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1996-03-25 第136回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年三月二十五日(月曜日)     午前十時十分開議 出席委員   委員長 日笠 勝之君    理事 栗原 博久君 理事 栗原 裕康君    理事 林  幹雄君 理事 井奥 貞雄君    理事 土田 龍司君 理事 網岡  雄君    理事 宇佐美 登君       片岡 武司君    金子 一義君       久野統一郎君    七条  明君       中村正三郎君    福永 信彦君       古屋 圭司君    茂木 敏充君       江崎 鐵磨君    実川 幸夫君       樽床 伸二君    藤村  修君       山本 孝史君    今村  修君       田中 恒利君    山下洲夫君       藤田 スミ君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 亀井 善之君         国 務 大 臣 中西 績介君  出席政府委員         総務庁長官官房         交通安全対策室         長       井野 忠彦君         運輸省鉄道局長 梅崎  壽君         建設省都市局長 近藤 茂夫君         建設省道路局長 橋本鋼太郎君  委員外出席者         特別委員会第一         調査室長    田村 勝美君     ————————————— 委員の異動 三月二十五日  辞任         補欠選任   浜野  剛君     福永 信彦君   山下洲夫君     今村  修君 同日  辞任         補欠選任   福永信彦君      浜野  剛君   今村 修君      山下洲夫君     ————————————— 三月二十二日  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八号)  交通安全対策に関する件(交通安全基本計画)      ————◇—————
  2. 日笠勝之

    日笠委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、交通安全基本計画について、政府から説明を聴取いたします。中西総務庁長官
  3. 中西績介

    中西国務大臣 第六次交通安全基本計画について御説明いたします。  この第六次交通安全基本計画は、陸上、海上及び航空交通の安全に関する施策の大綱を定めたものであり、交通安全対策基本法第二十二条の規定に基づき、去る三月十二日、中央交通安全対策会議において決定されました。  近年の道路交通事故情勢につきましては、事故発生件数平成七年には約七十六万件と三年連続して過去最悪を更新しており、死者数については一万六百七十九人と八年連続して一万人を突破し、負傷者数も二十四年ぶりに九十万人を突破するなど、極めて憂慮される状況にあります。近年の死亡事故の特徴を見ると、特に高齢者死者数増加が顕著であり、また、自動車乗車中の死者のうちシートベルト着用の方が七割以上を占めるなどの点が挙げられます。  また、鉄軌道交通海上交通及び航空交通事故につきましては、件数こそ増加傾向にないものの、交通機関大型化高速化等に伴い、一たび事故が発生した場合には、多数の人命が失われるおそれがあり、対策の一層の強化を図っていくことが必要であります。  このような状況から、交通事故防止は、従来にも増して、国、地方公共団体関係民間団体、さらには国民一人一人が全力を挙げて取り組まなければならない緊急かつ重要な課題となっておりますので、引き続き、平成年度から平成十二年度までの五年間について、第六次の交通安全基本計画を作成し、交通安全対策を総合的かつ強力に推進することとしたものであります。  この基本計画においては、人命尊重の理念に立つことはもちろんのこと、交通事故がもたらす社会的・経済的損失をも勘案して、交通事故及びこれによる死傷者根絶を目指す立場から、交通事故実態に対応した適切かつ効果的な施策を総合的に策定し、国民理解協力のもと、官民一体となって強力に推進することとしております。  もとより、交通事故により国民のとうとい生命が失われてしまうようなことはあってはならず、交通事故根絶究極目標ではありますが、道路交通については、本計画に基づく施策推進により、当面、年間交通事故死者数平成九年までに一万人以下とし、さらに平成十二年までに九千人以下に抑止することを目指しております。  また、鉄軌道交通海上交通及び航空交通につきましては、交通量の拡大、多様化等に対応して、各般の安全対策を総合的に推進することにより、交通事故の一層の防止に努めることといたしております。  この基本計画に基づき、国の関係行政機関及び地方公共団体においては、交通状況地域の実情に即して、交通の安全に関する施策を具体的に定め、これを強力に実施することとしております。  今後とも、委員長を初め、理事委員皆様方の御理解と御協力を心からお願い申し上げる次第であります。  なお、この基本計画概要につきましては、交通安全対策室長から説明をいたさせます。
  4. 日笠勝之

  5. 井野忠彦

    井野政府委員 計画概要について御説明いたします。  まず、道路交通の安全につきましては、あらゆる交通安全対策出発点となる総合的な事故調査分析交通安全対策効果評価予測等に基づいて、効果的な施策実施していくこととしております。  また、高齢化情報化国際化進展など近年の社会情勢の変化に対応するとともに、交通需要交通円滑性快適性、防災の観点等にも十分配慮して、施策を行っていくこととしております。  以上のような考え方に基づき、具体的には、次のような施策を展開することとしております。  第一に、高齢者交通安全対策推進であります。  高齢化の進行に伴い、今後とも増加することが懸念されている高齢者交通事故防止するため、参加実践体験型の交通安全教育推進や、弱者感応信号機、幅の広い歩道、コミュニティーゾーン形成等による歩行空間整備適性検査運転実技教育充実等による高齢者安全運転対策等推進することとしております。  第二に、シートベルト着用の徹底であります。  自動車乗車中の死亡事故においてシートベルト着用者が高い割合を占めていること等を踏まえ、後部座席におけるシートベルト着用や、子供を同乗させる場合におけるチャイルドシート利用を含めたシートベルト着用推進を図ることとしており、そのため、あらゆる機会をとらえた普及啓発活動や、教育・広報と取り締まりを組み合わせたいわゆるステップ方式等着用推進施策実施することとしております。  第三に、安全かつ円滑な道路交通環境整備であります。  まず、交通事故の集中する事故多発地点について、重点的に対策を講じることとしております。また、交通安全施設高度化等を図るとともに、高度道路交通システム、いわゆるITSの推進や、交通需要マネジメント施策推進官民一体となった駐車対策推進等を図ることとしております。さらに、阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、災害時における交通安全を確保するための施策充実することとしております。  第四に、交通安全教育推進であります。  幼児から高齢者に至るまでの交通安全教育一貫性確保を図るとともに、参加体験実践型の教育の一層の普及を図ることとしております。また、運転者教育については、免許取得時はもちろんのこと、免許取得教育及び免許取得後の運転実技教育等についても、その充実を図ることとしております。  第五に、車両安全性確保であります。  側面衝突基準導入等車両安全基準の拡充・強化実施するほか、先進安全自動車、いわゆるASVの開発支援や、自動車安全性に関する研究開発の一層の促進等を図ることとしております。  第六に、効果的な指導取り締まり実施であります。  交通事故に直結する違反交通渋滞を引き起こす違反、その他国民への迷惑性の高い違反に重点を置いた効果的な指導取り締まり推進することとしております。  第七に、救助・救急体制整備であります。  交通事故による負傷者搬送途上における応急措置充実等を図る観点から、救急救命士の養成・配置の一層の促進ドクターカー活用推進を図るとともに、ヘリコプターによる救急業務実施等推進することとしております。また、救急救命センター等の一層の整備促進を図ることとしております。  第八に、事故調査分析交通安全に関する調査研究充実であります。  交通安全対策の原点となる事故調査分析充実強化を図る観点から、交通事故総合分析センター充実活用を図るとともに、交通安全対策に関する効果評価予測等に関する調査研究や、高度道路交通システムに関する研究開発充実等を図ることとしております。  第九に、官民一体となった交通安全推進体制確保であります。  国、地方公共団体及び民間団体等一体となった交通安全推進体制を一層強化するとともに、交通安全に関する国民挙げての活動の展開や、地域における住民参加型の自主的な活力ある交通安全活動推進を図ることとしております。  以上に述べた施策を中心として交通安全対策を総合的に推進することにより、年間交通事故死者数平成九年までに一万人以下とし、さらに平成十二年までに九千人以下とすることを目指すものであります。  次に、鉄軌道交通の安全につきましては、列車高速化高密度化に対応して、運転保安設備整備運行管理体制充実等の諸施策促進するとともに、高齢者身体障害者等の安全な利用に配慮した駅施設整備等促進することとしております。また、鉄道構造物耐震性強化等も図ることとしております。  また、踏切道交通の安全につきましては、踏切事故防止総合対策に基づき、立体交差化及び構造改良踏切保安施設整備交通規制実施統廃合促進等施策推進し、踏切事故防止に努めてまいります。  海上交通の安全につきましては、海上交通複雑化ふくそう化に対応した海難防止対策推進するとともに、進展の著しい通信技術等活用による安全対策海洋レジャー進展等に伴う安全対策推進することとしております。また、港湾施設耐震性強化等を図ることとしております。  航空交通の安全につきましては、航空交通量増加航空機大型化高速化等に対応して、航空保安システム空港整備航空機の安全な運航の確保航空機検査体制充実等の諸対策推進することとしております。また、空港航空保安施設耐震性強化等を図ることとしております。  第六次交通安全基本計画概要は以上のとおりであります。
  6. 日笠勝之

