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宮路委員 確かに、もう
人生八十年の
時代になったわけですけれども、
国家公務員の
人事管理は、特定の人々については
人生五十年、そういう
時代を脱却できていない、相変わらずそういう
時代の慣行を踏襲しているということじゃないかというふうに思います。
地方公務員も、五十八歳までは幹部といえどもみんな働いておる。そういうことでありますので、ぜひ今
長官の
お話のあった方向でひとつ鋭意御検討を賜り、改善の手を施していっていただきたい、このように願うものであります。
次に、
給与改定の具体的な内容のことでちょっと
人事院の方にお伺いいたしたいと思います。
今回の改定の中で新設されたものとして、
改正後の
給与法第十一条の六第一項に規定されております特別移転官署に係る
調整手当というものがあるわけであります。これは、多極分散型国土形成、そういった観点から首都圏の
行政機関を
地方へ移転するということを進めるということなのでありますが、それに伴って、例えば
東京から大宮へ
機関が移転した、その計画に従って役所が移転した場合に、今まで
東京都ですと一二%の手当がついておったものが、大宮へ行くと三%になる。
そこで、
一般的にはいわゆる
異動保障というのがありまして、AならAさんという人が
東京から大宮へ行った場合は一二%の手当が三年間はつくわけでありますが、その
一般的な
異動保障に加えて、今度特別措置ということで、激変緩和措置という名のもとに追加的にこうした特別の措置を講ずることにしてあるわけですね。そして、
異動保障がある三年後、毎年一%ずつ落としていって、最終的には十一年目にですか、十一年目に三%に落としていく、こういうことなのです。
趣旨は、そうした政策的な観点からいわば強制的に役所が移っていくわけだから、それに伴っての
職員の円滑な
異動を確保する、それからまた、その移転先の役所における要員の確保を図るためにこの
調整手当が必要なんだ、こういう趣旨でこれが設けられたというふうに書いてあるわけであります。
要員の確保ということでありますけれども、先ほどから申し上げておりますように、現在の
不況下、
公務員に対する志望、
公務員希望というのは物すごく高まってきておる、未曾有の高まりだというふうに私は思うのです。みんな
公務員になりたい、
公務員になりたい。例えばⅢ種の試験も、本来は高校卒が受験する分野、こう言われておるものが、大卒が殺到して高卒の方々が悲鳴を上げているというぐらい、Ⅲ種についても高卒を押しのけて大卒がどんどん押しかけていっている。それから今度は、Ⅰ種の試験の競争率は、これもかつてない、史上最高ぐらいの、そういう
公務員志望の高まりということであります。
また、私ども特に
地方では、嫁さん探し、婿探し、仲人というのを結構頼まれるのでありますが、とにかく今女性の方からすると、
公務員は婿さんとして最高だ、もうみんな
公務員に嫁に行きたい、
公務員に嫁に行きたいという声を私ども
地方では特に聞くわけでありまして、
公務員はみんなそういうことで高ねの花であります。そういうような
状況が見られる。
一方、目下私どもは、サトウキビの価格の問題を一生懸命やっているわけであります。先週は、今度は私の田舎のでん粉用の芋の価格の問題、これに一生懸命取り組んできている。ところが、でん粉の芋の価格あるいはサトウキビの価格は、厳しい
状況の中で対前年据え置きを主張して、それを実現するのがやっとの思いでやっている。
我々も、役所を駆けずり回り、党の中でいろいろ議論をし、そして何とか、ガット・ウルグアイ・ラウンドがことしから始まったという厳しい環境の中ですら、やっとこさそういう農産物価格据え置きなんです。ところが、実質これはもう引き下げなんですね。実質は引き下げです、諸経費も上がっておりますから。据え置きを実現させたのがやっとこさであります。
ところが、
公務員の
皆さんは〇・九%でありますけれども
完全実施、かつ定昇は定昇であるわけですよ、定昇は定昇で。我々が今一生懸命頑張っている芋の価格やサトウキビからすると、これはもう全く雲泥の差だ、こう言っていいというふうに私は思うのです。
こうした中で、要員を確保し、あるいは
職員の
異動を円滑にするために、従来の
異動保障に加えてさらにこうした特別な配慮をしていかなければ
公務員の要員が確保できないのか、あるいは
皆さんが大宮へ行きたがらないのか。どうも私はすとんと落ちないものを感ずるわけでありますが、どういうような
背景なり
事情があったのか、その辺をまずお聞かせいただきたいと思います。