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1996-05-24 第136回国会 衆議院 環境委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成八年五月二十四日(金曜日)     午前九時十三分開議 出席委員   委員長代理理事 大野由利子君    理事 小杉  隆君 理事 七条  明君    理事 福永 信彦君 理事 斉藤 鉄夫君    理事 長浜 博行君 理事 竹内  猛君    理事 鳩山由紀夫君       金田 英行君    岸田 文雄君       斉藤斗志二君    桜井  新君       谷津 義男君    与謝野 馨君       上田  勇君    坂本 剛二君       田端 正広君    岡崎トミ子君       山元  勉君    高見 裕一君       岩佐 恵美君    小泉 晨一君       徳田 虎雄君    中村  力君  出席国務大臣         国 務 大 臣 岩垂寿喜男君  出席政府委員         環境庁長官官房         長       田中 健次君         環境庁企画調整         局長      大西 孝夫君         環境庁企画調整         局長      野村  瞭君         環境庁大気保全         局長      大澤  進君         環境庁水質保全         局長      嶌田 道夫君  委員外出席者         国土庁長官官房         水資源部水資源         政策課長    三宅  均君         厚生省生活衛生         局食品保健課長 堺  宣道君         厚生省生活衛生         局水道環境部環         境整備課長   三本木 徹君         建設省河川局開         発課長     竹村公太郎君         環境委員会調査         室長      工藤 桂司君     ————————————— 委員の異動 五月二十四日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     岸田 文雄君   桜井  新君     金田 英行君   松沢 成文君     上田  勇君   小泉 晨一君     徳田 虎雄君 同日  辞任         補欠選任   金田 英行君     桜井  新君   岸田 文雄君     逢沢 一郎君   上田  勇君     松沢 成文君   徳田 虎雄君     小泉 晨一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  水質汚濁防止法の一部を改正する法律案内閣  提出第六二号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。  内閣提出参議院送付水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷津義男さん。
  3. 谷津義男

    谷津委員 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案が提案されましたことにつきまして、何点かお聞きしたいことがありますので、簡潔明瞭にひとつお答えいただきたいと思います。  過日、長官よりこの説明をお聞きいたしましたけれども、もう少し聞きたいことがあります。その点は、まず今回の水質汚濁防止法改正点ポイントといいましょうか、その辺のところをいま少し説明を受けたいと思います。
  4. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の法改正ポイントでございますけれども、まず一つは、汚染された地下水水質浄化措置を図ることでございます。それから二番目は、事故時の措置といたしまして、従来の有害物質に加えまして油の流出があった際の措置を新たに定めようとするものでございます。  まず最初の、汚染された地下水浄化措置についてでございますけれども、これにつきましては、地下水は、御承知のように公共用水と同様に貴重な淡水資源でございまして、その水質保全を図ることは極めて重要であるということでございます。こういうことから、平成元年法改正によりまして、地下水有害物質地下浸透規制措置を講じてきたところでございますけれども、既に現在、全国で約一千カ所を超える地域汚染が継続しているという事実がございます。  このようなことで、早急にこの対策が必要であるというふうに考えておりまして、今回の地下水浄化措置制度につきましては、このような地下水汚染の現状を踏まえますとともに、また、地方公共団体の方から制度化についての要望が非常に強くございました。このようなことで、ひとつ地下水浄化措置についての制度を制定したいというふうに考えているわけでございます。  次に、事故時の措置といたしましては、油の流出事故を新たに加えることについてでございますけれども、油の流出事故水質汚濁事故のほぼ六割を占めておりまして、地方公共団体からも法的な対応が強く求められてきたものでございます。今回、油の流出事故に係る措置法律上位置づけることによりまして、水質汚濁事故に関しまして格段の充実が図られるものというふうに考えております。
  5. 谷津義男

    谷津委員 今局長説明を聞きました。全国で千カ所ぐらいそういうふうなものが出ていると、地下水汚濁ですね。あるいはまた、そういうものを含めまして地方公共団体からこの法改正要請があったという話でございますけれども、問題は地下水汚染実態ですね、これがどういうふうになっておるのか。例えば地下水でも、深井戸もあれば浅井戸もあります。いろいろあります。その辺のところはどのような状況になっているのか。それから物質は、どういうふうなもので汚染されているのか、その辺を説明いただきたいと思います。
  6. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今お答えしましたように、昨年の一月に地下水汚染状況につきまして全国的な調査を行いました。これは平成五年度末現在の有害物質によります地下水汚染でございまして、千百五十一の地域でもって汚染されております。地域でございまして、箇所数ではございません。例えば秦野市みたいなものにつきましては、一つ地域というふうに計算してございます。  また、汚染原因物質といたしましては、最も多いのはテトラクロロエチレンでございまして、次にトリクロロエチレンとなっておりまして、これら有機塩素系化合物が全体のおおむね九割を占めておるという状況にございます。
  7. 谷津義男

    谷津委員 地下水は優良な水質を持っているものでありますから、これを飲料水に使っている地域といいましょうか、市町村はかなり多いはずでございます。そこで、今回の法改正一つの大きなポイントとしまして、浄化措置といいましょうか、これを命令するというのは、私はこれは非常に前進した措置ではなかろうかなというふうに思うのです。  そこで、この浄化措置命令に関しまして、汚染原因者が、不明といいましょうかわからない、あるいは仮にわかっていたとしても、既にそういう会社がなくなっておる、あるいは資力がなくて命令を受けても改善する方法がない、こういうふうな場合にどのように対応するのでしょうか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
  8. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の改正におきましては、地下水浄化措置命令特定事業場設置者に対して行おうとしているものでございます。特定事業場設置者でございますので、事業活動に伴いまして使用される化学物質の種類など、汚染原因者であります特定事業場設置者を特定するための必要なデータは、既に届け出等によりまして行政に蓄積されているということでございます。また、これにあわせまして土壌ガス調査などの技術を活用いたしまして、汚染原因究明調査を適切に実施しますことによりまして、基本的には汚染原因者は究明できるというふうに考えております。  しかし、今回の措置は、地下水汚染から人の健康を保護するというために必要不可欠の措置でございますので、今先生言われましたような非常に資力の乏しいものなどに対しましてどうするかという問題があるわけでございます。しかしながら、人の健康を保護するという観点からいたしますと、汚染原因者が資金の乏しいものでございましても基本的には浄化を実施していただく必要があるというふうに考えております。このような場合におきましては、技術的な助言など可能な限りの支援に国としても努めていきたいというふうに考えておりますし、一部の地方自治体におきましては、既に事業者に対しまして浄化装置を貸与するなどいたしまして、事業者の実質的な負担を軽減する方法をとっているところもございます。このような事例を参考としまして、適切な対応を検討いたしまして、今回行おうとします浄化措置が可能な限り円滑に実施されるように努めてまいりたいというふうに考えております。  また、先生が言われました、こうした措置によりましてほとんどの場合に対応が可能と考えてございますけれども、仮に汚染原因者倒産などによりまして存在しない場合があったときどうなのかということでございますが、これまでもこういう事例に対しましては個々の事情に応じまして地方公共団体において必要な対応がとられてきたケースが多いというふうに考えております。このような地方公共団体に対しまして、環境庁といたしましても必要に応じまして技術的支援とか原因究明のための調査費補助などを行うことによりまして、本対策が円滑に実施されるように努めていきたいというふうに考えております。
  9. 谷津義男

    谷津委員 それは、資力が足らない人に対してはわかります。それから倒産、わかります。しかし、原因者がわからない、こういうことも十分あり得ますよね。そういうときに市町村でやらなければならぬ。あるいはそれを超えて、市町村を超えて汚染されたところの水を飲まなければならない人たちだってあるわけですから、水にはボーダーはないのですから、そういうこともいろいろある。  そこで、もう一度ちょっとお聞きしたいのですけれども、そうすると、そういうふうに倒産したりあるいは原因者がわからないというふうな場合は市町村負担でやるわけですね。それを環境庁の方で補助するというふうな形になるわけですか。だとすれば、来年度予算にはそういうものの要求をする予定なのですか。その辺はどうなっているのでしょう。
  10. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 倒産などで原因者が不存在などの場合におきましては、先ほど申しましたように、現実には個々ケースに応じまして、これは費用対効果の問題もあると思います。そういうこともございまして、現実には市町村ないしは地方自治体の方がやっておられるわけでございまして、こういうものにつきまして環境庁といたしましてもできるだけの支援をしていきたいというふうに考えているわけでございます。  そのための予算はどうかということでございますが、平成八年度予算におきましては、原因究明のための調査費五千万円を新たに計上しております。また、従来から地下水水質監視のための補助といたしまして約一億円を毎年計上しておるところでございます。
  11. 谷津義男

    谷津委員 こういう原因者がはっきりわかるということは、既にそういう薬品なりそういうものが出るであろうということが予測をされる会社事前にわかっているわけだ。だとするならば、結果が出たからそういうふうなものでいろいろな費用もかけ、あるいは命令もしてやるという以前に、大体わかっておるところに対してはそれは建築基準法なりなんなりで事前防止する方法だってやらなければいかぬ、これは積極的にそういうことをやる。それは、会社にあるいは使用しているところに対して事前にそういうふうなことで、お願いというよりも義務づけですよね、そういうふうにやるべきだと思うのですよ。今度の改正の中ではちょっとそこまで踏み込んでいないように思うのだけれども、その辺のところはどうなのですか。
  12. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 基本的には、未然防止対策といたしまして、有害物質を含みます排水地下水に浸透させてはいけないという措置平成元年改正で直させていただいたところでございますが、一般的なそういう指導につきましては、従来から特定事業場を監督しております都道府県知事ないしは政令市の市長さんが立入検査等いろいろやりまして指導しているところでございますので、今回こういう制度が新たに設けられますならば、より一層その趣旨の徹底が図られますように、そういう地方自治体に対しまして環境庁といたしましても指導していきたいというふうに考えております。
  13. 谷津義男

    谷津委員 この改正案を読みますと、何か結果が出てそれでやるような面が強く出ておるわけですけれども、予防というのでしょうか、実際この環境問題というのは、私が思うに、改善をしたり改正をしたりして規制を幾ら強化したって、要は住民があるいは会社といったらいいでしょうか、そういう発生原因を持っているところが自主的に活動する、そういうものを助長しなかったら、これは私はだめだと思うのですよ。そういう観点から、やはり法の改正趣旨もあるのだろうとは思いますけれども、もっと、今お話がありましたけれども、原因者になる要素というのはわかっているのですから、事前にそういったものはもう流さないようにあるいは汚染させないようにやるということは、これはもう義務ですよね。そういうものはやはりしっかりやっていかなければいけないのだろうと思うのです。  ところで、もう一つ聞きたいのは、既に汚染されてしまっている、ですから要するに千百カ所ぐらいの地域というのがあるのだということで、町に汚染されてしまっているところに対してはどのようにこの法律対応するのですか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
  14. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の改正法案でございますけれども、これは、現に多くの地下水汚染が存在している、現実汚染された地下水によりまして人の健康被害が生じる可能性が、おそれがあるということにかんがみまして、汚染された地下水浄化措置を定めたものでございます。  このように、この制度は、現に存在する地下水汚染によりまして人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるときに、その汚染原因者に対しまして浄化措置を命ずるものでございまして、その汚染がいつ生じたかということは今回の法の適用に当たっては問題にしていないところでございます。このように、今回の浄化措置命令はあくまで現に存在する地下水汚染に対処するものでございますので、今先生言われましたように、既にもう汚染されてしまっている、今回の法改正前に既に生じてしまっている地下水汚染に対しましても、今回の法案対応適用があるということでございます。
  15. 谷津義男

    谷津委員 措置命令という、非常に画期的と言ってはなんですが、そういうふうな改正案です。そこで、これを見ますと、その措置命令都道府県知事が出すことになっているわけですね。そうしますと、先ほども申し上げましたけれども、地下水というのはどこの県でとまっているわけじゃない、県など、当然そんなものは通り越してくる、いわゆるボーダーレスですよね。ですから、複数の県、原因者県からその水を使用している県にまたがっている場合が多々あるだろうと思うのですね。そういう場合にこの措置命令はどういうふうに発動するのですか、その対応はどうなるのですか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
  16. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の措置命令は、水質汚濁防止法に基づきまして特定事業場設置者に対して行うものでございます。このようなことで、地下水汚染複数県にまたがり浄化が必要な場合でございますけれども、この場合でございましても、汚染源であります特定事業場が設置されておりますところの都道府県知事が、その当該特定事業場設置者に対しまして措置命令を発動するということになります。  このような場合におきましては、汚染源であります特定事業場が設置されております都道府県知事によって措置命令がなされるわけでございますが、そのなされた措置命令複数県にまたがっておりますので円滑に運用されなければいけないわけでございます。このようなために、関係する都道府県の間で連携協力する必要があるというふうに考えておりまして、環境庁といたしましても、これら関係する都道府県間の連携が円滑に行われますように、例えば情報を流すとか、いろいろな意味支援を行うことによりまして制度の円滑な運用が図られるようにしていきたいというふうに考えております。
  17. 谷津義男

    谷津委員 措置命令というのはかなりの権限を持ってやるわけですよね。今お話を承っておりますと、情報を流してというお話がありましたが、例えば私は群馬県です。群馬県が原因者埼玉県がその水を飲んでいるというような場合に、埼玉県の知事措置命令群馬県にすることは私はできぬと思うのです。そうすると、埼玉県の知事群馬県の知事措置命令をするようなそういう要請をするのですか、どうなんですか。情報の交換なんというので措置命令というのは出せるとは思えない。ですから、その辺はどうなっているのですか。
  18. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今申しましたのは、あくまでも当該事業場が設置されておりますところの都道府県知事がすべて責任を負いまして措置命令を出すわけでございます。ただ、その汚染の影響が複数県に及んでいるときには、複数県の情勢というのは当該県におきましては十分把握できない場合もあるわけでございます。  そういうことがございますので、言うなればその関係がうまくいくように環境庁としては仲を取り持つというのでしょうか、措置命令を出すところの知事の方に情報をよりうまく伝えられるようにしていきたいという意味でございます。
  19. 谷津義男

    谷津委員 ところで、今度の改正案の中で、私は一つ重大なものがおっこちていると思っている。それは、もうヨーロッパなんかでは非常に汚染が進んでいると言われている硝酸性窒素です。これは今日本でも非常にヨーロッパ並み汚染状況になってきておるということなんです。しかし、これは対策がとられておりませんね。この辺の実態はどうなっているのですか、今後どうするつもりなのですか、その辺をお聞かせ願いたい。
  20. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 硝酸性窒素によります地下水汚染についてでございますが、確かに既に一部の地域でその発生が見られておりまして、現在、要監視項目といたしまして今後の推移を継続的に監視しているところでございます。  本年の二月二十日に中央環境審議会から答申をいただいたわけでございますが、その中で、硝酸性窒素による地下水汚染対策は課題の一つとして答申の中でも掲げられておりまして、汚染機構対策手法などに関しましてなお調査知見集積が必要であるというふうにされているところでございます。  環境庁におきましても、このような指摘を踏まえまして、平成七年度から五年間の予定調査を実施しているところでございまして、その調査結果などを踏まえながら、今後適切な対応をとるように努めていきたいというふうに考えております。
  21. 谷津義男

