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1995-02-16 第132回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成七年二月十六日(木曜日)    午前十時一分開会     —————————————    委員の異動  二月十四日     辞任         補欠選任      堀  利和君     川橋 幸子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山田 健一君     理 事                 加藤 紀文君                 守住 有信君                 大森  昭君                 鶴岡  洋君     委 員                 岡  利定君                 沢田 一精君                 陣内 孝雄君                 鈴木 栄治君                 林田悠紀夫君                 及川 一夫君                 川橋 幸子君                 三重野栄子君                 常松 克安君                 中村 鋭一君                 粟森  喬君                 中尾 則幸君                 河本 英典君    国務大臣        郵 政 大 臣  大出  俊君    政府委員        郵政大臣官房長  木村  強君        郵政大臣官房審        議官       品川 萬里君        郵政大臣官房審        議官       岡井  元君        郵政省郵務局長  加藤豊太郎君        郵政省貯金局長  谷  公士君        郵政省簡易保険        局長       高木 繁俊君        郵政省通信政策        局長       山口 憲美君        郵政省電気通信        局長      五十嵐三津雄君        郵政省放送行政        局長       江川 晃正君    事務局側        常任委員会専門        員        星野 欣司君    説明員        郵政大臣官房総        務審議官     楠田 修司君        郵政大臣官房建        築部長      尾島  勲君        自治大臣官房情        報管理室長    堀内 和成君    参考人        日本放送協会専        務理事      中村 和夫君        日本放送協会理        事        中井 盛久君        日本放送協会総        合企画室〔経営        計画局長    慶田 敏紀君        日本電信電話株        式会社理事・保        全サービス部長  高島 秀行君        社団法人日本民        間放送連盟理事        ・報道委員長   氏家齊一郎君     —————————————   本日の会議に付した案件参考人出席要求に関する件 ○郵政事業通信放送及び電波等に関する調査  (郵政行政基本施策に関する件)  (阪神淡路大震災に関する件)     —————————————
  2. 山田健一

    委員長山田健一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本放送協会関係付託案件の審査及び郵政事業通信放送及び電波等に関する調査のため、日本放送協会役職員参考人として今期国会中、必要に応じ随時出席を求めたいと存しますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山田健一

    委員長山田健一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  また、郵政事業通信放送及び電波等に関する調査のため、本日の委員会日本電信電話株式会社理事保全サービス部長高島秀行君及び社団法人日本民間放送連盟理事報道委員長氏家齊一郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山田健一

    委員長山田健一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  5. 山田健一

    委員長山田健一君) 郵政事業通信放送及び電波等に関する調査のうち、郵政行政基本施策に関する件及び阪神淡路大震災に関する件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 加藤紀文

    加藤紀文君 自民党の加藤紀文でございます。  質問に先立ちまして、このたびの阪神淡路大震災により犠牲になられた方々、またその御遺族の方々に対しお悔やみ申し上げますとともに、負傷された方やいまだ被災生活を強いられている皆様に対し心からお見舞いを申し上げるものであります。  この阪神淡路大震災に関しましての郵政省にかかわる問題について幾つかお尋ねしたいと思います。  まず最初に、郵政事業に関してでありますが、新聞報道によりますと、被災自治体災害本部あて救援物資小包無料扱いになってから急激に郵便救援小包がふえたということで、郵政省神戸災害対策本部との取り決めで、対策本部が受け取る前に大阪小包郵便局で開封、仕分けされたということでありましたが、かなりの数があったと思うわけでありますし、その仕分けの仕方をどういうふうにされたのかなという点と、また対策本部あてとは別に個人あてかなりの量があったと思うんですが、その配達方法なんかも大変御苦労されたと思うわけでありますが、その辺の状況をまずお聞かせいただきたいと思います。
  7. 加藤豊太郎

    政府委員加藤豊太郎君) 対策本部あて、それから一般方々あて小包配送につきましてでございますが、まず対策本部あてにつきましては、私どもとしましては、今回の地震被害状況が極めて大きかったということから、被災者にできる限りの援助を行うことが私ども国営としての郵便事業の責務だと考えておりまして、救助用小包料金免除とその配送を実施してきたわけであります。  一月二十日に神戸災害対策本部あてのものを実施して以来、九市七町あてについて実施してきたわけでありますけれども、現在まで全国から救助物資が五十七万個引き受けられまして、そのうち五十三万個が既に配達されております。五十三万個というのは一日の配達物数の約三十倍強ぐらいに当たる、こんなものでございます。  御指摘神戸あてのものについてでありますけれども、これにつきましては、神戸市の受け入れを容易にするため、神戸市の要望によりまして約七万個を御指摘ありましたところの旧大阪小包集中局に設置しましたところの作業所で、本省だとか郵政局等からの職員も動員しまして、開披、分類、それで整理した上で、そこから直接市の受け入れ施設の方に搬送する体制をとりました。こういうようなことで、神戸市の交付作業が円滑に行われるように配意したところでございます。  一方、個人あて小包についてでありますけれども民間宅配が御存じのように引き受けを停止したわけでありますけれども、その結果として私ども取扱物数が非常にふえた中で、現地の郵便局での保管スペース確保、これも大変だったわけですけれども、他管内を含むところの管内職員配達郵便局への応援、それから小包配達請負者確保増配置ということをやりまして、個人あて配達に最大限の努力をしてきたところでございます。  また、避難所へ避難されている方につきましては避難先届を配付いたしまして、それを回収しましてその避難先配達するとか、配達不能なもののうち差出人電話番号がわかっているものにつきましては、直接差出人にどこに受取人がいらっしゃいますかということで照会するなどして、一個でも多くの小包配達するように全力を挙げて取り組んでまいりました。  以上であります。
  8. 加藤紀文

    加藤紀文君 大変御苦労されていることはよくわかったわけであります。  それと、簡易保険及び郵便貯金の非常時における取り扱いについて、そういう方々に対してどのような伝達手段を講じられ、またその反響といいますか、どういうような利用ぐあいかをあわせてお聞かせいただきたいと思います。
  9. 谷公士

    政府委員谷公士君) 郵便貯金簡易保険、共通する点でございますので、私からお答えさせていただきたいと思います。  郵便貯金簡易保険非常取り扱いでございますけれども、これは法令等の規定に基づきまして、天災その他非常災害被災者であります預金者等の緊急な需要にこたえるため行うこととされているものでございます。  この非常取り扱いでございますが、災害程度等に応じまして、被災地を管轄する地方郵政局長または郵便局長の権限で実施することができるようにいたしております。災害の都度、本省の指示を受けることなく臨機に対処することができる仕組みになってございます。具体的な事務取扱手続につきましては、通達をもちまして各郵便局段階まで周知の上、マニュアル化をいたしております。  今回の震災に際しましては、このような措置を発動することを一般国民方々にお知らせする必要がございますので、直ちに報道発表を行いますと同時に、郵便局の窓口にお知らせの掲示をいたしましたほか、新聞、テレビ、ラジオのマスメディアによる広告や、避難所へ直接配布される政府広報にも掲載する等の手段を講じまして周知に努めました。  また、外務職員被災者であるお客様を訪問して、非常取り扱いの内容、手続等を説明申し上げましたし、それから郵便局等に設置しました郵便貯金相談コーナーにおきましても被災者方々の御相談に応じたところでございます。  それで、この御利用でございますけれども、二月十日までの間に二千二百件弱でございまして、お支払いをしました金額は、貯金の場合三億六千五百万円ほどになっております。
  10. 高木繁俊

    政府委員高木繁俊君) 保険関係非常取り扱い反響と申しましょうか、実績を御報告申し上げたいと思います。  いわゆる非常取り扱いということで、例えば証書とか印鑑がない場合にも保険金をお支払いする、あるいは貸し付けを行う、こういうふうないろんな措置をやっておりますけれども、こういう取り扱いの件数は、これは十一日までということでちょっと貯金と計数が違いますけれども、総計で一万六千二百件、その結果、お支払いしました金額は、保険金とか貸付金、合計で百五十二億円という数字になっております。被災者生活再建に役立っているものというふうに認識しております。
  11. 加藤紀文

    加藤紀文君 わかりました。  それと、このたびの震災救援という観点からでしょうか、寄附金つき郵便切手発行するということでありますが、その概要を御説明いただきたいと思います。
  12. 加藤豊太郎

    政府委員加藤豊太郎君) 寄附金つき切手発行計画でございますけれども、今回の地震被害が非常に甚大であったということにかんがみまして、被害者救済救助寄附目的とするところの寄附金つき郵便切手発行することとしたところであります。  その概要ですが、ことしの四月二十日に発行を予定しておりましたところの特殊切手であります切手趣味週間の八十円の切手寄附金二十円をつけて四月二十日から売り出すというふうなものでございますが、五千万枚発行を予定しております。  したがいまして、切手の売価は、郵便料金八十円プラス寄附金二十円、合わせて百円ということになるわけですが、この結果、全部完売した場合には五千万枚掛ける寄附金二十円ということで十億円になるということでございます。  この切手趣味週間切手寄附金を付加しましたのは、これは既に準備をしていたわけですけれども、この方法の方がデザインだとか印刷時間を考慮した場合に一番早く発行できるだろうというふうに考えたからでございます。
  13. 加藤紀文

    加藤紀文君 いいことではあるんですけれども、果たして全部完売できるかどうかという疑問もあり、またその時期もちょっとおくれているんじゃないかなという気もしないでもないわけでありますが、次に移らせていただきます。  せっかく料金改定によって事業財政が回復しつつある中で、今回の震災による救援活動のいろいろな面で、救援郵便物被災者が差し出す郵便物とか郵便振替による災害義援金取り扱い等免除無料扱いによりまして、これからの郵便事業財政への影響というのはどのようにお考えになっているかもお聞かせいただきたいと思います。
  14. 加藤豊太郎

    政府委員加藤豊太郎君) まず、郵便事業財政に対するところの影響につきましてお答えさせていただきたいと思います。  今回扱いましたところの無料救助用小包、これが約五十七万個、先ほど申し上げました。それから無料現金書留四万八千通、それから被害者へのはがき無償交付約二十八万通、それから被害者が差し出すところの郵便物料金免除、これらの料金が入ってこないというふうなものでございますけれども、これらは一般の人の郵便物と同時に扱っているため、これらの郵便物だけで所要経費がどのぐらいかかったかということを分計するのはちょっと難しいんですけれども、それほど大きな負担にはなっていないんじゃないかなというふうに考えております。  一方、明示的にかかった経費でございますけれども、今回の震災に伴うところの費用の増加といたしまして、今年度内ですけれども仮設局舎建設経費、それから救助用小包郵便物等の運送のための経費、それから非常勤職員の雇用のための賃金、これらにつきまして、まだ正確に把握できておりませんけれども、概算で六十億から七十億程度かかったというふうに想定しております。  一方、今回の大震災によりますところの郵便業務収入への影響でございますけれども、一月の収入の対前年同期比がプラス四・九、昨年の四月からこの一月末までの累計では対前年度プラス一五・六%というふうな状況でありまして、おおむね収入状況は当初の私ども予測した範囲内になっているというふうに考えております。  したがいまして、これらの状況を総合的に勘案しますと、収支に対する今回の影響につきましては、今年度の補正後予算で計上している黒字が六百五十六億ということになっているわけでありますけれども、この辺はぜひ確保をしなきゃいかぬと思いますし、またできるというふうに思っております。  総括的に言えば、今回の地震によるところの収支じりに与えるところの影響は余り大きくはないだろうというふうに短期的には思っております。
  15. 加藤紀文

    加藤紀文君 そのお話をお伺いして、私が思っていたよりはよかったわけで、いいことではありますが、先日の大臣の報告の中で、神戸港局の使用不能とかいう話もございましたが、普通局だけではなくて特定局でも何局か全壊または半壊という話もお聞きしているわけでありますけれども被災郵便局状況について説明していただきたいと思います。
  16. 大出俊

    国務大臣大出俊君) お答えをいたします。  今御指摘特定局でございますけれども全壊いたしまして建てかえがどうしても必要であるという局が十五局ございます。それから、大幅な修理、修復をしなければ使えない、そういう局が十二局ございます。郵政互助会互助会局舎が一局全壊の方にございますけれども、それも含めて全部がこれは借入局舎でございます。借りている局舎でございます。  したがって、これらに対する対策といたしまして、今やっておりますのは、移動郵便車を四台、一時期八台ということもございましたが、今四台入れましてサービス提供しているというのが現状でございます。  これの再建復興に関しましては、基本的な考え方といたしまして、早期の局舎復旧を図らなければならない。ということになりますと、なるべく借り主、つまり貸してもらっているわけでございますから、そういう意味では貸してくれている方の負担をできるだけ軽減をするということ、そして具体的には、被災した局舎についてはできるだけ早くどこの場所にという位置の問題、それから経費負担などを当該局舎所有者調整をいたしまして、とりあえず仮の局を設置する、あるいはまた修繕をしてここでやるということにする。その際、所有者対応できない場合には全部これは郵政省応急措置ということで引き受けて実施する。  仮局建設に当たりましては、本格局舎の建てかえ、新築という問題と絡んでまいりますけれども神戸市など各市の復興のための都市計画がございますが、さらに区画整理事業がございますが、そういう計画がございますが、そこらと調整を図りまして、帰趨を見定めた上で最終的には決めるということにしたい、それもトータルで見てできるだけ急ぎたい、こう思っております。  以上、お答えいたします。
  17. 加藤紀文

    加藤紀文君 できるだけ早くやっていただきたいと重ねて要望いたしたいと思います。  続きまして、応急仮設住宅用地確保に関し、関係自治体は大変苦労されていると聞いておるわけでありますが、郵政省及び簡保事業団も保有の土地無償提供したり、一部仮設住宅に既に供されているということでありますが、今後どの程度協力できるか、お聞かせいただきたいと思います。
  18. 尾島勲

    説明員尾島勲君) これまでの経過を含めて御説明申し上げます。  郵政省及び簡易保険福祉事業団は、被災者のための仮設住宅用地として、郵便局職員宿舎新築移転等に伴って生じました処分予定土地または事業施設建設用として取得した土地建物着工までの間に若干期間のある土地、合わせて二十三カ所、二万三千平方メートルの無償提供を申し出ているところでございます。兵庫県におきましては、これらの提供を申し出た土地のうち二カ所について三十五戸の仮設住宅建設することになっております。  郵政省といたしましては、提供を申し出た土地について少しでも多く被災者のために活用されればと考えているところでございます。
  19. 加藤紀文

    加藤紀文君 これからもぜひよろしくお願いいたします。  次に、災害時における通信情報網の整備ということに関しましてお尋ねしたいと思います。  地震によって電話線や電線が切断されても、災害状況の把握や関係機関への伝達とか、また救援とか復旧の要請などに最低限の情報網というのは機能しなければならないし、また確保しなければならないわけであります。現在、我が国は電話無線機やまた衛星通信等通信手段が発達しているわけでありますが、今回の大震災に際しましてこれが果たして十分機能していたのだろうかと考えました場合、十分には機能していなかった、まだまだ問題点があったということがはっきりしたわけであります。  郵政省といたしましては、災害時のこういった通信とか情報網に関してどのような考えを持っておられるかを聞かせていただきたいと思います。
  20. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 今回の災害に当たりまして、通信ネットワークの持つ重要性というのはますます明確になってきたというふうに思っております。  具体的なネットワークということで考えてまいりますと、概括的に申し上げますと、一つには防災無線というような公的な、言ってみると地方公共団体、国が所管するネットワークがございます。それからもう一つは、国民皆さん一般的に使っていただくという意味での公衆網ネットワークNTT等公衆網ネットワークというのがございます。  そういった中におきまして、まず防災関係無線について申し上げますと、今回の場合は具体的に県庁の、県の防災無線、ここにつきまして供給電力がとまったというようなことから当初六時間ぐらい機能しなかった、これが最初初動情報を得て動くということに支障があったというふうに言われておりまして、今後私どもこういうことにつきましても検討していかなければならない問題というふうに考えております。  一方、国民皆さん方が広く使われるいわゆる公衆網電話ネットワークと平たく申しますとそういうことになろうかと思いますが、このことにつきましても、当初八つほどの交換設備が障害を受けたというようなことからこれが機能せず、翌十八日になって回復したという状況でございます。  世の中からはいろんな評価、御批判があろうかというふうに思いますが、この間にありましてNTT方々が他の管内を含めて動員して大変頑張っていただいたという意味合いにおいては、私ども大変感謝をしているわけでございます。翌日回復をしたという状況でございます。  幾つかの問題点がありますが、災害に強いネットワークというような意味からは、地中化を進めるとか、あるいは安全、信頼性の基準の見直しでありますとか、あるいは多ルート化を図ってまいりますとか、そういうようなことについても今後検討していかなければならないというふうに考えておりまして、現在私ども、ひとまず復旧は一月の末に公衆網については終わっております。  家屋が倒壊した十万加入程度のところは、家屋の設置とともに回復していくということでございますが、それを契機に二月八日に、大地震対応する通信ネットワーク体制あり方検討会に警察、消防あるいは国土庁に入っていただき、関係電力方々等も入っていただいて今検討に入っております。五月をめどに提言をいただく、その間にありまして必要があれば中間提言もいただくということで、今回のこの地震の教訓を生かしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  21. 加藤紀文

    加藤紀文君 まさにそのとおりでありまして、まさに通信ネットワーク確保なんというのは郵政省がリーダーシップをとってどんどん進めいただきたいものだと思います。  今、局長お話にありましたように、今回の震災で私もNTT対応というのは非常に評価できるものであったと思うわけであります。今の地中化の話でありますが、新聞報道によりますと、地中化された方のが八十分の一の被害程度であった、だから地中化の方が八十倍安全なんだというような報道もあったわけでありますが、この点もぜひ早く進めていただければありがたいなと思っておるわけであります。  そして、今回の震災によるいろんな事態があったわけでありますが、通信関係に関しましては電話回線が比較的地震に強かったということで、これを利用したパソコンネットワーク、ニフティ・サーブ等いろいろありますが、きめ細かい災害情報メディアとして大変被災者皆さん方には喜ばれたということも聞いております。  また、郵政省も、避難者に対しはがき無料配付して、それを回収したものをパソコン通信業者の協力で避難者のデータベースを作成し、またそれを利用していただいたということで、たまたま私の友人にもそれに加盟している者がおりまして、郵政省としては珍しいぐらい機敏な対応をしてくれたと喜んでおりました。  今後の課題は、これらの情報ソースが一元化されていなくて困難もあったということも聞いているわけでありますが、郵政省といたしましては、危機管理に適したメディアというのがまだまだほかにも考えられるんじゃなかろうかなという気もするわけでありますので、今後ともぜひ検討を続けていただきたいなと思いますので、その辺を答弁願います。
  22. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) ただいまパソコン通信利用したこういう災害時の通信ネットワークということについて御指摘をいただきました。  今回、まず最初のうちは、個人ベース被災地状況というようなものをきめ細かく情報提供できるということでパソコン利用というのがあり得るというようなことに着目をいたしまして、私どもこの利用に頭をめぐらせたところでございます。パソコン通信自身がある意味では日本では新しいものでございますので、そういった意味ではこの利用が大量の情報の処理ができる、しかもずっと検索が可能だと。  一つの例を申し上げますと、この避難場所にはこういう方がおられますというようなことをずっと大量の名簿を置いておいて、その掲示板を使う方はどなたでもパソコンでアクセスして見ることができるというようなことが可能であるということで、何とか最初のうちは避難所にいる方々情報を一元化できないかということで市役所の方とも打ち合わせをしまして、これをパソコンの掲示板に打ち込んでどこからでも見ていただける、インターネットにもこれを入れていこうかとか、そういうことも検討いたしました。  先生お話のありましたとおり、そういうことであったのですが、震災が起きた当初は市役所がとても手が回らないという状況がありまして、私ども無料はがきを配付して、番号も入れて、裏に自分の住所を書いて出していただければ自動的にそこの郵便のところに届いてそれを打ち込める、こういう仕組みで現在動いております。  一方また、現地の対策本部自身においてもパソコン通信を通じて情報を一体的に提供していこうということで私どもと先般話もつきまして、このことにつきましても世の中にアナウンスメントをさせていただいたところでありますが、今先生御指摘のありましたように、これは一つメディアとして今回使わせていただいたということでありますけれども、アマチュア無線等々可能な限りのメディアを使ってまいりたいというふうに考えております。
  23. 加藤紀文

    加藤紀文君 それで、昨年来、情報通信基盤整備でいろいろ検討されておるわけでありますが、光ファイバーを敷設した場合、今回程度の地震で果たして耐震性は十分なのかどうか検討されたことがございますか。また、だめとは言いませんけれども、仮に十分じゃなかった場合に、その回復といいますか対応もあわせて検討されたことがございますか。
  24. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 光ファイバーを敷設した場合に、今回程度の大きさの地震に遭ったと、耐震性が十分なのか、そういう意味だと思うんですが、おっしゃるとおり通信基盤整備をやってまいりまして、今のケーブルは御存じのようにメタリックケーブルでございます。光ファイバーというのはコアがありまして、これを外被で包むという仕組みでございますから、そういう意味では現在のメタリックのものとシステムとしてはそうかわりはない。  また、光ファイバーの耐震性を向上させるためにはケーブルの地中化が最も有効な手段である、これは申すまでもないのでありますが、今回の地震による架空線、これはほとんど至るところでやられまして被災率が約二・四%。ところが、地中化ケーブルというのは、被災率が二・四に対して〇・〇三%でございますから非常に小さくなる。したがって、地中化の有効性が明らかになったわけでございますので、加入者系の光化とあわせて地中化を推進する、これによって高い耐震性を確保する、これが一番いい方法であろう。  さらに、ケーブルが被災した場合についても、応急復旧ケーブルの敷設技術が、光ファイバーの融着接続という技術が発達いたしまして、大変簡単な接続方法が開発されております。したがいまして、加入者系の光化を推進していきますというと復旧能力が、旧来のメタリックでやっておりますものよりは今の接続の仕方が非常に早くなっておりますから急速な復旧ができる、そういうメリットもございます。地中化とあわせてそういう方向で行けば大きな耐震性が出てくる、こう思っているわけでございます。  以上であります。
  25. 加藤紀文

    加藤紀文君 その地中化に関しまして、建設省とか自治省とかいろいろ説得しなきゃならない問題も多々あると思いますが、先ほどの通信ネットワーク構築のためにぜひ必要なんだということで、さらに頑張っていただきたいと思います。  次に、先日の本会議で西野議員の質問の中で、震災の被災状況を取材する関係者のヘリコプターの使用が大変問題になったということで、被災者の立場に立って報道するようNHK並びに民間放送事業者に注意の喚起を促してほしいという要請があったわけでありますが、大臣は実際にどの程度まで要請をしていただいたのかお聞かせいただきたいと思います。
  26. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 西野さんから本会議で御質問がございまして、少し私が丁寧にお答えしようと思ったものですから時間がかかって御迷惑をかけたかもしれません。あれを受けまして、放送行政局を中心にいたしまして、その日に直ちに関係の各放送業者、NHK及び民放でございますが、この方々に対しましてこういうことがあったのでということで要請をいたしました。したがって、郵政省としては、当日、あの日でありますが、NHK及び民間放送皆さんにこういう趣旨のことを具体的に要請いたしました。  そして一月三十日の月曜日でございますが、災害に関する放送事業者との連絡調整の場である災害関係対策連絡会というのがございまして、ここで被災住民の立場に立った取材、報道のあり方などについても議題とするということにさせていただきまして、改めて文書によりまして被災地住民の立場に立った取材、報道についての要請をこの場でいたしたわけでございます。その後、いろいろ続いておりますけれども、いずれ取りまとめてと思っているわけでございます。  以上であります。
  27. 加藤紀文

    加藤紀文君 それと、こういった災害があった場合に、私らよく勉強しておりませんが、一九八五年に実用化された緊急警報放送というのがございますね。これいろいろ調べてみますと、条件があって今回はできなかったということもわかるわけでありますが、まさかあの地域に大きな地震があるとはだれも思ってなかったわけですけれども、これからはどこでも起きる可能性があるわけですから、こういった条件の見直しというのは郵政省の方で考えておられるかどうかもお聞かせいただきたいと思います。
  28. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) 先生、今御指摘の緊急警報放送といいますのは、例えば自宅のテレビが切れているときに……
  29. 加藤紀文

    加藤紀文君 それはわかっています。
  30. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) それを今回発動できなかったのは、結論から申し上げますと、それよりも早く事実が起こってしまったということが一つと、その後はもうすぐテレビでどんどん流しましたので、その必要がなくなってしまったということもありました。それから、あと手続的には要請がまだなかったとか、いろいろあるわけですが、というような事情が重なって結果として流すことがなかったということでございます。  それを振り返りますと、このこと自体も、実は先ほど電通局長から答弁がございました検討会という中でこれからの緊急対策のあり方を我々も入れていただいて検討させてもらおうと思っておるところでございます。要するに、どういう場合にこれが有効に機能するのかということを今回の事実に立って、反省を込めて、じゃ、どうしたらいいかということをそこでやってみたいと考えております。今ここでにわかにどうしたらいいのかということをちょっとお答えできないのを申しわけないと思います。
  31. 加藤紀文

    加藤紀文君 まさに今の局長の話で、今回の災害の体験を踏まえてこれからの災害放送というのはどうあるべきかということをより慎重に検討していただきたいと思います。  次に、今回の被災者方々にお伺いいたしますと、私も隣県ですから結構友人、知人がおりまして聞いておりまして、いろんなテレビ局、NHKを初め民間放送がありますけれども、一番自分が欲しい情報を流してくれるのは当然地元のテレビ局であり、ラジオであるわけです。その中でもやはりミニFM局というのが、今までの条件ですと地域が限定されているわけですからなかなか広範囲にはいけないのはよくわかっておるわけですけれども、規制緩和じゃありませんが、これらも条件を割と変えていただいて、これからもうちょっと利用期間なり設置箇所というのを検討していただければありがたいなと思うわけでありますが、その辺に関しましてもひとつお願いします。
  32. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) 先生おっしゃいましたミニFM局といいますのは、我々今それを臨時災害FM局と言っております。そのことと承知しておりますが、たまたまこれはラッキーなことに、京都でITUをやったときの電波と機械が残っておったということですぐにできたというラッキーさがありました。  どこかよそで大きなことが起こったときにそういうラッキーが重なるかどうかわかりませんから、このことも率直なことを申し上げますと、こういうふうにすぐできるような電波の周波数の確保をどうしたらいいか、そして機器をどういうふうに保存しておいたらいいか、技術者をどう温存しておくのかというようなことを研究しようということで、予算の中で要求をしようと考えたりしているところでございます。
  33. 加藤紀文

