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1995-11-07 第134回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年十一月七日(火曜日)     午後六時九分開議 出席委員   委員長 左近 正男君    理事 稲葉 大和君 理事 七条  明君    理事 住  博司君 理事 赤羽 一嘉君    理事 小池百合子君 理事 小坂 憲次君    理事 濱田 健一君 理事 高見 裕一君       安倍 晋三君    逢沢 一郎君       荒井 広幸君    衛藤 晟一君       小野 晋也君    久野統一郎君       栗原 裕康君    小泉 晨一君       佐藤 剛男君    田中眞紀子君       額賀福志郎君   三ッ林弥太郎君       宮路 和明君    村上誠一郎君       横内 正明君    石田 祝稔君       長内 順一君    古賀 敬章君       佐藤 茂樹君    坂本 剛二君       白沢 三郎君    千葉 国男君       西  博義君    弘友 和夫君       増田 敏男君    山名 靖英君       今村  修君    沢藤礼次郎君       三野 優美君    前原 誠司君       穀田 恵二君    土肥 隆一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  村山 富市君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 池端 清一君  出席政府委員         阪神淡路復興         対策本部事務局         次長      角地 徳久君         国土庁防災局長 村瀬 興一君         厚生省社会・援         護局長     佐々木典夫君  委員外出席者         議     員 高木 義明君         議     員 小坂 憲次君         議     員 増田 敏男君         衆議院法制局第         四部長     横田 猛雄君         特別委員会第三         調査室長    金山 博泰君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月七日  辞任         補欠選任   衛藤 晟一君     荒井 広幸君   小此木八郎君     栗原 裕康君   松下 忠洋君     小野 晋也君   金子徳之介君     坂本 剛二君   畑 英次郎君     西  博義君   宮本 一三君     佐藤 茂樹君   前島 秀行君     沢藤礼次郎君 同日  辞任         補欠選任   荒井 広幸君     衛藤 晟一君   小野 晋也君     松下 忠洋君   栗原 裕康君     小此木八郎君   佐藤 茂樹君     宮本 一三君   坂本 剛二君     金子徳之介君   西  博義君     畑 英次郎君   沢藤礼次郎君     前島 秀行君     ――――――――――――― 十一月七日  水害対策に関する請願桜井新紹介)(第五  七二号)  阪神大震災被災者の生活・雇用の保障、抜本  的防災対策に関する請願穀田恵二紹介)(  第九九七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月二日  雲仙岳の噴火に対する災害対策に関する陳情書  (第二五四号)  地震対策への取り組みの強化に関する陳情書  (第二五五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法  の一部を改正する法律案内閣提出第一五号)  災害対策基本法の一部を改正する法律案加藤  六月君外二十九名提出衆法第三号)      ――――◇―――――
  2. 左近正男

    左近委員長 これより会議を開きます。  内閣提出災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案及び加藤六月君外二十九名提出災害対策基本法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。七条明君
  3. 七条明

    ○七条委員 先ほど宗教法人法改正の問題で特別委員会が終わったところであります。総理、御苦労さまでございます。引き続きよろしくお願いをいたします。時間が限られておりますから、簡単明瞭にお願いをしておきたいわけであります。  まず、今回提出されました災害対策基本法の一部改正案あるいは新進党からも一部改正案が出ておりますけれども、一括をしてということでございますから、私からまず総理にお聞かせをいただきたいのは、今回こうしてなぜ災害対策基本法改正しなければならないか。これはやはり、阪神大震災が起こったがゆえに、早くいろいろ体制整備をしておかなければならない、反省点もたくさんあったよということでございますから、そういう意味での大震災教訓をもとにして政府案ができ上がったのではないかと思っております。  そういたしますと、その意味で、総理大臣としてどんなところに配慮をしてリーダーシップを今後とっていこうとするのか、今後の対応をまずお聞かせいただきたい。
  4. 村山富市

    村山内閣総理大臣 遅くなったことをおわび申し上げます。  今御指摘のございました阪神淡路大震災に何を学んだか。私は、阪神淡路大震災が起こった時点で、この地震災害に遭った地域における市の職員、県の職員あるいは消防署職員警察職員、そういう災害対策に当たる職員皆さんが大部分被災者であった、同時に情報連絡網が完全に断たれた、こういうことがやはり被害を大きくした大きな原因ではないかということも考えられますので、そういう点も反省をし、何をおいてもいち早くやはり正確な情報官邸でつかむということが大事ではないかということを第一に考えました。  したがって、その情報がつかめるようにするためにはどうすればいいのかというようなことについて、中央防災会議なり、あるいは防災問題懇談会等も開いていただきまして、いろいろな意見もお聞きしました。何をおいてもまずやはり官邸関係省庁担当者が全部集まる、そしてあらゆる情報網を駆使して正確な情報把握できるようにする。そのためには民間も含めた公共団体協力もいただくということをまず考えたわけですね。 そして、正確な情報を早期にどうしてつかんでいくか。情報がつかめれば、それに対してどう対応するかという手も打てるわけですから、そのことが第一だ。  同時にこれは、今申し上げましたように、公共団体職員なりあるいは消防署警察関係する皆さん方被災者になり得るわけですから、したがっていろいろな広域的な協力も得る必要がある。あるいはまたボランティア等活動についても、阪神淡路大震災では相当評価されるような活動もされておりますから、そういう方々に対する協力もふだんからきちっと確立しておく必要があるというようなことをいろいろ学びましたので、そういう点も十分含んだ上で、防災問題懇談会意見も聞いて、二月二十一日には閣議決定をいたしまして、総理大臣官邸への情報連絡体制整備を行ったほか、各種災害対策基本となる防災基本計画について、私が会長である中央防災会議において全面的な見直しを行ったところであります。同時に、災害応急対策等各種災害内容をその類型別に具体的、実践的に記述をした新しい計画を策定をいたしました。  また、国、地方公共団体等による防災体制のあり方について、制度面見直しも含めて検討するため私が設置をいたしました、先ほど申し上げました防災問題懇談会からの提言も得て、その内容に沿って今回の改正案をまとめたところでございます。  したがって、阪神淡路大震災教訓に学んで、なすべきことはあらゆる角度から検討して今回の改正案に盛り込んだつもりでございます。
  5. 七条明

    ○七条委員 今御答弁いただきましたけれども、今回ありました阪神大震災以降、官邸機能強化をやれ、あるいは防災行政見直しをやらなければならないじゃないか。今総理もそういうふうにお答えになっておられましたけれども、特に自衛隊の問題、それから地方自治体と国との関係、あるいは地方自治体独自の問題、それから海外からの支援体制の問題、それから高齢者がどういう状況であって、それらに対する高齢者対策の問題など、いわゆる初動体制の不備な点がいろいろな形で反省点として出てきたような気が私はいたします。  その際、私が特に聞きたいのは、初動体制の中でも、先ほど総理が言っておられましたが、初動情報収集体制強化について、これを重点的にやったと言うのですけれども、実際にうまくできる機能になっておるのかどうか。特に、今度の政府案の中では、非常災害対策本部あるいは緊急災害対策本部というような形で、初動のいわゆる情報いかんによったら本部設置の仕方が違ってくるような形になってくるところもありますから、特に初動情報収集体制がうまくやれるのかなというのが一番基本になるのですね。ここはどうでしょうか。
  6. 池端清一

