○山本保君 私は、今回の
選挙で当選させていただきました山本保です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、僭越ではございますが、
平成会を代表いたしまして、今回の
公職選挙法の一部を
改正する
法律案及び
政党助成法の一部を
改正する
法律案、両
法案に対して反対の立場からの討論を行いたいと思います。
昨年、国会においては賢明なる先輩
議員のお力によりまして、何年もの
論議の末、
各党互いに協力し合い、
国民の意見を十分に聞きながら政治の浄化を図り、政権交代の期待できる責任ある政治の実現を目指した、金のかからない政治の実現に向けた
政治改革関連法が成立いたしました。今回撤廃が
提案されている
政党交付金の
交付限度額も、その際の
合意事項に従い
与野党協議を継続した結果、特に
自由民主党側からの主張により取り入れられたものであると承っております。
政治改革関連法は公布後一年を経ようとしております。もちろん、政治改革といいますものはこの
法律の成立によって終了したというものではなく、これからの具体的な改革はまさに進行中なのであります。
政治改革関連法の成立は、私ども政治家が真に政治改革を実現してまいりますということを
国民の方々に公約したものであると言ってよいと思います。
こう
考えてみますと、今回の両
改正法案はまさに
朝令暮改という言葉がふさわしい改悪を行おうとするものであると言わざるを得ません。両
法案が与党三党の個々の利害を勘案してつくられたという報道がなされているということもさらに非常に残念なことであります。
立法府の権威は、
法律はすべて
国民のために公正につくられているという信頼の上に成り立つものであることは言うまでもありません。ところが、両
法案がその
提案の真意においてもしも報道のとおりであるというようなことがあるならば、立法者がみずからつくった
法律を守れないという問題でありますから、先ほど
説明もございましたが、単なる
朝令暮改にとどまらない政治としての大問題があるのではないかと思います。
選挙と政治
資金に関する法
制度の
改正に対しましては、国会においては以上の
趣旨に沿って襟を正して行うべきことが要請されるのであります。
以上の観点に立ちまして、以下、反対の
理由を申し上げます。
第一に、
政党助成法における
政党交付金交付の限度額、すなわち三分の二
条項の撤廃についてであります。
そもそも本
条項は、今回廃止を
提案している与党のうち
自由民主党の強い御主張によって、昨年の
与野党協議の結果導入されたものであると伺っております。
政党助成が
政党の国費への過度の依存をもたらすことは望ましくないという御主張でありましたけれども、今回この
法案の
審議を通じて、与党三党の
提案者からは限度額撤廃に関する合理的な
説明は伺えなかったと思います。
施行一年も終わらないうちに、またその功罪を十分検討する時間もとらないうちにこれを廃止したのでは、
国民に十分な納得を得られるはずもなく、政治不信をさらに助長することとなってしまいます。
以上の
理由により、
政党助成法の一部を
改正する
法律案に反対するものであります。
第二に、
衆議院議員選挙制度の
投票方式を
自書式に逆戻りさせることについてであります。
先ほども
議論がございましたように、何よりも世界の
投票方法は
記号式がほとんどという情勢であります。それは、主権者の
投票の便宜はできるだけ図るべきだという極めて常識的な判断があるからであります。民主主義を実現するには、
国民の政治への参加の平等をできる限り厳格に保障することが必要なのであります。しかも、今後の
投票、開票に関しては、情報技術の革新の中でより効率的、合理的な
方法とすることが求められているのではないでしょうか。
提案者側の
日本社会党及び
新党さきがけの方々は、
政治改革関連法制定の際、現在
新進党に結集しました我々とともに
記号式投票の導入に積極的な御努力をなさった。これについても、今申し上げた
状況を十分理解されたからであると思います。
これに対し、
自書式で行われた過去の
衆議院総
選挙においては、膨大な無効票が存在することは本日の
質疑のとおりであります。
自書式が
有権者の
投票の妨げになってきたことは明らかであります。あまつさえ、
自書式は既成
政党に有利になるという
指摘もあり、これをねらったものではないかといううがった見方もされております。
今回、与党
各党が、一度の
選挙も
記号式で行うことなく、
補充立候補者が出現した場合などの例外的な問題点を針小棒大に誇張して
自書式に変えようとしていることは、民主主義における
国民の真の利益を無視し、時代に逆行するものだと言わざるを得ません。
以上の
理由により、
公職選挙法の一部を
改正する
法律案に対しても反対するものであります。
最後に、政治改革にかかわるこうした問題は、議会制民主主義の基本にかかわるものでありますので、
与野党各党の十分な
合意と
国民の納得を必要とするものであります。さらに、四年後には、政治改革の進捗
状況を踏まえ、
政党交付金の
総額を含めた政治
資金の
あり方を問い直すこととされております。
こうした
状況の中で急遽提出された今回の
国民不在の両
法案に対し強く反対の意見を申し上げ、私の討論といたします。