○片上公人君 兵庫の震災のことでございますけれ
ども、現在もなおかつ約八百以上の避難所で八万数千の人がまだ非常に不自由な生活をしておるわけでございます。そういう中で、
政府としてはあらゆる手を本当にどんどん打っていただいて感謝いたしておるわけでございますけれ
ども、
現実には、現場におきましてはまだまだそういう避難所におる一人一人の方にはその恩恵といいますか、そういうのがまだ来ていないと、そういう
思いの人がいっぱいおるわけでございます。
ちょうど震災二カ月ということで、三月十六日に
地元紙ではアンケートをとりました。一カ月目に一回とり、二カ月目にとった。その中を見ますと、世帯主の半数が仕事に
影響して、収入も半分以下の家庭が四割に近いと。
また、第一回目のアンケートと二回員のアンケートでは、比べますと将来への不安がさらに強まっておる。例えば仮設住宅の希望では、前回は、大変厳しい問題を抱えておるけれ
ども「住み慣れた場所から離れたくない」、「転校して子
どもがなじめるか不安」だとか、そういう声が多くて、ほとんどの人が同一市町区内へ居住を望んでいたけれ
ども、今回の
調査では、約三分の一の人が仮設住宅について「当選すればどこでもよい」というふうに答えるようになってきたと。あきらめの表情が出ておると。
また、仕事の再開につきましても、前回は「見通したたず」という人が約四分の一だった。それに対しまして今回は、自宅待機や解雇、倒産などで見通しが立たなくなって収入のめどがつかないという人が三分の一とふえておる、このようなアンケートの数字が載っております。
その中の言葉でもいろんな声が出ておりまして、仮設への入居につきましては、例えば遠いところの仮設へ行くと定期代がかかって困るとか、六十歳の無職の女性は「自分の土地に仮設住宅を建ててほしい」とか、あるいは避難所では「せき
一つするのも気を使う。一刻も早く」入れてほしいとか、等々出ております。
また、世帯の収入につきましては、三割弱の人が収入ゼロになっておる。そして、店舗兼住居が倒壊、夫婦でやっていた店や
事業ができなくなった、そういうケースが多くて、当面の生活
資金確保や
事業再建のために就職先を探す人もおるけれ
ども、ある人は、手に職はあるけれ
ども年齢が高くていい仕事が見つからないとか、年齢のこともあって簡単には銀行は
融資してくれないとか、いろんな声が出ております。アパートを
経営しておった六十歳の女性も、アパートが倒れて全く収入がなくなってどう生きていいかわからないというような声も出ております。
あるいは当面の生活の問題では、六十九歳の西宮の男性ですけれ
ども、「高齢で借金もできない」と、あるいはある人はマンションを解約して敷金を生計に充てたいとか、あるいは住宅ローン関係では、もう御存じのように「年額二百万円のローンが二十年間残っている。一月建ての家は直せば住めるが、住宅購入のローンに加えて、修理する余力がない」という公務員の男性四十五歳の声。
また、あるいは仕事を「再開しても以前通り客が来るか」どうか心配だとか、「仮設に当たるまで仕事も探せない。それまでは貯金を崩すしかない」とか、あるいはボーナスがだめだしどうしたらいいかわからないとか、「借金して
事業を立て直すべきか、転業したほうがいいのか、迷っている一と。
さらには、雇用
対策、
融資制度につきましてもいろいろ悩みの声を出しております。そして、「低金利の
融資が多いのはいいが、手続きを簡素に」してもらわぬとどうしようもないとか、「住宅建築
資金の
融資条件が厳しい」とか、なかなか現場では将来に不安を持ちながら生活しておる。
そして、三月十八日の新聞にも「零細業者ピンチ」という見出しで出しております。
これは神戸とか兵庫県が中心になってつくった緊急災害復旧
資金についての記事でございますけれ
ども、例えば、「長田区の男性四十八歳は、
経営していた靴加工下請け工場が全壊した。以前に同業者の保証人となったことがあったが、業者が廃業に追い込まれ、現在代理弁済中。「無担保無保証なんて、と半信半疑だったがやっぱりだめ。こんな時だからと頼んだが、自分の負債もあり保証協会の保証は無理だろう、と言われた」」と。
また、神戸の「中央区の飲食店
経営者は「借金があるので、
融資には担保や保証人が必要と言われた。保証人になるような余裕のある人がどこにいるのか。復旧
融資とは名ばかり」」だと怒っておる人もおる。
また、金融
制度につきましても、行けば運転
資金ですか、設備
資金ですかと聞かれた、これは飲食店の
経営者ですが。「設備なら見積書が、加えて建物なら建築確認通知が必要となる。「運転
資金です」と答えると「店が壊れたのにどうして運転
資金が必要なのか」と突っ込まれた、といい、「正真言って欲しいのは生活
資金。早く一息つきたい」」、このような声が実際あふれておるわけでございます。
確かに何とかしたいと
思いますけれ
ども、今までの通常的な
対策ではどうしようもない。しかも、いろんな
施策をやっているけれ
ども周知徹底もされ切っていない面もあるんではないか、そのようなことを
思いますけれ
ども、このような市民の声に対しまして
大臣の感想を一言。