    日笠委員長 以上で説明は終わりました。      ————◇—————
  7. 日笠勝之

  8. 亀井善之

    亀井国務大臣 ただいま議題となりました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  踏切事故防止及び交通円滑化を図るため、政府といたしましては、昭和三十六年に制定されました踏切道改良促進法に基づき、踏切道立体交差化構造改良あるいは踏切保安設備整備を進めてきたところであります。本法に基づく踏切道改良は、五カ年間改良すべき踏切道を指定して行われるものでありますが、対象とすべき踏切道の数が膨大に上るため、昭和四十一年度以降六度にわたって改正され、改良すべき踏切道を指定することができる期間延長されてまいりました。  このような措置により、踏切道改良促進され、踏切事故も逐年減少傾向を示しておりますが、なお、平成年度において踏切事故件数は五百四十件を数え、三百七十名の死傷者を生じております。この種の事故は一たび発生すると重大な結果をもたらすおそれがあり、また、現在においても改良の必要な踏切道がなお残されている状況にかんがみ、踏切道改良をさらに促進するため、本法改正して踏切道改良措置を講ずる期間平成年度以降さらに五カ年延長しようとするものであります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  9. 日笠勝之

    日笠委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  10. 日笠勝之

    日笠委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。実川幸夫君。
  11. 実川幸夫

    実川委員 新進党の実川幸夫でございます。  今回、当委員会に提案されました踏切道改良促進法に関連しまして、何点か関係省庁に御質問させていただきます。  今、長官あるいは大臣からもいろいろとお話がございましたけれども交通事故、その中でも踏切事故を含みまして、これは少しでもなくそうという願いは国民全員が一致するところだと思います。にもかかわらず、関係省庁、きょうは両大臣お見えでございますけれども、また、あるいはいろいろな団体の努力にもかかわらず一向に交通事故がなくならない、これが現状ではないかなと思います。  先ほど長官からも御説明がありましたように、昨年は九十万人以上の方が亡くなり、また、けがをなされたという御説明がございました。また、その中でも、亡くなった方が一万人以上、これが八年も続いている、本当に憂慮すべき事態、これが今の交通状況ではないかなと思います。そういう中で、今大臣からも御説明がございましたように、この踏切事故、多少ではありますけれども減少傾向にあるということでございます。これは大変結構なことではないかなと思います。  そういう中で、今回この法案が提案されたわけでございますけれども、これは少しでも踏切事故をなくそう、そういう趣旨のこの法改正あるいは延長だと思います。そういう点を踏まえますと、私も、この法改正あるいは延長に対しましては、大いに賛成する一人でもございます。  そういう点を踏まえまして、何点か質問をさせていただきたいと思います。  実は、その前にお許しをいただきまして、ちょっと余談になりますけれども、この法案に対しまして非常に関連深い出来事がございました。  と申しますのは、私の地元で、どの地域でもそうだと思うのですけれども交通遺児チャリティーショーがございます。たまたま一週間前の日曜日に私の地元でそのチャリティーショー交通遺児に対しますチャリティーショーがあったのですけれども、その中で、交通遺児のお子さんがこれまでの経験等を踏まえて作文を発表する機会がございました。中学生の女の子でしたけれども、ちょうど十年前にお父さんが踏切事故で亡くなった、そういう内容お話でございました。  そのときの事故踏切は恐らく、その内容ですと、無人踏切でなかったかと思います。現在ではその踏切は立派になっておりまして、事故もない、遮断機もある、そういうような改良された踏切になっておる。今思えば、その事故、その当時完全な踏切になっておればそのような事故が起きなかったであろう、そういうような趣旨作文でありました。  さらに、最後には、まだ全国にも幾つも、何千カ所も危険な踏切があるから、できれば一日も早く、私どものような不幸な家庭にならないようにそういう踏切をつくってもらいたい、そういう趣旨作文がありました。  ちょっと余談になりましたけれども、この法案に対しまして余りにもぴったりな作文でありましたので、御披露させていただいたわけでございます。  それらを踏まえて何点か質問をさせていただきます。  まず最初ですけれども、先ほど長官また大臣からもお話がありましたけれども、これまで、この数年間、多少踏切事故が減っているというふうに説明がありましたけれども、現実にこの数年間数字あるいはどのような踏切事故が起きているのか、あるいは全体的な交通事故踏切における割合、その数というものを教えていただき、それから、今回提案されました法案に対します目的あるいは改正必要性、これをできれば詳細に御説明をいただければと思います。
  12. 梅崎壽

    梅崎政府委員 お答え申し上げます。  まず第一に、事故状況でございますが、今一番新しい数字平成年度数字でございますが、これと十年前を比較いたしますと、十年前、昭和五十九年度でございますけれども運転事故件数は千六百六十九件ございまして、そのうち踏切事故は九百二十件でございました。  これに対しまして、その五年後、昭和六十三年度でございますけれども運転事故件数は千四百六十八件、うち踏切事故件数が八百六十件でございます。  済みません、平成年度の十年前は五十九年度でございます、その五年後で申し上げますと平成年度でございますけれども、元年度で見ますと、運転事故件数が千四百七十九件で、うち踏切事故件数八百六十件というぐあいに、五年後を見ましても減っております。  それから、平成年度で申し上げますと、運転事故件数は千七十三件で、うち踏切事故件数五百四十件という状況でございまして、逐次減少傾向が見られるわけでございます。  それから死傷者数運転事故にかかわります死傷者数で見ましても、昭和五十九年度は、全体の運転事故死傷者数が千三百二十二人、このうち踏切事故にかかわる死傷者数が五百三十九人でございます。これをやはり同様に五年後の元年度で見ますと、全体の死傷者数が千二百七十四人、うち踏切事故死傷者数が五百六十人、これは五十九年度より若干上がっております。  ただ、平成年度で見ますと、運転事故死傷者数は八百五十八人で、そのうち踏切事故死傷者数は三百七十人というぐあいに、これもおおむねやはり減少傾向にあるという状況でございます。  このような状況でございますが、このように減ってまいりました背景には、やはり今お願い申し上げております踏切道改良促進法による措置を初め、あるいは踏切道統廃合であるとか、交通規制であるとか、踏切事故防止キャンペーン実施などによります総合的な踏切事故防止総合対策推進ということが大変寄与してきたものではないかと考えております。  私どもとしましては、これからも引き続きこのような施策充実に努めてまいりたいと考えております。
  13. 実川幸夫