    谷津委員 この問題は、おっこちているからやるのじゃなくて、やはり早急に対処すべきであろうというふうに私はひとつ忠告をしておきます。  次に、長官にちょっとお聞きしたいのですが、地下水は非常に貴重な水資源でありますね。ですから、科学的に調査をしたり、いろいろな面でそういうふうな意見をしたりして、そういう集積を基本にいたしまして、水質保全に向けては総合的な対応をやっていく必要があるであろうというふうに考えておりますが、この辺については長官としてどのように認識をお持ちでございますか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  22. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 先生指摘のとおりに、地下水というのは、生態系における健全な水循環を構成する重要な要素であることは申すまでもありません。また、これも今先生指摘になりましたけれども、全国で三千万人の国民の皆さんが飲み水として利用しているという意味では、実に貴重な淡水資源であります。特に、最近のように渇水左どのことを考えますと、これはその重要性というものはますます大きくなるというふうに私どもは認識をいたしております。  地下浸透規制による未然防止措置、そして今度の浄化措置によって地下水水質汚濁防止を図っていくこととしておりますけれども、地下水水質汚濁防止を総合的に推進するためには地下水環境基準の設定が必要であることは先生指摘のとおりでございます。この五月の二十七日に中央環境審議会に諮問を行ってまいりたいというふうに思っております。  また、地下水水質保全に向けた総合的な対空をより一層推進していくために、一つは、地下水の流動あるいは地質構造など地下水に係る科学品知見のさらなる集積が必要だと思っておりますので、このための必要な調査検討を進めてまいりたいというふうに思っておりますし、予算などの面でも、先生方の御協力をいただいて万全の対策を講じてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
  23. 谷津義男

    谷津委員 今長官お話しになりました地下水環境基準、私はこれは非常に大事だろうと思っております。お聞きする前に今答弁の中にありましたものですから、これは早急にきちっとつくっていく必要があるし、これからも地下水に対する依存度というのはますます高くなっていくでしょう。しかし、一方においては、地下水の過剰くみ上げ等によります地盤沈下等の公害も起こってくるわけでありますから、その辺の兼ね合いというのは非常に大事な問題でもあるわけでありますので、そういうものも含み合わせまして地下水環境基準というのをしっかりつくっていただいて、そして、そういう公害問題も含めて対応できるようなものにしていただきたいというふうに考えます。  次に、油の問題でちょっとお聞きしたいと思うのです。  油の流出によります河川等汚染ですね。これは今まででも多く見られているわけでありますけれども、法的な対応を現時点で講じようとするその根拠、理由、これはどこにあるのか。私はこれは遅過ぎたのじゃなかろうかというふうに考えておりますので、この辺のところはどういうふうに思っておりますか。これは局長の方に聞きたいと 思います。
  24. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 油の流出によります河川等汚染は、魚のへい死でございますとか油臭でございますとか油膜などの被害発生させまして、浄水場におきます取水停止などの被害を引き起こす場合もございます。そういうことで、水質保全上の重要な問題であるというふうに我々としても認識してきたところでございます。  これにつきましては、平成五年の十二月の中央環境審議会答申におきまして、油類等の「事故発生した場合において、公共用水域における被害発生拡大防止のために必要な措置が講じられるような仕組みとする必要がある。」という指摘がなされておりまして、環境庁ではこれを受けまして水質汚濁事故実態について調査を実施してきたところでございます。  この環境庁の実施しました調査によりますと、平成六年一月から平成七年六月までの約一年半でございますが、発生しました公共用水域における水質汚濁事故のうち油が原因となっているものが非常に多く、浄水場取水停止等水道被害、それから水田汚染等農業被害等被害が多発しております。  そういうことから、今回、油による水質汚濁事故に適切に対応すべく、水質汚濁防止法改正いたしまして所要の措置を講じようとしているところでございます。このような本法が成立した暁には、本法に従いまして油による水質汚濁事故に適切に対応すべく万全を期してまいりたいというふうに思っております。
  25. 谷津義男

    谷津委員 この油の問題は、先ほど私申し上げましたように、使用する人というのはもう特定できているのですね。大体できている。あるいは、生活雑排水の中でてんぷら油とか何か流すこともあるでしょう。そういうものもありますけれども、こういう面についてはかなり意識も高まっておりまして、流さないようないろいろな処置をなさっているという面もあります。  しかし、例えば油を使う業種、言うならば自動車の修理工場なんかも含めてかなり物すごい数があるのではなかろうかと思うのですが、実際どの程度のいわゆる事業所があるのでしょうかね。これは全国的には大変なものがあると思う。ですから、この法の適用を受けるであろうと思われる事業所というのは大体どのくらい掌握しているのですか。
  26. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の改正におきましては、特定事業場に加えまして、言うなら貯油施設、油タンクでありますとか油水分離施設を有します事業場を「貯油事業場等」ということで、新たに油による事故時の措置対象とすることとしております。  これら貯油施設や油水分離施設が事故発生施設となった主な業種でございますが、これは環境庁調査によりますと、各種製造業それから燃料小売業、再生資源卸売業、運送業それから自動車整備業、旅館業、非常に種類が多うございます。  なお、今回の措置の対象となる事業所、事業者の全体数を現時点で正確に把握することは困難でございますけれども、さきに申し上げました業種の全国における事業所の数から推定いたしますと、およそ百万程度にはなろうというふうに考えております。
  27. 谷津義男

    谷津委員 かなりの数があるわけでありまして、この業者といいますか、対象者といいましょうか、そういう事業所に対しましてこの法の趣旨を徹底させるというのは、これは大変なことだろうというふうに思いますし、これはまたやらなければいかぬということであります。この趣旨を徹底させるために、私はかなりの困難なことがあるだろうというふうに思うのですが、この制度の実効を高めるためには、どうしてもそれを徹底しなければならない。何か方法を考えておるのですか。
  28. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 先生指摘のとおり、この制度趣旨の徹底ということにつきましては、非常にいろいろ難しい問題があると思います。貯油事業所の数におきましても、今申しましたように約百万、もう少し、百万以上あると思いますが、この数も多く、それからまた特定事業所のような事前の届け出制度もないわけでございまして、制度の円滑な運用のためには、先と言われました趣旨の徹底は極めて重要であるというふうに考えております。  このようなことを踏まえまして、制度趣旨、内容については、十分な周知期間をとった上で、都道府県市町村その他関係機関の協力を得ながら、各種広報活動を通じまして広く周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
  29. 谷津義男

    谷津委員 油の事故の対処については、このような環境庁だけではこれは済まない、ほかの行政機関とも連携をすることは私は極めて重要なことであろうというふうに考えるのです。ですから、水質汚濁防止観点から考えても、環境庁が相当のリーダーシップをとらないと、これはなかなか対処すべきものに対しての適切な措置がとれないというふうに思うのですけれども、この辺のところは今日まで、この法案をつくるまでに相当詰めてもいるだろうと思うのですが、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
  30. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 油濁事故への対処といたしましては、事業所からの引き続く油の流出防止のほかに、流出した油によります被害を最小限に食いとめるべく、水道事業者を初めとします関係者への事故状況の連絡でありますとか、それから流出した油の回収など、関係する行政機関による対応が必要でございます。  このようなために、油による水質汚濁事故に適切に対応するには、先生指摘のとおり、このような関係行政機関との緊密な連絡、協力は極めて重要であるというふうに考えております。これまでも地方公共団体の環境部局が中心となりまして、関係行政機関との連携を図るよう指導してきたところでございますが、環境庁といたしましても、関係省庁に働きかけまして、さらにこのような連携を強化することによりまして、油による水質汚濁事故に適切に対応するように指導していきたいというふうに考えております。
  31. 谷津義男

    谷津委員 地下水とちょっと離れて恐縮なんですが、湖沼の件についてちょっと聞いておきたいと思うのです。  湖沼の水質保全、これは生活の排水対策が重要でありまして、今日まで大変な御苦労をいたがきながらやってきているわけでありまして、この点について、環境庁は最近どのような取り組み方をしておるのか。なかなか湖沼の汚濁については、よくいっているところもありますが、まだまだおくれておるということで、さらに努力が必要だろうというふうに考えておるのですが、この点について環境庁はどのように今日までやってこられたのか、この辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
  32. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 湖沼など公共用水域水質汚濁原因といたしましては、家庭から排出されます生活排水が大きな割合を占めております。このために、各家庭におきます廃食用油の処理でございますとか洗剤の適正な使用などの対策を進めていきますとともに、下水道それから合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の整備を進めていく必要があると思います。  環境庁におきましては、生活排水対策に係る全国的な普及啓発を実施するとともに、これはもう先生御承知だと思いますが、水質汚濁防止法平成二年に改正させていただきまして、生活排水対策の実施が特に必要な地域を重点地域として指定するという制度を設けさせていただいたところでございます。  環境庁におきましては、この重点地域における生活排水対策推進計画の策定でございますとか、それから生活排水による汚濁の著しい水路等を浄化する施設の整備などに対する補助を行っておりますほかに、重点地域におきます下水道、合併処理浄化槽などの生活排水処理施設の整備が積極的に進められますように関係省庁に対して現在強く働きかけを行っているところでございます。今後とも、引き続きこのような生活排水対策の一層の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
  33. 谷津義男

    谷津委員 湖沼につきましては、今お話がありましたように、改善を図っておる中でも、本当にはかばかしくないというふうに私は認識しているのですね。そこで、地下水に対しまして、この法でいわゆる浄化措置命令というのをやるわけですから、これに合わせて、私は湖沼にもそれをやっていいのじゃないかなという感じを持つのですけれども、この辺は議論をしなかったのですか。あるいはまた今度の改正案で、いろいろな要請市町村からあったというふうな話を先ほど申されましたが、こういう問題についてはそういう要請もなかったですか。地下水にせっかくやるならば、確かに地下水飲料水としてかなり使っていますが、湖沼関係だって飲料水に使っているところだってあるわけですから、その辺のところは当然浄化措置命令というものもやってもよいのではなかろうかと私は思うのですけれども、この辺は、局長、どういうふうにお考えですか。
  34. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 湖沼の水質保全対策でございますけれども、その汚濁原因などによりまして、これは多種多様となっております。このような中で、湖沼それから流入河川等におきます直接浄化につきましては、現在、曝気でありますとか生態系を活用した水質浄化、それからしゅんせつ、礫間浄化などが実施されているところでございます。  環境庁におきましては、湖沼やそれに至る河川の自然環境を保全しながら湖沼の水質改善を図ることが重要と考えておりまして、平成八年度から、生態系を活用いたしました、これはアシ、ヨシでございますが、水質浄化事業を創設いたしまして、湖沼の水質浄化に努めているところでございます。  先と言われましたように、直接の、地下水と同じような浄化措置命令をしたらどうかという御質問でございますけれども、今言いましたように、湖沼につきましては、そのような多種多様の汚濁原因などもございます。そういうことで、現在やっておりますような施策をまず進めることによりまして、湖沼の水質保全対策を進めていきたいというふうに思っております。  今後とも、それぞれの湖沼によりましていろいろ違うわけでございますので、各湖沼の特性を踏まえながら、排出規制でありますとか生活排水対策、さらにしゅんせつなどの直接浄化対策などを総合的に推進することによりまして、湖沼の水質改善に努めていきたいというふうに考えております。
  35. 谷津義男

    谷津委員 実は私は、先ほど申し上げました群馬県なんですね。群馬県は、大きな川として利根川があります。これにつきまして、実は、例えば公共下水なんか、今流域下水もありますけれども、こういう公共下水なんかは、群馬県が利根川に処理した水を放出するときには三次処理になっているのですね。三次処理ということになりますと、かなり利用者の負担というのは大きいのです。それから、当然建設費も多くかかるわけなんです。ところが、東京とか神奈川とか千葉とか、こういうところは二次処理で海に流しているのですよ。上流県なるがゆえに三次処理をしなければならない。下流県で直接海に出すところは二次処理でいい。上流県は、その水質保全するためにそうした負担を県民がしょっているわけなんです。あるいは建設費も膨大に余計にかけている。これは私は不公平だというふうに思う。当然、それだったらその水を使用する下流県が一部負担したっていいではないかという考え方を持つわけでありますけれども、そのように厳しく規制されているのですよ。  ですから、そういうことを考え合わせますと、湖沼においてもあるいは地下水においても、いろいろありますけれども、かなりそういう義務化されている地域があるのだということを認識の中に置いていただきたい。はっきり申し上げますと、群馬県の下水を使用する使用料と東京や千葉がする使用料とは雲泥の差で、群馬の方が高いのです、三次処理をするがために。こういうことも考えると、これは不公平であるというふうに思うのです。しかし、それは水の浄化といいましょうか、よい水ということで、我々はそれはもう我慢というのではなくて当然の義務だろうと思ってやっているわけでありますけれども、こういう不公平があるということも少し考えてもらいた  そういう辺について、長官、どういうふうに考えていますか。少しお聞かせ願いたいと思います。
  36. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 先生指摘の点について言うと、例えばヨーロッパ一つの川が国境を通って海に出ている、場合によったら国際紛争になるというふうな議論も現実にあったわけであります。また、日本でも水源税などの問題が議論になったこともございました。事ほどさように、上流県とそれから下流といいましょうか、海に面しているところを含めて財政負担の面でいろいろな問題があることは、これはもう率直に言って認めざるを得ません。  ただ、いわばミニマムをつくってそれを目指して、例えば環境基準なら環境基準ということのミニマムを目指して努力をしていくという点でいうと、共通の努力だ、国民のいわば義務として御理解をいただくということしかないわけであります。しかし、財源のことについて言うと、ある種の傾斜配分というものが行われてもいいのではないか。例えば下水の問題について言えば、一般の下水と、環境にかかわって非常に急がなければならない、あるいは対応を迫られているところについて集中的な投資が行われるというケースもあるわけでございますから、そういうことを含めてこれから考えていかなければならぬなと思っています。  いずれにしても、今の財源のあり方それ自身も含めていかないと問題の本質的な解決には至らぬのかなという認識先生と同じように持っていることを御理解いただきたいと思います。
  37. 谷津義男

    谷津委員 長官おっしゃるように、水は国民共有の財産であるというふうに考えますから、この辺のところは私どもはこれからまたいろいろと協議をしていかなければならぬところであろうかなというふうにも考えるわけであります。  長官、もう一つ湖沼の問題でお聞きをしたいのですが、湖沼の水質の状態を考えてみますると、環境庁としては引き続き強力な施策を講じていく必要があるのではなかろうかなというふうに思うのです。今後の取り組みについて、改めて長官の御認識を聞きたいと思うのです。
  38. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 湖沼が閉鎖性水域であることから、汚濁物質が蓄積しやすいということ、一たん汚濁すると水質の改善が容易ではないということ、だから湖沼は他の水域と比べて環境基準の達成率が低くなっている、この現実をしっかり受けとめなければならぬと思っています。  そして、湖沼の水質の改善を図るためには、排水規制のほかに下水道などの整備や蓄積した汚濁物質の除去対策など、各湖沼に応じたきめの細かい対策が必要であると思っています。  環境庁としては、水質汚濁防止法による排水規制に加えて、湖沼水質保全特別措置法による湖沼水質保全計画に基づいて、排水規制や下水道の整備、しゅんせつなどの水質保全対策を関係省庁と連携をとって総合的、計画的に推進していきたいというふうに思っています。  ただ、大変顕著とは言えないかもしれませんけれども、湖沼あるいは海域、河川にわたってBODまたはCODの達成率の推移を見ますと、改善の傾向が徐々に見られますので、一層力を入れていきたいというふうに思っております。
  39. 谷津義男

