○渡辺四郎君 渡辺です。時間が十分間しかありませんから、私がちょっと述べまして、
最後に
総理の方から、特に約一年近い期間がたっておりますから、この期間の感想についてひとつ述べていただきたいと思うんです。
先ほ
どもお話がありましたが、私
自身も、党内問題でありますが、今度のこの
改正案は別に予算を伴うものでもないし、参議院先議をやったらどうかということを実は会の役員にも申し上げましたが、国対、国会全体の問題として衆議院の方で先に
審議されて、六項目の修正追加までして持ってまいりましたので、何か非常におくれて
国民の
皆さんには申しわけないというふうに実は思っておるのが私の実感であるわけです。
考えてみれば、私はあの悪魔の一月十七日というふうに実は言いたいわけですが、本当に今日まで日本のすぐれた技術者あるいは研究者を初め
国民全体の想像を絶する
阪神・淡路の大震災であったと。今日では、やはり被災が原因でその後亡くなられた方を入れますと六千名以上の方が命を失っておる。負傷者も四万二千人がおられる。あるいは家屋の倒壊が十万棟以上だと。そして、特に被災者
自身も三十二万、あるいは線路網も新幹線あるいはJR西日本、
阪神電鉄等で全体で六百三十八キロというのが通行不能になるというような、本当に大都市における直下型
地震の恐ろしさを被災者を初め全
国民に焼きつけた今度の
災害ではなかっただろうか。
この
災害が起きた後、技術者なり科学者がいろいろ言われておりましたが、例えば構造物のモメントの計算についても、やはり
地震計数をどの程度とっておるか、安全度をどの許容限度を広げて見ておるかというような問題についてもそれぞれ議論がされておりましたが、これほど日本
自身が
地震列島だあるいは火山列島だと言われて、古くは関東大震災から近くは、もう三十年にもなりますが新潟大震災を初め多くの
地震に実は見舞われてきたわけですけれ
ども、直下型の
地震に対しての
対応そのものがあるいは研究そのものがおくれておったんではないかということを、また想像もできなかったからそういう結果になったんではないかということを科学者なり技術者の
皆さんが言われておることについて、私ら国会におる一人としてもやはり
責任を
感じながらこの十一カ月経過をしてまいりました。結果、やはり特に人口密集地における都市
災害についての従来の
防災対策の欠陥が、先ほど
総理からも
お話がありましたように一挙に噴き出てしまったような気がしてなりません。
災害発生当時、
お話がありましたように、
官邸に対する
情報収集のおくれ、その結果、初動
体制のおくれによって、
危機管理対応について各方面から多くの
指摘がなされました。
ここに前の官房副
長官の石原さんが「初動の遅れに批判」ということで出されておりますが、石原さんの言葉をかりますと、
地震発生当日のことがここに記されてありますが、石原さんは、
政府全体の
危機管理対応や初動態勢の悪さが批判された原因には、一つは
官邸が被害を正確に把握するのに非常に時間がかかったこと、これも被災現地からの
情報が非常に入らなかったというのが一つ。
内閣の
体制について、例えば外敵の侵入など、
先ほどお話がありましたが、国の安全
情報は
内閣情報調査室の方でこれは二十四時間
体制で
官邸に入ってくることになっておる。がしかし、自然
災害については所管は第一次的には
国土庁の
防災局となっておる。
先般の一般
質疑のときにも申し上げましたが、三十七名の
体制で十三億ぐらいの予算でもって何ができますかということを私は申し上げましたが、今度人員も増員をするということで要求されておるという
お話を聞きましたが、その日は当直者がなかった、こういうことで
対応がおくれて、この
教訓と
反省の上に立って、大
災害になれば最初から
総理が陣頭指揮をとる形であるべきだというふうに石原さんも述べておるわけです。
私は、今度の
改正案をずっと見てまいりまして、かなりそういう部分についてはやっぱり
反省に立って生かされておる、対処をされておるというふうに実は考えておるところです。
あの当時、初動
対応のおくれについて
総理みずからも先ほ
ども認められておりましたが、しかし
災害対策本部長として、私に言わせれば超法規的といいますかというぐらいに思われるほど多くの施策を実施しながら、不眠不休に近い努力を全
閣僚、
政府一体となって取り組んできた、これはやはり
国民の
皆さんも認めておると思うんです。そして、企業の
皆さん、
国民の
皆さんの協力と支援の中で救援等復旧そして復興に力を注いできた
村山内閣に対して、私はここで改めて敬意を表したいと思うんです。
そういう中で、国会も超党派で、予算
委員会のさなかでありましたけれ
ども、特にやはりこの
災害対策問題については全国会を挙げて
政府と
一体となって進めてまいりました。その結果が、例えば道路、鉄道、港湾等の復旧が当初の予定をかなり短縮しながら復旧することができたというふうに思っておるところです。
しかし、考えてみれば、もう発生から約十一カ月近くになるわけですけれ
ども、いまだに約千七百人に近い被災者の
皆さんがこれから厳しい冬を迎えて不自由な避難生活を送っているという現状を私らは忘れてはならない、一刻も早くこういう人たちを希望する方向で救援をしなきゃいけないんじゃないかというふうに思っておるところです。
鉄は熱いうちに打てということわざがありますが、
審議の中で、特にやはり本
改正案の立法過程では、先ほどから申し上げましたように
災害の
教訓と
反省の中から提案をされて、特に
総理が力を入れたのが
体制の
整備に万全を期したいというところだったと思うんです。そういうことで、国会
自身も
一体となって、そしてこの
改正法案を一刻も早く成立させて、いついかなるときでも万全の
対策が講じられるような方向に持っていかなきゃいけないというふうに思っております。
私は、
委員長もおられますが、地方行政
委員会に所属をしておりまして、全国の自治体
関係、自治省、消防庁、警察
一体となって今各自治体で地域ごとの
防災計画を必死になって計画をし、そしてつくり上げておるさなかでもあるわけです。多難な予算も、特に
防災対策については力を入れながら
政府に対して予算要求もやっていこうということで意思統一をしながらかかっておるわけですから、
総理の頭の中に、各自治体が
防災対策に今一生懸命取り組んでおる、そのための施策をいろいろ実施するわけですから、ぜひ予算の段階でも頭の中に入れておいていただきたいというふうに思うわけです。
そういうことを実は申し上げまして、十分しかないわけですから、この悪魔の一見十七日から十一カ月近くになりますが、
総理自身の大変な御苦労と、そして
最高責任者としての感想と、これからの
決意についてお伺いをして、私は終わりたいと思います。