    加藤紀文君 もう余り時間がないので、最後に大臣に。  来週、情報社会に関するG7閣僚会合が開催されて、大臣出席の予定とお伺いしておりますが、大臣は何を主にアピールしていきたいとお考えなのか聞かせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
  34. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 環境、雇用、開発、こういう地球的規模の課題がございます。これを解決するために何が必要かといえば、世界的な情報通信基盤の整備、これを各国それぞれが努力をして進めてまいりまして、それを一つネットワークとしてつくり上げるということだというふうに思っております。したがいまして、G7の閣僚会議におきましても、そういう意味の世界的な情報基盤の整備という意味での意識統一が必要である、まずこれをやらなければならない。  いろんな事情が各国間にあることも耳に入っておりまして、特に九月に京都でITUの国際会議がございまして、千八百人ぐらい集まった中に各国の大臣が五十人ぐらいおられまして、初めての大臣会合をやりまして、私が議長を務めていたのでございまして、いろんな意見がございました。非常にまとめるのに苦労している面もある。  だから、今回のこの会議で一番必要なことは、それぞれ持っている計画があるわけです。バンゲマン報告であるとか、私の方の電気通信審議会答申であるとか、フランスその他にもいろいろございますが、それを、いろんな困難があってもきちっとした方向づけをここで、初めてのことですが、国際的な方向づけを出すという、これが一番必要なことだろうと思っているわけでございます。八つの原則であるとか、あるいは行動の五つの方向であるとかという原則はもう既に下打ち合わせが済んでおりますけれども、これに従いましてグローバルな意味での高度情報通信社会のビジョン、これを今度の会合で表に出していこうというふうに考えております。  京都会議でも議論をしたんですけれども一つはまず規制緩和というのを徹底的に通信の面で進めまして、競争原理を導入して民間主体で国際的にどこまで進めていくか、これが一つ。  二つ目は、各国間の通信格差というのが、通信基盤の格差と言ったらいいかもしれませんが、アフリカ諸国などからいろんな意見が出ておりますが、先進国は金もあり技術もあり人もあるんだから全面的に応援するという決議をしろなんという意見も出ているわけでございますけれども、そういう意味で、どこまで各国間の通信基盤の大きな格差を埋めることができるか、協力し合って。今回はG7だけですからほかの途上国はいないんですけれども、ここで決めたらそれを途上国にも通報しなければ意味がないわけでありますから、この点が二番目に大きく強調しなければならぬ点でございます。  かつてGIIと言ったり、アメリカ国内的にはNIIでございますけれども、いろんな言い方がございますけれども、要するに片っ方にアプリケーションが、使い勝手のいいもので、いかに社会がそれを受け入れるか、いかに家庭が受け入れられるかということを考えなければ伸びないわけでありますから、三番目にその点をどういうふうにするか。  そして、締めくくりでございますが、各国でやっているいろんな実験がございます。日本の場合も京阪奈でB−ISDNというやつをやっておりますけれども、そういうものを検索できる形に一つの仕掛けをつくりまして、それをお互い各国が、どこの国は今何をやっているかというような検索もできる、そしてそれをお互いにつなぎ合うという仕事がもう一つあるわけでありますが、京都会議でもそこらのところを議論いたしました。  一つだけつけ加えておきますが、どこかの国が自分のところの国益のために何々計画を立てて、これで各国を抑えてというようなことは余り感心しない。そういう場合は、ITUならITUという国際会議を中心にして、いわゆる一つの国の国益というところに走らない形のものにしなければというところが私の最後に言いたいポイントでございますが、そこらでやってみたいと思っているわけでございます。
  35. 加藤紀文

    加藤紀文君 終わります。
  36. 岡利定

    ○岡利定君 自由民主党の岡利定でございます。  去る一月十七日早朝に発生しました阪神淡路大震災によりまして、不幸にもお亡くなりになった方々に御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の方々及び被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げる次第でございます。  大地震発生からちょうど一カ月たちました。被災地にあって、文字どおり昼夜の別なく不眠不休で業務の確保、施設の復旧、的確な情報提供等々に全力で頑張ってくださっております郵便局電話局、放送局等の関係機関の皆様に心から御苦労さまと申し上げる次第でございます。さらに、現地の応援、支援のために御尽力いただいております郵政大臣を初めとする関係機関の皆様方に感謝いたす次第でございます。そして、被災地が一日も早く復旧再建できることを祈っておるところでございます。  私も、被害の大きさ、それから事態の深刻さというものが判明をするに従いまして、いても立ってもおられないような気持ちで二度現地へ行ってまいりました。初めは郵政大臣がおいでになった一月二十一日でございました。被災地は、これはつぶれた家屋、傾いたマンション、あるいは焼けた商店街といったことで余りにもひどく、もう沈痛な、そして恐怖におののく雰囲気で足がすくむ思いをいたしました。  それから、二月十日に再度被災地にお見舞いに行ってまいりました。ちょうど地震から三週間たっておりましたので、道路の瓦れきもかなり片づけられて、大分落ちつきが見られまして、復旧再建まではいかないにしても、復興への歩みというのが着実に始まっているなということを感じた次第でございます。しかし、被害は非常に大きくて、その再建は容易でないなと思いました。これはもちろん人、物、金を含むわけでございますけれども、相当の年月と相当の努力を要する大事業だなということを感じた次第であります。  そうはいっても、この事態は何としても乗り越えなければなりません。そして、被災地復興というのは、まさに二十一世紀の新しい都市づくりというものであり、高度情報社会時代にふさわしいものにするということもまた必要であります。それゆえに、郵政省に課せられました任務というのは大変大きく、また責任も非常に重いものだというように考える次第でございますので、迅速かつ的確な行政と事業展開をぜひお願いいたしたい次第でございます。  加藤先生と重複しない範囲でこの災害関係をちょっと聞かせていただきたいなと思っております。  郵政大臣災害報告にもありましたように、電気通信関係放送関係、そして郵政事業関係の方の施設に随分大きな被害があり、また職員の中にも被災された方が大勢おられるということでございます。このような事態に、郵政大臣の陣頭指揮のもと、関係者の皆様は本当によくやってくださったと感謝いたしておるところでございます。  先日、二月十日に、神戸、芦屋、尼崎でお会いしたのは特定局方々であったわけでございますけれども、多くの局長さんは自宅が壊れたり、そうでなくてももう内部がめちゃめちゃになったりしておりまして、まだそういう点は全然片づけておらない状況でございました。職員の中にも負傷された方、家を失われた方、家族を亡くされた方というのも大勢おいでだと聞いております。それでも連日、まず地域の皆さんのために郵便局の業務をしっかりやっていかにゃいかぬということで、本当に休む間もなく頑張っておられるわけでございます。こんなときこそお互いに助け合って、励まし合ってやるのが当たり前だというようなことも言ってくださった方もおられました。  しかし、きょうで丸一カ月も過ぎて、こんな状況がまだまだ続く、いわば出口の見えないトンネルの中におるような気分で随分疲れておられるなということも感じました。これらの方々が健康を害しないで今後とも頑張り抜いていただくためには、実情に即した長期間の支援なり応援なりが必要だと思う次第でございます。近畿郵政局を初めとして関係者に大変な御努力をいただいておることは承知しておりますけれども、これからが正念場じゃないかなと思うわけでございます。何とぞ、そういう意味で現地の状況をきちんと把握していただいて、適宜適切な応援、支援をぜひお願いしたいと思う次第でございます。  この点についての郵政大臣の御意見をお伺いし、あわせて具体的に被災地郵便局等への支援についてどのようにお考えになっているのか、事務当局の方からお教えいただきたいなと思います。
  37. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 先生、二回お入りになって現状をよく御存じでいらっしゃるわけでございますが、私の方から冒頭に少し申し上げまして、あとちょっと詳しく官房長の方からと思っております。  御指摘のように、私も二十一日に現地に参りましたが、その前の十八日に神戸市の対策本部と話し合いをしていただきまして、小包を集中的に全国二万四千のネットワークを使って集めようじゃないかと。毛布があのときなくていろいろ言われておりました。さっき加藤先生からお話がありましたが、毛布を入れて、保存に耐える食料、缶詰なんかですが、そして加工の必要のないものということにして全国の郵便局に流したわけです。そうしておいて、神戸中郵に参りましたら、古城さんという局長さんが、まず困ったのは、六百個ここに小包があるんだけれども、市の対策本部は受け取ってくれないというわけです。何とかなりませんかというわけです。大阪の小包局にパレットで二千五百ぐらいあるというんです。そうすると、これ二万五千です、十個ずつ入ると。周辺にまだ二千四、五百あるというんです。そうすると五万になるんです。ほっておけません、全国の善意ですから。  それで、私、市に飛んで行きまして笹山市長に会いまして、助役さんも来てもらって、全国二万四千の郵便局ネットワークに頼んで、毛布がないというから毛布、そして加工を要しない食料品、保存に耐えるものという三つの条件で、神戸対策本部に集中するということでお願いをした。きょう神戸中郵に寄ってみたら、神戸中郵にまず六百あって、大阪の小包局に二万五千あって、周辺にもう二万五千あると。何とかなりませんかと言ったら、五、六十人集めてやるつもりでいたんだけれども、次々に要求が来て全部職員を出しちゃっていないというんです。郵便局の方で何とかなりませんかと言わんばかりなんです。ところが、法律がありますから、そこのところを篤と話して、市が受け取っていただいたということでないとあけられませんということで手続をとっていただいた。  しかし、今御指摘のように、もう疲れ果てている。初日は、十七日は七百名ばかりの定員のところを二十名がやっと局に出てきたというんです。二日目が四十一名だというんです。私が行った二十一日が六割ぐらいです。それで、個人小包配達しますと、ばしゃっとつぶれているところに避難所が書いてあれば届けられるというんです。ところが、書いていないというんです。持ち帰らざるを得ない。しかし、これは深さざるを得ない。さんざん泣かれました。  しかし、そういう状況で苦労しておられる方だから、お父さんを亡くした方がおられてもう職場で仕事をしているんです。私も郵便をやった人間ですから、会っていろいろ話をしたんですけれども、家がつぶれてないというんです。そうすると、郵便局だけの仮設が幾ら要るか、二百要るというんです。今これ百五、六十用意をして、既往のものと一緒に今準備しています。ここから始めて、まず一人職員が亡くなられて、二人神戸中郵だけで行方不明、こういうわけですから、結果的に亡くなられています、ゆうメイトの方ですが。  そういう状況でございますので、今の状況に合わせてどういうふうに、御存じのように、もう三階の郵便の部屋なんというのはつぶれかかっているのにやっているわけですから、そういうことも含めて、官房長の方からお話し申し上げますけれども職員に対する対策も細かく立てていかなければならぬというふうに思っております。
  38. 木村強

    政府委員(木村強君) 先生御指摘のように、今回の大震災に対しまして、郵政省、これで十分ということではないわけでありますけれども、精いっぱいの対応をしようと。しかも、その対応に当たる中心人物はやはり現地で被災を受けた職員でもあるということを念頭に置きながら、一方的に本省から何か指示をしてやらすというようなことではなくて、今ございましたように、本当に実態に合った中できめ細かくできるだけのことをしていこうという立場で、大臣の指揮のもとに動いております。  今大臣からお話ございましたものにつきまして若干詳細を申し上げますと、今回、業務応援策といたしましては、まず一つには地域区分事務対策といたしまして、神戸中央局で行っていた地域区分事務を新大阪あるいは大阪小包局に移管をしたというようなこと。それから、救助用小包対策につきましても、神戸災害対策本部あて救助用小包の一部を、同本部の要請によりまして、開披の上、内容品を分類し集積所へ配送したといったようなこと。これは既に一月二十九日にはもう終了いたしております。それから、配達業務対策といたしましては、早期配達のために本省、他管内郵政局の職員、近畿管内の他の郵便局職員が応援したほか、非常勤職員の増雇用なども行っております。本省、他管内郵政局職員の応援につきましては二月五日に終了をいたしております。  郵政事業全体の業務応援策に当たりました本省職員は延べ百八名、他管内職員は延べ二百四十二名ということでございますが、実態に即した中で必要な仕事、これまでとった応急的な仕事、これから必要な仕事といったようなことをよく見ながら対応する必要があろうということで、必要のなくなった仕事は引き揚げ、新しい仕事に対応していくということを正確な情報をつかみながら指導してまいりたいと考えております。  これらに当たります職員でありますけれども職員の労働条件の問題、健康管理の問題、極めて重要な問題がございます。特に、私どもとしましてはそういうことに配慮し、できるだけ関係者の意見を聞き対応するということで、まずとりましたのが宿舎の貸与、仮設住宅建設であります。これは職員のお家自身も倒壊をしたというようなこともございます。そういったようなことも考えて、単に仕事ということだけじゃなくて、その職員のバックグラウンドをきちっとするということで十分対応していこうということであります。  それから、住宅、家財の損害への災害見舞金の支給であるとか、特に大切な保健衛生対策といたしまして逓信病院医師、看護婦による巡回。これは地域の方々に対しても応援をしておりますけれども職員に対してもきめ細かくやろうということで、そういった逓信病院医師、看護婦による巡回。  それから、亡くなった場合のお話でございますけれども、弔慰料、弔慰金等の支払い、共済貸し付けの特例措置、飲料水等の救援物資の配布等を行いまして、そこで動いていただける職員というものを十分意識しながら対応してきておるわけであります。  そういった応急の対策も大切でありますけれども、日にちもたちました。今、先生御指摘のように、これからも長期にわたる一つの大きな仕事であります。これからは言ってみれば立ち上がりに持っていこう、応急から今度は前向きにやっていこう、地域全体がそういう雰囲気になりつつある中での状況をよく見ながら、郵政事業としてきちっと仕事ができるように職員のことも十分考えながらやっていこうと。まずは正確な情報をとって的確な対応をしていこうということで、くれぐれも対策本部から一方的な指示をしたりすることのないように厳に心してやっておるところでございます。  以上でございます。
  39. 岡利定

    ○岡利定君 ありがとうございました。  何しろ地域の方々にとって郵便局が唯一の公的機関といいますか、国の機関であるわけでありまして、いわばよりどころにもなっておる存在でございます。そこがしっかりとやれるように、ぜひきめ細かい御支援をお願いいたしたい次第でございます。  次に、今回の経験によりまして、情報を的確に伝えるということで、電話とかテレビだとかラジオだとかの既存のメディアといいますか、システムについての弱点とか問題点とかがいろいろと経験したといいますか指摘され、先ほど加藤先生からもお話がありましたけれども被害や安否を伝えるパソコン通信各社の無料掲示板の設置だとか、あるいは無線機を使用した無線ボランティアの救助活動、インターネットを通じたボランティア募集などの活用等々、いわば新しい通信手段が役に立っておるという事例が多く紹介されております。  まさにこれが郵政省が推進されようとしておるマルチメディア時代におけるメディアのいろいろな展開だと思うわけでありますけれども、そういう意味災害に強い情報通信網の整備と、またそれとあわせて情報手段の多様化、情報流通の複数ルート化ということが大事だということも論じられております。この点について、ちょっと加藤先生とも重なりますけれども郵政省のお考えをお聞きしたいと思います。
  40. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘のございましたように、現在の社会の技術革新を踏まえまして、メディアの多様化あるいはネットワークの多ルート化というのを進めて対応することが非常に重要であるということをますます今回の経験で認識を深めているところでございます。  具体的なことを少し申し上げさせていただきますと、今回、アマチュア無線につきまして、初期の段階で交通情報あるいは安否の情報というような情報収集に大変有効だというような点が出てまいりました。また、パソコン通信あるいはインターネットヘ被害状況を入れ込んで、その個人ベースで入れた掲示板の情報、ここからネットワークを通じてきめ細かい個々の方々情報をとっていくというようなこともございました。  私どもにおきましても、こういうメディアの多様化あるいはある意味の多ルート化一つでもあろうかというふうに思いまして、被災地における身近な情報の収集、伝達、こういうことに役立つことを考えてまいりたいというふうに思いまして、日本アマチュア無線連盟あるいは日本アマチュア無線機器工業会というところに私どもお願いをしまして、こういった団体からアマチュア無線機器を三百台提供していただきまして、避難所を中心に配備をしまして、現在それをお使いいただいているという現状でございます。こういう避難所におられる方、あるいはボランティアで行っておられる方にもアマチュア無線の資格を持った方はたくさんいらっしゃいます。そういう意味でやっていただいているということでございます。  さらに、被災者の所在の情報ということにつきましてパソコンを使ってまいりたい、こう思いまして、私どもパソコン通信ボランティアネットワーク、こういうふうに言っておりますが、今のところ郵便はがき避難場所の所在を自分で申告していただくと。だんだん市役所が体制とれてまいりますと、まとまった情報もまたいただけるかというふうに思っておりますが、そういう組み合わせによりましてパソコンの掲示板に載せて、それをとっていただくというようなことをやっております。これは、郵政省のインターネットのサーバーを上げるというようなことでこれも行っているということでございます。  いずれにいたしましても、非常災害時におきまして、一つ被災地情報の把握がございます。さらにまた、被災者の避難のための情報あるいは復旧活動のための情報、安否の情報、さらに加えまして生活物資や生活支援のための情報というようなことが、時間の経過とともにその情報重要性というのが動いてまいりますが、御指摘のようなことで、なるたけ複数の手段を持ってやってまいりたいというふうに考えております。  なお、今後という意味では、この教訓を生かしまして、私ども地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会を二月八日から始めておりまして、関係の学者の先生方あるいは関係省庁ともども検討いたしておりますので、今後このような検討を踏まえまして各種の施策に反映してまいりたいというふうに存じております。
  41. 岡利定

    ○岡利定君 ぜひともその貴重な経験をそれこそマルチメディア計画の中にも生かしていただきたいと思います。  ところで、やはり今度の災害を経験してみて、災害に強いネットワークづくりというのが大きなといいますか、新たな課題になっているんじゃないかと思います。郵政省はかねてから電気通信の安全性、信頼性確保、向上ということに最重点に取り組んで努力されてきております。  それは、一昨年の電気通信基盤充実臨時措置法ですか、これの改正によって、安全性、信頼性向上のための施設に対して財政、税制面からの支援を行う措置もとられております。そのときにいろいろな対象施設が必要だということであったわけですが、そのときの時点では当面は洞道と回線切りかえ装置に限られたというように思っておるわけですけれども、今回の原因から見て、郵政省が主張しておったようなものが全部入ったらなおよかったのになというような気もいたす次第でございます。  新聞では、ある専門家が、震度七以上に耐える耐震性の防護策をとるためにはコストがけた違いにかかり、ユーザーに料金負担をかけるのは難しいと話されておる記事がございました。このことからも需要者だけでは、安全性、信頼性のための特にバックアップ回線なんかの充実ということになりますと、これは限度があるということでございますので、国の強力な支援策がなお一層必要じゃないかなと思うわけでございますが、郵政省のお考えをお伺いしたいと思います。
  42. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) ただいま先生から御指摘ございましたように、電気通信基盤充実臨時措置法という法律をもとにいたしまして、いわゆる地中化あるいは回線を他のルートに切りかえるということにつきましては、税制上、金融上の支援措置がございます。  ただ、今回の教訓を踏まえますと、この地中化の促進は一層重要でありますし、多ルート化は当然でありますが、ざらに衛星通信や無線を利用したバックアップ回線の整備というのが重要であるという教訓を我々は得たところでございます。さらに、具体的にありましたように、非常用の電源設備、これにつきましても停電対策ということを充実しなければならないというようなことも今回の教訓でございました。  私どもこういうものも踏まえまして、電気通信回線のバックアップ対策あるいは停電対策、こういうものにつきましても今後支援の対象設備に追加していく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、現在検討を進めているところでございます。
  43. 岡利定

    ○岡利定君 ぜひともバックアップ体制のバックアップ体制をよろしくお願いいたしたいと思う次第でございます。  ところで、いわゆる安全性、信頼性確保のために回線の地中化それから通信センターの分散化というようなことが必要だと言われて、今回の復旧に当たってもそういう点も重視しながら進めていくというようなことが書かれておりますけれども、私もそれが必要だと思う次第でございます。  また、地上の被害は地中よりはるかに大きいということも、これも大臣おっしゃったとおりでありますし、またこれは二月五日の新聞でしょうか、「NTT回線 地上の被害、地中の八十倍」というようなことで、地中化の効果というのが非常に高いということが報ぜられております。  ところが、二月十一日に、これは通信回線じゃないんですけれども、今度は関西電力の電灯線の関係でありますけれども、「地中電線崩れた安全神話」ということで、関西電力調査では、「地中電線の約五〇%に損壊や障害がみられた。」として、地中電線についての安全神話が崩れたんだというようなことを報じておりまして、おやっと思った次第でございます。  そういう意味で、地中化の必要性をきちんとわかっていただくためにも、電気通信の立場からどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  44. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) ただいまお話のございました新聞では、確かに見出しで「地中電線崩れた安全神話」ということで、受けとめようによっては大変ショッキングな見出しになっておりますが、子細に読んでみますと、新聞自身もこの中に「地上の電線に比べれば被害は少なかったものの」、地中化しますと、こういうことになっております。  私ども、こういう報道等を見まして、所管省庁であります通産省にも伺ってみました。伺ってみましたところ、電力会社の被害状況について、今回の地震災害に際して地中の配電線は一定の強度を示したというふうに考えられるというのが通産省のお話でございまして、被害状況については現在調査中ということでありますが、そのように私どもは伺っております。これが電力関係につきまして所管する省庁から伺ったところでございます。  一方で、通信線につきましては先ほど大臣が申し上げましたようなことでございまして、事実として地中化しますと被災率がぐんと少なくなっているという実態がございます。そういう意味では、これも今回教訓であったというふうに思っておりまして、災害に強いネットワークの構築という観点からは私ども地中化が必要であるという認識に立っております。  なお、現状を申し上げさせていただきますと、この被害を受けた神戸の具体的な地域で見ると、地中化率というのは、加入者配線でございますが、五・七%でございます。全国平均で見ますと、この加入者配線、平成五年度末でわずか二%にとどまっております。ということで、これを進めるに当たりまして、事業者自体で大変莫大な設備投資を要するということをまたあらわしているものというふうにも思われます。そういう意味で、金融、税政上の公的な支援の拡充というのは必要であるというふうにも思っておりますし、あわせまして道路占用料の引き下げ、こういうことについても関係省庁とも協議をしてまいりたいというふうに考えております。
  45. 岡利定

    ○岡利定君 ぜひとも安全な回線の構築に御努力をお願いいたしたいと思うわけでございます。  これから大量に復旧工事等が行われるわけですが、そうなってきますとますます携帯電話が使われるようになってくるんじゃないか。需要が急増する携帯電話のための回線容量というんでしょうか、その辺は十分なのかどうかという点をお伺いいたしたいと思います。
  46. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 今回、携帯用のいわゆる移動無線電話等々は大変有効に使われているというふうに伺っております。特に、民間の方々、メーカーあるいは通信事業者の方々の御協力を得まして、現在二千台を上回る携帯電話被災地に無償で提供しているというようなことから、今先生御指摘のありましたように、ますます携帯電話がこの後使われていくのではないかということを予想いたしているところでございます。  そういった中にありまして、回線容量、具体的にはこの地区で使われます基地局の周波数、これが十分かというお尋ねかというふうに存じますが、私どもとしては、結論的に申し上げますと十分であると思っておると同時に、十分になるように対応してまいりたいというふうに考えております。具体的には、この携帯電話基地局の周波数の増波の要請がありましたら迅速に対応してまいりたいというふうに思っております。  ちょっと具体的に少し数字で申し上げさせていただきますと、今、神戸の周辺のことについて直ちに申し上げる数字がありませんので、東京のことについて申し上げさせていただきまして、それから想像される私ども考え方を申し上げさせていただきたいというふうに思いますが、東京圏で現行方式で現在約二百七十万台の収容が可能でございます。ですけれども、現状の百十五万台という数字からいいますと、現行の方式でいきまして倍以上のまだ収容能力が東京ではございます。近畿管内ということで見てまいりますと、携帯電話の数が約八十一万五千ということで、この周波数、先ほどの東京の二百七十万と思い合わせて考えてみましても当面十分満たされるものというふうに思っております。  もし万が一大量に膨らむことがあった場合には、ディジタル方式の方についてでございますが、これをハーフレート化するということで、一つの周波数帯域を倍にして使うということで、加入容量を二倍にするということで対応してまいりたいというふうに考えておりまして、回線容量に不足を来すことのないように対応してまいりたいというふうに思っております。
  47. 岡利定

    ○岡利定君 ぜひともよろしくお願いいたします  最後でございますけれども、御存じのとおり、郵便局は全国すべての市町村に最も密度高く配置されておる国の機関ということでございます。今回の震災において、郵便局の役割というもの、すなわち郵便の援助物資の搬送とか貯金での義援金の引き受け、各種の非常取り扱い等々、それの対応は地域住民からも大変高く評価され、一層信頼をいただいておると思う次第でございます。  同時に、私自身現地へ行ってみましても、郵便局の方はその他の状況について非常によく状況を把握されているといいますか、あるいは情報を持っておられます。そういう意味で、災害時の情報収集機能を強化するという観点からも郵便局を地域情報基地としてもっと活用できるんじゃないかというように思う次第でございますけれども郵政省の見解をお伺いいたします。
  48. 木村強

    政府委員(木村強君) 先年今御指摘のとおり、郵便局は、国民共有の財産といたしまして全国に二万四千余の郵便局ネットワークを持っております。平素は、郵便貯金、保険で住民の皆さんの交流の場としての、あるいは最近ニューメディア機器あるいは通信衛星を使ったネットワークを装置いたしまして、郵便局に行けば最先端のニューメディアあるいは情報通信になじめる、そういった場所になりつつございます。  そういうこともございますので、今回の地震に当たりましても、例えば郵便局がそういった情報の受発信の基地として災害のときにも立派に役に立っていけるようにという使われ方も検討する必要があろうということで、今先生御指摘のように、これからの時代に向けた郵便局、こういった非常災害の場合の本当に地域の住民になじまれ、あるいは対策が打てるところといったような問題意識も持って取り組んでまいりたいと考えております。
  49. 岡利定

    ○岡利定君 ありがとうございました。
  50. 守住有信

    守住有信君 災害関係についてはお二人が相当きめ細かく御質疑、御討論がございましたので、こっちはなるべくやめてと思っておりますけれども、しかし、それにしても、ついこの間の郵政大臣の所信表明、これが中心でございますが、やっぱり前段は災害の問題、大地震の問題がございましたので、最初にこの点だけをちょっと触れさせていただきます。  思えば自然災害、津波がございますね、大津波。十勝沖あるいは三陸沖その。私ども日本列島は風水害が実は最も頻度が多い。あるいは冷夏もございましたね。大地震がありますと、これだけに目が奪われる。自然災害は多元で多様でございます。そして、その中で直下型というのは今回が人命その他最大の被害でございました。  私も実はかつて災害対策特別委員会におりまして、あれは風水害の問題でございましたけれども、まず九州から始まりまして、鹿児島、熊本、大分、福岡の南、佐賀県、大水でございましたな、低地は。それから、風雨が行って青森のリンゴその他は御記憶に新しいところと思います。  そのとき実は、これは過去の反省でございますが、災害対策、はっきり申し上げますけれども、当時は郵政省の所管はどこだったか。秘書課広報室でございました。郵政省を呼びました、NTTも呼びましたけれども、そういう時代があったわけでございます。  そこで、私はこれはいかぬ、肝心の郵政省内も縦割りになりかねぬ、各省庁の縦割りの前に。そこで、今はやっと組織改正して、官房の企画課が中心になりまして、通信放送行政があります。もう一つ郵便局、これがある。性格は違います、対応も違います、そういう形で動き出したと。そこのところに、あってはいかぬことでございますが、この阪神淡路大震災が起こった、こういう気持ちを持っておるわけでございます。  時間もございませんが、風水害とか津波とか、私は熊本でございますので、真ん前の島原の普賢岳、もう三年以上たちますが、仮設住宅にまだお住まいでございます。いろいろテレビを見ておりますと、これははっきり言いますけれども神戸の市民の方々が仮設ではどうだとか、いろいろそれは御不満もあるでしょうけれども、NHKなんかのあの普賢岳の罹災者の方の日常毎日の生活、仮設の中で三年余もでございますけれども、これも一遍見て、国民の複眼レフで見る、そしてそれぞれが自立自主で復興していく、日本国民はそういう私は精神を持っておるんだと。そのとき、あの普賢岳の後の今ですらもという状態、特別立法もありませんでした。このことも我々は、特に政府の皆さんは忘れてはいかぬ、こういうふうな思いでおるわけでございますので、前段一言申し上げた次第でございます。  さて、所信の四ページの方で、ここに大規模災害時の危機管理体制の確立と総合防災対策の実現、こういう表現が所信の中に入っております。これをどういうふうな、片りん片りんは出てまいりましたが、いろんな側面があると思いますけれども、そういうシステムあるいは構想、幾つかの例示で結構でございますから、官房長の方から御説明いただければありがたいと思います。
  51. 木村強