    池端国務大臣 ただいま総理からもお話がありましたように、阪神淡路大震災教訓に学んで、二月二十一日の閣議におきましては、大規模災害発生時の第一次情報収集体制強化内閣総理大臣等への情報連絡体制整備に関する当面の措置について決定をいたしたところでございます。  ここでは、総理からもお話がありましたように、航空機、船舶等を活用して情報収集活動を効果的かつ迅速に推進をする、あるいはまた内閣情報調査室情報伝達の窓口とする、さらには民間公共機関からの情報収集に努める、所要の機器の整備を行う、緊急に官邸に参集する要員についても決定をする等々の措置を講じてまいりました。  その後、防災基本計画の全面的、抜本的な見直しをも行いました。さらにまた、防災問題懇談会の御提言を受けて今次改正案提出、こういうふうになったのでございます。  我々はいろいろな教訓反省に学んで、その後起きました奄美北部地震対応につきましても、あるいは伊豆半島沖地震につきましても、国土庁としても全面的にこの応急緊急体制に備えるような体制整備を図り、活動を進めてきておるところでございます。どうぞその点御理解をいただきたいと思います。
  7. 七条明

    ○七条委員 今大臣からも答弁いただきましたし、初動情報収集体制が一番大事だということはもう間違いがありません。私の方から申し上げておくならば、この情報収集作業体制がとれているかどうかということと同時に、それが法律上で位置づけられておるかどうかというのが一番必要になってくるわけであります。この点、実は新進党案とちょっと比べさせていただきましたら、政府案の方がよりよかったかな、全体のバランスも政府案がよかったかな、こう思っておりますが、後ほど修正もする意気込みがあろうということを察しておりますから、その辺でおきます。  総理、もう一度お聞かせいただきたいのは、緊急災害対策本部設置されますと、総理自身がその本部長になられますね。ですから、本部長になられたときの権限だとか、あるいは指揮権総合調整など、本部長として行かれる場合の総理のいわゆる見解としてはどうでございますか。
  8. 村山富市

    村山内閣総理大臣 現行法は、緊急災害対策本部長総理大臣ですけれども、部員関係省庁局長がなっておったわけですね。  それで、今度の阪神淡路大震災の際には、現行災害対策基本法によりますと、布告をして、そして物価統制等を行うということになっているわけです。しかし、状況を見た場合に、そういう布告をして物価統制などを行う必要はないと私は判断しました。同時に、より強化をするためには、総理大臣本部長になるわけですから、その部員は全閣僚を充てる、そして内閣一体となって取り組む、そして、現地には現地対策本部設置をして、そして県やら市町村連携をとりながら、地元要請にも十分こたえて、緊密な連携をとって対応できるようにする、こういう仕組みをとってきたわけです。緊急対策本部というのは、そういう意味で、基本法にはございませんけれども、臨時的にその方がいいという判断を持ってやってきたのです。  そういう経験に照らしてみて、私はこれからも災害対策については、緊急対策本部設置する場合には、布告をして物価統制などをする必要がないような場合でも、そういう対応をした方がより効果的に、機敏に対応できるのではないかというふうに考えますので、そういうふうに改正をしていただくように今度の改正案の中には盛り込んで、御審議をいただいておるという状況でございますから、御理解を賜りたいと思います。
  9. 七条明

    ○七条委員 時間が来たようでございますから、もうこれで質問を終わらせていただきたいわけでありますけれども、いずれにいたしましても、阪神大震災教訓として、この機会にいわゆる防災行政を見直すと同時に、この新しくできました政府案が中心になって、そして新しい体制で日本の防災のかなめとなっていくようにお願いをし、当法案が一日も早く成立することを願いまして、質問を終わらせていただきます。
  10. 左近正男

    左近委員長 七条明君質疑は終了しました。  赤羽一嘉君。
  11. 赤羽一嘉

    赤羽委員 新進党赤羽一嘉でございます。  今回の災害対策基本法改正作業は、約四十年ぶりの大作業でございます。今回、阪神淡路大震災で全く役に立たずに、そして結果として六千名もの人々のとうとい命を落としてしまったこの事実に対して、率直に深い反省をし、そして教訓を学びとって、与野党を超えて次なる、起こらなけばいいけれども、起こるかもしれない大災害に有用な法律を我々国会議員責任でつくらなければいけないという思いで、我々新進党はこの夏をこの作業に使って頑張ってまいりました。  きょうは、本当に大詰めの質問でございます。十五分間でございますが、率直に総理の御答弁お願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。  今回いろいろなところで、また前回この委員会大臣答弁にもありました、今回の震災をここまで大きな大災害としてしまった致命的な初動初期動作のおくれということが言われておりま す。実際、今回、一月十七日、地震発生情報入手から四時間以上たってようやく閣議決定をされ、そして、その上で非常災害対策本部設置されたわけでございます。同時に、兵庫県県庁に災害実態情報が集まらずに、そして、自衛隊出動要請のその要請権者が知事であるという法律から、自衛隊が十時過ぎまで出動されなかった。こういった事実からも、大臣の御答弁にもありましたけれども、初期動作のおくれというのは、本当に今回の大災害の一番の大きな原因であったというふうに思うわけでございます。  ですから、我々新進党案新進党のこの委員のメンバーで、ここに一番反省をし、応急体制をとれるような、そういう災害対策基本法内容にしていかなければいけないということで我々の法案提出させていただきましたが、政府案では、残念ながら相変わらず、例えばこの非常災害対策本部設置には閣議決定を要するとされております。そして、市町村には自衛隊出動要請権は認めないというふうにされているわけです。これは本当に、今回の率直な反省というのが、口では反省している反省していると言われておりますが、実際の法案にどのような形でその反省の形が出ているのかなと率直に首をかしげざるを得ないのでございます。  先ほど七条委員質問にありましたが、緊急災害対策本部設置基準について、私は実は今回の政府案を見てみますと、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に初めて設置されるという極めてあいまいな基準を設定し、実際これでは、事実上は設置が極めて困難であるなというふうに私は思っております。  また、幾つかの答弁の中で、総理大臣の本会議場での答弁でもありましたが、例えば阪神淡路大震災のような規模のものが発生した場合には緊急災害対策本部設置するものというふうに答弁がございましたけれども、これも私が地元で体験したことからいえば、今回の阪神大震災がこれだけの大規模であったという、この規模把握ですね、災害規模把握には時間がかかったはずなんです。ですから、その把握をするまで設置ができないじゃないか。そういう意味では、機動性というか応急体制に沿う内容になっていないと私は言わざるを得ないと思うわけでございます。  ですから、このような政府案を通すのであれば、何を今回の阪神淡路大震災反省し、何を教訓としたのか全く不明であり、このままでは私は地元に帰って説明ができないという心境でございます。  総理、余り演説していても時間がございませんので質問させていただきますが、失礼ながら、予算委員会とか本会議総理答弁議事録を繰り返し読ませていただきました。しかし、その中で今回の震災につき、実際どんな点を反省されたのか、「反省すべき点は反省し」というくだりはございましたけれども、どんな点を反省されているのか全くはっきりしないわけでございます。そして、今回このような政府案がぽんと出てくるに及んでは、どうなっているのかなというふうに思わざるを得ないのが率直な疑問です。  きょうは時間も限られておりますので、一点だけ。  まず、応急対策推進というのが大事だと言っている中で、恐らく対策本部とならざるを得ないであろう今回の非常災害対策本部設置要件閣議決定が必要であるかどうかということを、総理の御見解を聞きたいと思います。よろしくお願いします。
  12. 村山富市

