては、この震災に対してどのような措置をとっていただけたのか、お願いいたします。
  60. 伏見泰治

    ○伏見説明員 登録免許税の関係措置でございますが、原則といたしまして登録免許税というのは、言ってみますと、国によりまして権利の設定等が行われる、例えば不動産登記が典型でございますけれども、第三者に対する対抗要件がそれで備えられるということに着目をして課税をしてございます。  一般的に申しまして、非常に大量に生起をいたしますものですから、災害といったことが起きまして、それによりまして住宅等が建て直されるという場合でも、その個別の事情というのはなかなかいわばしんしゃくできないという事情にございますが、先ほど申し上げましたように、今回の阪神淡路大震災、被害の状況ということにかんがみまして、自己の所有する建物が大震災によりまして滅失をする、あるいは損壊をいたしまして取り壊したという場合、その建物のかわりに取得する建物の所有権の取得登記、それから抵当権の設定登記につきましては、非課税とするという措置を特別に講じているところでございます。
  61. 小池百合子

    ○小池委員 ただ、このところ現場ではその辺が大変混乱しておりまして、親の建物が壊れた、そしてそれを建て直すために子供がかわりにローンを組み立てるというようなことでございますけれども、そこでその贈与の部分と登録免許税とそれから抵当権の設定というのが、これは大変混乱しているというのが現実なんですね。  それぞれ税額は、今回免除というところもございますけれども、非常にこの部分が現場では混乱いたしておりまして、そこで何度も何度も役所の方に足を運ばなくてはならないとか、それから税額の負担というのが、今新たなローンを組んでまた家を建てるというような、被災地の非常に特殊な中で、なかなかこの辺のところがよく理解されていないということでございますので、現地の自治体、そして国税の関係の出先の方にも、この辺のところをぜひともよく徹底していただきたい。非常に混乱が生じているということを指摘させていただきたいというふうに思いますし、また、ぜひとも今回のこの住宅再建がよりスムーズにいくように計らっていただきたいというふうにお願いしたいと思います。  それからもう一つ、この個人住宅の面と、やはり復旧、復興がおくれております大きな問題の中に、マンションなどの集合住宅の建てかえの問題があるわけでございます。集合住宅には区分所有と敷地権があるというふうに理解いたしておりますけれども、この区分所有と敷地権との関係と、それから敷地権とは一体どういうものなのか、ちょっと改めて伺わせていただきたいと思います。
  62. 升田純

    ○升田説明員 ただいま御指摘の、マンションなどの区分所有建物につきましては、区分所有法という法律がございまして、その中に、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所または倉庫その他建物としての用途に供することができるものがある場合、このような建物の区画された部分を目的とする所有権というものを区分所有権、こう言っております。  敷地利用権といいますのは、そういう区分所有権の対象になります建物の部分、これを専有部分と呼んでおりますけれども、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいうものでございます。そして、具体的に敷地利用権を見てみますと、例えば所有権、地上権、賃借権といったものが考えられるわけでございます。
  63. 小池百合子

    ○小池委員 今御説明いただいたわけですけれども、この区分所有法二十二条によると、区分所有と敷地権の分離が禁止されているということなの ですけれども、このところはどのように理解すればよろしいのでしょうか。
  64. 升田純

    ○升田説明員 ただいま御指摘の区分所有法二十二条に、確かに専有部分と敷地利用権の分離処分、これを禁止するという原則が規定されてございます。  それは具体的に申しますと、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することができないとする原則でございます。  具体的にこれを見てみますと、例えば、専有部分やこれに対応する敷地利用権を譲渡したりまたは抵当権の目的とするといった処分をするときには、両者を一体として処分しなければならず、その一方のみを譲渡し、あるいは抵当権の目的とするということはできないということになっております。  その理由といたしましては、一つには、マンションなどの敷地の登記簿が膨大かつ複雑になり、権利関係の公示の一覧性を欠くということを防止するといった、登記の混乱を防止するということが一つございます。それから、敷地利用権を有しない区分所有者といったものが生じないようにすることなど、マンションをめぐる法律関係を明確にするといったことが理由として考えられております。
  65. 小池百合子

    ○小池委員 御説明いただいたわけですけれども、そうすると、今の区分所有と敷地権というのは分離が禁止されている。ところが、今現実に何が起こっているかというと、先ほども親孝行ローンなるもので伺ったわけでございますけれども、今マンションについてもまた建て直しの資金を必要としているわけでございます。そして、親が住んでいたマンションをまた子供がそのローンを立てかえで、立てかえといいましょうか、自分の名義で組みかえをして、そして払うということなのですけれども、そうすると、子供がそのローンを受けるわけでございますので、いろいろな融資の特例というのは子供が受けられるわけですね。  ところが、そのときのマンションの区分所有者が子供ですけれども、敷地権の方は一体どうなるのでしょうか。先ほどの区分所有法二十二条からいくと、これは分離できないと言っているわけですけれども、その辺のところ、いかがでしょうか、法律的に。
  66. 升田純

    ○升田説明員 ただいまの敷地利用権のみの譲渡というようなことでございますけれども、例えば、今申し上げました専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止といいますのは、敷地の上に建物が建っている場合でございます。例えばそれが全部滅失いたしますと、これは敷地の利用権だけが残りまして、区分所有権というのは消滅してしまいます。したがいまして、その場合には、敷地利用権というものを、これを処分するということは可能でございます。
  67. 小池百合子

    ○小池委員 敷地利用権の処分ということはちょっとよくわからないのでございますけれども。  例えば、また今度は税金面なのですけれども、敷地利用権の処分なのかそれとも移転なのかわかりませんけれども、マンションの一室を持っていた親のローンの肩がわりということをし、そして、だけれどもそのマンションそのものは今なくなってしまっているということ、もしくはその修復ということもあるかもしれませんが、そうすると、そこで例えば、区分所有者の変更ということは敷地所有者の変更ということにはならないのでしょうか。ちょっとその辺のところがわからないのですが。
  68. 升田純

    ○升田説明員 ただいまの問題につきましては二つの場合が想定されると思うのですけれども、一つは、敷地の上にまだマンションが建っているという場合と、それからマンションが法律的に見まして全部滅失した状態にある場合、この二つに分けることができるわけでございます。  マンションが建っております場合には、これは先ほど来御指摘の敷地利用権と専有部分というものを分離して処分することができないという原則がございます。ただし、例外として、例えば規約で分離処分を認めるという場合がございますけれども、そういった規約がない場合には、これは敷地利用権だけを例えばだれかに贈与する、そういった処分はできないことになっております。  ただし、先ほど申し上げましたように、マンションが全部滅失した状況にございますと、これは区分所有関係、専有部分といったものはすべて法律的には消滅しているという関係になりますので、敷地利用権だけが権利として残っております。その敷地利用権を、例えばだれかに贈与する、そういったことは可能でございます。
  69. 小池百合子

    ○小池委員 そうなると、敷地利用権、これは贈与が可能だということになりますと、そこで贈与税が発生することになるわけでしょうか。
  70. 伏見泰治

    ○伏見説明員 贈与税の関係でございますけれども、一般的に、財産の贈与が行われました場合、その贈与によりまして財産を取得した方の方に課税をされる関係になっております。  今お話のございました敷地権の関係でございますけれども、その名義の変更が、実質におきまして敷地権の贈与に当たる場合という場合でありますと課税されるということになりますし、名義の変更は行われているけれども、それは実質的にはそういう贈与の関係ではないのだというようなことであれば課税されないという状況になろうかと思います。実態に即した処理になろうかと思います。
  71. 小池百合子

    ○小池委員 今おっしゃった後半の部分が非常に現実として出てきているわけでございまして、なかなか、実態に即したと言っても、一人一人の贈与税をかけられるという人たちが、これは好きこのんで今回贈与が行われるのではなくて、親のローンを肩がわりする、そういう現実からきているわけですね。  そうすると、例えば現実、現地の方では、それを証明するために公正証書をつくれというようなことを要求されて、何度も何度も税務署の方に足を運ぶ、役所の方に足を運ぶというようなことが出ておりますし、実際に公正証書というものは、特に建物に関する公正証書というのは大変作業が複雑になっておりまして、震災で既にへとへとになっているところに行政の複雑な手続ということを強いられていることが現実でございます。  よって、私がぜひともここでお願いしたいのはこういった、今、現実に即してということを課長おっしゃいました。例えば、それをもっとスムーズに役所なり、その人たちが必要なことはしなければならないけれども、余りに複雑、そしてかつそれを説明するのに担当の方がなかなかおわかりいただけない。担当の人も被災者だったりするので、そこはあうんの呼吸もございましょうけれども、やはりそういった、もっと簡単にできるような方法、それから、好んで贈与をしようというわけではないといったところをぜひともよくしんしゃくしていただいて、そして細かい問題ではございますけれども、今細かい問題がネックになっているからこそ大きなものが建たない、生活が戻らないということ、これをよく踏まえていただいて、今後ぜひとも目に見える形で今指摘させていただきました問題をよく取り計らっていただきたいというふうに思っております。  最後に、鈴木国土庁長官に伺いたいわけでございますが、先ほども小坂議員の方から危機管理に対しての心構えということを質問させていただき、それについて伺わせていただきました。今、危機管理のマニュアルをつくるということで、第三番目に位置されているのが国土庁長官であるということでございます。国民の安全、財産、もちろん生命を預かる役目といたしまして、国土庁長官のお役目は非常に重いわけでございますけれども、改めて、危機が起こる際の心構えについて決意のほどをもう一度ぜひとも伺わせていただきたいと思います。
  72. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 危機管理の問題ときょう小池先生質問をお聞きいたしまして、先般の予算委員会でも先生から御質問がありましたが、今、私ど もとしては、復興、復旧に関しましては現地に事務局長及び内政審議室長を派遣して現地といろいろなお話をしているわけでございますが、きょうの先生質問の骨子というのは、やはり自立をしていくための国の支援はどうあるべきか、こういう観点からの御質問であったように私は承っております。  したがいまして、各省庁それぞれ対応を真剣にやっていると思いますけれども、なお、県民、住民の皆さんが、あすに向かって自立していくような気持ちがさらに旺盛になるような支援対策を我々もしっかりやっていかなきゃならぬ、こういうことを感じた次第でございます。  二つ目の問題は、これからの復興の問題に関しまして、お金の問題というのは当然これはつきまとうわけでございますから、特定事業として設定されました生活の安定の問題や経済の安定の問題と安心な町づくりということに関しましても、これから基金問題も含めながら、なお現地からの意見を総合して検討に入ってまいりたいと思っておるところでございます。  さて、最後危機管理の問題は全くおっしゃるとおりでございまして、あらゆる災害、あらゆる事故等に関していつでも初動体制がきちっとするような対応をこれからも考えていかなきゃならぬと思っております。先般の閣議におきましても、各大臣お願いを申し上げましたのは、もちろん私はああいう順番になっておりますけれども、各閣僚に対しても、常に携帯電話とポケベルを持っておって、どういう場におっても連絡がすぐとれるようにしてもらいたいというようなこともお願い申し上げた次第でございまして、これからも生命財産をしっかり守っていくためにも決意を新たにして取り組んでまいりたい、そういうふうに思っているところでございます。
  73. 小池百合子