    谷津委員 時間がありませんので、最後に一点、ちょっと海洋法の条約についてお聞きいたしたいと思います。  今国会に国連海洋法の条約の締結が承認案件として提出されておりまして、今ほかの委員会で審議が行われているわけでありますが、本条約は、海洋環境保全観点から見ても極めて重要な条約であるというふうに私は考えております。海上投棄もあります。生態系の問題もあります。当然、環境庁としてこの条約締結に対応していく、非常に真摯に取り組んでいく必要があるというふうに私は考えるわけなんです。  ところが、そう言ってはなんですけれども、この海洋法については環境庁から何か法案が出てくるかと思っておったところが、出てこないということなので、この海洋法条約についての基本認識をどういうふうに考えているのか、これは局長に聞きましょう。局長、どういうふうに考えておりますか。
  40. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 国連海洋法条約は、確かに先生がおっしゃいますように、その第十二部というところにおきまして、各締約国に対しまして海洋環境の保護及び保全について必要な措置を講ずることを求めております。  この条約の締結のために、環境庁、外務省を初め関係各省におきまして、海洋法条約が求める措置内容の国内法令における担保状況、言うなれば条約上何が国内法で必要かということにつきまして各条文ごとに精査いたしました。その結果、海洋環境の保護及び保全に関しましては、我が国がこれまでに独自に講じてきました水濁法でありますとか大防法の措置、並びに海洋投棄に関するロンドン条約、さらに船舶からの汚染に関しますMARPOL条約などの個別条約に対応しまして、従来法律改正を行ってきたわけでございます。このような措置によりまして基本的には担保されているというふうに判断されたところでございます。  国連海洋法条約の締結を契機といたしまして、環境庁としても、海洋環境保全への取り組みを一層強化していく必要があると考えております。このために、まず海洋環境保全に関します科学的知見が国際的に不足しているという状況にございますので、近隣諸国との協力を進めながら、海洋環境の的確な把握のための調査研究の一層の推進に努めたいというふうに考えております。  また、本年一月からでございますが、海洋汚染、海洋物理、海洋生物等、海洋環境に関します幅広い専門家に集まっていただきまして、その御意見を伺うための懇談会を開催しているわけでございます。今後実施すべき海洋環境の保護及び保全のための措置などにつきまして、この懇談会などを通じましてさらに検討を進めていきたいというふうに考えております。  このような成果を踏まえまして、今後の我が国における海洋の開発及び利用の状況なども考慮しながら、海洋環境保全のための施策の充実強化を図っていきたいというふうに考えております。
  41. 谷津義男

    谷津委員 時間が来ましたので、要望だけ申し上げますけれども、この海洋法は環境庁にとっては本当に重要なものだと私は考えております。最近どうも海岸などには、よその国の文字の入ったものも随分打ち上げられてくるということもあります。当然我が国としても考えなければならぬ問題も幾つもありますが、そういった他国も、近いところと言ってはなんですが、そういう接点のようなところもありますから、そういった面。それからもう一つは、ロシアの原潜の核の廃棄の問題がありますから、こういう面はしっかりとこの海洋法を踏まえてやっていかなければならぬだろうと思います。そういった面で、ひとつ環境庁もこの辺のところはしっかりとその原因を踏まえていただいて、対応をしっかりやっていただきたいということを申し述べまして、終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  42. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 長浜博行さん。
  43. 長浜博行

    ○長浜委員 大変参考になる質疑を今聞かせていただいたことを前提としながら私の質問にお答えをいただければというふうに思います。  よく先輩議員からも、環境の問題というのは党派性は余りないんだとか、党派の対立はないんだというふうに言われておりましたけれども、私も、今のような質問を伺っておりましても、どう言ったらいいのでしょうか、いわゆる政治の場にいる人間というよりも、環境とか自然とか、こういったいわゆる超人間的といいますか、天から与えられたものに関する問題の議論を政治の場でするという役割を与えられたポジションにいるということの重みを近ごろ痛感をしているわけであります。  何度も申しますが、私は、二十一年間にわたり水質が一番悪いと言われている手賀沼の地域から選出をされている議員でありますが、こういった自然環境が急激に失われるということよりも、いつの間にか人間が環境を壊していくという作業を知らない間にし続けているということの罪の重さを実感するわけであります。  たまたま前回の大気汚染防止法の質問もさせていただきましたし、今度は水であります。今、海洋法のお話もありました。各国は海でつながれておりますから海洋法の問題が出てきましたけれども、今度は、世界をつないでいるのは空気でありますから大気の問題においても、さっきは海に打ち上げられる他国からのそういったものというふうにありましたが、前回の私の質問は酸性雨の問題でありました。こういった地球規模での環境問題に関しても日本が指導的役割を果たしていかなければならない、これこそが真の国際貢献ではないかなというふうな意識を持っているものですから、昨今の私の質問においてもその点の趣旨をぜひ御理解をいただければというふうに思います。  ですから、いわゆる環境行政の哲学、何か問題が起きたときにそれを受けてどう処理しようかという基本姿勢ではなくて、積極的な、予想し得るとか残念ながら起こり得るであろうということに関して何ができるか、こういった問題意識の転換をしないとなかなか環境行政というのは進まないのではないかな。  この問題の大先輩であります岩垂先輩を前に申し上げるようなことではないのかもしれませんが、そういった観点から、前回も本会議で、環境の問題が欠落をしている憲法を抱えるのであるならば当然憲法を改正すべきではないかというような趣旨の質問もいたしましたし、それが難しいのであれば、さまざまなODAあるいは国内の公共事業、こういった問題のすべてを統括するのは当たり前でありますが総理大臣でありますので、その大前提となるところの環境問題に配慮するためにはその地位を総理大臣が兼ねていくということしかないのではないかな、こういった趣旨で本会議でも御質問をしたわけであります。  ですから、環境に対する物の見方、考え方といいますか、政策の大転換を起こしていかなければならない、状況対応型の環境行政では間に合わないのではないかなというふうに、大変僭越でありますが、若手の議員として感じているわけであります。やはり環境行政というのは未来の大人たちとの契約、つまり今の子供たちに理解を得られない状態のまま進めていくことが将来に大きな禍根を残す、こういう問題意識を感じます。  今回の水質汚濁防止法も、その歴史的沿革を目てみれば、公共用水域水質保全に関する法律と工場排水等の規制に関する法律ということでございます。これが昭和三十三年の十二月につくられたという法律でありまして、これは私が生まれた年であります。その生まれた年の法律の問題を、もちろんその後、法改正を含めて形を変えているわけでありますが、それを今この私が国会の場で議論させていただける、あるいはしなけれげならない、こういう一つの歴史的な位置づけといいますか、こういう問題からもこの環境問題というのは大変重要な問題を含んでいるな、そのように思っております。  それから、質問項目が類似する場合は、先ほどのお答えを十分理解をした上で、さらに別の角度からお答えをいただければ、そのように思うわけであります。  やはり気になるのは、環境行政に関して厳しい縛りをかけていかなければならない。言葉は悪いのですが、今の日本の商工なり厚生なりと言っていいのかどうかわかりませんが、そういう状況の中においても起こり得ることを予想しながら、調整官庁であるところの環境庁が先頭に立って、あつれきを起こしながら、こういうことが起こるかもしれませんよ、だから注意をしてください、あるいは指導をする、もっと言えば先に法制化をしてしまう、こういうことも必要ではないかなというふうに思っております。  一つの例として、硝酸性の窒素による汚染の件ということもあります。さっき平成八年度の中環審の答申お話が出ましたが、それ以前の平成五年の十一府県の調査によっても、あるいは同年の三月八日の水質保全局長の通知によっても、この硝酸性窒素による問題というのは指摘をされているわけであります。先ほどの御答弁からいっても、まだこの時期においてはいわゆる知見集積が進んでいないというような内容を含む今回の法制化への取り組みの見送りというような印象を受けたのですが、この問題について御答弁を願えればと思います。
  44. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 硝酸性窒素による地下水汚染につきましては、先ほど申し上げましたように、確かに現在水質汚濁防止法による規制対象項目とはしておりませんけれども、要監視項目といたしまして引き続き知見集積に努めるべきというふうに判断しておりまして、今後の推移を継続的に監視しているところでございます。  確かに先と言われましたように、平成五年の中環審の答申、それからことし二月の中環審の答申岡方におきまして、硝酸性窒素対策、課題につきまして指摘されているわけでございますけれども、硝酸性窒素による地下水汚染につきましては、汚染のメカニズムなど不明な点が多く、原因の定量的な把握というのは非常に難しいという問題がございます。このようなことがございますので、平成七年度より硝酸性窒素による地下水汚染対策調査を開始いたしまして、現在鋭意やっておるところでございます。このような調査の結果を踏まえながら、今後適切な対応をとってまいりたいというふうに考えております。
  45. 長浜博行

    ○長浜委員 先ほどの長官お話にもありましたように、何しろ三千万人の方々が、一億二千万の人口のうちの三千万人の方々がいわゆるこの地下水を含む問題にある意味でかかわり合っているというそのパーセンテージの問題を考えても、あるいは農村地帯における農薬の問題とかいろいろな問題があるのでしょうが、この問題に関しても、現実にそれを飲用したり、地下水を農業用水として使ったりした作物を食べるというような観点からも、この問題に関してはいわゆる推測の余地にとどまっているかもしれないけれどもやらなければいけない。つまり、はっきりした段階ではもう遅いという時点を含まれるものでありますから、その知見集積のためにどのぐらいの期間を要するのかわかりませんが、これは大気汚染防止法のときも議論したことでありますが、もう既に一九九六年を迎えているわけでありますから、限りなくその集積の時間を少なくして形にあるものとして規制をしていただければというふうに思います。  それから、従前より地方公共団体等から、汚染者を特定できても汚染者の責任を問う法制度が整備されていないから国として何とかしてくれ、こういう要望がずっと上がり続けての今回の対応というふうに認識をしておりますが、私自身も遅きに失した対応とは思いますが、この点に関してのコメントをお願いいたします。
  46. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 平成元年水質汚濁防止法改正によりまして、地下水汚染未然防止対策を講じたところでございます。ただ、当時は地下水浄化等に関します技術でありますとか科学的な知見が必ずしも十分ではなかったということから、汚染された地下水浄化措置制度化ということにつきましては当時は困難であるというふうに判断いたしまして、未然防止対策だけにとどめたという経緯がございます。  その後、地下水浄化につきまして、地方公共団体におきまして実地の経験が積み重ねられてきたというようなこと、それからさらに、環境庁におきましても、平成六年の十一月には地下水浄化に係る技術指針を取りまとめたというようなこともございまして、科学的な知見集積されてきたという経緯がございます。  このような状況を踏まえまして、それから、先ほど先と言われましたように地方自治体の方からも非常に強い要請があったということ、並びに現実全国的に一千カ所を超える地下水汚染発生しているというようなことなども踏まえまして、今回新たに地下水浄化につきましての制度化を図るということにしたわけでございます。
  47. 長浜博行

    ○長浜委員 今の御答弁の中にもありましたように、あるいは先ほどの質問でも、既に千カ所以上の汚染された地域においてこの法律は効果がある、つまり適用するというようなお話がありましたけれども、この条文の中を読んでみますと、汚染された時期がいっかを特定をして、そのときの事業者がだれであるのか、それを特定しながら、現在もその事業者が事業を営んでいる、そういった場合には当然あなたがこれを改善をしなければいけないというような規定でありますが、既にその事業者がかわってしまっている、あるいは法律が公布をされる前に事業形態を変えてしまってその事業者ではなくなってしまっている、例えば、金属加工業、その汚染物質を洗浄する業者をやっておられた方がその後マンションを建てられる、こういう業態転換が現実には現在の産業空洞化の進展とともに起きているわけでありますが、こういった事業者の連続性がない場合に、少なくともそのとき事業をしていた人間がはっきりはしているのだけれども、既にその業態を変えてしまって、公布以降この問題が露呈した場合には、遡及効果の問題について御説明をいただければと思います。
  48. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の改正法案は、現に存在する地下水汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるときに、その汚染原因者に対しまして浄化措置を命ずるものでございまして、その汚染がいつ生じたかは法の適用に当たって問題にはしていないということでございます。したがいまして、措置命令につきましては、あくまで現に存在する地下水汚染に対処するものでありますから、既に生じてしまった地下水汚染も含めまして、特定事業場に起因する地下水汚染につきましては対応できるということにしているわけでございます。  しかしながら、この措置命令制度といたしましては、汚染原因者を確実に特定しまして行使する必要がございます。汚染原因者事業活動状況など、汚染源特定のためには十分な資料の存存が制度の適切な運用の前提となるものでございます。このような観点からいたしますと、この法律の公布の日前に既に特定事業場設置者でなくなってしまった汚染原因者につきましては、行政において関係資料を必ずしも十分に保存しているとは限らないという事情があるものでございますので、制度の安定的な運用を期しますために、これらの者に関しまして、法案の附則第二条によりまして、措置命令制度適用しないということにしたものでございます。  なお、業種転換でありますが、それがあくまでも特定事業場でありますれば当然ながら適用対角になりますが、今先生言われましたように、マンションなど特定事業場ではなくなったような場合には、先ほど言いましたように、措置命令制度適用されないということでございます。  なお、今申しましたのは本改正案の施行前の話でございまして、本改正案の施行後につきましては、特定事業場を廃業して業種転換した場合におきましても、措置命令の対象とすることにいたしております。
  49. 長浜博行

    ○長浜委員 ですから、余り細かい点をつつつきたくはないのですが、基本的に、この数年のいわゆる産業構造の大転換をする中において、こういった問題が起こり得る余地が十分あるわけです。  御承知のように、来年の四月一日からでも、その前に公布をして、それが今局長おっしゃられるように適用になりますよということでありますが、これが例えば十年前、二十年前の時点であって、百歩譲るとして、十年前、二十年前の問題を今さら持ち出されてもというのはわかるのですが、二、三年前の問題で現実にこういう問題があって、特定もできるにもかかわらず、その他の訴訟等の方法を利用すれば別でありますが、今回の法律からはいわゆる抜けてしまう、特定者が目の前にいるにもかかわらず抜けてしまうというのは、ある種の法の限界を感ぜざるを得ないわけでありますが、そういったところにおいては何か議論がございましたですか。
  50. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 このような一つ制度を設けます場合に、ある時点でどうしても切らざるを得ないという状況がございまして、今回は法の施行前、施行後ということでこのような区切りをしたわけでございます。このような整理をしたわけでございますけれども、環境庁が把握する限りにおきましては、地下水汚染原因者である特定事業場設置者でございましてこれまでに廃業などを行った者はほとんどないというような状況でございまして、調査の件数も非常に少のうございます。ということから、現実問題としては、そう大した問題にはなっていないのではないかというふうに考えております。
  51. 長浜博行

    ○長浜委員 それから、今のは汚染者が特定はできるのであるけれどもこの法律適用できないという限界について述べましたが、今度は汚染原因者が不明な場合ということが考えられるわけであります。  現に、例えば、平成六年の五月ですか、総務庁から出された「水質保全対策に関する行政監察結果に基づく勧告—水質汚濁防止対策を中心として—」というレポートの中にも、「地下水汚染が確認された場合には、汚染の範囲を把握し、」というようなことで、「地下水汚染調査の手引き」、これは平成四年の七月に改訂されておるものでありますが、「調査の実施主体を示していない。」として、  調査の実施主体を示していないことについて、環境庁は、現在自主的に汚染源を把握するための調査を行っている事業者地方公共団体が、自ら調査を行う責任がないと受け止めてしまうおそれがあることを挙げているが、地方公共団体から調査の実施主体について照会があった場合には、基本的には、汚染原因者が明らかであれば当該原因者が、また、汚染原因者が明らかでなければ地方公共団体が、それぞれ実施すべきであると回答しているとしている。  また、全国地下水汚染地区における汚染源を特定するための調査の実施状況や当該調査結果に基づく汚染源の特定状況について、環境庁は、地方公共団体から水質保全局長に通知をさせることとしていないこともあって、把握していない。 という記述がこの中にもあるわけであります。  こういったことも含めての今回の改正ということもありますけれども、汚染原因者が不明な場合、さっきも申し上げましたように地方公共団体に、言葉は悪いですが、やらせるといった場合に、環境庁はそれを支援するあるいは指導する、こういうお話もありましたが、先ほどの質問でもありますように、財政的な裏打ちがない、予算措置も含まないというような状況におけるアドバイスとか指導というのはどういうことを含むのか、御答弁を願います。
  52. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 予算的な措置、裏づけのないアドバイスや指導というようなことでございますけれども、先ほど答弁いたしましたように、一応、都道府県が行います汚染源究明のための調査の一部に充てますために、今年度、八年度、新たに予算措置といたしまして約五千万円の予算を計上しているところでございますし、それから、全体的に、水質の監視のための補助といたしまして毎年一億円を計上しているところでございます。  それから、技術的な支援等につきましては、平成六年の十一月に技術指針を出しまして、それに基づきまして都道府県等の方が現実事業者等を指導しているというようなことでございます。  それから、原因者が不明な場合でございますけれども、これは、先ほど申しましたように特定事業場設置者を対象としていますことから、都道府県知事への施設の届け出でございますとか、それから都道府県によります定期的な立入検査などを通じまして、事業活動に伴い使用されている化学物質の種類でありますとか事故発生状況などは都道府県等の方でもって把握しているところでございます。  さらに、このような基礎資料のほかに、周辺の井戸水の調査でありますとか表層土壌調査などによりまして、揮発性のある有機塩素系化合物による汚染につきましてはさらに土壌ガス調査などを行うことによりまして、基本的には汚染原因者は特定できるというふうに考えております。
  53. 長浜博行