    村山内閣総理大臣 非常災害対策本部設置するか緊急災害対策本部にするかというのは、その災害状況によって判断をせざるを得ないと思うのです。これはケース・バイ・ケースがあると思いますから、それはやっぱり、だから初動の正確な情報把握することが大事だ、緊急に把握することが大事だ、こういうように申し上げているわけでありますけれども、これは、非常災害対策本部設置するにしても緊急災害対策本部設置するにしても、やっぱり内閣が全体として責任を持てるようにするというためには、これは閣議決定といったって、何も閣僚全部集めて開く必要もない、持ち回りで連絡をとってやることもできるわけですから、緊急に対応できるように内閣責任を持つということからすれば、私はそれが妥当であるというふうに考えています。
  13. 赤羽一嘉

    赤羽委員 いや、総理非常災害対策本部にするか緊急災害対策本部にするかということを聞いたのではなくて、非常災害対策本部を開くにも閣議は必要だということで、まあ後半部分はお答えいただきましたが。しかし私は、新進党案は、大災害が起こった、すぐ、それ非常災害対策本部設置する、そしてその中で、これはもう手に負えない、総理大臣本部長にして緊急災害対策本部設置するのだ。これの方がもうどんな災害にも柔軟にかつ適切に対応できる内容になっているというふうに私は思うのでございます。そういうことを言いたかったわけでございます。  それで、済みません、十五分しかございませんので。今回、その非常災害対策本部本部長任命に、これは前回委員会でちょっと聞いたのですが、任命者総理ですので、一月十七日に小澤国土庁長官任命されました。そして、二十日に当時の小里北海道沖縄開発庁長官地震担当大臣任命の上、本部長任命されたと思いますが、この辺の経緯というのはどういう理由があったのでしょうか、教えていただきたいと思います。
  14. 村山富市

    村山内閣総理大臣 それは、国土庁長官国土庁長官としての業務があります。それから、小里国務大臣北海道沖縄開発庁長官をされておったわけですね。したがって、その仕事のウエートから見て、私は、専任をしてこの阪神淡路大震災に取り組んでいただく、専任大臣を置くということになれば、国土庁長官よりもそれの方がよかったのではないかというふうに判断をしてやったのであって、これは私がいろいろな角度から検討して専任大臣に指名をした、それだけのことであります。
  15. 赤羽一嘉

    赤羽委員 それで、これは同じ質問を、実は前回質問のときに総理がいらっしゃらなかったものですから、池端長官にお聞きしまして、かわりに答えていただいたのですが、なぜ専任の方を本部長に据える必要があったかといえば、そのときの答弁は、記憶によれば、十七日の当日はわからなかったと、災害規模自体が三十日のこの時点になって、これは、片手間と言っては失礼ですけれども、それなりに専任の人がならないと手に負えなくなったというふうな判断の上で、そのとき二十日の午後ですか、小里さんを任命されたという経緯があったというふうに聞きましたが、その辺の経緯はそれでよろしいのでしょうか。
  16. 村山富市

    村山内閣総理大臣 十九日に私は現地に参りました。その被害状況等をつぶさに見て、これはもう大変な被害だ、これは専任大臣を置いて、そして内閣を挙げて取り組む必要がある、こう判断をいたしましたから、帰って早速専任大臣を置くことにしたわけです。
  17. 赤羽一嘉

    赤羽委員 これも余り深く議論できませんが、やはり、専任を置かなければいけないとするまでそれだけの日数がかかったということじゃないんですか。だからこそ、今度の政府案では緊急災害対策本部なんというのはしょせん絵にかいたもちのような存在なんじゃないかなというふうに私は思うわけです。  ちょっと話を変えますけれども、今回、何だかんだ言いながら小里さんが一番現場の中で御苦労された大臣であると私は思うわけでございます。その小里さんが今回、ちょっとこれ委員長に黙って持ち込んじゃったんですけれども、「震災大臣特命室」という本を書かれました。読まれましたか、総理。私もいただけなかったもので、自分で買ってこの前慌てて読んだんです。  ここで小里さんが言われているのは、「阪神淡路大震災を振り返って」という項目がありまして、一として「国の体制強化」と書かれているんですよ。これは、総理本部長とする対策本部制度を創設して、縦割り行政の弊害を破棄して 総理リーダーシップで、平時じゃないんだから総理リーダーシップを発揮させなければいけないということがここに書かれてあるんです。そして「非常災害対策本部体制強化」、スタッフ強化だと。これは、ここで言えば震災大臣特命室こそそういう機能だったんだということを言われているんです。これこそ、我々が今回提案している総合防災室、専門のスタッフ官邸に集めて、いついかなる災害にも対応できるような内容になっているんじゃないかなと思います。  また、首相官邸の主体性ということで重なりますけれども、一定財政支出の決断をしやすくしなければいけないと。この中で、個々に各組当省庁財政当局とが調整するのでは「迅速性を欠く恐れがある。」というふうに小里さんは言われているんですよ。何か支出をしなければいけないといったときに、一つ一つ大蔵厚生省だ、大蔵と建設だという話し合いになったときになかなか機動的にできない、だから一定財政を担保するべきだと。  そして、自衛隊出動要請に対しても、「発災時において、都道府県だけでなく、市・町・村クラスの自治体にも自衛隊との連絡機能を持たせることを検討するべきである。」というふうに書かれております。  これは質問ではございませんけれども、これを読んでいて本当に、我々新進党がつくった、本当に現場からの声がこういった形にあらわれているんじゃないかなというふうに思いを強くいたしました。ですから、政府案として出されているわけでございますが、どうか現場の声を反映させてよりよい法案をつくっていただきたいというふうに心からお願いするものでございます。  最後に、今回の八月の内閣改造人事地震担当大臣のポストがなくなったわけでございます。地元反応は、これでもう神戸復興、復旧は終わったとでも言うのかというような反応が強かったわけなんですけれども、実際今、神戸を歩いてみますと、ほとんど事業ビルというのは再建されておりません。テナントが入る担保がない、それで十億近くの投資はできないということで、家はぼちぽち建ち始めましたが、事業ビルの再建はほとんどされておりません。また、例えばちょっと具体的に言いますが、マンションの再建問題ですね。これは千八百棟ぐらいですか、たしか記憶によると千八百のマンションがつぶれているわけです。今まで再建の見通しが立っているのは実は一棟だけなんですね。これに対して政府として本当に何か具体的な施策を出してくれるのかどうかということを地元の被災地ではじっと見守っているような状況なんです。  二つ目は、仮設住宅に入られた方、仮設住宅は二年間という期限があるんですね。これについても、二年後はどうなるのかということが今一番の心配になっております。ここについても何らかの具体的な、細かいことは厚生委員会なんかで質問させていただきますので結構ですが、それについても、政府としても忘れているのかいないのかということですね。  三つ目は、地元の県から最近出されたと思いますが、住宅地震災害共済保険制度の創設というこの問題。これについても県では相当期待をしているはずですが、この三つ目のことについても政府はどう考えているのか。そんなことは無理だと考えているのか、これから検討すると考えているのか、今まじめに具体的な話としてなっているというふうにされているのか。  特に神戸の復興はまだまだこれからだなと実感している自分自身の立場から、何とかこの三点について、政府として現状を報告していただき、神戸復興に対する総理の決意をお聞かせいただきたいと思います。
  18. 池端清一

