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草川委員 そこだけは明確にしていきませんと、私はすりかえの
議論になると思いますので、厳重な対応をしていただきたいと思います。
そもそも、この住専に対する公的資金の導入というのは、かなり古くから実は議会で問題になっているんですよ。
これは、私個人のことを言いますと、
平成五年の二月の五日の本予算
委員会で、公的資金の導入がいろいろとあるけれ
ども大臣の見解いかん、そのときは総理
大臣は宮澤さんなんです。当時の林大蔵
大臣は、「公的資金の導入が求められるべきものではないんだろう、」やはり民間の基本原則でという
答弁があります。当時の宮澤
内閣総理大臣は、これは「かなり厳しい自己責任になることは避けられないと思いますが、」
国民の皆様に迷惑をかけるようなことはないと実は言っているんですね。こういう歴史があるんですよ。
それで、私はそういうことを頭の中に置きながら、ことし実は
村山総理
大臣に、春の予算
委員会で、住専問題は重要だが、どうですかと
質問したんです。そしたら
村山総理
大臣は、そのときには、いや、実は住専についてはまだ
承知をしていないというお話がありました。だから私は、あえてそれは深追いをしない。だけれ
ども、事態はこんなことにとうとう来ちゃったんですよ。これは私は、政府としても重要な過去の歴史ということを見ながら対応を立てていただきたいと思うわけです。
それで、武村大蔵
大臣は六月二日の
記者会見で、不良債権処理について公的資金導入の意向、公的というのは認めたという
意味で、肯定
発言をされているわけです。私はそういう
意味で、この二月の予算
委員会でもこの問題を取り上げたときに、大蔵
大臣は、東京協和、安全信用の
議論があったんですが、その後にその救済スキームを住専に広げる
考え方はないという
答弁をされてみえるんです、私に対して武村さんは。
それで、春には公的資金の導入だとか救済スキームを拡大する気はないといって
答弁をされていたにもかかわらず、ここになって急にわあっと出だしたんでしょう。ですから、六月には少なくとも公的資金の導入について認めておいて何もしないから、あなたは海外からも批判を受けたんですよ、ワースト何とかという形で。
だから、歴史からいいますと、この
国会では、少なくとも公には政府側は公的資金の導入をしないというのは一貫して流れているのです。ところが、
国会が終わると、武村さんは六月には、公的資金の導入あり得るというようなことを言い、それから金融制度調査会の方では一方的にわあっと話が進んでいくのです。だから、
国民の立場に立ってみれば、不良債権を発生させるだけさせておいて、ツケだけは
国民に回ってくるのがおかしいじゃないか、こういう話になるわけです。
日銀の副総裁は、そうは言うけれ
ども、日本全体の金融システムを守るためには限定的な、というような
発言がありましたが、それには
前提があるんですよ。これはきちっとしていただかないと、責任だけはきちっとしていかないと、公的資金の導入については我々は認めるわけにはまいりません。
しかも、先ほど言ったように、問題は
個々の農業協同組合なんだろう、農協が悪ければそこに資金を出せばいいじゃないか、こんなのは暴論ですよ、それは。だまされたんですから、農協の方は。それで、だましておいて貸し手責任と、こう言うんでしょう。これまた筋が通らぬ話なんです。全国の農民はどう思いますか、それは。銀行というのは一番かたいところだと思っているんでしょう。ところが、さまざまな不祥事が出てくる。そして、信用農業協同組合にお金を預けた、どうもそれも何かぎすぎすしているらしい、住専というのは何か知らないけれ
ども、という心配を持っているんですよ。だから私は、そういう
意味で、不良債権の問題がどのように発生したのか、だれの責任かというのを徹底的に究明をしていただきたいと思うのです。
同時に、なぜ住宅金融専門会社がかつて親銀行であるところの都市銀行が融資をしていたような物件を肩がわりをさせられたのかということについて、物すごく今でも疑問に思っているのですよ。ある物件については、例えば十億なら十億という不動産について、五億親銀行が融資をしている、だからあとの五億円は住宅金融専門会社に振り分けるわけですよ。住専の役員というのは現実には全部都市銀行の天下りですから、親会社の
意見を聞いて融資をする。融資をしたら、半年たち十カ月たっと、親銀行の融資が引き揚げられていくのですよ。親銀行の融資が引き揚げられて、いわゆる不良債権だけが残るのですよ。こういう現状を一体見過ごしていいのですか。金融機関における優越的な地位の乱用だと私は思うのですが、金融機関における優越地位の問題はどういうのが具体的か、この際、公取の
意見を聞きたいと思うのです。