    ○長浜委員 今の質問に関連して、きのう準備をしておりましたときに、ちょうど新聞に、西多摩郡日の出町の谷戸沢処分場周辺の井戸と河川十一地点で行った水質調査結果の東京都のおとといの発表が載っておりました。シアンやカドミウムなど人体に影響する十八物質は検出されなかったとか、あるいは水素イオン濃度や鉄などその他の二十物質では四地点で基準以上の数値が六項目観測されたというような報告でありますが、私がさきに質問をしたときと同じように、こういう問題に関しては局長に御報告が行っているのでしょうか。
  54. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今先生言われました谷戸沢の廃棄物処分場のことでございますが、これは基本的に最終処分場でございますので厚生省の方が管轄しておりますので、まず厚生省の方にすべての報告等が行っているわけでございます。  ただ、私どもにつきましてもこれはいろいろ関係しているところがございます。そういうことで、私どもの方におきましても事態の把握には努めているところでございます。
  55. 長浜博行

    ○長浜委員 ですから、今申し上げましたように、こういった、例えばごみの処理場とかなんとかの問題もすべて、雨が降れば水が土に潜るし、ビニールシートが破れていたとか破れていないとかいうことで大問題になった部分でもありますので、この分野に関しても、一つのたまたまきのネ見つけた新聞の例でありますけれども、ぜひ長官、こういう問題に関しても環境庁が先頭に立って厚生省なりを指導していくというような形での運営方法に変えないと限界が出てくるというふうに思うわけであります。  こういう問題も含めて、私は、論理の飛躍かもしれませんが、基本的に行政情報の公開、情報公開を整備していかなければ、こういった問題を明確に生活者なり住民なりに理解をしていただくことができないということでありますので、起きてしまったことの責任を責めるということではなくて、現状こういう数値になってしまっているのだ、だけれどもこれを解決しなければ子孫に累を及ぼす、被害を及ぼすことになるから協力をしてくれというようなことを大前提としながら、すべての行政情報の公開をしていくことによって、こういった問題も問題の先送りによるところの被害の倍増化は避けられるのではないか。論理の飛躍でありますが、一言申し上げさせていただきたいと思います。  それから、一番重要な、今回、油を項目に加えたということを評価されているようであります。  先ほどの自民党の方の質問にもございましたように、この油を取り入れたのが遅過ぎたのではないかということに対する論拠として、いや、平成六年の一月から七年の六月にかけて行った調査があって、その六年か七年の時点からするともう一年ぐらいの対応だというようなニュアンスがうかがいとれたわけでありますが、申しわけありませんが、この調査自身が遅過ぎたのではないかというふうに私は認識せざるを得ないわけであります。原因物質の割合で、油類が何と六二%、過半を過ぎているような物質の存在の調査平成六年、七年の調査でして、八年で補正をしたからこれは決して遅過ぎることはないというような論拠にはならないと思いますが、局長、いかがですか。
  56. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 先と言われますように、確かに平成六年一月から七年六月にかけまして一年半やった結果、それを踏まえましての今回の改正でございますけれども、調査したのが遅いではないかということにつきましては、確かに私どもとしては反省すべき点があろうかと思います。  ただしかし、有害物質公共用水域への流出事故ということに当初重点を置きまして、今まで事故時の措置を講じてきたわけでございます。その後に油ということで、今回このような調査をした、そういう段階的な流れがございます。  そのようなことで、少しおくれた面は確かに先生おっしゃるとおりかもしれませんが、今回この法改正が成立いたしますれば、この油事故に対しまして万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  57. 長浜博行

    ○長浜委員 時間も少なくなってまいりましたので、私の手賀沼の問題意識についてお尋ねをしたいというふうに思います。  先ほど谷津議員の質問、上流のサイドの議員の方から、湖沼法の問題点あるいは湖沼の汚染についてという指摘がありましたので、私にとっては大変新鮮でありましたが、まさにある意味では下流の方の議員、あるいは水の行き着く先で、それ以上行きようがないところでとどまり続けているところからの発想であります。  こういった手賀沼の周辺でも、驚くべきことに実はわき水というのがあるわけであります。そして、日曜日になるとハイキングに来られた方々が、何かおいしい水があるようだよということでその水を飲まれるわけであります。もうすぐそこにある沼の水のCODの濃度とか、あるいは何年にわたり日本一か、こういう興ざめな話はその方々にはいたしませんけれどもおいしい、おいしいと飲まれている水がわき水としてそこに存在をしている。  こういったものに関しての水質調査、あるいは環境庁は名水百選などというのも定めておられますが、こういう湧水に関してはどのような水質調査を行っておられるでしょうか。
  58. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 公共用水域及び地下水につきましては、水質汚濁防止法に基づきまして水質測定を行っているところでございます。しかし、すべての湧水について水質測定を行っているわけではございません。飲用として利用する場合は、利用者におきまして保健所に相談するなどしまして水質を把握していただくことが必要ではないかというふうに考えております。  なお、手賀沼周辺の千葉県柏市におきましては、市の事業として湧水の水質検査を行いまして、飲用不適な場合は住民に周知していると聞いております。今後、湧水に対する住民の関心の高まりに応じまして、関係地方自治体地域の実情に応じた適切な対応が行われるものと考えております。
  59. 長浜博行

    ○長浜委員 それから、特定事業者ではなくて、やはり周辺には、規制の対象外といったらいいのですか、小規模の事業者とか、あるいは今回の沖の対象の中にも、動植物オイル、てんぷら、ゴマ油、こういったオイルも含まれているわけであります。事業体ではないですね、家庭ですから、一つの家庭においては流す量は微量であっても、この微量の集積が、例の一円を一億人から集めると一億円だという議論でありますが、その集積の中において生活雑排水汚染が、典型的な例として手賀沼のような状況を呈しているわけであります。  こういった、なかなか現実には法の規制において一律にかけられない小規模事業者あるいは日常の生活から起こるところの油汚染についてはどのようにお考えになりますでしょうか。
  60. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の改正におきましては、従来から水質汚濁防止法規制対象でございます特定事業場に加えまして、施設の破損等に伴って生ずる油濁事故に対処しますために、油タンクでありますとか油水分離槽を有する事業場も措置の対象に追加することにしております。  このために、特定事業場でない小規模な飲食店につきましても、これら貯油施設などを持っておりますれば、油濁事故発生した場合には今回の事故時の措置の対象となります。ただ、これらにつきましては、環境庁調査におきましても事故発生件数は少のうございます。  それからまた、家庭からのものにつきましては、事故発生件数も少なく、今回の措置はあくまでも事業場を対象としているということから、事故時の措置の対象にはしてございません。  なお、小規模事業場や家庭からの通常時の排水でございますが、その中に油が含まれる場合も多々あるわけでございます。このような場合につきましては、水質汚濁防止法や条例の排水規制の対象外の小規模事業場につきましても、多くの自治体におきまして独自の要綱、さらにマニュアルなどを作成いたしまして、これによりまして排水対策を指導しているところでございます。また、家庭の台所からの油の排出につきましても、これは生活排水対策の普及啓発を行っているところでございまして、今後とも引き続きこのような指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
  61. 長浜博行

    ○長浜委員 質問を終わります。
  62. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 田端正広さん。
  63. 田端正広

    ○田端委員 私は、環境行政の柱というのは二つある、こう思います。それは、空気と水ではないのかな。そういった意味で、きょうの水問題を中心にした地下水の問題は非常に大事なテーマである、こう私は考えているわけでありますが、そういう大切な自然の水をどう守るか、そういう視点からきょうは質問をさせていただこう、こう思います。  今回の水質汚濁防止法改正というのは、そういう意味では大変大事な問題だと思いますが、それは、地下水を共用している人が三千万人もいるというこの現実、そういう意味で、いかにきれいな地下水を確保するか、これが非常に大きなテーマではないかな、こう思います。  ヨーロッパなんかは、そういった意味では、むしろ地下水が主流になって給水量の七割ぐらいを占めている都市もある、こういう現実もありますから、日本でも、そういった意味で、古来、我々もかつては井戸水を使ってきたわけでありまして、ぜひ地下水というものを大切に守っていきたい。例えば岐阜なんかは一〇〇%地下水だというふうにも聞いておりますけれども、あるいはまた先般の阪神大震災のときにも、非常時における地下水というものがいかに大事であったかということが今問い直されているわけですから、そういう視点からもきめ細かい地下水の活用ということを考えていく必要がある。  そういう意味で、地下水環境基準がまだ設定されていませんが、これを早く設定すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  64. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 地下水環境基準につきましては、その設定につきまして、来週でございますが、来る五月の二十七日に中央環境審議会に諮問することとしておりまして、環境庁といたしましては、遅くても年度内には設定に必要な措置をとりたいというふうに考えております。
  65. 田端正広

    ○田端委員 今、来週にでも中央環境審議会の方に諮問するということでございますから、ぜひことしじゅうぐらいにその方向を示していただきたいと思います。  それからもう一点は、地下水脈といいますか、地下水学といいますか、地下水に対する科学的な研究というものがちょっとおくれているのじゃないか。つまり、日本は河川の水に頼ってきたといいますかへそれを中心にしてきているだけにそういう研究がおくれているのではないか、私はこう思うわけでありまして、例えば地下水に農薬とか除草剤というのがどういう形でどういうふうになっていくか、そういうメカニズムを含めた総合的な地下水保全対策というものを今後もっと研究していく必要がある、そう思うわけでございますが、いかがでございましょう。
  66. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 先生おっしゃいますように、地下水水質保全に向けました総合的な対策をより一層推進していくためには、地下水脈の状況地下水の流動、地質構造など地下水にかかわります研究の推進並びに科学的知見の充実が不可欠であるというふうに考えております。このために必要な調査検討を今後進めていきたいというふうに考えております。
  67. 田端正広

    ○田端委員 ちょっと話が変わりますが、日本の水道というのは生水のままで飲める、世界の中でも本当に唯一と言っていいぐらいの国ではないかな、こう思います。そういう意味で我々の感覚も、水はただである、今までこういう意識があったと思います。しかし、現実には今、おいしい何とかの水とかというPETボトルに入った水を買う時代に入ってきました。また海外からも、どこどこの水ということで、そういう輸入されたミネラルウオーターもたくさん今市販されているわけでありますが、昨年の秋でしたか、これらの中にカビがあるということで大きな話題になりました。  きょうは厚生省の方お見えかと思いますが、そういう食品、食品になるのだと思いますが、食品の衛生上からいって、水が今市販されているわけですが、そういう安全をどう保つかという意味で、昨年の騒動の経過並びに事後対策をどういうふうにされたか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  68. 堺宣道

    ○堺説明員 昨年秋以降のミネラルウオーターの異物混入等の事例の頻発にかんがみまして、昨年九月二十日に各都道府県それから検疫所あてに通知をいたしまして、国内の製造、流通及び輸入時における検査を強化してまいりました。  昨年十二月までに、国産品十三銘柄、輸入品三十二銘柄、合計しまして四十五銘柄のミネラルウオーターについての異物混入等が判明いたしました。  また、今回の問題につきましては、関係省庁との連携のもと、異物混入の原因の解明と改善措置がとられるということが解決を図る上で重要というふうに考えまして、農林水産省とのミネラルウォーター類安全確保に関する連絡協議会を設置いたしまして両省間の連携を強化するとともに、農林水産省の協力を得て、ミネラルウォーターの衛生確保に関する研究班によりまして原因究明及び再発防止のための調査研究を行い、平成八年一月二十三日にその報告書が取りまとめられたところでございます。  この報告を受けまして、平成八年二月五日に、各国大使館に対しましてミネラルウオーターの衛生確保に関する研究報告の説明会を開催いたしまして、違反のあった輸出国政府において、この報告に沿って対策をとるように要請したところでございます。対策の講じられた銘柄については、輸入時の検査強化を解除することといたしました。また、国産品についても、対策が講じられたことが確認できたものについて製造の再開を認めたものでございます。  今後とも、調査研究の成果などを踏まえまして、ミネラルウオーターの安全対策を推進してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。
  69. 田端正広

    ○田端委員 ぜひ安全対策をしっかりやっていただきたいと思います。  環境庁が日本の名水百選というのを選定されたのが今から十一年前、昭和六十年だったと思いますが、そういう意味では、国民の中に、水の大切さあるいは水をいかにきれいに保つかという意味の大きな啓発になった、こうは思いますが、私は、全国いろいろな名水がある中で、十年もたてば、十年前に設定したことと少し社会状況、環境状況が変わってきているのではないか、こういうことを感じます。逆に今、自然のそういうおいしい水というものを求める国民といいますか一般のそういう声が高まっているだけに、一回ここで再調査した方がいいのではないのか、再点検をされたらどうか、こういうことを感じるわけです。観光的な目玉になったり、いろいろな意味で、いや取り消しは難しいということになるかもわかりませんが、しかし、一度検討する必要がある。  例えば、柿田川ですか、あそこからトリクロロエチレンが検出されたということが先般話題にもなり、あるいは北海道のナイベツ川の湧水というのは、千歳のところにありますけれども、すぐわきに民家がずっとある、あるいはちょっとその横のところにはゴルフ場もあります。そういう意味で、十年前に選定した場所が、その後の社会状況で、そういう本当の意味の名水が保たれているのかどうか、そういうことをちょっと心配するわけですが、環境庁、いかがでしょう。
  70. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 環境庁では、昭和六十年に名水百選を選定したところでございますが、その目的とするところは、身近な清澄な水であって、古くから地域住民の生活に溶け込み、住民自身の手によって保全活動がなされてきたものを再発見するとともに、これを広く国民に紹介することによりまして水質保全意識の高揚を図るところにございました。  その後、名水百選に選定されました市町村が連携いたしまして全国水環境保全市町村連絡協議会を設立いたしまして、水環境保全に取り組む人々の交流を図るなど、この名水百選を契機といたしまして地域住民の環境保全活動の推進が図られてきたところでございます。  名水百選の選定後十年余りを経過いたしまして、各地において名水保全の機運が定着してきているわけでございますが、先生おっしゃいますように、都市化等によりまして状況が変化しているものもございます。環境庁といたしましては、名水百選の今後のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。
  71. 田端正広

