○荒井(聰)
委員 このマラリア死没者の慰藉事業については、さまざまな経緯があったと思います。また、財政当局との協議というのも大変困難な過程を経たのだとは思いますけれ
ども、私は、
沖縄開発庁というのは、
沖縄の
立場に立って、
沖縄の方から物を見ていくということをぜひお願いしたいなと。
ともすると、やはり、東京から物を見たり、あるいは財政当局の
立場に立ちがちだと思います。それは国の役人としてそういう
立場に立ちがちだというのは私も理解しますけれ
ども、事
沖縄問題はやはり違うのではないだろうか。
沖縄のことを理解するというのは、
沖縄の
立場に立ってさまざまな折衝をしていく、そういう形でなければ、本当の
意味の
沖縄の人の気持ちをつかまえることにならないのではないだろうか。これの配分方式などについてはまだ県といろいろ議論を重ねているところだと思いますけれ
ども、県が何を期待しているのかということを十分しんしゃくして、これからも当たっていただきたいと思います。
さて、もう一つ、私が十二月に行きましたときに、
外務省から派遣されていた方、大変お若い方ですけれ
ども、大変一生懸命やっておりました。県からも随分評価をされておりました。しかし、それだけではやはり十分ではないのではないか。
これだけ大きな、
日本の
基地のほとんどを抱えている、そして日米安保条約の根幹を踏まえている
地域です。
基地の問題あるいは日米の外交問題などにも
沖縄の人が
出席するというのは、私はこれは国の
関係ですからなかなか難しいとは思うのですけれ
ども、
沖縄のことを本当によく知っている人、先ほどの千葉さんではないですけれ
ども、千葉さんは
沖縄返還交渉の約二年ぐらい、自分の担当のときに十数回
沖縄を訪れたと言っておりましたけれ
ども、これからの外交交渉というのは、本当に地元のことをよく知っている、現地をよく知っている、現場をよく知っている、そういう人が交渉の中に、交渉団の中に加わっている、あるいは交渉の結果を現地にしっかり理解してもらうような
努力をしていくという仕組みをつくることが私はとても大事なのではないかと思うのです。
北海道には北海道大使というのがおられます。これは、北方四島の返還問題を北海道民に理解してもらうためにさまざまな活動をされております。北海道にとって、この北海道大使が北方四島返還運動に果たした役割というのは大変大きいと私は思うのですけれ
ども、このような仕組みが
沖縄にあってもいいのではないか、いや、むしろ
沖縄にこそあるべきではないか。
国の
基地の
政策はどうあるべきなのか。これは確かに地元に大変な御迷惑をおかけしているけれ
ども、国の
立場として、そういう
立場から、
沖縄の経済界の人あるいは
沖縄の文化人の方とさまざまな形で
意見交換をしていく、あるいは
沖縄の人の心の痛みを本当に理解した人、そういう方も代表団に入って、
基地の返還交渉なりあるいは
縮小交渉など一緒に交渉していくということの方が、むしろ本当の現実感というか現場感覚をアメリカに伝えることもできるのではないだろうか。
私は、日ロ漁業交渉だとか日韓漁業交渉だとかというときに若干携わったことがあるのですけれ
ども、そのときには、
会議場には入りませんけれ
ども、北海道の漁業代表者が、あるいは場合によっては北海道の地方自治体の長がその交渉団に加わって、本当の現場の感覚を交渉団に伝えていくという役割をしております。そんなことが、交渉自体を新しいステージに持っていくことができるのではないだろうか。
そういう
意味で、
沖縄に駐
沖縄大使、この
基地問題を議論する大使というものを置くことも大変有意義な一つの手法ではないかというふうに思っているのですけれ
ども、
外務省、このあたり、いかがお考えでしょうか。