○大出
委員 だから、それは答えにならないと今申し上げているんです。あなたのは答弁になっていない。
なぜかというと、前の
借料相当額を持っていっていると言うが、借料がなくなっちゃったんだ、
契約が切れちゃったんだからないんだ、そんな借料は。前の借料を日割りにしただけじゃないですか。そうでしょう、だれが
考えたって。今法律上はないんだ、切れちゃったんだから。しかも、これは国との間で賃貸
契約していたんだから。
期限が切れちゃった。一日は日切れ。
契約はない。
そうすると、前の
借料相当額を持っていっているが、そうじゃないんだ。
土地収用委員会に申請したんでしょう。
土地収用法で明確になっている。
土地収用委員会は裁決をしなければならぬ。裁決の中心ですよ、幾らにするかという金額は。これから決めるんですよ。だから、今相当額なんかないんですよ。これから
収用委員会が決めて、そうすると幾ら幾らというのが出てくるわけです。ちゃんとここに書いてある。「権利取得裁決においては、次に掲げる事項について裁決しなければならない。」労働組合が団体交渉をやるときに賃金というのが最たる団交事項で、これと同じですよ。裁決するときには、お金というものを決めなきゃ裁決できないでしょう、
収用委員会は。それが決まっていないのに、前の家賃、日割りで一日分持っていって、六百何十円持ってきました、そういうふざけた話はないじゃないですか。それはもう話にも何もならない。
それから、直ちに違法には当たらない。さっきから言っているように、法律は「遅滞なく」と書いてある。だから、私が聞いたのは、「遅滞なく」と「直ちに」はどう違うんだと聞いたんだ。「遅滞なく」と書いてあるが、「直ちに」と言ったら「遅滞なく」より「直ちに」の方がすぐだろう、だから「直ちに」と言っておけば、「遅滞なく」と法律は書いてあるから、直ちに違法ということには当たらないだろうと。
法制局長官だって確答できないんです。当たり前ですよ、法治国家なんだから。
だから、最近の新聞の社説、だんだんみんなはっきりしてきている。次々に出てくるのを見ますと「阻止すれば法治国家でなくなる」、法治国家でなくなりますね、これは。禍根を残す
基地不法占拠、国が不法占拠した。日々不法占拠、
沖縄米
軍用地は強制
使用に至る
手続がおくれれば日々不法占拠が積み重なっていくと書いてある、社説ですよ。これはあるべき姿じゃないと。
それで、この際申し上げておきますが、前の内閣、つまり、
総理は村山でございましたが、見通しが甘かった、誤ったという官房長官や皆さんのお話があるんだけれ
ども、これは皆さんよく
考えていただきたい。
あの経過は、昨年の八月二十一日に国は
沖縄県知事に
代理署名を依頼しているんですよ。八月ですよ。そうしたら、九月四日に少女レイプ
事件が起こっちゃったんですよ。八月二十一日に依頼したら、九月四日に起こっちゃった。
沖縄県じゅうが沸いちゃった。八万人も集まったんだから。みんな政党政派も何もないんだ。そうでしょう。つまり、
代理署名を県知事にというのは、去年の八月二十一日なんですよ。レイプ
事件が起こったのは、その翌月の九月四日なんですよ。わあっとなった中で知事は署名できないじゃないですか、あんな雰囲気の中で。
村山の方だって、村山を中心にして我々が立てた知事なんだ、大田さんという人は。大田さんの方もそういう意識ですよ。私が昔
沖縄特別
委員会の筆頭
理事をやっているころは、琉大の
先生だったんだから、大田さんという人は。
先生の給料をどうしてくれるとさんざん言われたんだから、僕は。琉球大学の医者の給料というのは
日本の医者の二十倍近いんだからね、琉球
政府だから。往年したんだ。だから、村山の方だって知事の方だって、それだけにお互いに遠慮はあるんですよ。我々の方は秩序維持をしてくれよと言っているわけだ、妙なことにせぬでくれよと。
怒るのはわかるけれ
ども、八月二十一日に
代理署名をやってくれといって
手続をとったら、九月四日に