    ○田端委員 長官にちょっとお伺いしたいと思いますが、私は、この名水百選はちょっと誤解があるというふうに思うのです。例えばこの百選の中に、仙台の広瀬川とか、愛知の木曽川、あるいは岐阜の長良川、広島の太田川、高知の四万十川等々、川そのものが名水百選に指定されているのですね。これは、名水という言葉の響きというのは、やはり飲んでおいしい水というイメージが強いと思うのです。  今申し上げたような川の中流が指定されているわけですが、その名水というイメージ、確かにこれらの川は水はきれいと思いますけれども、ちょっとイメージが違うのではないかな、そう思います。したがって、新名水百選というものを一回考えて、本当に飲んでおいしい水、自然のわき水、そういう新しい百選をもう一回選び直したらどうか、こう思いますが、いかがでしょう。
  72. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 先生指摘のとおりに、昭和六十年に名水百選が選定されたわけですけれども、これは、国民の健康志向やミネラルウオーターの人気などによっておいしい水ブームが起こってきたわけであります。これは先生のおっしゃるとおりです。一部では名水百選は飲めるおいしい水がという誤解が確かにあります。しかし実態は今御指摘のとおりでございますけれども、だからといって名水は飲めるおいしい水だというのは、私どもは誤解だというふうにむしろ理解をしていただかなければならぬと思っているくらいなんです。というのは、水質保全意識の高揚を図ることを目的とした選定であったということをまず申し上げておきたいと思います。  そこで、これを削るということになると大変なことでございますが、やはり改めてこの名水百選の選定のあり方について、今先生御提案をいただきましたけれども、どのような観点から選定したらいいかということを今後とも御指摘のことも考えながら、念頭に置きながら考えてみたいというふうに思いますので、御理解をいただきたいと思います。
  73. 田端正広

    ○田端委員 一度考えていただきたい、こう思います。  次に、水不足の問題をちょっとお伺いしたいといます。  建設省、国土庁の方もお見えかと思いますが、これから水の問題を論議する場合に、渇水問題というのは必ずついてくる議論だろう、こう思います。平成六年、七年等の渇水状況はまさに、これは国土庁のパンフレットですけれども、ダムがからからになる、こういう渇水状況で、平成六年で千五百万人の人が西日本を中心に水不足で悩んだ、「十二時間断水福岡市」とか、こういう状況であるわけであります。  ところが、ことしの冬、長官御存じかどうかわかりませんが、この二月、三月、渇水になったところが、全国で一、二級河川の水系で十三本の河川の関係のところが取水制限が行われた。例えば荒川の埼玉、相模川の神奈川、吉野川、これは香川、徳島、筑後川の福岡、これらのところを含めた十三本の河川でそういうことがあったという。四月に幸い雨が降ったから今はそういう悩みから解放されたわけですけれども、冬場に渇水、しかも埼玉とか神奈川とか、こういう関東にまでそういう状況が起こっているというのはちょっと異常なことではないかなと。水に対する需要というのは年々ふえているわけで、つまり、生活が高度化して、そして核家族化が進んで、都市化が進んでいる。今、若い人の朝シャンという形でも水はどんどん使われているわけであります。  そういう意味で、ちょうどこれから農業関係では田植えどきに入っていくと思いますが、そういう農業用水の確保ということも大きな問題となると思いますので、ことしの夏の見通しというのは非常に僕は心配だと思いますが、これは建設省になるのでしょうか、お願いします。
  74. 竹村公太郎

    ○竹村説明員 ただいま先生の御指摘のように、近年、少雨傾向が大変激しい状況になっておりまして、特に平成六年は、日本国内未曾有の大渇水に見舞われまして、先生も御指摘のように全国で一千五百万人以上の一般市民の方々が苦しまれ、農業被害も一千四百億円に達するような被害を出しております。なおまた、去年の秋、冬を通じまして利根川でも非常に記録的な少雨傾向でございまして、観測史上三番目の少雨傾向、私ども今生きているのが、非常に気象変動の激しい時代に向かいつつあるのかなと考えております。  このような中で、渇水が生じますと一番ダメージを受けるのは高齢者を初め弱者の方々でございまして、安定した安心できる社会をつくるためには、確実な水の供給というのは不可欠と考えております。  当面、水の一番の支配要因は雨の降り方でございますので、ことしの梅雨の雨の降り方を注意深く関係機関と協力し合いながら見守っていきますが、中長期的または継続して実施しているものにおきましては、水資源開発の整備、水系全体の有効な合理的な水の再編成、節水社会の構築、雨水や下水を利用した循環システムの構築等々、関係機関、国民の協力を得ながらそのような対策を行い、この日本の最も基本財である水の供給に全力を挙げていく次第でございます。
  75. 田端正広

    ○田端委員 つまり、雨頼りといいますか、自然に頼っているという今までの水の確保という視点で、我々としては、日本の将来ということを考えればそんな手ぬるいことでいいのかという感じが非常にいたします。そういう意味で、いかに水を大切に使うか、再利用するか、リサイクルするか、こういうきめ細かいことも含めてこれからやっていかなければならない、これが行政だろう、こう思います。  そういう意味で、中水道というのが今までもあったと思いますが、これはお金のかかることではあるかと思いますけれども、これからぜひいろいろな施設等に中水道を導入するように、普及を目指していく必要があるのではないか、こう思います。あるいは海水の淡水化とか雨水の利用とか、そういう水資源の新たな確保といいますか、これが大事だと思いますが、国土庁の方で何かそういうお考えがあればお願いします。
  76. 三宅均

    ○三宅説明員 中水道でございますけれども、私どもでは雑用水とも申しておりますけれども、これは、下水処理水でありますとか雨水をリサイクルするということで水の有効利用を促進する、そういう観点から促進していくことが非常に重要か課題であるというふうに考えております。  このため、関係各省庁におきまして、補助制度でありますとか税制、融資制度を活用しながら雑用水利用の普及に努めているところでございます。また、平成八年度におきましても、日本開発銀行による低利融資制度につきまして一定の融資条件の緩和というものも行ってございます。  近年の渇水の頻発にかんがみまして、早急に安定的な水供給を図るため、ダム等の水資源開発を計画的に進めます一方で、各省庁と連携しながら雑用水利用につきましてさらに促進していきたいというふうに考えております。
  77. 田端正広

    ○田端委員 ぜひ積極的にきめ細かくいろいろと御検討いただきたい、こう思います。  こういう水資源をいかに確保するかということについては、これからも、例えば植林運動とか河川や湖沼の浄化とか、そういったことも含めてこれは行政として当たっていかなければならないし、また環境庁もしっかりとリーダーシップをとっていただきたい、こう思うわけです。  私が心配するのは、近年急にこういう渇水が起こってきて、十年、二十年先、日本はどうなるんだろう、そういう思いであります。例えば福岡なんかは年じゅう渇水状況になっている、十年先なんてもう全く見通しが立たない、そこまで今来ているのではないか、そういう思いがいたします。したがって、二十一世紀水資源確保プランといいますか、そういうことで、私の気持ちとしたら水資源庁ぐらいつくって水行政の一元化を図る決意でやっていかないと、水の確保ということすら士変なことになるのではないかなという思いをしているわけです。  人類の歴史というのは水のあるところから始まった、黄河にしてもチグリス、ユーフラテスとかナイル川とかあるいはインダス川とか、そういうことでありますが、しかし、今国連からの報告なんかを見ても、何か世界的に八十カ国ぐらいで水不足が起こっている、こういう指摘もあり、砂漠化とかいろいろなこともあります。そういう中で、この山紫水明を誇ってきた日本が、これからもう十年、二十年先の水が大変だというのでは、日本のよさそのものが、日本文化そのものまでが変わっていくのではないか、こう心配しているわけです。  そういう豊かな水の自然を守るという発想で環境庁がこれからもっともっと力を入れていく必要があるのではないかな、そんな思いを強くしているわけで、長官のその辺の御決意なり御所見があればお聞かせいただきたいと思います。
  78. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 田端先生指摘のとおりに、地球温暖化によるところの異常気象などを含めて、確かに水資源が不足をしていくという状態、あるいは地域によっては洪水みたいな現象が顕著にあらわれてくるというふうな傾向もあるわけでありまして、そういう点では、日本といういわば水に恵まれている山紫水明の国の、私たちの祖先がつくってきた、そして守ってきたそうした環境を守っていく、これは、水の確保ということを含めて頑張っていくことは私どもの責任だというふうに思っていますので、今御答弁をいただきましたけれども、例えば国土庁、建設省、農水省あるいは厚生省を含めて、できるだけ連係動作を強めて水の確保のために頑張ってまいりたいというふうに思っております。  申すまでもありませんけれども、水はすべての命の源であります。そして、環境を構成する重面な要素であります。そのことを念頭に置きながら、環境基本計画においては水の環境を保全するために水質とか水量とかあるいは水辺地などを総合的にとらえて対策を推進していこうではないかという計画を立てて、今その努力に手をつけているところでございますが、今提案をして審議をお願いしている水質汚濁防止法改正もそのための一つの大きなステップである、このようにも御理解をいただきたいと思います。  いずれにしても、日本の水あるいは日本の国民の生命を守っていくために今このままの状態でいいのかどうかということを深刻にとらえて検討してまいりたいと思っております。
  79. 田端正広

    ○田端委員 最後に一つ。  一昨日ですか、ちょうど長良川が本格運用されて一年たったということでいろいろな意味での話題になっておりますが、この問題について、長年環境問題に非常に造詣の深い立場から頑張ってこられた長官として、もしお考えなり何か御意見があれば一言お聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
  80. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 私は長い間この河口堰問題にかかわってきました。そして、その必要性についても私なりの見解を持ってまいりました。しかし、現実問題として工事が進められてきたのは御案内のとおりであります。そして、供用開始というところまで来ました。  私は、この供用開始に当たって、当時の野坂建設大臣を含めて、一番心配なのは水質だ、それから生態系だ。そういうことを考えたら、やはり建設省は、使用前、使用後という言葉がありますけれども、供用をしている過程でどういう結果があらわれるかということについてモニタリングをやる必要がある。できればモニタリングのための委員会というのは、賛成派だけでなくて慎重派と言われる人たちも含めて、公平な国民の判断がいただけるような委員会構成で定期的にモニタリングをやって、それを国民に公表していくことが必要だということを要請いたしてまいりました。  幸いにして、建設省はこれに対してモニタリング委員会というものをつくりまして、これは全般的に例えば水質、底質あるいは生態系などについて調査をしてこられたわけであります。調査の結果については、それぞれ学者ですからあるいは専門家ですから一家言持っておられますから、恐らくそれなりのいろいろな所見、見解があろうと思います。  しかし、例えばこの五月二十八日にも第四回目のモニタリング委員会が開かれることになっております。私は、これらのモニタリング委員会の動向、あるいは水質、底質、生態の調査の結果を注意深く見守ってまいりたいというふうに思っております。そして、それがどういうものであるか、その結果についてどのような対応をしていくかということは、環境庁が少なくとも水質を守っていく、川の生態を守っていく、こういうスタンスは変わっておりませんので、その物差しで物を言っていくということを申し上げておきたいと思います。
  81. 田端正広

    ○田端委員 ありがとうございました。
  82. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 山元勉さん。
  83. 山元勉

    ○山元委員 社民党の山元でございます。  法案の意義なり地下水重要性、あるいは気になります措置命令の問題、原因者不明の場合、こういう問題点については先ほど来質疑がございましたから、できるだけ重複は避けたいと思います。  私の地元の滋賀県でも、四平方キロメートルのメッシュをつくって水質管理をやっている。滋賀県では琵琶湖の東海岸が古琵琶湖層という地層になっておりまして、砒素が検出される、これが一般的になっているわけですね。そういう難しさ、あるいは発見をされた汚染の除去について大変莫大な金がかかるということで、大変な苦労をしながら仕事をしているわけです。今までも政府にさまざまな要望、財政的な問題等の要請をしてきた。そういうことからすると、今回の法改正については大変喜んでおりました。そういう中で、さらに具体的にお願いもしたい、伺いたいということについて申し上げたいと思います。  一つは、汚染原因の特定の問題です。  大変難しい。先ほど来も少し論議がありましたけれども、有機塩素系の化合物が広範に使われているということで複数原因が考えられる。特定の一人の、一つのということでなしに、汚染原因複数考えられる。あるいは、汚染源汚染場所の因果関係がなかなかつかみにくい。  よく手探りという言葉がありますけれども、手で探ることもできないような地下深いところで流れている水でございますから、そういう汚染源と現に汚染している場所との関係の立証が難しい、時期がなかなか特定しにくい、こういういろいろな問題がある。大変苦労をしているわけです。こういうことは私のところだけではなしに日本じゅうのそれぞれの自治体が苦労をしているのだろうと思うのですね。  そういうことから、特定するために、地下水汚染のメカニズムといいますか、一般的に考えられるそういうメカニズムをきっちりとつかむことが大事なのだろうというふうに思うのですが、そのための研究、あるいは自治体への指導といいますか助言といいますか、そういうことについて環境庁としてどういうふうに取り組んでおられるのか。  そして、先ほども少し言いましたけれども、この原因者を特定するための調査というのは、掘って掘ってということになりますから大変金がかかるわけですね。ですから、そういう研究もそうですし、援助、助言も大事だと思うのですが、経費の面も含めて現状についてお伺いをしたい。
  84. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 地下水汚染原因者の特定でございますけれども、一つは、特定事業場設置者を対象にしておるということでございますので、これは都道府県知事への施設の届け出でございますとか、それから知事が事業場に対する定期的な立入検査というようなこと、もろもろのことを通じまして、まず、事業活動に伴いましてどのような化学物質が使用されたかとか、それから事故発生状況など、これはいろいろ記録がございます。そういうようなことで、かなりの基礎資料はまず前提にあるというふうに考えております。  このような資料に加えまして、地下水汚染が発見された周辺の井戸水の調査でございますとか表層の土壌調査、それから揮発性のある有機塩素系化合物の場合におきましては土壌ガス調査、さらにはボーリングなど、いろいろな手段がございます。そういうことによりまして、汚染原因者は現在の技術で基本的には特定できるというふうに考えております。  なお、環境庁といたしましても、平成六年の十一月にその調査の指針となります技術指針というものも出して、これは各自治体の方に示しております。  それから、あと負担の話でございますけれども、一般的に監視のための経費の補助ということで一億円を毎年予算計上してございますし、また、自治体が実施いたします汚染原因究明調査費用の三分の一を助成する制度を本年度から新たに設けることにしておりまして、このための予算措置といたしまして五千万円を計上しておるところでございます。  このような措置によりまして、地下水浄化が円滑に実施されるように努めていきたいというふうに考えております。
  85. 山元勉

    ○山元委員 繰り返しになりますけれども、原因者を特定するためだけでなしに、継続的な監視だとか、あるいは汚染を除去する、これは土までというと大変なことになるわけですが、そういう経費が実は大変しんどいわけです。今もありましたように、ことし、一億円あるいは三分の一補助の五千万円、こうある。  おかしな尋ね方をしますけれども、この法の改正によってそういう自治体への支援というのはどう改善されるのか、どう手厚くなるのか。そういう部分があるのですか。
  86. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の法改正は、現実に一千カ所を超える汚染地域があるということと、これは人の健康の保護のためにしなければならない措置であるという観点から講じたものでございます。  このような措置を講じていく中で、各自治体並びにその事業者地下水汚染に対する取り組み方もまた変わってくると思います。また、国といたしましても、このような改正を契機といたしま一て、今後とも我々といたしましてもできるだけ予算措置の充実に努めていきたいというふうに考えております。
  87. 山元勉