    政府委員(木村強君) 非常災害時の危機管理体制につきましては、大きくは二つの面があろうというふうに考えております。一つは、郵政省の各機関、各職員や電気通信事業者、放送事業者がよるべき規範、いわゆるマニュアルといったようなこと、もう一つは、ただいま御指摘のございましたような組織の面であります。  規範の面につきましては、現在私ども郵政省防災業務計画というものがございますが、今回役に立った面もあれば、やはり不備だったなという面もございます。早急により実戦的なものとなるように、今回のような大災害、本当に実際にあるというふうに想定してつくられていたかどうかという私どもも反省点がございます。早急に現在見直しを進めておるところでございます。  組織面につきましては、防災企画室ということで、他省庁と横並びから見ますと相当先取りをして、北海道の地震、今先生がおっしゃいました雲仙・普賢岳の問題等ございましたから、情報通信を持っておる役所でもございますので、それから郵便局を持っておる役所でもございますのでということで、官房の方に防災企画室というものを設置いたしましていち早く取り組み始めたところでございます。従来は、御指摘のとおり広報室で単に情報を取りまとめておったということでございまして、その点は私どもとしましても問題意識を持って取り組んでおるところでございました。そういうこともございます。したがいまして、マニュアルあるいは組織面、さらに今回の反省を踏まえまして充実してまいりたい、このように考えております。  さらに、中期的なお話でございますが、そういったいろんな議論の中で、一つには非常災害通信管理センターといったようなものの構想、それから防災無線ネットワークの構築、情報通信ネットワークの耐災害性の向上といったようなものが今まで議論した中で出てきておりますが、さらに現在電気通信局の方でも、あるいは放送行政局の方でも検討会を至急関係者ともやっていただいております。そういった中でも英知を集めまして、これからの問題に取り組む体制をつくりたいというふうに考えております。  あわせて、防災関連技術開発というものも非常に大切でございますので、こういった技術開発ということも念頭に置きながら防災対策をより強固なものにしていこうということで取り組ませていただきたいと考えております。
  52. 守住有信

    守住有信君 それから、本来は、政府として国土庁の防災局が今までは中心でございましたけれども、この異例な事態ですから、村山内閣として特別の閣僚を選任され、そして特に内閣官房、官房長官のもとに、まさしく総理直轄でございますわ、外政審議室、内政審議室、安全保障室、これは防衛でございますけれども、それができております。それと一体か別個かは知りませんけれども、やはり内政、まさしく今後の内政の重大問題。郵政省もワン・オブ・セムでございます。それぞれの特徴を持つ連携というか、これを強化する。  私なんか、人事で見ておりまして、内閣官房、外政審議室、内政審議室、安全保障室、私はそういうのに大いに新鋭なる役人諸君を派遣して人事的にも連携をする。そして、関係閣僚会議のメンバーとしても郵政大臣が絶対これにお入りになられまして、その持てる能力、分野、専門性、これを発揮するという方向へ向かってどうかひとつ、役人同士もですけれども、閣僚の一員としても官房長官とあるいは災害対策の小里大臣、鹿児島でございますけれども、先生たちと一緒になってというのが今後の長期的な仕掛け、仕組みをつくるもとではないか、こう考えておりますが、その点についてはいかがでございましょうか。
  53. 木村強

    政府委員(木村強君) 現在、政府の内部におきましても、今回の災害を踏まえまして首相官邸の情報機能の強化といった点も議論がされております。既にプロジェクトチームなども発足をしておるようでございますが、最初はやはり情報の集め方といったようなことで、防衛それから国土、消防、警察、そういったところが中心のチームができておりまして、二回ほど議論されたようでありますけれども、第三回目からは郵政省もぜひ入って、今先生御指摘のように、情報通信としての役割あるいは機能を有効に使っていく体制をつくるべきであるという主張をいたしまして、あす第三回目が開かれる、そこに郵政省も入っていただいて結構だという連絡がございました。  私どもとしましては、大臣以下協議いたしまして、電気通信局長にテレコム三局を代表して入っていただこうという体制で、官邸に対しましても郵政省としてそれなりの役割を果たしていきたいということでスタートする予定になっております。
  54. 守住有信

    守住有信君 昔と比べて非常に積極的で、政府の重要な一員として組んでやるということだと思っております。そのように頑張ってください。  それから、ちょっと現場の方を申し上げますけれども、私は災害対策特別委員会で作業服を着て自衛隊のヘリコプターに乗って九州あちこち見てまいりましたけれども、豊肥線も全部ダウンするとか、いろいろございましたが、阿蘇のヨナ泥が田んぼにある、流木はがんがんに家を壊す、そういう状況である。  そのときに、実例でございますけれども、熊本県庁に参りました。地方では県が一番。県の講堂に消防だろうと警察だろうと、自衛隊もおりますよ、ちゃんとふだんから。そうして、机を置いて、何か表示が立っておりましたけれども電話を置いてお互いも連携連絡しながら、災害対策本部が県庁の中にできるわけです。NTTは来ておりました。ただ、残念ながら郵政、電監はおらぬ。電力会社も来ております。通産省の連中も来ております。JRも来ておりました。  こういうあれでございまして、今はそういうことはないと思いますけれども、中央と同時に地方での、個々の郵便局とかその他末端ございますけれども、中間的な郵政局、電監局、これと各県、観念論、抽象論じゃなくて具体的な場の中へ、会議だけじゃない、実戦のあれですからね。災害が起こって、向こうは風水害でございましたけれども、そこに絶対参加する。県から何も言ってこぬからじゃなくて、こっちからも言うと。でないと、郵政はややもすると、今まで郵便局については必死でございますな。あるいは局員、職員の問題、家族の問題、これはあれでございますが、片やこっちの方はNTT任せ。そうして、あれだって電話柱はあのときは三千何百本か、それで可搬型無人局を福岡からヘリコプターに載せて佐賀、あの大水害でつかりましたから、水につかった交換機はだめだから、それをヘリコプターで持ってきて、それでNTT職員、何千名動員したですかな。その後も、甲突川、その他鹿児島、宮崎と水害がありましたけれども、これは鹿児島でしたものですから私は御無礼しておりましたけれどもね。  そういう過去の、昔は別として、せめて五、六年ぐらい前からの県における災害対策本部と地方郵政局、電監局との実戦的な関係を一遍お調べになって、その中間機構でのやり方を。最大が県でございますからね。警察も県警本部でしょう。消防もですよ。自衛隊も神戸なんかと比べてえらい違うものが、ふだんから共同訓練やっている。九州は、特に熊本は西部方面総監があります、第八師団長がおります。ふだんから共同訓練しておる。あるいは災害のときも真っ先に駆けつけるのは自衛隊病院です。お医者、看護婦さん、国公立病院は来ておらぬ。民間なんか、まして来ておらぬ。そういう状況でございました。  幅広く見た視点で、ひとつ地方の出先機関の管理機構、こことそれぞれの県との関係、これは大災害大震災だけでなくて、またことしか来年か再来年か、風水害は参りますよ、モンスーン地帯でございます。梅雨も近づくということも私は念頭に置きながら、そこのところをひとつチェック・アンド・チェックしていただきまして、指令を出していただきたい、これはいかがでございますか。
  55. 木村強

    政府委員(木村強君) 先生の御指摘のとおり、現地、現場に近いところほどきちっとした体制が必要だと考えますので、連係プレー等につきましてさらに検討を深めたいと思います。先生のおっしゃるように、前向きに進めたいと考えております。
  56. 守住有信

    守住有信君 それでは、所信の方へ移らせていただきまして、四ページの後段でございますけれども、ここで、「国際社会・経済の構造もアジア地域が著しい経済発展を遂げて「アジアの時代」を迎えようとしているなど」云々と、こういうのがございます。さらには後の方で、これは七ページでございますが、「二月下旬にベルギーのブラッセルで開催される「情報社会に関するG7閣僚会合」において」云々とか、いろいろ国際社会との関係、あるいはまた十二ページで、国際協調、国際協力の積極的な展開ということで、APT、AII、APECを目指してと、こういうふうな絡みも入っておりますし、さらにITUやUPUやOECDやWTO、こういう関係のことにも触れられております。  そこで、ここに入ります前に、実はこれは私の体験でございますけれども、約二年ぐらい前に共同通信の配信で、これは我が熊本の熊日新聞でございました。大きく日曜版に、「ODA、環境破壊、郵便貯金」、そうしてアフリカ、その他アジアの南であったでしょうけれども、木を切ったりして砂漠化しておる。それで、その砂漠のところに郵便貯金の総合通帳を張った写真といいますか、つくり立てた写真、こういうのが熊日新聞に出たわけでございます。そこで、私は熊日にも文句を言いましたと同時に、あのときは九州郵政局はちゃんと貯金部長、総務部長が編集局長のところに行きまして抗議を申し入れました。  私は私で、その発信元が共同通信だということを知りましたので、あのアメリカ大使館の横でございますな、編集局長を出せと。こういう性分ですから、行きましたら、編集局長は月曜日で役員会議をしておって次長さんのニュースセンター長が出て対応しましたけれども、申しわけない、チェックが不十分でございました、自分のところの前線記者がある雑誌をそのままコンパクトに載せました、こういうことでございまして、謝罪しました。それと同時に、私はそれからすぐ外務省の経済協力局長平林君のところに、あるいは大蔵の理財局長、ここにも行きました。  県紙というのは大衆紙でございますな。郵便貯金は大衆預金者です。こういうのに誤った報道でとんでもない誤解を招く。ODA、環境破壊、それは郵便貯金の金がそういうことをやっておるんだと。最近の動きもそういうのがおもしろおかしく出てくる。だから自分自身で抗議しまして、さらには郵政記者クラブに行きました。もう六時ごろになっておりました。共同のやつはおらぬかったですが、朝日、読売、産経の記者がおりましたので、このコピーを見せました。あと外務省経済協力局長と理財局長にもそういうコピーを見せました。おれは預金者の代表で文句を言いに来た、こういう論法で激しくやりました。  あのとき、熊日にも出ましたが、同時に、調べたら岐阜新聞、信濃毎日にも出ております。ところが、東海郵政局や信越郵政局に電話で指示したんだけれども、文句を言いに行っておらぬ。今この場にマスコミもおられるかもしれぬけれども、何かマスコミというとみんな正しいと。誤った記事は堂々と責任者が行ってやらにゃいかぬ。これはマスコミそのものも、これは二年前の具体例を言っておるんですよ。こんなに大きく載っておるんだ。「ODA、環境破壊、郵便貯金」、これが見出してございましたが、こういうことが今後もあるかもしれません。  まだありますよ、西日本新聞だ。あの簡易保険の養老保険、これの募集を抑制、整理し出したでしょう。運用の利回りも悪くなるし、コストの面からもね。そうしたら西日本新聞が第一面にでかでか載せた。黙っておれぬ男でございます、福岡まで行って編集局長を出せと。三人並べましてそれをやった。ただし、その後立派なのは、私がやったと言ったら、保険部長は自分でも行きました、福岡まで、西日本新聞まで。こういう正しいことはトップが、間違ったことに対してはマスコミを恐れちゃいかぬ。これだけを、横の皆さん方はどうも最前線に並んでおられますな。是々非々だ、正しい報道、こういうのを一つの今後のための御参考として、預かっておる責任者がやっぱりはっきり物を言う、行く、編集局長のところへ行くんだ、書いたやつを並べて。それだけを申し上げておきます。  さて、これは国際関連で、国際貢献でございますから、何もボランティア貯金だけではない。参考まで、御承知と思いますけれども、ODA、ODAと言うけれども、あれは二色あるんだな。無償援助、技術援助、これは税金でございまして、円借款は資金運用部。そして、参考までに申し上げますと、資金源は、厚生省は国民年金、厚生年金は使途別分類表で海外には出さぬ、国内の強制保険年金でございますということで、使途別分類表というのが十二月末、財投が決まるときにございまして、輸銀とか海外経済協力基金というのは線を引っ張っているんですよ。したがって、郵便貯金。ただし途上国ですから財投金利よりも金利を安くせいと。本当の極貧国は一%です。二%とか三%、国民所得のあれで外務省が途上国のランクを決めておるわけです。しかし、有償でございます。元金も金利も低いといえども返すんですよね。これは預金者の金ですから、お預かりしておる金ですから、預金者に金利をつけて返さなきゃいかぬ。  ところが、災害が起こりますと、ODAは減らせと。無償の方は減らぬですよね、これは税金ですから。円借款の方まで、ODAは二色あるんだ、まとめて俗称ODAと言っておると。海外技術協力の方と、それからこっちの円借款の海外経済協力基金。総裁を言いますと、こっちの無償の方は外務省がトップだ、こっちは大蔵省がトップだ、そういうふうになっております。  郵便貯金も金に色つけてみなさいよ。資金運用部一色でなくて、何か大蔵が運用部で勝手にやっておるみたいに、だから理財局長にも文句が行くんですよ。資金の使途、そして誤った報道があれば、それは大衆預金者に変な疑惑とかあれを招くんですよ。ちゃんと円借款で、有償で二十年、三十年ですよ。銀行でそういうことができますか。民営化、民営化、銀行でやればいいと。今特殊法人ばかり行きよるけれども地方公共団体ですよ。低利で二十年、三十年、簡易保険郵便貯金もね。これがもとでしょう。今は特殊法人論で何やかんや言って、特殊法人だけでなくて財投の見直しとか郵貯の何とかだとか、こういうことがあるものですから、記者の皆さんも幸いたくさんおられるから、ここで一発ぶっとかぬとこれはいかぬ、そういう思いで実は前座を申し上げたわけでございます。  前座はこれぐらいにいたしまして、具体論に入ります。  六ページの方でございますけれども、「ハード・ソフトが一体となった情報通信基盤の整備」、片仮名が多くて、アプリケーションというのもよくありませんよ。アプリケーションと書いたら括弧して利活用と書いてください。最近皆さん方が書いたのは、作文行政が多いけれども、片仮名が多い。私は、世界の技術基準の共通用語、これだけは専門用語でする。ほかの社会学的な経済的な用語は、ああいうアプリケーション、何かわからぬけれどもニューメディア何とか、マルチメディア、コンテンツ、これじゃこの逓信委員会だってそれぞれ受けるイメージが違うんだよ。だから、括弧書きして、日本はことだまの国です。それにびしゃっとだれでもが合うような言葉を括弧して漢字で入れて、これは今後全部見なさいよ。アプリケーション、コンテンツ、いろいろなものが次々に出る。  世界の共通基準、技術基準、これは世界共通でなきゃならぬ、通信は世界を結ぶわけですからわ。しかし、その他の用語は、利活用でしょう、いかにして通信の高度化、総合化、これを利用するか。いろんな世界で、各省庁もみんな取り組んでございますよ。医療と通産省は組んでいくとか、文部省もパソコンは入れたけれども学校の先生がさっぱりなんだな。それで、教員の資格制度があるから、例えばNECのプロの諸君を臨時教員にというのもできないんだよ。先生に教える、生徒に教える、ただハードばかり。何千億か文部省は予算化してパソコンをどんどん導入しています、高等学校、中学校、もうほとんど全部に。ところが、これを教える人は人間です。こういう問題も大いに郵政省から、ソフト、ソフトと言うなら、人材養成というわけでしょう。  そういうのもひとついろんな形で、マルチメディア利用はだあっとできましたな。この間も岡さんが、自民党本部で関係省庁をだあっと並べて、ぽんぽんやった。内閣官房と自治省が出ておらぬ、一番大事な自治体。あとは運輸、厚生、通産、全部来て、もらった資料は全部郵政省に送っておりますよ。よその省が何のことを考え、やっておるかということを全部オープンにしておるんですよ、私だけじゃなくてね。しかし、あのとき来ていなかったのは、ほえたでしょう、最後に。一番大事な内閣と、内閣がニューメディア推進とか、防災だけじゃありませんよ、村山内閣のもとに内閣官房が進めるんだよ。それで一番大事なのが地方自治体ですよ、県、市町村です。  この問題もありますから、一方的にアテンションを申し上げました。御注意を申し上げました。  この「ハード・ソフトが一体となった情報通信基盤の整備」をなるべくわかりやすく、いろんな側面があると思いますので、例示で結構ですから、私にもみんなにもわかるように御説明をいただきたいと思います。どちらからでも結構です。
  57. 山口憲美

    政府委員(山口憲美君) 情報通信基盤整備ということでございますが、これに当たりましては、昨年の五月に電気通信審議会から答申をいただきまして、国民の皆様方にもいろいろ力を合わせてやっていただくという意味一つの目標のようなものを定めてやっていく必要があるというふうなことで、ちょうど我が国では人口がピークとなるのが二〇一〇年でございまして、それ以後になりますと大変な状況になるということで、それまでに何とか全国整備をするようにということ、それからまた、その前の一つのステップといたしまして二〇〇〇年まで、二十一世紀の入り口までのところを先行整備期間ということに位置づけまして、ここにひとつ弾みをつけようではないかというふうなことの答申がございました。  その際に、この情報通信基盤整備ということを進めるに当たって二つの面から進めるようにと。その一つは、またちょっと横文字になって恐縮でございますが、ネットワークについての整備を進めるということ、それからもう一つは、このネットワークをどういうふうに利活用していくのか、その活用の方法、これをアプリケーションと言っておりますが、この場では利活用と言わせていただきますが、利活用方法の開発、普及、この二つを一体的に推進する必要がある、こういうふうに言われております。  この一体的という意味を少し御説明申し上げますと、答申の中では好循環という言葉で言っております。それは、要するにネットワークを引く、そうするとそれを利用する、利用するとまたネットワークをさらに引こうという意欲がわく、そういうネットワークを引くとさらにそれを利用する、こういう好循環を起こす、そういうふうな形で整備を進める必要があるというふうな解説がございまして、そういった意味合いを一体的という言葉の中に込めているということでございます。  そこで、このうちでいわゆるネットワークの加入者系の光ファイバーの整備につきましては、既に御案内のとおり、予算の中で特別融資制度の創設あるいはふるさと財団の無利子融資制度の活用というふうな形で政府も一定の役割を果たしていこうということにしておりますが、あわせて車のもう一つの輪でございます利活用方法の開発、普及につきましては、いわゆる初期段階では政府としてもみずからいろいろな施策を展開する必要があるのではないかということで、医療、福祉、教育、行政といったいわゆる公共分野につきましてその活用方法の開発、普及というふうなことを進めてまいりたいということで、いわば初期需要の喚起を図るというふうな意味合いも込めましてこの施策を進めていきたいということでございます。  幸い、昨年末の予算編成の中で、公共投資重点化枠というふうな形のものも含めまして三十億強の予算を確保いたしまして、地域・生活情報通信基盤高度化事業という形で、地方自治体と連携をとりながら、ただいまも申し上げました公共分野の利活用方法を開発するというふうな施策ができるようになっておりますので、ぜひそういった形で、先導的と言ってはちょっと言葉が過ぎますが、そういった役割を果たさせていただければというふうに思っております。  なお、こういったものを可能にするためには、さらにいわゆる基盤技術の開発というふうなことが大変重要でございます。そういった研究開発につきましても鋭意力を入れて進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  いろいろ御支援を賜れればと存じます。
  58. 守住有信

    守住有信君 その最後で出ました三十億、あれは出どころは建設国債でしょう。公共事業、建設国債。  そこで、具体例を申し上げますと、私は先週熊本へ帰っておりました。県庁の企画開発部長、これは大蔵省出身ですけれども、課長と一緒に来ました。そうして、具体例を挙げると阿蘇町と長洲町、一生懸命地方電監は努力しておりますけれども、補助対象は箱物だけ。中の機械も入っておらぬ、補助対象に。ましてソフトは。これなんですよ。企画開発部長から逆に言われた。あれは大蔵出身だから補助制度のやり方から何からよくわかっておるものだから、先生といってわざわざおれのところに来て、これはやっぱり箱物だけで、建設国債が元だから、建設国債以外の補助金じゃない。それも十分にチェックしてくれ、機械にも使えない。ましてその番組ソフト、これも対象となっていないということを聞きました。一言だけ申し上げておきます。  いろいろございますが、やっぱり過去を反省してみますと、当時の電電公社、電子交換機、ディジタル電子交換機、およそ郵政はコンピューターについて余りあれじゃなかったんだな、やっぱり通産だったなと。そしてコンピューターソフトと。我々は通信の秘密だあるいは報道は不偏不党だ、番組とかコンピューターのソフトとか、通信回線を通るわけですから、この交換機もハードだけだから、このソフトについて番組その他、CD−ROM、その他にもいろいろあるが、ところが余りあれだったのかなと。そうすると、厚生省さんとか通産省さんとこのソフトの方は著しく連携していきよるわけです。これを私は感じるんです。よくそこのところを、場合によっては通産省と組んでいいじゃないか。  昔、通産省と大げんかをした。あれは、彼らは通信はコンピューターのツールである、こういう哲学があったから、私はまなじりを決して、中曽根内閣だったけれども、次官会議を一日二回もやるわけですね。がんがんけんかしたわけです。ツールとは何だ。何遍も申し上げます、NECの小林さんが言ったようにCアンドCなんだ、アンドだ。コンピューター・アンド・コミュニケーション。近ごろはアンドCだ。コントロール、ロボット機能。近ごろはもう一つBをつけてブロードキャスティング。三CアンドBと私の哲学では言いよるわけだが、融合から統合へ、インチグレーテッドですわ、ディジタル。通信放送の融合、ディジタル化。  ずっと過去をたどっていくと、ハードについては大したものだ、電波も大したものだと思いますが、コンピューター電子交換機、そのコンピューターに何を入力し、検索し、加工し、情報にしていくかということは、私らも含めて先輩が電電公社時代は余計電電公社にお任せだったからね、我が郵政省は。  そういう反省も込めながら、今後に向かって、そういう建設国債だからこれは限界がありますよということについてもよくお調べなさっておいていただきたいと思っております。  それから、あとページを追っていきますと七ページになるけれども、既に加藤さんがおっしゃったG7閣僚会合の主要テーマ、これをめぐっての戦略的な考え方、大臣からも先ほど国際的な方向づけとか八つの原則、方向づけが大事だと。いわゆる共通の技術基準、そして途上国を含めた問題、これを念頭に置く、特にアジアその他の途上国を念頭に置く。それで民間主体。民間主体ですけれども、経営は競争原理だけれども、技術基準だけはITUを中心に、勝手にそれぞれ民間主体の特徴特徴とやると接続ができぬ、活用ができぬとなりますから、私は技術屋じゃございませんけれども、世界共通の技術基準だけはがっちりと、規制緩和と言われてもこれは違いますよ。世界の人類とコミュニケーションができるということですからね。  これだけは私は、経営は競争原理で規制緩和ですけれども、技術基準の方だけは世界共通のレベルでのもの、あるいは発展段階もあるかもしれませんが、そういう備えで、ITUはもちろんですけれども、APTとか、さらにはAPECも思いながら、アジアの中で我が日本のこの技術力がどこまで貢献できるのかということを、これは民間とも一緒になって大いに御活躍をいただきたいということを申し上げておきますけれども大臣、何かいろいろ御抱負がおありでしょうから、どうぞ。
  59. 大出俊

    国務大臣大出俊君) うっかり聞きほれていましてね、守住さん。アテンションなんて、アテンションここで申し上げておきますと言われたものですから。  今のお話は、私も部内におりました人間の一人ですから、ほとんど同じ感覚でございまして、しみじみ、国際的に標準化されたものであって、しかも通信基盤の整備についても何としても格差を埋めていく努力をしていかないといけないと。  一つ例を申し上げますと、ITUの京都会議のときにアフリカの方が発言をいたしまして、京都宣言という案文をもらっているが、この案文じゃ困るというわけです。一つここに、内海さんが当時随分苦労されてまとめておられたんですけれども、先進国というのは金があるじゃないか、人もいるじゃないか、技術もあるじゃないか、我々は生活が優先ということになる国だからなかなかそこに行けないんで、先進国が我々のところの通信格差を埋めるという意味の、あるいは縮めるという意味の骨を折るというそのことを入れてくれというわけです、決議に。ところが、なかなかほかの国はそれに同調しない。ところが、ほかのまたアフリカの国が発言を求めて、さっきアフリカから発言したのは一国で言っているんじゃないというわけです。アフリカの国々が集まって相談をした結果を言っているんだというわけです。  それを認めないというのはおかしいじゃないかということになりまして、実はバンゲマンさんなどEUの責任者が来られて話しておりましたが、今度の、つまりブリュッセル会議というのは七つの国の郵政の責任者の集まりだからほかの方はいない。いないけれども、この決め方をよほど気をつけて決めないと、これはAPECだってその後出てくる、韓国はここで発言すると言っているわけですから、ほかに通用するような決め方をしなければならないと。最大の問題は、私はそこにあると思っているんです。  したがいまして、今守住さんおっしゃっているように、通信ですから、国際的に共通のネットワークをつくっていくわけでございますから、そういう意味では私は今度の会合というのはいろんなことをそれぞれの国、あるいはEUならEUの中にもいろんなことを抱えているのはわかっていますけれども、その上に立って、かつこれから国際的に一緒になって始めるんだ、格差も埋める努力をしていくんだというふうに何としてもここで方向づけをしたい、これをやらないと成功しない、こう思っているんです。  時間が長くなりますから、それだけ申し上げておきます。
  60. 守住有信

