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千葉景子君 私は、率直に言って、しゃくし定規に基準をぴったり三〇%あるいは六〇%を超えないと全くもう当然のごとき合格枠制をとるというのは、もう少し経過を見た方がよろしいのでないかなという感覚はするんですけれども、今後のその検討
状況などを拝見させていただきたいというふうに思っているところでございます。
さて、もう一点ですが、先ほどの改革協での議論の中で、法曹人口を
増加させていくということではほぼ大きな合意を得てきているというお話でございました。私もそれには決して異論を唱えるものではございません。しかし、先ほど魚住
委員の御
質問にもございましたように、やはり法曹人口をふやすといいましても、バランスをとって
増加が図られていくということが必要だろうというふうに思うんです。弁護士だけがふえるということでもこれは
国民のニーズにこたえることができませんし、それから
検察官、
裁判官、こういうところがやはり体制がきちっととられませんと、これからのさまざまなニーズにこたえ切れないという部分があるだろうというふうに思います。
何度も私も
質問した記憶があるので、どうもこれもちょっと重なる
質問で恐縮になりますけれども、やはりこの問題の発端というのは、弁護士が不足しているという問題よりは、やはり
検察官が不足をしているというようなことからもこの法曹三者での協議などが始まってきているわけでございますので、やはり
検察官の
増員については、先ほどの官房長の御答弁もございましたけれども、これはもう
意見として受けとめていただいても結構でございますが、例えば十年間でこれくらいの体制にしたい、それには一年ごとにこういう
増員体制をとっていきたいというような計画などがやっぱりとられると、法曹人口の
増加についてもバランスのとれた方向性が見えるのではないだろうかというふうに思います。これは同じお答えになろうかというふうに思いますので、御答弁をいただく必要はございませんけれども、ぜひそういう方向も考えていただきたいというふうに思っているところでございます。
そして、特に私が
指摘させていただきたいのは、やはり司法が
国民のために機能を果たすためには、人の体制、これを充実させていくということも当然でございますけれども、やはりそれ以外の司法全体の基盤整備あるいは条件整備、こういうものも当然図られていかなければならないだろうと思います。多分、これは改革協などでもいろいろなテーマになっているものと思われますけれども、先ほど予算の話がございました。
裁判所の予算で考えますと、
平成六年ですと国家予算のわずか〇・四%ということでございます。私たちも予算策定の際にはでき得る限り
裁判所や法務省などの応援団でいるつもりではございますけれども、ぜひそういうところの皆さんのお取り組みもいただきたいというふうに思っているところでございます。
あるいは法務省にもいろいろな御
努力をいただいて、
法律扶助制度、これなども大分
改善が図られるようになってまいりました。しかし、やはりこういう制度もより一層充実をさせていく必要があるだろうというふうに思います。
あるいは被疑者の弁護制度、これは今弁護士会などを中心にして当番弁護士制度などを設けて、非常にこれは役割を果たし始めています。私の調べている範囲では、全部の身柄
事件約八万件くらいのうち、当番弁護士がいろいろな形で面会をするなどしたのが一万四千件、約二割弱くらいになっていると言われております。そして、その中から受任をしたものが四千三百件余り、五、六%を受任するということで、やはり第一歩のときに、被疑者の段階から弁護人が何らか接触するということが非常に大きな役割を果たして、そして
権利保障にもつながっているということが言えるんじゃないかというふうに思います。
そういう意味では、常日ごろからこの
委員会などでも被疑者段階の国選弁護の問題なども議論されているところでございますけれども、そういうこともこれからの大きな
改善のやっぱり基盤整備の一環になってくるだろうというふうに思っています。そういう条件も整備をしながら、そして法曹人口をバランスよくふやしていくということがやっぱりこれからの求められている方向性であろうかというふうに思っておりますので、ぜひ改革協の中などでも実りある議論をまとめていただけますようにお願いをさせていただきたいと思います。
そして、もう一点でございますけれども、やはり先ほども魚住
委員の方からもお触れがございましたけれども、今、行政改革
委員会の規制緩和小
委員会の方でも法曹人口の
増加というものがテーマになっているようでございます。ただ、ちょっと私が気になりますのは、当然これからニーズがふえてくるということもございますけれども、一つは、規制緩和それから経済の活性化ということとこの法曹人口あるいは司法制度の整備という問題とは必ずしもパラレルにいくんだろうかと。経済活動と同列に扱うことはどうなのかなという、ちょっと懸念がございます。
やはり司法の場合には、公正な司法あるいは公的な機能、
国民の
権利擁護というような観点がございます。そういうことも含めて問題に取り組んでいかなければいけないかというふうに思いますけれども、法務省としては、この法曹三者による改革協や、あるいは今
指摘をされております規制緩和の面などからの
指摘、こういうものについてどう受けとめて今後取り組んでいかれるのか、その辺のお考えがございましたらお聞きをさせていただいて、私の
質問を終わらせていただきたいと思います。