    ○小池委員 質問を終わります。ありがとうございました。
  74. 左近正男

    左近委員長 小池百合子君の質疑は終了いたしました。  西村眞悟君。
  75. 西村眞悟

    ○西村委員 私は、北海道古平町の豊浜トンネルの事故に関して確認したいことを防衛庁及び、最後国土庁長官にお聞きしたいと思います。  この事故は、一定の地点でありますけれども、いまだ未経験の大規模事故であった、このように思います。私も八日間テレビを見て、これだけ時間がたつのをいら立ったことはありませんでした。共通点が、今話題になっておりました昨年一月十七日の阪神大震災のときと何か映像が重なるような思いがして見ておった。  それは、全体を指揮するその指揮の意思が見えないということが一つありました。映像で見ていましたけれども、家族といいますか、指揮の司令塔に対するその信頼がないのではないか。例によって救助活動の最中に各大臣が視察に行かれるのですけれども、何をしに行ったのかがまた見えない。それによって家族の信頼が回復されたようにも見えなかった。つまり、映像では、大名行列してそのたびに作業がとまるというふうなコメントをしている家族もおりました。  もう一つは、救助活動の指揮の司令塔が救助活動に当たった各組織能力をフル活用したのかどうか。これが私、ちょっと確認したいところなんです。  自衛隊が、二月十日の十六時三十分に知事より災害派遣要請を受けまして、二月十五日の十七時三十分からトンネル内の土砂の除去作業を開始し、二月十七日の十七時二十分に作業を完了する。この経緯からまず確認していきたいのですが、二月十日十六時三十分の出動要請から二月十五日十七時三十分の作業開始までどのような指揮命令系統に入って、何をされておったのか。  ちなみに、自衛隊の延べ動員数は二千六百五十一名、延べ車両は七百四十両、延べ航空機が七十機、これは本件災害に対して動員された最大の組織であったのではないか。したがって、自衛隊がどのような作業の経過をたどったのか、ちょっと説明していただきます。よろしく。
  76. 金澤博範

    ○金澤説明員 お答え申し上げます。  事故当日十六時半に災害派遣要請があったわけでございますけれども、実はその前に、十三時五十六分に後志支庁さんから我が方の第二十九普通科連隊に災害派遣要請の打診というのがございまして、我が方といたしましては、直ちに要員を非常招集し、災害派遣に備えたわけでございます。その後、十六時半に知事から災害派遣要請が参りまして、速やかに出動したということでございます。車両、人員、航空機等を派遣したわけでございます。  その後の経過は、先生今おっしゃいましたとおり、まず岩盤を取り除かなければいけないということで、現地に対策本部がつくられましたけれども、ここでそういう判断がされ、我々もそこの合同対策本部に要員を派遣しておりましたけれども、そのもとで作業が進んでいった。我が方は、その間待機をしておりましたけれども、十五日の十七時半に至りまして岩盤が除去された状況になりましたものですから、トンネル内の土石除去作業を我が方は開始したということでございます。その作業は十七日十七時二十分に終了したわけでございます。
  77. 西村眞悟

    ○西村委員 二月十五日十七時三十分まで待機されておったんですけれども、また確認したいことがあります。  それは、私がテレビを見ておりまして、素人ですけれども、発破が事故発生三十三時間日に決断されてなされる。北海道は寒いですから、阪神大震災のときも寒い季節でした、人命救助が最大の目的ならば二十四時間以内というのは昨年来の教訓でありまして、それで素人判断です。私は自衛隊の能力をもうちょっと聞きたいと思うんです。  というのは、私は、専門家の判断はわかりますけれども、危機に対しては、ある意味じゃ素人の発想が以外にその危機を救うときがある、こういうふうな事例もあります。上から発破して土砂を落としてしまう、当初はあいていたすき間も土砂でどんどん埋もれるんではなかったのか、事実、そう思って見ておりましたら、バス等が発見されたときにはもうびっしり土砂が詰まっておった。私は、あれを見たときに、素人判断でこういう発想をしたんです。自衛隊の、昔の名前で言うならば工兵隊というのがあって、古平町から見ましたら左手が海に面して崖があった。上のものを除去して救助していくよりも、トンネルを掘って、上から覆いかぶさっている道路中央に、たとえ一メートル四万でも穴をあけて、そしてその救助に当たることができなかったのかと思うんです。  能力についてお伺いしますけれども、まず自衛隊、今は施設隊と言うんですか、昔の工兵隊は。トンネルをああいう場面で掘削していって、そして落盤現場の、バスがある、また乗用車がある地点の縦に抜かすことが自衛隊の能力として、工兵隊の能力としてできるんでしょうか。  それからもう一点、発破ですね。自衛隊は、二月十日の十六時三十分近くに現場に到達しているんですけれども、現実にはあの岩を発破で砕いたんですが、あの発破を実行できる能力があるのか。この二点、ちょっとお伺いしたい。
  78. 金澤博範

    ○金澤説明員 作業を行う目的や状況にもよるため、一概に申し上げることはなかなか難しいのでございますけれども、陸上自衛隊につきましては、防衛作戦行動を行うため、各種の爆薬でありますとか坑道掘削装置等の装備を保有しております。したがいまして、限られてはおりますけれども、地形障害の爆破を行ったりとか、あるいは火砲等の装備を隠ぺいするための小さな坑道、トンネルをつくる能力は保有しております。  そこで、あのトンネル事故につきましてそういった能力を使えばよかったのではないかという御質問だと思いますけれども、まず、発破作業といいますか、それについて申し上げますと、我々の発破というのは、例えば防衛作戦を行うときの小さな地形的な障害を除去するといったようなことでございまして、今般、あの事故で必要とされたような岩盤の爆破、数万トンもあるような岩盤を爆破するといったようなことについて、自衛隊 として専門的な知見を有してはおらないということ、それから、爆薬を仕掛けるときに掘削機が必要となるわけでございますけれども、我々がやろうとすれば、使う掘削機の能力というのは、開発局がお使いになった、いわば民間の専門の業者の掘削機と比べれば能力が劣るものであったということで、開発局当局において実施された以上に効果的に自衛隊が爆破作業を行い得たとは考えておりません。  それから、地下トンネルの掘削について申し上げますと、自衛隊は、確かに保有しております坑道掘削装置、これはございます。ですけれども、この目的は、火砲等の装備を山の側面なんかに穴を掘って隠ぺいする、隠すようなためのものでございまして、今回のようにコンクリートですとか鉄筋が混在しているようなものを掘削する能力には欠けますし、また、我々の装備というのは、地面を下方に向かって掘る能力がございませんものですから、先般の事故に際しまして、バス等に至る救出のための地下トンネルを掘るといったことは不可能であったというのが実態でございます。
  79. 西村眞悟

    ○西村委員 私がこういう問題意識を持ったのは、救出作業といっても、事故発生から三十三時間日で爆破の方向に進むわけですね。それが、同じ失敗を三回繰り返して四回目に成功するということですけれども、この救出作業の過程を見てみますと、下に仮に生存者がおったとしても、これはもう助けるのは不可能であろうという発想のもとでの救出と称する作業であった、こういうふうに国民すべてが痛々しい思いで見ておりましたから、その思いで私もおったわけです。  なぜ、今申し上げたことをお聞きしたかといいますと、近ごろ亡くなられた司馬遼太郎さんが「坂の上の雲」で、旅順要塞のやはり地下を掘っていくわけです、工兵隊が。そして、砲台の下で爆破するということを旅順要塞のときにやったというので、やはり工兵という以上はその能力はあるだろうと思って言ったわけですが、トライしてみなかったということはまあわかりました。  次に、テレビ画面を見ておりますと、同じ失敗を三度繰り返した後、四度目に上のものが土砂となって堆積する。そのときから、自衛隊の諸君が手とシャベルで現場を掘っていくのが見えました。やはりこの時点から作業開始という御報告も受けております。それで、乗用車、バスがあらわれた時点で、自衛隊の諸君の姿が見えなくなって、警察とレスキュー隊が作業に入る。自衛隊の諸君はどういう思いでやっておるかといえば、紛れもなく人命救助、バスまで、それから乗用車までたどり着いて中にいる人を、もし生きているなら、万が一生きているなら救助したいという思いであったと思うんです。  それで私、バスとか乗用車が発見された時点で警察とレスキュー隊に交代するんですけれども、念のため、自衛隊が継続してそれをしなかった、人命救助の作業まで入らなかった理由と、あわせて、やはり災害派遣活動で、いつもこういう未経験の大規模事故については自衛隊に頼らざるを得ないという中で、こういう本当の人命救助、また遺体であれば警察というふうな機械的な分け方を持っておって、最大の救助のための組織が、人間ですから士気にかかわらないのかという思いがしますので、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
  80. 金澤博範

    ○金澤説明員 今回の救生活動における各機関同士の役割分担につきましては、現地合同対策本部における確認合意によって、二次災害防止等の観点から、開発局において岩盤除去とトンネル上の土石除去を実施した後に、自衛隊がトンネル内の土石を主として手作業によりまして除去いたしまして、その後、警察と消防が車両の中からエンジンカッター等を使用して救生活動を行うということにされたものでございます。  これは、それぞれの関係機関の特質を最大限に生かして、できる限り効果的に救生活動を実施したものであると我々認識しているところでございまして、何といいますか、一番肝心な部分が自衛隊はさせてもらえなかったとかいったような認識を持っているわけではございません。また、したがいまして、このことが隊員の士気に悪い影響を及ぼしたといったようなこともございません。
  81. 西村眞悟