    守住有信君 それで思い出しましたのは、かつて私が次官のとき、国際コミュニケーション会議というのを東京でやりました。特に私はアジアを重視して、うんと参加得ました。そのとき一つのあれですけれども、アーバンとルーラル、途上国も。結局電気がないんですよ。ダム、発電所、エネルギー、電気があってこそ電気通信でございます。電気がない、発電所がない、山奥ですね。そうしたら一つの発想が出まして、太陽電池を使って無線を飛ばす、具体的に言えばネパールでございます。山奥の山奥をこうこうこうと。あれをODAに入れたんですよ。そういう方式、発展段階に応じてというふうな。しかし、接続は完全にできる。  こういうふうな、一つ思い出しましたもので、私、自分のときの、こういうものから発展していくんだなと。いきなり先進国のものをそのまま持っていくんじゃなくて、その相手の国力、発展段階に応じたものでだんだんと向上していくと。しかし、通信は絶対接続ができる、こういうあれでございますので一言申し上げたわけでございます。  もう時間もございませんので一つ飛び越しまして、私はこれを読みましたら、簡保事業、簡保事業と書いてある。何で年金が入っておらぬのか。簡保・年金、一体的に。若いうちは万が一の、今、健康、年をとったら年金。ところがいつの間にか簡保。簡保・年金と、高齢化社会の中で。これが簡保事業、簡保事業といつの間にかなっちゃうから、その言葉が地方の郵便局まで伝わるとすると、そうすると重点が簡保、簡保となっていく。それで、いろいろ加入者の方に戸別訪問したりしてアプローチしているけれども、簡保にどうしてもなりがちになる。ところが、せっかく法律は一体化して簡保・年金だと。簡保の中に年金の役割は入っておりますと言ったって一般国民はわからぬですよ。これも簡保事業じゃなくて簡保・年金事業と。これは任意年金の普及軽視に通じないか。これは答弁は要りません。いいですか、保険局だ。  あと、私は、国際会議と同時にODAの中の無償と円借款。資金源は郵便貯金でございますよ。税金は一千億ぐらいだ。九千億は郵便貯金なんですよ。それを、ODAを決めるときの発言力、我が郵政省の。これをもっと、年に一回は基金の総裁のところで、あれは四省庁が決めておるんですよ。国会でもえらい憤激が起こっているんだ。それで年に一回ODAに関連する、建設省も入っていませんよ、運輸も入っておらぬですよ、郵政も入っておらぬ。年に一回ODAに何らか関係、部分でもいいから入っておる、厚生省ももちろんですよ。そういうふうな会合を年に一回やるんですよ。  私がなる前は、官房の国際協力課長がメーンテーブルに座れないんだ、横へ座っておるんだ、次官、官房長が。行って、あの金のもとは郵便貯金だと言っておれはどなってやった。  それで、電気通信は見えぬと思っておる。港湾とか鉄道とか工場開発とかダムづくりとか、こればっかりだな、大きくクローズアップは。だから、通信放送とか言いながらやったのを覚えておりますので、そういう世界にも、閣僚の中も災害だけじゃなくて、もっと日常的なこれからの将来展望を踏まえて、そこでも大いに出ていかぬとだめですよ、拒否されておるんじゃないんだから。これはトップの話。事務次官は来ておらぬけれども官房長は来ておる。代行ばっかりじゃいかぬ。事務次官そのものが、全省庁、大蔵の次官とか外務次官とかとやるんです。そういう場でございますので、私の部屋では申し上げたけれども、ここの公の場でひとつ会議録にとどめておきます。  それから、私はいずれ振替法の改正のときに詳しくは申し上げますけれども、この間、通信文化新報を見ておりましたら、郵便振替を使った義援金がもう二百億以上になっておる。振替、大衆の利用する、団体であれ個人であれ。これはわあっと思ったんですよわ。振替法に入る前座として、今相当この郵便振替を使ったあれがふえておる、う聞きますが、皆さん方お聞きですから、どういう状況ですか、災害における郵便振替利用されておるところは。
  61. 谷公士

    政府委員谷公士君) お答え申し上げます。  従来から大きな災害が発生いたしました際には、私ども国営事業の責務といたしまして、また郵便局は全国くまなく窓口を持っておりまして、国民の皆様の善意を受けやすいという立場にございますので、関係自治体でございますとかあるいは日赤、共同募金会といったところへの義援金の送料について政策的に無料として取り扱ってまいりました。  もちろん、今般の大震災につきましてもこの制度を適用いたしまして取り組んでまいりました結果、二月十五日現在でございますけれども、取扱件数は二百三十一万件、義援金の送付総額は約三百三億円になっております。大変多くの国民の皆様方にこの制度を御利用いただいて、国民の皆様の善意がこのように集められたことに対して私ども大変うれしく思っておるところでございます。
  62. 山田健一

    委員長山田健一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      —————・—————    午後一時九分開会
  63. 山田健一

    委員長山田健一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵政事業通信放送及び電波等に関する調査のうち、郵政行政基本施策に関する件及び阪神淡路大震災に関する件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  64. 及川一夫

    ○及川一夫君 兵庫県南部地震の問題につきましては、お亡くなりになられた方がトータル五千三百四十八、行方不明の方が今なおお二人おられる。負傷者の方は三万四千五百六十八。全壊、半壊、一部損壊含めて、住宅に対する被害というのは約十九万という未曾有の大被害ということになっております。国土庁の防災局が本日発表した数字にはこうなっておりまして、とりわけ犠牲になられた方々に対して心からの哀悼の意を表したいと思いますし、さらに被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。  政治の面の果たす役割というのは極めて大きいというふうに思います。それぞれの方々が同じように哀悼の意やお見舞いの言葉を述べられているわけですが、言葉だけではなしに、政治の面で、政治家として、政党として、これが言葉どおり実現できるように頑張っていかなければならないということを私はお誓いを申し上げて、以下質問に入らせていただきます。  全体的な災害の模様は今申し上げたような現状にあるようですが、とりわけ郵政事業や電気通信、そして放送事業に対する被害も所信表明で述べられております。幸いと言ったらなんですが、この被害状況から復旧に向けて、復興に向けて立ち上がっている郵政事業、そして電気通信事業、放送事業、これらに対する国民皆さんの御批判というのはあることはあるんですが、政治的な問題にしなければならないほどの御不満、御意見というのは出ていないと拝察をいたします。  ただ、震災が発生をして約一週間程度、親族の皆さん方から電話回線利用して安否を気遣う連絡をしたいということに対して、電話をかけないでほしい、もうしばらく待ってほしいというようなことに対して特に批判が出ている点は、テレビなどを拝見しながら、新聞を見ながら、何となく事情はわかっておっても、これにこたえることができないのかどうかということを私は深刻に受けとめました。しかしその後、郵政当局はもちろんのこと、NTTあるいはKDD、こういった方々あるいはNHK等が一生懸命頑張られまして復旧復興に当たられているわけであります。  したがって、私は所信表明の内容はそれなりに受けとめるんですが、実は、被災を受けられて復旧復興に当たられる社員、職員方々、大変おられると思うのであります。このことについて、別に他意はないのでしょうけれども大臣の所信表明の中になかったという点については若干残念に思っております。  特に、郵政やNTT、KDD、NHKの社員、職員の被災の状況というのは、郵政当局から逐次我々の手元にも送られてまいりました。本日現在ということを前提にして受けとめますと、職員や社員で亡くなられた方が四名、そして家族の皆さんが亡くなられたというのが百名というふうになっております。そして、重傷の方が二十一名、軽傷ということではございますがけがをされた方が百四十七名、住宅が全壊をしてしまったという方々が六百二十七戸ということで数字があらわされております。半壊、一部損壊ということで一千八百四十三戸ということになっておりまして、郵政関係者というものを見ただけでも大変な被害状況であります。  しかし、いずれにしても、復旧復興に当たっていかなければいけません。電気通信事業で見た場合でも、県外から四千名の緊急動員があったし、関西エリアだけでも三千名の動員があった。合計七千名でとりあえず復旧に当たられたというふうにお聞きいたしております。こういった方々が機材を搬入し、同時にみずからの生活は自前でもって解決をしながら復旧に当たられたという実績が残っているわけでありますから、常日ごろの災害に対する対応というものについて、訓練ないしはさまざまな対策というものを立てておかないとできることではなかったのではないかと思います。  そういう意味では、郵政当局を初めとして、リーダー、責任者の方々が今回万全の体制をとられたということについては大変うれしく思うのでありますが、これからなお三月までの時点を考えても、電気通信だけでも二万名を要する動員をして復興に当たられる、こういう状況にありますので、みずからの問題をなげうってとにかくここに当たるということでありますので、郵政大臣、こういうことに対する激励というか、そういう意味合いの回答をひとつお受けしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  65. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 私も二十一日に参りまして、神戸港から入ってまいりましたが、いきなりNTT神戸支社でございますか、あれだけ立派な建物の入口のところが大きく陥没していまして、上のマイクロですか、パラボラアンテナが幾つかある塔が傾いておりました。警察の方が私の周辺にもついておりましたから、危険区域で立入禁止ですというわけで、支店長さんとここでしばらく話をしたんです。しかし、明かりがついていまして、機械の保守その他いろいろあるものですから、それなりに人は入っているわけでございますけれども、しかしそういう非常に苦しい状態の中で業務をやっていると、そういう状況でございました。  神戸中央郵便局の方に参りましたら、エレベーターは動かない、便所はない、飲料水はないという中で、三階の郵便の職場、局長さんの話によると、十七日当日、七百名近い定数のうちでたどり着いてやっと局に出てきたのが二十名ということでございまして、六百九十九名ぐらいの中で二十名。二日目は四十名ちょっと、四十一名。私が行ったときに六割というふうなことでございました。  私も郵便屋でございますから、郵便の職場を歩いて話もしたんですが、お父さんを亡くした方が一生懸命仕事をしている、区分棚をこっちへ寄せまして。そこはもう崩れている。そういう中で、窓はほとんど落ちてしまっている、シートを張って、こういう状況で、お父さんを亡くした方、家族を亡くした方、家が全壊した方、半壊した方などなど何人もおりました。  とっさにどのくらいの仮設を建てれば県内の皆さんの収容ができるかと。実は大阪で十五カ所、神戸で十三カ所、郵政省土地を全部出してくれということで、現地に行って記者会見でもその話をいたしまして、うちだけでなくて、できるだけ仮設をつくる土地を省にあるものは全部出すということで物を言ったわけでありますが、二百つくればうちの皆さんは何とかなるだろう、百六十ぐらいのようでありますが、今その方向で既設の住宅と合わせてやっているという状況でございます。  今、及川さんトータルでお話しになりましたが、郵政の方の職員は死亡が一名、これはゆうメイトの方が入っておりませんが、ゆうメイトの方で亡くなられた方がもう二名おいでになるはずであります。重傷が十一名、軽傷が四十六名、家族死亡の職員が二十五名、職員の住宅全壊が三百七十六戸ございます。これは郵政だけてあります。同半壊が三百六十戸ございます。非常に大きな被害でございます。  二番目に、NHKの職員でございますが、私もNHKのところを通っていろいろ様子を聞きましたが、中はめちゃくちゃでございました。NHKの職員については死亡一名、重傷六名、軽傷七名、職員の家族の死亡六名、重傷二十三名、軽傷八名、職員の住宅全壊十二戸、一部損壊七十三戸。  三番目、NTTでございますが、NTTは死亡が二名、職員でございます。負傷が百二十七名、職員の家族の死亡が百十一名、非常に多いのでございます。負傷が二百三十九名、職員の住宅の全半壊が千百三十八戸。非常な被害でございます。  四番目、KDDでございますが、死亡した方は幸いございません。負傷が一名、職員の家族の死亡が一名、負傷が三名、職員住宅の全半壊が十二戸。  それぞれこれは宿舎の貸与、仮設住宅建設、保健衛生対策ということですぐ手を打ってきているところでございます。  郵政省などの関係職員被害状況は以上のようでございますが、みずからも被災者で、家族を亡くしたり自宅の復旧等に苦労している方々がたくさんおられるんですが、そのような状況の中でも業務運行に懸命に努力をしておられる。何とも実は言いようのない気持ちに当時なりましたが、心から感謝を申し上げ、かつ御慰労申し上げたいと思っているところでございます。  私は、職員方々に対して今後ともできる限りの努力を、住宅の建設あるいは修理、いろんなことございますが、やってまいりたいと思っているところでございます。  また、今般の阪神・淡路大地震がもたらした甚大な被害と犠牲につきましては、貴重な教訓として電気通信行政、郵政事業各般における大規模災害時の危機管理体制の確立、防災関連の技術開発など、総合的な防災対策の実現に万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。
  66. 及川一夫

    ○及川一夫君 ありがとうございました。  それで、私は一つ提案したいというふうに思っているんですが、電気通信事業にかかわらず郵政事業でもそうだと思うんですけれども、緊急事態時の電気通信取り扱いの仕方とか、郵便小包にしろ、はがきにしろ、為替にしろ、扱い方というのは必ずしも周知されていないんですよ。事態が起きてから、こうします、ああします、こうしてくださいということなんですよ。これではいけないなと。  例えば、電気通信で言えば番号案内簿というのがある。その中にNTT側からお知らせ、周知しておかなけりゃならぬというページがありまして、そこにいろいろ書いてあるわけですよ。  だから、ふくそうのような問題なんかは、緊急事態が起きたと、災害が起きたら直接電話をかけるよりはむしろ罹災された方々が親戚の方に連絡をして、そこを基点にして親戚じゅうに連絡をして無事だと、あるいはけがをしたという連絡をし合うということが一番有効な使い方だということを報道でやるんですが、罹災された方々はテレビもないし、ラジオだって一体どの程度持っているかということになりますと、なかなか周知が難しいんですね。  したがって、私は、ああいう番号簿のそういう周知欄にそういう事態の場合にはこうした方がいいということ。その対応の仕方についても、今回も公衆電話をあるいは移動体交換機を持っていって無料で使っていただいた。三十万、四十万という数にわたる電話機を置いてやっているわけですから、それを無料利用してもらって連絡してもらう。とにかく早く知りたいということがそのときの課題なんでしょうから、郵便にしても何でも、私は周知方法というものを考えていただいて、ぜひ周知方法をひとつ工夫していただくように御検討をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、災害の問題でもう一つ申し上げておきたいのは、自治体の防災に係る通信手段の問題として、兵庫県庁の場合にはあることはあったけれども、いわば地震によって電池の冷却用の水が途中で切れてしまって二時間しか電池がもたなかった。そのために周知できなかったということが新聞紙上で知らされているわけです。これには郵政省関係しなかったと、そういうものに対しては別に監督官庁でも何でもありませんから当然のことだと思うんですが、しかし郵政省ではどなたかここに一人出向されているんじゃないでしょうか。というふうに僕はお聞きしているんですよ。  だから、そういうこともあるとするならば、やはり防災用の通信連絡手段については郵政省がそれこそ音頭をとって完璧なものにし合う。設備をするにしてもかくかくしかじかの条件をしておかないと強い地震には耐えられないとか、そういう立場で指導されるべきじゃないかというふうに思いますが、郵政省は何か今お考え持っておられますか。
  67. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 先生おっしゃいますように、兵庫県のいわゆる県の自治体防災無線というのは衛星を使いました仕組みで百六十三のポイントと結んでおりました。お話ございましたように、五つの地球局にふぐあいを生じたのでございますが、そのうちまさにセンター局になる県庁の方、ここにおきまして停電になりましたものですから、電力の補給ということになってまいりましたときに自家発電の装置の冷却水の部分が破損したということで、この破損のために六時間後に電力が供給されるまでストップになったということで、まことに残念な状況がございました。  今後のことということで、この教訓は幾つかのことを含んでいると思うんですが、衛星を使った県の自治体防災無線ネットワークというのは今全国の都道府県で二十カ所になっています。そういう意味では兵庫県も一生懸命取り組んでいたものというふうに思っておりますが、そもそもそういう建物全体に行き渡るような格好の自家発電の電源でいいのか専用の電源でなければだめなのかというようなことも含めまして、私ども検討してまいらなければならないというふうに思っております。  幸い一月の末でNTTを中心とする復旧作業がひとまず終わりまして、電気通信については次のステップに入るというきっかけをとらえまして、二月八日に大地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会というのを開始いたしました。この中で、今先生からお話のありました消防でありますとか国土庁でありますとか警察、関係省庁の方にも入っていただきまして、今その検討を進めつっあるところでございます。そういった意味で、無線局の適切なあり方というようなものはどういったものであればいいのかというようなことを含めまして関係機関とも相談しながら検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
  68. 及川一夫

    ○及川一夫君 危機管理の問題は大変政治の場でも問題になっているんですが、村山総理だけの責任がどうかという問題もありますが、幸い通産大臣の橋本龍太郎さんが、むしろ歴代内閣の責任の方が強いという意味合いの発言をされて村山総理を支えてくれたり、これはひとり村山総理の問題ではない、やはり危機管理というのは情報なくして管理するというのは問題なんだから、システムそのものがよかれと思って今日おったけれどもそれが効果を上げなかったということ自体が問題だという御発言などがありますので、それなりに我々も感謝をしながら理解をしているつもりです。いずれにしても、できてしまって結果が悪ければやっぱり危機管理の責任が問われるということはごく当たり前でございますから、どなたがなっても出てくる問題だということを考えて、今局長が言われたような意味で万全を尽くしていただきたいということを申し上げておきます。  それでは、次に移りたいと思います。  まず、情報社会に関するG7閣僚会合というものが開かれる。大臣も御出席になられるということを私ども聞いております。  問題は、僕は英文の訳し違いかと思っていたんですけれども、決してそうではないようですね。つまり、国際会議にしろ何にしろ開かれる場合には会議という言葉を我々はよく聞くわけです、何々会議。今度の場合は会合になっているんで、これはミスプリじゃないかと思ったんですが、そうじゃなかった。そうすると、会議と会合という意味日本語的に受けとめると、会合というのは極めて軽いものですな。会って話をする程度のものにしか受けとめられない。会議ということになれば何かまとめをするというふうに受けとめますと、今回のこのG7の会合というのは一体どういう性格のものなのかということをどうしても聞きたいんですが、御存じなら説明してもらいたい、こう思うんです。
  69. 楠田修司

    説明員(楠田修司君) 今回のG7の閣僚会合でございますが、これは環境、雇用、開発等の地球的な規模の諸問題を解決するということで、それには世界的な情報通信基盤の整備が必要だということで、先年の七月、ナポリ・サミットにおきまして合意されて、今回、関係閣僚が集まるということになったわけであります。  会合と会議ということを先生おっしゃいましたわけですが、これは例えば条約とかそういうふうなものに基づくようなもちろん会議ではございません。ただ、この会合では、規制の枠組みであるとか競争政策、あるいは将来の情報インフラをどうするか、あるいはそれの社会に対する影響をどう考えるかというような非常に重要な問題が討議される。それと同時に、幾つかのアプリケーションの共同プロジェクトというものをやっていこう、それを合意して将来やっていって世界に対してメッセージを発しようという会議でございます。  したがいまして、会議の内容そのものは、コンセンサスによっていろんなことが決められるわけでありますけれども、内容そのものは非常に重要だというふうに我々はとらえておるところでございます。
  70. 及川一夫

    ○及川一夫君 会議の性格は何かということをお聞きしたかったんで、それは、重要な意味を持たない会合にしろ会議というのはありませんわな。当然重要なことが論議されるんだろうと思うんですが、会議であるべきだ、こう思っている我々の常識論からいうと、会合という言葉を使われると一体何だろうなというふうに思ったわけです。したがって、それが会合として一つのまとめをして世界内外に何か発表するようなことがあるのかないのかということが気になるものですからお聞きしたわけでして、したがって会議として成果を上げたことが内外にはどんな形にしろ発表されるというふうに考えますと、我々も重視をしているということを申し上げておきたいと思います。  それで、郵政大臣としてのお考えや、日本としての、我が国としてのアピールをするということになっていることに対して午前中に自民党の先生方から御質問がありました。大臣から答えがありました。それを超えて何か引き出そうとしてみてもむだなことだと思いますから、それ以上追及はしないということにしたいというふうに思います。  ただ、このサミットに向かって、一月二十三日にそれぞれ提言が発表されたという記事がございます。そして見出しは、「来月の「情報サミット」  郵政・通産が主導権争い」、こういう見出しに実はなっているわけです。  我々は、違いがややあることはわかっているんですけれども、そんなことでは情報産業全体に対応することはできない、だから、それこそ総理がキャップになってでも一つのものでもって論議をすべきだという意味合いでいろいろ御注文申し上げてきた経過があるし、ましてや、国際会議に行って同じ内閣の通産大臣と郵政大臣が相争っているということになると世界各国に与えるイメージは大変なマイナスになるし、一本化されているかいないかによって国際電気通信市場におけるいわば一つのポストを占めることができるかどうかという問題にもつながっていくだけに非常に気になるんです。  気になるんですが、記事全体を見ると、どうも郵政省の場合には相互接続性と相互運用性の確保、オープン性の確保、このことを言われている。通産省の場合にはオープンなインターフェースの重要性ということを唱え、相互運用性の確保と。このインターフェースという言葉を使うか使わないか、それを意識してやるかやらないかということの違いだけであって、あとは規制緩和の問題を取り上げる。情報化社会を迎えることに対する警告としては、知的所有権の保護の問題であるとかプライバシーの保護の問題であるとか、要するに同じなんですよ。  そうすると、インターフェースの重要性を強調するか、それを取り上げていないかのように見える郵政省との違いということの意味しかないんですが、じゃ、そのインターフェースの重要性とは何だということを私なりに解釈をしたり、またちょっと調べてみますと、人間と機械のかかわりということを重視する、そういう問題を提言していくというふうに通産省は言っていることに実はなってくるんです。  これは今までも、機械に人間が使われるか、人間が機械を使うのか、このことは我々生きた人間にとっては極めて重要な分かれ目であるということで、合理化問題が論じられたり技術革新という問題が論じられてきているという経過があります。だから、通産省の言うことももっともだし、だからといって郵政省はそのことを無視して、いや違うんだ、いや違うんだと強調することもないじゃないかということになると、一体どこがどう違うんだというふうに僕自身が迷ってしまうわけです。  したがって、郵政大臣大出さんですからそんな変なことをするわけはないので、やっぱり国益のためには、国際関係は特に協調し合って意見を一致させてやっていかなきゃならぬという点を私は申し上げておきたいんですが、いかがですか。
  71. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 御心配いただいているわけでございますけれども、私の立場で申し上げますが、お隣の国に行っても、日本では郵政と通産の関係はどうですかなんて質問がこの間韓国に行ったら出てきましたが、どうしてもかみ合う分野があるんですよ。あると、所管がそういうことですからそれを強調すると、かみ合う分野でぶつかったような形になるという否定のしようのないものがある、確かに。だけれども、私は橋本龍太郎君とも話しているんだけれども、この際協調し合わなきゃ何事もできないし、前に進まない。十年おくれていると言われているけれども、私はそう思っていないけれども、慌ててはいないけれども、とにかく急がなければならない日本の立場からすると、うちの中でぶつかり合うなんてことは御免こうむりたい。橋本君と私の間はそういうことで割り切っていこうということ。だから、この間の何とか無利子融資でいこうというあのときも、通産は決して私どもに邪魔はしない、やっぱり共同して進んでいこうということであの予算、大蔵省から何とかしようというとき一緒にやってきたつもりです。だから、そういう意味で今のところ私はそこは割り切って、協力できるものは協力して全体としていい方向に進めよう、こういうことなんです。  プロジェクトが十一ありまして、予測されるのが。グローバルインベントリー、つまり明細な目録などを検索できるように各国間でしょうと。日本はこういうことをやっている、フランスはこういうことをやっている、ドイツはこういうことをやっているというやつを国際的にインプットしておきまして、それを各国がそれぞれ検索して、ああ、日本はこうやっているんだなということにしようというプロジェクトが一つある。ここらは郵政がやらなきゃまずいんですよ。  それから二番目に、テストベッドの相互接続、最後にお話がありましたがB−ISDN、今、京阪奈で実験やっていますね。これ日本だけじゃない。アメリカもやっていればほかもやっているわけですけれども、そこらのところ、これもやっぱり郵政が担当しなきゃならぬ分野は明確なんですね。  これ、一つふえて十一になっているんですが、ここでいうと九ですから十になりますが、十の中小企業ネットワーク、EDIなんてことになってきますと、これは通産が出てくれぬと困る。  そういうところをきちっと分け合いまして、まさに最初から最後まで協力していくということでいきたい、こう思っています。
  72. 及川一夫

    ○及川一夫君 御期待申し上げます。ぜひ成果を上げていただきたいと思います。  次の問題に移りたいと思いますが、次は、所信表明の中で世界的な情報通信基盤の構築問題に一定の役割、貢献をしたいということが強調されております。結構だと思います。  問題は、一体これをどう認識するかという問題でまずお尋ねをしておきたいのと、では、そういう世界への貢献あるいは役割を果たすに当たって国内の体制は現状で十分かどうかという問題が僕はあるというふうに思っているわけです。  つまり、世界的に情報通信基盤の構築をしてい。くという問題では、一つには情報通信基盤のネットワークをつくるということ。さらには、今後の世界の経済を考えると情報が大きなキーポイントを握っている。したがって、情報に対してそれぞれの国がいかに主導権を握るかという問題が二つ目。それから、電気通信事業はもとよりなんですが、世界的に情報通信ということになれば、なおのこと自由化という問題が三つ目の課題になっている。そして、結果として競争の激化という問題がかかわってくるんだという認識に立って、世界のそういった動きに対して一定の役割と貢献を果たしていくという意味だというふうに私は認識をしたいと思っているわけです。  そういう認識に立ちますと、従来、どちらかというと電気通信問題というのはほかの国々を見ると国営事業というのが非常に多いわけです。そうして、アメリカを初めとして、我が国あるいはカナダというあたりが民営化されておる。そして、続いてイギリスが参加をしてきた。こういう状況にあって、衛星関係の中ではイギリスがもう民営化されているという問題も含めまして、いかに通信の自由化を図るかということが大きな課題であり、そして情報産業という問題が出てくる兼ね合いの中で、なおのことそれが拍車をかけているという現状にあるんですね。  したがって、自由化というのはもうこれからの避けては通れない問題だというふうに認識をする。そういうふうに考えて、競争が激化するその競争に対してどう対応するかというときに、我が国の体制は現状でいいんだろうか。ずばり言わせてもらえば、国内、国際に分かれた通信事業というエリアをつくりながら対応しているけれども、これでいいのかどうかということが私は議論されなければならない状況に来ているのではないかというふうに思っております。  ちなみに、どれをどうするということじゃなしに、AT&TとかBTとか、あるいはドイツ、フランス、韓国、シンガポール、マレーシア、こういった国々の電気通信事業の資本金なりあるいは収支状況、さらには企業規模をあらわす職員数、社員数というものを比較していきますと、NTTかなりの順位に入っているんだが、KDDの場合には、国際関係ですから当たり前と言えば当たり前なんですが、必ずしも世界に君臨できるような意味での企業規模というものにはなっていない。  こういうことでもって、しかし我が国における役割は国際関係はKDDになっている。国内はNTTになっている。NTTは国際関係に手を出すチャンスだと思っても、あるいは出さなければならないんじゃないのと思っていてもできないわけですね。KDDも当然国際関係ですからどんどんそれなりにやってはいるんですが、しかしある一定の役割というものは制限があるということになりまして、KDD、NTT間でも本当に歯がゆい思いをしているというのが私はあるのではないかというふうに思えてならないんです。  こういう状況において、世界の自由化とか国際競争が激化をするという問題に対応するには、ちょっと我々から考えて問題があり過ぎるなという感覚で受けとめているんですが、郵政省はいかがでしょうか。
  73. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) ただいま先生からお話ありましたとおり、今や情報通信産業がとりわけ先進国におきまして産業の真ん中に座るようになってきたという意味で、この情報通信の基盤あるいは情報通信産業をどのように育てていくかというのは、その国の産業競争力あるいはその国の社会福祉政策的な意味も持って大変重要な役割になっているというのは先生おっしゃるとおりでございます。そういう意味で、私どもネットワークインフラの構築ということで、加入者系の光ファイバーの整備をするということでありますとか、あるいはアプリケーション、利用技術の開発というような観点、あるいはデータベース、あわせましてそれにかかわるような社会的な諸制度を含めて見直していくというのが情報通信基盤整備であるという認識のもとに立って政策展開を図りつつあるところでございます。もちろん、そういう考え方で国際的にも貢献してまいる、こういうふうに考えております。  ところで、今先生御指摘の自由化政策ということにつきまして申し上げさせていただきたいというふうに思います。  昨今の国の自由化政策というのを何で物をはかるかというと、端的に言いますと、制度、枠組みから申し上げますと、競争政策の枠組みがどうなっているか、どれだけ競争政策が取り入れられているかというのが物の考え方ではなかろうかというふうに思っております。  一つの例を挙げますと、OECDが出したいわゆる自由化白書というか自由化の物差し、評価がございます。その中では、制度、枠組みという観点からは日本、アメリカというところは大変高い評価を受けているという事実がございます。  そういった中におきまして、今国際的に活動することについてどうかということでありますが、日本の具体的な法律、制度を申し上げますと、一般的な通信事業者、これは国際をやる事業者が国内をやろうが、逆の場合も全くそこは自由というか、競争でございまして問題はございません。ただ、日本の国におきましては、NTT法あるいはKDD法ということで、それぞれ組織法の中で、NTTにあっては国内電気通信、KDDは国際電気通信、こう分かれております。ただ、それぞれの事業体、KDD、NTTが海外で活動することについては何ら法律的な制限はございません。  現実に幾つかの例を申し上げますと、例えばKDDがロシアの極東の地域においてボストークテレコムというようなことでロシア側の事業体と出資をして通信事業をやるというようなこともやっております。それから、最近の例で申し上げますと、NTTでございますが、アメリカのセルラーの会社に出資をしてネクステルという会社と一緒に仕事をするとか、あるいはタイのTT&Tというところと一緒になりまして回線の設定をし、市内網の構築をするというようなことをやっている。これはもう先生御存じのことばかりかと思います。  ただ、私ども、一九八五年、昭和六十年に電気通信の自由化、いわゆる競争政策を入れました。電電公社という独占、KDDという独占、これを解いたという形で競争政策に入りました。それまでのこと、あるいはそれ以降のことも振り返って考えますと、日本の国は独占でほぼ百年間やってきたというようなことから、通信のシステムそのものが海外に行って使えるような、海外に売り込めるような、そういうサービスというのは極めて少ないというのが現実ではなかろうかというふうに思っております。  現在では、例えばPHSのような仕組みが出てまいりまして、一部アメリカで開発したものもありますが、これはディジタル化の仕組みでありまして海外にも出せるシステムだということで、今産業界と一緒になりまして、例えばGIIの一つの地域という意味でアジアのインフォメーション・インフラストラクチャー、これに貢献したいというようなことでアジアの諸国においてセミナーをやる等々のことをやっているところでございます。そういった意味では、やはり長い間独占であったということがかなり影響しているのではないだろうか。  具体的な数字を挙げて申し上げることはただいま私資料を持ち合わせておりませんが、例えば海外に出ているということでもアメリカは非常に多いです。イギリスもケーブル・アンド・ワイヤレス、BTというようなところが出てくる。しかし、ドイツ、フランスというようなところはほぼ独占状態でございますので、これも余り外には出ていないというようなことから言いますと、やはり独占で来ているというところに海外での展開が遅くなっているというところがあるのではなかろうかというふうに考えております。  ただ、先生おっしゃいますとおりに、さらに競争を進めて国際競争力もつけていくというような観点からは私ども幾つかのことをやはり検討していかなければならない。今のグローバル化というような中で検討していかなければならない。言ってみますと、競争を促進するというような観点で考えていかなければならないというふうに思っております。  そういった現下の世界的な変化、そういうものを受けとめまして、我が国の情報産業の国際競争力を真に高めること、これにつながるのがどういう政策であるかということで、私どもとしては、今先生が御指摘になったような、国際と国内がKDD、NTTに分かれているということにつきましても検討課題として考えていかなければならないというふうには思っております。
  74. 及川一夫

