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村山内閣総理大臣 私は、ある先輩からこういうことを言われたわけですね。
地震というのは、これは自然
災害だ。だから、これはもう人事を尽くして、どうにもしょうがない。しかし、どう救援をし、復旧をし、復興をするかというのは、これは人災だ。だから真摯に取り組んでやってほしい。こういう貴重な
意見も聞かされました。
私はそういう心組みで今取り組んでやっているわけですけれども、先ほど
お話がございましたように、復興
委員会では熱心に御議論もいただき、これは先ほども申し上げましたように、知事も入っていますし、
地元の市長も入っておられまして、そして
地元の
意見も十分反映をしながら、一体となって復興がなし遂げられていくような、そういう貴重な
提言もいただきました。この
提言も真摯に受けとめて、私はこれから復興
計画の中で生かしていかなければならぬというふうに思っておりますけれども、現実に
地元の
皆さんの実態というものを見た場合に、先ほどから
お話がございますように、やはり何とかして早く安定して暮らせる住宅が欲しいという切実な願いがあると
思いますね。
そういう願いがあって、個人補償をもっときちっとできるような仕組みというものがあればそれはいいと
思いますけれども、今の
制度の中では、
災害保険に入っているとかなんとかいう程度であって、そういうものがないわけですから、
地震に対する共済保険
制度といったものをつくったらどうかといったような
意見もあることは承知をいたしております。しかし、これらを強制的に固定資産税に付加して金をいただくというようなことが果たして全国的にできていくのかどうなのかというようなこともやはり検討する必要があると
思います。これは貴重な
意見としてこれから慎重に検討しなければならぬ課題だというふうに私は思っています。
そういう
意味で、公的に助成できる分野と自分自身の力でもってやらなければならぬ分野というようなものもやはり決然と検討していく必要があると
思います。同時に、個人的に負担をしなければならぬ分野については、もう
地震に遭って家もなくなって財産も全部なくなったというようなものについては、これはどうしようもないわけです。したがって、そういうものに対する救援
措置というものを、公の力でもってどういうことができるのかというようなことについてもこれからやはり真摯に検討しなければならぬ課題であるというふうに私は思っております。この
阪神・
淡路大震災の
教訓に学んで、そして直すところは直して、
反省すべき点は
反省もして、出直していく必要がある、こういうふうに
思います。
同時に、この復興がどうなっていくかということは、先ほども申し上げましたけれども、これは
災害が多い、特に
地震が多発する日本の列島ですから、したがって国民全体が、
地震に強い、安心して安全で生活できる、そういう町づくり、国土づくりというものをどうしていかなければならぬかということは、ある
意味ではこの
阪神・
淡路地区の復興にかかっておるというふうに私は
思いますから、そういう
意味で、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っていることだけは申し上げておきたいと
思います。