    ○西村委員 いつも一月十七日のことが二重写しになると申し上げましたけれども、あのときも、だれかおるかといって掘っていって、だれかおった、それが御遺体なら警察の領域にある、生存されておったらレスキュー隊の領域にある、これは手が出せないということがありましたので、やはり私は、これは少し士気にかかわる問題だなと危惧していることは申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  この問題に関しての、個々の問題については国土庁長官質問してもお答えをいただけないのでございまして、将来にわたっての災害を、今のこのトンネルの事故教訓としていかにするかという観点しかお聞きできないわけです。私は、国土庁という調整官庁ということでそういう質問しかできないのですけれども、ある意味ではもどかしい思いがいたしますから、具体的にこの事故についての反省点をこれから大臣にお伺いすることにいたします。  この事故は、新聞報道によりますと、現地の事故災害対策マニュアルでは、自衛隊、警察、レスキュー隊を統合して指揮するようなマニュアルも不十分であったというふうに報道されておるのですけれども、確かに事故途中で現地本部長の交代がありました。そしてまた、家族への広報のあり方、家族の扱い方の点、家族の思いというのは、発破の決断をするにしてもこれが三十三時間後であった。寒い中で一日以上過ぎておるときに動き出しているということで、非常ないら立ちもあったのだろう。同じ決断をするならもっと迅速にその決断をなし得なかったのであろうか。そうすれば、家族もあきらめの思いで見守るのではなくて、もしかしたら、家族が、自分の子供や父や母があそこで生きているという思いで見守ることができたのではないか。非常にむごい結果になった。  こういう意味で、大臣に対しては、災害の対策のマニュアルが、昨年あれほどの地震が起こったにもかかわらずまだ徹底されていないのではないかな、しっかりしたマニュアルがないのではないか。また、そのマニュアルどおりに指揮命令系統をこしらえても、いざというときにその指揮が家族から見えないとか、そして国民に見えないとか、そういうふうな教訓があったのではないか、反省点があったのではないかと私は思うのです。大臣においては、事故というのはいまだ経験したことがないことが起こるのが事故ですから、あらゆる将来の事態を想定して、これからの事故対策のあり方について御所見をお伺いしたい、このように思います。
  82. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 まず、今回の事故に際しまして、北海道開発局を初め消防、警察、自衛隊、関係機関の方々は、現地におきまして本当に不眠不休で救出作業に当たられたわけでございますが、二十名のとうとい犠牲者が出たという悲惨な結果となりまして、お亡くなりになった皆様方に心から御冥福を申し上げたいと思います。  今、西村先生の問いでございますが、国土庁といたしましては、今回の豊浜トンネル事故につきましては、北海道開発庁や道路管理者である建設省、及び災害派遣を実施した防衛庁など、関係省庁から十分に事情を伺って、今後とも関係省庁連携して敏速な応急対策や適切な災害予防対策の実施を図っていかなければならないと思っているところでございます。  つまり、今回の問題は、道路の管理者と道路をつかさどるところの事故であったものでございますから、特に建設省さんと北海道開発庁さんにお願いを申し上げまして、国土庁といたしましては、私もそうでありますと同時に職員も全部待機態勢をとっておりまして、情報を逐一内閣の方に申し上げたところでございます。しかし、やはりあれだけ大きな事故になりますと、このままでいいのかという問題は、建設大臣も北海道開発庁長官も、今事情を調査中であるということなどもご ざいますので、その事情の調査、点検が終わった段階で恐らく御相談があると思いますし、また私からも積極的に、どうあるべきかというような問題もお尋ねしたいと思っております。  事務的には、国土庁防災局が担当でございますから、防災局長をして、これからどういう事故が起きてもきちっと対応するというようなことを各省庁との間で検討するように指示しているところでございます。
  83. 西村眞悟

    ○西村委員 大臣も認められておりますとおり、災害が起こったときに現場で警察、自衛隊、救出作業に当たる諸君は、本当に粉骨砕身といいますか、涙ぐましい努力をされるのが常でございます。しかしながら、それが我が国においては、昨年の地震のときもそうですけれども、何か効率的に動かない。この原因は、やはり指揮のあり方、そしてその指揮マニュアルに基づいた事前の訓練、それには、私は野党に属しておりますけれども、与野党を問わず、法制面そして危機に対して指揮をとるその人的な素質、そこまでの反省点を、救出に当たる人は精いっぱい努力するわけですから、どうしても責務として、指揮、そして日ごろのマニュアルの整備と訓練は欠いたらだめなのだなと思いますので、私どももまたその研究を怠りなく進めたいと思います。  時間を余しておりますが、これで一応私の質問を終わらせていただきます。
  84. 左近正男

    左近委員長 西村眞悟君の質疑は終了いたしました。  遠藤乙彦君。
  85. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 私、新進党の遠藤でございます。私も、先ほどの西村委員と重複する面があるかと思いますが、まず、豊浜トンネル事故に関連をしまして質問をしていきたいと思います。  今回の事故、二十名の犠牲者を出し、大変痛ましい事故であったわけでございます。また、救助に当たった方々には、これは不眠不休の活躍をされて、そのことは大変多とするわけでございますけれども、他方、やはりどうしても、阪神大震災のときの例と同じような問題が出ているということを痛感するわけでございまして、一言で言って、こういう緊急事態、災害にあって、司令塔なき災害救助ということがよく言われますけれども、そのことを改めて痛感をする次第なわけでございます。  そこで、この点に関連をしまして、何点か具体的にお聞きをしていきたいわけなんですが、特に、初動体制のおくれ、あるいは縦割りの弊害ということが如実に出たケースかと思います。  まず最初に、現地対策本部設置のおくれの問題につきまして伺いたい。  現地に対策本部ができたのは事故発生後十四時間を経過した時点でございます。特に、今回のような事故の場合、現地に対策本部を置くということは大変重要なことだと私は思っておりまして、これがポイントだと思いますが、それがなぜ十四時間もかかったのかということ。この初動体制のおくれは非常に問題ではないかと感じておりまして、そのことについての経過及びどう考えるかにつきまして、これは北海道開発庁ですか、お聞きしたいと思います。
  86. 小野薫

    ○小野説明員 御説明をいたします。  二月十日午前八時十分ごろに崩落があった後、午前十時には小樽開発建設部に事故対策本部を設置し、正午には北海道開発庁に情報連絡本部を、北海道開発局に事故対策本部を設置し、救助体制並びに連絡体制を整え、速やかに救助活動を開始したところでございます。警察では、余市警察署、北海道警察本部に対策本部を順次設置し、消防においては、地元北後志消防組合に加えて、札幌市消防局等から応援部隊が出動するとともに、道の派遣要請に基づき自衛隊も出動する等、各関係機関においても順次体制が整えられたところでございます。  さらに、十六時三十分には、北海道開発局において、余市側坑内の土砂除去作業を人力で開始するとともに、消防によるファイバースコープによる検索活動も実施されたところでございます。  同日夕刻には、北海道開発局、警察、消防、自衛隊、北海道、余市町、古平町、積丹町等による合同会議を開催し、時々刻々と変化する現地の状況を見きわめつつ、各機関の連携調整及び救助活動方針に係る確認、合意を図るとともに、効率的な救助活動を進めるため、二十二時二十分に関係機関から成る豊浜トンネル崩落事故現地合同対策本部を設置したところでございます。  以上のように、今回の豊浜トンネル崩落事故の救生活動を的確に進めるために、組織体制は順次整えてきたというふうに考えております。
  87. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今の御説明を伺ったわけですが、ちゃんとやったというふうにおっしゃっているようですが、説明を聞いていると、やはり上からだんだん協議しながら、時間をかけて現地にやっと到達する、むしろ非常におくれたということを印象づけられるような御説明かと思います。この事故の場合には、やはり現地に本部をつくるというのが大変重要なポイントだと私は感じますので、やはりこの十四時間のおくれというのは非常に大きなロスであったのではないかと私は感じておりまして、ぜひ、今後こういうことがないように迅速な対応お願いしたいと思っております。  それから二つ目に、対策本部の構成といいますか、特に長になる人に適切な権限を持った人物を欠いたのではないかという点が指摘をされております。当初、この北海道開発局の小樽道路事務所長が本部長になったわけですけれども、四日後にその上司である建設部長に人事異動、変更があったわけでございます。特に、この若い道路事務所長の方は大変調整に苦慮されたようでございまして、マスコミ等に対しては、本部長は意思決定の権限も能力もないといった愚痴をこぼしたというふうに伝えられております。こういった、やはり適材を欠いたのではないか、強い権限とリーダーシップを持った人物を本来本部長に充てるべきところを、若手の人を、十分な経験のない人を充てたといったことがまず一つのミスではなかったかと思いますし、途中で人事変更したこともそのあらわれであろうと見られますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
  88. 小野薫

    ○小野説明員 御説明いたします。  二月十日の事故発生直後より、北海道開発局においては、本局小樽開発建設部に事故対策本部を設置し、救助体制を整えるとともに救助活動を開始したところです。今回の事故に際しては、その重大性にかんがみ、一刻も早く被災者を救助するため、関係機関から成る現地合同対策本部を設置したところでございます。この対策本部は、法令に基づく指揮命令を前提としたものではなく、効率的な救助活動を進めるために設けられたものでございます。おのおのの関係機関が密接な連携を図りつつ、一丸となって救助活動に当たったところでございます。  今回の救助活動においては、現地の状況に精通し、迅速かつ適正な対応が求められていたところであり、このような観点から、小樽道路事務所長が現地合同対策本部構成員の賛同により本部長に選任されたところでございます。しかし、救助活動の長期化、事態の重大性にかんがみ、北海道開発局建設部長が現地に赴き、二月十四日、岩盤の除去作業が終了し、新たな救助活動の段階に入ったことから、現地対策本部の構成員の格上げとともに、建設部長が同本部に参画し、構成員の賛同を得て本部長に選任されたところでございます。
  89. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今の御説明を聞きますと、途中で事故の重大性に気づいて人事をかえた、そういうふうに結局受け取れるわけなんですが、やはりそれほど認識が甘かったのかなということを逆に思うわけでございます。しかも、この現地の対策本部につきましては、少なくとも北海道開発局の局長が真っ先に行くべきではなかったか、そういう批判が現地から強くあるわけでございまして、局長はとうとう最後まで余り重要な役割を果たさなかったようでございますけれども、この点につきまして重ねてお伺いをしたいと思います。
  90. 小野薫