    池端国務大臣 まず、先生前段に申されました、このたび専任大臣がなくなった、これは問題があるのではないかというお話でございますが、八月八日の内閣改造の際に私は、村山総理から、もう阪神淡路の復興は現下最大の急務である、復興の道のりは非常に厳しいけれども、何としてもこの復興を果たすために専任大臣の決意で取り組んでもらいたい、こういう御指示がございました。小里大臣はまさに獅子奮迅の活躍をされました。この小里大臣の努力に負けないように、私も今全力を挙げて全力投球で取り組んでいるところでございます。  幾つかの問題点、御指摘がございます。仮設住宅の問題等々についても、今後とも厚生省と十分協議をして対応してまいりたい、こう思っております。  それから、最後にお話ありました新しい住宅地震災害共済保険制度の創設の問題でございます。これは県からも御提案があると十分承知をしておりまして、これは貴重な御提案だというふうに受けとめておりますし、さらに、十月三十日の阪神淡路復興委員会の下河辺委員長の談話の中にもこの種の御提言がございます。さらに、防災問題懇談会提言の中にも、「全国地方公共団体が毎年度一定の額を拠出して積み立てておき、有事に際して被災地の支援を行う基金の制度を創設することを検討する必要がある。」という御提言もございます。したがって、これらの御提言については、全国的な観点も含めて中長期的な視点から幅広く検討してまいりたい、このように考えておるところであります。
  19. 村山富市

    村山内閣総理大臣 私の決意を聞かれましたので申し上げておきたいと思うんですけれども、担当大臣がなくなったからといって別におろそかにするわけではございませんし、それはもうこの内閣の最重要課題としてこの阪神淡路地区の災害復旧については取り組まなきゃならぬというふうに考えております。  現に、私が本部長となって閣僚全体を一体とした阪神淡路復興対策本部というものを設置をして、今取り組んでやっておるわけです。同時に、今答弁のございました国土庁長官を復興の担当大臣として指名をして、そして取り組んでもらっておりますし、復興委員会というものを設置をして、その復興委員会には兵庫県の知事やら神戸市長にも入っていただいて、そして、地元意見も十分反映できるような仕組みの中で復興計画をつくって、それを最大限尊重して、これからも内閣一体となって全力を挙げて取り組んでいく。私は、この阪神淡路地区がどう復興されていくかということは、これから日本の全体にとっていかにして安全で安心して過ごせるような町づくりをするかということの一つのやはり模範になるというふうな位置づけをしてこれから取り組んでいく必要があるというふうに考えておりますから、内閣が全力を挙げて取り組む意思には変更はございません。これからも一生懸命やるつもりです。
  20. 赤羽一嘉

    赤羽委員 どうもありがとうございました。被災者の生活再建に光を当てて全力で取り組んでいただけることを要望しまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  21. 左近正男

    左近委員長 赤羽一嘉君の質疑は終了しました。  佐藤茂樹君。
  22. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 新進党佐藤茂樹でございます。  私は、赤羽議員のように兵庫県が地元ではありませんけれども、今回の震災のときに、総理よりはちょっとおくれましたけれども、現地にトラック二台の救援物資を持って運んでいきました。道が十一時間半ぐらいかかったわけですけれども、それで行き着いた本山第二小学校というところで、当時まだ校舎の中には入れなくて、テント生活、また、たき火生活をされておられた被災者の方が多い中で懇談をさせていただきました。そのときに、政治家として来られたのはあなたたちが初めてや、そういう話から、最後に帰るときに言われたのが、これから政治や行政が何をするかしっかり見させてもらう、そういう被災者の声を聞いて帰ってきたわけでございます。  そういう意味から、今回の法改正論議というのは、もちろん復旧、復興も当然大事なのですけれ ども、あのときの阪神大震災教訓をいかにこの次の法改正に生かしたのかということが非常に問われていると思います。地元神戸新聞でも先日の二十四日のこの委員会の審議を非常に大きく取り上げられるなど、被災された方々また住民は大きく注目しておりますし、国民の皆さんも、災害時の危機感に立ってこの我々の法案審議を注目しているのではないか、そのように思うわけでございます。  私ども新進党は、先ほど赤羽議員も紹介しましたように、三千三百四の自治体にアンケート調査をしたのを初め、二百時間に及ぶ熱心な討論の未にこの新進党案提出まで至ったわけでございます。それに対しまして、私がお見受けするところ、一月、二月のころは総理災害対策に大変力を入れておられたわけでございますけれども、今回のこの法改正の過程での総理リーダーシップや意気込みというものが何となく、確かに公務は御煩多だと思うのですけれども、何となく意気込みやリーダーシップが感じられなかったというのが私の率直な実感でございます。  現実には、具体的には総理の私的諮問機関である防災問題懇談会提言を受けて今回の閣法が提出されてきているわけでございますけれども、ここに防災問題懇の十八人の委員の方々が一応お名前を挙げられておりまして、ある意味で言えば、民間の発想を広く生かしたという点では非常に意味があるわけでございます。しかし、どれほどすぐれた見識をお持ちの方でも、今回、国の最高責任者として、当事者として災害対策には当たられてこなかったわけでございまして、その災害対策に当たられたのはいわば最高責任者としての総理であるわけでございます。  そういう意味から、今回の防災問題懇の私的諮問を与えられたその最初の段階あるいは最後の段階で総理の最高責任者としての反省また教訓というものがどういうように生かされているのか、まず最初に具体的にお聞かせ願いたいと思います。
  23. 村山富市

