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松下参考人 はい、わかりました。誤解をしておりまして、どうも失礼いたしました。
御趣旨のとおり、私は、薬務局長時代、サリドマイドの和解の原告団と折衝いたしました
責任者でございます。厚生大臣にかわって、和解にまでこぎつけまして、その確認の文書も
記憶いたしております。
その当時といたしましては、やはりこういう薬害というものは、とにかく
日本の
医療の発展のために非常に大きな障害になると。
ここでちょっと個人的なことを申し上げて恐縮ではございますが……(山本(孝)
委員「短目にお願いします」と呼ぶ)はい、わかりました。
では、それは省略いたしまして、その後、
薬業界に入り、
薬業団体から
ミドリ十字に誘われて入っておりまして、ですから、初めに申し上げましたように、会社といたしましては、できるだけ有効で安全な
製剤を供給するということに対しては、私だけではなくて、全
役職員がそういう使命感を持っておったことは断言してよろしいと思います。
ただ、
エイズのような問題につきましては、いろいろないきさつがありまして、初め、
アメリカで
エイズが報告されました際に、これはたしか
安部先生が
参考人としても強調しておられましたが、
感染ということと発病ということとがわかっていなかった。
ウイルスも発見されていなかったわけでございまして、ですから、発病した数が
血友病患者に対してどれぐらいあったかというような統計数字をもって学問的な処理をしておった。そういう
資料を私
どもは入手いたしまして、一方で、
濃縮製剤というのは、先ほ
ども御説明いたしましたように、極めて
血友病の
患者に対しては有効なものでございます。これは、
濃縮製剤ができましたときに、
患者の方たちからも私
どもは直接お話を聞いております。
そういうような状況のもとにおきまして、まだそれを防止する
方法がない
段階で、結局、
厚生省がお悩みになりましたのと同じように、従来の品を提供していくのか、あるいはそこでやめてしまって、
血友病の
治療に支障を来してもそれを我慢するのがいいのかという二者択一の
段階であったと思います。今、
衛藤先生が御
指摘になりましたように、そういう時期を通ってだんだんと
危険性が明らかになってきたという
段階でございまして、今さかのぼって
考えますと、確かにいろいろな面で
情報の把握が不十分な点がある。
ただ、こういう今まで世界になかった奇病につきましては、医学的な説もまちまちでございまして、いつ、どういう点で踏み切るかということはそれぞれの
判断があったと思います。結果としてこういう結果になりましたことは、私も大変申しわけないし、残念だと思っておりますけれ
ども、
ミドリ十字は
ミドリ十字といたしまして、学術
関係、
研究関係を総動員いたしまして、
情報の収集に努め、できるだけの
対策は講じてきたと思っております。
ただ、もう一つ……。