    実川委員 いろいろと細かく説明をいただきましたけれども、今後いろいろなキャンペーンとかを張るということをお答えいただきましたけれども、きょうは大臣もいらっしゃいますので、これから春休みあるいは交通安全週間に入りますけれども、さらに万全たる態度で指導していただきたい、このように思います。  それから、二番目に入りたいと思いますけれども、本法案改正に伴いまして、いわゆる省令で定める指定基準、これまで改正するかどうか、お伺いをしたいと思います。  すなわち、これまで続けておりました立体交差化、あるいは構造改良保安設備整備指定基準、これは当然、見直すことによりましてより安全な踏切道にするというねらいがあると思うのですけれども、特にその中でも、これは大都市に近いところに多いのですけれども警報時間が長い、いわゆるいらいらする、あかずの踏切と申しますけれども、これは各方面からいろいろな形で陳情あるいは要望等があると思います。これらを踏まえて、できれば詳細に説明をいただければ、このように思います。
  14. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいま御指摘ございましたとおり、踏切道改良促進法に基づく具体的な改良に関しましては、省令基準を定めております。  立体交差化構造改良に関しましては、私ども運輸省建設省共同省令で定めるということになっておりますが、この立体交差化構造改良に関する基準につきましては、従来の指定基準を踏襲いたしまして、今後ともこの改良促進に努めていきたいと考えております。  それから、保安設備整備にかかわる基準でございますが、これは運輸省令で定めております。この点に関しましては、現在まで踏切遮断機整備を進めてまいりまして、平成年度末で、全踏切の八割強に踏切遮断機整備されている状況にございます。しかしながら、ただいま先生御指摘ございましたとおり、列車ごと踏切道におきます警報時間の差を必要最小限にいたします踏切警報時間制御装置に関する規定を新たに整備いたしまして、踏切遮断機つきのいわゆる第一種踏切道の質の向上を図っていくということをしたいと考えております。そういうことによりまして、警報時間が長いことによるいらいら感防止をいたしまして、交通円滑化に寄与していきたいと考えております。  それから、踏切保安設備関係であと一点ございますが、実際には、踏切道につきまして、保安設備整備する場合、第一種化を行うというのがほとんどでございます。すなわち、自動遮断機つき踏切道にするというのがほとんどでございます。自動遮断機ではなくて警報機だけを整備する踏切道といいますのは、すなわち第三種化でございますけれども、これは技術的に困難な場合に限られている。このような状況にかんがみまして、今後は、原則といたしまして踏切遮断機の設置を義務づけるよう基準改正をしたいと考えております。
  15. 実川幸夫

    実川委員 今立体交差化あるいは構造改良保安設備、いろいろと改良の御説明をいただきましたけれども、この三点につきまして、恐らく費用がかさむ、これはもう当然ですけれども、私も、市町村長あるいは各県からもいろいろと御要望をいただいております。  費用がかさむということは当然わかるのですけれども、その費用分担ですけれども、いわゆる事業者あるいは道路管理者、また今申し上げました国、市町村公共団体、いろいろな形であると思いますけれども費用分担、どのような形になっておるのか。また、運輸省建設省協定があると思いますけれども、その実態、それについて、できれば詳しく説明をいただきたいと思います。
  16. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいまの費用負担の問題でございますが、踏切道改良のうち立体交差化構造改良に関する費用につきましては、鉄道事業者道路管理者とが協議により負担割合を決めるというのが基本的な考え方でございます。  その負担割合でございますけれども改良が必要となりました原因、それから地域状況鉄道事業者側の受益の範囲などの違いによりまして一概には決めがたいわけでございます。したがいまして、両者の協議によって個々の場合について負担割合を定めるというぐあいに基本的な考え方はなっているわけでございます。  ただ、しかしながら、個々のケースにつきましてその都度協議をするということでは多大の時間と労力を要するということから、標準的な費用負担割合を算出いたしましてある程度の安定性確保した方が適切であるということから、各種の協定等が、鉄道事業を監督する私ども運輸省道路事業を管理する建設省の間で締結されているわけでございます。  それらの主なものといたしましては、都市における道路鉄道との連続立体交差化に関する協定、いわゆる運建協定と言っておりますが、そういった協定、それから道路鉄道との交差に関する運輸省建設省協定、それから踏切道の拡幅に係る指針等々があるわけでございます。  その内容でございますけれども踏切道改良費用負担方式内容につきましてごく大まかに申し上げますと、連続立体交差につきましては、既設の鉄道の場合は、鉄道事業者側負担は五ないし一四%、道路管理者及び都市計画事業者負担が九五ないし八六%、こうなっております。それから、鉄道を新しくつくる場合、鉄道が増設される場合でございますけれども、これは鉄道事業者側の負担が一〇〇%でございます。  それから、単独立体交差の場合でございますけれども、既設の鉄道の場合でございますが、この場合は鉄道事業者負担割合は受益相当分ということでございます。その残余を道路管理者都市計画事業者負担をするということでございます。それから、鉄道を新しくつくる場合、この場合は鉄道事業者負担割合は一〇〇%でございます。  それから、構造改良の場合でございますけれども、これは拡幅の原因者が負担をするという考え方でございます。  さらに、保安設備でございますが、これにつきましては鉄道事業者が一〇〇%負担する、こういう考え方になっております。
  17. 実川幸夫

    実川委員 さらに質問を続けさせていただきます。  鉄道、いわゆる軌道と道路関係について、ちょっと素朴な質問になると思いますけれども鉄道というのは軌道を使って乗客を完全に、そして敏速に目的地に運ぶ、これが鉄道だと思います。そして、その鉄道を使わない人々、道路を使って、生活道、その利便性を図ろうとする、これが道路だと思います。  その両者、鉄道道路が交錯するのがいわゆる踏切道だと思うのですけれども鉄道事業者という立場からは、少しでも踏切をなくそうという形でこれまで進めてきた。そしてまた、その効果が、事故を少なくしている、効果が上がってきていると思うのですけれども、その一方では、地域の住民の皆さん、利便性といいますか、生活道路と申しましょうか、少しでも踏切を少なくしていただこう、そういうことでこれまで平行線をたどってきた。  そういう中で、今申し上げましたように、道路鉄道が交錯するのが踏切だと思うのですけれども、ちょっと素朴な質問になりますけれども道路の管理、主たる管理者、これは一体どちらにあるのか。県道ならば県、あるいは国道ならば建設省、このような形になるのですけれども、素朴な質問になりますけれども一体どちらが主たる管理者になっているのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
  18. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、踏切道鉄道道路両方の効用を兼ねるものでございます。これの道路法上の取り扱いは兼用工作物ということになっておりまして、その管理につきましては関係者間の協議により定めるということになっております。  一般的に、踏切道におきましては鉄道が優先的に通行いたしておりますので、危険防止措置もこれを講ずべき社会的責任は第一義的には鉄道事業者にあるというところから、通常のケースでは踏切道の管理は鉄道事業者となっておることが多うございます。  このような実態でございます。
  19. 実川幸夫