    村山内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、阪神淡路大震災について、まずやはり反省しなければならぬ点は初動対応だと思います。初動対応というのは、先ほども申し上げましたように、正確な情報をどうして把握するかということがやはり一番大事だ。同時に、正確な情報把握した上で緊急に対応できるようにすること。同時に、先ほどもお話がございましたように、縦割りでばらばらでやるのではなくて、内閣が一体となって取り組むというために、関係省庁担当者が全部官邸に集まって、そしてそこでお互いに連携をとり合いながら総合的な対策がとれるような仕組みというものを十分考えていく必要があるというふうに考えてやっているわけです。  そして同時に、こうした災害が起こった場合に広域的に協力し合うという体制、同時にまた、お年寄りやらあるいは体の不自由な方もおられるわけですから、そういう方々に対する対応をどうするかといったような問題も十分反省点として挙げていく必要がやはりあるのではないかというふうに考えて、そういうもろもろの問題について防災問題懇談会でも議論をしていただきました。その議論の答申もいただき、同時にいろいろな方々の意見等も聴取をしながら総合的に判断をして今度の改正案を出しているわけでありますから、阪神淡路大震災教訓にあらゆる問題点で学んで、その反省の上に立って今度の改正案が出されておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
  24. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 時間がないので、今のに関連して一点だけ。  例えば、防災問題懇談会が最初に開催されたときに、今おっしゃったようなことを総理が具体的に指示されたのですか、どうですか。その辺だけ簡潔にお答え願いたいと思います。
  25. 村山富市

    村山内閣総理大臣 防災問題懇談会に対して最初に私が出てあいさつを申し上げましたけれども、そのときに、今回の大震災に対していろいろな問題点が指摘をされております。初動における対応のおくれあるいは情報収集の問題点等々、今申し上げましたような点を申し上げまして、あらゆる角度から緊急に対応できるような災害についてのまとめをぜひしてほしいというふうに申し上げて、お願いしたところでございます。
  26. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 そこで、内容について二点ほどお聞きしたいのです。  今回の政府案非常災害対策本部なのですけれども、現地対策本部を置くという以外は現行法に全く手をつけていない、そういう法案になっておるわけですが、私たちの新進党の考え方からすると、初動迅速性という一点と、もう一つは、総理災害のときのリーダーシップの発揮という二点で非常に問題があるのではないか、そのように我々は考えておるわけでございます。  政府案によりますと、前回委員会でも私は質問したわけですけれども、緊急対策本部設置基準というのが非常にあいまいで、政府案の売り込み文句というのは、緊急災害対策本部設置要件を緩和している。ところが、現実にはなかなか設置されにくいのが政府案緊急災害対策本部でございます。  具体的に申し上げますと、総理は本会議答弁で、緊急災害対策本部はどういうときに設置されるのかというと、阪神淡路大震災級の大規模災害についてはこの緊急災害対策本部設置して対応する、そういうような趣旨の御答弁をされております。それを受けて、当委員会で私の質問国土庁長官及び防災局長は、過去においては阪神淡路大震災級の大規模災害というのはほとんど例がなく、大正時代の関東大震災ぐらいだ、そのように答えられたわけです。  これはどういうことかというと、緊急災害対策本部設置要件を緩和して機動的にしたという割には、統計的に見て七十年に一度やってくるかどうかという大規模災害を想定されているのが政府案緊急災害対策本部であって、それ以外の非常災害については、すべて現行非常災害対策本部設置して災害応急対策推進する、そういう形をとることになっているのがこの政府案でして、もちろん、現行どおりですから、本部長は国務大臣非常災害対策本部の長になる。  そういうことからいうと、非常災害が起こった際には、国民の生命と財産を守るという総理リーダーシップというのが非常に不明確で、今国民は、非常災害時には総理リーダーシップのもとに災害応急対策が的確に、かつ迅速に推進されるということを期待しているにもかかわらず、その期待にこたえていないのではないか、そういう危惧があるわけですけれども、非常災害対策本部における総理リーダーシップの発揮について、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  27. 村山富市

    村山内閣総理大臣 非常災害対策本部あるいは緊急災害対策本部をどういうふうな基準でもって設置するかという問題はあると思いますけれども、これは、私は、やはりケース・バイ・ケース判断をして、そして緊急にその事態に対応できるような対策本部設置することが必要だというふうに思っておりますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思うのです。  国務大臣非常災害対策本部本部長に充てる、こういうことになっておりますけれども、これは、先ほどから申し上げておりますように、内閣で決めてやるのですから、決めた以上は総理大臣に最高の責任があるということはもう当然のことなのであって、私は、やはり閣議で決めて、そして非常災害対策本部設置して、そしてその担当大臣もちゃんと決めてやることの方が、より内閣としての一体感が出てくるのではないかというふうに思いますし、より総理大臣リーダーシップも発揮できるのではないかというふうに考えています。
  28. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 時間がないので余り突っ込んでできないのですけれども、関連して一点だけ御確認したいのです。  今回、一月十九日に緊急対策本部という、災対法のどこを読んでも出てこない、そういう本部閣議決定によってつくられました。  一たん非常災害対策本部設置したけれども、 これではどう見ても対応が非常に難しい、そういう場合には、今回の政府案にあります緊急災害対策本部にはっと移行されるのか。やはりなかなか難しい点もあるので、今回のように、法律に基づかない緊急対策本部設置されて対応されるのか、簡潔にお答え願いたいと思います。
  29. 村山富市

    村山内閣総理大臣 先ほど答弁申し上げましたように、今回の阪神淡路大震災の際には、布告をして物価統制などをする必要があるのかないのかというようなことを考えた場合に、その必要はないというふうに私は判断したわけです。そういうことがなければ、緊急災害対策本部というのは設置されないわけですから。したがって、それではやはり対応できないというので、緊急に閣議で決めて、そして緊急対策本部設置をして、私が本部長になって、そして全閣僚本部員にして、内閣一体となって取り組んできた、こういう経緯があるわけです。私はそれの方がやはりよかったと思っているのです、今でも。  ですから、今度の法改正の中では、布告をする必要はなくて緊急災害対策本部設置できるように変えていったわけですから、より現状に対応して、機敏に弾力的に、内閣一体となって対応できるという仕組みに変えたというふうに私は思っております。
  30. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 あと若干の時間がありますので、もう一点だけお聞きしたいのですけれども、今回の五十三条の改正によって情報ルートが非常に多元化、多重化する。具体的には、市町村も都道府県も、そして指定行政機関もそれぞれ、非常災害の場合には、災害のそのときそのときの規模を掌握して報告しなければならないようなそういうシステムになっているがゆえに、非常に大量の情報がいろいろなところから官邸にやってくる。この法改正に伴ってそういうことが起こってくるわけです。  そういう観点からして、二月二十一日に閣議決定で、当面の措置について出したというように冒頭で総理が御答弁されましたけれども、我々は、あれを見た限りでは、やって当たり前の措置ばかりで、どうも間に合わせの策ではないかという感が強いわけです。  これから本当に、今回の五十三条の改正によって大量にやってくる情報の処理、また情報の受けということから考えて、官邸のハード面だけの対策ではなくて、総理を補佐する相当数の、司令部とか、また事務スペースあるいは事態を想定したマニュアルとか、想定外の難問にしっかりと臨機応変にこたえられる人材を、総理のもとに日常的に訓練された人間を置いておく必要があると考えるのです。そういう面も含めまして、ソフト、ハードの両面から、官邸をこれから将来にわたってきちっと強化していかれる意向があるのかどうか、総理にお尋ねしたいと思います。
  31. 村山富市