    ○山元委員 この改正によって、それぞれの地域で監視だとかあるいは除去だとかいうことが積極的に格段進むように今期待をしているわけですね。そうすると、三分の一の五千万というのがもう足らなくなったからことしはやめよということにならないようにぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。  もう一つ、経費の問題ですが、今も申し上げましたように、除去するとなると大変な金がかかるわけですね。小規模の例えばクリーニング店が過って汚染をしているということがわかったときに、さあどけなさい、処理しなさいといってもなかなかできない。ほっておくかクリーニング屋さんが破産するかどっちかという状況に実際はあるのですね。ですから、そういう小規模の事業者負担について、救済措置というのですか、支援措置というのはあるわけですか。
  88. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の措置は、地下水汚染から人の健康を保護するというための必要不可欠な措置でございますので、仮に汚染原因者が中小企業者で資金が乏しいという場合でありましても、これはやはり浄化は実施していただく必要があるのだろうと考えております。  しかしながら、このような事業者に対しまして地方公共団体技術的助言など可能な限りの支援ができるように、国といたしましても自治体を指導していきたいと考えておりますし、さらに、これはもう既に一部の自治体で実施されていることでございますけれども、当該自治体が事業者に対しまして浄化装置を貸与する、それで事業者の方はほんのランニングコスト、活性炭の費用でございますとかポンプを動かす電力代を負担するとか、非常にわずかな金額だけでもって済んでいるというようなそういうケースもございます。  このような方法を広く検討、実施することなどによりまして、浄化措置が可能な限り円滑に実施されるようにしていきたいというふうに考えております。
  89. 山元勉

    ○山元委員 確かに写真でも見せてもらいました。そういう機材の提供とか支援方法があると思いますが、ぜひそういう零細企業、事業者が放置をするあるいはそれを引き延ばすということにならないように、積極的な施策ということでお願いをしたいというふうに思います。     〔大野(由)委員長代理退席、斉藤(鉄)委     員長代理着席〕  法案に直接ではありませんけれども、水質汚濁の問題ということで、湖沼の水質、特に私、滋賀県の琵琶湖の生まれでございますけれども、琵琶湖の水質についてお尋ねをしておきたいと思います。  御承知のように琵琶湖は大変大きくて古くて、そして多くの淡水資源がある湖です。大きいということでいえば、一周しようと思うと二百三十五キロメートルある。あるいは面積が六百七十平方キロメートルあります。水の量というのは二百七十五億トン、一億三千万の国民の皆さんに二百トンずつ配ってもまだちょっと残るというような巨大な水がめだというふうに思います。この水で、滋賀県のこの百二十八万の県民だけではなしに、京都、大阪、兵庫の近畿の皆さん千四百万人、先ほど来、日本じゅうの飲用地下水というのは三千万というふうに話がありますけれども、琵琶湖だけで千四百万人の飲み水を供給している巨大な湖で、国家的にも大事な資産だというふうに思うのです。  その琵琶湖で今大変なことが起こっているというか、大変な時期を迎えているわけです。二十五年間続いた琵琶湖総合開発というのが終わろうとしているのです。ことしで終わるのです。この二十五年間で二兆円使って、六〇年代に急速に膨張していった京阪神の工業地帯の水を賄う毎秒四十トンをさらに開発するということで、資源開発の事業が行われました。雨が降らなくても流し続けるためには、一・五メーター下がっても大丈夫なように、続けて流すために水かさが上がっても流さないように、こういうまさにタンクとしての役割を果たす総合開発が行われたわけです。  私どもが心配をしていたのは、そういう開発が行われるときに、水質にどういう影響があるのか、あるいは保全がどうなるのかということの心配をしてきましたけれども、やはりこの二十五年が終わるに当たって大変憂慮すべき状況になっているわけです。確かに事業は計画の九九%まで進みました。事業は進んだけれども保全ということについてはまことに心配をする状況になっているわけです。  長官に、この間も滋賀へおいでいただきまして、フロンの問題でございましたけれども、ちらっと琵琶湖を見ていただいたわけですが、今の琵琶湖について長官がどのように認識しておいでなのか、まずお聞かせをいただきたいと思うのです。
  90. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 水質のことは私は余りつまびらかでなかったものですから、今局長のお知恵をかりて答弁をいたしますが、水質状況というのは、CODの七五%値で見ると、平成六年度においては北湖二・九ミリグラム、南湖四・二ミリグラムとなっていて、これらはいずれも環境基準を達成していない。また、近年この値が漸増している傾向が見られるという意味でいうと、依然として厳しい状況にあるということを認識をいたしておれます。
  91. 山元勉

    ○山元委員 開発をするということで、確かに県民は気をつけてきたはずですけれども、一九七七年、二十年ほど前に赤潮が発生をしました。琵琶湖で、淡水のところで赤潮が発生して、琵琶湖の湖面がばっと真っ赤になって、県民はびっくりしました。そしてその後、皆相談をして、県会でも論議があって、石けん条例とよく言われていますけれども、富栄養化防止条例というのをつくって、琵琶湖に流れる水を使っている者は燐が含まれている洗剤を使わない、家庭からも店頭から広姿を消すという石けん条例というのをつくって努力をしたのです。けれども、二十年間ずっとやはり赤潮が出るのです。一昨年からはアオコが出るようになって、湖面が今度は赤ではなしにグリーンの、本当にぞっとするような色になる、そういうアオコが発生するようになってしまったわけです。  この状況というのは、やはり開発事業が終わる、水資源は安定的に供給できるけれども、さあ、あと本当に自分たちの子々孫々にきれいな飲める水を譲っていくことができるのか、あるいは、千四百万人と言いましたけれども、近畿の皆さんに飲める美しい水を流し続けることができるのかということをしっかりと考えなければならぬ。だれが考えるんやといったら、まず県民が考えるべきだと私は思うのです。使っている県民が考えるべきだ。けれども、これは、先ほども言いましたように、県民の努力でも、県の財政を一生懸命使っても、できることではないということを私どもはよく知っているわけです。下流の皆さんの協力や国の皆さんの支援がないとこれはどうにもならないと思うのです。時間がきょうは十分ではありませんから、そういう中で、一つの問題ですが、今最も注目されているのは琵琶湖の底に積もっているヘドロの問題、いわゆる湖底の無酸素状態というのが危ないということが注目をされている。今言いましたように、赤潮やアオコ、プランクトンが発生する、そしてそれが死んで湖底に沈んでいく、そして河川からも生活雑排水を初めとして有機物も入ってくるわけですね。そしてそれが湖底にたまるのです。それで無酸素状態になってしまう。その無酸素状態というのは、南湖が汚れがきついのですけれども、北湖にも赤潮も出て、あるいはヘドロもたまる。このヘドロというのは一般の言葉かどうかわかりませんが、湖底にたまる泥なんですが、工事をする人たちがへどが出るような泥だということなんです。臭いし汚いし、そういうへどが山るような泥がどんどんたまっていって、そしてそういうふうに無酸素状態になるとそこにいる生物が死んで、水質の悪化の循環が起こるわけですね。  そういうヘドロについて、これは琵琶湖だけではなくて霞ケ浦も今五千万トンあって、八百年後にはヘドロで湖や霞ケ浦が埋まってしまうだろうというようなレポートがあるのですね。ですから、これは単に琵琶湖の問題だけではなしに、日本じゅうの湖を守るという意味でヘドロ対策というのが大事だと思うのですが、環境庁はそのことについてどのように認識していらっしゃるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
  92. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 COD、窒素、燐を多く含みますヘドロ、底泥でございますが、これらが水中へ溶出いたしますことから水質の悪化を招く汚濁負荷の発生源の一つであるというふうに認識しているわけでございます。このために、底泥、ヘドロでございますが、ヘドロからの水質汚濁対策といたしまして、ヘドロそのものを湖沼の外へ除去する、しゅんせつでございますが、これが主でございますけれども、そのほかに、ヘドロの表面を砂で被覆いたしまして、ヘドロからの栄養塩類の溶出を防止します覆砂によります対策が講じられているわけでございます。  環境庁といたしまして、ヘドロの問題、これはひとえに先生おっしゃいますように琵琶湖だけの問題ではございません。霞ケ浦を初めとします湖沼全体の問題でございますので、これにつきましては今後十分その重要性認識いたしまして、対策につきましても検討していきたいというふうに考えております。
  93. 山元勉

    ○山元委員 ヘドロを外へ出す、表面を固める、僕は甘いと思うのですね。例えば、琵琶湖を大きいと言いましたけれども、琵琶湖の底にずっとたまっているヘドロを十センチずつさらえよう、そんな甘いものではないのですけれども、十センチずつのヘドロをさらえようとすると、六千万立米のヘドロが出るわけです。これは、外へ出すとおっしゃったけれども、六千万立米のヘドロをどこへ持っていくのですか。瀬戸内海へ持っていってどっとやるのか。この大変な処理について、よほど技術開発をしないとどうにもならない。ヘドロを移してもどうにもならない、悪臭がする、そしてそれは使い物にならないということになるわけですから。ですから、十センチさらえても六千万立米になるというヘドロを、単に廃棄物、表面を固めてしまう、ふたをするというようなことではなしに、滋賀県では今再生をする、資源化をするという研究に取り組んでいるのですね。それでそれを、例えばセメントだとかれんがだとかいろいろな方法があるようですが、パイロット事業として今研究を始めているわけです。  それで、局長がおっしゃったようにかぶせるとかどこかよそへ持っていくということではなしに、積極的に再生をする、資源として活用するという研究に環境庁は今着目していないのですか。
  94. 大西孝夫

    ○大西政府委員 お答えを申し上げます。  先生指摘のとおり、琵琶湖におきまして底泥のしゅんせつやヨシの刈り取り等の管理に伴って大量の派生物が発生しているという事実がございまして、滋賀県が、これを単に廃棄物ということにするのではなくて、れんがやセメント材料あるいは堆肥というようなことで有効活用するためのパイロット事業に平成七年度から三年計画で取り組んでいるというふうに私ども承知しております。  いわゆる底泥の問題等を解決する上でこういう有効利用という観点で取り組みますことは大変重要なことでございまして、私どもが平成七年度に創設しました環境基本計画の推進事業費補助という自治体の先進的な事業に対する助成策の中で、この滋賀県の事業の非常な特異性、それから先進性ということに着目いたしまして、そのためのプラントの建設などの部分についての支援を始めさせていただきました。  先生指摘のように、こういう形での対応というのは非常に重要な意味を持っておりますし、私どもの立場ではまだ一部奨励的な意味しかございませんが、こういう方向で今後各地区でこういう努力が続くということになれば大変ありがたいことだと思っております。
  95. 山元勉

    ○山元委員 少し具体的に申し上げて支援お願いしたいわけですが、今言いましたようにちょっとやそっとの量でない。ですから、秩父小野田セメントというのが立地をしておりまして、ここの皆さんが、資源化しよう、滋賀県は伊吹山など石灰岩が多くてセメント産業もあるわけですけれども、そこのところに着目して、まぜて使うとかそれをセメントにするとかいうことで技術開発できないかということを県と一緒になって考えてもらっているわけです。これは、山を削ってセメントをつくるというのと、ヘドロを揚げてきれいにしてセメントをつくるというのとでは、山を削らないでこちらをさらえるということでいうと、保全という意味、環境を守るという意味では二重の意義があるわけです。  去年の十月に世界湖沼会議が霞ケ浦で行われました。そのときに霞ケ浦宣言というのがあるのですが、そこでパートナーシップ、この間の環境白書にも盛んにこのことについて一つのキーワードにしておられましたけれども、この宣言でも、「湖沼とその流域の管理と保全は、もはや、各グループがそれぞれ個別に取り組むだけでは、効果的に行うことはできない。我々は、行政、産業界、学界、住民が、パートナーシップを構築し、世界の湖沼の環境回復とその望ましい管理に共同で取り組む」ようにというのがこの宣言の一節にあるわけですね。  まさに今、これは県がやるとか住民がやるというだけではなしに、学界も国の行政もあるいは産業界もパートナーシップを発揮してやらないといけないし、私どもは、おこがましく言うと、幸いにして滋賀県には国連のUNEPセンターもございますが、そういう水を守るということでの技術上の世界への発信、全国への発信ということでは責任を持つ必要もあるだろう、一番大きい湖だ湖だと言うだけではなしに、そこが果たすべき責任というのは大きいというふうに思っているのですね。  そういう意味では、私は、今絵がかけただけですけれども、セメントにするということは県も一生懸命やって取り組んでいるわけで、ぜひこれは一緒になってこの技術開発に支援をしていただきたいというふうに思うのですね。この六千万トンの泥をさらえるとおよそ六百万トンのセメントのための土ができるというふうに計算されているわけですけれども、そういう新しい資源をつくり出すためにも、開発についてあるいはそれが産業化できるようなことについて支援お願いしたいと思うのですが、長官、どうでしょうか。
  96. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 お答えをする前に、先ほどの御質問に一つ私が落としたことがございます。  湖沼水質保全特別措置法の指定湖沼でもございまして、今第二期の湖沼水質保全計画が進んでねります。八年度から第三期ということになるわけでございますから、まずこの中で、この計画の策定や実施に当たって、生活排水対策や湖沼周辺の生態系保全などの対策がより充実されるように、関係省庁と連絡をとって頑張ってまいりたいというふうに思っています。それから、琵琶総の問題については、これは法の所管が国土庁でございますので国土庁において検討されることになると思いますけれども、環境庁としても、琵琶湖の水質保全の立場からその動きを注目してまいりたい、このように思っております。  それから、今の御質問に対するお答えでございますが、琵琶湖あるいは滋賀県、この取り組みは、他の地方公共団体の模範になるような位置をめている、今の湖沼会議でいえば、世界のさまざまなリーダーシップというか、そういう役割をも担い得る、私はこんなふうにも思いますので、きるだけそのことを評価して、地方自治体に先進的な取り組みとして紹介してまいりたい。  それから、七年度に創設した環境基本計画推進事業費の補助によるところのプラントの建設あるいは技術の開発などについて、可能な限りの御支援を申し上げてまいりたいと思いますので、ぜひ 今後とも御協力を賜りたいというふうに思います。
  97. 山元勉

    ○山元委員 長官、ありがとうございます。  ただ、最初のところの、琵琶湖総合開発の後の保全の問題について環境庁としても注目をしてまいりたい、こうおっしゃっていただいたのですが、極めて不満です。それは確かに、琵琶湖総合開発、水資源開発ということで、周りをどうするのかということでの計画なりあるいは支援というのは国土庁でございます。ですから、その事業が終わって今度は環境庁の出番だと考えて注目をするのではなしに、これは大変だ、今の状況はアオコや赤潮のことを考えると大変だ、環境庁の出番だということで御認識をいただきたいというふうに、失礼ですけれども、お願いを申し上げておきたいと思います。  時間もありませんから、この琵琶湖総合開発が終わるということについては、先ほども言いましたように、大きな大事な節目ということで、みんなが考えなきゃならぬというふうに思っているわけです。県でも水政審議会というのをつくりまして、一年半、どうすべきかという論議をしてまいりました。そして、これからの琵琶湖の保全について三つの柱を立てる。  一つは、水質悪化に対して流入汚濁負荷の削減ということ。これは、浄化槽をつくらなければならぬし、いろいろ生活上の、あるいは産業上の、あるいは農業の、そういうところで汚濁が入ってくる、それを削減をするということが一つ。  二つ目は、滋賀県は人口増加率、全国で三番にあるわけですね。京阪神のベッドタウンということで、これは一面住みよい地域ということでうれしいことではあるのですけれども、宅地がどんどんふえていく、そのかわり森林がどんどん恐ろしい勢いで減っていくという地域になっているわけです。申すまでもありませんけれども、水質を守るというのに森林がどれだけ大きな役割を果たすかということは御承知だと思いますけれども、そういう意味でこの森林の減少と荒廃に歯どめをかける、大事なところは公有化してしまう、こういうような森林、山地の保全ということが二つ目です。周りをきれいにしようということ。  三番目には、やはりその他の自然環境や景観というのを守る、破壊をしていかないということが大事だということにこの水政審議会というのは結論を出して、さあそれで、お題目だけではいけないから実際に計画を立てて、そして事業を進めていくということが大事だということになったのです。  恐らくこのことについては、もう既に環境庁もそういう動きがあるということはお気づきをいただいているのだろうと思うのですが、琵琶総が終わるについて、さあ琵琶湖はということについての認識、先ほど長官認識に私ちょっと不満を言いましたけれども、環境庁として何かそういうことについての認識がございましたら、お尋ねしたい。
  98. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 国土庁を中心にしてという意味は、日本国土全体の位置づけの中で琵琶湖をきちんと位置づけなければいけない、その意味からいうとやはり国土庁というものが中心になって進めることが大事だと思いますが、同じような気持ちで環境庁に頑張れという御指摘だと思いますので、しっかりと受けとめて努力をしてまいりたいと思いますし、今先生が本当にるる指摘をされた問題点というのは日本じゅうの湖沼の問題でもございますけれども、とりわけ琵琶湖という特別な役割を持っている湖に対して積極的な対応をしていくことをお誓いを申し上げたいというふうに思います。
  99. 山元勉