    実川委員 そうしますと、その主たる管理者というのはいわゆる鉄道事業者、そういうふうに理解してよろしいわけですね。  それでは、次の質問をさせていただきますけれども道路踏切道に関しまして、先ほど申し上げましたように鉄道事業者運輸省の立場からは、少しでも事故を減らそうということで、これまで統廃合を含めてそういう形で進めてきたと思うのであります。その一方では、いわゆる地域の皆さんは、生活道とか利便性を含めてそういうことは困るということで、平行線をたどってきた。  そういう中で、今回恐らく建設省あるいは運輸省との協議の中で指針というものを協議してきたと思うのですけれども、その点について御説明をしていただきたいと思います。いわゆる対象となる踏切道の範囲、そしてこれまで両省で協議してきた経過、それらについて、できれば詳しくこの指針について御説明をいただきたいと思います。
  20. 梅崎壽

    梅崎政府委員 まず、踏切道改良促進法に基づきます措置に関しましては、対象となる道路の範囲は道路法の道路であるというのがまず基本的な考え方でございます。そういうことで、道路法の道路鉄道交差する部分につきまして両省間でいろいろ協議をしながらその改善に努めてきたわけでございます。  ただいま先生の御指摘踏切の拡幅の問題であろうかと思いますけれども、この問題につきましては、まだ大変狭小の踏切道が数多く存在しているということから、私ども建設省とよく御相談いたしまして、本年一月に踏切道の拡幅に係る指針というものを定めたところでございます。この指針は、踏切道の拡幅の基本的な方針、それから関係者間の連絡・調整体制を定めるということによりまして、道路管理者が行います踏切道の拡幅の際に、鉄道事業者道路管理者が行う協議の指針となるものでございまして、踏切道を含む道路の拡幅の計画がある場合、それから既に前後の道路が広がっておりまして踏切道との間で幅員差が生じているような場合、このような踏切道につきまして早期に問題の解決を図るということを目的といたしております。  具体的には、近接踏切道の有無であるとかあるいは地域状況等から統廃合が早期にできない狭小の踏切道に関しまして、二車線まで、すなわち片側一車線でございますが、二車線までの道路、それから歩道の整備等につきまして拡幅が行われるということにしております。  なお、拡幅に当たりましては、踏切道安全性が低下しないように、踏切道構造であるとかあるいは保安施設の補強などに配慮するということにいたしております。  それから、この中ではさらに、踏切道にかかわる円滑な調整を図るために運輸省建設省の間で踏切道の調整連絡会議を設置するということにいたしております。  このような措置を講ずることによりまして、狭小の踏切道の解消に一層努力してまいりたいと考えております。
  21. 実川幸夫

    実川委員 大体説明はわかったのですけれども、これまでいろいろと御説明いただいたわけなのですけれども、いずれにしましても、まだ全国で相当数の危険な踏切があると思います。  ここでちょっと素朴な質問になりますけれども、これから改良あるいは交差点の立体化というようなことを進めていく中で、恐らく全体的な踏切の中で将来当然立体交差化の進捗が一番安全なのですけれども、将来全体の何割ぐらい交差できるのか。
  22. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 建設省におきましては、道路整備の長期構想、こういうものを持っておりまして、これは二十一世紀の初頭までに達成しようとしているわけでありますが、例えば幹線道路であります一般国道につきましてはすべて立体化をしていきたい。  それから都道府県道並びに市町村道の平面踏切につきましては、現在大体四割ぐらいが立体交差になっております。残る六割がまだ平面交差であります。しかし、市町村道にはたくさんの平面踏切がありまして、これのすべてを立体化していくということは、事業費の問題でも、あるいは土地利用の問題からも大変困難でありますが、都道府県道、市町村道についてはおおむね半分ぐらいは立体交差にしていきたいというような長期構想を持っております。
  23. 実川幸夫

    実川委員 いろいろと御説明をいただきました。  最後に質問をさせていただきます。  これまでいろいろと御説明の中で具体的に御説明いただいたのですけれども、この法はそもそも昭和三十六年に制定されたわけでありますけれども、それから六回の改正を経て今日に至っておると思います。この法案、私も大変すばらしい法案だと思っておりますけれども、特に、このような期間を定めて緊急にそれ相当の効果を得るべく集中的に改良事業を促進する手法というものは、大変有効性を発揮する、このようにすばらしい法案だと思います。  先ほど申し上げましたように、全面的に賛成なのですけれども、この手法というものを、私はでき得ればあらゆる交通安全、この踏切道だけではなくして交通安全施策にさらにこの思想を取り入れるならば、さらに国民の期待にこたえていくのではないか、このように思います。  この点につきまして、でき得れば大臣からお答えをいただきたいと思います。
  24. 亀井善之

    亀井国務大臣 先ほど来いろいろお話もございました。本当に踏切事故は、一たび発生いたしますと大変多くの死傷者を出すようなことになってしまうわけでありまして、今後とも引き続きこの踏切事故防止総合対策を着実に進めてまいりた  あわせて、今回この五カ年の延長とともに、平成八年二月十四日の交通対策本部決定の第六次踏切事故防止総合対策、あるいは先ほど総務庁長官からも御説明がありましたとおり、交通安全対策、この連携を緊密に持ちまして、その万全の対策踏切事故防止総合対策を着実に進めてまいりたい、このように考えております。
  25. 実川幸夫

    実川委員 今大臣から答弁をいただきましたけれども、この踏切事故、一たび起きますと大変な大きな事故になってまいります。そういうことも含めまして、さらにこの法というものを促進していただきたい、このように要望いたしまして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  26. 日笠勝之

    日笠委員長 続きまして、山本孝史君。
  27. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 新進党の山本孝史でございます。  引き続きまして、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  まず、第五次踏切事故防止総合対策平成三年二月十二日に交通対策本部策定でございますが、その達成状況を教えてください。
  28. 梅崎壽

    梅崎政府委員 第五次の踏切事故防止総合対策で定められました措置につきましては……(山本(孝)委員「達成状況を教えてください」と呼ぶ)はい。立体交差化のうち踏切除却を伴うもの、これにつきましては、連続立体交差化は、パーセンテージで申し上げますと一〇七%、単独立体交差化は一三一%、踏切除却を伴わないもの一〇八%、それから構造改良につきましては八七%、保安設備整備につきましては九八%となっております。
  29. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 いただいております運輸省建設省の資料で踏切道改良促進法に基づく指定の状況というのがございます。ここに出ております数字と、今おっしゃいました第五次踏切事故防止総合対策での計画あるいはその実施状況との間に随分数字の乖離が出てまいりますね。この踏切道改良促進法に基づかない自主的な整備というものが進んでいるので数の間に随分大きな乖離が出てくるのではないかと思うのですが、そのように理解してよろしいのですか。  こんなに大きい乖離が出るということについて、こういうふうになってきますと、改良促進法そのものが要らないのではないかという話にもなりかねないと思うのですが、そこのところの御説明をお願いします。
  30. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、確かに踏切道改良促進法に基づく指定によらないで、その後、例えば鉄道で申し上げますと鉄道事業者が自主的に保安設備整備する場合もございますし、それから道路側では、踏切道に着目した指定ではなくて、道路の新設に伴いまして踏切道が除却されるといいますか、あるいは立体交差化が行われるというようなケースもございます。そのような事情から両方の間の数字には乖離があるのが実態でございます。
  31. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 その連続立体交差ですけれども促進法第三条第一項にうたわれておりますところの、運輸省並びに建設省令に定める基準に従いまして立体交差により改良を要することが必要と認められる踏切道というのは、現在JRと私鉄の別に見て何カ所ありますか。
  32. 梅崎壽