    村山内閣総理大臣 後段の部分から答弁したいと思いますけれども、いろいろな提言も出ておりますから、そういう専門家を養成していくということは必要だと私も思っておりますから、そういう取り組みは今後もしていきたいというふうに思っております。  それから、五十三条ですけれども、市町村が県を通じて情報を伝達するということに前提としてはなっているわけですけれども、市町村から県の方に情報連絡ができないという場合には、これはもう官邸に、総理大臣のところに直接情報連絡をしてもらうということは当然であって、県に連絡できないからもうどこにもせぬでいいんだというようなわけにはいかぬと思うのですよ。私は、それの方がより合理的であるし、情勢に対応して情報の収集ができるのではないかというふうに思っておりますから、今度の改正は、ある意味では当然ではないかというふうに思います。
  32. 佐藤茂樹

    佐藤(茂)委員 限られた時間の中で、総理リーダーシップという点に限って質問させていただきました。  今後とも、まだ被災は続いておりますので、リーダーシップを発揮して復旧・復興対策に力をお入れいただくことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  33. 左近正男

    左近委員長 佐藤茂樹君の質疑は終了しました。  穀田恵二君。
  34. 穀田恵二

    穀田委員 総理にお聞きします。  災害対策基本法の三条には「防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」ということで国の責任を明記しています。その中で「国は、前項の責務を遂行するため、災害予防、災害応急対策及び災害復旧の基本となるべき計画を」ということで書かれています。  先ほど、あらゆる角度から阪神大震災教訓を学んでと、こうありました。しかし、今度の災害対策基本法改正の中で、ここにありますような基本とすべき——今お話のあった災害応急対策は確かに随分書かれています。しかし、災害予防という角度からの内容は極めて不足しているのではありませんか。その見解をお聞きしたいと思います。
  35. 池端清一

    池端国務大臣 災害の予防についても、改正点では第八条の第二項におきまして、災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するため、国及び地方公共団体が特に実施に努めなければならない事項として、委員御案内のように、地方公共団体の相互応援協定の締結の促進、自主防災組織の育成、ボランティアの防災活動の環境整備、国民の自発的な防災活動の促進に関する事項、あるいは高齢者、障害者等特に配慮を要する者に対する防災上必要な措置、さらに、海外からの防災に関する支援の受け入れに関する事項等々を明記しているところでございまして、これらの規定に基づき各般の具体的施策を講じてまいる。これによって災害の予防を積極的に図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
  36. 穀田恵二

    穀田委員 今お話ありましたけれども、中身をすべて読んでみますと、やはり、ハードの面を含めていろいろ書いてはあるのですけれども、この災害対策基本法の中身にあるような、またかつて議論されてきた法制定と従来の法改正の議論の際に指摘されてきた内容からすると、極めて不十分と言わざるを得ないと思います。  一九六一年の三十九臨時国会の衆議院地方行政委員会での質疑では、こんなふうに意見が出ています。災害時の応急対策に重点が置かれ、災害予防の面が軽視されているのではないか、こういうふうに議論がありました。そして、その結果、審議の中で附帯決議つきで修正可決されたわけです。その附帯決議は「政府は、災害の未然防止のための、長期的、効果的な計画の樹立と推進に努め、災害原因を根絶するよう万全の措置を講ずること。」  今ありましたように、私は災害原因を根絶するという角度から見た場合に、今お話のあった内容は極めて不十分であると思いますが、その点はいかがですか。
  37. 池端清一

    池端国務大臣 先生御指摘のように、災害から国民の生命、身体、財産を守り、国土を守るということは国政の基本でありますから、そういう点について、国政全般にわたって十分、日常的にその対策を講じていかなければならない、こういう基本的な立場に立ちつつ、先ほど申し上げました事項について今度の改正案でうたっておるところでございまして、基本的に先生とのお考えに食い違いはない、こういうふうに思っております。
  38. 穀田恵二

    穀田委員 私は、考えに基本的食い違いはないというふうに思わずに、やはりちょっと不十分だなと率直に思うわけです。つまり、応急対策の問題について言うならば、極めて具体的に書かれているが、具体的に今お話ししましたように、さらに一九六二年にも改正されましたが、その際にもやはり「災害原因を根絶するよう万全の措置を講ずべきである。」と再び述べているのですね。  私は、ちょうど一月十七日、ロサンゼルスのノースリッジ地震の一周年報告の中でそういう問題が書かれているのを見ますと、「地震の直後に」という文書が出ています。それを見ますと、ノースリッジ・レシダ地震は、地震への準備をするこ とによって危険を大幅に減らすことができることを証明したと。いわば予防がどれだけ大切かということ、それが重点で成功したということを誇っているのですね。そういう角度からして見た場合には、災害全般の基本的施策として国政全般にやっているのだというのじゃなくて、今度の具体的法令の中にどう書き込まれているのかということについて言うならば、極めて不十分だと私は改めて申し上げておきたいと思います。  時間がありませんから、最後に一つだけお聞きしたいと思います。  先ほどもるるありましたように、私は、今の被災者の現状についてどう認識しておられるかというのは、極めて出発点において大切だと思います。私は予算委員会でもたびたび質問させていただきましたが、こう書いていますね。災対法のお話があった、第八条の第三項には、「国及び地方公共団体は、災害が発生したときは、すみやかに、施設の復旧と被災者の援護を図り、災害からの復興に努めなければならない。」こう書いています。その「被災者の援護を図りこというのは、その被災を受けた時点での救助のみでなく、被災者の生活を立て直すための援助も含むと解釈してこれは当然だと思うのです。これはそうですね。  したがって、今私ども、こういう法令の規定からすれば、今日の被災者状況というのは、政府や地方自治体によってこの条項どおりの施策が打たれ、生活再建の展望が見えているのだろうか、このことについて実態をどのように認識されておるのか、総理にお聞きしたいと思います。
  39. 村山富市

    村山内閣総理大臣 あなたが言われるように、何もかも全部というようなことはなかなかできませんけれども、今の制度、仕組みの中で最大限可能な問題、同時に今の制度、仕組みを変えてなおかつやる必要のある問題等については全力を挙げて取り組んできたつもりであります。  例えば、七月に復興に対する取組方針というものを閣議で決めました。この中では、地元の復興計画を最大限に生かしていく、復興計画の前期五カ年間において、緊急かつ必要不可欠な施策を復興特別事業と位置づけて、そして取り組んできているわけです。生活の再建、経済の復興及び安全な地域づくりというものを基本的に位置づけて今事業を進めているわけです。  特に、今次の平成七年度の第二次補正予算におきましても、この取組方針に基づきまして最大限の復興関連事業等を盛り込んだところでございまして、この中で生活再建のための諸施策として、被災者向け住宅確保対策、被災要介護高齢者等の支援策の充実などで、国費で約四千七百億円に及ぶ経費を計上しているところであります。  こうした施策を円滑に実施することによって、私は一日も早く被災者が生活の再建ができるようにしていかなきゃならぬというふうに思って、今全力を挙げて取り組んでいるところでありますから、御理解をいただきたいと思います。
  40. 穀田恵二