    ○山元委員 時間が参りましたから、最後、もう重ねてですけれども、やはり琵琶湖というのは、滋賀のものだけではなしに、近畿のもの、地球の財産だというふうに私どもは大きく考えて取り組んでいるつもりです。そういう意味で、ぜひ琵琶湖総合開発にまさるとも劣らないような保全のための仕組みをつくる、そのための御援助も御助言もいただきたい。  どうか、そういうこれからの私どもの努力に対してお力添えをいただきますようにお願いをして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  100. 斉藤鉄夫

    斉藤(鉄)委員長代理 高見裕一君。
  101. 高見裕一

    ○高見委員 水質汚濁防止法に関してお尋ねを申し上げます。  まず、現状把握でございます。これは水質保全局長さんあたりかと思いますが、まず水質汚濁の現状についてお尋ねをいたします。  環境庁調査によれば、有機塩素系物質による汚染が判明しているのは千百五十一カ所とされております。ところが、関連する業界の話では、隠れた汚染地域がその十倍、あるいは百倍、あるいはそれ以上というふうな話も聞いております。正確な実態把握こそが有効な施策の確立に当然不可欠でございます。そのあたりの現状把握がどの程度進んでおられるのか、お答えをいただきたく存じます。
  102. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 環境庁が昨年一月に行いました全国調査では、これは平成五年度末現在の有害物質によります地下水汚染状況でございまして、今先生言われましたように、全国で千百五十一の地域となっております。各都道府県では、毎年水質測定計画を作成いたしまして、公共用水域とあわせまして水質測定を行っております。五年度以降におきましても、地下水につきまして新たな汚染地域が発見されております。  それから、環境庁調査は千百五十一地域ということで、これは箇所数ではございませんで、地域数で言っております。例えば秦野市などでございますと複数ございますけれども、それを一つ地域ということで計算しておりまして、言うなれば、地下水の大きなまとまりを単位として取りまとめております。ということで、その千百五十一の十倍とかいうようなことになりますと、一つ箇所数のとり方にもよろうかと思います。  それから、環境庁といたしましては、地下水汚染につきましては、飲用等を通じまして人の健康に影響するおそれがありますから、適切な地下水質の測定を行うことによりまして汚染が速やかに発見、把握できるように従来から地方公共団体を指導しているところでございまして、今後とも引き続き速やかな汚染の発見に努めていきたいというふうに考えております。
  103. 高見裕一

    ○高見委員 地下水汚染されるケースとしては、土壌汚染を起源とした地下水汚染も当然考えられます。このような場合においても汚染の回復措置は必要不可欠であると考えますが、土壌汚染を起源とした地下水汚染の場合には、今回の改正案で土壌汚染の回復が果たして担保されているのか、ここが非常によくわからないところでありまして、そこをぜひ明確にお答えをいただきたいというふうに思います。
  104. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回提案しております法案は、地下水汚染によります人の健康被害発生防止することを主眼としたものでございまして、地下水における汚染浄化回復措置汚染原因者に命じるものでございます。しかし、土壌汚染に起因します地下水汚染浄化するためには、多くの場合には汚染が蓄積しております土壌を浄化しませんと地下水汚染浄化ができない、そういう状況にございますので、地下水浄化とあわせまして、その原因となる土壌汚染の回復も行われることになると考えております。  そのようなことで、今回の法改正によりまして、土壌汚染に起因します重要な問題の一つに対して対策が進展したものと考えておりますが、今後とも引き続き対応策の調査検討を進めまして、対応を強化していきたいと考えております。
  105. 高見裕一

    ○高見委員 それはそうですわな。原因である土壌汚染が取り除かれずに水質汚染が取り除かれるということは世の中にあり得ない話で、土壌汚染をしっかり取り除くように措置するというのはイロハのイということで、これはそのように確認をさせていただくということでよろしゅうございますね。——大きくうなずいていただきましたので、次に移ります。  最近では、廃棄物処分場が地下水汚染しているのではないかという懸念が国民的に広がっております。というのも、最終処分地が最近では水源地の近くにつくられる、あるいは予定されていることが多く、飲料水汚染するのではないかという不安が大きいからであります。水質汚濁についての実態把握が進めば、環境庁地下水汚染調査によって、汚染源が廃棄物処分場であるとの結果が出る場合も今後出てくるのではないかと思います。  その場合には、環境庁と厚生省が連携をしてその問題に対処することが必要不可欠ではないかと考えますが、厚生省としての考えもぜひ示していただきたい、そのように思います。もう既に事例はあっちこっちで出始めているというか、出ていると言ってもいいのではないかと思うので、ここはしっかりとお答えをいただきたく存じます。
  106. 三本木徹

    ○三本木説明員 先生御案内かと思いますけれども、廃棄物処理法の中でも、廃棄物の最終処分場から排出される汚水によって地下水汚染されたような場合、生活環境の保全上支障が生じている、あるいはそういうおそれがある場合には、措置命令という規定がございます。これは、都道府県知事が、あるいは一般廃棄物の場合でしたら市町村長が、その処分を行った者に対しまして廃棄物の除去なり、その汚水の適正な処理をやらせるんだ、そういう必要な措置を命ずることができるように実はしてございます。  大事なことは、廃棄物サイドは都道府県知事が中心になって行政をやっておりますけれども、各種の情報がやはり提供されておれば、この規定を速やかに動かしていくということもできるわけでございます。そういう意味におきまして、環境部局サイドでいろいろ実施しております公共用水域地下水調査によって、どうも最終処分場からの汚水が原因である、こういうことが判明した場合には、その情報提供に基づいて廃棄物部局サイドが必要な措置を講じていく、こういうことは大変大事なことだと思っておりますので、必要な連携ということは図っていくように、私どもといたしましても従前より各種の情報収集という面から、各都道府県に対しましては広く対応してほしいというようなことを申し上げておるところでございます。
  107. 高見裕一

    ○高見委員 それは当然、今まで以上に積極的な情報交換をしていこうということも含めという意味でございますよね、三本木さん。(三本木説明員「はい」と呼ぶ)  さて、水質保全局長に、続けてもう少しお尋ねをいたします。  今回の、汚染された地下水浄化制度の導入については、PPP原則を前提としているところであります。ところで、PPPの原則を前提とした場合に問題となるのは、汚染原因者の特定が不能である場合や、倒産などによって、あるいは夜逃げでもそうなんですが、コスト負担が事実上不可能な場合に、行政がこれを放置してよいのかという問題であります。国民の健康に重大な影響を及ぼす場合でもあり汚染が明らかな場合には、行政が費用負担してでも何らかの形で早急に対策を講ずるべきであるというふうに考えますが、環境庁としての方針を明示をしていただきたく存じます。
  108. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 まず、汚染原因者の特定の問題でございますけれども、今回の浄化措置命令は、水濁法の特定事業場設置者を対象としているということでございますので、まず、その特定事業場の届け出に伴いますもろもろの資料が都道府県の方に蓄積されております。例えば、どのような化学物質を使ったかとか、過去にどのような事故が起きたかとか、いろいろな基礎資料があるわけでございます。これに加えまして、土壌ガス調査など、それから、必要に応じましてはボーリングなどをやりまして、汚染原因究明調査を適切に実施しますなれば、基本的には汚染原因者は究明できるというふうに今考えているわけでございます。  ただ、今先生言われましたように、究明できたといたしましても、倒産などによりまして存在しないという場合もあるわけでございます。こういうような場合、現実にはこれまでも個々ケースに応じまして、地方公共団体におきまして必要な対応がとられてきたのが多いと思います。国といたしましても、このような地方公共団体に対しまして、必要に応じまして技術的支援でございますとか、原因究明のための調査費補助などを行うことによりまして、対策が円滑に実施されるように努めてまいりたいと考えております。
  109. 高見裕一

    ○高見委員 地方公共団体が責任を持ってやるように指導するということですね。  続いて、自治体の対応についてでございますが、特に自治体への周知や支援策についてお伺いをしたく存じます。  水質汚濁防止法に基づく地下水汚染の基礎調査は、自治体の負担で行うということとなっております。このような自治体の費用負担は地方財政を圧迫するおそれが大きく、支援措置等の拡充が必要となると考えられますが、環境庁としての対応をお答えください。これはシンプルで結構です。
  110. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 汚染された地下水浄化対策を円滑に進めるためには、浄化措置命令の実行主体となります地方自治体の役割が何よりも重要でございます。このために、地方自治体に対しまして、あらゆる機会をつかまえまして、法改正趣旨、施行方法等につきまして周知徹底を図りますとともに、技術的支援措置などを積極的に行ってまいりたいと考えております。  また、浄化命令の前提といたしまして、地方自治体によります汚染原因者を特定するための調査の実施が必要でございますが、国におきましても、従来から地下水質の監視に必要な経費の補助としまして約一億円余りを毎年計上しておりますし、また、本年度予算におきまして、地方自治体の行う調査費用の三分の一を補助する制度を新たに設け、五千万円を計上したところでございます。  これらの措置によりまして、地下水汚染に係る調査が適切かつ円滑に運用されるように努力してまいりたいと考えております。     〔斉藤(鉄)委員長代理退席、大野(由)委員長代理着席〕
  111. 高見裕一

    ○高見委員 浄化の際の技術基準でございますが、汚染された地下水浄化については、汚染物質の処理の際に、活性炭に汚染物質を吸着させるなどの措置によって、汚染物質が大気中に放出されることがないような対策を講ずることが必要でございましょう。浄化対策技術技術基準や、浄化の際の指針を細かく定めるなどの対策が必要ではないかと思うのですが、どのような対策を具体的に講ずるつもりなのか。水質保全局長、お答えをくださいますように。
  112. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 先と言われますように、地下水浄化に当たりましては、汚染物質の大気中への放出によりまして大気汚染が引き起こされては何にもなりませんので、そのような対策を講ずることが必要であると考えております。  特に、有機塩素系化合物によります地下水汚染浄化技術といたしましては、地下水揚水法でありますとか土壌ガス吸引法が実用化されておりますが、このいずれの場合におきましても汚染物質を活性炭に吸着させることによりまして、その後に無害になりましたものを大気中に放出するというふうになっているわけでございます。  このような一つ技術につきましても、既にもう相当程度普及しておりまして、現実にはこのような方法は普及しておりますが、環境庁といたしましても、平成六年の十一月に、技術指針として、このような技術につきましての指針を各自治体に示しているわけでございます。  今後、このような指針の一層の徹底を図ることによりまして、地下水浄化が実施された場合に二次汚染発生しないように各自治体の指導をしていきたいと考えております。
  113. 高見裕一

    ○高見委員 汚染された地下水浄化を行う際に、トリクロロエタンやトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが大気中に放出されることになれば、結局空気中から人体に入る可能性は残り、汚染されているものが水から大気に変わっただけであり、何の意味もない。そして、これらの物質に対する大気汚染防止法の規制には罰則がなく、大気中への放出が野放しになる危険性があります。このような有害化学物質の大気中への放出を規制するための法的な措置が必要であると考えますが、いかがでございましょうか。これがないと要するに意味がない、そのように思うのですが。
  114. 大澤進

    ○大澤政府委員 今御指摘の点でございますけれども、御承知のように、水についての有害化学物質の排出規制地下水汚染対策というのは今御審議されているところでございますが、大気中における有害汚染物質対策につきましては、今国会で、この委員会でも御審議していただき、既に大気汚染防止法の改正がなされたところでございます。その中で、大気中に排出されたり、あるいは大気中における汚染物質の抑制策について、既に法の仕組みとしていろいろな制度を盛り込んだところでございまして、私どもとしては、大気中の排出抑制については今回の改正法案対応したいと考えております。  また、今回の水濁法の方でも、大気中に出ないような指導なり対応をされていると聞いておりますので、いずれにしましても、大気と水は非常に一体の面もございますので、十分連携をとって排出抑制に努めてまいりたいと思います。  なお、今後大気関係では、大気の汚染実態とか、排出の状況とか、排出抑制の取り組み等、あるいは科学的知見の蓄積等によって、三年を目途に制度の見直しもするという規定が今回の改正案でも規定されておりますので、そういう状況も踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。
  115. 高見裕一

    ○高見委員 トリクロロエチレンなどの有機塩素系化合物は、大気や地下水、土壌と、皆違う法体系のもとで規制措置が講じられています。しかし、そのような有害化学物質については本来、総括、包括的なリスク管理が必要であり、統一的な法制度のもとでの管理をしなければならないものと考えます。環境基本法が制定され、環境基本計画ができた今、トータルな環境全体を見渡した政策づくりが必要になってくると考えますが、長官、いかがでございましょうか。
  116. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 先生指摘のとおりに、環境庁といたしましては、化学物質による環境汚染を未然に防止していくためには、大気系と水系などの個別の環境媒体ごとの対応の推進はもとより、関係する複数の環境媒体を視野に入れた対応が重要であるという認識に立ちまして、複数媒体汚染を引き起こす物質についての有害性評価や、それに基づくトータルなリスク管理手法の検討に取り組んでいるところでございます。  先生指摘のことをしっかり念頭に置きまして、化学物質の環境安全管理のための適切な制度のあり方を含めても検討してまいりたいというふうに思います。
  117. 高見裕一

    ○高見委員 せっかく岩垂環境庁長官にお尋ねをするのでありますから、もう一歩、私はぜひお尋ねを申し上げたく思います。  環境庁の組織体制に関してでございます。今、水の問題をやっているわけですが、水の問題は、人の健康の問題だけではなく、自然環境を初めとして生物の多様性、大気、土壌の問題とも密接にかかわってくるものであります。今までであれば、公害を防止し、人の健康を守ればよいという発想、すなわち公害の防止官庁としての発想で法律が制定され、組織がつくられてきたと思うのですが、もっとグローバルな、より積極的な地球環境問題や生物多様性の問題など、水とか大気とかという単なる今までの概念の切り分けでは解決できない重大な問題が生じております。環境庁の組織も、そのような問題に積極的に対処するため変革を遂げる時期に来ているのではないか、これは実は私、切実に感じるところでありまして、岩垂長官もきっと御認識いただいているのではないかと思います。  要は、一言で言うと、今まで環境庁というのは日本のお役所にありがちな対策型の官庁だったわけですね。何か事が起こってからそれに対応するという官庁だった。それを、本質的には予防型の官庁にしていかなければいけない、これがまず一点ではないかと思います。そして、水や大気や土壌だ、そんなふうな分け方をしてカテゴリー別に処理していこうなんというのはもう全く古い思想でありまして、例えば水と大気なんというのは、局長二人並んでいらっしゃいますが、さっさと一つにするべきでありまして、もっと言うと、例えば林野行政や化学物質やごみなんかも、本当は環境庁のもとに一本化するべきだと僕は思っているのです。  そういう新しい環境庁の仕事のパラダイムというのを今築き上げていくというのが、本来、岩垂寿喜男という方が環境庁長官になったレーゾンデートルではないかなと思ったりもいたしておりますが、私はぜひ期待をしております。  その辺の環境庁の組織体制というものが今のままでよしや否や、そしてこれからもし変えるとするならば、どう発展的に組みかえあるいは組織の展開を行うかというふうなあたりもお聞かせくだされば、まことにありがたく思います。
  118. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 環境庁自身も、例えば平成二年に地球環境部をつくったり、あるいは平成六年には有害化学物質を総括する環境安全課を設置したりというふうな意味で、それなりの見直しはやってきました。しかし、御指摘のように、環境基本法や環境基本計画ということになりますと、その法律が目指す、あるいはその計画が目指す行政の対応、あるいは今の時代に対応した環境行政のあり方、根本的に見直さなければならぬことも多々あると思います。  その意味で、これまでもそうでありましたけれども、組織体制の見直しはやはり不断に努めていかなければならぬ、こういう気持ちでございますので、これからもいろいろ御指摘をいただいて、御注文もいただきながら御指導賜りたいというしうに思っております。
  119. 高見裕一