    梅崎政府委員 先般策定されました新しい踏切事故防止総合対策におきます数字で申し上げますと、立体交差化のうち踏切除却を伴うもの、これの連続立体交差化につきましては、約三百キロメートル……
  33. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 質問と答えが違う。第六次の内容説明してくれと言っているのではなくて、第六次の計画を策定するに当たって多分前提になっていると思いますが、現状をお聞きしているのですね。  促進法第三条第一項がうたうところの運輸並びに建設省令に定める基準に従って立体交差により改良を要することが必要と今認めておられる踏切の数は、JR並びに私鉄それぞれで見て何カ所ありますか。
  34. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 立体交差の法定要件といたしましては、踏切交通遮断量が一万台時……(山本(孝)委員基準を聞いているのじゃなくて、件数は何カ所ありますか」と呼ぶ)以上のところでございまして、現在平面踏切が約三万三千カ所ございますが、この中からこの交通遮断量に該当すると見込まれますものは、約三千百カ所程度あるのではないかと推定しております。おおむね三千百カ所程度あるのではないかと推定しております。
  35. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 そうしますと、その三千百カ所の基準を超える箇所についてできれば立体交差をしていきたいんだというふうに理解されると思うんですが、そうしますと、踏切道立体交差化及び構造改良に関する省令第一条に定められております一日当たりの踏切交通遮断量が一万台時以上になると認められる踏切というのは、このうちの何カ所になりますか。JR並びに私鉄別に答えてください。
  36. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 今御説明いたしましたのが、その要件に該当する三千百カ所でございます。
  37. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 確認ですけれども、そうすると、その三千百カ所は一日当たりの踏切交通遮断量が一万台時以上になっていると理解してよろしいんですか。
  38. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 そういうことでございます。
  39. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 都市型の議員からしますと、先ほど実川先生もおっしゃっていましたけれども、いわゆるあかずの踏切というのがやはり気になるわけですね。地方に行きますと、結局、本数が少ないけれども交通量の多いところであればこの一万台時以上という基準を超えてしまう。すなわち、鉄道の遮断の時間と交通量との掛け合わせですから、たくさん列車が通るところで交通量が少なくても一万台時を超えるでしょうし、列車の本数が極めて少ないけれども、一時間に一本ぐらいしか通らないけれども交通量の多いところであれば、ここはかなりの数になるわけですね。  この三千百カ所というのは、特徴的に見ると大体どういうふうな特徴を持っているのですか。例えば、都市に多いんですとか、あるいは地方都市に多いんですとか、どういったところがこの三千百カ所の中に含まれているんですか。
  40. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 地域的にどのような偏りがあるかという点については、手元に資料がございませんが、例えば国道で約百カ所、それから都道府県道で約千カ所、それから市町村道で約二千カ所ございます。そういう意味から推定いたしますと、この市町村道あるいは都道府県道の大部分は、交通量の多い、いわゆる都市部にあるというふうに推定できるのではないかと考えられます。
  41. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 先ほどの御答弁で、国道については将来的にはこれを解消していきたい、立体交差によって解消したいということですね。今の御答弁で、国道百カ所ぐらいがこの立体交差の対象になっているだろうということになります。  連続立体交差の指定というのは、たしか年に三カ所ぐらいしかないように私記憶をしているのですけれども、この百カ所の解消あるいは三千百カ所の連続立体交差、既にそれぞれの省でお決めになっている基準を超えているものの解消というものについて、今のようなペースでいきますとこれは何年かかっても解消しないんじゃないか。すなわち、都市に住んでいる人間からすれば、あかずの踏切は解消しないんだと言われているようなものだというふうにも思うのですけれども、この立体交差促進策をもっと検討すべきではないかというふうに思うのです。
  42. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 第六次の新しい踏切道の改善計画におきまして、これは例えば連続立体ですと約千カ所完成したい。これをやるために約千キロの立体交差を完成したい。(山本(孝)委員「三百キロでしょう」と呼ぶ)三百キロの事業を実施して、うち百キロぐらいは完成したい、こう考えております。この百キロの中には、踏切が約三百カ所ぐらい想定できます。  あるいは、単独立体としては、二百五十カ所の事業を実施して約百六十カ所の完成をしたい。  さらに、新設の立体交差におきましては、四百カ所ぐらいの事業を実施することにより、二百十カ所ぐらいを完成したい、このように考えております。  これらを合わせますと数百以上の数字になります。しかし、先ほど御説明しましたような三千百という数字に比べますとまだまだ足りませんので、これは今後とも事業の促進が必要と考えております。
  43. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 できるだけその予算をつけていただきまして、この立体交差を進めていただきたいと思います。  地元協議が調わないと指定をしないということですと、なかなかこれも進みませんので、建設省運輸省が先頭に立って、ひとつ地方自治体と協力しながら進めていっていただきたいと思います。  構造改良についてお尋ねをします。  同じくこの法律の第三条第一項が言っておりますところの、省令の定める基準に従って構造の改善により改良をすることが必要と認められる踏切道というのは、JR、私鉄別に見て今何カ所ありますか。
  44. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいまの御質問のうち、省令で定める基準に適合するものが何カ所かというのはただいま資料を持ち合わせておりませんが、第六次の踏切事故防止総合対策におきまして私ども措置をしたいということで目標を定めましたのは、JR、私鉄合わせまして約千カ所でございます。
  45. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 後で数字を教えてください。当然、今後の、第六次の踏切事故防止総合対策をお立てになる前提の数字としてお持ちだろうというふうに思いますので、数字をお示しをいただきたいと思います。  JRの踏切構造改良について、平成三年から七年の間は、このいただきました資料によりますと、構造改良の指定はゼロという数字になっております。この法律に基づいて、もはや構造改良すべきJRの踏切箇所はないというふうに理解をしてよろしいのですか。
  46. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、JRにつきましては、地元との調整等の問題がございまして、今の五カ年計画期間におきましては指定を行わなかったところでございます。  それで、本年の一月に、この狭小踏切道の拡幅に関しまして私ども建設省の間で指針を策定したところでございまして、今後は、このような指針に基づきまして踏切道構造改良に努めてまいりたいと考えております。
  47. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 時間が限られておりますので詳しくお聞きできませんけれども、五年間にわたって一件も指定がないという状況があるということは、法律が全く生かされていないのか、あるいはもうその必要がなくなっているのか、どちらかだというふうに思いますので、ここのところはしっかりとした見直しをしていただきたいというふうに思います。  四種踏切についてお伺いをします。  四種踏切の解消に対する姿勢の確認ですけれども平成三年二月二十七日の本委員会において当時の村岡運輸大臣は、「第四種の、何もない踏切が」「まだ七千カ所もあるということで、今御審議を願っております踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の成立を待ちまして、関係省庁とも連携をとりつつ、さらに事故防止対策を強力に推進していきたい、」とおっしゃっておられます。  平成七年十一月二日の同じく本委員会におきましては、須藤議員の質問に、澤田運輸大臣官房技術参事官は、「四種踏切はなくしていくという方向に行くべきだと思っておりまして、今後も四種踏切のさらなる保安設備整備ということについて努力してまいりたいと考えております。」と、いずれも四種の踏切はこれから先はなくすんだというふうな御答弁をいただいておりますけれども、この姿勢に変わりはありませんか。
  48. 梅崎壽

    梅崎政府委員 ただいま御指摘のとおり、四種の踏切につきましては、私どももできるだけこれを廃止、あるいは第一種踏切道への格上げを図っていくということをやっていきたいと思っております。  今後とも、そのような方針に基づきまして努力をしてまいりたいと思います。
  49. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 では先ほどと同じ質問をします。  改良を必要とされる、すなわち保安設備を設けるべきだと認めておられる踏切は、今何カ所ありますか。
  50. 梅崎壽