    ○小野説明員 お答えを申し上げます。  先ほど御説明させていただいたように、北海道開発局にも対策本部をつくってございます。対策本部の本部長は局長でございます。局長は札幌で、今回の救助作業については、支援、助言、そういうものを担当しておりました。  以上でございます。
  91. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 続いて、岩塊の除去作業につきましてお聞きします。  二万七千トンという岩塊が覆いかぶさってきたわけですけれども、これに対して、四日間をかけて四回、三回失敗して四回目にようやく成功したわけですけれども、大変な長い時間がかかったわけでございます。九三年に北海道南西沖地震の際にやはり崩れた事故があって、刀掛トンネルと言うのですか、ここの六千トンの岩盤を落とすのに六百キロの火薬を使ったわけですね。こういった前例があるわけですけれども、今回、二万七千トンの岩塊を崩すのに、平均、大体二百十キロ余りのものを四回に分けてやったということなんですけれども、今、ちょっとこの手順に疑問を感ずる次第です。  確かに、二次災害への配慮ということはあったのでしょうけれども、やはり四回も同じようなことを繰り返すのはちょっとどうかなという、作業手順に疑問があるわけでございますし、また、専門家が集まって何度か鳩首協議、小田原評定したようでございますけれども、余りいい知恵はなくて、結局現地業者の案のとおりやったといったことが言われております。こういった岩塊の除去作業につきましても、非常に縦割りの弊害といいますか感ずるわけでございますが、これにつきましてどのように考えておられるのか、これは建設省にお伺いをしたいと思います。
  92. 城処求行

    城処説明員 今回の被災者の方の救生活動におきましては、非常に大規模な岩盤の崩落でありましたこと、さらに、被災者の方々への影響を極力回避しなくてはいけないということ、それから、当然緊急を要する作業でございますので十分な事前調査をやるというような余裕はなかったわけでございますし、御指摘がありましたとおり、二次災害の防止ということも考えなくてはいけないということで、取り巻く条件には大変厳しいものがあったわけでございます。  こういった条件のもとで、被災者の方の早期救出ということを最優先に考えまして、現地の状況を踏まえまして、民間の方のお力もかり、土質、地質、発破、構造といった専門家の方の御協力を得まして、発破を用いた救助活動を採用したということでございます。  実施に当たりましては、それぞれの段階ごとに、足場をつくるとか、せん孔というような作業があるわけでございますが、こういった準備作業につきましては昼夜を分かたずやったわけでございまして、最大限の努力をして救生活動を進めたということでございます。
  93. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 それでは続いて、家族への説明の問題なんですが、これはやはり二度目にかわった本部長が、家族から今後の救出作業を聞かれまして、関係機関の調整に二、三日はかかると言ったことについて大変ひんしゅくを買ったというふうに聞いております。  こういった家族の心情を考えると、本当に無神経な発言がせっかくの関係者の努力を無にする面があるわけでございまして、極めて慎重に、また、御家族の方の心を感じながらやらなければならない点だと思いますけれども、この点につきましても問題はなかったかどうか。これは北海道開発庁にお伺いしたいと思います。
  94. 小野薫

    ○小野説明員 御説明いたします。  今回の事故における御家族との対応については、救出作業の状況、今後の作業予定等について責任者から直接説明を聞きたいという強い要望が出されました。そのため、本部長みずからが御家族に説明したところでございます。しかし当初、救生活動を最優先として取り組んだため、御家族への説明等が必ずしも十分行き届かなかった面がございました。このため、現地に御家族の視点に立った親身な対応が行える体制や報道対応を整えるべく開発局の方から応援職員を派遣し、その体制の強化を図ったところであります。具体的には、衛星通信を利用したテレビモニターの設置ですとか説明に当たってのビジュアルなパネル、図面等の使用、そういうものがあるかと思います。  このように、現地の状況に応じ逐次体制の充実を図ったところでございますが、御家族などへの説明については、結果的に見て、情報提供の頻度、内容等について幾つかの反省点もあったというふうに考えております。  今後については、これらの経験を踏まえて、大事故発生時における適切な対応体制など、今後の課題として取り組んでいきたいというふうに思っております。
  95. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 続いて、この事故予知、予見可能性についてお聞きしたいわけなんですが、近年非常に地震が活性期に入りまして、我が国でも非常に地震がふえておりますし、北海道でも何度か大きな地震がありました。それに伴って、当然建設省としても、そういった危険の予知されるようなところについては点検をされたと聞いておりますし、また、この豊浜トンネルにつきましても、九一年ですか点検をされて、特に危険度はないといったような評価があったかと思いますけれども、この豊浜トンネルにつきまして、点検の結果どういう評価をしたのか、また、今回の事故予知、予見の可能性はなかったのかどうか、これにつきまして建設省にお伺いしたいと思います。
  96. 馬場直俊

    ○馬場説明員 お答えいたします。  北海道開発局におきましては道路防災を重要課題として受けとめ、防災点検や独自の調査、日常的なパトロールなどを実施してきたところでございまして、事故発生前日にも巡回しておりましたけれども、いずれも特段の変状を認めることができず、結果として事故を防ぐことができなかったとの報告を受けております。  事故の原因につきましては、既に北海道開発局内に、トンネル工学、地質工学などの学識経験者から成る事故調査委員会設置されておりまして、徹底究明を図ることになってございます。  一般的に、大規模な岩盤斜面の崩壊現象につきましては未解明な部分が多く、崩壊、崩落を予見することは技術的には著しく困難であるというのが現状でございますけれども、岩盤斜面の安定性を判断するためには岩盤の変状を把握するということが非常に重要なことでございますことから、従来から、点検等に当たって留意すべきことといたしましてこの点に取り組んできたところでございます。  平成八年度におきましても全国的な防災点検を予定しているところでございまして、点検方法等のより一層の向上など、総合的に取り組んでまいることとしております。  以上でございます。
  97. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 点検は非常に一生懸命やっておられると思いますが、まだまだ技術的に、視認が中心である、目で見た検査が中心であって、これではこれからは非常に不十分ではないかと私は感じており、もう少し突っ込んだ、センサー等で岩盤のそういった問題点を認知する等のこの面での研究開発努力が重要ではないかと思っておりまして、ぜひこの点で今後とも御努力をお願いしたいと思っております。  これとも関連しますが、補償の問題でございます。今回、国は監督責任があるわけでございますが、この補償の問題がどうなるのか。例えば、越前海岸で崩落事故のあったときには、これは県が管轄する道路でございますけれども、道路管理に瑕疵はなかったけれどもいわば和解が成立をして、総額五億五千七百万円が払われたと聞いております。今回の事故に対する補償については、今どういう検討がなされ、どういう方向で処理されるのか、お聞きしたいと思います。
  98. 塩島高雄

    ○塩島説明員 お答えいたします。  被災者の御遺族の方々の御心痛を考えますと、考えられる限りの誠意を持って接してまいりたいと考えております。関係機関とも御相談申し上げた結果、災害弔慰金につきまして支給する方向で 地元自治体と協議が行われているところでございます。  今のお話の損害賠償の問題につきましては、原因究明がまず必要でございます。そういうことで、できるだけ早くに原因究明を行いまして、適切な対処をしてまいりたいというふうに考えております。
  99. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 いずれにしても、時間をかけないということが大変大事だと思いますので、ぜひ早急に結論を出していただく。また、単に結論のみならず、結果的にやはり御家族が十分に満足のいく形で対応ができるよう、ぜひ関係当局には努力をお願いしたいと思っております。  この点に関して最後ですが、再発防止の問題、今回の事故教訓にして、できる限り総点検をやっていただきたい。日本全国何千カ所あるか知りませんけれども、やはり相当なこういった危険箇所があるはすでございますので、ぜひ総点検をお願いしたいと思っておりますが、再発防止に対して今どういった措置考えられているのか、建設省にお聞きしたいと思います。
  100. 馬場直俊

    ○馬場説明員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたけれども、今回の事故を重く受けとめまして、事故後直ちに北海道開発局内に学識経験者から成る調査委員会設置いたしまして、事故の原因について徹底究明を図ることとしております。  また、先生今おっしゃられましたけれども、道路を利用する皆様方に安心していただけるように、二月十三日付で全国の各道路管理者に対しまして、トンネル坑口部及び落石覆工、いわゆるロックシェッドでございますけれども、これが設置されている箇所ののり面、斜面について緊急点検を指示したところでございます。  一方、今回のような大規模な岩盤の崩落につきましては、従来の技術的知見では予測が極めて困難な現象でございますために、岩盤工学等の幅広い学術分野の英知を結集した委員会を発足させまして検討を進めていく考えでございます。  さらに、道路パトロールの充実強化や、現在実施中の一般国道二百二十九号を初め、このような厳しい自然条件下にある路線に係る防災対策事業につきまして、平成八年度予算の範囲内におきまして所要額を増額いたしまして、今回の緊急点検結果を踏まえて、新たな対策等の実施、それから先ほど先生指摘ございましたけれども、観測装置等の研究開発の充実を図るなど、安全性向上に取り組む考えでございます。  いずれにいたしましても、今回の事故教訓を踏まえまして、安全な道路交通の確保を図るために最大限の努力を傾注してまいりたいというふうに思っております。
  101. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 ぜひとも今の方向で御努力をお願いしたい。特にこの総点検、そして危険箇所の予知のための研究開発は大変重要な点だと思いますので、特段の御努力をお願いしたいと思っております。  それでは、災害のボランティア活動に関連をしましてお聞きをしたいと思います。  ボランティア活動は、今後、もちろん災害救助のみならず、二十一世紀の我が国国民生活において極めて重要な意味を持つ問題と我々認識をしておりまして、NPO法案等我々も提出をしておるわけでございますが、その中でも、特に災害救助のボランティア活動は大変重要なものと認識をしております。先般の阪神大震災でも多数の善意の方たちが物心両面にわたって被災者のために駆けつけたということは、どれほど大きな激励となったかということを我々は知るわけでございまして、今後ますますこういう活動の充実が望まれるところでございます。  そこで、時間もございませんので、国土庁中心になって、災害時におけるボランティア活動に関するアンケート調査というものを地方公共団体を対象に実施したと聞いておりますが、その結論、ポイントにつきまして、簡潔にお聞きしたいと思います。
  102. 村瀬興一