    ○及川一夫君 電通局長は能弁だから答弁が大分長いんだけれどもね。  幾つかの問題、僕はやっぱり議論をもっと深めなきゃならぬ問題を今感じました。今ごろになって独占が長かったなんというのはおかしいじゃないの、私から言わせれば。なぜかと言うたら、独占が長いのはヨーロッパの方が長いですよ、今もって独占なんだから。そういう世界の一つ一つが今自由化に向かって動こうとしているわけでしょう。しかし、我々は、今独占というのをやめて自由化になっているわけでしょう。しかし、法的には一定の縄張りというものがあって役割任務が決められている。法的規制はあるんですよ、どう見たって。僕から言えば運営自体にだって法的規制がありますよ、あなたはないと言うかもしらぬけれども。だから、郵政大臣、これは非常に時間をかけて論議をしなきゃならぬ問題ですよ。  いずれにしても、電気通信事業や情報通信というのは自由化の時代にもう入ってきているわけですから、体制の違いというのは、体制が違った方がやりやすい、いいと言うならそれでいいんですよ。しかし、世界各国を見れば、国内と国際が一緒になってやっているという状況から見れば果たしてこれでいいのかということについては、最後のくだりでは検討しなきゃならぬと言っているから、それはそれなりに受けとめますけれども、僕は相当大きな問題として本当に突っ込んだ論議をしなければいけないという認識だけを申し上げて、次の議題に移らせてもらいます。後でまとめてやってください。  四番目の問題として言っておきたいのは、これは非常に重要じゃないかなと思うんですが、NHKの中長期経営方針というのがありましたね。そして、それは郵政省の恐らく事前の了解をいただいて、直すところは直しているんだろうと思います、しかし、所信表明ではディジタル化ということを明確に言いました。ハイビジョンという言葉は一つもない。  ハイビジョンというのは、僕らから言えば技術的にはアナログを追求して、基づいてやっている、こう受けとめて、一年前に江川局長のディジタル発言でもってわあっとなったという経緯があるわけですな。そのときの問題点は何だったのかということを頭に入れると、この長期経営方針というものが、当初は十二年後にディジタル化ということをNHKは描いておった。それが事前のいろんな論議の中で八年というふうに変わっている。四年短縮、こうなっております。つまり、郵政省の江川局長の御意見によれば早く早くディジタル化と言っているわけでしょう。僕らもディジタル化の時代だから早くした方がいいと思っていますよ。  しかし、これまでアナログでやってきたハイビジョンの関係からいうと、やはり商業ベースというわけしゃないが、投資した元は取らなきゃいかぬというのはごく当たり前と。政府だってNHKだって、それから通信機構だって合わせて七百九十一億円の投資をしているんですよ、ハイビジョンに対して。これを一体民間ベースでいうならどうやってペイさせてもらうのかということは現実の問題として課題になるだろうと思うんですね。このほかに民間の皆さんがハイビジョンのために投資をしているわけです。だから、あれほど僕はもめたんだと思うんですよ。十二年を八年にして、四年間短縮したからいいというものではないという認識に立っておりまして、この辺の課題に対して郵政省として一体どうこたえていくのかということは何かあるんだろうな、そういうものがあって所信表明の中でディジタル化ということをさっと言ったというふうに僕は受けとめるんですよ。  それがNHKのこれからの事業運営にどう響くのかどうか。同時にまた、経営委員会などで一たんは了解されたものが修正されたという経過があるようですからね、断定的には言いませんが。そういうことを含めて、ディジタル化とアナログハイビジョンという問題が絡んだ問題についてはもう一つ気持ちを合わせて、何年でもいいからこれが我が国の行く方針だというやつを僕は一致させてほしいという気持ちがしてならないんですよ。これはNHKの問題が出たときにまた論議になるでしょうが、一応今日の段階ではそれだけ意見表明をしておいて、お聞きをしておきたいというふうに思います。
  75. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) ハイビジョンの将来とディジタル化という問題につきましては、現在で申し上げますと、NHKそれから民間放送事業者、あるいはメーカー、学者さん、それからユーザーの方々、そういう方々でそれぞれの立場から現在必ずしも一致したスケジュールのようなもので合意を得ているという段階ではないというのは確かなことだと思います。  ただ、そういうことですが、諸外国のディジタル化の動きというのは大変急速でございまして、そういう進捗状況を見れば見るほど我が国も一刻も早くディジタル化の推進について関係者が一致した意識のもとに一定の目標、プログラム、スケジュールをつくって取り組むことが必要だと考えております。  そういう意味で、現在、郵政省においてディジタル放送の導入時期を含めた放送全体のディジタル化の将来展望について、NHKの会長も参加している会合でございますが、マルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会というものを開いていただいておりまして、その検討をいただいているところです。  関係者の意見の一致を得たい、そういう中で考えておりまして、まさに先生おっしゃいますように、各界の人たちの一致した見解、意識でディジタル化に取り組んでいけるようにしたい、そう考えているところでございます。
  76. 及川一夫

    ○及川一夫君 郵政大臣にちょっと。
  77. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 御指名でございますので簡単に申し上げますが、さっきの、ブラッセルでG7の各国から代表が集まって相談をする、その準備をいろいろ九月に京都でやりました。昨年九月にやりましたITU大会以来いろんなことがあるのでありますが、私が受けている、あるいは調べている限りで言えば、京都のITU大会にはカルパンティエ、つまりEUのバンゲマンのすぐ下の御大がお見えになった。これはフランスですよ。フランステレコムというのは独占なんですよ、完全な。つい二、三日前に御大が参りましたけれども、バンゲマンというのはドイツなんですよ。ドイツ・ブンデスポスト・テレコムという名前で来た。  実は、十二月十五日発行の本を読んでいたら、ブンデスポスト・テレコムになっているんですよ。完全なこれは独占なんです。一月一日に名称を変更して、ブンデスポストをとりましてドイツテレコムになった。それで民営というんですよ。民営といったって株は全部政府が持っているんだから、ちっとも形態は変わっていない。これも独占なんですよ。片一方のカルパンティェはフランスで、自分の国は独占なんですよ。片一方のバンゲマンはEUの御大だけれども、一番上の方だけれども、この方はドイツ出身で、御出身のところはいまだに独占なんですよ。三年先なんですよ、独占を解除しようというのは。  だから、ITUの京都会議でもカルパンティェさんがまず第一に挙げたのは、規制緩和規制緩和と言うけれどもどこまでが規制緩和なんだ、五十人集まった大臣に端から答えてくれと、こう言うわけですよ。そこから先は言わないんですよ。ずるさがあるんですね、自分の国の状況がそうだから。  これはいろいろそういう悩みがあるんだけれども、しかしEU全体としては競争原理を導入して、民間が中心にならなきゃ進まないんだから規制緩和でいこうということを決めたわけです。バンデマン・レポートというのはそうなっている。これはいろんなことがあるけれども、信用していかないとしょうがないと思うんですよ、僕は。  そうすると、じゃ、うちの国内はどうかと。今局長から、そういうことだから、独占だから出ていかないと言ったけれども、出ていかないんじゃないんですよ。このフランステレコムというのとドイッチェ・ブンデスポスト・テレコムというのは、二つでベルギーのブラッセルに共同、連合で大きな企業をつくったんですよ。だからベルギーなんか大騒ぎになっているんです、今。そういう今状況なんです。どんどん変化はするんですね。  そういう中で、英国だってマーキュリーがあるでしょう。ブリティッシュテレコムに対してマーキュリーができて、マーキュリーはあんなに大きくなったでしょう。そこヘナイネックスが入っていって、USウェストが入っていって、どんどんCATVをやって、電話をやっておるわけでしょう。そういう状況なんですから、日本もそこらの状況をきちっととらえてどうするか、結論は言いませんが、どうするかいうことを決めなきゃいけない。  それからもう一つ、今のハイビジョンですが、去年の三月にゼネラル・インスツルメント、GI、アメリカの大企業ですが、これとマサチューセッツ工科大学、連合でずっと共同研究をやってきて、オールディジタルによる世界初のハイディフィニションテレビ、向こうは欧州もアメリカも絶対にハイビジョンと言わないんですから、ハイディフィニションテレビなんですね。これの研究開発に成功して、この前カーターさんが来たときに聞いてみたら、カーター前大統領は、今度アメリカでやるスポーツのイベント、このときにアメリカ国内全部に初実験放送をやるというんですよ。  そうすると、日本の場合には、ここで画像を圧縮して、こっちで複合して、真ん中をつないで、アナログで、だからBSチューナーで見えるわけですけれども、これは売れている受像機が四万ぐらいに今なっていますが、こんなことじゃ回収できないんですよ、物の本によると一兆円ぐらいかかっているんですから。国会に報告している以上にかかっているんですから、NHKだって。そうすると、これをどうやれば回収できるかという大きな問題があるんだから、これも結論はまだ先でいいけれども、アメリカのねらいは何かといったら、今一番オリンピックに、アメリカじゅうに流すんですから、試験放送やろうというんですから、アトランタ・オリンピックに。  そうすると、一番最大の問題は、日本はハイビジョンなんだから、アメリカは実験に成功したんだから、知的所有権をきちっと確立して、日本がハイビジョンを変えてこっちに行くといったって認めないぞと。欧州もそういうことで、この間統合して資金分配でぶち割れているけれども、またまとまりますよ。こうなると、両方ともハイディフィニションでオールディジタルですよ。  そうすると、そのことを、時間的に八年なんかといって短縮した、一体それだけで足りるのかといったら、確かにおっしゃるとおりなんです。だから、やっぱりそこまで踏み込んだ議論をしないと、メーカーも含めて議論しないと大変国益を誤るということになる、そう思っています。
  78. 三重野栄子

    三重野栄子君 まず、特殊法人の改革に関連をいたしまして質問をいたします。  行政改革、特に特殊法人の改革は積極的に進めていくことが社会党の総意であります。しかしながら、特殊法人改革との関連で財投資金全体まで論じられ、財投入り口論と称して郵便貯金事業の今後のあり方の検討の必要性についてまで言及されていることは適切を欠いているのではないかと思っております。私は、郵便貯金事業が生活者個人のための国営、非営利の貯金金融機関として全国あまねく公平にサービス提供し、国民の経済生活の安定、福祉の増進に重要な役割を果たしていくものという視点から、以下質問をさせていただきます。  まず、民間銀行は、現在東京協和の問題も起こっていますけれども、金融自由化によって懸賞つき定期預金など新しい商品を開発しながら大変人気を呼んでいます。一方、郵便貯金は、例えば通常貯金の金利決定には大蔵省との協議が必要であります。また、定額貯金についても、一時言われたような民間銀行に対する優位性はもはや存在をしなくなったと言うと言い過ぎかもわかりませんけれども、以前ほどではないというふうに思っておりますが、そういう状況の中で、いわゆる規制金利時代における郵便貯金が果たした先導的役割についてお尋ねいたします。
  79. 谷公士

    政府委員谷公士君) 従来、規制金利時代におきましては、いわゆる民間においては護送船団方式といった金融行政が行われておりまして、その中で私ども郵便貯金は民間銀行に対して比較優位といいますか、そういうものを持つという面があったとは思います。  そういった中で、私どもとしましても、例えば昭和四十七年のゆうゆうローンの創設でございますとか、それから昭和五十三年の進学積立郵便貯金、現在は教育積立と申しておりますけれども、こういったものを創設する。あるいは、平成三年には国際ボランティア貯金をつくるといったことをやりまして、このことが民間における同種の商品の開発等の一つの動機といいますか、そういう契機となるというふうなこともございました。そういう意味で先導的な役割を果たしてまいったといわば自負をしております。  先生御指摘のように、いよいよ金融自由化時代を迎えようとしているわけでございまして、その中で、行革審におきます御検討におかれましてもトータルとしてのバランスをという御指摘もあり、大蔵省との間で、例えば金利につきましては民間の平均金利に準拠する方法をとるということをいたしております。  また、私どもは、サービスの基本的なあり方につきましては法律をもって定められるというふうなことになっております。そういう意味では、これから民間の金融機関の方々が自由になられまして、それぞれのお考えに基づいてサービスの内容、条件等をお決めになるということになるわけでございますけれども、しかしこういう自由化の趣旨は、それによって個人預金者の利益をということでございますので、私どもは私どもなりに民間の方々と切磋琢磨しながら個人預金者の方々の利益のために精いっぱい努力してまいりたいと考えております。
  80. 三重野栄子

    三重野栄子君 ぜひ期待してまいりたいと思います。  少し問題点がそれるかと思いますけれども、国際化の時代にふさわしく、生活者が手軽に海外援助に協力できるものとして国際ボランティア貯金が年々拡大していると聞いておりますけれども、その現状と、女性の自立に向けての援助活動についての特徴点をお伺いいたします。
  81. 谷公士

    政府委員谷公士君) 国際ボランティア貯金でございますけれども国民参加による草の根援助ということを推進することによりまして、平和で安定した国際社会の実現に貢献するということを目的として平成三年一月から実施をいたしておりまして、四年目を迎えたわけでございますが、おかげさまで千六百五十万人の国民方々の御加入をいただいておりまして、制度創設以来の配分金額は実に八十四億円に達しております。  これらのうち、例えば平成六年度について申しますと、約二十五億円の寄附金が百九十その民間の海外援助団体、いわゆるNGOが実施いたします二百六十五の援助事業を通じまして五十八の開発途上国の住民の福祉の向上に役立てられておるわけでございます。  このうち、特に先生御指摘の女性の方の自立を支援することを目的とする事業についての状況でございますけれども、例えば開発途上国に日本人のスタッフが赴きまして、女性の方々にミシンによる縫製技術の指導をする、これはバングラデシュの例でございますけれども、でありますとか、タイにおきまして養蚕の技術指導や伝統工芸品でございます陶器の製造技術の指導をいたしますとか、それから農村の女性を対象といたしまして野菜や果実栽培等の農業技術指導や識字教育、これはセネガルの例でございますが、を行うといったようなことがございまして、現在、二十一のNGOが三億一千六百四万円の寄附金の配分を受けまして、二十八の事業を展開中でございます。
  82. 三重野栄子

    三重野栄子君 それでは、また改革問題に質問を移しますが、大臣に二点ほどお伺いしたいというふうに思います。  時代の変化に対応した国民のための行政を実現する、そのための機構はどうあるべきかということについては見直しは常に必要であるというふうに思っております。そういう意味では、特殊法人の改革問題には積極的に取り組んでいかなければならないと思いますけれども、しかし銀行業などとの競合といった供給サイドに立ってその利益を擁護するような議論というのが現在ややもすると進められているように思うのでございますけれども、今行政改革として求められているものは、これまでの産業経済重視の行政システムを生活者の視点から見ますといささか私は懸念を持っているところであります。  官業は民業の補完と言われますけれども郵便局職員が額に汗して日ごろから地域の生活の輪の中に入って預かってきた貯金の運用について、高齢社会やあるいはネットワークの有効活用に向けて前向きの提案が郵政省として自由化時代においても必要であると思うんですけれども、その点どのようにお考えであるかというのが第一点です。  それから第二点といたしましては、そのような生活者の貯金というものを資金運用部に預けて大蔵省に任せたままにするのではなくて、地域の生活向上という観点で、地域に見える郵便貯金は今後どうあるべきか、郵便局国民や地域に直接公的資金による支援を行うということは考えられないだろうか、生活者の声を今後特殊法人改革に反映させてほしいと、そういう意味で思うわけです。大臣は現在のような改革論議をどのように受けとめられているかということが一点。  それからまた、郵便貯金の分割・民営の問題もまたぞろ出ているわけでございますけれども、この問題につきましては、昨年、行革審において既に結論が出ていると思うんですけれども、現時点でのこの分割・民営論に対してどのようにお考えであるか、お伺いいたします。
  83. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 今のお話最初のところから申し上げるんですけれども、特殊法人を何とか改革したい、私もそう思っているのでございますが、郵政省の場合、四つございまして、一つはNHKでございます。  昭和二十五年に放送法というものができた。郵政あるいは電電公社というのは私の出身の職場でもございますが、この二十五年にできた放送法を読んでみますと、不思議なことに法律の中に日本放送協会という文字が幾つか出てくるわけです。こんな法律は余りないんですね、法律の中に固有の公営企業というようなものが入ってくるというのは。放送法というのは放送業者全体を規律する法律ですからね。だから、そういう意味で技術的には大したことはないので、日本放送協会と書いてあるのを全部削ってしまえば放送法で云々ということはなくなるわけですから一般放送業者になってしまう。そうすると、NHKについて民放並みに物を考えられるかという問題があるんですね。  これは、皆さん御存じのように、決算も予算も全部委員会で議論しているわけでしょう。ここで議論しているNHKについてどこか別なところでこうだと言ったら、じゃ国会は一体どうするんだということなるという問題もございます。したがって、NHKについて、これをそれじゃ特殊法人に違いないんだから特殊法人でなくすことができるかと。それにはそれなりのやっぱり大きな立場から物を考える仕組みが要るだろうと思っておるんですよ。  二番目にKDDとNTTがございまして、NTTは、もう時間の関係があるから余計申し上げませんが、この四月から会社法附則二条に基づきましてあり方を検討することになって、来年の三月末までに結論を出す、こうなっているわけですから、これは棚に上がっているわけでして、我々が手をつける方法がない。そこで、KDDというのはどうしてもこれと絡むわけですから、これはいろいろありましたけれども、したがってKDDをここに持っていって一緒にひとつその中で検討してもらう、こういうことにしたわけです。  あとは簡保の事業団ですが、加入者の組織ですから、これはほかから何も入っていないんですから、そういう意味でこれはできないことはできないと申し上げるよりないというふうに考えているんです。  今のお話の財投ですけれども、私は、今財投を議論するとしたら簡単に議論できる筋合いじゃないんですよ。住宅金融公庫を一つつかまえても、来年度十兆九千億財投が入っている。これを、財投を別な方法になんといった日には、一遍でこれは景気浮揚の目玉であるものがこうなってしまう。中小企業金融公庫も二兆からの財投が入っている。道路公団も一兆四千億というように入っている。これを取り上げていったらとんでもないことになりますよ。  だから、この間、閣議でもいろんな議論がありましたけれども、次元が違うんだから財投は財投で時間をかけて検討をする、今は政府関係金融機関のあり方について三月までに何とかできる限りの努力をしていこうというふうになったということで、さてそこで、財投から詰めていくというと貯金にぶっかるわけです。  おっしゃるとおり、貯金はもう既に第三次行政改革推進審議会で結論が出ておりまして、この結論は、巨大化するという疑念があるんだから、したがって民間との業況をトータルでバランスを考えていくんだ、そして巨大化と言われる疑念を解消するように努力をするんだと。三年議論をしたんですから、それで九三年の十月二十七日に答申が出た中身がこれなんですから、そういう意味でこれはもう終わっている。きのう予算委員会で私も答えましたけれども、これはおしまいになっていると。これを超える議論あるいはこれを超える方針というのはちょっと我々としてはそこまでいく筋合いではない。三年かけて出した議論なんだ、政府が認めているんだからということでこれは割り切っていきたい。  それから、地方還元の問題はさっきちょっと貯金局長も答えておられますから、そこらもし再質問があれば、こっちからまた答えていただこうと思います。
  84. 三重野栄子

    三重野栄子君 質問の要点が悪かったようでございますので、まだありますけれども、時間の都合でこの点につきましてはやめさせていただきたいというふうに思います。  次には、阪神淡路大震災に関連をしてお伺いをいたします。  まず、郵政三事業の問題でございますが、午前中からずっと先生方の御質問の中にもお答えをいただいておりますのでそれぞれもう十分であるかとも思いますが、もしこれだけはということでつけ加えていただくものがあれば、郵便事業関係、例えば民間は引き受けないけれどもちゃんと郵便局配達をしているだとか、あるいは銀行も閉めているけれども貯金はちゃんとやっているとか、そういうものもございますし、印鑑がなくても証書がなくてもというような、そういう問題での貯金事業の場合とか、同じような簡保・年金事業の方もそのようなことでいろいろ御苦労されていると思います。それからまた、簡易保険福祉事業団の場合は施設をお持ちでございますから、そういう問題について救援だとか復旧活動にどのような御計画があるかということについて、それぞれのところから一言ずつで結構でございますが、つけ加えていたたくことかあれはお願いいたします、  まず郵便から。
  85. 加藤豊太郎

    政府委員加藤豊太郎君) 今もそうなんですけれども、私ども郵便配達で一番苦しんでいるのが避難所に避難されている方々への配達でございます。この避難所に避難されている方々がどこにだれが入っておられるかということを私どもも一生懸命になって把握しようとしていますけれども避難所から避難所へ移られる方もあるというふうなことで、それがなかなか十分把握できておらないというふうなことで現在も苦しんでおりますけれども、これへの配達をさらに強化するということがこれからの一番大きな問題ではないかというふうに思っております。
  86. 谷公士

    政府委員谷公士君) 幾つか施策がございますので、簡単に述べさせていただきます。  まず一つは、災害に伴いまして郵便貯金の通帳、印章をなくされる等された方々に対する支払いでございまして、御本人であることが確認できれば二十万円までは便宜のお支払いをするということにしておりまして、これにつきましては全局悉皆調査はできておりませんけれども、大きな局三十局の調査によりますと、現在まで約二千二百件で三億六千五百万円ぐらいのお支払いをしております。  それから、被災者を支援するため、関係の自治体や共同募金会、日本赤十字社あての義援金の無料のお取り扱いでございますけれども、全国の郵便局の窓口で受け付けまして、十五日現在でございますが、二百三十万件で三百三億円の義援金が集まっております。  そのほか、阪神淡路大震災が発生しました市町村の区域内に居住しておられる預金者の方が定期郵便貯金等を期間内に払い戻された場合、これは一般的に申しますといわゆるペナルティーといいますか期間内払い戻し利率が適用になるわけでございますけれども、預入時の約定利率を適用するということで、今、政令改正の取り運び中でございまして、間もなくこれが実施できるかと思います。  これらの措置のほか、通帳、キャッシュカード等をなくされました方の再発行、これを周知いたしまして、できる限り迅速に取り運ぶようにいたしております。  概略、以上でございます。
  87. 高木繁俊

    政府委員高木繁俊君) 簡易保険事業関係でございますが、大略、貯金事業と同じような感じでございますが、証書とか印鑑がない場合に便宜的に保険金をお支払いしたりあるいは貸付金をお支払いしたつ、こういうサービスを土曜、日曜も窓口をあけて職員全員頑張った、これが簡易保険事業関係でございます。  もう一つ簡保事業団関係でございますが、御承知のように、有馬と淡路という二つの保養センターが地元にございまして、当日から避難される方の避難先として活用されました。炊き出しをやったりあるいは入浴施設を開放したりということで、地元が一生懸命頑張ってくれました。さらに、それをバックアップするという意味で、全国のいろいろな施設から非常用の食料でありますとか毛布でありますとか寝具でありますとか、そういうものをたくさんまとめて集中して送って大いに使っていただいた、こういう活動でございます。
  88. 三重野栄子

    三重野栄子君 いろいろ御苦労のほどを伺いました。  いろいろニュースなどを見ますと、自衛隊が何をやったとか民間のボランティアが何をやったかというのは非常によく出てくるのですけれども、今、三事業で伺いました、午前中からの報告も含めまして、トータルとして官業であります皆さん方の御苦労というのは余りやっているなというふうには感じないので、すっと報道されておりますけれども、本当に皆さん方は大変御苦労いただいて被災者皆さんに対する御配慮があるということを伺うことができました。  次に、放送の問題について質問をいたします。  放送行政の観点から、放送法第六条の二によりますと、放送局は防災機関として位置づけられておりますが、この場合にNHKはもちろん民間放送業者においても、もう既にコマーシャルを抜いたり通常番組を変更したり、災害関係放送を行うなど大変努力をされておりますけれども郵政省としてはこういう指導監督と言うと間違えますけれども提言というか、この問題についてどのようなことを放送行政としてはなさいましたでしょうか、一言お伺いします。
  89. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) いろいろやっておりますので、ここでは簡潔に三点にまとめて御説明させていただきたいと存じます。  一つは、NHK、民放に対しても世の中のいろんな要望の声があります。例えば、この参議院逓信委員会の声、衆議院逓信委員会の声、あるいは世の中の識者の声、私たちにかかってくる電話の声などなどがございますが、そういう要望を合理的なものは全部NHK、民放その他に伝えて、そういうことをやってくれという要請をするということが一つございます。やってまいります。  二つ目のそれは、とにかく放送は十七日から十九日にすぐ復旧して流しましたが、それでも聞ける道具がなければいけません。そこで、急速メーカーその他の方にお願いしまして、二十五日には届きましたが、一万五千台のラジオを被災者皆さんに配ることができました。それから、NHKなどが中心になったりして被災所に四百数十台のテレビを据えつけたりなんかして、見られる状態をつくった、聞ける状態をつくったというのが大きな二つ目でございます。  三つ目で申しますと、これは二月十五日、きのうからでございますが、安否情報なり生活情報なりのよりきめ細かいダイレクトなというか直接情報をぼんぼん被災の皆さん方に届くように、丘庫県に対してみずから情報提供をするようにしないかということを当方から働きかけて、どういうふうにやろうかという段取りを立てながら、NHKの協力もいただきまして、ここでは臨時災害FM局というふうに言っておりますが、昨日からオープンするようにいたしました。それで、十二時から夜の八時まで八時間、安否情報その他をやる、生活情報を流すということで始めたところでございます。  そのほかもございますが、大きくこの三点を御報告させていただきたいと存じます。
  90. 三重野栄子