事件が起こっちゃったんだから。署名しようがないんだから。そういう
状況が起こっていろのがわかっているから、あくまでも
話し合いでということで、あの八万人集会が横にぶれないようにお願いをした。その結果、秩序維持をされて、あの集会は整然と終わったということを皆さんは評価しておられるでしょう。あのときに、どこかの長官みたいに問答無用で、
話し合い、そんなものはできない、知事を訴えるとやってごらんなさいよ。沸き上がっちゃいますよ、これは。そんなことはできないでしょう。
だから、見通しを誤った云々じゃないんですよ。あのときはああいう雰囲気だった。何とかそれをお互いにおさめたかった。だから、知事は安保廃棄だとか安保反対とか全然言ってないじゃないですか。
安保条約を認めているじゃないですか、知事は明確に。その上で、
基地の整理統合・縮小をしてくれと言っているんじゃないですか。そうでしょう。だから、そこのところはぜひ
考えた上でこの問題の対処をお互いに
考えなければいけない、こういうふうに私は思っているのです。
そこで、
収用委員会はどうなるか。ここにありますが、
収用委員の皆さん七人、大学教授が三人に、弁護士の方が四人。山花さんがおられるけれ
ども、山花さんは弁護士だからみんな知った人ですよ。これは皆さんが
考えているように、そんなに簡単にいきませんよ、ああいう雰囲気なんだから。しかも、大田知事が任命したんだから、この七人の
方々は。そうでしょう。千葉県の
収用委員会みたいに、
収用委員長以下みんなやめちゃって、八年間そのままですよ。ああ、浜田さんここにいたな、ごめんなさいよ。そういうところもあるんだから、気をつけないと。そうでしょう。だから、やはり強権発動じゃなくて、知花という人が前があるとか――諸冨さんがいるところで、目の前だからちょっと言いにくいけれ
ども。
しかし、私は、佐藤
総理の時代の
沖縄特別
委員会の筆頭
理事ですよ。当時は五五年体制で自社なんだから。私は野党の筆頭
理事ですよ。自民党さんは筆頭
理事が小沢辰男さんですよ。そういう
状況ですよ。
それで問題は、
沖縄に、私は三十回まで覚えているんだけれ
ども、そこから先は忘れたけれ
ども、土曜日は毎週みんな
沖縄ですよ。ずっとピケをやっていたわけだから。核抜き本土並みで一緒にやっていたんだから。ところが、あっちからもこっちからも遺骨が出てくるわけですよ。知花さんのおじいちゃんは、
米軍が上陸してきてこの
土地で弾に撃たれて死んだんだから。鎮魂の場所ですよ。象のおりの真ん中の鉄塔三本立っている下の知花さんの
土地七十二坪というのは、そこでおじいちゃんが死んでいるんだから。
私にとっても、私は出征兵士ですけれ
ども、十八年に召集令状で高崎連隊へ入りまして、豊橋第一陸軍予備士官学校を卒業しましたが、卒業と同時にほとんど全部
沖縄本島です。私は一中隊の一番で、教官で残った。三中隊の一番は伊藤淳二君ですよ。鐘紡の会長を長くやられて日航の社長になったでしょう。彼と僕は同期ですよ。
沖縄の大拓といいまして、本部ですが、あそこにリゾート地域をつくろうというので地元資本も三十何社が行ってやったらバブルでつぶれちゃって、今一生懸命再建していますよ。その御大将が工藤勉君といって、私の士官学校の同期ですよ。これは
沖縄にいて何で助かったかというと、二人だけ
沖縄から宮古島に分遣されて、分遣されたら帰れないで、
米軍は
沖縄本島だけしか攻めなかったから生きている。だから、私にしたって、行った連中はみんな死んでしまったのだから特殊な感情がありますよ。日の丸ということに対する憎しみというのは、返還の最初から山ほどあるわけです。
米軍は認めるが
日本の自衛隊は認めぬ、南西混成師団を
沖縄につくったら総反対ですよ。しょうがないから内閣
委員会から、私、自民党さんは伊能繁次郎さん、臼井さん、民社党さんは受田新吉さん以下何人かの方、公明党さんも鈴切さん以下の
方々、みんなで行って、教
職員会が中心で、教
職員会を代表して屋良朝苗さんが琉球