    梅崎政府委員 基準との関係につきましては今具体的な数字を持ち合わせておりませんが、私どもの目標値といたしましては、すなわち第六次の踏切事故防止総合対策の中でこれを解消していきたいと考えておる目標値は約八百カ所でございます。
  51. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 急に開かれることになったこの交通安全対策特別委員会ですので準備が整っていないということはよくわかるのですけれども、今回の法案を審議するということの前提になる基本数字の一つではないかと私は思います。基本計画をお立てになっている、総合対策をお立てになっている前提の数字でもあるというふうに思いますので、その数字を持ってこずに審議に臨まれておられるということについて、私は非常に憤りを感じます。これでは審議が深まりません。そういう意味でも、しっかりとした数字を持ってさておいていただきたいというふうに思います。  それで、質問を続けます。  今、先ほどから御説明をいただいておりまして、四種の中で、道路法の道路、すなわち法の対象になるのは、二千カ所ぐらいあるだろうというふうに聞いておりますけれども、この数字でよろしいですか。——では、その数字も後で教えてください。  この保安設備整備に関する運輸省令の第二条によりますと、踏切警報機または踏切遮断機の誕置を行う踏切道は、この促進法が改正された後これまでどおりにこの省令をとらえますと、本年四月一日以降の日を含む三年間において三回以上または本年四月一日以降の日を含む一年間において二回以上の事故が発生し、かつ、踏切警報機または踏切遮断機の設置によって事故防止効果があると認められる踏切道は、この法案に基づいて保安設備整備をしていこうというふうに読めるのですね。  すなわち、改正法ができてからこれから先事故が起きれば変えていくというようなこの省令のつくり方というのは、いかにも人命を軽視しているとしか思えない。これまでの状況の中で、むしろ、過去一年間において一回あったとか、あるいはその前も振り返ってみて十年間の間に二回あったとかというふうに、これまでを見て事故が多いからここはやはり早急につけなければいけないんだという考え方ならわかりますけれども、これから先、ことしのうちに二回、これから三年間の間に三回起きたら踏切道を直しましょうなんという考え方は、この考え方は極めて人命を軽視している省令のつくり方だというふうに私は思いますけれども、その点についての御答弁をお願いします。
  52. 梅崎壽

    梅崎政府委員 これは、できるだけ新しい期間までとるという考え方で、最近の時点までとるということで規定をしておるわけでございまして、一番新しい時点まで含めまして三年間で三回または一年間で二回以工事故が発生したものについては措置をするということでございまして、先生御指摘のこれから先のことを言っているわけではございません。
  53. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 よくある話なんですけれども事故が起きないと踏切整備ができないというのが、交通遺児家庭のお母さん方からも時々聞く話なんですね。前もあそこで事故があったじゃないか、なかなか警報機をつけてくれないな。それはさっきの実川先生の御指摘もあるとおりの話であって、そもそもにおいて四種踏切をなくしていこうという方向を基本的にお持ちであるならば、たとえ一度でも事故が起きれば、やはりそれは必然的に事故が起きているということなんですから、事故が起きているという踏切は、そこは最優先でこういう踏切警報機もしくは踏切遮断機の設置を行うべきであるというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
  54. 梅崎壽

    梅崎政府委員 当然のことながら、事故が起きているところは優先的にやるということでこういう基準を設けておりますし、それから、そのほかにも、一定の基準のもとに保安設備整備を進めていくということをいたしております。  先ほどもお答え申し上げましたとおり、第四種踏切につきましては、できるだけ統廃合でなくすか、あるいはこれからは自動遮断機が設置される第一種の踏切化を図っていきたい、このように私ども考えております。
  55. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 昨年の四月の十八日に、横浜の戸塚区のJRの戸塚の踏切、これは一種の踏切ですけれども、そこで足の不自由な方がそこの踏切を渡り切れずに、すなわち横断中に電車が来てはねられて死亡するという事件がありました。健常者の歩行の三倍ぐらいの時間のかかる、足が不自由なので歩き方だったというふうに言われております。この踏切は、平成五年二月まで警手がいたけれども、自動化で廃止になったという踏切であります。  この一種の踏切で、昔は警手さんがおられた踏切が多かったように思うんですが、今警手のおられる踏切というのは何カ所ぐらいあるんでしょうか。こういうふうに渡り切るのに時間のかかる踏切、渡るのに長い踏切というようなところには、状況を勘案して警手を置くように指導すべきではないかというふうに思うんですけれども、その点はどういうお考えでしょうか。
  56. 梅崎壽

    梅崎政府委員 警手の配置につきましては、自動遮断機整備を進めていくということで、傾向といたしましては少なくなっていくということであろうかと理解しております。ただ、その中に亡きましても、個々踏切道状況を考えまして事業者の方で警手を置かなければ安全を図れないとか、そういったものにつきましては現在もなお警手を残してその安全の確保を図っているところでございます。  ここら辺につきましては、それぞれ個々のケースに応じまして具体的に判断をしていく必要があろうかと考えております。
  57. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 これからいわゆる高齢社会を抑えできますね。障害者の方たちも外出する機会がどんどんふえてくると思うんです。立体交差をするというのは、なかなか財政的な面もあって難しいというふうに思うんですね。人間の習性として、踏切に入ってしまって途中で警報が鳴り始めてもとへ戻るというのではなくて、やはり早く渡り切ってしまおうという感覚で前へ前へと行くと思うんです。もちろん、五十秒前にこの踏切警報機が鳴るという形になっているそうですけれども、なかなか難しい状況があるのではないか。  すなわち、身体障害者あるいはいわゆる交通弱者と言われている方たちがこの踏切の中で事故に遭う可能性というのは、これから先もふえていくと思うんですね。そのときに、警手さんというのは大変に重い責任を持たされていますから、なかなか事業者としても配置が難しいのだろうというふうに推測はいたしますけれども、やはり人間の目で見てその安全を確認せざるを得ないという状況というのがあると思うんです。そこのところん強力に鉄道事業者に対して指導をしていただきたいなというふうに思いますけれども、もう一度お願いします。
  58. 梅崎壽

    梅崎政府委員 この問題につきましては、やはり個々の具体的なケースにつきまして判断をしていく必要があろうかと思います。  今後とも地域の実情等を十分踏まえながら対処していきたいと考えております。
  59. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 もう一つのお願いとして、都道府県踏切道改善促進協議会というのが南海電鉄の事故をきっかけに設置をされているようでありますけれども、どのように活動しているのかなというふうにも思いますが、住民ですとか、あるいは実際に車両の運転に当たっておられる運転手さんたちの声をよく集めていただいて、付近の住民が事故が起きやすい踏切というのを一番知っているわけですし、この改良促進法の対象になるのは道路法の道路だけですから、いわゆる私道に当たっている部分はこの法案の対象にはなっていませんでしょうし、しかしながら、踏切としては立派に機能を果たしているという踏切もあるわけで、そういうところでの事故も決して少なくはないと思うんですね。しっかりともう一度全体的な見直しをしていただきたいというふうに思います。  基本的には、私も法案には賛成でございますけれども、申し上げておりますように、省令全体ももう一度見直しをしていただきたいし、法案がしっかりと機能するような形で運用をしていただきたいというふうに思います。  それで、法案審議と離れて、一点だけぜひお話をさせていただきたいと思います。  井野室長も今回御転任をされることになりましたけれども、毎回のこの委員会お話をさせていただいております財団法人交通遺児育英会の運営の点でございますが、もとの交通安全対策室長の宮崎さんが新しい理事長になられてからいろいろと問題が起きていますということを申し上げております。  交通遺児が減り、そういう中で育英会そのものの業務も減っている、働いておられる方の数も減っているという中で、その事務室の隣のテナントにわざわざ別のフロアにお金を出して移っていだだいて、そして育英会の事務室を拡大をして理事長室を設けるというような動きがあるけれども、これはおかしいのではないかということを前の委員会でも申し上げました。  井野室長は、宮崎さんの手腕は高く評価しておるところでございますという御答弁をされておられますけれども、最終的に理事長室らしきものができました。隣のテナントには別のフロアに移っていただいて事務室が大きくなりました。さすがに理事長室というプレートはかかっておりませんけれども、宮崎理事長が来られるときにはお花が生けられて理事長室然としているというふうな話も聞いております。  今回御転任をされるので、ぜひこの育英会の業務の、本当に交通遺児のためになる業務がされるように、今後ともぜひ御後任の方が御指導いただけるようにお話をしていただきたいというふうに強く思います。  もし何かお答えをいただけるのでしたら、お答えをいただいても結構でございます。
  60. 井野忠彦