    三重野栄子君 それでは、NHKに三点ほどお伺いしたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。  まず、災害時の報道には大きく分けまして被害状況を伝える被害報道被災者のための情報を伝える安心報道の二つがあると思いますが、民間放送連盟の放送番組調査会がたまたま昨年の十一月二十五日に災害放送をテーマに開催されております。被災地向けの安心報道が重要という議論が行われたと伺っております。とかく被害報道に傾きやすい災害報道について、放送事業者がそのような議論をされたことは大変喜ばしいことでありますし、実際、今回の大地震では地元放送局でそのような活動があったと聞いております。  そこで、公共放送としてのNHKは災害対策基本法において指定公共機関に指定されておりますけれども国民もまた災害などの緊急のときにはまずNHKというふうに大変頼りにしています。  あの十七日の朝、私は逓信委員会委員派遣で出発する日になっておりましたので、五時半からNHKをつけておりましたところ、神戸局が自動の放送をされた第一番目からあれを見たんですけれども、初めにもこもこと起き上がっていくのは何だろうと思ったら、やはり夜中は仮眠の状態でああいうふうにああいうところで休んでおられるのだなということがうかがえて大変感動いたしました。  そこで、今回の阪神淡路大震災に際してどのような対応をされましたのか、NHK全体としての報道のあり方、基本的な考え方について、また生活情報とか安否情報等に工夫をされましたことについてお伺いいたします。
  91. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 今度の大震災に関しまして私ども報道は、まず一体何があの時点で起こっているのかということをどれだけ正確に早く把握できるかということが一つ。それから、だんだん規模がわかってきてからは、今度は最大余震ということを念頭に置きながら、二次災害にどうやって注意をしながら事実を伝えていったらいいのかということがございました。それから、やはり報道全体としては被災者側に軸足を置いた報道をしようということで、全体これまでそういう姿勢を貫いてきております。  当日は二十六時間、朝の連続ドラマ、相撲等々それぞれ中止したり移設いたしまして、二月十三日まで二百五十時間四十五分、地震関係震災関係報道をやっておりますが、被害の実態の報告を中心に、亡くなった方の名簿とか安否情報等々、知り得た段階で放送に乗せるというようなことをやってきております。  ただ、今被災者がどういうことを要求しているかということに重点を置いて、ライフラインの問題等いろいろやってまいりましたが、だんだん被害の実態、被災者の様子がわかってくるにつれて、先ほど御指摘ございましたような生活情報が大事だということで、生活情報に非常に力点を置いた、それもローカル、大阪を中心としたそういう放送にも比重を大分移してきております。これから、ライフラインの復旧状況、医療機関、それから法律等々の相談窓口、それから住宅関係等々についてもきめ細かな生活情報というものをお届けしたいというふうに思っております。これまで、二月十二日まで大阪中心に六十六時間余りの生活情報放送を行ってきております。  それから、安否情報というのを当日の十時半、災害状況が非常に大きいということと、大阪、東京等々になかなか連絡がとれないので消息を知りたいというような電話が参りまして、FM放送で全中という形で安否情報を始めました。教育テレビでも安否情報をやりましたけれども、実際は五万数千の問い合わせがあって三万数千の放送しかできませんでしたけれども、そういう面での工夫、あれほどの百万都市の大災害になった場合に、その規模の大きさ等々考えますと、安否情報ということをああいう形で行うことについての効果とか、どういう形でやったら一番いいのか、これからの問題だと思っております。  それから、聴覚障害者のためには手話ニュースの増設、それから視覚障害者の方には第二放送で「視覚障害者の皆さんへ」等々、目の不自由な方への情報提供を特集で行っております。  それから、外国人の方々への情報提供も、総合テレビ、衛星放送の副音声、これを利用してやったほか、十二の外国大使館等々の要請もございまして、七つの言語でラジオの第一放送で連絡先、ファクス番号等々随時放送したということでございます。
  92. 三重野栄子

    三重野栄子君 私はたまたま車の移動のときのラジオで聞いたんですけれども、中国の方は中国何々何々番号へと日本語で言っておられた。だから、そういうときは中国語で言っていただいた方が余り日本語に慣れていない中国の方には便利がよかったんじゃないかなというようにそのとき思いましたけれども、今伺いますと七つの言語でやっておられるということでございまして、大変よかったと思います。  なお、海外向けにはどのようなことがされましたでしょうか、その点簡単で結構でございますけれども
  93. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 国際放送では、日本放送で全部震災関係のニュースに切りかえ、英語放送もほとんど震災関係のニュースでやりました。それから、各言語における放送でも、アナウンサーを総動員いたしまして、各言語でニュースの時間等々で拡大して放送しておる。これが国際放送でございます。  それから、テレビ・ジャパン関係では、アメリカのテレビ・ジャパンでは八時十五分から総合テレビをそのままとりまして二十四時間放送を行っております。この映像は、アメリカの報道機関もそこから素材として利用したということがございます。それから、ヨーロッパのテレビ・ジャパンについても同様にほとんど震災関係のニュースを総合テレビそのままで流すというようなことをやっております。
  94. 三重野栄子

    三重野栄子君 最後に大臣に二つ、一つは決意をお伺いしたいということと、一つはお願いでございます。  まず一つは、先ほどからずっと伺いまして、郵政省に係るそれぞれの、郵政三事業、NHK、放送関係あるいは通信関係、さまざまなところで一生懸命、御自分たちの被災のことも顧みず、日夜を分かたず復旧それから復興のために御健闘なさっておられますから、そういう方々についての慰労も含めまして、一日も早く皆さんが平穏な暮らしになられますということの御健闘の決意をお伺いしたいのが一点でございます。  それからもう一点は、最近やはり心のケアといいましょうか、心の問題として第二次災害とも言われているわけでございますけれども、社会福祉法人の「いのちの電話」というのがございまして、全国にございますのを御存じと思いますけれども、特に二十四時間電話相談に応じているところの中に、フリーダイヤルといたしまして二十四時間無料で受け付けをされているところが四つございます。これは郵政省にお願いをいたしまして、二月三日から大阪と関西と播磨というところの「いのちの電話」、それから二月十三日からは神戸の「いのちの電話」が開設をされて、大変開設以来有効に活用されているというふうに伺っています。大阪では百七件、それから関西では百三十件というふうに伺っておるんですけれども、実はもう少し、京都の「いのちの電話」、それから奈良の「いのちの電話」にもこのようなフリーダイヤルを開いていただけないだろうかという現地の強い要請もございますが、その点の御努力をいただけますか。  その二つについてお伺いいたします。
  95. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 前段の、大変な御苦労をいただいている関係職員皆さん、御家族の皆さんなどなど、先ほど申し上げましたように、私も現地に参りまして被害状況をいろいろ見てまいりました。言葉ではあらわしがたい実は大変な状況だという実感をしみじみ持っております。それだけに、責任ある立場ということで、一日も早い被害復旧被災者皆さん救援、これはもう最大限やれることはみんなやるというつもりで閣内でも物を言っておりますし、また私どもの郵政内部でもそう申し上げているんですけれども、できることは全部やる、そういう実は気持ちで電気通信行政あるいは郵政事業各般について対策を講ずるように一生懸命やってまいりたい、こう思っております。  引き続き、被害復旧被災者救援に全力を尽くしながら、これはもう当然でございますが、急を要する復旧対策が資金面、制度面の制約で延び延びにならないように、必要な予算措置や法的措置、これも検討して、今政府全体としてやっておりますけれども、ここでもひとつ一生懸命やらせていただこうと思っております。  それから、二番目の御質問でございますが、大阪、関西、播磨、それぞれ「いのちの電話」、フリーダイヤルでおかけになる皆さんにボランティアでおこたえをするという非常に貴重な応答をしておられまして、大変喜んでおられるし感謝もされているということでございまして、これを京都、奈良などなどに広げられないかというお話のようでございまして、これはボランティア団体やNTTに呼びかけて、被災者電話相談窓口に電話する際の通話料を無料としていただく、こういうことでございましたが、現地でも喜ばれておりますので、御指摘の京都、奈良、「いのちの電話」ということでここに拡大をするということでNTTに対しまして前向きに取り組んでまいりたい、何とか実現するように努力したい、こういうふうに思っております。
  96. 三重野栄子

    三重野栄子君 よろしくお願いいたします。  質問を終わります。
  97. 中村鋭一

    中村鋭一君 私が最初にお尋ねしようと思っておりました点につきまして、ただいま三重野委員からお尋ねがございましたので、重複をいたしますから簡略にひとつ中村さん、お答えをいただきたい、こう思うんです。  今回、報道関係がこの阪神淡路大震災について果たした役割は本当にはかり知れぬほど大きなものであったと思います。その中にあって、NHKは本当に一生懸命報道をされた。その放送時間の総量を見ても実に敬服に値する活動ぶりであった、まずこのことを申し上げておきたい、こう思うのでございます。  やっぱり報道というのは、最初はどういう事件が起きたのか、その事実の報道から、徐々に日がたつに従いまして、例えば今回の場合で言うならば、なぜ起きたのか、どういうような規模のものであったのか、その地震そのものの分析、それから救援活動の実際、さらに政府の対策、現地の皆さんの立ち上がり方、そうして大きな被害が出た例えば交通のアクセスでありますとか、そういうものについて原因の分析と今後の対策等々、解説といいますか、そういうものに移行をしていく、こう思うのでございますが、現在のNHKとしては一番重点を置いて報道に当たっておられるのはどういう点でございますか。
  98. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 今、いろいろ御指摘いただきましたが、そのとおりだと思います。  ただ、現在私ども報道しております力点は、まず被災者方々が何をどう要求されておるのか、それが本当に実現できるのかどうか、実現できないとすれば何がネックになっているのか、そういうことに力点を置きつつ、次第に経済的な復興の問題、その復興が本当に百万人都市の、防災都市の再建ということとどういうふうに結びついていくのか、それから各自治体の防災の基準が今のままでいいのかどうか、そういうところに次第に力点を移していきたいというふうに思っております。  そういう観点から、「NHKスペシャル」等では毎月一本、「クローズアップ現代」でも毎週そういうものを取り上げていくという方針をとっております。
  99. 中村鋭一

    中村鋭一君 これも三重野さんが指摘をされたんですが、特に発生当日の十七日は、再三にわたってNHK神戸支局に置いてありましたカメラがとらえたあの生々しい映像がVTRで再現されました。百聞は一見にしかずといいますが、あの映像が今回の地震の規模や恐ろしさを如実に与えてくれたと思いますし、またあの場におられた支局の方が飛び起きて、歩くこともできない中でまず電話に飛びっこうとされておりました。  私も報道機関に長年おりましたので本当にあの気持ちがよくわかるんですけれども、とにかく電話に飛びつこうとしたあの記者魂といいますか、そういう点については本当に敬服をする次第でありますが、NHKはああいうカメラは全国の支局に置いておられるんですか。何台ぐらい置いておられて、どの場所に置かれて、あのカメラはどういう特性があるんでしょうか。
  100. 中村和夫

    参考人中村和夫君) スキップバックレコーダーというカメラでございまして、あの中にメモリーが入っておりまして、大体十秒前の映像からメモリーしているという装置が、私も詳しくないんですが、そういう装置が入っております。全局、五十三局に全部配置してございます。  たまたま近畿管内のスキップバックレコーダーは、全国にNHKが配備しているのは五秒前、五秒間のメモリーが入っているんですが、近畿管内は十秒のメモリーが入っていたということで十秒前から、地震で揺れると自動的に十秒前にさかのぼって収録を始めるということになっております。  これは地震に備えて配備したのでございますが、実際はいろいろな利用の仕方をしておりまして、例えばサッカーのキック、ゴールの映像を十秒前から見せるとか、野生動物の撮影のときに動物があらわれるのを待ってセンサーが感じたら十秒前から録画を始めるとか、そういういろいろなこれから使い方ができると思っております。
  101. 中村鋭一

    中村鋭一君 センサーが感じたら十秒前にという、その辺がどうも私もアマチュアでありますので、なぜセンサーが例えば鳥影を感知して、鳥影を感知する前には世の中何が起こるかわからないわけですから、それが十秒前にさかのぼるというのがもうひとつよくわからぬのですが、それ中村さん、説明できますか。
  102. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 難しいのでございますが、私も技術から教えていただいたんですが、十秒間のメモリーがあって、絶えず一秒ぐらいずつずれて消えていく、いつも十秒間のメモリーが入っているということで、テープレコーダーが回り出すと、その十秒前から録画が始まるというふうに聞いておりますが、それ以上詳しくはわかりません。
  103. 中村鋭一

    中村鋭一君 そういうすばらしい技術を開発しておられるのでありますから、どうですか、そういうノウハウを民放の皆さんにも明らかにされて、皆さんにお使いいただくというお考えはありませんか。
  104. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 民放さんもかなり使用されていると伺っております。
  105. 中村鋭一

    中村鋭一君 失礼を申し上げました。  これは本筋とは少し離れるかもわかりませんが、これも三重野さんがおっしゃいましたあの飛び起きた青年であります。私は後で素朴な疑問を感じたんですが、あの放送部のいわばいろいろな機材とか資料が置いてある雑然とした雰囲気の中で、どうも拝見したところあれはソファーで仮眠をしておられたと思うのでありますが、あのときはたまたまあの支局の方が仕事があってそのままソファーで仮眠をしておられたのか、それともあの日は宿直勤務で、一つのマニュアルとして宿直勤務者の中で一人は放送部のソファーで寝なさいということを命じておられるのか、その辺はいかがでございましょう。
  106. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 私も経験があるんですが、大体ああいう簡易ベッドで仮眠をする。まず電話のそばにいないと非常に不安で、警戒電話もかけられないということで、普通はああいうような様子で宿直をしております。  警察とかいろいろなところへの情報収集をすぐにやらなければなりませんので、あの映像で映っておりましたけれども、すぐ電話に飛びつきましたけれども、あの電話で彼は震度六ということを気象台から情報としてとりまして、まだ正式の画面には震度が出てこない段階でNHKの場合には六時の前に震度六ということを一度放送しましたが、それは彼が電話に飛びついて気象台に確認した、それがニュースソースになったわけでございます。
  107. 中村鋭一

    中村鋭一君 これは老婆心で申し上げることでありますが、私も長年報道機関におりまして、ああいう形の宿直勤務はしたことがあります。けれども、例えばあの節でも左から何か大きなものが倒れかかっておりましたが、だからそういうふうに考えますと、記者の人たちのやむにやまれぬ仕事に対する熱意からソファーで仮眠をするということもありましょうけれども一つのシステムとしてあのような形で宿直勤務を常態化することはお避けになっていただきたい。例えば、あそこに寝なければいけないのならばそういう危険のない環境をつくるとか、あるいはそういう勤務に従事している人たちの健康管理とか、そういうものをひとつお考えいただきたい、こう思う次第でございます。  きのう、おとといと二日間、私は神戸の現地に入りました。先日も二日間入りまして、延べ四日間、多くの皆さんにお会いをしていろいろな声を聞いてまいりました。  きのうお会いした方はたまたま在日韓国人の方でございましたけれども、おっしゃっておりましたのは、やはり今回の震災で朝鮮人、韓国人、日本人であるとを問わず本当にみんなが力を合わせて復興に向けて立ち上がることができたと。もう数知れぬそういった美談が生まれたと。西淀川からおすし屋さんが何百人前のおすしを握って長田区の韓国人の方が避難をしておられるところに慰問に来ていただいた、みんな涙を流しながらそれをいただいたと。本当の韓日親善といいますか日朝親善といいますか、また朝韓親善といいますか、そういうものが現地で生まれている、こういうことでありました。したがって、政治の対応もそういう皆さんに全く公平、平等に行われるのは当然であります。  神戸は国際都市でありますから、今申し上げました韓国人、朝鮮人以外にたくさんの国籍を有する方が住んでおられます。これも三重野さんが今言及をしておられましたが、きのう私はほかの外国人の方ともお会いをしましたら、この方はたまたま中国から来ていらっしゃる方でありますけれども日本語がまだ不自由なわけです。ですから、やはりあの節、情報提供が、特に十七、十八日に、被害を受けて電気は来ない、テレビは映らない、何にもわからない、そういう状況の中で言葉が通じないというので我々に対してもう本当に心細い思いをいたしましたと。これは陳情を受けたんですけれども、今後このような場合にはやはり我々にわかる言葉で具体的に、例えば今、領事館に行けば出国の手続を受け付けているとか、あるいは避難所はこことここにありますから行きなさいとか、そういう具体的な情報をぜひお願いしたい、こういうお話でございました。  そこで、今、中村参考人はラジオとかあるいはテレビの電波を使ってやりましたとおっしゃっておいででございますが、私は今回はやっぱりやや不足をしていたんじゃないかと思うんですね。ですから、今後このようなことがあった場合は、例えば中国語、スペイン語あるいはペルシャ語、イランの方からもたくさんお見えでございますので、そういった各国語による具体的な被災者のための情報提供を特にラジオを通じて、これは電気がとまりますからなかなかテレビは見るわけにまいりませんので、ラジオを通じて積極的にやるお気持ちがあるのかどうか、現にまたそういう研究を今していらっしゃるかどうか、その点についてお伺いをさせていただきます。
  108. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 今回もラジオで、十二の国の大使館等々の要請もございまして、要請は十二の大使館ですけれども、言語は七カ国語で、英語が主になりましたけれども、大使館の電話番号、それからファクス番号等々を放送いたしております。  それから、テレビででも画面でそれぞれの言語でここに連絡をするようにという映像を出しております。回数はしょっちゅうということではございませんが、サービスをしております。  御理解いただきたいのは、あれだけの大震災が起こりますと、御承知のことだと思いますが、まずどういう事態が起こっているのかということ、第一次情報の把握に全力をかける、それから安否情報とか外国人の方々への周知とか、それから視聴覚障害の方々への対応はどうしたらいいかとか、順々に考えていきますので、同時並行的に一遍にできるようなパワーも、波の使い分けを一遍に決めるというわけにもいきませんので段階的にやっていくわけですが、そういう条件の中で一体どれだけのサービスができるかということについてはこれからいろいろ研究してまいりたいというふうに思います。
  109. 中村鋭一

    中村鋭一君 中村参考人、ひとつこれは積極的に、今回はこのようにやりましたという報告だけじゃなくて、最後におっしゃいましたけれども、これからどのように我々はやるんだと。神戸のような国際都市でありますから、本当にたくさんの方がこういう災害に遭った場合は、大変な困難に遭っておられるわけですから、それはNHKにはNHKの事情もいろいろあるでしょうけれども、現実に例えばラジオの電波を使ってやる場合はどういうふうにしたらいいんだ、何カ国語でやればいいんだ、総放送時間はどれだけやればいいんだということをひとつ積極的に、被災者の立場に立って、外国人の立場に立ってお考えをいただきたい。心から要望をさせていただきたいと思います。  さて、今回、いわゆる報道そのものがやはりどうしても、特に十七、十八の両日は、甚大な被害を受けました神戸市、特に長田区でありますとか灘区でありますとか、こういうところに集中をした、こういう報道がなされております。特に、大火災を起こしました長田区のあの火事の映像は各社が集中をいたしまして、いっときはどのテレビ局の画面を見ても燃え盛る炎が映っている、こういう状況でありました。  これについていろんな声がありまして、一つには、例えば西宮市も芦屋市も大きな被害を受けたんだからこういうところの状況をしっかりと報道してもらいたかった、こういう声もありました。それからまた、例えば壊れた瓦れきの下で救いを求める声が聞こえていた、そこへ次から次へと報道関係のヘリコプターが飛んできたものですからその救いを求める声が聞き取りにくかった、こういうような声もございました。  このことはこの参議院の本会議でも取り上げられましたし、また本委員会で午前中には加藤委員もその点について言及をしておいででございました。私もこれは大変に難しい問題だと思います。  これは憲法二十一条に、言論、出版の自由はこれを保障するとございます。また、放送法でも、番組編成等々につきまして、何を取材対象に選び、どのような番組を編成し、それをどのようにこなすかは、これは全く郵政省といえども我々国会といえども介入したり制肘したり容喙をする筋合いのものではありません。しかし、ここにして出てきた今回のような大惨事の場合に、やはり人命救助ということを専一に考えるならば、一方で倫理的には人の命は地球よりも重いと言われているわけでありますから、その辺に何か整合する考えはないだろうか、こう思います。  まず、それにつきまして郵政大臣やあるいはNHK、また民放連からもお越しをいただいていると思いますので、その辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  110. 大出俊

    国務大臣大出俊君) お答えをいたします。  この件につきましては、今、中村さんお話しのように、参議院の本会議で西野さんから御質問ございました。実はこれをめぐって少し突っ込んだ相談もしたんですけれども、今お話があったとおり非常に難しい問題でございまして、私どもの出先機関についても苦情もたくさん来ているわけで、西野さんと同じお気持ちの苦情が。外国にはヘリを飛ばさない国もあるじゃないか、地震のときに。助けてくれという声がかき消されないようにという配慮である、にもかかわらずという御意見もあるわけでございます。  結果的に、この取材をなさる側のことも一つ考えておかにゃいかぬという気持ちがあのときに私にありまして、関西テレビのマニュアルを、あれは震度五以上Aとなっているんですけれども、あの中に非常にいいマニュアルが書いてある、できている。逆なでするようなことをしない、元気づけるような取材報道をするんだということまで極めて懇切に書いてあるんですね。だから、そういう取材をする側も極端なことを言えば命がけですから、その方々の気持ちもと思ったから私は本会議の席上で関西テレビのマニュアルを取り上げて、極めて懇切に書いてあると。問題は、今回のあの番組の取材に当たって、このマニュアルどおり行われていたかどうか。行われていないという面がいろいろあるから意見が出てくる、反論が出るということでもある。  したがって、郵政省として、放送行政局長の江川さんのところが所管ですけれども、いろんな会合をこれから震災対策でやっていくわけでございますから、当日からその関係皆さん問題点を提起して議論をして、振り返って反省もあるわけですから詰めてもらう、そして将来どうするかという詳細な結論をお互いに出し合う、その必要がある。一口に共同取材といったってなかなかそれは難しい問題でもございまして、そういう方針を立ててお答えをしたというのがあのときの事情なんです。  したがって、そのとおり今やってきておりますから、もう少し時間をかけていい結論が出るようにしたい、こう思っています。
  111. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 御指摘のように、救助活動の妨げにならないようにというのは我々も心がけているところでございます。新聞協会において定めた航空取材に関する方針というのを常に念頭に置いて我々取材をしております。  今回の場合を申しますと、今回に限らずNHKの場合には、運輸省航空局が定めたルールで飛行の最低高度を被災地建物の屋上から一千フィートとするように決めて、それで取材をしております。今回の場合は、一千フィートということではいろいろ風を巻き起こしたり、いろんなことをするかもしれないという配慮から一千二百フィートまで上げて取材をした、それから自衛隊機が救援活動で飛ぶルートについては一千五百フィートまで上げたという形で取材しております。  こういう取材が可能になったのも、カメラの防震装置ができまして、高い高度から望遠レンズでぶれないで撮影できるという装置をヘリコプターに常備いたしましたので、それで可能になったということで、いろいろ現場は工夫しております。  ただ、今回の報道でもいろいろな報道機関が、新聞、テレビを問わず、あれだけ大量の多角的で多様な報道を行ったということが見てくださる方々一つのメッセージをトータルとして与えたんだというふうに我々思っております。義援金が六百億近くも集まっているとか、やはりああいう多様で大量の情報提供がどういうメッセージを与えるのかということもこれ考えながら、自由な報道をやらないといけないのかなということも考えております。
  112. 氏家齊一郎

    参考人氏家齊一郎君) 今、大体NHKの中村さんがお話しくださいましたので、この報道の我々が考えている意味その他については御理解いただけたかと思いますが、我々はさらにそれにつけ加えまして、極めて海外でも今度の報道については非常に評価が我々の耳に高く入ってきております。これが非常に迅速に流れだということが世界的にこの地震に対する同情を非常に引いたという我々は確信を持って取材に当たっておるわけでございます。  さらにまた、社会心理学者の学説の中でこういうものがあるそうです。流言飛語が発生する必要にして十分なる条件は、まず国家的、民族的な大事件が発生すること、第二にそれに対する情報があいまいで的確性を欠くこと、この場合に必ず流言飛語が起こって大きな社会問題が出る。  我々のとりました今度の報道体制につきましては必ずしも万全と思っておりません。しかしながら、こういう意味で全く流言飛語が起き得なかったということは、あれだけ、言葉は悪いですが、しつこく災害地の情勢を皆様にお伝えした、そのことが流言飛語を起こさなかったということに非常に大きな役割を果たしたと私は確信しております。  さらに、私どもはラジオを加盟社に持っておりまして、地元の神戸で民放三社でございます、それから在阪で八社、大きな被害をいずれも受けましたけれども、一度も電波を絶やすことなく、国民の皆様の電波をお預かりしている電波放送業者といたしまして、その点で義務を怠ったことは全くなかったかとひそかに自負する次第でございます。  しかしながら、先ほど来のお話にありますように、ヘリ取材の問題で若干行き違いがあったということが言われております。私も出がけに調べてまいったところでございますけれども、当社及び当社の系列でございますNNNというのがございますが、その系列で四台ヘリコプターをいろいろな方面に導入したそうでございますが、これは大体において五百メートルを維持してやらせたということの報告を受けておりますし、それを担当したヘリコプター会社からもそういう報告を受けております。ヘリコプター会社に聞いてみますと、四百メートルから五百メートルになりますと騒音が地上の会話を途切らすということはほとんどないという返事を受けております、気象条件にもよると思いますが。  したがいまして、そういう意味被災地の方に迷惑をかけたとすれば、予期せぬ風のぐあいとかそういったことで起こり得たかもしれませんが、今考えられる科学的条件のもとではそういうことはなかったんじゃないかと少なくとも思っております。私どもの社がそうでございますし、今NHKさんの話を聞きますと、NHKさんもそういうふうにおっしゃっておりますから、民放の系列各社はすべてそういう良識あることで行ったと思います。したがいまして、この点については、御迷惑をおかけした点はあるかもしれませんが、それは故意ではない、全くの偶然がしからしめたところではないか。  さらに、新聞協会さんの加盟のところも大分飛ばしていられましたが、そちらの方がどういうふうな飛ばし方をしたかということは私は存じ上げません。私自身は読売新聞の出身でございますが、今そういうことは存じ上げないんです。ですから、これがどうなったかは私自身確信を持って言えませんが、恐らく常識的に同じようにやったと思います。ですから、この点については、御迷惑をおかけした点は極めて偶発的な、まことに申しわけない事態でございまして、意識的それから科学的には行っていないんじゃないかということが私としては確信を持ってお答えできるかと思います。  しかしながら、いろいろな問題点がございます。これはもう我々自身も慌ててやりましたので、これは中村委員もおっしゃっていましたけれども、私ども、私及び私のスタッフは何度も現地に行きましたけれども、それはそれは、心の中で社長である私が涙を流すほどみんなよくやっていましたよ。ですから、私自身としては、主体的な、主観的な情熱については頭を下げています。しかし、客観的、客体的に問題があったかもしれません。  その点につきましては、二月二十四日から民放連といたしましては全体の担当者を集めまして、この問題に対する反省会と、将来こういった問題が起こったときのリスクコントロール、クライシスコントロールをどうするかということ、先ほど来のお話報道の自由、表現の自由、こういった場合におけるリスクコントロールの効率的な報道の仕方というものとの兼ね合いの問題だと思います。その点について議論をさらに進めさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。  さらに、一言、蛇足ですがつけ加えさせていただきますと、大阪及び神戸の各社はこの問題でCMを自粛するとか、あるいはCMのタイムを全部削って放送したんです。そのために、一社当たり何億、何十億という損害が出ているんです。そういう点を考えましても、かねがねお願い申し上げている民放各社に対する事業税問題につきましては、こういう緊急のときの問題ということも兼ね合わせまして、ぜひひとつ委員の皆々様にはお考えいただきたい、ちょっと問題は違いますが、この席をおかりしましてお願い申し上げたい、こう思う次第でございます。  ありがとうございました。
  113. 中村鋭一