政府主席で、返ってきた県の県知事になった。喜屋武真栄さんがこれも教
職員会で参議院に当選したわけだから。そうでしょう。そういう
状況ですからね、
沖縄というのは。
教
職員会が自衛隊の皆さんの子供が学校へ行くのを認めないと言うのだから、肯認できないのですから。だから、みんなで
沖縄に行って、核抜き本土並みで懸命にやるのだ、
沖縄振興法もつくるのだ、金も出すのだと。だから、我々は、本土へ来て空になって帰る船は泥を積んで行けと言っているぐらいだ。たばこをつくったって、サンゴ礁で二十五センチしか根が伸びないのだから。土が足らないのだから。そこまで我々は
考えているのだからということで事なきを得ているわけですよね、騒ぎになってしまいますから。
そういう苦労をしているので、
米軍は認めるが、手りゅう弾を抱かせられて、健児之塔だとかひめゆりの塔、南部戦跡でわかるでしょう、自殺させられたのだから。だから、
沖縄は日の丸というものに対する大変な憎しみがある。知花君の日の丸
事件というのは、皆さんと感覚が違うのです。そこがおわかりにならぬと、反戦
地主だからというわけにいかないのですよ。
だから、無理をしたって、法治国家なのだからしょせん無理は通らぬので、六百何十円持っていくだけの
努力をなさるのだったら、しかるべき人が行って、知花さんに、この
日本という国は
安保条約があって逃げられない、だからひとつそこのところはわかってもらいたいという話をした方が早いのです。
そうしないと、やはり鎮魂の地だったらば、おじいさんが死んでいるので、今のお父さん、七十二だというのだけれ
ども、七十二、三になると、みんなだめかなという気があるのだ。私は三月十日で満七十四を超えたんだから。そうなるんですよ、みんな。そういうものなのですよ。だから、おやじが生きているうちに何とかこの
土地に行って三線を弾いて家族が集まってという希望を述べているでしょう。
聞いてみると、百人ばかりついていくことについて、この反戦
地主会の皆さんというのは、ほかの人は入ってないか、間違いないかというところまで調べて出かけているぐらいですよ。それは、とんでもないことにしてはまずいと思っているからなのです。
だから、そこのところは無理を通すという形でなくて、諸冨さんにじゃなくて、ウチナーンチュ、ヤマトンチュというのはあるのだから、ぜひウチナーンチュをわかってあげて、そしてこの問題の解決のために大きな筋で進めていってもらわぬと困るという気がするのです。
入れてなぜ悪いかと私は思っているのであんなべらぼうなフェンスを張って、あれは幾らかかっているのですか。どこが金を出すのですか。千五百人もお巡りさんを呼んできて、これは国民の税金じゃないのですか。そうでしょう。
そこで、承っておきたいのは、私権をそこまで制限しようというなら、あの象のおりと言われるものは、何をやっているのですか。どういう
基地なのですか。しかも、どういう
基地なのか、芝生は年じゅう刈り込んであって、べらぼうな電力を使っていて、なかなかあれは普通では払えないですよ、あの
施設というものは。そういう
状況なんでしょう、あの建物はよく知っているけれ
ども。
ところが、象のおりで傍受していることだけはわかっても、中で何をやって、どうやっているかということはわかってないんだ。
防衛庁なり
防衛施設庁なりは、あの象のおりというものはこういうものなんだということを詳細に調べて、聞いて、今まで聞いているのか聞いていないのかわからぬけれ
ども、それだけの私権制限をするのだったら、これは納得いただけるように
説明する責任がありますよ。これを
一つ答えていただきたい。
そしてもう
一つ、これは皆さんが出している表によると、
日米間の合意ができていて、条件を満たす、つまり場所ができれば移転すると合意している。皆さんの表がありますが、そういうふうに書いてありますよ。だとすると、一体あれを移転させるのにどのぐらいの
期間がかかって、どのぐらいの費用がかかるのか。こっち側が持つのだから。そこを三つ答えてください。