    ○村瀬政府委員 先生おっしゃいましたような趣旨で、私どもと自治省消防庁と共同いたしまして、全都道府県それから人口一万人以上の市区町村を対象としてアンケート調査を実施いたしまして、一月十七日に中間的な取りまとめを行ったところでございます。  その結果でございますが、阪神淡路大震災以前につきましては、多くのところが余り考えていなかったということでございます。阪神淡路大震災におきます災害ボランティア活動につきましては、非常に役に立ったというふうな評価をしております。阪神淡路大震災後の取り組みの変化につきましては、地域防災計画にボランティアを位置づけるとかというようなことがかなり、都道府県では半数以上、市区町村では四割足らずのところがそういった回答を寄せておるところでございます。それから、今後の必要となる取り組みにつきましては、ボランティアの受け入れ体制整備といったようなことを挙げておられるところでございます。
  103. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 それじゃ、今のこのアンケート調査に基づいて、今後どのような対策を講じようとしているのか、これは大臣にお聞きしたいと思います。
  104. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 遠藤先生のボランティア活動の御質問、大変ありがとうございます。つまり、大震災ということが起きますと、行政の敏速的確な対応ということは、これは当然だと思うのです。けれども、阪神淡路の震災で見られますように、ボランティア活動のあの行動に対しては、大変な感動と感銘を皆さんは受けたと思うのです。それから、地域住民の相互の助け合いということも、これも感動を受けたと思うのです。  そういう事実にかんがみまして、政府といたしましても、防災基本法に改めてこのボランティア活動の問題を位置づけまして、それで、防災問題懇談会からの提唱がありますので、一月十七日を防災とボランティアの日ということに設定いたしまして、同時に一月十五日から二十一日までを防災とボランティア週間というように設定をいたして、これから啓蒙活動を普及していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。  なお、今防災局長から申し上げましたアンケート調査が行われましたものですから、この結果を受けて、公共機関と協力をして、防災とボランティア週間の機会などをとらえて国民的な啓蒙に努力していく、こういう決意でございます。
  105. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 ぜひ大臣の御決意どおり、よろしくこのボランティアの問題、推進をお願いしたいと思います。  では、次には、経企庁にお願いしたいのですが、平成七年二月にボランティア問題に関する関係省庁連絡会議設置されたと聞いておりますが、特にこの災害ボランティアの問題に絞って、どういう活動状況になっておるか、お聞きしたいと思います。簡潔にお答えください。
  106. 江崎芳雄

    ○江崎説明員 お答えいたします。  委員質問の、ボランティア問題に関する関係省庁連絡会議でございますが、御質問にございましたように、内閣官房長官から、ボランティアや市民活動団体に関する制度上の諸問題について検討を行えということでございまして、平成七年二月に設置されたものでございます。  同会議におきましては、ボランティア等の実態把握、有識者並びにこういう活動を行っておられる団体からのヒアリング、こういったことを行いまして、ボランティア活動の環境整備あり方について検討を進めてまいったということでございます。  こうした検討の中で、災害ボランティアを含めまして、ボランティア全般の活動を促進していく環境整備が必要だ。この中で、特に団体の法人格の取得のあり方ということが非常に重要でございまして、こういうものが中心の議題として浮かび上がってきたということでございます。  なお、こうした団体に対する法人格の取得の問題につきましては、与野党におきまして精力的な検討が進められていると伺っておりますので、私どもといたしましては、この検討状況を見守って まいりたい、かように考えておる次第でございます。
  107. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 今度は自治省にお伺いをしますが、新聞報道によりますと、災害時のボランティア活動を後押しするために、新しいタイプの保険の商品化を損保会社に働きかけていくという方針を固めたとありますけれども、その中身につきましてお聞きをしたいと思います。
  108. 山下貴史

    ○山下説明員 お答え申し上げます。  委員の先ほどの御発言の中にもございましたように、阪神淡路大震災の際には、非常に大勢の災害ボランティアの方々が現地でさまざまな救援活動に従事されたわけでございますが、その際に、こうしたボランティアの方々が万一の事故に備えて加入する保険につきましては、地震等の天災やあるいは二次災害に伴う事故、これを補償の対象とはしていないものでございまして、その際に、保険会社が緊急に保険上の特例措置を設けるといった形で対応しなければいけない状況が生じたということで、制度上の問題がいろいろと指摘をされたところでございます。  そこで、このときの経験を踏まえまして、実際の災害ボランティア活動の場で十分機能する補償制度の整備について、損害保険会社にいろいろ取り組みを促したいという思いがございまして、私どもも入りまして、それから損害保険会社、それから関係地方公共団体の関係者にも入っていただきまして、昨年から、災害ボランティアに関する補償制度研究会というのを設けて現在研究を行っているところでございます。  先生が今御指摘の中間報告でございますが、これは災害ボランティアのための新しいといいますか、望ましい補償制度のあり方として、例えば補償の対象とすべき災害の範囲や、ボランティア活動の範囲をどう考えるべきかなどについて研究会でいろいろ検討しておるわけでございますが、その検討状況を中間的に整理をして取りまとめたものでございます。したがいまして、まだ具体的に結論が出されているわけではございません。  いずれにせよ、地震等の天災時にも補償が可能となる、災害ボランティアのための恒常的な、そして新たな補償制度が必要との立場から、既存の保険の仕組みを基礎としつつ、新たな補償制度の仕組みを引き続きこの研究会において検討していくということがこの中間報告の中では述べられているところでございます。  私どもといたしましても、研究会の一員として引き続きこの検討に加わり、早期にこの結論が得られるように協力していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  109. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 このボランティア、特に災害ボランティアの補償は大変重要な問題でございます。非常にリスクを伴う活動でもありますので、その災害ボランティアの活動を支援するためにはこういういざというときの補償の体制は大変重要な点でございますので、今の保険の点も含め、ぜひともこの実現方に努力をしていただきたい、我々も強力に支援をしていく所存でございます。  それから次に、危機管理体制につきまして一つお聞きをしたいのですが、内閣官房、お願いします。  新聞情報によりますと、大災害等の非常事態に機動的に対応するため、総理閣議決定を経ないで各省庁に指揮監督権を行使できるよう、内閣法を改正する方向で具体的検討に着手したというふうに報ぜられておりますが、その中身につきましてお聞きをしたいと思います。
  110. 安富正文

    ○安富政府委員 お答えいたします。  内閣法の改正についてでございますが、憲法においては「行政権は、内閣に属する。」ということで、内閣総理大臣個人ではなくて、合議体である内閣がその統括下にある行政各部を指揮監督する、そういう基本的な仕組みで憲法はできております。  したがいまして、一般論として、合議体である内閣の意思にかかわりなく内閣総理大臣単独の意思決定により指揮監督権が行使できるようにするということについては、憲法の趣旨に照らして問題があるという指摘がございます。  この点も踏まえまして、政府としては、総理の指揮監督権に関する内閣法六条の改正については慎重に今後とも検討していく問題というふうに考えております。
  111. 遠藤乙彦

    ○遠藤(乙)委員 時間が来ましたので終わりたいと思いますが、最後に一言。災害対策についてはやはりシステム上非常に問題があるということは、与野党を問わず意見の一致を見ているところだろうと思うわけでございます。  特に、日本型システムは、強いリーダーシップがなく、いわゆるボトムアップであり縦割りであるということもあって、いわゆる平時、物事が予想どおり進んでいくような事態においては非常に効率的ではあるかもしれないけれども、こういう不慮の災害等には極めて脆弱であるということが立証されたわけでございまして、特にこれから日本地震の活性期に入るということが言われておりまして、非常に災害が多発するということが想定をされますので、ぜひともこのシステムの改善を強力に進めていく必要があるかと考えております。  この点私、非常に印象深く思うのは、何でもアメリカがいいわけじゃありませんけれども、アメリカのFEMAの例が大変印象的でございます。FEMAの長官がたしか阪神大震災の直後に来日をされましていろいろインタビューをされましたが、非常に私も感銘深くこれを見たわけでございまして、ああいういざというときに権限を集中して強力なリーダーシップを持って災害救助に当たるという体制、まずこのシステムの問題が非常に大事だと思います。  それからもう一つは、適材適所といいますか、ふさわしい人材を得られるかどうかということでございまして、やはり十分なノウハウと経験と献身的な熱意を持った、そういう人材がリーダーシップをとるということは大変重要でありますので、そういう人材もこれから育成しなくてはならない。  それから第三に、予算の問題でございまして、十分な予算措置、もちろん予見できないこともありますので、予備費等も含め十分な予算措置がつけられるということが今後の日本災害対策の重要な点だと思うわけでございます。  特に、FEMAの長官の場合には、大変すぐれた人材という評価がありまして、まだ五十歳そこそこの方でございますけれども、余りにも活動が迅速であって、長官は災害が起こる前に現地に来ている、それほどの伝説ができたぐらいの人でございまして、日本にもぜひそういう人たちが多数出てくることを期待したいと思っております。  また、予算の点で災害対策、我が国はまだ非常に不備でございます。その点で今、住専で六千八百五十億円使われることに大変な国民の反発がありまして、きょうの新聞でも八七%が反対と聞いておりますけれども、ぜひ住専の予算を削除して、こういう震災復興とか災害救助に使う、そうするならば国民はもろ手を挙げて賛成するであろうということを強くお訴えをして、私の質問を終わりたいと思います。  以上です。
  112. 左近正男