    中村鋭一君 氏家参考人、私は今回の民放の一連の取材が本当に大変よかった、皆さんの熱意には頭が下がる、そういう前提で申し上げているのであることは御理解をいただけると思います。最後の事業税はちょっとのけましてですね。  私がまさに申し上げたいのは、何遍も言いますが、憲法二十一条や放送法で保障された報道の自由、表現の自由、それから皆さん方の取材に当たってのやむにやまれぬ気持ち、真実を少しでもたくさん皆さんにお伝えしたい、その気持ちは十二分にわかるが、しかし一方で、あなたもおっしゃったクライシスコントロール、このことも考えておかないと、同様の事故が起きたときに、そのときに混乱があって、それで改めてまた、これでマスコミがどうだとかいうことになっても大変でございますから、いわば情報危機管理といいますか、そういうものを考えたらいかがですかという意味でお尋ねをした次第でございます。
  114. 氏家齊一郎

    参考人氏家齊一郎君) その点はまことにお説ごもっともでございまして、私どももクライシスコントロールにおける情報はどうすべきかということは当然国民全体として考えていくべき問題だと思っております。したがいまして、先ほどもちらっと触れましたけれども、この二月二十四日に担当者を集めて第一回の会合を開くのに引き続きまして、今後本格的な研究を自主的にやらせていただきたいと思っております。
  115. 中村鋭一

    中村鋭一君 そこで、これはもう全く私の私案でございます。お聞き捨ていただいても結構でありますが、参考にしていただければなおありがたい。  プロトタイプで本当に骨組みたけ、いわゆるスケルトンでありますが、私は、例えば全国を十一ブロックに分けて、そうしてその十一ブロックの中にあるテレビ局、ラジオ局がよく相談をなさいまして、今おっしゃったようなクライシスコントロールについて、例えば各社共同で一つのセンターをおつくりになる、プロジェクトチームをおつくりになりまして研究をされてはどうか。  その研究というのは、例えば具体的に言えば、仮に人口五十万人ぐらい以上ある大都市で震度五以上の地震が発生をした場合、ほかの例えは風水害とか火災等々と違いまして、地震の場合はまず発生の瞬間の時間が特定できるわけですね。しかも、場所が特定できる。こういう地震の特色がありますから、人口五十万以上ぐらいの都市で、しかも震源がその近辺に特定されて震度五以上の場合は、かねがねつくっておられるクライシスコントロールセンターといいますか、こういうところが発動をいたしまして、そのコントロールセンターのもとにあります、例えば取材スタッフは何人か、出動するカメラは何台か、使用される車両は何台か、ヘリコプターは何台飛んで高度はどれ以下にはおりないのか、そういうことが自動的に出動態勢になる。  それが常にまず何よりも人命を尊重するという初動救難態勢の妨げにならないということを念頭に置いた出動が共同でなされまして、例えば二十四時間経過後、あるいは初動の救難態勢が一段落した時点でこの初動態勢の危機管理センターによる共同集中取材を解除いたしまして、後は各社全く自由な競争裏にありますところの取材体制に返るというような点についてもひとつ参考として御研究をいただければ大変ありがたい、こう考える次第でございます。  いろいろ問題はあると思いますけれども、例えば一例としてはこういうことも考えられるのではないか、こう思いますが、重ねて一言つ御答弁をお願い申し上げます。
  116. 中村和夫

    参考人中村和夫君) 検討に値する案だと思いますが、段階的にできるところからやっていくというのが一応現実的かと思います。我々報道の現場で働いている者は、初動の第一報をどこが伝えるかというのが一つの勝負になっていますから、そういうところがあれほどの震災になりますと、それぞれ独自の視点でどういう取材をするかということが常に念頭にありますから、そういうこととの兼ね合いとか、ただ御指摘いただきましたように、もし東京みたいな一千万都市で、安否情報にしても五万数千件の問い合わせが寄せられて三万ぐらいしか消化できないということを考えますと、別な意味での、例えばラジオで区域を分担してみるとか、そういう何か実現可能なところからやっていったらいいんじゃないかなというふうに考えております。
  117. 氏家齊一郎

    参考人氏家齊一郎君) 一つの注目に値する御提案だと思いますので、私どももこの二十四日から始まる金その他を通じまして検討させていただきます。
  118. 中村鋭一

    中村鋭一君 私申し上げたように、例えば震度五とか都市直下型であるとか、それは条件はいろいろありますけれども、御研究をいただければ結構であります。  くれぐれも申し上げますが、私もマスコミにあった一員として、中村さん今おっしゃったように、こういう事件が発生したら一報をどこがとるか。私がデスクだって、おまえ他社に負けたら二度と再び帰ってくるなぐらいのことは言っていたわけですから。それはあって、なおかつこのような御提案を申し上げたというのは、今回の大震災が余りにもその衝撃が大きく、そしてそのことが報道との兼ね合いにおいて、もし、もしですよ、助かるべき命がそのことのゆえに助かっていないとすれば、今度はそのことについて多少の配慮というものはあってもいいんじゃないか、そういう意味で言っているのでありますから、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。  NTTにお伺いしますが、今回随分現地の電話回線が混乱をしました。私も朝から神戸の友達や知人にかけたんですが、西宮、宝塚、芦屋市はかかったところもありますが、神戸市はほとんど全くつながりませんでしたが、どういう状況だったんですか。
  119. 高島秀行

    参考人高島秀行君) 今回の阪神大震災によりまして電気通信サービスもこの被害を免れることはできませんで、電気通信設備の被害とともに過去の災害のいずれをも上回る電話のふくそう、混雑という事態に直面をいたしたわけでございます。  先生御指摘電話がつながらなかった、ふくそうということになろうかと思いますが、神戸にはピーク時には通常の二十倍から五十倍といった通話量が殺到いたしまして、今回阪神地域に集中しました通話量は、いわば通常日の全国の市外通話量といいましょうか、県間を流れております通話量の合計が神戸地域に殺到したというような状況でありまして、現下の交換機の仕組み上、総量的にこれを通すことは困難な状況でありました。したがいまして、そういった先生御指摘状況が生じたものと、御迷惑をおかけしたものと認識しております。
  120. 中村鋭一

    中村鋭一君 新聞報道によれば、家庭の電話だけじゃなくて、この電話はだめだから今こそ役に立つだろうと思っていた携帯電話が丸三日間はほとんど役に立たなかったと。携帯電話を持っている人はこれだから役に立つと思ってかけたのにかからないと。何日もかからない。はぐらかされたような気持ちがしただろうと思うんですが、これはどこに理由があって、現実はどういう状況だったんでしょうか。
  121. 高島秀行

    参考人高島秀行君) 携帯電話の通話に関しましては、総論的に申し上げるならば、被災地の現地におきましては有線の加入者ケーブルが相当被災した中で通話を確保し、また移動しながら通話ができるという本来のメリットが活用されて大変に有効であったというふうに認識しております。  ただし、通信ネットワーク全体として見ますならば、発着信とも携帯電話によって行うという使用形態はまれでございまして、少なくとも固定電話と接続をして御使用されることが多いわけでございまして、神戸地域外から神戸地域への通話に関しましては甚だ利用しにくかったということは確かでございます。  多少話がややこしくなりますので、ちょっと図面で御説明させていただきます。(図表掲示)他社の事例はわかりませんが、NTTドコモという私どもの関連会社に関して申し上げますと、今回の地震により神戸市内のドコモの設備は若干被災はいたしましたが、大したことはなく、サービス上は支障を与えておりません。また、被災日直後から郵政省さんの御要望、御要請をいただきまして七百台の携帯電話を兵庫県災害対策本部等に御提供をいたしましたが、救援活動に非常に有効に御利用いただいたと伺っております。  したがいまして、この一のパターン、被災地神戸からの携帯電話の発信は、相手が大阪であれ東京であれ、固定電話であれ携帯電話であれ、比較的よく通っていたというふうに認識しております。  もう一つのパターンでありますが、今度は被災地の外から神戸に携帯電話を持っておられる方への通話、すなわちこれで言いますとだいだい色の通話の流れ、経路でございますが、こういったものに関しましては、このだいだい色のパターンでありますが、ピーク時には平常時の七倍ぐらいになりましたので、アバウトに申し上げると二回に一回ぐらいつながったかなという感じの通りやすさ、通りにくさかげんであっただろうと思います。まあ三角ぐらいかなということでございます。  しかしながら、東京、大阪等の被災地外の携帯電話のお客様、この緑の線でございますが、こういったところからのお客様が被災地への固定電話にかけようとなさいますと、これはこの固定網を通ります関係一般の通話のふくそうという事態等に巻き込まれまして非常にかかりにくい事態が発生していたというふうに予想されます。したがって、三のパターンといいますのは、大阪とか東京で携帯電話をお持ちの方々神戸の固定電話へおかけになる場合にはやはり相当かかりづらかったなというように認識をしております。  したがって、大変説明がったなくて恐縮だったのでございますが、こんな場合場合でかかりやすかった印象をお持ちの方、かかりにくかった印象をお持ちの方、さまざま生じているのかなというように考えております。
  122. 中村鋭一

    中村鋭一君 たまたまこの新聞記事の印象で言いますと、もうすべての携帯電話が三日ほどは機能しなかった、それは今の説明でよくわかりまして、特に被災地から被災地でないところへは比較的かかっていた、こういうことであります。これは不幸中の幸いといいますか、少し安心もしたわけであります。  ただ、結局、こういう事故がありますと、それはやっぱり市民の方が頼りになるのは、一番本当に最小の情報伝達手段というのはやっぱり携帯電話だと思うんですね。テレビよりもラジオよりもパソコンよりも、やっぱり携帯電話ですよ。それが確実につながって、今おまえのところはどうなっているんだ、うちはこうだと、そういう情報交換が大切なわけでありますから、今後は、もちろん有線の各家庭の電話も含めて、このような事故が起きましたときには今回のようなつながりにくさが、私は技術的なことはわかりませんけれども、こういうことでパニックが起こらないように、NTTにおかれては今後ともひとつ大いに研究をされまして、例えば壊れるような中継器であれば壊れないようなものにすると、ごく単純に言えば。そのような万全の対策を可及的速やかに講じていただくように心からお願いをしておきたい、こう思います。  今度は大臣、それは大臣の立場からすれば、政府の一員の立場からすれば官邸はちゃんとやったとおっしゃるんでしょう。我々の立場からすれば、どうも今度は官邸に初動の立ち上がりにあいまいさや立ちおくれがあったんじゃないか、こう思います。    〔委員長退席、理事大森昭君着席〕  その点で、私は村山総理にも残念だと言わざるを得ないと申し上げたんですが、その大きな原因は、官邸の一つの機能といいますかシステムといいますか、そういうものもありましょうけれども、官邸そのものに情報が集中するようなシステムが確立をしていなかったんじゃないかなとも私は思うんです。  そこで、ひとつこれからは、できれば官邸があるいは官邸にかわるこういった対策本部といいますか、そういうものがあれば、事故発生と同時にあらゆる情報が警察や消防や地方自治体やそういうところから全く往復ともに有機的に集中するようなシステムを構築する必要がある、こう思います。大臣、これをやるのはやはり郵政省だと思いますが、現に研究中でありますか、ありとすればどういう方向で今対策を練っておられますか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
  123. 大出俊

    国務大臣大出俊君) これはもう村山総理自身が何十遍か委員会などでお答えをしているところでございまして、要するに今日までの、つまり地震発生以前までの危機管理というもの、集中しているのは国土庁でございまして、防災局は三十人ぐらいしかいないわけでございますから、しかも夜はどうなっていたかというと民間委託の形で一人もいないというわけですね、翌日の出勤時間まで。    〔理事大森昭君退席、委員長着席〕  ですから、起こったらアラームみたいなものが鳴って、それで委託されていた人が非常呼集をかける。そして出てきて、それからという仕事なんですね、国土庁というのは。ですから、五時四十六分という時間帯ですから、まさに委託した人しかいないわけでございまして、委託された方が地震が発生したということがわかって非常呼集をかけたと。それで出てくるということですから、それからさあどうするかでしょう。  ところが、総理の方は逆にテレビを見て気がついて、すぐ秘書官に連絡をとって、情報をすぐとれ、あらゆる情報を集めてくれと。その先は国土庁になっているわけですから、そこから先は国土庁の非常呼集で出てきた人が連絡をとってきたものを官邸に入れたということなんですよ。  ですから、これは官邸の中も、総理は公邸にいますから、総理が公邸に行って寝てしまうとだれもいないんだよと、私に本人が。その前にも、こんなことがある前ですよ、そういう状況でしたから、だから官邸の中も総理がぽつんと一人あそこに泊まっているということになってしまうわけですよ、夜は。そういう状況なんですよ。  だから、これはやっぱり根本的な問題がありますから、緊急対策ということで、閣議あるいは閣議後、出席閣僚からいろんな意見を出し合いまして、緊急対策を立てようと。きょう起こってもあした起こってもいいようにしようということで緊急対策、二十四時間体制をとる、国土庁も官邸も切りかえたんですよ、そういうふうに。それで、国土庁だけに限定しないで、あらゆるところの情報を全部官邸に引き込む、そういう体制をつくり上げることになりまして、それで出発させましたから、当面の緊急措置でございますが。  それで、後でこれは、つまりこれからのいろんな要素がございますから、改めてこれは全体的にどうするかということになるわけですが、当面、もうあした起こってもきょう起こってもいいようにというんで、今申し上げたような緊急体制をとったという状況でございます。
  124. 中村鋭一

    中村鋭一君 よくわかりました、それは。  私が今頭の中にあるのは、技術的なことはわかりませんが、例えば官邸に巨大なパネルがあって、それがもう衛星から有線から無線から使って全部ランプで図示されていて、事故があって、そこへもう総理なり対策本部長がどんと座ったら、そのパネルに今どこから電話が入ってどういう状況だというようなのが出てきて、もし被害がありとすれば、そのパネルに火災何件発生とか死者数何人とかいうのがぱっぱっと出て、そういう状況が把握できるような技術的な科学的なコントロールセンターのようなものの構築はいかがでございますか聞いたつもりなんですが、そういう点、どうですかね。
  125. 大出俊

    国務大臣大出俊君) これは私のところの立場というよりは、やっぱり今緊急対策を立てるんでいろいろスタッフをそろえてやっている中から出てくる案だと思うんですけれども、今のお話は、KDDに参りますと、網管理システムというのがありまして、通信網を管理するシステム、こんな大きな部屋にもう世界各国二百三十三カ国の通信網が全部できていて、アフガニスタンに年間五回しか通信はないんだけれども民間の通信会社と接続してきちっとネットが組まれている、世界的に。  だから、例のイラク問題のときでも、十五条の郵政大臣の命令権がございますからすぐKDDが動けるということになるんですが、そういうやっぱり全体的に見たシステムづくりをしなければどうにもならぬということを私は言っているんですよ。  ただ、緊急二十四時間体制に切りかえておいて、今のお話のようなことをやるのには時間がかかりますから、切りかえて、いつ起こってもいいように当面はしたということなんです。ですから、今のお話は十分私も相談の中に入れまして、検討してみたいと思います。
  126. 中村鋭一

    中村鋭一君 ひとつよろしくお願いいたします。  時間が参りました。  今度、郵便の送達でありますが、これも朝から委員お尋ねであったと思いますが、例えば被災地皆さんは親しい人からの自分の手で書いた見舞いの手紙一通がどれほどうれしいだろうかと思います。電話も通じないような状況の中で、避難所にいて、配達の人が、はい持ってまいりましたと手渡してくれた、これは本当にうれしい。郵政三事業といいますけれども大臣もそれは経験があるかもわかりませんが、配達の方が心の込もった直筆の手紙を持ってドア・ツー・ドアで来て本人にしっかり手渡す、これはやっぱり郵政の根幹といいますか、人の心と心をつなぐかけ橋、これが手紙であります。  それが今回は随分滞った。しかし、その点において涙ぐましい努力を郵政職員の方はされたと思いますが、その点について、滞留の現状はどうであったか、どのように解消していったか、どのように活躍をしたか、小包も含めてひとつ簡単に教えていただきたいと思います。
  127. 加藤豊太郎

    政府委員加藤豊太郎君) 対策だとか現状だとかいうふうなことにつきまして御報告をさせていただきますけれども被災者あて郵便物につきましては、この地域の区分運送のセンターになりますところの神戸中央郵便局が御存じのように非常に大きな被害を受けたわけでありますので、その区分運送の機能を当面の間大阪の方に移しまして、新大阪郵便局それから大阪小包郵便局に被災の日の一月十七日から動かしております。そしてその結果、現地の速達配達につきましては一月二十日以降、それから通常配達につきましては一月三十一日以降完全に、十分ではありませんけれども、ほぼ平常時のような形で執行できておるというふうな状態にございます。  この時期には、先生今御指摘がありましたように、安否通信も非常に多いわけですし、また受験関係郵便物が非常に大きく出回っている時期でありますので、これを早いところ届けなきゃいかぬというふうなことから、運送関係につきましては緊急車両に私どもの運送便を指定してもらいました。それから、全国から運転手、車両をここに集めまして、増強して対策を講じていたところであります。  先ほど御指摘避難所でございますけれども、これにつきましては、避難先が不明の方々につきましては避難先郵便局に届けていただくように呼びかけまして、それでその提出いただきましたところの転居届につきましては速達扱いで配達局に送りまして、その配達局に郵便物を転送いたしまして配達にかけるというふうなことだとか、それからそれをやってもなかなか避難先だとか転居先が把握できない方々には、郵便局郵便物を保管していますよというふうなことを郵便局とそれから避難所に掲出いたしまして、お申し出いただいたときに郵便局の窓口で交付するというふうなやり方をしつつあるわけです。それでもまだなかなか配達できないというふうなものにつきましては、今までは郵便局に七日間とめ置くことにしていたわけですけれども、現在二十日間に延長いたしまして、それでも郵便局に来られない方につきましてはやむを得ず差出人に戻すというふうな措置をせざるを得ないというふうな状況にございます。  いずれにしましても、こういうふうなやり方をしまして、手紙、はがき等を受取人に届けるために最大限の努力を払っているところであります。  先生、もう一つ小包についてお話がありましたけれども小包につきましては、大量の小包救助用の災害対策本部あて無料小包であったわけですけれども、これを五十七万個ほど引き受けました。当初非常に滞りまして、全国の郵便局で二十万を超える小包を抱えたこともあるんですけれども、おかげさまで現在九割を超えるものが既に配達されておりまして、五十三万個を既に配達をしております。  こんなことで、現在は一部避難所あて配達につきまして苦慮しているわけですけれども、そのほかは平常に戻りつつあるというふうなことで御報告させていただきます。
  128. 中村鋭一

    中村鋭一君 大臣、今回郵政職員が一生懸命やったことについて、これは他の委員もおっしゃっておりましたが、ひとつ本当によくやったと、労を多とする声をかけていただきますようくれぐれもお願いをしておきたいと思います。  終わります。
  129. 粟森喬

    粟森喬君 今回の阪神淡路大震災における対策マニュアルあるいは教訓のようなものは今までかなり出されていました。私の方からは特に郵政省にかかわる今後の復旧対策、お金にかかわる問題を幾つかちょっとお尋ねを申し上げたい、こういうふうに思います。  今回の阪神淡路大震災における郵政省の行政管轄に入るところの被害といいますと、一つは電気通信関係がございます。それから、郵政の局舎ども相当やられております。それから、緊急ないろんな体制をつくるための人件費なども相当あります。それから、テレビやラジオや報道各社の施設が壊れたとか、いろんな問題が現実に内在しております。したがって、復旧対策のマニュアルにいろいろ論点がありますが、今後はこの復旧にかかわる費用をどうするかということが私は大きな問題だろうと思います。  電気通信関係で申し上げると、これはほとんどNTTでございますが、ほかの電気通信事業者もおられます。被害を受けたのは大体三百億ぐらいだけれども、いざ復旧するとなると七百五十億から八百億かかる。それは新しい耐震構造にするとか被害を最小限にするためにループ式にやるとか、いろいろなことが言われておるわけでございますが、この費用でございますが、例えばテレビ、ラジオの報道各社のそういう損害はだれが持つのかといったら原則は会社ということなんで、今度の場合は全部それぞれの各社が自己負担をするということを原則に郵政省はお考えでしょうか。
  130. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 電気通信関係のことについて、まずお答えを申し上げたいというふうに思います。  今回のこういう災害が起きまして、第一種電気通信事業者あるいは第二種電気通信事業者という方々被害あるいは復興状況について状況把握あるいは御要望を伺ったりしているところでありますが、そういった中で、今私どもが電気通信事業者の復旧あるいは復興ということについてこれまで把握しているところでは、約一千億円を超す多額の資金を要するという見込みになってございます。もちろん先生御指摘のありましたとおり、NTTにあっては七百五十億という数字が寄せられております。私ども、電気通信関係につきましては、電力、ガス、水道と同様に地域住民に欠かせない生活インフラでございますので、その早期復旧復興に全力を図っていくということが必要だというふうに考えております。  郵政省としましては、今後、被災事業者の復旧復興が速やかに行われますよう、被害状況、緊急性等を勘案しまして、例えば超低利融資でありますとかあるいは税制改正等、こういった支援措置につきまして財政当局にも働きかけを行うなどして対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  131. 粟森喬

    粟森喬君 財政支援ということが原則ですね。それぞれの事業者負担ということのようでございます。  私は、政府の災害復旧に対する基本的な考え方というのは、社会資本というのは公的な責任を原則にするのだと思いますが、その公というのは事業者を指すという場合もあると思うんです。私有財産はもう個人負担ということになります。  しかし、今回の場合、一つの例示で申しわけございませんが、例えば個人の民家が壊れた、これは復旧するときにまず取り除かなきゃいかぬわけですね。当初の段階は、早い人は自分で業者を頼んできてそれを取り除いた。しかし、とてもじゃないがそれもできないということがありまして、まず基本的に私有財産の撤去の部分はひとつ公的に見ようではないか。これ私は今度の災害復旧にかかわる被害の激甚、甚大さで、やっぱり基本的な見方を変えてきたと思います。  今度の場合、例えば電力やガスも大変でございます。もう一つは公共交通網、これも被害総額が三千五百億円と聞いております。  きのうたしか日経にも出ておりましたが、私も前に運輸委員会に所属したことがあるので知っておるわけでございますが、JRも民間になりましたら災害が起きても原則自己負担です。ところが、北九州で起きました平成二年の豪雨被害でJRの豊肥線が崩壊をいたしました。被害総額が約五十億と言われました。一円のもうけどころか、赤字になるかどうかというJR九州でございますから、何とかしてくれという要望もございまして、結論として、当時のことで言うと鉄道軌道整備法というのがございまして、ここで補助をいたしました。国が六億八千八百万出しています。県が同額出しております。これは、今から低利融資事業をやるとかどうとかというのは個別、間接的な問題でございます。運輸省の公共交通網に関してはそういう法体系としての整備があるわけです。  そういう意味で言うと、郵政省の関連法に非常災害対策における財政補助をする制度が全くないというのは本当にいいのかどうか。何となく当面のことを言っていますが、例えば今NTTの問題一つ考えても一年分の利益に相当する分で、これ一回ぐらいなら何とかなるんですよ。じゃ、ことしもう一つ起きたらどうするんですか。そのときになったら考えますというのは泥縄で、危機管理体制があるというのは、その種のことが起きたときにもう既に法があり体制があって、あとは金をどうするかということ、についてはお互い議論せにゃいかぬけれども、そういうことを一つ一つつくるのが私は危機管理体制ではないかと思っておるんです。  今、そんな意味郵政省はそういう法として根拠となるものを持っているのか持っていないのか、持っていないとすれば今後どうするのか。単に金目の問題じゃなく、私は法体系の問題を含めて、そこの見解をお尋ね申し上げたいと思います。
  132. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 先生御指摘のとおり、鉄道整備法があるような意味での電気通信事業についてそのような復旧等に支援できる法体系というのは現在ございません。  過去の経過等々もあったことかと思いますが、電電公社というような国の体系でやってきたというようなこともあったというふうに思います。六十年に切りかわりまして、民営化する、自由化するときには、ある意味でいうとNTTの特殊会社を除きますと全くの民間会社が入ってくるということになったという経過もあろうかと思います。  ただ、今御指摘のありましたとおり、通信というのは社会資本という位置づけになっているということについては多くの方々の御理解を賜れる時期でもないかというふうに思います。そういった意味合いにおきまして、今までですと必ずしも鉄道と同じ、あるいはもっと言いますと電力等と同じような扱いてない部分が幾つかございます。  そういったことについて、私どもとしましては、今回の経験も踏まえまして、今先生御指摘のような点、率直に申し上げますと法律をつくるというふうに申し上げましても、もちろんその裏づけになるという観点から政府内部で財政当局等との折衝が出てまいります。そういった観点がありますので、私どもとしてはそういう働きを行うということを考えながら対策を進めてまいりたいというふうに思っております。
  133. 粟森喬

    粟森喬君 郵政大臣、これは私は郵政省の管轄だけじゃなく、すべての省庁にかかわる問題でございますから、ぜひとも閣議でも問題を出し合って、やっぱり法として災害に強い国家をつくるという意味でぜひともこれから御配慮願いたい、こういうふうに思います。
  134. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 先般、閣議並びに閣議後の閣僚懇などもございまして、問題の焦点は、粟森さん、神戸の港を上がっていったら外貿埠頭がある。外貿埠頭公団というのは本来は公団ですから国が出せたわけです。これ民間に切り離しちゃったわけですから、その意味ではおっしゃるとおり原則自己負担になる。しかし、これ何とかしなきゃしょうがないじゃないかと、どうにもならないわけだから。  さて、それに手をつけると、JRどうするかと。JRもあれだけの被害ですからね。そうすると、これは切り離して民間にしたんだからと言っていられるかと。外貿埠頭をやるんだったらJRもやらなきゃならぬじゃないかと。JRを何とかするとなったら、今度は民鉄どうするんだと、民鉄は。阪急なんというのはやらざるを得ぬじゃないかと。そうなると、電気、ガスをどうするんだということになると、これもやらなきゃいかぬじゃないかと、そうなれば。そうすると通信というのは一体どうするんだと、それならば。  というところで私は物を言っておりまして、やるんだったら、まずその外貿埠頭、JR、ガス、電気、水道はいろいろ考え方がありますけれども、ガス、電気、そして民鉄。そうなると通信、ここまでやっぱり広げて特別立法をつくらなければ筋は通らぬじゃないかという議論を私自身もしておりまして、これは継続して、特別立法という今話が出てきていますけれども、そこらをどういうふうに扱うかは、詰めた議論を私もその気でやりたいと思っているんです。  以上です。
  135. 粟森喬