    ○高見委員 実に岩垂さんらしからぬおとなしい答弁で終わりました。私の質問がおとなしかったのかなと反省をしつつ、またネクストチャンスを期待したいと思います。ありがとうございました。
  120. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 岩佐恵美さん。
  121. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 今回の法改正は、有害物質汚染された地下水が人の健康を損なうおそれがあるため、汚染された地下水浄化するためのものですけれども、地下水汚染の広がりというのは非常に深刻であって、今回の措置の決定というのは遅きに失したと言わなければならないというふうに思っています。それだけに、本当に実効性のあるものにしていかなければならないというふうに思っているところです。  環境庁の、九四年十一月に取りまとめた有機塩素系化合物等に係る土壌・地下水汚染調査対策暫定指針によりますと、調査によって汚染源を特定できるというふうにしています。これまでトリクロロエチレン等の有害物質による地下水汚染が判明している箇所が全国で一千百五十一カ所と言われていますが、そのうち何カ所の汚染源を特定して、何カ所の浄化対策が実施されたのか、その点どうでしょうか。
  122. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 昨年一月に地下水汚染状況につきまして全国的な調査を行いました。平成五年度現在の有害物質によります地下水汚染は、今言われましたように全国で一千百五十一の地域となってございます。このうち汚染源が特定または推定されているものは約半数でございます。また、浄化対策を実施しておりますものは、この千百五十一地域のうち百九十八件となっております。
  123. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 九四年五月に公表されました総務庁行政監察結果報告によりますと、調査した五十六地区のうち汚染源を特定するための調査を実施したものが二十八地区、そのうち汚染源が特定できたものが六地区、推定できたものが十四地区、不明としたものが八地区となっています。一方、調査を実施していなくて汚染源を不明としているものが二十七地区となっています。  その理由を調査した結果、調査に多額の費用を要する、財政面から調査の実施が困難としているのが十五地区、汚染源を特定するための手順あるいは方法がわからないとしているものが十八地区などとなっています。  また、浄化対策の実施状況は、汚染源が特定または推定できたとしている二十一地区のうち、十四地区が対策を講じて、七地区は講じていないという結果になっています。  今回の汚染原因者負担による浄化対策は、有害物質による汚染が確認されても、その原因汚染源が特定できない、あるいは特定しない、そして汚染源が明らかになっても浄化対策をとらないという実態の中で、地下水汚染が判明している全国千百五十一カ所のうち一体何カ所が浄化対策の対象として想定できるのか、その点について伺いたいと思います。
  124. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の水質汚濁防止法改正案は、地下水汚染による人の健康被害発生防止することが当面緊急の課題であるということから、人の健康を保護する観点から地下水浄化が必要である地域について浄化対策を推進しようというものでございます。  具体的には、地下水が水道水源となっております地域並びに常時住民の飲用として用いられている地域、また、汚染された地下水公共用水域水質に悪影響を与える地域などが主な対象となっておりまして、これら地域における地下水汚染対策について実効があるというふうに考えております。  なお、具体的にどの程度の地域が対象となるかということでございますが、これは今後地方公共団体におきましていろいろ調査し、必要に応じて措置命令を発するということでございますので、地方公共団体におきます調査等を通じまして明らかになってくるものと考えております。
  125. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 要するに、適用するものは、ずっと地方公共団体が積み上げてみないとわからない、実効性が上がっていくかどうかということについても今のところはっきり言えないということのようですけれども、それだと本当に実効性があるものになるのかどうか。普通だと、千百五十一カ所のうち今は二百カ所ぐらい浄化対策をやっているけれども、それを倍にしたいとか三倍にしたいとか、何かそういうものがあってもいいように思うのですけれども、そういうものがないというのはやはりどうなのかという不安が残るわけで、しっかり実効性のあるものにしていっていただきたいというふうに思います。  今回の地下水浄化に係る措置命令というのは、「現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるとき」というふうになっていて、いわゆる有害物質物質ごとの地下水質評価基準を超えた場合行われることになります。これは答申でも指摘されていますが、「その必要性・緊急性を判断」して行われるということになっていて、一つは、極めて限定された箇所での浄化対策になるのじゃないか、そういうおそれがあるような気がします。二つ目には、これまで取り組んできた地方公共団体汚染実態調査あるいは浄化対策が後退するのではないか、そういうふうにも危惧をされるのです。  地下水水質評価基準を超えて必要性や緊急性を判断することで極端に対象が狭まる、これまでの地方自治体等の浄化対策が進まないということにならないように都道府県を積極的に指導していくべきだというふうに思います。その点、どうでしょうか。
  126. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 今回の措置は、地下水汚染が判明した場合におきましても、法的な制度がございませんと、地方公共団体におきまして事業者に対していろいろな対策を講じることがなかなか難しい、そういう地方公共団体からの強い要望に基づきましてこの制度を仕組んだわけでございます。  そういうことでございますので、本制度ができますなれば、地下水汚染対策は一層推進するというふうに考えております。その意味で、後退することはないというふうに考えております。
  127. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 環境庁全国名水百選に選定をされています秦野盆地湧水群を持つ秦野市、これまた神奈川県の話で恐縮ですけれども、全国に先駆けて秦野市地下水汚染防止及び浄化に関する条例をつくって、地質の調査浄化対策に取り組んでいます。これまで百三十一社の事業所について調査をして、六十三社の事業所で汚染反応を確認したということです。そして、条例に今規定している汚染負担の原則に基づいて浄化事業を行っているわけですけれども、そのうち深度二十メートル以深までのテトラクロロエチレンの汚染浄化したA事業者負担というのは、総費用が九千万円になっているそうです。また、秦野市の九四年度の対策費は十億六千三百万円に及んでいます。  神奈川県市長会などでは、市及び事業所が行う調査及び浄化事業に対する新たな助成制度等の確立を要望しています。今回の法改正に伴う地方公共団体等への援助措置は盛り込まれていないのですけれども、早急な地下水汚染浄化のため、ぜひ検討すべきだというふうに思います。大臣のお考えを伺いたいと思います。
  128. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 この法案でも、汚染された地下水浄化について汚染負担の原則というのは厳然と残っているわけでございますが、地方公共団体汚染原因調査して原因者浄化措置命令するという役割を担うことになるわけであります。  ただ、地下水汚染原因究明調査を実施する地方公共団体に対して、調査に要する費用の三分の一を補助するということを制度として本年度予算に新たにつけ加えることができました。五千万円を計上しているところであります。これだけで足りるかと言われれば足りないに決まっていると思うのですが、しかし、環境庁としても精いっぱい努力をしまして、全国地方自治体に御迷惑をかけないように努力をしなければならぬというふうに思っております。  それだけではなくて、技術マニュアルの作成など、可能な限り技術面でも地方自治体に対して御協力を申し上げてまいりたいと思いますので、その点御理解をいただきたいと思います。
  129. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 中央環境審議会の諮問及び答申の中でも留意事項として指摘されている点ですので、なお一層努力をしていただきたいというふうに思います。  秦野市の場合、六十三社の事業所で汚染反応が確認をされ、六十三社の事業所が調査浄化事業を行うということになるわけですけれども、その負担割合が問題となっています。答申の中でも、「汚染源複数存在すると考えられるような場合等には、汚染源ごとの汚染寄与度を把握するなどにより浄化対策の公平な実施を確保する必要がある」としています。  汚染源複数存在する場合、自己の責任をなかなか認めない、あるいはみずからの負担で積極的に浄化事業を行おうという状況にはなかなかならないわけです。十分な調査に基づいて汚染寄与度等を把握をして、複数汚染源にも措置命令が出せるようにすべきだ、なかなか困難な作業ではあるというふうに思いますけれども、そうすべきだと思いますが、その点どうでしょうか。
  130. 嶌田道夫

    嶌田政府委員 複数汚染原因者がいる場合でございますが、このような場合におきましても、調査を適切に実施することによりまして汚染原因者を特定することは技術的に十分可能でございます。汚染原因者ごとの汚染寄与度も、シミュレーションモデルを活用することなどによりまして既に把握することができます。  このような場合でございますが、汚染原因者ごとに浄化命令を課すことになりまして、汚染原因者汚染寄与度に応じて浄化を実施していただく ということになります。
  131. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 次に、有害物質によります水質汚濁に関連をしまして、廃棄物処理施設によるダイオキシンの水質汚染問題について伺いたいと思います。  環境庁の「陸水系の汚染防止に関する総合研究」九四年版に掲載をされました厚生省国立衛生試験所の「水域環境におけるダイオキシン等非意図的有害物質の生成機構と安全性評価に関する研究」で、多摩川の底質でのダイオキシン分布調査結果が出ています。その結果について、かいつまんで説明をしていただきたいと思います。
  132. 野村瞭

    ○野村政府委員 御指摘の研究調査についてでございますが、その研究報告書によりますと、多摩川の上流から下流にかけまして八カ所で底質の泥土を採取いたしまして分析をいたしましたところ、すべての試料からダイオキシン類が検出をされておりますが、全般的には濃度としては低濃度であったということ、それから下流の試料の方が上流の試料よりも高い傾向にあったことが記載をされております。  また、検出されましたダイオキシン類の構造分析をいたしますと、発生は、主として各種の産業排水の漂白または塩素殺菌由来のものであり、特に中流及び下流での一部は都市のごみ焼却場由来のものではないかと推定がなされているところでございます。
  133. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 中流及び下流域では汚染源の一部が都市廃棄物焼却場由来であると推定できる、この調査報告書が総括のところでそういう指摘をしているわけですけれども、ここが非常に大きな問題だというふうに思っております。  この調査地点の、問題のところですが、谷戸川が流入する平井川と多摩川との合流地点でのダイオキシン濃度ですが、その下流での濃度よりも若干高い傾向にあります。この原因の一因に谷戸沢処分場の汚水漏れが関係しているのではという疑いが持たれているわけです。谷戸沢処分場や、今第二処分場建設が現地では進んでいるわけですが、こういうことも含めて、平井川流域一帯のもっと詳細なダイオキシン調査を検討すべきだと思いますが、環境庁としてどうでしょうか。
  134. 野村瞭

    ○野村政府委員 環境庁といたしましては、これまでも、昭和六十年度からでございますけれども、一般環境中におけるダイオキシンの残留状況を把握するために、全国ベースでございますけれども、河川でありますとか湖沼でありますとか海域等系統別に分けまして、底質の泥土あるいは魚介類を対象にダイオキシンの環境濃度について測定を行ってきているところでございます。  また、ごみ処理場等、これまでもそこから発生しているのではないかということで疑われてきているわけでございます。これにつきましては、その時々において関係省庁とも連携をして調査をいたしてきておるところでございますけれども、基本的には、その地域の自治体が中心となって汚染実態を把握すべきものと考えておりまして、私どもといたしましては、全国ベースで一般環境中にどのくらい汚染が進んでいるのかというのを系統的に調べてきているというのが現状でございます。
  135. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 大臣、ダイオキシンというのは、別に天然自然に存在をするものではなくて、人間がつくり出したそういう物質です。それで、多摩川全域に広がっているということは非常に深刻な問題であるというふうに思います。ダイオキシンの問題について、日本は外国に比べて非常に甘いんじゃないかということも言われているわけです。私もずっとこの三多摩地域の日の出の最終ごみ処分場などの問題について、現地に行ったりいろいろ住民と話をしたりしているわけですけれども、やはり相当なものが埋め立てられているというふうに考えなければならないわけですね。  現状で全域に出たけれども、健康には大して影響ないよということで済ますのではなくて、こうした、特に都市部においては非常に人口が、東京では一千万を超しているわけですから、そういう意味で、多くの人々が飲む水道水でありますので、ぜひ監視を強めるということでこの問題、特段ウォッチをしていって、しかるべく多摩川の問題についても改めて調査をするなど御検討いただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  136. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 今回の調査は、国立衛生試験所が行った調査でございます。環境庁としても、今まで一般環境中の残留状況を把握するために、全国の河川だとか湖沼だとかの底質あるいは魚介類を対象にやってきているわけです。濃度の測定をやっているわけですが、やはり御指摘のように、ごみ処理場など本当に注意をしなきゃならぬというふうに思います。  ダイオキシンによるところの健康被害を未然に防止することは、もう申すまでもなく環境行政上の重要な課題でありますので、今後とも環境庁として対応してまいりたいと思います。  それから念のために申し上げますけれども、多摩川のほとりに私は住んでおりますものですから、そんなことも考えながら頑張っていきたいと思います。
  137. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 終わります。
  138. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  139. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 これより討論に入るのですが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出参議院送付水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の皆さんの起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  140. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  141. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 次に、ただいま議決いたしました本案に対し、七条明さん、斉藤鉄夫さん、岡崎トミ子さん、鳩山由紀夫さん、岩佐恵美さんから、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。岡崎トミ子さん。
  142. 岡崎トミ子

    ○岡崎(ト)委員 私は、ただいま議決されました水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、新進党、社会民主党・護憲連合、新党さきがけ、日本共産党を代表しまして、その趣旨を御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を構すべきである。  一 早急に地下水水質汚濁に係る環境基準を設定するとともに、全国的な地下水の状態に係る調査を行い、科学的知見の充実に努めて、地下水の総合保全対策の推進を図ること。  二 本法の実効性を確保するため、汚染源究明調査を実施する地方公共団体及び汚染浄化に取り組む者に対して、技術的援助等適切な支援措置を講ずること。  三 人の健康被害に直結する地下水汚染を除去するという本法の目的に照らして、汚染原因者が不明等により浄化責任を問えない場合における浄化対策の実施主体、費用負担のあり方等について検討を行い、改正法の施行状況を踏まえつつ結論を得るよう努めること。  四 既存の汚染源究明調査浄化技術のより一層の効率と経済性の向上を図るとともに、すぐれた新技術を開発するための研究開発の促進に努めること。  五 硝酸性窒素等未規制地下水汚染物質について、その健康影響、汚染機構対策手法等を十分調査するともに、必要かつ適切な措置を講じること。  六 土壌汚染は蓄積性の汚染であり、ひいては地下水汚染等を通じて人への健康影響が懸念されることにかんがみ、その実態把握に努めるとともに、浄化対策制度の確立に向けて検討を推進すること。  七 大気系、水系等の複数の環境媒体にわたる汚染についても、国連海洋法条約の精神をも体し、総合的な対策の検討を推進すること。  八 地下水を含めた水環境保全重要性について国民一般に広く認識されるようより積極的な措置を講じること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申しげます。
  143. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の皆さんの起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  144. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。岩垂環境庁長官
  145. 岩垂寿喜男

    岩垂国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。ありがとうございました。     —————————————
  146. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおか決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  148. 大野由利子

    ○大野(由)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十三分散会