    穀田委員 私は、すべてやれというようなことを言ったことはまだ一度もありません。そういう話でいくから話がかみ合わないのですよ。私は実態をどう認識されておられるかと聞いたのですよ。どういう施策をやっているかと聞いたのじゃないのですよ。  そういうふうにおっしゃるから、じゃ聞きますけれども、本当にそういうことが現行の枠内でもしっかりやられているかというのはいろいろあるのですよ。例えばこんな意見もあるわけです。  災害援護資金の問題にしたって、保証人確保が壁になって申請は見込みの半数だ、こういう実態もあるのですよ。それから、同じく災害弔慰金の問題にしたって、家族の問題でいえば払ってもらえない方もたくさんいるのですよ。そういう現行法の枠内だっていろいろな改善の余地がある問題も多々あります。しかし、これを言っていると時間がありませんから、私は意見だけ述べます。  一つは、実態についてよく見ていただきたいということをもう一度言っているのです。つまり、今いろいろ施策は打たれているけれども、まず、大臣現行法の中でやれることはやっていると言うけれども、そうじゃなくて、それ自身で歯抜けがあるものがあるということについて見てほしいということが一つです。例えば、今言った災害弔慰金の問題や災害援護資金の問題だってなかなか借りられない実態があるのですよということなんかも見ていただきたい。そういう事実について私は言いたい。そして今、新聞によりますと、学校やテント村などで避難生活を続ける方々が依然として生活や健康も極限状態にある、こういう方々もおられることも見てほしい。  それから二つ目に、先ほどお話がありました阪神淡路復興委員会委員長の下河辺氏は、被災の人々の希望により自力で住宅を再建することを支援する住宅政策がより求められていることも再考しなければならない、こういうことも言っているのですよ。ですから、こういうことも含めて政策的提言を新たに受けていただいて実行もしていただきたい。こういう改善も含めて私は提起したいと思っているのです。  ですから、そういう実態と、それぞれ述べられているさまざまな意見についても、私が今言いましたように、すべてなんて一言も言っていないのです、私は。改善できるものについては、お互いの意見の違いはあるけれども、その実態に基づいて改善しようじゃないか、そのことに基づいて被災者の生活を再建するために努力しようじゃないかということを言っているのです。そのことだけ見解をお聞きして、終わります。
  41. 村山富市

    村山内閣総理大臣 私も今ある現行制度、仕組みでやれる範囲のことは最大限やろう、現状に照らしてなおかつ改善の必要があるという点については改善をして、そうした実態に対応できるようにしていこう。ですから、例えば住宅金融公庫なんかにしても、これは二重ローンで非常にお困りになっているという実態があります。したがって、そういう方々に対して、据置期間を延長するとかあるいは利子を軽減するとか、いろいろな今までやったことのないような措置もどって対応しているわけですから、改善できる範囲のものについては積極的に改善をして現実に対応できるようにしていこう、こういう取り組みをしていることについては御理解をいただきたいと思います。
  42. 穀田恵二

    穀田委員 終わります。
  43. 左近正男

    左近委員長 穀田恵二君の質疑は終了しました。  土肥隆一君。
  44. 土肥隆一

    ○土肥委員 御苦労さまでございます。もういよいよ最後の質問者で五分しかございません。コマーシャル並みの時間帯でずっと質問を続けさせてもらっていますが、やはり私も地元におります者として、最後に首相に対する質疑と決意をお願いしたいと思うのであります。  今回の大震災も復興段階に入っているのかな、まだ復旧も十分行われていないような状態の中におりまして、いよいよこれからいわば本腰を入れてやらなきゃならない。しかも、予算上は毎年の予算に基づいて支出をしていただくわけでございますから、そういう意味で、今回の総理とのやりとりの中でぜひとも決意のほどをお聞きしたいと思っております。  まず、私はこの復旧、復興におきまして一番印象深いのは、阪神淡路大震災におきまして、復興対策本部のもとではありましょうけれども復興委員会が設立されまして、そして復興委員会から十一の提言がなされておりますが、これは非常に震災復興に役に立つ提言だ。これは総理のもとに置かれた委員会でございますから、ぜひともこの線をお守りいただきたい、何度も読んでいただきたい、そのように思っております。特にその中では、政府は復興事業予算の透明性とか執行の弾力性を確保すること、あいまいな予算を組んではいけないということを申しております。  それからもう一つ、現地におりまして一番問題なのは、結局個人住宅をどう確保するかということになりまして、ちょっとみみっちい話ですけれども、私がきのうもちょっと参りましたら、もう柱だけの家が残っておりまして、そのままもう一遍それを再建するのですね。それは今の面積や容 積を確保したいからなのです。それは本当に哀れをきわめるような家ですけれども、その上に建て上げるというのですね。そんなことをやっているわけなのです。それから、もうどんどん建ち上がっているところがありまして、それはほぼ建築基準法違反なのです。四メーター道路も通っておりませんしね。  そうすると、都市計画で待っている住民が見回りをしまして、これは建築基準法上違反じゃないか、こう神戸市に言うわけです。建築課に言うわけです。そうすると、建築課は、書面上はもうどんどん建築の許可をおろしておりまして、一々見る暇がない。さあ、これは違反建築だから、それを何とか取り締まろう。もう無理なのですね。訴えていっても、もう手が出せないのです。みみっちい話ですけれども、そういうことが日常的に起こっている神戸市の昨今でございます。ですから、ぜひとも個人住宅を何とか確保する。  先ほど池端国土庁長官もおっしゃいましたけれども、兵庫県が最後に出しました、いわゆる損害保険などを多角的に用いまして、そして個人への住宅の共済制度を考えられないかということで、どうもこれは復興委員会でも十分取り上げられなかった。それから、地元では既に、松本通地区に中島先生という動物病院の獣医さんがいるのですけれども、その人もやはり、松本通地区が連帯して保証人になるから、火災保険にその震災被害額に見合うものの上乗せ、火災保険料の上乗せをして、地域が連帯して返済するから、そういう火災保険法上の法改正もやってくれないかと、いろいろな地域の知恵が出ているわけです。  ですから、ぜひとも総理、いわば歴史に残る阪神淡路大震災を経験した総理大臣、そしてその復興に当たられた総理大臣、もう歴史に残るわけでありますから。その震災を受けた総理大臣であると同時に、復興をどう進めたかという、これは本当に歴史に残る仕事であるわけでありますから、今申し上げたことも含めて、総理の決意のほどをお聞きしたいと思います。
  45. 村山富市