    井野政府委員 理事長室の件でありますが、これにつきまして先般説明を求めたところ、隣の部屋に移ったけれども、かえって以前よりは狭い面積だというふうに私は聞いております。  それから、育英会の指導につきましては、育英会は寄附行為に沿って適正に運営されるよう私も期待しているところでございます。
  61. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 前の部屋よりも狭くなったということは、前も理事長室があって、今回も狭くなったけれども理事長室ができたという御認識というふうに今の御答弁は受け取れますけれども、そう受け取ってよろしいのですか。
  62. 井野忠彦

    井野政府委員 前の部屋はもともと会議室を理事長室にしたものでございまして、今回移った後はもとの会議室にするというふうに私は聞いております。
  63. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 時間ですので終わりますけれども、しっかりとした指導をしていただきたいというふうに思います。  きょうは中西大臣おられませんので、総務庁長官おられませんからお話しできませんけれども、総務庁長官はこの間の御答弁では、しっかり調査をした上でまた検討させていただきたいと。調査はしていただいたのでしょうか。
  64. 井野忠彦

    井野政府委員 現在、いろいろ調査をしているところでございます。
  65. 山本孝史

    ○山本(孝)委員 調査をしていての今の御答弁であるというふうに私は理解をさせていただきますけれども、そうであるならば、これまでのこの委員会の中でたびたび指摘をさせていただいている、官僚の天下り体質で、しかも後輩は先輩のOBの指導ができないという状況は全く変わっていないというふうに私は思いますので、今後ともに御後任の室長にも厳しく指導をさせていただきたい、御指摘をさせていただきたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  66. 日笠勝之

    日笠委員長 藤田スミさん。
  67. 藤田スミ

    ○藤田委員 私、最初に、踏切の問題について二つお伺いをいたします。  先ほどからも出ておりますが、踏切道改良促進法に基づいて踏切道改良が進められております。ところが、踏切道の拡幅を行う場合には統廃合して踏切の除却をするとの基本方針があるために、ある踏切を拡張しようとすると他の踏切を廃止せよ、こういうことになるわけです。しかし、そうすると、拡幅される踏切はいいのですが、廃止される方の踏切の近くの住民は大変不便になるということで、なかなか話がまとまっていかない。これでは踏切改良促進する趣旨にも反することになるわけであります。  また、一九九一年の鉄道事業に関する行政監察でも、踏切道の幅員が道路幅よりも狭いものが見られるということで、「踏切における事故防止に有効な対策実施」を求めているところであります。  この点については、私も運輸省にこれまで地元問題で改善をお願いをしたことがございますが、とにかく、去る一月三十日に運輸省踏切道拡幅に係る協議についての指針というものを出されました。この際、その目的とそれから対象、基本方針をまず聞かせていただきたいと思います。
  68. 梅崎壽

    梅崎政府委員 従来、踏切道改良に当たりましては、できましたら隣接する踏切が廃止されまして全体として踏切の数が減っていくというような考え方のもとに、御指摘のような除却が伴わなければなかなか進まないという面があったことは否定できない事実だろうと私どもも考えております。  その結果、やはりいろいろな問題が出てまいりまして、道路は、すなわち接しております道路の方は広いけれども踏切の方は狭いということで、かえって事故のもとになるという御指摘も多々受けているところでございまして、そういうところから、ただいま先生御指摘のとおり、この一月三十日に運輸省建設省踏切道の拡幅に係る指針というものをまとめたわけでございます。  この目的でございますが、これは、踏切道拡幅の基本的な方針、それから関係者間の連絡・調整体制を定めるということによりまして、道路管理者が行う踏切道の拡幅の際に鉄道事業者道路管理者が行う協議の指針となるものでありまして、踏切道を含む道路の拡幅計画がある場合、それから既に前後の道路と幅員差が生じている踏切道につきまして早期に問題の解決を図るということを目的といたしております。  それから、基本的な方針でございますけれども道路交通円滑化あるいは踏切事故防止という観点から、立体交差化統廃合等によって除却に努めるべきであるけれども、しかしながら、近接、近隣の踏切道の有無であるとかあるいは地域状況などから統廃合が早期に実施できない場合は、「当面、以下のものに限り踏切道の拡幅を行うことができる」という考え方に立っておりまして、まず一つは、踏切道に歩道がないか、または歩道が狭小な場合の歩道整備、二つ目は、標準の幅員で二車線、すなわち片側一車線でございますが、これまでの道路の拡幅、三番目に、立体交差化の工事施行協定が結ばれている場合で、そのような場合の一時的な道路の拡幅、こういったものにつきまして取り上げていくということにいたしております。
  69. 藤田スミ

    ○藤田委員 そうすると、この、きょういただいた交通対策本部が決定された踏切事故防止総合対策、ここにあります「踏切道統廃合促進」、この中身、要するに「構造改良等の事業の実施に併せて、近接踏切道統廃合を進めるとともに、これら以外の踏切道についても、整理統合を促進するものとする。」という、このこととどういうふうにとらえていけばいいのかなと。  だから、具体的にここで今お示しになった「以下のものに限り踏切道の拡幅を行うことができるものとする。」という、この三つの条件というものが満たされていれば、総合対策に示されているこのことは、つまり、こっちの指針の方が優先されて協議をしていけばいい、こういうことでございますか。
  70. 梅崎壽

    梅崎政府委員 まず踏切道の総合的な事故防止計画がありまして、それを実施するために、今私どもから御説明しておりますこの指針に基づいて具体的な施策なり今後の協議を進めていく、このように御理解いただければと存じます。
  71. 藤田スミ

    ○藤田委員 まず計画があって、それは今後の新たな計画も含めて計画があって、こういうことですね。つまり、今まで抑制されてきたために、もう計画を取り消して我慢してきたところがあるわけですね。そういうところも含めてというふうに解釈していいわけですね。
  72. 梅崎壽

    梅崎政府委員 先ほども御答弁申し上げましたとおり、今までややもすれば統合ということが伴わなければやらないということがございました。したがいまして、その点、私どもは反省いたしまして、今後、今申し上げましたような形で、統合が行われなくてもやっていくということになっております。したがいまして、そういう目で今後全国の実態も見まして調査をした上で指定をしていきたいと考えております。
  73. 藤田スミ