    左近委員長 遠藤乙彦君の質疑は終了しました。  土肥隆一君。
  113. 土肥隆一

    ○土肥委員 市民リーグ・民改連の土肥隆一でございます。私も、神戸選出の国会議員でございますから、少なくとも災害特においては、しつこく阪神淡路大震災の被災地の問題を次々と提案したいというふうに思っております。しかし、委員の出席が悪いので、アナウンス効果がないなとちょっと残念なのです。  それからまた、予定ですけれども、十三日にはこの委員会が神戸に入るということでございますが、まあ、仮設住宅を見てもらうのも結構でしょう、港湾や道路などをいろいろ見てもらうのも結構ですけれども、やはり私は今、神戸市の職員、特に都市計画に携わる現場の職員が大変苦しんでおる問題がございます。それは、いわゆる区画整 理事業であるとか被災地の再開発事業であるとかというものに携わっている人たちの苦労でございまして、その辺も、やはり現地に行かれたら少しそういう人たちの声も聞いてあげたらいいのではないかなというふうに思っております。  私も、そういう現場の人たちと話し合いをするのですが、いろいろ問題点を指摘されながら、実は最近、この「阪神淡路地域の復旧・復興の状況」というのを阪神淡路復興対策本部事務局が出しました。こんなことをやっていました、こんなことをやってきましたということがいろいろ書いてある中の一番最後に、「市街地の整備」というのがございまして、地元において被災市街地復興推進地域の指定とあわせて、土地区画整理事業を十一地区、市街地再開発事業を六地区、面積の合計で二百六十八ヘクタールの地域の都市計画を決定している。そのうち、神戸市の新長田・鷹取地区の一部(鷹取東第一地区)及び尼崎市の築地地区においては土地区画整理事業計画を決定した。こういうふうに説明を読みますと、要するに、鷹取東第一地区と尼崎の築地地区だけというふうに読み取れるのですが、現状はどうなっているのでしょうか。
  114. 小沢一郎

    ○小沢説明員 被災市街地復興につきまして、区画整理事業等再開発事業の進捗状況について御説明をさせていた、だきます。  今御指摘にありましたように、被災後、地元の自治体におきまして、区画整理事業につきましては十一地区、合計画積にいたしまして二百三十ヘクタール、再開発事業につきましては六地区、三十八ヘクタール、合計二百六十八ヘクタールにつきまして都市計画決定がされたわけでございます。  その後、今日に至りますまで各地区におきまして公民協調の町づくりをして復興していこうということでございまして、それぞれの地区ごとにまちづくり協議会を地権者に組織していただき、それぞれの地区の復興まちづくり案なるものをまちづくり協議会で出していただく、それを行政側が受けとめて法定の事業計画にしていくということで、今まで鋭意協議が進められてきたわけでございます。  その中で、鷹取東第一地区、尼崎市の築地地区、この二地区につきまして、区画整理事業に関しましては既に事業計画が決定をされたということでございます。残りの九地区の状況でございますが、五地区につきまして、既に案の作成が終わっておりまして、縦覧等の手続も終わっておりまして、事業計画の決定に向けた最後の詰めの段階に来ているということでございます。  区画整理事業につきましては、事業計画が決まりますと、それぞれの地区におきまして区画整理の審議会というのをつくっていただきまして、そこでいろいろとまた御意見を伺いながら、恒久建築を可能にするために仮換地の指定というのがございます。この仮換地の指定の作業につきましても、審議会ができました後、速やかに作業が進むものと思っておりますが、順次、早い地区につきましては年内のそれほど遅くない時期にそういうレベルに達するものというふうに考えております。  一方、再開発事業につきましては、六地区のうち三地区につきまして、年度内に事業計画が決定されるべく地元で最後の協議が進められております。残りの三地区につきましても、年度明け、新年度のできるだけ早い時期にということで、行政とそれぞれの地権者の間のまちづくり協議会で議論がされているということでございます。  私どもといたしましては、まとまり次第、事業ができる地区から順次全面的に応援をしていこうということでございまして、これまでも予算措置はもちろん、新しい事業制度の創設も含め、あるいは要請に応じまして人的、技術的な支援を含めてやってきたわけでございますが、今後もさらに事業の推進が図られるように全面的に支援をしていこうというつもりでございます。  以上でございます。
  115. 土肥隆一

    ○土肥委員 建設省から見ればそういうことでしょうけれども、現場におる私どもとしてはなかなかそうはいかないのじゃないか。  年度末に鋭意努力するとおっしゃいますけれども、区画整理の手順の案内、資料をいただいているのですが、事業の進め方として第一段階から十二段階までございまして、今たった一つだけ第三段階まで来た。もちろん山場というのがありまして、事業計画・施行規程等の決定であるとか、あるいは、例えば土地区画整理審議会などというのも本当に地域住民の人が立候補して選挙で選ばれるのかどうか、審議委員を選ぶことができるのかどうかとか、換地設計案の作成などはこの次の段階で待っておりますけれども、現場でいろいろ聞いていますと、やはり結局それぞれの地域住民がどうしたら戻ってこれるかということと、それから今度は一人一人がどうやって自分の生活を立ち上げるかということになると、結局個人の問題に限りなく近づいてくるわけであります。  そうした中で、現地の出先の市の職員は懸命に頑張っているわけでございまして、ひとつ建設省も遠くから見るのではなくて近くで見ていただいて、そして何が問題なのか、問題の隘路はどうしたら解決できるのかというようなこともぜひとも御理解をいただきたい。  また当委員会でも、壮大な町づくりでありまして、こんなことは百年に一回あるかないかの話でございますから、どうやったらこういう大規模震災の後に町づくりが、あるいは町づくりの復興がなされるのかということを経験的にも知っていただきたいなというふうに思います。  私がいろいろ聞いておる中におきまして、一つ住宅市街地総合整備事業というのがございます。これは法律によらない事業でございまして、既に予算などもついていると聞いておりますが、この住宅市街地総合整備事業の進捗状況をお知らせください。
  116. 菊田利春

    ○菊田説明員 住宅市街地総合整備事業についてのお答えを申し上げます。  被災市街地の復興と被災者の方々のための住宅供給を推進するために、神戸市ほか四市の十五地区、千百八十ヘクタールの区域におきまして、震災復興の住宅市街地総合整備事業を実施しているところでございます。これらの地区におきましては、平成九年度までに地方公共団体及び住宅・都市整備公団によります従前居住者用の賃貸住宅九壬Fの建設に着手するとともに、土地所有者の方々によります共同建てかえ等に対しまして助成等の支援措置を講ずることといたしております。  土地区画整理事業でございますとか市街地再開発事業の施行に伴いまして、住宅を必要とされる方々でございますとか被災者の方々のために早期の住宅確保を図るため、従前居住者用の賃貸住宅につきまして用地確保を進めるということが必要でございます。現在までのところ約六千七百戸分につきまして用地を確保いたしております。今後とも地方公共団体等の要望を踏まえ、従前居住者用賃貸住宅につきまして用地確保や建設の推進を図るとともに、共同建てかえ等を通じた良好な市街地整備の推進につきまして万全の支援をしてまいりたいというふうに考えております。
  117. 土肥隆一

    ○土肥委員 大局的にはそうでしょう。それでもぜひとも——質問一つ残っておりますけれども、住宅支援政策なども弾力的に考えませんと、融資融資と、そして金利減免と言うだけでは、お金を借りられる人はいいのですけれども、借りられない人はどうにもならないわけであります。  それから、やはり銀行ローンに対する何らかのプレッシャーをかけないと、住宅金融公庫はいいですよ、政府がいろいろやってくれますから。銀行ローンで、銀行でダブルローンをかけているような人たちに対する働きかけ、あれは民間のことだからと言うわけです。先ほど住専というような話がございましたけれども、被災地では住専のペナルティーの一つに被災地の銀行ローンの金利の減免であるとか、あるいはダブルローンでもう融資の枠を超えていても、やはり幾らか、五百万なら五百万、オーバーローンになっても貸してやるというくらいの何か働きかけをしなければいけな い、私はこう思っておりますが、この場では質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  118. 左近正男

    左近委員長 土肥隆一君の質疑は終了しました。  暫時休憩いたします。     午前十一時四十五分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議
  119. 左近正男

    左近委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。穀田恵二君。
  120. 穀田恵二

    ○穀田委員 私、共産党の穀田です。  今ちょうど本会議でもありましたように、北海道豊浜トンネルでの岩盤崩落事故で犠牲になられた方々、また御家族の皆さんに心からお悔やみを申し上げたいと思います。  そこで、今も議論がありましたように、北海道南西沖地震以後いろいろな点検をなすった。また建設省、北海道開発局、それぞれそういう問題点、点検なすっていますね。そういうものが、評価の違いその他があったりなどして、いわば結果としてそれらが十分に機能しなかった、対策がおくれたという結果になっていると思います。  しかも、この間見てみますと、液状化が起こりますと液状化対策ということで全国で進める、さらに地震が起これば耐震性の強化について一定の強化を図る、こういうふうに、どうも事故が起きてから一つ一つ対策をとっていくということで、私は間尺に合わぬと思うのですね。何も、防災対策問題について全部短時日にやれ、こう言っているわけではないのですが、総合的になおかつ計画的に、今進行している計画をどう早めるか、また中央防災会議の、例えば大都市震災対策推進要綱などに基づく点検のありようを実のあるものにする必要があるのではないだろうか。  しかも、そのときに中心問題になるのは、きょうの話にもございましたように、各省庁任せにせずに中央防災会議並びに国土庁の積極的イニシアチブの発揮が求められているのではないかと思っています。この点での国土庁長官の御所見を承りたいと思います。
  121. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 先生御案内のように、今度の豊浜の問題は、もう総理からも御答弁があったと思いますが、道路の直接管理者にお願いを申し上げまして、北海道開発庁、同時に建設省の皆さんが大変御苦労をなさって、防衛庁についても警察についてもいろいろな対策をとってきたと思うのです。  さて、それはそれとして、これから一体、そういう事故に対してどういう対応考えるのかということは、今事故調査委員会等も開催されておりますので、そのことを十分受けて国土庁としても対応してまいりたい、そういうふうに思っております。  それから、全般的な対応についての点検でございますね。この点検については、トンネルについては、今建設省が全国それぞれの該当箇所について点検調査をしているということを聞いておりますので、これも調査後、国土庁としてもまた十分意見を聞いていきたいと思っておりますし、国土庁としても、震災に風雨それから津波などいろいろございますから、そういう災害対応できるように、これからも予知、点検などについても十分配慮してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
  122. 穀田恵二