    村山内閣総理大臣 私は、ある先輩からこういうことを言われたわけですね。地震というのは、これは自然災害だ。だから、これはもう人事を尽くして、どうにもしょうがない。しかし、どう救援をし、復旧をし、復興をするかというのは、これは人災だ。だから真摯に取り組んでやってほしい。こういう貴重な意見も聞かされました。  私はそういう心組みで今取り組んでやっているわけですけれども、先ほどお話がございましたように、復興委員会では熱心に御議論もいただき、これは先ほども申し上げましたように、知事も入っていますし、地元の市長も入っておられまして、そして地元意見も十分反映をしながら、一体となって復興がなし遂げられていくような、そういう貴重な提言もいただきました。この提言も真摯に受けとめて、私はこれから復興計画の中で生かしていかなければならぬというふうに思っておりますけれども、現実に地元皆さんの実態というものを見た場合に、先ほどからお話がございますように、やはり何とかして早く安定して暮らせる住宅が欲しいという切実な願いがあると思いますね。  そういう願いがあって、個人補償をもっときちっとできるような仕組みというものがあればそれはいいと思いますけれども、今の制度の中では、災害保険に入っているとかなんとかいう程度であって、そういうものがないわけですから、地震に対する共済保険制度といったものをつくったらどうかといったような意見もあることは承知をいたしております。しかし、これらを強制的に固定資産税に付加して金をいただくというようなことが果たして全国的にできていくのかどうなのかというようなこともやはり検討する必要があると思います。これは貴重な意見としてこれから慎重に検討しなければならぬ課題だというふうに私は思っています。  そういう意味で、公的に助成できる分野と自分自身の力でもってやらなければならぬ分野というようなものもやはり決然と検討していく必要があると思います。同時に、個人的に負担をしなければならぬ分野については、もう地震に遭って家もなくなって財産も全部なくなったというようなものについては、これはどうしようもないわけです。したがって、そういうものに対する救援措置というものを、公の力でもってどういうことができるのかというようなことについてもこれからやはり真摯に検討しなければならぬ課題であるというふうに私は思っております。この阪神淡路大震災教訓に学んで、そして直すところは直して、反省すべき点は反省もして、出直していく必要がある、こういうふうに思います。  同時に、この復興がどうなっていくかということは、先ほども申し上げましたけれども、これは災害が多い、特に地震が多発する日本の列島ですから、したがって国民全体が、地震に強い、安心して安全で生活できる、そういう町づくり、国土づくりというものをどうしていかなければならぬかということは、ある意味ではこの阪神淡路地区の復興にかかっておるというふうに私は思いますから、そういう意味で、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っていることだけは申し上げておきたいと思います。
  46. 土肥隆一

    ○土肥委員 終わります。
  47. 左近正男

    左近委員長 土肥隆一君の質疑は終了しました。     —————————————
  48. 左近正男

    左近委員長 ただいま議題となっております両案中、これより内閣提出災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。  これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
  49. 左近正男

    左近委員長 ただいま、本案に対し、住博司君外四名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主の会の五派共同提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。小坂憲次君。     —————————————  災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法   の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  50. 小坂憲次

    小坂委員 私は、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主の会を代表いたしまして、ただいま議題となりました災害対策基本法及び大規模地震対策特別措遣法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、第一に、地方公共団体の住民は、みずから災害に備えるための手段を講ずるとともに、自発的な防災活動に参加する等防災に寄与するように努めなければならないこととすること。  第二に、国及び地方公共団体防災のため実施に努めなければならない事項に、交通、情報通信等の都市機能の集積に対応する防災対策に関する事項、火山現象等による長期的災害に対する対策に関する事項等を追加すること。  第三に、内閣総理大臣は、非常災害対策本部及び非常災害現地対策本部設置するに当たり、閣議を経ることを要しないこととすること。  第四に、緊急災害対策本部員は、国務大臣及び国務大臣以外の指定行政機関の長のうちから内閣総理大臣任命する者をもって充てることとすること。  第五に、市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、またはまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、自衛隊災害派遣の要請をするよう求めることができることとすること。また、市町村長は、その要求ができない場合には、その旨及び当該市町村の地域に係る災害状況を防衛庁長官等に通知することができることとすること。この場合において、当該通知を受けた防衛庁長官等は、その事態に照 らし、特に緊急を要し、要請を待ついとまがないと認められるときは、人命等の保護のため、要請を待たないで、自衛隊の部隊等を派遣することができることとすること。  第六に、災害緊急事態に際し、法律の規定によっては被災者の救助に係る海外からの支援を緊急かつ円滑に受け入れることができない場合において、国会が閉会中等のためその措置を待ついとまがないときは、内閣は、当該受け入れについて必要な措置をとるため、政令を制定することができることとすること。  その他、大規模地震対策特別措置法について、災害対策基本法の修正に合わせた修正を行うこと。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  51. 左近正男

    左近委員長 以上で修正案についての趣旨の説明は終わりました。
  52. 左近正男

    左近委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案及び住博司君外四名提出の修正案について採決いたします。  まず、住博司君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  53. 左近正男

    左近委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  54. 左近正男

    左近委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
  55. 左近正男

    左近委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、住博司君外四名から、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主の会の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。濱田健一君。
  56. 濱田健一

    ○濱田(健)委員 私は、この際、自由民主党・自由連合、新進党、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び民主の会を代表して、災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案に対し、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読によって趣旨の説明にかえさせていただきます。     災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の諸点について適切な措置を講ずるとともに、その運用に遺憾なきを期するべきである。  一 災害発生時の国の適切な初動対応を確保するため、情報収集体制強化し、夜間の災害発生にも対処しうる体制整備に努めること。  二 国及び都道府県は、市町村長が警戒区域の設定等の応急措置を円滑に行うことができるよう、経費等の必要かつ適切な支援を行うよう努めること。  三 非常災害対策本部及び緊急災害対策本部設置に当たっては、災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため、当該災害規模その他の状況に応じる設置基準について早急に検討を行うこと。  四 活動火山周辺地域など二以上の市町村の区域にわたり、警戒区域を設定しなければならない災害が生じるおそれのある地方公共団体においては、必要に応じ、あらかじめ相互応援協定を締結する等により協力体制整備、充実に努めること。  五 非常災害時において、中央防災会議委員に対する情報連絡体制整備するとともに、中央防災会議緊急災害対策本部等との連携を保ちつつ、実効ある緊急措置を円滑に行うよう努めること。  六 自衛隊による災害応急対策を円滑に行うため、災害派遣を命ぜられた自衛隊活動に伴う負担については、財政的にも所要の配慮を行うよう努めること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  57. 左近正男

    左近委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  58. 左近正男

    左近委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。池端国務大臣
  59. 池端清一

    池端国務大臣 災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって修正議決されましたことを深く感謝申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————
  60. 左近正男

    左近委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 左近正男

    左近委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  62. 左近正男

    左近委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十六分散会      ————◇—————