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堂本暁子君 前回に続きまして、生物多様性国家戦略について
質問させていただきます。
現在、この地球上で最も深刻なのは温暖化とそして生態系の崩壊、つまり生物の食物連鎖ですとか、それから空気ですとか水とか土とか、そういった非生物をも含めての循環にひずみと申しますか狂いと申しますかが起こっていることだと思います。そのことへの危惧から、九二年の地球サミットで生物多様性条約が採択され、そして
日本も批准したわけです。
国連は、国家戦略はNGO、市民団体ですとか専門家そして広く
国民の総意をくみ上げてつくるようにというふうに求めています。前回の九月二十八日の
決算委員会で、私は、決定を一年延期していただきたい、それは市民からの強い要望であるというふうに
お願いをしたんですが、先日環境庁からいただきましたこの修正文というのには、もう既に、きょうは三十日なんですが、三十一日に地球環境保全に関する閣僚
会議で決定したと、早々と書いておありになるわけです。あした閣僚
会議が開かれなかったらどうなるのかと思いますけれども、とにもかくにもそういうふうに書いてある。
私は、非常にそのことに関しては、そういうふうに断定されている、多くの市民がそのことを望み、そして私ども議員もそのように望みながら、しかも
日本全国から寄せられた二五二十五の意見の三分の一はそういった市民の参加がなかったということを問題にしているわけですが、そのことも無視されてしまった。そのことについては非常に残念でもございますし、遺憾でございます。ただ、前回の
質問で二十八日に、環境庁
長官が
継続的にNGOと話し合いをさせていただくというふうに答弁されました。それを実行に移す以外にないというふうに今考えております。
では、本題に入ります。
ダムに関して
今井さんやそれから
中尾さんからも多くの
質問が出されました。私も、木頭村に細川内ダムは見に行ってまいりました。どうしてここに今からダムをつくらなきゃならないのか、本当に理解に苦しんだんですけれども、二百年に一度の洪水の安全性を保障するためという御説明でございました。
今問題にしたいことは、二百年先に一体私たち
日本人あるいは人類はどうなるのか。その
日本人や人類も今危機に瀕している。皆様もしかしたらば、まあ何とたわ言をとお思いになるかもしれませんけれども、それは現実でございます。洪水でない危険、それが迫っているというのがこの地球上の現実でございます。
洪水からの安全と同時に人類の生存自体を保障する必要が出てきています。それがまさに生物多様性条約の目的であり、そして条約の内容でございます。
日本も批准している以上はこういった問題にきちんと取り組んでいく必要があると思いますし、そうしない限り、洪水からの安全があってもそこにもう人は住んでいなかったというようなのは、これはもう皮肉というか何とも言えないアイロニーそのものだと思います。そういった事態をもたらさないためには、
国土開発自体もしっかりとその条約の内容を私たちは加味しなければいけないのではないか。
〔
理事大木浩君退席、
委員長着席〕
国土庁は、現在第五回目の
全国総合開発計画を策定していらっしゃいます。生活の豊かさと自然環境の豊かさが両立する世界に開かれた
国土の構築と。今まで自然環境の形成ということが入っていなかったということを聞いて私は非常に驚いたんですが、私はやはり豊かな自然というだけでは条約の理念がきちんと盛り込まれないというふうに思いますので、
国土庁長官に、一番大事なことは、生物多様性という大変わかりにくい言葉でございますけれども、やはりそれを書き込んでいただくということが何より大事なのではないかと。書いてあれば、みんな、ああこれはどういう意味なんだろう、どういうコンセプトなのだろうというふうに考えます。
そこで、まず
国土庁長官にそのことを、ぜひこれから書かれるものについて生物多様性と書き込んでいただきたい。いかがでございましょうか。