    ○穀田委員 今ありましたように、トンネルは建設省、それぞれ省分けでやっているわけですよね。問題はそういうものをよく——先ほどありましたように、同じところでもBランクに指定されているところもあれば、別な角度から見れば四段階に指摘されて安定していると言う。片や不安定だと言っている。こういうことがあるわけですからね。  しかも、災害列島と呼ばれるくらい日本の場合はいろいろなものが起きるわけですから。この間も地震は起き、そして液状化は起き、岩盤崩落は起き、そういう意味でいいますと、ありとあらゆるものが起きたと言って過言でないと思うのですね。そういうものに備えるべく、全体としての計画をよくにらんでいただいて、それを省庁任せにせずに、積極的イニシアチブを持って国土庁がやっていただきたいということなんですね。よろしくお願いします。  そこで私は、次に阪神淡路大震災の復旧・復興問題についての基本認識について、震災復興担当大臣としての御所見を賜りたいと思います。
  123. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 阪神淡路地域の現状認識でございますが、電気とか水道等のライフラインや、道路、鉄道などの交通基盤施設等の復旧とか、瓦れき処理などについてはおおむね順調に進んでいるのではないかというように思っているところでございます。  しかし、一年が経過いたしまして、現在、住宅の問題であるとか、これから特定事業に指定されました生活の復興、それから経済の復興、そして安全な町づくりということに関しましては、十カ年の現地の計画でございますが、三年間に特定事業として、これも国がなるべく地方自治体と協議をいたしまして関係していくように実行したいと思っております。  特に、今までの総括的な問題や、現状不十分であるとか、置き忘れられた問題だとかというようなことにつきましては、現地は現地なりの点検をしていると思うのでございますが、先般、橋本総理が出かけていかれまして、その後お帰りになって、私や建設大臣、そして自治大臣にも御下命がございましたものですから、復興委員会が終了したために現地は何か中央から忘れられたというような感情があるということも聞かれたようでございまして、本日、復興本部の事務局長それから内閣審議室の方からも出かけていって、現地と今打ち合わせをしているところだと存じます。  そういう報告を受けまして、これからの対策についても万遺漏のないような対応をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
  124. 穀田恵二

    ○穀田委員 今ありましたが、総理大臣が被災地を視察してこう言っておられますね。「今までわれわれが気付いていなかった、また、実感がなかった、恒久住宅にどう移っていただくか、などの問題を肌に触れて感じた。」こう述べておられます。  そこで、今大臣からお話ありましたけれども、確かに現地で幹事会などを開くなどの計画は承りました。しかし、大臣所信内容を見させていただきますと、非常に簡単なんですね。復興の取り組みについても決定したということと、それから復興対策の推進については地方公共団体との緊密な連携のもと一体となって取り組んでいく、この二つなんですね。ここには、被災者が今どういうふうな実態にあるのかという被災者の声がどうも聞かれないのです。だから、その点をどう感じておられるかということを一つお聞きしたいのです。  しかも、今大臣もお触れになりましたように、中央と地方の温度差の問題などは既に各報道機関も報道しています。そういう点からいいますと、不十分な問題は何であるかということについては今少しお話がありましたけれども、聞きたいのは、救援対策はもう終結したのか、それから、不十分だと大臣自身が今お考えになっておられる点ほどこなのか、こういう点をお聞きしたいと思います。
  125. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 国としては、復興・復旧問題をとらえたときに、ある程度、ある程度というよりも、現状の段階では精いっぱいと申し上げてもいいと思いますが、国費で三兆三千八百億円投入いたしまして、事業費で八兆円になるわけでございますし、そのほかに現地で、市と県で御努力いただきました基金問題があるわけでございますね。そういう問題で、五十六の事業を今つかさどっているわけでございますが、初年度でございますから、県も市も精いっぱい努力しているのだと思います。  そこで、一番問題になっている置き忘れられた とか不十分であるとかという分野は、住宅問題なんですね。住宅問題については、総理も行かれて、なるべく恒久住宅に移行してもらいたいと。つまり、復興ということになりますと、やはり原則としては自立で復興していくというところを基本に置いておかないと、すべて援助というだけではいかぬように思うのです。ですから、自立の精神を持っていただいて、国はそこに大いなる支援をしていく。それから、それにどうも耐えられないという人も現実におるから、それは住宅の問題で特に家賃ということになるの、だと思うのですが、そういう問題についても、今回行って、現地からよく話を聞いてもらいたい。それから、各議員さんからもそれぞれの意見を聞いておりますから、総合勘案しながら、関係省庁と相談をしていくということにしたいと思っています。
  126. 穀田恵二

    ○穀田委員 もう一度質問しますね。被災者の声が余り触れられていないが、被災者の声はどういうふうにお感じかということが一つです。  今お話あったように、事業の話とお金の話で、何兆円つぎ込んだという話は出るのです。そして今お話あったように、住宅の問題が不十分だということもありました。家賃の問題もありました。私は、その点は同感です。しかし、果たしてそれだけだろうか。例えば自民党の幹事長の加藤氏は、「過去一年、政府も従来の枠を超えて取り組んできたが、まだ仮設住宅や避難所生活をしている人がいるなど万全とは言えない。震災からの立ち直りに必死でお手伝いしたい」と記者会見で述べておられるのですね。  そうすると、どうも今のお話を聞くと、事業のお金はつぎ込んだ、自治体も一生懸命やっている。それはやってはいるのですよ。だから、被災者がどんなふうに困っておられるのかという声をどうお聞きなのかと私は一つ聞いているのです。  それと、要するに、住宅の問題だけじゃないんじゃないか。いわば救援対策は、本当にいろいろ問題になっているけれども、終わったと認識されているのか。この二つをちょっと答えてください。大臣ですよ、基本問題ですから。
  127. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 復旧の方はおおむね順調に進んでいる。復旧ですね。それから復興の方は、これからの事業でございますから、これは地方と国とがタイアップして関係省庁連絡しながらやりましょう。  さて、被災者の声をどうやって聞いているのかという御質問でございますが、それは、我々は我々なりに、また先生先生なりに、国会は国会なりにそれぞれ、住民の声、被災者の声を皆さん反映なさっているわけでございます。それを今度は、国土庁とか各行政は、現地においていろいろ聞いておるわけですね。したがって、国の施策を投入するということになれば、やはり市とか県とかと十分連絡をとり合って対応するということが必要なんじゃないでしょうか。つまり、個々、個々の問題に一挙に国が対応するといっても、県、市から上がってきたもの、それから各先生方から御意見のあったものなどを、総合調整しながら対応するということが大切なのじゃないのかな、私はこう思っているところでございます。
  128. 穀田恵二

    ○穀田委員 私は、個々の声をどうかと言っているのじゃないのです。大臣は、神戸新聞のインタビューに答えてこう言っておられます。「親族が亡くなったりして、自力で立ち上がれない人が現実にいる。そういう人にどう援助の手を差し伸べるかが大切だ。そのためには行政レベルから話を聞くだけではなく、市民の方々と直接会って話を聞きたい。」こう言っておられるから、私言ったのですよ。  私は、個々の一人一人の話を聞くという意味じゃなくて、被災者全体の声が今どんな形で大臣のところに反映されておられるのか、胸に響いておられるのかということを聞きたいのですよ。それは、ここにあるように、「行政レベルから話を聞くだけではなく、」とわざわざおっしゃっておられるからそれを聞いたわけですよ。
  129. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 私は、十三日に出かけてきまして、各被災地を見せていただきました。またいろいろな声も聞きました。そこでお話し申し上げましたのは、やはり行政は行政なりに手当てをするのは当然だと思いますと。だけれども、何回言っても聞いてくれないとかそういうお話を時々伺うわけです。したがって私は、そのときには皆さんの声を直接、担当大臣であるから、自分も出かけてきて皆さんの意見を聞くようにこれから努めていきますということを申し述べました。  ただいま国会開会中なものですから、なかなか出かけていくということもできませんけれども、現地からの切実な声はそれぞれ担当局を通じて私のところにも報告がございますので、現状は認識しているつもりでございます。
  130. 穀田恵二

    ○穀田委員 ですから、そこの中心問題は何かと聞いておるのですよ。どういう声としてお聞きかと。そこで私は今、大臣がインタビューされた記事を引用させていただいたわけですが、「自力で立ち上がれない人が現実にいる。そういう人にどう援助の手を差し伸べるかが大切だ」。ところが、今お話あったように、復旧は順調にいっていると。救援対策は終わったのかということについて言いましたら、復旧は順調にいっている、こういうお答えですから、今、こういう自力で立ち上がれない人がいることに対してまともな援助がされているのだろうかということを私はお聞きしたいわけです。  そこで、これは一月十四日付の神戸新聞なのですが、被災者向けの各種減免措置は三月末で打ち切りだ、国保、保育、授業料などが打ち切られるということが書かれています。このように、実はいろいろな施策が三月末ないしは昨年末で次々と打ち切られていっているわけですね。そういう事実の中で、例えば、もう援助が要らないというふうな形でこれを打ち切られたのですか。
  131. 生田長人

    ○生田政府委員 お答えを申し上げます。  私どもといたしましては、被災者の方々の実情をできるだけきちんと正確に把握をしたいということで努力をしておりますが、基本的な考え方といたしましては、できるだけ被災者の方々に自分で自立の気持ちをお持ちいただきたいという気持ちがございます。自立の気持ちをお持ちになりながら自力ではなかなか難しい、つまり自立はしたいけれども自力ではなかなか難しい、こういった方々、困難な状況に置かれている方々に対しましては最大の支援をやっていきたい、こういう基本的な考え方対応しておりまして、中でもやはり住宅問題と、場合によっては雇用の問題あたりが大変重要になるのではないかというように思っております。  雇用対策につきましては、打ち切りの話もございましたけれども、私どもとしては、働く意思がおありでありながら職を得ることがなかなか難しい、こういった方々に対する支援は依然として継続をしております。  例えば、特定求職者の雇用開発助成金であるとか雇用調整助成金、あるいは生涯能力の開発の給付金、こういったものにつきましては、やはり自立をしていただくためには最大限の支援が必要であるという観点から、継続をさせていただいている、こういう状況でございます。
  132. 穀田恵二

    ○穀田委員 自立をしたいとみんな願っているのですよ。それは当たり前なんですよ。皆さん、そういう話を本当に仮設の住宅に行って話してごらんなさい、その話をそのまま。私はいつも思うんだけれども、ここの場だからそんな話ができるのですよ。私はいつもけしからぬと思うのは、自力で難しいということに対して最大限やっていると言っておられるんだったら、例えば今医療保険の一部負担金免除だとか保険料の減免措置を打ち切ったということは、そういう自力では難しい人はこの問題に限ってはいないということですか。
  133. 生田長人

    ○生田政府委員 ただいま先生指摘の点につきましては、私どもとしては、震災にお遭いになられて、その方々の救済のために応急緊急的な特例措置ということで認めてきておりますので、ある程度時間がたちまして、これからはやはり基本的に自立のお考えを持たれた方に対してはきちんとした支援をしていく、こういう立場で継続するも のと、そうでないものとを仕分けをしているという状況でございます。
  134. 穀田恵二

