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菅国務大臣 今回の薬害エイズをめぐりまして、本当にこういう問題が再発をしてはならないということの
指摘を裁判所からも強くいただいております。そのときに、かつてのサリドマイドのときにも同じことを国は言ったではないか、あるいはスモンのときも同じように再発防止を誓ったではないか、それなのに三度目、またこういう問題を起こしたということを重く受けとめてこれからの対応を
考えろというふうに
指摘をいただいております。
私も、サリドマイドのとき、あるいはスモンのときのことを若干聞いておりますと、今、荒井
委員からもありましたが、例えばスモンの場合は、キノホルムという薬が、単に使われたというよりも、従来
目的とされていた別の
目的に対して大量に使用されることによって発生した。あるいはサリドマイドの場合も、単に睡眠剤としてだけではなくて、つわり防止のためにも使われるというようなことからああいった悲劇が特に拡大したという
指摘もあります。また、クロロキンといったような問題でも、本来はマラリアに
効果的だとする薬を他の
目的でやはり大量に使ったことによっていろいろと生じたという
指摘もあるわけであります。
そういった
意味で、まさに今おっしゃったように、薬害というものは、単にその薬そのものの副作用あるいは毒性といった問題ももちろんありますけれ
ども、使用の仕方によって生ずることもたくさんあるわけでありまして、それが、
一般的に日本では他の国々に比べて薬の使用量が非常に多いのではないかという
指摘を従来からいただいております。そして、その背景に今
委員のおっしゃいました薬価差益という問題が横たわっているというこの
認識も、従来から多くの識者が
指摘をしておられるわけであります。
そういった問題、そういった
指摘を含めて、今回、薬害エイズを踏まえて今後の薬事
行政を
考える中でこの問題もやはり関連が深い問題でありますし、また同時に、今の医療保険制度全般の問題としても大きな問題だと思っております。
また、病院経営にとってこの薬価差益がある
意味で当てにされているという現実も聞いておりますけれ
ども、これからの
改革がどういう形で議論されるかにもよりますが、私としては、本来例えば技術料とか初診料とかで払うべきものについてはそういう形できちんと支払われて、もし、薬の差益という形で結果的に医療
機関にプラスになるということをもともと当てにしなければならないということであるとすれば、それは
改革をする必要がやはりあるのではないか。
こういったもろもろの問題を念頭に置きながら、今回、医薬品の適正使用と薬剤費の適正化を図る
観点から、薬価差益をめぐる現状の分析を行うとともに今後の薬価調査や薬価差益解消方策について
検討するため、
厚生省内に薬価問題に関するプロジェクトチームをこの四月十六日に
設置させていただいたところであります。