    粟森喬君 今、大臣言われましたが、鉄道はやっておるんですよ。予算の要求をするということで八鉄道に八百億円。これはさっき言った法律があるから予算要求できるんです。郵政省はそういう関連法はないでしょうということを言っておるんで、ぜひともそういう意味では考えていただきたいと思います。  次に、私の方から全く別の問題で、郵便貯金の自主運用にかかわる問題について御意見と見解を求めたいと思います。  いわゆる自由化対策のためにということで、郵便貯金の、今たしか二百兆近いんだと思いますが、そのうちの、平成八年末に四十兆五千億になるんですか、自主運用させていただくというふうになっているところでございます。  その経過を私の方で多少調べさせていただいたわけですが、これを見ますと、昭和六十二年度から始めまして、平成五年度までのそれぞれの利ざやといいますか、利差といいますか、これが約〇・一二です。ですから、二百兆に案分をすると〇・一ぐらいの、どうなんですか、〇・〇一%ですか、〇・一%の利息を稼いたような感じに私はなるのではないかと。  ただ、この自主運用をこれからも、八年までは決まっていますが、八年以降はどうするかとか決まっていませんが、どうしていくのかということについて少し郵政省が、九年度のことですから考えていないというのはわかるんですが、私は郵便貯金も簡保も年金も今後とも事業運営としてこのまま続けていくべきだと。その続けていくときの一つの大義名分といいますか大事な柱は、財投融資にこの資金が回っているということが非常に大きな柱だと思うんです。もう一つは、少額でも利息をちゃんと払いますよといっているというのが大きな大義名分だと思うんです。  ところが、自主運用がふえるというのは、結局財投融資の一部が自主運用に回れば回るほどその大義名分の一部がなくなるんではないか。これがますますふえればふえるほど、そんな郵便貯金というのは果たしていいのかという話に私はなりかねない問題だと。まして利ざやを、今まで見た限りではこの程度の利ざやを稼いだということでこれを続けるというのは果たして本当にいいのかどうか。そういう意味で、現状郵政省としてそのことをどうお考えなのか、まずお尋ねをしたいと思います。
  136. 谷公士

    政府委員谷公士君) 先生御指摘のとおり、昭和六十二年度、二兆円で出発いたしましてから逐年その額を増額してまいりまして、現在、本年度末でほぼ三十兆、御指摘のように、二年後には四十兆一千五百億円を予定しております。現在決まっておりますのはここまででございまして、その後のことはおっしゃるとおりまだ決まっておらないわけでございます。  この金額は、トータルの中で申しますと十数%に当たるわけでございまして、この運用益でございますが、自由化時代を迎えまして資金全体としてのできる限りの効率性を、先生御指摘のように、財投という公的な支出に協力することを主とする中で確保していくという仕組みでございます。  この利ざやといいますか利益でございますけれども、すべて一たん郵便貯金は資金運用部に入れました上で同じ利率で借り出すという形をとっておりまして、この自由化対策資金が生んでおります利益はそれにプラスした分の利益ということになるわけでございます。この金額は、平成五年度の決算ベースで申しますと、始まりましてからまだ日は浅いわけでございますけれども、累計で二千五百二十七億円になっております。それだけのプラス分を稼いでいるということにはなるわけでございます。  それでは、これからどうするかということでございますけれども、御指摘のように、これから新たな社会資本の充実の必要性も言われておるわけでございまして、また財投の問題もいろいろ議論されておりますけれども、そういった中、そういった財政投融資のあり方、その中における私どもの役割、そういうことを一方で踏まえながら郵貯としての経営の効率性の確保ということをあわせて考えていかなきゃなりません。その際に、これまでの自由化対策資金の成果も踏まえまして検討していく必要があると思っております。  そういうことで、お答えになりませんけれども、現時点では明確にどうだということまで結論を出すに至っておりません。
  137. 粟森喬

    粟森喬君 この数字の運用状況の経過を見ますと、利差もだんだんと狭まってきています。平均では〇・三五でございますが、かなり利差が縮まっているというのは、運用メリットも金額にすれば二千五百億円でございますが、多額な金をそういう運用をする、ほかの方法も含めて考えると。  特に、所信でいわゆる外国債を買うためのリスクヘッジをやるというんです。話を聞いておるとなるほどなと思うんですけれども、そこまで郵便貯金事業の運用でやるべきなのかどうかも含めて、特に私は今いろんなお金の問題で言うと、先ほども申し上げたように、電気通信事業だけでなしに放送事業も含めて、これから物を建てるときには耐震構造をかなりちゃんとしたものにするとか、直下型にも耐えられるようにするということはコストがかかるんですよ。そのコストがかかるときに、できるだけ事業者に低利の金をお貸しして、そしてそれで事業もよくなる、社会も安定をしていく、こういうシステムのときにこの種の投資をやることの是非論というのは、私はあえて余りここで皆さんも結論を持ってないのにどうだこうだと言いませんが、ここにはやっぱりある程度の節度を持ってやらないといけないんではないか、そんな思いがあります。  また議論する機会があるかと思いますが、多少の見解をいただいて、私の質問をこれで終わります。
  138. 谷公士

    政府委員谷公士君) 御指摘のように、自由化対策資金そのものの規模を全体の中でどのように持っていくかということは多角的に慎重に考えていくべきものだと思っております。  そのようにして決定されました自由化対策資金の中でどの程度を外国債に運用するかという問題でございますけれども、これにつきましては、国際的に分散投資をすることによりまして保有資産全体のリスク分散が図れるということが一点。それから、国内債に比べまして外国債は高い利子収入が得られるというようなことがございまして、そういう観点から外国債への運用を行っております。  しかし、この運用に当たりましては、為替の動向それから内外の金利差、カントリーリスク等いろいろあるわけでございますので、そういったことを十分考慮して慎重に運用していかなければならないと考えております。
  139. 粟森喬

    粟森喬君 終わります。
  140. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 中尾でございます。  質問に入ります前に、このたび阪神淡路大震災で犠牲となられた多くの方々そして御遺族の方々に対して衷心より御冥福あるいは哀悼の意を表したいと思います。また、今なお避難生活を余儀なくされている方あるいはけがをされた方にも心からお見舞い申し上げたいと思います。  私も、去る一月二十六日と二十七日の両日、参議院の災害対策特別委員会のメンバーとして現地を調査してまいりました。その惨状を見て、私の予想をはるかに絶するありさまを見まして、改めて災害時における通信システムの大事さ、そういう問題を突きつけられたなと思いました。  さて、今回の大震災では、御承知のとおり、地震発生直後から行政機関の災害情報システムは混乱しておったということがたびたび指摘されているところであります。きょう、各委員の先生たちからいろいろこういう問題について御質問ありましたけれども、一部重複するのを御了解していただきまして、私も質問通告どおり御質問申し上げたいと思います。  まず第一点でございますけれども、緊急情報伝達システムの構築がこれまでもたびたび叫ばれてまいりました。去る一昨年、北海道南西沖地震、これは奥尻島の惨事でございますけれども、私も現地に参りまして、あの津波警報の遅さについて再三再四各委員会指摘してまいったところでございます。それで、今回の大震災を改めて目の当たりにしますと、こういう通信システムの主たる官庁である郵政省の役割がなかなか見えてこない。一昨日もいろいろ郵政の方々の今回の震災対策を見ましたら大変なことをやっていらっしゃるんです。ところが、先ほどどなたか委員の方が指摘されたように、何かおとなしいといいますか、特に防災システム、通信システムに対してもっと表に出ていいんではないかと私は思います。  それで、まず大臣に伺いますけれども、マルチメディア元年とことしは言われております。あるいは通信衛星システムなど積極的に郵政省が取り組んでおられるわけでございますけれども、この大震災を教訓にして、郵政省がもっとリーダーシップをとって、一元化とは言いませんけれども、そういった郵政省の顔が見える行政というものに私は期待しておるんですが、その点について大臣の所感を求めたいと思います。
  141. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 実はなかなか見えないというお話、きょう三回ぐらい委員皆さんから承るんですけれども、これは鉄道が、つまりJRがああいう状況になったというようなこと、あるいは道路がこういうことになって開通がいつになるのかというようなこと、鉄道の方は運輸ですし、道路の方は建設です。そういうふうに、今度は仮設と、こうなるとこれまた公団がかんでいますから建設とかいうことになります。それで今度は中小企業に対してはいかにこれをどういう金でということになりますから通産と、こうなります。  ですから、おっしゃる点は確かにそういう面がありますけれども、私どもの方もいち早く手を打ちまして、大阪に十五カ所、神戸に十三カ所ある郵政の持っている土地、これを提供してひとつ仮設を建ててもらおうじゃないかという話から始めて、これが実はとっさに新聞報道されたりしまして、官邸に集まってくれというので集まって、郵政省並みに各省の持っている土地を全部出し合おう、各省が持っている施設を全部出そうということになっていったわけですから、そういう意味ではやれることは随分やってきているんです。しかし、今お話しのように、そういう意味では地味なのかもしれません。今後ともやることはやっぱりきちっとやった上で言うことは言おうと思っております。  今お話しのように、一番大きな問題は、大変な金をかけて、八十二億七千七百万円かかっているんですから、兵庫県の防災無線というのは。これは自治省と郵政省の共管でございますから、だから、先ほど来お話がございますように、百六十三の局があるわけでございますから、センター局の県庁も機能していれば恐らく今回も相当早く情報が全部入っていたと思うんです。ですから、まずここから手をつけまして、審査をする立場は郵政省でございますから、そういうところできちっと今回の地震の教訓に沿った形で万全を期すということで進めてまいりたい、こう思っております。
  142. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 今、大臣から、本来であれば緊急通信用に導入した最も頼りになるはずの丘庫県の地域衛星通信ネットワーク、この設置方法のずさんさ、冷却水の設置場所が五十メートルも離れたところにあった、その点についてちょっと、自治省いらっしゃっていますね、まず聞きたいんですが、これは通信衛星スーパーバードBを使って、これ今二十都県が導入して、東京それから富山、兵庫は非常に早いんです。三番目にした割にはこの設置が非常にずさんだと。大体五十メートルもパイプを通したら揺れたらどうなるかというのは素人でもわかるわけです。しかも、これについて八十一億円を投入しているんです。  今後、やっぱりこれを導入して、これはたしか双方向性でやっていると思うんですが、災害時あるいは行政通信にいろいろ使っているのは知っておりますけれども、これについて自治省、これは責任ありますよ。どう思われていますか。
  143. 堀内和成

    説明員(堀内和成君) お答え申し上げます。  ただいまお話がございましたように、地域衛星通信ネットワークの兵庫県の地球局は百六十三局あるわけでございますが、このうち五局について一時的に機能を停止する等の事態に立ち至ったわけでございますが、残りの百五十八局につきましては一応正常に機能していたということでございます。  県庁局あるいは西宮局とか五局につきましての停止の原因は、アンテナのずれとか、先ほど来お話がございます自家発電装置の不備といいますか障害により停止しているところでございますけれども、現在は正常に機能しております。いずれにしましても、このような事態が生じたということにつきましては大変残念だというふうに思っております。  そういったことから、災害時における通信手段としての衛星通信利用した広報というものの重要性というものは改めて認識されているのではないかと思いますので、早急に施設の点検あるいは維持管理の徹底等を図るよう指導してまいりたいというふうに考えております。
  144. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 ちょっと時間がないので早くやっていただけますか。  計画中は十三と聞いておりますけれども、今の話では、それらについて、既存の残りの二十のうち十九都県のチェックをやるということですか。そして十三についても、指導と言ったら変ですけれども、やるということですか。やるかやらないかだけで結構です。
  145. 堀内和成

    説明員(堀内和成君) 兵庫県の発生原因については既に調査をしておりまして、それの教訓といいますか原因を踏まえまして、その他の十九県、兵庫県も含めて二十県ですが、そこには既にこういった原因で壊れているのでということで点検等を行うよう通知をしておるところでございます。  また、現在整備とかそれから計画をしているのが十二道府県でございますけれども、これらについても同様に、今回の震災の教訓を踏まえましてさらに点検を行うよう指導してまいりたいというふうに考えております。
  146. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 先ほど五十嵐局長からもお話があったので、これはやっぱり設置のときには防災行政無線局の免許等審査基準なんかがあると一応、どっちがどっちだというんじゃないですけれども、これはやっぱり認可するときには、「無線設備は、原則として停電等商用電源が断となった場合その他地震等の非常災害時においてもその機能を十分に確保できるものであること。」というのは、これは審査基準の免許の許可条件になっているものですから、先ほどお答えいただきましたので、郵政省の方もひとつよろしくお願いします。  続いて、今回の震災では民間の企業が独自の通信衛星システムを持って大変活躍したわけです。流通あるいは建設あるいは大手のコンピューター会社等々、従業員の安否に使ったり、いろいろやっていらっしゃった。こうした通信手段は民間はかなりいろいろなノウハウを持っているということはもう既に御承知だと思いますけれども、このノウハウをどう取り入れて、あるいは中には随分郵政省がいち早く協力を要請したMCA無線、マルチチャンネル・アクセスについても私は大変結構なことだと思うんですが、官民融合と言ったら変ですけれども、その協力について今後どのようにやられていくのか、ちょっと御説明願いたいと思います。
  147. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 衛星が今回の災害に当たりまして大変有効な役割を果たしたということで、今御指摘をいただきましたように、例えば大手スーパーというような会社で社内の通信としてこれを採用して、一時の停電時期がちょっとあったということはありますけれども、衛星通信を使って対応ということを大変速やかにやったという実例もございます。  そういった意味で私ども、本日も申し上げてまいりましたが、大地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会というのを今やっております。そういった中におきまして、民間のこういうノウハウにつきましてもいろいろ伺って進めてまいりたい。もちろんこの研究会にも衛星通信事業者の方も入っておりますので、そういった意味で、そういった方々の御意見、体験も取り入れながらやってまいりたいというふうに思っております。  MCAにつきましても、今回これも民間の方々の御協力をいただいたということでありますが、移動無線ということでこれを無償で提供していただいて、今これが千台を超える状態になっておりますが、これが例えば自治体でありますとか公益事業者の通信として大変有効に使われております。  そういった意味で、衛星あるいは移動体通信、MCA、こういったものがこういう非常災害に大変役に立つということで、今後の対応、今回は民間の方々の御協力をいただいて無償供与ということでお願いしてまいりましたが、国のとるべき措置としては、こういうことについても一定の体制をとるべきではないかというふうに考えておりまして、今政府内部でこれを詰めているところでございます。
  148. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 このMCA無線、業務用無線というのは昔はよく混線したんですけれども、今はコンピューター制御になっていまして大変混線しないようになった、こういったこともぜひとも今回対策委員会の中でも検討いただければと思います。  続いて、先ほども御質問ありましたけれども、ミニFM局の設置についてでございます。  きのうもニュースを見ていまして、正午から、名前がFM796フェニックスということで、これは初めての試みというふうに聞きました。先ほどの質疑の中にもありましたけれども、テレビ、ラジオ等の頑張りは、元同業者として私も本当に頑張っているなと思っていましたが、当時三十万人を超える被災民あるいは避難場所、こんなことはだれも予想できないわけです。とにかく、マスメディアだけじゃなくて、いわゆるミニコミ情報として私はこのミニFMの設置というのは大変英断だったろうと思うんですが、もっと早くできればなおよかったのではないか。  先ほどの話では、どうも兵庫県庁が混乱していて、私は二月十三日に兵庫県庁から要請を受けて免許を出したと思ったんですが、いろいろ郵政省の話を聞きますと、かなり地震発生から早い段階でこの対策を打っていたと。  それから、京都でITUの会議があって、たまたま周波数の調査がなされていたというような偶然も重なったというふうに伺っておりますけれども、ただこの周波数の確保、例えば神戸と限らないで東京で起こる場合、あきの周波数はどうなのか。それから、ハードだけじゃなくてソフトの問題をどうするか。それについて今後の対策、ぜひともこれを契機にいろいろなマニュアルをつくったらどうかと私は思うんですが、ひとつお答え願いたいと思います。
  149. 江川晃正

    政府委員(江川晃正君) このミニFMといいますか、FM796フェニックスをきのう開局したことについて、もっと早くという声が確かにございました。ただ、きょうここで申し上げさせていただきたいのは、基本的には我々頑張ってきのうになったということで御理解いただきたいと思うんです。  というのは、まず発生直後直ちにこれをやろうと考えましたが、用意するのは周波数と機械とスタッフと、それからどこからどうやって、金はだれが持つんだと。それからNHKの協力をいただかなければならない。そういうことを並行的に考えて、かつだれにやってもらうかということで、結論的にはやっぱり被災をしょって立っている対策本部を持つところだなということで丘庫県にということで、それで交渉するということなどなどがありまして、結論的に一月の末に兵庫県もやりましょうということになった。それで、後はだっと走ってきのうになったということで、もっとこれは早くできればよかったと考えております。  そこで、二つ目の問いでございますが、そういう意味ではもっと事前にこの程度のものが、今度みたいな京都のITUがたまたまあったという話ではなくて、絶えずできるような準備をしておいたらどうかという御質問かと思います。  私たちもそのことは確かにあり得る今後の災害対策の柱の一つだと思います。それを、じゃ、どうやって具体的に周波数を確保していくのか、機械の確保、人間の確保等ありますから、それをどうするのかということは予算とも絡んでまいりますから、組み立てを検討していきたいと考えております。  一つだけ申し上げますと、もう一つコミュニティーFMというのがございまして、五つの周波数をもう既に出しております。小さな市町村単位でどんどんできる人はやってくれと言っておりますが、これをうまく今から使っていって市町村等をうまくはめ込んでいったら、ふだんの仕事でFMをやりながら、いざというときにそれが緊急に変わるというようなこともできるのではないかということも考えておりまして、今までこういう説明は話の中には出ておりませんが、そういったことも含めて対策検討をしていきたいと考えております。
  150. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 本当に、災い転じて福となすと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、こうした多くの犠牲者の霊にこたえるためにも、そういった対策をぜひとも今から立てていただきたい。特に、東京なんかのことを考えていると、意外と足元をすくわれて、その周辺対策といいますか都市の周辺対策。ただ、出力が一ワットからできるというふうに聞いていまして、今規制緩和で三ワットから十ワット。今回の三百ワット、かなり広範囲に及ぶというふうに聞いておりまして、そこら辺は柔軟に放送のエリアみたいな対策を立てていただきたいなと思います。  それから、スタッフ確保についても、自衛隊で言えば退役された方というので、これは勝手に言っちゃうんですが、そういう技術者がたくさんいらっしゃるわけですから、そういう方のボランティア制度みたいなことも一案かなと。これは私の勝手な案でございますけれども、ひとつどうぞよろしくお願いします。  もう時間もないんですが、続いてパソコン通信、これがやっぱり大変活躍したということを伺っております。  ボランティアネットワークで被災直後何日かからパソコン情報システムをつくって、避難所状況それから安否情報等々のデータを打ち込んでかなり問い合わせに答えたというようなことを聞いております。もちろん、みんなが共有できるということと、放送と違って一過性でなくて、アクセスというんですか、守住先生が言っていた日本語で言えというのなら情報に接近、検索、獲得できるというようなことになろうかと思うんですが、そういったいろいろな機能を持っておると思うんです。こうしたパソコン通信の有効性を今後どう取り込んでいくのか、これも大きな課題だと思いますけれども、一言お答え願います。
  151. 五十嵐三津雄

    政府委員五十嵐三津雄君) 今回の災害に当たりまして、パソコンは大変役に立つという情報が私どもにも入りまして、ある意味で言いますと我々にとって新しいメディアでありました。特に、情報個人ベースで打ち込んでいただけるというところがあったものですから、これを有効に活用しようということで、私どもとしては初めての試みでございましたが、パソコン通信ボランティアネットワークと称していますけれども、避難した場所におられる避難者の方の所在を尋ねてくるというようなことにつきまして、それをパソコン掲示板に掲示するということでやることにいたしました。  情報収集がなかなか難しいのでありますが、現在やっておりますのは、郵便はがき避難所にずっと置きまして、それに初めから一〇五−三〇という郵便番号がついておりまして、黙っていてもパソコンの打ち込みをやってもらえるテレコムサービス協会に入るということで、まずその情報を集めるということをやっております。  今回、そういうことで、避難した場所でどこにおられるかということをメーンにやっておりますが、これからデータ処理とか検索が非常に容易にできるパソコン通信というのはいろんな意味で使えるのではないかというふうに考えておりまして、今、日本電子メール協議会の活動、ここを通じましていろいろその普及方をやっておりますが、今後とも災害時におきましてこの活用方策についてはじっくり検討をしてまいりたいというふうに思っております。
  152. 中尾則幸

    ○中尾則幸君 大臣に最後に聞きたかったのですけれども、全国に今二万四千カ所ある郵便局を何とかパーソナル災害情報センターの役割を果たせないかということを本当はお伺いしたかったんですが、時間が参りましたので、改めて次回に伺いたいと思います。
  153. 大出俊

    国務大臣大出俊君) じゃ、一言だけ申し上げます。  二万四千ございますから、最近P−SATもどんどんふえていますから受発信の基地になり得ると思っておりますので、今の御趣旨に従いまして一生懸命やっていきたい、こう思っております。  一言だけお答えいたします。
  154. 河本英典

    ○河本英典君 河本でございます。  いよいよ最後になりましたが、きょうは朝からまじめに聞かせていただきました。地震お話、私も質問を少しさせていただこうと思いまして準備したのでございますけれども、ほぼ出尽くしまして、答えも聞かせていただきましたので、取りまとめて短く終わらせていただきたいと思います。  私は滋賀県でございまして、今回の地震、実はあの当日、十七日は環境特別委員会の視察で静岡の方へ出かけるつもりでございました。実はあの日、揺れで飛び起きた者の一人でございまして、被災者ではございませんけれども、大変な揺れ方の異常さに驚いたわけでございます。実は、その被害のひどさといいますのは昼前ごろになってからテレビを通じてわかったというような状況でございまして、本当にテレビの放送にそういった意味ではお世話になったわけでございます。  また、神戸、西宮方面に知人がたくさんおりますので、これはしばらくたってからでございますけれども、安否を気遣いまして、一番いい方法は郵便かなということでお見舞いの手紙を出して、家がつぶれておったら着かぬでしょうから、手紙が返ってこなかったら何とか返事が来るだろうということで百通ほど出させてもらったわけでございます。  また、地震直後の通信でございますけれども、これは身内の者との連絡がございましたけれども、大阪はもちろんあの日は全く県外、よそからつながりませんでした。京都、滋賀でもつながりが悪かったようで、そのときにお世話になったのが携帯電話でございまして、本当にそういった意味放送、郵便、それから電話にお世話になったわけでございます。  今回のそういった震災のインパクトというのは私なりにまた強烈に受けたわけでございまして、その悲惨さの現況であるとか復旧については、きょう朝からずっとお話にあったとおりでございます。  私なりの一つのこの地震の教訓、反省といいますか、とらえ方というのは、首都圏は東海地震があるということで大変な心配がされておったので防災対策というのは比較的よかったわけでございますけれども、関西といいますのは、変な言い方かもしれませんけれども、昔から王城の地と言いまして、平安京であるとか平城京であるとか近江京であるとかいうことで、もともと災害の少ない土地であるということで変な安心がございまして、そういった意味で大変油断があったというふうに思うわけでございます。  また、神戸地震の起こったベルト地帯をずっと延長しますと我々が住んでおったところにつながっておりますので、本当に助かったなというのが実感でございまして、ひとつ間違えばこっちも被災者であったなということを思いますと、これは、もちろん文明科学の世の中でございますので科学的な部分も大切でございますけれども、本当に神様に助けてもらったんだなというような感じさえ持つわけでございます。  そう思いますと、自然と人類というものを考えますと、人類は自然を克服することが文明であるというふうに信じてここまで来たわけでございますし、また、神戸の都会といいますか、そういった文明が集中しておりますし、大変な高層ビルがあるといった、そういったことを思いますと、人類はそういった意味で少しはおごりがあったのかなという気がいたします。  災害も決して地震だけしゃなしに、さっき守住先生からもお話がございましたように、いろんな多様な災害があるわけでございます。そういったことで、地震という切り口だけじゃなしに、災害というものについてこれから我々は考えていかなきゃいかぬという教訓をこの震災から学ばなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。  特に気がつきましたことは、やはり社会、国家として危機管理システムが欠落しておったのではないか。ある意味では組織であるとかシステムのあり方ということも大切でございますけれども、先ほど言いました油断しておったというような意味で我々はちょっと平和ぼけといいますか、今までどおりに日常が送れるんだというふうに思っておったわけでございますけれども、起こらないことが起こったということでございます。本当にそういったための危機管理システムでございます。それが今、政治的にも行政にもすべての面で問われているものでございます。  きょうは逓信委員会でございますので、その辺をこうだったんだという言いわけじゃなしに、私は、本当に郵政大臣としてのこれからの危機管理システムというものに取り組む姿勢というものと決意を聞かせていただきまして、簡単でございますけれども質問を終わりたいと思います。
  155. 大出俊

    国務大臣大出俊君) 先ほども中村鋭一先生からもいろいろ御質問、御指摘がございましたが、根本的な対策がどうしても必要であるというふうに考えております。  まず、今回の大震災におきまして、NTTなどの公衆網や兵庫県などの防災行政無線が被害を受けましたが、これを機にいたしましてより災害に強い通信ネットワークを構築していくことはもちろんでございますが、それに加えて、被災時の通信確保に対する危機管理体制重要性を改めて認識いたしました。  先ほど来、五十嵐局長からも申し上げておりますが、既に今回の経験を踏まえて携帯電話や衛星地球局などの通信設備の備蓄による迅速な提供について検討を進めているところでございます。  さらに、非常災害時において、国の各機関が保有する通信システムや公衆網などを統一的に運用する、管理する、そういう機能のあり方などについても検討を進めているところでございます。  今後、現在開催しております大地震対応通信ネットワーク体制に関する検討会、今やっているところでございますが、この意見を踏まえながら関係機関とも十分に相談しつつ、適切な対応を進めていきたい。官邸を中心にいたしましてプロジェクトもつくっておりますから、この結果は、先ほど中村先生からも御指摘がいろいろございましたが、その緊急対策プロジェクトなる官邸を中心にしてやっておりますところへも大きく反映をさせる努力をしたい、こういうふうに思っておるところでございます。  以上、お答えをいたします。
  156. 河本英典

    ○河本英典君 そういうことをお願いいたします。  それでは最後に、やはり復興の現場に行った多くの人の話を聞きますと、もちろん先ほどからもお話がございますように、郵政関係職員の皆様方、いろんな皆様方、行政の皆さん方の御尽力というのは大変なものだと思うわけでございますけれども、非常に印象的だった話には、やはり民間の方々が非常に頑張っていたということとリーダーシップの問題、これは先ほど民間会社の話がございましたですけれども、一糸乱れずリーダーシップのもとに一つの行動をするということが非常に今は大切ではないかと思うわけでございます。  国家として、それから地方自治体として、そしてまた郵政省として、リーダーシップということでそういった対応をしていただくということが一番今日本で欠けているんではないかというふうに思うわけでございます。仕組み、組織、システム、そんなことはつくればできることなんですけれども、そういう危機に臨んでのリーダーシップというもの、これは日常から心がけないとできないことでございますので、その辺をよろしくお願いする次第でございます。  終わります。
  157. 山田健一

    委員長山田健一君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十八分散会