    ○穀田委員 じゃ、今の方々は、受けようと思っておられる方は自力で立ち上がろうとしていないと見るわけですか。私が言っているのは違うんだよ。そういう打ち切りというのは、すべての方々が自力で立ち上がれるというふうに、自力では難しいという方はもういないと判断しているわけね。それを聞いているんだよ。あなたがそう言ったから私言っているんじゃないか。
  135. 生田長人

    ○生田政府委員 大変舌足らずだったかもしれませんが、私が答弁いたしましたのは、自立したいという気持ちがおありの方に対して、我々としては最大限の支援をさせていただこうとしているということでございまして、決して自力で難しいという方を切り捨てようという趣旨じゃありませんので……。
  136. 穀田恵二

    ○穀田委員 自立したいと思っている方にはなんて本当に言ってごらんなさい。みんな立ち上がろうと思っているんだよ。全部が自立したいと思っているのですよ。それはもうあきらめている方というのは、そういう意味ではいますよ、大変だと思っている。しかし、自分たちではい上がろうと思っているからみんな頑張って生きているんじゃないですか。そういう話を、自立したいと思っている方にはなんて言ったら怒られますよ、絶対。私はそれは取り消してほしい、絶対に。  あなたが言っておられるのは、その際に自力では難しい人に対しては最大限の援助をしている、こう言うのですよ。しかし、高齢者の方々、病気をお持ちの方々、そして仮設住宅、あなた行った、行ったでしょう。前の大臣、池端さんは私に言いましたよ、あれは寒いと。そうしたら今度、総理大臣が行ってこられた方のところは、私の仮設住宅の方は暖かくてよかったと。それは暖かいところもあるでしょう。しかし、北の方へ行ったり西の方へ行ったら寒いのですよ。そういう方々もおられる。  自立しようと思っておるんだが、自力ではなかなかはい上がれない実態がある。そういう方々に対して、こういう打ち切りというのは、自力でははい上がれない人々に対する打ち切りと違うのかと私は言っているのですよ。自力ではい上がろうと思っている人は圧倒的多数で、まずほとんどの人ですよ。だから、自立したいと思っている方々にはなんという言い方は間違いだと私は思います。それが一つ。  それともう一つ。何回も私は聞いているんだが、例えば生活保護の問題でもそうですよ。あれだけのことが起こりながら、生活保護はふえていないのですよ。大臣、ふえていないのですよ。逆に打ち切りの方が多いのですよ、一年間通して見れば。そんなばかなことがあると思いますか。あれほどの大災害が起きて、大被害を受けて、避難所生活をされて、家財道具一切なくなって、そして職場がなくなって仕事がなくなって、収入がなくなって、一切のものがなくなって、それで生活保護が減るなんということがあると思いますか。こういう実態があらわれているのですよ。だから私は言っているのですよ。その辺どうです。
  137. 鈴木和美

    鈴木国務大臣 今政府委員が答えていることを誤解しないでほしいのですが、災害というものが起きたときに、今先生もおっしゃるように、すべての人が自力で立ち上がる、そういう気持ちの援助というものは私はやはり絶対必要だと思うのですよ。  そこで、自力で立ち上がりたいと思っているのだけれどもその手法とか方法がわからないという人と、あきらめている人とあるわけですね。だから、手法がわからないところは援助しながら手続を教えてやればいいと思うのですよ。  それから、そうやってもどうにもならないという人が現実に私は存在すると思うのですね。それはどうするのかということは、総理も、そこのところを関係省庁でもう一回綿密に検討してくれというお話なんです。そこで、面接調査をしないことには、アンケートだけではよくわかりませんものですから、それは市とか建設省さんにお願いをして早く実態調査をしながら、その実態を踏まえた上でどう対策をとるのかということを検討しようという段階がきょうまでの段階でございます。
  138. 穀田恵二

    ○穀田委員 もう一度聞きますけれども、じゃ逆に、自力で立ち上がれない人というのはどういう人ですか。
  139. 生田長人

    ○生田政府委員 例えば住宅問題を例にとってみますと、高齢で所得が低くて自分の資力をなくされているという方々がなかなか自力では住宅の建設はできない、こういった方々に対しましては、私どもとしては、公営住宅を初めとする公的賃貸住宅をできるだけ早く、できるだけ多く建築をしたいというぐあいに考えておりますし、なお、その公的住宅に関しましても、なかなか負担能力がなくて対応ができないという方々に対しましては、さらに工夫が何とかできないかということを現在検討させていただいているところでございます。
  140. 穀田恵二

    ○穀田委員 私、どうも被災者の方々と本当に意見を交わらせて聞いていただく必要があるなと改めて思いました。自力で立ち上がれないとかそういう話をすると必ず、すぐ住宅、次の住宅という話に行くのですね。まず、今の生活自身のところに対してきちんと手当てを、援助をする必要があるということを私は主張しているのですよ。  自力で立ち上がれない方々が実際には生活保護が減っていたり、雇用保険が切られたり、それから国保料の減免措置が切られたり、全部切っているのですよ。全部切っているのですよ。それで、すべての方々に対してそういう冷たい仕打ちをしているのじゃないかと私は思うのですよ。今必要なんですよ。住宅の問題も必要だけれども、今助ける問題についてもきちんとやっていただきたいと思っています。  もう時間がありませんから、一つだけ最後に聞きますが、公営住宅、公団住宅の仮住まいされた方々に対する援助の問題です。それは仮設住宅並みに入居の期限を二年間に延長すべきだ。それがなぜできないかということをお答えいただきたいと思います。
  141. 大久保和夫

    ○大久保説明員 先生お尋ねの公営住宅に一時入居されております世帯は、本年一月末現在で当初の約半分、四千百世帯余りということになっております。これらの方々については、一年間の一時入居期間の経過後も逐次正式な入居に切りかえて入居を継続できるということにしておりまして、またさらに収入が著しく低い等、特別の事由のある方については、必要に応じて家賃の減免を行うように指導しておるところでございます。  それから、公団住宅でございますが、一時入居の住宅というのは、仮設住宅等の不足を補うために、公団が建てかえ事業の必要上確保していた住宅等を地元の公共団体に無償で貸与いたしまして、被災者が一時的に入居していただいているということになっておりまして、本年一月末現在で当初の半分弱の千五百世帯余りということでございます。  一日も早く恒久的な住宅へ入居していただくということで、地元公共団体で面接調査等の意向把握を行った上で、公営住宅、公団住宅へのあっせんに取り組んでいただいておりまして、約七割の方は既に四月以降の入居先が決まっております。また、残る三割の方についても一日も早く恒久的な住宅に入居していただくということで、公営・公団住宅へのあっせんを公共団体にお願いしておりまして、公団としてもあっせん用住宅として比較的低家賃の住宅あるいは従前の居住地に近い住宅を用意させていただいております。これらの取り組みで、できるだけ早く恒久的な住宅確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
  142. 穀田恵二

    ○穀田委員 私は、仮設住宅並みに入居の期限を二年間に延期すべきだ、それは何でできないのかという話を聞いているんですよ、数字は知っているわけですから。要するに、厚生省に二年に延ばしてほしいということを私は言っているんですよ。  一つは、厚生省の「生活の場確保対策について」という文書によりますと、民間アパート等は 御承知のとおり仮設住宅として扱う、こう言っているのですね。その際、応急住宅対策として公営住宅だとか公団住宅をあっせんしたわけで、その際、選択の余地はなかったわけだから、そういう意味では同じ扱いにすべきじゃないかということが第一の理由なんですよ。  二つ目に、「被災者用一時使用住宅の入居募集について」という文書によりますと、これは公営だと思うのですが、記者発表の文書には、みずから住宅を確保できるまでの間、こう書いてあるんですね。だとしたら、意向調査などと言って、有料の入居しかないんだというふうなことを無理強いすべきではないと私は思っているんです。しかも今、正式入居というお話がありました。正式入居というのは、結局、住民票を移しなさいということですね。そうなってしまうんですよ。そうなりますと、もとの町に戻りたいという方々の希望というのもあって、それがまた配慮が必要なんじゃないか。したがって、二年間に延ばすべきだ。  それから三つ目に、今お話しした、みずから確保できるまでの間という考え方、こういう精神で公団も扱うべきではないだろうか。今お話があったように、次の行き先が決まったことを確認できていない方々は三割、約四百四十人おられるそうですが、その方々に今月末にともかく出ていけなどという対応ではなくて、弾力的対応をすべきだと思うのです。  今言いました三つの点についてお答えいただきたいのと、最後に、恒久住宅への入居に当たって、大臣からもお話ありましたけれども、家賃補助の問題なども考えておられます。そうだとしたら、今の高齢者の比率が高い公団入居者に対する家賃補助なども具体的に考えるべきではないか、そういう形で手当てをしていく必要があるのではないかと思うのですが、その点についてお答えいただきたいと思います。
  143. 大久保和夫

    ○大久保説明員 住都公団の住宅等は、公団自体が中堅勤労世帯の適正な家賃の住宅を供給するという目的で設置されておりまして、そういう住宅として供給をされております。それを目的外的な緊急措置として入居をしていただいているということでございまして、そういう意味では仮設で、ある時期には通常の利用形態に移行していくということもやむを得ないのではないかと思っております。  それから、家賃の問題でございますけれども、特に公営につきましては、先ほど申し上げましたように減免の仕組みもございます。それから、総理大臣からは、建設省あるいは関係省庁において何か工夫できないのか検討するようにという御指示もいただいておりますので、そういうことで検討させていただきたいと思っております。
  144. 穀田恵二

    ○穀田委員 今月末の話はどうですか。今月末に出ていけなどということはしないんですね。
  145. 大久保和夫

    ○大久保説明員 先ほど申し上げましたように、現時点では地方公共団体と連携いたしまして、一日も早く恒久的な住宅へ入居できるようにということで調査等をやっておる段階でございます。いずれにせよ、被災者の方々が居住の場の確保に困るというようなことがないように、公共団体と連携いたしましてきめ細かい対応をしていきたいというふうに考えております。
  146. 穀田恵二

    ○穀田委員 では、要するにそういう追い出しなどということはしないということだと理解して、終わります。
  147. 左近正男

    左近委員長 穀田恵二君の質疑は終了しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十六分散会