    ○藤田委員 わかりました。  その次の問題は、踏切道の問題であります。  踏切道での安全確保には、遮断機だとか警報機などの保安設備が重要であります。さらには、何らかの理由踏切内に入った車や歩行者を早く感知して、必要な場合には外車をとめるなどの対応も必要であります。そのための装置の一つとして、踏切の障害物検知装置の設置が進められていると思います。  そこでお伺いをいたしますが、関西の大手民鉄、JR西日本の踏切道状況踏切障害物検知装置の設置状況はどうなっているのか、お示しをください。
  74. 梅崎壽

    梅崎政府委員 踏切障害物検知装置の設置状況でございますが、関西の私鉄各社別に申し上げますと、これは平成年度末の数字でございますけれども、近畿日本鉄道、これが六百十九、これは障害物検知装置が設置されている踏切道の数でございます。近鉄が六百十九、南海電鉄が百九十八、京阪電鉄が百二十五、阪急電鉄が二百三十四、阪神電鉄が四十四となっております。それから、JR西日本は千二百六十六となっております。
  75. 藤田スミ

    ○藤田委員 箇所数でおっしゃったわけですが、JR西日本、近畿で絞りますと、割合は三一・三%、近鉄は四一・四%、京阪は五一・四%、南海は五一・七%、阪神は七五・六%、阪急は八一%というふうに、障害物検知装置の設置状況鉄道各社のアンバランスがあり過ぎるのではないか。特にJRの中では、JR西日本の設置率も実は大変低いものであります。また、近畿管内のJR西日本は、今言いましたように近畿管内では三一・三%で、これは大手民鉄のどこと比べてもやはり低いわけであります。  これは、設置率をやはり高めていくという方向で指導を強めていただかなければなりませんが、いかがでしょうか。
  76. 亀井善之

    亀井国務大臣 若干大手民鉄は大都市に路線が多くある、こういうようなことから必然的に交通量、また、多くの危険度、こういう点から踏切が抱えておるその踏切障害物検知器、こういうものも設置をしておる一面があろうかと思います。  しかし、安全の確保、こういう観点から、これはもう基本的な輸送の使命でもございます、引去続き、そのような危険度の高いものに順次整備序していくような指導をしてまいりたい、このよろに考えております。
  77. 藤田スミ

    ○藤田委員 それでは次に、これは大臣にお伺いをしていきたいと思うのですが、大臣がお決めになったことでもありますが、関空の全体構想というものがいよいよ打ち出されるということになっているところであります。  ところが、この問題で、同じように所管である鉄道事業で、空と陸地、こういうことになるわけですが、今関空へ入っていく列車はJRの阪和線とそれから南海本線、二つが特急で関空に入るという列車を走らせております。これが、関空開港以来、泉州の住民にとっては大変な迷惑がかかっているわけであります。  私は、この委員会でもしばしば言ってきましたけれども、とにかく、さっきからあかずの踏切の話が出ておりますが、列車本数がふえ、特急がふえまして、あかずの踏切という問題が深刻な問題になってまいります。南北に鉄道が二本、したがって東西の分断が二カ所で出てくるわけでありますから、これまでも交通渋滞大変あったわけですが、もういよいよ大変。これでどうして全体構想の話だけが見切り発車で進んでいくことになるのか。どうしても、やはりこの地域のそうした町づくり、しかも、その既存の住民の迷惑という問題について、これは解決を図っていただかなければならないわけであります。  南海本線の方は大阪市内からずっと堺の南部のところまで大体立体交差が進んでまいりましたけれども、それから以降はなかなか、一部分を除いて進んでいない。いわんや、JR阪和線に至るや、大阪市内も含めて全線高架化が大変おくれております。そのために特に問題が多くなっているわけですが、このところの立体交差の問題について、私は、本当に特段の配慮をもって進めていかなければ、全体構想だなんて言われても、本当に地域の者にとっては一体この問題はどう考えているのだということになるわけでありますので、もう一つ、騒音、振動の問題がございますが、まず、立体交差の問題から御答弁を求めたいと思うのです。
  78. 梅崎壽

    梅崎政府委員 確かに、御指摘のとおり、南海本線と比べましてJR阪和線につきましては、立体交差化、比較いたしますと少のうございます。  この問題につきましては、私どもも、踏切事故防止あるいは交通円滑化、それから立体交差化自体が都市一体的発展などに資するものでございますので、列車本数あるいは踏切道自動車交通量あるいは市街化の状況等に応じまして今後とも適切に対処していきたいと考えております。
  79. 藤田スミ

    ○藤田委員 一つだけ聞いておきますが、高架化するについて、連続立体で進めていくについて、何か町づくりの上で条件がございますか。
  80. 橋本鋼太郎

    ○橋本政府委員 町づくりの観点から特に要件、条件というものはございませんが、一般的に市街地の中で整備されますので、都市計画決定をしてやっていくという手順を踏んでおります。
  81. 藤田スミ

    ○藤田委員 それは、都市計画決定はいわゆる一般的にということで特別の条件はないというふうにお聞かせをいただきました。  それでは、私は、南海本線の、特に私がここに持っておりますのは、羽衣浜寺沿線の生活環境を守る会ということで、鉄道公害の問題について大阪府に向けた陳情書を持っておりますので、ひとつここで大臣に聞いていただきたい。  これを私は拾い読みをいたしますが、「私たち南海電鉄沿線住民一同は、のべつ鉄道騒音、振動公害に悩まされております。また、関西国際空港の開港にともない、今まで以上の公害にさらされる様になり、精神的に苦痛となってきている今日この頃です。南海電鉄が乗り入れている関西国際空港は、世界に類を見ない海上埋立工法により、大阪湾沖合五KMに環境に配慮した、公害ない空港と言う理念で、建設許可された空港であります。当然、アクセス鉄道道路は、この理念に基づいて建設改修もされた事と考えております。しかし、南海電鉄沿線では、特急サザン運行等に伴う騒音、振動により被害が著しく、早急な対策を要求する声が沿線住民より高まっていた所に、今回運行の空港アクセス特急ラピート。」が入りました。「騒音、振動、更に過密ダイヤ等による公害は、今まで以上に深刻で沿線住民の忍耐も我慢の限界を大きくこえております。」  「関西国際空港の全体構想が進み、今後さらに鉄道輸送の増強が懸念され騒音、振動が増大すると思われます。」  鉄道事業に責任を持つ省として、JR阪和線と競合しながら一分二分の短縮に血道を上げる、住民に迷惑を押しつけるこの南海電鉄のやり方に対して運輸省は指導をお願いしたい、こういうことで指導を求めているわけであります。  環境庁は、このほど、昼間は六十デシベル、夜は五十五デシベルというふうに一定の基準を示しました。もちろんこれは新設される鉄道に対してですが、これはやはり一定の基準が出たと思うのです。ところが、夜の十時五十六分ぐらいに走る列車でも百二デシベルですから、五十五デシベルでというその基準のほとんど倍です。もうそれこそ本当に大変な問題があるというふうに考えるわけです。  ぜひ私は、大臣のお力でひとつこの問題をもつと解決するようにお力添えをいただきたいと思うのです。
  82. 亀井善之

    亀井国務大臣 今御指摘がございました。いろいろ調査をし、適切に対処していくようにいたしたい、このように考えております。
  83. 藤田スミ

    ○藤田委員 時間が参りましたので、これで終わります。
  84. 日笠勝之

    日笠委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  85. 日笠勝之

    日笠委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決円いたします。踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。      〔賛成者起立〕
  86. 日笠勝之

    日笠委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 日笠勝之

    日笠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  88. 日笠勝之

    日笠委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